JP7270213B2 - アーチ鉄筋の組立方法 - Google Patents

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Description

本発明はトンネルの覆工に係るアーチ鉄筋の組立方法に関し、高い施工性とトンネルの水密性を両立可能なアーチ鉄筋の組立方法に関する。
山岳トンネル工事では、トンネルの水密性を確保するために、吹き付けコンクリート施工後のトンネル内壁に防水シートを敷設するシート防水工が多用されている。
防水シートの内側に覆工用のアーチ鉄筋を配筋するための従来技術には、(1)防水シートの内部にアーチ型の鋼製支保工を配置してアーチ鉄筋を支持する方法、(2)防水シート越しに吹付コンクリートからアーチ鉄筋を吊る方法、がある。また(2)の方法は更に、(2a)吹付コンクリートに打設したアンカーを防水シートに貫通させ、貫通孔を止水ゴムで挟んで塞ぐアンカー方式、(2b)吊り具を防水シート越しにコンクリート釘で固定するコンクリート釘方式、(2c)防水シートをクリップ型の吊り具で挟み込んで固定するクリップ方式等を含む。
特開平8-338199号公報 特開平9-4394号公報 特開2006-291686号公報 特開2006-176954号公報
トンネル標準示方書・同解説(土木学会トンネル工学委員会:平成28年8月)
従来技術には以下の問題点がある。
<1>鋼製支保工による支持方式は、鋼材の搬送や据え付けに大型の重機が必要となるため、施工性が低く施工コストが嵩む。また、重機による据え付け作業は坑内を幅広く占有するため、工事車両の通行を妨げてズリ出し等の他の作業に遅延を及ぼす。
<2>鋼製支保工による支持方式は、支保工の側面が覆工コンクリートのトンネル軸方向への流動を阻害するため、覆工の施工性を悪化させる。
<3>アンカー方式やコンクリート釘方式は、防水シートにアンカーや釘を貫通させるため、貫通孔からの浸水により水密性を損なうおそれがある。
<4>クリップ方式は、クリップの挟持部によって防水シートに損傷を与えるおそれがある。特に覆工コンクリートの打設時には、覆工コンクリートの重量で下方に引き込まれることで、防水シートが挟持部の角で破れるおそれがある。
<5>以上を小括すると、支保工支持方式は防水シートの水密性を確保できる一方、施工が大掛かりになり施工性と施工コストに劣り、アンカー等による吊り下げ方式は比較的簡易に施工できる一方、防水シートの水密性を損なうおそれがある。すなわち従来技術は、施工性と防水シートの水密性を両立することができない。
本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決可能なアーチ鉄筋の組立方法を提供することにある。
本発明のアーチ鉄筋の組立方法は、分割アーチ枠を組み上げる第一枠組工程と、2つの分割アーチ枠を連結してアーチ枠部材を構成する第二枠組工程と、アーチ枠部材の外周側に支圧部材を付設する付設工程と、複数のアーチ枠部材を連結して支保構造体を構築する連結工程と、支保構造体の内側にアーチ鉄筋を構築する配筋工程とを備え、支圧部材によって支保構造体のアーチ形状を補正可能に構成したことを特徴とする。
本発明のアーチ鉄筋の組立方法は、第一枠組工程より以前に、インバート差し筋同士を根固め筋で相互に連結するインバート根固め工程を備えていてもよい。
本発明のアーチ鉄筋の組立方法は、支圧部材が支圧部と棒状部と固定部とを有していてもよい。
本発明のアーチ鉄筋の組立方法は、支保構造体の押し出し変形位置をフレーム解析によって特定し、支圧部材の少なくとも一部を押し出し変形位置に設置してもよい。
以上の構成より、本発明のアーチ鉄筋の組立方法は次の効果の少なくともひとつを備える。
<1>トンネル内壁に沿って鉄筋を組み上げるだけで、アーチ鉄筋を支持する支保構造体を構築できるため、施工性が高く施工コストが低廉である。
<2>防水シートに孔を空けない非貫通方式であるため、高い水密性を維持できる。
<3>足場さえ確保できれば支保構造体の組立自体は手作業で施工できるため、大型の重機を必要とせず、小さな作業スペースで施工することができる。このため、限られた坑内空間を有効に利用できるとともに、工事車両の通行を止めずに施工することができる。
<4>支保構造体が鉄筋による線状構造であるため、覆工コンクリートの流動を阻害しにくい。
<5>2つの分割アーチ枠をトンネル頂部で連結することで、風管等の仮設設備を回避して支保構造体を組み立てることができる。また、アーチ枠部材の地組みが不要であるため、狭隘な坑内空間を有効利用することができる。
<6>以上の通り本発明のアーチ鉄筋の組立方法は、高い施工性と水密性を両立することができる。
本発明の支保構造体の説明図。 本発明のアーチ鉄筋の組立方法の説明図(1)。 本発明のアーチ鉄筋の組立方法の説明図(2)。 本発明のアーチ鉄筋の組立方法の説明図(3)。 本発明のアーチ鉄筋の組立方法の説明図(4)。 本発明のアーチ鉄筋の組立方法の説明図(5)。 本発明のアーチ鉄筋の組立方法の説明図(6)。 本発明のアーチ鉄筋の組立方法の説明図(7)。 支圧部材の説明図。 支圧部材によるアーチ形状の補正の説明図(1)。 支圧部材によるアーチ形状の補正の説明図(2)。
以下、図面を参照しながら本発明のアーチ鉄筋の組立方法について詳細に説明する。
なお、本願発明の説明における「上下」「左右」等の各方位は、トンネル断面視における各方位、すなわち図1における各方位を意味する。トンネルの「内側」とは、トンネル断面視における中心方向を、「外側」とはその反対方向を意味する。また「吹付コンクリート面」とは吹付コンクリート面上に敷設した防水シートを含めた意味で使用する。
[アーチ鉄筋の組立方法]
<1>全体の構成。
本発明のアーチ鉄筋の組立方法は、トンネルの吹付コンクリートの内側に、覆工用のアーチ鉄筋Aを配筋するための施工方法である。
ここで、アーチ鉄筋Aは、トンネル周方向に配設する複数のアーチ状の主筋A1を、トンネル軸方向に配設する複数の配力筋A2で連結してなる(図2G)。アーチ鉄筋Aの構造は公知なのでここでは詳述しない。
本発明のアーチ鉄筋の組立方法は、吹付コンクリートの内側にアーチ状の支保構造体1を構築し、支保構造体1で支持しつつ、その内側にアーチ鉄筋Aを組み立てる点に一つの特徴を有する。
本発明のアーチ鉄筋の組立方法は、第一枠組工程と、第二枠組工程と、付設工程と、連結工程と、配筋工程と、を少なくとも備え、これを1施工サイクルとして、トンネル坑口側から切羽側へ向けて1スパンごとに施工してゆく。また、本例では、第一枠組工程より以前にさらにインバート根固め工程を備える。
<2>支保構造体(図1)。
アーチ鉄筋の組立方向の説明に先立ち、アーチ鉄筋Aを支保する支保構造体1の構造について説明する。
支保構造体1は、鉄筋を組んでなるアーチ状の支保構造である。
支保構造体1は、複数のアーチ枠部材10と、複数のアーチ枠部材10をトンネル軸方向に連結する複数の連結部材20と、アーチ枠部材10と吹付コンクリート面の間に配設する複数の支圧部材30と、からなる。
本例ではさらに、インバートコンクリート内から上方に突起する複数のインバート差し筋40と、インバート差し筋40同士を連結する根固め筋50と、を有し、アーチ枠部材10の下端部をインバート差し筋40と連結する。
支保構造体1は、覆工コンクリートの打設時には、アーチ鉄筋Aを支保した状態で型枠内に残置され、覆工内に一体に埋め込まれる。
<2.1>アーチ枠部材。
アーチ枠部材10は、アーチ鉄筋Aの荷重を支持するアーチ状の構成要素である。
アーチ枠部材10は、トンネル両側から立ち上げた梯子状の分割アーチ枠10aをトンネル頂部で連結してなり、全体構造としては、複数の段取主筋11と、複数の段取配力筋12と、複数の連結具13と、を有する。
段取主筋11は、緩やかに湾曲した鉄筋からなり、複数の段取主筋11を長手方向に連結することで、全体で吹付コンクリート面に対応した曲率のアーチ構造を構成する。
段取配力筋12は、トンネル軸方向に延在する直線状の鉄筋からなり、並列した2本の段取主筋11の間に平行に掛け渡す。
連結具13は、段取主筋11と段取配力筋12を直交した状態で連結する部材である。この他、段取主筋11とインバート差し筋40の連結や、段取主筋11と後述する連結配力筋21の連結等にも使用する。
連結具13には、例えば直交した溝を有する2枚のプレートとボルトの組み合わせ(直交タイプ)や、U字ボルトと固定プレートの組み合わせ(重ね継手タイプ)、カプラーなどがある。
<2.2>連結部材(図3)。
連結部材20は、複数のアーチ枠部材10を相互に連結するとともに、アーチ鉄筋Aを固定するための構成要素である。
連結部材20は、トンネル軸方向に延在する連結配力筋21と、連結配力筋21の内側にこれと平行して延在する主筋取付筋22と、を有する。
本例では、連結配力筋21を連結具13によって段取主筋11と直交した状態で連結し、主筋取付筋22を後述する支圧部材30の棒状部32と連結する。
<2.3>支圧部材(図3)。
支圧部材30は、アーチ枠部材10の撓みを補正して形状を保持する機能と、アーチ鉄筋Aの取付位置を規定するスペーサ機能を兼備する構成要素である。
支圧部材30は、吹付コンクリート面と段取主筋11の間の適宜の箇所に付設する。
支圧部材30は、面状の支圧部31と、支圧部31の背面から突出する棒状部32と、棒状部32に付設した固定部33と、を有する。
固定部33は、棒状部32上の任意の位置に段取主筋11等を固定するための部材である。固定部33の固定位置を調整することによって、吹付コンクリート面と段取主筋11等との間隔を任意に設定することができる。
本例では、支圧部31として背面にナットを溶着した矩形の鋼製プレートを、棒状部32として支圧部31のナットに螺着したネジ鋼棒を、固定部33として固定ボルトの螺回によって棒状部32上の任意の高さに固定可能な固定金具を、それぞれ採用する。ただし、支圧部材30の構成はこれに限られず、例えば支圧部31は円形プレートであってもよい。
また棒状部32の先端には、連結手段34によって主筋取付筋22を固定する。本例では連結手段34として鉄筋結束線を採用する。
<2.4>インバート差し筋、根固め筋。
インバート差し筋40は、アーチ枠部材10の下端部をインバートコンクリートに連結する構成要素である。
インバートコンクリート内に複数のインバート差し筋40を配置し、先端をインバートコンクリートの上面から上方に突起させておく。インバート差し筋40は、段取主筋11間の間隔に合わせてトンネル軸方向に沿って並列配置する。
根固め筋50は、インバート差し筋40同士を連結する構成要素である。
根固め筋50は、トンネル軸方向に延在する直線状の鉄筋からなり、並列した複数のインバート差し筋40間に掛け渡す。
<3>インバート根固め工程。
インバート根固め工程は、分割アーチ枠10aの根固めを行う工程である。
インバートコンクリートの両側に並列する複数のインバート差し筋40の間に、トンネル軸方向に根固め筋50を掛け渡し、両者の交点を連結具13で剛結する。
本発明のアーチ鉄筋の組立方法は、後続する第一枠組工程で、分割アーチ枠10aをトンネル中央側へ片持ちした状態で組み上げてゆくため、自重によって分割アーチ枠10aが傾斜したりブレが生じるおそれがある。このため、事前にインバート差し筋40同士を連結して確実に根固めしておくことで、傾斜やブレを軽減して作業負担を軽減することが可能となる。
<4>第一枠組工程。
第一枠組工程は、トンネルの両側に分割アーチ枠10aを構築する工程である。
第一枠組工程では、まずインバート差し筋40の上部に段取主筋11を連結して下段の分割アーチ枠10aを構築し、続いて下段の分割アーチ枠10aの上方に段取主筋11を継ぎ足してゆくことで、上段の分割アーチ枠10aを組み上げてゆく。
<4.1>段取主筋とインバート差し筋の連結(図2A)。
2本の段取主筋11の下部を、隣り合う2本のインバート差し筋40の上部と連結具13で連結する。
段取主筋11とインバート差し筋40の連結部には、分割アーチ枠10aの自重が集中する。そのため、段取主筋11とインバート差し筋40とは、ボルト式の連結具13等を用いて堅固に連結することが望ましい。本例では、連結具13としてU字ボルトとプレートを組み合わせた金具を採用し、段取主筋11とインバート差し筋40とを平行に重ね合わせた状態で上下二箇所で剛結する。
続いて、並列した2本の段取主筋11の間に複数の段取配力筋12を掛け渡し、複数の連結具13によって梯子状に連結する。
以上では、段取主筋11とインバート差し筋40とを先に連結してから梯子構造を構築したが、予め梯子構造を地組みした後に、段取主筋11とインバート差し筋40を連結する手順であってもよい。
<4.2>分割アーチ枠の組み立て(図2B)。
下段の段取主筋11の先端に上段の段取主筋11を継ぎ足して連結する。
詳細には、上段の段取主筋11の湾曲する向きをトンネル中央方向に合わせ、下段の段取主筋11の上端部と、上段の段取主筋11の下端部とを平行に重ね合わせて、両者を連結具13で剛結する。
2本の段取主筋11を継ぎ足したら、段取主筋11の間に複数の段取配力筋12を掛け渡して連結具13によって梯子状に連結する。この他、予め梯子構造を地組みした後に、下段の段取主筋11と上段の段取主筋11とを連結する手順であってもよい。
以上の工程を、段取主筋11の分割数に応じて繰り返し、トンネル両側に2つの分割アーチ枠10aを構築する。
なお、分割アーチ枠10aは、自重によりトンネル中央方向に傾斜することがある。この場合には一時的にサポートパイプ等によって下方から支持してもよい。
<5>第二枠組工程(図2C)。
第二枠組工程は、2つの分割アーチ枠10aをトンネル頂部で連結してアーチ枠部材10を構築する工程である。
対向する2つの分割アーチ枠10aの間に段取主筋11を掛け渡し、連結具13を介して両者を連結する。段取主筋11の間には適宜の間隔で段取配力筋12を配設する。
自然換気が不十分になるトンネル工事では、法令上、送風機を用いた強制換気が求められている(労働安全衛生規則第602条)。このため、トンネルの頂部中央付近には換気用の風管Wなどの仮設設備が配置されている。
従って、予めアーチ枠部材10をアーチ形状に地組みすると、仮設設備に干渉するため、アーチ枠部材10を立設することができなくなる。また、地組みの際に路面の広い面積を占有するため、工事車両の通行を妨げて他の工程に支障をきたす。
以上の不都合を解消するため、本発明のアーチ鉄筋の組立方法は、アーチ枠部材10の構築を、2つの分割アーチ枠10aをトンネルの両下端部から上方に組み上げる第一枠組工程と、2つの分割アーチ枠10aを頂部で連結する第二枠組工程との二段階で行う。
これによって、アーチ枠部材10が仮設設備に干渉するのを避けるとともに、アーチ枠部材10の地組みを不要とすることで、狭隘な坑内空間を有効利用して工事車両の通行を確保することが可能となる。
<6>付設工程(図2D)。
付設工程は、アーチ枠部材10に支圧部材30を付設する工程である。
段取主筋11と吹付コンクリート面の間に支圧部材30を配置し、支圧部31を吹付コンクリート面に接面させる。
固定部33を段取主筋11の外側に当接させ、段取主筋11をアーチ内側方向に押し付けた状態で固定部33の固定ボルトを螺回して、固定部33を棒状部32上に固定する(図3)。
同様の作業を繰り返し、全ての支圧部材30を段取主筋11に付設する。
支圧部材30の付設場所は任意に設定できるが、少なくとも段取主筋11の頂部、肩部、側部には付設することが望ましい。
アーチ枠部材10の外周に支圧部材30を付設することによって、アーチ枠部材10が複数の支圧部材30によってアーチ内側方向に支圧した状態で支持される。
<7>工程の繰り返し(図2E)。
上述の<4>~<6>の工程を繰り返して、トンネル軸方向に沿って1スパン所定数のアーチ枠部材10を構築する。
<8>連結工程(図2F)。
連結工程は、複数のアーチ枠部材10を連結部材20で連結する工程である。
並列配置したアーチ枠部材10の段取主筋11の内側に、トンネル軸方向に連結配力筋21を掛け渡し、連結具13で一体に連結する。
本例では、段取主筋11と支圧部材30の交点付近に、連結配力筋21を段取主筋11と直交する向きに配置し、連結具13を介して段取主筋11に連結する(図3)。
同様にして、全てのアーチ枠部材10の段取主筋11をトンネル周方向に沿って適宜の間隔で連結する。
構造の一体性の観点からは、トンネル軸方向に並列する全てのアーチ枠部材10を、トンネル周方向の各位置において1本の連結配力筋21で連続して連結することが望ましい。但しこれに限らず、複数の連結配力筋21を直線状又は千鳥状にトンネル軸方向に継ぎ足して連結してもよい。
続いて、連結配力筋21の内側に平行して主筋取付筋22を付設する。詳細には、支圧部材30の棒状部32の先端側に、連結手段34の結束線によって主筋取付筋22を固定する(図3)。
棒状部32上における主筋取付筋22の固定位置は、設計上の主筋A1の配筋位置を考慮して設定する。望ましくは、予め棒状部32に主筋取付筋22の固定位置をマーキングしておく。これによって、支圧部材30が主筋A1の位置決めのためのスペーサとして機能する。
以上により支保構造体1が完成する。
<9>アーチ形状の補正。
支保構造体1は鉄筋の組み合わせによるアーチ構造からなるため、自重によってアーチ形状が扁平に撓む。
詳細には、鉄筋の自重によってアーチ枠部材10の中央頂部が内側に沈下し、その反作用により肩部(押し出し変形位置P)が外側に押し上げられて、アーチ形状がトンネル幅方向に膨らむ(図4A)。
アーチ形状が撓むと、中央頂部の支圧部材30の支圧部31が吹付コンクリート面から浮き上がることで、覆工時にアーチ鉄筋Aの頂部が適切な被り厚を確保できなくなる。
そこで、押し出し変形位置Pの支圧部材30の固定部33を棒状部32の先端側に押し上げ、段取主筋11と吹付コンクリート面の間隔を広げることで、押し出し変形位置Pの段取主筋11を内側に圧縮し、この反作用で段取主筋11の中央頂部を上方に押し上げる(図4B)。
以上の作業によって、アーチ枠部材10の撓みを補正することができる。
なお、アーチ形状の補正は<8>連結工程の前に、アーチ枠部材10ごとに行ってもよい。
<10>配筋工程(図2G)。
配筋工程は、支保構造体1の内側にアーチ鉄筋Aを配筋する工程である。
主筋取付筋22の内側にアーチ状の主筋A1の外側を当接させて、結束線で固定する。
主筋取付筋22は、支圧部材30の棒状部32における所定の位置に固定されているため、支圧部材30を吹付コンクリート面に押し付けることで、主筋A1と吹付コンクリート面との間隔が一定に固定され、ひいては主筋A1が覆工内における適切な被り位置に配置される。
同様に主筋A1をトンネル軸方向に沿って所定の間隔で固定する。
複数の主筋A1を複数の配力筋A2でトンネル軸方向に連結し、アーチ鉄筋Aを構築する。
アーチ鉄筋Aの配筋により、支保構造体1に係る荷重が増加し、アーチ形状が変形する可能性がある。この場合には、再度<9>の作業を繰り返すことによって、支保構造体1及びアーチ鉄筋Aのアーチ形状を補正する。
本例では、予めアーチ鉄筋Aをモデル化して、フレーム解析によって押し出し変形位置Pを特定し、少なくともアーチ枠部材10上の押し出し変形位置Pに対応する位置に支圧部材30を配設しておく。
<11>その後の工程。
アーチ鉄筋Aの内側に移動型枠を配置して、移動型枠と吹付コンクリート面との間に覆工コンクリートを打設する。これら後続する工程は公知なのでここでは詳述しない。
1 支保構造体
10 アーチ枠部材
10a 分割アーチ枠
11 段取主筋
12 段取配力筋
13 連結具
20 連結部材
21 連結配力筋
22 主筋取付筋
30 支圧部材
31 支圧部
32 棒状部
33 固定部
34 連結手段
40 インバート差し筋
50 根固め筋
A アーチ鉄筋
A1 主筋
A2 配力筋
P 押し出し変形位置
W 風管

Claims (4)

  1. トンネルの覆工に係るアーチ鉄筋の組立方法であって、
    並列配置した2本の段取主筋を複数の段取配力筋で連結してなる梯子状の分割アーチ枠を、トンネル内壁の両下端部から上方へ組み上げる、第一枠組工程と、
    トンネル両側の前記分割アーチ枠をトンネル頂部で連結してアーチ枠部材を構成する、第二枠組工程と、
    前記アーチ枠部材の外周側に複数の支圧部材を付設する、付設工程と、
    トンネル軸方向に沿って並列配置した複数の前記アーチ枠部材を複数の連結部材で連結して支保構造体を構築する、連結工程と、
    前記支保構造体の内側に主筋と配力筋を配筋してアーチ鉄筋を構築する、配筋工程と、を備え、
    前記第一枠組工程において、最下段の前記分割アーチ枠における前記段取主筋の下部を、インバートコンクリートの両側から上方に突起したインバート差し筋に連結し、下段の前記分割アーチ枠の上方に上段の前記分割アーチ枠を連結することで、複数の前記分割アーチ枠を、トンネル内壁の両下端部から上方へ組み上げ、
    前記複数の支圧部材でトンネル内壁を支圧することによって前記支保構造体のアーチ形状を補正可能に構成したことを特徴とする、
    アーチ鉄筋の組立方法。
  2. 記第一枠組工程より以前に、前記複数のインバート差し筋同士を根固め筋で相互に連結するインバート根固め工程を備えることを特徴とする、請求項1に記載のアーチ鉄筋の組立方法。
  3. 前記支圧部材は、面状の支圧部と、前記支圧部の背面から突起する棒状部と、前記段取主筋又は前記段取配力筋を前記棒状部上の任意の位置に固定可能な固定部と、を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のアーチ鉄筋の組立方法。
  4. 前記支保構造体の吹付コンクリート面への押し出し変形位置を、フレーム解析によって特定し、前記複数の支圧部材の内少なくとも一部を前記押し出し変形位置に設置したことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアーチ鉄筋の組立方法。
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