JP7269778B2 - 超音波撮像装置、および、画像処理装置 - Google Patents

超音波撮像装置、および、画像処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、超音波を用いて被検体内の画像を撮像する超音波撮像技術に関するものであり、画像の再構成にあたって、機械学習の手法により訓練されたアルゴリズムを用いる技術に関するものである。
超音波撮像技術とは、超音波(聞くことを意図しない音波、一般的には20kHz以上の高周波数の音波)を用いて人体をはじめとする被検体の内部を非侵襲的に画像化する技術である。
近年、ニューラルネットワークやディープラーニングなどの技術を中心とした機械学習技術の進展により、超音波撮像技術による画像化において、機械学習技術を用いた再構成処理や画質改善処理の例が複数開示されている。ニューラルネットワークへの入力データと、ニューラルネットワークの出力の目標とする教師データとのセットを用いて、ニューラルネットワークの訓練を行うことにより、未知の入力データに対しても所望の出力を高精度で得ることができる。画像化される前の信号を入力データとし、画像化後のデータを教師データとすれば、ニューラルネットワークは画像再構成の処理を行うことになるし、入力データと教師データ双方に画像化後のデータを用いれば、ニューラルネットワークに画質改善をさせることも可能である。
例えば特許文献1には、超音波エコー信号やエコー信号をもとにビームフォーミングされた信号か、またはその両方をニューラルネットワークへの入力とし、ニューラルネットワークから画像データを出力する超音波画像システムが開示されている。ニューラルネットワークは機械学習の手法によって訓練されたものであって、これを用いることによって、従来の超音波画像化処理を置き換えたり、より高画質な画像を得たり、明示的な物理モデルを与えることなく組織性状の情報や血流情報などを得ることができるようになるとされている。
国際公開第2018/127497号
ニューラルネットワークは、通常大量のデータをもとにした学習を通して各ノードでの演算に用いる重みを定め、目標とする高精度な画像や信号等を出力できるようになるものであり、データをもとにした処理があらかじめ定められるモデルベースの処理と比較すると、その挙動を直感的に理解することが難しいことがある。特に、未知の入力に対するニューラルネットワークの挙動を予測することは難しい。そのため、ニューラルネットワークの出力する画像や信号等を見た人間は、それが妥当な出力か否かをその出力のみから判断することも難しい。
特許文献1に記載の超音波撮像装置は、画像化プロセス中に、機械学習により訓練されたニューラルネットワークが含まれるため、未知の入力である受信信号からニューラルネットワークが画像を生成する構成である。このため、ニューラルネットワークによって生成され、表示される画像を見たユーザーが、その画像が妥当な画像かどうかを判断することは難しい。
本発明の目的は、ニューラルネットワークを含む処理により生成された画像が妥当かどうかを判断する材料となる情報をユーザに提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の超音波撮像装置は、被検体からの超音波を受信した超音波探触子が出力する受信信号を受け取って、受信信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成部と、受信信号または画像生成部が生成した超音波画像を入力とし、推測受信信号または推測超音波画像を出力する、学習済みのニューラルネットワークと、受信信号、前記超音波画像、推測受信信号、推測超音波画像、および、ニューラルネットワークの中間層の出力、のうちの一つ以上を用いて、推測受信信号または推測超音波画像の妥当性を示す情報を生成する妥当性情報生成部とを有する。
本発明によれば、超音波撮像装置でニューラルネットワークを用いて生成した画像の妥当性を示す情報を表示することができるため、ユーザーは、画像が妥当性の判断が可能になる。
(a)本実施形態の超音波撮像装置全体の斜視図、(b)本実施形態の超音波撮像装置の概略構成を示すブロック図。 実施形態の超音波撮像装置全体の構成を表すブロック図。 (a)~(c)実施形態の超音波撮像装置本体のうち、受信信号処理部から画像処理部までのデータの流れの詳細を示すブロック図。 (a)および(b)予め定めておいた差分値の絶対値(特徴量)と妥当性を示す値との関係を示すグラフ。 実施形態1のニューラルネットワークを訓練するときの計算の流れを示す概念図。 実施形態1における動作の流れを示すフローチャート。 実施形態1において画像処理部が生成する超音波画像の例を示す図。 実施形態1においてユーザーの入力に応じた画像処理部の動作の変更方法を示すフローチャート。 実施形態2の超音波撮像装置本体のうち、受信信号処理部から画像処理部までの構成とデータの流れの詳細を示すブロック図。 実施形態2のニューラルネットワークの構成の一例を示す説明図。 実施形態3において、送信する超音波の波長に応じて妥当性情報生成部の処理を変更する際のデータの流れを説明するブロック図。 実施形態3において、送信する超音波の波長に応じて妥当性情報生成部の処理を変更する際のデータの流れを説明する概念図。 実施形態4において、妥当性情報をもとに画像処理部が画像処理を変更する際のデータの流れを示すブロック図。 実施形態4において、妥当性情報をもとに画像処理部が画像処理を変更する際のデータの流れを示すブロック図。
本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。
本実施形態の超音波撮像装置は、図1(a)、(b)に示すように、画像生成部108と、学習済みのニューラルネットワーク109と、妥当性情報生成部110とを備えて構成される。画像生成部108は、超音波探触子102が出力する受信信号を受け取って、受信信号に基づいて超音波画像を生成する。ニューラルネットワーク109は、受信信号、または、画像生成部108が生成した超音波画像を入力とし、推測受信信号または推測超音波画像を出力する。妥当性情報生成部110は、受信信号、超音波画像、推測受信信号、推測超音波画像、および、ニューラルネットワーク109の中間層の出力、のうちの一つ以上を用いて、推測受信信号または推測超音波画像の妥当性を示す情報を生成する。
例えば、妥当性情報生成部110は、受信信号、超音波画像、推測受信信号、推測超音波画像、および、ニューラルネットワークの中間層の出力、のうちの2つ以上を比較する演算(例えば、差分を求める演算)を行って、演算結果(差分)に基づいて妥当性を示す情報を生成する構成である。
別の例としては、妥当性情報生成部110は、受信信号、超音波画像、推測受信信号、推測超音波画像、および、ニューラルネットワークの中間層の出力、のうちの一つから特徴量を抽出し、予め求めておいた特徴量と妥当性を示す値との関係に基づいて、抽出した特徴量に対応する妥当性を示す値を求める構成である。
このような構成であるため、本実施形態の超音波撮像装置は、推測超音波画像、または、推測受信信号から画像生成部が生成した超音波画像とともに、それらの妥当性を示す情報を画像表示部104に表示することができる。よって、ユーザーはニューラルネットワーク109が出力する画像等の妥当性の判断をしやすくなる。
<<実施形態1>>
実施形態1の超音波撮像装置100について図1(a)、図2、図3(a)を用いて詳しく説明する。
実施形態1では、妥当性情報生成部110は、ニューラルネットワーク109へ入力される受信信号または超音波画像と、ニューラルネットワーク109から出力される推測受信信号または推測超音波画像との差分を求め、差分に基づいて妥当性を示す情報を生成する。
図1(a)は、超音波撮像装置100の全体の斜視図を、図2は、全体の概略構成を、図3(a)は、装置の一部の詳しい構成図を示す。超音波撮像装置100は、超音波撮像装置本体101と超音波の送受信を行う超音波素子113を1以上有する超音波プローブ102とユーザーがパラメータを入力するコンソール103と超音波画像を表示する画像表示部104とを有する。
超音波撮像装置本体101は、送信ビームフォーマ106と、超音波プローブ102と本体101との間で信号の送信と受信を切り替える送受信スイッチ107と、画像生成部108と、学習済みのニューラルネットワーク109と、ニューラルネットワーク109の出力の妥当性を示す情報206を生成する妥当性情報生成部110と、画像処理部112と、超音波撮像装置の上述の各構成要素106-112の各構成へ制御信号を送信する制御部105とを有する。本体101の制御部105には、コンソール103が接続され、画像処理部112には、画像表示部104が接続されて超音波撮像装置100を構成している。
送信ビームフォーマ106は、所定量で遅延させた送信信号を生成して、超音波探触子102を構成する複数の超音波素子113に出力する。これにより、複数の超音波素子113は、それぞれ所定量ずつ遅延した超音波を被検体114へ送信する。送信された超音波は、被検体114により反射等されて超音波素子113に戻り、受信され、受信信号に変換される。受信信号は、AD変換器(不図示)によりデジタル信号に変換され、RFデータ201となり、送受信スイッチ107を経由して画像生成部108へ送られる。
画像生成部108は、RFデータ201を処理し、ニューラルネットワーク109の入力データとなる超音波画像202を生成する。画像生成部108は、例えばローパス・ハイパス・バンドパスフィルター処理といったRFデータに対する一般的な信号処理や、遅延加算法等により整相処理を行って超音波画像を再構成する処理等を行う。超音波画像202は、いわゆるBモード画像であっても良いし、流れを見るためのドップラー画像であっても良いし、組織の硬さを見るための弾性情報画像であっても良い。また、画像生成部108が行う処理は、これらの画像を生成する上で行われるさまざまな処理を含んでよい。
ニューラルネットワーク109は、超音波画像202を入力とし、推測超音波画像(以下、推測画像と呼ぶ)203を出力するネットワークであり、機械学習の手法により教師データを用いてあらかじめ訓練された学習済みネットワークである。教師データの例については後で説明する。ニューラルネットワーク109は機械学習の手法により訓練されたネットワークであれば何でもよく、例えば畳み込みニューラルネットワークや再帰型ニューラルネットワークを使うことができる。
画像生成部108は、ニューラルネットワーク109が訓練に用いた入力データと同種類の超音波画像を生成する。ニューラルネットワーク109が出力する推測画像203は、超音波データ202と同じデータ形式である。すなわち、超音波画像202が2次元画像形式である場合には、推測画像203も2次元画像形式である。
妥当性情報生成部110は、ニューラルネットワーク109が出力した推測画像203の妥当性を表す情報である妥当性情報206を生成する。ここでは、妥当性情報生成部110は、推測画像203と超音波画像202とを用いて演算(例えば、差分を求める演算)を行い、妥当性情報206を算出する。
なお、画像生成部108、ニューラルネットワーク109、妥当性情報生成部110は、ソフトウェアによって実現することも可能であるし、その一部または全部をハードウェアによって実現することも可能である。ソフトウェアによって実現する場合、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサとメモリによりこれらを構成し、メモリに予め格納されたプログラムを読み込んで実行することにより、画像生成部108、ニューラルネットワーク109、妥当性情報生成部110の機能を実現する。また、ハードウェアによって実現する場合には、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)のようなカスタムICやFPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなプログラマブルICを用い、画像生成部108、ニューラルネットワーク109、妥当性情報生成部110の動作を少なくとも実現するように回路設計を行なえばよい。
妥当性情報生成部110の動作を説明する。妥当性情報生成部110は、ニューラルネットワーク109へ入力される超音波画像202と、ニューラルネットワーク推測画像203との対応するピクセルの画素値を差分を取り、その絶対値を生成する。妥当性情報生成部110は、差分の絶対値を妥当性情報206として出力する。
また、妥当性情報生成部110は、超音波画像202と推測画像203との対応するピクセルの画素値を差分を求め、さらにその絶対値を求め、予め定めておいた差分値の絶対値と妥当性を示す値との関係205を参照し、求めた差分に対応する妥当性を示す値を求めてもよい。上記予め定めておいた差分値の絶対値と妥当性を示す値との関係205は、テーブルとしてメモリ111に保持しておいてもよいし、図4(a)のように、差分値(特徴量)と妥当性を示す値(妥当性情報)との関係205を示すグラフや関数を予め定めておき、メモリ111に格納しておいて、妥当性情報生成部110がメモリ111から読み出して用いてもよい。図4(a)の例は、差分値があるしきい値よりも小さければ妥当性を示す値が大きく、差分値があるしきい値により大きければ妥当性を示す値が小さくなるように設定されている。また、上記予め定めておいた差分値の絶対値と妥当性を示す値との関係205は、学習に用いたデータに基づいて設定しても良い。
なお、ここでいう1ピクセルは、必ずしも1画素である必要はなく、予め定めた所定のサイズの領域であればよい。例えば、予め定めた画素数からなる領域を1ピクセルとすることもできる。その場合、ピクセルの画素値としては、ピクセルを構成する画素の平均値や最大値や最小値など予め定めておいた演算方法で求めた代表値を用いる。
なお、上記説明では、超音波画像202と推測画像203とが同じ画像サイズの場合について説明したが、超音波画像202と推測画像203は、サイズやデータ形式が異なっていてもよい。その場合、妥当性情報生成部110は超音波画像202と推測画像203に含まれる対応する任意のデータについて妥当性を示す値を演算すればよい。
妥当性情報生成部110による妥当性情報206の算出は、ここで示した差分を取る方法だけでなく、推測画像203と超音波画像202とを比較する様々な演算を取りうる。例えば、差分そのものではなくpeak signal to noise ratio(PSNR)と呼ばれる2つの画像の差分を画像内の最大信号強度で規格化した値を用いても良いし、構造類似性(structure similarity/SSIM)指数など、画像内の領域ごとに比較するような演算を用いても良い。
例えば、妥当性情報生成部110は、推測画像203と超音波画像202それぞれの画像中の画像特徴量を、画像内に設定した領域ごとに算出し、その画像特徴量どうしを比較することによって妥当性情報206を生成しても良い。画像特徴量としては、例えば同時生起行列を使用したテクスチャ解析により算出された特徴量を用いるなど、テクスチャ解析の手法を用いて算出しても良い。
画像処理部112は、推測画像203と妥当性情報206とに基づいて、画像表示部104に表示させる超音波画像207を生成する。これにより、推測画像203のみではなく、推測画像203の妥当性を判断する根拠となる妥当性情報206をユーザーに表示できる。画像表示部104は、画像処理部112が生成した超音波画像207をユーザーへ表示する。超音波画像207については、後で詳しく説明する。
ここで、学習済みニューラルネットワーク109について説明する。ニューラルネットワーク109は、あらかじめ教師データを用いて訓練されることにより、ノードごとの重みが決定されている。図5を用いて、ニューラルネットワーク109の訓練方法を説明する。
ニューラルネットワーク109の訓練には、教師データとして、訓練用入力データ211と、目標とする正解データ210とを用いる。訓練用入力データ211は、超音波画像202を生成するのと同様の処理により生成したデータである。正解データ210は、ニューラルネットワークから出力させたい目標とするデータである。訓練用入力データ211のニューラルネットワーク109に入力し、正解データ210を参照しながらニューラルネットワーク109を構成する複数層に含まれるノードの重みの最適化を行う。具体的には、訓練用入力データ211を入力した場合のニューラルネットワーク109の出力である訓練時出力データ212と、正解データ210とを損失関数213により比較し、その損失関数が最小になるようにニューラルネットワーク109のノードの重みのアップデート214を行う。重みのアップデート214には、例えば誤差逆伝搬法が用いられる。
例えば、訓練用入力データ211として少ない数の送信で得られた受信信号を用いて再構成処理を行った画像を用い、正解データ210として、訓練用入力データ211よりも多い数の送信でそれぞれ得られた受信信号を用いて再構成処理を行った画像を用いる。言い換えるならば、訓練用入力データ211よりも送信走査線の密度が高い超音波画像を正解データ210とすることができる。このようにして訓練された後のニューラルネットワーク109は、超音波画像202から、送信数が多い場合の受信信号から再構成された画像を推測する推測画像203を出力することができる。なお、送信走査線のみならず、訓練用入力データ211よりも、教師データは、超音波画像を入力データとし、入力データ211よりも送信走査線および受信走査線の少なくとも一方の密度が高い超音波画像を正解データ210として用いることも可能である。
訓練用入力データ211として受信信号(RFデータ)を用い、正解データ210として、被検体114に送信する超音波の送信信号の周波数を、訓練用入力データの受信信号を得るときの送信信号よりも高く設定して得た受信信号を用いることも可能である。このような訓練用データ211と正解データ210により訓練された後のニューラルネットワーク109は、受信信号(RFデータ)201から、送信信号の周波数を高く設定した場合の推測受信信号223を出力することができる。同様に、訓練用入力データ211として超音波画像を用い、正解データ210として、被検体114に送信する超音波の送信信号の周波数を、訓練用入力データの超音波画像を生成するときの送信信号よりも高く設定して得た超音波画像を用いることも可能である。このような訓練用データ211と正解データ210により訓練された後のニューラルネットワーク109は、超音波画像202から、送信信号の周波数を高く設定した場合の超音波画像を推測する推測画像203を出力することができる。
ニューラルネットワーク109の訓練は、同じ超音波撮像装置100で撮像した訓練用入力データ211と正解データ210を用いても行っても良い。また、異なる装置を用いて撮像した訓練用入力データと正解データ210を用いて、同じ構造の別のニューラルネットワークの訓練も行った後、その重みのみを超音波撮像装置100のニューラルネットワーク109に記憶させるようにしても良い。
なお、妥当性情報生成部110が、妥当性情報の生成に用いる差分値(特徴量)と妥当性を示す値との関係205は、訓練用入力データ211に対するニューラルネットワーク109のふるまいをもとにして設定しても良い。例えば、訓練用入力データ211を超音波画像202として訓練後のニューラルネットワーク109に入力して推測画像203を生成し、推測画像203と超音波画像202との差分(特徴量)を算出しておく。これを、複数の訓練用入力データ211についてそれぞれ行い、得られた複数の差分値の確率分布を図4(b)のように算出する。得られた確率分布が大きいものほど、妥当性を示す値(妥当性情報)が大きくなるように、差分値(特徴量)と妥当性を示す値との関係205を図4(b)のように設定する。
具体的には、図4(b)で示すように訓練用入力データ211をニューラルネットワーク109に入力した場合にニューラルネットワーク109が出力する推測画像203と、訓練用入力データ211(超音波画像202)との差分値を求め、差分値の確率分布(図4(b)ではハッチ付ヒストグラム)を求める。求めた差分値の確率と妥当性を示す値(妥当性情報)が比例するように、差分値(特徴量)と妥当性情報の関係205(図4(b)において点線で図示)を生成する。
言い換えるならば、ニューラルネットワーク109を訓練(学習)させる際に用いた複数の訓練用入力データ211を、訓練後のニューラルネットワーク109に入力した場合にそれぞれ出力される複数の出力データ203と、入力した複数の学習用入力データ211との差分の分布の範囲内(図4(b)の範囲411)は、妥当性を示す値が、他の範囲よりも、高い値に設定されている。これにより、超音波画像202をニューラルネットワーク109に入力したときのふるまい(得られる推測画像203)が、訓練用入力データ211を入力したときのふるまいと同様である場合には、図4(b)に基づき、妥当性情報生成部110が、妥当性を示す値を大きく出力することができる。
なお、差分値(特徴量)と妥当性を示す値との関係205は、訓練用入力データ211に関係なく定めても良い。例えば、図4(a)を用いてすでに説明したように、差分値が、ある一定の閾値以下であれば、妥当な出力であるとして妥当性を示す値(情報)として高い値を出力し、その閾値より小さければ、妥当でない出力であるとして妥当性を示す値(情報)として低い値を出力するようにしてもよい。
つぎに、図6を用いて、本実施形態の超音波撮像装置の動作を順を追って説明する。
まず、ステップS101で送信ビームフォーマ106が送信信号を探触子102の超音波素子113に送信する。超音波素子113は、被検体114に超音波を送信する。被検体114と相互作用をした超音波を超音波素子113が受信し、受信信号(RFデータ201)を画像生成部108が信号処理及び整相処理等を行い、超音波画像202を生成する(ステップS102)。次にニューラルネットワーク109が、超音波画像202の入力を受けて、推測画像203を出力する(ステップS103)。
次に妥当性情報生成部110が、推測画像203と超音波画像202との差分値を求め、その絶対値を妥当性情報とするか、もしくは、差分値に基づいて、予め定めておいた関係205を参照し、妥当性を示す値(妥当性情報)206を生成する(ステップS104)。次に画像処理部112が、推測画像203と妥当性情報206とをもとに超音波画像207を生成する(ステップS105)。画像表示部104が、超音波画像207を表示する(ステップS106)。
コンソール103がユーザから受け付けた入力をもとに、撮像を終了するか否かを判定し、撮像を終了しない場合にはステップS101へ戻り、同じ動作を繰り返し、ステップS106で画像表示部104に表示される超音波画像207を更新する。撮像を終了する場合には一連の動作を終了する(ステップS107)。
以上の手順により、ユーザーは、画像表示部104に表示された超音波画像207を見ることにより、ニューラルネットワーク109が出力した推測画像203の妥当性を判断することができる。
図7を用いて画像処理部112が生成し、画像表示部104が表示する画像の例について説明する。
画像処理部112は、図7(a)のように、推測画像203と妥当性情報206とを重畳した超音波画像207を生成することができる。重畳方法は、輝度の推測画像203に白黒を、妥当性情報206に例えば赤などの色を用いるようにしても良い。
また、画像処理部112は、図7(b)のように、推測画像203と妥当性情報206とを隣り合わせに並べた超音波画像207を生成してもよい。これにより、ユーザは、推測画像203と妥当性情報206とを見比べることができる。
また、画像処理部112は、図7(c)のように、推測画像203の中に設けられた表示領域内に妥当性情報206を表示する超音波画像207を生成してもよい。これらの方法により、ユーザーは推測画像203を観察しながら同時に妥当性情報206を知ることができる。
画像処理部112は、推測画像203の表示中に妥当性情報206を間欠的に表示する超音波画像207を生成してもよい。すなわち、あるフレームでは、妥当性情報206を推測画像203に重畳し、あるフレームでは、推測画像203のみを超音波画像207とするといったことを一定間隔で繰り返す超音波画像207を生成する。この方法により、ユーザーは妥当性情報206に邪魔されることなく推測画像203を観察できるとともに、妥当性情報206を一定の時間間隔で確認することが可能になる。
画像処理部112は、妥当性情報206をもとに推測画像203を修正した超音波画像207を生成しても良い。例えば、妥当性情報206が低値、すなわち妥当性が低いと推定される領域については、推測画像203の輝度を低減し、妥当性が高いと推定される領域については、推測画像203の輝度を上昇させるような処理を行って超音波画像207を生成しても良い。このような方法により、ユーザーはより妥当である画像領域にのみ関心が届きやすくなる。
画像処理部112は、妥当性情報206の全領域や、あるいは一部の領域について統計を取り、その領域に関する妥当性を示す値(情報)をある数値にまとめ、その数値を超音波画像207上に表示する超音波画像207を生成しても良い。これにより、ユーザーはその数値のみを見て推測画像203の関心領域中の妥当性を容易に判断することができる。
図8を用いて、超音波撮像装置100の動作の別の例について説明する。図8の例では、超音波撮像装置100は、ユーザーの入力に応じて、ユーザーが妥当性に関する判断材料の表示を要求した場合にのみ、妥当性情報を表示する。
図8のステップS111~113およびステップS118~119は、図6において説明したステップS101~107と同様の動作であるため説明を省略する。
図8のステップS114において、コンソール103からユーザが入力した情報に基づき、妥当性情報を表示するかを切り替える。すなわち、ユーザが、妥当性情報を表示することを求めた場合には、図6のステップS104~105と同様の動作をステップS116~117で行い、妥当性情報生成部110は、妥当性情報206を生成し、画像処理部112は、妥当性情報206と推測画像203から超音波画像207を生成する。
一方、ステップS114において、ユーザが妥当性情報を表示することを求めなかった場合、画像処理部112は、推測画像203のみをもとに画像処理を行い、超音波画像207を生成する(ステップS115)。
図8の動作例では、超音波撮像装置100は、ユーザーが妥当性に関する判断材料を必要としているときにのみ、妥当性情報206を提供できる。
なお、コンソール103がユーザーから受け付ける入力は、図8で示したような妥当性情報の表示の有無のみではなく、妥当性情報の提示方法に関する様々なパラメータの設定が含まれていても良い。例えば、妥当性情報206の表示輝度ゲインを設定や、妥当性情報206が間欠的に表示されるフレーム滅レートの設や、妥当性情報206により低減される推測画像203の輝度低減のされ方を設定等を、コンソール103においてユーザーから受け付けてもよい。
また、ユーザーが、妥当性情報206の超音波画像207への反映方法を切り替えるようにしても良い。例えば、図7(a)~(c)に示した反映方法等をユーザが選択できるようにしてもよい。これにより、推測画像203の妥当性に関する判断材料を、推測画像の妥当性に関するユーザーの関心に応じて提供できる。
<実施形態1の変形例>
上述してきた実施形態1では、ニューラルネットワーク109は、超音波画像202を入力データとして、推測画像203を出力するものであったが、本実施形態はこれに限られない。ニューラルネットワーク109の入力は、RFデータ201から超音波画像を生成する際のどの時点のデータを用いても良い。例えば、受信したRFデータそのものや、受信ビームフォーミング(整相)された後のRFデータや、複数の受信ビームフォーミング後のRFデータが加算されたデータを、ニューラルネットワーク109を入力データとしてもよい。また、画像処理や対数圧縮などが行われたあとの超音波画像データをニューラルネットワーク109を入力データとしてもよい。
RFデータ201をニューラルネットワーク109を入力データとする場合には、同じ次元のRFデータを推測信号223としてニューラルネットワーク109から出力させる構成とすることができる。
具体例としては図3(b)のように、ニューラルネットワーク109は、受信ビームフォーマ120により整相後の受信信号222を入力として、同じ次元の推測受信信号223を出力する構成とする。ニューラルネットワーク109の後段には、画像生成部108が配置され、画像生成部108が、推測受信信号223に基づいて超音波画像を生成する。妥当性情報生成部110は、ニューラルネットワーク109に入力された受信信号222と、ニューラルネットワーク109から出力された推測受信信号223との差分を求め、差分に基づいて妥当性を示す情報を算出する。
図3(b)の構成の場合、例えば、学習済みのニューラルネットワーク109を訓練する入力データとして受信信号を用い、被検体114に送信する超音波の送信信号の周波数を、訓練用入力データの受信信号を得るときの送信信号よりも高く設定して得た受信信号をを正解データとして用いることができる。これにより、訓練後のニューラルネットワーク109は、受信信号222が入力された場合、被検体114に送信する超音波の送信信号の周波数を、受信信号222を得るときの送信信号よりも高く設定して得たられる推測受信信号223を出力することができる。
また、RFデータ201をニューラルネットワーク109を入力データとして、超音波画像を推測画像203として出力させる構成としてもよい。
具体例としては図3(c)のように、ニューラルネットワーク109は、受信信号222を入力として、推測超音波画像203を出力する構成とする。この場合、受信ビームフォーマ120の後段に、ニューラルネットワーク109と並列に画像生成部108を配置し、画像生成部108は、受信信号222から超音波画像を生成するように構成する。妥当性情報生成部110は、受信信号222から画像生成部108が生成した超音波画像と、ニューラルネットワーク109から出力された推測超音波画像203との差分を求め、差分に基づいて妥当性を示す情報を算出する。
<<実施形態2>>
実施形態2の超音波撮像装置について説明する。実施形態2の超音波撮像装置は、妥当性情報生成部110は、受信信号(RFデータ)、超音波画像、推測受信信号、推測超音波画像、および、ニューラルネットワークの中間層の出力、のうちの一つから特徴量を抽出し、予め求めておいた特徴量と妥当性を示す値との関係205に基づいて、抽出した特徴量に対応する妥当性を示す値を求める。
図9は、実施形態2の超音波撮像装置の構成の一例を示している。図9の構成では、妥当性情報生成部110が、ニューラルネットワーク109の中間層115の出力である中間層出力215をもとに妥当性情報206を生成する。この構成について、実施形態1と異なる部分を中心に説明する。
ニューラルネットワーク109は連続する複数の関数によって構成されており、各関数を層と呼ぶ。中間層115とは、ニューラルネットワーク109での関数関数のことを言い、関数の出力値を中間層出力215と言う。例えば順伝搬型ニューラルネットワークの場合には、活性化関数の出力値が中間層出力215に対応する。
図9に示すように、妥当性情報生成部110には、中間層出力215が入力される。妥当性情報生成部110は、中間層出力215をもとに妥当性情報206を生成する。例えば、妥当性情報生成部110は、あらかじめメモリ111に記憶された特徴量と妥当性情報との関係205を読み出し、それに基づいて、中間層出力215から妥当性情報206を生成する。
あらかじめメモリ111に記憶された特徴量と妥当性情報との関係205は、例えば以下のようにして生成したものである。まず、訓練用入力データ211を訓練後のニューラルネットワーク109に入力し、その時の中間層出力215を得る。これを複数の訓練用入力データ211についてそれぞれ行って、複数の中間層出力215を得る。得られた複数の中間層出力215について平均を取ったり、パターン分類を行ったりすることにより、訓練用入力データ211がニューラルネットワーク109に入力された場合の中間層出力215のパターン(特徴量)に関する情報を得る。
そして、訓練用入力データ211を入力した場合と同様のパターン(特徴量)の出力を示す中間層出力215は、妥当性が高く、訓練用入力データ211を入力した場合と異なるパターン(特徴量)の出力を示す中間層出力215は、妥当性が低くなるように、特徴量と妥当性情報との関係205を予め生成しておく。生成した特徴量と妥当性情報との関係205は、メモリ111に格納しておく。
そして、実際の超音波画像202をニューラルネットワーク109に入力した場合には、妥当性情報生成部110は、中間層115の中間層出力215を受け取って、メモリ111から読み出した特徴量と妥当性情報との関係205を参照することにより、中間層出力215に対応する妥当性情報(妥当性を示す値)を得る。妥当性情報生成部110は、妥当性を示す値が高い場合、ニューラルネットワーク109への入力データである超音波画像202が訓練用入力データ211と同じようなふるまいをしていると判別できる。したがって、妥当性情報生成部110は、妥当性情報の値により、超音波画像202が訓練用入力データ211により学習された範囲に含まれているかを判別することができ、訓練用入力データ211により学習された範囲に含まれている場合には、出力される推測画像203の妥当性が高いことを示す妥当性情報を出力することができる。
また、図9では、中間層115として、ニューラルネットワーク109の途中の層を用いているが、途中の層に限定されるものではなく、入力層から出力層を含めてどの層を中間層115として用いてもよい。
図10に示したように、層によってノードの数が異なるニューラルネットワーク109を用いる場合、ノードの数が最も小さい層を中間層115として用い、その出力を中間層出力215としてもよい。ノードの数が最も小さい層は、特徴が表れやすいと一般にいわれているため、この層から出力されるデータを中間層出力215として用いることにより、妥当性情報生成部110は、入力データである超音波画像202が訓練用入力データ211と同じようなふるまいをしているかどうかをより容易に判別できる可能性がある。
なお、妥当性情報生成部110への入力として中間層出力215ではなく、超音波データ202や、画像生成部108における処理過程中の任意のデータを用いても良いし、推測画像203を用いても良いし、それらの任意の組み合わせを用いても良い。この方法を用いることにより、超音波データ202がRFデータの形式であり、推測画像203の形式が画像データの形式であるというように異なるデータの形式であった場合でも推測画像203の妥当性情報206を生成することができる。すなわち、ニューラルネットワーク109の入力と出力のデータ形式が異なる場合であっても推測画像203の妥当性情報206を生成することができる。
なお、図9では、超音波撮像装置の構成として、ニューラルネットワーク109に超音波画像202を入力する図3(a)に対応する構成を示したが、実施形態2はこれに限られず、図3(b)、(c)等のニューラルネットワーク109に受信信号を入力する構成等、他の構成にすることももちろん可能である。
<<実施形態3>>
実施形態3の超音波撮像装置について図11、図12を用いて説明する。
実施形態3の超音波撮像装置は、実施形態1と同様の構成であるが、妥当性情報生成部110が、妥当性情報を算出するピクセルのサイズを、送信した超音波また受信した超音波の波長に応じて変更する点で実施形態1とは異なっている。
図11は、実施形態3の超音波撮像装置の主要部の構成を示す図であり、図12は、妥当性情報生成部110が、妥当性情報を算出するピクセルサイズと送信超音波の波長を示す図である。
ユーザーは、コンソール103を通じて、超音波プローブ102が送信する超音波116の波長を設定する。この送信超音波の設定は、超音波の波長や周波数を直接数値で設定できるように構成しても良いし、撮像モードを設定することにより間接的に切り替えられるようにしても良い。
制御部105は、コンソール103を通じて設定された送信超音波116の波長に従い、その波長の超音波を送信させる送信信号を生成するよう、送信ビームフォーマ106へ指示する。送信ビームフォーマ106は、送受信スイッチ107を経由して超音波プローブ102へ送信信号を送る。これにより、超音波プローブ102から、設定された波長の送信超音波116が発信される。
制御部105は、妥当性情報生成部110に送信波長の情報を送り、妥当性情報生成部110はその送信波長の情報に応じて、生成する妥当性情報206の座標グリッド301の大きさを変更する。図11においては、妥当性情報生成部110に推測画像203、ニューラルネットワークの中間層115の動作データ204、超音波データ202が入力される場合を図示しているが、実施形態1、2で述べたようにこれらのデータの任意の組み合わせを妥当性情報生成部110への入力としてよい。
なお、画像生成部108において受信信号201の波長を検出し、その波長サイズに応じて妥当性情報生成部10がピクセルサイズを変更する構成としてもよい。
座標グリッド301の大きさの変更方法について図12を用いて詳しく説明する。ここでは、妥当性情報生成部110が生成する妥当性情報206が2次元画像形式である場合を例にとって説明する。生成する妥当性情報206の座標グリッド301は、x座標とy座標により構成される。座標グリッド301によって区切られた領域が1ピクセルである。妥当性情報生成部110は、送信超音波の波形304の波長305に応じて妥当性情報のx方向のピクセルサイズ302と妥当性情報のy方向のピクセルサイズ303を変更する。
妥当性情報生成部110は、x方向のピクセルサイズ302およびy方向のピクセルサイズ303を送信超音波の波長305に対して、ある定数による比例関係のサイズに設定する構成としても良いし、あらかじめ定義されたテーブルにしたがって、波長305に対応するピクセルサイズ302,303を変更する形式であっても良い。
x方向のピクセルサイズ302とy方向のピクセルサイズ303は等しくても良いし、異なる値を用いても良い。
このようにして妥当性情報の座標グリッド301を設定することにより、妥当性情報206を生成するにあたって適切なグリッドサイズ(ピクセルサイズ)を設定することができ、演算コストを抑制することができる。
なお、妥当性情報206の形式は、2次元画像形式に限られるものではなく、3次元のボリューム形式であっても良いし、さらに複数フレームを持つ3次元あるいは4次元形式であっても良い。また、例えば超音波プローブとして、セクタープローブやコンベックスプローブなどを用いる場合など、カーテシアン座標系でなく、極座標系などの他の空間座標系を用いて座標グリッドを生成しても良い。
<<実施形態4>>
実施形態4の超音波撮像装置について図13、図14を用いて説明する。
実施形態4の超音波撮像装置は、実施形態1と同様の構成であるが、画像処理部112が生成して画像表示部104に表示させる超音波画像207の態様が実施形態1とは異なっている。
実施形態4では、画像処理部112は、妥当性情報206を用いて推測画像203を更新して超音波画像207を生成する処理を行ったり、複数の推測画像203から超音波画像207を生成するのに使う画像を選択する等の処理を行う。
図13を用いて、画像処理部112が、妥当性情報206から推測画像203を更新して超音波画像207を生成する処理について説明する。
画像処理部112は、超音波画像202、妥当性情報206、推測画像203をもとに超音波画像207を生成する。このとき、妥当性情報206に応じて、推測画像203と超音波画像202の超音波画像207への反映のさせ方を変更する処理を行う。
例えば、画像処理部112は、妥当性情報206が一定の閾値を越える、すなわち妥当性が高い領域については、超音波画像207へは推測画像203を割り付け、そうでない領域については、超音波画像202を割り付ける処理を行い、超音波画像207を生成する。
あるいは、画像処理部112は、超音波画像202と推測画像203とをある重みをつけて足し合わせて超音波画像207を生成し、その時の重みを妥当性情報206に応じて変更する。すなわち、妥当性情報206が高い値である場合には、画像処理部112は、推測画像203に高い重みをつけ、妥当性情報206が低い値である場合には、超音波画像202に高い重みをつける。
また、画像処理部112は、上記の妥当性情報206に応じて割り付けを切り替える方法と妥当性情報206に応じて重みづけを変える方法とを組み合わせて超音波画像207を生成しても良い。
このような方法により生成した超音波画像207を、画像処理部112が画像表示部104に表示させることにより、ユーザーは、超音波画像207を見ることにより、妥当な画像かどうかを判断することが可能になる。
また、画像処理部112は、妥当性情報が一定の条件を満たしたときに操作者に通知するために、超音波画像207にアラートを重畳表示したり、音を出力する構成としてもよい。これにより、妥当性情報が妥当性が低いことを示している場合には、推測画像203を用いないように、ユーザーに注意喚起することができる。
さらに、図14を用いて、超音波処理装置のニューラルネットワーク109が、複数のニューラルネットワークを含み、ニューラルネットワークがそれぞれ推測画像203を生成し、妥当性情報生成部110は、複数の妥当性情報206を生成する構成である場合の、画像処理部112の処理について説明する。妥当性情報生成部110は、複数のニューラルネットワークごとの推測画像203や超音波画像202や中間層出力215等を用いて、それぞれ妥当性情報206を生成する。
この場合、画像処理部112は、複数の妥当性情報206に基づいて、より妥当性が高い超音波画像207を選択または生成するために、複数の妥当性情報206のうち、妥当性が高値である妥当性情報206に対応する推測画像203を超音波画像207に割り付ける処理を行い、超音波画像207を生成する構成とする。
あるいは、画像処理部112は、妥当性情報206に応じた重みにより複数の推測画像203を足し合わせることにより超音波画像207を生成する構成としても良い。
さらに、上記の妥当性情報206に応じて割り付けを切り替える方法と妥当性情報206に応じて重みづけを変える方法とを組み合わせて超音波画像207を生成しても良い。
このような方法により生成した超音波画像207を、画像処理部112が画像表示部104に表示させることにより、ユーザーは、超音波画像207を見ることにより、妥当な画像かどうかを判断することが可能になる。
上述してきた各実施形態において、ユーザーとは、超音波撮像装置を使用する者である。ユーザーは、医師や超音波技師であってよい。また、ユーザーは開発者などの技術者や製造時の生産管理などを行うものであっても良い。本発明はそのようなユーザーが開発や製造に用いて開発時の性能検証や製造時の品質保証に用いても良い。例えば、標準仕様ファントムを撮像した時の妥当性情報206を開発時の性能検証の指標や品質保証の判断材料の一部として用いても良い。これにより、効率的な開発や検査や製造を行うことができるようになる。
100:超音波撮像装置
101:超音波撮像装置本体
102:超音波プローブ
103:コンソール
104:画像表示部
105:制御部
106:送信ビームフォーマ
107:送受信スイッチ
108:画像生成部
109:ニューラルネットワーク
110:妥当性情報生成部
111:メモリ
112:画像処理部
113:超音波素子
114:被検体
115:ニューラルネットワーク中間層
116:送信超音波
201:RFデータ
202:超音波データ
203:推測画像
205:特徴量と妥当性情報との関係
206:妥当性情報
207:超音波画像
210:正解データ
211:訓練用入力データ
212:訓練時出力データ
213:損失関数
214:重みのアップデート
215:中間層出力

Claims (16)

  1. 被検体からの超音波を受信した超音波探触子が出力する受信信号を受け取って、前記受信信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成部と、
    前記受信信号または前記画像生成部が生成した前記超音波画像を入力とし、推測受信信号または推測超音波画像を出力する、学習済みのニューラルネットワークと、
    前記受信信号、前記超音波画像、前記推測受信信号、前記推測超音波画像、および、前記ニューラルネットワークの中間層の出力、のうちの一つ以上を用いて、前記推測受信信号または前記推測超音波画像の妥当性を示す情報を生成する妥当性情報生成部とを有し、
    前記妥当性情報生成部は、前記受信信号、前記超音波画像、前記推測受信信号、前記推測超音波画像、および、前記ニューラルネットワークの中間層の出力、のうちの2つ以上を比較する演算を行って、前記演算結果に基づいて前記妥当性を示す情報を生成することを特徴とする超音波撮像装置。
  2. 被検体からの超音波を受信した超音波探触子が出力する受信信号を受け取って、前記受信信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成部と、
    前記受信信号または前記画像生成部が生成した前記超音波画像を入力とし、推測受信信号または推測超音波画像を出力する、学習済みのニューラルネットワークと、
    前記受信信号、前記超音波画像、前記推測受信信号、前記推測超音波画像、および、前記ニューラルネットワークの中間層の出力、のうちの一つ以上を用いて、前記推測受信信号または前記推測超音波画像の妥当性を示す情報を生成する妥当性情報生成部とを有し、
    前記妥当性情報生成部は、前記ニューラルネットワークへ入力される前記受信信号または前記超音波画像と、前記ニューラルネットワークから出力される前記推測受信信号または前記推測超音波画像との差分を求め、前記差分に基づいて前記妥当性を示す情報を生成することを特徴とする超音波撮像装置。
  3. 請求項に記載の超音波撮像装置であって、前記妥当性情報生成部は、予め定めておいた、差分の値と妥当性を示す値との関係を参照し、求めた前記差分に対応する妥当性を示す値を求めることを特徴とする超音波撮像装置。
  4. 請求項に記載の超音波撮像装置であって、前記予め定めておいた差分の値と妥当性を示す値との関係は、前記差分の値が所定の範囲内にある場合、対応する妥当性を示す値が他の範囲内よりも高くなるように設定され、
    前記所定の範囲は、前記ニューラルネットワークを学習させる際に用いた複数の学習用入力データを、前記学習後のニューラルネットワークに入力した場合にそれぞれ出力される複数の出力データと、入力した前記複数の学習用入力データとの差分の値の分布の範囲であることを特徴とする超音波撮像装置。
  5. 被検体からの超音波を受信した超音波探触子が出力する受信信号を受け取って、前記受信信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成部と、
    前記受信信号または前記画像生成部が生成した前記超音波画像を入力とし、推測受信信号または推測超音波画像を出力する、学習済みのニューラルネットワークと、
    前記受信信号、前記超音波画像、前記推測受信信号、前記推測超音波画像、および、前記ニューラルネットワークの中間層の出力、のうちの一つ以上を用いて、前記推測受信信号または前記推測超音波画像の妥当性を示す情報を生成する妥当性情報生成部とを有し、
    前記ニューラルネットワークは、前記画像生成部が生成した超音波画像を入力として、前記推測超音波画像を出力するものであり、
    前記妥当性情報生成部は、前記ニューラルネットワークに入力された前記超音波画像と、前記ニューラルネットワークから出力された前記推測超音波画像との差分を求め、前記差分に基づいて前記妥当性を示す情報を算出することを特徴とする超音波撮像装置。
  6. 被検体からの超音波を受信した超音波探触子が出力する受信信号を受け取って、前記受信信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成部と、
    前記受信信号または前記画像生成部が生成した前記超音波画像を入力とし、推測受信信号または推測超音波画像を出力する、学習済みのニューラルネットワークと、
    前記受信信号、前記超音波画像、前記推測受信信号、前記推測超音波画像、および、前記ニューラルネットワークの中間層の出力、のうちの一つ以上を用いて、前記推測受信信号または前記推測超音波画像の妥当性を示す情報を生成する妥当性情報生成部とを有し、
    前記ニューラルネットワークは、前記受信信号を入力として、前記推測超音波画像を出力するものであり、
    前記妥当性情報生成部は、前記受信信号から前記画像生成部が生成した前記超音波画像と、前記ニューラルネットワークから出力された前記推測超音波画像との差分を求め、前記差分に基づいて前記妥当性を示す情報を算出することを特徴とする超音波撮像装置。
  7. 被検体からの超音波を受信した超音波探触子が出力する受信信号を受け取って、前記受信信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成部と、
    前記受信信号または前記画像生成部が生成した前記超音波画像を入力とし、推測受信信号または推測超音波画像を出力する、学習済みのニューラルネットワークと、
    前記受信信号、前記超音波画像、前記推測受信信号、前記推測超音波画像、および、前記ニューラルネットワークの中間層の出力、のうちの一つ以上を用いて、前記推測受信信号または前記推測超音波画像の妥当性を示す情報を生成する妥当性情報生成部とを有し、
    前記ニューラルネットワークは、前記受信信号を入力として、前記推測受信信号を出力するものであり、
    前記妥当性情報生成部は、前記ニューラルネットワークに入力された前記受信信号と、前記ニューラルネットワークから出力された前記推測受信信号との差分を求め、前記差分に基づいて前記妥当性を示す情報を算出し、
    前記画像生成部は、前記推測受信信号に基づいて前記超音波画像を生成することを特徴とする超音波撮像装置。
  8. 被検体からの超音波を受信した超音波探触子が出力する受信信号を受け取って、前記受信信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成部と、
    前記受信信号または前記画像生成部が生成した前記超音波画像を入力とし、推測受信信号または推測超音波画像を出力する、学習済みのニューラルネットワークと、
    前記受信信号、前記超音波画像、前記推測受信信号、前記推測超音波画像、および、前記ニューラルネットワークの中間層の出力、のうちの一つ以上を用いて、前記推測受信信号または前記推測超音波画像の妥当性を示す情報を生成する妥当性情報生成部とを有し、
    前記妥当性情報生成部は、前記受信信号、前記超音波画像、前記推測受信信号、前記推測超音波画像、および、前記ニューラルネットワークの中間層の出力、のうちの一つから特徴量を抽出し、予め求めておいた特徴量と妥当性を示す値との関係に基づいて、抽出した前記特徴量に対応する妥当性を示す値を求めることを特徴とする超音波撮像装置。
  9. 被検体からの超音波を受信した超音波探触子が出力する受信信号を受け取って、前記受信信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成部と、
    前記受信信号または前記画像生成部が生成した前記超音波画像を入力とし、推測受信信号または推測超音波画像を出力する、学習済みのニューラルネットワークと、
    前記受信信号、前記超音波画像、前記推測受信信号、前記推測超音波画像、および、前記ニューラルネットワークの中間層の出力、のうちの一つ以上を用いて、前記推測受信信号または前記推測超音波画像の妥当性を示す情報を生成する妥当性情報生成部とを有し、
    前記学習済みのニューラルネットワークは、教師データを用いて学習したものであり、前記教師データは、超音波画像を入力データとし、前記入力データよりも送信走査線および受信走査線の少なくとも一方の密度が高い超音波画像を正解データとするものであることを特徴とする超音波撮像装置。
  10. 被検体からの超音波を受信した超音波探触子が出力する受信信号を受け取って、前記受信信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成部と、
    前記受信信号または前記画像生成部が生成した前記超音波画像を入力とし、推測受信信号または推測超音波画像を出力する、学習済みのニューラルネットワークと、
    前記受信信号、前記超音波画像、前記推測受信信号、前記推測超音波画像、および、前記ニューラルネットワークの中間層の出力、のうちの一つ以上を用いて、前記推測受信信号または前記推測超音波画像の妥当性を示す情報を生成する妥当性情報生成部とを有し、
    前記学習済みのニューラルネットワークは、教師データを用いて学習したものであり、前記教師データは、前記被検体に前記超音波探触子から超音波の送信信号が送信され、前記超音波探触子が前記被検体からの超音波を受信して出力する受信信号を入力データとし、前記入力データよりも、前記被検体に送信された前記送信信号の周波数が高い場合に前記超音波探触子が出力する前記受信信号を正解データとするものであることを特徴とする超音波撮像装置。
  11. 被検体からの超音波を受信した超音波探触子が出力する受信信号を受け取って、前記受信信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成部と、
    前記受信信号または前記画像生成部が生成した前記超音波画像を入力とし、推測受信信号または推測超音波画像を出力する、学習済みのニューラルネットワークと、
    前記受信信号、前記超音波画像、前記推測受信信号、前記推測超音波画像、および、前記ニューラルネットワークの中間層の出力、のうちの一つ以上を用いて、前記推測受信信号または前記推測超音波画像の妥当性を示す情報を生成する妥当性情報生成部とを有し、
    前記学習済みのニューラルネットワークは、教師データを用いて学習したものであり、前記教師データは、前記被検体に前記超音波探触子から超音波の送信信号が送信され、前記超音波探触子が前記被検体からの超音波を受信して出力する受信信号から生成した超音波画像または受信信号を入力データとし、前記入力データよりも、前記被検体に送信された前記送信信号の周波数が高い場合に前記超音波探触子が出力する前記受信信号から生成した超音波画像を正解データとするものであることを特徴とする超音波撮像装置。
  12. 被検体からの超音波を受信した超音波探触子が出力する受信信号を受け取って、前記受信信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成部と、
    前記受信信号または前記画像生成部が生成した前記超音波画像を入力とし、推測受信信号または推測超音波画像を出力する、学習済みのニューラルネットワークと、
    前記受信信号、前記超音波画像、前記推測受信信号、前記推測超音波画像、および、前記ニューラルネットワークの中間層の出力、のうちの一つ以上を用いて、前記推測受信信号または前記推測超音波画像の妥当性を示す情報を生成する妥当性情報生成部とを有し、
    前記受信信号は、前記超音波探触子から前記被検体に超音波を送信し、前記被検体で反射された超音波を前記超音波探触子により受信したものであり、
    前記妥当性情報生成部は、2次元または3次元に配列されたピクセルごとに前記妥当性を示す値を付与した2次元または3次元の妥当性情報を生成し、前記ピクセルのサイズを、前記超音波探触子から送信された超音波あるいは、受信された超音波の波長に応じて変更することを特徴とする超音波撮像装置。
  13. 被検体からの超音波を受信した超音波探触子が出力する受信信号を受け取って、前記受信信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成部と、
    前記受信信号または前記画像生成部が生成した前記超音波画像を入力とし、推測受信信号または推測超音波画像を出力する、学習済みのニューラルネットワークと、
    前記受信信号、前記超音波画像、前記推測受信信号、前記推測超音波画像、および、前記ニューラルネットワークの中間層の出力、のうちの一つ以上を用いて、前記推測受信信号または前記推測超音波画像の妥当性を示す情報を生成する妥当性情報生成部と、
    操作者が情報を入力するコンソールと、
    前記ニューラルネットワークが生成した前記推測超音波画像または前記推測受信信号から生成した超音波画像へ前記妥当性を示す情報を反映させた画像を生成する画像処理部とを有し、
    前記画像処理部は、前記コンソールへ入力された情報にしたがって、前記推測超音波画像または前記推測受信信号から生成した超音波画像へ、前記妥当性を示す情報を反映させる際の反映のさせ方を変更することを特徴とする超音波撮像装置。
  14. 被検体からの超音波を受信した超音波探触子が出力する受信信号を受け取って、前記受信信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成部と、
    前記受信信号または前記画像生成部が生成した前記超音波画像を入力とし、推測受信信号または推測超音波画像を出力する、学習済みのニューラルネットワークと、
    前記受信信号、前記超音波画像、前記推測受信信号、前記推測超音波画像、および、前記ニューラルネットワークの中間層の出力、のうちの一つ以上を用いて、前記推測受信信号または前記推測超音波画像の妥当性を示す情報を生成する妥当性情報生成部と、
    前記妥当性を示す情報の示す前記妥当性が予め定めた条件よりも低い場合には、ユーザーに警告を行う画像処理部とを有することを特徴とする超音波撮像装置。
  15. 被検体からの超音波を受信した超音波探触子が出力する受信信号を受け取って、前記受信信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成部と、
    前記受信信号または前記画像生成部が生成した前記超音波画像を入力とし、推測受信信号または推測超音波画像を出力する、学習済みのニューラルネットワークと、
    前記受信信号、前記超音波画像、前記推測受信信号、前記推測超音波画像、および、前記ニューラルネットワークの中間層の出力、のうちの一つ以上を用いて、前記推測受信信号または前記推測超音波画像の妥当性を示す情報を生成する妥当性情報生成部と、
    画像処理部とを有し、
    前記学習済みのニューラルネットワークは、複数のニューラルネットワークを含み、それぞれのニューラルネットワークが前記推測受信信号または前記推測超音波画像を生成し、
    前記妥当性情報生成部は、前記複数のニューラルネットワークが生成した複数の前記推測超音波画像それぞれに対して前記妥当性を示す情報を生成し、
    前記画像処理部は、複数の前記妥当性を示す情報からより妥当な情報を選択または生成することを特徴とする超音波撮像装置。
  16. 超音波の受信信号または超音波画像を入力とし、推測受信信号または推測超音波画像を出力する、学習済みのニューラルネットワークと、
    前記受信信号、前記超音波画像、前記推測受信信号、前記推測超音波画像、および、前記ニューラルネットワークの中間層の出力、のうちの一つ以上を用いて、前記推測受信信号または前記推測超音波画像の妥当性を示す情報を生成する妥当性情報生成部とを有し、
    前記妥当性情報生成部は、前記ニューラルネットワークへ入力される前記受信信号または前記超音波画像と、前記ニューラルネットワークから出力される前記推測受信信号または前記推測超音波画像との差分を求め、前記差分に基づいて前記妥当性を示す情報を生成することを特徴とする画像処理装置。
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