JP7268128B2 - 骨片収集装置 - Google Patents

Description

本発明は外科的な処置中に患者から生じる血液、灌注液、組織の破片、その他液体などから剥がれ落ちた骨片を収集するための骨片収集装置に関するものである。この骨片収集装置には、最も小さな骨粉までも収集できる独特な2段階濾過システムが含まれている。

本発明は以下のような問題に対処する際に、既存の骨片収集装置に比べて様々な利点がある。
1. 既存の装置は一定のサイズの孔を使用した1段階の濾過システムをベースにしている。この1段階の濾過システムは一定のサイズの骨片のみを分離することができる。この孔が非常に大きいと、それよりも小さな骨片は流れてしまい、将来移植する際の妨げになる。この孔が小さすぎると、目詰まりを起こしやすくなる。
本骨片収集装置は、可能な限り多くの骨片を収集するように設計されており、高効率の2段階濾過システムによりこれまで流れてしまっていた骨片も効率的に収集することを可能にしたものである。第１段階は、筒状のハウジングユニット内に垂直に設置した大きな孔を有する複数のプレートである。濾過すると大きな骨片はこのプレートに蓄積される。
第2段階は、筒状のハウジングユニットの中央のパイプの下部に設置した、小さな孔を備えた円形の膜である。この膜は非常に小さい骨片を集めることができる。
本骨片収集装置のさらにユニークな点は、灌注液を吸い込み、中央のパイプで再抽出することにより、血液から骨片を取り除く点にある。 本2段階濾過システムは、洗浄中に骨片が流れ落ちることを防止する。

2. 既存の骨片収集装置の一般的な欠点は、インレットチューブとアウトレットチューブが反対側に位置しており、そのためドレープポーチに設置するために装置を大きくして安定させる必要があるという、非効率的な設計にある。いくつかの収集装置は、処置中に患者を覆うドレープにクリップなどで固定するものもある。しかしこうした固定方法では安定しない。処置中に装置の位置が変わってしまうと、正常に機能しなくなることがある。一定の角度の場合はまったく骨片を収集することができなくなることから、処置中に収集できる骨片の量は少なくなる。
それ以外の既存の装置はドレープポーチにフィットするものの、サイズが小さすぎて、処置中にポーチの中から見つけて取り出すことが難しいため、より時間を無駄にして、非効率的なだけでなく、処置に集中できなくなる。

本骨片収集装置は非常に効率的で安定感もある。インレットチューブとアウトレットチューブが同じ側に設置されているため、ドレープのポーチに設置して安定させることができる。本骨片収集装置はドレープのポーチのサイズに適しており、また簡単に取り出すこともできる。

3.また、別の既存の骨片収集装置は、非常にサイズが小さいので、頻繁に中を空にする必要があり、これにより処置に時間がかかるだけでなく、費用対効果も悪くなる
本骨片収集装置のサイズは直径 40 mmであり、これは既存の装置のおよそ倍以上の大きさであり、ドレープのポーチに完璧に適したサイズである

4. 本骨片収集装置のもう一つの利点は耐久性である。既存の装置は、インレットチューブとアウトレットチューブが簡単に壊れてしまう事がよく知られている。
本骨片収集装置のインレットチューブとアウトレットチューブは類似の既存の装置に比べて約2.5倍の厚みがあり、耐久性と、費用対効果をもたらしている。

5. 本骨片収集装置のユニークな機能として、完璧な気密性がある。排出口が円錐形になっており、これにより標準的な吸入チューブと非常にしっかりと接続することが可能になる。排出口の内径は吸入側の吸入口の内径よりも大きくなっている。この排出口と吸入口の異なる直径が負圧を形成し、装置の気密性を確保している。

骨片収集装置は脊椎、整形外科、歯科手術の処置で使用されてきた。既存の装置は主に2つのグループに分けることができる。一つ目のグループは手術野外の無菌ゾーンに設置されるものである。2つ目のグループは手術野内の滅菌ゾーンに設置されるものである。この2つ目のグループはさらにいくつかのタイプに分かれる。(1) ドリルに直接接続するもの(2)吸引チップに直接接続するもの(3)柔軟なラインを使って吸引チップに接続するものである。本骨片収集装置は2つ目のグループの(3)に属する。このタイプの骨片収集装置は、以下の特許がある。

こうした骨片収集装置は現在も業界で使用されているものの、大きな改善が必要な点が75点ある。

US006022354A Mercury US7951089B2 Miller US3785380A Brumfield US5766134A Lisak,Young US7204810B2 Hynes, Strong US7971728B2 Anspach,Bucina US7758556B2 Perez-Cruet, Pepper, Miller

骨片収集装置は、骨片移植のための様々な処置において、骨片やその破片を収集するための濾過装置である。筒状のハウジングユニットには多孔質のプレートが内壁に沿って設置されている。その筒状のハウジングユニットは蓋で覆われ、中央のパイプに取り付けられる。その中央のパイプの反対側は多孔の先端が取り付けられている。この中央のパイプはその下部に設置されている濾過膜を使ってサイクロンを形成するメカニズムと接続される。この膜は、前述の多孔質のプレートと連結するためのスロットがある。この多孔質のプレートはこの膜のスロットと組み合わさり、プレートから骨片を擦り落とすことができる。サイクロンを形成するメカニズムには、円錐の渦を使った吸入口が含まれる。このサイクロンを形成するメカニズムでは吸入する液体が螺旋状に回転する。その液体はさらに、2段階の濾過システムへ進む。第１段階は、前述の多数孔を有する複数のプレートで、 大きな骨片を収集する。第2段階は、濾過膜であり、小さい骨片を集めることができる。
骨片は分離されてプレートと膜の表面に蓄積する。吸引ラインが接続されており、残った液体を中央のパイプから排出する。その液体は、膜の下にあるパイプの多孔質の先端から中央のパイプに吸い込まれる。シリンダの蓋を外して骨片を収集する。蓋を外している間、中央の濾過膜が多くの孔のあいたプレートから骨片を擦り落とす。

本骨片収集装置は歯科業界でも使用できる。この装置のサイズは歯科治療に必要なニーズに調節することができる。

図1は、本骨片収集装置を組み立てた状態の透視図である。 図2 は、本骨片収集装置の一部を組み立てた状態の透視図である。 図3は、本発明の上部断面図であり、蓋や螺旋構造も示されている。 図4は、本発明の下部断面図であり、筒状のハウジングユニット、中央のパイプとその先端で多数の孔があるもの、濾過のためのプレート、濾過膜が示されている。

図1-4に参照の通り、本骨片収集装置は2つの主要な部分からなる。一つめは、図１の全体で示す筒状のハウジングユニットであり、プラスチックや透明な素材で作られることが理想である。もう一つは蓋であり、ここでは数字の10で示されている。この蓋にはサイクロン形成システムが組み込まれており、螺旋構造3-4および吸入口-1から設置されている。

患者から吸入される体液である液体は、筒状のチューブ-13、円錐状の先端部-2につながる吸入口-1から本骨片収集装置に吸入される。吸入口-1は円錐状の先端部を通じて吸引管に接続されており、液体は直接螺旋構造-3-4に送られる。螺旋構造は蓋-10に取り付けられており、中央のパイプ-9に巻き付けられている。該中央のパイプ-9は、前記筒状のハウジングユニットの内部中央に設置される縦長の筒状物である。

前述の吸入口-1は円錐形状-7であり、柔軟な吸引管としっかりと接続することにより、処置中に患者からの体液である液体を送る。
入ってくる液体は、螺旋構造の上端-3へ送られ、サイクロン運動を行い、螺旋構造の下部-4へ移動する。螺旋構造の下部-4は、筒状のハウジングユニットの内壁に設置された、多孔質の濾過プレート-5のレベルで終わっている。液体は螺旋構造を離れると、複数の孔-16をもつ多孔質の濾過プレート-5へ移動する。ここでは大きなサイズの骨片が集められる。多孔質の濾過プレート-5を通過した粉のような小さな骨片は、小さな孔のあいた中央の濾過膜-14に蓄積する。

多孔質の濾過プレート-5と、中央の濾過膜-14の組み合わせにより、2段階の濾過システムが形成され、これにより非常に多くの骨片を集めることが可能になる。この中央の濾過膜-14は、該中央のパイプ-9の下方部分において、該中央のパイプが該中央の濾過膜（14）の中心部分を通過する形態によって、固定可能に設置され、さらにこの中央の濾過膜-14には、複数のスロット-6 が設置されている。このスロット-6は濾過プレート-5の位置とサイズに対応して設置される。中央のパイプ-9と中央の濾過膜-14が固定可能に接続されている蓋-10を引き抜くと、中央の濾過膜-14のスロット-6の縁との接触により、多孔質プレート-5の表面から細かい骨片を擦り落とす。この中央の濾過膜-14は、また筒状のハウジングユニットの内壁に堆積した骨片や骨粉を機械的に集めることができる。濾過された体液である液体は中央の濾過膜-14を通過して下部のレセプタクル-17に移動する。そこから中央のパイプ-9の多孔質の先端-8を通って中央のパイプに送られる。この多孔質の先端-8は、血餅による目詰まりを防ぐために、複数の細孔-18を含む。

中央のパイプを通って送られた濾過された体液である液体は、最終的には円錐形の形状の排出口-11を通じて装置から排出される。出口側の排出口-11の内径は、入口側の吸入口-1の内径よりも大きいため、ベルヌーイ原理による負圧が発生し、当該骨片収集装置の気密性が確保される。

骨片収集装置の蓋は、Oリング- 15によりハウジングユニットにしっかりと接続される。

1：吸入口
2：円錐状の先端部（ジェット）
3-4：螺旋構造
5：多孔質の濾過プレート
6：スロット
7：円錐形状
8：先端
9：中央のパイプ
10：蓋
11：排出口
12：ハウジングユニット
13：筒状のチューブ
14：濾過膜
15：Oリング
16：複数の孔
17：レセプタクル
18：細孔

Claims (9)

1. 外科的処置において、患者から生じた骨片及び／又はその破片を収集するための骨片収集装置であって、以下の（A）～（H）の要素を含む骨片収集装置；
   （A）筒状のハウジングユニットであって、ここで、患者由来体液から骨片及び／又はその破片を濾過するための複数の多孔質の濾過プレート（5）が、前記骨片収集装置の長軸に平行に、前記筒状のハウジングユニットの内壁表面に沿って設置されている、前記筒状のハウジングユニット；
   （B）前記筒状のハウジングユニットの蓋（10）；
   （C）Oリング（15）であって、前記筒状のハウジングユニットと前記蓋（10）との接合部に設置され、当該筒状のハウジングユニットと前記蓋（10）との機密性を確保する、Oリング（15）；
   （D）サイクロンを形成するメカニズム（2、3、4、9、10、13）であって、ここで、それは、上記筒状のハウジングユニット及び上記蓋（10）の内側に設置され、及び、それは、対象として前記体液から前記骨片及び／又はその破片を分離のために設置され、それは螺旋構造（3）（4）と、円錐形状の先端部（2）を持つ筒状のチューブ（13）を含む吸入口（1）とを構成要素として含む、前記サイクロンを形成するメカニズム；
   （E）中央のパイプ（9）であって、ここで、該中央のパイプ（9）は、前記筒状のハウジングユニットの内部中央に設置される縦長の筒状物であり、螺旋構造の形態（3）（4）である前記サイクロンを形成するメカニズムの該螺旋構造がこれに巻き付けられ、そして、該中央のパイプ（9）は、以下の多段階の濾過システムにより、前記骨片及び／又はその破片から分離された濾過された体液である液体をとり出すために多孔質の先端（8）を有し、該中央のパイプ（9）は、上記蓋（10）に垂直に設置されている、前記中央のパイプ（9）；
   （F）多段階の濾過システムであって、ここで、それは複数の細孔（16）を持つ前記多孔質の濾過プレート（5）と中央の濾過膜（14）とを構成要素として含み、ここで、該中央の濾過膜（14）は、前記中央のパイプ（9）の下方部分において、該中央のパイプが該中央の濾過膜（14）の中心部分を通過する形態によって、固定可能に設置され、
   該中央の濾過膜（14）は骨片及び／又はその破片を含む前記体液を濾過するための複数の細孔及びスロット（6）を含み、ここで該スロット（6）は、前記中央の濾過膜（14）において、前記複数の多孔質の濾過プレート（5）の通過が可能になるように設置され及び通過が可能なサイズを持っており、骨片収集装置の開放中に、上記複数の多孔質の濾過プレート（5）表面に集められた骨片及び／又はその破片を該スロット（6）により擦り落とすことができる、前記多段階の濾過システム；
   （G）複数の細孔を有する前記多孔質の先端（8）であって、ここで該先端（8）は、前記中央の濾過膜（14）の下である、前記中央のパイプ（9）の端に設置されている、前記複数の細孔を有する前記多孔質の先端（8）；及び
   （H）前記吸入口（1）と前記排出口（11）であって、ここで、それらは、上記ハウジングユニットの蓋（10）に必須の部分として設置され、該吸入口（1）は、前記体液を前記骨片収集装置内に取り込む口であり、前記サイクロン形成システムにつながり、該排出口（11）は、濾過された体液である液体を前記骨片収集装置外に排出するための口であり、前記中央のパイプ（9）につながり、そして、該吸入口（1）と該排出口（11）は、吸引管への遮水接続を確実にするために、円錐形状に形成されている、前記吸入口（1）及び前記排出口（11）。
2. 請求項1に記載の骨片収集装置であって、前記吸入口（1）は、前記吸引管に接続されており、患者から入ってくる体液である液体は、前記吸入口（1）から螺旋構造（3）へ送られ、該螺旋構造（3）は、前記蓋（10）に設置され、及び、前記中央のパイプ（9）に巻き付けられるものであり、さらにこの螺旋構造（3）の遠位部分が複数の多孔質の濾過プレート（5）のレベルで終わっている、骨片収集装置。
3. 請求項1に記載の骨片収集装置であって、前記サイクロンを形成するメカニズムを有し、該サイクロンを形成するメカニズムが、前記吸入口（1）を含み、そして、該吸入口（１）が、該骨片収集装置と該螺旋構造（3）の縦軸から0-90度の角度で設置される、骨片収集装置。
4. 請求項1に記載の骨片収集装置であって、前記中央の濾過膜（14）と骨片及び／又はその破片を収集するための複数の細孔をもつ前記複数の多孔質の濾過プレート（5）の構成要素を含む前記多段階の濾過システムを有し、ここで、該複数の多孔質の濾過プレート（5）は、前記筒状のハウジングユニットの内壁に沿って設置される、骨片収集装置。
5. 請求項1に記載の骨片収集装置であって、濾過された体液である液体を排出するための前記中央のパイプ（9）を有し、該中央のパイプ（9）の上端には前記蓋（10）が取り付けられ、及び、下端には多孔質の先端（8）を有し、該先端（8）には、血餅による目詰まりを防ぐための複数の細孔を有する、骨片収集装置。
6. 請求項1に記載の骨片収集装置であって、前記中央のパイプ(9)の下方部に固定可能に設置された前記中央の濾過膜（14）を有し、該中央の濾過膜（14）が複数の細孔を有しており、骨片及び／又はその破片を集めることができ、この細孔のサイズは前記多孔質の濾過プレート（5）の細孔よりも小さいものである、骨片収集装置。
7. 請求項1に記載の骨片収集装置であって、前記中央の濾過膜（１４）が、骨片を濾過するための複数の細孔と、複数のスロット（６）を有し、該スロット（６）は、複数の前記多孔質の濾過プレート（5）を通過することを前記中央濾過膜（１４）において可能にするように設置され及び可能にするサイズを有し、そして、該骨片収集装置の蓋（１０）を取り外し開放中に、前記筒状のハウジングユニットの内壁に堆積した骨片及び／又はその破片、及び、複数の該多孔質の濾過プレート（5）に集められた骨片及び／又はその破片を、機械的に集めることができるものである、骨片収集装置。
8. 請求項1に記載の骨片収集装置であって、出口側の前記排出口（11）の内径は、入口側の前記吸入口（1）の内径よりも大きくなっており、ベルヌーイ原理による負圧が発生し、該骨片収集装置の気密性が確保され、排出される体液の該骨片収集装置の通過中の各要素装置間の接続を確実にする、また、この吸入口（1）と排出口（11）が円錐形状である、骨片収集装置。
9. 請求項1に記載の骨片収集装置であって、前記Oリング（15）が、前記蓋（10）と前記筒状のハウジングユニットの接合部に設置され、これにより該骨片収集装置の気密性が保たれるものである、骨片収集装置。

Images