JP7265745B2 - 物理発泡成形体およびその製造方法 - Google Patents

物理発泡成形体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、発泡成形用の樹脂組成物およびその発泡成形体に関するものである。
ポリアミド樹脂は、耐薬品性、耐熱性、成形加工性等の特性に優れていることから、その成形体は、自動車部品等に広く利用されている。ポリアミド樹脂は、樹脂単独では機械的特性等が不十分であるため、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレイ等の無機充填剤を配合して用いることが通常である。近年、自動車部品等においては軽量化が求められるようになり、ポリアミド樹脂についても軽量化が求められるようになってきており、ポリアミド樹脂の発泡成形体が盛んに検討されている。
ポリアミド樹脂の発泡成形体としては、例えば、特許文献1に、ポリアミド樹脂、発泡核剤、ガラス繊維、ガラス繊維以外の繊維状充填材からなる樹脂組成物、およびその発泡成形体が開示されている。しかしながら、特許文献1の実施例で開示される発泡成形体は、機械的特性を向上させるため、ポリアミド樹脂100質量部に対して、ガラス繊維を少なくとも6質量部含有するために、密度が高くなり、十分に軽量化することができず、また、寸法安定性が悪かった。また、軽量化するため、ガラス繊維の含有量を低下させた場合、発泡セルが大きくなったり、不均一になったりするという生産性の問題があった。
特開2016-000802号公報
本発明は、かかる従来技術に鑑み、軽量性に優れ、細かく均一な大きさの発泡セルを多量に有し、機械的特性、寸法安定性、表面外観に優れた発泡成形体を生産性よく得ることができる樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリアミド樹脂にセルロース繊維を特定量含有し、特定の複素粘度特性を有するものとすることにより、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)ポリアミド樹脂100質量部に対して、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維を0.5~10質量部含有し、周波数が0.1Hzの場合の複素粘度ηが1.0×10~1.0×10Pa・sであることを特徴とする発泡成形用樹脂組成物。
(2)(1)に記載の発泡成形用樹脂組成物を発泡成形してなることを特徴とする発泡成形体。
(3)平均セル径が500μm以下であることを特徴とする(2)に記載の化学発泡成形体。
(4)平均セル径が100μm以下であることを特徴とする(2)に記載の物理発泡成形体。
(5)平均セル径の標準偏差が8μm以下であることを特徴とする(4)に記載の物理発泡成形体。
(6)鏡面加工部表面のL値が1.8以下であることを特徴とする(4)または(5)に記載の物理発泡成形体。
(7)(1)に記載の発泡成形用樹脂組成物をコアバック射出成形法により発泡成形することを特徴とする発泡成形体の製造方法。
(8)コアバックの速度を前半と後半で変更し、後半の速度を、前半の速度の0.5倍以下とすることを特徴とする(7)に記載の発泡成形体の製造方法。
本発明によれば、軽量性に優れ、細かく均一な大きさの発泡セルを多量に有し、機械的特性、寸法安定性、表面外観に優れた発泡成形体を生産性よく得ることができる樹脂組成物を提供することができる。
物理発泡法により得られた発泡成形体の引張弾性率、引張強度を測定する際に用いた試験片を示した図である。
本発明の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂に、平均繊維径が10μm以下であるセルロース繊維を含有する。
本発明に用いるポリアミド樹脂は、アミノ酸や、ラクタムや、ジアミンとジカルボン酸とから形成されるアミド結合を有する重合体である。
アミノ酸としては、例えば、6-アミノカプロン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸が挙げられる。
ラクタムとしては、例えば、ε-カプロラクタム、ω-ラウロラクタムが挙げられる。
ジアミンとしては、例えば、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4-/2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、5-メチルノナメチレンジアミン、2,4-ジメチルオクタメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、3,8-ビス(アミノメチル)トリシクロデカン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジンが挙げられる。
ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2-クロロテレフタル酸、2-メチルテレフタル酸、5-メチルイソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ジグリコール酸が挙げられる。
本発明に用いるポリアミド樹脂の具体例としては、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ポリアミド116)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミドTMHT)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド6I)、ポリヘキサメチレンテレフタル/イソフタルアミド(ポリアミド6T/6I)、ポリビス(4-アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドPACM12)、ポリビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド11T)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ポリアミド11T(H))が挙げられ、これらの共重合体や混合物であってもよい。中でも、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、およびこれらの共重合体や混合物がより好ましい。
上記ポリアミド樹脂は、後述する重合法や、さらに固相重合法を併用して製造される。
本発明に用いるセルロース繊維としては、木材、稲、綿、麻、ケナフ等に由来するものが挙げられる。なお、セルロース繊維には、バクテリアセルロース、バロニアセルロース、ホヤセルロース等の生物由来のものや、再生セルロース、セルロース誘導体等も含まれる。
細かく均一な大きさの発泡セルを多量に有する発泡成形体とするためには、セルロース繊維を凝集させることなく、樹脂中に均一に分散させることが好ましい。そのためにはポリアミド樹脂に対するセルロース繊維の分散性や、ポリアミド樹脂とセルロース繊維の親和性が重要である。また、セルロース繊維が有する水酸基等の性質をできるだけ発揮させるためには、セルロース繊維の表面積を増やすことが重要である。このため、できるだけ微細化されたセルロース繊維を用いることが好ましい。
発泡成形体中のセルロース繊維は、平均繊維径が10μm以下であることが必要であり、1μm以下であることが好ましく、500nm以下であることがより好ましく、300nm以下であることがさらに好ましく、40~100nmであることが最も好ましい。樹脂組成物中に含有されるセルロース繊維の平均繊維径が10μmを超える場合、セルロース繊維の表面積を増やすことができず、ポリアミド樹脂に対する分散性や親和性を向上させることが困難となる。このため、得られる発泡成形体は、発泡セルの大きさが不均一になったり、発泡セルが大きくなったり、またセルロース繊維が目視で確認されたりして、表面外観が不良なものとなる。
樹脂組成物中のセルロース繊維の平均繊維径を10μm以下とするには、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維を用いることが好ましい。このようなセルロース繊維としては、セルロース繊維を引き裂くことによってミクロフィブリル化したものが好ましい。ミクロフィブリル化する手段としては、ボールミル、石臼粉砕機、高圧ホモジナイザー、ミキサー等の各種粉砕装置を用いることができる。このようなセルロース繊維として市販されているものとしては、例えば、ダイセルファインケム社製の「セリッシュ」が挙げられる。
また、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維としては、セルロース繊維を用いた繊維製品の製造工程において、屑糸として出されたセルロース繊維の集合体を用いることもできる。繊維製品の製造工程とは紡績時、織布時、不織布製造時、そのほか繊維製品の加工時等が挙げられる。これらのセルロース繊維の集合体は、セルロース繊維がこれらの工程を経た後に屑糸となったものであるため、セルロース繊維が微細化したものとなっている。
また、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維としては、バクテリアが産出するバクテリアセルロースを用いることもでき、例えば、アセトバクター族の酢酸菌を生産菌として産出されたものを用いることができる。植物のセルロースは、セルロースの分子鎖が収束したもので、非常に細いミクロフィブリルが束になって形成されているものであるのに対し、酢酸菌より産出されたセルロースはもともと幅20~50nmのリボン状であり、植物のセルロースと比較すると極めて細い網目状を形成している。
また、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維としては、N-オキシル化合物の存在下にセルロース繊維を酸化させた後に、水洗、物理的解繊工程を経ることにより得られる、微細化されたセルロース繊維を用いてもよい。N-オキシル化合物としては各種あるが、例えば、Cellulose(1998)5,153-164に記載されているような2,2,6,6-Tetramethylpiperidine-1-oxyl radical等が好ましい。N-オキシル化合物は触媒量の範囲で反応水溶液に添加する。この水溶液に共酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムや亜塩素酸ナトリウムを加え、臭化アルカリ金属を加えることにより反応を進行させる。水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性の化合物を添加してpHを10付近に保持し、pHの変化が見られなくなるまで反応を継続する。反応温度は室温で構わない。反応後、系内に残存するN-オキシル化合物を除去することが好ましい。洗浄はろ過、遠心分離等の各種方法を採用することができる。その後、上記したような各種粉砕装置を用い、物理的な解繊工程を経ることで微細化されたセルロース繊維を得ることができる。
本発明の樹脂組成物中のセルロース繊維は、平均繊維径と平均繊維長との比であるアスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)が10以上であることが好ましく、50以上であることがより好ましく、100以上であることがさらに好ましい。アスペクト比が10以上であるセルロース繊維を用いることにより、得られる発泡成形体の機械的特性が向上しやすくなる。
本発明の発泡成形体を構成する樹脂組成物中のセルロース繊維の含有量は、ポリアミド樹脂100質量部に対して、0.5~10質量部であることが必要であり、0.5~5質量部であることが好ましい。セルロース繊維の含有量がポリアミド樹脂100質量部に対して0.5質量部未満である場合、発泡成形時に発泡しにくくなり、細かく均一な大きさの発泡セルを多量に有する発泡成形体を得ることができず、設定発泡倍率よりも低くなる場合があるので好ましくない。一方、セルロース繊維の含有量がポリアミド樹脂100質量部に対して10質量部を超える場合、セルロース繊維を樹脂組成物中に含有させることが困難となり、得られる発泡成形体の発泡セルの大きさが不均一になったり、発泡セルが大きくなったりするので好ましくない。
本発明の樹脂組成物を、後述するような製造法で得ることにより、セルロース繊維の含有量が少量であっても、それがポリアミド樹脂中に均一に分散された樹脂組成物となるので、発泡成形において、十分に発泡し、細かく均一な大きさの発泡セルを多量に有する発泡成形体を得ることができる。
セルロース繊維は水との親和性が非常に高く、平均繊維径が小さいほど水に対して良好な分散状態を保つことができる。また、水を失うと水素結合により強固にセルロース繊維同士が凝集し、一旦凝集すると凝集前と同様の分散状態をとることが困難となる。特にセルロース繊維の平均繊維径が小さくなるほどこの傾向が顕著となる。したがって、セルロース繊維は水を含んだ状態でポリアミド樹脂と複合化することが好ましい。そこで、本発明においては、ポリアミド樹脂の重合時に、水を含んだ状態のセルロース繊維の存在下に、ポリアミド樹脂を構成するモノマーの重合反応をおこなうことにより、セルロース繊維を含有するポリアミド樹脂組成物を得る方法を採ることが好ましい。このような製造法により、ポリアミド樹脂中にセルロース繊維を凝集させずに均一に分散させることが可能となる。
本発明においては、ポリアミド樹脂を構成するモノマーと、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維の水分散液とを混合し、重合反応をおこなうことによりセルロース繊維を含有する樹脂組成物を製造することができる。なお、重合反応時に、後述する樹脂組成物中に添加することができる添加剤を加えた場合は、樹脂組成物には該添加剤も含むものをいう。
セルロース繊維の水分散液は、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維を水に分散させたものであり、水分散液中のセルロース繊維の含有量は0.01~50質量%とすることが好ましい。セルロース繊維の水分散液は、精製水とセルロース繊維とをミキサー等で攪拌することにより得ることができる。そして、セルロース繊維の水分散液と、ポリアミド樹脂を構成するモノマーとを混合し、ミキサー等で攪拌することにより均一な分散液とする。その後、分散液を加熱し、150~270℃まで昇温させて攪拌することにより重合反応させる。このとき、分散液を加熱する際に徐々に水蒸気を排出することにより、セルロース繊維の水分散液中の水分を排出することができる。なお、上記ポリアミド重合時においては、必要に応じてリン酸や亜リン酸等の触媒を添加してもよい。また、発泡核剤を上記ポリアミド重合時において添加してもよい。そして、重合反応終了後は、得られた樹脂組成物を払い出した後、切断してペレットとすることが好ましい。
セルロース繊維としてバクテリアセルロースを用いる場合においては、セルロース繊維の水分散液として、バクテリアセルロースを精製水に浸して溶媒置換したものを用いてもよい。バクテリアセルロースの溶媒置換したものを用いる際には、溶媒置換後、所定の濃度に調整した後、ポリアミド樹脂を構成するモノマーと混合し、上記と同様に重合反応を進行させることが好ましい。
上記方法においては、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維を用い、かつセルロース繊維を水分散液のまま重合反応に供することで、分散性が良好な状態で重合反応に供されることとなる。さらに、重合反応に供されたセルロース繊維は、重合反応中のモノマーや水との相互作用により、また上記のような温度条件で攪拌することにより、分散性が向上し、繊維同士が凝集することがなく、平均繊維径が小さいセルロース繊維が良好に分散した樹脂組成物を得ることが可能となる。なお、上記方法によれば、重合反応前に添加したセルロース繊維の平均繊維径よりも、重合反応終了後に混合物中に含有されているセルロース繊維の方が、平均繊維径や繊維長が小さいものとなることがある。
上記方法においては、セルロース繊維を乾燥させる工程が不要となり、微細なセルロース繊維の飛散が生じる工程を経ずに製造が可能であるため、生産性よく樹脂組成物を得ることが可能となる。またモノマーとセルロースを均一に分散させる目的として水を有機溶媒に置換する必要がないため、ハンドリングに優れるとともに製造工程中において化学物質の排出を抑制することが可能となる。
本発明の樹脂組成物の相対粘度は、2.0~5.0であることが好ましく、2.0~4.0であることがより好ましい。相対粘度が2.0未満の場合、均一な発泡セルが生成しにくく、発泡成形性が低下し、また、機械的特性も低下する場合がある。一方、相対粘度が5.0を超える場合、樹脂組成物の流動性が低下するため、発泡成形性が低下する場合がある。
本発明の樹脂組成物は、250℃、ひずみ1%の条件下、周波数依存性での動的粘弾性測定で得られる複素粘度ηが周波数0.1Hzで1.0×10~1.0×10Pa・sであることが好ましく、5.0×10~5.0×10Pa・sであることがより好ましい。複素粘度が上記範囲内である場合、発泡成形のコアバック過程で気泡が形成される際、破泡が抑制され、細かく均一な気泡を形成しやすい。複素粘度が1.0×10Pa・s未満の場合、発泡成形時に破泡を起こして気泡が大きくなったり不均一になったりするので好ましくない。一方、複素粘度が1.0×10Pa・sを超える場合、発泡成形時に溶融樹脂の粘度が高くなりすぎて、発泡に不具合が生じる場合があるので好ましくない。
本発明においては、樹脂組成物が、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維を特定量含有し、特定の範囲の複素粘度が特性を有するため、発泡成形のコアバック過程で気泡が形成される際、破泡が抑制され、細かく均一な大きさの発泡セルを多量に含む発泡成形体を得ることができる。
本発明においては、上記した樹脂組成物に加えて発泡核剤、発泡剤を含有させ発泡成形する化学発泡法や、成形時に樹脂組成物に超臨界状態のガスを混入して発泡成形する物理発泡法等の方法により発泡成形をおこない、発泡成形体を製造することができる。
化学発泡法に用いる発泡核剤としては、例えば、酸化チタン、タルク、カオリン、クレイ、珪酸カルシウム、シリカ、クエン酸ソーダ、炭酸カルシウム、珪藻土、焼成パーライト、ゼオライト、ベントナイト、ガラス、石灰石、硫酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸第二鉄、ポリテトラフルオロエチレン粉末が挙げられる。
発泡核剤を用いる場合、樹脂組成物中の発泡核剤の含有量は、ポリアミド樹脂100質量部に対して、0.01~15質量部とすることが好ましく、0.1~12質量部とすることが好ましく、0.2~8質量部とすることがより好ましく、0.2~5質量部とすることがさらに好ましい。発泡核剤の含有量が0.01質量部未満である場合、得られる発泡成形体は、発泡核剤を添加した効果が現れずに、気泡が粗大となり、発泡が不十分となる場合がある。その結果、みかけ密度が高いものとなり、また表面外観が不良なものとなる。一方、発泡核剤の含有量が15質量部を超える場合、気泡数が過剰となり、破泡が生じやすくなり、発泡成形体は、表面外観が不良なものとなる場合がある。
化学発泡法に用いる発泡剤としては、アゾ、N-ニトロソ、複素環式窒素含有およびスルホニルヒドラジド基のような分解しうる基を含有する有機化合物、炭酸アンモニウムや炭酸水素ナトリウム等の無機化合物が挙げられる。具体的には、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、ジアゾアミノベンゼン、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’-ジメチル-N,N’-ジニトロソテレフタルアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、4,4’-オキシ-ビス(ベンゼンスルホニル)ヒドラジド、ジフェニルスルホン-3,3’-ジスルホニルヒドラジド、4-トルエンスルホニルヒドラジド、4,4’-オキシ-ビス(ベンゼンスルホニル)セミカルバジド、4-トルエンスルホニルセミカルバジド、バリウムアゾジカルボキシレート、5-フェニルテトラゾール、トリヒドラジノトリアジン、4-トルエンスルフォニルアザイド、4,4’-ジフェニルジスルフォニルアザイドが挙げられる。
また、発泡剤として、液状フルオロカーボン、ペンタン等の常温で液体のものや、ガス状フルオロカーボン、窒素、二酸化炭素、空気、ヘリウム、アルゴン等の常温で気体のものや液化したものも用いることができる。
発泡剤を用いる場合、樹脂組成物中の発泡剤の含有量は、ポリアミド樹脂100質量部に対して、0.05~2質量部とすることが好ましく、0.1~1質量部とすることがより好ましい。発泡剤の含有量が0.05質量部未満の場合、発泡するガスの量が少なく、発泡倍率を高くすることができない場合がある、その結果、得られる発泡成形体のみかけ密度が高いものとなり、軽量化できない場合がある。一方、配合量が2質量部を超える場合、得られる発泡成形体の機械的強度が低下する場合や、シルバーストリークスやスワールマークの発生等の表面外観が不良なものとなる場合がある。
化学発泡法において、発泡剤が固体である場合、得られた樹脂組成物を、ペレット状もしくは粉末状にした後、発泡剤と混合し、次いでこの混合物を成形機中に供給、溶融し、射出成形して発泡成形体を得ることができる。発泡剤は直接添加してもよいが、予め熱可塑性樹脂と発泡剤を溶融混練したマスターバッチペレットを用いて添加してもよい。また、ディスクペレッター等を用いて発泡核剤とバインダー等を発泡剤と押し固めたマスターバッチペレットを用いてもよい。発泡剤が気体や液体である場合、溶融樹脂組成物中に発泡剤を直接加えて均一に分散させ、成形時に発泡させ、発泡成形体を得ることができる。
物理発泡法で用いるガスとしては、超臨界状態にすることができれば特に限定されないが、例えば、窒素や二酸化炭素を挙げられる。超臨界状態のガスの混入速度は、得ようとする発泡成形体の発泡実倍率や樹脂組成物の複素粘度に応じて適宜調整すればよい
本発明の発泡成形体は、発泡セルが存在するコア層と発泡セルが存在しないスキン層とから構成されることが好ましい。 中でもコアバック射出成形法により成形した、コア層とスキン層を有する発泡成形体であることが好ましい。上記コアバック射出成形法とは、スキン層の形成の際に、樹脂組成物の結晶化を促進させた後、金型のコア部を後退させる成形方法である。
本発明の発泡成形体におけるコア層とスキン層の厚みの比(コア層/スキン層)は、1/5~5/1であることが好ましい。この範囲よりスキン層の厚みが大きい場合、発泡セルの数が少なくなり、みかけ密度が高くなり、軽量化できない場合がある。一方、この範囲よりスキン層の厚みが小さくなる場合、表面外観が不良なものとなりやすい。
本発明においては、本発明の樹脂組成物を用いてコアバック射出成形法により成形することにより、得られる発泡成形体の平均セル径やセル径の標準偏差を小さくすることができ、細かく均一な発泡セルを有するものとすることができる。その結果、スキン層にスワールマークやシルバーストリークスやヒケ等がなく、鏡面加工部表面のL値が小さく、表面外観が良好なものとすることができる。
化学発泡法により得られる発泡成形体(以下、「化学発泡成形体」という場合がある。)であれば、平均セル径は100~500μmとすることができ、セル径の標準偏差を50μm以下とすることができる。平均セル径は、100~400μmであることが好ましく、100~300μmであることがより好ましく、100~200μmであることがさらに好ましい。平均セル径が500μmを超える場合、発泡成形体の耐衝撃性等の機械的特性が低くなったり、表面外観が不良となったりする場合がある。一方、平均セル径を100μm未満とすることは現実的には困難である。
また、物理発泡法により得られる発泡成形体(以下、「物理発泡成形体」という場合がある。)であれば、平均セル径を10~130μmとすることができ、セル径の標準偏差を10μm以下とすることができる。平均セル径は、10~100μmであることが好ましく、10~50μmであることがより好ましい。発泡セルの標準偏差が10μm以下となると、セル径が揃うことになるため、 セル径が揃わない場合よりもシャルピー衝撃強度を高くすることができ、耐衝撃性を優れたものとすることができる。一方、発泡セルの標準偏差が10を超えると、セルの均一性に乏しいものとなるため、発泡成形体の耐衝撃性等の機械的特性が低くなる場合がある。
本発明においては、さらにコアバック射出成形の条件を制御することにより、得られる発泡成形体の平均セル径や標準偏差をより小さくすることができ、より細かく均一な発泡セルを有するものとすることができる。その結果、鏡面加工部表面のL値をより小さくすることができ、表面外観をより良好なものとすることができる。また、シャルピー衝撃強度をより高くすることができ、耐衝撃性をより優れたものとすることができる。
コアバック射出成形の条件を制御することにより、化学発泡成形体であれば、セル径の標準偏差を40μm以下とすることができ、鏡面加工部表面のL値を10以下とすることができる。
また、コアバック射出成形の条件を制御することにより、物理発泡成形体であれば、平均セル径を10~100μmとすることができ、セル径の標準偏差を8μm以下とすることができ、鏡面加工部表面のL値を1.8以下とすることができる。平均セル径は、75μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。セル径の標準偏差は、6μm以下であることが好ましく、4μm以下であることがより好ましい。鏡面加工部表面のL値は、1.5以下であることが好ましく、1.2以下であることがより好ましい。
コアバック射出条件のうち、射出速度、金型温度、コアバック速度は特に重要である。
本発明の樹脂組成物は、結晶化速度が速いことから、ポリアミド樹脂の種類に応じて、金型キャビティ内へ樹脂を充填する際の射出速度を速くすることが好ましく、スキン層において溶融した樹脂組成物の急速な冷却を抑制し、結晶化に至る前までにコアバック動作をおこなって発泡させることが好ましい。ポリアミド樹脂としてポリアミド6を用いる場合であれば、化学発泡をおこなう場合の射出速度は、180~350mm/sとすることが好ましく、物理発泡をおこなう場合の射出速度は、40~80mm/sとすることが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物は結晶化速度が速いことから、金型温度を、ポリアミド樹脂の種類に応じて、特定の範囲に制御することが好ましい。金型温度が低いと、金型キャビティ内に充填された溶融樹脂が金型に触れてすぐに固化が始まり、樹脂と金型の間に存在する発泡ガスがそのまま残った状態で発泡体が作製され、その影響で表面にスワールマークやシルバーストリークスが発生する傾向がある。一方、金型温度が高い場合、スキン層での溶融樹脂の冷却が不十分なままコアバックがおこなわれ、外観不良が発生する傾向がある。なお、特定の範囲内であれば、金型温度はできる限り高いことが好ましい。これは、固化途中の樹脂と金型の間に存在する発泡ガスが樹脂中に溶け込まれやすくなるためである。ポリアミド樹脂としてポリアミド6を用いる場合であれば、化学発泡をおこなう場合の金型温度は、70~90℃とすることが好ましく、物理発泡をおこなう場合の金型温度は、60~70℃とすることが好ましい。通常、物理発泡法においては、超臨界ガスの注入により溶融樹脂の温度が低下するため、金型温度は、化学発泡法の場合よりも低い温度とする方が好ましい。
また、本発明においては、コアバックの速度を前半と後半で変更し、前半の速度は速くし、後半の速度は遅くすることが好ましい。具体的には、コアバックの後半の速度を、前半の速度の0.5倍以下とすることが好ましく、0.3倍以下とすることがより好ましく、0.2倍以下とすることがさらに好ましい。このようにすることは、特に、物理発泡成形体を製造する際に効果的である。物理発泡成形においては、特開2008-018677号公報に記載されているように、コアバックの前半は速度を遅くし、後半は速度を速くする方が好ましいことが知られている。これは、物理発泡法においては、発泡圧が比較的高いため、発泡圧が高い状態の前半でコアバック速度を遅くすることによりスキン層を形成させ、発泡気泡がスキン層を突き破ることを抑制することができると考えられているためである。しかしながら、本発明の樹脂組成物は結晶化速度が速いため、コアバック時の前半は速度が遅いと、コア層の溶融樹脂がコアバックの速い段階で固化し、発泡不良となる場合がある。また、コアバックの速度が一定であると、金型キャビティ内の圧力変化が急激になり、発泡気泡が大きくなる場合がある。コアバック時の前半と後半の時間は特に限定されないが、0.5/9.5~5/5とすることが好ましく、0.5/9.5~3/7とすることがより好ましい。なお、コアバックの速度の変化は、3段階以上であってもよい。
本発明においては、例えば研磨材により金型表面を研磨して鏡面加工仕上げをした金型キャビティを用いて、コアバック射出成形法でコア層とスキン層を形成することにより、表面を鏡面加工したものとすることができる。このような鏡面加工した発泡成形体は、黒色に着色されていることが好ましく、中でも黒色色素を含有する樹脂組成物を用いて成形されることが好ましい。
黒色色素としては、黒色顔料や黒色染料等が挙げられ、具体的には、カーボンブラックやニグロシン、チタンと鉄の複合酸化物、アニリンブラック等が挙げられる。黒色色素は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。本発明の発泡成形体における黒色色素の含有量は、ポリアミド樹脂100質量部に対して、0.1~5.0質量部とすることが好ましく、0.1~3.0質量部とすることがより好ましい。
本発明においては、シボ加工仕上げをした金型キャビティを用いて、コアバック射出成形法でコア層とスキン層を形成することにより、表面をシボ加工したものとすることもできる。
本発明の発泡成形体には、その特性を大きく損なわない限りにおいて、強化材、層状珪酸塩、他の重合体、熱安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、結晶核剤、離型安定剤等の添加剤が含有されていてもよい。
強化剤としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレイ、マイカ、ワラストナイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウムが挙げられる。
層状珪酸塩としては、例えば、膨潤性雲母、非膨潤性雲母、合成スメクタイトが挙げられる。
他の重合体としては、例えば、ポリブタジエン、ブタジエン-スチレン共重合体、アクリルゴム、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体、天然ゴム、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン等のエラストマー、およびこれらの無水マレイン酸等による酸変性物、スチレン-無水マレイン酸共重合体、スチレン-フェニルマレイミド共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルケトン、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。
なお、黒色色素や添加剤は、樹脂組成物の重合時に添加しても、射出成形時に混合して含有させてもよい。
本発明の発泡成形体は、軽量性に優れ、細かく均一な大きさの発泡セルを多量に有するので、機械的特性、寸法安定性、表面外観に優れている。そのため、電気・電子機器分野や、自動車分野や、機械分野等の用途に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
1.原料
本発明の実施例と比較例で用いた原料は、以下のとおりである。
(1)ポリアミド樹脂
・ポリアミド6
ユニチカ社製A1030BRL、相対粘度2.5
(2)セルロース繊維
(2.1)セリッシュKY100G
ダイセルファインケム社製、平均繊維径が125nmのセルロース繊維が10質量%含有されたもの
(2.2)バクテリアセルロース
0.5質量%グルコース、0.5質量%ポリペプトン、0.5質量%酵母エキス、0.1質量%硫酸マグネシウム7水和物からなる組成の培地50mlを、200ml容三角フラスコに分注し、オートクレーブで120℃、20分間蒸気滅菌した。これに試験管斜面寒天培地で生育させたGluconacetobacter xylinus (NBRC 16670)を1白金耳接種し、30℃で7日間静置培養した。7日後、培養液の上層に白色のゲル膜状のバクテリアセルロースを得た。
得られたバクテリアセルロースをミキサーで破砕後、水で浸漬、洗浄を繰り返すことにより、水置換をおこない、平均繊維径が60nmのバクテリアセルロースが4.1質量%含有された水分散液を調製した。
(2.3)屑糸
不織布の製造工程において屑糸として出されたセルロース繊維の集合体に、精製水を加えてミキサーで攪拌し、平均繊維径が120nmのセルロース繊維が3質量%含有された水分散液を調製した。
(3)ガラス繊維
日本電気硝子社製T-289、繊維長3mm、繊維径13μm、アスペクト比231
(4)発泡剤
・アゾジカルボンアミド
永和化成工業社製 ビニホールAC♯3
(5)発泡核剤
・タルク
日本タルク社製 MICRO ACE K-1、平均粒径7.4μm
2.測定法および評価法
本発明の実施例と比較例で用いた測定法および評価法は、以下のとおりである。
(1)発泡成形体中のセルロース繊維の平均繊維径
得られた発泡成形体から、凍結ウルトラミクロトームを用いて厚さ100nmの切片を採取し、OsO(四酸化オスミウム)で切片染色を実施後、透過型電子顕微鏡(日本電子社製JEM-1230)を用いて観察をおこなった。電子顕微鏡画像からセルロース繊維(単繊維)の長手方向に対する垂直方向の長さを測定した。このとき、垂直方向の長さのうち最大のものを繊維径とした。同様にして10本のセルロース繊維(単繊維)の繊維径を測定し、10本の平均値を算出したものを平均繊維径とした。
なお、セルロース繊維の繊維径が大きいものについては、ミクロトームにて10μmの切片を切り出したものか、発泡成形体をそのままの状態で、実体顕微鏡(OLYMPUS社製 SZ-40)を用いて観察をおこない、得られた画像から上記と同様にして繊維径を測定し、平均繊維径を求めた。
(2)樹脂および樹脂組成物の相対粘度
樹脂および得られた樹脂組成物(95℃の熱水で処理し、精練をおこない、乾燥させたもの)について、96%硫酸で、温度25℃、濃度1g/100mlの条件において、相対粘度を測定した。
(3)樹脂組成物の複素粘度
樹脂組成物(95℃の熱水で処理し、精練をおこない、乾燥させたもの)を、熱プレス機にて温度270℃、6.5分間の条件下で、直径25mm、厚さ2.1mmの円板状のサンプルを作製した。
次に、サンプルを、測定開始温度250℃に加熱した粘弾性測定装置のプレート上にセットし、直径25mmのパラレルプレートにて間隔を2.0mmまで押しつぶし、プレートからはみ出した溶融物を取り除いた。
続いて、TA Instruments社製のレオメータ ARESを用いて、ひずみ1%、測定温度250℃、周波数0.1~100Hzの条件下にて動的粘弾性測定をおこない、周波数が0.1Hzの場合の複素粘度η(Pa・s)の値を読み取った。
(4)発泡成形体の曲げ弾性率、曲げ強度
(4-1)化学発泡成形体
得られた発泡成形体を切削し、JIS K 7139に準拠した多目的試験片A1型を得た。
得られた多目的試験片A1型を用いて、曲げ強度および曲げ弾性率を、JIS K 7171に準拠した3点支持曲げ法(支点間距離:64mm、試験速度:2mm/分、試験雰囲気:23℃、50%RH、絶乾状態)にて測定した。
(4-2)物理発泡成形体
得られた発泡成形体を切削し、120mm×10mm×厚み3.0mmの試験片を得た。
得られた試験片を用いて、曲げ強度および曲げ弾性率を、JIS K 7171に準拠した3点支持曲げ法(支点間距離:64mm、試験速度:2mm/分、試験雰囲気:23℃、50%RH、絶乾状態)にて測定した。
(5)発泡成形体の引張弾性率、引張強度
(5-1)化学発泡成形体
得られた発泡成形体を切削し、JIS K 7139に準拠した多目的試験片A1型を得た。
得られた多目的試験片A1型を用いて、引張強度および引張弾性率を、JIS K 7162に準拠した引張法(支点間距離:115mm、試験速度:5mm/分、試験雰囲気:23℃、50%RH、絶乾状態)にて測定した。
(5-2)物理発泡成形体
得られた発泡成形体を切削し、図1に示す試験片を得た。
得られた試験片を用いて、曲げ強度および曲げ弾性率を、JIS K 7171に準拠した引張法(支点間距離:62mm、試験速度:5mm/分、試験雰囲気:23℃、50%RH、絶乾状態)にて測定した。
(6)発泡成形体の線膨張係数
(6-1)化学発泡成形体
得られた発泡成形体を切削し、3.5mm×10mm×厚み2.3mmの試験片を得た。
得られた試験を用いて、線膨張係数を、JIS K 7197に準拠した方法で測定し、20~150℃の領域での平均値を算出した。なお、線膨張係数は、発泡成形時の樹脂の流れ方向(MD方向)、流れと垂直な方向(TD方向)について測定した。
(6-2)物理発泡成形体
得られた発泡成形体を切削し、3.5mm×10mm×厚み3.0mmの試験片を得た。
得られた試験を用いて、線膨張係数を、JIS K 7197に準拠した方法で測定し、20~150℃の領域での平均値を算出した。なお、線膨張係数は、発泡成形時の樹脂の流れ方向(MD方向)、流れと垂直な方向(TD方向)について測定した。
(7)発泡成形体の熱変形温度
(7-1)化学発泡成形体
得られた発泡成形体を長辺がMD方向になるように切削し、80mm×10mm×厚み2.3mmの試験片を得た。
得られた試験片を用いて、熱変形温度を、JIS K 7191-1に準拠した方法(荷重0.45MPa)で測定した。
(7-2)物理発泡成形体
得られた発泡成形体を長辺がMD方向になるように切削し、80mm×10mm×厚み3.0mmの試験片を得た。
得られた試験片を用いて、熱変形温度を、JIS K 7191-1に準拠した方法(荷重0.45MPa)で測定した。
(8)発泡成形体の平均セル径および標準偏差
化学発泡法または物理発泡法により得られた発泡成形体のスキン層面を、その対角線に沿って、厚さ方向に切断し、切断面(測定面)を拡大鏡または顕微鏡にて観察した。測定面を、厚さ方向に平行な5本の線分で6等分し、それぞれの線分の中点付近に存在する発泡セル10個について、セル径を測定し、合計50個のセル径の平均値および標準偏差を算出した。
(9)発泡成形体の外観評価
得られた発泡成形体の鏡面加工部表面を、下記の方法により測定して、評価した。
表面の任意の3点のL値を、日本電色社製の色差計SE-6000で測定し、L値の平均値で外観を評価した。
黒色色素混合物を用いた場合、シルバーストリークスやスワールマークがあれば、発泡成形体が白っぽくなり、L値が大きくなる。
(10)シャルピー衝撃試験
(7-1)および(7-2)で得られた試験片を用いて、JIS K 7111-1に準拠した方法(ノッチなし)で測定した。
(11)発泡成形体の発泡実倍率
コアバックさせて得られた発泡成形体の密度(ρ1)と、コアバックさせずに得られた発泡成形体の密度(ρ0)を、気体置換型ピノメータ法で、乾式自動密度計(島津製作所社製アキュピックII 134)を用いて測定し、ρ1とρ0の比(ρ0/ρ1)として算出した。
(12)発泡成形体の作製時における生産性
全ショット数をN(回)、設計した厚みに対して±4%以内の厚みの発泡成形体が得られたショット数をN(回)とし、設計した厚みに対して±4%以内の厚みの発泡成形体が得られた確率P=(N/N)×100を算出し、発泡成形体の作製時における生産性を以下の基準で評価した。
○:90%≦P
△:20≦P<90%
×:P<20%
実施例1
セルロース繊維の水分散液として、セリッシュKY100Gを用いて、これに精製水を加えてミキサーで攪拌し、セルロース繊維の含有量が3質量%の水分散液を調製した。
このセルロース繊維の水分散液17質量部と、ε-カプロラクタム100質量部とを、均一な分散液となるまでさらにミキサーで攪拌、混合した。続いて、この混合分散液を攪拌しながら240℃に加熱し、徐々に水蒸気を放出しつつ、0MPaから0.7MPaの圧力まで昇圧した。そののち大気圧まで放圧し、240℃で1時間重合反応をおこない、ポリアミド樹脂とセルロース繊維とを含有する樹脂組成物を得た。樹脂組成物を重合が終了した時点で払い出し、切断して、ペレットとし、95℃の熱水で精練をおこない、乾燥させた。
・化学発泡成形体
樹脂組成物のペレット100質量部と、発泡核剤としてタルク(日本タルク社製 MICRO ACE K-1)2質量部、発泡剤としてアゾジカルボンアミド(永和化成工業社製 ビニホールAC♯3)2質量部、黒色色素としてカーボンブラック0.3質量部およびニグロシン0.4質量部からなる混合物とをドライブレンドした。
得られたドライブレンド物を、シャットオフノズルを搭載した射出成形機(住友重機械工業社製SE180EV)にドライブレンド物を投入し、シリンダー温度260℃、射出速度300mm/s、金型温度80℃の条件で、鏡面加工仕上げをした金型に射出成形した。射出成形において下記の設定厚み、設定発泡倍率なるように、コアバック前のサンプル厚みを調整しながら、射出成形機のダイプレートを150mm/sで0.004秒後退させ、続いて、30mm/sで0.01秒後退させ、 コア層とスキン層とから構成された厚さ2.3mmの平板状の発泡成形体を得た。
<設定厚み、設定発泡倍率>
コアバック無し2.3mm:ソリッド品
コアバック前厚み1.8mm→コアバック後厚み2.3mm:発泡倍率1.3倍
コアバック前厚み1.5mm→コアバック後厚み2.3mm:発泡倍率1.5倍
・物理発泡成形体
樹脂組成物のペレット100質量部と、黒色色素としてカーボンブラック0.3質量部およびニグロシン0.4質量部からなる混合物とをドライブレンドした。
得られたドライブレンド物を、シャットオフノズルを搭載した射出成形機(JSW社製J110AD―180H)に投入し、シリンダー温度250℃、射出速度60mm/s、金型温度70℃の条件で、シリンダー途中から超臨界状態の窒素を混入させながら、鏡面加工仕上げをした金型に射出成形した。射出成形において下記の設定厚み、設定発泡倍率なるように、コアバック前のサンプル厚みを調整しながら、射出成形機のダイプレートを2.5mm/sで0.2秒後退させ、続いて、0.5mm/sで2.0秒後退させ、 コア層とスキン層とから構成された厚さ3.0mmの平板状の発泡成形体を得た。
<設定厚み、設定発泡倍率>
コアバック無し3.0mm:ソリッド品
コアバック前厚み2.0mm→コアバック後厚み3.0mm:発泡倍率1.5倍
コアバック前厚み1.5mm→コアバック後厚み3.0mm:発泡倍率2.0倍
実施例2~7
セルロース繊維の含有量を表1に示す値になるように、セリッシュKY100Gの配合量を変更する以外は、実施例1と同様にして、重合反応をおこない、樹脂組成物を得て、95℃の熱水で精練をおこない、乾燥させた。
乾燥した樹脂組成物のペレットを用いて、成形の条件を表1に示す条件に変更する以外は実施例1と同様にして、化学発泡法および物理発泡法を用いてコアバック射出成形をおこない、化学発泡成形体および物理発泡成形体を得た。
実施例、比較例の樹脂組成物の組成、特性値および得られた化学発泡成形体、物理発泡成形体の成形条件、特性値を表1に示す。
Figure 0007265745000001
実施例8、9
用いるセルロース繊維の分散液を表1のように変更する以外は、実施例5と同様にして、重合反応をおこない、樹脂組成物を得て、95℃の熱水で精練をおこない、乾燥させた。
乾燥した樹脂組成物のペレットを用いて、成形の条件を表1に示す条件に変更する以外は実施例5と同様にして、化学発泡法および物理発泡法を用いてコアバック射出成形をおこない、化学発泡成形体および物理発泡成形体を得た。
比較例1
セルロース繊維の水分散液を加えなかった以外は実施例1と同様にして、重合反応をおこない、樹脂組成物を得て、95℃の熱水で精練をおこない、乾燥させた。
乾燥した樹脂組成物のペレットを用いて、実施例1と同様の操作をおこない、化学発泡法および物理発泡法を用いてコアバック射出成形をおこない、化学発泡成形体および物理発泡成形体を得た。
比較例2
重合過程にて、0MPaから0.5MPaの圧力まで昇圧し、そののち0.4MPaまで放圧し、240℃で1時間重合反応をおこなうこと以外は実施例5と同様にして、重合反応をおこない、樹脂組成物を得て、95℃の熱水で精練をおこない、乾燥させた。
乾燥した樹脂組成物のペレットを用いて、実施例5と同様の操作をおこない、化学発泡法および物理発泡法を用いてコアバック射出成形をおこなおうとしたが、複素粘度が低すぎたため、化学発泡成形体および物理発泡成形体いずれも得ることができなかった。
比較例3
重合過程にて、240℃で2時間重合反応をおこなうこと以外は実施例5と同様にして、重合反応をおこない、樹脂組成物を得て、95℃の熱水で精練をおこない、乾燥させた。
乾燥した樹脂組成物のペレットを用いて、実施例5と同様の操作をおこない、化学発泡法および物理発泡法を用いてコアバック射出成形をおこなおうとしたが、複素粘度が高すぎたため、化学発泡成形体および物理発泡成形体いずれも得ることができなかった。
比較例4
ポリアミド樹脂(ポリアミド6)100質量部をクボタ製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE-W-1を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D=40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS)の主供給口に供給した。押出機のバレル温度設定は、250℃~260℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量35kg/hとして溶融混練をおこない、サイドフィーダーよりガラス繊維3質量部供給しさらに混練をおこなった。最後にダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングして樹脂組成物のペレットを得て、乾燥させた。
乾燥した樹脂組成物のペレットを用いて、実施例1と同様の操作をおこない、化学発泡法および物理発泡法を用いてコアバック射出成形をおこない、化学発泡成形体および物理発泡成形体を得た。
実施例1~9の樹脂組成物は、本発明で規定する要件を満たしていたため、化学発泡、物理発泡いずれの場合でも生産性に優れていた。また、セルロース繊維の含有していない比較例1の発泡成形体に比べて、実施例1~9の発泡成形体は、曲げ物性、引張物性、耐熱性に優れ、線膨張係数が小さかった。
実施例2、4、6と実施例3、5、7を対比することにより、射出速度を速くし、金型温度を高くし、コアバックの速度を前半と後半で変更し、前半の速度は速くし、後半の速度は遅くしたため、化学発泡成形体においては、平均セル径の標準偏差が40μm以下、鏡面加工部表面のL値が10以下とすることができ、シャルピー衝撃強度が向上し、物理発泡成形体においては、平均セル径が100μm以下、平均セル径の標準偏差が8μm以下、鏡面加工部表面のL値が1.8以下とすることができ、シャルピー衝撃強度が向上することがわかる。
比較例1の樹脂組成物は、セルロース繊維を含有しないものであったため、化学発泡、物理発泡いずれの場合でも生産性が不良なものであった。
比較例4の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂100質量部に対してガラス繊維3質量部を含有し、ガラス繊維の含有量が少ないことから、生産性が不良なものであった。

Claims (7)

  1. ポリアミド樹脂100質量部に対して、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維を~10質量部含有し、周波数が0.1Hzの場合の複素粘度ηが1.0×10~1.0×10Pa・sである発泡成形用樹脂組成物を発泡成形してなる物理発泡成形体であって、
    平均セル径が21~75μmである、物理発泡成形体
  2. 平均セル径の標準偏差がμm以下であることを特徴とする請求項に記載の物理発泡成形体。
  3. 鏡面加工部表面のL値が1.2以下であることを特徴とする請求項またはに記載の物理発泡成形体。
  4. 前記物理発泡成形体は超臨界状態のガスによる発泡成形体である、請求項1~3のいずれかに記載の物理発泡成形体。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の物理発泡成形体を製造する方法であって、
    前記発泡成形用樹脂組成物をコアバック射出成形法により、コアバックの速度を前半と後半で変更して発泡成形することを特徴とする物理発泡成形体の製造方法。
  6. コアバックの速度を前半と後半で変更し、後半の速度を、前半の速度の0.5倍以下とすることを特徴とする請求項に記載の物理発泡成形体の製造方法。
  7. 前記発泡成形は前記発泡成形用樹脂組成物に超臨界状態のガスを混入して行う、請求項5または6に記載の物理発泡成形体の製造方法。
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