JP7263845B2 - 燃焼灰の処理方法、再使用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃焼灰の処理方法に関し、詳しくは、石油系及び石炭系燃料等をボイラー燃焼炉等で燃焼させた後、生成された燃焼灰をさらに燃焼し、磁選することにより、効率よく、鉄、ニッケルを除去する方法に関する。
石油コークスや重油などの石油系燃料及び石炭系燃料の燃焼によって発生する燃焼灰は、これらの燃料の燃焼条件にもよるが、通常、未燃カーボン;石油系燃料に含まれるケイ素化合物、ニッケル化合物、鉄化合物などの金属化合物を主体とする灰分;および燃焼排ガスを脱硝するために還元剤として注入されるアンモニアガスと当該排ガス中に含まれる硫黄酸化物との反応により生成する、水に可溶性の硫安(硫酸アンモニウム)の3成分の混合物である。
このうち未燃カーボンには熱量があるため、分離回収して再燃料化することによって燃焼効率を向上させることが提案されている。(特許文献1)
しかし既存のボイラーの燃焼効率を上げるためには、酸素濃度を上げたり、天然ガスなどの助燃剤を入れたり、バーナー位置を変更する設備改造が必要だったりなど、コストがかかる。さらに上記のような対策をすることで、ボイラー中の燃焼温度が上がり、炉に負荷がかかることも予想される。(特許文献2)
このため、燃焼灰中の未燃カーボンを分離回収するのではなく、一度燃焼灰として出てきた灰中の未燃カーボンを燃料として再使用する取り組みもなされている。
このときに問題となるのは鉄化合物、ニッケル化合物であり、これら灰分が炉内蓄積の原因となる恐れがある。
この観点より燃焼灰や廃棄物から鉄化合物、ニッケル化合物を除去する技術が必要となり、鉄化合物、ニッケル化合物の除去技術が、下記に示すように従来からいくつか提案されている。
特許文献3には燃焼灰から鉄化合物を磁選で回収する方法が開示されている。
特許文献4には、重油燃焼煤を最大温度600℃で燃焼させ、鉄化合物、ニッケル化合物を磁選する方法が開示されている。
特許文献5には、鉄などの金属成分を硫酸で溶出した後、アルカリで中和し、晶析させたのち、晶析物を高温処理炉に戻す方法が開示されている。
また、特許文献6には、フライアッシュからの磁選によりFe23を除去したのち、未燃カーボンを除去して、フライアッシュをプラスチック製品等のフィラーや建材・セメント原料等に有効利用するために処理方法が開示されている。
特公平6-074885号公報 特開2004-332972号公報 特開2003-120921号公報 特開2003-275616号公報 特開平8-309313号公報 特許第6157057号公報
しかしながら、上記特許文献3に開示された磁力選別1回の方法では燃焼灰中の鉄化合物の除去率は低い。また、除去した鉄化合物に流動砂を接触させて、鉄化合物の付着物を落とし、鉄化合物の純度を上げているが、燃焼灰中の鉄と未燃カーボンは微粒子であり、流動砂で容易に分離できるものではない。
上記特許文献4に開示された最大温度600℃で燃焼させてから鉄、ニッケル化合物を磁選する方法では、燃焼を火力発電ボイラーで行わない限り、燃焼で得られうるエネルギーが無駄となるため、エネルギー効率が悪い。また、火力発電ボイラーで燃焼を行ったとすると、鉄化合物、ニッケル化合物を除去しないうちに燃焼することとなるため、より金属の炉内蓄積が進む可能性が高い。
上記特許文献5に開示された酸で溶出後、アルカリで中和する方法では、使用する酸やアルカリ中に炉内腐食の原因となる、硫黄、塩素、ナトリウムが含まれており、未燃カーボンを火力発電ボイラーで燃料として再利用することは、大量の水を用いた洗浄工程を入れない限り、大変困難である。
特許文献6は、燃料として再利用するものではない上、カーボンの分離をスラリー中で浮遊選鉱にて行っており、エネルギー効率という点に立ったものでない。
本発明はこのような事情に鑑み、石油系及び石炭系燃料等の燃料を燃焼させて生成される燃焼灰から、簡易に、実用的かつ有効に鉄化合物、ニッケル化合物を除去することにより燃料中の炭素成分を燃焼に有効に再使用できる方法を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の要旨は以下の通りである。
[1]燃料を燃焼して燃焼灰を発生する燃焼工程、
前記燃焼灰を磁選する第1の磁選工程、
前記第1の磁選工程で回収された非磁着物を再度燃焼させて再燃焼灰1を発生させる再燃焼工程、および
前記再燃焼灰1を磁選して、鉄化合物、ニッケル化合物を除去する第2の磁選工程、
を有する燃焼灰の処理方法。
[2]前記第1の磁選工程における磁力が1.0テスラ以上である、[1]の燃焼灰の処理方法。
[3]燃料を燃焼して燃焼灰を発生する燃焼工程、
前記燃焼灰を再度燃焼させて再燃焼灰2を発生させる再燃焼工程、および
前記再燃焼灰2を磁選して、鉄化合物、ニッケル化合物を除去する第2の磁選工程を有する燃焼灰の処理方法。
[4]前記第2の磁選工程における磁力が1.0テスラ以上である、[1]~[3]の燃焼灰の処理方法。
[5]前記第1および第2の磁選工程において、その磁選に用いる磁石がそれぞれ独立してネオジム磁石または電磁石である、[1]~[4]の燃焼灰の処理方法。
[6]前記燃焼工程において、ボイラー燃焼炉、電気炉、キルン、溶鉱炉または高炉で燃焼を行う、[1]~[5]の燃焼灰の処理方法。
[7]前記再燃焼工程において、ボイラー燃焼炉、電気炉、キルン、溶鉱炉または高炉で再燃焼を行う、[1]~[6]の燃焼灰の処理方法。
[8]前記燃焼工程において、燃焼温度が500℃以上2000℃以下である、[1]~[7]の燃焼灰の処理方法。
[9]前記再燃焼工程において再燃焼温度が800℃以上2000℃以下である、[1]~[8]の燃焼灰の処理方法。
[10]燃料を燃焼して得られた燃焼灰に第1の磁選を行い、非磁着物を再燃焼させ、再燃焼灰1を得て、当該再燃焼灰1に第2の磁選を行い、磁着物を除去したのち、回収した再燃焼灰3を燃料として使用することを特徴とする燃焼灰の再使用方法。
[11]前記第1の磁選における磁力が1.0テスラ以上である、[10]の燃焼灰の再使用方法。
[12]燃料を燃焼して得られた燃焼灰を、再度燃焼させ再燃焼灰2を得て、当該再燃焼灰2に第2の磁選を行い、磁着物を除去したのち、回収した再燃焼灰4を燃料として使用することを特徴とする燃焼灰の再使用方法。
[13]前記第2の磁選における磁力が1.0テスラ以上である、[10]~[12]の燃焼灰の再使用方法。
本発明によれば、石油系燃料または石炭系燃料等を燃焼させて発生した燃焼灰について、再燃焼と磁選とを組み合わせて処理することで、添加物を用いずとも、燃焼灰から効率よく鉄化合物、ニッケル化合物を除去できる。このため、本発明によれば未燃カーボンを燃料として有効に再使用する方法を提供することができる。本発明の鉄化合物、ニッケル化合物の除去方法を施した後の燃焼灰は再び燃料として有効に活用できる。
以下、本発明の実施するための形態について説明する。
本発明に係る燃焼灰の処理方法は、第1の態様として、
燃料を燃焼して燃焼灰を発生する燃焼工程、
前記燃焼灰を磁選する第1の磁選工程、
前記第1の磁選工程で回収された非磁着物を再度燃焼させて再燃焼灰1を発生させる再燃焼工程、および
前記再燃焼灰1を磁選して、鉄化合物、ニッケル化合物を除去して再燃焼灰3を得る第2の磁選工程、を有する。
また、本発明に係る燃焼灰の処理方法は、第2の態様として、
燃料を燃焼して燃焼灰を発生する燃焼工程、
前記燃焼灰を再度燃焼させて再燃焼灰2を発生させる再燃焼工程、および
前記再燃焼灰2を磁選して、鉄化合物、ニッケル化合物を除去して再燃焼灰4を得る第2の磁選工程を有する。
第1の態様と第2の態様との相違点は、磁選回数であるが、何れの態様も、再燃焼工程の後、磁選工程を行い、再燃焼灰から磁着物を除去するものである。
本発明では、前記第2の磁選工程を経た燃焼灰の再使用工程を含んでいてもよい。
[燃焼工程]
本工程で使用できる燃料としては、石油コークス、重油などの石油系燃料、および石炭などの石炭系燃料等を挙げることができる。前記燃料は、火力発電所などにおいて燃焼され、発電など種々の目的のために使用される。燃料の燃焼に用いられる装置としては、たとえばボイラー燃焼炉、電気炉、キルン、溶鉱炉、高炉等が挙げられる。
燃焼灰とは、前記燃料を燃焼させた後に残る煤塵である。前記燃焼灰には、燃焼飛灰およびクリンカも含まれる。燃焼飛灰とは、前記燃料を燃焼させた時に発生する排ガスから、電気集塵機やバグフィルターを使用して回収された煤塵(EP灰ともいう)である。クリンカとは、前記燃料を燃焼させた後に、ボイラー燃焼炉の底部から排出される燃え残り物である。さらに、燃焼灰を更に焼成し、金属酸化物や硫黄分になった燃焼灰なども本発明で使用される燃焼灰に含まれる。
本発明は、前記燃焼灰を燃料として使用することを可能にすることにより、燃料の再使用を実現する方法である。
燃焼灰には、前述のとおり、未燃カーボン、ケイ素化合物、ニッケル化合物、鉄化合物などの金属化合物、および硫安(硫酸アンモニウム)などが含まれる。鉄化合物、ニッケル化合物は、これらが炉内蓄積の原因となる恐れがある。炉内に蓄積すると、閉塞やボイラー等に対する熱伝導率の低下などの弊害をもたらすので、燃焼灰を燃料として再使用する場合には、燃焼灰から鉄化合物、ニッケル化合物を除去することが必要である。
燃焼灰に含まれる鉄化合物、ニッケル化合物としては、酸化鉄、酸化ニッケル(金属鉄、金属ニッケル、合金)等を挙げることができる。
燃焼灰中に含まれる鉄化合物、ニッケル化合物の量は、使用される燃料の種類や燃焼方法などによって変動はあるものの、通常、鉄及びニッケル元素換算で0.1~3.0質量%の範囲である。
燃焼灰は、前記燃料を燃焼させることにより生成される。燃焼工程の燃焼温度は、好ましくは500℃以上であり、より好ましくは600℃以上であり、更に好ましくは800℃以上、更により好ましくは1300℃以上である。燃焼工程の燃焼温度は、好ましくは2000℃以下、より好ましくは1800℃以下、更に好ましくは1600℃以下である。
前記燃焼温度は、ボイラー燃焼炉にて前記燃料を燃焼する場合には、サーモグラフィカメラ(フリアーシステムズジャパン株式会社製、FLIR(登録商標) E95)を用いて、ボイラー内の過熱器からの放射光を受け測定したときに得られた温度であり、電気炉にて前記燃料を燃焼する場合には、炉内温度をJIS C1602-2015に規定されたR型熱電対にて測定したときに得られた温度である。
燃焼工程は、雰囲気中に酸素が含まれる酸化雰囲気であれば特に限定されない。
なお、本発明では、燃焼工程は必須とせずに、別途入手した燃焼灰を処理することも可能である。
[第1の磁選工程]
次に燃焼灰に磁力をかけて鉄化合物およびニッケル化合物などを磁着させて、燃焼灰から除去する。第1の磁選工程では、40%程度の磁着物が除去される。磁着物には、鉄化合物、ニッケル化合物が含まれる。なお、第2の態様のように、第1の磁選工程を行わなくとも、本発明による処理は可能である。
磁選の方法は、前記燃焼灰から磁着物を除去することができれば、特に制限されない。磁選は、乾式による磁選であっても、湿式による磁選であってもよい。磁選は、磁選機を用いて磁着物を選別する方法であってもよく、磁選機を用いず、磁石に燃焼灰を接触させ、磁着物を選別する方法であってもよい。磁選機としては、高勾配磁選機、ドラム型磁選機、吊り下げ磁選機等を挙げることができる。
磁選に用いる磁石は、特に制限はないが、ネオジム磁石、電磁石等が好ましい。これらの磁石を用いると、磁着物を効率的に磁着することができる。
第1の磁選工程における磁選の磁力としては、好ましくは1.0テスラ以上、より好ましくは1.5テスラ以上、更に好ましくは2.0テスラ以上である。1.0テスラ以上の場合、燃焼灰中の微粒金属を良好な磁選効率にて分離でき、効率よく分離することができる。磁力の上限は、好ましくは4.0テスラである。
[再燃焼工程]
第1の磁選工程で磁着物が除去される。回収された非磁着物を、本発明では、再燃焼させて、再燃焼灰1を得る。第1の磁選工程を行わない第2の態様では、燃焼工程で得られた燃焼灰が、そのまま再燃焼される。第2の態様で得られた再燃焼灰は、『再燃焼灰2』と称する。両者を区別する必要のない場合は単に『再燃焼灰』と記す。
再燃焼に用いられる装置としては、たとえばボイラー燃焼炉、電気炉、キルン、溶鉱炉、高炉等が挙げられる。なお、燃焼工程と同じ装置であっても異なる装置であってもよい。
再燃焼させることで、灰中のカーボンが燃焼し、燃焼灰中の鉄、ニッケル化合物の含有量を高めることになる。このため、次の第2の磁選工程での鉄化合物およびニッケル化合物の除去効率を高めることができる。
再燃焼工程の燃焼温度は、好ましくは800℃以上であり、より好ましくは900℃以上であり、更に好ましくは950℃以上、更により好ましくは1300℃以上である。再燃焼工程の燃焼温度は、好ましくは2000℃以下、より好ましくは1800℃以下、更に好ましくは1600℃以下である。
前記再燃焼工程の燃焼温度は、ボイラー燃焼炉にて前記燃料を燃焼する場合には、サーモグラフィカメラ(フリアーシステムズジャパン株式会社製、FLIR(登録商標) E95)を用いて、ボイラー内の過熱器からの放射光を受け測定したときに得られた温度であり、電気炉にて前記燃料を燃焼する場合には、炉内温度をJIS C1602-2015に規定されたR型熱電対にて測定したときに得られた温度である。 再燃焼工程は、燃焼工程よりも熱量が少なくてもよい。
また、再燃焼工程は、雰囲気中に酸素が含まれる酸化雰囲気であれば特に限定されない。
[第2の磁選工程]
再燃焼工程を経た再燃焼灰を磁選して、磁着物を除去する。再燃焼工程の次に、磁選工程を行うことにより、磁性金属として、鉄化合物およびニッケル化合物がさらに磁着され除去される。
第1の磁選工程では40%程度磁着物が除去されたのち、非磁着物に再燃焼工程を行うことで、残った磁着物中のカーボンが燃焼し、燃焼灰中の鉄、ニッケル化合物の含有量を高めることができるので第2の磁選工程を行うと、より鉄化合物およびニッケル化合物の除去が可能となる。第1の磁選工程を行わない場合も、再燃焼工程によって、カーボンが燃焼し、燃焼灰中の鉄、ニッケル化合物の含有量を高められているので、第2の磁選工程での除去を高めることができる。
磁選の方法は、前記燃焼灰から磁着物を除去することができれば、特に制限されない。第1の磁選工程と同一であっても異なるものであってもよい。
磁選方法および磁石は前記第1の磁選工程で例示したもの同じものを採用できる。
第2の磁選工程における磁選の磁力としては、好ましくは1.0テスラ以上、より好ましくは1.4テスラ以上、更に好ましくは1.5テスラ以上である。1.0テスラ以上の場合、燃焼灰中の微粒金属をより良好に磁選効率にて分離でき、効率よく分離することができる。磁力の上限は、好ましくは4.0テスラである。
磁選工程が湿式の場合、必要に応じて、処理後乾燥でしてもよい。
本発明の処理方法では、再燃焼工程と磁選工程を複数回繰り返してもよい。繰り返す場合、各工程での処理条件は同じであっても、異なるものであってもよい。
以上の本発明の処理方法を経た非磁着物を、燃料として再使用することができる。
たとえば、以上の本発明の処理方法によって得られた再燃焼灰から鉄化合物およびニッケル化合物が除去された灰を、燃焼炉へ投入し燃料として再使用する。
本発明の処理工程によって鉄化合物およびニッケル化合物が除去された灰は、25MJ/kg以上の熱量を持ち、炉内蓄積を引き起こす鉄化合物およびニッケル化合物は、灰中の合計濃度で0.2質量%以下と低いことから、燃料として有効に活用することができる。
本発明の燃焼灰の再使用方法は、燃料を燃焼して得られた燃焼灰に第1の磁選を行い、非磁着物を再燃焼させ、再燃焼灰1を得て、当該再燃焼灰1に第2の磁選を行い、磁着物を除去したのち、回収した再燃焼灰3を燃料として使用する。また、本発明の燃焼灰の再使用方法は、燃料を燃焼して得られた燃焼灰を、再度燃焼させ再燃焼灰2を得て、当該再燃焼灰2に第2の磁選を行い、磁着物を除去したのち、回収した再燃焼灰4を燃料として使用する。第1の磁選における磁力が1.0テスラ以上であり、前記第2の磁選における磁力が1.0テスラ以上であることが好ましい。
本発明の方法によって鉄化合物及びニッケル化合物が除去された灰を再使用する場合、燃焼箇所は限定されないが、ボイラー燃焼炉や電気炉、キルン、溶鉱炉、高炉などに投入し、燃料として使用することができる。粉体燃料のボイラー燃焼炉の場合には粉体燃料に混合し、液体燃料のボイラー燃焼炉の場合には液体燃料用とは別に設けた粉体投入口より投入することができる。
本発明の処理方法で得られた灰を、新品の燃料と混合する場合、新品の燃料に対する混合比率は限定されないが、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。
以下、実施例および比較例を示して本発明を詳細に説明するが、以下の具体例に限定されるものではない。
実施例中の「非磁着物」は、燃焼灰が磁場領域に接触したときに磁石に付着しなかった成分、「磁着物」は、燃焼灰が磁場領域に接触したときに磁石に付着した成分である。
実施例で測定される鉄元素、ニッケル元素の除去率の算出は以下の式に従って行った。
鉄元素、ニッケル元素の除去率(質量%)=[(原料中の鉄元素、ニッケル元素質量-非磁着物中の鉄、ニッケル元素質量)/(原料中の鉄元素、ニッケル元素質量)]×100
鉄元素、ニッケル元素の定量は以下の方法で行った。
サンプル0.1gに、リン酸5mL(純正化学株式会社製、特級)、塩酸4mL(純正化学株式会社製、特級)、フッ酸2.5mL(純正化学株式会社製、特級46%~48%)および硝酸2mL(関東化学株式会社製、電子工業用硝酸1.42EL)を加え、マイクロウェーブ分解/反応装置(株式会社アクタック製、MWS3+)に入れ、酸分解を行った。
マイクロウェーブ加熱分解は以下の条件(1)~(5)で行った。
(1)5分間で190℃まで上昇させ、5分間190℃に維持した。
(2)2分間で210℃まで上昇させ、5分間210℃に維持した。
(3)2分間で230℃まで上昇させ、25分間230℃に維持した。
(4)1分間で100℃まで下 げ操作を終了した。
(5)上記一連の分解操作を2回繰り返した。
得られた酸分解液を250mLのメスフラスコに全量移し、250mLまで超純水(メルク株式会社製、Synergy UV)にてメスアップしたものを分析サンプルとした。JIS K0116-2014に則り、ICP-AES(株式会社島津製作所製、ICPS(登録商標)-8100)により分析サンプルを測定し、鉄元素、ニッケル元素を定量した。
(比較例1)
石油コークスAをボイラーにて燃焼温度1400℃で6秒間燃焼させて、発生した排ガスから電気集塵機で燃焼灰を捕集した。前記燃焼温度は、サーモグラフィカメラ(フリアーシステムズジャパン株式会社製、FLIR(登録商標) E95)を用いて、ボイラー内の過熱器からの放射光を受けて測定したときに得られた温度とした。得られた燃焼灰を原料として鉄元素およびニッケル元素濃度を測定した。結果を表2に示す。
この燃焼灰589.8gを容量0.003m3のポリプロピレンボトル(瑞穂化成工業株式会社製)に入れ、純水1.77kgを加え、25質量%スラリー液とした。このスラリー液を攪拌後、2.0テスラの高勾配磁選機(日本エリーズマグネチックス株式会社製、L-4)に投入し、磁選を行った。高勾配磁選機下部より、マトリックスを通過した非磁着物を回収し、マトリックスに付着していた磁着物は、高勾配磁選機の磁場を切った後に、マトリックスを純水で洗浄し、回収した。非磁着物と磁着物をそれぞれ電気炉(ヤマト科学株式会社製、FP410)に入れ、110℃にて2時間乾燥した。得られた非磁着物および磁着物の質量を測定し、上記方法により鉄元素、ニッケル元素を定量し、上記式に従い、鉄元素、ニッケル元素の除去率を求めた。
(実施例1)
比較例1の操作で得られた非磁着物のうち20.0gを蒸発皿に載せ、電気炉(ヤマト科学株式会社製、FP410)に入れ、空気中にて燃焼温度1000℃で3時間燃焼し、再燃焼灰1.59gを得た。得られた再燃焼灰を室温まで冷却した後、ディスポトレー(アズワン株式会社製、DT-2)に1.4テスラのネオジム磁石(株式会社サンギョウサプライ製、マグネットバー、直径25mm、長さ150mm、12,000G(14,000G)、耐熱温度120℃)を置き、再燃焼灰をネオジム磁石にふりかけ、非磁着物を振り落とした。
振り落とされた非磁着物をネオジム磁石にふりかけ、振り落とす手順を、新たな磁着物が生じなくなるまで繰り返し、非磁着物と磁着物に分離した。
非磁着物と磁着物をそれぞれ電気炉(ヤマト科学株式会社製、FP410)に入れ、110℃にて2時間乾燥した。得られた非磁着物および磁着物の質量を測定し、上記方法により鉄元素、ニッケル元素を定量し、上記式に従い、鉄元素、ニッケル元素の除去率を求めた。結果を表2に示す。
(比較例2~4)
比較例1と異なる3種の石油コークス(それぞれ石油コークスB、石油コークスC、石油コークスD)を用いて、比較例1と同様の操作で燃焼灰を調製した。得られた燃焼灰を、それぞれ比較例2~4の原料燃焼灰として鉄元素およびニッケル元素濃度を測定した。結果を表2に示す。
各燃焼灰20.0gを100mLのポリプロピレン製ボトル(株式会社サンプラテック製、アイボーイ)に入れ、純水60.0gを加え、25質量%スラリー液とした。スラリー液を攪拌後、溶液に1.4テスラのネオジム磁石(株式会社サンギョウサプライ製、マグネットバー、直径25mm、長さ150mm、12,000G(14,000G)、耐熱温度120℃)を入れ、約5秒後液面より上に持ち上げた。
磁着物が磁着したネオジム磁石をチャック付きポリ袋(株式会社生産日本社製、ユニパックH-8、ポリエチレン製)内に挿入し、ポリ袋でネオジム磁石に磁着した磁着物をポリ袋内にこそぎ落とし、磁着物をスラリーから分離した。
上記一連の磁選操作を、新たな磁着物が生じなくなるまで繰り返し、非磁着物と磁着物を分離した。非磁着物と磁着物をそれぞれ電気炉(ヤマト科学株式会社製、FP410)に入れ、110℃にて2時間乾燥した。得られた非磁着物および磁着物の質量を測定し、上記方法により鉄元素、ニッケル元素を定量し、上記式に従い、鉄元素、ニッケル元素の除去率を求めた。
(実施例2)
比較例2と同様の操作で得られた非磁着物のうち26.0gを蒸発皿に載せ、電気炉(ヤマト科学株式会社製、FP410)に入れ、空気中にて燃焼温度1000℃で3時間燃焼し、再燃焼灰を得た。
以下、実施例1と同様に再磁選を行い、鉄元素、ニッケル元素の除去率を求めた。結果を表2に示す。
(実施例3)
比較例3と同様の操作で得られた非磁着物のうち25.0gを蒸発皿に載せ、以下実施例2と同様の操作を行い、鉄元素、ニッケル元素の除去率を求めた。結果を表2に示す。
(実施例4)
比較例4の非磁着物を使用した以外は、実施例3と同様の操作を行い、鉄元素、ニッケル元素の除去率を求めた。結果をまとめて表2に示す。
表1は処理条件、表2は結果をまとめて示す。
Figure 0007263845000001
Figure 0007263845000002

Claims (11)

  1. 燃料を燃焼して燃焼灰を発生する燃焼工程、
    前記燃焼灰を磁選する第1の磁選工程、
    前記第1の磁選工程で回収された非磁着物を再度燃焼させて再燃焼灰1を発生させる再燃焼工程、および
    前記再燃焼灰1を磁選して、鉄化合物、ニッケル化合物を除去する第2の磁選工程、
    を有する、燃料として再使用するための燃焼灰の処理方法。
  2. 前記第1の磁選工程における磁力が1.0テスラ以上である、請求項1に記載の燃料として再使用するための燃焼灰の処理方法。
  3. 燃料を燃焼して燃焼灰を発生する燃焼工程、
    前記燃焼灰を再度燃焼させて再燃焼灰2を発生させる再燃焼工程、および
    前記再燃焼灰2を磁選して、鉄化合物、ニッケル化合物を除去する第2の磁選工程を有する、燃料として再使用するための燃焼灰の処理方法。
  4. 前記第2の磁選工程における磁力が1.0テスラ以上である、請求項1~3のいずれかに記載の燃料として再使用するための燃焼灰の処理方法。
  5. 磁選に用いる磁石が、ネオジム磁石または電磁石である、請求項1~4のいずれかに記載の燃料として再使用するための燃焼灰の処理方法。
  6. 前記燃焼工程において、ボイラー燃焼炉、電気炉、キルン、溶鉱炉または高炉で燃焼を行う、請求項1~5のいずれかに記載の燃料として再使用するための燃焼灰の処理方法。
  7. 前記再燃焼工程において、ボイラー燃焼炉、電気炉、キルン、溶鉱炉または高炉で再燃焼を行う、請求項1~6のいずれかに記載の燃料として再使用するための燃焼灰の処理方法。
  8. 前記燃焼工程において、燃焼温度が500℃以上2000℃以下である、請求項1~7のいずれかに記載の燃料として再使用するための燃焼灰の処理方法。
  9. 前記再燃焼工程において再燃焼温度が800℃以上2000℃以下である、請求項1~8のいずれかに記載の燃料として再使用するための燃焼灰の処理方法。
  10. 燃料を燃焼して得られた燃焼灰に第1の磁選を行い、非磁着物を再燃焼させ、再燃焼灰1を得て、当該再燃焼灰1に第2の磁選を行い、磁着物を除去することで鉄化合物及びニッケル化合物を除去したのち、回収した再燃焼灰3を燃料として使用することを特徴とする燃焼灰の再使用方法。
  11. 前記第1の磁選における磁力が1.0テスラ以上である、請求項10に記載の燃焼灰の再使用方法。
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