JP7263037B2 - 偏光板の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の一実施形態に係る偏光板は、ワイヤグリッド構造を有する無機偏光板であって、透明基板と、使用帯域の光の波長よりも短いピッチ(周期)で透明基板上に配列されて所定方向に延在する格子状凸部と、を備える。また、この格子状凸部が、透明基板側から順に、反射層と、誘電体層と、吸収層と、を有する。
グリッド脚部16は、透明基板10側から垂直に延びて形成される。このグリッド脚部16は、反射層12で構成される。即ち、グリッド脚部16とグリッド先端部17との境界は、反射層12と誘電体層13の境界に位置する。
グリッド先端部17は、所定方向から見たときに矩形状を有する。このグリッド先端部17は、誘電体層13及び吸収層14で構成される。
また、誘電体層13の膜厚や屈折率を適宜調整することにより、反射層12で反射したTE波について、吸収層14を透過する際に一部を反射して反射層12に戻すことができ、吸収層14を通過した光を干渉により減衰させることができる。このようにしてTE波の選択的減衰を行うことにより、所望の偏光特性を得ることができる。
保護層15は、上述した通り、格子状凸部11の表面に形成される。格子状凸部11の表面が保護層15で覆われることにより、耐湿性が向上する他、格子状凸部11を構成する反射層12等の金属層に対する必要以上の酸化反応を抑制でき、耐久性が向上する。ただし、過剰な保護層15の形成は、光学特性劣化の原因となり、特に偏光板にとって重要な透過率(本明細書では、特に、X軸方向に平行な電界成分をもつ偏光波であるTM波(P波)の透過率を意味する。)を低下させる。この点、本実施形態に係る偏光板1では、保護層15を形成する領域及び保護層15の厚さを制御することにより、高い透過率特性を維持しつつ高い耐久性が得られるようになっている。
台座の膜厚は、例えば10nm~100nmに設定され、その構成材料としては、使用帯域の光に対して透明であり、透明基板10よりも屈折率の小さい材料が好ましく、中でも、SiO2等のSi酸化物が好ましい。台座は、例えば、透明基板10上に形成された誘電体からなる下地層に対して、ドライエッチングによる等方性エッチングと異方性エッチングとのバランスを段階的に変化させることにより形成可能である。
本実施形態に係る偏光板1の製造方法は、反射層形成工程と、誘電体層形成工程と、吸収層形成工程と、エッチング工程と、保護層形成工程と、を有する。
なお、下地層を形成した場合にあっては、上記エッチング条件を最適化することにより、下地層をエッチングして台座を形成可能である。
以上により、本実施形態に係る偏光板1が製造される。
本実施形態に係る光学機器は、上述した本実施形態に係る偏光板1を備える。光学機器としては、液晶プロジェクタ、ヘッドアップディスプレイ、デジタルカメラ等が挙げられる。本実施形態に係る偏光板1は、有機偏光板に比べて耐熱性に優れる無機偏光板であるため、耐熱性が要求される液晶プロジェクタ、ヘッドアップディスプレイ等の用途に好適である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形及び改良は本発明に含まれる。
例えば、本実施形態の偏光板の用途は、液晶プロジェクタに限られず、種々の用途に利用することが可能である。
上述の偏光板1と同様に格子状凸部11を透明基板10上に形成した後に、CVDやALD等により格子状凸部11の表面全体を保護層25で薄くコートする。次いで、上述の偏光板1と同様に、斜方蒸着等の成膜方法により、グリッド先端部17(吸収層14、誘電体層13)に逆テーパ状の保護層25を形成する。これにより、偏光板2を製造可能である。
実施例1及び実施例2では、図1に示す構造の偏光板1であって、以下の表1に示すパラメータをそれぞれ有する各偏光板を、シミュレーションに供した。より具体的には、これらの偏光板の光学特性について、RCWA(Rigorous Coupled Wave Analysis)法による電磁界シミュレーションにより検証した。シミュレーションには、Grating Solver Development社のグレーティングシミュレータGsolverを用いた。なお、反射層としてはアルミニウム、誘電体層としてはシリカ、吸収層としてはシリコン、保護層としてはシリカを用いた。
また、図4及び図5の結果から、反射層側面における保護層のコートエリアが50%以下になると、P偏光透過率が上昇することが分かった。
図6は、実施例1及び実施例2に係る偏光板の側面入射角を示す図である。図6中、横軸は、反射層側面における保護層のコートエリアの割合(%)を示している。また、縦軸は、側面入射角(°)を示している。
以上の結果をまとめると、反射層側面における保護層のコートエリアは、50%以下であることが好ましいと言える。
実施例3では、図3に示す構造の偏光板2であって、以下の表2に示すパラメータをそれぞれ有する各偏光板を、シミュレーションに供した。シミュレーションは、実施例1及び2と同様の条件で実施した。シミュレーションの結果得られた各波長のP偏光透過率を表3に示した。
10 透明基板
11 格子状凸部
12 反射層
13 誘電体層
14 吸収層
15 保護層
L 入射光
N 側面入射面法線
α 側面入射角
Claims (4)
- ワイヤグリッド構造を有する偏光板の製造方法であって、
透明基板の片面に反射層を形成する、反射層形成工程と、
前記反射層の前記透明基板とは反対面に誘電体層を形成する、誘電体層形成工程と、
前記誘電体層の前記反射層とは反対面に吸収層を形成する、吸収層形成工程と、
前記反射層形成工程、前記誘電体層形成工程、および前記吸収層形成工程を経て形成された、前記透明基板側から順に、前記反射層と、前記誘電体層と、前記吸収層と、が積層されている積層体を選択的にエッチングすることにより、使用帯域の光の波長よりも短いピッチで前記透明基板上に配列される格子状凸部を形成する、エッチング工程と、
前記透明基板の主面に対して傾斜した方向から蒸着する斜方蒸着により、前記格子状凸部を構成する、前記吸収層の上面及び側面と、前記誘電体層の側面と、の全部を覆うとともに、前記反射層の側面の前記吸収層側の一部を覆うように保護層を形成する、保護層形成工程と、を有し、
前記保護層形成工程では、前記吸収層の側面、前記誘電体層の側面、および前記反射層の側面における前記保護層の厚さを、前記吸収層の側面、前記誘電体層の側面、および前記反射層の側面に沿って前記透明基板に向かうに従って薄くする、偏光板の製造方法。 - 前記保護層形成工程では、前記反射層の側面における前記保護層を、前記格子状凸部の側面全体のうちの50%以下の領域を覆うようにする、請求項1に記載の偏光板の製造方法。
- 前記反射層形成工程の前に、前記透明基板の上に下地層を形成する、下地層形成工程を有する、請求項1または2に記載の偏光板の製造方法。
- 前記保護層形成工程の後に、前記格子状凸部の表面を撥水層で被覆する、撥水層形成工程を有する、請求項1~3いずれかに記載の偏光板の製造方法。
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