(第1の実施形態)
[背景]
デジタル社会の到来とともに検索エンジンおよび検索インターフェースが普及し、企業や個人事業主などのサービサーが、検索者をより効率的に誘引すべく、検索連動型広告の出稿やSEO(Search Engine Optimization)対策、ウェブページ制作等を推進しようとする所謂「サーチマーケティング」の潮流が生まれた。
そこで生ずる様々な経済活動全般は「サーチエコノミー」などと呼ばれ、いまやマーケティング分野で最も注目される分野の1つとなったが、これに取り組むサービサーには、負担の大きな様々な人的作業が生じている。その一例が、検索クエリを選定する作業(以下、検索クエリ選定作業という)である。
検索クエリ選定作業とは、例えば、サービサーが、GooGle LLCが提供する「キーワードプランナー」や、ヤフー株式会社が提供する「キーワードアドバイスツール」などの所謂、検索連動型広告発注ツールを用い、より検索数の多い検索クエリに着目しながら、広告出稿すべき検索クエリを選定したり、SEO対策すべき検索クエリをウェブページごとに選定したり、ウェブページ内のメニューや商材名の表示位置を決定するために該当する検索クエリを選定したり、実店舗の出店候補とする市区町村名や駅名等に該当する検索クエリを選定したりする作業のことである。
検索クエリ選定作業として分かりやすいのは広告出稿すべき検索クエリの選定である。例えば、Google(登録商標)などの検索サービスを用いて特定の検索クエリで検索を行うと、検索結果画面とともに広告が表示されることがある。例えば、図1に、「保険」という検索クエリで検索を行った場合に表示される検索結果画面を模式的に示している。図示のように、「保険の選び方」(符号91)や「国民保険について」(符号92)といった検索結果のURLに加え、「AAA保険の商品」(符号93)、「BBB生命」(符号94)、「CCC自動車保険」(符号95)といった広告が検索結果画面の上部や下部に表示されることがある。この広告にもURLが紐付けられており、該URLがクリックされると広告に関するより詳細なウェブページが表示される。
このような広告を表示させることを希望する者(以下、単に「広告主」という)は、検索結果画面に広告を表示させるために、検索クエリに関連付けられた広告枠を購入することとなる。いずれの検索クエリに対して広告枠を購入するかを選定する作業が、上記検索クエリ選定作業である。
[課題]
第1の実施形態の課題は、検索クエリの選定を補助する経済規模出力装置、経済規模出力プログラムおよび経済規模出力方法を提供することである。本願発明者らは、どのような検索が行われているか(検索動向)が検索ニーズに反映されることに想到したので、検索動向を利用した経済規模出力装置等について主に説明する。
[第1の実施形態の概要]
検索クエリを選定する際、検索クエリ選定担当者(以下、選定者)は、検索連動型広告発注ツールに表示される検索クエリごとの検索数(「検索ボリューム」と呼ばれることもある)、クリック単価および競合性といった指標を参考にして、より有望な検索クエリを選定しようとすることがある。
しかし、それらの指標だけでは、有望な検索クエリを素早く選定するのが難しい。例えば、検索数が多くても「天気」検索クエリのように購買行動をほとんど起こさない検索かもしれない。競合性が高くても検索数やクリック単価が低い検索かもしれない。クリック単価が高くても検索数が少ない検索かもしれないためである。
そのため、検索数、クリック単価および競合性といった従来の指標のいずれか1つでは、検索クエリ選定の材料として十分ではない。そのため、このような課題を解決するには、従来の指標をそれぞれ個別に表示する方式に代わり、検索クエリごとのサーチエコノミーの規模を示す新しい方式が必要である。すなわち、従来の指標を包括した「経済規模」という新概念の指標を計算し表示することのできる新しい装置が必要であること(言い換えると、検索数のみを考慮するだけでは、経済規模の大小を商業的な視点で判断するのは難しいしこと)に、発明者らは想到した。
このような装置があれば、従来の指標が総じて高い検索クエリほど「経済規模」の値が大きくなり、より上位に表示できるようになる。すなわち選定者が、従来の指標それぞれの大小に個別に気をとられることなく、それらを包括した概念である「経済規模」がより大きな検索クエリまたは検索クエリ群(後述)に集中することができ、より直感的かつ合理的に検索クエリ選定作業を行えるようになる。
以下、第1の実施形態について、リスティング広告における検索クエリ選定を例にとって、図面を参照しながら具体的に説明する。まずは、本実施形態の概要を述べる。
上述したように、図1に示すような検索結果画面に広告を表示させることを希望する場合、広告主は検索クエリに関連付けられた広告枠を購入することとなる。すなわち、広告主(サービサー)は検索クエリ選定作業を進める際、国内や海外で検索されたであろう膨大な検索クエリの中から、広告主が自らの事業目的や商材に合致していると思われる検索クエリを目視で見つけ出そうとし、そのための参考情報を得ようとして、大手検索エンジン企業が公開している検索連動型広告発注ツールを利用することが多い。
このような検索連動型広告発注ツールを介して、広告主に対しては、図2に示すように、検索クエリごとの検索数、クリック単価および競合性が開示される。なお、検索数とは、所定期間内に当該検索クエリが検索された回数に対応する。クリック単価とは、表示された広告がクリックされる度に検索サービスに支払うべき料金に対応しており、広告が入札制である場合、人気が高い検索クエリに対するクリック単価は高くなる傾向にある。競合性とは、当該検索クエリに対して広告を表示させようとしている広告主の多寡である。
広告主は、これら検索数、クリック単価および競合性を参考に、どの検索クエリに対する検索結果画面に広告を表示させるか(広告枠を購入するか)を決める。しかし、検索数、クリック単価および競合性のそれぞれを眺めていても、どの検索クエリに対する検索結果画面に広告を表示させるのが経済的に有効であるのか、広告主にとって判然としない。
例えば、一見すると、検索数が多い検索クエリは、潜在需要者が多いと期待されるため、そのような検索クエリに広告を表示させるのが良いように思える。しかし、実際のところ、例えば「天気予報」という検索クエリで検索する人は非常に多いが、そのような人が何かを購入する意欲が高いわけではない。したがって、「天気予報」という検索クエリに対して広告を表示させるのが経済的に有効というわけではない。このように、検索数の多寡のみで、どの検索クエリに対して広告を表示させるのが経済的に有効か判断するのは難しい。
また、クリック単価が高い検索クエリは、高い広告料金を許容してでも多くの広告主が広告を表示させようとしている潜在顧客であると期待されるため、そのような検索クエリに広告を表示させるのが良いようにも思える。しかし、クリック単価が高いとしても、ニッチな分野であって検索数が少なすぎると、そもそも広告が表示される頻度が低くなってしまい、結果として広告がクリックされる回数が少なくなってしまう。そのため、クリック単価の高低のみで、どの検索クエリに対して広告を表示させるのが経済的に有効か判断するのも難しい。
さらに、競合性が高い検索クエリは、より多くの競合が激しく競り合うほど魅力的な潜在顧客であると期待されるため、そのような検索クエリに広告を表示させるのが良いようにも思える。しかし、競合性が高いとしても、検索数やクリック単価が著しく小さい検索クエリであるかもしれず、競合性のみでどの検索クエリに対して広告を表示させるのが経済的に有効か判断するのも難しい。
このように、検索連動型広告発注ツール(キーワードアドバイスツール)によって開示される検索数、クリック単価および競合性といった指標のそれぞれを閲覧させようとする従来の表示装置からは、どの検索クエリに対する検索結果画面に広告を表示させるのが経済的に有効であるのか、判断が難しい。これらの課題があるため、これらの指標を表示するだけでは、直感的に適切な検索クエリを把握したり特定したりすることができなかった。
これに対し、本願発明者らは、検索数とクリック単価とを乗じた値を「経済規模」と定義したとき、経済規模が大きい検索クエリほど大きな金額が動いており、そのような検索クエリに広告を表示させるのが経済的に有効であることに想到した。
さらには、競合性を数値で表し(競合性が高いほど大きな数とする)、検索数と、クリック単価と、競合性とを乗じた値を「経済規模」とすることもまた経済的に有効であることに想到した。競合性を考慮した経済規模が有効である理由は、入札に参加してくる競合広告主の数が多ければ多いほど、より多くの企業が商業的に魅力の高い検索クエリだとみなしている可能性が高く、そのような検索クエリにおいては、時間の経過とともに、クリック単価がさらに上昇しやすくなったり、下落しにくくなったりする傾向があるためである。
そこで、本実施形態では、検索数およびクリック単価(必要に応じて、さらに競合性と)に基づく「経済規模」を算出し、経済規模の順に検索クエリを表示させることとする。以下、詳細に説明する。
図3は、経済規模算出システムの概略構成を示すブロック図である。経済規模算出システムは、検索サービスを提供する検索サーバ1と、広告主が用いる広告主端末2(経済規模出力装置)とを備えており、これらがネットワーク接続される。
検索サーバ1は、検索手段11と、検索数計数手段12と、広告制御手段13と、課金手段14とを有する。これら各手段の一部または全部は、検索サーバ1のプロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよい。また、検索サーバ1は複数の装置に分散していてもよく、例えば検索手段11と広告制御手段13とが別の装置であってもよい。
検索手段11はユーザからの検索要求に応じて検索を行う。具体的には、検索手段11は、ユーザから検索クエリを受け付け、当該検索クエリに対応した検索結果を示す検索結果画面を当該ユーザに返す。検索クエリは1の語から構成されてもよいし、2以上の語から構成されてもよい。
検索数計数手段12は、検索クエリのそれぞれについて、所定期間内に検索が行われた回数をカウントする。そして、検索数計数手段12はカウント結果を検索数として広告制御手段13に通知する。カウント結果は必要に応じて不図示の記憶装置に記憶される。
広告制御手段13は検索結果画面に対する広告表示を制御する。具体的には、広告制御手段13は、検索数、クリック単価および競合性の情報を広告主端末2に送信する。また、広告制御手段13は、どの検索クエリにどのような広告を出すかを、予め広告主端末2から受け付けて不図示の記憶装置に記憶しておく。そして、受け付けた検索クエリに対する検索が検索手段11によって行われた場合、その検索結果画面に広告を表示させる。
課金手段14は、検索結果画面に含まれる広告が1回クリックされる度に、クリック単価に相当する金額を広告主に課金する。
広告主端末2は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット、スマートグラスやVR画面といったディスプレイ装置など任意のコンピュータであってよい。広告主端末2は、マウス・キーボード、タッチパッドなどの入力インターフェース21と、ディスプレイやスピーカなどの出力インターフェース22と、制御部23とを有する。
制御部23は、情報取得手段231と、演算手段232と、出力手段233と、広告設定手段234とを有する。これら各手段の一部または全部は、広告主端末2のプロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよい。
情報取得手段231は、検索数、クリック単価および競合性の情報を検索サーバ1から取得する。演算手段232は取得された情報に基づいて経済規模を算出する。出力手段233は、検索クエリ毎の検索数、クリック単価および競合性の情報や、経済規模を出力インターフェース22から出力する。広告設定手段234は、広告主の操作に応じて、どの検索クエリにどのような広告を表示させるかを設定し、この設定を検索サーバ1の広告制御手段13に送信する。
図4Aは、第1の実施形態に係る経済規模算出システムの処理動作の一例を示すシーケンス図である。同図は、広告主がどの検索クエリに広告を表示させるかを決定するまでのフローを示している。
[第1の実施形態の詳細]
まず、広告主は、広告主端末2の入力インターフェース21に対して、検索数、クリック単価および競合性の情報をディスプレイに表示させるため所定操作を行う。この所定操作に応答して、情報取得手段231はこれらの情報を提示するよう検索サーバ1に対して要求する(ステップS1)。この要求に対して、検索サーバ1の広告制御手段13は、検索数、クリック単価および競合性の情報を広告主端末2に送信する(ステップS11)。広告が入札制の場合、クリック単価は幅を持っており、入札の低価格帯と高価格帯が定められていてもよい。
そして、広告主端末2の情報取得手段231は検索数、クリック単価および競合性の情報を取得する(ステップS2)。続いて、出力手段233は、検索クエリごとに検索数、クリック単価および競合性を表示させる(ステップS3)。
図5Aは、表示される検索クエリごとの検索数、クリック単価および競合性の画面の一例を示す図である。ここで、検索クエリの並び順は任意であり、例えば検索数が大きい順でもよいし、クリック単価が大きい順でもよいし、検索クエリのアルファベット順あるいは50音順でもよい。
続いて、広告主端末2は検索クエリを経済規模順に並べ替える指示をユーザから受け付ける(図4AのステップS4)。具体例として、図5Aの画面に並べ替えボタン81が含まれ、入力インターフェース21を介してこのボタン81が選択されると、並べ替え指示が受け付けられる。
そして、演算手段232は、検索数、クリック単価および競合性に基づいて、経済規模を算出する。具体的には、演算手段232は、検索数と、クリック単価と、競合性とを乗算することにより経済規模を算出する(ステップS5)。クリック単価が入札低価格帯と入札高価格帯とを含む場合、そのいずれかを採用してもよいし、平均値などを採用してもよい。競合性が数値で現わされていない場合は、競合性が高いほど大きくなる競合性相当の数値を用いればよい。続いて、出力手段233は演算手段232が算出した経済規模の順に検索クエリをディスプレイに表示させる(ステップS6)。
図5Bは、経済規模に応じて検索クエリを並べた画面の一例を示す図である。図示のように、経済規模が大きい順に検索クエリが並ぶ。必要に応じて、各検索クエリの経済規模の順位、検索数、クリック単価および競合性を併記してもよい。
なお、各検索クエリの経済規模を出力できればよく、その処理手順は図4Aに示すものに限られない。例えば、図4Bに示すように、一部の処理を広告主端末2ではなく検索サーバ1が行ってもよい。すなわち、広告主端末2が検索クエリを経済規模順に並べ替える指示をユーザから受け付けると(ステップS4)、情報取得手段231は経済規模を演算するよう検索サーバ1に要求する(ステップS4')。この要求に応答して、検索サーバ
1の広告制御手段13は経済規模を算出し、広告主端末2に送信する(ステップS5')
。そして、算出された経済規模を情報取得手段231が取得し(ステップS5'')、出力手段233は情報取得手段231が取得した経済規模の順に検索クエリをディスプレイに表示させる(ステップS6)。別の手法として、経済規模の順に検索クエリが並んだ画面を表示させるためのデータを検索サーバ1が送信し、これを出力手段233が表示させてもよい。
このように、第1の実施形態では、検索クエリの経済規模を集計および計算して出力する。具体的には、検索クエリを経済規模の順に表示させる。そのため、広告主はどの検索クエリに広告を表示させるのが経済的に有効であるかを簡易に判断でき、従来の煩雑なサーチマーケティング業務・検索語選定業務の合理性および利便性が抜本的に向上する。加えて、広告主はどの検索クエリに広告を表示させるのが経済的に有効であるかを短時間で判断できるから、図5Bのような画面を表示させておく時間を短縮でき、ディスプレイの消費電力を下げることができる。
さらに、第1の実施形態によれば、広告主に対して大きな経済規模を見込める順に多数の検索クエリを提示できる。そのため、より多くの広告主の入札行動を促進し、入札額の向上や広告主の増加につながるため、検索サービスにとっても有用である。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は第1の実施形態の変形例である。上述した第1の実施形態は、検索クエリごとに経済規模を出力するものであった。これに対し、次に説明する第2の実施形態は、検索クエリ群ごとに経済規模を出力し、検索クエリ群を経済規模の順に表示させるものである。
ここで、検索クエリ群とは、共通する語を含む複数の検索クエリをグループ化したものである。例えば、図5Aに示したような検索クエリ1~7を考える。
検索クエリ1 自動車
検索クエリ2 自動車 保険
検索クエリ3 自動車 燃費
検索クエリ4 自動車 教習所
検索クエリ5 自転車
検索クエリ6 自転車 サイクリングコース
検索クエリ7 自転車 部品
この場合、検索クエリ1~4は共通する語「自動車」を含んでいるため、検索クエリ1~4から「自動車」なる1つの検索クエリ群が構成される。同様に、検索クエリ4~7は共通する語「自転車」を含んでいるため、検索クエリ4~7から「自転車」なる1つの検索クエリ群が構成される。
以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図6は、第2の実施形態に係る経済規模算出システムの処理動作の一例を示すシーケンス図である。ステップS1~S5,S11は図4Aと共通するので説明を省略する。演算手段232が各検索クエリの経済規模を算出した(ステップS5)後、演算手段232は検索クエリ群を設定する(ステップS21)。検索クエリ群は、演算手段232がその都度設定してもよいし、予め設定済のものを取得してもよい。
そして、演算手段232は、各検索クエリ群に含まれる各検索クエリの経済規模を合算することで、検索クエリ群の経済規模を算出する(ステップS22)。続いて、出力手段233は演算手段232が算出した経済規模の順に検索クエリ群をディスプレイに表示させる(ステップS23)。
図7は、経済規模に応じて検索クエリ群を並べた画面の一例を示す図である。図示のように、経済規模が大きい順(従来のSEO順(検索結果に表示される順)ではない)に検索クエリ群が並ぶ。必要に応じて、検索クエリ群に含まれる検索クエリ数や、検索クエリ群に含まれる各検索クエリの合計検索数を併記してもよい。なお、本例では、説明を簡略化するために、「自動車」なる検索クエリ群に含まれる検索数は上記索クエリ1~4の4つであり、「自転車」なる検索クエリ群に含まれる検索数は上記索クエリ5~7の3つであるが、実際には1つの検索クエリ群に数十~数万あるいはそれ以上の検索クエリを含み得る。
なお、各検索クエリ群の経済規模を出力できればよく、その処理手順は図6に示すものに限られない。例えば、一部の処理を広告主端末2ではなく検索サーバ1が行ってもよく、図4Bと同様に各検索クエリの経済規模を検索サーバ1が行ってもよいし、検索クエリ群の設定を検索サーバ1が行ってもよいし、各検索クエリ群に含まれる各検索クエリの経済規模の合算を検索サーバ1が行ってもよい。別の手法として、経済規模の順に検索クエリ群が並んだ画面を表示させるためのデータを検索サーバ1が送信し、これを出力手段233が表示させてもよい。
このように、第2の実施形態では、検索クエリ群の経済規模を出力する。具体的には、検索クエリ群を経済規模の順に表示させる。そのため、業界ごとの経済規模を簡易に把握でき、どの業界に広告を出すのが経済的に有効であるかの指標となる。
なお、出力手段233は、経済規模に応じた順での検索クエリの表示(第1の実施形態)と、経済規模に応じた順での検索クエリ群の表示(第2の実施形態)とを切り替えて表示可能であってもよい。
上述した第1および第2の実施形態は、検索数、クリック単価および競合性に基づいて経済規模を算出するものであった。これに対し、他の要素も考慮して経済規模を算出してもよい。以下、いくつかの具体例を述べる。
検索クエリの経済規模は、当該検索クエリに対する検索結果画面に広告を表示させた場合に想定されるクリック率を考慮したものであってもよい。具体的には、検索数と、クリック単価と、競合性と、クリック率との積を経済規模としてもよい。クリック率は、検索クエリに依存しない一定値であってもよいし、検索クエリごとに想定される値であってもよいし、業界ごと(検索クエリ群ごと)に想定される値でもよい。
また、検索結果画面において、上部に広告が表示されるケース、下部に表示されるケースなど様々である。そして、クリック率は表示位置にも依存する。そこで、クリック率は表示位置に応じた値であってもよい。言い換えると、検索クエリは、検索結果画面における広告を表示させる位置を考慮したものであってもよい。
さらに、広告が数多く表示されるほどクリック率は高くなると考えられる。そこで、クリック率は表示数に応じた値であってもよい。言い換えると、検索クエリは、検索結果画面における広告を表示させる数を考慮したものであってもよい。
また、クリック単価は一定ではなく、変動することもある。実際にクリックされた際のクリック単価が正規分布ではない場合、入札低価格帯と入札高価格帯の分布モデルを仮定するのがよい。そして、この入札低価格帯と入札高価格帯を考慮して経済規模を定めてもよい。
なお、上述した実施形態において、経済規模は、検索数と、クリック単価等の広告料金を少なくとも考慮すればよく、競合性の考慮を省略してもよい。検索数は、所定期間における検索数でもよいし、累積の検索数でもよい。広告料金は、検索結果画面への広告表示に関するものであればよく、クリックされる度に発生するクリック単価の他、広告を表示させるために発生する料金であってもよい。
また、検索数は、特定の検索サービス(検索サーバ1)が提供する検索結果画面に広告を表示させようとするのであれば、当該特定の検索サービスにおける検索数であるのが望ましいが、他の検索サービスにおける検索数であってもよい。
なお、上述した実施形態はリスティング広告における検索クエリ選定について主に説明したが、経済規模の用途は、SEO対策やウェブページ制作といったWebビジネス、出店地の選定や生産販売強化すべきプロダクトやスペックの選定といったリアルビジネスなど、多岐にわたるものであって、言葉ごとの経済規模を知ることによって戦略的な示唆を得ることのできる領域であれば何ら制限はない。
次に、第3および第4の実施形態について述べる。
Webサイトの訪問者に対する利便性を向上させるためには、当該WebサイトをどのようなWebページ群から構成するか、が重要となる。具体的には、検索者が求めるコンテンツを含むか主題とするWebページを漏れなく作成し、それら各Webページ内においては、各コンテンツを、検索数や経済性が見込める順などに適切に並べる。さらに、それら各コンテンツの詳細または関連情報を欲する訪問者のために、詳細または関連情報を掲載した別のWebページ(以下、関連Webページ)を作成し、これを簡便に起動できるように、各コンテンツに各関連Webページをターゲットとしたハイパーリンクを設置することが望ましい。また、それら関連Webページに対しては、起動前に閲覧していた元のWebページに簡便に戻ることができるように、元のWebページをターゲットとしたハイパーリンクを設置することが望ましい。以上のような、多数の煩雑な作業は、数ページ程度の小規模なWebサイトでは成立しやすいものの、昨今の主流となっている数百、数千、数万ものWebページを介する中規模および大規模なWebサイトにおいては、考慮すべきWebページおよびコンテンツの量があまりに多く、成立しにくくなっている。具体的には、Webサイト内に存在させるべきWebページを欠いたり、作成した各Webページ内に存在させるべきコンテンツを欠いたり、作成した各コンテンツの並び順が、検索数や経済規模の大小などから類推される実需動向や時流をふまえた順序に並べきることができなかったり、それら各コンテンツに設置するべき関連Webページへのハイパーリンクを欠いたりするなど、訪問者に多数の不便を強いている。
そこで、以下では、検索動向を利用することによって、どのようなWebページを設置すべきか、各Webページにどのようなコンテンツを設置すべきか、各コンテンツにどのような関連Webページをターゲットとしたハイパーリンクを設置すべきか、の判断と作業の支援を行う。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、検索動向を利用してWebページに含まれるコンテンツの配置を自動で決定するものである。
Webページの閲覧者に対する利便性を向上するためには、当該Webページに含まれる各コンテンツをWebページのどこに配置するか、が重要となる。具体的には、より経済性を見込みやすく重要なコンテンツほど、より見やすい位置に配置するのが望ましい。しかも、時間の経過とともに各Webページにおける各コンテンツの重要度が変化することも少なくない。そのような状況において、各Webページにおける各コンテンツの配置をWebサイトの作成者が主観で的確に判断したり、手動で配置し直したりするのは極めて困難である。
そこで、第3の実施形態は、以下のようにして、Webページに含まれる複数のコンテンツを自動で配置する。
[第3の実施形態の概要]
図8は、第3の実施形態の概要を説明する図である。同図では、「A-Phone」なるブランドのスマートフォンを紹介するWebページを示している。各スマートフォンの機種名は「A-Phone XXX」の形式であり、販売時期や機種のスペックに応じて「XXX」に英数字が設定されるものとする。そして、図8のWebページでは、各機種の情報がコンテンツとしてWebページに配置される。
図8の左上は2018年8月における「A-Phone」に関する検索クエリの検索数を模式的に示している。「A-Phone 5X」、「A-Phone 5Y」、「A-Phone 3」、「A-Phone 4」、「A-Phone 2」、「A-Phone 1」の順に検索数が多い。
この場合、本実施形態では、図8の左下に示すように、Webページにおいて、最も検索数が多い「A-Phone 5X」の機種情報が最も左上に配置される。「A-Phone 5X」は検索数が多く重要なコンテンツと考えられるから、最も見やすい位置である左上に配置されるのである。以下、検索数の順に左から右、上から下に各機種情報が配置される。そして、最も検索数が少ない「A-Phone 1」が最も右下に配置される。
一方、図8の右上は2018年11月における「A-Phone」に関する検索クエリの検索数を模式的に示している。2018年10月に「A-Phone 6X」および「A-Phone 6Y」の販売が予告され、これらの検索数が急増した例を示している。
この場合、本実施形態では、図8の右下に示すように、Webページにおいて、最も検索数が多い「A-Phone 6X」の機種情報が最も左上に配置される。以下、検索数の順に左から右、上から下に各機種情報が配置される。
図8の左下のWebページと右下のWebページとを比べると分かるように、各機種の情報の配置位置が検索数に応じて変更されている。このように、本実施形態では、検索数などの検索動向ないしは経済規模に応じて自動で各コンテンツを配置するものである。以下、より具体的に説明する。
[コンテンツ配置システムの構成]
図9は、第3の実施形態に係るコンテンツ配置システムの概略構成を示すブロック図である。コンテンツ配置システムは、Webページ提供サーバ3と、コンテンツ配置装置44とを含む。なお、Webページ提供サーバ3にアクセスするユーザ端末5は、例えばWebブラウザから構成される閲覧要求送信手段51およびWebページ表示手段52を有する。
Webページ提供サーバ3は、ユーザ端末5の閲覧要求送信手段51からの要求に応じて複数のコンテンツを含むWebページを提供するものであり、閲覧要求受信手段31と、配置情報取得手段32と、コンテンツ配置手段33と、Webページ送信手段34とを有する。これら各手段の一部または全部は、Webページ提供サーバ3のプロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよい。また、Webページ提供サーバ3は複数の装置に分散していてもよい。
閲覧要求受信手段31は、ネットワークを介して、ユーザ端末5からWebページ(以下「対象Webページ」ともいう)閲覧の要求を受信する。配置情報取得手段32は、対象Webページに含まれる各コンテンツ(項目)の配置を示す配置情報を、コンテンツ配置装置4から取得する。コンテンツ配置手段33は、配置情報に基づいて、各コンテンツを対象Webページに配置する。Webページ送信手段34は、各コンテンツが適切な位置に配置された対象Webページを閲覧するための情報を、ユーザ端末5に送信する。これにより、ユーザ端末5のWebページ表示手段52によって、Webページが表示される。
コンテンツ配置装置4は、対象Webページに含まれるべき各コンテンツの配置を決定して配置情報を生成するものであり、対象コンテンツ取得手段41と、テーマ設定手段42と、サブテーマ設定手段43と、経済規模取得手段44と、配置情報生成手段45とを有する。これら各手段の一部または全部は、コンテンツ配置装置4のプロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよい。また、コンテンツ配置装置4は複数の装置に分散していてもよい。
対象コンテンツ取得手段41は対象Webページに配置される対象となる複数のコンテンツ(以下「対象コンテンツ」ともいう)を取得する。テーマ設定手段42は対象Webページにおいて対象コンテンツを配置する基準となるテーマを設定する。サブテーマ設定手段43は、配置位置決定に用いられるサブテーマを、各対象コンテンツに個別に設定する。経済規模取得手段44は、各対象コンテンツに設定されたサブテーマに基づき、例えば検索サーバから各対象コンテンツの経済規模を取得する。配置情報生成手段45は、各対象コンテンツの経済規模に応じて、対象Webページにおける各対象コンテンツの配置を決定し、配置情報を生成する。
[コンテンツ配置装置4の詳細]
以下、コンテンツ配置装置4における各手段について、詳しく説明する。
[対象コンテンツ取得手段41]
対象コンテンツ取得手段41は対象Webページに配置される対象となる複数の対象コンテンツを取得する。各対象コンテンツは、例えば図8における「A-Phone 5X」や「A-Phone 5Y」などの機種情報などである。対象コンテンツ取得手段41は、例えばWebページ提供サーバ3から対象コンテンツの提供を受けてもよいし、検索サーバから適切な対象コンテンツを取得してもよい。なお、htmlタグで表せるコンテンツ(例えば、文字列、リンク、画像、動画、表、これらの組み合わせ、その他divタグで表せる任意のコンテンツ)は全て配置の対象となり得る。
[テーマ設定手段42]
続いて、テーマ設定手段42について説明する。テーマ設定手段42は、Webページにおいて、対象コンテンツを配置する基準となるテーマを設定する。テーマは、例えば図8に示す「A-Phone」であり、すべての対象コンテンツに共通する。テーマは対象コンテンツを配置する基準であるから、対象コンテンツが共通していても、テーマが変わると対象コンテンツの配置が変わることがある。なお、基準が不要な場合には、テーマを設定しないことも可能である。
テーマの設定対象は種々考えられる。
例えば、テーマ設定手段42は、単一のWebページ、あるいは、ドメインが共通する複数のWebページに対して、テーマを設定してもよい。
また、テーマ設定手段42は、対象Webページへの流入経路(例えばどの検索語からその対象Webページにアクセスされたか、どのリンクからその対象Webページに流入したか)に対して、テーマを設定してもよい。これにより、検索ニーズによりマッチした配置位置を決定できる。一例として、あるWebページが、「間接照明」という検索語から流入した場合と、「照明」という検索語から流入大量にアクセスされる場合と、でテーマを変えることが考えられる。
あるいは、テーマ設定手段42は、対象Webページの閲覧者の情報(例えば、閲覧者の購入履歴、購買履歴、性別や年齢といった属性)に対して、テーマを設定してもよい。これにより、閲覧者に合った配置位置を決定できる。一例として、ファッションを紹介したWebページであって、その閲覧者が男性である場合には「メンズファッション」をテーマとし、閲覧者が女性である場合には「レディースファッション」をテーマとすることができる。 また、テーマ設定手段42は、流入経路や閲覧者情報の組み合わせに対して、テーマを設定してもよい。
テーマの設定手法も種々考えられる。
例えば、テーマ設定手段42は、コンテンツ配置装置4のオペレータによる手動設定に基づき、テーマを設定してもよい。一例として、複数の検索クエリに共通して含まれるワード(核ワード)をテーマとすることができる。例えば、検索クエリが
「転職」
「転職サイト」
「薬剤師 転職」
「転職エージェント」
の場合、核ワードは「転職」である。核ワードは1ワードに限られず、複数のワードであってもよい。
また、テーマ設定手段42は、必要な情報をWebページ提供サーバ3あるいは検索サーバ1から受け取り、半自動あるいは自動でテーマを設定してもよい。具体例を以下に述べる。
テーマ設定手段42は、1または2以上のテーマを予めラベルにセットしておき、ラベルを対象Webページに付与することによって半自動でテーマを設定してもよい。共通するテーマを複数のWebページに設定する場合に効率的である。
また、テーマ設定手段42は、対象Webページのメタ情報に基づいて、自動でテーマを設定してもよい。例えば、テーマ設定手段42は、HTML言語で記述される対象Webページにおいて、headタグ中のmetaタグにおける「keywords」を核ワード群とするテーマとしたり、「description」を自然言語処理することでテーマを推定したりしてもよい。この推定には、例えばDeep Learningを用いてもよいし、TF-IDFなどによるワード重みを算出して重要ワードをテーマとしてもよい。
また、テーマ設定手段42は、対象Webページに基づいて、自動でテーマを設定してもよい。例えば、テーマ設定手段42はHTML言語で記述される対象Webページにおけるテキスト文書を自然言語処理することでテーマを推定してもよい。やはり、この推定には、例えばDeep Learningを用いてもよいし、TF-IDFなどによるワード重みを算出して重要ワードをテーマとしてもよい。
また、テーマ設定手段42は、検索情報を用いて自動でテーマを設定してもよく、例えば対象Webページ(あるいは、そのWebページのドメイン)が検索結果において最も高順位となる検索クエリをテーマとしてもよい。この場合、核ワードを含む検索クエリ群の経済規模を重みとして設定するテーマを決めてもよい。
また、テーマ設定手段42は対象Webページへの流入経路に基づいて自動でテーマを設定してもよい。例えば、テーマ設定手段42は、対象Webページへの流入数が最も大きい検索クエリをテーマとしたり、対象Webページへの流入数が大きいリンク元のコンテンツからテーマを設定したりしてもよい。
[サブテーマ設定手段43]
サブテーマ設定手段43は、配置位置決定に用いられるサブテーマを、各対象コンテンツに個別に設定する。サブテーマは、例えば図8に示す「5X」、「5Y」、「3」などである。サブテーマは、テーマを基準として各対象コンテンツを自動配置するための、対象コンテンツに付与されるラベルとも言える。サブテーマは1以上のワードを含んでおり、サブテーマによって各対象コンテンツと特定の検索クエリとが紐づけられる。例えば、サブテーマ「5X」によって、「A-Phone 5X」の機種情報(コンテンツ)と、検索クエリ「A-Phone 5X」とが紐づけられる。各対象コンテンツに紐づけられた検索クエリに基づいて、各対象コンテンツの配置位置が決定される。
サブテーマの設定対象も種々考えられる。例えば、Webページにおけるグローバルナビゲーション項目、サイドメニュー項目、関連記事、記事一覧、サイト内検索結果をサブテーマの設定対象とすることができる。
サブテーマの設定手法も種々考えられる。
サブテーマ設定手段43は、コンテンツ配置装置4のオペレータによる手動設定に基づき、サブテーマを設定してもよい。
例えば、テーマが設定されている場合、サブテーマ設定手段43は、テーマを含む検索クエリ群からテーマを除いたワード(例えば、図8に示すように、テーマが「A-Phone」である場合、これを除いた「5X」、「5Y」、「3」)をサブテーマとすることができる。言い換えると、テーマと組み合わせることで検索クエリとなるワードをサブテーマとしてよい。テーマが核ワードである場合、サブテーマは検索クエリから核ワードを除いたものとも言える。
テーマが設定されない場合、サブテーマ設定手段43は全検索クエリ(例えば、図8に示す「A-Phone 5X」、「A-Phone 5Y」、「A-Phone 3」など)をサブテーマとすることができる。
設定手法としては、CMS上でサブテーマが対象コンテンツに設定されてもよいし、htmlタグの属性として設定されてもよい。テーマと同様、サブテーマ設定手段43はラベルを用いてサブテーマを半自動で設定してもよい。
また、サブテーマ設定手段43は、対象コンテンツに対応したhtmlタグ(例えば、対象コンテンツがリンクを含む場合には、Aタグ)の属性情報やテキスト文書などを自然言語処理することで、テーマを推定してもよい。さらに、対象コンテンツがリンクを含む場合、サブテーマ設定手段43はリンク先のメタ情報をテーマと同様に処理してサブテーマを設定してもよい。さらに、テーマ設定手段42と同様に、サブテーマ設定手段43は、リンク先の検索情報やリンク先の流入経路に基づいて、自動でサブテーマを設定してもよい。
[経済規模取得手段44]
経済規模取得手段44は、各対象コンテンツに設定されたサブテーマに基づき、例えば検索サーバ1から各対象コンテンツの経済規模を取得する。具体例として、まず、経済規模取得手段44はサブテーマによって各対象コンテンツに紐づけられた検索クエリを取得する。その後、経済規模取得手段44は検索クエリの検索動向に応じた経済規模を取得する。紐づけられた検索クエリとは、例えばサブテーマそのものである。また、紐づけられた検索クエリとは、コンテンツに予め設定されたタグそのものあるいはタグに基づくものであってもよい。あるいは、紐づけられたとは、サブテーマやタグといった予め設定されたワードに限られず、コンテンツに対して自動付与されるものであってもよい。具体例として、紐づけられた検索クエリは、コンテンツが写真である場合に、AIによってその写真が解析されて付与されたワード(用語、単語あるいはフレーズ)に基づく検索クエリであってもよい。
なお、テーマが設定されている場合、経済規模取得手段44は、テーマおよびサブテーマに基づいて、各対象コンテンツの経済規模を取得してもよい。この場合の紐づけられた検索クエリとは、例えばテーマおよびサブテーマを含む検索クエリである。
経済規模は第1および第2の実施形態で説明した経済規模であってよい。すなわち、経済規模は、検索サーバにおいて検索クエリが所定期間内に検索された数、その変化、検索サーバによって提供される検索クエリに対する検索結果画面への広告表示に関する広告料金、その変化、検索サーバにおける検索クエリの競合性、その変化の少なくとも1つに基づくものであってよい。
経済規模取得手段44は、検索数、広告料金および競合性の情報を検索サーバ1から取得し、これらから経済規模を算出してもよい。あるいは、経済規模取得手段44は検索サーバなど他の装置によって算出された経済規模を取得してもよい。その他、第1および第2の実施形態で述べた手法を適用して経済規模を取得してもよい。
さらに、経済規模は、テーマに対応する検索クエリの検索結果におけるサブテーマの関連度や、その変化を考慮したものであってもよい。
検索数、広告料金、競合性といった検索動向、あるいは、検索動向に基づく経済規模は、各対象コンテンツに大きく関連しており、サブテーマによって紐づけられた各対象コンテンツの重要性を示すと言える。このことを利用することで、本実施形態では各対象コンテンツを対象Webページにおける適切な位置に配置可能となる。
また、経済規模は、検索動向に加えて/代えて、Webページ上におけるクリック数、コンバージョン率、コンバージョン数および売上規模の少なくとも1つに応じたものであってもよい。
[配置情報生成手段45]
配置情報生成手段45は、各対象コンテンツの経済規模に応じて、対象Webページにおける各対象コンテンツの配置を決定し、配置情報を生成する。一例として、配置情報生成手段45は、経済規模が高い順に各対象コンテンツの優先順位を決定し、各対象コンテンツの優先順位を示す配置情報を生成する。また、配置情報は各対象コンテンツの経済規模そのものでもよい。あるいは、配置情報生成手段45は、経済規模が高い順に、対象Webページにおける各対象コンテンツの配置位置(Webページのどこに配置するか)を決定し、各対象コンテンツの配置位置を示す配置情報を生成してもよい。
このような配置情報に基づいて、Webページ提供サーバ3のコンテンツ配置手段33が対象Webページにおいて各対象コンテンツを配置する。
例えば、コンテンツ配置手段33は、優先順位あるいは経済規模が高い対象コンテンツほど、対象Webページにおける見やすい位置に配置する。なお、多くの言語圏では、Webページにおける上部ほど見やすい位置と言え、また、高さが共通であれば左側ほど見やすい位置と言える(いわゆるZ型あるいはF型)。一方、アラビア語圏などでは、Webページにおいて、高さが共通であれば右側ほど見やすい位置となることもある。そのため、優先順位に応じてどのような位置に対象コンテンツを配置するのかを、事前設定あるいは手動設定しておくのがよい。
また、配置情報が配置位置を示す場合、コンテンツ配置手段33は、対象Webページにける配置情報が示す配置位置に、各対象コンテンツを配置する。
以上のようにして、各対象コンテンツが適切に配置された対象Webページがユーザ端末5に表示される。なお、コンテンツとはWebページへの配置対象となるものであれば何でもよく、写真などの静止画、動画、目次やメニュー、リストや文中に列挙された用語であってもよい。
[コンテンツ配置システムの実装例および動作シーケンス]
コンテンツ配置システムの具体的な実装例は種々考えられる。
例えば、配置情報生成手段45は任意のタイミングで配置情報を更新してよい。例えば、配置情報生成手段45は、ユーザ端末5から対象Webページの閲覧要求がある度に更新してもよいし、Webページ提供サーバ3あるいはコンテンツ配置装置4のオペレータからの手動の要求に応じて更新してもよいし、特定のイベント発生をトリガとして更新してもよい。
また、配置情報生成手段45によって生成された配置情報は、コンテンツ配置装置4内に保存されてもよいし、Webページ提供サーバ3内に保存されてもよいし、ユーザ端末5内(例えばWebブラウザのキャッシュ)に保存されてもよい。
さらに、コンテンツ配置装置4内の各手段の少なくとも一部をWebページ提供サーバ3内に設けてもよいし、ユーザ端末5内に設けてもよい。同様に、Webページ提供サーバ3内の各手段の少なくとも一部をコンテンツ配置装置4内に設けてもよいし、ユーザ端末5内に設けてもよい。
以上を考慮したコンテンツ配置システムの実装例をいくつか示す。
図10は、図9のコンテンツ配置システムにおける処理動作の一例を示すシーケンス図である。同図は、ユーザ端末5から対象Webページの閲覧要求がある度に配置情報が更新される例である。
Webページ提供サーバ3の閲覧要求受信手段31は、ユーザ端末5の閲覧要求送信手段51から送信された対象Webページの閲覧要求(ステップS21)を受信する(ステップS31)。これに応じて、配置情報取得手段32は配置位置情報をコンテンツ配置装置4に要求する(ステップS32)。
この要求に応じて、コンテンツ配置装置4の各手段が動作し、配置情報生成手段45が配置情報を生成し、これをWebページ提供サーバ3に送信する(ステップS41)。
これにより、Webページ提供サーバ3の配置情報取得手段32は、コンテンツ配置装置4からの配置情報を取得する(ステップS33)。そして、コンテンツ配置手段33は配置情報に基づいて対象Webページに対象コンテンツを配置する(ステップS34)。次いで、対象コンテンツが配置された対象Webページを表示するためのデータがWebページ送信手段34によってユーザ端末5に送信される(ステップS35)。これにより、ユーザ端末5のWebページ表示手段52によって、配置情報に応じて対象コンテンツが配置された対象Webページが表示される(ステップS22)。
この態様によれば、テーマおよびサブテーマを設定しておけば、ユーザ端末5が対象Webページを表示させる度に、対象コンテンツの配置が変わり得る。
図11Aおよび図11Bは、図9のコンテンツ配置システムにおける処理動作の別の例を示すシーケンス図である。同図は、所定のタイミングでWebページ提供サーバ3に発行される更新トリガに応じて配置情報が更新される例である。なお、図11Aおよび図11Bでは、図10と同じ処理には同じステップ名を付している。
図11Aは、配信情報の更新処理を示す。まず、Webページ提供サーバ3の配置情報取得手段32は、配信情報の更新タイミングを示す更新トリガがあるか否かを判断する(ステップS30)。
更新トリガは配置情報取得手段32によって定期的に発行されてもよい。この場合、配信情報は定期的に更新される。
また、更新トリガは、Webページ提供サーバ3のオペレータからの任意タイミングでの手動要求に応じて、発行されてもよい。この場合、配信情報は、Webページ提供サーバ3のオペレータが設定する任意のタイミングで更新される。
さらに、更新トリガは、不図示のイベント検知器によってイベントが検知されたことに応じて、発行されてもよい。この場合、配信情報はイベントが検知される度に更新される。イベントとは、例えば検索数や経済規模に大きな変化が生じたことであり、検索サーバ1から取得され得る。検索数や経済規模の大きな変化は検索ニーズが変化した可能性が高いので、そのようなタイミングで配信情報を更新することで、Webページ提供サーバ3やコンテンツ配置装置4の処理負荷を抑えつつ、最適なタイミングで配信情報を更新できる。イベントの別の例としては、コンテンツが配置されるWebページが変更されるタイミングであってもよく、このタイミングはWebページ提供サーバ3自身が把握可能である。
更新トリガがある場合(ステップS30のYES)、配置情報取得手段32は配置位置情報をコンテンツ配置装置4に要求する(ステップS32)。この要求に応じて、コンテンツ配置装置4の各手段が動作して配置情報生成手段45が配置情報を生成し、これをWebページ提供サーバ3に送信する(ステップS41)。これにより、Webページ提供サーバ3の配置情報取得手段32は、コンテンツ配置装置4からの配置情報を取得する(ステップS33)。そして、配置情報取得手段32はWebページ提供サーバ3内の(あるいはWebページ提供サーバ3がアクセス可能な)メモリに配置情報を保存する(ステップS33')。
図11Bは、対象コンテンツの配置およびWebページ表示処理を示す。Webページ提供サーバ3の閲覧要求受信手段31は、ユーザ端末5の閲覧要求送信手段51から送信された対象Webページの閲覧要求(ステップS21)を受信する(ステップS31)。これに応じて、配置情報取得手段32は、メモリに保存された配置位置情報を読み出して取得する(ステップS33'')。そして、コンテンツ配置手段33は配置情報に基づいて対象Webページに対象コンテンツを配置する(ステップS34)。次いで、対象コンテンツが配置された対象Webページを表示するためのデータがWebページ送信手段34によってユーザ端末5に送信される(ステップS35)。これにより、ユーザ端末5のWebページ表示手段52によって、配置情報に応じて対象コンテンツが配置された対象Webページが表示される(ステップS22)。
図12は、図9のコンテンツ配置システムにおける処理動作の別の例を示すシーケンス図である。同図は、所定のタイミングでコンテンツ配置装置4に発行される更新トリガに応じて配置情報が更新される例である。なお、図12では、図10および図11Aと同じ処理には同じステップ名を付している。
図12は、配信情報の更新処理を示す。まず、コンテンツ配置装置4の配置情報生成手段45は、配信情報の更新タイミングを示す更新トリガがあるか否かを判断する(ステップS40)。
更新トリガは配置情報生成手段45によって定期的に発行されてもよい。この場合、配信情報は定期的に更新される。
また、更新トリガは、コンテンツ配置装置4のオペレータからの任意タイミングでの手動要求に応じて、発行されてもよい。この場合、配信情報は、コンテンツ配置装置4のオペレータが設定する任意のタイミングで更新される。
さらに、更新トリガは、不図示のイベント検知器によってイベントが検知されたことに応じて、発行されてもよい。この場合、配信情報はイベントが検知される度に更新される。
更新トリガがある場合(ステップS40のYES)、コンテンツ配置装置4の各手段が動作して配置情報生成手段45が配置情報を生成し、これをWebページ提供サーバ3に送信する(ステップS41)。これにより、Webページ提供サーバ3の配置情報取得手段32は、コンテンツ配置装置4からの配置情報を取得する(ステップS33)。そして、配置情報取得手段32はWebページ提供サーバ3内の(あるいはWebページ提供サーバ3がアクセス可能な)メモリに配置情報を保存する(ステップS33')。
なお、対象コンテンツの配置およびWebページ表示処理は図11Bと同様なので、説明を省略する。
図13は、図9の変形例であるコンテンツ配置システムの概略構成を示すブロック図である。図9と同じ機能ブロックには同じ符号を付しており、基本的には同様の動作を行う。図9との違いとして、図13のユーザ端末5には、配置情報取得手段32およびコンテンツ配置手段33が設けられる。そして、配置情報取得手段32によって取得された配置情報がユーザ端末5内に保存され、ユーザ端末5のコンテンツ配置手段33が対象Webページに対象コンテンツを配置する例である。配置情報取得手段32およびコンテンツ配置手段33はWebブラウザの機能であってもよい。
図14は、図13のコンテンツ配置システムにおける処理動作の一例を示すシーケンス図である。
Webページ提供サーバ3の閲覧要求受信手段31は、ユーザ端末5の閲覧要求送信手段51から送信された対象Webページの閲覧要求(ステップS21)を受信する(ステップS31)。これに応じて、対象Webページを表示するためのデータがWebページ送信手段34によってユーザ端末5に送信される(ステップS35')。ただし、このデータにおいては、対象コンテンツが対象Webページに配置されていない状態であってよい。
次いで、ユーザ端末5の配置情報取得手段32は有効な配置情報を保持しているか否かを判断する(ステップS51)。有効な配置情報を保持していない場合、(ステップS51のNO)、配置情報取得手段32は配置位置情報をコンテンツ配置装置4に要求する(ステップS32)。なお、有効は配置情報を保持していない場合とは、例えば配置情報をそもそも受信していない場合、所定の有効期限を経過した配置情報を保持している場合である。ステップS32における要求に応じて、コンテンツ配置装置4の各手段が動作し、配置情報生成手段45が配置情報を生成し、これをユーザ端末5に送信する(ステップS41)。
これにより、ユーザ端末5の配置情報取得手段32は、コンテンツ配置装置4からの配置情報を取得する(ステップS33)。そして、配置情報取得手段32はユーザ端末5内のメモリに配置情報を保存する(ステップS33')。
そして、配置情報取得手段32は、メモリに保存された配置位置情報を読み出して取得する(ステップS33'')。そして、コンテンツ配置手段33は配置情報に基づいて対象Webページに対象コンテンツを配置する(ステップS34)。これにより、ユーザ端末5のWebページ表示手段52によって、配置情報に応じて対象コンテンツが配置された対象Webページが表示される(ステップS22)。
図15は、図13のコンテンツ配置システムにおける処理動作の別の例を示すシーケンス図である。図14では、ユーザ端末5がコンテンツ配置装置4に対して、直接、配置情報を要求するものであった。これに対し、図15では、ユーザ端末5がWebページ提供サーバ3を介してコンテンツ配置装置に配置情報を要求する点が異なる。その他は図14と共通するため、詳細な説明を省略する。
[コンテンツ配置装置4のオペレータ用インターフェース]
図16は、コンテンツ配置装置4のオペレータ用のインターフェース画面の一例を示す模式図である。このザインターフェース画面は、例えば配置情報生成手段45によって表示される。図示のように、対象タイプ設定欄61、対象ページ設定欄62、テーマ設定欄63、対象コンテンツ設定欄64、サブテーマ設定欄65、経済規模設定欄66、調整タイミング設定欄67などが設けられる。また、インターフェース画面には、プレビュー画面68が設けられる。なお、図16の画面は例示にすぎず、一部の欄を省略してもよいし、他の欄を含んでいてもよい。
対象タイプ設定欄61はテーマを設定する対象を設定する欄であり、例えばWebページ、ドメイン、流入経路、閲覧者情報などの予め定めた選択肢のうちの1つをオペレータが選択する。
対象ページ設定欄62は、対象としてWebページが選択された場合に、そのWebページを示すURLを設定する欄であり、オペレータがURLを入力する。
テーマ設定欄63はテーマを設定する欄であり、例えば「A-Phone」といったテーマをオペレータが入力する。入力された情報がテーマ設定手段42によってテーマとされる。
対象コンテンツ設定欄64は、配置を設定する対象となるコンテンツを指定する欄である。コンテンツは、例えば「A-Phone 5X」といった個別の情報やリンクなどである。一例として、「選択」ボタンを押すことで1つの対象コンテンツを設定できる。
サブテーマ設定欄65は対象コンテンツに対応して設けられており、対応するコンテンツにサブテーマを設定する欄である。1つのコンテンツに複数のサブテーマが設定されてもよい。入力された情報がサブテーマ設定手段43によってテーマとされる。
経済規模設定欄66は、対象コンテンツの配置を定める基準となる経済規模を設定するものであり、例えば検索数、検索数と広告料金との組み合わせ、検索数と広告料金と競合性の組み合わせなどの予め定めた選択肢のうちの1つをオペレータが選択する。ここで設定された経済規模に基づいて、配置情報生成手段45は対象コンテンツの配置を定める。
調整タイミング設定欄67は対象コンテンツの配置調整を行うタイミング(すなわち配置情報を更新するタイミング)を設定する欄であり、例えばWebページの閲覧要求がある都度(図10)、Webページ提供サーバ3のオペレータからの指示に応じて(図11A)、コンテンツ配置装置4のオペレータからの指示に応じて(図12A)、などの予め定めた選択肢のうちの1つをオペレータが選択する。
また、プレビュー画面68には、上述した欄への設定にしたがってコンテンツ配置装置4内の各手段が動作して配置情報が生成された場合に表示されるWebページを示す。
このようなインターフェース画面を表示することで、コンテンツ配置装置4のオペレータの操作や各種設定が簡略化される。
以上述べたように、第3の実施形態では、検索動向を利用することでWebページにおけるコンテンツの配置を自動的に検索ニーズに合ったものとすることができる。したがって、閲覧者の利便性や満足度を低コストで常時最適化が可能となる。また、大量の検索クエリに関する検索動向を人手で処理するのは現実的に困難であるが、第3の実施形態によれば検索動向を自動的に考慮し反映することが可能となる。
(第4の実施形態)
次に述べる第4の実施形態は、検索動向を利用してWebサイトの構築を支援するものである。第4の実施形態では、Webページおよびコンテンツの一部を自動作成することもできる。
[第4の実施形態の概要]
図17は、Webサイトの構成を模式的に示す図である。Webサイトは最上位階層に位置づけられるWebページ(以下「トップページ」ともいう)を含む。また、Webサイトは、トップページから直接的にリンクされており、第1階層に位置づけられる1以上のWebページ(以下「第1階層ページ」ともいう)を含む。さらに、Webサイトは、特定の第1階層ページから直接的にリンクされており、第2階層に位置づけられる1以上のWebページ(以下「第2階層ページ」ともいう)を含む。以下同様に、第3階層以降のWebページがあってよい。
ここで、多くの閲覧者は検索エンジンを利用してWebサイトに流入していると考えられるため、検索動向は閲覧者による検索ニーズを反映している。よって、検索動向を分析することで、検索ニーズを満たすためにどのようなWebページが必要であるかを把握できる。そこで、本実施形態では、検索動向に基づいて、どのようなWebページを用意し、どのようにリンクを貼ればよいかを自動で提案する。
なお、以下では便宜上、Webサイトの最上位階層に位置づけられる「トップページ」を基準としてWebサイトを構築する説明を行うが、必ずしもWebサイトの最上位階層を基準とする必要はなく、Webサイトにおける任意の階層における任意のWebページを基準として(これを「トップページ」と考えて)、それより下位階層のWebサイトを構築することもできる。
図18~図20は、第4の実施形態の概要を説明する図である。本例では、「B-Phone」なるブランドのスマートフォンに関するWebサイトを構築することを想定している。
図18は、所定期間における「B-Phone」を含む各検索クエリ(すなわち「B-Phone」を核ワードとする検索クエリ)の検索数を示している。なお、この「B-Phone」は第3の実施形態における「テーマ」に対応する。
図19の中段は、図18に示す検索クエリのうち「B-Phone」以外に1以上の検索語を含む検索クエリのうち代表的なものを示している。具体的には、第2検索語として「pro」が追加された検索クエリの集合A1、「mini」が追加された検索クエリの集合A2、「新型」が追加された検索クエリの集合A3、「中古」が追加された検索クエリの集合A4がある。なお、これら「pro」などは第3の実施形態における「サブテーマ」に対応する。
また、図19の下段は、図18に示す検索クエリのうち「B-Phone」以外に2以上の検索語を含む検索クエリのうち代表的なものを示している。具体的には、第2および第3検索語として「pro」および「新型」が追加された検索クエリの集合B1と、「pro」および「2018」が追加された検索クエリの集合B2がある。
図20は、図18および図19の検索動向から提案されるWebサイトを模式的に示している。トップページW0は本Webサイトが「B-Phone」に関するものであることを示す。
同図では、第1階層ページとして、「B-Phone pro」に関するWebページW11(図19の集合A1に対応)、「B-Phone mini」に関するWebページW12(同集合A2に対応)、「B-Phone 新型」に関するWebページW13(同集合A3に対応)、「B-Phone 中古」に関するWebページW14(同集合A4に対応)が提案される。すなわち、トップページW0から直接的にリンクされるべきWebページW11~W14として、「B-Phone pro」、「B-Phone mini」、「B-Phone 新型」および「B-Phone 中古」に関するWebページを準備すべきであることを意味する。
このような提案は、第2検索語として「pro」、「mini」、「新型」および「中古」が追加された検索クエリが相当数あることに基づく。「pro」、「mini」、「新型」および「中古」は、それぞれ第1階層ページW11~W14に対応するワードともいえる。第1階層ページのそれぞれを記述するHTMLファイルの所定項目に、対応するワード(第2検索語)を設定することにより、第1階層ページの一部を自動作成することもできる。
また、同図では、第1階層ページである「B-Phone pro」に関するWebページW11に直接的にリンクされるべき第2階層ページとして、「B-Phone pro 2018」に関するWebページW21が提案される。すなわち、第1階層ページW11から直接的にリンクされるべきWebページとして、「B-Phone pro 2018」に関するWebページを準備すべきであることを意味する。
また、第1階層ページである「B-Phone pro」に関するWebページW11および同「B-Phone 新型」に関するWebページW13に直接的にリンクされるべき第2階層ページとして、「B-Phone pro 新型」に関するWebページW22が提案される。すなわち、第1階層ページW11,W13から直接的にリンクされるべきWebページとして、「B-Phone pro 新型」に関するWebページを準備すべきであることを意味する。
これらの提案は、第2および第3検索語として「pro」、「2018」および「新型」が追加された検索クエリが相当数あることに基づく。「pro」および「2018」の組は、WebページW21に対応するワードともいえる。また、「pro」および「新型」の組は、WebページW22に対応するワードともいえる。第2階層ページのそれぞれを記述するHTMLファイルの所定項目に、対応するワード(第2および第3検索語の組)を設定することにより、第2階層ページの一部を自動作成することもできる。
以上のような提案に基づいてWebサイトを作成し、リンクを貼ることで、検索ニーズに合致した構造のWebサイト作成を支援できる。
以下、より具体的に説明する。
[Webサイト構築支援装置7の構成]
図21は、第4の実施形態に係るWebサイト構築支援装置7の概略構成を示すブロック図である。Webサイト構築支援装置7は、ワード特定手段71と、Webページ作成手段72とを備えている。これら各手段の一部または全部は、Webサイト構築支援装置7のプロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよい。
ワード特定手段71は、検索サーバ1から取得される複数の検索クエリに基づいて、あるWebページからリンクされるべき(あるいは、階層関係が定まるべき)1以上のWebページに関する(対応する)ワードを特定する。Webページ作成手段72は、ワード特定手段71によって特定されたワードを用い、トップページおよび/または第1階層(あるいはそれ以下の階層)ページの一部を作成する。そして、Webページ作成手段72は、作成されたWebページを記述するhtmlあるいはphpなどのファイル群として出力する。出力されたファイルを実際のWebサイト構築の骨組みとすることができる。
[ワード特定手段71]
ワード特定手段71について詳しく述べる。ワード特定手段71は複数の検索クエリに基づいて各Webページに対応するワードを特定する。
[トップワードの特定]
まず、ワード特定手段71は、検索クエリに基づき、トップページに対応するワード(例えば、図18~図20における「B-Phone」、以下「トップワード」ともいう)を特定する。例えば、ワード特定手段71は、所定期間における複数の検索クエリを検索サーバ1から取得し、検索規模を考慮して1つのワードを特定する。トップワードは、ある核ワードを軸とした検索群の市場(図18の例では、「B-Phone」という核ワードを軸とした市場)と考えることもできる。
トップワード特定の例として、Webページを新規作成する場合に複数の検索クエリに共通して多く含まれるワード(核ワード)をWebサイト構築支援装置7のオペレータが手動でトップワードとして特定してもよい。
トップワード特定の別の例として、既存のWebページをリニューアルする場合に、既存のWebページにおける集客効率が高いワードをワード特定手段71が自動でトップワードとして特定してもよい。集客効率が高いワードは、そのワードを検索クエリとする流入数や、経済規模に基づいて特定され得る。
また別の例として、検索群の市場が大きい核ワードをワード特定手段71が自動でトップワードとして特定してもよい。より具体的な例として、「B-Phone」を核ワードとする市場と、「スマートフォン」を核ワードとする市場があり、後者の方が集客効率が高い場合には「スマートフォン」をトップワードとする。
また、ワード特定手段71がトップワードの候補をいくつか自動で提示し、Webサイト構築支援装置7のオペレータが手動で候補を選択することによってトップワードを特定してもよい。トップワードの候補は、例えば既存のWebページにおいて集客効率が上位である複数のワードとすることができる。
「トップワード」が特定されると、ワード特定手段71は「トップワード」をWebサイト構築支援装置7のオペレータに対して出力(例えば表示)する。これにより、オペレータは特定された「トップワード」をテーマとしてWebサイトを構築するのがよいことが分かる。また、オペレータはWebサイトのトップページを「トップワード」に関するものにすればよいことが分かる。
「トップワード」はトップページに関する(対応する)ワードと言える。
次いで、ワード特定手段71は「トップワード」を含む検索クエリの集合(例えば、図18に示す検索クエリ群)を形成する。
[第1階層ワードの特定]
ワード特定手段71は、形成された検索クエリの集合に基づき、第1階層ページに対応するワード(例えば、図19の中段に示す「pro」、「mini」、「新型」および「中古」のそれぞれ、以下「第1階層ワード」ともいう)を特定する。例えば、ワード特定手段71は、「トップワード」以外のワードであって、検索クエリの集合の多くに共通して含まれる1つのワードを「第1階層ワード」とする。「第1階層ワード」は2以上あってもよい。ただし、「第1階層ワード」の数が多くなり過ぎないよう、ワード特定手段71は経済規模を考慮して所定数の「第1階層ワード」を特定してもよい。第1階層ワードもトップワードと同様の手法により特定され得る。
「第1階層ワード」が特定されると、ワード特定手段71は「第1階層ワード」をWebサイト構築支援装置7のオペレータに対して出力(例えば表示)する。これにより、オペレータは特定された「第1階層ワード」のそれぞれに関するWebサイトを第1階層ページとして作成し、トップページからリンクを貼るべき(あるいは、トップページの下位階層とすべき)であることが分かる。1つの「第1階層ワード」が1つの第1階層ページに対応するとも言える。
図19および図20の例では、第1階層ページとして、「B-Phone pro」に関するWebページW11、「B-Phone mini」に関するWebページW12、「B-Phone 新型」に関するWebページW13および「B-Phone 中古」に関するWebページW14を作成すべきことが分かる。
[第2階層ワードの特定]
必要に応じて、ワード特定手段71は、形成された検索クエリの集合に基づき、第2階層ページに対応するワード(以下「第2階層ワード」ともいう)を特定する。例えば、ワード特定手段71は、「トップワード」以外のワードであって、特定されたいずれかの「第1階層ワード」を含む検索クエリの集合の多くに共通して含まれる他のワードを特定する。そして、当該いずれかの「第1階層ワード」と、特定された「他のワード」との組を「第2階層ワード」とする。なお、「他のワード」が「第1階層ワード」であってもよい。
例えば、図19において、「第1階層ワード」である「pro」と、「他のワード」である「2018」の組が「第2階層ワード」である。また、1つの「第1階層ワード」である「pro」と、他の「第1階層ワード」である「新型」との組が「第2階層ワード」である。このように「第2階層ワード」を定める場合、「第2階層ワード」は少なくとも1つの「第1階層ワード」が含まれる。
「第2階層ワード」は2以上あってもよい。ただし、「第2階層ワード」の数が多くなり過ぎないよう、ワード特定手段71は経済規模を考慮して所定数の「第2階層ワード」を特定してもよい。
「第2階層ワード」が特定されると、ワード特定手段71は「第2階層ワード」をWebサイト構築支援装置7のオペレータに対して出力(例えば表示)する。これにより、オペレータは特定された「第2階層ワード」に関するWebサイトを第2階層ページとして作成すべきであることが分かる。また、「第2階層ワード」に含まれる「第1階層ワード」に対応する第1階層ページから、第2階層ページにリンクを貼るべき(あるいは、第2階層ページの下位階層とすべき)ことが分かる。1つの「第2階層ワード」が1つの第2階層ページに対応するとも言える。
図19および図20の例では、第2階層ページとして「B-Phone pro 2018」に関するWebページ21を作成すべきことが分かる。また、含まれる「第1階層ワード」は「pro」であるから、Webページ21は「B-Phone pro」に関するWebページW11からリンクを貼るべきであることが分かる。
また、第2階層ページとして「B-Phone pro 新型」に関するWebページ22を作成すべきことが分かる。また、含まれる「第1階層ワード」は「pro」および「新型」であるから、WebページW22は、「B-Phone pro」に関するWebページW11と、「B-Phone 新型」に関するWebページW13の両方にリンクを貼るべきであることが分かる。
このように、第2階層ページは2以上の第1階層ページからリンクが貼られてもよい。この場合、「B-Phone pro」に関する第1階層ページW11からリンクされる「B-Phone pro 新型」に関する第2階層ページと、「B-Phone 新型」に関する第1階層ページW13からリンクされる「B-Phone pro 新型」に関する第2階層ページは、同じであってもよいし、異なっていてもよく、Webサイトの作成者が適宜判断すればよい。
以下、同様にしてワード特定手段71は必要な階層数のワードを特定すればよい。なお、上述した説明では、検索クエリに共通して含まれるワードをトップワード、第1階層ワードおよび第2階層ワードとしたが、他の手法によってトップワードなどを特定してもよい。例えば、自然言語処理を行って検索ニーズが合致するワードを特定してもよいし、手動で設定してもよい。
図22Aおよび図22Bは、それぞれ、上記のような提案に沿ったWebサイトを構築した場合のトップページW0および第1階層ページW11の一例を模式的に示す図である。図22Aに示すように、トップページW0には、「B-Phone pro」、「B-Phone mini」、「B-Phone 新型」および「B-Phone 中古」に関する第1階層ページへのリンクが含まれる。なお、「B-Phone 中古」に関する第1階層ページへのリンクは図22Aに現れていないが、トップページW1を下方にスクロールすると現れる。リンクの配置位置は、例えば第3の実施形態で説明したように、経済規模に基づいて定めるのがよい。
図22Aにおいて、「B-Phone pro」のリンクを選択すると、図22Bに示す第1階層ページW11が表示される。
[Webページ作成手段72]
Webページ作成手段72について詳しく説明する。図23Aおよび図23Bは、上述した図20に示すトップページW0の一部および同第1階層ページW11の一部をそれぞれ模式的に示す図である。以下、図20、図23Aおよび図23Bを参照しながら説明する。
[URLの自動生成]
Webページ作成手段72は、各Webページに対応するワード(および、必要に応じて上位階層ページに対応するワード)に基づき、Webページの一部であるURLを自動生成できる。以下では、Webサイトのルートパスが「https://AAA.com」であるとする。
例えば、URL作成の対象となるWebページがトップページW0である場合、Webページ作成手段72は、ルートパスと、「トップワード」とを「/(スラッシュ)」によって結合したものとする。図20の例では、「トップワード」が「B-Phone」であるから、具体的なURLは以下のようになる(図23A)。
https://AAA.com/B-Phone
また、URL作成の対象となるWebページが第1階層ページである場合、Webページ作成手段72は、ルートパスと、「トップワード」と、対象Webページに対応する「第1階層ワード」と、を「/(スラッシュ)」によって結合したものとする。図20の例において、対象となるWebページが「B-Phone pro」についての第1階層ページW11である場合、具体的なURLは以下のようになる(図23B)。
https://AAA.com/B-Phone/pro
あるいは、ルートパスと、「トップワード」と、「トップワード」と対象Webページに対応する「第1階層ワード」との組み合わせと、を「/(スラッシュ)」によって結合したものをURLとしてもよい。具体的には以下のようになる。
https://AAA.com/B-Phone/B-Phone/pro
なお、必要に応じてURLエンコードを行ったり、URLに使えない特殊文字(スペースや日本語など)を置換したりするのが望ましい。
また、URL作成の対象となるWebページが第2階層ページである場合、Webページ作成手段72は、ルートパスと、「トップワード」と、対象ページのリンク元となる第1階層ページに対応する「第1階層ワード」と、対象Webページに対応する「第2階層ワード」と、を「/(スラッシュ)」によって結合したものとする。図20の例において、対象となるWebページが「B-Phone pro 2018」についての第2階層ページW21である場合、具体的なURLは以下のようになる。
https://AAA.com/B-Phone/pro/2018
また、図20の例において、対象となるWebページが「B-Phone pro 新型」についての第2階層ページW22である場合、「新型」を「new」に置換するとして、具体的なURLは以下のようになる。
https://AAA.com/B-Phone/pro/new
https://AAA.com/B-Phone/new/pro
第2階層ページW22は2つの第1階層ページW11,W13がリンク元となるから2つのURLが生成される。これら2つのURLに対応する単一のWebページを作成し、いずれのURLからも当該単一のWebページにアクセスされるようにしてもよい。あるいは、2つのURLにそれぞれ対応する2つのWebページを作成してもよい。あるいはどちらか一つを代表して使用しても良い。
このように、Webページ作成手段72はワード特定手段71によって特定されたワードを用いてWebページのURLを作成し、それによってWebサイトのディレクトリ構造(階層関係)を自動生成する。
[パンくずリストの自動生成]
URLの生成と同様に、Webページ作成手段72は、各Webページに対応するワード(および、必要に応じて上位階層ページに対応するワード)に基づきパンくずリスト(Breadcrumbs)を生成できる。パンくずリストとは、階層構造を有するWebサイトにおける現在表示されているWebページの位置を示す情報であり、図22Bの右上に例示されている。
例えば、パンくずリスト生成の対象となるWebページが第1階層ページW11である場合、「トップ>B-Phone>pro」なるパンくずリストを生成すべく、Webページ作成手段72は以下のような記述を生成する(図23B)。
<div class="breadcrumbs">
</ul>
<li><a href="/">トップ</li>
<li><a href="/B-Phone">B-Phone</li>
<li><a href="/B-Phone/pro">pro</li>
</ul>
</div>
これにより、図22Bの右上に例示されるパンくずリストが表示される。ここで、例えば「B-Phone」にはトップページW0へのリンクが貼られていてもよい。
また、パンくずリスト生成の対象となるWebページが第2階層ページW22である場合、「トップ>B-Phone>pro>新型」および「トップ>B-Phone>新型>pro」なるパンくずリストを生成すべく、Webページ作成手段72は以下のような記述を生成する。
<div class="breadcrumbs">
</ul>
<li><a href="/">トップ</li>
<li><a href="/B-Phone">B-Phone</li>
<li><a href="/B-Phone/pro">pro</li>
<li><a href="/B-Phone/pro/新型">新型</li>
</ul>
</div>
<div class="breadcrumbs">
</ul>
<li><a href="/">トップ</li>
<li><a href="/B-Phone">B-Phone</li>
<li><a href="/B-Phone/新型">新型</li>
<li><a href="/B-Phone/pro/pro">pro</li>
</ul>
</div>
このように、複数の上位階層ページからリンクを貼られるWebページには、複数のパンくずリストが生成される。この場合に、Webページ作成手段72は、複数のパンくずリストを生成してもよいし、代表して1つのパンくずリストを生成してもよい。
[titleおよびh1タグの自動設定]
Webページ作成手段72は、各ページを記述するHTMLファイルの一部であるtitleやh1タグを自動設定できる。なお、titleにはWebページのタイトルが記述され、主に検索エンジンにおける検索結果画面に表示され、当該Webページ内には表示されないことが多い。また、h1タグは、Webページの見出しタグである複数のhタグのうち最も上位の概念を記述するために用いられ、主にtitleと同じく当該Webページのタイトルが記述され、訪問者が目にするWebページ内に表示されることが多い。
具体的には、Webページ作成手段72は、作成の対象となるWebページに対応するワードに基づいて、当該Webページのtitleおよび/またはh1タグを設定できる。
例えば、対象となるWebページがトップページである場合、Webページ作成手段72は、「トップワード」に基づいて、トップページのtitleおよび/またはh1タグを設定する。具体例として「トップワード」そのものとしてもよい。
図20の例において、Webページ作成手段72はトップページW0のtitleおよび/またはh1タグを「トップワード」そのものである「B-Phone」とすることができる。具体的には、以下のような記述となる(図23A)。
<title>B-Phone</title>
<h1>B-Phone</ h1>
また、対象となるWebページが第1階層ページである場合、Webページ作成手段72は、作成の対象となる第1階層ページに対応するワードに基づいて(必要に応じて、「トップワード」も用いて)、第1階層ページのtitleおよび/またはh1タグを設定する。
図20の例において、対象となるWebページが「B-Phone pro」についての第1階層ページW11である場合、Webページ作成手段72は、titleおよび/またはh1タグを、「B-Phone pro」、あるいは、「トップワード」である「B-Phone」を除いて「pro」とすることができる。具体的には、以下のような記述となる(図23B)。
<title>B-Phone pro</title> あるいは <title>pro</title>
<h1>B-Phone pro </ h1> あるいは <h1> pro </ h1>
対象となるWebページが第2階層ページである場合、Webページ作成手段72は、作成の対象となる第2階層ページに対応するワードに基づいて(必要に応じて、「トップワード」および/またはリンク元となる第1階層ページに対応するワードも用いて)、第2階層ページのtitleおよび/またはh1タグを設定する。
図20の例において、対象となるWebページが「B-Phone pro 2018」についての第2階層ページW21である場合、Webページ作成手段72は、titleおよび/またはh1タグを、「B-Phone pro 2018」としてもよいし、「トップワード」である「B-Phone」を除いて「pro 2018」としてもよいし、「トップワード」および「第1階層ワード」を除いて「2018」とすることもできる。
第3階層以降のtitleおよび/またはh1タグの設定も同様である。
[descriptionの自動設定]
Webページ作成手段72は、各ページを記述するHTMLファイルの一部であるdescription(あるいは、サイト内サマリー)を自動設定できる。なお、descritionは、検索エンジンによる検索結果ページ(Search Engine Result Page:S
ERP)において、各Webページの概要として表示されるテキストである。
具体的には、Webページ作成手段72は、作成の対象となるWebページにリンクされた下位階層ページに対応するワードに基づいて、当該Webページのdescriptionを設定できる。
例えば、対象となるWebページがトップページである場合、Webページ作成手段72は、1階層下となる第1階層ページのそれぞれに対応するワードに基づいて(必要に応じて、トップワードも用いて)、トップページのdescription(あるいは、サイト内サマリー)を設定する。
図20の例において、Webページ作成手段72はトップページW0のdescriptionを「B-Phone pro,B-Phone mini,B-Phone 新型,B-Phone 中古」、あるいは、「トップワード」である「B-Phone」を除いて「pro,mini,新型,中古」とすることができる。具体的には、以下のような記述となる(図23A)。
<meta name="description" content = "B-Phone pro, B-Phone mini, B-Phone 新型, B-Phone 中古"> あるいは
<meta name="description" content = "pro, mini, 新型, 中古">
なお、上記は「,」を結合文字とする例を示したが、他の任意の記号を結合文字として
設定できてよい。また、「第1階層ワード」が多数ある場合には、例えば経済規模や合計検索数が大きい順に所定数に限ってdescriptionに含めるようにしてもよい。
また、トップページのdescriptionは、第1階層ページのそれぞれに対応するワードに加え、各第1階層ページにリンクされた第2階層ページのそれぞれに対応するワードを含んでいてもよいし、さらに下位階層のページのそれぞれに対応するワードを含んでいてもよい。
また、対象となるWebページが第1階層ページである場合、Webページ作成手段72は、1階層下となる第2階層ページのそれぞれに対応するワードに基づいて(必要に応じて、トップワードおよび/または第1階層ページに対応するワードも用いて)、第1階層ページのdescription(あるいは、サイト内サマリー)を設定する。
図20の例において、対象となるWebページが「B-Phone pro」についての第1階層ページW11である場合、Webページ作成手段72は、descriptionを、「B-Phone pro 2018,B-Phone pro 新型」、あるいは、「トップワード」である「B-Phone」を除いて「pro 2018,pro 新型」、あるいは、さらに「第1階層ワード」も除いて「2018,新型」とすることができる。
第3階層以降のdescriptionの設定も同様である。
また、Webページ作成手段72はtitleあるいはdescriptionと同様にkeywordsを設定してもよい。さらに、titleやdescriptionに設定されるワードを用いて自動的に文章を作成してもよい。このように、title、description、keywordsを自動作成することで、Webページに合った適切な設定が可能となる。
[h2タグ以降の自動設定]
Webページ作成手段72は、各ページを記述するHTMLファイルの一部であるh2タグおよびh3タグ以降を自動設定できる。なお、h2タグは、見出しタグであるhタグのうち2番目に重要なタグであり、h3タグ以降も同様である。
具体的には、Webページ作成手段72は、作成の対象となるWebページより下位階層のWebページに対応するワードに基づいて、h2タグ以降を設定する。
例えば、対象となるWebページがトップページである場合、Webページ作成手段72は、1階層下となる第1階層ページのそれぞれに対応するワードに基づいて(必要に応じて、トップワードも用いて)h2タグを設定したり、2階層下となる第2階層ページのそれぞれに対応するワードに基づいて(必要に応じて、トップワードおよび/または第1階層ページに対応するワードも用いても用いて)h3タグを設定したりする。
図20の例において、Webページ作成手段72は、トップページW0のh2タグに「B-Phone pro」、「B-Phone mini」、「B-Phone 新型」および「B-Phone 中古」、あるいは、「トップワード」である「B-Phone」を除いて「pro」、「mini」、「新型」および「中古」を設定できる。また、Webページ作成手段72はトップページW0のh3タグに「B-Phone pro 2018」、「Bphone pro 新型」および「B-Phone 新型 pro」、あるいは、「トップワード」である「B-Phone」を除いて「pro 2018」、「pro 新型」および「新型 pro」を設定できる。あるいは、できる限りタグに設定されるワードが冗長にならないよう、「トップワード」のみならず上位階層のワードの「pro」や「新型」を除いて「2018」、「新型」および「pro」をh3タグに設定してもよい。
具体的には、以下のような記述となる(図23A)。
<h2>B-Phone pro</h2> あるいは <h2>pro</h2>
<h3>B-Phone pro 2018</h3> あるいは <h3>pro 2018</h3>
<h3>B-Phone pro 新型</h3> あるいは <h3>pro 新型</h3>
<h2>B-Phone mini</h2> あるいは <h2>mini</h2>
<h2>B-Phone 新型</h2> あるいは <h2>新型</h2>
<h3>B-Phone 新型pro</h3> あるいは <h3>新型pro</h3>
<h2>B-Phone 中古</h2> あるいは <h2>中古</h2>
あるいは <h2>pro</h2>
あるいは <h3>2018</h3>
あるいは <h3>新型</h3>
あるいは <h2>mini</h2>
あるいは <h2>新型</h2>
あるいは <h3>pro</h3>
あるいは <h2>中古</h2>
また、対象となるWebページが第1階層ページである場合、Webページ作成手段72は、1階層下となる第2階層ページのそれぞれに対応するワードに基づいて(必要に応じて、トップワードおよび/または第1階層ページに対応するワードも用いても用いて)、h2タグを設定する。
図20の例において、対象となるWebページが「B-Phone pro」についての第1階層ページW11である場合、Webページ作成手段72は、h2タグを、「B-Phone pro 2018」および「B-Phone pro 新型」、あるいは、「トップワード」である「B-Phone」を除いて「pro 2018」および「pro 新型」、あるいは、さらに「第1階層ワード」も除いて「2018」および「新型」とすることができる。具体的には、以下のような記述となる(図23B)。
<h2>B-Phone pro 2018</h2> あるいは <h2>pro 2018</h2> あるいは
<h2>2018</h2>
<h2>B-Phone pro 新型</h2> あるいは <h2>pro 新型</h2> あるいは
<h2>新型</h2>
第3階層以降のh2タグなどの設定も同様である。
[グローバルナビゲーションおよびサイドメニューの自動設定]
Webページ作成手段72は、各階層のWebページに対応するワードを用いて、Webサイトにおける各Webページに共通して表示されるグローバルナビゲーションやサイドメニューを作成できる。以下、展開型のサイドメニューを例に取って説明する。
例えば、図24Aに示すように、サイドメニューにおいて、トップページW0に対応する「B-Phone」が最上位に設定される。この「B-Phone」にはトップページW0へのリンクが貼られている。ここで、トップワードに設けられた展開マーク73を選択すると、図24Bに示すように、第1階層ページW11~W14にそれぞれ対応するワード「pro」、「mini」、「新型」および「中古」が表示される。この「pro」には第1階層ページW11へのリンクが貼られている。他のワードも同様である。
図24Bにおいて、「pro」および「新型」には展開マーク74,75が設けられるが、「mini」および「中古」には展開マークが設けられない。これは、「pro」および「新型」に対応する第1階層ページW11,W13には下位階層ページが存在するが、「mini」および「中古」に対応する第階層ページW12,W13は下位階層ページが存在しないことを意味する。
図24Bにおいて、「pro」に設けられた展開マーク74を選択すると、図24Cに示すように、「pro」に対応する第1階層ページW11にリンクが貼られた第2階層ページW22に対応するワード「新型」が表示される。この「新型」には第2階層ページW22へのリンクが貼られている。
このようなグローバルナビゲーションあるいはサイドメニューは以下のようにして作成される。
Webページ作成手段72は「第1階層ワード」を「トップワード」に関連付ける。これにより、「トップワード」に設けられた展開マークを選択すると、「第1階層ワード」が表示されるようになる。
また、Webページ作成手段72は、「第2階層ワード」を、そのリンク元である「第1階層ワード」に関連付ける(リンク元でない第1階層ワードには関連付けない)。これにより、ある「第1階層ワード」に設けられた展開マークを選択すると、当該「第1階層ワード」に対応する第1階層ページにリンクが貼られた第2階層ページに対応する「第2階層ワード」が表示されるようになる。
以下、必要な階層だけ関連付けを行えばよい。
以上述べたように、第4の実施形態によれば、検索動向を利用することで検索ニーズに合致した適切な構造のWebサイトの作成を自動的に支援でき、かつ、Webページの一部を自動作成できる。また、大量の検索クエリに関する検索動向を人手で処理するのは現実的に困難であるが、第4の実施形態によれば検索動向を自動的に考慮し反映することが可能となる。
なお、以上説明したWebサイト構築支援装置7は、新規にWebサイトを作成するためだけでなく、既存のWebサイトの評価として用いることもできる(この点は第6の実施形態で述べる)。すなわち、上述したようして提案されるWebサイトの構造と、既存のWebサイトとを対比し、例えばトップページから適切な第1階層ページが存在し、リンクが貼られているか(図20の例では、「B-Phone」に関するトップページから、「pro」、「mini」、「新型」および「中古」に関する4つの第1階層ページが存在し、リンクが貼られているか)を確認できる。さらにWebサイト構築支援装置7は、検索サジェストなどと呼ばれる、検索エンジンが検索者に他の検索候補ワードを明示する一形態としても用いることができる。すなわち、検索窓に入力された検索語をテーマ(第2ワード)とみなし、h2タグやh3タグなどを出力したのと同様に、サブテーマ(第1ワード)を用いた言葉を、検索語の候補として提案するという方法である。従来の一般的な検索サジェストは、サブテーマ(第1ワード)によって検索語の候補が纏められておらず、また、それらが経済規模が考慮された表示順序にもなっていない。
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、第4の実施形態で提案されるWebサイトの構造を視覚的に表示するものである。
図25A~図25Cは、Webサイトの構造の表示例を示す図である。このような画面を表示するための電子ファイル(電子データ)がWebページ作成手段72によって生成され(必要に応じて、外部に出力され)、任意のディスプレイに表示される。
図25A~図25Cの表示例では、以下を前提としている。第4の実施形態で説明したトップページに対応するトップワードは「壁面収納」である。トップページからリンクされるべき第1階層ページに対応する第1階層ワードは「エリア」、「エコノミカル」、「オピニオン」である。第1階層ワードを「エリア」とする第1階層ページからリンクされるべき第2階層ページに対応する第2階層ワードは「横浜」、「福岡」である。第1階層ワードを「エコノミカル」とする第1階層ページからリンクされるべき第2階層ページに対応する第2階層ワードは「価格」、「予算」、「通販」、「費用」、「安い」である。第1階層ワードを「オピニオン」とする第1階層ページからリンクされるべき第2階層ページに対応する第2階層ワードは「安い」、「おしゃれ」、「おすすめ」である。
図25A~図25Cの表示例では、トップページに対応するシンボルX1が表示される。シンボルX1の形状に制限はないが、例えば矩形である。シンボルX1には、「壁面収納」というトップワードが含まれている。
シンボルX1の下方において、第1階層ページに対応するシンボルX1-1~X1-3が表示される。シンボルX1-1~X1-3には、「エリア」、「エコノミカル」、「オピニオン」という第1階層ワードがそれぞれ含まれている。これは、第1階層ワードが「エリア」である第1階層ページがシンボルX1-1に対応することを示す。「エコノミカル」および「オピニオン」についても同様である。
シンボルX1-1~X1-3の並び順は任意であるが、例えば経済規模の順、アルファベット順、あいうえお順などするのがよい。
これらシンボルX1-1~X1-3は一直線上(図25Aおよび図25Bの例では水平方向の直線上)に並ぶのが望ましい。いずれも第1階層であることが分かりやすいためである。また、シンボルX1-1~X1-3は、シンボルX1と関連付けられており、シンボルX1からシンボルX1-1~X1-3に向かう3つの矢印(単純な線でもよい)が表示される。シンボルX1と、シンボルX1-1~X1-3が関連付けられているとも言える。
シンボルX1-1のさらに下方において、シンボルX1-1と関連付けられた、第2階層ページに対応するシンボルX1-1-1,X1-1-2が表示される。シンボルX1-1-1には「横浜」という第2階層ワードがそれぞれ含まれており、第2階層ワードが「横浜」である第2階層ページがシンボルX1-1-1に対応することを示す。「福岡」についても同様である。
同様に、シンボルX1-2のさらに下方において、シンボルX1-2と関連付けられた、第2階層ページに対応するシンボルX1-2-1~X1-2-5が表示される。また、シンボルX1-3のさらに下方において、シンボルX1-3と関連付けられた、第2階層ページに対応するシンボルX1-3-1~X1-3-3が表示される。
ここで、本前提において、「安い」に関する第2階層ページは、「エコノミカル」に関する第1階層ページからリンクされるべきであり、かつ、「オピニオン」に関する第1階層ページからもリンクされるべきである。そこで、図25Aに示すように、シンボルX1-2(「エコノミカル」)に関連付けられたシンボルX1-2-5と、シンボルX1-3(「オピニオン」)に関連付けられたシンボルX1-3-1とを別個に表示してもよい。あるいは、図25Bに示すように、シンボルX1-2(「エコノミカル」)およびシンボルX1-3(「オピニオン」)の両方に関連付けられた1つのシンボルX1-2-5(X1-3-1)を表示してもよい。また、図25Aと図25Bとをユーザが選択できてもよい。
なお、シンボルX1―1-1,X1-1-2,X1-2-1~X1-2-5,X1-3-1~X1-3-3は一直線上に並ぶのが望ましい。これらのシンボルに対応するWebページがいずれも第2階層であることが分かりやすいためである。
図25A~図25Cは、第2階層ページまでを表示する例であるが、同様に第3階層ページ以降を表示してもよい。一般的には、特定の第n階層ページに対応するシンボルと関連付けて、当該第n階層ページからリンクされるべき第(n+1)階層ページに対応するシンボルが配置される。各シンボルには対応するWebページに関するワードが含まれる。同一階層のWebページに対応するシンボルは一直線上に配置されるのが望ましい。
また、シンボル間の矢印(あるいは線)はすべて同じ表示態様でもよいし、経済規模(第1の実施形態で述べたもの、以下同じ)等を考慮した表示態様(色や太さなど)であってもよい。例えば、「壁面収納 エリア」より「壁面収納 エコノミカル」の方が経済規模が大きい場合、図25Cのように、シンボルX1からシンボルX1-2へ向かう矢印をより太く示してもよい。このような表示とすることで、優先して作成すべきWebページを把握しやすくなる。
さらに、あるWebページからリンクされるべき下位階層ページが多数ある場合、そのすべてに対応するシンボルを表示してもよいし、特定の基準を満たす一部のWebページに対応するシンボルのみを表示してもよい。特定の基準として、例えば下位階層ページに関するワードの経済規模が大きい順に所定数としてもよいし、経済規模が閾値以上のものでもよい。また、各シンボルの表示態様(色、面積、シンボルが矩形である場合の長辺・短辺)は、階層に応じて定まるものでもよいし、階層と経済規模等に応じて定まってもよい。
また、1つのシンボルを選択すると、そのシンボルに含まれるワードと類似度が高いワードを含むシンボルの表示態様が変更されてもよい。
また、図25A~図25Cに例示する画面において、ユーザが種々の編集を行えてもよい。すなわち、ユーザ操作に応じてWebサイト構築支援装置7が種々の編集を行ってもよい。
編集の一例として、リンク(Webページ(シンボル)どうしの関連付け)を追加したり削除できたりしてもよい。より具体的な例として、図25Aにおける「オピニオン」のシンボルX1-3から「エコノミカル」のシンボルX1-2に向かう矢印を追加することによって、「オピニオン」のWebページから「エコノミカル」のWebページへのリンクが追加されてもよい(図25D参照)。また、図25Aにおける「オピニオン」のシンボルX1-3と、「安い」のシンボルX1-2-5とを結ぶ矢印を削除することによって両者間のリンクが削除されてもよい(図25D参照)。
このとき、画面上における表示が変わるだけでもよいし、作成されたWebページの一部をWebページ作成手段72が自動編集してもよい。例えば、追加あるいは削除されたリンクに対応するWebページのワードに基づいて、HTMLファイルにおけるdescriptionタグ、hタグ、パンくずリストの少なくとも一部を更新してもよい。
編集の別の例として、Webページを追加したり削除できたりしてもよい。より具体的な例として、図25Aにはない、「ブランド」に対応するシンボルX1-4を追加することによって、「ブランド」を第1階層ワードとするWebページを追加されてもよい(図25E参照)。また、図25Aに存在する、「おすすめ」に対応するシンボルX1-3-3を削除することによって、「おすすめ」を第2階層ワードとするWebページを削除することができる(図25E参照)。
編集が行われた際、画面上における表示が変わるだけでもよいし、作成されたWebページの一部をWebページ作成手段72が自動編集し、編集されたWebページを記述するhtmlあるいはphpなどのファイル群として出力してもよい。例えば、追加あるいは削除されたWebページのワードに基づいて、HTMLファイルにおけるdescriptionタグ、hタグ、パンくずリストの少なくとも一部を更新してもよい。
図26は、Webサイトの構造の別の表示例を示す図である。表示例の前提は図25A~図25Cと同様である。重複する説明は省略するが、図25Aおよび図25Bで述べた事項を図26の表示例でも適宜適用可能である。
図26の表示例では、トップページに対応するシンボルX1が横長に表示される。シンボルX1には、「壁面収納」というトップワードが含まれている。
シンボルX1の下側において、第1階層ページのそれぞれに対応する横長のシンボルX1-1~X1-3が表示される。シンボルX1と、シンボルX1-1~X1-3が関連付けられてるとも言える。これらシンボルX1-1~X1-3は、シンボルX1の左端と右端との間に収まっているのが望ましい。また、シンボルX1-1~X1-3が一直線上に一列に配置されるのが望ましい。なお、シンボルX1と、シンボルX1-1~X1-3のそれぞれとの間に隙間があってもよいし、接して表示されてもよい。また、シンボルX1-1~X1-3のそれぞれとの間に隙間があってもよいし、接して表示されてもよい。
また、第1階層ワードが「エリア」である第1階層ページに対応するシンボルX1-1の下側において、当該第1階層ページからリンクされるべき第2階層ページのそれぞれに対応する横長のシンボルX1-1-1,X1-1-2が表示される。シンボルX1-1と、シンボルX1-1-1,X1-1-2が関連付けられているとも言える。これらシンボルX1-1-1,X1-1-2は、シンボルX1-1の左端と右端との間に収まっているのが望ましい。
また同様に、第1階層ワードが「エコノミカル」である第1階層ページに対応するシンボルX1-2の下側において、当該第1階層ページからリンクされるべき第2階層ページのそれぞれに対応する横長のシンボルX1-2-1~X1-2-5が表示される。ただし、シンボルX1-2-1~X1-2-5は2列に配置される。
図26は第2階層ページまでを表示する例であるが、同様に第3階層ページ以降を表示してもよい。一般的には、特定の第n階層ページに対応するシンボルの一方側(例えば、当該シンボルが延びる方向と直交する一方側)において、当該第n階層ページからリンクされるべき第(n+1)階層ページに対応するシンボルが配置される。第n階層ページに対応するシンボルの一端から他端の間に収まるよう、第(n+1)階層ページに対応するシンボルが配置されるのが望ましい。
あるWebページにリンクされるべき下位階層のWebページが複数ある場合、複数のシンボルを1直線上に1列に配置してもよいし(図26のシンボルX1-1-1,X1-1-2)、シンボル数が多い場合には2列以上にわたって配置されてもよい(図26のシンボルX1-2-1~X1-2-5)。
このような表示によれば、作成すべきWebサイトの構造を直感的に把握できる。特に、Webサイトの構造を俯瞰するのに好適である。
図27Aおよび図27Bは、Webサイトの構造の別の表示例を示す図である。表示例の前提は図25A~図25Cと同様である。重複する説明は省略するが、図25Aおよび図25Bならびに図26で述べた事項を図27Aおよび図27Bの表示例でも適宜適用可能である。
図27Aおよび図27Bの表示例では、トップページに対応するシンボルX1が表示される。シンボルX1の形状に制限はないが、例えば横長の矩形である。シンボルX1には、「壁面収納」というトップワードが含まれている。
シンボルX1の右側において、第1階層ページに対応するシンボルX1-1~X1-3が表示される。シンボルX1-1~X1-3には、「エリア」、「エコノミカル」、「オピニオン」という第1階層ワードがそれぞれ含まれている。これは、第1階層ワードが「エリア」である第1階層ページがシンボルX1-1に対応することを示す。「エコノミカル」および「オピニオン」についても同様である。
シンボルX1が選択可能となっており、シンボルX1が選択された状態でシンボルX1-1~X1-3が表示され、シンボルX1が非選択の状態でシンボルX1-1~X1-3が非表示となってもよい。
これらシンボルX1-1~X1-3は一直線上(図27Aおよび図27Bの例では鉛直方向の直線上)に並ぶのが望ましい。いずれも第1階層であることが分かりやすいためである。また、シンボルX1-1~X1-3は、シンボルX1と関連付けられており、シンボルX1からシンボルX1-1~X1-3に向かう3本の線(あるいは矢印でもよい)が表示される。また、シンボルX1-1~X1-3は選択可能となっている。
図27AはシンボルX1-1が選択された状態であり、シンボルX1-1の右側において、シンボルX1-1に対応する第1階層ページからリンクされるべき第2階層ページのそれぞれに対応するシンボルX1-1-1,X1-1-2が表示される。シンボルX1-1-1には「横浜」という第2階層ワードがそれぞれ含まれており、第2階層ワードが「横浜」である第2階層ページがシンボルX1-1-1に対応することを示す。「福岡」についても同様である。
図27Aに示すシンボルX1-1が選択された状態では、非選択状態であるシンボルX1-2,X1-3に対応する第1階層ページからリンクされるべき第2階層ページに対応するシンボルは表示されないのが望ましい。
図27BはシンボルX1-2が選択された状態であり、シンボルX1-2の右側において、シンボルX1-2に対応する第1階層ページからリンクされるべき第2階層ページのそれぞれに対応するシンボルX1-2-1~X1-2-5が表示される。シンボルX1-2-1には「価格」という第2階層ワードがそれぞれ含まれており、第2階層ワードが「価格」である第2階層ページがシンボルX1-1-1に対応することを示す。「予算」等についても同様である。
図27Bに示すシンボルX1-1が選択された状態では、非選択状態であるシンボルX1-1,X1-3に対応する第1階層ページからリンクされるべき第2階層ページに対応するシンボルは表示されないのが望ましい。
例えば、図27Aに示す状態でシンボルX1-2が選択されると図27Bに示す状態となり、図27Bに示す状態でシンボルX1-1が選択されると図27Aに示す状態となる。
説明を省略するが、シンボルX1-3についても同様である。また、図27Aおよび図27Bは第2階層ページまでを表示する例であるが、同様に第3階層ページ以降を表示してもよい。一般的には、特定の第n階層ページに対応するシンボルが選択されると、当該第n階層ページからリンクされるべき第(n+1)階層ページに対応するシンボルが表示される。そして、他の第n階層ページに対応するシンボルが選択されると、表示されていた第(n+1)階層ページに対応するシンボルに代えて、選択された第n階層ページからリンクされるべき第(n+1)階層ページに対応するシンボルが表示される。
このような表示によれば、作成すべきWebサイトの構造を直感的に把握できる。特に、WebサイトにおけるWebページ間の関係を把握するのに好適である。
図28Aは、Webサイトの構造の別の表示例を示す図である。表示例の前提は図25A~図25Cと同様である。重複する説明は省略するが、図25Aおよび図25B、図26ならびに図27Aおよび図27Bで述べた事項を図28Aの表示例でも適宜適用可能である。
図28Aの表示例は表形式になっており、1列目には各Webページを特定するページID(識別情報)が表示され、2列目にはそのWebページの階層が表示される。図28Aでは、ページID:X1はトップページに対応する。ページID:X1-1~X1-3は第1階層ワードが「エリア」、「エコノミカル」、「オピニオン」である第1階層ページにそれぞれ対応する。2列目は各Webページの階層を示す。
3列目以降に、Webページ作成手段72によって作成されたWebページの一部、より具体的にはHTMLファイルの一部がページIDと関連付けて表示される。その例として図28Aでは、URL、Title、Descriptionといったタグを挙げているが、これらの一部を省略してもよいし、他の情報を含んでいてもよい。
例えば、ページIDがX1であるトップページに関連付けられたURLやTitle(言い換えると、トップページを記述するHTMLファイルにおけるURLやTitle)には、トップワードである「壁面収納」が含まれる。同Descriptionやh2タグには、トップページからリンクが貼られるべき第1階層ページの第1階層ワードである「エリア」、「エコノミカル」、「オピニオン」が含まれる。
また、ページIDがX1-1である第1階層ページに関連付けられたURLやTitle(言い換えると、当該第1階層ページを記述するHTMLファイルにおけるURLやTitle)には、対応する第1階層ワードである「エリア」が含まれる。同Descriptionやh2タグには、当該第1階層ページからリンクが貼られるべき第2階層ページの第2階層ワードである「横浜」、「福岡」が含まれる。
図28Aは第1階層ページまでを表示する例であるが、同様に第2階層ページ以降を表示してもよい。すなわち、図28Aの表示例において、各Webページを特定するページIDと、当該Webページを記述するHTMLファイルの一部と、が関連付けられて表示される。HTMLファイルの一部として、当該Webページに関するワードと、当該Webページからリンクを貼られるべきWebページに関するワードとを含むのが望ましい。
また、図28Aに例示する画面において、ユーザが種々の編集を行えてもよい。すなわち、ユーザ操作に応じてWebサイト構築支援装置7が種々の編集を行ってもよい。既に述べたリンクの追加や削除に加え、図28Aに示す画面はWebページの一部の情報を直接的に編集するのに好適である。
例えば、図28AにおけるページIDがX1-1におけるDescriptionおよびh2タグに「東京」を追加したり、ページIDがX1-1におけるDescriptionおよびh2タグから「通販」を削除したりすることができる(図28B参照)。もちろん、Descriptionやhタグに限らず、URL、Title等を編集できてもよい。
このような表示によれば、作成すべきWebサイトにおけるHTMLファイルの内容の詳細を直感的に把握できる。よって、画面をディスプレイに表示させておく時間を短縮でき、ディスプレイの消費電力を下げることができる。また、このような表示を行うための、表計算ソフトで編集可能な電子ファイルを出力するのが好適である。
なお、以上説明した表示例はあくまで例示にすぎない。一部の情報を省略したり、さらなる情報を含んでいたり、情報を配置する位置、配置順、方向を適宜変更したりしてもよい。
(第6の実施形態)
Webサイトによる集客戦略を立てる際に、既存のWebサイトを基に改修を行うことで、リソースを有効活用しコストを抑えて集客効果を高めようとすることは多々ある。その際に、システムが提案する検索ビッグデータに基づく適切なサイト構造と、既存のWebサイトとの差分を比較することで、改修・追加が望まれるページや、対象とすべき検索クエリの規模(検索数・経済性)を確認することができ、費用対効果を予測しながらWebサイト改修を計画することが可能となる。次に述べる第6の実施形態は、既存のWebサイト構造と適切なWebサイト構造とを比較することによって、既存Webサイトを基にした集客戦略を支援するものである。
Webサイト構造とは、複数のWebページの集合であり、具体的には、リンク関係で結ばれた複数のWebサイトの集合や、ディレクトリによる階層関係で結ばれた複数のWebサイトの集合であってもよい。
[全体構成]
図29は、第6の実施形態に係るWebサイト構築支援装置の概略構成を示すブロック図である。このWebサイト構築支援装置は、参照サイト構造取得手段81と、既存サイト構造取得手段82と、マッチング手段83と、表示制御手段84とを備えている。これら各部の少なくとも一部は、プロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよい。
参照サイト構造取得手段81は、複数の参照ノード示す参照サイト構造を取得する。各参照ノードには、1以上のタイトルワードが関連付けられており、さらに1以上ノード内ワードが関連付けられていてもよい。そして、各参照ノードは1つのWebページに対応し、関連付けられたタイトルワードおよびノード内ワードがそのWebページのコンテンツを示す。また、タイトルワードおよびノード内ワードは、その参照ノードに対応するWebページに対する検索クエリのターゲットとも言える。また、参照サイト構造は複数の参照ノードのそれぞれにおけるリンク関係も示すのが望ましい。
図30の上段に、参照サイト構造の一例を模式的に示す。各矩形が1つの参照ノードに対応し、矩形内のワードがタイトルワードを示している(ノード内ワードは省略している)。そして、矩形間の線がリンク関係を示している。例えば、参照ノードP1のタイトルワードは「壁面収納」である。そして、参照ノードP1は、タイトルワードが「壁面収納 ブランド」である参照ノードP1-1等とリンクされている。
本実施形態における参照サイト構造は理想的な(検索の対象となりやすい/経済規模が大きい)Webサイト構造であり、必要十分なWebページに対応する参照ノードと、その必要十分なリンク関係を示しているのが望ましい。図30上段の例は、「壁面収納」に関するWebサイトの理想的なWebサイト構造といえる。
参照サイト構造の取得手法は任意であるが、参照サイト構造取得手段81は第4の実施形態で述べた手法の一部または全部を適用して参照サイト構造を取得(生成)するのが好適である。例えば、参照サイト構造取得手段81は、1または複数の検索クエリに基づいて、あるWebサイトからリンクされるべき1以上のWebサイトに関するワードを特定する。そして、当該複数の検索クエリをタイトルワードあるいはノード内ワードとする参照ノードと、特定されたワードをタイトルワードあるいはノード内ワードとする参照ノードとをリンクさせる。
図29に戻り、既存サイト構造取得手段82は評価対象となる既存Webサイトの構造を示す既存サイト構造を取得する。既存サイト構造は、複数のWebページを示し、さらにそのそれぞれにおけるリンク関係を示すのが望ましい。以下では、既存サイト構造に含まれるWebページを「既存Webページ」とも呼ぶ。
図30の下段に、既存サイト構造の一例を模式的に示す。各矩形が1つの既存Webページに対応する。そして、矩形間の線がリンク関係を示している。例えば、既存WebページQ1は既存WebページQ1-1等とリンクされている。
図29に戻り、マッチング手段83は、タイトルワードおよび/またはノード内ワードに基づき、参照サイト構造に含まれる参照ノードのそれぞれと、既存サイト構造に含まれる既存Webページのそれぞれと、のマッチングを行う。具体的には、マッチング手段83は、参照ノードのそれぞれと、既存Webページのそれぞれの対応関係を特定する。
マッチング手段83は、既存Webページのそれぞれについて、対応する参照ノードが参照サイト構造に存在するか否か、および、参照ノードのそれぞれについて、対応する既存Webページが既存サイト構造に存在するか否か、を判定するとも言える。また、マッチング手段83は、既存Webページのそれぞれを、対応する参照ノードが参照サイト構造に存在するものと、存在しないものとに分類し、参照ノードのそれぞれを、対応する既存Webページが既存サイト構造に存在するものと、存在しないものとに分類するとも言える。
また、マッチング手段83は、複数の参照ノードのそれぞれにおけるリンク関係と、既存Webページのそれぞれにおけるリンク関係と、のマッチングを行ってもよい。具体的には、マッチング手段83は、複数の参照ノードのそれぞれにおけるリンク関係と、既存Webページのそれぞれにおけるリンク関係と、の対応関係を特定する。
マッチング手段83は、既存Webページのそれぞれにおけるリンク関係について、対応するリンク関係が参照サイト構造に存在するか否か、および、参照ノードのそれぞれにおけるリンク関係について、対応するリンク関係が既存サイト構造に存在するか否かを判定するとも言える。また、マッチング手段83は、既存Webページのそれぞれにおけるリンク関係を、対応するリンク関係が参照サイト構造に存在するものと、存在しないものとに分類し、参照ノードのそれぞれにおけるリンク関係を、対応するリンク関係が既存サイト構造に存在するものと、存在しないものとに分類するとも言える。
表示制御手段84はマッチングの結果をディスプレイ(不図示)に表示させる。表示の具体例は後述する。
図31は、第6の実施形態に係るWebサイト構築支援装置の処理動作の一例を示すフローチャートである。
参照サイト構造取得手段81は理想である参照サイト構造を取得し(ステップS51)、既存サイト構造取得手段82は評価対象となる既存サイト構造を取得する(ステップS52)。なお、既存サイト構造取得手段82は、既存サイト構造に含まれる既存Webページを取得してもよいし、さらに既存Webページ間のリンク関係を取得してもよい。そして、マッチング手段83は、参照ノードのそれぞれと、既存Webページのそれぞれと、のマッチングを行う(ステップS53)。このマッチングは、参照サイト構造におけるリンク関係と既存サイト構造におけるリンク関係のマッチングを含んでいてもよい。表示制御手段84はマッチングの結果をディスプレイに表示させる(ステップS54)。なお、ステップS51,S52の順序は任意である。以下、各処理を詳しく説明する。
[既存サイト構造取得処理]
図32は、既存サイト構造取得手段82による既存サイト構造取得処理の手順の一例を示すフローチャートである。
既存サイト構造取得手段82には、既存サイト構造を手動で取得するか自動で取得するかがユーザによって設定される(ステップS61)。
自動取得の場合(ステップS61のYES)、既存サイト構造取得手段82には、評価対象となる既存サイトのサイトマップあるいは任意のURLが、ユーザにより分析サイトとして指定される(ステップS62)。
分析サイトとしてサイトマップが指定された場合、既存サイト構造取得手段82はサイトマップ(例えば、xmlファイルやhtmlファイル)を読み込み、サイトマップに示されるサイト構造を参照サイト構造として取得する(ステップS63)。
通常はサイトマップから読み込めばよいが、サイトマップが存在しない場合や、サイトマップが古くて現状の既存サイト構造が反映されていない場合、ユーザは手動で評価対象となる既存サイトのURLを分析サイトとして指定してもよい。この場合、既存サイト構造取得手段82は指定されたURLに基づいて既存サイト内を巡回クロールし、サイト構造を既存サイト構造として取得する(ステップS64)。
必要に応じて、既存サイト構造取得手段82はユーザからの指示に基づいて、自動取得された既存サイト構造を手動調整する(ステップS65)。
また、ユーザが既存サイト構造を手動で作成し、既存サイト構造取得手段82に入力してもよい。言い換えると、既存サイト構造取得手段82はユーザからの手動入力される既存サイト構造を取得してもよい(ステップS66)。
そして、既存サイト構造取得手段82は各既存Webページの情報を取得する(ステップS67)。この情報とは、例えばHTMLファイル、Javascript、cssなど、WebページをWebブラウザ上で表示するための情報であり、このような情報から各既存Webページのコンテンツを把握可能である。以下では、図30に示す参照サイト構造および既存サイト構造が取得されたとして説明を行う。
[リンク関係のチェック]
図33は、既存サイト構造取得手段82による既存Webページ間のリンク関係取得処理の一例を示すフローチャートである。既存サイト構造取得手段82は既存Webページの情報に基づき、以下のようにして既存Webページ間のリンク関係を取得してもよい。
まず、既存サイト構造取得手段82は1つの既存Webページを特定する(ステップS81)。そして、既存サイト構造取得手段82はその既存Webページ内の内部リンクを取得する(ステップS82)。なお、既存サイト構造取得手段82は、取得された既存サイト構造に含まれないWebページへのリンク(外部リンク)を取得しなくてもよい。続いて、取得したリンク先が既存Webサイト構造内にある場合(ステップS83のYES)、既存サイト構造取得手段82はそのリンク先の既存Webページと、ステップS81で特定した既存Webページとがリンクされている旨の情報を追加する(ステップS84)。
以上の処理を、ステップS81で特定した既存Webページ内の全ての内部リンクについて行う(ステップS85)。さらに、以上の処理を、既存Webサイト構造内の全ての既存Webサイトについて行う(ステップS86)。そして、必要に応じて、ユーザからの手動操作などを受けて、既存サイト構造取得手段82は階層構造の整理を行う(ステップS87)。
[マッチング処理]
図34は、マッチング手段33によるマッチング処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、マッチング手段33は任意の1つの参照ノードを特定する(ステップS71)。そして、マッチング手段33はその参照ノードに関連付けられているタイトルワードおよび/またはノード内ワードを検索対象クエリとして指定する(ステップS72)。続いて、マッチング手段33はその検索対象クエリに基づいて、ステップS71で特定した参照ノードと各既存Webページとの一致度を算出する(ステップS73)。一致度算出の具体例として、検索ビッグデータを利用する手法、自然言語処理による手法、それらを組み合わせる手法などがある。
検索ビッグデータを利用する場合、検索エンジンを用い、指定された検索対象クエリと、その検索結果の関係に基づいて一致度を算出することができる。例えば、ステップS71で図30の参照ノードP1-1を特定した場合、検索対象クエリは「壁面収納 ブランド」である。この場合、マッチング手段33は検索エンジンで「壁面収納 ブランド」を検索クエリとして検索を行う。その検索結果に既存Webページのいずれかが含まれる場合、その検索順位に応じた一致度を当該既存Webページに付与する。例えば、同検索において既存WebページQ1-1の検索順位が高かった場合、マッチング手段33は参照ノードP1-1と既存WebページQ1-1との一致度を高くする。
検索エンジンによる検索結果には、検索ニーズが反映される。例えば、「壁面収納 ブランド」を検索クエリとして検索が行われると、検索エンジンはその検索者が必要とする可能性が高い、または必要としたWebページを自然言語処理による内容判定や検索者の行動パターン分析などにより上位に表示しようとする。つまり、検索順位が高いWebページほど、「壁面収納 ブランド」検索者の検索ニーズに合致している可能性が高いことを意味する。したがって、「壁面収納 ブランド」検索時に検索順位が高いWebページは「壁面収納 ブランド」の参照ノードP1-1と対応する可能性が高い。このような検索エンジンの性質を利用することで、検索ニーズに合致している可能性の高いマッチングを行うことができる。
また、検索結果に表示される強調スニペット(検索エンジンによって、検索結果の最上部などに強調して表示されるもの。例えば、「**とは」といった質問を検索クエリとした場合の回答が該当し得る)についても、検索ニーズが反映される。検索順位以外の検索結果情報に含まれるWebページについて、一致度の加算補正を行っても良い。
なお、検索順位に加え/代えて、その検索クエリに関する流入数や、獲得経済規模、検索数、クリック単価、競合性などの指数やその統計値(合計、平均等)を考慮してもよい。また、検索対象クエリは、参照ノードのタイトルワードのみでもよいが、ノード内ワードを活用し、ノード内ワード群に関する流入量や獲得経済規模、検索数、クリック単価、競合性などの指数や、その統計値(合計、平均等)を考慮してもよい。これらの値は実数でも推定値でもよい。
自然言語処理による場合、マッチング手段33は、各検索クエリがどの程度各既存Webページに含まれるかまたは関係するかに基づいて、S71で特定した参照ノードとの一致度を算出できる。具体例として、各既存Webページが、各検索対象クエリをどの程度網羅しているかに基づいて一致度を算出してもよい。あるいは、各既存Webページが、各検索対象クエリを説明するのに必要な共起語をどの程度含んだり網羅しているかに基づいて一致度を算出してもよい。あるいは、各既存Webページのコンテンツや記述内容と、検索対象クエリとの一致度を算出してもよい。あるいは、各既存Webページの内容から類推される主題と、検索対象クエリとの一致度を算出してもよい。あるいは、ディープラーニングなどの機械学習により得られたモデルによって評価を行って一致度を算出してもよい。
マッチング手段33は、上述した例あるいはその組み合わせに基づいて、ステップS71で特定した参照ノードと、各既存Webページとの一致度を算出する。以上の処理を全ての参照ノードについて行うことで、参照ノードのそれぞれと、既存Webページのそれぞれと、の一致度が算出される(ステップS74のYES)。
そして、マッチング手段33は一致度に基づいて参照サイトと既存Webページとの対応付けを行う(ステップS75)。一例として、マッチング手段33は、1つの参照ノードに対して、一致度が最も高い既存Webページを対応付けてもよい。あるいは、マッチング手段33は、1つの参照ノードに対して、一致度が所定の閾値を超える全ての既存Webページを当該参照ノードに対応付けしてもよい。マッチング手段33は、1つの参照ノードに対して、一致度が所定の閾値を超える既存Webページがない場合には、当該参照ノードに対して既存Webページが対応付けられないようにしてもよい。
あるいは、マッチング手段33は、1つの参照ノードに対して複数の既存Webページをユーザに提示し、ユーザ選択に基づいて1または複数の既存Webページを当該1つの参照ノードに対応付けてもよい。提示される複数の既存Webページは、例えば一致度が高い所定数の既存Webページでもよいし、一致度が所定の閾値を超える既存Webページであってもよい。
以上の処理により、マッチング手段33は、既存Webページのそれぞれを、1または複数の参照ノードに対応付けられるもの(例えば、図30における既存WebページQ1,Q1-1等)と、いずれの参照ノードにも対応付けられないもの(例えば、図30における既存WebページQ1-2-1)に分類する。また、マッチング手段33は、参照ノードのそれぞれを、1または複数の既存Webページに対応付けられるもの(例えば、図30における参照ノードP1,1―1等)と、いずれの既存Webページにも対応付けられないもの(例えば、図30における参照ノードノードP1-3,P1-1-1等)に分類する。なお、いずれの参照ノードに対応付けられない既存Webページがあってもよいし、いずれの既存Webページにも対応付けられない参照ノードがあってもよい。
なお、図30の下段においては、参照ノードと対応付けられた既存Webページについては、その矩形内に参照ノードのタイトルワードを示している。また、参照ノードと対応付けられなかった既存Webページについては、その矩形内に既存Webページのコンテンツを示している。
参照ノードに対応付けられた既存Webページは、検索ニーズに対応した主題や内容を有することを意味し、検索順位を高めやすいものと期待できる。以下、参照ノードに対応付けられた既存Webページを「対応ありページ」と呼ぶことがある。
一方、いずれの参照ノードにも対応付けられない既存Webページは、それらの検索ニーズに対応しておらず、それらの検索語で検索エンジンから冷遇されやすいものとみなしうる。以下、参照ノードに対応付けられない既存Webページを「過ページ」と呼ぶことがある。
また、いずれの既存Webページにも対応付けられない参照ノードは、それらの検索ニーズに対応するWebページが既存サイト内に存在しないことを意味し、それらの検索語で検索エンジンから冷遇されやすく、本来獲得しうる検索流入を得にくくなっているものとみなしうる。逆にいえば、このような参照ノードは、どのような主題や内容のWebページを新設することが望ましいかを示す。以下、既存Webページに対応付けられない参照ノードを「不足ページ」と呼ぶことがある。
また、図33で述べたように、既存Webページ間のリンク関係を取得しておくことで、マッチング手段83は、既存Webページ間のリンクと、参照ノード間のリンクとのマッチングを行って対応関係を取得することができる。すなわち、マッチング手段83は、既存サイト構造におけるリンクのそれぞれを、参照サイト構造におけるいずれかのリンクと対応付けられるものと、参照サイト構造におけるいずれのリンクにも対応付けられないものに分類する。また、マッチング手段83は、参照サイト構造におけるリンクのそれぞれを、既存サイト構造におけるいずれかのリンクと対応付けられるものと、既存サイト構造におけるいずれのリンクにも対応付けられないものに分類する。
以下、説明のために、既存WebページAと参照ノードA’とが対応しており、既存WebページBと参照ノードB’とが対応しているとする。
参照ノードA’と参照ノードB’とがリンクされており、かつ、既存WebページAと既存WebページBとがリンクされている場合、そのようなリンクを「対応ありリンク」と呼ぶ。「対応ありリンク」は既存WebページAと既存WebページBとが適切にリンクされていることを示す。
一方、参照ノードA’と参照ノードB’とがリンクされているにもかかわらず、既存WebページAと既存WebページBとがリンクされていない場合、そのリンクを「不足リンク」と呼ぶ。「不足リンク」は既存WebページAと既存WebページBとリンクされるべきであるにもかかわらず現状ではリンクされていないこと、言い換えると、既存WebページAと既存WebページBとをリンクすべきであることを意味する。
他方、参照ノードA’と参照ノードB’とがリンクされていないが、既存WebページAと既存WebページBとがリンクされている場合、そのリンクを「過リンク」と呼ぶ。「過リンク」は、必ずしも重要なリンクではないことを意味する。
なお、既存サイト構造には多数のリンクが含まれ得る。そのような場合、マッチング手段83は、既存サイト構造におけるすべてのリンクについて参照サイト構造におけるリンクとのマッチングを行うのではなく、対応ありページに関するリンクのみを対象として、参照サイト構造におけるリンクとのマッチングを行ってもよい。
[表示制御処理]
図35Aは、表示制御手段84によってディスプレイに表示されるマッチング結果を示す画面例である。ディスプレイには、既存サイト構造と参照サイト構造とが一つの画面に表示され、両者を対比しやすいようになっている。図示の例では、既存サイト構造に含まれる既存Webページのそれぞれが特定のシンボル(任意の図形、以下では矩形とする)で示される。そして、その内側に当該既存Webページに対応付けられた参照ノードのタイトルワードが含まれる。ただし、参照ノードに対応付けられていない既存Webページを示すシンボルの内側には、適宜のワードが含まれる。(例えば、既存WebページQ-1-2の「壁面収納 アウトレット」)。そのワードとしては、その既存Webページのタイトルあるいはh1タグに含まれるワードでもよいし、既存Webページのコンテンツを表すワードでもよい。あるいは、検索エンジンを利用してワードを設定してもよく、具体例として、その既存Webページが検索エンジンで(好ましくは、高い検索順位で)ヒットするワードでもよい。
参照サイト構造もほぼ同様である。ただし、参照ノードを示すシンボルの内側には、当該参照ノードのタイトルワードが含まれる。
表示制御手段84は、既存サイト構造および参照サイト構造における「対応ありページ」と、既存マップサイトにおける「過ページ」と、参照サイト構造における「不足ページ」とを互いに異なる態様で表示するのが望ましい。異なる態様とは、例えばシンボルの色や大きさが異なる、文字の色、大きさ、書体が異なる、シンボルの線種が異なる、シンボルにハッチングを付す、などである。
例えば、既存サイト構造における「壁面収納 アウトレット」に関する既存WebページQ1-2-1は、対応する参照ノードが存在しない「過ページ」である。「対応ありページ」および「不足ページ」とは異なる態様で表示されるため、ユーザは、既存WebページQ-2-1が「過ページ」であることを容易に把握できる。
一方、参照サイト構造における「壁面収納 エリア」に関する参照ノードP1-3は、対応する既存Webページが存在しない「不足ページ」である。「対応ありページ」および「不足ページ」とは異なる態様で表示されるため、ユーザは、参照ノードP1-3が「不足ページ」であること、言い換えると、参照ノードP1-3に対応するWebページ(コンテンツ(ターゲット)が「壁面収納 エリア」であるWebページ)を新設すべきであることを容易に把握できる。
また、図35Aにおいて、既存Webページを示す矩形を結ぶ線がリンク関係を示している。同様に、参照ノードを示す矩形を結ぶ線がリンク関係を示している。ただし、リンク関係を示す線を表示しないこととしてもよいし、表示するか否かをユーザが選択できてもよい。
さらに、既存サイト構造における特定の既存Webページと、参照サイト構造における特定の参照ノードとが対応はしているが、リンク関係が対応していないこともあり得る。このような場合、図35Bに示すように、表示制御手段85は、対応ありリンクと、過リンクと、不足リンクとを異なる態様で表示してもよい。
例えば、図35Bによれば、「壁面収納 中古」の既存WebページQ1-2-2は参照ノードP1-2-2と対応する適切な「対応ページ」ではある。しかしながら、参照サイト構造では、「壁面収納 エコノミカル」の参照ノードP1-2から「壁面収納 中古」の参照ノードP1-2-2にリンクされているが、対応するリンクは既存サイト構造には存在しない「不足リンク」となっている。よって、ユーザは、「壁面収納 エコノミカル」の既存WebページQ1-2と「壁面収納 中古」の既存WebページQ1-2-2とをリンクさせるべきことを視覚的に容易に把握できる。
一方、参照サイト構造では、「壁面収納」の参照ノードP1から「壁面収納 中古」の参照ノードP1-2-2にはリンクされていないにも関わらず、既存サイト構造では、「壁面収納」の既存WebページQ1から「壁面収納 中古」の既存WebページQ1-2-2にリンクされて「過リンク」となっている。よって、ユーザは、そのような過リンクの存在を視覚的に容易に把握できる。
図36は、表示制御手段84によってディスプレイに表示されるマッチング結果を示す別の画面例である。ディスプレイには、既存サイト構造と参照サイト構造とをまとめた画面が表示される。やはり、表示制御手段84は、「対応ありページ」と、「過ページ」と、「不足ページ」とを互いに異なる表示態様で表示するのが望ましい。
図37A~図37Cは、表示制御手段84によってディスプレイに表示されるマッチング結果を示す別の画面例である。この例では、「対応ありページ」、「過ページ」および「不足ページ」のそれぞれの表示・非表示を切り替え可能とするものである。図37Aはいずれのページも表示された状態であり、図37Bは「対応ありページ」および「不足ページ」にみが表示された状態であり、図37Cは「対応ありページ」および「過ページ」のみが表示された状態である。なお、表示制御手段84は、「対応ありページ」、「過ページ」および「不足ページ」の一部を常に表示することとし、他の一部を表示・非表示を切り替え可能としてもよい。
図37A~図37Cに示すように、画面(例えば画面上部)に、「対応ありページ」を表示させるか否かを選択するためのチェックボックスが設けられる。ユーザが所定の操作によってチェックボックスをチェックすると、「対応ありページ」が表示される。一方、チェックボックスのチェックが外されると、「対応ありページ」が非表示となる。他の「過ページ」および「不足ページ」も同様である。表示制御手段84は、チェックボックスにチェックがされる度に、あるいは、チェックが外される度に表示・非表示の切り替えを行ってもよい。あるいは、表示制御手段84は、ユーザから所定の画面更新操作がなされたことに応じて、チェック状態を反映した表示・非表示の切り替えを行ってもよい。
なお、図37A~図37Cにおいて、図35Bと同様に、表示制御手段85は、対応ありリンクと、過リンクと、不足リンクとを異なる態様で表示してもよい。そして、図37A~図37Cと同様のチェックボックスを設けるなどにより、「対応ありリンク」、「過リンク」および「不足リンク」のそれぞれの表示・非表示を切り替え可能としてもよい。
図38A~図38Cは、表示制御手段84によってディスプレイに表示されるマッチング結果を示す別の画面例である。図37A~図37Cで述べた各ページの表示・非表示切替に加え、あるいは、代えてWebページ間のリンク関係(各Webページを示す矩形を結ぶ線)を無向グラフで示すか、有向グラフで示すかを切り替え可能であってもよい。図38Aは無向グラフで示された状態である。図38Bおよび図38Cは有向グラフで示された状態である。
例えば画面上部に、「無向グラフ」および「有向グラフ」のいずれかを排他的に選択するためのプルダウンメニューが設けられる。ユーザの操作によって「無向グラフ」が選択されると、図38Aに示すように、Webページを示す矩形どうしが無向グラフで結ばれた画面が表示される。無向グラフは、その一端のWebページと他端のWebページが、双方向あるいは一方向にリンクされていることを示す。
また、プルダウンメニューにおいて「有向グラフ」が選択されると、図38Bおよび図38Cに示すように、両方向グラフ、右向きの片方向グラフおよび左向きの片方向グラフのそれぞれを表示させるか否かを選択するためのチェックボックスが設けられる。両方向グラフはその両端にあるWebページどうしが双方向リンクされていることを示す。右向き片方向グラフおよび左向き片方向グラフは、各グラフの根本にあるWebページから先端にあるWebページにリンクされていることを示す。
図38Bは、両方向グラフ、右向きの片方向グラフおよび左向きの片方向グラフのいずれも表示された状態である。図38Cは、両方向グラフのみが表示された状態である。なお、図38Bおよび図38Cでは、「不足ページ」は非表示とされている。
例えば、図38Bおよび図38Cにおいて、「壁面収納」の既存Webページおよび参照ノードと、「壁面収納 ブランド」の既存Webページおよび参照ノードは双方向リンクされている。また、図38Bにおいて、「壁面収納」の既存Webページおよび参照ノードから、「壁面収納 エコノミカル」の既存Webページおよび参照ノードにリンクされている。
ここで、対応ありページ間のリンクを示すグラフと、対応ありページと過ページ間のリンクを示すグラフは、その表示態様が異なっていてもよい。また、対応ありページ間のリンクを示すグラフと、対応ありページと不足ページ間のリンクを示すグラフは、その表示態様が異なっていてもよい。例えば、「壁面収納 アウトレット」は過ページであるため、これと「壁面収納 エコノミカル」のWebページとのグラフは点線で示されている。
図39Aは、表示制御手段84によってディスプレイに表示される別の画面例である。この画面は、マッチング結果に加え、編集中のサイト構造を含む。例えば、画面中央に既存サイト構造を、画面右側に参照サイト構造が示される。そして、画面左側に編集中のサイト構造が示される。
ユーザは、編集中のサイト構造において、任意の既存Webページ(例えば、過ページ)を削除したり、任意のページ(例えば、不足ページ)を追加したり、リンク関係を変更したり(例えば、過リンクの削除や不足リンクの追加)といった編集作業を、画面上からドラッグ等のユーザ操作によって視覚的に行うことができる。すなわち、表示制御手段84はユーザの操作に応じて既存サイト構造の改修を行う。あるいは、表示制御手段84は上述した編集作業の少なくとも一部を自動で行ってもよい。
そして、表示制御手段84は編集作業の結果を反映したHTMLファイル(の少なくとも一部)を出力してもよい。すなわち、第4の実施形態におけるWebページ作成手段72の機能が表示制御手段84に備わっていてもよい(図23A、図23B参照)。例えば、ページの追加および削除ならびにリンク関係の変更により、URLやパンくずリストなどが変更され得る。
そのようなHTMLファイルは、編集作業に応じてリアルタイムに生成されてもよいし、ユーザがHTMLファイルの生成を指定したタイミングでまとめて生成されてもよい。前者の場合、表示制御手段84は、編集作業に応じてリアルタイムに変更されるHTMLファイルを、図39Aの画面に表示してもよい。
このような画面によれば、ユーザは参照サイト構造を見ながら、既存サイト構造における不足ページを新設したり過ページを削除したりといった作業を効率よく行うことができる。
このような表示を行うことで、評価対象の既存サイトの改修が容易となる。なお、図39Aは、図35の画面に編集中のサイト構造を追加した例であるが、表示制御手段84はマッチング結果を示す任意の画面(例えば、図36~図38Cの画面)に対して編集中のサイト構造を追加した画面を表示することができる。また、図39Bに示すように、表示制御手段84は、既存サイト構造と、参照サイト構造とを表示し、既存サイト構造を編集可能としてもよい。
図40は、表示制御手段84によってディスプレイに表示される別の画面例である。この画面はマッチング結果に加え付随情報を含む。付随情報は、例えば既存Webページの検索結果や(推定)流入数などの経済規模などの指標であってよい。この経済規模は、例えば既存サイト構造取得手段が(例えば、検索エンジンから)取得してもよい。
なお、図40は、図35の画面に付随情報を追加した例であるが、表示制御手段84はマッチング結果を示す任意の画面(例えば、図36~図39の画面)に対して付随情報を追加した画面を表示することができる。また、表示制御手段84は、すべての既存Webページに付随情報を関連付けて表示させてもよいし、一部の既存Webページ(例えば、経済規模が大きい/小さいものから順に所定数の既存Webページ、経済規模が閾値を上回る/下回る既存Webページ)に付随情報を関連付けて表示させてもよい。
図41Aおよび図41Bは、表示制御手段84によってディスプレイに表示される別の画面例である。これらの図では、ある既存WebページR3に「壁面収納 エコノミカル」および「壁面収納 ブランド」の2つワードが関連付けられているものとする(例えば、図31の処理によって「壁面収納 エコノミカル」および「壁面収納ブランド」の2つの参照ノードに対応付けられている)。この場合、既存Webページ3は「壁面収納 エコノミカル」および「壁面収納ブランド」の2つの検索クエリをターゲットとしている(つまり、これらの検索クエリによってヒットすることを狙っている)とも言える。また、既存WebページR2には「壁面収納 ブランド」が関連付けられているものとする。既存WebページR2は「壁面収納 ブランド」をターゲットとしていると言える。
図41Aは、既存サイト構造をページ基点で表示する例であり、1つの既存Webページを1つのシンボル(矩形などの図形)で表している。上述したように、既存WebページR3は2つのワードが関連付けられているが、1つの既存Webページであるので、本表示例では既存WebページR3は1つのシンボルN1として表示される。そして、シンボルN1内に2つのワード「壁面収納 エコノミカル」および「壁面収納 ブランド」が表示され、また、既存WebページR3が対応することが示される。このような表示によれば、既存サイト構造における各既存Webページ間の形式的な関係を把握しやすい。
図41Bは、既存サイト構造をターゲット基点で表示する例であり、1つのターゲットを1つのシンボル(矩形などの図形)で表している。例えば、既存WebページR2と既存WebページR3は「壁面収納 ブランド」なるワードが関連付けられている(ターゲットとしている)点で共通する。よって、これら2つの既存WebページR2,R3を1つのシンボルN2で表す。そして、シンボルN2内にターゲットとしてのワード「壁面収納 ブランド」が表示され、また、既存WebページR2,R3が対応することが示される。このようにターゲットが共通する複数の既存Webページを1つのシンボルで表してもよい。
一方、既存WebページR3は「壁面収納 エコノミカル」なるワードも関連付けられている。よって、シンボルN2とは別に、既存WebページR3はシンボルN3でも表される。そして、シンボルN3内にターゲットとしてのワード「壁面収納 エコノミカル」が表示され、また、既存WebページR3が対応することが示される。このような表示によれば、既存サイト構造における各既存Webページのターゲットを基準とした関係(例えば、ターゲットが共通する複数の既存Webページが存在すること)を把握しやすい。
なお、表示制御手段84は、図41Aのみを表示できてもよいし、図41Bのみを表示できてもよいし、ユーザからの指示に応じて図41Aの表示と図41Bの表示とを切り替え可能であってもよい。
図42Aおよび図42Bは、表示制御手段84によってディスプレイに表示される別の画面例である。これらの図では、ある既存WebページR14に「壁面収納 エコノミカル」および「壁面収納 アウトレット」の2つワードが関連付けられているものとする。「アウトレット」は「エコノミカル」の下位階層に相当する。また、既存WebページR15に「壁面収納 中古」なるワードが関連付けられており、「中古」も「エコノミカル」の下位階層に相当する。「アウトレット」と「中古」は同一階層であるが、「エコノミカル」と、「アウトレット」および「中古」と、は階層が異なる。
図42Aでは、1つの既存Webページを1つのシンボル(矩形などの図形)で表している。ただし、上述したように、既存WebページR14は階層が異なる2つのワードが関連付けられている。そのため、既存WebページR14を示す1つのシンボルN11が2つの階層に跨っている。すなわち、階層が異なる複数のワードが関連付けられた既存Webページが、階層を跨って単一シンボルとして表示される。そして、シンボルN11における上位階層側に「壁面収納 エコノミカル」が表示され、下位階層側に「壁面収納 アウトレット」が表示される。また、シンボルN11の上位階層側から、既存WebページR15を示すシンボルN12が接続される。このような表示によれば、既存サイト構造における各既存Webページ間の形式的な関係や、各ワードの階層関係を把握しやすい。
図42Bでは、階層が異なる複数のワードが関連付けられた1つの既存Webページを、複数のシンボル(矩形などの図形)で表している。例えば、既存WebページR14は、「壁面収納 エコノミカル」に対応したシンボルN13で表され、かつ、「壁面収納 アウトレット」に対応したシンボルN14で表される。
以上は既存サイト構造と参照サイト構造とを比較して、既存サイト構造の評価を行う(ひいては、その改修を支援する)ものであった。本実施形態では、以下に述べるように、既存サイト構造における既存Webページと、参照サイト構造において対応する参照ノードとを比較し、既存Webページの評価を行う(ひいては、その改修を支援する)こともできる。
図43Aおよび図43Bは、表示制御手段84によってディスプレイに表示されるマッチング結果を示す別の画面例である。図43Aおよび図43Bに示すように、表示制御手段84は、特定の既存Webページを記述するHTMLファイルの一部と、これと対応する参照ノードに対応するHTMLファイルの一部とを並べて表示してもよい。なお、図43Bは1つの既存Webページに複数の参照ノードが対応付けられている場合である。
既存ノードに対応するHTMLファイルは、第4の実施形態を適用して自動作成したものでもよい(図23Aおよび図23B参照)。あるいは、既存ノードのタイトルワードをtitleやh1タグに設定し、ノード内ワードをh2タグに設定するなどによって作成してもよい。
ここで、特定のタグ(例えば、titleタグ)に着目し、参照ノードのタグに含まれ、かつ、対応する既存Webページのタグにも含まれるワードを「対応ありワード」と呼ぶ。このような既存Webページのタグに含まれる「対応ありワード」は適切なワードと言える。
一方、既存Webページのタグに含まれるが、対応する参照ノードのタグには含まれないワードを「過ワード」と呼ぶ。参照ノードはあるべきWebページを示しており、その参照ノードに含まれないのであるから、このような「過ワード」は既存Webページのタグから削除してもよいと考えられる。
また、参照ノードのタグに含まれるが、対応する既存Webページのタグには含まれないワードを「不足ワード」と呼ぶ。参照ノードに含まれているのだから、このような「不足ワード」を既存Webページのタグに追加するのが望ましいと考えらえる。
そこで、表示制御手段84は、既存Webページおよび参照ノードにおける「対応ありワード」と、既存Webページにおける「過ワード」と、参照ノードにける「不足ワード」とを互いに異なる態様で表示するのが望ましい。異なる態様とは、例えば文字の色、大きさ、書体が異なるなどである。このようにすることで、ユーザは既存Webページと参照ノードとの差異を容易に識別できる。
例えば、図示のように、参照ノードに対応するワードが「壁面収納 ブランドA」である場合、そのHTMLファイルにおけるtitleには「壁面収納」と「ブランドA」が設定される。これに対し、対応する既存WebページのHTMLファイルにおけるtitleが「ブランドAの収納の特集」であったとする。
この場合、「ブランドA」および「収納」が「対応ありワード」であり、「特集」は「過ワード」であり、「壁面」は「不足ワード」である。そこで、表示制御手段84は、既存Webページにおいて、「ブランドA」および「収納」と、「特集」とを互いに異なる態様で表示する(図43Aでは前者に下線を付している)。また、表示制御手段84は、参照ノードにおいて、「ブランドA」および「収納」と、「壁面」とを互いに異なる態様で表示する(図43Aでは後者をイタリックで表記している)。
他のh1タグなども同様、表示制御手段84は、「対応ありワード」、「不足ワード」および「過ワード」を識別できるように表示させるのが望ましい。
図44は、表示制御手段84によってディスプレイに表示される別の画面例である。この画面は、既存Webページおよび参照ノードのHTMLファイルの一部に加え、編集中のHTMLファイルを含む。例えば、画面中央に既存WebページのHTMLファイルを、画面右側に参照ノードのHTMLファイルが示される。そして、画面左側に編集中のHTMLファイルが示される。
ユーザは、編集中のHTMLファイルにおいて、任意のワードを任意の項目から削除り(例えば、titleやhタグに含まれる過ワードを削除)したり、任意のワードを任意の項目に追加(例えば、titleやhタグに不足ワードを追加)したりといった編集作業を、画面上からユーザ操作によって視覚的に行うことができる。すなわち、表示制御手段84はユーザの操作に応じて既存Webページの改修を行う。あるいは、表示制御手段84は上述した編集作業の少なくとも一部を自動で行ってもよい。
なお、表示制御手段84は、既存Webページに含まれているワードの削除や置換を受け付けないようにしてもよい。既存Webページに含まれているワードはそのWebページを表すものとして関連付けられているためである。
このような画面によれば、ユーザは参照ノードのHTMLファイルを見ながら、既存Webページにおける不足ワードを追加したり過ワードを削除したりといった作業を効率よく行うことができる。
第6の実施形態では、既存のWebサイト構造と適切なWebサイト構造とを比較する画面を自動的に生成し、表示させることができる。特に、図31~図34に示す処理を人手で行うのは、処理量8Bが多いために現実的ではないが、本実施形態によればそのような処理を自動的に行うことができる。
上述した実施形態では、評価対象のWebサイトと、理想的なWebサイト(参照ウェブサイト)とを自動的に比較することができる。このことを検索エンジンの検索アルゴリズムに応用することができる。
図45は、検索エンジン80の概略構成を示すブロック図であり、評価手段81と、表示順位決定手段82とを備えている。図示しないが、評価手段81は図29の各手段の一部または全部の機能を備え得る。評価手段81は、上述した手法を利用し、参照ウェブサイト構造との比較によって既存Webサイトを評価する。この評価結果に基づいて、表示順位決定手段82は、検索クエリに対する検索結果を表示する際の既存Webサイトの表示順位(あるいは、その既存Webサイトに含まれるWebページの表示順位)を決定する。具体的には、参照ウェブサイト構造と近い既存Webサイトほど、表示順位を高くする。
評価結果は、参照サイト構造と既存サイト構造との一致度(参照サイト構造に含まれる参照ノードと、既存サイト構造に含まれる既存Webページとの一致度)に対応する値とすることができる。例えば、上述した「対応ありページ」が多い既存Webサイトほど、評価値を高くしてよい。また、上述した「過ページ」や「不足ページ」が多い既存Webサイトほど、評価値を低くしてよい。
このように、本実施形態は検索エンジンにも応用可能である。
また、各実施形態では、Webページ(Webサイト)についての説明を行ったが、ネイティブアプリによって同様の処理をユーザ端末内で行ってもよい。その場合、「Webページ」を「ネイティブアプリによって生成される画面」と読み替えればよい。また、Webページと、ネイティブアプリによって生成される画面を総称して、単に「表示画面」または「表示領域」と考えることができる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲とすべきである。