以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
以下、図1から図24を参照して、本発明の第1実施形態に係る熱交換装置100が適用される温度制御システム1について説明する。
まず、図1を参照して、温度制御システム1の全体構成について説明する。図1は、温度制御システム1の構成図である。
温度制御システム1は、車両(図示省略)に搭載されるシステムであって、車室(図示省略)内の空調を行うと共に、駆動系発熱体としての駆動用モータ2を冷却して蓄電池3の温度を調整するものである。温度制御システム1は、空調装置10と、冷却水が循環する冷却水回路40と、を備える。
<空調装置>
空調装置10は、空調に利用される空気が通過するHVAC(Heating Ventilation and Air Conditioning)ユニット11と、冷媒が循環する冷凍サイクル回路20と、コントローラ(図示省略)と、を有する。空調装置10は、冷暖房可能なヒートポンプシステムである。空調装置10は、車両(図示省略)に搭載されて車室(図示省略)内の空調を行う。冷媒には、例えばHFC-134aやHFO-1234yf等のHF系冷媒や、R744(CO2)等の自然冷媒が用いられる。
HVACユニット11は、空調に利用する空気を冷却又は加熱する。HVACユニット11は、ブロワ(図示省略)と、エアミックスドア13と、これらを空調に利用する空気が通過可能となるように囲うケース14と、を備える。HVACユニット11内には、冷凍サイクル回路20の後述するエバポレータ25とヒータコア22とが配置される。ブロワから送風された空気は、エバポレータ25内を流れる冷媒との間、及びヒータコア22内を流れる冷媒との間で熱交換を行う。
ブロワは、HVACユニット11内に空気を送風する送風機である。ブロワは、コントローラからの指令信号によって回転速度が制御される。
エアミックスドア13は、HVACユニット11内に配置されたヒータコア22を通過する空気の量を調整する。エアミックスドア13は、ヒータコア22のブロワ側に設置される。エアミックスドア13の位置は、コントローラの指令信号に応じて移動する。エアミックスドア13は、暖房運転時にヒータコア22側を開き、冷房運転時にヒータコア22側を閉じる。エアミックスドア13の開度によって、空気とヒータコア22内の冷媒との間の熱交換量が調節される。
<冷凍サイクル回路>
冷凍サイクル回路20は、圧縮機としての電動コンプレッサ21と、放熱器としてのヒータコア22と、第1室外熱交換器としての室外熱交換器23と、気液分離器24と、蒸発器としてのエバポレータ25と、熱交換器としての冷却水-冷媒熱交換器26と、第1可変絞り機構としての可変絞り機構27と、第2可変絞り機構としての可変絞り機構28と、第1冷媒バイパス通路としてのバイパス通路30と、第1冷媒流路切換弁としての流路切換弁31と、第2冷媒バイパス通路としてのバイパス通路32と、第2冷媒流路切換弁としての流路切換弁33と、第1逆止弁としての逆止弁35と、第2逆止弁としての逆止弁36と、を有する。
冷凍サイクル回路20は、電動コンプレッサ21と、ヒータコア22と、室外熱交換器23と、逆止弁35と、可変絞り機構27と、エバポレータ25と、逆止弁36と、気液分離器24と、を有し、冷媒が循環する主ループと、主ループにおける可変絞り機構27とエバポレータ25と逆止弁36とをバイパスするバイパス通路32と、可変絞り機構28と、冷却水-冷媒熱交換器26と、を有し、冷媒が流通する第1分岐通路と、主ループにおける流路切換弁33と室外熱交換器23と逆止弁35とをバイパスするバイパス通路30と、流路切換弁31と、を有し、冷媒が流通する第2分岐通路と、を有する。
電動コンプレッサ21は、電動モータ(図示省略)によって駆動されて冷媒を圧縮する。電動コンプレッサ21は、例えばベーン形の回転式コンプレッサであるが、スクロール形のコンプレッサであってもよい。電動コンプレッサ21は、コントローラからの指令信号によって回転速度が制御される。
ヒータコア22は、電動コンプレッサ21にて圧縮された冷媒の熱を用いて流体としての空調に用いられる空気を加熱する。なお、ヒータコア22が空調に用いられる空気を直接加熱するのではなく、冷媒の熱を用いて温水を加熱し、加熱された温水によって空調に用いられる空気を加熱してもよい。この場合、冷凍サイクル回路20内の冷媒と温水との熱交換を行う冷媒-温水熱交換器(図示省略)が設けられる。
ヒータコア22は、ケース14内に設けられる。ヒータコア22には、電動コンプレッサ21によって圧縮された冷媒が流入する。ヒータコア22は、ケース14内を流れる空気が接触する場合には、当該空気と電動コンプレッサ21によって圧縮された冷媒との間で熱交換を行い空気を暖める。ヒータコア22に接触する空気の量は、ヒータコア22よりもケース14内の風流れ方向上流側に設けられるエアミックスドア13の位置に応じて調整される。
室外熱交換器23は、例えば車両のエンジンルーム(電気自動車においてはモータルーム)内に配置される。室外熱交換器23は、冷媒と外気との間で熱交換を行う。室外熱交換器23には、車両の走行や室外ファン(図示省略)の回転によって、外気が導入される。室外熱交換器23は、空調装置10が冷房運転を行う場合に凝縮器として機能する。
気液分離器24は、エバポレータ25又は冷却水-冷媒熱交換器26から流入する冷媒を液相冷媒と気相冷媒とに分離させる。気液分離器24は、気相冷媒を電動コンプレッサ21に供給する。
エバポレータ25は、可変絞り機構27を通過して膨張し温度が低下した冷媒によってケース14内を通過する空気を冷却及び除湿する。エバポレータ25内では、ケース14内を流れる空気の熱によって液相冷媒が蒸発して気相冷媒になる。エバポレータ25にて蒸発した気相冷媒は、気液分離器24を介して再び電動コンプレッサ21に供給される。
冷却水-冷媒熱交換器26は、バイパス通路32において可変絞り機構28よりも下流に設けられる。冷却水-冷媒熱交換器26には、可変絞り機構28を介して冷媒が流入すると共に、第1冷却水回路50を介して冷却水が流入する。即ち、冷却水-冷媒熱交換器26は、可変絞り機構28を通過して膨張し温度が低下した冷媒と第1冷却水回路50内を流通する冷却水との間で熱交換を行う。冷却水-冷媒熱交換器26内では、冷却水回路40内を流れる冷却水の熱によって液相冷媒が蒸発して気相冷媒になる。冷却水-冷媒熱交換器26にて蒸発した気相冷媒は、気液分離器24を介して再び電動コンプレッサ21に供給される。
可変絞り機構27は、室外熱交換器23とエバポレータ25との間に設けられる。可変絞り機構27は、室外熱交換器23から逆止弁35を介して流入する液相冷媒を減圧膨張させて温度を低下させる。可変絞り機構27は、閉状態の場合には冷媒の通過を遮断し、絞り状態の場合には冷媒を減圧膨張させる。絞り状態における絞りの程度は、コントローラによって調整される。
可変絞り機構28は、室外熱交換器23と冷却水-冷媒熱交換器26との間に設けられる。可変絞り機構28は、室外熱交換器23から逆止弁35を介して流入する液相冷媒を減圧膨張させて温度を低下させる。可変絞り機構28は、閉状態の場合には冷媒の通過を遮断し、絞り状態の場合には冷媒を減圧膨張させる。絞り状態における絞りの程度は、コントローラによって調整される。
バイパス通路30は、流路切換弁33の上流と逆止弁35の下流とを連結する。バイパス通路30には、流路切換弁33,室外熱交換器23,及び逆止弁35をバイパスする冷媒が流れる。
流路切換弁31は、バイパス通路30に設けられる。流路切換弁31は、冷媒が流通する開状態と、冷媒の流通を遮断する閉状態と、に切り換えられる。流路切換弁31は、コントローラからの指令信号によって切り換えられる。
流路切換弁33は、ヒータコア22と室外熱交換器23との間におけるバイパス通路30との分岐点の下流に設けられる。流路切換弁33は、冷媒が流通する開状態と、冷媒の流通を遮断する閉状態と、に切り換えられる。流路切換弁33は、コントローラからの指令信号によって切り換えられる。
流路切換弁31が閉状態であり流路切換弁33が開状態である場合には、ヒータコア22から流入する冷媒は、流路切換弁33,室外熱交換器23,及び逆止弁35を流通し、バイパス通路30には冷媒が流通しない。流路切換弁31が開状態であり流路切換弁33が閉状態である場合には、ヒータコア22から流入する冷媒は、バイパス通路30を流通し、流路切換弁33,室外熱交換器23,及び逆止弁35には冷媒が流通しない。
バイパス通路32は、逆止弁35の下流かつ流路切換弁31の下流と気液分離器24の上流とを連結する。バイパス通路32には、可変絞り機構27,エバポレータ25,及び逆止弁36をバイパスする冷媒が流れる。バイパス通路32には、可変絞り機構28と冷却水-冷媒熱交換器26とが設けられる。
可変絞り機構27が絞り状態であり可変絞り機構28が閉状態である場合には、ヒータコア22からバイパス通路30を介して又は室外熱交換器23から流入する冷媒は、可変絞り機構27,エバポレータ25,及び逆止弁36を流通し、バイパス通路32には冷媒が流通しない。可変絞り機構27が閉状態であり可変絞り機構28が開状態である場合には、ヒータコア22からバイパス通路30を介して又は室外熱交換器23から流入する冷媒は、可変絞り機構28及び冷却水-冷媒熱交換器26を流通し、可変絞り機構27,エバポレータ25,及び逆止弁36には冷媒が流通しない。
逆止弁35は、室外熱交換器23の下流に設けられる。逆止弁35は、室外熱交換器23から流入する冷媒の流れを許容すると共に、バイパス通路30を流れてきた冷媒が室外熱交換器23に逆流することを防止する。
逆止弁36は、エバポレータ25の下流に設けられる。逆止弁36は、エバポレータ25から流入する冷媒の流れを許容すると共に、バイパス通路32を流れてきた冷媒がエバポレータ25に逆流することを防止する。
<冷却水回路>
冷却水回路40は、基準ループとしての第1冷却水回路50と、第1ループとしての第2冷却水回路60と、第2ループとしての第3冷却水回路70と、流路切換弁101と、を有する。
第1冷却水回路50は、冷却水-冷媒熱交換器26と、流路切換弁101と、を有する。第1冷却水回路50には、電動ポンプは設けられない。第1冷却水回路50は、冷却水-冷媒熱交換器26にて冷却された冷却水の第2冷却水回路60と第3冷却水回路70への供給を切り換え可能である。第1冷却水回路50は、第2冷却水回路60と第3冷却水回路70との少なくとも一方と連結されたときに、電動ポンプ61又は電動ポンプ71によって冷却水が流通する。
第2冷却水回路60は、第1ポンプとしての電動ポンプ61と、駆動系発熱体熱交換部としての駆動系熱交換器63と、気液分離器64と、第2室外熱交換器としての室外熱交換器65と、流路切換弁101と、を有する。
電動ポンプ61は、駆動系熱交換器63の上流かつ気液分離器64の下流に設けられる。電動ポンプ61は、電動モータ(図示省略)によって駆動されて第2冷却水回路60内の冷却水を吸入吐出して循環させる。電動ポンプ61は、コントローラからの指令信号によって回転速度が制御される。
駆動系熱交換器63は、流路切換弁101の上流かつ電動ポンプ61の下流に設けられる。駆動系熱交換器63は、駆動用モータ2と熱交換を行う。駆動系熱交換器63は、駆動用モータ2の排熱を回収し、駆動用モータ2を冷却する。なお、駆動系発熱体は、動作中に発熱する部品であればよいため、駆動用モータ2ではなく、駆動用モータ2を駆動するインバータ(図示省略)や、内燃機関(図示省略)等であってもよい。
気液分離器64は、電動ポンプ61の上流かつ室外熱交換器65の下流に設けられる。気液分離器64は、第2冷却水回路60内を流通する冷却水内に発生した気泡を分離させ、液体の冷却水のみを電動ポンプ61に流入させる。
室外熱交換器65は、流路切換弁101の下流かつ気液分離器64の上流に設けられる。室外熱交換器65は、例えば車両のエンジンルーム(電気自動車においてはモータルーム)内に配置される。室外熱交換器65は、冷却水と外気との間で熱交換を行う。室外熱交換器65には、車両の走行や室外ファン(図示省略)の回転によって、外気が導入される。
第3冷却水回路70は、第2ポンプとしての電動ポンプ71と、加熱器としての電気温水ヒータ72と、蓄電池熱交換部としての蓄電池熱交換器73と、流路切換弁101と、を有する。
電動ポンプ71は、電気温水ヒータ72の上流かつ流路切換弁101の下流に設けられる。電動ポンプ71は、電動モータ(図示省略)によって駆動されて第3冷却水回路70内の冷却水を吸入吐出して循環させる。電動ポンプ71は、コントローラからの指令信号によって回転速度が制御される。
電気温水ヒータ72は、蓄電池熱交換器73の上流かつ電動ポンプ71の下流に設けられる。電気温水ヒータ72は、電気が供給されることによって発熱する電気ヒータである。電気温水ヒータ72は、コントローラからの指令信号によって出力が制御される。電気温水ヒータ72は、第3冷却水回路70内の冷却水を加熱して温度を上昇させる。電気温水ヒータ72は、蓄電池3を加熱する場合に冷却水を加熱する。
蓄電池熱交換器73は、蓄電池3と冷却水との間で熱交換を行う。蓄電池熱交換器73は、高温の冷却水で蓄電池3を加熱するか、若しくは低温の冷却水で蓄電池3を冷却する。蓄電池3は、駆動用モータ2への電力を供給するものである。
流路切換弁101は、一対の弁体120と、弁体120を回転可能に収容するハウジング110と、を備えるロータリ弁である。流路切換弁101は、第1冷却水回路50と第2冷却水回路60とを連結させる第1モードと、第1冷却水回路50と第3冷却水回路70とを連結させる第2モードと、第1冷却水回路50と第2冷却水回路60と第3冷却水回路70とを連結させる第3モードと、第1冷却水回路50と第2冷却水回路60と第3冷却水回路70とがいずれも連結されずに独立している第4モードと、に切り換え可能である。
<各運転モード>
続いて、図2から図5を参照して、温度制御システム1の各運転モードについて説明する。図2から図5では、冷却水が流通する部分を太実線で示し、冷却水の流通が停止する部分を細実線で示す。なお、図2から図5では、冷凍サイクル回路20は複数の運転モードで運転可能な場合もあるため、特定の運転モードの場合の冷媒の流通及び停止については図示していない。
<第1運転モード>
図2は、温度制御システム1が第1運転モードで運転される場合について説明する図である。
冷却水回路40では、流路切換弁101が第1モードに切り換えられ、第1冷却水回路50と第2冷却水回路60とが連結され、第3冷却水回路70は独立している。
流路切換弁101の第1モードでは、弁体120Aは、一方側通路121(図6参照)が接続孔112Aと連通孔113とを連通させ、他方側通路122(図6参照)が接続孔112Bと接続孔112Eとを連通させている。また、弁体120Bは、一方側通路121(図6参照)が接続孔112Cと接続孔112Fとを連通させ、他方側通路122(図6参照)が接続孔112Dと連通孔113とを連通させている。このとき、接続孔112Aと接続孔112Dとは、弁体120Aの一方側通路121と連通孔113と弁体120Bの他方側通路122とを介して連通している。
冷凍サイクル回路20は、暖房モード又は除湿暖房モードで運転される。
第1冷却水回路50及び第2冷却水回路60では、電動ポンプ61が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ61から吐出された冷却水は、駆動系熱交換器63に導かれる。駆動系熱交換器63では、駆動用モータ2と熱交換を行い、駆動用モータ2が冷却される。駆動用モータ2との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、流路切換弁101を通過して冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる。
冷却水-冷媒熱交換器26では、冷却水の熱によって、冷凍サイクル回路20内の冷媒を蒸発させる。冷却水-冷媒熱交換器26では、冷媒との熱交換によって冷却水の温度が低下する。冷却水-冷媒熱交換器26にて温度が低下した冷却水は、室外熱交換器65に導かれる。室外熱交換器65では、外気との熱交換が行われ、冷却水の温度が上昇する。室外熱交換器65を通過した冷却水は、気液分離器64を通過して、再び電動ポンプ61に供給される。
このように、第1冷却水回路50及び第2冷却水回路60では、室外熱交換器65にて外気から冷却水に吸熱し、駆動系熱交換器63にて駆動用モータ2の廃熱によって冷却水が加熱される。加熱された冷却水は、冷却水-冷媒熱交換器26に導かれ、冷却水-冷媒熱交換器26にて冷却水から冷媒に吸熱する。これにより、冷凍サイクル回路20では、外気から吸熱すると共に駆動用モータ2の廃熱を利用して、暖房運転又は除湿暖房運転を行うことができる。
一方、第3冷却水回路70では、電動ポンプ71が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ71から吐出された冷却水は、電気温水ヒータ72及び蓄電池熱交換器73に導かれる。電気温水ヒータ72は、蓄電池3の温度が低く、蓄電池3を加熱する必要がある場合に作動する。蓄電池熱交換器73では、蓄電池3と熱交換を行い、蓄電池3が加熱される。蓄電池3との熱交換によって温度が低下した冷却水は、再び電動ポンプ71に導かれる。
このように、第3冷却水回路70では、電気温水ヒータ72によって冷却水を加熱し、温度が上昇した冷却水との熱交換によって蓄電池熱交換器73にて蓄電池3を加熱することができる。
<第2運転モード>
図3は、温度制御システム1が第2運転モードで運転される場合について説明する図である。
冷却水回路40では、流路切換弁101が第2モードに切り換えられ、第1冷却水回路50と第3冷却水回路70とが連結され、第2冷却水回路60は独立している。
流路切換弁101の第2モードでは、弁体120Aは、一方側通路121(図6参照)が接続孔112Aと接続孔112Eとを連通させ、他方側通路122(図6参照)が接続孔112Bと連通孔113とを連通させている。また、弁体120Bは、一方側通路121(図6参照)が接続孔112Cと連通孔113とを連通させ、他方側通路122(図6参照)が接続孔112Dと接続孔112Fとを連通させている。このとき、接続孔112Bと接続孔112Cとは、弁体120Aの他方側通路122と連通孔113と弁体120Bの一方側通路121とを介して連通している。
冷凍サイクル回路20は、冷房モード、冷房・蓄電池冷却モード、蓄電池冷却モード、又は暖房モードで運転される。
第1冷却水回路50及び第3冷却水回路70では、電動ポンプ71が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ71からは、冷却水-冷媒熱交換器26にて温度が低下した冷却水が吐出される。電動ポンプ71から吐出された冷却水は、電気温水ヒータ72及び蓄電池熱交換器73に導かれる。電気温水ヒータ72は、冷凍サイクル回路20が冷房モード、冷房・蓄電池冷却モード、又は蓄電池冷却モードで運転される場合には作動しない。蓄電池熱交換器73では、蓄電池3と熱交換を行い、蓄電池3が冷却される。蓄電池3との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、再び冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる。冷却水-冷媒熱交換器26では、冷媒との熱交換によって冷却水の温度が低下する。
なお、電気温水ヒータ72は、冷凍サイクル回路20が暖房モードで運転される場合であって、暖房運転を行うために蓄電池3の廃熱だけでは不充分な場合に作動する。この場合、電気温水ヒータ72にて冷却水を加熱すると共に、蓄電池熱交換器73にて蓄電池3の廃熱によって冷却水が加熱される。加熱された冷却水は、冷却水-冷媒熱交換器26に導かれ、冷却水-冷媒熱交換器26にて冷却水から冷媒に吸熱する。これにより、冷凍サイクル回路20では、電気温水ヒータ72と熱交換を行うと共に蓄電池3の廃熱を利用して、暖房運転を行うことができる。
このように、第1冷却水回路50及び第3冷却水回路70では、冷却水-冷媒熱交換器26によって冷却された冷却水を用いて蓄電池3を冷却することができる。また、冷凍サイクル回路20が暖房モードの場合には、電気温水ヒータ72の熱を利用した暖房運転が可能である。
一方、第2冷却水回路60では、電動ポンプ61が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ61から吐出された冷却水は、駆動系熱交換器63に導かれる。駆動系熱交換器63では、駆動用モータ2と熱交換を行い、駆動用モータ2が冷却される。駆動用モータ2との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、室外熱交換器65に導かれる。室外熱交換器65では、外気との熱交換によって冷却水が冷却される。室外熱交換器65にて冷却された冷却水は、気液分離器64を通過して、再び電動ポンプ61に導かれる。
このように、第3冷却水回路70では、駆動系熱交換器63にて駆動用モータ2の廃熱を冷却水に吸熱し、室外熱交換器65にて外気に放熱することによって、駆動用モータ2を冷却することができる。
<第3運転モード>
図4は、温度制御システム1が第3運転モードで運転される場合について説明する図である。
冷却水回路40では、流路切換弁101が第3モードに切り換えられ、第1冷却水回路50と第2冷却水回路60と第3冷却水回路70とが連結されている。
流路切換弁101の第3モードでは、弁体120Aは、一方側通路121(図6参照)が接続孔112Bと連通孔113とを連通させ、他方側通路122(図6参照)が接続孔112Aと接続孔112Eとを連通させている。また、弁体120Bは、一方側通路121(図6参照)が接続孔112Cと接続孔112Fとを連通させ、他方側通路122(図6参照)が接続孔112Dと連通孔113とを連通させている。このとき、接続孔112Bと接続孔112Dとは、弁体120Aの一方側通路121と連通孔113と弁体120Bの他方側通路122とを介して連通している。
冷凍サイクル回路20は、暖房モードで運転される。
冷却水回路40では、電動ポンプ61及び電動ポンプ71が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ61から吐出された冷却水は、駆動系熱交換器63に導かれる。駆動系熱交換器63では、駆動用モータ2と熱交換を行い、駆動用モータ2が冷却される。駆動用モータ2との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、流路切換弁101を通過して電動ポンプ71に供給される。
電動ポンプ71から吐出された冷却水は、電気温水ヒータ72及び蓄電池熱交換器73に導かれる。このとき、電気温水ヒータ72は、暖房運転を行うために駆動用モータ2の廃熱及び蓄電池3の廃熱では不充分な場合に作動する。蓄電池熱交換器73では、冷却水と熱交換を行い、蓄電池3が冷却される。蓄電池3との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、流路切換弁101を通過して冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる。冷却水-冷媒熱交換器26では、冷却水から冷媒に吸熱する。これにより、冷凍サイクル回路20を暖房モードで運転することができる。冷却水-冷媒熱交換器26にて温度が低下した冷却水は、室外熱交換器65に導かれる。室外熱交換器65では、外気との熱交換によって温度が上昇する。室外熱交換器65を通過した冷却水は、気液分離器64を通過して、再び電動ポンプ61に供給される。
このように、温度制御システム1では、外気から吸熱すると共に駆動用モータ2及び蓄電池3の廃熱を利用し、更に必要に応じて電気温水ヒータ72によって冷却水を加熱することで、冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる冷却水の温度が上昇する。これにより、冷凍サイクル回路20では、暖房モードで運転を行うことが可能である。
<第4運転モード>
図5は、温度制御システム1が第4運転モードで運転される場合について説明する図である。
冷却水回路40では、流路切換弁101が第4モードに切り換えられ、第1冷却水回路50と第2冷却水回路60と第3冷却水回路70とがいずれも連結されずに独立している。
流路切換弁101の第4モードでは、弁体120Aは、一方側通路121(図6参照)が接続孔112Aと連通孔113とを連通させ、他方側通路122(図6参照)が接続孔112Bと接続孔112Eとを連通させている。また、弁体120Bは、一方側通路121(図6参照)が接続孔112Dと接続孔112Fとを連通させ、他方側通路122(図6参照)が接続孔112Cと連通孔113とを連通させている。
冷凍サイクル回路20は、冷房モードで運転されるか又は運転が停止される。
第2冷却水回路60では、電動ポンプ61が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ61から吐出された冷却水は、駆動系熱交換器63に導かれる。駆動系熱交換器63では、駆動用モータ2と熱交換を行い、駆動用モータ2が冷却される。駆動用モータ2との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、流路切換弁101を通過して室外熱交換器65に導かれる。室外熱交換器65では、外気との熱交換によって冷却水が冷却される。室外熱交換器65にて冷却された冷却水は、気液分離器64を通過して、再び電動ポンプ61に供給される。
一方、第3冷却水回路70では、電動ポンプ71が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ71から吐出された冷却水は、電気温水ヒータ72及び蓄電池熱交換器73に導かれる。電気温水ヒータ72は、蓄電池3の温度が低く、蓄電池3を加熱する必要がある場合に作動する。蓄電池熱交換器73では、冷却水と熱交換を行い、蓄電池3が加熱される。蓄電池3との熱交換によって温度が低下した冷却水は、流路切換弁101を通過して、再び電動ポンプ61に供給される。
このように、温度制御システム1では、第2冷却水回路60と第3冷却水回路70とに各々独立して冷却水を循環させることによって、駆動用モータ2を冷却すると共に蓄電池3を加熱することが可能である。
<流路切換弁>
続いて、図6を参照して、流路切換弁101について説明する。図6は、流路切換弁101の分解斜視図である。
図6に示すように、流路切換弁101は、ハウジング110と、一対の弁体120と、シール部材130と、伝達機構140と、カバー部材150と、アクチュエータ160と、を有する。流路切換弁101は、一対の弁体120と、弁体120を回転可能に収容するハウジング110と、を備えるロータリ弁である。
ハウジング110は、角部が曲面状に形成される略直方体形状の箱である。ハウジング110は、一対の弁体120を収容する。図12に示すように、ハウジング110は、一対の弁体収容部111と、複数(ここでは6つ)の接続孔112と、連通孔113と、を有する。ハウジング110は、第1ハウジング110Aと、第2ハウジング110Bと、に分割されて形成される。
第1ハウジング110Aは、一対の弁体収容部111と、6つの接続孔112と、連通孔113と、を有する。第1ハウジング110Aは、弁体収容部111に弁体120を収容すると共にシール部材130を挿入可能なように、天面が開口して形成される。
第2ハウジング110Bは、第1ハウジング110Aの開口部を閉塞する蓋である。第2ハウジング110Bは、第1ハウジング110A内に形成される弁体収容部111の開口部を閉塞する。第2ハウジング110Bは、第1ハウジング110Aとの間でシール部材130を押圧する。第2ハウジング110Bは、複数のボルト110Cが締結されることによって第1ハウジング110Aに固定される。第2ハウジング110Bにおける第1ハウジング110Aの反対側には、伝達機構140を収容する歯車収容室115が形成される。
弁体収容部111は、弁体120が回転可能に配置される円筒状の空間である。弁体収容部111は、一方の弁体120Aを収容する弁体収容部111Aと、他方の弁体120Bを収容する弁体収容部111Bと、を有する。各々の弁体収容部111には、3つの接続孔112と連通孔113とが周方向に十字状になるように配置される。
接続孔112は、弁体収容部111とハウジング110の外部とを連通させる。接続孔112は、第1ハウジング110Aから外部に向けて突出する円筒状の管部材の内周に形成される。接続孔112は、弁体収容部111の内周面に開口する。接続孔112は、弁体収容部111における弁体120の周方向に並べて配置される。接続孔112は、一対の弁体120のいずれかにおける後述する一方側通路121又は他方側通路122と連通する。
接続孔112は、一方の弁体120Aを挟むように設けられる第1接続孔としての接続孔112A及び第2接続孔としての接続孔112Bと、他方の弁体120Bを挟むように設けられる第3接続孔としての接続孔112C及び第4接続孔としての接続孔112Dと、一方の弁体120Aと他方の弁体120Bとを挟むように設けられる第5接続孔としての接続孔112E及び第6接続孔としての接続孔112Fと、を有する。
弁体収容部111Aには、接続孔112Aと接続孔112Eと接続孔112Bと連通孔113とが、周方向に90度間隔で順に設けられる。即ち、接続孔112Aと接続孔112Bとは同じ直線上に設けられ、接続孔112Eと連通孔113とは同じ直線上に設けられ、これらの直線は互いに直角に交差する。弁体収容部111Bには、接続孔112Dと接続孔112Fと接続孔112Cと連通孔113とが、周方向に90度間隔で順に設けられる。即ち、接続孔112Cと接続孔112Dとは同じ直線上に設けられ、接続孔112Fと連通孔113とは同じ直線上に設けられ、これらの直線は互いに直角に交差する。
図1に示すように、一方の弁体収容部111Aと他方の弁体収容部111Bに各々連通する隣り合う一対の接続孔112A,112Cは、第1冷却水回路50(基準ループ)によって連結される。一方の弁体収容部111Aに連通する一対の接続孔112B,112Eは、第3冷却水回路70(第2ループ)によって連結される。他方の弁体収容部111Bに連通する一対の接続孔112D,112Fは、第2冷却水回路60(第1ループ)によって連結される。
図6に示すように、連通孔113は、各々の弁体収容部111の間を連通させる。具体的には、連通孔113は、一方の弁体収容部111Aと他方の弁体収容部111Bとの最も近い位置の壁部が切り欠かれることで連通する通路である。連通孔113は、接続孔112Eと接続孔112Fとを結ぶ直線上に設けられる。連通孔113は、弁体収容部111の内周面に開口する。
弁体120は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体120は、略円柱状に形成される。弁体120は、一方の弁体収容部111Aに収容される弁体120Aと、他方の弁体収容部111Bに収容される弁体120Bと、を有する。一対の弁体120は、各々の回転中心軸が互いに平行になるように並べて配置される。
弁体120には、回転中心を挟んで一方側通路121と他方側通路122とが内部に画成される。これらの一方側通路121と他方側通路122とが、弁内通路に該当する。これに限らず、弁体120には、一対の弁内通路に限らず、少なくとも一つの弁内通路が内部に画成されればよい。
一方側通路121の一対の開口部は、弁体120の外周に周方向に90度間隔で設けられる。また、他方側通路122の一対の開口部は、弁体120の外周に周方向に90度間隔で設けられる。即ち、一方側通路121の一対の開口部と他方側通路122の一対の開口部とは、弁体120の外周に周方向に90度間隔で並べて配置される。
各々の弁体120内の一方側通路121及び他方側通路122と連通孔113とによって、ハウジング110内には、接続孔112を2つずつ連通させる3つの流路が形成される。
このように、流路切換弁101では、回転中心周りに回転可能な一対の弁体120と、一対の弁体120を収容するハウジング110と、が設けられ、弁体120が収容される各々の弁体収容部111が連通孔113を介して連通している。そのため、一対の弁体120を各々回転させることで、弁体120内に画成される弁内通路(一方側通路121及び他方側通路122)を通じて複数の接続孔112どうしを直接接続したり、弁内通路(一方側通路121及び他方側通路122)及び連通孔113を介して複数の接続孔112を接続したり、多くのモードの切り換えが可能である。したがって、簡素な構成で多くのモードの切り換えが可能な流路切換弁101を提供することができる。
一対の弁体120は、単一のアクチュエータ160によって共に回転駆動される。これにより、簡素な構成で弁体120を回転駆動できると共に、別々のアクチュエータで駆動する場合の協調制御が不要になる。弁体120Aは、アクチュエータ160によって第1位置と第2位置と第3位置とに切り換えられる。弁体120Bは、アクチュエータ160によって第1位置と第2位置とに切り換えられる。
シール部材130は、第1シール部材131と、一対の第2シール部材132と、を有する。第1シール部材131は、楕円形に形成され一対の弁体収容部111の外周をシールする。第2シール部材132は、円形に形成され各々の弁体120の回転軸の外周をシールする。
伝達機構140は、駆動歯車141と、第1従動歯車142と、第2従動歯車143と、を有する。
駆動歯車141は、アクチュエータ160の出力軸に連結される。駆動歯車141は、アクチュエータ160の駆動力によって回転する。駆動歯車141は、第1従動歯車142及び第2従動歯車143と噛合している。第1従動歯車142は、一方の弁体120Aの回転軸に連結される。第1従動歯車142は、駆動歯車141が回転することによって回転する。第2従動歯車143は、他方の弁体120Bの回転軸に連結される。第2従動歯車143は、駆動歯車141が回転することによって回転する。
伝達機構140は、流路切換弁101を第1モードと第2モードと第3モードとに切り換え可能な構成を例示するものである。これに代えて、流路切換弁101を第1モードと第2モードと第3モードとに加えて第4モードにも切り換え可能な伝達機構を設けてもよい。
カバー部材150は、第2ハウジング110Bの歯車収容室115を閉塞する蓋である。カバー部材150は、複数のボルト150Aが締結されることによって第2ハウジング110Bに固定される。
アクチュエータ160は、カバー部材150における第2ハウジング110Bの反対側に設けられる。アクチュエータ160は、複数のボルト160Aが締結されることによってカバー部材150に固定される。アクチュエータ160の出力軸は、カバー部材150を挿通して駆動歯車141に連結される。アクチュエータ160は、コントローラからの指令信号によって回転して伝達機構140のモードを切り換え、流路切換弁101を各モードに切り換える。
<熱交換装置>
次に、図7から図10を参照して、流路切換弁101が適用される熱交換装置100について説明する。図7は、熱交換装置100の正面からの斜視図である。図8は、熱交換装置100の背面からの斜視図である。図9は、図7における分解斜視図である。図10は、冷却水流路部材180の分解斜視図である。
図7に示すように、熱交換装置100は、熱交換器としての冷却水-冷媒熱交換器26と、流路切換弁101と、可変絞り機構28と、取付部材としてのブラケット170と、冷却水流路部材180と、を備える。
冷却水-冷媒熱交換器26は、冷媒が循環する冷媒循環部(図示省略)と冷却水が循環する冷却水循環部(図示省略)とが積層方向に交互に積層されてなる。冷却水-冷媒熱交換器26は、冷媒入口26aと冷媒出口26bとを有する。
冷媒入口26aからは、室外熱交換器23から逆止弁35を通過した冷媒、又はヒータコア22から流路切換弁31を通過した冷媒が供給される。冷媒出口26bからは、冷却水-冷媒熱交換器26内で熱交換を行った後、気液分離器24へ導かれる冷媒が排出される。
流路切換弁101は、ハウジング110の底部が冷却水-冷媒熱交換器26の側面と対峙し、アクチュエータ160が冷却水-冷媒熱交換器26から最も離間した位置になるように配置される。
流路切換弁101は、冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に設けられる。流路切換弁101における各々の弁体収容部111には、少なくとも2つ(ここでは3つ)の接続孔112と連通孔113とが周方向に十字状になるように配置される。連通孔113に対して垂直に各々の弁体収容部111から同方向に延びる一対の接続孔112A,112Cは、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置されて、流路切換弁101と冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に接続される。
ブラケット170は、熱交換装置100を車両に取り付けるための板状部材である。ブラケット170の一方の平面には、冷却水-冷媒熱交換器26が取り付けられる。ブラケット170の他方の平面には、冷却水流路部材180が取り付けられる。ブラケット170には、車両にボルト締結するための複数(ここでは4つ)の取付穴171が設けられる。また、ブラケット170は、流路切換弁101を固定するための一対のアーム部172を有する(図9参照)。
冷却水流路部材180は、第1冷却水回路50を構成するものである。図8に示すように、冷却水流路部材180内には、流路切換弁101の接続孔112Aと冷却水-冷媒熱交換器26とを連結する冷却水流路181と、流路切換弁101の接続孔112Cと冷却水-冷媒熱交換器26とを連結する冷却水流路182と、が形成される。
図10に示すように、冷却水流路部材180は、一対のプレート部材180a,180bによって形成される。プレート部材180aとプレート部材180bとは、積層方向と同じ方向に重ねられて互いに接合される。冷却水流路部材180は、一対のプレート部材180a,180bによって、積層方向に扁平に形成される。
プレート部材180a及びプレート部材180bには、冷却水流路181と冷却水流路182とを形成するための凹部が各々設けられる。図9及び図10に示すように、プレート部材180aには、冷却水-冷媒熱交換器26と連結される一対の冷却水流通口183と、接続孔112Aと連結される冷却水流通口184と、接続孔112Cと連結される冷却水流通口185と、が設けられる。
プレート部材180aには、一対のボス186が設けられる。一対のボス186は、ブラケット170の取付穴171と同じ位置に設けられ、ブラケット170と共に車両にボルト締結される。
以上のように、連通孔113に対して垂直に各々の弁体収容部111から同方向に延びる一対の接続孔112A,112Cは、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置されて、流路切換弁101と冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に接続される。また、第1冷却水回路50を構成する冷却水流路部材180は、一対のプレート部材180a,180bによって、積層方向に扁平に形成される。
これにより、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向の一端側にて、扁平に形成される冷却水流路部材180によって冷却水の流路が連結されるので、熱交換装置100の小型化が可能である。したがって、熱交換装置100の車両へのレイアウト性を向上させることができる。
また、冷却水-冷媒熱交換器26と接続される接続孔112(112A及び112C)は、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置されるので、冷却水-冷媒熱交換器26との接続を容易にできる。したがって、冷却水-冷媒熱交換器26と流路切換弁101とのモジュール化を容易にすることができる。
<熱交換装置の第1変形例>
次に、図11及び図12を参照して、熱交換装置100の第1変形例について説明する。図11は、第1変形例に係る熱交換装置100の正面からの斜視図である。図12は、第1変形例に係る熱交換装置100の背面からの斜視図である。この第1変形例は、図7から図10に示す熱交換装置100に、冷媒-温水熱交換器29が更に設けられるものである。以下に示す各変形例では、上述した熱交換装置100と異なる点を中心に説明し、同様の機能を有する構成には同一の符号を付して説明を省略する。
熱交換装置100は、第1熱交換器としての冷却水-冷媒熱交換器26と、第2熱交換器としての冷媒-温水熱交換器29と、流路切換弁101と、可変絞り機構28と、冷媒通路接続部材としての冷媒流路部材37と、取付部材としての一対のブラケット170A,170Bと、冷却水流路部材180と、を備える。
冷却水-冷媒熱交換器26は、冷媒が循環する第1冷媒循環部(図示省略)と冷却水が循環する第1冷却水循環部(図示省略)とが積層方向に交互に積層されてなる。冷却水-冷媒熱交換器26では、冷媒との熱交換によって、冷却水が冷却される。冷却水-冷媒熱交換器26は、冷媒入口(図示省略)と冷媒出口26bとを有する。冷却水-冷媒熱交換器26は、冷却水流路部材180の一対の冷却水流通口183と各々連結される一対の冷却水出入口(図示省略)を有する。
冷媒入口は、積層方向におけるブラケット170Aが設けられる一端側に設けられる。冷媒入口からは、冷媒-温水熱交換器29を通過した冷媒が供給される。冷媒出口26bは、積層方向の他端側に設けられる。冷媒出口26bからは、冷却水-冷媒熱交換器26内で熱交換を行った後、気液分離器24へ導かれる冷媒が排出される。
冷却水出入口は、積層方向の一端側に設けられる。冷却水出入口は、冷却水流路部材180を介して流路切換弁101の接続孔112A又は接続孔112Cと各々連結される。
冷媒-温水熱交換器29は、冷媒が循環する第2冷媒循環部(図示省略)と冷却水が循環する第2冷却水循環部(図示省略)とが積層方向に交互に積層されてなる。冷媒-温水熱交換器29は、冷却水-冷媒熱交換器26と積層方向が同じになるように並列に配置される。
冷媒-温水熱交換器29は、冷凍サイクル回路20内の冷媒と温水との熱交換を行い、冷媒の熱を用いて温水を加熱するものである。即ち、冷媒-温水熱交換器29では、冷媒との熱交換によって、冷却水が加熱される。冷媒-温水熱交換器29にて加熱された温水は、空調に用いられる空気を加熱するのに用いられる。冷媒-温水熱交換器29は、冷媒入口29aと、冷媒出口(図示省略)と、冷却水入口29cと、冷却水出口29dと、を有する。
冷媒入口29aは、積層方向におけるブラケット170Bとは反対の他端側に設けられる。冷媒入口29aからは、電動コンプレッサ21にて圧縮された冷媒が供給される。冷媒出口は、積層方向の一端側に設けられる。冷媒出口からは、冷媒-温水熱交換器29内で熱交換を行った後、冷媒流路部材37に導かれる冷媒が排出される。
冷却水入口29c及び冷却水出口29dは、積層方向の他端側に設けられる。冷却水入口29cからは、室外熱交換器65を通過した冷却水が供給される。冷却水出口29dからは、冷媒-温水熱交換器29にて熱交換を行った後、ヒータコア22に導かれる冷却水が排出される。
流路切換弁101は、ハウジング110の底部が冷却水-冷媒熱交換器26の側面と対峙し、アクチュエータ160が冷却水-冷媒熱交換器26から最も離間した位置になるように配置される。
流路切換弁101は、冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に設けられる。流路切換弁101における各々の弁体収容部111には、少なくとも2つ(ここでは3つ)の接続孔112と連通孔113とが周方向に十字状になるように配置される。連通孔113に対して垂直に各々の弁体収容部111から同方向に延びる一対の接続孔112A,112Cは、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置されて、流路切換弁101と冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に接続される。
冷媒流路部材37は、積層方向における一端側に設けられる。冷媒流路部材37は、冷却水-冷媒熱交換器26と冷媒-温水熱交換器29との間で第1冷媒循環部と第2冷媒循環部とを連通させる。冷媒流路部材37には、冷媒-温水熱交換器29にて熱交換を行った冷媒が供給される。
冷媒流路部材37からは、冷却水-冷媒熱交換器26とエバポレータ25とに冷媒が分岐して導かれる。冷媒流路部材37には、冷媒流路部材37内を流通して冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる冷媒の流れを絞る絞り弁としての可変絞り機構28と、冷媒の圧力を検出する圧力センサ37bと、が設けられる。
ブラケット170A及びブラケット170Bは、熱交換装置100を車両に取り付けるための板状部材である。
ブラケット170Aの一方の平面には、冷却水-冷媒熱交換器26が取り付けられる。ブラケット170Aの他方の平面には、冷却水流路部材180と冷媒流路部材37とが取り付けられる。ブラケット170Aには、車両にボルト締結するための複数の取付穴171Aが設けられる。
ブラケット170Bの一方の平面には、冷媒-温水熱交換器29が取り付けられる。ブラケット170Bの他方の平面には、冷媒流路部材37が取り付けられる。ブラケット170Bには、車両にボルト締結するための複数の取付穴171Bが設けられる。
冷却水流路部材180は、第1冷却水回路50を構成するものである。冷却水流路部材180の構成は、図7から図10に示す熱交換装置100と形状が異なるだけであるため、ここでは詳細な説明は省略する。
以上のように、連通孔113に対して垂直に各々の弁体収容部111から同方向に延びる一対の接続孔112A,112Cは、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置されて、流路切換弁101と冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に接続される。また、冷却水-冷媒熱交換器26と冷媒-温水熱交換器29とは、積層方向が同じになるように並列に配置される。また、第1冷却水回路50を構成する冷却水流路部材180は、積層方向に扁平に形成される。
これにより、冷却水-冷媒熱交換器26及び冷媒-温水熱交換器29の積層方向の一端側にて、扁平に形成される冷却水流路部材180によって冷却水の流路が連結されるので、熱交換装置100の小型化が可能である。したがって、熱交換装置100の車両へのレイアウト性を向上させることができる。
また、冷却水-冷媒熱交換器26と接続される接続孔112(112A及び112C)は、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置されるので、冷却水-冷媒熱交換器26との接続を容易にできる。また、冷却水-冷媒熱交換器26と冷媒-温水熱交換器29とは、積層方向が同じになるように並列に配置される。したがって、冷却水-冷媒熱交換器26及び冷媒-温水熱交換器29と流路切換弁101とのモジュール化を容易にすることができる。
<熱交換装置の第2変形例>
次に、図13から図17を参照して、熱交換装置100の第2変形例について説明する。図13は、第2変形例に係る熱交換装置100の斜視図である。図14は、図13における分解図である。図15は、接続アダプタ191の斜視図である。図16は、図15におけるXVI-XVI断面図である。図17は、第2変形例に係る熱交換装置100の正面図である。この第2変形例は、図7から図10に示す熱交換装置100とは、接続プレート190及び接続アダプタ191を有する点で異なる。
図13に示すように、熱交換装置100は、熱交換器としての冷却水-冷媒熱交換器26と、流路切換弁101と、接続プレート190と、接続アダプタ191と、を備える。
接続プレート190は、略矩形の平板状に形成される。接続プレート190は、金属によって形成され、アルミニウム合金によって形成される冷却水-冷媒熱交換器26とろう付けされる。接続プレート190は、ろう付け面190aと、裏面190bと、を有する。接続プレート190には、積層方向の一端側に配置される一対の接続孔112(112A及び112C)が接続される(図14参照)。
ろう付け面190aは、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向の一端にろう付けされる。具体的には、接続プレート190は、冷却水-冷媒熱交換器26を組み立ててろう付けする際に、ろう付け面190aが冷却水-冷媒熱交換器26に当接するように固定されて、同時にろう付けされる。
裏面190bは、ろう付け面190aの反対の面に形成される。裏面190bには、接続アダプタ191が取り付けられる。
接続アダプタ191は、樹脂製であり、冷却水-冷媒熱交換器26と流路切換弁101とを連結する。接続アダプタ191は、積層方向の一端側に配置される一対の接続孔112(112A及び112C)の少なくとも一方と冷却水-冷媒熱交換器26とを冷却水が流通可能に接続する。
図15に示すように、接続アダプタ191は、本体部191cと、第1流通口192aと、第2流通口192bと、第3流通口192cと、第4流通口192dと、一対の流路部195と、を有する。
本体部191cは、略直方体形状に形成される。本体部191cは、複数(ここでは4個)のフランジ191dを有する。本体部191cは、フランジ191dを介して冷却水-冷媒熱交換器26にボルト締結される。
図14に示すように、第1流通口192aは、本体部191cにおける接続プレート190に臨む面に開口する。第1流通口192aは、冷却水-冷媒熱交換器26の冷却水が循環する第1冷却水循環部における一方の端部に連通する。図15に示すように、第1流通口192aの開口端部の外周には、第1溝部193aが設けられる。
図16に示すように、第1溝部193aには、第1封止部材としてのOリング194aが挿入される。Oリング194aは、第1溝部193aに挿入された状態で接続プレート190との間で積層方向に圧縮されて、第1流通口192aの外周をシールする。
図14に示すように、第2流通口192bは、本体部191cにおける接続プレート190に臨む面に開口する。第2流通口192bは、流路切換弁101の接続孔112Aに連通する。図15に示すように、第2流通口192bの開口端部の外周には、第2溝部193bが設けられる。第2溝部193bには、第2封止部材としてのOリング194bが挿入される。Oリング194bの機能については、Oリング194aと同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
図14に示すように、第3流通口192cは、本体部191cにおける接続プレート190に臨む面に開口する。第3流通口192cは、冷却水-冷媒熱交換器26の冷却水が循環する第1冷却水循環部における他方の端部に連通する。即ち、第3流通口192cは、冷却水-冷媒熱交換器26の第1冷却水循環部を介して第1流通口192aと連通している。図15に示すように、第3流通口192cの開口端部の外周には、第3溝部193cが設けられる。第3溝部193cには、第3封止部材としてのOリング194cが挿入される。Oリング194cの機能については、Oリング194aと同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
図14に示すように、第4流通口192dは、本体部191cにおける接続プレート190に臨む面に開口する。第4流通口192dは、流路切換弁101の接続孔112Cに連通する。図15に示すように、第4流通口192dの開口端部の外周には、第4溝部193dが設けられる。第4溝部193dには、第4封止部材としてのOリング194dが挿入される。Oリング194dの機能については、Oリング194aと同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
なお、本実施形態では、第1溝部193a,第2溝部193b,第3溝部193c,及び第4溝部193dは、接続アダプタ191のみに設けられるが、これに代えて、Oリング194a,Oリング104b,Oリング194c,及びOリング194dが挿入される溝部を接続プレート190に設けてもよく、接続プレート190と接続アダプタ191との両方に設けてもよい。
図15に示すように、流路部195は、第1流路部195aと、第2流路部195bと、を有する。第1流路部195aは、第1流通口192aと第2流通口192bとを連通させる。第2流路部195bは、第3流通口192cと第4流通口192dとを連通させる。
図17に示すように、流路部195は、積層方向と直交する直交方向に延びる。これにより、冷却水-冷媒熱交換器26、流路部195、及び流路切換弁101の接続孔112(112A又は112C)を連通させて冷却水の流れをUターンさせる一対のUターン流路196が形成される。
以上の第2変形例に係る熱交換装置100では、一対の弁体収容部111には、少なくとも2つの接続孔112と連通孔113とが周方向に十字状になるように各々配置され、連通孔113に対して垂直に各々の弁体収容部111から同方向に延びる一対の接続孔112(112A及び112C)は、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置される。また、積層方向の一端側に配置される一対の接続孔112(112A及び112C)は、接続アダプタ191によって、冷却水-冷媒熱交換器26と冷却水が流通可能に接続される。よって、冷却水-冷媒熱交換器26と接続される接続孔112(112A及び112C)は、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置されるので、冷却水-冷媒熱交換器26との接続を容易にできる。したがって、冷却水-冷媒熱交換器26と流路切換弁101とのモジュール化を容易にすることができる。
<熱交換装置の第3変形例>
次に、図18から図21を参照して、熱交換装置100の第3変形例について説明する。図18は、第3変形例に係る熱交換装置100の斜視図である。図19は、第3変形例に係る熱交換装置100の別の角度からの斜視図である。図20は、第3変形例に係る熱交換装置100の分解図である。図21は、図18におけるXXI-XXI断面図である。この第3変形例は、図13から図17に示す第2変形例に係る熱交換装置100とは、接続アダプタ191が第1接続アダプタ191Aと第2接続アダプタ191Bとを有する点で異なる。
図18に示すように、熱交換装置100は、熱交換器としての冷却水-冷媒熱交換器26と、流路切換弁101と、接続プレート190と、接続アダプタ191と、を備える。
接続アダプタ191は、第1接続アダプタ191Aと、第2接続アダプタ191Bと、を有する。即ち、接続アダプタ191は、第1接続アダプタ191Aと第2接続アダプタ191Bとに分割して形成される。
第1接続アダプタ191Aは、第1流通口192aと、第2流通口192bと、第1流路部195aと、を有する。第1接続アダプタ191Aは、第2接続アダプタ191Bと積層方向に重合する重合部としての第1重合部191eを有する。
第2接続アダプタ191Bは、第3流通口192cと、第4流通口192dと、第2流路部195bと、を有する。第2接続アダプタ191Bは、第1接続アダプタ191Aの重合部191eと積層方向に重合する重合部としての第2重合部191fを有する。
このように、第1接続アダプタ191A及び第2接続アダプタ191Bは、積層方向に一部が重合する重合部191e,191fを有する。第1接続アダプタ191A及び第2接続アダプタ191Bは、一方の重合部191e,191fにて接続プレート190を介して冷却水-冷媒熱交換器26と共締めされて固定される。図19に示すように、第1接続アダプタ191A及び第2接続アダプタ191Bは、他方の重合部191e,191fにて流路切換弁101と共締めされて固定される。
第1接続アダプタ191A及び第2接続アダプタ191Bは、重合部191e,191fにて冷却水-冷媒熱交換器26と流路切換弁101との一方のみと共締めされて固定されてもよい。即ち、第1接続アダプタ191A及び第2接続アダプタ191Bは、重合部191e,191fにて冷却水-冷媒熱交換器26と流路切換弁101との少なくとも一方に固定される。
図20に示すように、接続プレート190は、筒状に形成されて接続アダプタ191と連通する連通路を形成する一対の凸部190c,190dを有する。凸部190c,190dは、接続アダプタ191に臨む同じ平面から同方向(積層方向)に突出するように形成される。図21に示すように、凸部190c,190dの外周には、封止部材としてのOリング190g,190hが挿入される溝部としてのOリング溝190e,190fが形成される。
第1接続アダプタ191Aの第1流通口192aには、一方の凸部190cが挿入される。即ち、第1流通口192aが第1凹部に相当する。第2接続アダプタ191Bの第3流通口192cには、他方の凸部190dが挿入される。即ち、第3流通口192cが第2凹部に相当する。
第1流通口192aは、凸部190cが挿入された状態でOリング190gを径方向に圧縮する。これにより、第1流通口192aと凸部190cとの間がシールされる。同様に、第3流通口192cは、凸部190dが挿入された状態でOリング190hを径方向に圧縮する。これにより、第3流通口192cと凸部190dとの間がシールされる。
以上の第3変形例に係る熱交換装置100によれば、第2変形例と同様に、冷却水-冷媒熱交換器26と流路切換弁101とのモジュール化を容易にすることができる。
また、接続アダプタ191が第1接続アダプタ191Aと第2接続アダプタ191Bとに分割して形成されるので、アルミニウム合金によって形成される冷却水-冷媒熱交換器26と樹脂によって形成される接続アダプタ191との熱膨張率の相違に起因する熱膨張量の違いを重合部191e,191fによって吸収することができる。
<熱交換装置の第4変形例>
次に、図22から図24を参照して、熱交換装置100の第4変形例について説明する。図22は、第4変形例に係る熱交換装置100の正面図である。図23は、図22における分解図である。図24は、第4変形例に係る熱交換装置100の組み立てについて説明する正面図である。この第4変形例は、図13から図17に示す第2変形例に係る熱交換装置100とは、接続プレート190及び接続アダプタ191の形状が異なる。
図22及び図23に示すように、熱交換装置100は、熱交換器としての冷却水-冷媒熱交換器26と、流路切換弁101と、接続プレート190と、接続アダプタ191と、を備える。
接続プレート190は、延長部190iと、第1貫通流路190jと、第2貫通流路190kと、を有する。
延長部190iは、冷却水-冷媒熱交換器26が設けられない位置まで延長して設けられる。延長部190iにおけるろう付け面190a側には、流路切換弁101が設けられる。延長部190iと流路切換弁101との間には、接続孔112Aと接続孔112Cとの各々が接続される接続面との間をシールする封止部材としてのOリング112gが設けられる。
第1貫通流路190jは、接続プレート190を厚さ方向に貫通して形成される。第1貫通流路190jには、冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通する。
第2貫通流路190kは、接続プレート190を厚さ方向に貫通して形成される。第2貫通流路190kには、流路切換弁101との間で冷却水が流通する。
接続アダプタ191は、外周を封止部材としてのOリング197aで囲まれた状態で接続プレート190に取り付けられる凹部197を有する。
凹部197は、接続プレート190が取り付けられることによって閉塞されて、冷却水が流通する流路部195を形成する。
これにより、冷却水-冷媒熱交換器26と流路切換弁101との間では、第1貫通流路190j、流路部195、及び第2貫通流路190kを通じて冷却水が流れる。
図24に示すように、第4の変形例では、接続プレート190のろう付け面190aにOリング112gを介して流路切換弁101を取り付けた状態でボルト締結し、接続プレート190の裏面190bにOリング197aを介して接続アダプタ191を取り付けた状態でボルト締結するだけで熱交換装置100を組み立てることができる。
以上の第4変形例に係る熱交換装置100によれば、第2変形例及び第3変形例と同様に、冷却水-冷媒熱交換器26と流路切換弁101とのモジュール化を容易にすることができる。
ここで、図17に示すように、第2変形例に係る熱交換装置100では、流路部195を形成するために、接続アダプタ191の樹脂成形時に流路部195と同じ形状のスライダ部材(図示省略)を挿入しておき、樹脂成形後にプラグ195cを取り付けてスライダ部材が挿入されていた開口部を閉塞する必要がある。
これに対して、図23に示すように、第4変形例に係る熱交換装置100では、凹部197の開口部を接続プレート190で塞ぐだけで流路部195を形成することができる。よって、接続アダプタ191の樹脂成形時にスライダ部材を設ける必要がなく、スライダ部材が挿入されていた開口部を閉塞するためにプラグを取り付ける必要もない。したがって、接続アダプタ191の成形が容易である。
また、第4変形例に係る熱交換装置100では、接続プレート190が延長部190iを有するので、接続アダプタ191内を流れる冷却水の接続プレート190との接触面積が大きい。よって、冷却水-冷媒熱交換器26の外部における冷却水の熱交換量を増大させることができる。
<第2実施形態>
次に、図25から図29を参照して、本発明の第2実施形態に係る熱交換装置300が適用される温度制御システム201について説明する。図25は、熱交換装置300が適用される温度制御システム201の構成図である。図26は、熱交換装置300の底面図である。図27は、温度制御システム201が第1運転モードで運転される場合について説明する図である。図28は、温度制御システム201が第2運転モードで運転される場合について説明する図である。図29は、温度制御システム201が第3運転モードで運転される場合について説明する図である。以下に示す各実施形態では、上述した熱交換装置100及び温度制御システム1と異なる点を中心に説明し、同様の機能を有する構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図25に示すように、温度制御システム201は、車両(図示省略)に搭載されるシステムであって、車室(図示省略)内の空調を行うと共に、駆動系発熱体としての駆動用モータ2を冷却して蓄電池3の温度を調整するものである。温度制御システム201は、空調装置10と、冷却水が循環する冷却水回路240と、を備える。空調装置10については、第1実施形態に係る空調装置10と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
<冷却水回路>
冷却水回路240は、第4回路としての第1冷却水回路260と、第5回路としての第2冷却水回路270と、バイパス回路としてのバイパス冷却水回路280と、熱交換装置300と、を有する。
第1冷却水回路260は、第1ポンプとしての電動ポンプ61と、駆動系発熱体熱交換部としての駆動系熱交換器63と、外部熱交換器としての室外熱交換器65と、熱交換装置300と、を有する。
電動ポンプ61は、駆動系熱交換器63の上流かつ室外熱交換器65の下流に設けられる。駆動系熱交換器63は、熱交換装置300の上流かつ電動ポンプ61の下流に設けられる。室外熱交換器65は、熱交換装置300の下流かつ電動ポンプ61の上流に設けられる。
第2冷却水回路270は、第2ポンプとしての電動ポンプ71と、加熱器としての電気温水ヒータ72と、蓄電池熱交換部としての蓄電池熱交換器73と、熱交換装置300と、を有する。
電動ポンプ71は、電気温水ヒータ72の上流かつ熱交換装置300の下流に設けられる。電気温水ヒータ72は、蓄電池熱交換器73の上流かつ電動ポンプ71の下流に設けられる。蓄電池熱交換器73は、熱交換装置300の上流かつ電気温水ヒータ72の下流に設けられる。
バイパス冷却水回路280は、室外熱交換器65をバイパスするように、熱交換装置300と第1冷却水回路260における電動ポンプ61の上流とを連結する。
図26に示すように、熱交換装置300は、熱交換器としての冷却水-冷媒熱交換器26と、流路切換弁301と、接続プレート(図示省略)と、接続アダプタ391と、を備える。
図27に示すように、流路切換弁301は、一対の弁体320と、弁体320を回転可能に収容するハウジング310と、を備えるロータリ弁である。
ハウジング310は、角部が曲面状に形成される略直方体形状の箱である。ハウジング310は、一対の弁体320を収容する。ハウジング310は、一対の弁体収容部311と、複数(ここでは5つ)の接続孔312と、連通孔313と、を有する。
弁体収容部311は、弁体320が回転可能に配置される円筒状の空間である。弁体収容部311は、一方の弁体320Aを収容する弁体収容部311Aと、他方の弁体320Bを収容する弁体収容部311Bと、を有する。一方の弁体収容部311Aには、2つの接続孔312と連通孔313とが周方向に十字状になるように配置される。他方の弁体収容部311Bには、3つの接続孔312と連通孔313とが周方向に十字状になるように配置される。
接続孔312は、弁体収容部311とハウジング310の外部とを連通させる。接続孔312は、弁体収容部311の内周面に開口する。接続孔312は、弁体収容部311における弁体320の周方向に並べて配置される。
接続孔312は、一方の弁体320Aを挟むように設けられる第1接続孔としての接続孔312A及び第2接続孔としての接続孔312Bと、他方の弁体320Bを挟むように設けられる第3接続孔としての接続孔312C及び第4接続孔としての接続孔312Dと、他方の弁体収容部311Bにて連通孔313の延長線に設けられる第5接続孔としての接続孔312Eと、を有する。
弁体収容部311Aには、接続孔312Aと接続孔312Bと連通孔313とが、周方向に90度間隔で順に設けられる。即ち、接続孔312Aと接続孔312Bとは同じ直線上に設けられ、連通孔313の延長線上に設けられる直線とは直角に交差する。弁体収容部311Bには、接続孔312Dと接続孔312Eと接続孔312Cと連通孔313とが、周方向に90度間隔で順に設けられる。即ち、接続孔312Cと接続孔312Dとは同じ直線上に設けられ、接続孔312Eと連通孔313とは同じ直線上に設けられ、これらの直線は互いに直角に交差する。
接続孔312Aは、第1冷却水回路260に連通し、接続孔312Bは、後述する接続アダプタ391に連通する。接続孔312Cは、バイパス冷却水回路280に連通し、接続孔312Dは、後述する接続アダプタ391に連通し、接続孔312Eは、第2冷却水回路270に連通する。
連通孔313は、各々の弁体収容部311の間を連通させる。連通孔313は、接続孔312Eの延長線上に設けられる。連通孔313は、弁体収容部311の内周面に開口する。
一方の弁体収容部311Aは、積層方向の一端側に配置される一対の接続孔312A,312Cのうち一方(接続孔312A)と接続アダプタ391と冷却水-冷媒熱交換器26とを介して、外部に設けられる室外熱交換器65と駆動用モータ2と熱交換を行う駆動系熱交換器63とを含む第1冷却水回路260に接続される。他方の弁体収容部311Bは、積層方向の一端側に配置される一対の接続孔312A,312Cのうち他方(接続孔312C)と接続アダプタ391とを介して、駆動用モータ2への電力を供給可能な蓄電池3と熱交換を行う蓄電池熱交換器73とを含む第2冷却水回路270に接続される。他方の弁体収容部311Bの接続孔312Dと第1冷却水回路260とには、室外熱交換器65をバイパスするバイパス冷却水回路280が接続される。
即ち、熱交換装置300では、連通孔313に対して垂直に各々の弁体収容部311A,311Bから同方向に延びる一対の接続孔312A,312Cは、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置され、積層方向の一端側に配置される一対の接続孔312A,312Cのうち一方(接続孔312A)は、冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に接続される。
弁体320は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体320は、略円柱状に形成される。弁体320は、一方の弁体収容部311Aに収容される弁体320Aと、他方の弁体収容部311Bに収容される弁体320Bと、を有する。一対の弁体320は、各々の回転中心軸が互いに平行になるように並べて配置される。
弁体320Aには、十字状に配置される接続孔312及び連通孔313のうち隣り合う2か所若しくは3か所をT字状に連結するT字通路324が内部に画成される。換言すると、T字通路324は、接続孔312と連通孔313とのうちいずれか一つを遮断し他を連結するものである。このT字通路324が、弁内通路に該当する。これに限らず、弁体320Aには、少なくとも一つの弁内通路が内部に画成されればよい。
弁体320Bには、回転中心を挟んで一方側通路321と他方側通路322とが内部に画成される。これらの一方側通路321と他方側通路322とが、弁内通路に該当する。これに限らず、弁体320Bには、少なくとも一つの弁内通路が内部に画成されればよい。
一方側通路321の一対の開口部は、弁体320の外周に周方向に90度間隔で設けられる。また、他方側通路322の一対の開口部は、弁体320の外周に周方向に90度間隔で設けられる。即ち、一方側通路321の一対の開口部と他方側通路322の一対の開口部とは、弁体320の外周に周方向に90度間隔で並べて配置される。
図26に示すように、接続アダプタ391は、本体部391cと、第1流通口392aと、第2流通口392bと、第3流通口392cと、第4流通口392dと、第5流通口392eと、第6流通口392fと、第1流路部395aと、第2流路部395bと、第3流路部395cと、を有する。
本体部391cは、上述した第1実施形態の第2変形例から第4変形例に係る熱交換装置100のいずれかと同様の構造が適用されるものである。
第1流通口392aは、本体部391cにおける接続プレートに臨む面に開口する。第1流通口392aは、冷却水-冷媒熱交換器26の冷却水が循環する第1冷却水循環部における一方の端部に連通する。
第2流通口392bは、本体部391cにおける接続プレートに臨む面に開口する。第2流通口392bは、流路切換弁301の接続孔312Aに連通する。
第3流通口392cは、本体部391cにおける接続プレートに臨む面に開口する。第3流通口392cは、冷却水-冷媒熱交換器26の冷却水が循環する第1冷却水循環部における他方の端部に連通する。即ち、第3流通口392cは、冷却水-冷媒熱交換器26の第1冷却水循環部を介して第1流通口392aと連通している。
第4流通口392dは、本体部391cにおける接続プレートに臨む面に開口する。第4流通口392dは、流路切換弁301の接続孔312Cに連通する。
第5流通口392eは、本体部391cの側面に開口する。第5流通口392eは、第2冷却水回路270における蓄電池熱交換器73の下流に接続される。
第6流通口392fは、本体部391cの側面に開口する。第6流通口392fは、図26に示すように第5流通口392eと同じ側面に開口してもよく、図27に示すように第5流通口392eとは異なる側面に開口してもよい。第6流通口392fは、第1冷却水回路260における駆動系熱交換器63の下流に接続される。
第1流路部395aは、第1流通口392aと第2流通口392bとを連通させる。第2流路部395bは、第4流通口392dと第5流通口392eとを連通させる。第3流路部395cは、第3流通口392cと第6流通口392fとを連通させる。
<各運転モード>
続いて、図27から図29を参照して、温度制御システム201の各運転モードについて説明する。なお、図27から図29では、冷凍サイクル回路20は複数の運転モードで運転可能な場合もあるため、特定の運転モードの場合の冷媒の流通及び停止については図示していない。
<第1運転モード>
図27は、温度制御システム201が第1運転モードで運転される場合について説明する図である。
冷却水回路240では、流路切換弁301が第1モードに切り換えられ、第1冷却水回路260と第2冷却水回路270とが連結されている。
流路切換弁301の第1モードでは、弁体320Aは、接続孔312Aと接続孔312Bと連通孔313とをすべて連通させており、弁体320Bは、接続孔312Cと連通孔313とを連通させ、接続孔312Dと接続孔312Eとを連通させている。
第1冷却水回路260では、電動ポンプ61が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ61から吐出された冷却水は、駆動系熱交換器63に導かれる。駆動系熱交換器63では、駆動用モータ2と熱交換を行い、駆動用モータ2が冷却される。駆動用モータ2との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、第6流通口392fから接続アダプタ391内に流入し、第3流路部395c及び第3流通口392cを介して冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる。
冷却水-冷媒熱交換器26では、冷却水の熱によって、冷凍サイクル回路20内の冷媒を蒸発させる。冷却水-冷媒熱交換器26では、冷媒との熱交換によって冷却水の温度が低下する。冷却水-冷媒熱交換器26にて温度が低下した冷却水は、第1流通口392aから再び接続アダプタ391内に流入する。
接続アダプタ391内に流入した冷却水は、第1流路部395a,第2流通口392b,及び接続孔312Aを介して、弁体320AのT字通路324に導かれる。T字通路324では、後述する蓄電池熱交換器73から導かれる冷却水と合流する。合流した冷却水は、接続孔312Bを介して流路切換弁301内から流出する。
流路切換弁301から流出した冷却水は、室外熱交換器65に導かれる。室外熱交換器65では、外気との熱交換が行われ、冷却水の温度が低下する。室外熱交換器65を通過した冷却水は、分岐して一部が再び電動ポンプ61に供給される。
一方、分岐した冷却水の残りは、バイパス冷却水回路280に導かれる。バイパス冷却水回路280に導かれた冷却水は、接続孔312Dから弁体320Bの他方側通路322に流入し、接続孔312Eから第2冷却水回路270に導かれる。
第2冷却水回路270では、電動ポンプ71が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ71から吐出された冷却水は、電気温水ヒータ72及び蓄電池熱交換器73に導かれる。電気温水ヒータ72は、蓄電池3の温度が低く、蓄電池3を加熱する必要がある場合に作動する。即ち、ここでは電気温水ヒータ72は作動していない。蓄電池熱交換器73では、蓄電池3と熱交換を行い、蓄電池3が冷却される。
蓄電池3との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、第5流通口392eから接続アダプタ391内に流入し、第2流路部395bを介して第4流通口392dから弁体320Bの一方側通路321に流入する。一方側通路321に流入した冷却水は、連通孔313を通じて弁体320AのT字通路324に導かれて、冷却水-冷媒熱交換器26を通過して流入した冷却水と合流する。
以上のように、第1運転モードでは、駆動用モータ2及び蓄電池3を、室外熱交換器65における外部との熱交換を利用して冷却することができる。
<第2運転モード>
図28は、温度制御システム201が第2運転モードで運転される場合について説明する図である。
冷却水回路240では、流路切換弁301が第2モードに切り換えられ、第1冷却水回路260(バイパス冷却水回路280を含む)と第2冷却水回路270とが共に独立している。流路切換弁301の第2モードは、第1モードから弁体320Aと弁体320Bとが共に反時計回りに90°回転した状態である。
流路切換弁301の第2モードでは、弁体320Aは、接続孔312Aと連通孔313とを連通させ、接続孔312Bを遮断しており、弁体320Bは、接続孔312Dと連通孔313とを連通させ、接続孔312Cと接続孔312Eとを連通させている。
第1冷却水回路260では、電動ポンプ61が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ61から吐出された冷却水は、駆動系熱交換器63に導かれる。駆動系熱交換器63では、駆動用モータ2と熱交換を行い、駆動用モータ2が冷却される。駆動用モータ2との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、第6流通口392fから接続アダプタ391内に流入し、第3流路部395c及び第3流通口392cを介して冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる。
冷却水-冷媒熱交換器26では、冷却水の熱によって、冷凍サイクル回路20内の冷媒を蒸発させる。冷却水-冷媒熱交換器26では、冷媒との熱交換によって冷却水の温度が低下する。冷却水-冷媒熱交換器26にて温度が低下した冷却水は、第1流通口392aから再び接続アダプタ391内に流入する。
接続アダプタ391内に流入した冷却水は、第1流路部395a,第2流通口392b,及び接続孔312Aを介して、弁体320AのT字通路324に導かれる。このとき、T字通路324は、接続孔312Aと連通孔313とを連通させて他を遮断している。T字通路324を通過した冷却水は、連通孔313を介して弁体320Bの一方側通路321に導かれる。一方側通路321を通過した冷却水は、接続孔312Dを介して流路切換弁301内から流出する。
流路切換弁301から流出した冷却水は、室外熱交換器65をバイパスするバイパス冷却水回路280に導かれる。バイパス冷却水回路280を通過した冷却水は、再び電動ポンプ61に供給される。
第2冷却水回路270では、電動ポンプ71が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ71から吐出された冷却水は、電気温水ヒータ72及び蓄電池熱交換器73に導かれる。電気温水ヒータ72は、蓄電池3の温度が低く、蓄電池3を加熱する必要がある場合に作動する。即ち、ここでは電気温水ヒータ72は作動していない。蓄電池熱交換器73では、蓄電池3と熱交換を行い、蓄電池3が冷却される。
蓄電池3との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、第5流通口392eから接続アダプタ391内に流入する。接続アダプタ391内に流入した冷却水は、第2流路部395bを介して第4流通口392dから弁体320Bの他方側通路322に流入し、再び電動ポンプ71に供給される。
以上のように、第2運転モードでは、駆動用モータ2の廃熱を回収し、冷却水-冷媒熱交換器26を通じて冷媒を加熱することができる。
<第3運転モード>
図29は、温度制御システム201が第3運転モードで運転される場合について説明する図である。
冷却水回路240では、流路切換弁301が第3モードに切り換えられ、第1冷却水回路260と第2冷却水回路270とが共に独立している。流路切換弁301の第3モードは、第2モードから弁体320Aのみが反時計回りに更に90°回転した状態である。
流路切換弁301の第3モードでは、弁体320Aは、接続孔312Aと接続孔312Bとを連通させ、連通孔313を遮断しており、弁体320Bは、接続孔312Dと連通孔313とを連通させ、接続孔312Cと接続孔312Eとを連通させている。
第1冷却水回路260では、電動ポンプ61が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ61から吐出された冷却水は、駆動系熱交換器63に導かれる。駆動系熱交換器63では、駆動用モータ2と熱交換を行い、駆動用モータ2が冷却される。駆動用モータ2との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、第6流通口392fから接続アダプタ391内に流入し、第3流路部395c及び第3流通口392cを介して冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる。
冷却水-冷媒熱交換器26では、冷却水の熱によって、冷凍サイクル回路20内の冷媒を蒸発させる。冷却水-冷媒熱交換器26では、冷媒との熱交換によって冷却水の温度が低下する。冷却水-冷媒熱交換器26にて温度が低下した冷却水は、第1流通口392aから再び接続アダプタ391内に流入する。
接続アダプタ391内に流入した冷却水は、第1流路部395a,第2流通口392b,及び接続孔312Aを介して弁体320AのT字通路324に導かれる。このとき、T字通路324は、接続孔312Aと接続孔312Bとを連通させて他を遮断している。T字通路324を通過した冷却水は、接続孔312Bを介して流路切換弁301内から流出する。
流路切換弁301から流出した冷却水は、室外熱交換器65に導かれる。室外熱交換器65では、外気との熱交換が行われ、冷却水の温度が低下する。室外熱交換器65を通過した冷却水は、再び電動ポンプ61に供給される。
第2冷却水回路270では、電動ポンプ71が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ71から吐出された冷却水は、電気温水ヒータ72及び蓄電池熱交換器73に導かれる。電気温水ヒータ72は、蓄電池3の温度が低く、蓄電池3を加熱する必要がある場合に作動する。即ち、ここでは電気温水ヒータ72は作動していない。蓄電池熱交換器73では、蓄電池3と熱交換を行い、蓄電池3が冷却される。
蓄電池3との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、第5流通口392eから接続アダプタ391内に流入し、第2流路部395bを介して第4流通口392dから弁体320Bの他方側通路322に流入する。他方側通路322に流入した冷却水は、接続孔312Eを介して再び電動ポンプ71に供給される。
以上のように、第3運転モードでは、駆動用モータ2を、室外熱交換器65における外部との熱交換を利用して冷却することができる。
以上の第2実施形態では、一方の弁体収容部311Aには2つの接続孔312A,312Bが連通し、他方の弁体収容部311Bには3つの接続孔312C,312D,312Eが連通し、一方の弁体収容部311Aは、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向の一端側に配置される一対の接続孔312A,312Cのうち一方(接続孔312A)と冷却水-冷媒熱交換器26とを介して、第1冷却水回路260に接続され、他方の弁体収容部311Bは、積層方向の一端側に配置される一対の接続孔312A,312Cのうち他方(接続孔312C)を含む第2冷却水回路270と接続され、他方の弁体収容部311Bの他の接続孔312Dと第1冷却水回路260とを連結するバイパス冷却水回路280に接続される。第1冷却水回路260は、外部に設けられる室外熱交換器65と、駆動用モータ2と熱交換を行う駆動系熱交換器63と、を有し、第2冷却水回路270は、駆動用モータ2への電力を供給可能な蓄電池3と熱交換を行う蓄電池熱交換器73を有する。
これにより、多彩な運転モードに切り換え可能な冷却水回路240を、簡素な構成によって得ることができる。
<第3実施形態>
次に、図30から図35を参照して、本発明の第3実施形態に係る熱交換装置500が適用される温度制御システム401について説明する。図30は、熱交換装置500が適用される温度制御システム401の構成図である。図31は、熱交換装置500の底面図である。図32は、温度制御システム401が第1運転モードで運転される場合について説明する図である。図33は、温度制御システム401が第2運転モードで運転される場合について説明する図である。図34は、温度制御システム401が第3運転モードで運転される場合について説明する図である。図35は、温度制御システム401が第4運転モードで運転される場合について説明する図である。
図30に示すように、温度制御システム401は、車両(図示省略)に搭載されるシステムであって、車室(図示省略)内の空調を行うと共に、駆動系発熱体としての駆動用モータ2を冷却して蓄電池3の温度を調整するものである。温度制御システム401は、空調装置10と、冷却水が循環する冷却水回路440と、を備える。空調装置10については、第1実施形態に係る空調装置10と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
<冷却水回路>
冷却水回路440は、第2回路としての第1冷却水回路460と、第3回路としての第2冷却水回路470と、第1回路としての第3冷却水回路480と、熱交換装置500と、を有する。
第1冷却水回路460は、第1ポンプとしての電動ポンプ61と、駆動系発熱体熱交換部としての駆動系熱交換器63と、熱交換装置500と、を有する。
電動ポンプ61は、駆動系熱交換器63の上流かつ熱交換装置500の下流に設けられる。駆動系熱交換器63は、熱交換装置500の上流かつ電動ポンプ61の下流に設けられる。
第2冷却水回路270は、第2ポンプとしての電動ポンプ71と、加熱器としての電気温水ヒータ72と、蓄電池熱交換部としての蓄電池熱交換器73と、熱交換装置500と、を有する。
電動ポンプ71は、電気温水ヒータ72の上流かつ熱交換装置500の下流に設けられる。電気温水ヒータ72は、蓄電池熱交換器73の上流かつ電動ポンプ71の下流に設けられる。蓄電池熱交換器73は、熱交換装置500の上流かつ電気温水ヒータ72の下流に設けられる。
第3冷却水回路480は、外部熱交換器としての室外熱交換器65を有する。
図31に示すように、熱交換装置500は、熱交換器としての冷却水-冷媒熱交換器26と、流路切換弁501と、接続プレート(図示省略)と、接続アダプタ591と、を備える。
図32に示すように、流路切換弁501は、一対の弁体520と、弁体520を回転可能に収容するハウジング510と、を備えるロータリ弁である。
ハウジング510は、角部が曲面状に形成される略直方体形状の箱である。ハウジング510は、一対の弁体520を収容する。ハウジング510は、一対の弁体収容部511と、複数(ここでは4つ)の接続孔512と、連通孔513と、を有する。
弁体収容部511は、弁体520が回転可能に配置される円筒状の空間である。弁体収容部511は、一方の弁体520Aを収容する弁体収容部511Aと、他方の弁体520Bを収容する弁体収容部511Bと、を有する。一方の弁体収容部511Aには、2つの接続孔512と連通孔513とが周方向に十字状になるように配置される。他方の弁体収容部511Bには、2つの接続孔512と連通孔513とが周方向に十字状になるように配置される。
接続孔512は、弁体収容部511とハウジング510の外部とを連通させる。接続孔512は、弁体収容部511の内周面に開口する。接続孔512は、弁体収容部511における弁体520の周方向に並べて配置される。
接続孔512は、弁体収容部511Aにて連通孔513と直角に交差するように設けられる第1接続孔としての接続孔512Aと、弁体収容部511Aにて連通孔513の延長線に設けられる第2接続孔としての接続孔512Bと、弁体収容部511Bにて連通孔513と直角に交差するように設けられる第3接続孔としての接続孔512Cと、弁体収容部511Bにて連通孔513の延長線に設けられる第4接続孔としての接続孔512Dと、を有する。
弁体収容部511Aには、接続孔512Aと接続孔512Bと連通孔513とが、周方向に90度間隔で順に設けられる。接続孔512Bと連通孔513とは同じ直線上に設けられ、接続孔512Aの延長線上に設けられる直線とは直角に交差する。弁体収容部511Bには、接続孔512Cと接続孔512Dと連通孔513とが、周方向に90度間隔で順に設けられる。接続孔512Dと連通孔513とは同じ直線上に設けられ、接続孔512Cの延長線上に設けられる直線とは直角に交差する。
接続孔512Aは、後述する接続アダプタ591に連通し、接続孔512Bは、第2冷却水回路470に連通する。接続孔512Cは、後述する接続アダプタ591に連通し、接続孔512Dは、第1冷却水回路460に連通する。
連通孔513は、各々の弁体収容部511の間を連通させる。連通孔513は、接続孔512B,512Dの延長線上に設けられる。連通孔513は、弁体収容部511の内周面に開口する。
弁体520は、回転中心軸まわりに回転可能に一対設けられる。弁体520は、略円柱状に形成される。弁体520は、一方の弁体収容部511Aに収容される弁体520Aと、他方の弁体収容部511Bに収容される弁体520Bと、を有する。一対の弁体520は、各々の回転中心軸が互いに平行になるように並べて配置される。
弁体520A及び弁体520Bには、十字状に配置される接続孔512及び連通孔513のうち隣り合う2か所若しくは3か所をT字状に連結するT字通路524が内部に画成される。換言すると、T字通路524は、接続孔512と連通孔513とのうちいずれか一つを遮断し他を連結するものである。このT字通路524が、弁内通路に該当する。
図31に示すように、接続アダプタ591は、本体部591cと、第1流通口592aと、第2流通口592bと、第3流通口592cと、第4流通口592dと、第5流通口592eと、第6流通口592fと、第7流通口592gと、第8流通口592hと、第1流路部595aと、第2流路部595bと、第3流路部595cと、を有する。
本体部591cは、上述した第1実施形態の第2変形例から第4変形例に係る熱交換装置100のいずれかと同様の構造が適用されるものである。
第1流通口592aは、本体部591cにおける接続プレートに臨む面に開口する。第1流通口592aは、冷却水-冷媒熱交換器26の冷却水が循環する第1冷却水循環部における一方の端部に連通する。
第2流通口592bは、本体部591cにおける接続プレートに臨む面に開口する。第2流通口592bは、流路切換弁501の接続孔521Aに連通する。
第3流通口592cは、本体部591cにおける接続プレートに臨む面に開口する。第3流通口592cは、冷却水-冷媒熱交換器26の冷却水が循環する第1冷却水循環部における他方の端部に連通する。即ち、第3流通口592cは、冷却水-冷媒熱交換器26の第1冷却水循環部を介して第1流通口592aと連通している。
第4流通口592dは、本体部591cにおける接続プレートに臨む面に開口する。第4流通口592dは、流路切換弁501の接続孔512Cに連通する。
第5流通口592eは、本体部591cの側面に開口する。第5流通口592eは、第1冷却水回路460における電動ポンプ61の上流に接続される。
第6流通口592fは、本体部591cの側面に開口する。第6流通口592fは、図31に示すように第5流通口592eと同じ側面に開口してもよく、図32に示すように第5流通口592eとは異なる側面に開口してもよい。第6流通口592fは、第2冷却水回路470における電動ポンプ71の上流に接続される。
第7流通口592gは、本体部591cの側面に開口する。第7流通口592gは、図31に示すように第5流通口592e及び第6流通口592fと同じ側面に開口してもよく、図32に示すように第5流通口592e及び第6流通口592fとは異なる側面に開口してもよい。第7流通口592gは、第3冷却水回路480における室外熱交換器65の下流に接続される。
第8流通口592hは、本体部591cの側面に開口する。第8流通口592hは、図31に示すように第5流通口592eと同じ側面に開口してもよく、図32に示すように第5流通口592eとは異なる側面に開口してもよい。第8流通口592hは、第3冷却水回路480における室外熱交換器65の上流に接続される。
第1流路部595aは、第1流通口592aと第2流通口592bとを連通させる。第2流路部595bは、第4流通口392dと第8流通口392hとを連通させる。第3流路部595cは、第3流通口592cと第5流通口592eと第6流通口592fと第7流通口592gとを連通させる。
接続アダプタ591には、第3流通口592cからの冷却水と第7流通口592gからの冷却水との流れを合流させる合流部598aと、第5流通口592eと第6流通口592fとに冷却水の流れを分岐させる分岐部598bと、が形成される。なお、接続アダプタ591内に合流部598aと分岐部598bとを共に設けるが、運転モードによっては合流部598aと分岐部598bとの一方のみが機能する場合もある。即ち、接続アダプタ591は、合流部598aと分岐部598bとの少なくとも一方を有する。
これにより、一方の弁体収容部511Aは、積層方向の一端側に配置される一対の接続孔512A,512Cのうち一方(接続孔512A)と接続アダプタ591とを介して冷却水-冷媒熱交換器26に接続され、他方の弁体収容部511Bは、外部に設けられる室外熱交換器65を介して合流部598aに接続される。また、分岐部598bは、駆動用モータ2と熱交換を行う駆動系熱交換器63を介して他方の弁体収容部511Bに接続される流路と、駆動用モータ2への電力を供給可能な蓄電池3と熱交換を行う蓄電池熱交換器73を介して一方の弁体収容部511Aに接続される流路と、に冷却水の流れを分岐させる。
このように、接続アダプタ591内に合流部598aと分岐部598bとが設けられることで、接続アダプタ591内で冷却水の流れを合流及び分岐させることができるので、接続アダプタ591の外部に設けられる配管を簡素化することができる。また、接続アダプタ591は、室外熱交換器65に冷却水を流通させる熱交換器通路の一部を形成するので、配管を更に簡素化することができる。
<各運転モード>
続いて、図32から図35を参照して、温度制御システム401の各運転モードについて説明する。なお、図32から図35では、冷凍サイクル回路20は複数の運転モードで運転可能な場合もあるため、特定の運転モードの場合の冷媒の流通及び停止については図示していない。
<第1運転モード>
図32は、温度制御システム401が第1運転モードで運転される場合について説明する図である。
冷却水回路440では、流路切換弁501が第1モードに切り換えられ、第1冷却水回路460を流れる冷却水と第2冷却水回路470とを流れる冷却水とが、流路切換弁501内で合流して冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる。
流路切換弁501の第1モードでは、弁体520Aは、T字通路524が接続孔512Aと接続孔512Bと連通孔513とを連通させており、弁体520Bは、T字通路524が接続孔512Dと連通孔513とを連通させ、接続孔512Cを遮断している。
第1冷却水回路460では、電動ポンプ61が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ61から吐出された冷却水は、駆動系熱交換器63に導かれる。駆動系熱交換器63では、駆動用モータ2と熱交換を行い、駆動用モータ2が冷却される。駆動用モータ2との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、接続孔512Dから流路切換弁501内に流入する。
接続孔512Dから流路切換弁501内に流入した冷却水は、接続孔512Bから流入した冷却水と合流して接続孔512Aから流出する。接続孔512Aから流出した冷却水は、第2流通口592bを介して接続アダプタ591内に流入し、第1流路部595a及び第1流通口592aを介して冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる。
冷却水-冷媒熱交換器26では、冷却水の熱によって、冷凍サイクル回路20内の冷媒を蒸発させる。即ち、冷却水の熱が冷媒に回収される。冷却水-冷媒熱交換器26では、冷媒との熱交換によって冷却水の温度が低下する。冷却水-冷媒熱交換器26にて温度が低下した冷却水は、第3流通口592cから再び接続アダプタ591内に流入する。
接続アダプタ591内に流入した冷却水は、分岐部598bにて分岐して、第3流路部595cを介して第5流通口592eと第6流通口592fとから流出する。第5流通口592eから流出する冷却水は、再び電動ポンプ61に供給される。第6流通口592fから流出する冷却水は、第2冷却水回路470に導かれる。
第2冷却水回路470では、電動ポンプ71が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ71から吐出された冷却水は、電気温水ヒータ72及び蓄電池熱交換器73に導かれる。電気温水ヒータ72は、蓄電池3の温度が低く、蓄電池3を加熱する必要がある場合に作動する。即ち、ここでは電気温水ヒータ72は作動していない。蓄電池熱交換器73では、蓄電池3と熱交換を行い、蓄電池3が冷却される。
蓄電池3との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、接続孔512Bを介して弁体520AのT字通路524に導かれ、第1冷却水回路460から流入した冷却水と合流する。
以上のように、第1運転モードでは、駆動用モータ2及び蓄電池3の廃熱を回収し、冷却水-冷媒熱交換器26を通じて冷媒を加熱することができる。
<第2運転モード>
図33は、温度制御システム401が第2運転モードで運転される場合について説明する図である。
冷却水回路440では、流路切換弁501が第2モードに切り換えられ、第1冷却水回路460を流れる冷却水と第2冷却水回路470とを流れる冷却水とが、流路切換弁501内で合流して第3冷却水回路480に導かれる。流路切換弁501の第2モードは、第1モードから弁体520Aと弁体520Bとが共に180°回転した状態である。
流路切換弁501の第2モードでは、弁体520Aは、T字通路524が接続孔512Bと連通孔513とを連通させ、接続孔512Aを遮断しており、弁体520Bは、弁体520Bは、T字通路524が接続孔512Cと接続孔512Dと連通孔513とを連通させている。
第1冷却水回路460では、電動ポンプ61が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ61から吐出された冷却水は、駆動系熱交換器63に導かれる。駆動系熱交換器63では、駆動用モータ2と熱交換を行い、駆動用モータ2が冷却される。駆動用モータ2との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、接続孔512Dから流路切換弁501内に流入する。
接続孔512Dから流路切換弁501内に流入した冷却水は、接続孔512Bから流入した冷却水と合流して接続孔512Cから流出する。接続孔512Cから流出した冷却水は、第4流通口592dを介して接続アダプタ591内に流入し、第2流路部595b及び第8流通口592hを介して第3冷却水回路480に導かれる。
第3冷却水回路480に導かれた冷却水は、室外熱交換器65にて外気との熱交換が行われ、温度が低下する。室外熱交換器65にて熱交換を行った冷却水は、第7流通口592gから再び接続アダプタ591内に流入する。
接続アダプタ591内に流入した冷却水は、分岐部598bにて分岐して、第3流路部595cを介して第5流通口592eと第6流通口592fとから流出する。第5流通口592eから流出する冷却水は、再び電動ポンプ61に供給される。第6流通口592fから流出する冷却水は、第2冷却水回路470に導かれる。
第2冷却水回路470では、電動ポンプ71が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ71から吐出された冷却水は、電気温水ヒータ72及び蓄電池熱交換器73に導かれる。電気温水ヒータ72は、蓄電池3の温度が低く、蓄電池3を加熱する必要がある場合に作動する。即ち、ここでは電気温水ヒータ72は作動していない。蓄電池熱交換器73では、蓄電池3と熱交換を行い、蓄電池3が冷却される。
蓄電池3との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、接続孔512Bを介して弁体520AのT字通路524に導かれる。弁体520AのT字通路524に導かれた冷却水は、連通孔513を通じて弁体520BのT字通路524に導かれて、第1冷却水回路460から流入した冷却水と合流する。
以上のように、第2運転モードでは、駆動用モータ2を、室外熱交換器65における外部との熱交換を利用して冷却することができる。
<第3運転モード>
図34は、温度制御システム401が第3運転モードで運転される場合について説明する図である。
冷却水回路440では、流路切換弁501が第3モードに切り換えられ、第1冷却水回路460のみを冷却水が流れる。流路切換弁501の第3モードは、第1モードから弁体320Aのみが反時計回りに90°回転した状態である。
流路切換弁501の第3モードでは、弁体520Aは、T字通路524が接続孔512Aと連通孔513とを連通させ、接続孔512Bを遮断しており、弁体520Bは、T字通路524が接続孔512Dと連通孔513とを連通させ、接続孔512Cを遮断している。
第1冷却水回路460では、電動ポンプ61が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ61から吐出された冷却水は、駆動系熱交換器63に導かれる。駆動系熱交換器63では、駆動用モータ2と熱交換を行い、駆動用モータ2が冷却される。駆動用モータ2との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、接続孔512Dから流路切換弁501内に流入する。
接続孔512Dから流路切換弁501内に流入した冷却水は、接続孔512Aから流出する。接続孔512Aから流出した冷却水は、第2流通口592bを介して接続アダプタ591内に流入し、第1流路部595a及び第1流通口592aを介して冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる。
冷却水-冷媒熱交換器26では、冷却水の熱によって、冷凍サイクル回路20内の冷媒を蒸発させる。即ち、冷却水の熱が冷媒に回収される。冷却水-冷媒熱交換器26では、冷媒との熱交換によって冷却水の温度が低下する。冷却水-冷媒熱交換器26にて温度が低下した冷却水は、第3流通口592cから再び接続アダプタ591内に流入する。
接続アダプタ591内に流入した冷却水は、分岐部598bにて分岐をせずに、第3流路部595cを介して第5流通口592eのみから流出する。第5流通口592eから流出する冷却水は、再び電動ポンプ61に供給される。
以上のように、第3運転モードでは、駆動用モータ2の廃熱を回収し、冷却水-冷媒熱交換器26を通じて冷媒を加熱することができる。
<第4運転モード>
図35は、温度制御システム401が第4運転モードで運転される場合について説明する図である。
冷却水回路440では、流路切換弁501が第4モードに切り換えられ、第1冷却水回路460と第3冷却水回路480とが連結されており、第2冷却水回路470が独立している。流路切換弁501の第4モードは、第1モードから弁体520Aと弁体520Bとが共に時計回りに90°回転した状態である。
流路切換弁501の第4モードでは、弁体520Aは、T字通路524が接続孔512Aと接続孔512Bとを連通させ、連通孔513を遮断しており、弁体520Bは、T字通路524が接続孔512Cと接続孔512Dとを連通させ、連通孔513を遮断している。
第1冷却水回路460では、電動ポンプ61が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ61から吐出された冷却水は、駆動系熱交換器63に導かれる。駆動系熱交換器63では、駆動用モータ2と熱交換を行い、駆動用モータ2が冷却される。駆動用モータ2との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、接続孔512Dから流路切換弁501内に流入する。
接続孔512Dから流路切換弁501内に流入した冷却水は、接続孔512Cから流出する。接続孔512Cから流出した冷却水は、第4流通口592dを介して接続アダプタ591内に流入し、第2流路部595b及び第8流通口592hを介して第3冷却水回路480に導かれる。
第3冷却水回路480に導かれた冷却水は、室外熱交換器65にて外気との熱交換が行われ、温度が低下する。室外熱交換器65にて熱交換を行った冷却水は、第7流通口592gから再び接続アダプタ591内に流入する。
一方、第2冷却水回路470では、電動ポンプ71が作動して冷却水を循環させている。電動ポンプ71から吐出された冷却水は、電気温水ヒータ72及び蓄電池熱交換器73に導かれる。電気温水ヒータ72は、蓄電池3の温度が低く、蓄電池3を加熱する必要がある場合に作動する。即ち、ここでは電気温水ヒータ72は作動していない。蓄電池熱交換器73では、蓄電池3と熱交換を行い、蓄電池3が冷却される。
蓄電池3との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、接続孔512Bから流路切換弁501内に流入する。
接続孔512Bから流路切換弁501内に流入した冷却水は、接続孔512Aから流出する。接続孔512Aから流出した冷却水は、第2流通口592bを介して接続アダプタ591内に流入し、第1流路部595a及び第1流通口592aを介して冷却水-冷媒熱交換器26に導かれる。
冷却水-冷媒熱交換器26では、冷却水の熱によって、冷凍サイクル回路20内の冷媒を蒸発させる。即ち、冷却水の熱が冷媒に回収される。冷却水-冷媒熱交換器26では、冷媒との熱交換によって冷却水の温度が低下する。冷却水-冷媒熱交換器26にて温度が低下した冷却水は、第3流通口592cから再び接続アダプタ591内に流入し、合流部598aにて、室外熱交換器65にて冷却された冷却水と合流する。
合流部598aにて合流した冷却水は、分岐部598bにて分岐して、第3流路部595cを介して第5流通口592eと第6流通口592fとから流出する。第5流通口592eから流出する冷却水は、再び電動ポンプ61に供給される。第6流通口592fから流出する冷却水は、再び電動ポンプ71に導かれる。
以上のように、第4運転モードでは、駆動用モータ2を、室外熱交換器65における外部との熱交換を利用して冷却することができると共に、蓄電池3の廃熱を回収し、冷却水-冷媒熱交換器26を通じて冷媒を加熱することができる。
以上の第3実施形態では、一方の弁体収容部511Aは、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向の一端側に配置される一対の接続孔512A,512Cのうち一方(接続孔512A)を介して冷却水-冷媒熱交換器26に冷却水を供給するように接続され、他方の弁体収容部511Bは、第3冷却水回路480を介して流れる冷却水と冷却水-冷媒熱交換器26からの冷却水とが合流し、かつ合流した冷却水が、第1冷却水回路460を介して他方の弁体収容部511Bの他の接続孔512Dに接続される流れと、第2冷却水回路470を介して一方の弁体収容部511Aの他の接続孔512Bに接続される流れと、に分岐するように接続される。また、第3冷却水回路480は、外部に設けられる室外熱交換器65を有し、第1冷却水回路460は、駆動用モータ2と熱交換を行う駆動系熱交換器63を有し、第2冷却水回路470は、駆動用モータ2への電力を供給可能な蓄電池3と熱交換を行う蓄電池熱交換器73を有する。
これにより、多彩な運転モードに切り換え可能な冷却水回路440を、簡素な構成によって得ることができる。
また、接続アダプタ591内に合流部598aと分岐部598bとが設けられるので、接続アダプタ591内で冷却水の流れを合流及び分岐させることができる。したがって、接続アダプタ591の外部に設けられる配管を簡素化することができる。
<作用効果>
以上の各実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
冷媒が循環する冷媒循環部と冷却水が循環する冷却水循環部とが交互に積層されてなる冷却水-冷媒熱交換器26と、冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に設けられる流路切換弁101,301,501と、を備える熱交換装置100,300,500において、流路切換弁101,301,501は、回転中心まわりに回転可能に一対設けられ、少なくとも一つの弁内通路が内部に画成される弁体120,320,520と、一対の弁体120,320,520を収容するハウジング110,310,510と、冷却水-冷媒熱交換器26と流路切換弁101,301,501とを連結する樹脂製の接続アダプタ191,391,591と、を備え、ハウジング110,310,510は、弁体120,320,520が回転可能に配置される一対の弁体収容部111,311,511と、弁体収容部111,311,511とハウジング110,310,510の外部とを連通させ、一対の弁体120,320,520のいずれかにおける弁内通路と連通する複数の接続孔112,312,512と、各々の弁体収容部111,311,511の間を連通させる連通孔113,313,513と、を有し、各々の弁体収容部111,311,511には、少なくとも2つの接続孔112,312,512と連通孔113,313,513とが周方向に十字状になるように配置され、連通孔113,313,513に対して垂直に各々の弁体収容部111,311,511から同方向に延びる一対の接続孔112,312,512は、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置され、接続アダプタ191,391,591は、積層方向の一端側に配置される一対の接続孔112,312,512の少なくとも一方と冷却水-冷媒熱交換器26とを冷却水が流通可能に接続する。
この構成では、一対の弁体収容部111,311,511には、少なくとも2つの接続孔112,312,512と連通孔113,313,513とが周方向に十字状になるように各々配置され、連通孔113,313,513に対して垂直に各々の弁体収容部111,311,511から同方向に延びる一対の接続孔112,312,512は、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置される。また、積層方向の一端側に配置される一対の接続孔112,312,512の少なくとも一方は、接続アダプタ191,391,591によって、冷却水-冷媒熱交換器26と冷却水が流通可能に接続される。よって、冷却水-冷媒熱交換器26と接続される接続孔112,312,512は、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置されるので、冷却水-冷媒熱交換器26との接続を容易にできる。したがって、冷却水-冷媒熱交換器26と流路切換弁101,301,501とのモジュール化を容易にすることができる。
また、冷媒が循環する冷媒循環部と冷却水が循環する冷却水循環部とが交互に積層されてなる冷却水-冷媒熱交換器26と、冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に設けられる流路切換弁301,501と、を備える熱交換装置300,500において、流路切換弁301,501は、回転中心まわりに回転可能に一対設けられ、少なくとも一つの弁内通路が内部に画成される弁体320,520と、一対の弁体320,520を収容するハウジング310,510と、を備え、ハウジング310,510は、弁体320,520が回転可能に配置される一対の弁体収容部311,511と、弁体収容部311,511とハウジング310,510の外部とを連通させ、一対の弁体320,520のいずれかにおける弁内通路と連通する複数の接続孔312,512と、各々の弁体収容部311,511の間を連通させる連通孔313,513と、を有し、各々の弁体収容部311,511には、少なくとも2つの接続孔312,512と連通孔313,513とが周方向に十字状になるように配置され、連通孔313,513に対して垂直に各々の弁体収容部311,511から同方向に延びる一対の接続孔312,512は、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置され、積層方向の一端側に配置される一対の接続孔312,512のうち一方は、冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に接続される。
この構成では、一対の弁体収容部311,511には、少なくとも2つの接続孔312,512と連通孔313,513とが周方向に十字状になるように各々配置され、連通孔313,513に対して垂直に各々の弁体収容部311,511から同方向に延びる一対の接続孔312,512は、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置される。また、積層方向の一端側に配置される一対の接続孔312,512の一方は、冷却水-冷媒熱交換器26と冷却水が流通可能に接続される。よって、冷却水-冷媒熱交換器26と接続される接続孔312,512は、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置されるので、冷却水-冷媒熱交換器26との接続を容易にできる。したがって、冷却水-冷媒熱交換器26と流路切換弁301,501とのモジュール化を容易にすることができる。
また、冷却水回路440は、冷媒が循環する冷媒循環部と冷却水が循環する冷却水循環部とが交互に積層されてなる冷却水-冷媒熱交換器26と、冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に設けられる流路切換弁501と、を備え、流路切換弁501は、回転中心まわりに回転可能に一対設けられ、少なくとも一つの弁内通路(T字通路524)が内部に画成される弁体520と、一対の弁体520を収容するハウジング510と、を備え、ハウジング510は、弁体520が回転可能に配置される一対の弁体収容部511と、弁体収容部511とハウジング510の外部とを連通させ、一対の弁体520のいずれかにおける弁内通路と連通する複数の接続孔512と、各々の弁体収容部511の間を連通させる連通孔513と、を有し、各々の弁体収容部511には、2つの接続孔512と連通孔513とが周方向に十字状のいずれかの位置になるように配置され、一方の弁体収容部511Aは、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向の一端側に配置される一対の接続孔512A,512Cのうち一方(接続孔512A)を介して冷却水-冷媒熱交換器26に冷却水を供給するように接続され、他方の弁体収容部511Bは、第3冷却水回路480を介して流れる冷却水と冷却水-冷媒熱交換器26からの冷却水とが合流し、かつ合流した冷却水が、第1冷却水回路460を介して他方の弁体収容部511Bの他の接続孔512Dに接続される流れと、第2冷却水回路470を介して一方の弁体収容部511Aの他の接続孔512Bに接続される流れと、に分岐するように接続される。
また、冷却水回路240は、冷媒が循環する冷媒循環部と冷却水が循環する冷却水循環部とが交互に積層されてなる冷却水-冷媒熱交換器26と、冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に設けられる流路切換弁301と、を備え、流路切換弁301は、回転中心まわりに回転可能に一対設けられ、少なくとも一つの弁内通路が内部に画成される弁体320と、一対の弁体320を収容するハウジング310と、を備え、ハウジング310は、弁体320が回転可能に配置される一対の弁体収容部311と、弁体収容部311とハウジング310の外部とを連通させ、一対の弁体320のいずれかにおける弁内通路と連通する複数の接続孔312と、各々の弁体収容部311の間を連通させる連通孔313と、を有し、各々の弁体収容部311には、2つの接続孔312と連通孔313とが周方向に十字状のいずれかの位置になるように配置され、一方の弁体収容部311Aには2つの接続孔312が連通し、他方の弁体収容部311Bには3つの接続孔312が連通し、一方の弁体収容部311Aは、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向の一端側に配置される一対の接続孔312A,312Cのうち一方(接続孔312A)と冷却水-冷媒熱交換器26とを介して、第1冷却水回路260に接続され、他方の弁体収容部311Bは、積層方向の一端側に配置される一対の接続孔312A,312Cのうち他方(接続孔312C)を含む第2冷却水回路270と接続され、他方の弁体収容部311Bの他の接続孔312Dと第1冷却水回路260とを連結するバイパス冷却水回路280に接続される。
これらの構成によれば、多彩な運転モードに切り換え可能な冷却水回路240,440を、簡素な構成によって得ることができる。
また、冷媒が循環する冷媒循環部と冷却水が循環する冷却水循環部とが交互に積層されてなる冷却水-冷媒熱交換器26と、冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に設けられる流路切換弁101と、を備える熱交換装置100において、流路切換弁101は、回転中心まわりに回転可能に一対設けられ、少なくとも一つの弁内通路(一方側通路121及び他方側通路122)が内部に画成される弁体120と、一対の弁体120を収容するハウジング110と、を備え、ハウジング110は、弁体120が回転可能に配置される一対の弁体収容部111と、弁体収容部111とハウジング110の外部とを連通させ、一対の弁体120のいずれかにおける弁内通路(一方側通路121及び他方側通路122)と連通する複数の接続孔112と、各々の弁体収容部111の間を連通させる連通孔113と、を有し、各々の弁体収容部111には、少なくとも2つの接続孔112と連通孔113とが周方向に十字状になるように配置され、連通孔113に対して垂直に各々の弁体収容部111から同方向に延びる一対の接続孔112は、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置されて、流路切換弁101と冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に接続される。
この構成では、連通孔113に対して垂直に各々の弁体収容部111から同方向に延びる一対の接続孔112A,112Cは、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置されて、流路切換弁101と冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に接続される。よって、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向の一端側にて、冷却水流路部材180によって冷却水の流路が連結されるので、熱交換装置100の小型化が可能である。したがって、熱交換装置100の車両へのレイアウト性を向上させることができる。
また、冷媒が循環する第1冷媒循環部と冷却水が循環する第1冷却水循環部とが交互に積層されてなる冷却水-冷媒熱交換器26と、冷媒が循環する第2冷媒循環部と冷却水が循環する第2冷却水循環部とが交互に積層されてなる冷媒-温水熱交換器29と、冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に設けられる流路切換弁101と、を備える熱交換装置100において、流路切換弁101は、回転中心まわりに回転可能に一対設けられ、少なくとも一つの弁内通路(一方側通路121及び他方側通路122)が内部に画成される弁体120と、一対の弁体120を収容するハウジング110と、を備え、ハウジング110は、弁体120が回転可能に配置される一対の弁体収容部111と、弁体収容部111とハウジング110の外部とを連通させ、一対の弁体120のいずれかにおける弁内通路(一方側通路121及び他方側通路122)と連通する複数の接続孔112と、各々の弁体収容部111の間を連通させる連通孔113と、を有し、各々の弁体収容部111には、少なくとも2つの接続孔112と連通孔113とが周方向に十字状になるように配置され、冷却水-冷媒熱交換器26と冷媒-温水熱交換器29とは、積層方向が同じになるように並列に配置され、積層方向の一端側には、冷却水-冷媒熱交換器26と冷媒-温水熱交換器29との間で第1冷媒循環部と第2冷媒循環部とを連通させる冷媒流路部材37と、冷媒流路部材37を流通する冷媒の流れを絞る可変絞り機構28と、が設けられ、冷却水-冷媒熱交換器26にて冷却水が冷却され、冷媒-温水熱交換器29にて冷却水が加熱される。
この構成では、連通孔113に対して垂直に各々の弁体収容部111から同方向に延びる一対の接続孔112A,112Cは、冷却水-冷媒熱交換器26の積層方向と平行に、かつ積層方向の一端側に配置されて、流路切換弁101と冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に接続される。また、冷却水-冷媒熱交換器26と冷媒-温水熱交換器29とは、積層方向が同じになるように並列に配置される。よって、冷却水-冷媒熱交換器26及び冷媒-温水熱交換器29の積層方向の一端側にて、冷却水流路部材180によって冷却水の流路が連結されるので、熱交換装置100の小型化が可能である。したがって、熱交換装置100の車両へのレイアウト性を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
第1実施形態に係る熱交換装置100では、積層方向の一端側に配置される一対の接続孔112A,112Cが、共に冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に接続される。一方、第2実施形態に係る熱交換装置300及び第3実施形態に係る熱交換装置500では、積層方向の一端側に配置される一対の接続孔312A,312C(512A,512C)のうち一方(接続孔312A又は接続孔512A)が、冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に接続される。即ち、熱交換装置100,300,500では、積層方向の一端側に配置される一対の接続孔112A,112C(312A,312C又は512A,512C)のうち少なくとも一方が、冷却水-冷媒熱交換器26との間で冷却水が流通可能に接続される。