JP7261760B2 - 作業統合管理システム - Google Patents

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Description

本発明は、不確定要素の多い作業を遂行管理するための作業統合管理システムに関する。
例えば原子力発電所の建設、改造、廃炉などの作業は、数年、数十年にわたる長期、かつ複雑な作業であり、この工程管理には不確定要素の多い作業が含まれることが多い。このため、当初策定した作業計画は、多くの場合に途中段階での修正を行うことが必要となる。
このことから、従来においては一般的にオペレーションズ・リサーチ手法(OR手法)と呼ばれる手法を採用し、作業計画を立案している。OR手法は、様々な計画に対して最も効率的な結果を得るために、数学、統計、アルゴリズム等を利用する技法であり、多岐にわたる業務分野で活用実績がある。
OR手法では例えば、工場での大量生産のような、一般的な「製品出荷」を例にとると、a)生産計画、b)包装計画、c)出荷計画等、種々の計画を内包しており、その目的関数を、作業期間、作業間の遊び時間と設定し、それらを最小化(=無駄なく、早期終了)するための計画を、ガントチャート形式でユーザに出力する。
また特許文献1によれば、他のミッションなどによって生じる作業環境の変化に柔軟に対応することができる自律作業統合管理システムを提供することを目的として、「複数の作業装置による自律作業を制御する自律作業統合管理システムにおいて、前記作業装置の作業に関する情報が格納された作業データベースと、前記作業装置の状態および前記作業装置の配置された作業エリアの環境を検出する複数の検出装置からの検出結果と前記作業データベースに格納された情報とに基づいて、前記作業装置の作業状態を推定する作業状態推定部と、前記作業装置の動作パターンに関する情報が格納された動作データベースと、前記作業状態推定部における前記作業装置の作業状態の推定結果と前記動作データベースに格納された情報とに基づいて、前記作業装置の動作状態を推定する装置状態推定部と、オペレータにより入力された作業指令を装置指令まで分解する指令入力部と、前記装置状態推定部における作業装置の動作状態の推定結果と前記指令入力部からの装置指令とに基づいて、前記複数の作業装置のそれぞれの制御量を生成する指令生成部とを備え、前記指令生成部は、前記複数の作業装置の一部で構成された第1の作業グループの自律作業により第1のミッションを実行するための制御量を生成する場合に、前記第1の作業グループと異なる他の複数の作業装置で構成された第2の作業グループの自律作業により実行される第2のミッションの制御量に基づいて、前記第1のミッションに関する前記作業装置の制御量を生成することを特徴とする自律作業統合管理システム。」とすることが提案されている。
特開2017-211726号公報
OR手法あるいは、特許文献1に開示の手法は、その分野において一定程度以上の効果を奏することができるものである。然しながら、単に複雑、長期の作業というのではなく、作業自体に不確定要素が多い作業である場合について、これらの手法のみでは対応が困難であった。
例えば、過酷事故が発生した原子力発電所の廃炉作業において、炉内構造物や燃料デブリの加工計画(加工作業)、加工した対象物の搬出計画(搬出作業)、搬出物の建屋間移送計画(移送作業)、現地作業者の配置計画(人による現地作業)を策定し、計画を遂行しつつ、最終的に目的関数を最小化/最大化することで、効率的かつ最適な解を得ることが一般的に求められているわけであるが、この廃炉作業のケースでは不確定要素が多いのが特徴である。
計画時の目的関数としては、工事所要期間を最小化し、コストを最小化し、リスクを最小化するなどの観点を採用することになるが、原子力発電所の廃炉作業では燃料デブリを取り出すことに関連して、業務を取り巻く環境が高線量、暗所、高湿度かつ、場所によって数値が不定かつ、作業対象号機によっても状況不定、溶融損傷有無も不確定である。また業務内容に関連して、加工して搬出する対象の燃料デブリの物量が不確定、存在場所や分布が不確定、燃料デブリの材質が不確定、適切な加工手法が不確定であるなどの不確定要素が想定される。
このため、OR手法により初期計画を策定し、かつ特許文献1を採用した作業を実行するにしても、不確定要素による作業計画の修正を重視した作業統合管理システムであることが望まれる。
以上のことから本発明においては「不確定要素の多い作業を遂行管理するための作業統合管理システムであって、初期作業計画に対し、計画と実績を比較評価した上で、より良い最適解を得ることを目的として前記初期作業計画を修正する作業計画修正機能と、2つの制約関数の2軸による評価に加え、さらにもう1つの制約関数も考慮して最適解を導出、提示する3軸評価機能と、作業時の短期的な最適リソース配置、ならびに中長期的に見て最適なリソース配置計画を策定する中長期的リソース配置計画機能のうち、少なくとも1つ以上の機能を備えることを特徴とする作業統合管理システム。」としたものである。
また本発明は、「作業の遂行を管理するための作業統合管理システムであって、作業の計画と実績を入力してデータベースに記録する入力部と、前記データベースに登録された作業計画と前記実績を比較し、計画通りに作業が進行していない場合に前記作業計画を修正する作業計画修正機能と、データベースに登録された複数の制約関数に基づいて導出された解を提示する3軸評価機能と、データベースに登録されたリソースのプロファイル情報からリソース配置計画を策定するリソース配置計画機能のうち、少なくとも1つ以上の機能を備える演算部と、前記演算部における処理結果を配信する出力部とを備えることを特徴とする作業統合管理システム」としたものである。
本発明によれば、不確定要素による作業計画の修正を重視した作業統合管理システムを得ることができる。
本発明の作業統合管理システムの全体構成例を示す図。 本発明の作業統合管理システムにおける作業計画の3つの機能を示す図。 作業計画修正機能PL1の大まかな処理の流れを示す図。 作業対象エリア内の施工対象物の推定分布を示す図。 加工対象の硬度と靭性の関係を示す図。 近似材料と加工法および加工効率の関係を示す図。 領域ごとの作業計画の一例を示す図。 初期作業計画立案処理の詳細を示す図。 初期作業計画の遅延状況示す図。 加工法変更事例を示す図。 加工工具回転数変更事例を示す図。 初期作業計画実行、修正処理の詳細を示す図。 追加試験を行う場合の加工対象の硬度と靭性の関係を示す図。 追加試験を行う場合の近似材料と加工法および加工効率の関係を示す図。 追加試験を行う場合の所要期間の一例を示す図。 工事の結果を他号機の作業計画修正に利用することを示す図。 追加試験による見直しを行う場合の処理の流れを示す図。 3軸評価機能PL2の大まかな処理の流れを示す図。 初期作業計画立案の事例を示す図。 制約条件として、絶対的な時間を考慮した場合の、作業計画と、計画を守れていない実績を示す図。 図10の3軸評価機能による、図11、図12の作業者Aの事例の処理の流れを示す図。 中長期的リソース配置計画機能PL3の大まかな処理の流れを示す図。 各作業者、各チームのプロファイルを記憶するデータベースDB1、DB2の構成例を示す図。 中長期的なリソース配置計画例を示す図。 中長期的なリソース配置計画例を示す図。 複数年度に跨いで作業者全体の仕事力の最適化を図る方法の処理の流れを示す図。 図17の処理ステップS40の処理内容を具体的に記述した図。 熟練作業者と新人作業者を組み合わせることによる育成効果を把握する方法を示す図。 複数年度に跨いで作業者全体の仕事力の最適化を図る方法の処理の流れを示す図。 図20の処理ステップS50の処理内容を具体的に記述した図。 3つの機能の組み合わせを示す図。 作業エリア内の推定環境条件を示す図。 作業進捗に伴って、推定線量率Xnと実測値に相違が生じることを示す図。 作業者のある日の作業計画を示す図。 作業者のある日の作業計画と作業実績を示す図。 作業計画修正機能PL1と3軸評価機能PL2の組み合わせによる処理の流れを示す図。 チーム構成を定める例を示す図。 作業内容を定める例を示す図。 3軸評価機能PL2と中長期的リソース配置計画機能PL3の組み合わせによる処理の流れを示す図。 実機工事と並行して実施する、作業者訓練設備の改良と、作業者訓練の流れを示す図。 作業計画修正機能PL1と中長期的リソース配置計画機能PL3の組合せによる処理の流れを示す図。
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。なお、本発明は不確定要素が多い作業に広く適用することができるが、ここでは原子力発電所の廃炉作業について例示する。
図1は、本発明の作業統合管理システムの全体構成例を示す図である。このシステムは、現地1と、作業計画エリア2と、技術開発エリア3と、さらには作業者訓練エリア4に設置された計算機装置を遠隔通信9で相互に接続し、目的関数(期間・コストetc.)の最適解を得られる作業計画の立案・修正を遂行するシステムを構成している。
現地1は、現地作業エリア1aと現地オペレーションエリア1bに区分されており、現地オペレーションエリア1bは現地作業者詰所としても使用される。現地オペレーションエリア1b内には、表示・入力装置7aと作業進捗管理装置8aで構成される計算機装置が設置されている。現地オペレーションエリア1b内の現地作業者5aは、表示・入力装置7aを介して、作業計画エリア2から初期及び/又は修正版作業計画を入手し、その情報をもとに現地作業エリア1a内での作業及び/又は現地作業エリア1a内の作業装置6の遠隔操作作業に着手し、その結果得られた実機状況及び/又は作業進捗状況に関する情報を表示・入力装置7aを介して作業進捗管理装置8aに格納する。
作業計画エリア2内には、表示・入力装置7bと作業計画装置8bで構成される計算機装置が設備されている。作業計画エリア2内の作業計画者5bは、表示・入力装置7bを介して、現地1から実機状況及び/又は作業進捗状況に関する情報を、技術開発エリア3から各種技術開発結果及び/又は試験結果を、作業者訓練エリア4から作業訓練結果及び/又は作業者プロファイルを入手し、その情報をもとに作業計画装置8bを用いて、作業計画立案及び/又は作業計画修正の要否判断及び/又は内容決定を実施し、その結果得られた初期及び/又は修正版作業計画に対し、必要に応じて表示・入力装置7bを介して微修正を施し、作業計画装置8bに格納する。
技術開発エリア3内には、表示・入力装置7cと技術データ管理装置8cで構成される計算機装置が設備されている。技術開発エリア3内の技術開発者5cは、表示・入力装置7cを介して、現地1から実機状況及び/又は作業進捗状況に関する情報を入手し、廃炉作業を適切に進行する上で必要となる各種技術開発及び/又は試験の要否判断及び/又は内容決定を実施し、各種技術開発及び/又は試験を実行し、その結果得られた各種技術開発結果及び/又は試験結果を表示・入力装置7cを介して技術データ管理装置8cに格納する。
作業者訓練エリア4内には、表示・入力装置7dと作業者データ管理装置8dで構成される計算機装置と、作業者訓練設備4aが設備されている。作業者訓練エリア4内の訓練受講者5dは、表示・入力装置7dを介して、現地1から実機状況及び/又は作業進捗状況に関する情報を入手し、作業者訓練設備4aを用いて実施する、実作業に入る前の作業訓練に関して、設備改良要否判断及び/又は作業訓練内容決定を実施し、設備改良及び/又は作業訓練を実施し、その結果得られた作業訓練結果及び/又は作業者プロファイルを表示・入力装置7dを介して作業者データ管理装置8dに格納する。なお、係る事例が示す大規模な工事では、現地を模擬した環境を工場内等に構築して作業者訓練や装置動作確認をする、モックアップ試験(MU試験)と呼ばれる試験を実施することが多く、前記した作業者訓練設備4aには、このMU試験設備も含まれる。また、近年では仮想空間(VR)に現地を模擬したデータをつくり上げ、VR内で作業者の訓練を実施するという開発もなされている。
ここで、図1では各エリアを分けて図示したが、同一エリアに複数配置してもよい。すなわち、作業計画エリア2と作業者訓練エリア4を同一エリアにしてもよいし、技術開発エリア3と作業者訓練エリア4を同一エリアにしてもよい。
図1の作業統合管理システムにおける作業計画は、作業計画エリア内の作業計画者5bが中心となって策定され、関係者に情報共有されることになるが、当初計画は例えばOR手法により策定されたものが存在している。これに対し、本発明の作業統合管理システムにおける作業計画は、図2の新たな観点での3つの機能を用いて行われる。ここでは、各機能の概要を述べるにとどまり、詳細は実例をもって後述する。なお、本発明ではこれら3機能が独立して活用するのみではなく、相互に関連付けして活用するのがよい。
図2において、本発明の作業統合管理システムにおける第1の機能は、作業計画修正機能PL1である。ここでは、初期作業計画に対し、計画と実績を比較評価した上で、より最適解を得ることを目的として作業計画を修正する。
本発明の作業統合管理システムにおける第2の機能は、3軸評価機能PL2である。従来の、2つの制約関数(例:時間軸(=f(t)関数)と空間軸(=g(x、y)関数))の2軸による評価に加え、さらにもう1軸(もう1つの制約関数)も考慮して最適解を導出、提示する。
本発明の作業統合管理システムにおける第3の機能は、中長期的リソース配置計画機能PL3である。作業時の瞬間的な(その場限りの)最適リソース配置だけでなく、作業者の育成や作業装置の性能向上も考慮した、中長期的に見て最適なリソース配置計画を策定する。
以下、上記各機能について、事例を挙げながら順次説明する。まず、本発明の作業統合管理システムにおける第1の機能である、作業計画修正機能PL1について図3から図9を用いて説明する。まず図3は、作業計画修正機能PL1の大まかな処理の流れを示している。
作業計画修正機能PL1は、初期作業計画に対して計画と実績を比較評価したうえで、より最適解を得ることを目的として作業計画を修正する機能である。ここでは、最初に処理ステップS11において初期作業計画を立案し、処理ステップS12では初期作業計画に従って作業を実行し、処理ステップS14では初期作業計画の適宜の工程箇所にあらかじめ設定されたホールドポイントで計画と実績の比較を行い、進行状況などを評価する。計画通りに作業が進行している場合には、良好と評価して作業の終了と判断し、計画通りに作業が進行していないことが確認された場合には、不良として処理ステップS13で作業計画の見直しを行い、再度処理ステップS12に戻って、一連の処理を評価結果が良好となるまで繰り返し実行する。
処理ステップS11の具体的事例と処理内容の詳細について、図4a、図4b、図4c、図4d、及び図5を用いて説明する。不確定要素の多い作業の例として、ここでは図4aのように原子炉格納容器PCV内に格納された原子炉圧力容器RPV内の燃料が溶融する過酷事故が生じた後の、原子炉圧力容器RPV内外の各所a、b、c、d、eに分布すると想定される炉内構造物・燃料デブリの取り出し作業を想定する。
この場合に炉内構造物や燃料が溶融したデブリの組成は、溶融具合、程度が不明であるが、図4bに示すようにデブリの硬度[Hv]と靭性[J]は、材料1から材料5のいずれかに近似していると推定できる。
デブリが材料1から材料5に近似している場合、図4cに示すように、近似材料の硬度[Hv]と靭性[J]に応じて、適切な加工法を選択することができる。図の例では材料1の硬度[Hv]と靭性[J]であれば、加工法1が適切であると判断できることを示している。またこの材料1を加工法1で加工する際の加工効率[ton/h]の値と、デブリ堆積量[ton]をもとに、デブリの加工撤去作業に加工法1を適用した際の概算所要時間を求めることができる。
図4dは、領域a、b、c、d、eごとに、硬度[Hv]と靭性[J]、近似材料、適する加工法、概算所要時間の関係をまとめたものである。
図1の作業計画エリア2で勤務する作業計画者5bは、例えば上記判断により初期作業計画を立案するが、この初期作業計画は多くの推定のもとに建てられた計画である。この推定とは、デブリの硬度[Hv]、靭性[J]等の物性値、およびその値に近い物性値を持つ近似材料選定、適切な加工手法選定および加工時の加工効率[ton/h]、デブリの堆積量[ton]および分布状況、加工撤去作業の概算所要時間を指す。
図5は、図4a、図4b、図4c、図4dの事例の場合の、初期作業計画立案処理(図3の処理ステップS11)の詳細を示している。図5の処理ステップS111では初期作業計画の立案を開始し、処理ステップS112では図4aの段階であるRPV(原子炉圧力容器)内の加工撤去対象の分布を推定する。処理ステップS113では図4b、図4cの段階である工場内で分布を推定した近似材料の加工試験を実施する。処理ステップS114では、図4dの段階である適した加工法と加工に要する概算所要時間を導出する。これら一連の処理は、すべての領域についての推定が完了するまで、繰り返し実行され、処理ステップS116で終了となる。
次に処理ステップS12の具体的事例と処理内容の詳細について、図6a、図6b、図6c、及び図7を用いて説明する。これらの図は作業計画修正について、立案した作業計画に基づいて作業を行った際に想定通りに進まなかった際の計画の修正について示している。
図6aは、所要時間と加工、撤去量の関係を表しており、初期作業計画L1に対して実機工事L2では想定したよりも加工が進まず加工の所要時間が計画を大きく上回っていることを表している。
図6bは、初期推定ではデブリは材料1に近似し、加工法1を適用するのが適切と推定していたが、図6aの工程遅れを考慮すると、材料5、加工法2とするのがより適切と推定されることから、実機工事の結果を反映して近似材料5、加工法2に計画修正したことを表している。このように、実際の加工効率を、工場試験データと照合し、推定内容を修正し、適した加工手法を選定しなおすことで作業計画を修正する。
図6cは、加工工具が適切なものであるかという観点から、加工工具の回転数と加工効率の関係を見直した図であり、結果として加工手法はそのままで、工具の回転数等を変更することにした一例を示している。
図7は、図6a、図6bおよび図6cの事例の場合の、初期作業計画実行、修正処理(図3の処理ステップS12、S13、S14)の詳細を示している。
図7の最初の処理ステップS10では、作業計画に従って実機での加工を開始する。具体的には、次の処理ステップS20において、原子炉圧力容器RPV内の領域aを加工し、処理ステップS30では計画時の想定終了時間で評価を実施し、処理ステップS40の判断では想定外に加工時間がかかることが判明したとする。
データベースS101には、工場内試験データ(加工データベース)および初期計画(図4(d))が格納されており、処理ステップS100では、実機工事結果を工場内試験データと照合し、処理ステップS110では実機工事結果から加工工具のパラメータ(回転数)変更での対応可否を検討する。対応可能(YES)であれば処理ステップS120において設定変更し、その後処理ステップS20に戻って再度加工を実施する。
処理ステップS110の判断で、対応不可能(No)であれば、処理ステップS130において図6bのように適切な加工法を再度推定しなおし、処理ステップS140で加工装置、加工ツール等の変更を決定し、処理ステップS150において加工装置を再設定して以後は、処理ステップS20に戻って領域aの加工を再度実施する。以降は上記の処理を繰り返し実行し、処理ステップS50においてすべての加工が終了したら処理ステップS60において領域をbに変更して再度同様の処理を繰り返し実行する。一連のすべての領域の加工が終了したことをもって、処理ステップS70は実機での加工終了とする。
このように実機工事が始まり、実際に領域aの加工を開始してみると、想定していたほどの加工効率を出すことができず、領域aを撤去するのに要する実時間が、想定していた概算所要時間を上回るペースとなる可能性がある。
このような場合に、作業計画修正機能では、実際の加工効率を、工場試験データと照らしあわし、推定内容を修正し、適した加工手法を選定しなおすことで作業計画を修正する。あわせて、概算所要時間を再算出する。
前記した例では、加工効率による評価について説明したが、その他に、加工時に取得できる信号(例:加工時の反力)を工場試験データと照らし合わせるという手段も考えられる。
図7は、作業計画修正機能PL1について、工事実行後の適宜の時点で進捗を確認し、加工手法や加工条件を変更することで対応が可能な事例について説明したものである。これに対し、進捗を確認したところ大幅な遅れが生じており、作業計画を抜本から考え直す必要が生じるケースも考えられる。
図8a、図8b、図8c、図8dは、作業計画修正について、実際の加工効率が、工場試験データから大幅に外れている場合の計画の修正について示している。この場合には、試験データの内容拡充をするために、追加試験を実施する。
まず図8aのグラフは、図4bの初期計画で、近似材料1が最適と想定していた部分について、工事結果を加味すると、新たな近似材料6が相応しいと思われることに思い至ったことを示すものである。この時には、実機の結果から領域aの材料を再推定する。
次に図8bのグラフは、新たに候補に挙がった材料6についての追加試験によりデータ拡充し、新たにこの場合の加工法として加工法2を選択したものである。このように、ここでは材料6を追加試験してデータを拡充し、最適な加工法を選定して計画を修正する。
図8cのグラフは、当初計画のままだと大幅な遅れとなるが、新たな加工手法(近似材料6、加工法2)の提案により、追加試験のため当初よりも期間はかかるが、修正なしで従来手法を継続実施するよりも、結果的には所要期間を短くすることが可能となることを示すものである。
なお図8dは、領域aの「推定と実結果の相違」を、同号機の他の領域の再推定と作業計画修正に役立てることができることを示すものであり、また、廃炉対象号機を複数有するプラントの場合、1つの号機で得られた「推定と実結果の相違」を、他号機の作業計画修正にも役立てることができることを示している。
このように、実際の加工効率が、工場試験データから大幅に外れている場合は、工場試験データ(加工データベース)の内容拡充のために追加試験を実施し、最適な加工手法を選定するのがよい。
前記したような、加工手法の変更や追加試験によるデータ拡充には時間を要する上、場合によっては実機工事を一時中断することになるため、一見すると時間のロスに思える。しかし、「最終的に領域aを撤去するのに要する時間」という観点で評価すると、実は高効率になる可能性がある。
図9は、大幅な遅れが判明し、追加試験による見直しを行う場合の処理フローチャートを示している。このフローで、処理ステップS100までの流れは、図7と同じであるので、ここでは処理ステップS102以降について説明する。
図9の処理フローの処理ステップS102では、実機工事結果から追加試験が必要か否かを判断する。追加試験不要と判断した場合には、処理ステップS109で領域aの材料を工場試験データ(加工データベース)から再推定し、データベースS101に格納されている初期計画を修正するとともに、処理ステップS110の処理に移る。これ以降の処理は図7と同じであるので説明を省略するが、要するに加工手法や加工条件を修正して、再度の工事に入る。
処理ステップS102の判断で、実機工事結果から追加試験が必要と判断した場合には処理ステップS103の処理に移る。処理ステップS103では、実機工事結果から領域aの材料を再推定する。再推定した材料に関するデータが工場試験データ(加工データベース)に無いため、処理ステップS104に移り、処理ステップS104では、追加試験を行い、データの拡充を行う。また処理ステップS105では、追加試験結果をもとに、適切な加工法を再度推定する。処理ステップS106で、再推定した加工法に対応する加工装置を開発し、処理ステップS107で当該装置を操作するための訓練を作業者訓練設備で実施する。その後、データベースS101に格納されている工場内試験データおよび初期作業計画を修正するとともに、以降は、処理ステップS20に戻り、新しい加工法での工事を再開する。修正されたデータベースS101の内容をもとに、処理ステップS108で領域b以降の材料再推定および別号機の材料推定に役立てる。
すなわち、領域aの材料をa1からa1’と再推定した結果は領域bの材料の再推定(b1からb1’)に用いられ、領域c、dについてもそれぞれ同様に、他の領域の再推定結果は次の作業対象となるエリアの材料の再推定に用いられる。そして、この再推定は繰り返し実施されるため、作業対象エリアの施工対象物の絶対量(材料ごとの重量や体積など)が変わらない場合は、実機での加工作業の進捗とともにその推定精度の向上が見込まれる。なお、前記説明は目的関数の1つとして作業期間に着目した場合の例を説明したが、例えば目的関数としてコストや装置量を重視する場合には、加工装置の開発要否および作業者訓練実施要否判断を精査する必要がある。
次に、本発明の作業統合管理システムにおける第2の機能である3軸評価機能について、図10から図13を用いて説明する。ここで3軸評価機能とは、従来の、2つの制約関数(例:時間軸(=f(t)関数)と空間軸(=g(x、y)関数))の2軸による評価に加え、さらにもう1軸(もう1つの制約関数)も考慮して最適解を導出、提示するものである。
図10は、3軸評価機能PL2の大まかな処理の流れを示している。この流れでは、処理ステップS21において初期作業計画を立案し、処理ステップS22において評価項目(2項目)を入力し、処理ステップS23において制約条件を入力し、処理ステップS24において最適解か否か、評価する。最適解でない場合には、処理ステップS22に戻り、評価項目(2項目)を再入力し、最適解と判定されるまで繰り返し処理を実行する。
3軸評価の考え方について事例を示して説明する。まず図10の処理ステップS21における初期作業計画立案を、事例をもって説明する。図11の事例では、作業者Aが本日中に完遂しないといけないタスクを時系列に示している。これによれば、最初の2.25時間で設計室においてxxxに関する資料作成をおこない、次の1時間でA会議室においてxxxに関する打ち合わせをおこない、次の3.5時間は設計室において△△△に関する資料作成をおこない、次の1時間でB会議室において△△△に関する打ち合わせをおこなうというものである。
作業者Aについての、この事例は、前工程の進捗によって後工程が影響を受けるという制約の関係を簡易的に示したものである。この関係は、廃炉などの大規模工事において、より顕著に表れるものである。具体的には、期限内でのタスク完遂が重視されており、かつ、作業期間が長く、作業者の多い大規模工事において、作業者Aが今日完遂しないといけないタスクが未完となると、作業者Aの次の日以降のタスクや、他の作業者のタスクに影響を与えてしまうことを意味している。
図12は、前記した作業者Aの事例について、制約条件として絶対的な時間を加味した場合の、作業計画と、作業計画を守れていない実績を示したものである。資料作成に要する時間が想定時間を上回ることにより、工程の遅延が生じ、その工程遅延を挽回するために定時後残業等を余儀なくされる状態となる。この事例でのポイントは、工程の進捗によらず経過する絶対的な時間に関連した制約が存在するという点である。具体的には、月間あるいは年間の残業時間の上限値が一般に定められており、その上限値を超えるような作業計画や作業実績が認められないという意味である。
以上のことから、前工程の進捗によって後工程が影響を受けるという制約や、工程の進捗によらず経過する絶対的な時間に関連した制約を考慮した作業計画立案および作業実績評価が必要となる。ここで、作業者Aを人ではなく装置に置き換えた場合、絶対的な時間に関連した制約として許容放射線量(人の場合は年間許容値、装置の場合は故障線量)に置き換えた場合においても、同じ考えを適用できる。
図13は、図10の3軸評価機能PL2の処理を図11および図12の作業者Aの事例に適用したものである。これによれば、処理ステップS21aにおいて作業者Aが本日中に完遂すべきタスクの初期作業計画立案を開始する。処理ステップS22aでは、評価項目(2項目)として、タスク毎に、作業場所、想定必要時間を入力する。処理ステップS23aでは、制約条件として、作業順序や絶対的時間の加味を入力し、処理ステップS24aにおいて最適解か否か、評価する。最適解でない場合には、処理ステップS22aに戻り、評価項目(2項目)を再入力し、最適解と判定されるまで繰り返し処理を実行する。この結果として、処理ステップS24aで最適解と判定された時点で、作業者Aが本日中に完遂すべきタスクの初期作業計画を立案終了(処理ステップS25a)する。
この例の作業計画立案では、時間軸と空間軸(作業者がタスクをどの場所で、どの時間に、何時間作業するか)にデータをインプットして2軸の評価を実施するとともに、前工程の進捗によって後工程が制約を受けることを考慮した、工程軸による整理を行い、かつ、工程の進捗によらず経過する絶対的な時間に関連した制約を加味して作業計画を立案する。
なお、作業者Aの事例について、絶対的な時間に関連した制約として残業時間の上限値のような単純な値を例示したが、廃炉作業の場合には、この絶対的な時間に関連した制約が関数として与えられるため、取り扱いが複雑化する。具体的な例としては、法令で、作業者の被ばくする集積線量[Sv]の上限値が定められており、かつ、その集積線量の値は作業エリア毎に異なる線量率[Sv/h]と、その作業エリアに留まっている時間[h]の積から算出される。なお、作業エリアに作業者が留まっている限り、作業の進捗によらず、集積線量が増加する。
また、作業に用いる装置についても、集積線量の増加に伴って装置故障リスクが増加するため、装置毎に装置の被ばくする集積線量[Sv]の上限値が定められている。
ここで、一般的に述べると、残業時間の上限値(単純な値)を超えないように計画を立案する考え方の一例として、ナーススケジューリングがあげられる。また、運転時間(工程進捗)とともに材料が劣化することを考慮したプラント運転最適化の例もある。
これに対し、本発明の3軸評価の考え方は、工程進捗によらず経過する時間と、その時間に関する制約関数を考慮して作業計画を立案するスケジューリングを立てるという点が、本発明の特徴である。使用するアルゴリズムは同じだが、概念が違うものである。
なお図11と図12において、前者の横軸は時間軸(工程軸)であるに対し、後者のそれは絶対的な時間軸である点に注意を要する。3軸評価機能PL2とは、この事例では第3の要因として絶対的な時間軸を取り上げて考慮することを意味している。
次に本発明の作業統合管理システムにおける第3の機能である中長期的リソース配置計画機能PL3について図14から図21を用いて説明する。ここでのリソースとは、現地作業者および現地作業用の装置を指すが、以降の説明では、主に現地作業者を例にあげて説明する。中長期的リソース配置計画機能PL3では、作業開始時点のみの最適リソース配置だけでなく、作業者の育成や装置改良も考慮した、中長期的に見て最適なリソース配置計画を策定する。
図14は、中長期的リソース配置計画機能PL3の大まかな処理の流れを示している。ここではまず処理ステップS31において作業時のリソース配置計画の立案を開始する。処理ステップS32では、個人の仕事力を算出し、処理ステップS33では、グループとしての仕事力を算出し、処理ステップS34では、当該業務を遂行するに適したチームを選出、割り当てを行い、作業時のリソース配置計画の立案が終了(処理ステップS35)する。
このため、中長期的リソース配置計画機能PL3の処理では各作業者のプロファイルを記憶するデータベースDB1と、各チームのプロファイルを記憶するデータベースDB2を準備する。
図15は、各作業者、各チームのプロファイルを記憶するデータベースDB1、DB2の構成例を示している。ここでは図1の現地作業者5aについて、個々人の能力を例えば仕事力という指標で把握してデータベース化している。これは例えば作業者1、2について、年齢、勤続年数、現地作業経験年数、実機模擬試験時の成績などを変数として仕事力算出関数により仕事量を指標化している。
これによれば、作業者1は70点、作業者2は30点であるが、チームとしての仕事力で見ると、作業者1と作業者2によるチームでの仕事力は60点と評価される。なおこの仕事力は、現地作業の業務内容別に算出されるのがよく、チームとして、高い能力を示す仕事と、比較的に苦手とする仕事で仕事力が別々に評価されているのがよい。
作業時のリソース配置計画の立案について、図15の本例は作業開始時点のみの最適リソース配置だけでなく、作業者の育成も考慮した、中長期的に見て最適なリソース配置計画を策定する機能である。ここで、作業者やチームの仕事力算出と業務割り当ては、算出した時点に限った、瞬間的な話であるが、大規模な工事では工期が長期間に及ぶことが多いため、熟練作業者の引退や、新人作業者の成長も考慮してチーム編成を決定する必要がある。チーム編成を決定するためのアルゴリズムの例としてはナーススケジューリング問題が、また、新人作業者の成長を考慮したチーム編成の例としてはフライトスケジューリング問題が挙げられる。
図15のケースを例に説明すると、まず各作業者のプロファイルをもとに、個人の仕事力を算出し、複数の作業者から編成されるチーム(構成メンバのパターン全組合せ)の総合仕事力を算出する。作業者1個人の仕事力が、作業者1、2で編成されるチームの仕事力を上回っているため、この時点に限っては、作業者1個人に仕事を割り当てる方が業務効率の高いリソース配置計画と判断できる。
一方、仕事力の低い作業者2の成長を促すために、同一作業にベテランの作業者1の他に新人の作業者2を割り当てることで、作業者2に作業機会を与え、かつ作業者1のノウハウを学ばせるほうが、作業者2の仕事力向上につながるため、長期的な観点では業務効率の高いリソース配置計画であると判断できる。
中長期的リソース配置計画機能PL3では、このように人的能力の観点から、個人能力、チーム能力の適正配置計画を行っている。図16a、図16bは、中長期的なリソース配置計画例を示している。
図16aは、上段に現在の作業者の構成、中段に10年後の作業者の構成、下段に20年後の作業者の構成例を示している。原子力発電所の廃炉作業などでは、このような長期的視野が不可欠である。上段に示す現在の作業者によるチームの構成例によれば、作業者A、B、Cの各人の年齢と仕事力は図示のとおりであり、退職が近いが仕事力の高い作業者Aとベテランの作業者Bと作業を始めて間もない、したがって仕事力の低い作業者Cが例示されている。
したがって、10年後には作業者Aはおらず、代わりに作業者Bが指導的立場になり、作業者Cが中堅的な位置づけとなるが、それでも人員不足であることからさらなる将来を見据えて作業者Dを採用する必要がある。中段の10年後の作業者の構成はこのようにした時の状況を予測し示したものであり、チームとしての仕事力(平均)は若干低下するが、20年後に備える体制の基礎を固めることができるといえる。
中長期的リソース配置計画機能PL3は、現時点において、上段の状態を的確に把握するとともに、現時点において10年後、20年後の人員採用、教育計画をチームとして予測し、提案していくものである。
図16bは、図16aの計画で、要となるリソースである現在時点の新人作業者Cの育成計画例を併せて、中長期的リソース配置計画機能PL3で検討するものである。図16bの横軸は作業者Cの年齢、縦軸は仕事力である。現時点において、中長期的リソース配置計画機能PL3は、作業者Cの仕事力の推移を点線のように予想するが、実際に数年後の作業者Cの育成度を確認する必要がある。
作業者個人の育成度を評価する方法の1つとして、定期的に作業者の技量確認試験を実施し(更新が必要な資格の考え方に準拠)、作業者がこれまでに経験した作業内容と技量確認試験のスコア変動の相関をとり、育成度の高い作業内容が確認された場合には、別作業者に、作業内容を展開する方法が考えられる。
図17、図18を用いて、中長期的リソース配置計画機能PL3のうち、複数年度にまたいで作業者全体の仕事力の最適化を図る方法の処理フローについて説明する。図18は、図17の処理ステップS40の処理内容を具体的に記述したものである。
図17の複数年度に跨いで作業者全体の仕事力の最適化を図る方法の処理フローは、要するに図14の中長期的リソース配置計画機能PL3の大まかな処理の流れにおいて、処理ステップS33とS34の間に処理ステップS40を追加したものである。この処理ステップS40の追加は、例えば新人作業者Cの育成度を評価し、別作業者の育成計画を立案する場合に実行される。
図18の新人作業者Cの育成度評価の処理では、最初に処理ステップS41において作業時のリソース配置計画のためのデータを取得する。これは例えば、各作業者のプロファイル、各チームのプロファイルを記憶したデータベースDB1、DB2から対象である作業者Cの情報を取り込むことである。
処理ステップS42では、作業者Cがこれまでに経験した作業内容を整理し、結果をデータベースDB1内の作業者Cの個人プロファイルとして蓄積する。処理ステップS43では、作業者Cに技量確認試験を受験させ、その結果をもとに処理ステップS44で作業者Cの現時点での仕事力を算出し、これをデータベースDB1内の作業者Cの仕事力データとして上書きする。
処理ステップS45では、作業者Cがこれまでに経験した作業内容と仕事力の変動の相関を分析する。この相関を取得する処理は、作業者C以外に対しても実施することでデータ数を増やし、かつ相関関数を補完することで、例えば20年後までの推定が行われる。ここで、作業者Cの仕事力変動量の実測値が、相関関数から算出される予測値を大きく上回る場合には、作業者Cの経験した作業内容の育成効率が高かったと判断し、処理ステップS46において、前記作業内容を他の作業者に展開することで仕事力向上を図る。
図17、図18の一連の処理は、初期作業計画の立案について、本発明である中長期的リソース配置計画機能のうち、複数年度にまたいで作業者全体の仕事力の最適化を図る方法について説明したものである。これは、図17の処理ステップS33までの処理によりチームの総合仕事力を算出して、図16aの20xx年度の表を作成できる。さらに、10年、20年後の表は処理ステップS45(図18)で得られた相関関数をもとに、仕事力の予測値として作成する。その後、業務遂行に最適なチームの選出、割り当てを実施し、計画が終了となる。
長期的な観点で効率的な作業者配置を決定する方法の仕組みの別の一例として、複数パターンのチーム編成で、複数パターンのMU試験設備を用いた技能訓練を実施する方法が考えられる。
図19は、複数パターンのチーム編成で、複数パターンのMU試験設備を用いた技能訓練に取り組み、大量にサンプルを取得し、主に新人作業者側の「仕事力向上量」に着目して、チーム組合せ・作業内容・育成効率の相関をとることを示したものである。ここではチームごとにその各作業者に対して、適宜のタイミングで継続的に技量確認試験を受験させ、その都度、試験前後の仕事力を評価し、蓄積していく。
前記したリソース配置計画の処理フローについて、図20、図21を用いて説明する。
図20は、基本的に図14、図17と同じであるが、処理ステップS33とS34の間に処理ステップS50を追加したものである。この処理ステップS50の追加は、作業者の育成効率の高いチーム編成を取得する場合に実行される。
図21は、図20の処理ステップS50の処理内容を具体的に記述したものである。最初の処理ステップS51では、育成用データの取得と効率の評価を開始する。具体的にはチームとしての仕事力などのデータを準備する。処理ステップS52では、各人の仕事力に基づいたチーム編成を実施する。この場面では、チームを構成する作業者間の仕事力が異なるケースや、仕事力が同程度のケース等、様々な組み合わせで編成する。処理ステップS53では、複数パターンの実規模試験を各チームで実施する。処理ステップS54では、各チーム、および個人の実規模試験前後の仕事力を算出し、各チームのプロファイルを保存するデータベースDB2に蓄積する。処理ステップS55では、適宜データベースDB2からデータを呼び出して、チームの組み合わせ、作業内容、育成効率の相関を整理した後、育成効率が高いと判断されたチームの組合せ、および作業内容を抽出する。
これら一連の処理によれば、処理ステップS53までの処理で、図19のように様々な組合せ(年齢、仕事力)のチームを編成する。その後の処理により、複数パターンの実規模試験を各チームで複数実施することで、チームの組み合わせ、作業内容、育成効率の相関を評価し、データベース化することができ、処理ステップS50で作成したデータベースに基づき業務遂行に最適なチームの選出、割り当てを行うことができる。
なお、ここでは中長期的リソース配置計画機能PL3の具体的な適用事例として現地作業者を例にとって説明したが、本機能の適用例はこれに限らない。作業計画者や技術開発者などに対しても、個人や組み合わせの能力、技量を評価する指標やその評価方法を定めることで、同様に適用できる。また、作業に用いる装置などに対しても同様の考えを適用でき、同等の効果が期待できる。具体的には、機械的疲労や放射線照射などの影響で生じる装置の性能劣化要因、性能劣化や装置を構成する部品類の製造中止に伴い発生する旧部品より性能向上した新規部品への取り替え、メンテナンスによる装置の性能向上要因などが、作業装置のプロファイルや能力の算出において考慮される。
以上、本発明の作業統合管理システムにおける3つの機能(作業計画修正機能PL1、3軸評価機能PL2、中長期的リソース配置計画機能PL3)について説明したが、これらは独立に使用されてもよいが、望ましくは複数機能の組み合わせとすることでより高い効果を奏することができる。
図22は、これらの組み合わせを示したものであり、作業計画修正機能PL1と3軸評価機能PL2の組み合わせ、作業計画修正機能PL1と中長期的リソース配置計画機能PL3の組み合わせ、3軸評価機能PL2と中長期的リソース配置計画機能PL3、そして、3つの機能の組み合わせとして、作業計画修正機能PL1の中で3軸評価機能PL2、中長期的リソース配置計画機能PL3の計画・評価機能がフィードバック(修正)される3者を組み合わせた利用も考えられる。以下、これらの組み合わせに適した事例について説明する。
まず、作業計画修正機能PL1と3軸評価機能PL2の組み合わせについて、図23a、図23b、図23c、図23d及び図24を用いて説明する。
まず図23aは、原子炉建屋内の環境条件推定結果を示す図であり、図23bは図23aの各作業エリアでの推定線量率Xnについて、その後の作業進捗に伴って、その都度異なる実測値が得られることを示す図である。なおこの表において、線量率Xに付した記号nは、作業エリアを意味しており、線量率Xに付したダッシュ、ダブルダッシュは第1回目、第2回目の実測値、ダッシュを付与しない場合は推定線量率を意味している。作業エリアaを例に説明すると、実機工事開始前には作業エリアaの線量率をXa[Sv/h]として推定するが、実機工事が開始され、実際に作業エリアaの線量率を測定すると、X’a[Sv/h]と判明することが予想される。これは単純に、予測と実測の相違から生じるものである。次に、実機工事が進むと、作業進捗に伴って作業エリアaの線量率実測値がX’a[Sv/h]からX’’a[Sv/h]に変動することが予想される。これは、作業エリアaで実施する作業内容から生じるものであり、具体的には、作業エリアa内を除染すれば線量率が低下し、高線量の搬出物が作業エリアaを通過すれば線量率が増加することが考えられる。
図23cは、作業者のある日の作業計画を想定したものであり、縦軸は初期計画において求めた推定線量率Xn[Sv/h]を示したものである。この初期計画では、この日に作業エリアaでt1時間の装置搬出補助作業を行い、その後に作業エリアbでt2時間の装置搬入補助作業を行う。この計画では、作業者の作業前の集積線量が25%であるところ、一連の作業後は40%に増加すると予測している。
これに対し図23dは、計画された作業を実際に行った結果、エリアaでt’1時間の装置搬出補助作業を行い、その後にエリアbでt’2時間の装置搬入補助作業を行うことになった実績を、図23cに示した作業計画の下に併記したものであり、作業者の作業前の集積線量が25%であるところ、一連の実作業後は60%に増加したことを表している。
このように、作業者は作業計画どおりのタスク(装置搬出補助作業、装置搬入補助作業)を完遂しており、かつ作業時間の総和が同程度(t1+t2≒t’1+t’2)であるにもかかわらず、作業者の作業前後の集積線量増加量が想定値と異なる結果となる事象が実機工事では想定される。
ここで、集積線量の増加量は、各エリアの線量率[Sv/h]と、そのエリアでの滞在時間[h]の積の総和で算出されるため、前記した作業計画における作業者の作業前後の集積線量増加量は、Xa・t1+Xb・t2であり、作業実績における作業者の作業前後の集積線量増加量は、X’a・t’1+X’b・t’2となる。前記したように、各エリアの線量率は実機工事開始前後および実機工事作業進捗に伴って変動することが予想される。また、計画段階では、各作業エリアで実施する任意の作業工程の所要時間を概算するが、実機工事での所要時間が概算値どおりになるとは限らず、作業者が各作業エリアに滞在する時間も実機工事の進捗次第で変動することが考えられる。以上のことから、前記した数値変動を考慮した作業計画の立案・修正が必要とされる。
このような事例に対して、作業計画修正機能PL1と3軸評価機能PL2の組み合わせによる処理では、図24の流れで処理が実行される。図24の例では、各エリア線量率、各作業者の集積線量を記録する線量データベースDB3を用いる。この流れによれば、初期作業計画は実作業結果を反映した修正後初期作業計画とされる。
図24の最初の処理ステップS601では、必要なデータを準備したうえで初期作業計画の立案開始とする。処理ステップS602では、工事開始前に当該日における作業内容と作業想定時間、想定線量率の入力を行う。これらは、図23cの例では作業想定時間の入力として、エリアaにt1、エリアbにt2時間滞在することであり、この時の想定線量率の入力としてエリアaがXa、エリアbがXbであることを、工事開始前に推定値として想定したものである。
処理ステップS603では、作業後の作業者の集積線量を推定する。この場合はXa・t1+Xb・t2[Sv]を増分の推定値とする。この推定値は線量データベースDB3に保持される。これをもって、処理ステップS604では、初期作業計画の立案終了とする。
これに対し、実機工事の開始に伴い、初期作業が開始(処理ステップS605)され、実機工事では、図23dに示す実績が得られたものとする。この場合、処理ステップS606では、各作業エリアの線量率を測定し、線量データベースDB3に保持されている各作業エリアの線量率を更新する。また処理ステップS607では、作業後の作業者の集積線量(実績)を算出する。この場合はX‘a・t’1+X‘b・t’2[Sv]を増分の実績値とする。
処理ステップS608では、作業後の作業者の集積線量の実績値と計画値を比較し、大きな相違がない場合には、計画通りに進行していると判断して初期作業を継続し、処理ステップS609に移り、初期作業の終了とする。その後、処理ステップS610において、次の作業計画の立案を開始し、同様の流れで作業計画立案および作業実施を繰り返す。なお、次の作業計画の立案開始(処理ステップS610)は、初期作業の開始(処理ステップS605)および初期作業の終了(処理ステップS609)よりも前の段階で着手してもよい。
これに対し、処理ステップS608の判断で、計画と大きな相違がある場合には、再度処理ステップS602に戻り、作業内容と作業想定時間、想定線量率を実態に即した値に修正し、これを線量データベースDB3に反映する。これらの結果は適宜、以降の作業計画立案に反映されることになる。
この作業計画修正機能PL1と3軸評価機能PL2の組み合わせによる初期作業計画の立案では、単純な例として、作業者が本日完遂しないといけないタスクについて、時間軸と空間軸(作業者がタスクをどの場所で、どの時間に、何時間作業するか)にデータをインプットして2軸の制約条件を定めるとともに、前工程の進捗によって後工程が制約を受けることを考慮した、工程軸による整理を行い、作業計画を立案することになる。ここでは制約条件として絶対的な時間を考慮した場合を示し、計画と計画を守れない場合の実績を示した。
以上のように、各エリアの線量率の変動、作業者滞在時間の変動を把握しておき、作業計画修正機能PL1と3軸評価機能PL2を組み合わせることで、作業者の被ばく線量値算出に随時反映することが可能となる。なお、ここでは作業者に関する運用例を説明したが、これを作業装置や各種機材など、他のリソースに対しても同様の運用が可能であり、同等の効果が期待できる。
次に、3軸評価機能PL2と中長期的リソース配置計画機能PL3の組み合わせの例について、図25,図26及び図27を用いて説明する。
まず図25の例では、作業者がA、B、Cの3人であり、ここではチームABとするのか、チームBCとするのかが問われている。ここで参照すべきは、各人の仕事力並びに現時点での集積線量である。
作業者A、B、Cの仕事力から、チームABおよびチームBCの仕事力を算出した結果、チームABの仕事力がチームBCの仕事力よりも大きいとする。その場合、図25に示すNo.1の作業はチームABに任せるのが最適と考えられる。しかし、No.1の作業は作業中断リスクが高く、集積線量が想定値を上回るリスクが高い。作業者Aの集積線量はすでに90%で、もし作業No.1が中断した場合、作業者Aの集積線量が100%を超えることを避けるために、作業者Aを作業エリアから退避させ、代わりに別の作業者を投入する必要が生じる。もし、チームBCの仕事力が、チームABの仕事力に近い場合、作業者B、Cともに、集積線量が低いので、No.1の作業はチームBCに任せる選択をするのが好ましい。
図26の例では、作業者がD、E、F、Gの4人であり、他方作業はNo.1からNo.10まであり、どの作業者にどの作業を担当させるべきかが問われている。ここでNo.1の作業は、難易度が高く、作業者の仕事力のみで評価すると、仕事力の最も高い作業者Dに任せるのが最適と考えられる。しかし、No.1の作業は、作業が中断して集積線量が想定値を上回るリスクが高い。作業者Dの集積線量はすでに75%であることと、後段に控える作業No.10の難易度がNo.1の作業よりも高く、作業No.10は確実に作業者Dを割り振るべきであることを考慮すると、今の段階で作業者Dの集積線量が想定値を上回ることは避けるべきである。この場合、No.1の作業は、作業者E、Fのチームに任せることとし、作業者Dには作業中断リスクの低いNo.2の作業を任せるのが好ましい。No.2の作業は難易度が低いので、作業者Dを割り振るまでもない仕事だが、同じチームに作業者Gを入れることで、作業者Gの育成に役立てることとするのが好ましい。
このように、各作業者の仕事力だけを参考にして最適な作業分担およびチーム編成を組んでも、各作業者の集積線量値によっては、その編成が現実的でない場合がある。また、作業内容の難易度と、各作業者の仕事力だけを照らし合わせて仕事を割り振るよりも、絶対的な時間軸による評価(図の場合、作業中断により集積線量が想定値を上回るリスク)も含めて仕事を割り振ったほうが、効率的な場合がある。
このような事例に対して、3軸評価機能PL2と中長期的リソース配置計画機能PL3の組み合わせによる処理では、図27の流れで処理が実行される。ここでは、図25の事象を例に説明する。図27の処理フローでは、最初の処理ステップS700で作業No.1の担当人員を配置することについての計画を開始する。次の処理ステップS701でチームA、Bの仕事力を、各チームのプロファイルについてのデータベースDB2を参照して分析する。処理ステップS702では、各チームのプロファイルについてのデータベースDB2を参照して、作業者A、B、Cの集積線量を確認する。処理ステップS703では、繰り返し処理による作業者組み合わせを変更しながら、作業No.1の担当チームを選定し、処理ステップS704では、作業No.1の担当リソース配置計画を終了する。
なお、図26において、集積線量の高い作業者を線量率の低いエリアでの作業に割り当てる例を説明したが、作業に用いる装置にも同様の考え方が適用される。
以上、3軸評価機能PL2と中長期的リソース配置計画機能PL3の組合せの例について説明したが、作業難易度、所要時間、線量率、作業中断リスク等は作業開始前の計画段階における想定を含むため、作業開始後に計画の見直しが適宜発生することとなる。その場合には作業計画修正機能PL1の中でフィードバック(修正)をかけることになるため、これは、作業計画修正機能PL1と3軸評価機能PL2と中長期的リソース配置計画PL3の組合せとして位置付けられる。
次に、作業計画修正機能PL1と中長期的リソース配置計画機能PL3の組み合わせの例について図28及び図29を用いて説明する。まず図28により実機工事と並行して実施する作業者訓練設備の改良と作業者訓練の流れを説明する。なお、ここでは作業者訓練設備の一例としてMU試験設備を、作業者訓練の一例としてMU試験をあげ、かつ、VR内での訓練を例に説明するが、この形態に限定されるものでは無い。
図28では横軸に時間として実機工事開始前、実機工事開始から工程1完了、工程1完了から工程2完了の3段階を示している。
実機工事開始前段階では、現地作業エリアを模擬するVRモデルは初期版(工事前)であり、多くの不確定要素を含んだものとなっている。実機工事に参加、あるいは参加予定の作業者はベテランの作業者Aと新人の作業者Bの2名とする。この段階ではVRモデル初期版を用いてベテランの作業者Aが作業訓練を行ったとする。
実機工事開始から工程1完了段階では、ベテランの作業者Aは実機工事に参画しており、実機工事中に得られた実機情報をもとにVRモデルは改良2版が作成されることで、不確定要素が減少する。また、実機工事の進捗状況についても、適宜VRモデルに反映される。このときベテランの作業者Aは実機工事に参画しているが、新人の作業者BはVRモデル改良2版の完成により、このモデルによる作業訓練を行っている。
工程1完了から工程2完了段階では、実機情報のさらなる更新、作業進捗状況の反映によりVRモデルは改良3版が作成されるにいたる。係る状況変化の中で、現状の実機に即したVRモデルで作業訓練を経験し、知識を有する新人の作業者Bと、現状の実機に即した経験や知識を有していない可能性のあるベテランの作業者Aは、いずれかの時点で交代するのがよい。
このように、実機工事開始前は不確定要素が多いため、その時点で構築できるVRモデルも不確定要素を多く含んでいる。これに対し、実機工事開始後、確認された「想定と実機の相違点」や、作業進捗を随時VRモデルに反映し、改良1版→改良2版→改良3版…と改良を重ねていくことで、より実機環境に近いVRモデルを構築することができる。旧版での訓練を修了している古株作業者が現地作業を継続するよりも、新改良版での訓練を修了した新人作業者に交代するほうが、作業効率が高くなる可能性がある。交代に伴い、古株作業者は工場に戻り、新改良版での訓練を受けることで作業者の育成を継続することができる。
図29は、係る処理についての処理フローを示している。この場合に、処理ステップS800で初期作業計画の立案を開始し、その後計画に従い、実作業として作業者Aに関して処理ステップS801では現地作業訓練用VRモデルが構築され、処理ステップS802では作業者訓練エリア内で作業者A(古株)がVRモデル初期版で作業訓練を行い、その後に処理ステップS803では作業者A(古株)は実機工事に参加したという経緯がある。
他方、実作業として作業者Bに関して処理ステップS804では現地作業訓練用VRモデルの改良がされ、処理ステップS805では作業者訓練エリア内で作業者B(新人)がVRモデル改良版で作業訓練をしたという経緯がある。
係る状態において、処理ステップS806では作業訓練後の作業者A、Bの仕事力の比較評価を行う。この結果、作業者Bの仕事力向上が認められる場合には処理ステップS808に移り、作業者B(新人)は実機工事に参加させることにする。このときベテランの作業者Aは実機工事からVRモデル改良版による訓練に移る。
これに対し、作業者Bの仕事力向上が認められない場合には処理ステップS807に移り、ベテランの作業者Aは現状のまま実機工事に参加継続し、作業者B(新人)は現状のまま作業訓練を継続させることとする。なおその後も処理ステップS809、S810において適宜仕事力の比較評価が実行され、作業者Bについて作業訓練から実機工事への参加、あるいはその逆にベテランではあるがVRモデル改良版による再度の訓練が必要と判断された場合には作業者Aを実機工事からVRモデル改良版による訓練に移すという判断が継続的に実行される。
1:現地
1a:現地作業エリア
1b:現地オペレーションエリア・現地作業者詰所
2:作業計画エリア
3:技術開発エリア
4:作業者訓練エリア
4a:作業者訓練設備
5a:現地作業者
5b:作業計画者
5c:技術開発者
5d:訓練受講者
6:作業装置
7a:表示・入力装置
7b:表示・入力装置
7c:表示・入力装置
7d:表示・入力装置
8a:作業進捗管理装置
8b:作業計画装置
8c:技術データ管理装置
8d:作業者データ管理装置
9:遠隔通信
PL1:作業計画修正機能
PL2:3軸評価機能
PL3:中長期的リソース配置計画機能

Claims (11)

  1. 作業の遂行を管理するための作業統合管理システムであって、
    データベースに登録された作業計画と実績を比較し、計画通りに作業が進行していない場合に前記作業計画を修正する作業計画修正機能と、データベースに登録された複数の制約関数に基づいて作業計画の評価項目を評価し、前記制約関数を満たす作業計画の最適解を提示する3軸評価機能と、データベースに登録されたリソースのプロファイル情報からリソース単体の能力とリソース組み合わせ時の能力を求め、業務遂行に最適なリソース組み合わせに応じてリソース配置計画を策定するリソース配置計画機能のうち、少なくとも1つ以上の機能を備えるとともに、
    前記3軸評価機能は、時間軸と空間軸の2つの制約関数に加えて、前記作業の進捗によらず経過する絶対的な時間に関連する制約をもう1つの制約関数として、前記制約関数を満たす作業計画の最適解を導出、提示することを特徴とする作業統合管理システム。
  2. 請求項1に記載の作業統合管理システムであって、
    前記作業計画修正機能は、計画と実績を比較する作業実績評価部と、前記作業実績評価部の出力結果をもとに計画を修正する作業計画修正部を備えることを特徴とする作業統合管理システム。
  3. 請求項1に記載の作業統合管理システムであって、
    前記リソース配置計画機能は、リソース単体の能力と前記リソース組み合わせ時の能力を求め、中長期的な前記リソースの能力向上を図るリソース配置計画を策定することを特徴とする作業統合管理システム。
  4. 請求項1に記載の作業統合管理システムであって、
    作業開始時は作業計画時に取得した初期情報と前記初期情報をもとに設定した前記3軸評価機能の制約関数を用いて評価した出力結果から作成した初期作業計画を実行し、作業遂行中は随時取得される更新情報と前記更新情報をもとに前記3軸評価機能の制約関数を見直し、前記制約関数見直し後の3軸評価機能の出力結果をもとに作業計画を修正することを特徴とする作業統合管理システム。
  5. 請求項1に記載の作業統合管理システムであって、
    リソース配置計画時に取得したリソースの能力と、前記3軸評価機能の制約関数を用いて評価した出力結果から、リソース配置を計画することを特徴とする作業統合管理システム。
  6. 請求項1に記載の作業統合管理システムであって、
    前記リソース配置計画機能から出力されるリソース配置計画のうち、リソース単体の能力または前記リソース組み合わせ時の能力に係る情報をもとに、作業計画を修正することを特徴とする作業統合管理システム。
  7. 請求項1に記載の作業統合管理システムであって、
    現地作業情報を格納する作業進捗管理装置と、立案した作業計画および修正した作業計画を格納する作業計画管理装置と、技術開発および試験情報を格納する技術データ管理装置と、作業に関わるリソースの情報を格納するリソースデータ管理装置を備え、それら装置が相互に接続されていることを特徴とする作業統合管理システム。
  8. 請求項2に記載の作業統合管理システムであって、
    前記作業実績評価部において計画と実績の相違が大きいと判断された場合に、前記作業についての追加試験結果を前記作業計画修正部において計画の修正に用いることを特徴とする作業統合管理システム。
  9. 請求項3に記載の作業統合管理システムであって、
    前記リソース配置計画機能は、作業者個人の仕事力とチームとしての仕事力を求め、中長期的な仕事力の向上を図る人員配置計画を策定することを特徴とする作業統合管理システム。
  10. 請求項3に記載の作業統合管理システムであって、
    前記リソース配置計画機能は、作業装置単体の作業性能と作業装置の組み合わせとしての作業性能を求め、中長期的な作業効率の向上を図る作業装置配置計画を策定することを特徴とする作業統合管理システム。
  11. 作業の遂行を管理するための作業統合管理システムであって、
    作業の計画と実績を入力してデータベースに記録する入力部と、前記データベースに登録された作業計画と前記実績を比較し、計画通りに作業が進行していない場合に前記作業計画を修正する作業計画修正機能と、データベースに登録された複数の制約関数に基づいて作業計画の評価項目を評価し、前記制約関数を満たす作業計画の最適解を提示する3軸評価機能と、データベースに登録されたリソースのプロファイル情報からリソース単体の能力とリソース組み合わせ時の能力を求め、業務遂行に最適なリソース組み合わせに応じてリソース配置計画を策定するリソース配置計画機能のうち、少なくとも1つ以上の機能を備える演算部と、前記演算部における処理結果を配信する出力部とを備えるとともに、
    前記3軸評価機能は、時間軸と空間軸の2つの制約関数に加えて、前記作業の進捗によらず経過する絶対的な時間に関連する制約をもう1つの制約関数として、前記制約関数を満たす作業計画の最適解を導出、提示することを特徴とする作業統合管理システム。
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