JP7261308B2 - ピペットチップ及びピペット - Google Patents

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Description

本開示は、ピペットチップ及びピペットに関する。
液体を吸引するピペット及び当該ピペットの先端を構成するピペットチップが知られている(例えば、特許文献1~3)。特許文献1~3では、ピペット本体と、ピペット本体に着脱可能なピペットチップとを有するピペットを開示している。
特開2013-156218号公報 実開平1-132237号公報 国際公開第2005/082536号
本開示の一態様に係るピペットチップは、長さ方向の両端である先端及び後端が開口しているピペットチップである。前記ピペットチップは、ガラス管と、接続部材とを有している。前記ガラス管は、前記先端側の第1端と、前記後端側の第2端と、前記第1端から前記第2端へ貫通している第1貫通孔とを備えている。前記接続部材は、前記ガラス管が挿入されている第2貫通孔を備えている。前記ガラス管は、当該ガラス管の長さ方向中央に位置する中央位置よりも前記第2端側の部分の少なくとも一部が前記第2貫通孔に挿入され、前記中央位置よりも前記第1端側の部分の全部が前記第2貫通孔の外部に位置している。前記接続部材は、前記先端側とは反対側の端部の径が前記ピペットチップの前記先端の径よりも大きく、かつ樹脂によって構成されている。また、前記接続部材は、内層と、接続部材本体とを有している。前記内層は、前記ガラス管の外周面を取り囲んでおり、第1樹脂によって構成されている。前記接続部材本体は、前記内層の外周面を取り囲んで前記接続部材の外周面を構成しており、前記第1樹脂とは異なる第2樹脂によって構成されている。前記内層は、前記ガラス管のうち前記接続部材本体から前記先端側に延び出ている部分の外周面に密着している部分を有している。
本開示の一態様に係るピペットは、上記のピペットチップと、前記接続部材が着脱される着脱部を有しているピペット本体と、を有している。
本開示の他の一態様に係るピペットは、長さ方向の両端である先端及び後端が開口しているピペットチップと、前記ピペットチップが着脱される着脱部を有しているピペット本体と、を有している。前記ピペットチップは、ガラス管と、接続部材とを有している。前記ガラス管は、前記先端側の第1端と、前記後端側の第2端と、前記第1端から前記第2端へ貫通している第1貫通孔とを備えている。前記接続部材は、前記ガラス管が挿入されている第2貫通孔を備えており、前記着脱部に着脱される。前記ガラス管は、当該ガラス管の長さ方向中央に位置する中央位置よりも前記第2端側の部分の少なくとも一部が前記第2貫通孔に挿入され、前記中央位置よりも前記第1端側の部分の全部が前記第2貫通孔の外部に位置している。前記接続部材は、前記先端側とは反対側の端部の径が前記ピペットチップの前記先端の径よりも大きく、かつ樹脂によって構成されている。前記着脱部は、前記接続部材の少なくとも一部を囲むコレットを有している。前記接続部材は、前記後端側に突出している凸部を有している。前記ピペット本体は、前記凸部が嵌合する凹部を有している。前記凸部の頂面には前記第2貫通孔が開口している。前記凹部の底面には前記第1貫通孔と通じる流路が開口している。前記頂面と前記底面との間に、前記第1貫通孔の貫通方向に透視して前記第2貫通孔の前記頂面における開口と前記流路の前記底面における開口とを囲むOリングが介在している。
第1実施形態に係るピペットの構成を模式的に示す図である。 図1のピペットのピペットチップの構成を示す側面図である。 図2のピペットチップの先端側の一部の断面図である。 図2のピペットチップとピペット本体との連結部の断面図である。 図5(a)、図5(b)及び図5(c)はピペットチップをピペット本体に着脱するための着脱構造を説明するための斜視図である。 第2実施形態に係るピペットの要部の構成を示す図である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。複数の図面同士においても、寸法比率等は互いに一致していないことがある。
本開示において「撥水性」又は「親水性」の用語は、特性の絶対的な評価と相対的な評価とのいずれにも用いられることがあるものとする。
例えば、「撥水性を有する」は、ピペットの吸引対象の液体の接触角が90°以上であること(絶対的な評価)を指す。また、例えば、「親水性を有する」は、ピペットの吸引対象の液体の接触角が90°未満であることを指す。なお、ピペットの吸引対象の液体が特定されない場合においては、水の接触角を用いて撥水性又は親水性の有無が判定されてよい。
一方、例えば、「撥水性が高い」、「撥水性が低い」又は「撥水性が異なる」は、ピペットの吸引対象の液体(上記のように水とされてもよい)に触れる2つの部材(部位)同士で前記液体の接触角を比較したときに、一方の接触角が他方の接触角よりも、大きいこと、小さいこと、又は異なること(相対的な評価)を指す。従って、例えば、第1部材の撥水性が第2部材の撥水性よりも高いという場合、第1部材及び第2部材の双方、又は第2部材は、撥水性を有している必要は無く、親水性を有していてもよい。
<第1実施形態>
[ピペットの概要]
図1は、本開示の実施形態に係るピペット1の構成を模式的に示す図(主として断面図)である。なお、図面には、便宜上、直交座標系xyを付している。+x側は、ピペット1によって液体を吸引する際に下方とされる側である。
ピペット1は、ピペットチップ10と、ピペットチップ10が着脱されるピペット本体20とを有している。図1では、ピペットチップ10は側面図によって示されている。ピペット本体20の構造的な部分は模式的な断面図によって示されている。ピペット本体20のうち制御部24はブロック図によって示されている。
ピペットチップ10は、その先端10a(+x側の端部)から後端10b(-x側の端部)まで中空状とされている。先端10aが液体に触れた状態で、ピペット本体20によって後端10bからピペットチップ10内が排気(減圧)されることによって、液体が先端10aからピペットチップ10内に吸引される。ピペットチップ10は、例えば、使い捨てとされる。なお、先端及び後端の語は、先端面及び後端面を指す場合と、先端面及び後端面を含む若干の長さを有する部分(先端部及び後端部)を指す場合とがある。他の部材についても同様である。
[ピペットチップ]
図2は、ピペットチップ10の構成を示す側面図(後述する内層15については断面図)である。図3は、ピペットチップ10の先端10a側の一部の断面図である。図4は、ピペットチップ10の後端10b側の一部(及びピペット本体20の先端側の一部)の断面図である。
ピペットチップ10は、ガラス管11と、ガラス管11の先端側(+x側)に固定されているチップ部材12と、ガラス管11の後端側(-x側)に固定されている接続部材13とを有している。ガラス管11は、例えば、ピペットチップ10の主体となる部材である。チップ部材12は、ピペットチップ10の先端10a側部分を構成し、例えば、当該先端10a側部分の特性向上に寄与する。接続部材13は、ピペットチップ10の後端10b側部分を構成し、例えば、当該後端10b側部分のピペット本体20への着脱を容易化することに寄与する。
(ガラス管)
ガラス管11は、長さ方向(x方向)の両端である先端11a(図3)及び後端11b(図4)を有しており、また、先端11aから後端11bへ貫通している貫通孔11cを有している。換言すれば、ガラス管11は、筒状の形状を有している。なお、「筒状の形状」とは、例えば、1方向に長く(該1方向の長さが他の方向の長さに比較して長く)、中空であり、且つ両端が開口した形状を意味するものであり、円筒形のみを意味するものではない。
ガラス管11の形状は、種々の形状とされてよい。図示の例では、ガラス管11は、その全長に亘って一定の横断面(別の観点では一定の内径及び外径)で直線状に延びる形状とされている。また、横断面の形状(内縁の形状及び外縁の形状)は、例えば、円形である。一定の横断面で延びるといっても、公差があってもよいことはもちろんである。公差の大きさは、ガラス管11の寸法及び用途等によって異なる。一例を挙げると、ガラス管11の径において、±15%、±10%又は±5%程度の寸法ばらつきが生じていても構わない。
ガラス管11の形状は、図示の例以外にも種々可能である。例えば、ガラス管11は、全長の少なくとも一部において、横断面の形状及び/寸法が変化していたり、反るように、あるいは曲がるように延びていたり、横断面の内縁の形状と外縁の形状とが異なっていたり、円形以外の横断面形状を有していたりしてもよい。また、例えば、ガラス管11は、先端側の一部が先端11a側ほど細くなるテーパ形状とされていてもよい。
ガラス管11の寸法は、採取する液体の量及び/又は採取された液体の分析方法等の種々の事情に応じて適宜に設定されてよい。例えば、ガラス管11の内径は、0.1mm以上0.3mm以下とされてよい。また、例えば、ガラス管11の外径は、0.4mm以上1.2mm以下とされてよい。また、例えば、ガラス管11の長さは、20mm以上100mm以下とされてよい。
ガラス管11は、例えば、その全体が同一のガラス材料によって一体的に構成されている。ただし、ガラス管11は、その表面の少なくとも一部にガラスとは異なる材料からなる膜(例えば撥水膜)を有していてもよい。また、例えば、ガラス管11は、長さ方向の一部と他部とが互いに異なる材料によって構成されたり、及び/又は径方向の一部と他部とが互いに異なる材料によって構成されたりしても構わない。
ガラスとしては、ケイ酸塩を主成分とするもの(ケイ酸ガラス)を挙げることができる。ケイ酸ガラスとしては、例えば、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス及び石英ガラスが挙げられる。また、ガラスは、ケイ酸塩以外の成分を主成分とするものであってもよい。このようなものとしては、例えば、アクリルガラス、カルコゲン化物ガラス、金属ガラス及び有機ガラスが挙げられる。
ガラス管11の少なくとも一部(すなわち一部又は全部)は、透光性を有していてよい。これにより、例えば、ガラス管11内にある液体にガラス管11の側方から光を照射して液体の成分及び/又は性質を調べることができる。より詳細には、例えば、蛍光測定、散乱測定、吸光測定及び/又は分光測定を行うことができる。
ガラス管11の表面の少なくとも一部(例えば内面の一部又は全部)は、撥水膜が設けられることなどによって、撥水性を有していてもよい。撥水性を有している場合の水の接触角は適宜に設定されてよい。例えば、接触角は、90°以上95°以下(すなわち90°に近い値)であってもよいし、95°以上150°以下であってもよいし、150°超であってもよい。なお、150°超は、いわゆる超撥水性を有しているといえる大きさである。
(チップ部材)
図3に示すように、チップ部材12は、x方向(ピペットチップ10の長さ方向)における両端である先端12a及び後端12bを有しており、また、先端12aから後端12bへ貫通している貫通孔12cを有している。換言すれば、チップ部材12は、筒状の形状を有している。先端12aはピペットチップ10の先端10aを構成している。貫通孔12cは、ガラス管11の貫通孔11cと同心状に繋がって(連続して)いる。従って、チップ部材12の先端12aから液体を吸引してガラス管11内に液体を移動させることが可能となっている。
チップ部材12の形状は、種々の形状とされてよい。図示の例では、チップ部材12は、その外面の形状に着目すると、先端12aを有している第1部位12eと、後端12bを有している第2部位12fとを有している。第1部位12eは、先端側ほど径が小さくなるテーパ状とされている。第2部位12fは、一定の横断面で延びており、当該横断面の径は、第1部位12eの後端の横断面の径よりも大きい。第1部位12e及び第2部位12fの横断面の形状は、例えば、円形である。
ただし、チップ部材12の外面の形状は、図示の例以外にも種々可能である。例えば、チップ部材12の外面の形状は、第1部位12e及び第2部位12f(すなわち2つの互いに異なる部位)を概念できない形状であってもよいし、全長に亘って一定の横断面を有する形状であってもよいし、逆に、全長に亘ってテーパ状であってもよい。また、チップ部材12は、その外面に着目したときに、その少なくとも一部において、円形以外の横断面形状を有していてもよい。
また、図示の例では、チップ部材12は、その内面の形状に着目すると、先端12aに開口している第1孔12caと、後端12bに開口している第2孔12cbとを有している。既述の貫通孔12cは、第1孔12caと第2孔12cbとによって構成されている。第1孔12caは、その後端がガラス管11の貫通孔11cの先端と繋がっている。第2孔12cbは、ガラス管11の先端11a側の一部が挿入される孔となっている。
第1孔12ca及び第2孔12cbの形状も適宜に設定されてよい。例えば、第1孔12caは、先端側ほど径が小さくなるテーパ状とされている。第2孔12cbは、一定の横断面で延びており、当該横断面の径は、第1孔12caの後端の横断面の径よりも大きい。第1孔12ca及び第2孔12cbの横断面の形状は、例えば、円形である。第1孔12caの後端は、第2部位12f内に位置している。
ただし、チップ部材12の内面の形状は、図示の例以外にも種々可能である。例えば、チップ部材12の内面の形状は、第1孔12ca及び第2孔12cb(すなわち2つの互いに異なる孔)を概念できない形状であってもよいし、テーパ面を有さない形状であってもよいし、逆に、全長に亘ってテーパ状であってもよい。また、チップ部材12の貫通孔12cは、その少なくとも一部において、反るように、あるいは曲がるように延びていたり、円形以外の横断面形状を有していたりしてもよい。チップ部材12において、横断面の内縁の形状と外縁の形状とが異なっていてもよい。
チップ部材12は、ガラス管11を構成する材料とは異なる材料によって構成されている。これにより、例えば、ピペットチップ10の先端部における特性(例えば撥水性)を設定することが容易化される。例えば、ガラス管11がガラスによって構成されているのに対して、チップ部材12は、上記ガラスよりも撥水性が高い樹脂によって構成されている。これにより、例えば、ガラス管11の表面に撥水膜を形成しなくても、ピペットチップ10の先端部の撥水性を高くし、先端部への液体の意図されていない付着を低減することができる。
チップ部材12を構成する樹脂の種類は、適宜なものとされてよい。例えば、樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリテトラフルオロエチレンを挙げることができる。樹脂は、有機材料、無機材料、絶縁材料及び/又は導電材料からなるフィラーを含んでいてもよい。チップ部材12は、例えば、その全体が同一の樹脂によって一体的に形成されている。ただし、チップ部材12は、その表面の少なくとも一部に樹脂とは異なる材料からなる膜(例えば撥水膜)を有していてもよい。また、例えば、チップ部材12は、長さ方向の一部と他部とが互いに異なる材料によって構成されたり、及び/又は径方向の一部と他部とが互いに異なる材料によって構成されたりしても構わない。
チップ部材12が撥水性を有している場合の接触角は適宜に設定されてよい。例えば、接触角は、90°以上95°以下(すなわち90°に近い値)であってもよいし、95°以上150°以下であってもよいし、150°超であってもよい。なお、150°超は、いわゆる超撥水性を有しているといえる大きさである。
チップ部材12の材料は、透光性を有する材料とされてもよいし、透光性を有さない材料とされてもよい。透光性を有する材料とされた場合においては、例えば、チップ部材12内に液体が吸引されたことなどを視認することが容易化される。チップ部材12の材料が透光性を有する場合において、ガラス管11の材料は、例えば、チップ部材12の材料よりも透光性が高い材料とされてよい。この場合、例えば、チップ部材12の材料として、撥水性の高い材料を選択する一方で、ガラス管11の材料として、液体の分析のために液体に側方から光を照射することに適した材料を選択できる。
チップ部材12のガラス管11に対する固定は、適宜な方法によってなされてよい。図示の例では、ガラス管11がチップ部材12の第2孔12cbに圧入されて両者が固定されている。ガラス管11の先端11aは、第2孔12cbが第1孔12caよりも径が大きいことによって構成されている段差部に突き当てられている。ガラス管11の第2孔12cbからの抜けは、例えば、両者が直接に当接していることによって生じる摩擦力によって阻止される。特に図示しないが、チップ部材12とガラス管11との間には、これらよりも剛性が低い材料からなるパッキンが配置されてもよい。
チップ部材12のガラス管11に対する固定は、図示の例以外にも種々可能である。例えば、他の固定方法としては、爪などによる係止、接着剤による接着、溶着を挙げることができる。また、例えば、図示の例とは逆に、ガラス管11の貫通孔にチップ部材12を圧入してもよい。これまでに例示した種々の固定方法の2つ以上が組み合わされてもよい。例えば、図示の例において、チップ部材12とガラス管11との間に接着剤が介在していても構わない。また、例えば、ガラス管11を配置した金型内にチップ部材12となる樹脂を充填してチップ部材12を形成してもよい。
(接続部材)
図2及び図4に示すように、接続部材13は、x方向(ピペットチップ10の長さ方向)における両端である先端13a及び後端13bを有しており、また、先端13aから後端13bへ貫通している貫通孔13cを有している。後端13bは、例えば、ピペットチップ10の後端10bを構成しており、ピペット本体20の内部に位置している。貫通孔13cには、ガラス管11の後端11b側部分が挿通されている。これにより、ガラス管11の貫通孔11cは、ピペット本体20の内部に通じることが可能になっている。ガラス管11の後端11bもピペットチップ10の後端10bを構成している。
接続部材13の形状は、種々の形状とされてよい。例えば、貫通孔13cは、その内面がガラス管11の外面と一致する形状である。より詳細には、貫通孔13cは、一定の横断面で直線状に延びる形状であり、横断面は円形である。また、図示の例では、接続部材13の外面に着目したときの横断面の形状は貫通孔13cを中心とする円形とされており、また、ピペットチップ10の長さ方向の位置によって径が異なる形状とされている。
具体的には、図示の例では、接続部材13は、他の部分よりも径が大きい(接続部材13内で最も径が大きい)第1大径部13dを有している。別の観点では、第1大径部13dは、接続部材13の側面から突出するフランジを含んでいる。第1大径部13dは、例えば、後述するように、接続部材13のピペット本体20に対する着脱、及び/又はピペットチップ10の取り扱いの容易化に寄与する。第1大径部13dの具体的な形状及び径は、後述する作用等を考慮して適宜に設定されてよい。
接続部材13は、第1大径部13dからピペットチップ10の後端10b側に離れた位置に第2大径部13eを有している。第2大径部13eは、第1大径部13dと第2大径部13eとの間の第1小径部13fよりも径が大きい。別の観点では、第2大径部13eは、接続部材13の側面から突出するフランジを含んでいる。さらに別の観点では、接続部材13は、相対的に径が小さい第1小径部13fを有していることによって側面に凹溝(符号省略)を有している。第2大径部13eは、例えば、後述するように、接続部材13のピペット本体20に対する着脱の容易化に寄与する。第2大径部13eの具体的な形状及び径は、後述する作用等を考慮して適宜に設定されてよい。第2大径部13eの径は、図示の例とは異なり、第1大径部13dの径と同等以上とされても構わない。
接続部材13は、ピペットチップ10の後端10b側(-x側)に面する後側面13gから突出する凸部13hを有している。後側面13gは、例えば、第2大径部13eの後端10b側の面である。凸部13hの後端(頂面)は接続部材13の後端13b(後端面)を構成している。換言すれば、接続部材13は、後端13b(その少なくとも一部)を含み、相対的に径が小さい小径部を有している。凸部13hは、例えば、後述するように、接続部材13のピペット本体20に対する位置決めに寄与する。凸部13hの具体的な形状及び径は、後述する作用等を考慮して適宜に設定されてよい。例えば、凸部13hは、後端13bを含む少なくとも一部が後方(-x側)ほど縮径するテーパ形状とされている。凸部13hの径は、例えば、接続部材13の他の部分に比較して最も小さい(ただし、後述する内層15は無視する。)。
凸部13h(後端13b)は、上記のように、他の部分に比較して最も径が小さい部分であるが、ガラス管11が挿通されていることから明らかなように、少なくともガラス管11(その全体又は後端11b)の径よりも大きい径を有している。また、凸部13hの径は、ピペットチップ10の先端10a(本実施形態ではチップ部材12の先端12a)の径よりも大きい。ピペットチップ10がピペット本体20に取り付けられていない場合において、ピペットチップ10の両端のいずれが接液側又はピペット本体20側であるかは、チップ部材12及び接続部材13の形状等から合理的に判断されてよい。一端(接続部材13の後端13b)の径が他端(ピペットチップ10の先端10a)の径よりも大きいことは、その1つの判断基準とされてよい。
接続部材13は、第1大径部13dよりも先端側(+x側)に第1大径部13dよりも径が小さい第2小径部13iを有している。第2小径部13iは、例えば、第1大径部13dの先端側に隣接している。第2小径部13iは、接続部材13の先端13aを構成している。第2小径部13iは、例えば、後述するように、ガラス管11を保護することに寄与する。第2小径部13iの具体的な形状及び径は、後述する作用等を考慮して適宜に設定されてよい。例えば、第2小径部13iは、先端13aを含む少なくとも一部が先端側ほど縮径するテーパ形状とされている。また、例えば、第2小径部13iの径は、第1小径部13fの径に比較して、大きくてもよいし(図示の例)、同等でもよいし、小さくてもよい。
接続部材13は、ガラス管11を構成する材料とは異なる材料によって構成されている。これにより、例えば、接続部材13の形状を着脱構造に応じた任意のものとすることを容易化したり、着脱に係る強度及び/又は密閉性を向上させたりすることができる。例えば、接続部材13は、その全体が樹脂によって構成されている。
接続部材13は、その全体が単一の材料によって一体的に形成されていてもよいし、互いに異なる材料によって構成された部材が組み合わされて構成されていてもよい。図示の例では、接続部材13は、接続部材本体14と、接続部材本体14とガラス管11との間に介在する内層15とを有している。接続部材本体14は、例えば、接続部材13の主体となる部材である。内層15は、例えば、製造過程において接続部材本体14とガラス管11との固定に寄与する接着層である。接続部材本体14及び内層15は、例えば、互いに異なる樹脂によって構成されている。
既述の接続部材13の形状の説明は、基本的に、接続部材本体14の形状に援用されてよい。ただし、接続部材本体14に形成された貫通孔14cの内径は、内層15の厚さでガラス管11の外径よりも大きい。例えば、貫通孔14cは、ガラス管11の外面と概ね一定の隙間を介して対向可能な内面を有する形状である。より詳細には、例えば、貫通孔14cは、一定の横断面で直線状に延びる形状であり、横断面は円形である。
内層15は、貫通孔14cの内面とガラス管11の外周面とに密着している。換言すれば、内層15は、ガラス管11の外周面を取り囲んでいる。接続部材本体14は、内層15の外周面を取り囲んで接続部材13の外周面を構成している。内層15の厚さは、例えば、概ね一定である。ただし、例えば、内層15の硬化時に、ガラス管11が貫通孔14cに対して偏心したり、傾斜したりすることによって、内層15に厚い部分と薄い部分とが生じていても構わない。
図示の例では、内層15は、貫通孔14cから先端側(+x側)にはみ出している延長部15aを有している。延長部15aは、例えば、ガラス管11のうち接続部材本体14から先端11a側に延び出ている部分の外周面に密着している。また、延長部15aは、接続部材本体14の先端側の面(図示の例では第2小径部13iの先端側の面)に密着している。延長部15aの形状は、例えば、先端側(+x側)ほど径が小さくなるテーパ状とされている。ただし、内層15は、このような延長部15aを有していなくてもよい。
接続部材本体14を構成する樹脂の種類は、適宜なものとされてよい。例えば、当該樹脂としては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、変性ポリフェニレンエーテル及びポリブチレンテレフタレートが挙げられる。内層15を構成する樹脂の種類も適宜に設定されてよい。例えば、当該樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂及びウレタン樹脂が挙げられる。接続部材本体14及び内層15を構成する樹脂は、有機材料、無機材料、絶縁材料及び/又は導電材料からなるフィラーを含んでいてもよい。
接続部材本体14を構成する樹脂と内層15を構成する樹脂との間において、種々の物性値の相対関係は適宜に設定されてよい。例えば、線膨張係数及び/又はヤング率(あるいは硬度)は、一方が他方よりも大きくてもよいし、概ね同等であってもよい。
接続部材13(接続部材本体14及び内層15)の材料は、透光性を有する材料とされてもよいし、透光性を有さない材料とされてもよい。透光性を有する材料とされた場合においては、例えば、接続部材13の位置まで液体が吸引されたことなどを視認することが容易化される。接続部材13の材料が透光性を有する場合において、ガラス管11の材料は、例えば、接続部材13の材料よりも透光性が高い材料とされてよい。
ガラス管11と接続部材13との固定は、図示の例では、既述の説明から理解されるように、接着層としての内層15によってなされる。例えば、ガラス管11のうち後端11b側の一部の外周面に内層15となる接着剤が塗布される。そして、ガラス管11は、後端11b側から接続部材本体14の貫通孔14cに挿入される。この際、ガラス管11の周囲の余剰な接着剤は、貫通孔14cに入り込まずに接続部材本体14の先端側に溜り、内層15の延長部15aを構成する。なお、上記とは異なり、接続部材本体14の内面に内層15となる接着剤を塗布してもよい。
(ガラス管の他の部材との相対位置)
ガラス管11において、長さ方向中央の位置を中央位置P1(図2)とする。すなわち、中央位置P1は、先端11aとの距離と、後端11bとの距離とが等しい位置である。ガラス管11は、例えば、中央位置P1よりも後端11b側のみが接続部材13(又は接続部材本体14。本段落において、以下、同様。)に挿入されている。より詳細には、例えば、ガラス管11は、その全長を3等分したうちの後端11b側の部分のみが接続部材13に挿入されている。換言すれば、ガラス管11は、中央位置P1よりも先端11a側の部分は、接続部材13の外部に位置している。より詳細には、ガラス管11の全長の少なくとも2/3の長さが接続部材13の外部に位置している。
図示の例では、ガラス管11の先端11a側の一部は、チップ部材12によって覆われている。ただし、その長さは比較的短い。従って、ガラス管11は、比較的長い長さで、接続部材13(又は接続部材本体14)及びチップ部材12の外部に位置している(外部に露出している。)。その外部に露出している長さは、例えば、ガラス管11の長さの半分以上又は2/3以上である。
ガラス管11のうち、接続部材13(又は接続部材本体14)よりも先端11a側の部分は、例えば、一定の外径及び内径で延びている部分を有していてよい。別の観点では、ガラス管11のうち外部に露出している部分(接続部材13及びチップ部材12の外部に位置している部分)は、一定の外径及び内径で延びている部分を有していてよい。図示の例では、既述のように、ガラス管11は、全長に亘って一定の外径及び内径を有している。
図4に示すように、ガラス管11の後端11b(後端面)と、接続部材13(又は接続部材本体14。本段落において、以下、同様。)の後端13b(後端面)とは面一とされてよい。面一といっても、多少のずれがあってもよいことはもちろんである。また、図示の例とは異なり、後端11bが後端13bよりも先端側(+x側)に位置していてもよいし、逆に、後方(-x側)に位置していてもよい。
(ピペットチップの重心)
図2に示すように、ピペットチップ10の重心G1は、第1大径部13dよりも後端10b側に位置している。重心G1は、例えば、ピペットチップ10の概ね中心線上に位置している。重心G1と第1大径部13d(その後端)との距離は、例えば、後述する作用等を考慮して適宜に設定されてよい。なお、図示の例とは異なり、重心G1は、第1大径部13dよりも先端10a側に位置していても構わない。
(ピペットチップの着脱構造)
図5(a)~図5(c)は、ピペットチップ10をピペット本体20に着脱するための着脱構造(着脱機構)を説明するための斜視図である。図5(a)は、ピペットチップ10の取り付けが完了している状態を示している。図5(c)は、ピペットチップ10の取り付け前又は取り外し後の状態を示している。図5(b)は、図5(a)と図5(c)との間の遷移状態を示している。
ピペット本体20は、ピペットチップ10を着脱するための着脱部69を有している。着脱部69は、例えば、切削工具及びシャープペンシルなどで利用されているコレットチャックによって構成されている。コレットチャックの具体的な種類及び形状等は適宜に設定されてよい。
図4及び図5(a)~図5(c)に示す例では、ピペット本体20は、ピペット本体20の筐体71等に対して固定されているボディ73と、ボディ73に対して軸方向(x方向)に相対移動可能なコレット75とを有している。ボディ73は、概略、円筒状に構成されている。コレット75は、概略、ボディ73に対して挿入可能な円筒状に構成されている。コレット75は、軸回りの複数位置(図示の例では6箇所)において、+x側の縁部から軸方向へ延びる複数のスリット(符号省略)を有している。コレット75の外周面は、-x側ほど径が小さくなるテーパ面(符号省略)を有している。
上記のような構成においては、図5(c)、図5(b)及び図5(a)の順で示されるように、コレット75がボディ73に対して-x側に挿入されると、コレット75のテーパ面は、ボディ73の内周面に対して摺動し、当該内周面からコレット75の内側への力を受ける。これにより、コレット75の径が小さくなる。このとき、コレット75の内周面に設けられた係止部75a(図4及び図5(c))が接続部材13の第2大径部13eに対して+x側から係合する。そして、ピペットチップ10がピペット本体20に引き込まれ、さらには、+x側への移動が規制される。
また、逆に、図5(a)、図5(b)及び図5(c)の順で示されるように、コレット75がボディ73から+x側に押し出されると、コレット75の係止部75aが接続部材13の第1大径部13dを+x側へ押し出す。また、コレット75は、テーパ面をボディ73の内周面に摺動させつつ、弾性力(復元力)によって径を大きくする。これにより、係止部75aと第2大径部13eとの係合が解除される。ひいては、接続部材13をコレット75に対して+x側へ移動させて、接続部材13を取り外すことができる。
特に図示しないが、コレット75をx方向において駆動するための機構も適宜に設定されてよい。当該機構は、例えば、ばね及び/又はソレノイドを含んで構成されていてもよいし、そのような動力を含まず、人力によってコレット75を駆動するものであってもよい。
コレット75によって接続部材13が-x側に引き込まれたときの接続部材13の位置決めは、コレット75自体によってなされてもよいし、他の部材によってなされてもよい。例えば、図4に示すように、ピペット本体20は、ピペットチップ10の後端10b側に配置される支持部材77を有している。支持部材77の材料は、樹脂、セラミックス又は金属等の適宜なものとされてよい。支持部材77は、接続部材13の凸部13hが挿入される凹部77rを有している。既述のように、凸部13hは、その少なくとも一部にテーパ面(符号省略)を有している。また、凹部77rは、凸部13hのテーパ面と同一の傾斜角のテーパ面(符号省略)を有している。従って、接続部材13がピペット本体20内に引き込まれると、凸部13hが凹部77rに挿入される。さらに、凸部13hのテーパ面と凹部77rのテーパ面とが摺動する。この際、接続部材13の軸心と支持部材77の軸心とが合わせられていく。そして、凸部13hが凹部77rに嵌合して摺動が停止することにより、接続部材13の支持部材77に対する-x側への移動及びx軸に直交する方向の移動が規制される。
[ピペット本体]
図1に戻る。これまでの説明から理解されるように、図1では、筐体71、ボディ73、コレット75及び支持部材77の個別の図示は省略されている。すなわち、これらの部材は、その全体が一部材であるかのように模式的に示されている。
ピペット本体20は、ピペットチップ10の内部に通じている圧力室21(空洞)を有している。そして、ピペット本体20は、この圧力室21の容積を増加させることによってピペットチップ10内の減圧(排気)を行い、圧力室21の容積を減少させることによってピペットチップ10内の増圧(給気)を行う。これにより、例えば、ピペットチップ10による液体の吸引及び吐出等が実現される。このような動作を実現するピペット本体20の構成は、適宜なものとされてよい。以下では、その一例を示す。
ピペット本体20は、例えば、ピペットチップ10の内部に通じている流路(圧力室21を含む)を構成している流路部材35と、圧力室21の容積を変化させるアクチュエータ40と、流路部材35の内部(流路)と外部との間での気体の出入りを許容及び禁止するバルブ23とを有している。
(流路部材)
流路部材35は、例えば、既述の支持部材77及び筐体71を含んでいる。流路部材35の概略の外形及び大きさは適宜な形状とされてよい。図示の例では、流路部材35の概略の外形は、ピペットチップ10に直列な軸状(x方向の長さが他の方向の長さよりも長い形状)とされている。また、その大きさは、例えば、ユーザが摘まむ、又は握ることができる大きさ(例えば最大外径が50mm以下)とされている。
流路部材35の内部空間は、例えば、既述の圧力室21と、ピペットチップ10と圧力室21とを繋ぐ連通流路27と、連通流路27(別の観点では圧力室21)と外部とを繋ぐ開放流路28とを有している。連通流路27のうち少なくともピペットチップ10に繋がる部分は、例えば、図4において示すように、支持部材77に形成されている。
圧力室21の形状、位置及び大きさ等は適宜に設定されてよい。図示の例では、圧力室21は、流路部材35において側面に位置している。また、例えば、圧力室21の概略形状は、アクチュエータ40と重なる方向(y方向)を厚さ方向とする、概ね一定の厚さの薄型形状である。ここでの薄型形状は、y方向の長さがy方向に直交する各方向の最大長さよりも短い形状である。圧力室21の平面形状(y方向に見た形状)は、円形、楕円形、矩形又は菱形等の適宜な形状とされてよい。圧力室21の厚さ(y方向)は、例えば、50μm以上5mm以下である。圧力室21の径(y方向に直交する各方向における最大長さ)は、例えば、2mm以上50mm以下である。
連通流路27及び開放流路28の形状、位置及び大きさ等も適宜に設定されてよい。例えば、流路部材35は、ピペットチップ10からピペットチップ10の長さ方向(x方向)に延びている第1流路22と、第1流路22の中途から第1流路22に交差する方向に延びて圧力室21に至る第2流路26とを有している。そして、第1流路22のうちの、第2流路26との接続位置からピペットチップ10側の部分と、第2流路26とによって連通流路27が構成されている。このような流路構成によって、例えば、液体(例えばその飛沫)が圧力室21へ侵入し、アクチュエータ40に付着する蓋然性が低減される。ひいては、付着した液体に起因してアクチュエータ40の動作特性が変化する蓋然性が低減される。
また、第1流路22は、例えば、ピペットチップ10とは反対側にて流路部材35の外部へ通じている。そして、第1流路22のうちの、第2流路26との接続位置からピペットチップ10とは反対側の部分によって、開放流路28が構成されている。従って、液体が圧力室21に侵入しないように液体を逃がすための流路が、圧力室21を外部へ開放するための開放流路28に兼用されており、空間効率が向上している。
第1流路22及び第2流路26の横断面の形状及び寸法は適宜に設定されてよい。例えば、第1流路22及び第2流路26の横断面は、直径が0.1mm以上1mm以下の円形である。また、第1流路22及び第2流路26の内径は、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。第1流路22及び/又は第2流路26の横断面の形状及び大きさは、長さ方向において一定であってもよいし、変化していてもよい。
(アクチュエータ)
アクチュエータ40は、例えば、圧力室21の内面の1つを構成している。そして、アクチュエータ40は、圧力室21側へ撓むことによって(換言すれば圧力室21の内面を内側へ変位させることによって)、圧力室21の容積を減少させる。逆に、アクチュエータ40は、圧力室21とは反対側に撓むことによって(換言すれば圧力室21の内面を外側へ変位させることによって)、圧力室21の容積を増加させる。
上記のような撓み変形を生じさせるアクチュエータ40の具体的構成は、適宜なものとされてよい。例えば、アクチュエータ40は、ユニモルフ型の圧電素子によって構成されている。より詳細には、例えば、アクチュエータ40は、積層された2枚の圧電セラミック層40a、40bを有している。また、アクチュエータ40は、圧電セラミック層40aを挟んで互いに対向している内部電極42及び表面電極44を有している。圧電セラミック層40aは、厚さ方向に分極されている。
そして、内部電極42及び表面電極44によって圧電セラミック層40aに分極方向と同一方向に電圧を印加すると、圧電セラミック層40aは平面方向において収縮する。一方、圧電セラミック層40bは、そのような収縮を生じない。その結果、圧電セラミック層40aは、圧電セラミック層40b側へ撓む。すなわち、アクチュエータ40は、圧力室21側へ撓む。上記とは逆向きの電圧を印加した場合は、アクチュエータ40は、圧力室21とは反対側へ撓む。
アクチュエータ40の形状及び大きさ等は適宜に設定されてよい。例えば、アクチュエータ40は、適宜な平面形状の平板状である。平面形状は、圧力室21の平面形状と相似であってもよいし、相似でなくてもよい。平面視(y方向に見て)における各方向の最大長さは、例えば、3mm以上100mm以下である。アクチュエータ40の厚さ(y方向)は、例えば、20μm以上2mm以下である。アクチュエータ40を構成する各種の部材の材料、寸法、形状及び導通方法等も適宜に設定されてよい。
(バルブ)
バルブ23は、例えば、開放流路28が外部へ通じる位置に設けられている。バルブ23の開閉により、流路部材35の内部と外部との通気が許容又は禁止される。通気が禁止されている状態では、圧力室21の容積の変化によってピペットチップ10内の減圧及び増圧が行われる。一方、通気が許容されている状態では、圧力室21の容積を変化させても、ピペットチップ10内の減圧及び増圧は行われない。従って、例えば、通気が許容されている状態で圧力室21の容積を小さくし、次に通気を禁止してから圧力室21の容積を大きくすることによって、減圧量を大きくすることができる。その逆に、増圧量を大きくすることもできる。
(制御部)
制御部24は、例えば、特に図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(read-only memory)、RAM(random-access memory)及び外部記憶装置(別の観点ではこれらの少なくとも一部を含む集積回路素子)を含んで構成されている。CPUがROM及び/又は外部記憶装置に記憶されているプログラムを実行することによって、種々の動作を実行する機能部が構築される。例えば、制御部24は、アクチュエータ40及びバルブ23と電気的に接続されており、これらの動作を制御する。
(ピペットチップとピペット本体との間の密閉)
ピペット1は、ピペットチップ10の内部とピペット本体20の内部との密閉性の向上のために、適宜な位置にパッキンを有していてもよい。図4の例では、第1パッキン81と、第2パッキン83とが設けられている。なお、第1パッキン81及び第2パッキン83の一方又は双方は設けられなくてもよい。
第1パッキン81及び第2パッキン83は、Oリングによって構成されている。その材料は、例えば、接続部材13(接続部材本体14)及び支持部材77の材料よりもヤング率が低い材料である。例えば、これらのパッキンの材料としては、熱硬化性エラストマー(広義のゴム)及び熱可塑性エラストマーを挙げることができる。熱硬化性エラストマーとしては、加硫ゴム(狭義のゴム)及び熱硬化性樹脂性エラストマーを挙げることができる。
第1パッキン81は、接続部材13の後側面13gと、支持部材77の先端側の面(符号省略)との間に介在しており、これらの面によって圧縮されつつ、これらの面に密着している。接続部材13の取り付け前において、第1パッキン81は、適宜な方法によってピペット本体20に保持されてよい。例えば、支持部材77は、接続部材13の凸部13hを囲む環状のリブ77aを有している。リブ77aの外径は、外力が加えられていない状態での第1パッキン81の内径よりも大きい。接続部材13の取り付け前においては、第1パッキン81は、例えば、リブ77aが挿入されることによってピペット本体20に保持されている。
第2パッキン83は、接続部材13の凸部13hの頂面(後端13b)と、支持部材77の凹部77rの底面との間に介在しており、これらの面によって圧縮されつつ、これらの面に密着している。接続部材13の取り付け前において、第2パッキン83は、適宜な方法によってピペット本体20に保持されてよい。例えば、凹部77rの底面側の部分の内径は、第2パッキン83の外径よりも小さい。接続部材13の取り付け前においては、第2パッキン83は、例えば、凹部77rの底面側部分に収容されることによって保持されている。
図示の例では、ガラス管11の貫通孔11cと連通流路27とは、圧縮後の第2パッキン83の厚さで離れている。そして、第2パッキン83の開口を介して互いに連通されている。別の観点では、貫通孔11cの貫通方向(x方向)に透視して、第2パッキン83は、貫通孔11cのうちの後端11bにおける開口、貫通孔13cのうちの凸部13hの頂面における開口、及び連通流路27のうちの凹部77rの底面における開口を囲んでいる。第2パッキン83の開口の径は、これらの開口の径に対して、小さくてもよいし、同等でもよいし、大きくてもよい。例えば、第2パッキン83の開口の径は、連通流路27の径以上とされてよい。
以上のとおり、本実施形態では、長さ方向の両端である先端10a及び後端10bが開口しているピペットチップ10は、ガラス管11と、接続部材13とを有している。ガラス管11は、先端10a側の第1端(先端11a)と、後端10b側の第2端(後端11b)と、先端11aから後端11bへ貫通している第1貫通孔(貫通孔11c)とを備えている。接続部材13は、ガラス管11が挿入されている第2貫通孔(貫通孔13c)を備えている。ガラス管11は、当該ガラス管11の長さ方向中央の中央位置P1よりも後端11b側の部分の少なくとも一部が貫通孔13cに挿入され、中央位置P1よりも先端11a側の部分の全部が貫通孔13cの外部に位置している。接続部材13は、先端10a側とは反対側の端部(後端13b)の径がピペットチップ10の先端10aの径よりも大きく、かつ樹脂によって構成されている。
従って、例えば、ピペットチップ10のピペット本体20に対する着脱が容易化される。具体的には、例えば、ピペット本体20によって接続部材13を保持することから、ガラス管11に荷重が加えられてガラス管11が破損する蓋然性が低減される。換言すれば、ガラス管11の径を小さくすることができ、設計の自由度が向上する。また、接続部材13がガラスよりも硬度が低い樹脂によって構成されていることから、(図示の例とは異なり)接続部材13自体をパッキンとして利用することも可能である。また、接続部材13が樹脂であることから、例えば、接続部材13の形状を着脱機構に応じた形状に成形することも容易である。その一方で、透光性を高くすることが容易なガラス管11の半分以上の長さが接続部材13の外部に位置していることから、例えば、ガラス管11内の液体にガラス管11の側方から光を照射することが容易である。その結果、例えば、蛍光分析等が容易化される。
また、本実施形態では、ガラス管11のうち接続部材13よりも先端11a側の部分は、一定の外径及び内径で延びている部分(本実施形態では接続部材13よりも先端11a側の全部)を有している。
この場合、例えば、液体の特性の測定の精度を向上させることが容易である。例えば、ガラス管11がテーパ部を有し、テーパ部内の液体に光を照射する場合(このような態様も本開示に係る技術に含まれてよい)においては、意図されていない反射及び/又は屈折が生じ、測定精度が低下する可能性がある。しかし、本実施形態では、そのような測定精度の低下の蓋然性を低減することができる。
また、本実施形態では、ピペットチップ10は、チップ部材12を更に有している。チップ部材12は、ガラス管11の先端11aに固定されてピペットチップ10の先端10aを構成しており、樹脂によって構成されている。
この場合、例えば、既述のように、ピペットチップ10の先端10aの撥水性を調整することが容易化される。ひいては、例えば、ピペットチップ10の先端10aに付着する液体の量を調整することが容易化され、液体の計量の精度を向上させることができる。また、別の観点では、ピペットチップ10の両端には、チップ部材12及び接続部材13が設けられているから、ピペットチップ10は、中央側をガラスによって構成したと捉えることができる。これにより、例えば、ピペットチップ10の中央側に位置する液体に側方から光を照射することができる。すなわち、ピペットチップ10は、端部付近に液体を保持しなくてもよいから、液体が先端10a又は後端10bから漏れる蓋然性が低減される。
また、本実施形態では、接続部材13は、第1大径部13dを有している。第1大径部13dは、ピペットチップ10の後端10bよりも先端10a側に位置しており、ピペットチップ10における最大の外径を有している。ピペットチップ10の重心G1は、第1大径部13dよりも後端10b側に位置している。
この場合、例えば、ピペットチップ10を水平面に載置したとき、ピペットチップ10は、第1大径部13dの外縁と後端10b側部分とが水平面に当接した状態で安定する。すなわち、ピペットチップ10は、先端10a側が浮き上がった状態で安定する。従って、先端10a側が水平面に当接してガラス管11に荷重が加えられる蓋然性が低減される。その結果、ガラス管11の破損の蓋然性が低減される。
また、本実施形態では、接続部材13は、第2小径部13iを有している。第2小径部13iは、第1大径部13dよりもピペットチップ10の先端10a側に位置しており、ガラス管11の外径よりも大きい外径を有している。
この場合、例えば、ガラス管11が保護される。具体的には、以下のとおりである。図4では、上方に開口する容器91が模式的に示されている。この容器91の開口にピペットチップ10の先端10a側を挿入して容器91内に貯留されている液体を吸引する動作を想定する。このとき、容器91の開口の径(上端における径)が第1大径部13dの径よりも小さく、第2小径部13iの径よりも大きいと仮定する。このような状況においては、第2小径部13iを容器91に挿入した状態で液体を吸引することができる。そして、吸引中等において、ピペットチップ10と容器91とがy方向において相対移動した場合、第2小径部13iが容器91の内面に当接する。これにより、ピペットチップ10のうち接続部材13よりも先端10a側の部分が容器91の内面に接触する蓋然性が低減される。ひいては、ガラス管11に荷重が加えられる蓋然性が低減され、ガラス管11が保護される。
また、本実施形態では、接続部材13は、内層15と、接続部材本体14とを有している。内層15は、ガラス管11の外周面を取り囲んでおり、第1樹脂によって構成されている。接続部材本体14は、内層15の外周面を取り囲んで接続部材13の外周面を構成しており、第1樹脂とは異なる第2樹脂によって構成されている。内層15は、ガラス管11のうち接続部材本体14からピペットチップ10の先端10a側に延び出ている部分の外周面に密着している部分(延長部15a)を有している。
この場合、例えば、接続部材本体14の先端10a側の面付近において、接続部材本体14とガラス管11との間で生じる応力が延長部15aによって分散され、応力集中が生じる蓋然性が低減される。その結果、ガラス管11が保護される。延長部15aは、例えば、ガラス管11と接続部材本体14とを接着する接着剤の余剰分によって容易に形成することができる。従って、例えば、接続部材本体14に延長部15aに相当する部位を形成する態様(当該態様も本開示に含まれてよい。)とは異なり、接続部材本体14を形成する金型を作製した後であっても延長部15aを形成することが容易である。
また、本実施形態では、チップ部材12、ガラス管11及び接続部材13のいずれも透光性を有していてよい。
この場合、例えば、既述のように、液体の位置を視認することができる。その結果、例えば、ピペットチップ10内の減圧及び/又は増圧を行うときに、液体が先端10a及び/又は後端10bから漏れてしまう蓋然性を低減することができる。
また、本実施形態では、着脱部69は、接続部材13の少なくとも一部(図示の例では第1大径部13dよりも後端13b側の部分)を囲むコレット75を有している。
この場合、例えば、機械的に接続部材13を着脱できるから、着脱のための操作が容易である。また、接続部材13は、樹脂であることから、例えば、その形状を任意のものとすることが容易である。その結果、このような着脱方法の採用も容易化される。
また、本実施形態では、接続部材13は、ピペットチップ10の後端10b側に突出している凸部13hを有している。ピペット本体20(支持部材77)は、凸部13hが嵌合する凹部77rを有している。凸部13hの頂面には接続部材13の貫通孔13cが開口している。凹部77rの底面にはガラス管11の貫通孔11cと通じる連通流路27が開口している。凸部13hの頂面と凹部77rの底面との間に、貫通孔11cの貫通方向に透視して貫通孔13cのうちの凸部13hの頂面における開口と連通流路27のうちの凹部77rの底面における開口とを囲むOリング(第2パッキン83)が介在している。
この場合、第2パッキン83と第1パッキン81との比較から理解されるように、ガラス管11の貫通孔11cとピペット本体20の連通流路27との連通位置の近くにOリングを配置して、気密性が保持される容積を小さくすることができる。その結果、例えば、ピペットチップ10内の減圧及び/又は増圧の精度が向上し、ひいては、液体の計量の精度が向上する。
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態に係るピペット201の要部の構成を示す図であり、図4の一部に相当している。以下の説明では、基本的に、第1実施形態との相違部分についてのみ述べる。特に言及がない事項については、第1実施形態と同様とされるか、第1実施形態から類推されてよい。
第2実施形態のピペットチップ210において、ガラス管11と接続部材213との固定は、例えば、ガラス管11を接続部材213に圧入することによってなされている。具体的には、例えば、接続部材213は、その全体が弾性材料によって一体形成されている。接続部材213のガラス管11が挿入される貫通孔213cの内径は、ガラス管11の外径よりも小さくされている。そして、接続部材213は、その復元力によってガラス管11を締め付けてガラス管11を保持している。なお、両者の間には接着剤が配置されても構わない。
接続部材213の材料は、適宜なものとされてよい。例えば、接続部材213の材料としては、熱硬化性エラストマー(広義のゴム)及び熱可塑性エラストマーを挙げることができる。熱硬化性エラストマーとしては、加硫ゴム(狭義のゴム)及び熱硬化性樹脂性エラストマーを挙げることができる。熱硬化性樹脂性エラストマーとしては、例えば、シリコーンゴムを挙げることができる。接続部材213の材料の硬度も適宜に設定されてよく、例えば、ゴム硬度で50程度とされてよい。接続部材213の内径とガラス管11の外径との差も、これらの寸法及び接続部材213の材料(硬度)等に応じて適宜に設定されてよい。
また、第2実施形態においては、接続部材213とピペット本体220との固定も圧入によってなされている。具体的には、例えば、ピペット本体220は、第1実施形態と同様に、適宜な材料(樹脂、セラミックス又は金属等)によって構成され、連通流路27が形成されている支持部材277を有している。支持部材277は、先端に凹部277rを有している。一方、接続部材213は、上記のように弾性体によって構成されている。また、接続部材213は、凹部277rよりも径が大きい圧入部227jを有している。そして、圧入部227jは、凹部277r内に位置し、その復元力によって凹部277rの内面を押圧している。凹部277rの内径と圧入部227jの外径との差は、これらの寸法及び接続部材213の材料(硬度)等に応じて適宜に設定されてよい。
接続部材213(及び凹部227r)の形状及び寸法は適宜に設定されてよい。図示の例では、接続部材213は、上述の圧入部227jに加えて、圧入部227jよりも径が大きい大径部227kを有している。ただし、このような大径部227kは設けられなくてもよい。
また、図示の例では、圧入部227j及び凹部277rは、例えば、x方向の位置によらずに一定の横断面(一定の径)を有している。別の観点では、圧入部227jは、一定の厚さ(内面から外面までの長さ)でx方向に延びている。この場合、例えば、圧入部227jと凹部277rとの密着面積が増加し、気密性が向上する。ただし、図示の例とは異なり、例えば、圧入部227jは、後端側(-x側)ほど径が小さくなるテーパ状とされてもよい。この場合、例えば、圧入部227jを凹部277rに挿入することが容易化される。圧入部227jがテーパ状である場合の凹部277rは、x方向の位置によらずに一定の横断面を有していてもよいし、-x側ほど径が小さくなっていてもよい。
ガラス管11の後端11bは、接続部材213の後端213bに対して、先端側に位置していてもよいし、面一であってもよいし、後端側に位置していてもよい(図示の例)。図示の例では、後端11bは、後端213bよりも後方(-x側)に位置しており、支持部材277の凹部277rの底面に当接している。この場合、例えば、ガラス管11の貫通孔11cと支持部材277の連通流路27とが直接的に接続されるから、気密性が保持される容積を小さくしやすい。その結果、例えば、ピペットチップ10内の減圧及び/又は増圧の精度が向上し、ひいては、液体の計量の精度が向上する。このようにガラス管11と支持部材277とが直接に当接する場合においては、支持部材277の材料は、例えば、ガラスよりも硬度が低い材料(例えば樹脂)とされてよい。
以上のとおり、本実施形態においても、ガラス管11は、先端11aと後端11bとの中央位置P1よりも後端11b側の部分の少なくとも一部が貫通孔213cに挿入され、中央位置P1よりも先端11a側の部分の全部が貫通孔213cの外部に位置している。接続部材213は、ピペットチップ210の先端(第1実施形態の先端10aを参照)の側とは反対側の端部の径がピペットチップ10の先端の径より大きく、かつ樹脂によって構成されている。
従って、例えば、第1実施形態と同様の効果が奏される。例えば、ピペットチップ210のピペット本体220に対する着脱が容易化される。その一方で、例えば、透光性を高くすることが容易なガラス管11の半分以上の長さが接続部材13の外部に位置していることから、ガラス管11内の液体に光を照射することが容易である。
また、本実施形態では、着脱部(支持部材277)は、接続部材213が圧入される凹部277rを有している。
従って、例えば、着脱部の構成が簡素である。ひいては、ピペット本体220の構成が簡素である。従って、ピペット本体220のコスト削減が期待される。
以上の第1及び第2実施形態において、ガラス管11の先端11aは第1端の一例である。ガラス管11の後端11bは第2端の一例である。ガラス管11の貫通孔11cは第1貫通孔の一例である。接続部材13の貫通孔13c及び接続部材213の貫通孔213cはそれぞれ第2貫通孔の一例である。接続部材13の第1大径部13dは大径部の一例である。接続部材13の第2小径部13iは小径部の一例である。内層15を構成する樹脂は第1樹脂の一例である。接続部材本体14を構成する樹脂は第2樹脂の一例である。第1実施形態の着脱部69及び第2実施形態の支持部材277は着脱部の一例である。第2パッキン83はOリングの一例である。
本開示に係る技術は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
例えば、ピペットチップは、ガラス管及び接続部材のみを有し、チップ部材を有さないものであってもよい。換言すれば、ピペットチップの先端は、ガラス管の先端(第1端)によって構成されても構わない。
1…ピペット、10…ピペットチップ、10a…(ピペットチップの)先端、10b…(ピペットチップの)後端、11…ガラス管、11a…(ガラス管の)先端(第1端)、11b…(ガラス管の)後端(第2端)、11c…(ガラス管の)貫通孔(第1貫通孔)、13…接続部材、13c…(接続部材の)貫通孔(第2貫通孔)、P1…(第1端と第2端との)中央位置

Claims (11)

  1. 長さ方向の両端である先端及び後端が開口しているピペットチップであって、
    前記先端側の第1端と、前記後端側の第2端と、前記第1端から前記第2端へ貫通している第1貫通孔とを備えているガラス管と、
    前記ガラス管が挿入されている第2貫通孔を備えている接続部材と、
    を有しており、
    前記ガラス管は、当該ガラス管の長さ方向中央に位置する中央位置よりも前記第2端側の部分の少なくとも一部が前記第2貫通孔に挿入され、前記中央位置よりも前記第1端側の部分の全部が前記第2貫通孔の外部に位置しており、
    前記接続部材は、前記先端側とは反対側の端部の径が前記ピペットチップの前記先端の径よりも大きく、かつ樹脂によって構成されており、かつ
    前記接続部材は、
    前記ガラス管の外周面を取り囲んでおり、第1樹脂によって構成されている内層と、
    前記内層の外周面を取り囲んで前記接続部材の外周面を構成しており、前記第1樹脂とは異なる第2樹脂によって構成されている接続部材本体と、を有しており、
    前記内層は、前記ガラス管のうち前記接続部材本体から前記先端側に延び出ている部分の外周面に密着している部分を有している
    ピペットチップ。
  2. 前記ガラス管のうち前記接続部材よりも前記第1端側の部分は、一定の外径及び内径で延びている部分を有している
    請求項1に記載のピペットチップ。
  3. 前記ガラス管の前記第1端に固定されて前記ピペットチップの前記先端を構成しており、樹脂によって構成されているチップ部材を更に有している
    請求項1又は2に記載のピペットチップ。
  4. 前記接続部材は、前記ピペットチップの前記後端よりも前記先端側に位置しており、前記ピペットチップにおける最大の外径を有している大径部を有しており、
    前記ピペットチップの重心が前記大径部よりも前記後端側に位置している
    請求項1~3のいずれか1項に記載のピペットチップ。
  5. 前記接続部材は、前記大径部よりも前記先端側に位置している、前記ガラス管の外径よりも大きい外径を有している小径部を有している
    請求項4に記載のピペットチップ。
  6. 前記チップ部材、前記ガラス管及び前記接続部材のいずれも透光性を有している
    請求項3に記載のピペットチップ。
  7. 請求項1~のいずれか1項に記載のピペットチップと、
    前記接続部材が着脱される着脱部を有しているピペット本体と、
    を有しているピペット。
  8. 前記着脱部は、前記接続部材の少なくとも一部を囲むコレットを有している
    請求項に記載のピペット。
  9. 前記着脱部は、前記接続部材が圧入される凹部を有している
    請求項に記載のピペット。
  10. 前記接続部材は、前記後端側に突出している凸部を有しており、
    前記ピペット本体は、前記凸部が嵌合する凹部を有しており、
    前記凸部の頂面には前記第2貫通孔が開口しており、
    前記凹部の底面には前記第1貫通孔と通じる流路が開口しており、
    前記頂面と前記底面との間に、前記第1貫通孔の貫通方向に透視して前記第2貫通孔の前記頂面における開口と前記流路の前記底面における開口とを囲むOリングが介在している
    請求項に記載のピペット。
  11. 長さ方向の両端である先端及び後端が開口しているピペットチップと、
    前記ピペットチップが着脱される着脱部を有しているピペット本体と、
    を有しており、
    前記ピペットチップは、
    前記先端側の第1端と、前記後端側の第2端と、前記第1端から前記第2端へ貫通している第1貫通孔とを備えているガラス管と、
    前記ガラス管が挿入されている第2貫通孔を備えており、前記着脱部に着脱される接続部材と、を有しており、
    前記ガラス管は、当該ガラス管の長さ方向中央に位置する中央位置よりも前記第2端側の部分の少なくとも一部が前記第2貫通孔に挿入され、前記中央位置よりも前記第1端側の部分の全部が前記第2貫通孔の外部に位置しており、
    前記接続部材は、前記先端側とは反対側の端部の径が前記ピペットチップの前記先端の径よりも大きく、かつ樹脂によって構成されており、
    前記着脱部は、前記接続部材の少なくとも一部を囲むコレットを有しており、
    前記接続部材は、前記後端側に突出している凸部を有しており、
    前記ピペット本体は、前記凸部が嵌合する凹部を有しており、
    前記凸部の頂面には前記第2貫通孔が開口しており、
    前記凹部の底面には前記第1貫通孔と通じる流路が開口しており、
    前記頂面と前記底面との間に、前記第1貫通孔の貫通方向に透視して前記第2貫通孔の前記頂面における開口と前記流路の前記底面における開口とを囲むOリングが介在している
    ピペット。
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