JP7259854B2 - 質問応答装置、質問応答方法およびプログラム - Google Patents
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Description
質問応答装置が、ユーザへの問い返しを行って回答を文書から抽出する場合に、処理が比較的少なくて済むことが好ましい。
特に、対話シナリオの生成に関しては、対話シナリオ生成システムが、ユーザへの質問を行わずに対話シナリオを自動生成する。
また、対話シナリオの実行に関しては、「[地上]ボタン、[BS]ボタン、[CS]ボタンのどれかを押す」といった「選択肢」が対話シナリオに含まれるが、この「選択肢」は機械を操作するためのものであって情報を抽出するためではない。そして、対話シナリオを実行する自然言語対話システムの処理が、この「選択肢」における選択に応じて分岐することは、想定されていない。
従って、特許文献1には、装置が情報の抽出のためにユーザへの問い返しを行う場合に、ユーザの負担を軽減することについては記載されていない。
図1は、第1実施形態に係る質問応答システムの装置構成の例を示す概略構成図である。図1に示す構成で、質問応答システム1は、質問応答装置100と、文書データ管理装置200と、補助情報提供装置300と、ユーザ端末装置400と、通信ネットワーク900とを備える。
文書データ管理装置200は、ユーザの質問に回答するための情報源となる文書を文書データにて記憶し、データサーバとして機能する。文書データ管理装置200は、例えばワークステーション(Workstation)またはパソコン(Personal Computer;PC)等のコンピュータを用いて構成される。
以下では、文書データ管理装置200が就業規則等の社内文書を文書データにて記憶している場合を例に説明する。但し、文書データ管理装置200が記憶する文書データは社内文書の文書データに限定されず、例えば、システム障害を診断するシステムにて利用される文書や、教育において利用される文書等の、いろいろな種類の文書データとすることができる。文書データには、ユーザからの質問に関する情報が含まれる。特に、文書データには、質問に対する回答、または、質問に対して回答となる可能性がある候補等の情報が含まれる。さらに、文書データには、後述するユーザクエリノードのように、ユーザの質問に対応付けられる情報が含まれる。質問応答装置100は、ユーザの質問に対応付けられる情報を用いて文書データの構造を辿ることで、回答の候補の情報のうち、ユーザの質問に対する回答となる情報を取得し、ユーザに回答する。
また、文書データでは、情報が上位項目、下位項目などに階層化されて記録されている。後述する例のように、例えばHTML(Hypertext Markup Language)のtable要素など、表形式で表された情報も、階層構造で示されていてもよい。
回答の前処理として、質問応答装置100は、文書データ管理装置200が記憶している文書データの文書間関係および文書内関係に基づいて文書の階層構造を抽出し、文書データを階層構造化しておく。以下では、質問応答装置100が階層構造化した文書データを階層構造データと称する。質問応答装置100が階層構造データを記憶するようにしてもよいし、例えば文書データ管理装置200など質問応答装置100以外の装置が階層構造データを記憶するようにしてもよい。
タイプとして、単位を用いることができる。例えば、ユーザクエリが休暇の日数の問い合わせである場合、タイプ判定部184は、1日、2日、3日など、単位が日であることを回答のタイプとする。回答のタイプを回答タイプと称する。
以下では、質問応答装置100が補助情報として社員の勤続年数の情報を用いる場合を例に説明する。但し、質問応答装置100が用いる補助情報は、社員の勤続年数の情報に限定されず、質問応答装置100が辿る先のノードの候補の何れかを選択可能な情報であればよい。
ユーザ端末装置400は、例えばパソコン、タブレット(Tablet)端末装置、またはスマートフォン(Smartphone)等のコンピュータを用いて構成される。
ユーザ端末装置400の数は1つ以上であればよい。
また、質問応答装置100、文書データ管理装置200、補助情報提供装置300、ユーザ端末装置400、および、通信ネットワーク900のうち何れか1つまたは複数が、1つの装置として構成されていてもよい。例えば、質問応答装置100がユーザ端末装置400の機能を備えて構成されていてもよい。
また、質問応答装置100が、文書データを取得する代わりに階層構造データを直接取得する場合、文書データ管理装置200は、質問応答システム1に必須ではない。
応答側制御部180は、質問応答装置100の各部を制御して各種処理を実行する。応答側制御部180は、質問応答装置100が備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が応答側記憶部170からプログラムを読み出して実行することで構成される。
トピック処理部183は、ユーザクエリからトピックを抽出し、階層構造データのノードのうちトピックに最も類似するノードを検出してユーザクエリノードに設定する。ここでいうトピックは、質問の主題(すなわち、質問の内容を示すキーワード)である。例えば、ユーザクエリが「休暇の日数は?」である場合、トピック処理部183は、トピックとして「休暇」を抽出する。
トピック処理部183が、ユーザクエリの構文解析を行い、構文解析の結果と予め記憶しているテンプレートとを比較してユーザクエリ中のトピックを特定するようにしてもよい。但し、トピック処理部183が、ユーザクエリからトピックを抽出する方法は、これに限定されずいろいろな方法とすることができる。
式(1)は、ノードとユーザクエリとに共通の形態素の数を、ユーザクエリまたはノードの少なくとも何れかに含まれる形態素の数で除算した値を示す。
但し、トピック処理部183がユーザクエリとノードとの類似度を算出する方法は、式(1)を用いる方法に限定されずいろいろな方法とすることができる。
現在位置ノードから適合ノードまでの経路のうち経路選択部185が選択した経路を選択経路と称する。
現在位置ノードは、階層構造データのノードの中から1つ選択されるノードである。初期設定では、経路選択部185は、ユーザクエリノードを現在位置ノードに設定する。現在位置ノードの子ノードのうち、ユーザクエリに対する回答を示すノードの候補へ到達可能なノードが1つのみである場合、経路選択部185は、現在位置ノードをその子ノードに更新する。ユーザクエリに対する回答を示すノードの候補は、適合ノードのうち、ユーザクエリに対する回答を示すノードの候補から除外されていないノードである。経路選択部185は、問い返しに対するユーザの応答に基づいて、この除外を行う。
ユーザクエリに対する回答を示すノードの候補と回答候補ノードとが一致する場合、経路選択部185は、回答候補ノードから祖先ノードを辿って現在位置ノードへ到達することで、現在位置ノードから回答候補ノードまでの経路を選択することができる。
例えば、経路選択部185が、現在位置ノードから子孫ノードを辿って適合ノードに到達した場合に、現在位置ノードから到達先のノードまでの経路を選択し、到達先のノードを回答候補ノードに設定するようにしてもよい。
また、ノードN121からN124までが適合ノードに該当する。経路選択部185は、適合ノードのうちノードN121を回答候補ノードに設定している。また、経路選択部185は、ユーザクエリノードであるノードN111から回答候補ノードであるノードN121までの経路R11を選択している。
選択肢処理部186がユーザに提示する選択肢は、ノードと一対一に対応付けられている。ユーザが何れかの選択肢を選択すると、経路選択部185は、選択された選択肢に対応するノードを選択し、その選択肢のノードを含む経路を選択する。この経路の選択により、ユーザクエリに対する回答を示すノードの候補が、選択された経路上のノードに絞り込まれる。
ユーザが、あるノードを示す選択肢を選択することを、そのノードを選択すると称する。
選択肢処理部186が、現在位置ノードの子ノードのうち、経路選択部185が選択した経路に含まれるノードのみを選択肢のノードとしてユーザに提示し、そのノードを選択するか除外するかをユーザに問い合わせるようにしてもよい。
図6の例で、ユーザがノードN131を選択する場合の操作領域である「(1) 特別休暇」の表示項目と、ユーザがノードN131を選択しない場合の操作領域である「(N) その他」の表示項目とを含む、選択肢の表示画面をユーザ端末装置400に表示させる。
ユーザが「(N) その他」を選択した場合、ノードN131を選択しないことが確定する。この場合、経路選択部185は、選択経路を、ノードN131を通らない経路に選択し直す。
ユーザがノードN131を選択しないことが確定することで、経路選択部185は、ノードN131の子孫のノードN121を、ユーザクエリに対する回答を示すノードの候補から除外する。
選択肢のノードのうち、ユーザが選択しないことが確定したノードを否定ノードと称する。図7の例では、ノードN131が否定ノードの例に該当する。
図8の例で、ユーザがノードN132を選択する場合の操作領域である「(1) 年次休暇」の表示項目と、ユーザがノードN132を選択しない場合の操作領域である「(N) その他」の表示項目とを含む、選択肢の表示画面をユーザ端末装置400に表示させる。
ユーザが「(1) 年次休暇」を選択した場合、経路選択部185は、現在位置ノードをノードN111からノードN132に更新する。また、経路選択部185は選択経路を、現在位置ノードであるノードN132から回答候補ノードであるノードN132までの経路に選択し直す。
情報検索部187が補助情報を取得した場合、選択肢処理部186は、選択肢の提示を抑制する。具体的には、選択肢処理部186は、上述した問い返しを行わない。
表示部420は、例えば液晶パネルまたはLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)パネル等の表示デバイスを備え、各種画像を表示する。
操作入力部430は、例えばキーボードおよびマウス等の入力デバイスを備え、ユーザ操作を受け付ける。
端末側制御部480は、ユーザ端末装置400の各部を制御して各種処理を実行する。端末側制御部480は、ユーザ端末装置400が備えるCPUが端末側記憶部470からプログラムを読み出して実行することで構成される。
ここでいうルールは、前件→後件の形式で、因果関係、前後関係、または、含意関係等の関係を表すものである。このルールは、前件が成り立つならば、後件が成り立つというルールである。前件、後件の記述方法として、命題論理または述語論理を使用可能である。
また、現在位置ノードから回答候補ノードまでの経路を、推論における仮説に対応付けることができる。ここでいう仮説は、観測を説明するために仮定されるルールの集合体から成る。現在位置ノードから回答候補ノードまでの経路の選択を、仮説を立てることに対応付けることができる。
経路選択部185として演繹的な推論エンジンを用いる場合、現在位置ノードから子孫のノードを辿って行き、適合ノードに到達することで、仮説の候補となる経路を検出することができる。
あるいは、経路選択部185として、演繹法と帰納法とを併用する推論エンジンを用いるようにしてもよい。この場合、現在位置ノードから子孫のノードを辿って行く処理と、適合ノードから祖先のノードを辿って行く処理とを併用して、仮説の候補となる経路を検出することができる。
図12は、質問応答装置100がユーザクエリに回答する処理手順の例を示すフローチャートである。
図12の処理で、応答側通信部110はユーザクエリを取得する(ステップS101)。具体的には、ユーザ端末装置400が、ユーザクエリを入力するユーザ操作を受け付けて入力データを質問応答装置100へ送信し、応答側通信部110がユーザ端末装置400からの入力データを受信する。
そして、経路選択部185は、トピック処理部183がユーザクエリノードに設定したノードを現在位置ノードに初期設定する(ステップS103)。
そして、経路選択部185は、回答タイプに基づいて回答候補ノードを設定し、現在位置ノードから回答候補ノードまでの経路を選択する(ステップS105)。経路選択部185が、回答候補ノードを設定した後、現在位置ノードから回答候補ノードまでの経路を選択するようにしてもよい。あるいは、経路選択部185が、現在位置ノードから子孫のノードを辿って行き、到達先のノードが回答タイプに適合するか否かを判定することで、回答タイプの設定および経路の選択を行うようにしてもよい。
回答候補ノードに到達可能な子ノードが1つに絞り込まれたと判定した場合(ステップS108:YES)、経路選択部185は、現在位置ノードをその子ノードに更新する(ステップS109)。
回答を取得していないと判定した場合(ステップS110:NO)、経路選択部185は、選択経路を新たな経路に選択し直す(ステップS121)。
ステップS121の後、処理がステップS106へ戻る。
ステップS131の後、質問応答装置100は、図12の処理を終了する。
一方、ステップS108で、回答候補ノードに到達可能な子ノードが1つに絞り込まれていないと経路選択部185が判定した場合(ステップS108:NO)、処理がステップS110へ進む。
また、質問応答装置100によれば、ユーザが何れかの選択肢を選択するまでに質問応答装置100が選択肢を提示し直す回数が比較的少なくて済むことで、質問に対する回答を得られるまでの時間が比較的短くて済むと期待される。
これにより、質問応答装置100は、ユーザに選択肢を提示し、応答に応じて経路を選択し直すという比較的簡単な処理を繰り返すことで、回答を得られる。この点で、質問応答装置100の処理が比較的少なくて済む。また、質問応答装置100が行う処理が比較的簡単である点で、質問応答装置100の処理能力が比較的小さくて済み、質問応答装置100の製造コストを比較的安くすることができる。
これにより、ユーザは、提示される選択肢を選択するか否かを決定するという比較的簡単な判断を行えばよい。質問応答装置100によれば、この点で、ユーザの負担が比較的小さい。
情報検索部187が経路の選択し直しのための情報を取得した場合に、選択肢処理部186が選択肢の提示を抑制することで、ユーザに提示する選択肢が比較的少なくて済む。質問応答装置100によれば、この点で、ユーザの負担が比較的小さい。
質問応答装置100が、複数の経路を選択するようにしてもよい。第2実施形態では、この場合について説明する。
第2実施形態に係る質問応答システムの装置構成は、第1実施形態の場合と同様であり、図1を引用する。第2実施に係るユーザ端末装置400の機能構成も、第1実施形態の場合と同様であり、図11を引用する。
質問応答装置100は、表示形式決定装置の例に該当し、ユーザに提示する選択肢の表示形式を決定する。
問い返しに対するユーザの応答が、経路選択部191が選択したいずれかの経路に含まれるノードを選択することを示す場合、経路選択部191は、ユーザが選択したノードを現在位置ノードとして経路を選択し直す。
あるいは、kの値が1に設定されていてもよい。この場合、経路選択部185と同様、経路選択部191は1つの経路を選択し、問い返しに対するユーザの応答に応じて経路を選択し直す。
例えば、応答側記憶部170が、階層構造データのノード毎に、問い合わせに対する応答でユーザがそのノードを選択した履歴を記憶しておく。そして、評価値算出部192は、現在位置ノードから回答候補ノードへの経路毎に、現在位置ノードの子ノードのうち、その経路に含まれるノードをユーザが選択した回数を、その経路の評価値として算出する。
経路選択部191は、評価値算出部192が算出した評価が高い順にk個の経路を選択する。
また、経路選択部191は、経路R21、R22およびR23の3つの経路を選択している。経路R21は、ノードN111からノードN121までの経路である。経路R22は、ノードN111からノードN123までの経路である。経路R23は、ノードN111からノードN122までの経路である。経路選択部191の評価値算出部192は、現在位置ノードから全ての回答候補ノードまでの経路それぞれについて評価値を算出し、経路選択部191は、評価値が高い順に経路R21、R22、R23の3つの経路を選択している。
表示数予測部194は、問い返しにおける選択肢毎に与えられた指標値に基づいて、何れかの選択肢が選択されるまでに表示される選択肢の数の予測を示す値を算出する。
表示形式決定部195は、算出された値に基づいて、選択肢の表示形式を決定する。
表示項目の階層化のパタンでは、各階層は、1つの画面に表示する表示項目群を示す。階層の番号(「第i階層」の「i」、iは正の整数)は、階層を識別する識別子を示す。表示項目の番号(「cj」の「j」、jは正の整数)は、表示項目を識別する識別子を示す。
図16のパタンは、3つの表示項目c1、c2およびc3を1つの画面に、例えば、上からc1、c2、c3の順で表示することを示している。図16のパタンを第1パタンと称する。第1パタンは、表示形式の例に該当する。後述する第2パタンから第4パタンまでも、表示形式の例に該当する。
具体的には、ユーザは、領域A111をマウスクリックまたはタッチ操作するか、あるいは、キーボードの「1」のボタンを押下することで、日当手当を選択することができる。また、ユーザは、領域A112をマウスクリックまたはタッチ操作するか、あるいは、キーボードの「2」のボタンを押下することで、補助手当を選択することができる。また、ユーザは、領域A113をマウスクリックまたはタッチ操作するか、あるいは、キーボードの「3」のボタンを押下することで、補助手当を選択することができる。
領域A122は、選択肢の表示画面が複数ある場合に最初の画面に戻るよう指示するユーザ操作を受け付ける領域である。ユーザは、選択肢の表示画面のうち最初の画面に戻って操作をやり直したい場合に、領域A122をマウスクリックまたはタッチ操作して、表示部420に最初の画面を表示させる。
図18のパタンは、まず、第1階層における表示項目c1、表示項目c2、及び、項目「その他」を表示することを示す。項目「その他」が選択された場合には、表示項目c3が表示される。図18のパタンを第2パタンと称する。
領域A213は、表示部420に次の画面を表示させるユーザ操作を受け付ける領域である。領域A113における「(N)」は、ユーザ操作のための記号「N」を示している。ユーザは、領域A213をマウスクリックまたはタッチ操作するか、あるいは、キーボードの「N」のボタンを押下することで、表示部420に次の画面である第2画面を表示させることができる。
領域A121、A122およびA123は、いずれも図17の場合と同様である。
図19の第1画面で、ユーザが領域A213をマウスクリックまたはタッチ操作するか、あるいは、キーボードの「N」のボタンを押下した場合、選択肢処理部193は、第2パタンに従って、特別手当の選択肢を表示する第2画面の画像データを生成する。
領域A221は、図17の領域A113と同様である。
領域A121、A122およびA123は、いずれも図17の場合と同様である。
図21のパタンは、表示項目c1と、「その他」項目とを第1画面に表示することを示す。このパタンは、第1画面において「その他」項目が選択された場合に、表示項目c2を第2画面に表示することを示す。このパタンは、第2画面において「その他」項目が選択された場合に、表示項目c3を第3画面に表示することを示す。図21のパタンを第3パタンと称する。
領域A311は、図17の領域A111と同様である。
領域A312は、図19の領域A213と同様である。ユーザは、領域A312をマウスクリックまたはタッチ操作するか、あるいは、キーボードの「N」のボタンを押下することで、表示部420に次の画面である第2画面を表示させることができる。
領域A121、A122およびA123は、いずれも図17の場合と同様である。
領域A312は、図19の領域A213と同様である。ユーザは、領域A312をマウスクリックまたはタッチ操作するか、あるいは、キーボードの「N」のボタンを押下することで、表示部420に次の画面である第3画面を表示させることができる。
領域A121、A122およびA123は、いずれも図17の場合と同様である。
選択肢処理部193が第3パタンを選択した場合の第3画面は、図20を参照して説明した、選択肢処理部193が第2パタンを選択した場合の第2画面と同様である。
図24のパタンは、表示項目c1と、「その他」項目とを第1画面に表示することを示す。このパタンは、第1画面において「その他」項目が選択された場合に、表示項目c2およびc3を第2画面に表示することを示す。図24のパタンを第4パタンと称する。
選択肢処理部193が第4パタンを選択した場合の第1画面は、図22を参照して説明した、選択肢処理部193が第3パタンを選択した場合の第1画面と同様である。
選択肢処理部193が第4パタンを選択した場合に、第1画面で、「(N) その他」の表示領域がマウスクリックまたはタッチ操作されるか、あるいは、キーボードの「N」のボタンが押下された場合、選択肢処理部193は、第4パタンに従って、補助手当および特別手当の選択肢を表示する第2画面の画像データを生成する。
領域A121、A122およびA123は、いずれも図17の場合と同様である。
例えば、応答側記憶部170が、上述した第1パタンから第4パタンまでの4つのパタンを予め記憶しておく。表示数予測部194は、ユーザが選択肢c1を選択する確率を0.9と算出し、ユーザが選択肢c2を選択する確率を0.05と算出し、ユーザが選択肢c3を選択する確率を0.05と算出したとする。
そこで、表示数予測部194は、式(2)に示すように選択肢c1、c2、c3それぞれの確率に選択肢の数3を乗算して足し合わせ、期待値を3と算出する。
また、表示部420は、第2画面に選択肢c3を表示する。従って、第2画面の選択肢の数は1である。ユーザが選択肢c3を選択した場合、表示部420が表示する選択肢の数は、第1画面の選択肢の数3と、第2画面の選択肢の数1とを合計した4である。
そこで、表示数予測部194は、式(3)に示すように選択肢c1、c2それぞれの確率に選択肢の数3を乗算し、選択肢c3の確率に選択肢の数4を乗算して足し合わせ、期待値を3.05と算出する。
また、第1画面にて選択肢「(N) その他」が選択された場合に、表示部420は、第2画面に選択肢c2と、次の画面の表示を指示するための選択肢「(N) その他」とを表示する。従って、第2画面の選択肢の数は2である。ユーザが選択肢c2を選択した場合、表示部420が表示する選択肢の数は、第1画面の選択肢の数2と、第2画面の選択肢の数2とを合計した4である。
そこで、表示数予測部194は、式(4)に示すように選択肢c1の確率に選択肢の数2を乗算し、選択肢c2の確率に選択肢の数4を乗算し、選択肢c3の確率に選択肢の数5を乗算して足し合わせ、期待値を2.25と算出する。
また、第2画面にて選択肢「(N) その他」が選択された場合に、表示部420は、第2画面に選択肢c2およびc3を表示する。従って、第2画面の選択肢の数は2である。ユーザが選択肢c2、c3の何れを選択した場合も、表示部420が表示する選択肢の数は、第1画面の選択肢の数2と、第2画面の選択肢の数2とを合計した4である。
そこで、表示数予測部194は、式(5)に示すように選択肢c1の確率に選択肢の数2を乗算し、選択肢c2、c3それぞれの確率に選択肢の数4を乗算して足し合わせ、期待値を2.2と算出する。
図26の処理で、経路選択部191は、現在位置ノードから回答候補ノードまでの各経路の評価値を決定する(ステップS201)。
そして、経路選択部191は、評価が高い順(評価値が大きい順)に上位k(ただし、kは自然数)個の経路を選択する(ステップS202)。経路選択部191が、選択肢の数がk個になるまで経路を選択するようにしてもよい。
表示数予測部194は、応答側記憶部170から選択肢の表示形式(例えば、上述したパタン)を複数読み出し、ユーザが何れかの選択肢を選択するまでに表示部420が表示する選択肢の数の予測値(例えば、期待値)を、表示形式毎に算出する(ステップS204)。
表示形式決定部195は、選択した表示形式を用いて選択肢の表示処理を行う(ステップS206)。具体的には、表示形式決定部195は、選択した表示形式に基づいて選択肢の表示画面の画像データを生成する。表示形式決定部195は、生成した画像データを、応答側通信部110を介してユーザ端末装置400に送信することで、ユーザ端末装置400の表示部420に選択肢を表示させる。
ステップS206の後、図26の処理を終了する。
図27の例で、ユーザは、操作入力部430を用いて「休暇の日数を知りたい」とのユーザクエリを入力している。このように、ユーザがユーザクエリを自然言語の文で入力できることで、ユーザは、質問応答システム1に対していろいろな質問を比較的容易に行うことができる。
問い返しに対し、ユーザは、「(2)年次休暇」を選択している。質問応答システム1は、このユーザの選択に基づいて、休暇の種類を年次休暇に絞り込むことができる。
問い返しに対し、ユーザは、「(2)5年以上15年未満」を選択している。
質問応答システム1は、階層構造データの経路のうち、勤続年数5年以上15年未満の選択肢の経路を辿って休暇の付与日数21日との回答のノードに到達する。そして、質問応答システム1は、「年次休暇の付与日数は、21日です」との回答をユーザに提示している。
2回目の問い返しでは、勤続年数「(1)5年未満」、「(2)5年以上15年未満」、「(3)15年以上」の順番で提示するのが見易い。そこで質問応答システム1は、これらの選択肢を、経路の評価値に基づく並べ替えを行わずそのままの順番で表示している。但し、質問応答システム1が、2回目の問い返しでの選択肢についても、図26の処理による選択肢の順番決めおよび表示する選択肢数の調整を行うようにしてもよい。
このように、経路選択部191が複数の経路を選択することで、経路選択部191が1つの経路を選択する場合よりも、経路を選択し直す回数が少なくて済むことが期待され、この点で、質問応答装置100がユーザの質問に回答する処理を効率よく行えることが期待される。
このように、選択肢処理部186が、評価が高い経路に含まれるノードが示す選択肢を優先的にユーザに提示することで、ユーザが、比較的早い段階で提示される選択肢を選択することが期待される。従って、質問応答装置100によれば、ユーザに提示する選択肢が比較的少なくて済むことが期待され、この点で、ユーザの負担が比較的小さいことが期待される。
また、質問応答装置100では、ユーザが確認する表示項目の数が比較的少なくて済み、この点で、ユーザが選択肢の選択を行う処理の負荷を低減させることができる。
これにより、質問応答装置100では、選択肢を複数の表示画面に分配して配置し、ユーザが何れかの選択肢を選択するまで表示画面を切り替えるという比較的簡単な処理で、ユーザに提示する表示項目の数の低減を図ることができる。
このように、表示数予測部194が、確率および期待値を用いることで、表示数予測部194が行う処理の概念がより明確になる。この点で、質問応答装置100によれば、表示数予測部194が行う処理の把握が比較的容易になる。
このように、質問応答装置100が、予め定められた表示形式を用いることで、選択肢をユーザに提示する際に表示形式を生成する場合よりも速やかに選択肢をユーザに提示することができ、また、質問応答装置100の処理負荷が小さくて済む。
一般的に、音声によるユーザへの通知は、画面表示による通知よりも時間がかかると考えられる。質問応答システム1が、ユーザに選択肢を音声で提示する場合に、提示する選択肢数が比較的少なくて済むことで、画面表示による選択肢の提示の場合よりもさらに必要時間の削減効果を得られると期待される。
図28は、本発明の実施形態に係る質問応答装置の構成の例を示す図である。図28に示す質問応答装置10は、タイプ判定部11と、経路選択部12と、選択肢処理部13とを備える。
かかる構成にて、タイプ判定部11は、ユーザからの質問に基づいて質問に対する回答のタイプを判定する。経路選択部12は、情報の階層構造におけるノードのうち選択された現在位置ノードから回答のタイプに適合する適合ノードへの経路のうち何れかの経路を選択する。選択肢処理部13は、選択された経路に含まれるノードを示す情報を選択肢としてユーザに提示する。
また、質問応答装置10によれば、ユーザが何れかの選択肢を選択するまでに質問応答装置10が選択肢を提示し直す回数が比較的少なくて済むことで、質問に対する回答を得られるまでの時間が比較的短くて済むと期待される。
「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
100 質問応答装置
110 応答側通信部
170 応答側記憶部
180 応答側制御部
181 階層構造データ生成部
182 ユーザクエリ処理部
183 トピック処理部
184 タイプ判定部
185 経路選択部
186 選択肢処理部
187 情報検索部
200 文書データ管理装置
300 補助情報提供装置
400 ユーザ端末装置
410 端末側通信部
420 表示部
430 操作入力部
470 端末側記憶部
480 端末側制御部
900 通信ネットワーク
Claims (8)
- ユーザからの質問に基づいて前記質問に対する回答のタイプとして、回答に用いられると想定される単位を判定するタイプ判定部と、
推論エンジンを用いて構成され、情報の階層構造におけるノードのうち、ユーザからの質問との類似度に基づいて選択されるノードであるユーザクエリノードを、現在位置ノードの初期設定における現在位置ノードとして選択し、選択された現在位置ノードから、前記回答のタイプとして想定されている単位が用いられる情報を示すノードである適合ノードへの経路のうち何れか1つまたはそれ以上の前記経路を選択する経路選択部と、
選択された前記経路に含まれるノードを示す情報を選択肢として前記ユーザに提示する選択肢処理部と、
を備える、
質問応答装置。 - 前記経路選択部は、前記選択肢の提示に対するユーザの応答に応じて前記経路を選択し直す、
請求項1に記載の質問応答装置。 - 前記経路選択部は、1つの前記経路を選択し、前記ユーザの応答が、選択された前記経路に含まれるノードを選択しないことを示す場合、選択済みの経路以外の1つの前記経路に選択し直す、
請求項2に記載の質問応答装置。 - 前記経路選択部は、所定の数の前記経路を選択し、前記ユーザの応答が、選択されたいずれかの前記経路に含まれるノードを選択することを示す場合、選択されたノードを前記現在位置ノードとして前記経路を選択し直す、
請求項2に記載の質問応答装置。 - 前記経路選択部は、前記現在位置ノードから前記適合ノードへの経路のうち、前記ユーザの応答に応じて除外された経路以外の経路の各々について、回答を示すノードに到達する可能性の評価値を算出し、
前記選択肢処理部は、前記選択肢が示すノードを含む経路の評価が高いほど、その選択肢を優先的に前記ユーザに提示する、
請求項1から4の何れか一項に記載の質問応答装置。 - 前記経路の選択し直しのための情報を検索する情報検索部をさらに備え、
前記選択肢処理部は、前記情報検索部が前記経路の選択し直しのための情報を取得した場合、前記選択肢の提示を抑制する、
請求項1から5の何れか一項に記載の質問応答装置。 - 質問応答装置が、ユーザからの質問に基づいて前記質問に対する回答のタイプとして、回答に用いられると想定される単位を判定する工程と、
前記質問応答装置が、推論エンジンを用いて、情報の階層構造におけるノードのうち、ユーザからの質問との類似度に基づいて選択されるノードであるユーザクエリノードを、現在位置ノードの初期設定における現在位置ノードとして選択し、選択された現在位置ノードから、前記回答のタイプとして想定されている単位が用いられる情報を示すノードである適合ノードへの経路を設定する工程と、
前記質問応答装置が、前記経路に含まれるノードを選択肢として前記ユーザに提示する工程と、
を含む質問応答方法。 - コンピュータに、
ユーザからの質問に基づいて前記質問に対する回答のタイプを判定する工程と、
推論エンジンを用いて、情報の階層構造におけるノードのうち、ユーザからの質問との類似度に基づいて選択されるノードであるユーザクエリノードを、現在位置ノードの初期設定における現在位置ノードとして選択し、選択された現在位置ノードから、前記回答のタイプとして想定されている単位が用いられる情報を示すノードである適合ノードへの経路を設定する工程と、
前記経路に含まれるノードを選択肢として前記ユーザに提示する工程と、
を実行させるためのプログラム。
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