定義
本明細書中で交換可能に使用される場合、用語「活性薬剤」、「薬理学的に活性な薬剤」及び「有益な薬剤(beneficial agent)」は、疾患、障害若しくは状態の診断、治療(cure)、緩和、治療(treatment)若しくは予防において使用することが意図されている任意の物質、又は、身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが意図されている食料以外の任意の物質を意味する。それは、生物学的に活性であるか又は動物の生理機能を変えることが意図されている任意の有益な薬剤又は物質を包含し得る。
本明細書中で使用される場合、用語「Tlag」又は「ラグタイム」は、薬理学的に活性な薬剤が血管外投与された後で全身循環内に出現するのに必要な有限の時間を意味する。Tlagは、例えば、投与から最初に定量可能な血漿濃度に達するまでの時間として計算することができる。
本明細書中で使用される場合、用語「高粘性液体担体物質(HVLCM)」は、何も加えない場合に25℃及び1気圧で結晶化せず、37℃で少なくとも5000cpの粘度を有する非高分子非水溶性の液体物質を意味する。
本明細書中で使用される場合、用語「レオロジー改質剤」は、疎水性部分と親水性部分の両方を有している物質を意味する。開示されている投与形態及び方法において使用するのに適しているレオロジー改質剤は、一般に、約-7~+15(例えば、-5~+10、例えば、-1~+7)のオクタノール-水分配係数の対数(「LogP」)を有する。
本明細書中で使用される場合、用語「網目形成成分(network former)」は、液体媒体(例えば、HVLCM)の中に導入されたときに網目構造を形成する物質又は化合物を意味する。
本明細書中で使用される場合、用語「親水性剤(hydrophilic agent)」は、水性系に対して自然親和性(natural affinity)を有する化合物又は物質を意味する。物質は、約10~100%(w/w)の水分吸着を示す場合、本開示の目的に関して、親水性剤とみなされ得る。親水性剤は、低LogP値を有し、例えば、+1未満のLogPを有する。
本明細書中で使用される場合、用語「親水性溶媒」は、上記で記載した親水性剤の定義を満たす溶媒を意味する。
用語「溶媒」は、本明細書中で使用される場合、別の物質(溶質)を溶解させる任意の物質を意味する。
本明細書中で使用される場合、用語「治療(treatment)」、「治療する(treat)」及び「治療すること(treating)」は、臨床症状(clinical symptom)又は臨床徴候(clinical manifestation)を、一時的に又は恒久的に、部分的に又は完全に、排除すること、低減させること、抑制すること又は改善させることを意味する。加えて、又は、代替え的に、用語「治療(treatment)」、「治療する(treat)」及び「治療すること(treating)」は、本明細書中に記載されている方法に関連して本明細書中で使用される場合、臨床症状(clinical symptom)又は臨床徴候(clinical manifestation)を、一時的に又は恒久的に、部分的に又は完全に、阻害すること、遅延させること、抑制すること、低減させること、排除すること又は改善させることを意味する。「治療(treatment)」、「治療する(treat)」及び「治療すること(treating)」は、予防的な治療も包含する。一部の実施形態では、該治療することは、対象者における症状、徴候(sign)及び/又は状態を、当該治療の前にもたらされた症状、徴候及び/又は状態の基準となる測定と比較して、少なくとも約10%(例えば、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は、100%)低減させるのに有効である。一部の実施形態では、該治療することは、当該治療の前になされた基準となる評価と比較して、対象者における症状又は徴候を診断するために使用される評価を改善するのに有効である。本明細書中において提供されているそのような治療は、絶対に有効である必要はない。
用語「薬学的に許容される塩」は、本明細書中で使用される場合、中性の活性薬剤の生物学的な有効性及び特性を維持していて、薬学的用途に対して許容される塩を意味する。
本明細書中で使用される場合、用語「増粘剤(viscosity enhancing agent)」は、持続放出組成物に対してその組成物の粘度を上昇させるために加えることができる化合物又は物質を意味する。
本明細書中で使用される場合、用語「安定剤」は、その安定剤と混合される別の物質の劣化(例えば、物理的劣化又は化学的劣化)を阻害するために又は低減させるために使用される任意の物質を意味する。
本明細書中で使用される場合、用語「可溶性」は、特定されている温度(例えば、37℃)で、溶媒中の溶質の溶解度が33.3mg/mL以上であるレベルを意味する。
用語「重量%」、「% w/w」及び「w%」は、本明細書においては交換可能に使用されて、重量当たりの重量%を意味する。
本発明についてさらに記述する前に、記載されている特定の実施形態はもちろん変化し得るので、本発明がその特定の実施形態に限定されないということは理解されるべきである。本発明の範囲は添付されている「特許請求の範囲」のみによって制限されるので、本明細書中で使用されている専門用語が特定の実施形態について記述することのみを目的としていること、及び、そのような専門用語が限定的であることは意図されていないということも理解されるべきである。
値の範囲が与えられている場合、その範囲の上限と下限の間の各値(その文脈において異なるように明瞭に記載されていない限りその下限の単位の十分の一まで)、及び、その示されている範囲の中の任意の別の示されている値又は間の値は、本発明の範囲内に包含されるということは理解されるべきである。これらのより小さな範囲の上限及び下限は、独立して、そのより小さな範囲の中に包含されることができ、そして、本発明の範囲内にも包含され、本発明は、その示されている範囲の中で特定的に排除されている範囲によって制約される。示されている範囲が一方又は両方の限界を含んでいる場合、これらの含まれている限界の一方又は両方が排除されている範囲も、本発明に包含される。
異なるように定義されていない限り、本明細書中で使用されている全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有する。本発明の実施又は試験において、本明細書中に記載されているのと同様の又は同等の方法及び物質を使用することも可能であるが、代表的な方法及び物質について、新たに記載する。本明細書中に記載されている全ての刊行物は、その刊行物が引用されていることに関連する方法及び/又は物質について開示及び記述するために、参照によって本明細書中に組み込まれる。
本明細書中で使用されている場合、及び、添付されている「特許請求の範囲」において、その文脈において異なるように明瞭に記載されていない限り、単数形「a」、「and」及び「the」が複数の指示対象物を包含していることは、留意しなければならない。かくして、例えば、「a dosage form(投与形態)」についての言及は、複数のそのような「dosage forms(投与形態)」を包含し、並びに、例えば、「the capsule(カプセル)」についての言及は、1以上の「capsules(カプセル)」及び当業者には知られているそれらの等価物への言及を包含する。さらに、「特許請求の範囲」が任意の要素(例えば、任意の場合による要素)を排除するように起草され得るということも留意される。従って、この記述は、請求項の要素の列挙に関連して、「単独で(solely)」、「のみ(only)」などの排他的な用語を使用するための、又は、「否定的な」限定を使用するための、根拠として機能することが意図されている。
本明細書中の用語の定義又は使用法が参照によって本明細書に組み込まれる出願又は参考文献の中の用語の定義又は使用法と相容れない場合は、本出願が優先する。
本明細書中で論じられている刊行物は、本出願の出願日より前のそれらの開示内容のみに関して、提供されている。本明細書中に記載されているものは、全て、本発明がそのような刊行物に先行する権利がないということを容認するものとして解釈されるべきではない。さらに、記載されている公開日は、実際の公開日と異なっている可能性があり、これは、個別に確認する必要があり得る。
本開示を読んだ際に当業者には明らかなように、本明細書中において記載及び例証されている個々の実施形態は、それぞれ、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、別の幾つかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離させることが可能な個別の成分及び特徴又は別の幾つかの実施形態のいずれかの特徴と容易に組み合わせることが可能な個別の成分及び特徴を有している。記載されている任意の方法は、記載されているイベントの順番で実施することができるか、又は、論理的に可能な別の任意の順番で実施することができる。このことは、そのような全ての組み合わせをサポートするように意図されている。
詳細な説明
本開示の投与形態は、摂食した状態において適切な時間で作用が発現し且つ低減されたラグタイムで、薬理学的に活性な薬剤を制御放出的に送達するようにデザインされている。一部の実施形態では、本開示は、薬理学的に活性な薬剤を含んでいる薬物組成物(又は、持続放出(ER)組成物)、その薬物組成物の少なくとも一部分を被覆しているバリヤー層及びそのバリヤー層の少なくとも一部分を被覆している薬物層(ここで、該薬物層は、該薬理学的に活性な薬剤を含んでいる)を含んでいる投与形態を提供する。一部の実施形態では、本開示の投与形態は、投与後2時間以内における初期の増大する放出速度及びAPIの血漿濃度、並びに、2-6時間の間における持続した血漿濃度をもたらすための2番目の上昇しない放出速度と、その後の、投与後約10-12時間を通して治療効果を維持するために有効な血漿濃度によって、特徴付けられ得る。
薬物組成物
本開示の投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)は、薬理学的に活性な薬剤を含んでいる。該薬物組成物は、薬物コアを含んでいることができるか、又は、該薬物組成物は、別の物質の表面上にコーティングされていてもよい。該薬物組成物は、さらに、単独で又は組み合わされて該投与形態からの該薬理学的に活性な薬剤の制御放出を促進する及び/又は乱用抑止特性をもたらす1種類以上の成分も含有することができる。そのような成分としては、例えば、高粘性液体担体物質(HVLCM)、例えば、スクロース酢酸イソブチル(sucrose acetate isobutyrate)(SAIB)、有機溶媒、レオロジー改質剤、網目形成成分、増粘剤及びポリオキシルグリセリドなどを挙げることができる。これらの成分のそれぞれについて、以下でさらに詳細に記載する。
薬理学的に活性な薬剤
本開示の投与形態の中に含ませることができる薬理学的に活性な薬剤には、生物体(ヒト又は動物の対象者)に投与されたときに局所作用及び/又は全身作用によって所望の薬理学的及び/又は生理学的効果を誘発させる任意のタイプの生物学的に活性な化合物又は組成物が包含され得る。
開示されている投与形態の中において有用な生物学的に活性な化合物又は組成物の例としては、限定するものではないが、オピオイド類、CNS抑制薬及びCNS興奮薬などを挙げることができる。
オピオイド類は、強力な麻酔薬のクラスであり、これは、例えば、モルヒネ、コデイン、オキシコドン及びフェンタニル並びに関連する薬物などを包含する。モルヒネは、多くの場合、激しい疼痛を緩和するために使用される。コデインは、強くない疼痛に対して使用される。疼痛を緩和するために処方することが可能なオピオイド類の別の例としては、オキシコドン(例えば、OxyContin(登録商標) - 該薬物の経口制御放出形態);プロポキシフェン(例えば、DarvonTM);ヒドロコドン(例えば、VicodinTM);ヒドロモルフォン(例えば、DilaudidTM);及び、メペリジン(例えば、DemerolTM)などがある。
オピオイド類は、疼痛を軽減することに加えて、多幸感の感覚を生じさせることも可能であり、そして、大量に摂取した場合、死に至り得る重篤な呼吸抑制を引き起こす可能性がある。
CNS抑制薬は、GABA活性を増大させることによって正常な脳機能を鈍化させ、それによって、誘眠効果又は鎮静効果をもたらす。比較的高い投与量の場合、一部のCNS抑制薬は、一般的な麻酔薬になることができ、そして、極めて高い投与量の場合は、呼吸不全及び死をもたらし得る。CNS抑制薬は、頻繁に乱用され、そして、CNS抑制薬の乱用は、多くの場合、別の物質又は薬物(例えば、アルコール又はコカイン)の乱用と併せて生じる。毎年、そのような薬物の乱用によって多くの死亡が発生している。CNS抑制薬は、それらの化学及び薬理学に基づいて、2つのグループに分けることができる:(1)バルビツール酸系、例えば、メホバルビタール(例えば、MebaralTM)、及び、ペントバルビタールナトリウム(例えば、NembutalTM)、これらは、不安、緊張及び睡眠障害を治療するために使用される;及び、(2)ベンゾジアゼピン系、例えば、ジアゼパム(例えば、ValiumTM)、クロルジアゼポキシドHCl(例えば、LibriumTM)、及び、アルプラゾラム(例えば、XanaxTM)、これらは、不安、急性ストレス反応及びパニック発作を治療するために処方され得る。より強い鎮静効果を有するベンゾジアゼピン系、例えば、トリアゾラム(例えば、HalcionTM)及びエスタゾラム(例えば、ProSomTM)は、睡眠障害を短期治療するために処方され得る。
興奮薬は、脳の活性を増強する薬物のクラスである - それらは、覚醒、注意集中及び活力の増強を引き起こし、これには、血圧、心拍数及び呼吸の上昇を伴う。興奮薬は、多くの場合、ナルコレプシー、注意欠陥過活動性障害(ADHD)及び鬱病を治療するために処方される。興奮薬は、さらに、肥満の短期治療のために使用することもでき、及び、喘息を患っている患者に対しても使用することができる。デキストロアンフェタミン(DexedrineTM)及びメチルフェニデート(RitalinTM)などの興奮薬は、モノアミン類と称される主要な脳内神経伝達物質(これは、ノルエピネフリン及びドーパミンを包含する)と類似した化学構造を有している。興奮薬は、脳内及び体内におけるこれらの化学物質のレベルを上昇させる。これが、次に、血圧及び心拍数を上昇させ、血管を収縮させ、血糖を上昇させ、及び、呼吸器系の経路を広げる。さらにドーパミンの上昇は、これらの薬物の使用を伴い得る多幸感の感覚と関連する。
高投与量の興奮薬を摂取すると、不整脈、危険なほど高い体温を引き起こすか、及び/又は、循環不全若しくは致死性の発作のおそれをもたらす。一部の興奮薬を短期間に繰り返し高投与量で摂取すると、一部の個人においては、敵意又は被害妄想を引き起こし得る。
本開示の投与形態の中に含ませることができる生物学的に活性な化合物の1つのクラスは、オピオイド類のクラスであり、これは、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、アポモルヒネ、アポコデイン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクラゾシン、シクロルフェン(cyclorphen)、シプレノルフィン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デキストロメトルファン、デゾシン、ジアンプロミド、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキシアフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロキシメチルモルフィナン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、レボメトルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メチルモルヒネ、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、オーメフェンタニル、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、フォルコジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロフェドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、レミフェンタニル、スフェンタニル、トラマドール、チリジン、ナルトレキソン、ナロキソン、ナルメフェン、メチルナルトレキソン、ナロキソンメチオジド、ナロルフィン、ナロキソナジン、ナリド(nalide)、ナルメキソン(nalmexone)、ナルブフィン、ナロルフィンジニコチネート、ナルトリンドール(NTI)、ナルトリンドールイソチオシアネート(NTII)、ナルトリベン(NTB)、ノル-ビナルトルフィミン(nor-BNI)、タペンタドール、ベータ-フナルトレキサミン(b-FNA)、7-ベンジリデンナルトレキソン(BNTX)、シプロダイム(cyprodime)、N,N-ジアリル-Tyr-Aib-Aib-Phe-Leu(ICI-174,864)、3-[1-(3-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)-3,4-ジメチルピペリジン-4-イル]フェノール(LY117413)、[(-)-(1R,5R,9R)-5,9-ジエチル-2-(3-フリルメチル)-2’-ヒドロキシ-6,7-ベンゾモルファン](MR2266)、エトルフィン、[D-Ala2,NMe-Phe4,Gly-ol5]-エンケファリン(DAMGO)、CTOP(CAS番号:103429-31-8)、ジプレノルフィン、ナロキソンベンゾイルヒドラゾン、ブレマゾシン、エチルケトシクラゾシン、(U50,488)、(U69,593)、スピラドリン、[D-Pen2,5]エンケファリン(DPDPE)、[D-Ala2,Glu4]デルトルフィン、[D-Ser2,Leu5,Thr6]-エンケファリン(DSLET)、Met-エンケファリン、Leu-エンケファリン、β-エンドルフィン、ダイノルフィンA、ダイノルフィンB、a-ネオエンドルフィン、又は、5員環核を有するオピオイド(これは、ナルメフェン、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、レボルファノール、メプタジノール、ペンタゾシン、デゾシンと同じ5員環核を有している)、又は、それらの薬理学的に有効なエステル若しくは塩を包含する。
一部の実施形態では、本開示の投与形態における使用に関するオピオイド類は、モルヒネ、ヒドロコドン、オキシコドン、コデイン、フェンタニル(及びその関連物)、ヒドロモルフォン、メペリジン、メタドン、オキシモルホン、プロポキシフェン若しくはトラマドール又はそれらの混合物から選択される。一部の実施形態では、本開示の投与形態における使用に関するオピオイド類は、オキシコドン、オキシモルホン、ヒドロコドン及びヒドロモルフォンから選択される。一部の実施形態では、本開示の投与形態における使用に関するオピオイド類は、微粉化することができる。オピオイドオキシコドンに関して、低減されたレベルの過酸化物分解産物(例えば、アルファベータ不飽和ケトン類(ABUK))を有する投与形態を提供することが有益であり得る。そのような場合、本開示の投与形態を、既知方法に従う過酸化物混入物を低減及び/又は除去する技術に付すことができる。
開示されている投与形態において有用な別の薬理学的に活性な化合物又は組成物としては、プロクロルペラジンエジシレート、硫酸第一鉄、アミノカプロン酸、塩化カリウム、メカミラミン、プロカインアミド、アンフェタミン(デキサンフェタミン、デキストロアンフェタミン、d-S-アンフェタミン及びレボアンフェタミンを包含する全ての形態)、ベンズフェタミン、イソプロテレノール(isoproternol)、メタンフェタミン、デクスメタンフェタミン、フェンメトラジン、ベタネコール、メタコリン、ピロカルピン、アトロピン、メトスコポラミン、イソプロパミド、トリジヘキセチル、フェンホルミン、メチルフェニデート(デクスメチルフェニデート、d-トレオメチルフェニデート及びdl-トレオメチルフェニデートを包含する全ての形態)、オクスプレノロール、メトロプロロール、シメチジン、ジフェニドール、メクリジン、プロクロルペラジン、フェノキシベンザミン、チエチルペラジン、アニシンドン(anisindone)、ジフェナジオンエリトリチル(diphenadione erythrityl)、ジゴキシン、イソフロフェート(isofurophate)、レセルピン、アセタゾラミド、メタゾラミド、ベンドロフルメチアジド、クロルプロパミド、トラザミド、クロルマジノン、フェナグリコドール、アロプリノール、アスピリンアルミニウム、メトトレキセート、アセチルスルフィソキサゾール、エリスロマイシン、プロゲスチン、エストロゲニックプログレステーショナル(estrogenic progrestational)、コルチコステロイド、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチコステロンアセテート、酢酸コルチゾン、トリアムシノロン、メチルテストステロン、17ベータ-エストラジオール、エチニルエストラジオール、エチニルエストラジオール3-メチルエーテル、プレドニゾロン、17-ヒドロキシプロゲステロンアセテート、19-ノル-プロゲステロン、ノルゲストレル、オレチンドン(orethindone)、ノルエチデロン(norethiderone)、プロゲステロン、ノルゲストロン、ノルエチノドレル、アスピリン、インドメタシン、ナプロキセン、フェノプロフェン、スリンダク、ジクロフェナク、インドプロフェン、ニトログリセリン、プロプラノロール、メトロプロロール(metroprolol)、バルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸、タキサン類、例えば、パクリタキセル、カンプトテシン類、例えば、9-アミノカンプトテシン、オクスプレノロール、チモロール、アテノロール、アルプレノロール、シメチジン、クロニジン、イミプラミン、レボドパ、クロロプロプマジン(chloropropmazine)、レスペリン(resperine)、メチルドーパ、ジヒドロキシフェニルアラニン、α-メチルドーパ塩酸塩のピバロイルオキシエチルエステル、テオフィリン、グルコン酸カルシウム乳酸第一鉄、ケトプロフェン、イブプロフェン、セファレキシン、ハロペリオドール(haloperiodol)、ゾメピラク、ビンカミン、ジアゼパム、フェノキシベンザミン、β-遮断剤、カルシウムチャネル遮断薬、例えば、ニフェジピン、ジルチアゼン(diltiazen)、ベラパミル、リシノプリル、カプトプリル、ラミプリル、フォシモプリル(fosimopril)、ベナゼプリル、リベンザプリル(libenzapril)、シラザプリル、シラザプリラット、ペリンドプリル、ゾフェノプリル、エナラプリル、インダラプリル(indalapril)、クマプリル(qumapril)などがある。開示されている投与形態において有用な薬理学的に活性な化合物又は組成物には、上記で記載した薬理学的に活性な化合物又は組成物のうちの2種類以上の混合物も包含され得る。
該活性薬剤は、さまざまな形態で、例えば、中性形態で、遊離塩基形態で、又は、薬学的に許容される塩の形態で、本開示の投与形態の中に存在することができる。薬学的に許容される塩には、該活性薬剤中に存在し得る酸性基又は塩基性基の塩が包含される。本質的に塩基性である活性薬剤は、種々の無機酸及び有機酸と多種多様な塩を形成することができる。本発明における使用に適した塩基性活性薬剤の薬学的に許容される酸付加塩としては、酸付加塩、即ち、薬理学的に許容されるアニオンを含んでいる塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩(gentisinate)、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩(glucaronate)、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩及びパモ酸塩(即ち、1,1’-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエート))などがある。アミノ部分を含んでいる活性薬剤は、上記で記載した酸に加えて、さまざまなアミノ酸と薬学的に許容される塩を形成することができる。適切な塩基塩は、無毒性の塩(例えば、アルミニウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩及びジエタノールアミン塩)を形成する塩基から形成され得る。例えば、「Berge et al. (1977) J. Pharm. Sci. 66:1-19」を参照されたい;その開示内容は参照により本明細書中に組み込まれる。
本開示の投与形態において、該薬理学的に活性な薬剤は、該投与形態の1以上の成分の中に(完全に又は部分的に)溶解されるか、又は、該投与形態の1以上の成分の中に分散される。表現「溶解されるか、又は、分散される」は、対象の投与形態の中の薬理学的に活性な薬剤の存在を確立するためのすべての手段を包含することが意図されており、そして、溶解、分散、部分的溶解及び部分的分散並びに/又は懸濁などを包含する。さらに、該薬理学的に活性な薬剤が該投与形態の1以上の別の成分の中に懸濁された固体粒子形態にある本開示の特定の実施形態では、その薬理学的に活性な薬剤の粒子は、そのバルクがミクロン(μm)の範囲内に収まる実質的に均質な粒径を有する粒子集団とするために、米国出願公開第2009/0215808号(その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているプロセスなどの微粉化プロセスで前処理することができる。例えば、本開示は、20μm以下又は10μm以下のDv90粒子分布を有する粒子の調製を包含する、安定化された微粉化粒子を含んでいる投与形態を提供する。
該薬理学的に活性な薬剤(これは、1種類以上の適切な薬理学的に活性な薬剤を含んでいることが可能である)は、該活性薬剤の種類、該投与形態に関して必要とされる所望の用量及びその意図される用途に応じて、開示されている投与形態の中に、該投与形態の総重量に対して、約90~約0.1重量%(wt%)の量で、例えば、約80~約0.1wt%の量で、約70~約0.1wt%の量で、約60~約0.1wt%の量で、約50~約0.1wt%の量で、約40~約0.1wt%の量で、約30~約0.1wt%の量で、約20~約0.1wt%の量で、約10~約0.1wt%の量で、約9~約0.1wt%の量で、約8~約0.1wt%の量で、約7~約0.1wt%の量で、約6~約0.1wt%の量で、約5~約0.1wt%の量で、約4~約0.1wt%の量で、約3~約0.1wt%の量で、約2~約0.1wt%の量で、又は、約1~約0.1wt%の量で、存在することができる。
一部の実施形態では、該薬理学的に活性な薬剤は、該薬理学的に活性な薬剤の種類、該投与形態に関して必要とされる所望の用量及びその意図される用途に応じて、開示されている投与形態の中に、約0.1~約5w%の量で、約5~約10w%の量で、約10~約20w%の量で、約20~約30w%の量で、約30~約40w%の量で、約40~約50w%の量で、約50~約60w%の量で、約60~約70w%の量で、約70~約80w%の量で、又は、約80~約90w%の量で、存在することができる。
一部の実施形態では、該薬理学的に活性な薬剤を適切な投与形態の中に装入して、約0.01mg~約1000mg、又は、約0.1mg~約500mg、又は、約2mg~約250mg、又は、約2mg~約200mg、又は、約2mg~約150mg、又は、約5mg~約100mg、又は、約5mg~約80mgの範囲の単一用量を提供する。一部の実施形態では、該薬理学的に活性な薬剤は、該投与形態の中に、約1wt%~約10wt%、約2wt%~約9wt%、約3wt%~約8wt%、約4wt%~約7wt%、又は、約5wt%~約6wt%の量で、存在する。一部の実施形態では、該薬理学的に活性な薬剤は、該投与形態の中に、約1wt%、約2wt%、約3wt%、約4wt%、約5wt%、約6wt%、約7wt%、約8wt%、約9wt%、又は、約10wt%の量で、存在する。
一部の実施形態では、メチルフェニデートは、該投与形態に関して必要とされる所望の用量及びその意図される用途に応じて、開示されている投与形態の中に、該投与形態の総重量に対して、約90~約0.1重量%(wt%)の量で、例えば、約80~約0.1wt%の量で、約70~約0.1wt%の量で、約60~約0.1wt%の量で、約50~約0.1wt%の量で、約40~約0.1wt%の量で、約30~約0.1wt%の量で、約20~約0.1wt%の量で、約10~約0.1wt%の量で、約9~約0.1wt%の量で、約8~約0.1wt%の量で、約7~約0.1wt%の量で、約6~約0.1wt%の量で、約5~約0.1wt%の量で、約4~約0.1wt%の量で、約3~約0.1wt%の量で、約2~約0.1wt%の量で、又は、約1~約0.1wt%の量で、存在する。
一部の実施形態では、メチルフェニデートは、該投与形態に関して必要とされる所望の用量及びその意図される用途に応じて、開示されている投与形態の中に、約0.1~約5w%の量で、約5~約10w%の量で、約10~約20w%の量で、約20~約30w%の量で、約30~約40w%の量で、約40~約50w%の量で、約50~約60w%の量で、約60~約70w%の量で、約70~約80w%の量で、又は、約80~約90w%の量で、存在する。
一部の実施形態では、メチルフェニデートを適切な投与形態の中に装入して、約0.01mg~約1000mg、又は、約0.1mg~約500mg、又は、約2mg~約250mg、又は、約2mg~約200mg、又は、約2mg~約150mg、又は、約5mg~約100mg、又は、約5mg~約80mgの範囲の単一用量を提供する。一部の実施形態では、メチルフェニデートは、該投与形態の中に、約1wt%~約10wt%、約2wt%~約9wt%、約3wt%~約8wt%、約4wt%~約7wt%、又は、約5wt%~約6wt%の量で、存在する。一部の実施形態では、メチルフェニデートは、該投与形態の中に、約1wt%、約2wt%、約3wt%、約4wt%、約5wt%、約6wt%、約7wt%、約8wt%、約9wt%、又は、約10wt%の量で、存在する。
オピオイドの薬理学的に活性な薬剤を含んでいる一部の実施形態の場合、典型的な単一用量としては、限定するものではないが、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg及び約160mgなどがある。
薬理学的に活性な薬剤としてCNS抑制薬又はCNS興奮薬を含んでいる別の実施形態では、典型的な単一用量としては、限定するものではないが、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約28mg、約29mg、約30mg、約31mg、約32mg、約33mg、約34mg、約35mg、約36mg、約37mg、約38mg、約39mg、約40mg、約41mg、約42mg、約43mg、約44mg、約45mg、約46mg、約47mg、約48mg、約49mg、約50mg、約51mg、約52mg、約53mg、約54mg、約55mg、約56mg、約57mg、約58mg、約59mg、約60mg、約61mg、約62mg、約63mg、約64mg、約65mg、約66mg、約67mg、約68mg、約69mg、約70mg、約71mg、約72mg、約73mg、約74mg、約75mg、約76mg、約77mg、約78mg、約79mg、約80mg、約81mg、約82mg、約83mg、約84mg、約85mg、約86mg、約87mg、約88mg、約89mg、約90mg、約91mg、約92mg、約93mg、約94mg、約95mg、約96mg、約97mg、約98mg、約99mg及び約100mgなどがある。
該薬理学的に活性な薬剤は、本明細書中に記載されている投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約10%~約50%w/wで、例えば、約10%~約40%、約10%~約30%、又は、約10%~約20%w/wで、存在することができる。一部の実施形態では、該薬理学的に活性な薬剤は、本明細書中に記載されている投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約10%w/w、約15%w/w、約20%w/w、約25%w/w、約30%w/w、約35%w/w、約40%w/w、約45%w/w、又は、約50%w/wで、存在することができる。
所望される薬理学的に活性な薬剤の正確な量は、既知方法で決定することが可能であり、そして、薬剤のタイプ、並びに、その薬剤の薬物動態学及び薬力学に依存する。
高粘性液体担体物質(HVLCM)
本開示の投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)には、高粘性液体担体物質(HVLCM)(例えば、スクロース酢酸イソブチル(SAIB))を含ませることができる。HVLCMは、何も加えない場合に25℃及び1気圧で結晶化せず、37℃で少なくとも5000cpの粘度を有する非高分子非水溶性の液体物質である。用語「非水溶性」は、25℃及び1気圧で1重量パーセント未満の程度まで水に可溶性である物質を意味する。用語「非高分子」は、エステルの酸部分において本質的に反復単位を有していないエステル又は混合エステル、並びに、酸部分における官能性単位が少ない回数だけ繰り返される酸部分を有しているエステル又は混合エステル(即ち、オリゴマー)を意味する。一般に、エステルの酸部分において6以上の同一且つ隣接する反復単位又は単量体単位を有している物質は、本明細書中で使用される用語「非高分子」によって除外されるが、二量体、三量体、四量体又は五量体を含んでいる物質は、該用語の範囲内に包含される。エステルが、乳酸又はグリコール酸などのさらにエステル化し得るヒドロキシ含有カルボン酸部分から形成される場合、反復単位の数は、乳酸部分又はグリコール酸部分の数ではなく、ラクチド部分又はグリコリド部分の数に基づいて計算し、ここで、ラクチド反復単位は、それらのそれぞれのヒドロキシ部分及びカルボキシ部分によってエステル化される2つの乳酸部分を含んでおり、並びに、グリコリド反復単位は、それらのそれぞれのヒドロキシ部分及びカルボキシ部分によってエステル化される2つのグリコール酸部分を含んでいる。そのアルコール部分に1~約20のエーテル化ポリオールを有するか又はそのアルコール部分に1~約10のグリセロール部分を有するエステルは、本明細書において使用される用語「非高分子」と見なされる。HVLCMは、炭水化物系であってもよく、そして、1以上のカルボン酸と化学的に結合している1以上の環状炭水化物を含んでもよい。HVLCMは、さらにまた、エステルがアルコール部分を含んでいる場合(例えば、グリセロール)、何も加えない状態では25℃及び1気圧で結晶化せず、37℃で少なくとも5,000cPの粘度を有する、1以上のカルボン酸の非高分子エステル又は混合エステルも包含する。該エステルは、例えば、約2~約20のヒドロキシ酸部分を含んでいることができる。開示されている投与形態の中に含まれ得るさまざまなHVLCMが、米国特許第5,747,058号、米国特許第5,968,542号及び米国特許第6,413,536号に記載されている;これらの特許のそれぞれの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。開示されている本発明の投与形態は、これらの特許に記載されている任意のHVLCMを用いることができるが、具体的に記載されている物質に限定されるものではない。
HVLCMは、本開示の投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に基づいて、約30重量%~約60重量%で存在することができる。例えば、該HVLCMは、該薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約35重量%~約60重量%、約40重量%~約60重量%、約45重量%~約60重量%、約50重量%~約60重量%、又は、約55重量%~約60重量%で、存在することができる。
一部の実施形態では、該HVLCMは、該薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約35重量%~約55重量%、又は、約40重量%~約50重量%で、存在することができる。
一部の実施形態では、該HVLCMは、該薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、約35重量%、約36重量%、約37重量%、約38重量%、約39重量%、約40重量%、約41重量%、約42重量%、約43重量%、約44重量%、約45重量%、約46重量%、約47重量%、約48重量%、約49重量%、約50重量%、約51重量%、約52重量%、約53重量%、約54重量%、約55重量%、約56重量%、約57重量%、約58重量%、約59重量%、又は、約60重量%で、存在することができる。
一部の実施形態では、該薬物組成物(又は、ER組成物)の中に存在しているHVLCMの量は、該薬物組成物(又は、ER組成物)の中に存在している溶媒の量に関連して定められる。例えば、該HVLCMと該溶媒は、約2:1~約0.8:1、例えば、約1.9:1~約0.8:1、約1.8:1~約0.8:1、約1.7:1~約0.8:1、約1.6:1~約0.8:1、約1.5:1~約0.8:1、約1.4:1~約0.8:1、約1.3:1~約0.8:1、約1.2:1~約0.8:1、約1.1:1~約0.8:1、約1:1~約0.8:1、又は、約0.9:1~約0.8:1の重量比で、該組成物の中に与えることができる。例えば、一部の実施形態では、該HVLCMと該溶媒は、約2:1、約1.9:1、約1.8:1、約1.7:1、約1.6、約1.5:1、約1.4:1、約1.3:1、約1.2:1、約1:1、約0.9:1、又は、約0.8:1の重量比で、該薬物組成物(又は、ER組成物)の中に与えることができる。
一部の実施形態では、スクロース酢酸イソブチル(「SAIB」)を該薬物組成物(又は、ER組成物)の中に含ませることができるか、又は、該HVLCMは、SAIBを、例えば、上記で記載した重量%又は溶媒に対する比率のいずれかで、含有することができる。SAIBは、-80℃から100℃を超える範囲の温度において非高分子高粘性液体であり、それは、6のイソブチレート対2のアセテートの公称比の、完全にエステル化されたスクロース誘導体である。SAIBの化学構造は、米国出願公開第2009/0215808号において与えられており、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。SAIB物質は、Eastman Chemical Companyを含むさまざまな商業的供給元から入手可能であり、その際、それは、結晶化しないが非常に高粘性の液体として存在する混合エステルとして入手可能である。それは、水不溶性で粘度が温度によって変化する、疎水性で非結晶性の低分子量分子である。例えば、純粋なSAIBは、周囲温度(RT)で約2,000,000センチポアズ(cP)の粘度を示し、及び、80℃で約600cPの粘度を示す。SAIB物質は、多くの種類の有機溶媒の中で確立されたSAIB溶液が純粋なSAIB物質よりも有意に低い粘度値を有するという点で、特有の溶液-粘性関係を有しており、それによって、SAIB-有機溶媒溶液は、それら自体を、ミキサー、液体ポンプ及びカプセル製造機などの慣習的な設備を使用して加工することを可能にしている。SAIBは、さらにまた、例えば、米国特許第5,747,058号、米国特許第5,968,542号、米国特許第6,413,536号及び米国特許第6,498,153号(ここで、これらの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、薬物の製剤及び送達における用途も有している。
一部の実施形態では、該薬物組成物(又は、ER組成物)及び/又は該薬理学的に活性な薬剤の種々の成分の過酸化物に基づく分解を回避するために、過酸化物レベルが低い物質を含んでいるSAIBを提供することは有益であり得る。例えば、米国特許出願公開番号第US 2007/0027105号、「Peroxide Removal From Drug Delivery Vehicle」を参照されたい(これらの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる)。
溶媒
本開示の投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)は、1種類以上の溶媒を含有し得る。溶媒は、以下の構成成分のうちの1種類以上を溶解させるために、該薬物組成物(又は、ER組成物)において使用することができる:HVLCM類;活性薬剤;網目形成成分;レオロジー改質剤;増粘剤;及び、安定剤。一部の実施形態では、該溶媒は、HVLCMと網目形成成分の両方を溶解させることができる。本開示の投与形態の一部の実施形態では、該薬物組成物(又は、ER組成物)は、親水性溶媒と疎水性溶媒の両方を含有することができる。本開示の投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)において使用するのに適している有機溶媒としては、限定するものではないが、以下のものなどがある:置換されているヘテロ環式化合物、例えば、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)及び2-ピロリドン(2-ピロール);トリアセチン;炭酸とアルキルアルコールとのエステル、例えば、炭酸プロピレン、炭酸エチレン及び炭酸ジメチル;脂肪酸、例えば、酢酸、乳酸及びヘプタン酸;モノカルボン酸、ジカルボン酸及びトリカルボン酸のアルキルエステル、例えば、酢酸2-エチオキシエチル(ethyoxyethyl)、酢酸エチル、酢酸メチル、乳酸エチル、酪酸エチル、マロン酸ジエチル、グルトン酸ジエチル(diethyl glutonate)、クエン酸トリブチル、コハク酸ジエチル、トリブチリン、アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、シュウ酸ジメチル、クエン酸ジメチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、三酢酸グリセリル;アルキルケトン類、例えば、アセトン及びメチルエチルケトン;エーテルアルコール類、例えば、2-エトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテル、グリコフロール及びグリセロールホルマール;アルコール類、例えば、ベンジルアルコール、エタノール及びプロパノール;ポリヒドロキシアルコール類、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)、グリセリン(グリセロール)、1,3-ブチレングリコール及びイソプロピリデングリコール(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソロン-4-メタノール);ソルケタール;ジアルキルアミド類、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセタミド;ジメチルスルホキシド(DMSO)及びジメチルスルホン;テトラヒドロフラン;ラクトン類、例えば、ε-カプロラクトン及びブチロラクトン;環状アルキルアミド類、例えば、カプロラクタム;芳香族アミド類、例えば、N,N-ジメチル-m-トルアミド及び1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン;など;並びに、それらの混合物及び組み合わせ。
一部の実施形態では、該溶媒は、トリアセチン、N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、乳酸エチル、炭酸プロピレン及びグリコフロールから選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる(includes)又は含んでいる(comprises)。一部の実施形態では、該溶媒は、親水性溶媒であるトリアセチンである。一部の実施形態では、該親水性トリアセチン溶媒を疎水性溶媒と組み合わせて、該組成物の中で疎水性/親水性溶媒系をもたらすことができる。
該溶媒(これは、1種類以上の適切な溶媒物質を含むことができる)は、本開示の投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に基づいて、約0.1重量%~約40重量%で存在することができる。例えば、該溶媒は、該薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約1重量%~約45重量%、約2重量%~約45重量%、約3重量%~約45重量%、約4重量%~約45重量%、約5重量%~約45重量%、約6重量%~約45重量%、約7重量%~約45重量%、約8重量%~約45重量%、約9重量%~約45重量%、約10重量%~約45重量%、約11重量%~約45重量%、約12重量%~約45重量%、約13重量%~約45重量%、約14重量%~約45重量%、約15重量%~約45重量%、約16重量%~約45重量%、約17重量%~約45重量%、約18重量%~約45重量%、約19重量%~約45重量%、約20重量%~約45重量%、約21重量%~約45重量%、約22重量%~約45重量%、約23重量%~約45重量%、約24重量%~約45重量%、約25重量%~約45重量%、約26重量%~約45重量%、約27重量%~約45重量%、約28重量%~約45重量%、約29重量%~約45重量%、約30重量%~約45重量%、約31重量%~約45重量%、約32重量%~約45重量%、約33重量%~約45重量%、約34重量%~約45重量%、約35重量%~約45重量%、約36重量%~約45重量%、約37重量%~約45重量%、約38重量%~約45重量%、約39重量%~約45重量%、約40重量%~約45重量%、約41重量%~約45重量%、約42重量%~約45重量%、約43重量%~約45重量%、又は、約44重量%~約45重量%で、存在することができる。
一部の実施形態では、該溶媒は、本開示の投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約10重量%~約35重量%で、例えば、約15重量%~約30重量%、又は、約20重量%~約25重量%で、存在することができる。一部の実施形態では、該溶媒は、該薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約26重量%、約27重量%、約28重量%、約29重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、又は、約35重量%で、存在することができる。
レオロジー改質剤
本開示の投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)は、1種類以上のレオロジー改質剤を含むことができる。レオロジーは、変形の性質及び/又は液体の流動性を意味し、そして、レオロジー改質剤は、液体組成物の粘性及び流動性を改質するために使用される。本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)において使用することができるレオロジー改質剤としては、例えば、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(例えば、Miglyol(登録商標)810、又は、Miglyol(登録商標)812)、ミリスチン酸イソプロピル(IM、又は、IPM)、オレイン酸エチル、クエン酸トリエチル、フタル酸ジメチル、Labrafil、Labrasol、ポリグリコール化グリセリド、安息香酸ベンジル及びそれらの混合物などを挙げることができる。
一部の実施形態では、本開示の投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)において使用するレオロジー改質剤は、IPMであるか、又は、IPMを含んでいる。
該レオロジー改質剤(これは、1種類以上の適切なレオロジー改質剤物質、例えば、本明細書中に記載されている1種類以上の適切なレオロジー改質剤を、含むことができる)は、本開示の投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該組成物の総重量に対して、約0.1~約20重量%(wt%)で、例えば、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約1~約20wt%で、約2~約20wt%で、約3~約20wt%で、約4~約20wt%で、約5~約20wt%で、約6~約20wt%で、約7~約20wt%で、約8~約20wt%で、約9~約20wt%で、約10~約20wt%で、約11~約20wt%で、約12~約20wt%で、約13~約20wt%で、約14~約20wt%で、約15~約20wt%で、約16~約20wt%で、約17~約20wt%で、約18~約20wt%で、又は、約19~約20wt%で、存在することができる。
一部の実施形態では、該レオロジー改質剤は、該薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約1~約15wt%で、例えば、約5~約10wt%で、存在している。例えば、一部の実施形態では、該レオロジー改質剤(例えば、IPM)は、該薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約1wt%、約2wt%、約3wt%、約4wt%、約5wt%、約6wt%、約7wt%、約8wt%、約9wt%、約10wt%、約11wt%、約12wt%、約13wt%、又は、約15wt%で、存在している。
網目形成成分
本開示の投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)は、1種類以上の網目形成成分を含むことができる。網目形成成分は、組成物に、それらが水性環境に晒された際に該組成物の中で三次元網目を形成するように、添加することができる。いかなる特定の理論にも拘束されることを意図するものではないが、網目形成成分は、水性環境に晒された際に、組成物内でミクロ網目の形成を可能にすると考えられる。このミクロ網目の形成は、少なくとも部分的には、網目形成成分の転相(例えば、ガラス転移温度Tgの変化)に起因するものと思われる。この結果は、該組成物と該水性環境との間の界面における沈澱した網目形成成分の表面薄層又は表面層、及び、該組成物内の沈澱した網目形成成分の三次元ミクロ網目の形成であると考えられる。該網目形成成分は、該薬物組成物(又は、ER組成物)の中で使用される選択された溶媒の中で良好な溶解性(例えば、約0.1~20wt%の溶解性)を有するように選択する。加えて、優れた網目形成成分は、典型的には、約-1~7のLogPを有する。適切な網目形成成分としては、例えば、以下のものを挙げることができる:酢酸酪酸セルロース(「CAB」);炭水化物ポリマー;炭水化物ポリマー及び別のポリマーの有機酸;ヒドロゲル;酢酸フタル酸セルロース;エチルセルロース;トリブロックコポリマー、例えば、Pluronic(登録商標)(非イオン性トリブロックコポリマー);アクリルポリマー、例えば、Eudragit(登録商標)(ポリメタクリレート)、又は、CarbomerTM(ポリアクリル酸);ヒドロキシルプロピルメチルセルロース(HPMC)、別の酢酸セルロース、例えば、三酢酸セルロース、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、及び、水性環境において三次元網目を形成するように会合する、配置する又は凝固することができる任意の別の物質、並びに、それらの混合物。
一部の実施形態では、本開示の投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)において使用される網目形成成分は、約50,000ダルトン~約100,000ダルトン(例えば、約60,000ダルトン~約100,000ダルトン、約70,000ダルトン~約100,000ダルトン、約80,000ダルトン~約100,000ダルトン、又は、約90,000ダルトン~約100,000ダルトン)の範囲の数平均分子量を有するCABであるか、又は、そのようなCABを含んでいる。一部の実施形態では、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)において使用される網目形成成分は、約60,000ダルトン~約90,000ダルトン又は約70,000ダルトン~約80,000ダルトンの範囲の数平均分子量を有するCABであるか、又は、そのようなCABを含んでいる。一部の実施形態では、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)において使用される網目形成成分は、約50,000ダルトン、約55,000ダルトン、約60,000ダルトン、約65,000ダルトン、約70,000ダルトン、約75,000ダルトン、約80,000ダルトン、約85,000ダルトン、約90,000ダルトン、約95,000ダルトン又は約100,000ダルトンの数平均分子量を有するCABであるか、又は、そのようなCABを含んでいる。
一部の実施形態では、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)において使用される網目形成成分は、約17%~約41%の範囲のブチリル含有量、約13%~約30%の範囲のアセチル含有量及び約0.5%~約1.7%の範囲のヒドロキシル含有量から選択される少なくとも1つの特徴を有するCABであるか、又は、そのようなCABを含んでいる。一部のさらなる実施形態では、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)において使用される網目形成成分は、約17%~約41%の範囲のブチリル含有量、約13%~約30%の範囲のアセチル含有量及び約0.5%~約1.7%の範囲のヒドロキシル含有量のうちの少なくとも2つを含むCABであるか、又は、そのようなCABを含んでいる。さらなる実施形態では、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)において使用される網目形成成分は、約17%~約41%の範囲のブチリル含有量、約13%~約30%の範囲のアセチル含有量及び約0.5%~約1.7%の範囲のヒドロキシル含有量の3つ全てを含むCABであるか、又は、そのようなCABを含んでいる。
従って、一部の実施形態では、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)において使用される網目形成成分は、約17%~約41%の範囲のブチリル含有量を有するCABであるか、又は、そのようなCABを含んでいる。一部の実施形態では、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)において使用される網目形成成分は、約13%~約30%の範囲のアセチル含有量を有するCABであるか、又は、そのようなCABを含んでいる。一部の実施形態では、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)において使用される網目形成成分は、約0.5%~約1.7%の範囲のヒドロキシル含有量を有するCABであるか、又は、そのようなCABを含んでいる。一部の実施形態では、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)において使用される網目形成成分は、約17%~約41%の範囲のブチリル含有量及び約13%~約30%の範囲のアセチル含有量を有するCABであるか、又は、そのようなCABを含んでいる。一部の実施形態では、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)において使用される網目形成成分は、約17%~約41%の範囲のブチリル含有量及び約0.5%~約1.7%の範囲のヒドロキシル含有量を有するCABであるか、又は、そのようなCABを含んでいる。一部の実施形態では、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)において使用される網目形成成分は、約13%~約30%の範囲のアセチル含有量及び約0.5%~約1.7%の範囲のヒドロキシル含有量を有するCABであるか、又は、そのようなCABを含んでいる。さらに別の実施形態では、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)において使用される網目形成成分は、約17%~約41%の範囲のブチリル含有量、約13%~約30%の範囲のアセチル含有量及び約0.5%~約1.7%の範囲のヒドロキシル含有量を有するCABであるか、又は、そのようなCABを含んでいる。さらなる実施形態では、ブチリル含有量、アセチル含有量及び/又はヒドロキシル含有量に関する上記特徴のうちの少なくとも1に加えて、該CABは、約50,000ダルトン~約100,000ダルトン(例えば、約60,000ダルトン~約100,000ダルトン、約70,000ダルトン~約100,000ダルトン、約80,000ダルトン~約100,000ダルトン、又は、約90,000ダルトン~約100,000ダルトン)の範囲の数平均分子量も有する。さらなる実施形態では、ブチリル含有量、アセチル含有量及び/又はヒドロキシル含有量に関する上記特徴のうちの少なくとも1に加えて、該CABは、約60,000ダルトン~約90,000ダルトン又は約70,000ダルトン~約80,000ダルトンの範囲の数平均分子量も有する。さらなる実施形態では、ブチリル含有量、アセチル含有量及び/又はヒドロキシル含有量に関する上記特徴のうちの少なくとも1に加えて、該CABは、約50,000ダルトン、約55,000ダルトン、約60,000ダルトン、約65,000ダルトン、約70,000ダルトン、約75,000ダルトン、約80,000ダルトン、約85,000ダルトン、約90,000ダルトン、約95,000ダルトン又は約100,000ダルトンの数平均分子量も有する。
一部の実施形態では、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)において使用される網目形成成分は、酢酸酪酸セルロースグレード381-20BP(Eastman Chemicalsから入手可能な「CAB 381-20BP」)であるか、又は、酢酸酪酸セルロースグレード381-20BPを含んでいる。一部の実施形態では、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)において使用される網目形成成分は、CABであるか又はCABを含んでおり、ここで、該CABは、以下の化学的特性及び物理的特性を有する非生物分解性ポリマー物質である:約36wt%のブチリル含有量、約15.5wt%のアセチル含有量、約0.8%のヒドロキシル含有量、約185~196℃の融点、約128℃のガラス転移温度、及び、約66,000ダルトン~83,000ダルトン(例えば、約70,000ダルトン)の数平均分子量。一部の実施形態では、該薬物組成物(又は、ER組成物)においてCAB物質を使用する場合、CAB物質から潜在的な汚染物質を除去するために、該薬物組成物(又は、ER組成物)への添加に先だって、CAB物質をエタノール洗浄ステップ(及び、その後の乾燥ステップ)に付すことができる。
一部の実施形態では、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)において使用される網目形成成分は、特に、約2.0%のアセチル含有量、約46.0%のブチリル含有量、4.8%のヒドロキシル含有量、約150~160℃の融点、約136℃のガラス転移温度及び約20,000ダルトンの数平均分子量を有する網目形成成分(例えば、Eastman Chemicalsから入手可能なCAB-553-0.4)を排除する。
一部の実施形態では、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)において使用される網目形成成分は、特に、エタノール中で溶解する網目形成成分(例えば、CAB)を排除する。
該網目形成成分(これは、1種類以上の適切な網目形成成分物質を含むことができる)は、本開示の投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約0.1~約20重量%(wt%)で、例えば、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約1~約20wt%、約2~約20wt%、約3~約20wt%、約4~約20wt%、約5~約20wt%、約6~約20wt%、約7~約20wt%、約8~約20wt%、約9~約20wt%、約10~約20wt%、約11~約20wt%、約12~約20wt%、約13~約20wt%、約14~約20wt%、約15~約20wt%、約16~約20wt%、約17~約20wt%、約18~約20wt%、又は、約19~約20wt%で、存在することができる。
一部の実施形態では、該網目形成成分は、該薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約2~約10wt%(例えば、約4~約8wt%、又は、約4~約6wt%)で、存在している。例えば、一部の実施形態では、該網目形成成分は、該薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約2wt%、約3wt%、約4wt%、約5wt%、約6wt%、約7wt%、約8wt%、約9wt%、約10wt%、約11wt%、約12wt%、約13wt%、又は、約15wt%で、存在している。
増粘剤
本開示の投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)は、1種類以上の増粘剤を含むことができる。増粘剤は、1分子当たり1以上の結合能力などの、良好な水素結合能力を有するように選択することができる。特定の場合では、該増粘剤は、該組成物中における溶解性が非常に低いものから溶解性を全く有しないものである。該増粘剤が可溶性である場合、一部の実施形態では、該溶解性は、50wt%未満である。無機又は鉱物質の増粘剤の場合、該物質が約100m2/g以上の比表面積を有すれば好ましい。適切な増粘剤には、生物分解性及び非生物分解性のポリマー物質が包含される。適切な生物分解性のポリマー及びオリゴマーの非限定的な例としては、以下のものを挙げることができる:ポリ(ラクチド)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(カプロラクトン)、ポリアミド、ポリ無水物、ポリアミノ酸、ポリオルトエステル、ポリシアノアクリレート、ポリ(ホスファジン)、ポリ(ホスホエステル)、ポリエステルアミド、ポリジオキサノン、ポリアセタール、ポリケタール、ポリカーボネート、ポリオルトカーボネート、分解性ポリウレタン、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバレレート、ポリアルキレンオキサレート、ポリアルキレンスクシネート、ポリ(リンゴ酸)、キチン、キトサン、並びに、コポリマー、ターポリマー、酸化セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、又は、上記で記載した物質の組み合わせ若しくは混合物。適切な非生物分解性ポリマーとしては、以下のものを挙げることができる:ポリアクリレート、エチレン-酢酸ビニルポリマー、セルロース及びセルロース誘導体、アシルで置換されている酢酸セルロース及びその誘導体(これは、本発明において網目形成成分としても使用される酢酸酪酸セルロース(CAB)を包含する)、非浸食性ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリビニル(イミダゾール)、クロロスルホン化ポリオレフィン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレン、及び、それらの混合物。
別の適切な増粘性物質としては、以下のものなどがある:鉱物粒子、例えば、粘土化合物、例えば、タルク、ベントナイト及びカオリン;金属酸化物、例えば、二酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン酸化カルシウム;ヒュームドシリカ、試薬グレードの砂、沈降シリカ、非晶質シリカ、コロイド状二酸化ケイ素、溶融シリカ、シリカゲル及び石英;及び、それらの混合物。本開示の一部の実施形態では、該薬物組成物(又は、ER組成物)の中で、増粘剤として、コロイド状二酸化ケイ素、例えば、Cab-O-Sil(登録商標)M-5P(米国薬局方/国民医薬品集における薬局方モノグラフ「Colloidal Silicon Dioxide」に従う、未処理ヒュームドシリカ)を使用する。
該増粘剤(例えば、鉱物質粒子)(これは、1種類以上の適切な増粘性物質を含むことができる)は、本開示の投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約0.01~約10重量%(wt%)で、例えば、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約0.05~約1.0wt%、約0.1~約1.0wt%、約1.0~約1.5wt%、約1.5~約2.0wt%、約2.0~約2.5wt%、約2.5~約3.0wt%、約3.0~約3.5wt%、約3.5~約4.0wt%、約4.0~約4.5wt%、約4.5~約5.0wt%、約5.0~約5.5wt%、約5.5~約6.0wt%、約6.0~約6.5wt%、約6.5~約7.0wt%、約7.0~約7.5wt%、約7.5~約8.0wt%、約8.0~約8.5wt%、約8.5~約9.0wt%、約9.0~約9.5wt%、又は、約9.5~約10.0wt%で、存在することができる。
一部の実施形態では、本開示による薬物組成物(又は、ER組成物)は、増粘剤(例えば、鉱物質粒子)を、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約0.5wt%~約1.5wt%で、例えば、約0.6wt%~約1.4wt%、約0.7wt%~約1.3wt%、約0.8wt%~約1.2wt%、又は、約0.9wt%~約1.0wt%で、含んでいる。
一部の実施形態では、本開示による薬物組成物(又は、ER組成物)は、増粘剤(例えば、鉱物質粒子、例えば、二酸化ケイ素)を、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約0.1wt%、約0.2wt%、約0.3wt%、約0.4wt%、約0.5wt%、約0.6wt%、約0.7wt%、約0.8wt%、約0.9wt%、又は、約1.0wt%で、含んでいる。
安定剤
本開示の投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)の中で安定剤として使用することが可能な物質には、その安定剤が混合されている該組成物の中の別の物質又は物質の分解(例えば、化学反応による分解)を抑制するか又は低減させることが可能な任意の物質(material)又は物質(substance)が包含される。代表的な安定剤は、典型的には、酸化的な損傷及び分解を防止する酸化防止剤、例えば、クエン酸ナトリウム、パルミチン酸アスコルビル、ビタミンA、没食子酸プロピル、還元剤及びそれらの混合物である。別の例としては、アスコルビン酸、ビタミンE、重亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシルトルエン(BHT)、BHA、アセチルシステイン、モノチオグリセロール、フェニル-アルファ-ナフチルアミン(nathylamine)、レシチン、EDTA及びそれらの混合物などがある。それらの安定化物質(これは、1種類以上のそのような適切な物質を含むことができる)は、該薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該組成物の総重量に対して、約0.001~約2重量%(wt%)で、例えば、約0.01~約0.1wt%、又は、約0.01~約0.02wt%で、存在することができる。一部の実施形態では、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)は、特に、安定剤(例えば、上記で記載した安定剤)を排除する。
界面活性剤
一部の実施形態では、本開示による投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)は、1種類以上の界面活性剤を含むことができる。本開示の実施において界面活性剤として使用することができる物質には、中性及び/又はアニオン性/カチオン性の賦形剤が包含される。従って、適切な荷電脂質としては、限定するものではないが、ホスファチジルコリン(レシチン)などがある。洗浄剤は、典型的に、非イオン性、アニオン性、カチオン性又は両性の界面活性剤である。適切な界面活性剤の例としては、例えば、以下のものを挙げることができる:Tergitol(登録商標)界面活性剤及びTriton(登録商標)界面活性剤(Union Carbide Chemicals and Plastics);ポリオキシエチレンソルビタン、例えば、TWEEN(登録商標)界面活性剤(Atlas Chemical Industries);ポリソルベート;ポリオキシエチレンエーテル、例えば、Brij;薬学的に許容される脂肪酸エステル、例えば、硫酸ラウリル及びその塩;両親媒性界面活性剤(グリセリドなど);ポリオキシグリセリド、例えば、カプリロカプロイルポリオキシルグリセリド、ラウロイルポリオキシルグリセリド、リノレオイルポリオキシルグリセリド、オレオイルポリオキシルグリセリド(oleoyl poloxylglyceride)、ステアロイルポリオキシルグリセリド、及び、Gelucire(登録商標)(飽和ポリグリコール化グリセリド(例えば、Gattefosseブランド));類似した物質;及び、それらの混合物。界面活性剤(これは、1種類以上の適切な界面活性物質を含むことができる)は、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約0.01~約5重量%(wt%)で、例えば、約0.1~約5wt%、約0.1~約4wt%、約0.1~約3wt%、約0.1~約2wt%、又は、約0.1~約1wt%で、存在することができる。一部の実施形態では、界面活性剤は、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約0.1wt%、約0.5wt%、約1wt%、約2wt%、約3wt%、約4wt%、又は、約5wt%で、存在している。
一部の実施形態では、本開示の投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)の中に組み込むのに適している界面活性剤としては、1種類以上のGelucire(登録商標)(飽和ポリグリコール化グリセリド)などがある。適切なGelucire(登録商標)としては、例えば、Gelucire(登録商標) 44/14(ラウロイルポリオキシルグリセリド)、Gelucire(登録商標) 43/01(硬質脂肪 EP/NF/JPE)、Gelucire(登録商標) 39/01(脂肪酸のグリセロールエステル、例えば、飽和C12-C18脂肪酸のグリセロールエステル)、Gelucire(登録商標) 48/16(ステアリン酸ポリオキシル(Type I)NF)、及び、Gelucire(登録商標) 50/13(ステアロイルポリオキシルグリセリド)などがある。従って、一部の実施形態では、Gelucire(登録商標)、例えば、Gelucire(登録商標) 44/14、Gelucire(登録商標) 43/01、Gelucire(登録商標) 39/01、Gelucire(登録商標) 48/16、Gelucire(登録商標) 50/13、又は、それらの組み合わせは、本開示の組成物の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約0.01~約5重量%(wt%)で、例えば、約0.1~約5wt%、約0.1~約4wt%、約0.1~約3wt%、約0.1~約2wt%、又は、約0.1~約1wt%で、存在している。一部の実施形態では、Gelucire(登録商標)、例えば、Gelucire(登録商標) 44/14、Gelucire(登録商標) 43/01、Gelucire(登録商標) 39/01、Gelucire(登録商標) 48/16、Gelucire(登録商標) 50/13、又は、それらの組合せは、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約0.1wt%、約0.5wt%、約1wt%、約2wt%、約3wt%、約4wt%、又は、約5wt%で、存在している。
各Gelucireは、スラッシュによって分離された2つの数字で指定され、ここで、最初の数字(二桁の数字)はその融点を示しており、そして、2番目の数字はHLB(親水親油バランス)を示している。
一部の実施形態では、本開示の投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)の中に組み込むのに適している界面活性剤としては、約39℃~約50℃(例えば、約40℃、約41℃、約42℃、約43℃、約44℃、約45℃、約46℃、約47℃、約48℃、又は、約49℃)の融点、及び、約1~約16(例えば、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、又は、約15)のHLBを有する飽和ポリグリコール化グリセリドなどがある。従って、一部の実施形態では、約38℃~約50℃(例えば、約39℃、約40℃、約41℃、約42℃、約43℃、約44℃、約45℃、約46℃、約47℃、約48℃、又は、約49℃)の融点及び約1~約16(例えば、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、又は、約15)のHLBを有する飽和ポリグリコール化グリセリドは、本開示の組成物の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約0.01~約5重量%(wt%)で、例えば、約0.1~約5wt%、約0.1~約4wt%、約0.1~約3wt%、約0.1~約2wt%、又は、約0.1~約1wt%で、存在している。一部の実施形態では、約38℃~約50℃(例えば、約39℃、約40℃、約41℃、約42℃、約43℃、約44℃、約45℃、約46℃、約47℃、約48℃、又は、約49℃)の融点及び約1~約16(例えば、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、又は、約15)のHLBを有する飽和ポリグリコール化グリセリドは、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)の中に、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に対して、約0.1wt%、約0.5wt%、約1wt%、約2wt%、約3wt%、約4wt%、又は、約5wt%で、存在している。
薬物組成物の充填重量
本開示の投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)は、例えば、約50mg~約800mg、例えば、約100mg~約700mg、約100mg~約600mg、約100mg~約500mg、約100mg~約400mg、約100mg~約300mg、又は、約100mg~約200mgの、充填重量を有することができる。一部の実施形態では、本開示の投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)は、約100mg、約120mg、約140mg、約160mg、約180mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、又は、約800mgの、充填重量を有することができる。一部の実施形態では、本開示の投与形態の薬物組成物(又は、ER組成物)は、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、195mg、又は、200mgの、充填重量を有することができる。
バリヤー層
本開示の投与形態のバリヤー層(又は、第1の層)は、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)の少なくとも一部分を被覆している層である。一部の実施形態では、該バリヤー層は、該薬理学的に活性な薬剤を含んでいない。該投与形態が、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)がその中にカプセル化されているカプセルを含んでいる場合、該バリヤー層(又は、第1の層)は、そのようなカプセルの少なくとも一部分を被覆することができる。例えば、一部の実施形態では、該バリヤー層(又は、第1の層)は、そのようなカプセルの外表面の少なくとも一部分を被覆することができる。一部の実施形態では、該バリヤー層(又は、第1の層)は、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)からの該薬理学的に活性な薬剤の放出を、そのようなバリヤー層(又は、第1の層)を欠いている投与形態と比較して、遅延させるのに充分な遅延層として、例えば、該バリヤー層の上に被覆される薬物層の完全な溶解を可能とするのに充分な時間遅延させるのに充分な遅延層として、機能する。一部の実施形態では、該バリヤー層(又は、第1の層)は、本明細書中に記載されているカプセル化された薬物組成物(又は、ER組成物)の溶解特性を制御する機能を有する。
一部の実施形態では、該バリヤー層(又は、第1の層)は、酢酸フタル酸セルロース、HPMCフタレート、HPMCアセテートスクシネート、ポリビニルアセテートフタレート、トリメリト酸酢酸セルロース(cellulose acetate trimelitate)、メタクリル酸コポリマー(methyacrylic acid copolymer)、セラック及びゼインのうちの1種類以上を含んでいる。一部の実施形態では、加えて、又は、代替え的に、該バリヤー層(又は、第1の層)は、疎水性セルロース、ポリアルコール、ステアリン酸マグネシウム及び二酸化ケイ素のうちの1種類以上を含んでいる。
一部の実施形態では、該バリヤー層(又は、第1の層)は、アクリルコーティング系、例えば、メタクリル酸コポリマー含有組成物を含んでいるアクリルコーティング系、例えば、Acryl-EZE(登録商標) White(93O18509)、及び、水分バリヤーコーティング系、例えば、ポリビニルアルコール含有組成物を含んでいる水分バリヤーコーティング系、例えば、Opadry(登録商標) AMB White(80W68912)を含んでいる。該メタクリル酸コポリマー含有組成物は、該バリヤー層(又は、第1の層)の中に、該バリヤー層(又は、第1の層)の総重量に対して、約60%~約90%w/wで、存在することができる。例えば、該メタクリル酸コポリマー含有組成物は、該バリヤー層(又は、第1の層)の中に、該バリヤー層(又は、第1の層)の総重量に対して、約70%~約80%w/wで、例えば、約75%w/wで、存在することができる。一部の実施形態では、該メタクリル酸コポリマー含有組成物は、該バリヤー層(又は、第1の層)の中に、該バリヤー層(又は、第1の層)の総重量に対して、約60%w/w、約61%w/w、約62%w/w、約63%w/w、約64%w/w、約65%w/w、約66%w/w、約67%w/w、約68%w/w、約69%w/w、約70%w/w、約71%w/w、約72%w/w、約73%w/w、約74%w/w、約75%w/w、約76%w/w、約77%w/w、約78%w/w、約79%w/w、約80%w/w、約81%w/w、約82%w/w、約83%w/w、約84%w/w、約85%w/w、約86%w/w、約87%w/w、約88%w/w、約89%w/w、又は、約90%w/wで、存在することができる。
該ポリビニルアルコール含有組成物は、該バリヤー層(又は、第1の層)の中に、該バリヤー層(又は、第1の層)の総重量に対して、約10%~約40%w/wで、存在することができる。例えば、該ポリビニルアルコール含有組成物は、該バリヤー層(又は、第1の層)の中に、該バリヤー層(又は、第1の層)の総重量に対して、約20%~約30%w/wで、例えば、約25%w/wで、存在することができる。一部の実施形態では、該ポリビニルアルコール含有組成物は、該バリヤー層(又は、第1の層)の中に、該バリヤー層(又は、第1の層)の総重量に対して、約10%w/w、約11%w/w、約12%w/w、約13%w/w、約14%w/w、約15%w/w、約16%w/w、約17%w/w、約18%w/w、約19%w/w、約20%w/w、約21%w/w、約22%w/w、約23%w/w、約24%w/w、約25%w/w、約26%w/w、約27%w/w、約28%w/w、約29%w/w、約30%w/w、約31%w/w、約32%w/w、約33%w/w、約34%w/w、約35%w/w、約36%w/w、約37%w/w、約38%w/w、約39%w/w、又は、約40%w/wで、存在することができる。
一部の実施形態では、該バリヤー層(又は、第1の層)は、アクリルコーティング系〔例えば、メタクリル酸コポリマー含有組成物を含んでいるアクリルコーティング系、例えば、Acryl-EZE(登録商標) White(93O18509)〕と水分バリヤーコーティング系〔例えば、ポリビニルアルコール含有組成物を含んでいる水分バリヤーコーティング系、例えば、Opadry(登録商標) AMB White(80W68912)〕を、約2:1~約10:1の比率で、例えば、約3:1~約9:1、約4:1~約8:1、約5:1~約7:1、又は、約6:1の比率で、含んでいる。一部の実施形態では、そのようなバリヤー層(又は、第1の層)の重量は、約20mg~約40mg、例えば、約25mg~約35mg、又は、約30mgである。一部の実施形態では、そのようなバリヤー層(又は、第1の層)の重量は、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約28mg、約29mg、約30mg、約31mg、約32mg、約33mg、約34mg、約35mg、約36mg、約37mg、約38mg、約39mg、又は、約40mgである。
一部の実施形態では、該バリヤー層(又は、第1の層)は、アクリルコーティング系〔例えば、メタクリル酸コポリマー含有組成物を含んでいるアクリルコーティング系、例えば、Acryl-EZE(登録商標) White(93O18509)〕及び水分バリヤーコーティング系〔例えば、ポリビニルアルコール含有組成物を含んでいる水分バリヤーコーティング系例えば、Opadry(登録商標) AMB White(80W68912)〕を、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、又は、約10:1の比率で、含んでいる。一部の実施形態では、該バリヤー層(又は、第1の層)の重量は、約20mg~約40mg、例えば、約25mg~約35mg、又は、約30mgである。一部の実施形態では、該バリヤー層(又は、第1の層)の重量は、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約28mg、約29mg、約30mg、約31mg、約32mg、約33mg、約34mg、約35mg、約36mg、約37mg、約38mg、約39mg、又は、約40mgである。
該バリヤー層(又は、第1の層)は、約0.5mg~約50mgの、例えば、約5mg~約40mg、又は、約10mg~約30mgの、最終製品コーティング重量を有することができる。一部の実施形態では、該バリヤー層(又は、第1の層)は、約0.5mg~約1mg、約1mg~約5mg、約5mg~約10mg、約10mg~約15mg、約15mg~約20mg、約20mg~約25mg、約25mg~約30mg、約30mg~約35mg、約35mg~約40mg、約40mg~約45mg、又は、約45mg~約50mgの、最終製品コーティング重量を有する。一部の実施形態では、該バリヤー層(又は、第1の層)は、約0.5mg、約1mg、約5mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約28mg、約29mg、約30mg、約31mg、約32mg、約33mg、約34mg、約35mg、約36mg、約37mg、約38mg、約39mg、約40mg、約41mg、約42mg、約43mg、約44mg、約45mg、約46mg、約47mg、約48mg、約49mg、又は、約50mgの、最終製品コーティング重量を有する。
一部の実施形態では、該バリヤー層(又は、第1の層)は、特に、ゲル化剤を排除する。例えば、該バリヤー層(又は、第1の層)は、特に、以下のゲル化剤のうちの1種類以上を排除することができる:アラビアゴム、アルギン酸、ベントナイト、Carbopols(登録商標)(カルボマーとしても知られている)、カルボキシメチルセルロース.エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum(登録商標))、メチルセルロース、ポロキサマー(Pluronics(登録商標))、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、トラガカントゴム、及び、キサンタンガム。
該バリヤー層において使用することができる物質の別の例としては、Opadry(登録商標)Entericコーティング系、Nutrateric(登録商標)コーティング系、及び、Sureteric(登録商標)コーティング系などを挙げることができる。
一部の実施形態では、該バリヤー層(又は、第1の層)は、約25℃又は約37℃の温度で、約1.0~約4.0のpHで、例えば、約1.5~約3.5のpH、又は、約2.0~約3.0のpHで、水性HClの中で溶解する。一部の実施形態では、該バリヤー層(又は、第1の層)は、約25℃又は約37℃で、約1.0~約4.0のpHで、例えば、約1.5~約3.5のpHで、又は、約2.0~約3.0のpHで、約5分~約10分の期間、約10分~約20分の期間、又は、約20分~約30分の期間、水性HClに晒されると、溶解する。
従って、一部の実施形態では、該バリヤー層(又は、第1の層)は、胃の酸性環境に晒されると、溶解する。一部の実施形態では、該バリヤー層(又は、第1の層)は、5.0以上のpHでは、選択的に溶解しない。
一部の実施形態では、該バリヤー層(又は、第1の層)は、37℃で0.1N HClに可溶性の第1の物質、及び、37℃(例えば、1気圧)で0.1N HClに不溶性の第2の物質を含んでいる。例えば、一部の実施形態では、該バリヤー層(又は、第1の層)は、37℃で0.1N HClに可溶性の第1の物質〔ここで、該物質は、親水性セルロース(例えば、HPMC、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、又は、HEC)及び/又は親水性ポリマー(例えば、PEG、又は、ポリビニルアルコール(PVA))を含んでいる〕;及び、37℃で0.1N HClに不溶性の第2の物質〔ここで、該物質は、酢酸フタル酸セルロース、HPMCフタレート、HPMCアセテートスクシネート、ポリビニルアセテートフタレート、トリメリト酸酢酸セルロース、メタクリル酸コポリマー、セラック及びゼインのうちの1種類以上を含んでいる〕を含んでいる。
一部の実施形態では、第3の物質を、第1の物質と置き換えることができるか、又は、第1の物質と組み合わせて使用することが可能であり、ここで、該第3の物質は、37℃で0.1N HClに可溶性ではないが、それにもかかわらず、高い吸水性(water uptake)及び/又は高い透水性の特性を有している。そのような物質としては、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、デンプン、エチルセルロース(EC)、カルボキシルメチルセルロース(CMC)、微結晶性セルロース及び二酸化ケイ素などがある。
一部の実施形態では、該第1の物質、該第3の物質又はそれらの組合せは、該バリヤー層(又は、第1の層)の中に、該バリヤー層(又は、第1の層)の総重量に対して、約10%~約40%w/wで存在している。例えば、該第1の物質、該第3の物質又はそれらの組合せは、該バリヤー層(又は、第1の層)の中に、該バリヤー層(又は、第1の層)の総重量に対して、約30%~約40%w/wで、例えば、約35%w/wで、存在することができる。一部の実施形態では、該第1の物質、該第3の物質又はそれらの組合せは、該バリヤー層(又は、第1の層)の中に、該バリヤー層(又は、第1の層)の総重量に対して、約10%w/w、約20%w/w、約21%w/w、約22%w/w、約23%w/w、約24%w/w、約25%w/w、約26%w/w、約27%w/w、約28%w/w、約29%w/w、約30%w/w、約31%w/w、約32%w/w、約33%w/w、約34%w/w、約35%w/w、約36%w/w、約37%w/w、約38%w/w、約39%w/w、又は、約40%w/wで、存在することができる。
一部の実施形態では、該第2の物質は、該バリヤー層(又は、第1の層)の中に、該バリヤー層(又は、第1の層)の総重量に対して、約60%~約90%w/wで存在している。例えば、該第2の物質は、該バリヤー層(又は、第1の層)の中に、該バリヤー層(又は、第1の層)の総重量に対して、約70%~約80%w/wで、例えば、約75%w/wで、存在することができる。一部の実施形態では、該第2の物質は、該バリヤー層(又は、第1の層)の中に、該バリヤー層(又は、第1の層)の総重量に対して、約60%w/w、約61%w/w、約62%w/w、約63%w/w、約64%w/w、約65%w/w、約66%w/w、約67%w/w、約68%w/w、約69%w/w、約70%w/w、約71%w/w、約72%w/w、約73%w/w、約74%w/w、約75%w/w、約76%w/w、約77%w/w、約78%w/w、約79%w/w、約80%w/w、約81%w/w、約82%w/w、約83%w/w、約84%w/w、約85%w/w、約86%w/w、約87%w/w、約88%w/w、約89%w/w、又は、約90%w/wで、存在することができる。
一部の実施形態では、該バリヤー層(又は、第1の層)における、該第2の物質に対する該第1の物質、該第3の物質又はそれらの組合せの比率は、0.2:1~0.8:1、例えば、0.3:1~0.7:1、0.4:1~0.6:1、又は、0.5:1である。
一部の実施形態では、該バリヤー層(又は、第1の層)は、第1の物質(これは、水溶性無機塩、水溶性有機塩又は糖を含んでいる)と第2の物質(これは、37℃(例えば、1気圧)で0.1N HClに不溶性である)を、例えば、0.2:1~0.8:1の比率で、例えば、0.3:1~0.7:1、0.4:1~0.6:1、又は、0.5:1の比率で、含んでいる。
薬物層
本開示の投与形態の薬物層(又は、第2の層)は、該バリヤー層(又は、第1の層)の少なくとも一部分を被覆し且つ薬理学的に活性な薬剤を含んでいる層である。一部の実施形態では、該薬物層(又は、第2の層)の中に含まれている薬理学的に活性な薬剤は、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)の中に存在している薬理学的に活性な薬剤と同一である。別の実施形態では、該薬物層(又は、第2の層)の中に含まれている薬理学的に活性な薬剤は、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)の中に存在している薬理学的に活性な薬剤とは異なっている。さらに別の実施形態では、該薬物層(又は、第2の層)は、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)の中に存在している薬理学的に活性な薬剤と同一の第1の薬理学的に活性な薬剤、及び、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)の中に存在している薬理学的に活性な薬剤とは異なっている少なくとも第2の薬理学的に活性な薬剤を、含んでいる。
該薬理学的に活性な薬剤、例えば、本明細書中に記載されている薬理学的に活性な薬剤は、本明細書中に記載されている投与形態の薬物層(又は、第2の層)の中に、該薬物層(又は、第2の層)の総重量に対して、約1%w/w~約50%w/wで、例えば、該薬物層(又は、第2の層)の総重量に対して、約5%w/w~約40%w/w、約10%w/w~約30%w/w、又は、約10%w/w~約20%w/wで、存在することができる。一部の実施形態では、該薬理学的に活性な薬剤は、本明細書中に記載されている投与形態の薬物層(又は、第2の層)の中に、該薬物層(又は、第2の層)の総重量に対して、約1%w/w、約5%w/w、約10%w/w、約15%w/w、約20%w/w、約25%w/w、約30%w/w、約35%w/w、約40%w/w、約45%w/w、又は、約50%w/wで、存在することができる。
一部の実施形態では、該薬物層の中に存在している薬理学的に活性な薬剤の量は、該投与形態の中の薬理学的に活性な薬剤の総量の、約5%~約40%、例えば、該投与形態の中の薬理学的に活性な薬剤の総量の、約15%~約30%、又は、約20%~25%である。一部の実施形態では、該薬物層の中に存在している薬理学的に活性な薬剤の量は、該投与形態の中の薬理学的に活性な薬剤の総量の、約5%、約10%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、又は、約40%である。
該薬理学的に活性な薬剤に加えて、該薬物層(又は、第2の層)は、例えば、増量剤(bulking agent)、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、マンニトール、ラクトース、スクロース、デキストロース、デンプン、セルロース及びそれらの混合物などを含むことができる。該増量剤は、該薬物層(又は、第2の層)の中に、該薬物層(又は、第2の層)の総重量に対して、約60%~約95%w/wで、例えば、該薬物層(又は、第2の層)の総重量に対して、約60%w/w、約65%w/w、約66%w/w、約67%w/w、約68%w/w、約69%w/w、約70%w/w、約71%w/w、約72%w/w、約73%w/w、約74%w/w、約75%w/w、約76%w/w、約77%w/w、約78%w/w、約79%w/w、約80%w/w、約81%w/w、約82%w/w、約83%w/w、約84%w/w、約85%w/w、約86%w/w、約87%w/w、約88%w/w、約89%w/w、約90%w/w、約91%w/w、約92%w/w、約93%w/w、約94%w/w、又は、約95%w/wで、存在することができる。該薬物層(又は、第2の層)は、約5mg~約70mgの、例えば、約10mg~約65mg、約15mg~約60mg、約20mg~約55mg、約25mg~約50mg、又は、約30mg~約45mgの、最終製品コーティング重量を有することができる。一部の実施形態では、該薬物層(又は、第2の層)は、約5mg~約10mg、約10mg~約15mg、約15mg~約20mg、約20mg~約25mg、約25mg~約30mg、約30mg~約35mg、約35mg~約40mg、約40mg~約45mg、又は、約45mg~約50mgの、最終製品コーティング重量を有する。一部の実施形態では、該薬物層(又は、第2の層)は、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、38mg、39mg、40mg、41mg、42mg、43mg、44mg、45mg、46mg、47mg、48mg、49mg、50mg、51mg、52mg、53mg、54mg、55mg、56mg、57mg、58mg、59mg、60mg、61mg、62mg、63mg、64mg、又は、65mgの、最終製品コーティング重量を有する。
該薬物層(又は、第2の層)は、例えば、フィルム形成剤(film former)、可塑剤、着色剤、溶媒、別の添加剤及びそれらの混合物を含むことができる。フィルム形成剤の例としては、限定するものではないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HC)、ヒドロキシルエチルセルロース(HEC)、カルボキシルメチルセルロース(CMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)及び食品用加工デンプン(modified food starch)などを挙げることができる。可塑剤の例としては、限定するものではないが、ポリエチレングリコール(PEG)、プロピレングリコール(PG)、クエン酸トリブチル(TBC)、アセチル化モノグリセリド(AMG)、セバシン酸ジブチル(DBS)、トリアセチン、オレイン酸及びヒマシ油などを挙げることができる。一実施形態では、該薬物層(又は、第2の層)は、ポリビニルアルコール含有組成物、例えば、Opadry(登録商標) II(85F18422)〔これは、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、タルク及びTiO2を含んでいると思われる〕を含んでいる。該薬物層に関する別の物質としては、Opadry(登録商標)コーティング系、Opadry(登録商標)200コーティング系、Opadry(登録商標)ambコーティング系、Opadry(登録商標)fxTMコーティング系及びOpalux(登録商標)コーティング系などがある。
一部の実施形態では、該薬物層(又は、第2の層)は、特に、ゲル化剤を排除する。例えば、該薬物層(又は、第2の層)は、特に、以下のゲル化剤のうちの1種類以上を排除する:アラビアゴム、アルギン酸、ベントナイト、Carbopols(登録商標)(カルボマーとしても知られている)、カルボキシメチルセルロース.エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum(登録商標))、メチルセルロース、ポロキサマー(Pluronics(登録商標))、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、トラガカントゴム、及び、キサンタンガム。
フィルムコーティング層
一部の実施形態では、薬理学的に活性な薬剤を含んでいる薬物組成物(又は、持続放出(ER)組成物)、該薬物組成物の少なくとも一部分を被覆しているバリヤー層(又は、第1の層)及び該バリヤー層(又は、第1の層)の少なくとも一部分を被覆している薬物層(又は、第2の層)〔ここで、該薬物層(又は、第2の層)は、薬理学的に活性な薬剤(例えば、該薬物組成物(又は、持続放出(ER)組成物)の中に存在しているのと同一の薬理学的に活性な薬剤)を含んでいる〕に加えて、本開示の投与形態は、フィルムコーティング層(又は、第3の層)も含んでおり、これは、該薬物層(又は、第2の層)の少なくとも一部分を被覆している。該フィルムコーティング層(又は、第3の層)は、例えば、フィルム形成剤、可塑剤、着色剤、溶媒、別の添加剤及びそれらの混合物を含むことができる。フィルム形成剤の例としては、限定するものではないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HC)、ヒドロキシルエチルセルロース(HEC)、カルボキシルメチルセルロース(CMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)及び食品用加工デンプンなどを挙げることができる。可塑剤の例としては、限定するものではないが、ポリエチレングリコール(PEG)、プロピレングリコール(PG)、クエン酸トリブチル(TBC)、アセチル化モノグリセリド(AMG)、セバシン酸ジブチル(DBS)、トリアセチン、オレイン酸及びヒマシ油などを挙げることができる。一実施形態では、該フィルムコーティング層(又は、第3の層)は、ポリビニルアルコール含有組成物、例えば、Opadry(登録商標) II(例えば、85F18422、85F12398、及び/又は、85F17644)〔これは、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、タルク及びTiO2を含んでいると思われる〕を含んでいる。該フィルムコーティング層に関する別の物質としては、Opadry(登録商標)コーティング系、Opadry(登録商標)200コーティング系、Opadry(登録商標)ambコーティング系、Opadry(登録商標)fxTMコーティング系及びOpalux(登録商標)コーティング系などがある。
一部の実施形態では、該フィルムコーティング層(又は、第3の層)は、約5mg~約10mgの、例えば、約6mg~約9mg、又は、約7mg~約8mgの、最終製品コーティング重量を有する。一部の実施形態では、該コーティング層(又は、第3の層)は、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、又は、約10mgの、最終製品コーティング重量を有する。
一部の実施形態では、該バリヤー層と該薬物層(又は、第2の層)と該フィルムコーティング層(又は、第3の層)の合した厚さは、約0.1mm~約1mm、例えば、約0.2mm~約0.5mm、又は、約0.3mm~約0.4mmである。
製造方法、カプセル化方法及び投与方法
本開示に従う薬物組成物(又は、ER組成物)を製造するために成分を選択したら、例えば、HVLCM、レオロジー改質剤、網目形成成分、薬理学的に活性な薬剤、溶媒及び任意の付加的な添加剤を、単純に混合させることによって、液体医薬組成物を調製することができる。本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)は、最終的な組成物の中で溶解しているか又は懸濁しているか又は部分的に溶解している多くの種類の賦形剤成分を有する液体混合物として製造することができる。
該薬物組成物(又は、ER組成物)を配合又は製造する適切な方法では、典型的な製薬用/化学用の混合装置、混合技術、取り扱い装置及び取り扱い技術を使用する。本開示の液体混合物は多くの種類の高粘性液体及び固体から形成されるので、それらは、高い最終粘度を有し得る。従って、そのような組成物の製造において使用する特別な装置及び技術は、そのような物質が必要とすることに対応するように選択することができる。特に、さまざまな賦形剤(例えば、網目形成成分)は、当該組成物混合物に、固体状態又は半固体状態で添加することが可能であり、従って、それらは、組成物混合装置に添加する前に、篩にかけることができるか、又は、サイズを低減させることができる。
別の固形賦形剤は、当該液体混合物に添加する前に溶融させることが必要であり得る。該HVLCM物質は、極めて高粘性の液体物質であるが、それらは、温度の上昇に伴って粘性の劇的な低減を示す傾向にあり、従って、該HVLCM物質又は別の類似した物質の添加に適合させるために、混合装置を加熱することができる。しかしながら、その混合条件及び加工条件は、当該組成物の最終的な完全性を考慮すべきであり、従って、その混合条件は、当該組成物に対して低剪断効果を有するように、及び/又は、長時間にわたる又は顕著な高熱条件若しくは低熱条件を回避するように、選択することができる。
該組成物を適切に合したら、得られた液体混合物の適切な量を適切なカプセル(例えば、ゼラチンカプセル、又は、HPMCカプセル)の中に入れて、該薬物組成物(又は、ER組成物)のカプセル化された形態を提供することができる。代替え的な液体組成物は、当該混合物を水中で乳化させること及びそのエマルションをカプセルの中に入れることを包含し得る。
一部の実施形態では、該薬物組成物(又は、ER組成物)を封入物(enclosure)又はカプセル(例えば、生物分解性の封入物又はカプセル、例えば、カプセル又はゼラチンカプセル(「ゲルキャップ(gelcap)」))の中に含んでいる経口投与形態が提供され、ここで、該カプセルは、哺乳動物の胃腸管の中に存在している条件に晒された時に分解するか又は解離する物質で作られている。カプセル及びゲルキャップは、薬物送達技術においてよく知られており、そして、当業者は、特定の活性薬剤を送達するのに適しているカプセルを選択することができる。
開示されている組成物に関連して使用し得る適切なカプセルとしては、限定するものではないが、ハードシェルカプセル、ソフトシェルカプセル及びインターロックカプセル(interlocking capsule)などがある。カプセルの適切なサイズは、サイズ5カプセルからサイズ00カプセルまであり、これは、例えば、サイズ5、サイズ4、サイズ3、サイズ2、サイズ1、サイズ0及びサイズ00を包含する。
一部の実施形態では、適切なカプセルは、ゼラチン又は合成ポリマー(例えば、ヒドロキシルエチルセルロース、及び/又は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)を含んでいる。ゲルキャップは、硬質系又は軟質系のゲルキャップであることができ、そして、例えば、多糖類又はヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルに基づくキャップ(例えば、Catalentから入手可能な、Vegicaps商標)などを包含する。該カプセルは、該薬理学的に活性な薬剤の放出を遅延させるために、腸溶コーティング物質(例えば、AQIAT(Shin-Etsu))でコーティングすることも可能である。
本開示による薬物組成物(又は、ER組成物)を製剤するための代表的な方法が図1Aに表されており、ここで、該薬物組成物(又は、ER組成物)の成分を秤量して所望される成分重量とし、油浴中で例えば60±5℃で、配合し、所望される充填重量で適切なカプセルに充填する。カプセルに充填した後、そのカプセルを、例えば、エタノールと水の中のHPMCの溶液を用いて、結合させる(band)ことができる。
本明細書中に記載されているようにして該薬物組成物(又は、ER組成物)を形成させ及び/又はカプセル化したら、本明細書中に記載されている付加的なコーティング層のうちの1種類以上を、例えば、実施例に記載されているようにして、例えば、1以上の段階的な(progressive)コーティング層の適用の間に硬化段階(curing step)を含ませて、段階的に(progressively)加えることができる。
一部の実施形態では、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)が利用し得る水の量を低減させるのが望ましいことがあり得る。例えば、ゼラチンカプセル(約13-16%w/wの水)の代わりにHPMCカプセル(約2-6%w/wの水、例えば、4-6%w/wの水)を使用することによって、該薬物組成物(又は、ER組成物)が利用し得る水の量を低減させることができる。従って、一部の実施形態では、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)は、特に、ゼラチンカプセルよりも含水量が低いカプセルの中に、例えば、含水量が約15%w/w未満、約14%w/w未満、約13%w/w未満、約12%w/w未満、約11%w/w未満、10%w/w未満、約9%w/w未満、約8%w/w未満、約7%w/w未満、約6%w/w未満、約5%w/w未満、約4%w/w未満、約3%w/w未満、約2%w/w未満又は約1%w/w未満のカプセルの中に、カプセル化する。一部の実施形態では、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)は、約1%w/w~約10%w/wの含水量、例えば、約1%w/w~約9%w/w、約1%w/w~約8%w/w、約1%w/w~約7%w/w、約1%w/w~約6%w/w、約1%w/w~約5%w/w、約1%w/w~約4%w/w、約1%w/w~約3%w/w又は約1%w/w~約2%w/wの含水量を有するカプセルの中にカプセル化する。一部の実施形態では、本開示の薬物組成物(又は、ER組成物)は、約1%w/w未満の含水量、例えば、約0.1%w/w~約1%w/w、約0.2%w/w~約0.8%w/w、約0.4%w/w~約0.8%w/w又は約0.6%w/w~約0.8%w/wの含水量を有するカプセルの中にカプセル化する。適切なHPMCカプセルとしては、例えば、「Baotou Capstech Co., Ltd.」及び「Zhejiang LinFeng Capsules Co. Ltd.」から供給されるV-capsTMカプセル、V-caps plusTMカプセル、Quali-VTMカプセル、VegiCapsTMカプセル、Embo Caps-VgTMカプセル、及び、HMPCカプセルなどがある。
本開示に記載されているカプセルの範囲内において提供される場合、カプセルの含水量、組成物の含水量又は組成物とカプセルの組み合わせの含水量は、「USP <921> Method 1C」に記載されているカールフィッシャー滴定法によって測定することができる。一部の実施形態では、開示されている滴定法と関連して、「AquaStar C3000 Karl Fischer Coulometric Titrator」を使用することができる。
一部の実施形態では、本開示による薬物組成物(又は、ER組成物)は、含水量が比較的低い薬物組成物である。例えば、一部の実施形態では、本開示による薬物組成物(又は、ER組成物)は、該組成物の総重量に基づいて、約5重量%を超える水分は含んでいない。例えば、該薬物組成物(又は、ER組成物)は、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に基づいて、約5重量%未満、約4重量%未満、約3重量%未満又は約2重量%未満の水分を含み得る。一部の実施形態では、本開示による薬物組成物(又は、ER組成物)は、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に基づいて、約1.0~約5.0重量%の水分、例えば、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に基づいて、約1.0~約4.5重量%、約1.0~約3.0重量%、約1.0~約2.5重量%、約1.0~約2.0重量%又は約1.0~約1.5重量%の水分を含んでいる。一部の実施形態では、本開示による薬物組成物(又は、ER組成物)は、該薬物組成物(又は、ER組成物)の総重量に基づいて、約1.0重量%、約1.5重量%、約2重量%、約2.5重量%、約3重量%、約3.5重量%、約4重量%、約4.5重量%又は約5重量%の水分を含んでいる。上記実施形態において、上記薬物組成物(又は、ER組成物)は、それぞれ、約15%w/w未満(例えば、約10%w/w未満、又は、約5%w/w未満)の含水量を有するカプセル(例えば、HPMCカプセル)の中にカプセル化された薬物組成物(又は、ER組成物)であることができ、そして、25℃及び60%相対湿度(RH)で、又は、30℃及び65%RHで、又は、40℃及び75%RHで、特定の期間、例えば、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間又は12ヶ月間、保存することができる。
本開示に記載されている薬物組成物(又は、ER組成物)の含水量は、「USP <921> Method 1C」に記載されているカールフィッシャー滴定法によって測定することができる。一部の実施形態では、開示されている滴定法と関連して、「AquaStar C3000 Karl Fischer Coulometric Titrator」を使用することができる。
一部の実施形態では、該薬物組成物(又は、ER組成物)と該カプセルを合したものの含水量は、該薬物組成物(又は、ER組成物)と該カプセルを合したものの総重量に基づいて、約5重量%未満、例えば、該薬物組成物(又は、ER組成物)と該カプセルを合したものの総重量に基づいて、約4重量%未満、約3重量%未満、又は、約2重量%未満である。一部の実施形態では、該薬物組成物(又は、ER組成物)と該カプセルを合したものの含水量は、該薬物組成物(又は、ER組成物)と該カプセルを合したものの総重量に基づいて、約5重量%~約4重量%、約4重量%~約3重量%、約3重量%~約2重量%、又は、約2重量%~約1重量%である。一部の実施形態では、該薬物組成物(又は、ER組成物)と該カプセルを合したものの含水量は、該薬物組成物(又は、ER組成物)と該カプセルを合したものの総重量に基づいて、約1.0重量%、約1.5重量%、約2重量%、約2.5重量%、約3重量%、約3.5重量%、約4重量%、約4.5重量%、又は、約5重量%である。本開示に記載されている薬物組成物(又は、ER組成物)とカプセルを合したものの含水量は、「USP <921> Method 1C」に記載されているカールフィッシャー滴定法によって測定することができる。一部の実施形態では、開示されている滴定法と関連して、「AquaStar C3000 Karl Fischer Coulometric Titrator」を使用することができる。
興味深い特定の薬理学的に活性な薬剤に関する投与計画は、標準的な慣習に従って医師が決定することができる。充分な臨床効果を維持するために、例えば、ADHDの症状を軽減させるために、1日1回(QD)又は1日2回(BID)の投与を用いることができる。一部の実施形態では、本開示の投与形態は、例えば、QD又はBIDで、経口投与する。
一部の実施形態では、本開示は、対象者における注意欠陥障害(ADD)又は注意欠陥過活動性障害(ADHD)を治療する方法を提供し、ここで、該方法は、本明細書中に記載されている投与形態を投与すること(例えば、経口投与すること)を含んでおり、その際、当該薬理学的に活性な薬剤は、メチルフェニデートである。
インビトロ溶解及び薬物動態学
本開示の投与形態は、望ましいインビトロ溶解プロフィールによって特徴付けることができる。例えば、一部の実施形態では、本開示による経口投与形態からの該薬理学的に活性な薬剤の累積放出(%)は、750mLの1段階 0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm、溶解媒体温度37℃及びサンプリング体積1mLを使用してUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=1時間で、5%~40%、例えば、10%~30%である。
一部の実施形態では、本開示による経口投与形態からの該薬理学的に活性な薬剤のインビトロ累積放出(%)は、2段階溶解プロトコル、パドル速度50rpm、溶解媒体温度37℃及びサンプリング体積1mL(ここで、該2段階溶解プロトコルは、該経口投与形態を750mLの0.1N HClにT=0時間~T=2時間晒すこと、200mLの0.19M リン酸緩衝液を添加して最終溶解媒体体積を950mLとすること、及び、該経口投与形態を該最終溶解媒体体積にT=2時間~T=24時間晒すことを含んでいる)を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=12時間で、少なくとも80%である。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の該投与形態からの最初の放出が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに5分~120分の時間で生じるように、構成されている。例えば、一部の実施形態では、本開示の投与形態は、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の該投与形態からの最初の放出が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに10分~120分、15分~120分、20分~120分、25分~120分、30分~120分、35分~120分、40分~120分、45分~120分、50分~120分、55分~120分、60分~120分、65分~120分、70分~120分、75分~120分、80分~120分、85分~120分、90分~120分、95分~120分、100分~120分、105分~120分、110分~120分又は115分~120分の時間で生じるように、構成されている。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の該投与形態からの最初の放出が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに5分~10分、10分~20分、20分~30分、30分~40分、40分~50分、50分~60分、60分~70分、70分~80分、80分~90分、90分~100分、100分~110分又は110分~120分の時間で生じるように、構成されている。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の該投与形態からの最初の放出が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに10分~110分、20分~100分、30分~90分、40分~80分又は50分~70分の時間で生じるように、構成されている。
本明細書中に記載されている薬物組成物の薬理学的に活性な薬剤(第1の薬理学的に活性な薬剤)が本明細書中に記載されている薬物層の薬理学的に活性な薬剤(第2の薬理学的に活性な薬剤)と同一である場合、本明細書中に記載されている投与形態からの、例えば、上記で論じたような、該第1の薬理学的に活性な薬剤の最初の放出は、該投与形態からの第1の薬理学的に活性な薬剤と第2の薬理学的に活性な薬剤の累積放出が該薬物層の中の第2の薬理学的に活性な薬剤の量を超える時点を測定することによって、確認することができる。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の該投与形態からの最初の放出が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに5分~120分の時間で生じるように、構成されており、ここで、該投与形態からの該薬理学的に活性な薬剤の最初の放出は、該薬物層の非存在下で確認する。例えば、一部の実施形態では、本開示の投与形態は、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の該投与形態からの最初の放出が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに10分~120分、15分~120分、20分~120分、25分~120分、30分~120分、35分~120分、40分~120分、45分~120分、50分~120分、55分~120分、60分~120分、65分~120分、70分~120分、75分~120分、80分~120分、85分~120分、90分~120分、95分~120分、100分~120分、105分~120分、110分~120分又は115分~120分の時間で生じるように、構成されており、ここで、該投与形態からの該薬理学的に活性な薬剤の最初の放出は、該薬物層の非存在下で確認する。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の該投与形態からの最初の放出が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに5分~10分、10分~20分、20分~30分、30分~40分、40分~50分、50分~60分、60分~70分、70分~80分、80分~90分、90分~100分、100分~110分又は110分~120分の時間で生じるように、構成されており、ここで、該投与形態からの該薬理学的に活性な薬剤の最初の放出は、該薬物層の非存在下で確認する。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の該投与形態からの最初の放出が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに10分~110分、20分~100分、30分~90分、40分~80分又は50分~70分の時間で生じるように、構成されており、ここで、該投与形態からの該薬理学的に活性な薬剤の最初の放出は、該薬物層の非存在下で確認する。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の該投与形態からの放出を遅延させるように構成されており、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、60分で、該薬理学的に活性な薬剤の15%以下、例えば、10%以下、例えば、以下5%、又は、2%以下が、該投与形態から放出される。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の該投与形態からの放出を遅延させるように構成されており、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、60分で、該薬理学的に活性な薬剤の0%~15%、例えば、0%~10%、0%~5%、又は、0%~2%が、該投与形態から放出される。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の該投与形態からの放出を遅延させるように構成されており、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、60分で、該薬理学的に活性な薬剤の約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、又は、約14%が、該投与形態から放出される。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の該投与形態からの放出を遅延させるように構成されており、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、90分で、該薬理学的に活性な薬剤の25%以下、25%以下、15%以下、10%以下、5%以下、又は、2%以下が、該投与形態から放出される。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の該投与形態からの放出を遅延させるように構成されており、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、90分で、該薬理学的に活性な薬剤の0%~25%、例えば、0%~20%、0%~15%、0%~10%、0%~5%、又は、0%~2%が、該投与形態から放出される。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の該投与形態からの放出を遅延させるように構成されており、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、90分で、該薬理学的に活性な薬剤の1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、又は、約24%が、該投与形態から放出される。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、120分で、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の5%以上、例えば、10%以上、15%以上又は20%以上が累積放出されるように、構成されている。例えば、一部の実施形態では、本開示の投与形態は、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、120分で、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の10%~20%が累積放出されるように、構成されている。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、105分、110分、115分又は120分の時間で、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の5%以上、例えば、10%以上、15%以上又は20%以上が累積放出されるように、構成されている。
例えば、一部の実施形態では、本開示の投与形態は、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、105分、110分、115分又は120分の時間で、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の5%~20%が累積放出されるように、構成されている。
本明細書中に記載されている薬物組成物の薬理学的に活性な薬剤(第1の薬理学的に活性な薬剤)が本明細書中に記載されている薬物層の薬理学的に活性な薬剤(第2の薬理学的に活性な薬剤)と同一である場合、本明細書中に記載されている投与形態からの、例えば、上記で論じたような、特定の時点における第1の薬理学的に活性な薬剤の放出(%)は、特定の時点において該薬物層の中の第2の薬理学的に活性な薬剤の量を超える、該投与形態からの第1の薬理学的に活性な薬剤と第2の薬理学的に活性な薬剤の累積放出(%)を測定することによって、確認することができる。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の該投与形態からの放出を遅延させるように構成されており、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、60分で、該薬理学的に活性な薬剤の15%以下、例えば、10%以下、例えば、5%以下、又は、2%以下が、該投与形態から放出され、ここで、該薬理学的に活性な薬剤の放出(%)は、該薬物層の非存在下で測定する。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の該投与形態からの放出を遅延させるように構成されており、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、60分で、該薬理学的に活性な薬剤の0%~15%、例えば、0%~10%、0%~5%、又は、0%~2%が、該投与形態から放出され、ここで、該薬理学的に活性な薬剤の放出(%)は、該薬物層の非存在下で測定する。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の該投与形態からの放出を遅延させるように構成されており、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、60分で、該薬理学的に活性な薬剤の約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、又は、約14%が、該投与形態から放出され、ここで、該薬理学的に活性な薬剤の放出(%)は、該薬物層の非存在下で測定する。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の該投与形態からの放出を遅延させるように構成されており、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、90分で、該薬理学的に活性な薬剤の25%以下、25%以下、15%以下、10%以下、5%以下、又は、2%以下が、該投与形態から放出され、ここで、該薬理学的に活性な薬剤の放出(%)は、該薬物層の非存在下で測定する。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の該投与形態からの放出を遅延させるように構成されており、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、90分で、該薬理学的に活性な薬剤の0%~25%、例えば、0%~20%、0%~15%、0%~10%、0%~5%、又は、0%~2%が、該投与形態から放出され、ここで、該薬理学的に活性な薬剤の放出(%)は、該薬物層の非存在下で測定する。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の該投与形態からの放出を遅延させるように構成されており、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、90分で、該薬理学的に活性な薬剤の1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、又は、約24%が、該投与形態から放出され、ここで、該薬理学的に活性な薬剤の放出(%)は、該薬物層の非存在下で測定する。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、120分で、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の5%以上、例えば、10%以上、15%以上又は20%以上が累積放出されるように、構成されており、ここで、該薬理学的に活性な薬剤の放出(%)は、該薬物層の非存在下で測定する。例えば、一部の実施形態では、本開示の投与形態は、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、120分で、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の10%~20%が累積放出されるように、構成されており、ここで、該薬理学的に活性な薬剤の放出(%)は、該薬物層の非存在下で測定する。
一部の実施形態では、本開示の投与形態は、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、105分、110分、115分又は120分の時間で、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の5%以上、例えば、10%以上、15%以上又は20%以上が累積放出されるように、構成されており、ここで、該薬理学的に活性な薬剤の放出(%)は、該薬物層の非存在下で測定する。
例えば、一部の実施形態では、本開示の投与形態は、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、105分、110分、115分又は120分の時間で、該薬物組成物(又は、ER組成物)に含まれている薬理学的に活性な薬剤の5%~20%が累積放出されるように、構成されており、ここで、該薬理学的に活性な薬剤の放出(%)は、該薬物層の非存在下で測定する。
特定の実施形態では、本開示の投与形態は、薬理学的に活性な薬剤の制御された特定の血漿レベルを特定の期間にわたって生じるように、例えば、対象者への投与後に適切な治療域の範囲内に血漿レベルを維持するように、製剤することができる。適切な治療域は、当該薬理学的に活性な薬剤に依存して変わるが、それは、所望の期間の間におけるフェムトグラム/mLのレベルから最大でマイクログラム/mLのレベルを超えるまでに及び得る。例えば、本明細書中に記載されている単一投与形態を投与することによって、8時間を超える期間にわたって5ng/mLを超える血漿レベルを維持することができる。別の実施形態では、単回投与を用いて達成される血漿レベルは、約10時間を超える期間、約12時間を超える期間、約14時間を超える期間、約16時間を超える期間、約18時間を超える期間、又は、約20時間を超える期間にわたって、約5ng/mLを超えることができる。さらに別の実施形態では、単回投与を用いて達成される血漿レベルは、約4時間、約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間又は約24時間の期間にわたって、約5ng/mLを超えること、約10ng/mLを超えること、約15ng/mLを超えること、約20ng/mLを超えること、約30ng/mLを超えること、約40ng/mLを超えること、又は、約50ng/mLを超えることが、できる。薬理学的に活性な薬剤の最大血漿濃度には、投与後、約0.1時間~約24時間、又は、約0.25時間~約10時間、又は、約0.25時間~約8時間、又は、約0.5時間~約6時間、又は、約0.5時間~約4時間、又は、約0.5時間~約2時間、又は、約0.5時間~約1時間で、達することができる。最大血漿濃度に至るまでに時間は、本明細書中で教示されているように、該投与形態のさまざまな成分を調節することによって調節することができる。
一部の実施形態では、本開示による投与形態は、対象者に経口投与された後、約3時間~約6時間(例えば、約4時間~約5時間)のインビボでのTmaxをもたらすのに充分である。
一部の実施形態では、本開示による投与形態は、対象者に経口投与された後、約5ng/mL~約18ng/mL(例えば、約6ng/mL~約17ng/mL、約7ng/mL~約16ng/mL、約8ng/mL~約15ng/mL、約9ng/mL~約14ng/mL、約10ng/mL~約13ng/mL、又は、約11ng/mL~約12ng/mL)のインビボでのCmaxをもたらすのに充分である。一部の実施形態では、本開示による投与形態は、対象者に経口投与された後、約5ng/mL、約6ng/mL、約7ng/mL、約8ng/mL、約9ng/mL、約10ng/mL、約11ng/mL、約12ng/mL、約13ng/mL、約14ng/mL、約15ng/mL、約16ng/mL、約17ng/mL又は約18ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である。
得られる血漿レベルは、該薬理学的に活性な薬剤の用量を調節することによって、及び/又は、該投与形態の成分を調節することによって、調節することが可能であり、そして、望ましい血漿レベルは、特定の薬理学的に活性な薬剤に関する治療域又は治療指数に依存する。望ましい治療指数を決定することは、容易に、当業者の技術の範囲内である。
該組成物から薬理学的に活性な薬剤を放出する速度は、使用する薬剤及び必要とされる投与量に応じて、変えることができる。放出速度は、胃腸管の種々の部分において異なることができ、そして、放出速度は、胃腸管を通過する時間(約8~24時間)にわたって平均することができる。典型的な平均放出速度は、実質的にさまざまであり得る。多くの種類の活性薬剤に関して、平均放出速度は、約0.01~約500mg/時間、例えば、約0.5~約250mg/時間、約0.75~約100mg/時間、約1~約100mg/時間、約2~約100mg/時間、約5~約100mg/時間、約10~約100mg/時間、約10~約80mg/時間、約20~約50mg/時間、又は、約20~約40mg/時間の範囲であり得る。
本開示の代表的な非限定的な態様
上記で記載した本発明の対象の態様(これは、実施形態を包含する)は、単独で、又は、1以上の別の態様若しくは実施形態と組み合わせて、有益であり得る。上記記述を限定することなく、1-442の番号が付された本開示の特定の非限定的な態様について、以下に記載する。本開示を読んだ際に当業者には明らかなように、個別的に番号が付されている態様は、それぞれ、使用することができるか、又は、それに先行する又はそれ以降の個別的に番号が付されている態様と組み合わせることができる。これは、態様のそのような全ての組み合わせを支持することが意図されており、そして、下記において明示的に与えられている態様の組み合わせに限定されるものではない。
1. 投与形態であって、
第1の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる薬物組成物;
該薬物組成物の少なくとも一部分を被覆しているバリヤー層;及び、
該バリヤー層の少なくとも一部分を被覆している薬物層(ここで、該薬物層は、第2の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる);
を含んでおり、及び、
ここで、該投与形態からの該第1の薬理学的に活性な薬剤の最初の放出は、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、5分~120分の時間で生じる、前記投与形態。
2. 前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤が同一であり、そして、該第1の薬理学的に活性な薬剤の最初の放出を、該第1の薬理学的に活性な薬剤と該第2の薬理学的に活性な薬剤の累積放出が該薬物層の中の該第2の薬理学的に活性な薬剤の量を超える時点を測定することによって確認する、1の投与形態。
3. 前記バリヤー層が、37℃で0.1N HClに可溶性である、1の投与形態。
4. 前記バリヤー層が、37℃で0.1N HClに可溶性の第1の物質、及び、37℃で0.1N HClに不溶性の第2の物質を含んでいる、1の投与形態。
5. 前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤が同一である、1-4のいずれか1項の投与形態。
6. 前記第1の薬理学的に活性な薬剤が、前記薬物組成物の中に該薬物組成物の総重量に対して約10%~約50%w/wで存在している、1-5のいずれか1項の投与形態。
7. 前記薬物組成物がカプセルの中にカプセル化されており、及び、前記バリヤー層が該カプセルの少なくとも一部分を被覆している、1-6のいずれか1項の投与形態。
8. 前記カプセルが外表面及び内表面を含んでおり、そして、前記バリヤー層が該カプセルの外表面の少なくとも一部分を被覆している、7の投与形態。
9. 前記カプセルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及びゼラチンのうちの少なくとも1種類を含んでいる、7の投与形態。
10. 前記薬物組成物が、高粘性液体担体物質(HVLCM)を含んでいる、1-9のいずれか1項の投与形態。
11. 前記HVLCMが、前記薬物組成物の総重量に対して約30%~約60%w/wで存在している、10の投与形態。
12. 前記HVLCMが、前記薬物組成物の総重量に対して約35%~約45%w/wで存在している、11の投与形態。
13. 前記HVLCMが、スクロース酢酸イソブチル(SAIB)である、10-12のいずれか1項の投与形態。
14. 前記薬物組成物が、有機溶媒を含んでいる、1-13のいずれか1項の投与形態。
15. 前記有機溶媒が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約45%w/wで存在している、14の投与形態。
16. 前記有機溶媒が、前記薬物組成物の総重量に対して約10%~約35%w/wで存在している、14又は15の投与形態。
17. 前記有機溶媒が、前記薬物組成物の総重量に対して約20%~約35%w/wで存在している、14-16のいずれか1項の投与形態。
18. 前記有機溶媒が、トリアセチン、N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、乳酸エチル、炭酸プロピレン及びグリコフロールから選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる、14-17のいずれか1項の投与形態。
19. 前記有機溶媒が、トリアセチンを含んでいる、14-18のいずれか1項の投与形態。
20. 前記薬物組成物が、レオロジー改質剤を含んでいる、1-19のいずれか1項の投与形態。
21. 前記レオロジー改質剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約20%w/wで存在している、20の投与形態。
22.前記レオロジー改質剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約2%~約15%w/wで存在している、 20又は21の投与形態。
23. 前記レオロジー改質剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約5%~約7%w/wで存在している、20-22のいずれか1項の投与形態。
24. 前記レオロジー改質剤が、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、クエン酸トリエチル、フタル酸ジメチル、Labrafil、Labrasol、ポリグリコール化グリセリド及び安息香酸ベンジルから選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる、20-23のいずれか1項の投与形態。
25. 前記レオロジー改質剤が、ミリスチン酸イソプロピルを含んでいる、20-24のいずれか1項の投与形態。
26. 前記薬物組成物が、網目形成成分を含んでいる、1-25のいずれか1項の投与形態。
27. 前記網目形成成分が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約20%w/wで存在している、26の投与形態。
28. 前記網目形成成分が、前記薬物組成物の総重量に対して約2%~約10%w/wで存在している、26又は27の投与形態。
29. 前記網目形成成分が、前記薬物組成物の総重量に対して約4%~約6%w/wで存在している、26-28のいずれか1項の投与形態。
30. 前記網目形成成分が、酢酸酪酸セルロース、炭水化物ポリマー、炭水化物ポリマーの有機酸、ヒドロゲル、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、トリブロックコポリマー、アクリルポリマー、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース、三酢酸セルロース及びポリ(メタクリル酸メチル)から選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる、26-29のいずれか1項の投与形態。
31. 前記網目形成成分が、酢酸酪酸セルロースを含んでいる、26-30のいずれか1項の投与形態。
32. 前記薬物組成物が、増粘剤を含んでいる、1-31のいずれか1項の投与形態。
33. 前記増粘剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.01%~約10%w/wで存在している、32の投与形態。
34. 前記増粘剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約6%w/wで存在している、32又は33の投与形態。
35. 前記増粘剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.5%~約1.5%w/wで存在している、32-34のいずれか1項の投与形態。
36. 前記増粘剤が、二酸化ケイ素を含んでいる、32-35のいずれか1項の投与形態。
37. 前記薬物組成物が、ポリオキシルグリセリドを含んでいる、1-36のいずれか1項の投与形態。
38. 前記ポリオキシルグリセリドが、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約5%w/wで存在している、37の投与形態。
39. 前記ポリオキシルグリセリドが、前記薬物組成物の総重量に対して約0.5%~約1.5%w/wで存在している、37又は38の投与形態。
40. 前記薬物組成物の充填重量が、約100mg~約800mgである、1-39のいずれか1項の投与形態。
41. 前記薬物組成物の充填重量が、約150mg~約200mgである、1-40のいずれか1項の投与形態。
42. 前記バリヤー層が、酢酸フタル酸セルロース、HPMCフタレート、HPMCアセテートスクシネート、ポリビニルアセテートフタレート、トリメリト酸酢酸セルロース、メタクリル酸コポリマー、セラック及びゼインから選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる、1-41のいずれか1項の投与形態。
43. 前記バリヤー層が、疎水性セルロース、ポリアルコール、ステアリン酸マグネシウム及び二酸化ケイ素から選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる、1-41のいずれか1項の投与形態。
44. 前記バリヤー層が、メタクリル酸コポリマー及びポリビニルアルコールを含んでいる、1-41のいずれか1項の投与形態。
45. 前記メタクリル酸コポリマーと前記ポリビニルアルコールが、前記バリヤー層の中に約2:1~約10:1の比率で存在している、44の投与形態。
46. 前記メタクリル酸コポリマーと前記ポリビニルアルコールが、前記バリヤー層の中に約4:1~約8:1の比率で存在している、45の投与形態。
47. 前記メタクリル酸コポリマーが、前記バリヤー層の総重量に対して約60%~約90%w/wで存在している、44の投与形態。
48. 前記ポリビニルアルコールが、前記バリヤー層の総重量に対して約10%~約40%w/wで存在している、44又は47の投与形態。
49. 前記バリヤー層が、約5mg~約40mgの最終製品コーティング重量を有している、1-48のいずれか1項の投与形態。
50. 前記薬物層が、該薬物層の総重量に対して約15%~約40%w/wの前記第2の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる、1-49のいずれか1項の投与形態。
51. 前記薬物層が、増量剤を含んでいる、1-50のいずれか1項の投与形態。
52. 前記増量剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいる、51の投与形態。
53. 前記増量剤が、前記薬物層の総重量に対して約60%~約75%w/wで存在している、51又は52の投与形態。
54. 前記薬物層が、約20mg~約35mgの最終製品コーティング重量を有している、1-53のいずれか1項の投与形態。
55. 前記投与形態が、前記薬物層の少なくとも一部分を被覆しているコーティング層を含んでいる、1-54のいずれか1項の投与形態。
56. 前記コーティング層が、ポリビニルアルコールを含んでいる、55の投与形態。
57. 前記コーティング層が、約5mg~約10mgの最終製品コーティング重量を有している、55又は56の投与形態。
58. 前記バリヤー層と前記薬物層と前記コーティング層の合した厚さが、約0.2mm~約0.5mmである、55-57のいずれか1項の投与形態。
59. 前記薬物層の中に存在している前記第2の薬理学的に活性な薬剤の量が、前記投与形態の中の前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の総量の約15%~約30%である、1-58のいずれか1項の投与形態。
60. 前記薬物層の中に存在している前記第2の薬理学的に活性な薬剤の量が、前記投与形態の中の前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の総量の約20%~約25%である、1-59のいずれか1項の投与形態。
61. 前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤が、メチルフェニデートである、1-60のいずれか1項の投与形態。
62. 前記経口投与形態からの前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の合した累積放出(%)が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=1時間で5%~40%である、1-61のいずれか1項の投与形態。
63. 前記経口投与形態からの前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の合した累積放出(%)が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=1時間で10%~30%である、1-62のいずれか1項の投与形態。
64. 前記経口投与形態からの前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の合した累積放出(%)が、2段階溶解プロトコル、パドル速度50rpm、溶解媒体温度37℃、サンプリング体積1mL並びに0.3時間、0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、3時間、6時間、9時間、12時間及び24時間のサンプリング時点(ここで、該2段階溶解プロトコルは、該経口投与形態を750mLの0.1N HClにT=0時間~T=2時間晒すこと、200mLの0.19M リン酸緩衝液を添加して最終溶解媒体体積を950mLとすること、及び、該経口投与形態を該最終溶解媒体体積にT=2時間~T=24時間晒すことを含んでいる)を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=12時間で少なくとも80%である、1-63のいずれか1項の投与形態。
65. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約3時間~約6時間のインビボでのTmaxをもたらすのに充分である、1-64のいずれか1項の投与形態。
66. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約4時間~約5時間のインビボでのTmaxをもたらすのに充分である、1-65のいずれか1項の投与形態。 67. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約5ng/mL~約18ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、1-66のいずれか1項の投与形態。
68. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約9ng/mL~約13ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、1-67のいずれか1項の投与形態。
69. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約10ng/mL~約12ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、1-68のいずれか1項の投与形態。
70. 投与形態であって、
第1の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる薬物組成物;
該薬物組成物の少なくとも一部分を被覆している第1の層(ここで、該第1の層は、37℃で0.1N HClに可溶性である第1の物質、並びに、酢酸フタル酸セルロース、HPMCフタレート、HPMCアセテートスクシネート、ポリビニルアセテートフタレート、トリメリト酸酢酸セルロース、メタクリル酸コポリマー、セラック及びゼインから選択される第2の物質を含んでいる);及び、
該第1の層の少なくとも一部分を被覆している第2の層(ここで、該第2の層は、第2の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる);
を含んでいる、前記投与形態。
71. 前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤が同一である、70の投与形態。
72. 前記第1の薬理学的に活性な薬剤が、前記薬物組成物の中に該薬物組成物の総重量に対して約10%~約50%w/wで存在している、70-71のいずれか1項の投与形態。
73. 前記薬物組成物がカプセルの中にカプセル化されており、及び、前記第1の層が該カプセルの少なくとも一部分を被覆している、70-72のいずれか1項の投与形態。
74. 前記カプセルが外表面及び内表面を含んでおり、そして、前記バリヤー層が該カプセルの外表面の少なくとも一部分を被覆している、73の投与形態。
75. 前記カプセルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及びゼラチンのうちの少なくとも1種類を含んでいる、73の投与形態。
76. 前記薬物組成物が、高粘性液体担体物質(HVLCM)を含んでいる、70-75のいずれか1項の投与形態。
77. 前記HVLCMが、前記薬物組成物の総重量に対して約30%~約60%w/wで存在している、76の投与形態。
78. 前記HVLCMが、前記薬物組成物の総重量に対して約35%~約45%w/wで存在している、77の投与形態。
79. 前記HVLCMが、スクロース酢酸イソブチル(SAIB)である、76-78のいずれか1項の投与形態。
80. 前記薬物組成物が、有機溶媒を含んでいる、70-79のいずれか1項の投与形態。
81. 前記有機溶媒が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約45%w/wで存在している、80の投与形態。
82. 前記有機溶媒が、前記薬物組成物の総重量に対して約10%~約35%w/wで存在している、80又は81の投与形態。
83. 前記有機溶媒が、前記薬物組成物の総重量に対して約20%~約35%w/wで存在している、80-82のいずれか1項の投与形態。
84. 前記有機溶媒が、トリアセチン、N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、乳酸エチル、炭酸プロピレン及びグリコフロールから選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる、80-83のいずれか1項の投与形態。
85. 前記有機溶媒が、トリアセチンを含んでいる、80-84のいずれか1項の投与形態。
86. 前記薬物組成物が、レオロジー改質剤を含んでいる、70-85のいずれか1項の投与形態。
87. 前記レオロジー改質剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約20%w/wで存在している、86の投与形態。
88. 前記レオロジー改質剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約2%~約15%w/wで存在している、86又は87の投与形態。
89. 前記レオロジー改質剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約5%~約7%w/wで存在している、86-88のいずれか1項の投与形態。
90. 前記レオロジー改質剤が、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、クエン酸トリエチル、フタル酸ジメチル、Labrafil、Labrasol、ポリグリコール化グリセリド及び安息香酸ベンジルから選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる、86-89のいずれか1項の投与形態。
91. 前記レオロジー改質剤が、ミリスチン酸イソプロピルを含んでいる、86-90のいずれか1項の投与形態。
92. 前記薬物組成物が、網目形成成分を含んでいる、70-91のいずれか1項の投与形態。
93. 前記網目形成成分が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約20%w/wで存在している、92の投与形態。
94. 前記網目形成成分が、前記薬物組成物の総重量に対して約2%~約10%w/wで存在している、92又は93の投与形態。
95. 前記網目形成成分が、前記薬物組成物の総重量に対して約4%~約6%w/wで存在している、92-94のいずれか1項の投与形態。
96. 前記網目形成成分が、酢酸酪酸セルロース、炭水化物ポリマー、炭水化物ポリマーの有機酸、ヒドロゲル、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、トリブロックコポリマー、アクリルポリマー、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース、三酢酸セルロース及びポリ(メタクリル酸メチル)から選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる、92-95のいずれか1項の投与形態。
97. 前記網目形成成分が、酢酸酪酸セルロースを含んでいる、92-96のいずれか1項の投与形態。
98. 前記薬物組成物が、増粘剤を含んでいる、70-97のいずれか1項の投与形態。
99. 前記増粘剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.01%~約10%w/wで存在している、98の投与形態。
100. 前記増粘剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約6%w/wで存在している、98又は99の投与形態。
101. 前記増粘剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.5%~約1.5%w/wで存在している、98-100のいずれか1項の投与形態。
102. 前記増粘剤が、二酸化ケイ素を含んでいる、98-101のいずれか1項の投与形態。
103. 前記薬物組成物が、ポリオキシルグリセリドを踏んでいる、70-102のいずれか1項の投与形態。
104. 前記ポリオキシルグリセリドが、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約5%w/wで存在している、103の投与形態。
105. 前記ポリオキシルグリセリドが、前記薬物組成物の総重量に対して約0.5%~約1.5%w/wで存在している、103又は104の投与形態。
106. 前記薬物組成物の充填重量が、約100mg~約800mgである、70-105のいずれか1項の投与形態。
107. 前記薬物組成物の充填重量が、約150mg~約200mgである、70-106のいずれか1項の投与形態。
108. 前記第1の層が、疎水性セルロース、ポリアルコール、ステアリン酸マグネシウム及び二酸化ケイ素から選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる、70-107のいずれか1項の投与形態。
109. 前記第1の層が、メタクリル酸コポリマー及びポリビニルアルコールを含んでいる、70-108のいずれか1項の投与形態。
110. 前記メタクリル酸コポリマーが、前記第1の層の総重量に対して約60%~約90%w/wで存在している、109の投与形態。
111. 前記ポリビニルアルコールが、前記第1の層の総重量に対して約10%~約40%w/wで存在している、109又は110の投与形態。
112. 前記第1の層が、約10mg~約40mgの最終製品コーティング重量を有している、70-111のいずれか1項の投与形態。
113. 前記第2の層が、該第2の層の総重量に対して約25%~約40%w/wの前記第2の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる、70-112のいずれか1項の投与形態。
114. 第2の層が、増量剤を含んでいる、70-113のいずれか1項の投与形態。
115. 前記増量剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいる、114の投与形態。
116. 前記増量剤が、前記第2の層の総重量に対して約60%~約75%w/wで存在している、114又は115の投与形態。
117. 前記第2の層が、約20mg~約35mgの最終製品コーティング重量を有している、70-116のいずれか1項の投与形態。
118. 前記投与形態が、前記第2の層の少なくとも一部分を被覆している第3の層を含んでいる、70-117のいずれか1項の投与形態。
119. 前記第3の層が、ポリビニルアルコールを含んでいる、118の投与形態。
120. 前記第3の層が、約5mg~約10mgの最終製品コーティング重量を有している、118又は119の投与形態。
121. 前記第1の層と前記第2の層と前記第3の層の合した厚さが、約0.2mm~約0.5mmである、118-120のいずれか1項の投与形態。
122. 前記第2の層の中に存在している前記第2の薬理学的に活性な薬剤の量が、前記投与形態の中の前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の総量の約15%~約30%である、70-121のいずれか1項の投与形態。
123. 前記第2の層の中に存在している前記第2の薬理学的に活性な薬剤の量が、前記投与形態の中の前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の総量の約20%~約25%である、70-122のいずれか1項の投与形態。
124. 前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤が、メチルフェニデートである、70-123のいずれか1項の投与形態。
125. 前記経口投与形態からの前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の合した累積放出(%)が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=1時間で5%~40%である、70-124のいずれか1項の投与形態。
126. 前記経口投与形態からの前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の合した累積放出(%)が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=1時間で10%~30%である、70-125のいずれか1項の投与形態。
127. 前記経口投与形態からの前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の合した累積放出(%)が、2段階溶解プロトコル、パドル速度50rpm、溶解媒体温度37℃、サンプリング体積1mL並びに0.3時間、0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、3時間、6時間、9時間、12時間及び24時間のサンプリング時点(ここで、該2段階溶解プロトコルは、該経口投与形態を750mLの0.1N HClにT=0時間~T=2時間晒すこと、200mLの0.19M リン酸緩衝液を添加して最終溶解媒体体積を950mLとすること、及び、該経口投与形態を該最終溶解媒体体積にT=2時間~T=24時間晒すことを含んでいる)を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=12時間で少なくとも80%である、70-126のいずれか1項の投与形態。
128. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約3時間~約6時間のインビボでのTmaxをもたらすのに充分である、70-127のいずれか1項の投与形態。
129. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約4時間~約5時間のインビボでのTmaxをもたらすのに充分である、70-128のいずれか1項の投与形態。
130. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約5ng/mL~約18ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、70-129のいずれか1項の投与形態。
131. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約9ng/mL~約13ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、70-130のいずれか1項の投与形態。
132. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約10ng/mL~約12ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、70-131のいずれか1項の投与形態。
133. 投与形態であって、
第1の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる薬物組成物;
該薬物組成物の少なくとも一部分を被覆している第1の層(ここで、該第1の層は、疎水性セルロース、ポリアルコール、ステアリン酸マグネシウム及び二酸化ケイ素から選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる);及び、
該第1の層の少なくとも一部分を被覆している第2の層(ここで、該第2の層は、第2の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる);
を含んでいる、前記投与形態。
134. 前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤が同一である、133の投与形態。
135. 第1の薬理学的に活性な薬剤が、前記薬物組成物の中に該薬物組成物の総重量に対して約10%~約50%w/wで存在している、133又は134の投与形態。
136. 前記薬物組成物がカプセルの中にカプセル化されており、及び、前記第1の層が該カプセルの少なくとも一部分を被覆している、133-135のいずれか1項の投与形態。
137. 前記カプセルが外表面及び内表面を含んでおり、そして、前記バリヤー層が該カプセルの外表面の少なくとも一部分を被覆している、136の投与形態。
138. 前記カプセルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいる、136の投与形態。
139. 前記薬物組成物が、高粘性液体担体物質(HVLCM)を含んでいる、133-138のいずれか1項の投与形態。
140. 前記HVLCMが、前記薬物組成物の総重量に対して約30%~約60%w/wで存在している、139の投与形態。
141. 前記HVLCMが、前記薬物組成物の総重量に対して約35%~約45%w/wで存在している、140の投与形態。
142. 前記HVLCMが、スクロース酢酸イソブチル(SAIB)である、139-141のいずれか1項の投与形態。
143. 前記薬物組成物が、有機溶媒を含んでいる、133-142のいずれか1項の投与形態。
144. 前記有機溶媒が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約45%w/wで存在している、143の投与形態。
145. 前記有機溶媒が、前記薬物組成物の総重量に対して約10%~約35%w/wで存在している、143又は144の投与形態。
146. 前記有機溶媒が、前記薬物組成物の総重量に対して約20%~約35%w/wで存在している、143-145のいずれか1項の投与形態。
147. 前記有機溶媒が、トリアセチン、N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、乳酸エチル、炭酸プロピレン及びグリコフロールから選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる、143-146のいずれか1項の投与形態。
148. 前記有機溶媒が、トリアセチンを含んでいる、143-147のいずれか1項の投与形態。
149. 前記薬物組成物が、レオロジー改質剤を含んでいる、133-148のいずれか1項の投与形態。
150. 前記レオロジー改質剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約20%w/wで存在している、149の投与形態。
151. 前記レオロジー改質剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約2%~約15%w/wで存在している、149又は150の投与形態。
152. 前記レオロジー改質剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約5%~約7%w/wで存在している、149-151のいずれか1項の投与形態。
153. 前記レオロジー改質剤が、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、クエン酸トリエチル、フタル酸ジメチル、Labrafil、Labrasol、ポリグリコール化グリセリド及び安息香酸ベンジルから選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる、149-152のいずれか1項の投与形態。
154. 前記レオロジー改質剤が、ミリスチン酸イソプロピルを含んでいる、149-153のいずれか1項の投与形態。
155. 前記薬物組成物が、網目形成成分を含んでいる、149-154のいずれか1項の投与形態。
156. 前記網目形成成分が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約20%w/wで存在している、155の投与形態。
157. 前記網目形成成分が、前記薬物組成物の総重量に対して約2%~約10%w/wで存在している、155又は156の投与形態。
158. 前記網目形成成分が、前記薬物組成物の総重量に対して約4%~約6%w/wで存在している、155-157のいずれか1項の投与形態。
159. 前記網目形成成分が、酢酸酪酸セルロース、炭水化物ポリマー、炭水化物ポリマーの有機酸、ヒドロゲル、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、トリブロックコポリマー、アクリルポリマー、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース、三酢酸セルロース及びポリ(メタクリル酸メチル)から選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる、155-158のいずれか1項の投与形態。
160. 前記網目形成成分が、酢酸酪酸セルロースを含んでいる、155-159のいずれか1項の投与形態。
161. 前記薬物組成物が、増粘剤を含んでいる、133-160のいずれか1項の投与形態。
162. 前記増粘剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.01%~約10%w/wで存在している、161の投与形態。
163. 前記増粘剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約6%w/wで存在している、161又は162の投与形態。
164. 前記増粘剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.5%~約1.5%w/wで存在している、161-163のいずれか1項の投与形態。
165. 前記増粘剤が、二酸化ケイ素を含んでいる、161-164のいずれか1項の投与形態。
166. 前記薬物組成物が、ポリオキシルグリセリドを含んでいる、133-165のいずれか1項の投与形態。
167. 前記ポリオキシルグリセリドが、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約5%w/wで存在している、166の投与形態。
168. 前記ポリオキシルグリセリドが、前記薬物組成物の総重量に対して約0.5%~約1.5%w/wで存在している、166又は167の投与形態。
169. 前記薬物組成物の充填重量が、約100mg~約800mgである、133-168のいずれか1項の投与形態。
170. 前記薬物組成物の充填重量が、約150mg~約200mgである、133-169のいずれか1項の投与形態。
171. 前記第1の層が、メタクリル酸コポリマー及びポリビニルアルコールを含んでいる、133-170のいずれか1項の投与形態。
172. 前記メタクリル酸コポリマーが、前記第1の層の総重量に対して約60%~約90%w/wで存在している、171の投与形態。
173. 前記ポリビニルアルコールが、前記第1の層の総重量に対して約10%~約40%w/wで存在している、171又は172の投与形態。
174. 前記第1の層が、約10mg~約40mgの最終製品コーティング重量を有している、133-173のいずれか1項の投与形態。
175. 前記第2の層が、該第2の層の総重量に対して約25%~約40%w/wの前記第2の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる、133-174のいずれか1項の投与形態。
176. 第2の層が、増量剤を含んでいる、133-175のいずれか1項の投与形態。
177. 前記増量剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいる、176の投与形態。
178. 前記増量剤が、前記第2の層の総重量に対して約60%~約75%w/wで存在している、176又は177の投与形態。
179. 前記第2の層が、約20mg~約35mgの最終製品コーティング重量を有している、133-178のいずれか1項の投与形態。
180. 前記投与形態が、前記第2の層の少なくとも一部分を被覆している第3の層を含んでいる、133-179のいずれか1項の投与形態。
181. 前記第3の層が、ポリビニルアルコールを含んでいる、180の投与形態。
182. 前記第3の層が、約5mg~約10mgの最終製品コーティング重量を有している、180又は181の投与形態。
183. 前記第1の層と前記第2の層と前記第3の層の合した厚さが、約0.2mm~約0.5mmである、180-182のいずれか1項の投与形態。
184. 前記第2の層の中に存在している前記第2の薬理学的に活性な薬剤の量が、前記投与形態の中の前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の総量の約15%~約30%である、133-183のいずれか1項の投与形態。
185. 前記第2の層の中に存在している前記第2の薬理学的に活性な薬剤の量が、前記投与形態の中の前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の総量の約20%~約25%である、133-184のいずれか1項の投与形態。
186. 前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤が、メチルフェニデートである、133-185のいずれか1項の投与形態。
187. 前記投与形態からの前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の合した累積放出(%)が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=1時間で5%~40%である、133-186のいずれか1項の投与形態。
188. 前記投与形態からの前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の合した累積放出(%)が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=1時間で10%~30%である、133-187のいずれか1項の投与形態。
189. 前記投与形態からの前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の合した累積放出(%)が、2段階溶解プロトコル、パドル速度50rpm、溶解媒体温度37℃、サンプリング体積1mL並びに0.3時間、0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、3時間、6時間、9時間、12時間及び24時間のサンプリング時点(ここで、該2段階溶解プロトコルは、該投与形態を750mLの0.1N HClにT=0時間~T=2時間晒すこと、200mLの0.19M リン酸緩衝液を添加して最終溶解媒体体積を950mLとすること、及び、該投与形態を該最終溶解媒体体積にT=2時間~T=24時間晒すことを含んでいる)を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=12時間で少なくとも80%である、133-188のいずれか1項の投与形態。
190. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約3時間~約6時間のインビボでのTmaxをもたらすのに充分である、133-189のいずれか1項の投与形態。
191. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約4時間~約5時間のインビボでのTmaxをもたらすのに充分である、133-190のいずれか1項の投与形態。
192. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約5ng/mL~約18ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、133-191のいずれか1項の投与形態。
193. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約9ng/mL~約13ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、133-192のいずれか1項の投与形態。
194. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約10ng/mL~約12ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、133-193のいずれか1項の投与形態。
195. 投与形態であって、
第1の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる薬物組成物;
該薬物組成物の少なくとも一部分を被覆している第1の層(ここで、該第1の層は、メタクリル酸コポリマー及びポリビニルアルコールを含んでいる);及び、
該第1の層の少なくとも一部分を被覆している第2の層(ここで、該第2の層は、第2の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる);
を含んでいる、前記投与形態。
196. 該投与形態からの該第1の薬理学的に活性な薬剤の最初の放出が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、5分~120分の時間で生じる、195の投与形態。
197. 前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤が同一であり、そして、該第1の薬理学的に活性な薬剤の最初の放出を、該第1の薬理学的に活性な薬剤と該第2の薬理学的に活性な薬剤の累積放出が該薬物層の中の該第2の薬理学的に活性な薬剤の量を超える時点を測定することによって確認する、196の投与形態。
198. 前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤が同一である、195又は196の投与形態。
199. 前記第1の薬理学的に活性な薬剤が、前記薬物組成物の中に該薬物組成物の総重量に対して約10%~約50%w/wで存在している、195-198のいずれか1項の投与形態。
200. 前記薬物組成物がカプセルの中にカプセル化されており、及び、前記第1の層が該カプセルの少なくとも一部分を被覆している、195-199のいずれか1項の投与形態。
201. 前記カプセルが外表面及び内表面を含んでおり、そして、前記バリヤー層が該カプセルの外表面の少なくとも一部分を被覆している、200の投与形態。
202. 前記カプセルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいる、200の投与形態。
203. 前記薬物組成物が、高粘性液体担体物質(HVLCM)を含んでいる、195-202のいずれか1項の投与形態。
204. 前記HVLCMが、前記薬物組成物の総重量に対して約30%~約60%w/wで存在している、203の投与形態。
205. 前記HVLCMが、前記薬物組成物の総重量に対して約35%~約45%w/wで存在している、204の投与形態。
206. 前記HVLCMが、スクロース酢酸イソブチル(SAIB)である、203-205のいずれか1項の投与形態。
207. 前記薬物組成物が、有機溶媒を含んでいる、195-206のいずれか1項の投与形態。
208. 前記有機溶媒が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約45%w/wで存在している、207の投与形態。
209. 前記有機溶媒が、前記薬物組成物の総重量に対して約10%~約35%w/wで存在している、207又は208の投与形態。
210. 前記有機溶媒が、前記薬物組成物の総重量に対して約20%~約35%w/wで存在している、207-209のいずれか1項の投与形態。
211. 前記有機溶媒が、トリアセチン、N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、乳酸エチル、炭酸プロピレン及びグリコフロールから選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる、207-210のいずれか1項の投与形態。
212. 前記有機溶媒が、トリアセチンを含んでいる、207-211のいずれか1項の投与形態。
213. 前記薬物組成物が、レオロジー改質剤を含んでいる、195-212のいずれか1項の投与形態。
214. 前記レオロジー改質剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約20%w/wで存在している、213の投与形態。
215. 前記レオロジー改質剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約2%~約15%w/wで存在している、213又は214の投与形態。
216. 前記レオロジー改質剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約5%~約7%w/wで存在している、213-215のいずれか1項の投与形態。
217. 前記レオロジー改質剤が、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、クエン酸トリエチル、フタル酸ジメチル、Labrafil、Labrasol、ポリグリコール化グリセリド及び安息香酸ベンジルから選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる、213-216のいずれか1項の投与形態。
218. 前記レオロジー改質剤が、ミリスチン酸イソプロピルを含んでいる、213-217のいずれか1項の投与形態。
219. 前記薬物組成物が、網目形成成分を含んでいる、195-218のいずれか1項の投与形態。
220. 前記網目形成成分が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約20%w/wで存在している、219の投与形態。
221. 前記網目形成成分が、前記薬物組成物の総重量に対して約2%~約10%w/wで存在している、219又は220の投与形態。
222. 前記網目形成成分が、前記薬物組成物の総重量に対して約4%~約6%w/wで存在している、219-221のいずれか1項の投与形態。
223. 前記網目形成成分が、酢酸酪酸セルロース、炭水化物ポリマー、炭水化物ポリマーの有機酸、ヒドロゲル、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、トリブロックコポリマー、アクリルポリマー、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース、三酢酸セルロース及びポリ(メタクリル酸メチル)から選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる、219-222のいずれか1項の投与形態。
224. 前記網目形成成分が、酢酸酪酸セルロースを含んでいる、219-223のいずれか1項の投与形態。
225. 前記薬物組成物が、増粘剤を含んでいる、195-224のいずれか1項の投与形態。
226. 前記増粘剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.01%~約10%w/wで存在している、225の投与形態。
227. 前記増粘剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約6%w/wで存在している、225又は226の投与形態。
228. 前記増粘剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.5%~約1.5%w/wで存在している、225-227のいずれか1項の投与形態。
229. 前記増粘剤が、二酸化ケイ素を含んでいる、225-228のいずれか1項の投与形態。
230. 前記薬物組成物が、ポリオキシルグリセリドを含んでいる、195-229のいずれか1項の投与形態。
231. 前記ポリオキシルグリセリドが、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約5%w/wで存在している、230の投与形態。
232. 前記ポリオキシルグリセリドが、前記薬物組成物の総重量に対して約0.5%~約1.5%w/wで存在している、230又は231の投与形態。
233. 前記薬物組成物の充填重量が、約100mg~約800mgである、195-232のいずれか1項の投与形態。
234. 前記薬物組成物の充填重量が、約150mg~約200mgである、195-233のいずれか1項の投与形態。
235. 前記メタクリル酸コポリマーが、前記第1の層の総重量に対して約60%~約90%w/wで存在している、195-234のいずれか1項の投与形態。
236. 前記ポリビニルアルコールが、前記第1の層の総重量に対して約10%~約40%w/wで存在している、195-235のいずれか1項の投与形態。
237. 前記第1の層が、約10mg~約40mgの最終製品コーティング重量を有している、195-236のいずれか1項の投与形態。
238. 前記第2の層が、該第2の層の総重量に対して約25%~約35%w/wの前記第2の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる、195-237のいずれか1項の投与形態。
239. 第2の層が、増量剤を含んでいる、195-238のいずれか1項の投与形態。
240. 前記増量剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいる、239の投与形態。
241. 前記増量剤が、前記第2の層の総重量に対して約60%~約75%w/wで存在している、239又は240の投与形態。
242. 前記第2の層が、約20mg~約35mgの最終製品コーティング重量を有している、195-241のいずれか1項の投与形態。
243. 前記投与形態が、前記第2の層の少なくとも一部分を被覆している第3の層を含んでいる、195-242のいずれか1項の投与形態。
244. 前記第3の層が、ポリビニルアルコールを含んでいる、243の投与形態。
245. 前記第3の層が、約5mg~約10mgの最終製品コーティング重量を有している、243又は244の投与形態。
246. 前記第1の層と前記第2の層と前記第3の層の合した厚さが、約0.2mm~約0.5mmである、243-245のいずれか1項の投与形態。
247. 前記第2の層の中に存在している前記第2の薬理学的に活性な薬剤の量が、前記投与形態の中の前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の総量の約15%~約30%である、195-246のいずれか1項の投与形態。
248. 前記第2の層の中に存在している前記第2の薬理学的に活性な薬剤の量が、前記投与形態の中の前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の総量の約20%~約25%である、195-247のいずれか1項の投与形態。
249. 前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤が、メチルフェニデートである、195-248のいずれか1項の投与形態。
250. 前記投与形態からの前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の合した累積放出(%)が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=1時間で5%~40%である、195-249のいずれか1項の投与形態。
251. 前記投与形態からの前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の合した累積放出(%)が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=1時間で10%~30%である、195-250のいずれか1項の投与形態。
252. 前記投与形態からの前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の合した累積放出(%)が、2段階溶解プロトコル、パドル速度50rpm、溶解媒体温度37℃、サンプリング体積1mL並びに0.3時間、0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、3時間、6時間、9時間、12時間及び24時間のサンプリング時点(ここで、該2段階溶解プロトコルは、該投与形態を750mLの0.1N HClにT=0時間~T=2時間晒すこと、200mLの0.19M リン酸緩衝液を添加して最終溶解媒体体積を950mLとすること、及び、該投与形態を該最終溶解媒体体積にT=2時間~T=24時間晒すことを含んでいる)を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=12時間で少なくとも80%である、195-251のいずれか1項の投与形態。
253. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約3時間~約6時間のインビボでのTmaxをもたらすのに充分である、195-252のいずれか1項の投与形態。
254. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約4時間~約5時間のインビボでのTmaxをもたらすのに充分である、195-253のいずれか1項の投与形態。
255. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約5ng/mL~約18ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、195-254のいずれか1項の投与形態。
256. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約9ng/mL~約13ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、195-255のいずれか1項の投与形態。
257. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約10ng/mL~約12ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、195-256のいずれか1項の投与形態。
258. 投与形態であって、
カプセル〔ここで、該カプセルは、その中にカプセル化された持続放出(ER)組成物を含んでおり、そのER組成物は、該ER組成物の総重量に対して約15%~約25%w/wのメチルフェニデート(MPH)、該ER組成物の総重量に対して約35%~約45%w/wの高粘性液体担体物質(HVLCM)、該ER組成物の総重量に対して約20%~約35%w/wの有機溶媒を含んでいる〕;
該カプセルの少なくとも一部分を被覆している第1の層〔ここで、該第1の層は、該第1の層の総重量に対して約60%~約90%w/wのメタクリル酸コポリマー、及び、該第1の層の総重量に対して約40%~約10%w/wのポリビニルアルコールを含んでいる〕;
該第1の層の少なくとも一部分を被覆している第2の層〔ここで、該第2の層は、該第2の層の総重量に対して約25%~約40%w/wのMPH、及び、該第2の層の総重量に対して約75%~約60%w/wの増量剤を含んでいる〕;
を含んでいる、前記投与形態。
259. 前記カプセルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいる、258の投与形態。
260. 前記HVLCMが、スクロース酢酸イソブチル(SAIB)である、258又は259の投与形態。
261. 前記有機溶媒が、トリアセチンを含んでいる、258-260のいずれか1項の投与形態。
262. 前記ER組成物が、レオロジー改質剤を含んでいる、258-261のいずれか1項の投与形態。
263. 前記レオロジー改質剤が、前記ER組成物の総重量に対して約5%~約7%w/wで存在している、262の投与形態。
264. 前記レオロジー改質剤が、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)を含んでいる、262又は263の投与形態。
265. 前記ER組成物が、網目形成成分を含んでいる、258-264のいずれか1項の投与形態。
266. 前記網目形成成分が、前記ER組成物の総重量に対して約4%~約6%w/wで存在している、265の投与形態。
267. 前記網目形成成分が、酢酸酪酸セルロース(CAB)を含んでいる、265又は266の投与形態。
268. 前記ER組成物が、増粘剤を含んでいる、258-267のいずれか1項の投与形態。
269. 前記増粘剤が、前記ER組成物の総重量に対して約0.5%~約1.5%w/wで存在している、268の投与形態。
270. 前記増粘剤が、二酸化ケイ素を含んでいる、268又は269の投与形態。
271. 前記ER組成物が、ポリオキシルグリセリドを含んでいる、258-270のいずれか1項の投与形態。
272. 前記ポリオキシルグリセリドが、前記ER組成物の総重量に対して約0.5%~約1.5%w/wで存在している、271の投与形態。
273. 前記ER組成物が、酸化防止剤を含んでいる、258-272のいずれか1項の投与形態。
274. 前記酸化防止剤が、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)である、273の投与形態。
275. 前記BHTが、前記ER組成物の中に、該ER組成物の総重量に対して約0.01%~0.05%w/wで存在している、274の投与形態。
276. 前記ER組成物の充填重量が、約150mg~約200mgである、258-275のいずれか1項の投与形態。
277. 前記第1の層が、約10mg~約40mgの最終製品コーティング重量を有している、258-276のいずれか1項の投与形態。
278. 前記増量剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいる、258-277のいずれか1項の投与形態。
279. 前記第2の層が、約20mg~約35mgの最終製品コーティング重量を有している、258-278のいずれか1項の投与形態。
280. 前記投与形態が、前記第2の層の少なくとも一部分を被覆している第3の層を含んでいる、258-279のいずれか1項の投与形態。
281. 前記第3の層が、ポリビニルアルコールを含んでいる、280の投与形態。
282. 前記第3の層が、約5mg~約10mgの最終製品コーティング重量を有している、280又は281の投与形態。
283. 前記第1の層と前記第2の層と前記第3の層の合した厚さが、約0.2mm~約0.5mmである、280-282のいずれか1項の投与形態。
284. 前記第2の層の中に存在しているMPHの量が、前記投与形態の中のMPHの総量の約15%~約30%である、258-283のいずれか1項の投与形態。
285. 前記第2の層の中に存在しているMPHの量が、前記投与形態の中のMPHの総量の約20%~約25%である、258-284のいずれか1項の投与形態。
286. 前記投与形態からのMPHの累積放出(%)が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=1時間で5%~40%である、258-285のいずれか1項の投与形態。
287. 前記投与形態からのMPHの累積放出(%)が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=1時間で10%~30%である、258-286のいずれか1項の投与形態。
288. 前記投与形態からのMPHの累積放出(%)が、2段階溶解プロトコル、パドル速度50rpm、溶解媒体温度37℃、サンプリング体積1mL並びに0.3時間、0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、3時間、6時間、9時間、12時間及び24時間のサンプリング時点(ここで、該2段階溶解プロトコルは、該投与形態を750mLの0.1N HClにT=0時間~T=2時間晒すこと、200mLの0.19M リン酸緩衝液を添加して最終溶解媒体体積を950mLとすること、及び、該投与形態を該最終溶解媒体体積にT=2時間~T=24時間晒すことを含んでいる)を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=12時間で少なくとも80%である、258-287のいずれか1項の投与形態。
289. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約3時間~約6時間のインビボでのTmaxをもたらすのに充分である、258-288のいずれか1項の投与形態。
290. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約4時間~約5時間のインビボでのTmaxをもたらすのに充分である、258-289のいずれか1項の投与形態。
291. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約5ng/mL~約18ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、258-290のいずれか1項の投与形態。
292. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約9ng/mL~約13ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、258-291のいずれか1項の投与形態。
293. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約10ng/mL~約12ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、258-292のいずれか1項の投与形態。
294. 経口投与形態であって、
カプセル〔ここで、該カプセルは、その中にカプセル化された持続放出(ER)組成物を含んでおり、そのER組成物は、該ER組成物の総重量に対して約15%~約25%w/wのメチルフェニデート(MPH)、該ER組成物の総重量に対して約25%~約40%w/wのスクロース酢酸イソブチル(SAIB)、該ER組成物の総重量に対して約25%~約35%w/wのトリアセチン、該ER組成物の総重量に対して約5%~約10%w/wのミリスチン酸イソプロピル(IPM)、該ER組成物の総重量に対して約2%~約7%w/wの酢酸酪酸セルロース(CAB)、該ER組成物の総重量に対して約0.5%~約1%w/wの二酸化ケイ素、及び、該ER組成物の総重量に対して約0.5%~2.5%w/wのポリオキシルグリセリドを含んでいる〕;及び、
該カプセルを被覆している第1の層〔ここで、該第1の層は、該第1の層の総重量に対して約65%~約75%w/wのメタクリル酸コポリマー、及び、該第1の層の総重量に対して約25%~約35%w/wのポリビニルアルコール系水分バリヤー物質を含んでいる〕;
該第1の層を被覆している第2の層〔ここで、該第2の層は、該第2の層の総重量に対して約30%~約40%w/wのMPH、及び、該第2の層の総重量に対して約70%~約60%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいる〕;及び、
該第2の層を被覆している第3の層;
を含んでいる、前記経口投与形態。
295. 前記カプセルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいる、294の投与形態。
296. 前記ER組成物が、酸化防止剤を含んでいる、294又は295の投与形態。
297. 前記酸化防止剤が、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)である、296の投与形態。
298. 前記BHTが、前記ER組成物の中に、該ER組成物の総重量に対して約0.02%w/wで存在している、297の投与形態。
299. 前記ER組成物の充填重量が、約150mg~約200mgである、294-298のいずれか1項の投与形態。
300. 前記第1の層が、約10mg~約40mgの最終製品コーティング重量を有している、294-299のいずれか1項の投与形態。
301. 前記第2の層が、約20mg~約35mgの最終製品コーティング重量を有している、294-300のいずれか1項の投与形態。
302. 前記第3の層が、ポリビニルアルコールを含んでいる、294-301のいずれか1項の投与形態。
303. 前記第3の層が、約5mg~約10mgの最終製品コーティング重量を有している、294-302のいずれか1項の投与形態。
304. 前記第1の層と前記第2の層と前記第3の層の合した厚さが、約0.2mm~約0.5mmである、294-303のいずれか1項の投与形態。
305. 前記第2の層の中に存在しているMPHの量が、前記投与形態の中のMPHの総量の約15%~約30%である、294-304のいずれか1項の投与形態。
306. 前記第2の層の中に存在しているMPHの量が、前記投与形態の中のMPHの総量の約20%~約25%である、294-305のいずれか1項の投与形態。
307. 前記投与形態からのMPHの累積放出(%)が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=1時間で5%~40%である、294-306のいずれか1項の投与形態。
308. 前記投与形態からのMPHの累積放出(%)が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=1時間で10%~30%である、294-307のいずれか1項の投与形態。
309. 前記投与形態からのMPHの累積放出(%)が、2段階溶解プロトコル、パドル速度50rpm、溶解媒体温度37℃、サンプリング体積1mL並びに0.3時間、0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、3時間、6時間、9時間、12時間及び24時間のサンプリング時点(ここで、該2段階溶解プロトコルは、該投与形態を750mLの0.1N HClにT=0時間~T=2時間晒すこと、200mLの0.19M リン酸緩衝液を添加して最終溶解媒体体積を950mLとすること、及び、該投与形態を該最終溶解媒体体積にT=2時間~T=24時間晒すことを含んでいる)を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=12時間で少なくとも80%である、294-308のいずれか1項の投与形態。
310. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約3時間~約6時間のインビボでのTmaxをもたらすのに充分である、294-309のいずれか1項の投与形態。
311. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約4時間~約5時間のインビボでのTmaxをもたらすのに充分である、294-310のいずれか1項の投与形態。
312. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約5ng/mL~約18ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、294-311のいずれか1項の投与形態。
313. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約9ng/mL~約13ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、294-312のいずれか1項の投与形態。
314. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約10ng/mL~約12ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、294-313のいずれか1項の投与形態。
315. 投与形態であって、
カプセル〔ここで、該カプセルは、その中にカプセル化された持続放出(ER)組成物を含んでおり、そのER組成物は、メチルフェニデート(MPH)、スクロース酢酸イソブチル(SAIB)、有機溶媒、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、SiO2、及び、ポリオキシルグリセリドを含んでいる〕;
該カプセルの少なくとも一部分を被覆しているバリヤー層;
該バリヤー層の少なくとも一部分を被覆している薬物層(ここで、該薬物層は、MPHを含んでいる);及び、
該薬物層の少なくとも一部分を被覆しているコーティング層;
を含んでおり;
ここで、該投与形態は、ヒト成人対象者に経口投与された後、約5ng/mL~約18ng/mLのMPHのインビボでのCmax、及び、約3~6時間のインビボでのTmaxをもたらすのに充分である;
前記投与形態。
316. 前記メチルフェニデートが、前記ER組成物の中に、該ER組成物の総重量に対して約10%~約50%w/wで存在している、315の投与形態。
317. 前記カプセルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及びゼラチンのうちの少なくとも1種類を含んでいる、315又は316の投与形態。
318. 前記有機溶媒が、トリアセチンを含んでいる、315-317のいずれか1項の投与形態。
319. 前記ER組成物が、酸化防止剤を含んでいる、315-318のいずれか1項の投与形態。
320. 前記酸化防止剤が、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)である、319の投与形態。
321. 前記BHTが、前記ER組成物の中に、該ER組成物の総重量に対して約0.02%w/wで存在している、320の投与形態。
322. 前記ER組成物の充填重量が、約150mg~約200mgである、315-321のいずれか1項の投与形態。
323. 前記バリヤー層が、該バリヤー層の総重量に対して約60%~約90%w/wのメタクリル酸コポリマー、及び、該バリヤー層の総重量に対して約40%~約10%w/wのポリビニルアルコールを含んでいる、315-322のいずれか1項の投与形態。
324. 前記バリヤー層が、約10mg~約40mgの最終製品コーティング重量を有している、315-323のいずれか1項の投与形態。
325. 前記薬物層が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいる、315-324のいずれか1項の投与形態。
326. 前記HPMCが、前記薬物層の中に、該薬物層の総重量に対して約60%~約75%w/wで存在している、325の投与形態。
327. 前記薬物層が、約20mg~約35mgの最終製品コーティング重量を有している、315-326のいずれか1項の投与形態。
328. 前記コーティング層が、ポリビニルアルコールを含んでいる、315-327のいずれか1項の投与形態。
329. 前記コーティング層が、約5mg~約10mgの最終製品コーティング重量を有している、315-328のいずれか1項の投与形態。
330. 前記バリヤー層と前記薬物層と前記コーティング層の合した厚さが、約0.2mm~約0.5mmである、315-329のいずれか1項の投与形態。
331. 前記薬物層の中に存在しているMPHの量が、前記投与形態の中のMPHの総量の約15%~約30%である、315-330のいずれか1項の投与形態。
332. 前記薬物層の中に存在しているMPHの量が、前記投与形態の中のMPHの総量の約20%~約25%である、315-331のいずれか1項の投与形態。
333. 前記投与形態からのMPHの累積放出(%)が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=1時間で5%~40%である、315-332のいずれか1項の投与形態。
334. 前記投与形態からのMPHの累積放出(%)が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=1時間で10%~30%である、315-333のいずれか1項の投与形態。
335. 前記投与形態からのMPHの累積放出(%)が、2段階溶解プロトコル、パドル速度50rpm、溶解媒体温度37℃、サンプリング体積1mL並びに0.3時間、0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、3時間、6時間、9時間、12時間及び24時間のサンプリング時点(ここで、該2段階溶解プロトコルは、該投与形態を750mLの0.1N HClにT=0時間~T=2時間晒すこと、200mLの0.19M リン酸緩衝液を添加して最終溶解媒体体積を950mLとすること、及び、該投与形態を該最終溶解媒体体積にT=2時間~T=24時間晒すことを含んでいる)を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=12時間で少なくとも80%である、315-334のいずれか1項の投与形態。
336. 前記投与形態が、当該対象者に経口投与された後、約4時間~約5時間のインビボでのTmaxをもたらすのに充分である、315-335のいずれか1項の投与形態。
337. 前記投与形態が、当該対象者に経口投与された後、約9ng/mL~約13ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、315-336のいずれか1項の投与形態。
338. 前記投与形態が、当該対象者に経口投与された後、約10ng/mL~約12ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、315-337のいずれか1項の投与形態。
339. 対象者における注意欠陥障害(ADD)又は注意欠陥過活動性障害(ADHD)を治療する方法であって、該対象者に1-338のいずれか1項の投与形態を1日1回(QD)に基づいて経口投与することを含む、前記方法。
340. 前記投与形態が、前記対象者に経口投与された後、約3時間~約6時間のインビボでのTmaxをもたらす、339の方法。
341. 前記投与形態が、前記対象者に経口投与された後、約4時間~約5時間のインビボでのTmaxをもたらす、339又は340の方法。
342. 前記投与形態が、前記対象者に経口投与された後、約5ng/mL~約18ng/mLのインビボでのCmaxをもたらす、339-341のいずれか1項の方法。
343. 前記投与形態が、対象者に経口投与された後、約9ng/mL~約13ng/mLのインビボでのCmaxをもたらす、339-342のいずれか1項の方法。
344. 前記投与形態が、前記対象者に経口投与された後、約10ng/mL~約12ng/mLのインビボでのCmaxをもたらす、339-343のいずれか1項の方法。
345. 投与形態を製造する方法であって、
第1の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる薬物組成物をカプセルの中にカプセル化すること;
該カプセルの少なくとも一部分をバリヤー層で被覆すること;及び、
該バリヤー層の少なくとも一部分を薬物層(ここで、該薬物層は、第2の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる)で被覆すること;
を含んでおり、及び、ここで、
該第1の薬理学的に活性な薬剤の該投与形態からの最初の放出は、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、5分~120分の時間で生じる;前記方法。
346. 前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤が同一であり、及び、該第1の薬理学的に活性な薬剤と該第2の薬理学的に活性な薬剤の累積放出が前記薬物層の中の該第2の薬理学的に活性な薬剤の量を超える時点を測定することによって該第1の薬理学的に活性な薬剤の最初の放出を確認する、345の方法。
347. 前記バリヤー層が、37℃で0.1N HClに可溶性である、345の方法。
348. 前記バリヤー層が、37℃で0.1N HClに可溶性である第1の物質及び37℃で0.1N HClに不溶性である第2の物質を含んでいる、345の方法。
349. 前記カプセルが外表面及び内表面を含んでおり、そして、前記方法が、該カプセルの外表面の少なくとも一部分を前記バリヤー層で被覆することを含んでいる、345-348のいずれか1項の方法。
350. 前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤が同一である、345-349のいずれか1項の方法。
351. 前記第1の薬理学的に活性な薬剤が、前記薬物組成物の中に該薬物組成物の総重量に対して約10%~約50%w/wで存在している、345-350のいずれか1項の方法。
352. 前記カプセルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及びゼラチン(geletin)のうちの少なくとも1種類を含んでいる、345-351のいずれか1項の方法。
353. 前記薬物組成物が、高粘性液体担体物質(HVLCM)を含んでいる、345-352のいずれか1項の方法。
354. 前記HVLCMが、前記薬物組成物の総重量に対して約30%~約60%w/wで存在している、353の方法。
355. 前記HVLCMが、前記薬物組成物の総重量に対して約35%~約45%w/wで存在している、353又は354の方法。
356. 前記HVLCMが、スクロース酢酸イソブチル(SAIB)である、353-355のいずれか1項の方法。
357. 前記薬物組成物が、有機溶媒を含んでいる、345-356のいずれか1項の方法。
358. 前記有機溶媒が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約45%w/wで存在している、357の方法。
359. 前記有機溶媒が、前記薬物組成物の総重量に対して約10%~約35%w/wで存在している、357又は358の方法。
360. 前記有機溶媒が、前記薬物組成物の総重量に対して約20%~約35%w/wで存在している、357-359のいずれか1項の方法。
361. 前記有機溶媒が、トリアセチン、N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、乳酸エチル、炭酸プロピレン及びグリコフロールから選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる、357-360のいずれか1項の方法。
362. 前記有機溶媒が、トリアセチンを含んでいる、357-361のいずれか1項の方法。
363. 前記薬物組成物が、レオロジー改質剤を含んでいる、345-362のいずれか1項の方法。
364. 前記レオロジー改質剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約20%w/wで存在している、363の方法。
365. 前記レオロジー改質剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約2%~約15%w/wで存在している、363又は364の方法。
366. 前記レオロジー改質剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約5%~約7%w/wで存在している、363-365のいずれか1項の方法。
367. 前記レオロジー改質剤が、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、クエン酸トリエチル、フタル酸ジメチル、Labrafil、Labrasol、ポリグリコール化グリセリド及び安息香酸ベンジルから選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる、165-366のいずれか1項の方法。
368. 前記レオロジー改質剤が、ミリスチン酸イソプロピルを含んでいる、363-367のいずれか1項の方法。
369. 前記薬物組成物が、網目形成成分を含んでいる、345-368のいずれか1項の方法。
370. 前記網目形成成分が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約20%w/wで存在している、369の方法。
371. 前記網目形成成分が、前記薬物組成物の総重量に対して約2%~約10%w/wで存在している、369又は370の方法。
372. 前記網目形成成分が、前記薬物組成物の総重量に対して約4%~約6%w/wで存在している、369-371のいずれか1項の方法。
373. 前記網目形成成分が、酢酸酪酸セルロース、炭水化物ポリマー、炭水化物ポリマーの有機酸、ヒドロゲル、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、トリブロックコポリマー、アクリルポリマー、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース、三酢酸セルロース及びポリ(メタクリル酸メチル)から選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる、369-372のいずれか1項の方法。
374. 前記網目形成成分が、酢酸酪酸セルロースを含んでいる、369-373のいずれか1項の方法。
375. 前記薬物組成物が、増粘剤を含んでいる、345-374のいずれか1項の方法。
376. 前記増粘剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.01%~約10%w/wで存在している、375の方法。
377. 前記増粘剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約6%w/wで存在している、375又は376の方法。
378. 前記増粘剤が、前記薬物組成物の総重量に対して約0.5%~約1.5%w/wで存在している、375-377のいずれか1項の方法。
379. 前記増粘剤が、二酸化ケイ素を含んでいる、375-378のいずれか1項の方法。
380. 前記薬物組成物が、ポリオキシルグリセリドを含んでいる、345-379のいずれか1項の方法。
381. 前記ポリオキシルグリセリドが、前記薬物組成物の総重量に対して約0.1%~約5%w/wで存在している、380の方法。
382. 前記ポリオキシルグリセリドが、前記薬物組成物の総重量に対して約0.5%~約1.5%w/wで存在している、380又は381の方法。
383. 前記薬物組成物の充填重量が、約100mg~約800mgである、345-382のいずれか1項の方法。
384. 前記薬物組成物の充填重量が、約150mg~約200mgである、345-383のいずれか1項の方法。
385. 前記バリヤー層が、酢酸フタル酸セルロース、HPMCフタレート、HPMCアセテートスクシネート、ポリビニルアセテートフタレート、トリメリト酸酢酸セルロース、メタクリル酸コポリマー、セラック及びゼインから選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる、345-384のいずれか1項の方法(method form)。
386. 前記バリヤー層が、疎水性セルロース、ポリアルコール、ステアリン酸マグネシウム及び二酸化ケイ素から選択される少なくとも1種類のメンバーを含んでいる、345-385のいずれか1項の方法(method form)。
387. 前記バリヤー層が、メタクリル酸コポリマー及びポリビニルアルコールを含んでいる、345-386のいずれか1項の方法。
388. 前記メタクリル酸コポリマーが、前記バリヤー層の総重量に対して約60%~約90%w/wで存在している、387の方法。
389. 前記ポリビニルアルコールが、前記バリヤー層の総重量に対して約10%~約40%w/wで存在している、387又は388の方法。
390. 前記バリヤー層が、約10mg~約40mgの最終製品コーティング重量を有している、345-389のいずれか1項の方法。
391. 前記薬物層が、該薬物層の総重量に対して約25%~約35%w/wの前記第2の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる、345-390のいずれか1項の方法。
392. 前記薬物層が、増量剤を含んでいる、345-391のいずれか1項の方法。
393. 前記増量剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいる、392の方法。
394. 前記増量剤が、前記薬物層の総重量に対して約60%~約75%w/wで存在している、392又は393の方法。
395. 前記薬物層が、約20mg~約35mgの最終製品コーティング重量を有している、345-394のいずれか1項の方法。
396. 前記薬物層の少なくとも一部分をコーティング層で被覆することを含む、345-395のいずれか1項の方法。
397. 前記コーティング層が、ポリビニルアルコールに基づく組成物を含んでいる、396の方法。
398. 前記コーティング層が、約5mg~約10mgの最終製品コーティング重量を有している、396又は397の方法。
399. 前記バリヤー層と前記薬物層と前記コーティング層の合した厚さが、約0.2mm~約0.5mmである、396-398のいずれか1項の方法。
400. 前記薬物層の中に存在している前記第2の薬理学的に活性な薬剤の量が、前記投与形態の中の前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の総量の約15%~約30%である、345-399のいずれか1項の方法。
401. 前記薬物層の中に存在している前記第2の薬理学的に活性な薬剤の量が、前記投与形態の中の前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の総量の約20%~約25%である、345-400のいずれか1項の方法。
402. 前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤が、メチルフェニデートである、345-401のいずれか1項の方法。
403. 前記薬物組成物の少なくとも一部分をバリヤー層で被覆する段階、該バリヤー層の少なくとも一部分を薬物層で被覆する段階及び該薬物層の少なくとも一部分をコーティング層で被覆する段階のうちの1以上が、スプレーコーティングすることを含んでいる、345-402のいずれか1項の方法。
404. 前記投与形態からの前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の合した累積放出(%)が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=1時間で5%~40%である、345-403のいずれか1項の方法。
405. 前記投与形態からの前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の合した累積放出(%)が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=1時間で10%~30%である、345-404のいずれか1項の方法。
406. 前記投与形態からの前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の合した累積放出(%)が、2段階溶解プロトコル、パドル速度50rpm、溶解媒体温度37℃、サンプリング体積1mL並びに0.3時間、0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、3時間、6時間、9時間、12時間及び24時間のサンプリング時点(ここで、該2段階溶解プロトコルは、該投与形態を750mLの0.1N HClにT=0時間~T=2時間晒すこと、200mLの0.19M リン酸緩衝液を添加して最終溶解媒体体積を950mLとすること、及び、該投与形態を該最終溶解媒体体積にT=2時間~T=24時間晒すことを含んでいる)を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=12時間で少なくとも80%である、345-405のいずれか1項の方法。
407. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約3時間~約6時間のインビボでのTmaxをもたらすのに充分である、345-406のいずれか1項の方法。
408. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約4時間~約5時間のインビボでのTmaxをもたらすのに充分である、345-407のいずれか1項の方法。
409. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約5ng/mL~約18ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、345-408のいずれか1項の方法。
410. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約9ng/mL~約13ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、345-409のいずれか1項の方法。
411. 前記投与形態が、ヒト成人対象者に経口投与された後、約10ng/mL~約12ng/mLのインビボでのCmaxをもたらすのに充分である、345-410のいずれか1項の方法。
412. 対象者に投与形態を投与する方法であって、該対象者に1-338のいずれか1項に記載の投与形態を投与することを含む、前記方法。
413. 前記投与形態を、1日1回(QD)に基づいて投与する、412の方法。
414. 前記投与形態を、経口投与する、412又は413の方法。
415. 前記投与形態が、前記対象者に経口投与された後、約3時間~約6時間のインビボでのTmaxをもたらす、414の方法。
416. 前記投与形態が、前記対象者に経口投与された後、約4時間~約5時間のインビボでのTmaxをもたらす、414又は415の方法。
417. 前記投与形態が、前記対象者に経口投与された後、約5ng/mL~約18ng/mLのインビボでのCmaxをもたらす、414-416のいずれか1項の方法。
418. 前記投与形態が、前記対象者に経口投与された後、約9ng/mL~約13ng/mLのインビボでのCmaxをもたらす、414-417のいずれか1項の方法。
419. 前記投与形態が、前記対象者に経口投与された後、約10ng/mL~約12ng/mLのインビボでのCmaxをもたらす、414-418のいずれか1項の方法。
420. 前記バリヤー層が、薬理学的に活性な薬剤を含んでいない、1~338のいずれか1項の投与形態。
421. 前記バリヤー層が、薬理学的に活性な薬剤を含んでいない、339~419のいずれか1項の方法。
422. 前記薬物組成物が、薬物コアを含んでいる、1~338及び420のいずれか1項の投与形態。
423. 前記薬物組成物が、薬物コアを含んでいる、339~419及び421のいずれか1項の方法。
424. 前記薬物組成物が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいるカプセルの中にカプセル化されている、1~338、420及び422のいずれか1項の投与形態。
425. 前記薬物組成物が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいるカプセルの中にカプセル化されている、339~419、421及び423のいずれか1項の方法。
426. 前記ポリオキシルグリセリドが、飽和ポリグリコール化グリセリドを含んでいる、37~39、103~105、166~168、230~232、271、272及び294~338のいずれか1項の投与形態。
427. 前記ポリオキシルグリセリドが、飽和ポリグリコール化グリセリドを含んでいる、380~382のいずれか1項の方法。
428. 投与形態であって、
第1の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる薬物組成物;
該薬物組成物の少なくとも一部分を被覆しているバリヤー層;及び、
該バリヤー層の少なくとも一部分を被覆している薬物層(ここで、該薬物層は、第2の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる);
を含んでおり、
ここで、該薬物組成物は、外表面と内表面を含んでいるカプセルの中にカプセル化されており、及び、ここで、該バリヤー層は、該カプセルの該外表面の少なくとも一部分を被覆している、
前記投与形態。
429. 投与形態であって、
第1の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる薬物組成物;
該薬物組成物の少なくとも一部分を被覆しているバリヤー層;及び、
該バリヤー層の少なくとも一部分を被覆している薬物層(ここで、該薬物層は、第2の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる);
を含んでおり、並びに、
ここで、該バリヤー層は、37℃で0.1N HClに可溶性である第1の物質及び37℃で0.1N HClに不溶性である第2の物質を含んでいる、
前記投与形態。
430. 投与形態であって、
第1の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる薬物組成物;
該薬物組成物の少なくとも一部分を被覆しているバリヤー層;及び、
該バリヤー層の少なくとも一部分を被覆している薬物層(ここで、該薬物層は、第2の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる);
を含んでおり、並びに、
ここで、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、60分で、該第1の薬理学的に活性な薬剤の15%以下が放出される、
前記投与形態。
431. 前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤が同一であり、及び、前記薬物層の中の該第2の薬理学的に活性な薬剤の量を超える該第1の薬理学的に活性な薬剤と該第2の薬理学的に活性な薬剤の累積放出(%)を測定することによって該第1の薬理学的に活性な薬剤の60分における放出(%)を確認する、430の投与形態。
432. 投与形態であって、
第1の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる薬物組成物;
該薬物組成物の少なくとも一部分を被覆しているバリヤー層;及び、
該バリヤー層の少なくとも一部分を被覆している薬物層(ここで、該薬物層は、第2の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる);
を含んでおり、並びに、
ここで、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、90分で、該第1の薬理学的に活性な薬剤の25%以下が放出される、
前記投与形態。
433. 前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤が同一であり、及び、前記薬物層の中の該第2の薬理学的に活性な薬剤の量を超える該第1の薬理学的に活性な薬剤と該第2の薬理学的に活性な薬剤の累積放出(%)を測定することによって該第1の薬理学的に活性な薬剤の90分における放出(%)を確認する、433の投与形態。
434. 投与形態であって、
第1の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる薬物組成物;
該薬物組成物の少なくとも一部分を被覆している第1の層(ここで、該第1の層は、メタクリル酸コポリマー及びポリビニルアルコールを含んでいる);及び、
該第1の層の少なくとも一部分を被覆している第2の層(ここで、該第2の層は、第2の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる);
を含んでおり、ここで、該投与形態からの該第1の薬理学的に活性な薬剤の最初の放出は、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、5分~120分の時間で生じ、及び、ここで、該投与形態からの該第1の薬理学的に活性な薬剤の最初の放出は該薬物層の非存在下で確認する、
前記投与形態。
435. 投与形態であって、
第1の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる薬物組成物;
該薬物組成物の少なくとも一部分を被覆しているバリヤー層;及び、
該バリヤー層の少なくとも一部分を被覆している薬物層(ここで、該薬物層は、第2の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる);
を含んでおり、並びに、
ここで、該投与形態からの該第1の薬理学的に活性な薬剤の最初の放出は、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、5分~120分の時間で生じ、ここで、該投与形態からの該第1の薬理学的に活性な薬剤の最初の放出は該薬物層の非存在下で確認する、
前記投与形態。
436. 投与形態であって、
第1の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる薬物組成物;
該薬物組成物の少なくとも一部分を被覆しているバリヤー層;及び、
該バリヤー層の少なくとも一部分を被覆している薬物層(ここで、該薬物層は、第2の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる);
を含んでおり、並びに、
ここで、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、60分で、該第1の薬理学的に活性な薬剤の15%以下が放出され、及び、ここで、該投与形態からの該第1の薬理学的に活性な薬剤の放出(%)は該薬物層の非存在下で確認する、
前記投与形態。
437. 投与形態であって、
第1の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる薬物組成物;
該薬物組成物の少なくとも一部分を被覆しているバリヤー層;及び、
該バリヤー層の少なくとも一部分を被覆している薬物層(ここで、該薬物層は、第2の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる);
を含んでおり、並びに、
ここで、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、90分で、該第1の薬理学的に活性な薬剤の25%以下が放出され、及び、ここで、該投与形態からの該第1の薬理学的に活性な薬剤の放出(%)は該薬物層の非存在下で確認する、
前記投与形態。
438. 経口投与形態であって、
カプセル〔ここで、該カプセルは、その中にカプセル化された持続放出(ER)組成物を含んでおり、そのER組成物は、該ER組成物の総重量に対して約20%w/wのメチルフェニデート(MPH)、該ER組成物の総重量に対して約41%w/wのスクロース酢酸イソブチル(SAIB)、該ER組成物の総重量に対して約26%w/wのトリアセチン、該ER組成物の総重量に対して約6%w/wのミリスチン酸イソプロピル(IPM)、該ER組成物の総重量に対して約5%w/wの酢酸酪酸セルロース(CAB)381-20 BP、該ER組成物の総重量に対して約1%w/wの二酸化ケイ素、及び、該ER組成物の総重量に対して約1%w/wのラウロイルポリオキシルグリセリドを含んでいる〕;及び、
該カプセルを被覆している第1の層〔ここで、該第1の層は、該第1の層の総重量に対して約100%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいる〕;
該第1の層を被覆している第2の層〔ここで、該第2の層は、該第2の層の総重量に対して約33%w/wのMPH、及び、該第2の層の総重量に対して約67%w/wのHPMCを含んでいる〕;及び、
該第2の層を被覆しているフィルムコーティング層〔ここで、該フィルムコーティング層は、ポリビニルアルコールを含んでいる〕;
を含んでいる、前記経口投与形態。
439. 経口投与形態であって、
カプセル〔ここで、該カプセルは、その中にカプセル化された持続放出(ER)組成物を含んでおり、そのER組成物は、該ER組成物の総重量に対して約20%w/wのメチルフェニデート(MPH)、該ER組成物の総重量に対して約41%w/wのスクロース酢酸イソブチル(SAIB)、該ER組成物の総重量に対して約26%w/wのトリアセチン、該ER組成物の総重量に対して約6%w/wのミリスチン酸イソプロピル(IPM)、該ER組成物の総重量に対して約5%w/wの酢酸酪酸セルロース(CAB)381-20 BP、該ER組成物の総重量に対して約1%w/wの二酸化ケイ素、及び、該ER組成物の総重量に対して約1%w/wのラウロイルポリオキシルグリセリドを含んでいる〕;及び、
該カプセルを被覆している第1の層〔ここで、該第1の層は、該第1の層の総重量に対して約70%w/wのメタクリル酸コポリマー、及び、該第1の層の総重量に対して約30%w/wのポリビニルアルコール系水分バリヤー物質を含んでいる〕;
該第1の層を被覆している第2の層〔ここで、該第2の層は、該第2の層の総重量に対して約33%のMPH、及び、該第2の層の総重量に対して約67%~約のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいる〕;及び、
該第2の層を被覆しているフィルムコーティング層〔ここで、該フィルムコーティング層は、ポリビニルアルコールを含んでいる〕;
を含んでいる、前記経口投与形態。
440. 経口投与形態であって、
カプセル〔ここで、該カプセルは、その中にカプセル化された持続放出(ER)組成物を含んでおり、そのER組成物は、該ER組成物の総重量に対して約20%w/wのメチルフェニデート(MPH)、該ER組成物の総重量に対して約38%w/wのスクロース酢酸イソブチル(SAIB)、該ER組成物の総重量に対して約29%w/wのトリアセチン、該ER組成物の総重量に対して約6%w/wのミリスチン酸イソプロピル(IPM)、該ER組成物の総重量に対して約5%w/wの酢酸酪酸セルロース(CAB)381-20 BP、該ER組成物の総重量に対して約1%w/wの二酸化ケイ素、及び、該ER組成物の総重量に対して約1%w/wのラウロイルポリオキシルグリセリドを含んでいる〕;及び、
該カプセルを被覆している第1の層〔ここで、該第1の層は、該第1の層の総重量に対して約70%w/wのメタクリル酸コポリマー、及び、該第1の層の総重量に対して約30%w/wのポリビニルアルコール系水分バリヤー物質を含んでいる〕;
該第1の層を被覆している第2の層〔ここで、該第2の層は、該第2の層の総重量に対して約33%のMPH、及び、該第2の層の総重量に対して約67%~約のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいる〕;及び、
該第2の層を被覆しているフィルムコーティング層〔ここで、該フィルムコーティング層は、ポリビニルアルコールを含んでいる〕;
を含んでいる、前記経口投与形態。
441. 経口投与形態であって、
カプセル〔ここで、該カプセルは、その中にカプセル化された持続放出(ER)組成物を含んでおり、そのER組成物は、該ER組成物の総重量に対して約20%w/wのメチルフェニデート(MPH)、該ER組成物の総重量に対して約38%w/wのスクロース酢酸イソブチル(SAIB)、該ER組成物の総重量に対して約29%w/wのトリアセチン、該ER組成物の総重量に対して約6%w/wのミリスチン酸イソプロピル(IPM)、該ER組成物の総重量に対して約5%w/wの酢酸酪酸セルロース(CAB)381-20 BP、該ER組成物の総重量に対して約1%w/wの二酸化ケイ素、及び、該ER組成物の総重量に対して約1%w/wのラウロイルポリオキシルグリセリドを含んでいる〕;及び、
該カプセルを被覆している第1の層〔ここで、該第1の層は、該第1の層の総重量に対して約70%w/wのメタクリル酸コポリマー、及び、該第1の層の総重量に対して約30%w/wのポリビニルアルコール系水分バリヤー物質を含んでいる〕;
該第1の層を被覆している第2の層〔ここで、該第2の層は、該第2の層の総重量に対して約33%のMPH、及び、該第2の層の総重量に対して約67%~約のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいる〕;及び、
該第2の層を被覆しているフィルムコーティング層〔ここで、該フィルムコーティング層は、ポリビニルアルコールを含んでいる〕;
を含んでいる、前記経口投与形態。
442. 投与形態であって、
第1の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる薬物組成物;
該薬物組成物の少なくとも一部分を被覆しているバリヤー層;及び、
該バリヤー層の少なくとも一部分を被覆している薬物層(ここで、該薬物層は、第2の薬理学的に活性な薬剤を含んでいる);
を含んでおり、並びに、
ここで、前記経口投与形態からの前記第1の薬理学的に活性な薬剤と前記第2の薬理学的に活性な薬剤の合した累積放出(%)が、750mLの0.1N HCl溶解媒体、パドル速度50rpm及び溶解媒体温度37℃を用いてUSP Apparatus IIによって評価したときに、T=1時間で5%~40%である、
前記投与形態。
下記実施例は、本発明を製造する方法及び使用する方法に関する完全な開示及び説明を当業者に提供するために記載されており、そして、下記実施例は、本発明者らが自分たちの発明であるとみなしている範囲を限定することを意図しておらず、また、下記実施例は、下記実験が実施した全ての実験又は唯一の実験であることを表すことも意図していない。使用した数字(例えば、量、温度など)に関して正確さを保証するために尽力したが、多少の実験誤差及び偏差が存在することは考慮されるべきである。別途示されていない限り、「部」は重量部であり、「分子量」は重量平均分子量であり、「温度」は摂氏度であり、及び、「圧力」は1気圧又は約1気圧である。標準的な略語を使用することができる、例えば、「s」又は「sec」、秒;「min」、分;「h」又は「hr」、時間;など。
実施例1: 製剤Aの調製
製剤Aは、透明なHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)カプセル(サイズ3)に30mgのメチルフェニデートHCl(MPH)を含んでいる薬物組成物を充填し、次いで、そのカプセルに第1(I)の層、第2(II)の層及び第3(III)の層(ここで、該第2の層は、10mgのMPHを含んでいる)をコーティングすることによって、調製した。該薬物組成物の成分及び該カプセルにコーティングした層の成分は、下記表に示されている。別途示されていない限り、量は、「%w/w」である。
製剤Aの薬物組成物は、概して、以下のようにして調製した: 表1の個々の成分を秤量して所望の成分重量とし、油浴中で、60±5℃で配合した。次いで、その組成物を、サイズ3のHPMCカプセルの中に、示されている充填重量で充填した。カプセルに充填した後、そのカプセルをエタノールと水の中のHPMCの溶液を用いて、結合させた(band)。
製剤Aの保護層は、概して、以下のようにして調製した: 蒸留水及びエタノールをステンレス鋼製ビーカーの中に供給した。次いで、Pharmacoat(登録商標) 606を添加し、溶解するまで混合させた。
該保護層を適用する方法は、概して、以下のとおりであった: 該保護層の溶液を含んでいるビーカーをコーティング機の隣に配置し、そのコーティング機のスプレーガンと該溶液の間に管を連結した。当該コーティング機は、パンコーティング機であり、具体的には、「REI HSIUNG Coater RH-Coater-5」であった。該薬物組成物を含んでいるカプセルとそのカプセルと同様の重さ及びサイズを有するプラセボ錠剤を、当該コーティングパンの中に入れた。その注入口の空気温度を43℃に設定し、送風機を始動させ、排気空気温度が目標範囲の43±3℃に達するまで、注入口の空気加熱器を作動させた。
事前に設定した以下のコーティングパラメーターを用いて、初期スプレー速度(spray rate)5rpmでスプレーを開始させた: 注入口の空気圧:3.5kg/cm2±0.3kg/cm2; 噴霧流量(CAP):35NL/分±3NL/分; パターン流量(CYL):20NL/分±2NL/分; ノズルサイズ:1.0mm; スプレー速度(spraying rate): 20分ごとに1rpmの増加量で10rpmまで増大。10rpmで維持、及び、排出口の温度を40±5℃に調節; パン速度:10±2rpm。生成物の温度:38±3℃に維持。
コーティングが完了したとき、該カプセルを、コーティング機の中で、注入口の温度43℃で30分間熱処理に付した。次いで、そのカプセルを、排出口の温度が28℃未満に達するまで、注入口の温度25℃で冷却した。
該薬物層の溶液を調製する方法は、概して、以下のとおりであった:蒸留水及びエタノールをステンレス鋼製ビーカーの中に供給した。メチルフェニデートHClを添加し、溶解するまで混合させた。Pharmacoat(登録商標) 606を添加し、溶解するまで混合させた。Poloxamer(登録商標) 188を添加し、溶解するまで混合させた。リン酸を添加してpHを2.83に調節し、該薬物コーティング層溶液を生成させた。
該薬物層を適用する方法は、概して、以下のとおりであった:保護コーティングでコーティングしたカプセル及びプラセボ錠剤を、コーティングパンの中に入れた。その注入口の空気温度を45℃に設定し、ファンを始動させ、排気空気温度が目標範囲の45±3℃に達するまで、注入口の空気加熱器を作動させた。事前に設定した以下のコーティングパラメーターを用いて、初期スプレー速度(spray rate)5rpmでスプレーを開始させた:注入口の空気圧:3.5kg/cm2±0.3kg/cm2; 噴霧流量(CAP):35NL/分±3NL/分; パターン流量(CYL):20NL/分±2NL/分; ノズルサイズ:1.0mm; スプレー速度(spraying rate):6rpmで始動。20分ごとに1rpmの増加量で8rpmまで増大。8rpmで維持; パン速度:12±2.0rpm。生成物の温度:37±3℃で維持。該コーティング機は、「REI HSIUNG Coater RH-Coater-5」であった。
コーティングが完了したとき、該カプセルを、コーティング機の中で、注入口の温度43℃で30分間熱処理に付した。次いで、そのカプセルを、生成物の温度が28℃未満に達するまで、注入口の温度25℃で冷却した。
該フィルムコーティング溶液を調製する方法は、概して、以下のとおりであった:蒸留水をステンレス鋼製ビーカーの中に供給した。Opadry(登録商標) II White 85F18422を添加し、均質になるまで混合させて、フィルムコーティング溶液を生成させた。
該フィルムコーティング層を適用する方法は、概して、以下のとおりであった:保護コーティング層及び薬物層でコーティングしたカプセル及びプラセボ錠剤を、コーティングパンの中に入れた。その注入口の空気温度を50℃に設定し、ファンを始動させ、排気空気温度が目標範囲の50±2℃に達するまで、注入口の空気加熱器を作動させた。事前に設定した以下のコーティングパラメーターを用いて、初期スプレー速度(spray rate)5rpmでスプレーを開始させた:注入口の空気圧:3.5kg/cm2±0.3kg/cm2; 噴霧流量(CAP):40NL/分±3NL/分; パターン流量(CYL):20NL/分±2NL/分; ノズルサイズ:1.0mm; スプレー速度(spraying rate):スプレー速度(spraying rate)は、生成物の状況に応じて調節した; パン速度:12±2.0rpm。生成物の温度:43±3℃で維持。該コーティング機は、「REI HSIUNG Coater RH-Coater-5」であった。コーティングが完了したとき、該カプセルを、コーティング機の中で、注入口の温度50℃で30分間熱処理に付した。次いで、そのカプセルを、排出口の温度が28℃未満に達するまで、注入口の温度25℃で冷却した。
実施例2: 製剤Aの薬物動態学的プロフィール
製剤Aについて、Concerta(登録商標)持続放出錠剤36mgを対照として使用して、空腹状態及び摂食した状態におけるヒトPK試験において評価した。
材料及び方法
試験設計:健康な成人ボランティアにおける、単一施設、オープンラベル、無作為化、3処置、3期クロスオーバー(three-way crossover)、単回投与、第1相試験。処置条件は、下記表3に記載されている。
結果
PKの結果(図4)は、空腹条件下における速い作用の発現を示しているが、摂食した条件下では、スタートアップ時のラグタイムが観察された。下記に記載されている製剤1-製剤4は、このスタートアップ時のラグタイムに取り組む目的で調製した。
実施例3: メチルフェニデート投与形態の調製
製剤1は、不透明なHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)カプセル(サイズ4)に34mgのメチルフェニデートHCl(MPH)を含んでいる薬物組成物を充填し、次いで、そのカプセルに第1(I)の層、第2(II)の層及び第3(III)の層(ここで、該第2の層は、10mgのMPHを含んでいる)をコーティングすることによって、調製した。該薬物組成物の成分及び該カプセルにコーティングした層の成分は、下記表に示されている。別途示されていない限り、量は、「%w/w」である。
製剤2は、不透明なHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)カプセル(サイズ4)に34mgのメチルフェニデートHCl(MPH)を含んでいる薬物組成物を充填し、次いで、そのカプセルに第1(I)の層、第2(II)の層及び第3(III)の層(ここで、該第2の層は、10mgのMPHを含んでいる)をコーティングすることによって、調製した。該薬物組成物の成分及び該カプセルにコーティングした層の成分は、下記表に示されている。別途示されていない限り、量は、「%w/w」である。
製剤3は、不透明なHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)カプセル(サイズ4)に34mgのメチルフェニデートHCl(MPH)を含んでいる薬物組成物を充填し、次いで、そのカプセルに第1(I)の層、第2(II)の層及び第3(III)の層(ここで、該第2の層は、10mgのMPHを含んでいる)をコーティングすることによって、調製した。該薬物組成物の成分及び該カプセルにコーティングした層の成分は、下記表に示されている。別途示されていない限り、量は、「%w/w」である。
製剤4は、不透明なHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)カプセル(サイズ4)に36mgのメチルフェニデートHCl(MPH)を含んでいる薬物組成物を充填し、次いで、そのカプセルに第1(I)の層、第2(II)の層及び第3(III)の層(ここで、該第2の層は、8mgのMPHを含んでいる)をコーティングすることによって、調製した。該薬物組成物の成分及び該カプセルにコーティングした層の成分は、下記表に示されている。別途示されていない限り、量は、「%w/w」である。
薬物組成物
製剤1、製剤2、製剤3及び製剤4の薬物組成物は、概して、以下のようにして、及び、図1Aに示されているようにして、調製した:表4、表6、表8及び表10の個々の成分を、それぞれ、秤量して所望の成分重量とし、油浴中で、60±5℃で配合した。次いで、その組成物を、サイズ4のHPMCカプセルの中に、示されている充填重量で充填した。カプセルに充填した後、そのカプセルをエタノールと水の中のHPMCの溶液を用いて、結合させた(band)。
バリヤー層
上記製剤に対して該バリヤー層を適用するために使用するバリヤー層の溶液は、概して、図1Bに記載されているようにして、調製した。手短に言えば、精製水を2つのステンレス鋼製ビーカーの中に供給した。1番目のビーカーに、Acryl-Eze(登録商標) 93O18509を添加し、均質になるまで混合させた。2番目のビーカーに、Opadry(登録商標) AMB White 80W68912を添加し、均質になるまで混合させた。当該2つのビーカーの内容物を合し、次いで、均質になるまで混合させて、該バリヤーコーティング層の溶液を生成させた。
該バリヤー層の溶液を適用する方法は、概して、以下のとおりであった。
該バリヤー層コーティング溶液を含んでいるビーカーをコーティング機の隣に配置し、そのコーティング機のスプレーガンと該溶液の間に管を連結した。当該コーティング機は、「REI HSIUNG Coater RH-Coater-5」であった。プラセボ錠剤(約1000個の錠剤、約560g)を、コーティングプロセスの補助器具としてのコーティングパンの中に入れた。該コーティング機の空気ブロワを始動させ、加熱器を作動させた。当該コーティング機に関して以下のパラメーターを設定した:注入口の空気温度:45℃;及び、パン速度:1.0±0.3rpm。該プラセボ錠剤を30分間予熱した。50個のプラセボ錠剤をサンプリングし、個々の錠剤の重量を平均重量と一緒に記録した。
該薬物組成物を含んでいる約1000個の不透明なHPMCカプセル(サイズ4)を該コーティングパンの中に入れ、10分間予熱した。50個のカプセルをサンプリングし、個々のカプセルの重量を平均重量と一緒に記録した。当該コーティング機に関して以下のパラメーターを設定した:注入口の空気圧:3.5±0.3kg/cm2; 噴霧流量(CAP):40±3NL/分; パターン流量(CYL):20±2NL/分; ノズルサイズ:1.3mm; 注入口の空気温度:45℃; スプレー速度(spray rate):5rpmで始動。該スプレー速度(spray rate)は、生成物の状態に応じて調節した。その生成物の温度は、38±3℃に維持した; パン速度:11.0±2.0rpm。
上記コーティングパラメーターを10分ごとに記録した。20個のカプセルをサンプリングし、個々の重量を10分ごとに記録した。この手順を、目標のコーティング重量が達成されるまで繰り返した。コーティングが終了したとき、パン速度を1.0±0.3rpmに設定し、そして、当該カプセルを、注入口の空気温度45℃で30分間熱処理に付した。次いで、該カプセルを、そのカプセルが≦28℃に達するまで、注入口の空気温度25℃で冷却した。
次いで、該コーティングされたプラセボ錠剤及び該コーティングされたカプセルを分離し、全カプセルの総重量を記録した。最後に、50個のカプセルをサンプリングし、各カプセルの個々の重量を平均重量と一緒に記録した。
薬物層
上記製剤に対して該薬物層を適用するために使用する薬物層の溶液は、概して、図2に記載されているようにして、調製した。手短に言えば、精製水をステンレス鋼製ビーカーの中に供給し、それに、メチルフェニデートHClを添加し、溶解するまで混合させた。次いで、Pharmacoat(登録商標) 606を添加し、溶解するまで混合させた。最後に、リン酸を添加して、pHを約2.8に調節した。
該薬物コーティング層の溶液を適用する方法は、概して、以下のとおりであった。
その薬物層の溶液を含んでいるビーカーをコーティング機の隣に配置し、そのコーティング機のスプレーガンと該溶液の間に管を連結した。当該コーティング機は、「REI HSIUNG Coater RH-Coater-5」であった。プラセボ錠剤(約1000個の錠剤、約560g)を、コーティングの補助器具としてのコーティングパンの中に入れた。該コーティング機の空気取り入れブロワを始動させ、加熱器を作動させた。当該コーティング機を以下のパラメーターに設定した:注入口の空気温度:45℃;及び、パン速度:1.0±0.3rpm。該プラセボ錠剤を30分間予熱した。50個のプラセボ錠剤をサンプリングし、個々の錠剤の重量を平均重量と一緒に記録した。
該薬物組成物を含んでいて該バリヤー層でコーティングされた約1000個の不透明なHPMCカプセル(サイズ4)を該コーティングパンの中に入れ、10分間予熱した。
50個のカプセルをサンプリングし、個々のカプセルの重量を平均重量と一緒に記録した。当該コーティング機に関して以下のパラメーターを設定した:注入口の空気圧:3.5±0.3kg/cm2; 噴霧流量(CAP):35±3NL/分; パターン流量(CYL):20±2NL/分; ノズルサイズ:1.30mm; 注入口の空気温度:45℃; スプレー速度(spray rate):6rpmで始動。該スプレー速度(spray rate)は、生成物の状態に応じて調節した。その生成物の温度は、38±3℃に維持した; パン速度:11.0±2.0rpm。
コーティングプロセスパラメーターを10分ごとに記録した。20個のカプセルをサンプリングし、個々の重量を20分ごとに記録した。この手順を、目標のコーティング重量が達成されるまで繰り返した。コーティングが終了したとき、パン速度を1.0±0.3rpmに設定し、そして、当該カプセルを、注入口の空気温度45℃で30分間熱処理に付した。次いで、該カプセルを、そのカプセルが≦28℃に達するまで、注入口の空気温度25℃で冷却した。
次いで、該コーティングされたプラセボ錠剤及び該コーティングされたカプセルを分離し、全カプセルの総重量を記録した。最後に、50個のカプセルをサンプリングし、各カプセルの個々の重量を平均重量と一緒に記録した。
フィルムコーティング層
上記製剤に対して該フィルムコーティング層を適用するために使用するフィルムコーティング層の溶液は、概して、図3に記載されているようにして、調製した。手短に言えば、精製水をステンレス鋼製ビーカーの中に供給した。Opadry(登録商標) II White 85F18422を添加し、均質になるまで混合させて、該フィルムコーティング層の溶液を生成させた。
フィルムコーティング層の溶液を適用する方法は、概して、以下のとおりであった。
該フィルムコーティング層の溶液を含んでいるビーカーをコーティング機の隣に配置し、そのコーティング機のスプレーガンと該溶液の間に管を連結した。当該コーティング機は、「REI HSIUNG Coater RH-Coater-5」であった。プラセボ錠剤(約1000個の錠剤、約560g)を、コーティングの補助器具としてのコーティングパンの中に入れた。該コーティング機の送風機を始動させ、加熱器を作動させた。当該コーティング機は以下のパラメーターに設定した:注入口の空気温度:50℃;及び、パン速度:1.0±0.3rpm。該プラセボ錠剤を30分間予熱した。50個のプラセボ錠剤をサンプリングし、個々の錠剤の重量を平均重量と一緒に記録した。
該薬物組成物を含んでいて、該バリヤー層及び該薬物層で被覆された約1000個のHPMCカプセル(サイズ4)を該コーティングパンの中に入れ、10分間予熱した。
50個のカプセルをサンプリングし、個々のカプセルの重量を平均重量と一緒に記録した。当該コーティング機に関して以下のパラメーターを設定した:注入口の空気圧:3.5±0.3kg/cm2; 噴霧流量(CAP):40±3NL/分; パターン流量(CYL):20±2NL/分; ノズルサイズ:1.3mm; 注入口の空気温度:50℃; スプレー速度(spray rate):5rpmで始動。該スプレー速度(spray rate)は、生成物の状態に応じて調節した。その生成物の温度は、38±3℃に維持した; パン速度:11.0±2.0rpm。
パラメーターを10分ごとに記録した。20個のカプセルをサンプリングし、個々の重量を10分ごとに記録した。この手順を、目標のコーティング重量が達成されるまで繰り返した。コーティングが終了したとき、パン速度を1.0±0.3rpmに設定し、そして、当該カプセルを、注入口の空気温度50℃で30分間熱処理に付した。次いで、該カプセルを、そのカプセルが≦28℃に達するまで、注入口の空気温度25℃で冷却した。
次いで、該コーティングされたプラセボ錠剤及び該コーティングされたカプセルを分離し、全カプセルの総重量を記録した。最後に、50個のカプセルをサンプリングし、各カプセルの個々の重量を平均重量と一緒に記録した。
実施例4: 投与形態からのメチルフェニデートのインビトロにおける溶解
製剤1-製剤4及び製剤Aを、以下に記載されているUSP Apparatus 2を用いて、溶解特性に関してインビトロで試験した。
材料及び方法
溶解試験パラメーターは、以下のとおりであった:
相1に関する溶解媒体:750mLの0.1N HCl(0-2時間);
相2に関する溶解媒体:200mLの0.19Mリン酸緩衝液;
1及び2を合した最終的な溶解媒体:体積及びpH:950mL、pH6.0±0.2(2-24時間);
パドル速度:50rpm;
容器の温度:37.0±0.5℃;
サンプリング時点:0.3時間、0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、3時間、6時間、9時間、12時間、及び、24時間;
サンプリング体積:1mL;
n=6。
相2に関する溶解媒体は、37.0±0.5℃の溶解媒体温度を維持するために、容器に添加する前に約37℃の平衡状態にした。
HPLCパラメーターは、以下のとおりであった:移動相A:5mM 1-デカンスルホン酸ナトリウム塩、5mM 一塩基性リン酸ナトリウム、pH2.5; 移動相B:100% アセトニトリル; 移動相:71%移動相A及び29%移動相B; 波長210nm。
結果
該溶解実験の結果は、下記表12及び表13並びに図5A-図5Cに与えられている。
上記(表12)及び図5A-図5Cに示されているように、該薬物層は、0.3時間以内(又は、約15分)で溶解した。Pharmacoat(登録商標) 606 HPMC E3(2910)を含有する第1の層を含んでいる製剤(製剤1、及び、対照製剤A)は、薬物の放出を続けたが、Acryl-EZE(登録商標) White(93O18509)及びOpadry(登録商標) AMB White(80W68912)を含有する第1の層を有している製剤(製剤2-製剤4)は、薬物の放出においてラグを示した。製剤1を製剤2と比較することによって、製剤1は44%放出に2時間で達したが、製剤2は44%放出に3時間で達した。時間プロフィールの平方根は、第1の層の効果を実証している(図5C)。
実施例5: 投与形態からのメチルフェニデートのインビトロにおける溶解(続き)
上記製剤1、製剤2(実施例3)及び製剤2(a)を、上記実施例2に記載されているUSP Apparatus 2を用いて、溶解特性に関してインビトロで試験した。製剤2(a)は、該バリヤー層に関して製剤2における24mgのコーティング重量の代わりに12mgのコーティング重量を使用した以外は、製剤2と同様に調製した。該溶解実験の結果は、図6及び図7に与えられている。図7は、0~2時間の時間枠の拡大図を示している。図6及び図7に示されているように、製剤2は、製剤2(a)(該バリヤー層のコーティング重量が低減されている)及び該バリヤー層を有さない製剤1と比較してメチルフェニデートの遅延放出を示した。
実施例6: メチルフェニデート投与形態のインビボ薬物動態学的分析
製剤1、製剤2、製剤3及び製剤4をヒト被験者においてインビボで試験して、種々の投与形態から送達されたメチルフェニデートの薬物動態学を測定した。上記製剤を市販されているメチルフェニデート製品(Concerta(登録商標) 持続放出錠剤36mg)と比較した。
材料及び方法
試験設計:摂食した状態にある12人の健康な成人ボランティアにおける、単一施設、オープンラベル、無作為化、5処置、5期クロスオーバー(five-way crossover)、単回投与、第1相試験。合計で9人の男性被験者及び3人の女性被験者が当該試験をやり遂げた。処置条件は、下記表14に記載されている。
結果
該薬物動態学的試験の結果は、下記表15-表24及び図8-図13に与えられている。
上記データ及び図8-図13から明らかなように、製剤1-製剤4は、それぞれ、急速な作用の発現、Concertaと比較して投与後2-5時間の期間における増大した血漿濃度、及び、Concertaと比較して同様の持続期間を示した。加えて、製剤3及び製剤4は、Concertaと比較して投与後2-6時間の期間における増大した血漿濃度を示した。
実施例7: 製剤4のインビトロ溶解に対するバリヤー層の効果の実証
製剤4の溶解に対する該バリヤー層の効果を実証するために、製剤4、及び、カプセル化された薬物組成物のみを含んでいる製剤4(バリヤー層、薬物層及びフィルムコーティング層は加えていない)を、以下に記載されているUSP Apparatus 2を用いて、溶解特性に関してインビトロで試験した。
材料及び方法
溶解試験パラメーターは、以下のとおりであった:
溶解媒体:950mLの0.1N HCl;
パドル速度:50rpm;
容器の温度:37.0±0.5℃;
サンプリング時点:0.25時間、0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、3時間、6時間、9時間、12時間、及び、24時間;
サンプリング体積:1mL;
(a)ではn=12、及び、(b)ではn=6。
結果
該溶解実験の結果は、図14に与えられており、ここで、図14は、製剤4のインビトロ溶解に対する該バリヤー層の効果を実証するグラフを提供している。左側の上段及び下段のグラフは、(a)製剤4;(b)バリヤー層、薬物層及びフィルムコーティング層を加えることなくカプセル化された薬物組成物のみを含んでいる製剤4;及び(c)バリヤー層を有するが薬物層及びフィルムコーティング層は有していないカプセル化された薬物組成物を含んでいる製剤4を表す計算されたプロットに関する、累積放出(%)を示している。右側の上段及び下段のグラフは、(a)製剤4;(b)バリヤー層、薬物層及びフィルムコーティング層を加えることなくカプセル化された薬物組成物のみを含んでいる製剤4;及び(c)バリヤー層を有するが薬物層及びフィルムコーティング層は有していないカプセル化された薬物組成物を含んでいる製剤4を表す計算されたプロットに関する、累積MPH放出(mg)を示している。当該上段及び下段のグラフは、x軸及びy軸のスケールに関して異なっている。
計算された(c)曲線に関する値は、右側の上段及び下段のグラフの各時点における(a)値から8mg(目標とした薬物層コーティングの8mgに基づいている)を減じることによって得た。左側の上段及び下段のグラフにおける(c)曲線に関する累積薬物放出(%)は、右側の上段及び下段のグラフにおける計算された値に基づいて計算した。該グラフにおいて示されているように、製剤4の薬物層コーティングからのMPHの放出は約15分以内に起こり、製剤4のカプセル化された薬物組成物からの放出の開始は約30分で起こる。
実施例8: 持続放出プロフィールを有する改質された製剤
製剤4と比較して持続放出プロフィールを有する製剤を提供するために、種々のバリヤー層を含んでいる製剤を、製剤4、及び、同じ薬物組成物を含んでいるがバリヤー層を欠いている製剤に対して、評価した。
材料及び方法
表25に記載されている薬物組成物を製造し、製剤1-製剤4及び図1Aに記載されているように、36mgメチルフェニデートHCl(MPH)の用量強度でサイズ4のHPMCカプセルに充填した。
次いで、評価することを目的として、薬物層及びフィルムコーティング層を加えることなく、カプセルに種々のバリヤー層をコーティングした。表26は、当該バリヤー層の組成、目標とするコーティング重量及び測定された重量増加を示している。
上記製剤に関してカプセルにバリヤー層をコーティングするのに使用したバリヤー層の溶液は、概して図1Bに記載されているようにして及び実施例3に記載されているのと同様にして、調製し、及び、適用した。
当該コーティングされたカプセルを、0.1N HClの中で、最大で2時間まで、溶解試験に付した。その溶解パラメーターは、以下のとおりであった:
溶解媒体:950mLの0.1N HCl;
パドル速度:50rpm;
容器の温度:37.0±0.5℃;
サンプリング時点:5分、10分、15分、30分、45分、60分、90分、120分;
サンプリング体積:1mL。
結果
当該溶解実験の結果は、表27-表36に与えられている。
該製剤に関する溶解プロフィールは、図15に示されている。「Acryl-EZE」と「Opadry AMB」の比率が当該製剤の薬物組成物からのメチルフェニデートの放出に影響することは明らかであり、比率が増大すると放出の遅延が大きくなっている。
統計分析を実施し、そして、実験モデルを確立した。追加製剤に関する溶解データは、当該モデルに基づいて予測し、表37に与えられている。バリヤー層の組成(a)-(i)に関する実際の溶解プロフィールが、P1-P12に関する予測された溶解プロフィールと一緒に、図16-図18に示されている。
実施例9(予測): 改質された薬物組成物製剤
実施例6のインビボデータに基づいて、表38に示されているように、処置C(製剤3)は処置B(製剤2)よりも高いAUCを有していた。これら2種類の製剤は、当該製剤の薬物組成物のみが異なっている。処置B(製剤2)は比較的徐放性の薬物組成物を有しており、それに対して、処置C(製剤3)は比較的速放性の薬物組成物を有している。いかなる特定の理論にも拘束されることを意図するものではないが、一部の薬物は処置B(製剤2)の薬物組成物のマトリックスの中に保持されて、胃の中で適切な時期に放出されないと考えられる。従って、より速放性の薬物組成物を含んでいる製剤が望まれ得る。表39は、可能性を有するER製剤を示している。
実施例10: 制御放出メチルフェニデートHCl投与形態の安全性及び効力を評価するための臨床試験
実施例6に記載されている試験において得られたPKの結果に基づいて、制御放出メチルフェニデートHCl製剤、製剤4(44mgメチルフェニデートHCl)及び合計で22mg(製剤10)又は33mg(製剤11)のメチルフェニデートHClを含んでいる製剤4の変形態様を、以下に記載されているように、ADHDを患っている小児及び青年における効力に関して試験した。
材料及び方法 製剤: 製剤4の組成及びその調製に関しては、実施例3に記載されている。製剤10(22mgのMPH)及び製剤11(33mgのMPH)は、以下に示されているように、異なる充填重量及びコーティング重量を使用したこと、並びに、異なるOpadry(登録商標) II フィルムコーティングを使用したことを除いて、製剤4に関して実施例3に記載されているように調製した。製剤10及び製剤11に関する薬物組成物の成分及び当該カプセルにコーティングした層の成分は、下記表に示してある。別途示されていない限り、量は、「%w/w」である。
試験方法: ADHDを患っている6歳~18歳の小児及び青年における制御放出メチルフェニデートHClの効力を観察するために、以下に記載されているように、相III、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、2期クロスオーバー(two-way crossover)試験を設計し、そして、実施した。
その試験は、4つの主要な相で構成されていた: 約14日続く予備選別期間、2~4週間続くオープンラベル増量期間(titration period)、4週間の二重盲検及びプラセボ対照の2期クロスオーバー試験期間(期間1に対して2週間、及び、期間2に対して2週間2)、次いで、2週間の追跡相。注意欠陥過活動性障害(ADHD)の文書化された診断を有し且つ「Diagnostic & Statistical Manual for Mental Disorders-Fifth Edition(DSM-5)」を用いて治験医師によって確認された被験者を、インフォームドコンセントを提供した後で適格性に関して選別した。ADHDの治療を1年未満しか受けていない被験者及び予備選別ベースライン(第0日)の前の30日間以内に別のADHD治療を受けていない被験者のみを登録した。本試験には110人の被験者が登録され、そのうちの99人の評価可能な被験者が本試験をやり遂げた。制御放出メチルフェニデートHClによる処置に関する最適の用量を確認するために、当該患者を用量増量期間(dose titration period)に付した。
最初の1週間、全ての被験者に22mgの制御放出メチルフェニデートHClを投与した;用量の増量(dose titration)は、臨床症状、安全性及び親による評価に基づいて、訪問3(第7日)で、治験医師が決定した。用量の調節を必要としない被験者に対しては、無作為化の前の1週間、22mgの制御放出メチルフェニデートHClを投与した;これらの被験者に対するクロスオーバー期間は、第15日に開始した。
用量の増量が必要であると判断された場合、被験者に33mgの制御放出メチルフェニデートHClを1週間投与し、そして、訪問4(第14日)で再度評価した。最適な用量が33mgであった被験者には、無作為化の前の1週間、33mgの制御放出メチルフェニデートHClを投与した;これらの被験者に対するクロスオーバー期間は、第22日に開始した。用量のさらなる増量が必要であると判断された場合、被験者に44mgの制御放出メチルフェニデートHClを1週間投与し、そして、訪問5(第21日)で再度評価した。最適な用量が44mgであった被験者には、無作為化の前の1週間、44mgの制御放出メチルフェニデートHClを投与した;これらの被験者に対するクロスオーバー期間は、第29日に開始した。
増量期間(titration period)の最後の日に(22mgの場合は第14日、33mgのグループの場合は第21日、及び、44mgのグループの場合は第28日)、被験者を、処置相の各試験期間(期間1、及び、期間2)にわたって、制御放出メチルフェニデートHClを最適な用量で投与されるか又はプラセボを投与されるように無作為化スキームに従って1:1の比率で無作為に割り当てた。
本試験の主目的は、プラセボを投与されたADHDを患っている小児及び青年に対する制御放出メチルフェニデートHClを投与されたADHDを患っている小児及び青年の「Swanson, Nolan, and Pelham-IV (SNAP-IV) teacher form score」(Gau,S.S., C.H.Lin, et al. (2009). “Psychometric properties of the Chinese version of the Swanson, Nolan, and Pelham, Version IV Scale-Teacher Form.” J Pediatr Psychol 34(8): 850-861)を求めることであった。
被験者全集団(intent-to-treat population)(ITT population)は、無作為化され、少なくとも1用量の試験処置を受け、及び、少なくとも1回の主要効力評価項目の査定(primary efficacy endpoint assessment)を終えた、全ての被験者で構成された。
主要評価項目: 期間1及び期間2においてプラセボを投与されたADHDを患っている小児及び青年に対する制御放出メチルフェニデートHClを投与されたADHDを患っている小児及び青年の間の「SNAP-IV teacher form score」のベースラインからの変化を比較すること。
結果
制御放出メチルフェニデートHClによる処置は、プラセボと比較して、ADHD症状の制御において統計的に有意な改善を示した(被験者全集団(intent-to-treat population)に関する「SNAP-IV teacher form total score」の変化に対して、p=0.0044)。試験期間中、重篤な有害事象は全く報告されず、その有害事象プロフィールは、持続放出メチルフェニデート製品の確立された安全性プロフィールと一致していた。
実施例11: 制御放出メチルフェニデートHCl投与形態に関する安定性試験
相III試験における製剤4、製剤10及び製剤11に関して、安定性試験を実施した。
材料及び方法
該製剤からの薬物の経時的な放出を測定するために、以下の装置及び条件を使用した。
メチルフェニデートHClの含有量をラベル強度の百分率(%LS)として計算するためのアッセイを、以下のように実施した。
5個のカプセルを秤量して、別々のメスフラスコの中に移し、各フラスコの容積の10%の抽出溶液(1mM リン酸)を各フラスコに添加した。該カプセルを、15分間、又は、カプセルの殻が溶解して製剤から分離するまで、37℃で超音波処理した。各フラスコの容積の15%のアセトニトリルを各フラスコに添加し、そして、30-45分間、又は、全ての製剤が小さくバラバラにされるまで、300rpmで振盪した。次いで、フラスコの内容物を充分に混合させた。
各フラスコの容積の約40%の抽出溶液を各フラスコの中に添加し、該サンプルを、300rpmで15-30分間、メカニカルシェーカーの上に置いた。該サンプルを抽出溶液で規定の体積になるまで稀釈し、充分に混合させた。約1.5mLの該溶液を、10,000rpmで10分間、又は、3500rpmで少なくとも30分間、遠心分離した。HPLC分析用に、透明な上清を集めた。上記で記載したようにHPLC分析用に集めた上清を用いて、有機不純物試験も実施した。
含水量は、「USP <921> Method 1C」に記載されているカールフィッシャー滴定法を用いて確認した。
結果
安定性試験の結果は、図19A-図21Bに与えられている。これらの結果は、溶解プロフィール、ラベル強度(%)、有機不純物、微生物数及び含水量が許容されることを示している。