JP7257087B1 - 風力を利用した海水淡水化船 - Google Patents

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Abstract

風力を利用した海水淡水化船1は、船体部2と、船体部2の天部に設けられて風力を受けるための帆3aを有して風力を利用して回転動力を得るウインドブレード部3と、ウインドブレード部3を支持すると共にウインドブレード部3の回転動力を伝える回転軸たるシャフト4と、シャフト4の回転動力を利用して海水を加圧するスクリューポンプ部5と、スクリューポンプ部5と出水配管を介して接続されてスクリューポンプ部5を用いて加圧された海水を圧入することで海水を淡水及び高塩分濃度排水に分離する逆浸透膜装置6と、を備える。この構成により、海水淡水化船1は、化石燃料を使用せず、且つ生態系に与える影響を最小限としながら海水から充分な量の淡水を生成できる。【選択図】図1

Description

本発明は、タンカーなどの船舶を用い、風力を利用して海水から淡水を生成する海水淡水化船に関する。
世界には飲み水に恵まれない多くの地域があり、近年、このような地域における水不足解消方法のため、海水を淡水化する海水淡水化装置が利用されている。この海水淡水化装置は、通常、強力な電力モータを利用し、海水を逆浸透膜に通して淡水化している。
また、船体を利用した海水淡水化船も知られており、例えば、タンカーに海水淡水化設備を搭載し、タンカー既設の設備を利用して海水から淡水を製造し、淡水を貨油タンクに貯蔵し、陸上げし得る海水淡水化船が開示されている(例えば、特許文献1参照)。さらに、発電後のスチームの余熱を用いてLNG供給部で冷却した海水を淡水化する多段フラッシュ蒸発器と、この多段フラッシュ蒸発器で得た凝縮水を貯蔵するタンクとを備えた海水淡水化船も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭59-20795号公報 特開平8-198178号公報
しかしながら、上記従来の逆浸透膜を利用する海水淡水化装置は、強力な電力モータを使用するため、膨大な化石燃料の消費とそれに伴う排出温暖化ガスの増加、淡水化時に副生される高塩分濃度排水が同じ海域に放流されることが問題となっている。この結果、地球温暖化などの化石燃料の使用に起因した環境問題が深刻化すると共に、魚などの生態系に大きなダメージを与える事例がハワイや中東のペルシャ湾岸など非常に多くの地域で確認されている。
また、上記のような従来の海水淡水化船においては、船の推進力を得るためのエネルギー源や淡水化設備のエネルギー源として、石油などの化石燃料が使用されている。従って、化石燃料の使用を削減することのできる、より好ましくは化石燃料を全く使用せずに、海水から十分な淡水を生成することができる海水淡水化船(及び海水淡水化装置)を実現することには、今後膨大な需要があることは疑う余地がない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、化石燃料を使用せず、且つ生態系に与える影響を最小限としながら海水から充分な量の淡水を生成できる風力を利用した海水淡水化船を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る風力を利用した海水淡水化船は、船体部と、前記船体部の天部に設けられ、風力を受けるための帆を有し、風力を利用して回転動力を得るウインドブレード部と、前記ウインドブレード部を支持すると共に、前記ウインドブレード部の回転動力を伝える回転軸たるシャフトと、前記シャフトの回転動力を利用して海水を加圧するスクリューポンプ部と、前記スクリューポンプ部と出水配管を介して接続され、前記スクリューポンプ部を用いて加圧された海水を圧入することで、海水を淡水及び高塩分濃度排水に分離する逆浸透膜装置と、を備え、前記スクリューポンプ部には、スクリュー部が複数並設されており、前記スクリュー部の中心部に前記シャフトが挿通し、且つ当該シャフトの回転に伴って前記スクリュー部が回転し、前記スクリュー部は、略円筒形状のスクリュードラム部、及びフィンを備えることを特徴とする。
この海水淡水化船において、さらに、取水管を用いて海水をくみ上げるためのポンプ部と、前記ポンプ部で引き揚げられた海水を貯留するサージタンクと、前記逆浸透膜装置と淡水用配管を介して接続され、前記逆浸透膜装置において分離された淡水を貯留するための淡水タンクと、を備え、前記スクリューポンプ部には、前記サージタンクとの間で設けられた海水を給水するための海水用配管を介して海水が給水されることが好ましい。
この海水淡水化船において、前記出水配管は、前記逆浸透膜装置へ流入する海水の圧力を調整するための調圧弁を備えることが好ましい。
この海水淡水化船において、前記取水管は、200m以深の深層水を汲み上げるための取水ホースであることが好ましい。
本発明に係る風力を利用した海水淡水化船は、船体部と、船体部の天部に設けられて風力を受けるための帆を有して風力を利用して回転動力を得るウインドブレード部と、ウインドブレード部を支持すると共にウインドブレード部の回転動力を伝える回転軸たるシャフトと、シャフトの回転動力を利用して海水を加圧するスクリューポンプ部と、スクリューポンプ部と出水配管を介して接続されてスクリューポンプ部を用いて加圧された海水を圧入することで海水を淡水及び高塩分濃度排水に分離する逆浸透膜装置と、を備える。この構成により、本発明に係る海水淡水化船では、化石燃料を使用せず、且つ生態系に与える影響を最小限としながら海水から充分な量の淡水を生成できる。
(a)及び(b)本発明の実施の形態に係る海水淡水化船の全体構成を示す図である。 同上海水淡水化船に備わる海水淡水化装置の全体構成を示す図である。 同上海水淡水化装置を説明するための概略図である。 同上海水淡水化装置のスクリューポンプ部内に備わるスクリュー部の一例を示す斜視図である。 同上スクリューポンプ部における海水の加圧状態を説明するための模式図である。 同上海水淡水化船の機能構成図を示す。
本発明の実施の形態に係る風力を利用した海水淡水化船(以下海水淡水化船と記載)に関して図面を参照しながら説明する。図1に示す海水淡水化船1は、例えば、コンテナ船、客船として用いられる船体である。この船体は、より好ましくは化石燃料で推進力を生じさせるエンジンを搭載せず、出願人の有する特許第6856915号(US Patent No.11,077,927B2)に示すような船体推進機構によって効率的に風力を利用して船体の推進力を得ることが好ましい。
最初に、本実施の形態に係る海水淡水化船1の全体構造に関して図1を参照して説明する。海水淡水化船1は、不沈構造となる船体部2と、ウインドブレード部3と、シャフト4と、スクリューポンプ部5と、逆浸透膜装置6と、取水管(取水ホース)7と、サージタンク8と、淡水タンク9と、エンジン部10とを備えている。
船体部2は、例えば金属製(鉄製)のスケルトンの表面に鋼板が張り付けられて構成されている。ウインドブレード部3は、船体部2の天部に設けられ、風力を受けるための複数の帆3aを有し、風力を利用して回転動力を得る。なお、本図ではウインドブレード部3が船体部2の天面の4か所において設置されており、このことにより効率的に淡水化のための風力を得ることができる。
シャフト4は、ウインドブレード部3を支持すると共に、ウインドブレード部3の回転動力を伝える回転軸である。スクリューポンプ部5は、シャフト4の回転動力を利用して、後述するポンプなどを用いて深海から汲み上げた海水を、一定以上の加圧状態で逆浸透膜装置6に圧入させるための動力部である。すなわち、海水淡水化船1は、逆浸透膜装置6を搭載した船舶を航行しながら海水の淡水化を行い、その逆浸透膜装置6に必要なエネルギーとして風力を利用する。そして、スクリューポンプ部5のスクリュー部がウインドブレード部3(風力ロータ)と共に回転するシャフト4に直結しており、スクリューポンプ部5において加圧された海水を逆浸透膜装置6に圧入することで、自然エネルギー100%で海水淡水化を行うことができる。
逆浸透膜装置6は、塩分を含んだ海水に圧力をかけて淡水化するための装置であって、例えばRO膜(Reverse Osmosis(逆浸透膜))に多種の水を逆浸透させて淡水を生成する。RO膜には0.0001μm程度の孔があり、この超微細な孔を水の分子だけが透過するため、塩分や不純物を取り除いた淡水を生成することができる。
取水管7は、例えば深海(凡そ200m以深)からの海水を取水するための取水ホースであって、後述するポンプを用いて深海から充分な量の海水を汲み上げる。また、フィルターを用いて深海の生物を除去しながら取水でき、深層水を汲み上げることで雑菌の無い原水の確保が可能となる。
サージタンク8は、取水管7を介して汲み上げられた海水(深層水)を一時的に貯水するためのタンクであり比較的大きな容量を有する。淡水タンク9は、逆浸透膜装置6を用いて淡水化された水を、海水淡水化船1が陸地に戻るまで貯水するためのタンクであり、船体部2の底側に多数並設されている。このことで水不足の地域の生活に充分な量の淡水を一時に陸揚げできる。
エンジン部10は、化石燃料を利用して推進力を得ても良いが、より好ましくは上述の船体推進機構によって、風力を利用して循環される水の水圧(高圧水流)によりスクリューを回転させて船体の推進力を得ている。エンジン部10は、通常は船体部2の船底に設けられる。設けられる位置としては、船体部2の進行方向における後方側が通常であるが、前方側にも設けることもできる。本実施の形態においては、船体部2の船底に6つのエンジン部10が配置されている。
なお、海水淡水化船1は、GPS(Global Positioning System)、赤外線などを用いた障害物検出センサ、海底ソナーなどの各種センサを利用することでパイロット無し・自動操舵システムで航海することも考え得る。
海水淡水化船1は、自然エネルギーから推進力をえることで、化石燃料用の燃料タンク(バラスト)や非常に大型で重量のある化石燃料系エンジンの装備が不要であり、かなりの軽量化を実現できる。例えば、船体部2は、そのサイズを例えばL70m×W35m,Max(Height)13m,排水量7000t、最大荷重7500t、機関無し、操縦士の要らない完全自動操舵が可能である。なお、船の推進力を決めるためのエンジン設計や船体設計は様々であり、これに限定されるものではない。
次に、海水淡水化装置Mにおける海水及び淡水の流れに関して図2を参照しながら説明する。最初に図2の点線の矢印Y1に示すように、ポンプ11を用いて取水管7を介して汲み上げられた海水が複数のスクリューポンプ部5内に流入される。次に、実線の矢印Y2に示すようにシャフト4と連動するスクリュー部を内蔵するスクリューポンプ部5を用いて海水が逆浸透膜装置6に圧入されて、分離された淡水は淡水タンク9に貯水される。最後に、海水淡水化船1が陸地に戻った際には、実線矢印Y3に示すように、淡水タンク9内の淡水が陸揚げされる。なお、本図に示すように海水淡水化装置Mは上下に複数段で設けられ、シャフト4に回転運動のムラを打ち消すためにフライホイールFを装着しても良い。
次に、海水淡水化船1に備わる海水淡水化装置Mの詳細な構造に関して図3を参照しながら説明する。図3に示すように、海水淡水化装置Mは、ウインドブレード部3と、シャフト4と、スクリューポンプ部5と、逆浸透膜装置6と、取水管7と、サージタンク8と、ポンプ11とが各種配管を介して接続されている。
具体的には、スクリューポンプ部5は、サージタンク8と海水用配管8aを介して接続されている。逆浸透膜装置6は、スクリューポンプ部5と出水配管5aを介して接続され、スクリューポンプ部5からの海水を圧入することで海水を淡水及び高塩分濃度排水に分離する。この出水配管5aには、逆浸透膜装置6へ流入する海水の圧力を調整するための調圧弁5bが配置される。すなわち、この調圧弁5bを用いて流路や開閉状態を調整することで、一定の海水を排水配管5cから海側に排水して出水配管5aから逆浸透膜装置6に圧入される海水の圧力や量を調整する。
淡水タンク9は、逆浸透膜装置6と淡水用配管6aを介して接続され、逆浸透膜装置6において分離された淡水を貯留する。逆浸透膜装置6には、さらに、分離後の高塩分濃度排水を海などに排水するための高濃度排水配管6bが接続されている。
次に、スクリューポンプ部5内に備わるスクリュー部に関して図4を参照しながら説明する。図4は、スクリューポンプ部5に配置されるスクリュー部51の構造を示す斜視図である。スクリュー部51は、スクリュードラム部51a、フィン51bを備え、中心部にシャフト4が挿通する。スクリュードラム部51aは、ベアリングなどを介してスクリューポンプ部5の内壁に対して回転可能に支持された略円筒形状の部材である。
フィン51bは、スクリュードラム部51aの内壁にその一端側(外側端)51cが接続固定され、シャフト4にその他端側(内側端)が接続固定され、シャフト4の回転に伴って回転可能な複数枚のフィンである。なお、フィン51bの形状は様々であり、本図に示す形状に限定されるものではない。このようにシャフト4の回転と連動するスクリュー部51をスクリューポンプ部5の内部に複数並設することで、海水を一定以上の加圧状態にして逆浸透膜装置6に圧入できる。
ここで、特に、スクリュー部51が、スクリューポンプ部5の内側に、複数段連続して並設される加圧効果に関して図5を参照して説明する。本図に示すように、スクリュー部51を複数段連続で並設することにより、海水の圧力を徐々に大きくし、結果として非常に大きな圧力を海水に加えることが可能となる。なお、スクリュー部51の段数は図5に示すような4つに限定されるものではなく、より大きな加圧力を得るためのより多くの段数を並設しても良い。
次に、本実施の形態に係る海水淡水化船1の機能構成に関して図6を参照しながら説明する。海水淡水化船1は、上述した構成以外に、発電部60と、蓄電部61と、電力モータ部62と、操作部63と、始動モータ部64とを備えても良い。
発電部60は、シャフト4の回転動力を利用して発電を行う。蓄電部61は、リチウムイオン電池など発電部60で発電された電力を蓄電する。電力モータ部62は、蓄電部61に蓄電された電力を用いて逆浸透膜装置6に海水を圧入させることができる。
操作部63は、逆浸透膜装置6の制御及び調圧弁5bの開閉制御を行い、スクリューポンプ部5から逆浸透膜装置6に圧入される海水の圧力を調整する機能を有する。始動モータ部64は、蓄電部61に蓄電された電力を用いてウインドブレード部3の始動回転動力を与える。例えば、海水淡水化船1においては、発電部60は150Kw発電機、蓄電部61はDC蓄電器で容量3,000Kwなどである。
次に、操作部63の機能構成に関して図6を参照しながら説明する。操作部63は、例えば、入力部63a、表示部63b、演算部63c、送受信部63d、及びメモリ部63eを備える。入力部63aは、ユーザからの指令(例えば逆浸透膜装置6へ圧入する海水圧力の調整や調圧弁5bの開閉状態の調整など)を受け付ける。表示部63bは、ユーザが操作部63aを介して操作入力を行うための液晶などの表示画面である。演算部63cは、CPUなどの演算回路であり、所定のプログラムに基づいて出水配管5a内の水圧を調整する。送受信部63dは、調圧弁5bとの間での制御信号の通信を行う。メモリ部13eは、ROMなどの不揮発性メモリであり、出水配管5a内の海水の圧力制御のためのプログラムなどを記憶する。
以上の説明のように、本実施の形態に係る風力を利用した海水淡水化船1は、船体部2と、船体部2の天部に設けられて風力を受けるための帆3aを有して風力を利用して回転動力を得るウインドブレード部3と、ウインドブレード部3を支持すると共にウインドブレード部3の回転動力を伝える回転軸たるシャフト4と、シャフト4の回転動力を利用して海水を加圧するスクリューポンプ部5と、スクリューポンプ部5と出水配管5aを介して接続されてスクリューポンプ部5を用いて加圧された海水を圧入することで海水を淡水及び高塩分濃度排水に分離する逆浸透膜装置6と、を備える。また、海水淡水化船1は、さらに、取水管7を用いて海水をくみ上げるためのポンプ部11と、ポンプ部11で引き揚げられた海水を貯留するサージタンク8と、逆浸透膜装置6と淡水用配管6aを介して接続されて逆浸透膜装置6において分離された淡水を貯留するための淡水タンク9と、を備え、スクリューポンプ部5には、サージタンク8との間で設けられた海水を給水するための海水用配管8aを介して海水が給水される。
この構成により、海水淡水化船1は、風力を利用することで化石燃料を使用せず、且つ生態系に与える影響を最小限としながら海水から充分な量の淡水を生成できる。より具体的には、海水淡水化船1は、先ず自然エネルギー100%の処理装置であり、船舶であるため移動しながら淡水化が行える。また沿岸からの取水(海水)ではなく、深海(凡そ200m以深)からの取水が可能で雑菌の無い原水確保が可能となる。また、海水淡水化船1は海上を移動するため、高塩分濃度排水も広範囲に行えるため生態系に与える影響を最小限にできる。従って、風力を利用する海水淡水化船1は、化石燃料を用いた二酸化炭素も発生させず、環境負荷を軽減でき、将来において脱炭素化社会の実現には欠かせない技術となり得る。
2017年のWHO/UNICEFのデータでは22億人、つまり世界の10人に3人は安全な水を飲めない状況にある。このような状況下において、海水淡水化船1は、化石燃料不要、環境負荷の軽減、コストダウンなど現在の世界の多くの地域が抱える水問題の解決手段となり得るものである。
(変形例)
本実施の形態の変形例について説明する。本変形例において、海水淡水化船1は、海上の気候データなどを自動で取得して、GPS、ソナー、障害物センサなどを用いて自動操舵で風力の大きな海域に到達する。次に、風力を用いて海水から多量の淡水を生成して淡水タンク9に貯水する。そして、十分な淡水化を終えた海水淡水化船1は、自動で港に帰航して、生成された淡水を供給する。海水淡水化船1は、自然エネルギーを利用するため、上述の実施の形態のように従来に比較して安価なコストで海水からの淡水を量産できる。
なお、本発明は、上記実施の形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、海水淡水化装置Mは充分な海水及び風力が得られる場所に設置でき、必ずしも海水淡水化船1に搭載される必要性はない。また、出水配管5aに海水がスクリューポンプ部5の逆流することを防止するために逆止弁を設けても良い。さらに、ポンプ11で汲み上げた海水の経路をサージタンク8又はスクリューポンプ部5に切り替えるために流路切替部を設けても良い。
1 海水淡水化船
2 船体部
3 ウインドブレード部
3a 帆
4 シャフト
5 スクリューポンプ部
5a 出水配管
5b 調圧弁
5c 排水配管
6 逆浸透膜装置
6a 淡水用配管
6b 高濃度排水配管
7 取水管(取水ホース)
8 サージタンク
8a 海水用配管
9 淡水タンク
10 エンジン部
11 ポンプ
51 スクリュー部
51a スクリュードラム部
51b フィン
M 海水淡水化装置

Claims (4)

  1. 船体部と、
    前記船体部の天部に設けられ、風力を受けるための帆を有し、風力を利用して回転動力を得るウインドブレード部と、
    前記ウインドブレード部を支持すると共に、前記ウインドブレード部の回転動力を伝える回転軸たるシャフトと、
    前記シャフトの回転動力を利用して海水を加圧するスクリューポンプ部と、
    前記スクリューポンプ部と出水配管を介して接続され、前記スクリューポンプ部を用いて加圧された海水を圧入することで、海水を淡水及び高塩分濃度排水に分離する逆浸透膜装置と、を備え
    前記スクリューポンプ部には、スクリュー部が複数並設されており、
    前記スクリュー部の中心部に前記シャフトが挿通し、且つ当該シャフトの回転に伴って前記スクリュー部が回転し、
    前記スクリュー部は、略円筒形状のスクリュードラム部、及びフィンを備えることを特徴とする風力を利用した海水淡水化船。
  2. さらに、取水管を用いて海水をくみ上げるためのポンプ部と、
    前記ポンプ部で引き揚げられた海水を貯留するサージタンクと、
    前記逆浸透膜装置と淡水用配管を介して接続され、前記逆浸透膜装置において分離された淡水を貯留するための淡水タンクと、を備え、
    前記スクリューポンプ部には、前記サージタンクとの間で設けられた海水を給水するための海水用配管を介して海水が給水される、ことを特徴とする請求項1記載の風力を利用した海水淡水化船。
  3. 前記出水配管は、前記逆浸透膜装置へ流入する海水の圧力を調整するための調圧弁を備える、ことを特徴とする請求項1又は2記載の風力を利用した海水淡水化船。
  4. 前記取水管は、200m以深の深層水を汲み上げるための取水ホースである、ことを特徴とする請求項2に記載の風力を利用した海水淡水化船。
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