JP7256864B2 - 吸引器用カートリッジおよびこれを備えた吸引器 - Google Patents

吸引器用カートリッジおよびこれを備えた吸引器 Download PDF

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Description

本発明は、吸引器用カートリッジおよびこれを備えた吸引器に関する。
従来、材料の燃焼をすることなく香味を吸引するための香味吸引器が知られている。このような香味吸引器として、例えば液体加熱式の吸引器が知られている。液体加熱式の吸引器は、ニコチン等の香味を含むエアロゾル形成材料を霧化して生成されたエアロゾルを使用者の口に供給したり、ニコチン等の香味を含まないエアロゾル形成材料を霧化して生成されたエアロゾルを、香味源(例えば、たばこ源)を通過させた上で使用者の口に供給したりする。
液体加熱式の吸引器には、エアロゾルを生成するための液体を収容するタンクまたはリザーバと、この液体を霧化するヒータとを備えるものがある。このような吸引器には、タンクと流体接続されたウィックの周囲にコイル状のヒータを巻き付けたアトマイザアセンブリを有するものがある(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第8528569号明細書
本発明の目的は、新たな構造を有する吸引器用カートリッジおよび吸引器を提供することである。
本発明の一実施形態によれば、吸引器用カートリッジが提供される。この吸引器用カートリッジは、液体を収容する液体収容部と、液体を霧化する霧化部と、霧化部に向けて液体収容部内の液体を輸送する液体輸送部材と、液体収容部内に気体を導入する気体導入路と、を備える。液体輸送部材は、互いに交わる第1面および第2面を有する。気体導入路は、液体輸送部材の第1面に沿って延在する第1部分と、第1部分と互いに連通し、第2面に沿って延在する第2部分と、を有する。
本発明の他の一実施形態によれば、上記吸引器用カートリッジを備えた吸引器が提供される。
本実施形態に係る吸引器の全体斜視図である。 カートリッジの斜視図である。 カートリッジの斜視図である。 図3に示したカートリッジをX軸に沿って切断した断面図である。 図3に示したカートリッジをY軸に沿って切断した断面図である。 図5に示したカートリッジのVI-VI線矢視断面図のうち、カートリッジ本体部を抜粋して示す断面図である。 図4に示したカートリッジの遠位端側を拡大した断面斜視図である。 カートリッジに形成される気体導入路を液体輸送部材とともに示す斜視図である。 カートリッジの液体輸送部材および第1保持部材を抜粋して示す斜視図である。 カートリッジの第1保持部材を抜粋して示す斜視図である。 カートリッジの第2保持部材および液体輸送部材を抜粋して示す斜視図である。 カートリッジの第2保持部材を抜粋して示す斜視図である。 カートリッジの第2保持部材を抜粋して示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一のまたは相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る吸引器の全体斜視図である。図1に示すように、吸引器10は、マウスピース11と、カートリッジ20(吸引器用カートリッジの一例に相当する)と、バッテリ部12と、を有する。カートリッジ20は、グリセリンまたはプロピレングリコール等のエアロゾル形成材料を含む液体を霧化してマウスピース11に向けてエアロゾルを供給する。エアロゾル形成材料には、例えばニコチン等が含まれる場合もある。
バッテリ部12は、カートリッジ20に電力を供給する。マウスピース11は、カートリッジ20で生成されたエアロゾルを使用者の口へ導く。吸引器10が所定期間使用された後、マウスピース11とカートリッジ20は、交換することができる。他方、バッテリ部12は、複数回に渡って使用されることができる。なお、マウスピース11は交換せず、カートリッジ20のみを交換するようにすることもできる。
本実施形態では、吸引器10が交換可能なカートリッジ20を備えるものとして説明するが、これに限らず、吸引器10は、以下でカートリッジ20として説明する部品とバッテリ部12とを一体化した、1回使い切りタイプの製品であってもよい。また、本実施形態では、吸引器10がマウスピース11を備えるものとして説明するが、これに限らず、吸引器10はマウスピース11を備えなくてもよい。また、本実施形態では、カートリッジ20とマウスピース11とが別々の部材として構成されているが、カートリッジ20とマウスピース11とを一体に形成してもよい。
次に、図1に示したカートリッジ20について説明する。図2および図3は、カートリッジ20の斜視図である。図4は、図3に示したカートリッジ20をX軸に沿って切断した断面図である。図5は、図3に示したカートリッジ20をY軸に沿って切断した断面図である。図6は、図5に示したカートリッジのVI-VI線矢視断面図のうち、カートリッジ本体部を抜粋して示す断面図である。図7は、図4に示したカートリッジ20の遠位端側を拡大した断面斜視図である。
図2~5において、カートリッジ20は、近位端21と遠位端22とを有する。近位端21は、図1に示したマウスピース11に近い、すなわち使用者が吸引器10を使用したときに使用者の口に近い方の端部である。遠位端22は、バッテリ部12に近い、すなわち使用者が吸引器10を使用したときに使用者の口から遠い方の端部である。
本実施形態では、便宜上、近位端21と遠位端22とをつなぐ方向、すなわちカートリッジ20の長さ方向(図2~5において上下方向)をZ軸方向とし、Z軸方向と直交する方向のうち、後述する一対の電極82が配列されている方向(図4において左右方向)をX軸方向とし、Z軸方向およびX軸方向の両方と直交する方向(図5において左右方向)をY軸方向としている。
カートリッジ20は、略筒状のカートリッジ本体部30と、近位端側端壁40と、液体輸送部材60と、霧化ユニット80と、遠位端側端部90と、を備えている。近位端側端壁40は、エアロゾル排出口41としての中心孔を有するリング状の部材であり、遠位端側端部90は、端壁90aと周壁90bとを有するキャップ状の部材である。さらに、カートリッジ20は、液体輸送部材60の近位端21側に位置する第2保持部材50と、液体輸送部材60の遠位端22側に位置する第1保持部材70と、を備えている。つまり、液体輸送部材60は、第2保持部材50と第1保持部材70とに挟まれた状態で、カートリッジ20内に保持されている。なお、本実施形態では、第2保持部材50が液体輸送部材60の近位端21側に配置され、第1保持部材70が液体輸送部材60の遠位端22側に配置されているが、これに限定されず、第1保持部材70が液体輸送部材60の近位端21側に配置され、第2保持部材50が液体輸送部材60の遠位端22側に配置されてもよい。また、第2保持部材50および第1保持部材70が、液体輸送部材60を挟むように幅方向に配置されてもよい。ここで、幅方向とは、カートリッジ20の長さ方向(Z軸方向)と交差する方向である。
図5および図6に示すように、カートリッジ本体部30は、円筒状の側壁31と、カートリッジ本体部30内部に設けられた縦断面がL字状の内壁32とを有する。内壁32により、カートリッジ本体部30内部に、エアロゾル形成材料を含む液体を収容する液体収容部33と、霧化ユニット80によって生成されたエアロゾルが通過するエアロゾル流路34とが形成される。
具体的には、内壁32は、Z軸方向に沿って延在する板状の第1壁部32aと、第1壁部32aの近位端21側の端部から、Y軸方向に沿って延在する第2壁部32bとを有する。第1壁部32aの一方の主面35aおよび第2壁部32bの遠位端22側の主面は、側壁31の内周面の周方向における一部分と合同して液体収容部33を形成する。また、第1壁部32aの他方の主面35bは、側壁31の内周面の周方向における残りの部分と合同してエアロゾル流路34を形成する。つまり、カートリッジ本体部30内では、エアロゾル流路34と液体収容部33とがY軸方向に隣接配置されており、エアロゾル流路34と液体収容部33とは、第1壁部32aおよび第2壁部32bによって互いに隔離されている。
なお、本実施形態に係るカートリッジ20は、液体収容部33に収容される液体を補充可能なオープンタンクであってもよいし、液体収容部33に収容される液体を補充不可能なクローズタンクであってもよい。また、液体収容部33に収容される液体は、繊維材料に含浸されていてもよい。
図2および図5に示すように、近位端側端壁40は、側壁31の近位端21側の端部に接続される。近位端側端壁40には、エアロゾル流路34と連通するエアロゾル排出口41が形成されている。霧化ユニット80によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル流路34を通過して、エアロゾル排出口41からカートリッジ20の外部へ排出される。なお、図1に示すように吸引器10がマウスピース11を備えている場合には、エアロゾル排出口41から排出されたエアロゾルは、マウスピース11を通じて使用者の口内に到達する。一方、吸引器10がマウスピース11を備えていない場合には、エアロゾル排出口41から排出されたエアロゾルは、直接使用者の口内に到達する。
図5および図7に示すように、第2保持部材50は、近位端21側の周壁50aが側壁31および内壁32の内側に嵌合し、遠位端22側の周壁50bが遠位端側端部90の周壁90bによって囲まれ、遠位端側端部90の端壁90aと当接する。第2保持部材50は、液体収容部33内の液体を液体輸送部材60に向けて供給する液体供給孔51を有し、液体収容部33の遠位端22側に配置されている。液体供給孔51は、略長方形の形状を有し、X軸方向が長辺であり、Y軸方向が短辺である。第2保持部材50の近位端21側が側壁31および内壁32の内側に嵌合することにより、液体収容部33の液体が液体供給孔51のみを通過するようになっている。
図5および図7に示すように、液体輸送部材60は、液体収容部33および第2保持部材50の遠位端22側に、液体供給孔51を覆うように配置されている。そして、液体輸送部材60の遠位端22側の面には、後述するヒータ(霧化部)が設置されており、液体輸送部材60はヒータ(霧化部)に向けて液体収容部33の液体を輸送する。つまり、本実施形態では、液体収容部33、液体輸送部材60、およびヒータ(霧化部)の配列方向はカートリッジ20の長さ方向(図中のZ軸方向)と一致し、液体輸送部材60による液体輸送方向もカートリッジ20の長さ方向(図中のZ軸方向)と一致する。なお、本実施形態において、液体収容部33、液体輸送部材60、およびヒータ(霧化部)の配列方向、および液体輸送部材60による液体輸送方向は、カートリッジ20の長さ方向(図中のZ軸方向)と平行であってもよいし、長さ方向に対して交差していてもよい。液体輸送部材60は、エアロゾル形成材料を含む液体をヒータに向けて輸送するように構成された任意の多孔質部材で形成され得る。液体輸送部材60は、ヒータと密に接触するために、コットンまたはガラス繊維等の可撓性を有する繊維状部材で形成されることが好ましい。なお、液体輸送部材60は、例えば複数のコットンを積層する等して、複数の多孔質部材から構成されていてもよい。本実施形態に係る液体輸送部材60は、中央部分が遠位端22側に突出するように湾曲した帯状のコットンである。
図5および図7に示すように、第1保持部材70は、液体輸送部材60の遠位端22側に配置され、外周面が第2保持部材50の遠位端22側の周壁50bの内側に嵌合している。第1保持部材70は、液体輸送部材60の一部を遠位端22側に露出するよう開口している。第2保持部材50および第1保持部材70により、液体輸送部材60が保持される。
図7に示すように、霧化ユニット80は、ヒータ(霧化部)81と、一対の電極82と、電極保持部材83と、を有する。一対の電極82は、カートリッジ20の長さ方向(Z軸方向)と交差する方向に配列され、例えば、図中のX軸方向に配列される。ヒータ81は、液体輸送部材60により輸送された液体を加熱して霧化するように構成されている。本実施形態に係るヒータ81は、線状のヒータ(長尺形状の加熱要素)であるが、メッシュ状または板状のヒータであってもよいし、連続的に配置された複数の湾曲部、または連続的に配置された複数の直線部および湾曲部を有し、全体として長尺形状を呈する蛇行形状のヒータであってもよい。また、ヒータに代えて、超音波振動子を用いて液体を霧化してもよい。
ヒータ81は、液体輸送部材60の遠位端22側の面に配置されている。また、液体輸送部材60の遠位端22側の面と電極保持部材83との間に、ヒータ81が液体を霧化するための空間であるチャンバ84が形成される。チャンバ84は、図5に示したエアロゾル流路34と連通する。
また、ヒータ81は、液体輸送部材60による液体輸送方向(図中のZ軸方向)に見たときに、液体供給孔51と重なる位置に設けられている。これにより、液体輸送部材60を介してヒータ81の近くに液体を優先的に供給できるので、霧化効率を向上させることができる。より好ましくは、液体供給孔51は、液体輸送部材60による液体輸送方向(図中のZ軸方向)に見たときに、ヒータ81のX軸方向(長手方向)の全長と同じかまたはそれよりも長い範囲に渡って設けられている。これにより、液体輸送部材60において液体が十分に供給されている部分に、ヒータ81が全長に渡って延在するので、霧化効率をさらに上昇させることができる。
上述したように、液体輸送部材60は、近位端21側の面で液体供給孔51を覆って液体収容部33を封止し、遠位端22側の面でヒータ81に液体を供給する。このように、本実施形態では、液体輸送部材60に、液体収容部33を封止する機能と、ヒータ81に液体を供給する機能を持たせているので、液体輸送部材60の周辺の部品点数を削減し、液体輸送部材60、ひいては霧化ユニット80の周辺構造を簡素化することができる。
一対の電極82は、ヒータ81の両端に、スポット溶接等によって電気的および機械的に接続されている。一対の電極82は、第1保持部材70によって位置決めされ、ヒータ81を液体輸送部材60の遠位端22側の面に固定する。電極保持部材83は、一対の電極82を保持する。電極保持部材83は、第1保持部材70の遠位端22側の端部と係合するように構成されている。カートリッジ20と図1に示したバッテリ部12とを組み立てたとき、一対の電極82は、バッテリ部12の図示しないバッテリ端子と接続するように構成される。これにより、バッテリ部12は、一対の電極82を介してヒータ81に電力を供給することができる。
図3および図7に示すように、遠位端側端部90は、側壁31の遠位端22側の端部に接続された周壁90bを有する。遠位端側端部90には、チャンバ84と連通する空気流入口91が形成されている。使用者がマウスピース11から吸引すると、図5に矢印で示したように、空気流入口91から空気がチャンバ84内に流入し、ヒータ81によってチャンバ84内で生成されたエアロゾルを取り込みながら、エアロゾル流路34を通じてエアロゾル排出口41に到達する。
カートリッジ20の組み立て手順は、例えば以下の通りである。まず、第2保持部材50上に液体輸送部材60を配置し、第1保持部材70を載せて液体輸送部材60を固定する。続いて、一体化された第2保持部材50、液体輸送部材60および第1保持部材70を、液体が収容されたカートリッジ本体部30に挿入する。次に、第1保持部材70上に霧化ユニット80を配置し、カートリッジ本体部30の遠位端22側に遠位端側端部90を取り付けて霧化ユニット80を固定する。また、カートリッジ本体部30の近位端21側に近位端側端壁40を取り付ける。
このようなカートリッジ20において、エアロゾルが生成されることにより、液体輸送部材60の液体が蒸発するので、液体収容部33の液体が液体輸送部材60に移動して、液体収容部33の液体が減少する。液体収容部33の液体が液体輸送部材60に移動するときに、空気が液体収容部33内に入って気液交換が行われる。本実施形態に係るカートリッジ20には、液体収容部33内に空気を導入し、気液交換を行うための気体導入路が形成されている。以下、図8~13を参照して、気体導入路について説明する。
図8は、カートリッジ20に形成される気体導入路100を液体輸送部材60とともに示す斜視図である。図8において、液体輸送部材60は、遠位端22側の主面61と、その反対面62と、主面61と反対面62とを接続する側面63、64とを有する。本実施形態では、液体輸送部材60の主面61および側面63は、互いに交わる第1面および第2面をそれぞれ形成している。図8中の例では、側面63はY軸方向と直交する平面であり、側面64は、主面61と反対面62との間で側面63に隣接して配置された湾曲形状の面である。なお、本実施形態では、液体輸送部材60の主面61がカートリッジ20の遠位端22側を向いているが、これに限定されず、液体輸送部材60の主面61は、カートリッジ20の近位端21側を向いていてもよいし、カートリッジ本体部30の内周面と対向していてもよい。また、液体輸送部材60の少なくとも1つの面には、任意形状の溝が形成されていてもよく、気体導入路100の少なくとも一部が当該溝の内部空間に沿って延在していてもよい。
また、気体導入路100は、第1部分101、第2部分102および第3部分103を有する。第1部分101は、液体輸送部材60の主面61(第1面)に沿って、Y軸方向に延在する。第2部分102は、第1部分101と互いに連通し、X軸方向およびX軸方向反対向きに分岐して、液体輸送部材60の側面63(第2面)に沿って延在する。第3部分103は、第2部分102のそれぞれから屈曲し、Z軸方向反対向きに延在して液体収容部33と連通する。図8の例では、側面63(第2面)において第2部分102が2つの流路に分岐しているが、第2部分102は、単一の流路であってもよい。あるいは、第2部分102は、3つ以上の流路に分岐していてもよい。同様に、第1部分101は、単一の流路であってもよいし、2つまたは3つ以上の流路に分岐していてもよい。さらに、第3部分103は、単一の流路であってもよいし、2つまたは3つ以上の流路に分岐していてもよい。
このように、互いに交わる第1面および第2面に、互いに連通する第1部分101および第2部分102をそれぞれ延在させるとともに、第2部分102および第3部分103を互いに屈曲させることにより、気体導入路100の流路抵抗を大きくすることができる。そのため、気体導入路100の逆方向における液体の流れを抑制できるので、液体収容部33内の液体が気体導入路100を逆流してチャンバ84側に漏出するのを抑制することができる。一般に、流路抵抗は流体密度に比例するので、ある流路を順方向に流れる気体に作用する抵抗は、同じ流路を逆方向に流れる液体に作用する抵抗よりも遥かに小さい。よって、気体導入路100の流路抵抗を大きくしても、その順方向における空気の流れ、すなわち気液交換に実質的な影響を及ぼすことはない。気体導入路100は、液体輸送部材60の一方の側面63側に形成された流路だけではなく、液体輸送部材60のY軸方向反対向きの側面63に形成された流路を含んでいてもよい。また、気体導入路100は、液体輸送部材60の湾曲した側面64に形成された流路を含んでいてもよい。
以下、第1部分101、第2部分102および第3部分103について詳細に説明する。図9は、カートリッジ20の液体輸送部材60および第1保持部材70を抜粋して示す斜視図である。図10は、カートリッジ20の第1保持部材70を抜粋して示す斜視図である。図9および図10において、第1保持部材70は、底部(第1底部)71と、溝部72と、当接部73と、ガイド部74と、を有する。底部71は、液体輸送部材60の主面61と対向する。溝部72は、底部71に形成されている。当接部73は、第2保持部材50の内側に当接する。ガイド部74は、一対の電極82の取り付け位置を位置決めする。
ここで、第1部分101は、第1保持部材70の溝部72の内部空間を含んでいる。また、溝部72は、気体導入路100における第1部分101の上流側に開口端部72aを有している。溝部72の開口端部72aは、空気の導入口としての役割を果たす。このように、本実施形態では単一の第1保持部材70に液体輸送部材60を保持する機能と、気体導入路100の一部を形成する機能を持たせているので、液体輸送部材60の周辺の部品点数を削減し、液体輸送部材60の周辺構造を簡素化することができる。また、図10に示すように、溝部72は、気体導入路100における第1部分101の下流側に向かって徐々に小さくなる傾斜溝の形態を有している。これにより、溝部72を介した第1部分101への空気の進入を促進することができる。なお、溝部72は、均一の深さを有する直進溝であってもよい。また、溝部72は、気体導入路100における第1部分101の下流端101aに到達する前に終端するように構成されている。そのため、第1部分101における下流端101a近傍では、第1保持部材70が液体輸送部材60の主面61(第1面)に接触しており、そこでは気体導入路100の流路抵抗が大きくなるので、液体収容部33からの液体の逆流を防止することができる。
図11は、カートリッジ20の第2保持部材50および液体輸送部材60を抜粋して示す斜視図である。図12および図13は、カートリッジ20の第2保持部材50を抜粋して示す斜視図である。図11~13において、第2保持部材50は、周壁50aと、周壁50bと、底部(第2底部)52と、液体供給孔51と、壁部53と、貫通孔54と、リブ55と、連通部56と、を有する。
底部52は、液体輸送部材60の反対面62と対向する。周壁50aは、側壁31および内壁32の内側に嵌合する。周壁50bは、遠位端側端部90の周壁90bによって囲まれ、遠位端側端部90の端壁90aと当接する。液体供給孔51は、底部52に形成されている。壁部53は、液体輸送部材60の側面63(第2面)と対向する。貫通孔54は、壁部53に形成され、液体収容部33内に連通する。リブ55は、側壁31および内壁32の内周面に形成された溝に嵌合する。連通部56は、チャンバ84とエアロゾル流路34とを連通する。貫通孔54は、第2保持部材50の遠位端22側の空間と液体収容部33の内部空間とを連通する。また、第2保持部材50の壁部53と、液体輸送部材60の側面63(第2面)との間に、隙間が設けられてもよい。
ここで、気体導入路100の第2部分102は、第2保持部材50の壁部53と、液体輸送部材60の側面63(第2面)との間に形成される。このように、本実施形態では単一の第2保持部材50に液体輸送部材60を保持する機能と、気体導入路100の一部を形成する機能を持たせているので、液体輸送部材60の周辺の部品点数を削減し、液体輸送部材60の周辺構造を簡素化することができる。また、上述したように、第2保持部材50の底部52に、液体収容部33内の液体を液体輸送部材60に向けて供給する液体供給孔51が形成されている。そのため、単一の第2保持部材50が、さらに液体輸送部材60に液体を供給する役割を担うので、液体輸送部材60の周辺構造を簡素化することができる。
また、気体導入路100の第3部分103は、第2部分102と互いに連通し、貫通孔54を通って延在し、液体収容部33内に連通する。具体的には、気体導入路100の第3部分103は、第2部分102から屈曲している。このように、本実施形態では単一の第2保持部材50に液体輸送部材60を保持する機能と、気体導入路100の一部を形成する機能を持たせているので、液体輸送部材60の周辺の部品点数を削減し、液体輸送部材60の周辺構造を簡素化することができる。また、第3部分103が第2部分102から屈曲しているので、気体導入路100の管路抵抗を大きくすることができる。そのため、液体収容部33からの液体の逆流を防止することができ、気体導入路100を介した液漏れを抑制することができる。
また、図11および図12に示すように、気体導入路100における第3部分103の上流端103aは、液体輸送部材60による液体輸送方向(すなわちZ軸方向)に見たときに、第1部分101の下流端101aとは異なる位置に設けられている。そのため、気体導入路100の全長が長くなるので、気体導入路100全体の管路抵抗を大きくすることができる。その結果、液体収容部33からの液体の逆流を防止することができ、気体導入路100を介した液漏れを抑制することができる。また、第2保持部材50において、液体供給孔51と貫通孔54とは、互いに異なる。そのため、単一の第2保持部材50が液体輸送部材60に液体を供給しつつ、気体導入路100の一部を形成するので、液体輸送部材60の周辺構造を簡素化することができる。
このような気体導入路100が形成されたカートリッジ20において、液体収容部33の液体が減少すると、液体収容部33内が負圧になる。そのため、空気流入口91または他の開口からカートリッジ20内に導入された空気が、気体導入路100の第1部分101、第2部分102および第3部分103を通って液体収容部33内に導入される。これにより、気液交換が実現される。
上記構成のカートリッジ20によれば、液体を収容する液体収容部33と、液体を霧化するヒータ81と、ヒータ81に向けて液体収容部33内の液体を輸送する液体輸送部材60と、液体収容部33内に気体を導入する気体導入路100と、を備える。液体輸送部材60は、互いに交わる主面61および側面63を有する。気体導入路100は、液体輸送部材60の主面61に沿って延在する第1部分101と、第1部分101と互いに連通し、側面63に沿って延在する第2部分102と、を有する。これにより、気体導入路100の管路抵抗を大きくすることができる。そのため、液体収容部内の液体が気液交換用の気体導入路100を逆流して霧化チャンバ側に漏出するのを抑制することができる。
以上に本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、および明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書および図面に記載のない何れの形状や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
以下に本明細書が開示する形態のいくつかを記載しておく。
第1形態によれば、吸引器用カートリッジであって、液体を収容する液体収容部と、液体を霧化する霧化部と、霧化部に向けて液体収容部内の液体を輸送する液体輸送部材と、液体収容部内に気体を導入する気体導入路と、を備え、液体輸送部材は、互いに交わる第1面および第2面を有し、気体導入路は、液体輸送部材の第1面に沿って延在する第1部分と、第1部分と互いに連通し、第2面に沿って延在する第2部分と、を有する吸引器用カートリッジが提供される。
第2形態によれば、第1形態の吸引器用カートリッジにおいて、霧化部は、液体輸送部材の第1面に配置されている。
第3形態によれば、第1形態または第2形態の吸引器用カートリッジにおいて、液体輸送部材の第1面と対向する第1底部と、第1底部に形成された溝部とを有し、液体輸送部材を保持する第1保持部材をさらに備え、液体輸送部材の第1部分は、溝部の内部空間を含んでいる。
第4形態によれば、第3形態の吸引器用カートリッジにおいて、溝部は、気体導入路における第1部分の上流側に開口端部を有する。
第5形態によれば、第3形態または第4形態の吸引器用カートリッジにおいて、溝部の深さは、気体導入路における第1部分の下流側に向かって徐々に小さくなる。
第6形態によれば、第3形態から第5形態までのいずれかの吸引器用カートリッジにおいて、溝部は、気体導入路における第1部分の下流端に到達する前に終端する。
第7形態によれば、第1形態から第6形態までのいずれかの吸引器用カートリッジにおいて、液体輸送部材の第2面と対向する壁部を有し、液体輸送部材を保持する第2保持部材をさらに備え、第2部分は、壁部と第2面との間に形成される。
第8形態によれば、第7形態の吸引器用カートリッジにおいて、第2保持部材は、液体輸送部材における第1面の反対面と対向する第2底部と、第2底部に形成され、液体収容部内の液体を液体輸送部材に向けて供給する液体供給孔とを有している。
第9形態によれば、第8形態の吸引器用カートリッジにおいて、霧化部は、液体輸送部材による液体輸送方向に見たときに、液体供給孔と重なる位置に設けられている。
第10形態によれば、第9形態の吸引器用カートリッジにおいて、霧化部は、長尺形状の加熱要素を有し、液体供給孔は、液体輸送部材による液体輸送方向に見たときに、加熱要素の長手方向の全長と同じかまたはそれよりも広い範囲に渡って設けられている。
第11形態によれば、第7形態から第10形態までのいずれかの吸引器用カートリッジにおいて、第2保持部材は、液体収容部内に連通する貫通孔を有し、気体導入路は、第2部分と互いに連通し、貫通孔を通って延在する第3部分を有する。
第12形態によれば、第11形態の吸引器用カートリッジにおいて、気体導入路の第3部分は、第2部分から屈曲している。
第13形態によれば、第11形態または第12形態の吸引器用カートリッジにおいて、気体導入路における第3部分の上流端は、液体輸送部材による液体輸送方向に見たときに、第1部分の下流端とは異なる位置に設けられている。
第14形態によれば、第11形態から第13形態までのいずれかの吸引器用カートリッジにおいて、液体供給孔と、貫通孔とは、互いに異なる。
第15形態によれば、第1形態から第14形態までのいずれかの吸引器用カートリッジを備えた吸引器が提供される。
第16形態によれば、吸引器であって、液体を収容する液体収容部と、液体を霧化する霧化部と、霧化部に向けて液体収容部内の液体を輸送する液体輸送部材と、液体収容部内に気体を導入する気体導入路と、を備え、液体輸送部材は、互いに交わる第1面および第2面を有し、気体導入路は、液体輸送部材の第1面に沿って延在する第1部分と、第1部分と互いに連通し、第2面に沿って延在する第2部分と、を有する。
10…吸引器
11…マウスピース
12…バッテリ部
20…カートリッジ
21…近位端
22…遠位端
30…カートリッジ本体部
31…側壁
32…内壁
32a…第1壁部
32b…第2壁部
33…液体収容部
34…エアロゾル流路
35a…主面
35b…主面
40…近位端側端壁
41…エアロゾル排出口
50…第2保持部材
50a…周壁
50b…周壁
51…液体供給孔
52…底部
53…壁部
54…貫通孔
55…リブ
56…連通部
60…液体輸送部材
61…主面(第1面)
62…反対面
63…側面(第2面)
64…側面
70…第1保持部材
71…底部
72…溝部
72a…開口端部
73…当接部
74…ガイド部
80…霧化ユニット
81…ヒータ
82…電極
83…電極保持部材
84…チャンバ
90…遠位端側端部
90a…端壁
90b…周壁
91…空気流入口
100…気体導入路
101…第1部分
101a…下流端
102…第2部分
103…第3部分
103a…上流端

Claims (16)

  1. 吸引器用カートリッジであって、
    液体を収容する液体収容部と、
    前記液体を霧化する霧化部と、
    前記霧化部に向けて前記液体収容部内の前記液体を輸送する液体輸送部材と、
    前記液体収容部内に気体を導入する気体導入路と、を備え、
    前記液体輸送部材は、互いに交わる第1面および第2面を有し、
    前記気体導入路は、前記液体輸送部材の前記第1面に沿って延在する第1部分と、前記第1部分と互いに連通し、前記第2面に沿って延在する第2部分と、を有する
    吸引器用カートリッジ。
  2. 請求項1に記載された吸引器用カートリッジであって、
    前記霧化部は、前記液体輸送部材の前記第1面に配置されている
    吸引器用カートリッジ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の吸引器用カートリッジであって、
    前記液体輸送部材の前記第1面と対向する第1底部と、前記第1底部に形成された溝部とを有し、前記液体輸送部材を保持する第1保持部材をさらに備え、
    前記気体導入路の前記第1部分は、前記溝部の内部空間を含んでいる
    吸引器用カートリッジ。
  4. 請求項3に記載の吸引器用カートリッジであって、
    前記溝部は、前記気体導入路における前記第1部分の上流側に開口端部を有する、
    吸引器用カートリッジ。
  5. 請求項3または請求項4に記載の吸引器用カートリッジであって、
    前記溝部の深さは、前記気体導入路における前記第1部分の下流側に向かって徐々に小さくなる
    吸引器用カートリッジ。
  6. 請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載の吸引器用カートリッジであって、
    前記溝部は、前記気体導入路における前記第1部分の下流端に到達する前に終端する
    吸引器用カートリッジ。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の吸引器用カートリッジであって、
    前記液体輸送部材の前記第2面と対向する壁部を有し、前記液体輸送部材を保持する第2保持部材をさらに備え、
    前記気体導入路の前記第2部分は、前記壁部と前記第2面との間に形成される
    吸引器用カートリッジ。
  8. 請求項7に記載の吸引器用カートリッジであって、
    前記第2保持部材は、前記液体輸送部材における前記第1面の反対面と対向する第2底部と、前記第2底部に形成され、前記液体収容部内の前記液体を前記液体輸送部材に向けて供給する液体供給孔とを有している
    吸引器用カートリッジ。
  9. 請求項8に記載の吸引器用カートリッジであって、
    前記霧化部は、前記液体輸送部材による液体輸送方向に見たときに、前記液体供給孔と重なる位置に設けられている
    吸引器用カートリッジ。
  10. 請求項9に記載の吸引器用カートリッジであって、
    前記霧化部は、長尺形状の加熱要素を有し、
    前記液体供給孔は、前記液体輸送部材による液体輸送方向に見たときに、前記加熱要素の長手方向の全長と同じかまたはそれよりも広い範囲に渡って設けられている
    吸引器用カートリッジ。
  11. 請求項7から請求項10までのいずれか1項に記載の吸引器用カートリッジであって、
    前記第2保持部材は、前記液体収容部内に連通する貫通孔を有し、
    前記気体導入路は、前記第2部分と互いに連通し、前記貫通孔を通って延在する第3部分を有する
    吸引器用カートリッジ。
  12. 請求項8から請求項10までのいずれか1項を引用する請求項11に記載の吸引器用カートリッジであって、
    前記液体供給孔と、前記貫通孔とは、互いに異なる
    吸引器用カートリッジ。
  13. 請求項11または請求項12に記載の吸引器用カートリッジであって、
    前記気体導入路の前記第3部分は、前記第2部分から屈曲している
    吸引器用カートリッジ。
  14. 請求項11から請求項13までのいずれか1項に記載の吸引器用カートリッジであって、
    前記気体導入路における前記第3部分の上流端は、前記液体輸送部材による液体輸送方向に見たときに、前記第1部分の下流端とは異なる位置に設けられている
    吸引器用カートリッジ。
  15. 請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載の吸引器用カートリッジを備えた吸引器。
  16. 吸引器であって、
    液体を収容する液体収容部と、
    前記液体を霧化する霧化部と、
    前記霧化部に向けて前記液体収容部内の前記液体を輸送する液体輸送部材と、
    前記液体収容部内に気体を導入する気体導入路と、を備え、
    前記液体輸送部材は、互いに交わる第1面および第2面を有し、
    前記気体導入路は、前記液体輸送部材の前記第1面に沿って延在する第1部分と、前記第1部分と互いに連通し、前記第2面に沿って延在する第2部分と、を有する
    吸引器。
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