JP7256305B1 - 薬液噴霧装置、乗客コンベア、及び薬液噴霧方法 - Google Patents

薬液噴霧装置、乗客コンベア、及び薬液噴霧方法 Download PDF

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Abstract

【課題】乗客コンベアに乗り込もうとする乗客と、乗客が掴む前の手摺りベルトとを除菌、殺菌、または消毒し、乗客が安心して手摺ベルトを掴み、安全に乗客コンベアを利用できるようにすること。【解決手段】実施形態の薬液噴霧装置は、乗客コンベアに乗り込もうとする乗客を検知する検知部と、除菌作用、殺菌作用、及び消毒作用の少なくともいずれかを有する薬液を霧化する霧化装置と、繰り出し口から、手摺りベルトが複数の踏段の移動方向に沿う方向に移動を開始するポイントに至るまでの間の高さに配置され、手摺りベルトに向けて、霧化装置からの薬液を噴霧する第1の噴霧口と、手摺りベルト及び第1の噴霧口よりも手前に配置され、乗客コンベアに乗り込もうとする乗客に向けて、霧化装置からの薬液を噴霧する第2の噴霧口と、検知部が乗客を検知すると、霧化装置を作動させて第1及び第2の噴霧口から薬液を噴霧させる制御部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、薬液噴霧装置、乗客コンベア、及び薬液噴霧方法に関する。
近年、店舗、駅等の種々の施設の入り口には、手指を消毒するための消毒液等が設置され、施設内での感染症拡大を抑制する対策が採られている。このような環境下、エスカレータ等の乗客コンベアに設置された手摺りベルト等に触れることに抵抗を覚える乗客も増えている。しかし、手摺りベルトを掴まずに乗客コンベアを利用することは、安全性の観点から好ましくない。
特許文献1によれば、手摺りベルトを掴んだ乗客の手にオゾンを放出し、または消毒剤を噴霧する。これにより、手摺りベルトを掴んだ乗客の手が除菌されるとともに、一部のオゾンまたは消毒剤が手摺りベルトにも接触し、乗客が掴んだ部分の手摺りベルトも除菌されるとしている。
特開2012-082054号公報
しかしながら、乗客が手摺りベルトを掴んだ状態では、手摺りベルトに直接触れる手のひら側を消毒することは困難である。また、乗客の手に阻まれて、その部分の手摺りベルトにオゾンまたは消毒剤を吹きかけることは困難である。したがって、特許文献1の技術では充分な消毒を行うことができない懸念がある。
また、特許文献1の技術では、例えばエスカレータの運転中に常時、オゾンまたは消毒剤による消毒を行うとしている。しかしながら、オゾンの放出は乗客には視認され得ない。また、消毒剤が手に噴霧されたことが乗客に感知されるのは、乗客が手摺りベルトを掴んだ後である。
したがって、特許文献1の技術では、そもそも手摺りベルトを掴むことに対する乗客の心理的な忌避感を軽減することはできず、確実に手摺りベルトを掴んで、安全にエスカレータを利用してもらうことができない懸念がある。
本実施形態が解決しようとする課題は、乗客コンベアに乗り込もうとする乗客と、乗客が掴む前の手摺りベルトとを除菌、殺菌、または消毒し、乗客が安心して手摺ベルトを掴み、安全に乗客コンベアを利用できるようにすることが可能な薬液噴霧装置、乗客コンベア、及び薬液噴霧方法を提供することである。
実施形態の薬液噴霧装置は、無端状に連結され、乗客を乗せて移動することが可能な複数の踏段と、前記乗客が前記複数の踏段に乗り込むための乗降板と、前記乗降板上に配置される繰り出し口と、前記繰り出し口から繰り出され、前記乗客が掴まることが可能なように前記複数の踏段の移動と同期して移動する手摺りベルトと、を備える乗客コンベアの前記複数の踏段の移動方向の入り口側に設けられる薬液噴霧装置であって、前記乗客コンベアに乗り込もうとする前記乗客を検知する検知部と、除菌作用、殺菌作用、及び消毒作用の少なくともいずれかを有する薬液を霧化する霧化装置と、前記繰り出し口から、前記手摺りベルトが前記複数の踏段の移動方向に沿う方向に移動を開始するポイントに至るまでの間の高さに配置され、前記手摺りベルトに向けて、前記霧化装置からの前記薬液を噴霧する第1の噴霧口と、前記手摺りベルト及び前記第1の噴霧口よりも手前に配置され、前記乗客コンベアに乗り込もうとする前記乗客に向けて、前記霧化装置からの前記薬液を噴霧する第2の噴霧口と、前記検知部が前記乗客を検知すると、前記霧化装置を作動させて前記第1及び第2の噴霧口から前記薬液を噴霧させる制御部と、を備える。
図1は、実施形態にかかるエスカレータの概略構成を示す図である。 図2は、実施形態にかかる薬液噴霧装置の構成の一例を示す図である。 図3Aは、実施形態にかかる薬液噴霧装置の動作の一例を説明する側面図である。 図3Bは、実施形態にかかる薬液噴霧装置の動作の一例を説明する上面図である。 図4は、実施形態にかかる薬液噴霧装置が実行する薬液噴霧処理の手順の一例を示すフロー図である。 図5は、実施形態の変形例1にかかる薬液噴霧装置の構成の一例を示す図である。 図6は、実施形態の変形例2にかかる薬液噴霧装置の構成の一例を示す図である。
以下に、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により、本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
(エスカレータの構成例)
図1は、実施形態にかかるエスカレータ1の概略構成を示す図である。
図1に示すように、乗客コンベアとしてのエスカレータ1は、複数の踏段100と、1対の乗降板104a,104bと、複数のインレット113a,113b,123a,123bと、1対の手摺りベルト102a,102bと、1対の薬液噴霧装置10a,10bと、を備える。
複数の踏段100は、無端状に連結されている。各々の踏段100は、エスカレータ1の乗客Rがエスカレータ1に乗っている際の足場であり、例えばアルミダイカストから形成されている。複数の踏段100は、図示しないトラスにより設定された傾斜角度を有して支持されている。
図示しない駆動モータがトラスの上下端部に内設されたスプロケット105a,105bを回転させることにより、各々の踏段100が、乗降板104a,104bの間の階段状の乗り台として循環移動する。すなわち、各々の踏段100は、乗降板104aと乗降板104bとの間を周回しながら移動する。
なお、図1の例では、複数の踏段100は、例えば下層階に設置された乗降板104b側から、上層階に設置された乗降板104a側へと移動しているものとする。つまり、図1の例では、複数の踏段100の移動方向は下層階から上層階へと向かう方向である。
乗降板104a,104bは、乗客Rがエスカレータ1に乗降するための足場となる。図1の例では、乗客Rは、乗降板104b側からエスカレータ1に乗り込み、乗降板104a側から降りる。
乗降板104a,104bは、取り外し可能に設置され、乗降板104a,104bの下方には保守作業員等がエスカレータ1の保守点検等を行う保守点検スペースが設けられている。保守点検スペースには、駆動モータ及び折り畳まれた踏段100等が格納されている。
欄干パネル101a,101bは、複数の踏段100の幅方向の両側に設置されている。欄干パネル101a,101bは、複数の踏段100を挟んで対向して設置されている。欄干パネル101a,101bは、例えば透明のガラスやアクリルなどによって形成されている。
第1及び第2の手摺りベルトとしての手摺りベルト102a,102bは、乗客Rが手を掛けるものであり、例えばゴムなどで形成されている。手摺りベルト102a,102bは、無端状のベルトであり、欄干パネル101a,101bのそれぞれの周縁部に移動可能に巻き付けられている。手摺りベルト102a,102bは、駆動モータにより各々の踏段100の移動に同期して、複数の踏段100の幅方向の両側を移動する。
デッキ103a,103bは、欄干パネル101a,101bの下端部にそれぞれ設けられている。つまり、デッキ103a,103bは、複数の踏段100の幅方向の両側で、個々の踏段100の傾斜角度に沿うように傾斜して設けられている。
デッキ103aの延伸方向の両端部には、乗降板104a,104b上にそれぞれ配置される1対のインレット113a,123aが設けられている。デッキ103bの延伸方向の両端部には、乗降板104a,104b上にそれぞれ配置される1対のインレット113b,123bが設けられている。
欄干パネル101a,101bの下端部を移動する際、手摺りベルト102a,102bはそれぞれデッキ103a,103b内に収容される。手摺りベルト102aは、1対のインレット113a,123aの一方側から繰り出され、もう一方側へと繰り込まれる。手摺りベルト102bは、1対のインレット113b,123bの一方側から繰り出され、もう一方側へと繰り込まれる。
図1の例では、手摺りベルト102a,102bはそれぞれ、繰り出し口としてのインレット123a,123bから繰り出され、繰り込み口としてのインレット113a,113bへと繰り込まれる。
より具体的には、手摺りベルト102a,102bは、下層階側のインレット123a,123bから踏段100の移動方向とは反対方向に繰り出された後、欄干パネル101a,101bの側端部を巡って踏段100の移動方向へと折り返し、以降は踏段100の移動方向に沿って欄干パネル101a,101bの上端部を移動していく。
欄干パネル101a,101b上を移動する手摺りベルト102a,102bは、上層階側の欄干パネル101a,101bの側端部に近づくと、これらの欄干パネル101a,101bの側端部を巡って踏段100の移動方向とは反対方向に再び折り返し、インレット113a,113bへと繰り込まれる。
薬液噴霧装置10a,10bは、1対の乗降板104a,104bのうち、複数の踏段100の移動方向の入り口側にあたる乗降板104b上に設けられている。薬液噴霧装置10a,10bは、それぞれが例えば自立型の柱状形状等を有している。薬液噴霧装置10aは、欄干パネル101aに巻き付けられた手摺りベルト102aの近傍に設けられている。薬液噴霧装置10bは、欄干パネル101bに巻き付けられた手摺りベルト102bの近傍に設けられている。
図1の例では、薬液噴霧装置10a,10bは、それぞれが角柱状の形状を有しているが、薬液噴霧装置10a,10bの形状はこれに限られない。後述する薬液噴霧装置10a,10bの機能を実現可能であって、エスカレータ1を利用する乗客Rの妨げとならない形状であれば、薬液噴霧装置10a,10bの形状として種々の形状を選択しうる。
(薬液噴霧装置の構成例)
次に、図2を用い、実施形態の薬液噴霧装置10a,10bの詳細の構成について説明する。図2は、実施形態にかかる薬液噴霧装置10a,10bの構成の一例を示す図である。
なお、薬液噴霧装置10a,10bは互いに等しい構成を有していてよく、これ以降、薬液噴霧装置10a,10bを区別しない場合には、薬液噴霧装置10と表記する。
図2に示すように、薬液噴霧装置10は、筐体11、タンク12、霧化装置13、噴霧口14B,14P、検知部15、及び制御部16を備える。
筐体11は、例えば四角柱等の多角柱、または円柱等の形状を有する。これにより、筐体11は、複数の踏段100の移動方向の入り口側の乗降板104b上に自立して配置されている。筐体11には、噴霧口14B,14P、及び検知部15が設けられている。筐体11の内部には、タンク12及び霧化装置13が収容されている。
筐体11は、例えば金属製または樹脂製である。筐体11を樹脂製とする場合は、後述する薬液SLに対する耐性を有する樹脂が用いられることが好ましい。
タンク12は、筐体11の内部であって、例えば薬液噴霧装置10の下部付近に収容されている。タンク12は、除菌作用、殺菌作用、及び消毒作用の少なくともいずれかを有する薬液SLを内部に収容可能に構成されている。
ここで、除菌作用とは、菌またはウィルスを除去してこれらの数を減らす作用である。菌またはウィルスを除去する際の手段は問わず、これらを死滅させることにより、あるいは洗い流すこと等により除去することを指す。殺菌作用とは、菌またはウィルスを殺してこれらの数を減らす作用である。消毒作用とは、菌またはウィルスを除去し、または死滅させることにより、人体に害のない程度にまで数を減らす作用である。
また、薬液SLには、例えば万が一、乗客Rの顔や目に付着しても害のない程度に安全で、低刺激性の薬品を用いることとする。このような薬品には、当該薬品の希釈液も含むものとする。
霧化装置13は、筐体11の内部であって、例えばタンク12の上方に収容されている。霧化装置13は、噴霧口14B,14Pと近接した位置に配置されていることが好ましい。霧化装置13は、タンク12と接続されており、タンク12から供給される薬液SLを霧化する。
噴霧口14B,14Pは、それぞれ霧化装置13に接続されるとともに、筐体11表面の異なる部位に設けられている。これにより、噴霧口14B,14Pは、それぞれ異なる方向に向けて、霧化装置13が霧化した薬液SLを噴霧可能に構成される。
第1の噴霧口としての噴霧口14Bは、筐体11の表面であって、複数の踏段100の移動方向の入り口側における手摺りベルト102a,102bの移動方向の折り返しポイント近傍において、手摺りベルト102a,102bに向けて薬液SLを噴霧することが可能な位置に設けられている。
このため、噴霧口14Bは、例えば筐体11の手摺りベルト102a,102bにそれぞれ対向する側面であって、下層階側のインレット123a,123bから、手摺りベルト102a,102bが複数の踏段100の移動方向に沿う方向に移動を開始するポイントに至るまでの間の高さ位置に設けられる。
第2の噴霧口としての噴霧口14Pは、筐体11の表面であって、エスカレータ1に乗り込もうとする乗客Rに向けて、薬液SLを噴霧することが可能な位置に設けられている。
このため、噴霧口14Pは、噴霧口14Bよりも手前の筐体11表面であって、例えば筐体11の上面に設けられる。このとき、乗客Rに対して上方から薬液SLが降りかかるよう、筐体11自体の高さ位置、筐体11における噴霧口14Pの高さ位置、及び噴霧口14Pから噴出する薬液SLの飛翔高さの少なくともいずれかが調整されていることが好ましい。
またこのとき、例えば成人の平均的な身長を基準とした場合等に、薬液SLが乗客Rの顔にかかることなく、乗客Rの胸元から下方にかけて薬液SLが降りかかるように、上記の少なくともいずれかの高さが調整されていることがより好ましい。
また、少なくとも噴霧口14Pから噴霧される薬液SLは、乗客Rの衣服等が濡れることのないよう、充分に細かい粒子状となっていることが好ましい。
検知部15は、例えば非接触式の反射型光電センサ等である。検知部15は、例えば筐体11の噴霧口14Bとは反対側の側面であって、例えば筐体11の高さ方向の中央付近等に設けられている。
これにより、検知部15は、エスカレータ1に乗り込もうとする乗客Rを、例えば乗客Rがエスカレータ1の手摺りベルト102a,102bに手をかける前に検知する。また、検知部15が、筐体11の高さ方向の中央付近等の比較的低い位置に設けられていることで、身長差のある様々な乗客Rが、より確実に検知される。
制御部16は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を備えるコンピュータとして構成され、薬液噴霧装置10の各部を制御する。
制御部16は、例えば筐体11内に配置されていてもよく、筐体11の外側であって筐体11が置かれた位置の近傍、または遠方に配置されていてもよい。制御部16が筐体11の外側に配置される場合、制御部16は有線または無線で筐体11に設けられた各部と信号のやり取りが可能なように構成される。
制御部16において、例えばROM等に格納される制御プログラムをRAMに展開し、CPUが実行することで、薬液噴霧装置10の各部を制御する機能が実現される。このような機能を実現するため、制御部16は、例えば判定部17及び指令部18の各機能部を備える。
判定部17は、検知部15の検知結果に基づいて、エスカレータ1に乗り込もうとしている乗客Rの有無を判定する。エスカレータ1に乗り込もうとしている乗客Rがいると判定したときは、判定部17は、乗客Rが検知されたことを示す信号を指令部18に送る。
指令部18は、タイマ18Tを備えている。指令部18は、エスカレータ1に乗り込もうとしている乗客Rがいることを示す信号を判定部17から受け取ると、タイマ18Tによるカウントを開始する。
また、カウントの開始とともに、指令部18は、霧化装置13を作動させて薬液SLを霧化させる。これにより、霧化装置13が霧化した薬液SLが噴霧口14B,14Pから略同時に噴霧される。指令部18は、タイマ18Tにおけるカウントが所定数に到達するまで、霧化装置13による薬液SLの霧化を継続する。この間、噴霧口14B,14Pからの薬液SLの噴霧も継続される。タイマ18Tが所定のカウント数に到達すると、指令部18は、霧化装置13を停止する。噴霧口14B,14Pからの薬液SLの噴霧も略同時に終了する。
噴霧口14B,14Pからの薬液SLの噴霧時間、つまり、タイマ18Tにおける所定のカウント数は、数秒程度であって、例えば5秒などとすることができる。
次に、図3A及び図3Bを用いて、薬液噴霧装置10の動作例について説明する。図3Aは、実施形態にかかる薬液噴霧装置10の動作の一例を説明する側面図である。図3Bは、実施形態にかかる薬液噴霧装置10の動作の一例を説明する上面図である。
図3A及び図3Bは、エスカレータ1に乗り込もうとして、乗客Rが薬液噴霧装置10の所定距離内に近づいてきた様子を示している。この場合、検知部15が乗客Rを検知する。図3A及び図3Bの例では、薬液噴霧装置10a,10bのそれぞれの検知部15が略同時に同一の乗客Rを検知したものとする。
制御部16が備える判定部17は、検知部15が乗客Rを検知すると、乗客Rが検知されたことを示す信号を指令部18に送る。
指令部18は、判定部17から信号を受けとると、タイマ18Tによるカウントを開始するとともに、霧化装置13を作動させる。これにより、霧化装置13からの薬液SLが、噴霧口14B,14Pからそれぞれ、手摺りベルト102a,102b、及び乗客Rに向けて噴霧される。
図3Bに示すように、このとき、例えば薬液SLが、エスカレータ1に対して薬液噴霧装置10の設置位置よりも手前方向であって、かつ、エスカレータ1の幅方向中央側へ向けて噴霧されるよう、噴霧口14Pからの薬液SLの噴霧角度が調整されていてもよい。これにより、エスカレータ1の幅方向中央部付近からエスカレータ1に乗り込もうとする乗客Rに対しても、より確実に薬液SLを噴霧することができる。
また、図3Aに示すように、上方から乗客Rに薬液SLが降りかかるよう、噴霧口14Pからの薬液SLの噴霧角度が斜め上方に調整されていてもよい。上述のように、乗客Rの顔を避け、胸元から下方にかけて薬液SLが噴霧されるよう、筐体11自体の高さ位置、筐体11における噴霧口14Pの高さ位置、及び噴霧口14Pから噴出する薬液SLの飛翔高さの少なくともいずれかが調整されていてもよい。
タイマ18Tが所定のカウント数に到達すると、指令部18は霧化装置13を停止させる。これにより、噴霧口14B,14Pからの薬液SLの噴霧が終了する。
なお、図3A及び図3Bでは、薬液噴霧装置10a,10bの検知部15がともに乗客Rを検知し、薬液噴霧装置10a,10bがともに薬液SLを噴霧する場合について説明した。しかし、薬液噴霧装置10a,10bのいずれか一方の検知部15が乗客Rを検知した場合には、その検知部15が属する薬液噴霧装置10のみが薬液SLを噴霧してもよい。
(薬液噴霧装置による処理例)
次に、図4を用いて、実施形態の薬液噴霧装置10における処理例について説明する。図4は、実施形態にかかる薬液噴霧装置10が実行する薬液噴霧処理の手順の一例を示すフロー図である。
図4に示すように、薬液噴霧装置10の検知部15は検知結果を継続的に判定部17に送信する。判定部17は、検知部15からの検知結果に基づいて、エスカレータ1に乗り込もうとする乗客Rがいるか否かを継続的に判定する(ステップS101)。判定部17は、検知部15が乗客Rを検知するまで待機する(ステップS101:No)。
エスカレータ1に乗り込もうとする乗客Rを検知部15が検知すると(ステップS101:Yes)、判定部17は、乗客Rが検知されたことを示す信号を指令部18に送信し、指令部18は、タイマ18Tによるカウント、及び霧化装置13の作動を開始する(ステップS102)。これにより、霧化装置13によって霧化された薬液SLが、噴霧口14B,14Pから手摺りベルト102a,102b及び乗客Rに向けて並行して噴霧される。
指令部18は、タイマ18Tが所定のカウント数に到達したか否かを継続的に検出する(ステップS103)。指令部18は、タイマ18Tが所定のカウント数に到達するまで霧化装置13を継続的に作動させておく(ステップS103:No)。この間、噴霧口14B,14Pからの薬液SLの噴霧も継続される。
指令部18は、タイマ18Tが所定のカウント数に到達すると(ステップS103:Yes)、霧化装置13を停止させる(ステップS104)。これにより、噴霧口14B,14Pからの薬液SLの噴霧が終了する。
以上により、実施形態の薬液噴霧装置10による薬液噴霧処理が終了する。
(比較例)
近年、店舗、駅等の施設の入り口には、手指を消毒するための消毒液等が設置され、施設内における感染症拡大を予防する対策が行われている。このような状況下、例えば多くの乗客が利用するエスカレータの手摺りベルトに触れることに拒否感を抱く乗客も増えてきている。しかし、エスカレータを安全に利用するためには、手摺りベルトを掴んだ状態で乗客が移動する必要がある。
一方で、例えば施設の入り口等に設置されたエスカレータを介して、密になりやすい店舗内、駅構内、電車の車両内等に感染源となる菌またはウィルスが持ち込まれてしまう懸念がある。このようなリスクを低減するためには、例えば清掃員等が手作業によって、手摺りベルトを含むエスカレータの各部を小まめに清掃する等の対策が考えられる。しかしながら、手作業による拭き取り清掃等には人手も手間もかかってしまう。
また、上述の特許文献1のように、手摺りベルトを掴む乗客の手、及び乗客が掴んだ手摺りベルト部分を自動で除菌する技術も開示されている。しかしながら、特許文献1では、乗客および手摺りベルトに対して充分な除菌効果が得られない懸念があること、また、手摺りベルトに触れることに対する乗客の抵抗感を払拭することが困難であることは上述した通りである。
実施形態の薬液噴霧装置10によれば、インレット123a,123bから、手摺りベルト102a、102bが複数の踏段100の移動方向に沿う方向に移動を開始するポイントに至るまでの間の高さに配置された噴霧口14Bから、折り返しポイント近傍の手摺りベルト102a、102bに薬液SLを噴霧するとともに、噴霧口14Bよりも手前に配置された噴霧口14Pから、エスカレータ1に乗り込もうとする乗客Rに向けて薬液SLを噴霧する。
これにより、エスカレータ1に乗り込もうとする乗客Rと、乗客Rが掴む前の手摺りベルト102a、102bとを一括して除菌、殺菌、または消毒することができる。よって、エスカレータ1における手摺りベルト102a,102bを介した接触感染を抑制することができる。
また、乗客Rは、エスカレータ1に乗り込む手前で、自身に薬液SLが噴霧されると同時に、手摺りベルト102a、102bにも薬液SLが噴霧されたことを認識することができる。これにより、乗客Rが安心して手摺りベルト102a、102bを掴み、安全にエスカレータ1を利用することができる。
実施形態の薬液噴霧装置10によれば、エスカレータ1手前で、エスカレータ1に乗り込もうとする乗客Rを検知部15が検知し、その検知部15の検知結果に基づいて制御部16が薬液SLを噴霧させる。
これにより、乗客Rが手摺りベルト102a,102bを掴む前に、乗客Rと手摺りベルト102a、102bとを除菌、殺菌、または消毒することができる。したがって、エスカレータ1を介して施設内に菌またはウィルスが持ち込まれてしまうのを抑制し、施設内における感染症の拡大を抑制することができる。
実施形態の薬液噴霧装置10によれば、指令部18は、タイマ18Tのカウント数に応じて、例えば数秒程度、薬液SLを噴霧させる。このように、短時間で乗客Rと手摺りベルト102a,102bとを除菌、殺菌、または消毒することができる。
これにより、乗客Rを立ち止まらせることなく、一度に多くの乗客Rを除菌、殺菌、または消毒することができ、エスカレータ1の入り口付近での渋滞を抑制し、効率よく乗客Rと手摺りベルト102a,102bとの除菌、殺菌、または消毒ができる。
実施形態の薬液噴霧装置10によれば、噴霧口14Pからは霧化された薬液SLが噴霧される。これにより、乗客Rの衣服が薬液SLによって濡れてしまうことを抑制し、乗客Rの不快感を軽減することができる。
実施形態の薬液噴霧装置10によれば、噴霧口14Pから斜め上方に向けて薬液SLが噴霧される。これにより、乗客Rに対し上から降りかかるように薬液SLが噴霧される。よって、縦方向に広い範囲で薬液SLを噴霧することができ、身長等の異なる乗客Rに対して幅広く対応することができる。
実施形態の薬液噴霧装置10によれば、噴霧口14Pからは、例えば乗客Rの胸元から下方にかけて薬液SLが噴霧される。このように、乗客Rの顔を避けて薬液SLを噴霧するので、乗客Rの不快感をよりいっそう軽減することができる。
実施形態の薬液噴霧装置10によれば、薬液SLを貯留することが可能に構成され、霧化装置13に薬液SLを供給するタンク12が筐体11の内部に収容されている。これにより、薬液噴霧装置10の各部を一体的に構成することができ、既存のエスカレータに対して新規に薬液噴霧装置10を適用する場合にも、薬液噴霧装置10を容易に設置することができる。
なお、上述の実施形態では、薬液噴霧装置10は、エスカレータ1の入り口側に設置されることとした。しかし、薬液噴霧装置10が、例えばエスカレータ1の出口側にも設置されてもよい。この場合、出口側の薬液噴霧装置10は稼働させなくともよい。
エスカレータ1の出入り口両側に薬液噴霧装置10を設置しておくことで、エスカレータ1の移動方向を反転させた場合にも、入り口側となった薬液噴霧装置10を稼働状態に切り替えることで、速やかに除菌、殺菌、または消毒に対応することができる。
あるいは、エスカレータ1の出口側に設置した薬液噴霧装置10を、常態において稼働させておいてもよい。この場合、検知部15は、例えば乗客Rがエスカレータ1から降りると、その乗客Rを検知し、薬液噴霧装置10から薬液SLが噴霧されることとなる。
これにより、乗客Rが使用した後の手摺りベルト102a,102bを除菌、殺菌、または消毒することができ、エスカレータ1を介した菌またはウィルスの持ち込みをより確実に抑制することができる。
また、上述の実施形態では、乗客Rを検知する検知部15は、例えば筐体11の比較的低い位置に設けられ、これにより、身長差のある種々の乗客Rをより確実に検知することとした。しかし、検知部15は、筐体11における高さ位置が調整されること等により、所定の高さ未満の乗客Rを検知しないように構成されていてもよい。
ここで、乗客Rの高さ位置は、例えば乗客Rの頭部または顔の高さ位置を指す。検知部15が、所定の高さ未満の乗客Rを検知しないように構成されることで、例えば直立した状態で頭部位置が所定の高さ未満となる幼児、あるいはベビーカー等に乗せられて頭部が所定の高さ未満に位置する乳児等は検知されないこととすることができる。これにより、身長の低い幼児、ベビーカーに乗った乳児等の顔の部分に薬液SLがかかることを抑制することができる。
身長の低い幼児は、手摺りベルト102a,102bに掴るよりも大人に手を引かれてエスカレータ1を利用することが多く、ベビーカーに乗った乳児も手摺りベルト102a,102bに触れることはないと考えられる。このため、幼児および乳児のエスカレータ1利用に際して、殊更に幼児および乳児、並びに手摺りベルト102a,102bの除菌、殺菌、または消毒が必要であるとも認められない。よって、このような構成においても、エスカレータ1の手摺りベルト102a,102bを介した菌またはウィルスの持ち込みを充分に抑制することができる。
また、上述の実施形態では、乗客Rを検知する検知部15は例えば非接触式の反射型光電センサ等であるとした。しかし、検知部15による乗客Rの検知手法はこれに限られない。例えば、検知部15と制御部16との機能を組み合わせて乗客Rの頭部または顔の高さ位置を直接的に検出することで、エスカレータ1に乗り込もうとする乗客Rを検知するようにしてもよい。
上記の場合、検知部15は、例えば乗客Rを撮像することが可能な撮像装置とすることができる。制御部16が備える判定部17は、画像解析機能等を有することとし、撮像装置が撮像した画像から乗客Rの顔検出等を行って乗客Rの高さ位置を判定してもよい。
さらには、顔検出により判定された乗客Rの高さ位置が所定高さ未満であった場合に、上述のとおり、薬液噴霧装置10からの噴霧を行わないこととしてもよい。このように、顔検出機能を用いることで、より精度よく乗客Rの高さ位置を判定することができる。
(変形例1)
次に、実施形態の変形例1について説明する。変形例1の薬液噴霧装置は、タンクが筐体の外部に設けられる点が上述の実施形態とは異なる。
図5は、実施形態の変形例1にかかる薬液噴霧装置20(20a,20b)の構成の一例を示す図である。図5において、上述の実施形態の薬液噴霧装置10と同様の構成には同様の符号を付し、その説明を省略することがある。
上述の実施形態の薬液噴霧装置10a,10bと同様、変形例1の薬液噴霧装置20a,20bも、それぞれ手摺りベルト102a,102bの近傍に、手摺りベルト102a,102bに対向するように自立して設けられている。
図5に示すように、薬液噴霧装置20は、筐体11の外側であって、例えば乗降板104b下方の保守点検スペースに配置されたタンク22を備える。上述のように、保守点検スペースは、保守作業員等がエスカレータの保守点検等を行うスペースである。
変形例1の薬液噴霧装置20によれば、保守点検スペースにタンク22を配置することで、タンク22を大容量化することができ、薬液SLの補充頻度を低減することができる。また、タンク22が乗降板104b下方に配置されているので、薬液噴霧装置20自体は小型に維持することができ、薬液噴霧装置20が、乗客Rによるエスカレータ1利用の妨げになることを抑制することができる。
変形例1の薬液噴霧装置20によれば、その他、上述の実施形態の薬液噴霧装置10と同様の効果を奏する。
(変形例2)
次に、実施形態の変形例2について説明する。変形例2の薬液噴霧装置は、エスカレータの踏段100の移動と連動して薬液SLを噴霧する点が上述の実施形態とは異なる。
図6は、実施形態の変形例2にかかる薬液噴霧装置30(30a,30b)の構成の一例を示す図である。図6において、上述の実施形態の薬液噴霧装置10と同様の構成には同様の符号を付し、その説明を省略することがある。
図6に示すように、変形例2のエスカレータは、薬液噴霧装置30、統括制御部50、及び検知部35を備える。変形例2のエスカレータは、以下に詳述するように、乗客Rの有無に応じて運転モードが変更されるように構成される。
検知部35は、例えば薬液噴霧装置30の筐体11に設けられ、エスカレータに乗り込もうとする乗客Rを検知する。検知部35は、検知結果を統括制御部50に送信する。それ以外、検知部35の構成および配置位置等は、例えば上述の実施形態の薬液噴霧装置10が備える検知部15と同様であってよい。
ただし、検知部35は、薬液噴霧装置30a,30bにそれぞれ設けられていなくともよく、これらの薬液噴霧装置30a,30bの一方にのみ設けられていてもよい。またあるいは、検知部35は、必ずしも薬液噴霧装置30に設けられていなくともよい、エスカレータに乗り込もうとする乗客Rを検知することが可能であれば、検知部35は、変形例2のエスカレータの一部構成として、例えば薬液噴霧装置30から離れた個所に設けられていてもよい。
統括制御部50は、例えばCPU、ROM、及びRAM等を備えるコンピュータとして構成される。統括制御部50は、複数の踏段100、手摺りベルト102a,102b、及び薬液噴霧装置30を含むエスカレータの全体を統括的に制御する。
このような機能を実現するため、統括制御部50は、判定部51、指令部52、及び送受信部53の各機能部を備える。
判定部51は、検知部35からの検知結果に基づいて、エスカレータに乗り込もうとする乗客Rの有無を判定する。判定部51は、少なくとも1つの検知部35が乗客Rを検知すると、乗客Rが検知されたことを示す信号を指令部52に送る。
また、判定部51は、少なくとも1つの検知部35によって、エスカレータに乗り込もうとする乗客Rが検知されるごとに、後述する制御部36の指令部38に向けた信号であって、乗客Rが検知されたことを示す信号を生成する。判定部51が生成した信号は、送受信部53を介して後述する制御部36へと送信される。
判定部51は、タイマ51Tを備えており、乗客Rが検知部35の前を通過するなどして、全ての検知部35が非検知状態となると、タイマ51Tによるカウントを開始する。新たな乗客Rがいないまま、全ての検知部35の非検知状態が維持されて所定期間が経過し、タイマ51Tが所定のカウント数に達すると、判定部51は、乗客Rがいなくなってから所定期間が経過したことを示す信号を指令部52に送る。
指令部52は、判定部51により生成される信号にしたがって、複数の踏段100及び手摺りベルト102a,102b等を制御してエスカレータの運転を行う。
すなわち、指令部52は、乗客Rが検知されたことを示す信号を判定部51から受け取ると、複数の踏段100及び手摺りベルト102a,102bを乗客Rの移動に適した所定の速度で移動させる通常モードでエスカレータの運転を行う。
これにより、複数の乗客Rが継続してエスカレータを利用している場合、または、最後の乗客Rの利用から所定期間が経過するまでの間、エスカレータは、通常運行時の速度で運転を継続する。
また、指令部52は、乗客Rがいなくなってから所定期間が経過したことを示す信号を判定部51から受け取ると、複数の踏段100及び手摺りベルト102a,102bの移動を停止させ、または移動速度を低下させる待機モードとする。新たに乗客Rが検知されるまでの間、エスカレータは待機モードを維持する。これにより、乗客Rがいない間のエスカレータの消費電力を節減することができる。
エスカレータが待機モードになっている際に、新たな乗客Rが検知されたことを示す信号を判定部51から受け取ると、指令部52は、エスカレータを通常モードに切り替えて、通常運行時の速度で複数の踏段100及び手摺りベルト102a,102bの移動を再開する。
送受信部53は、統括制御部50と、後述する制御部36との間で各種情報の授受を可能にする。例えば、送受信部53は、エスカレータに乗り込もうとする乗客Rが検知されるごとに、上述の判定部51が生成する指令部38向けの信号を制御部36に送信する。また例えば、送受信部53は、薬液噴霧装置30の各部の状態を示す制御部36からの信号等を受信する。
上述の実施形態の薬液噴霧装置10a,10bと同様、変形例2の薬液噴霧装置30a,30bも、それぞれ手摺りベルト102a,102bの近傍に、手摺りベルト102a,102bに対向するように自立して設けられている。
薬液噴霧装置30は、上述の制御部16に替えて制御部36を備える。
制御部36は、上述の実施形態の制御部16と同様、例えばCPU、ROM、及びRAM等を備えるコンピュータとして構成される。制御部36は、制御部36の機能を実現する機能部として指令部38及び送受信部39を備える。
送受信部39は、統括制御部50と制御部36との間で各種情報の授受を可能にする。
指令部38は、タイマ18Tを備えており、統括制御部50の判定部51が生成し、送受信部53,39を介して送信されてきた、乗客Rが検知されたことを示す信号を受信する。指令部38は、かかる信号に基づいて、噴霧口14B,14Pから所定時間、薬液SLを噴霧させる。指令部38におけるそれ以外の機能は、例えば上述の実施形態の薬液噴霧装置10の指令部18と同様である。
これにより、薬液噴霧装置30による薬液SLの噴霧をエスカレータの運転と同期させて行うことができる。
薬液噴霧装置30による薬液SLの噴霧とエスカレータの運転との同期とは、例えば待機モードから通常モードへの切り替え等により、複数の踏段100の移動を通常運行時の速度で開始することと、薬液噴霧装置30からの薬液SLの噴霧とを連動させることを指す。
また例えば、薬液噴霧装置30による薬液SLの噴霧とエスカレータの運転との同期とは、複数の乗客Rが継続してエスカレータを利用している場合等のように、エスカレータにおける通常モードでの運転と、乗客Rが検知されるごとの薬液噴霧装置30からの薬液SLの噴霧とを連動させることを指す。
また、少なくとも1つの検知部35が乗客Rを検知し、乗客Rが検知されたことを示す信号を判定部51が生成した場合において、かかる信号が、薬液噴霧装置30a,30bのそれぞれの指令部38に受信されてもよい。
これにより、これらの薬液噴霧装置30a,30bを同期させることができる。薬液噴霧装置30a,30bの同期とは、例えば薬液噴霧装置30aからの薬液SLの噴霧と、薬液噴霧装置30bからの薬液SLの噴霧とを連動させることを指す。
それぞれの薬液噴霧装置30a,30bからの薬液SLの噴霧を連動させる場合には、薬液噴霧装置30a,30bからの薬液SLの噴霧開始と噴霧停止とを同時に行うこと、または、薬液噴霧装置30a,30bからの薬液SLの噴霧時間が少なくとも一部、重なり合うよう薬液SLの噴霧を行うこと、等が含まれていてよい。
変形例2のエスカレータによれば、統括制御部50及び制御部36は、所定期間以上の非検知状態の後に検知部35が乗客Rを検知すると、複数の踏段100の移動を通常運行時の速度で開始するとともに、複数の踏段100の移動開始と連動させて薬液噴霧装置30の噴霧口14B,14Pから薬液SLを噴霧させる。
変形例2のエスカレータによれば、統括制御部50及び制御部36は、検知部35が乗客Rを検知すると、薬液噴霧装置30a,30bを連動させて薬液SLの噴霧を行う。
上記のように、エスカレータの運転と薬液噴霧装置30とを連動させることにより、または、薬液噴霧装置30a,30b同士を連動させることにより、より短時間で広範に亘る除菌、殺菌、または消毒が可能となり、より確実で効率的な除菌、殺菌、または消毒を行うことができる。
変形例2の薬液噴霧装置30によれば、その他、上述の実施形態の薬液噴霧装置10と同様の効果を奏する。
なお、上述の変形例2では、エスカレータが統括制御部50及び制御部36を備えることとした。しかし、薬液噴霧装置30を制御する制御部36の機能が統括制御部50に統合され、エスカレータが一体的に構成された制御部のみを備えていてもよい。
また、上述の変形例2では、検知部35の検知結果に基づいて、エスカレータの運転モードが切り替わることとしたが、検知部35の検知結果の活用目的はこれに限られない。エスカレータの運転モードの切り替えに替えて、あるいは加えて、検知部35の検知結果に基づいて、エスカレータを利用する乗客数、エスカレータの利用頻度、またはその他の情報が取得されてもよい。また、これらの少なくともいずれかの情報に基づいて、エスカレータの混雑度合いの緩和、エスカレータの効率的な運用、節電、等が行われてもよい。
また、上述の実施形態および変形例1,2では、乗客コンベアはエスカレータ1等であることとしたが、上述の実施形態および変形例1,2の薬液噴霧装置10,20,30は、例えば踏段が階段状ではなく水平に設置される水平型エスカレータ等にも適用可能である。
以上のように、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…エスカレータ,10,20,30…薬液噴霧装置,12,22…タンク、13…霧化装置、14B,14P…噴霧口、15,35…検知部、16,36…制御部、50…統括制御部、100…踏段、102a,102b…手摺りベルト、104a,104b…乗降板、113a,113b,123a,123b…インレット、SL…薬液。

Claims (7)

  1. 無端状に連結され、乗客を乗せて移動することが可能な複数の踏段と、
    前記乗客が前記複数の踏段に乗り込むための乗降板と、
    前記乗降板上に配置される繰り出し口と、
    前記繰り出し口から繰り出され、前記乗客が掴まることが可能なように前記複数の踏段の移動と同期して移動する手摺りベルトと、を備える乗客コンベアの前記複数の踏段の移動方向の入り口側に設けられる薬液噴霧装置であって、
    前記乗客コンベアに乗り込もうとする前記乗客を検知する検知部と、
    除菌作用、殺菌作用、及び消毒作用の少なくともいずれかを有する薬液を霧化する霧化装置と、
    前記繰り出し口から、前記手摺りベルトが前記複数の踏段の移動方向に沿う方向に移動を開始するポイントに至るまでの間の高さに配置され、前記手摺りベルトに向けて、前記霧化装置からの前記薬液を噴霧する第1の噴霧口と、
    前記手摺りベルト及び前記第1の噴霧口よりも手前に配置され、前記乗客コンベアに乗り込もうとする前記乗客に向けて、前記霧化装置からの前記薬液を噴霧する第2の噴霧口と、
    前記検知部が前記乗客を検知すると、前記霧化装置を作動させて前記第1及び第2の噴霧口から前記薬液を噴霧させる制御部と、を備える、
    薬液噴霧装置。
  2. 前記検知部は、
    前記乗客の高さ位置が所定の高さ未満である場合には前記乗客を検知しない、
    請求項1に記載の薬液噴霧装置。
  3. 前記検知部、並びに前記第1及び第2の噴霧口が設けられ、前記霧化装置が収容される筐体と、
    前記薬液を貯留することが可能に構成され、前記霧化装置に前記薬液を供給するタンクと、を更に備える、
    請求項1または請求項2に記載の薬液噴霧装置。
  4. 無端状に連結され、乗客を乗せて移動することが可能な複数の踏段と、
    前記乗客が前記複数の踏段に乗り込むための乗降板と、
    前記乗降板上に配置される繰り出し口と、
    前記繰り出し口から繰り出され、前記乗客が掴まることが可能なように前記複数の踏段の移動と同期して移動する手摺りベルトと、
    前記複数の踏段に乗り込もうとする前記乗客を検知する検知部と、
    前記複数の踏段の移動方向の入り口側に設けられる薬液噴霧装置と、
    前記複数の踏段、前記手摺りベルト、及び薬液噴霧装置を制御する制御部と、を備え、
    前記薬液噴霧装置は、
    除菌作用、殺菌作用、及び消毒作用の少なくともいずれかを有する薬液を霧化する霧化装置と、
    前記繰り出し口から、前記手摺りベルトが前記複数の踏段の移動方向に沿う方向に移動を開始するポイントに至るまでの間の高さに配置され、前記手摺りベルトに向けて、前記霧化装置からの前記薬液を噴霧する第1の噴霧口と、
    前記手摺りベルト及び前記第1の噴霧口よりも手前に配置され、前記複数の踏段に乗り込もうとする前記乗客に向けて、前記霧化装置からの前記薬液を噴霧する第2の噴霧口と、を有し、
    前記制御部は、
    前記検知部が前記乗客を検知すると、前記霧化装置を作動させて前記第1及び第2の噴霧口から前記薬液を噴霧させる、
    乗客コンベア。
  5. 前記制御部は、
    前記検知部が前記乗客を検知しない非検知状態が所定期間以上になると、前記複数の踏段の移動を停止させ、または移動速度を低下させ、
    前記所定期間以上の前記非検知状態の後に前記検知部が前記乗客を検知すると、前記複数の踏段の移動を通常運行時の速度で開始するとともに、前記複数の踏段の移動開始と連動させて前記第1及び第2の噴霧口から前記薬液を噴霧させる、
    請求項4に記載の乗客コンベア。
  6. 前記手摺りベルトは、
    前記複数の踏段の幅方向の両側にそれぞれ配置される第1及び第2の手摺りベルトを含み、
    前記薬液噴霧装置は、
    前記第1の手摺りベルト及び前記乗客に前記薬液を噴霧する第1の薬液噴霧装置と、
    前記第2の手摺りベルト及び前記乗客に前記薬液を噴霧する第2の薬液噴霧装置と、を含み、
    前記制御部は、
    前記検知部が前記乗客を検知すると、前記第1及び第2の薬液噴霧装置を連動させて前記薬液の噴霧を行う、
    請求項4または請求項5に記載の乗客コンベア。
  7. 無端状に連結され、乗客を乗せて移動することが可能な複数の踏段と、
    前記乗客が前記複数の踏段に乗り込むための乗降板と、
    前記乗降板上に配置される繰り出し口と、
    前記繰り出し口から繰り出され、前記乗客が掴まることが可能なように前記複数の踏段の移動と同期して移動する手摺りベルトと、を備える乗客コンベアの前記複数の踏段の移動方向の入り口側で実施される薬液噴霧方法であって、
    前記乗客コンベアに乗り込もうとする前記乗客を検知すると、
    除菌作用、殺菌作用、及び消毒作用の少なくともいずれかを有する薬液を霧化し、
    前記繰り出し口から、前記手摺りベルトが前記複数の踏段の移動方向に沿う方向に移動を開始するポイントに至るまでの間の高さ位置において、前記手摺りベルトに向けて前記薬液を噴霧し、
    前記手摺りベルトへの噴霧と並行して、前記乗客コンベアに乗り込もうとする前記乗客に向けて前記薬液を噴霧する、
    薬液噴霧方法。
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