JP7253434B2 - 溶着装置、該溶着装置の導波部、および該溶着装置を用いた溶着方法 - Google Patents

溶着装置、該溶着装置の導波部、および該溶着装置を用いた溶着方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶着装置、該溶着装置の導波部、および該溶着装置を用いた溶着方法に関する。より詳細には、光を高効率で樹脂材に供給する溶着装置、該溶着装置の導波部、および該溶着装置を用いた溶着方法に関する。
溶着装置は、レーザなどの光を透過する樹脂材を通してその光を吸収する樹脂材に光を照射することで樹脂材同士を溶着する。このような溶着装置の中でも、1つ又は複数の光源(光ファイバ束)を用いて同時に一括で光を樹脂材に照射して溶着する溶着装置が知られている(特許文献1)。一括で光を照射する方式(一括照射方式ともいう)では、光をスキャンする方式(スキャン方式)を使用することなく、溶着箇所の形状に従って作製された導波部によって溶着箇所に光が導かれ、加工物(ワーク)は、溶着領域において溶着される。ここで、樹脂を溶着するための光の波長は、一般的に800nmから1100nmである。
一括照射方式では、導波部には溶着のための光を加工物に導くため光ガイド部が設けられており、該光ガイド部は、導波部の入口部、反射部(反射面)、および出口部によって画定されており、その形状は、加工物の溶着領域の形状に合わせて作製される。したがって、導波部は、様々な形状の加工物に対応することが容易である。一般的に、導波部は、アルミ合金(例えばA5052)や鉄系材料で構成されている。
溶着効率を改善するためには、導波部の反射面の光に対する反射率を向上させる必要がある。そのため、導波部の反射面を鏡面研磨したり、金めっきで処理したりすることで、反射面の平滑性を高め、光の反射率を向上させている。
しかしながら、アルミ合金を鏡面研磨した場合のその反射面の反射率は、大きくとも84%であり、その表面に金めっきをした場合でもその反射面の反射率は、大きくとも94%である。
また、鏡面研磨やめっき工程には工程バラツキ(例えば、めっき膜の膜厚分布)があるので、導波部の反射面の反射率の値がばらついてしまう場合がある。低い反射率や反射率のバラツキは、光のエネルギーロスを増加させてしまい、加工物の品質低下をもたらしてしまう。
特に、一括照射方式の場合、導波部の反射面を利用して、1つの光源が放出する光を、他の光源、例えば隣接する他の光源からの光と重ねることによって、これらの光は、ライン状(または溶着部分に合わせた形状)の光に変換される。この際、反射面の反射率が低いと、光のエネルギーの一部は熱に変換され、導波部内においてエネルギーロスが発生してしまう。
また、鏡面研磨や金めっき処理の費用は一般に高価であるため、鏡面研磨や金めっき処理をした溶着装置の価格競争力が低下するという問題も存在する。
一方、特許文献2は、導波部が形状を加工しやすい透明熱可塑性プラスチック等の材料からなることを開示している。しかしながら、プラスチック等の材料はめっきをすることが困難であり、導波部における光の反射率を向上させることは困難である。
特許文献3は、導波部(波導管20)を開示しているものの、導波部の反射面の反射率については何ら開示も示唆もしていない。
特開2004-195552号公報 特開2003-530240号公報 特許第5372340号明細書
そこで、本発明は、一括照射方式の溶着装置の導波部の反射面の反射率を向上させ、反射率のバラツキを抑え、溶着効率を改善することを目的とする。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
本願発明の第1の観点は、第1の樹脂部品と第2の樹脂部品とを溶着する溶着装置であって、
波長が800nm以上1100nm以下の光を発生する1つ又は複数の光源と、
光ガイド部が設けられた導波部と
を備え、
導波部は、光源からの光が入射する入口部と、光が反射する反射部と、光が出射する出口部とを備え、
光ガイド部は、入口部と、反射部と、出口部とによって画定されており、
光ガイド部は、光源からの光を第1の樹脂部品および第2の樹脂部品に導くように構成されており、
第1の樹脂部品は、光源からの光に対して透過性であり、第2の樹脂部品は、光に対して吸収性であり、
反射部は、光源からの光に対する反射率が95%以上100%未満である反射膜を備えることを特徴とする。
本願発明の第2の観点は、第1の観点の溶着装置であって、反射膜の反射率が、99%以上100%未満であることを特徴とする。
本願発明の第3の観点は、第1または第2の観点の溶着装置であって、反射膜が、蒸着された金属を備えることを特徴とする。
本願発明の第4の観点は、第3の観点の溶着装置であって、金属が、金、銀、または銅を備えることを特徴とする。
本願発明の第5の観点は、第1の樹脂部品と第2の樹脂部品とを溶着する溶着装置に使用される導波部であって、
第1の樹脂部品は、1つ又は複数の光源からの光に対して透過性であり、第2の樹脂部品は、光に対して吸収性であり、
光源からの光の波長は、800nm以上1100nm以下であり、
導波部には、光ガイド部が設けられており、
導波部は、光源からの光が入射する入口部と、光が反射する反射部と、光が出射する出口部とを備え、
光ガイド部は、入口部と、反射部と、出口部とによって画定されており、
光ガイド部は、光源からの光を第1の樹脂部品および第2の樹脂部品に導くように構成されており、
反射部は、光源からの光に対する反射率が95%以上100%未満である反射膜を備えることを特徴とする。
本願発明の第6の観点は、第1から第4の観点のいずれか1つの観点に記載した溶着装置を用いた溶着方法であって、
第1の樹脂部品を第2の樹脂部品に配置する工程と、
導波部の出口部の位置が溶着部分の位置に一致するように導波部を第1の樹脂部品に配置する工程と、
導波部の光ガイド部および第1の樹脂部品を通して溶着部分に光を照射する工程と
を有することを特徴とする。
本発明によれば、溶着装置に使用される導波部の反射面の反射率を向上させ、また反射率の値のバラツキを改善することができる。したがって、溶着工程にかかる時間を短縮することができ、溶着効率が改善され、電力消費を少なくすることができる。
また、導波部の製造を容易にし、その製造費用を抑えることができる。
本発明の一実施形態に係る溶着装置の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る溶着装置の正面図である。 本発明の一実施形態に係る溶着装置の側面図である。 本発明の一実施形態に係る導波部の反射面付近の断面拡大図である。 図2の光ガイド部内での光の軌跡のシミュレーション結果を示す図である。 図1の溶着装置に加工物を追加した図である。 図6の溶着装置および加工物のA-A’断面図である。 本発明の一実施形態に係る導波部の反射部の断面拡大図である。 基準反射率を測定する場合の模式図である。 導波部の反射率を測定する場合の模式図である。 溶着装置を用いた溶着方法のフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみに限定されるものではない。なお、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとする。
図1は、本発明の実施形態に係る溶着装置の斜視図である。溶着装置1は、光を発生する1つ又は複数の光源2と、光源2からの光を導く導波部10とを有する。導波部10を形成する材料は、例えば、アルミニウム合金である。導波部10は、光源からの光が入射する入口部10aと、光が反射する反射部10b(図4参照)と、光が出射する出口部10cとを備える。光源2は、例えば、1又は2以上のレーザ源と、レーザ源からの光を分配する光ファイバとを備える。
図2は、溶着装置の正面図である。導波部10には、光源2からの光を導く光ガイド部12が設けられている。光ガイド部12は、入口部10aと、反射部10bと、出口部10cとによって画定されている。光源2からの光が光ガイド部12の中を通過し導かれるように、導波部10は構成されている。光ガイド部12の長手方向に垂直な断面形状は、入口部から出口部に向かうにつれて先細となるテーパ状である。光源からの光を方向付けるためである。
また、図2に示すように、光源2の断面の直径Dは、導波部10の長手方向からの、導波部10の入口部の幅Winと略等しい。光源2からの光の漏れを抑制し、効率よく出口部から光を出射させるためである。
光源2が発生する光の波長λは、約800nm以上1100nm以下、好ましくは930nm以上1000nm以下であることが望ましい。ここで、図2に示すように、光ガイド部12では、その高さと入口部10aの幅(または出口部10cの幅)とのアスペクト比が十分に大きい。したがって、出口部10cから出射される光の広がりは小さく、平行ビームに近いものとなる。そして、出射される光の形状が出口部10cの形状とほぼ一致するように、導波部10は構成されている。
図1から図3では、簡単のために、10個の光源を1列に配置している。しかしながら、光源の数および列数は、照射領域すなわち溶着領域の形状、面積に依存して変えることができる。照射領域における光強度を均一にするためである。例えば、照射領域が光源の直径よりも大きい場合には、光源の列数を2列以上としてもよい。
図4は、図1の溶着装置1のA-A断面図を示す。31は光源2からの光の光軸であり、光軸31は、導波部10の光ガイド部12の中心を通る中心線である。図2について説明したようにここで、光源2の直径Dは、入口部10aの幅Winと略等しい。出口部10cの幅Woutは、加工物の溶着箇所の形状・大きさに依存する。より詳細には、出口部10cから出射した光が溶着箇所に照射されるように、出口部10cの幅Woutは設定される。
図5(a)-図5(c)は、図2に示した光ガイド部内において、光源からの光の軌跡をシミュレーションした結果を示す。このシミュレーションでは、光ガイド部の反射面の反射率を100%としている。光が反射面で反射していることを分かりやすくするために、図5(a)では、図5(b)、図5(c)よりも入射光の数を減らしていること、図5(b)では、図5(c)よりも入射光の数を減らしていることに留意されたい。図5(a)から理解されるように、光は光ガイド部の反射面において複数回反射される場合がある。したがって、出射する光の強度を大きくするためには、すなわち溶着効率を改善するためには、反射面の反射率が100%に近いことがより望ましい。
図6は、成形加工された樹脂である加工物50の上に配置された溶着装置1の斜視図である。導波部10の出口部10cの形状が加工物50の溶着部分と一致するように、溶着装置1は加工物50に配置される。
図7は、図6のA-A’断面図である。図7において、光源2は、光30、例えばレーザ光を放射している。光源2からの光30は、導波部10の光ガイド部12を通じて、導波部10の下側に配置された加工物50を照射している。光30の少なくとも一部は、導波部10の反射部10bによって少なくとも1回反射された後に、加工物50に到達する。光30の他の部分は、導波部10の反射部10bによって反射されることなく、加工物50に到達する。
加工物50は、光源2からの光30に対して透過性である第1の樹脂部品51と、光30に対して吸収性である第2の樹脂部品52とを有する。この構造により、第1の樹脂部品51と第2の樹脂部品52との溶着部分53で効率的に発熱させることができる。溶着装置1は、1つ又は複数の光源2からの光30を光ガイド部12および第1の樹脂部品51を介して同時に溶着部分に照射することで、溶着する。
第1の樹脂部品51は、導波部10の出口部10cに対向して配置される上面51aと、上面51aとは反対側の下面51bと、下面51bから第2の樹脂部品52に向かって突出している突出部51cとを有する。突出部51cの先端は、第2の樹脂部品52の上面52aと接触しており、その接触部分が溶着装置1によって溶着される溶着部分53である。
第2の樹脂部品52の上面52aのうち、第1の樹脂部品51と第2の樹脂部品52とが接触していない部分は、溶着されない非溶着部分54である。
図7に示すように、導波部10の出口部10cは、第1の樹脂部品51の上面51aに対向して接触するように、配置されている。出口部10cの形状は、溶着部分53の形状とほぼ一致している。したがって、出口部10cから加工物50に照射された光30の形状は、第1の樹脂部品51と第2の樹脂部品52とが接触している溶着部分53の形状とほぼ一致している。
光源からの光を加工物50に照射する際には、加工物50は、照射された光に透過性である第1の樹脂部品51が光源2側に位置するように、配置される。つまり、光源2、導波部10、第1の樹脂部品51、第2の樹脂部品52の順に配置されている。また、光を加工物50に照射する際に、導波部10は、導波部10の出口部10cが溶着部分53とほぼ完全に重なるように、つまり、これらの位置が一致するように、第1の樹脂部品51に配置される。これにより、光30の照射領域が溶着部分53に重ね合わされ、溶着部分53に均一に光を照射することができ、溶着装置1は、樹脂部品51、52を溶着部分53において溶着することができる。
溶着をさらに説明すると、光源からの光30が樹脂部品51、52との接合部または接触部である溶着部分53で吸収されることで、溶着部分53で発熱する。溶着部分53に沿って両方の樹脂部品51,52が溶融すると、光30の放射は停止され、樹脂部品51、52が溶着部分で互いに付着され、次に凝固して溶着が形成される。その後、溶着部分53で溶融した樹脂は冷却される。このようにして2つの樹脂部品51、52が互いに溶着される。溶着部分は、当該技術分野では、溶接部位、溶接領域、溶接範囲、溶接界面と呼ばれることもある。
第1の樹脂部品51の上面51a(つまり、入射表面)と光軸31との角度は、80°から110°の間であることが好ましく、理想的には90°であることが好ましい。これは、大気の屈折率と第1の樹脂部品の屈折率との違いによりそれらの界面(入射表面)において、光30が大きく屈折してしまうことを防ぐためである。しかしながら、樹脂部品の形状によっては、光の屈折を前提に導波部10および光ガイド部12を設計する場合がある。このような場合には、入射表面と光軸31との角度は、80°以下でもよく、例えば20°から80°としてもよい。
光源2からの光30は、ある程度の広がり、例えば円形の広がりを有している。これは、隣接する光源からの光を重ね合わせることで、溶着部分においてほぼ均一な照射強度を得るためである。
図8は、導波部10の反射部10bの一部分の断面拡大図を示す。反射部10bは、反射膜20を備える。反射膜20は、光30を反射するための膜であり、光30に対する反射率が高い金属膜である。反射膜20は、例えば、液晶の反射シートとして用いられる市販の高反射シートであって、反射シートは、蒸着された銀を備える。めっきと比較して、蒸着は、膜質・膜厚の面内分布がより均一であり、光の反射率の面内バラツキが少ないという利点を有する。
この反射膜では、光源からの光30(波長800nmから1100nm)における反射率が95%以上、好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上100%未満である。ここで、100%未満とした理由は、反射率が100%(つまりエネルギロスが全く無い)であることは現実的に起こりえないためであり、例えば、反射率は99%以下でもよい。反射膜が銀の場合、波長が800nmから1100nmの光に対する反射率は、99%程度と非常に高い。
反射部10bはさらに、例えば、接着膜21を備え、接着膜21によって導波部10に固定される。接着膜21は、導波部10の少なくとも一部に設けられていてもよい。要は、平坦で温度や湿度の変化による反射膜の自然剥離もなく、反射膜を導波部に貼り付ける作業性も高くすることができる程度に、接着膜21が設けられていればよい。この接着方法では、めっき処理をする必要がない。したがって、導波部には、加工物の形状に合わせて加工や変形ができる金属合金や熱可塑性プラスチック等の材料を使用することができる。
反射部10bはさらに、反射膜20の上に透明膜22を備えてもよい。透明膜は、反射膜(金属膜)を酸化等の劣化から防ぐものであり、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)膜である。上述のように、光30に対する反射膜20の反射率は、高い。一方、透明膜22については、光30に対してその透過率が高い、つまり透明膜22は透過性である。反射膜20の反射面は、第1の樹脂部品51を第2の樹脂部品52に溶着する溶着部分53に光30を反射させ、導くように構成されている。
本発明における反射率測定では、図9(a)に示すように、光源2とパワーセンサ61との間に物体を設置することなく(つまり、光源2とパワーメータとの間に何も存在しない状態で)光をパワーメータで測定した場合の基準電力値PREFを基準反射率100%(RREF=100%)と規定している。ここで、パワーセンサ61は、パワーメータ62に通信可能に接続されており、測定した結果をパワーメータ62に送信するように構成されている。パワーメータ62は、受信した測定結果をディスプレイに表示するように構成されている。
反射部10bの測定反射率RMEASは、以下のように求められる。(1)まず、図9(b)に示すように、導波部10を光源2とパワーメータとの間に配置した状態で、導波部10の光ガイド部12を通して得られた光30の電力値PMEASを測定する。(2)次に、その測定された電力値(測定電力値ともいう)PMEASを基準電力値PREFで割ったものに100を乗算する。
MEAS=PMEAS/PREF × 100
レーザ等の光による溶着が一括照射方式で行われる場合、反射膜20を利用して1つの光源2から照射される光を、他の光源2(隣接する光源や、照射範囲以内に位置する光源など)からの光とミックスさせることで、ミックスされた光30は、任意の幅、任意の形状の光32に変換される。その際、反射膜20では、光のエネルギーの一部が熱に変換される。この現象は、導波部内でのエネルギーロスと呼ばれる。
特に、樹脂部品の溶着に望ましい波長λ=800nmから1100nmにおける反射膜20の反射率が99%以上である場合、導波部(治具とも呼ばれる)内での光のエネルギーロスは、ほぼゼロとなる。したがって、この場合には、一括照射方式の弱点、すなわち導波部内における光のエネルギーロスを補うことができる。
次に、図10のフローチャートを参照して、本実施形態に係る溶着方法を説明する。
まず、第1の樹脂部品51が第2の樹脂部品52に接触するように、第1の樹脂部品を配置する(S101)。より具体的には、第1の樹脂部品51の突出部51cの先端を第2の樹脂部品52の上面52aに接触させる。
次に、溶着装置1の導波部10を第1の樹脂部品51側に配置する(S102)。より詳細には、導波部10を、第1の樹脂部品51の上面51aに接触するように配置する。ここで、導波部10の出口部10cの位置が溶着部分53の位置と一致するように、導波部10を配置する。光30を効率的に溶着部分53に照射するためである。
次に、導波部10の光ガイド部12および第1の樹脂部品51を通して光源2からの光30を溶着部分53に照射する(S103)。この際、光30の光軸31と第1の樹脂部品51の下面51bとの角度が80°から110°に、より好ましくは略垂直になるように、光30を照射する。溶着効率を高めるためである。ここで、光30に対する導波部10の反射部10bの反射率が95%以上と高く、反射率のバラツキも小さい。したがって本実施形態に係る溶着方法は、光30の照射時間(溶着工程にかかる時間)を短縮することができ、溶着効率が改善され、さらに電力消費を少なくすることができる。
図7から理解されるように、第1の樹脂部品51の突出部51cは、第1の樹脂部品51の下面51b(第2の樹脂部品52側に位置する第1の樹脂部品51の面)において、他の箇所よりも第2の樹脂部品52に向かって突出するように、つまり下方に延出するように、構成されている。このため、第2の樹脂部品52に反りがあったとしても反りの影響を受けることなく、第1の樹脂部品51を第2の樹脂部品52に溶着することができる。
溶着部分53に沿って樹脂部品51,52が溶融すると、光30の照射を停止する(S104)。これにより、樹脂部品51、52が溶着部分53において互いに付着され、次に凝固して溶着が形成される。その後、溶着部分53において溶融された樹脂を冷却する(S105)。
以上の工程によって、第1の樹脂部品51を、第2の樹脂部品52に対して溶着することができる。
以上のように、本発明により、溶着装置に使用される導波部の反射部(反射面)の反射率のバラツキを改善することができる。つまり、導波部の品質向上を図ることができ、ひいては該導波部を用いて溶着された樹脂部品の品質向上を図ることができる。
さらに、反射部の反射率が向上するため、高効率で光のエネルギーを製品に供給することができる。供給されるエネルギーが増加するため、溶着工程にかかる時間を短縮することができる。
また、導波部の反射面の鏡面研磨や金めっき処理が不要となるため、導波部の製造コストを低減することができる。さらにまた、めっき処理をする場合には導波部の部品を金属で製造しなければならないが、本発明では、導波部の部品を金属で製造するという制限がなくなるので、樹脂製の部品を使用することもできる。今後、3Dプリンタが進化し普及した場合でも、本発明によれば、更に製品の納期を短縮し、また製造コストを削減することができる。
以上、好ましい実施の形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の改変態様を採り得ることは自明である。
本発明では、光源からの光は、必ずしもレーザ光には限定されず、波長が約800nmから1100nmまでの範囲内であるインコヒーレントな光、例えばフラッシュランプのパルス光でもよい。光30は、完全な平行ビームでなくてもよく、また、或る程度の広がりを有していてもよい。要は、照射領域、つまり溶着部分53において均一な強度(均一な拡散特性)が得られるように、隣接する光源からの光同士が重なり合うことができればよい。
本発明では、光源2の断面形状は、楕円形や、多角形でもよい。つまり、光源2からの光の形状は、必ずしも円形に限定されず、均一な照射強度が得られるような形状であればよい。
本発明では、光源2の断面の直径Dは、必ずしも入口部10aの幅Winと等しくなくてもよく、導波部10の入口部の幅Winよりも小さくてもよい。すなわち、これらのサイズは、光30の漏れを抑制し、効率よく光を出射させることが出来る程度であればよい。隣り合う光源からの光を重ねることで、照射領域における光強度を均一にするため、すなわち均一な光拡散特性を得るためである。
本発明では、反射部10bの反射面は平面に限定されるものではなく、曲面であってもよい。要は、反射部10bは、光30を加工物50にガイドすることができるように構成されていればよい。
本発明では、光源2は、1又は2以上の光源と、光源からの光を分配する複数の光導体、導波管、または光ファイバ等の光デバイスとを備えてもよい。また、光源と光デバイスとの間にセンサを設けることで、フィードバック制御システムが光源からの光強度を制御するように、光源が構成されていてもよい。例えば、図10の工程S103において、特許文献3に記載されているようなフィードバック制御システムを用いて光30の強度を制御してもよい。溶着部分53における光30の照射強度を一定にし、また光強度のばらつきを抑制するためである。
本発明では、光30を照射する際に、出口部10cが第1の樹脂部品51の上面51aから一定間隔だけ離間していてもよい。
本発明では、出口部10cの形状は、樹脂部品を溶着できる程度であれば、溶着部分53の形状と一致していなくてもよい。
本発明では、導波部10を形成する材料は、アルミニウム合金に限定されるものではなく、その他の金属合金や熱可塑性プラスチック等の材料でもよい。要するに、加工物の形状に合わせて加工や変形ができる材料であって、反射シートが取り付けられる材料であればよい。
本発明では、反射膜20に使用される金属は、銀に限定されるものではなく、例えば、金、銅でもよい。要するに、波長が800nmから1100nmの範囲において、光の反射率が95%以上の材料であればよい。
本発明では、より好ましい光の波長930nm以上1000nm以下を使用する場合には、この波長における反射率が95%以上、好ましくは97%以上、特に好ましくは99%以上100%未満の材料でもよい。
本発明では、溶着の際に、導波部10によって、第2の樹脂部品52に向かって第1の樹脂部品51を加圧してもよい。溶着効率を高めるためである。この際、第1の樹脂部品51が非溶着部分54において第2の樹脂部品52に接触しないように、加圧する。不必要な部分まで溶着してしまうことを避けるためである。
1 レーザ溶着装置
2 光源
10 導波部
10a 入口部
10b 反射部
10c 出口部
12 光ガイド部
20 反射膜
21 接着膜
22 透明膜
30 光
31 光軸
50 加工物
51 第1の樹脂部品
51a 上面
51b 下面
51c 突出部
52 第2の樹脂部品
53 溶着部分
54 非溶着部分
光源の直径 D
入口部の幅 Win
出口部の幅 Wout

Claims (3)

  1. 第1の樹脂部品と第2の樹脂部品とを溶着する、一括照射方式のレーザ溶着装置であって、
    波長が800nm以上1100nm以下の光を発生する1つ又は複数のレーザ光源と、
    光ガイド部が設けられた導波部と
    を備え、
    導波部は、レーザ光源からの光が入射する入口部と、光が反射する反射部と、光が出射する出口部とを備え、
    光ガイド部は、入口部と、反射部と、出口部とによって画定されており、
    光ガイド部は、レーザ光源からの光を第1の樹脂部品および第2の樹脂部品に導くように構成されており、
    第1の樹脂部品は、レーザ光源からの光に対して透過性であり、第2の樹脂部品は、光に対して吸収性であり、
    反射部は、反射膜として、レーザ光源からの光に対する反射率が95%以上100%未満である銀蒸着膜を備えることを特徴とするレーザ溶着装置。
  2. 前記反射率が、99%以上100%未満であることを特徴とする、請求項1に記載のレーザ溶着装置。
  3. 請求項1または2に記載したレーザ溶着装置を用いた溶着方法であって、
    第1の樹脂部品を第2の樹脂部品に配置する工程と、
    導波部の出口部の位置が溶着部分の位置に一致するように導波部を第1の樹脂部品に配置する工程と、
    導波部の光ガイド部および第1の樹脂部品を通して溶着部分に光を照射する工程と
    を有することを特徴とする、溶着方法。
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