一実施例(「実施例1」)によると、心臓補助用の植込み可能な医療デバイスは、大動脈の内部で展開するように構成され、大動脈を通る流体流を維持する管腔及び主本体の管腔に対するアクセスを提供する主本体の側壁内のアクセス部位を含む主本体と;主本体の管腔と流体連結するべくアクセス部位内部で展開するように構成され、分岐部材を通って主本体の管腔内へと血流を強制するように構成されたポンプを含む分岐部材とを含む。
別の実施例(「実施例2」)によると、実施例1の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、分岐部材は、患者の心房又は心室の内部に植込むように構成されている。
別の実施例(「実施例3」)によると、実施例2の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、ポンプは、心臓補助のため大動脈内への血流を増大させるように構成されている。
別の実施例(「実施例4」)によると、実施例1~2のいずれか1つに記載の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、分岐部材は、心房又は左心室の組織壁と係合するように構成された第1の端部の近くに封止要素を含む。
別の実施例(「実施例5」)によると、実施例4の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、封止要素はポリマ材料を含む。
別の実施例(「実施例6」)によると、実施例4の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、分岐部材と主本体の管腔の間で流体密封の流体連通状態で組織壁と係合するように構成されたフランジ。
別の実施例(「実施例7」)によると、実施例1~6のいずれか1つに記載の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、主本体内のアクセス部位は開窓部を含み、分岐部材は、分岐と主本体を流体連結するべく開窓部の内部で封止するように構成されている。
別の実施例(「実施例8」)によると、実施例1~6のいずれか1つに記載の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、該デバイスは更に、主本体内のアクセス部位と整列した主管腔の内部に配設された門部を含み、分岐部材は、分岐と主本体を流体連結するべく門部内部に植込むように構成されている。
別の実施例(「実施例9」)によると、実施例1~8のいずれか1つに記載の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、ポンプは分岐部材に対して取外し可能な形で結合される。
別の実施例(「実施例10」)によると、実施例9の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、ポンプは分岐部材の内部に定着させるように構成される。
別の実施例(「実施例11」)によると、実施例1~10のいずれか1つに記載の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、分岐は、大動脈弁に隣接してか又は大動脈弁の間で大動脈内部に植込むように構成されている。
別の実施例(「実施例12」)によると、実施例1~11のいずれか1つに記載の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、ポンプは遠隔で動力供給される。
別の実施例(「実施例13」)によると、実施例1~12のいずれか1つに記載の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、分岐部材は、心房と大動脈を結合し、心房と大動脈の独立した動きを可能にするように構成されている。
別の実施例(「実施例14」)によると、実施例1~13のいずれか1つに記載の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、ポンプは、管腔を通る自然の血流に平行して分岐部材を通って主本体の管腔内へ血流を送達するように構成されている。
1つの実施例(「実施例15」)によると、心臓補助用の植込み可能な医療デバイスを植込むためのシステムは、大動脈の内部で植込み可能な医療デバイスを展開するように構成された第1のカテーテルであって、植込み可能な医療デバイスが主本体及び大動脈を通る流体流を維持する管腔及び主本体の管腔に対するアクセスを提供する主本体の側壁内のアクセス部位を含んでいる、第1のカテーテルと;主本体の管腔と流体連結するべくアクセス部位の内部で分岐部材を展開するように構成され、分岐部材を通って主本体の管腔内に血流を強制するように構成されたポンプを含む、第2のカテーテルと;を含む。
別の実施例(「実施例16」)によると、実施例15のシステムに付け加えて、第2のカテーテルは、分岐部材を経心尖で展開するように構成されている。
別の実施例(「実施例17」)によると、実施例15のシステムに付け加えて、第2のカテーテルは、分岐部材を経中隔で展開するように構成されている。
別の実施例(「実施例18」)によると、実施例15~17のいずれか1つに記載のシステムに付け加えて、システムは更に、大動脈内のアクセス部位及び心房又は心室内にアクセス部位を創出するように構成された穿刺デバイスを含み、ここで第2のカテーテルは、大動脈内のアクセス部位及び心房又は左心室内のアクセス部位を横断して分岐部材を展開するように構成されている。
別の実施例(「実施例19」)によると、実施例のシステムに付け加えて、第2のカテーテルは、分岐部材の遠位端部に配設されたフランジを展開するように構成されたシースを含み、フランジは、分岐部材と主本体の管腔の間で流体密封流体連通状態で心房又は心室の組織壁と係合するように構成されている。
1つの実施例(「実施例20」)によると、心臓補助用の植込み可能な医療デバイスを植込むための方法は、第1のカテーテルを大動脈の内部に配設して大動脈内部で植込み可能な医療デバイスを展開することであって、植込み可能な医療デバイスが主本体及び大動脈を通る流体流を維持する管腔及び主本体の管腔に対するアクセスを提供する主本体の側壁内のアクセス部位を含んでいること;第2のカテーテルをアクセス部位の内部に配設して分岐部材を主本体の管腔と流体連結することであって、前記分岐部材が、分岐部材を通って主本体の管腔内へ血流を強制するように構成されたポンプを含んでいること;を含む。
別の実施例(「実施例21」)によると、実施例21の方法に付け加えて、第2のカテーテルは経心尖で分岐部材を展開するように構成されている。
別の実施例(「実施例22」)によると、実施例22の方法に付け加えて、第2のカテーテルは経中隔で分岐部材を展開するように構成されている。
一実施例(「実施例23」)によると、心臓補助用の植込み可能な医療デバイスは、大動脈内部で展開するように構成された主本体であって、大動脈を通る流体流を維持する管腔及び主本体の管腔に対するアクセスを提供する主本体の側壁内のアクセス部位を含む主本体と;主本体の管腔と流体連結するべくアクセス部位の内部及び心臓の左心耳の内部で展開するように構成された分岐部材と;分岐部材を通って主本体の管腔内へと血流を強制するように構成されたポンプと;を含む。
別の実施例(「実施例24」)によると、実施例23のデバイスに付け加えて、デバイスは更に、分岐部材又はポンプに結合され分岐部材又はポンプを左心耳の内部で安定化するように構成されたステント構造も含んでいる。
別の実施例(「実施例25」)によると、実施例24のデバイスに付け加えて、分岐部材又はポンプはステント構造のアイレットを通って配設されている。
別の実施例(「実施例26」)によると、実施例25のデバイスに付け加えて、ステント構造はどんぐり形状又は遠位端部に向かって先細になる形状を含む。
1つの実施例(「実施例27」)によると、心臓補助用の植込み可能な医療デバイスは、心臓の左心耳の内部で展開するように構成された第1の端部部分と大動脈の内部で展開するように構成された第2の端部部分とを含む分岐部材を含み、該分岐部材は、分岐部材の管腔を通って左心耳から大動脈へと血流を移行させるべくポンプとインタフェースするように構成されている。
別の実施例(「実施例28」)によると、実施例27のデバイスに付け加えて、デバイスは更に、左心耳から血液を取込み大動脈内に血液を放出するように構成されたポンプも含んでいる。
別の実施例(「実施例29」)によると、実施例28のデバイスに付け加えて、ポンプの流出端部は分岐部材を通って直接大動脈内に植込まれる。
別の実施例(「実施例30」)によると、実施例29のデバイスに付け加えて、第2の端部部分は、分岐部材と大動脈の組織壁の間で流体密封の流体連通状態で組織壁を係合するように構成されたフランジを含む。
別の実施例(「実施例31」)によると、実施例30のデバイスに付け加えて、デバイスは更に、分岐部材に結合され分岐部材又はポンプを左心耳の内部で安定化するように構成されたステント構造も含んでいる。
一実施例(「実施例32」)によると、心臓補助用の植込み可能な医療デバイスは、大動脈内部で展開するように構成され、大動脈を通る流体流を維持する管腔及び主本体の管腔に対するアクセスを提供する主本体の側壁内のアクセス部位を含む主本体と;主本体の管腔と流体連結するべくアクセス部位の内部で展開するように構成された分岐部材と;心臓の内腔内部に配設され分岐部材を通って主本体の管腔内へと血流を強制するように構成されたポンプと;を含む。
別の実施例(「実施例33」)によると、実施例32の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、分岐部材は患者の心臓の周りに配設される。
別の実施例(「実施例34」)によると、実施例33の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、ポンプは、患者の心臓の左心室の内部に植込み、分岐部材を通って主本体の管腔内へと血流を強制するように構成されている。
別の実施例(「実施例35」)によると、実施例32~34のいずれか1つに記載の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、主本体及び分岐部材は大動脈と非外科的吻合を形成し、ポンプは血流を生来の血流と合致してか又はこれと平行に大動脈内へと導くように構成される。
1つの実施例(「実施例36」)によると、心臓補助用の植込み可能な医療デバイスは、肺静脈の内部で展開するように構成され、肺静脈を通る流体流を維持しかつ管腔を通って血流を強制するように構成された管腔を含むポンプを含む。
別の実施例(「実施例37」)によると、実施例35の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、ポンプは、肺静脈から血液を取込み左心房内に血液を放出するように構成されている。
別の実施例(「実施例38」)によると、実施例35~36のいずれか1つに記載の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、ポンプは、肺静脈からの流量を増大させて心拍出量を増大させるように構成されている。
別の実施例(「実施例39」)によると、実施例35~38のいずれか1つに記載の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、デバイスは更に、ポンプに動力供給するように構成されかつ肺静脈から左心房内へそして中隔を横断して、心臓の右側で退出するように配設されているドライブラインをも含む。
別の実施例(「実施例40」)によると、実施例39の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、ドライブラインは、腸骨静脈を介して患者から退出する。
別の実施例(「実施例41」)によると、心臓補助のための方法は、患者の大動脈と心内腔内の間に植込み可能な医療デバイスを配設することであって、植込み可能な医療デバイスが、心内腔から大動脈内に血流を強制するように構成されたポンプを含んでいること;ポンプの周り及び大動脈と心内腔の間に、生来の組織の導管を形成すること;を含む。
別の実施例(「実施例42」)によると、実施例41の方法に付け加えて、生来の組織の導管を形成することには、瘢痕又は組織内殖を創出して大動脈と心内腔の間に組織層を形成することが含まれる。
別の実施例(「実施例43」)によると、実施例41~42のいずれか1つに記載の方法に付け加えて、ポンプは、組織内殖を促進するように構成されたポンプの外側表面の周りに配設された材料を含む。
別の実施例(「実施例44」)によると、実施例42の方法に付け加えて、材料は、ダクロン及びePTFEのうちの少なくとも1つを含む。
一つの実施例(「実施例45」)によると、心臓補助用の医療デバイスは、支持フレームと、支持フレームに結合され、開放して中を通る順行流を許容し支持フレームを閉塞して逆行流を防止するように構成された複数の弁尖と、支持フレームに配設され血液が支持フレームを通ることを強制するように構成されたポンプと、を含む人工弁;を含む。
別の実施例(「実施例46」)によると、実施例45の医療デバイスに付け加えて、複数の弁尖は支持フレームの内部に配設されたポンプの周りで接合するように構成されている。
別の実施例(「実施例47」によると、実施例46の医療デバイスに付け加えて、ポンプは支持フレームの内部で中央に配設されている。
別の実施例(「実施例48」によると、実施例45~47のいずれか1つに記載の医療デバイスに付け加えて、デバイスは更に、支持フレームの流出端部に配設されたフィルタも含んでいる。
別の実施例(「実施例49」によると、実施例48の医療デバイスに付け加えて、フィルタはポンプの流出端部に配設されている。
別の実施例(「実施例50」によると、実施例45~49のいずれか1つに記載の医療デバイスに付け加えて、人工弁は、患者の大動脈弁に置換するように構成されている。
別の実施例(「実施例51」によると、実施例45~50のいずれか1つに記載の医療デバイスに付け加えて、人工弁は患者の僧帽弁に置換するように構成されている。
別の実施例(「実施例52」によると、実施例45~51のいずれか1つに記載の医療デバイスに付け加えて、人工弁及びポンプは経カテーテル送達のために構成されている。
1つの実施例(「実施例53」)によると、心臓補助用の植込み可能な医療デバイスは、大動脈内部で展開するように構成され、大動脈を通る流体流を維持する管腔を含む主本体と;主本体から延在し、心臓の内腔の内部で展開させて大動脈と心臓の内腔とを流体連結するように構成された分岐部材と;分岐部材内部に配設され、心臓の内腔から分岐部材を通って主本体の管腔内へと血流を強制するように構成されたポンプと;を含む。
別の実施例(「実施例54」によると、実施例53の医療デバイスに付け加えて、分岐部材は主本体と一体である。
別の実施例(「実施例55」によると、実施例53の医療デバイスに付け加えて、分岐部材は、主本体との関係において内向き及び外向きに自在に伸縮するように構成されている。
1つの実施例(「実施例56」)によると、実施例53~55のいずれか1つに記載の医療デバイスを展開する方法は、大動脈内部で主本体を展開すること;大動脈内及び心臓の内腔内に開口部を創出すること;及び大動脈及び心臓の内腔を横断して分岐部材を展開すること;を含む。
1つの実施例(「実施例57」)によると、心臓補助用の植込み可能な医療デバイスは、大動脈内部で展開するように構成され、大動脈を通る流体流を維持する管腔及び主本体の管腔に対するアクセスを提供する主本体の側壁内のアクセス部位を含む主本体と;主本体の管腔と流体連結しポンプとインタフェースして分岐部材を通って主本体内へ血流を移行させるべく、アクセス部位の内部で展開するように構成されている分岐部材と;を含む。
別の実施例(「実施例58」)によると、実施例57の医療デバイスに付け加えて、分岐部材は、分岐部材の内部にポンプを定着させるように構成されている。
別の実施例(「実施例59」)によると、実施例58の医療デバイスに付け加えて、分岐部材は、分岐部材の内部にポンプを定着させるように構成された取付けメカニズムを含む。
別の実施例(「実施例60」)によると、実施例58~59のいずれか1つに記載の医療デバイスに付け加えて、分岐部材及びポンプは、分岐部材の内部にポンプを定着させるための相補的取付けメカニズムを含む。
別の実施例(「実施例61」)によると、実施例58~60のいずれか1つに記載の医療デバイスに付け加えて、分岐部材は、ポンプを分岐部材の内部に定着させるべくポンプと摩擦係合するように構成されている。
別の実施例(「実施例62」)によると、実施例58~61のいずれか1つに記載の医療デバイスを展開する方法は、大動脈の内部で主本体を展開すること;大動脈内及び心臓の内腔内に開口部を創出すること;及び大動脈及び心臓の内腔を横断して分岐部材を展開すること;を含む。
1つの実施例(「実施例63」)によると、心臓補助用の医療デバイスは、患者の体内に植込み、中を通って血流を移行させるためにポンプとインタフェースするように構成された支持フレームを有する人工弁と;支持フレームに結合され、開放して中を通る順行流を許容し支持フレームを閉塞して逆行流を防止するように構成された複数の弁尖と;を含む。
別の実施例(「実施例64」)によると、実施例63の医療デバイスに付け加えて、支持フレームは、分岐部材の内部にポンプを定着させるように構成されている。
別の実施例(「実施例65」)によると、実施例64の医療デバイスに付け加えて、支持フレームは、分岐部材の内部にポンプを定着させるように構成された取付けメカニズムを含む。
別の実施例(「実施例66」)によると、実施例64~65のいずれか1つに記載の医療デバイスに付け加えて、支持フレーム及びポンプは、分岐部材の内部にポンプを定着させるための相補的取付けメカニズムを含む。
別の実施例(「実施例67」)によると、実施例63~64のいずれか1つに記載の医療デバイスに付け加えて、支持フレームは、分岐部材の内部にポンプを定着させるためにポンプと摩擦係合するように構成されている。
1つの実施例(「実施例68」)によると、心臓補助用の植込み可能な医療デバイスは、大動脈の内部で展開するように構成され、大動脈を通る流体流を維持する管腔を含む主本体と;主本体から延在し、大動脈及び心臓の内腔を流体連結しポンプとインタフェースして分岐部材を通って血流を主本体へと移行させるために心臓の内腔の内部で展開するように構成された分岐部材と;を含む。
別の実施例(「実施例69」)によると、実施例68の医療デバイスに付け加えて、分岐部材は、分岐部材の内部にポンプを定着させるように構成されている。
別の実施例(「実施例70」)によると、実施例69の医療デバイスに付け加えて、分岐部材は、分岐部材の内部にポンプを定着させるように構成された取付けメカニズムを含む。
別の実施例(「実施例71」)によると、実施例69~70のいずれか1つに記載の医療デバイスに付け加えて、分岐部材及びポンプは、分岐部材の内部にポンプを定着させるための相補的取付けメカニズムを含む。
別の実施例(「実施例72」)によると、実施例66~71のいずれか1つに記載の医療デバイスに付け加えて、分岐部材は、分岐部材の内部にポンプを定着させるためにポンプと摩擦係合するように構成されている。
1つの実施例(「実施例73」)によると、心臓補助用の植込み可能な医療デバイスは、肺静脈の内部で展開するように構成され、肺静脈を通る流体流を維持しポンプとインタフェースして管腔を通って血流を移行させるように構成された管腔を含むステントグラフトを含む。
別の実施例(「実施例74」)によると、実施例73の医療デバイスに付け加えて、デバイスは更に、肺静脈から血液を取込み左心房内に血液を放出するように構成されたポンプを含む。
1つの実施例(「実施例75」)によると、心臓補助用の植込み可能な医療デバイスは、大動脈内部で展開するように構成され、大動脈を通る流体流を維持する管腔及び主本体の管腔に対するアクセスを提供する主本体の側壁内のアクセス部位を含む主本体と;主本体の管腔と流体連結するべく、アクセス部位の内部で展開するように構成されている分岐部材と;分岐部材を通って主本体の管腔内へと血流を強制するように構成され、分岐部材の内部にポンプを取外し可能な形で固定するように構成されたアンカ要素を含むポンプと;を含む。
別の実施例(「実施例76」)によると、実施例75の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、アンカ要素は、ポンプの一部分を連接させポンプを角度付き構成に維持するように構成された少なくとも1つのヒンジ構造である。
別の実施例(「実施例77」)によると、実施例76の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、ポンプは管状部分を含み、ヒンジ構造は、管状部分の内部又は周りで周方向に配設されている。
別の実施例(「実施例78」)によると、実施例77の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、ヒンジ構造は、加えられた力に応答して角度付き構成に管状部分を維持するように構成された複数の個別のリングを含む。
別の実施例(「実施例79」)によると、実施例75の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、アンカ要素は、ポンプの外部表面上に配設され、拡張して分岐部材の内部表面と係合するように構成されている。
別の実施例(「実施例80」)によると、実施例79の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、アンカ要素は、拡張して分岐部材の内部表面と係合するように構成された拡張可能なバルーンである。
別の実施例(「実施例81」)によると、実施例80の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、拡張可能なバルーンは、ポンプの周りで周方向に配設されている。
別の実施例(「実施例82」)によると、実施例79の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、アンカ要素は、ポンプの外部表面上に配設されたばねであり、拡張可能なバルーンは、膨張に応答してばねを圧壊させるように構成されている。
別の実施例(「実施例83」)によると、実施例75の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、アンカ要素は、ポンプの端部部分から半径方向に延在する複数のフランジを含む。
別の実施例(「実施例84」)によると、実施例75の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、デバイスは、分岐部材の内部表面上に配設された受け構造も含んでおり、アンカ要素は分岐部材の内部にポンプを取外し可能な形で固定するために受け構造と係合ように構成されている。
別の実施例(「実施例85」)によると、実施例84の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、アンカ要素はステントであり、受け構造は、分岐部材の内部にポンプを取外し可能な形で固定するためにステントを格納するように構成されている。
別の実施例(「実施例86」)によると、実施例84の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、アンカ要素は突起であり、受け構造は、分岐部材の内部にポンプを取外し可能な形で固定するために突起を格納するように構成された成形ノッチである。
別の実施例(「実施例87」)によると、実施例84の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、アンカ要素は第1のねじ付き部材であり、受け構造は第2のねじ付き部材であり、第1のねじ付き部材と第2のねじ付き部材は、分岐部材の内部にポンプを取外し可能な形で固定するために係合するように構成されている。
別の実施例(「実施例88」)によると、実施例86~87のいずれか1つに記載の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、ポンプは、アンカ要素と受け構造の間の係合を促すように構成されている。
1つの実施例(「実施例89」)によると、心臓補助用の植込み可能な医療デバイスは、大動脈の内部で展開するように構成され、大動脈を通る流体流を維持する管腔及び主本体の管腔に対するアクセスを提供する主本体の側壁内のアクセス部位を含む主本体と;アクセス部位の内部で展開させかつポンプを通って主本体の管腔内へと血流を強制するように構成されたポンプであって、主本体の内部にポンプを取外し可能な形で固定するように構成された拡張可能な編組構造を含むポンプと;を含む。
別の実施例(「実施例90」)によると、実施例89の植込み可能な医療デバイスに付け加えて、拡張可能な編組構造は、張力に応答して拡張可能な編組構造の圧壊を促すように構成されたスネアリング要素を含む。
別の実施例(「実施例91」)によると、心臓補助用の植込み可能な医療デバイスの展開方法は、大動脈内に主本体を配設することであって、主本体が大動脈を通る流体流を維持する管腔及び主本体の管腔に対するアクセスを提供する主本体の側壁内のアクセス部位を含んでいること;主本体の管腔と流体連結するためにアクセス部位の内部で分岐部材を展開すること;及び分岐部材の内部にポンプを取外し可能な形で固定するように構成されたアンカ要素を用いて分岐部材を通って主本体の管腔の中へと血流を強制するように構成されたポンプを分岐部材に定着させること;を含む。
別の実施例(「実施例92」)によると、実施例91の方法に付け加えて、アンカ要素は、ポンプの一部分を連接しポンプを角度付き構成に維持するように構成された少なくとも1つのヒンジ構造であり、ポンプを定着させることには、少なくとも1つのヒンジ構造を分岐部材の内部に配設することが含まれる。
別の実施例(「実施例93」)によると、実施例91の方法に付け加えて、アンカ要素はポンプの外部表面上に配設され、拡張して分岐部材の内部表面と係合するように構成されており、ポンプを定着させることには、拡張し、分岐部材の内部表面と係合するべくアンカ要素と係合することが含まれている。
別の実施例(「実施例94」)によると、実施例91の方法に付け加えて、植込み可能な医療デバイスは、分岐部材の内部表面上に配設された受け構造を含み、ポンプを定着させることには、分岐部材内部にポンプを取外し可能な形で固定するために受け構造とアンカ要素を係合させることが含まれる。
1つの実施例(「実施例95」)によると、心臓補助用の植込み可能な医療デバイスは、大動脈内部に配置するように構成され、大動脈を通って血液を搬送するように作用可能な管腔を含む主本体と;主本体の管腔に対するアクセスを提供するように作用可能である主本体の側壁内のアクセス部位と;主本体の管腔と流体連結するようにアクセス部位内部に配置されるように構成された分岐部材であって、ポンプを分岐部材とインタフェースし、かつしっかり固定(secure)するように構成された1つ以上のアンカ要素を含む分岐部材と;を含む。
別の実施例(「実施例96」)によると、実施例95のデバイスに付け加えて、分岐部材は、患者の心房又は心室内部に配置されるように構成されている。
別の実施例(「実施例97」)によると、実施例96のデバイスに付け加えて、デバイスは更に、ポンプも含み、ポンプは分岐部材を通って主本体の中へ、心臓補助のために心房又は心室から大動脈内に血液を搬送するように構成されている。
別の実施例(「実施例98」)によると、実施例95~97のいずれか1つに記載のデバイスに付け加えて、分岐部材は、左心房又は左心室の組織壁と係合するように構成された第1の端部近くの封止要素を含む。
別の実施例(「実施例99」)によると、実施例98のデバイスに付け加えて、封止要素は、組織壁と係合するように構成されたフランジを含む。
別の実施例(「実施例100」)によると、実施例95~99のいずれか1つに記載のデバイスに付け加えて、主本体内のアクセス部位は開窓部を含み、分岐部材は、分岐部材と主本体とを流体連結するべく開窓部で封止するように構成されている。
別の実施例(「実施例101」)によると、実施例95~99のいずれか1つに記載のデバイスに付け加えて、デバイスは更に、主本体内でアクセス部位と整列した主管腔の内部に配設された門部も含み、分岐部材の第1の部分は、分岐部材と主本体とを流体連結するべく門部内部に配置されるように構成されている。
別の実施例(「実施例102」)によると、実施例95~101のいずれか1つに記載のデバイスに付け加えて、分岐部材の第2の部分は、主本体の管腔及び心臓の左心耳と流体連結するべくアクセス部位の内部に配置されるように構成されている。
別の実施例(「実施例103」)によると、実施例102のデバイスに付け加えて、デバイスは更に、分岐部材又はポンプに結合され左心耳の内部で分岐部材又はポンプを安定化するように構成されているステント構造も含む。
別の実施例(「実施例104」)によると、実施例103のデバイスに付け加えて、分岐部材又はポンプは、ステント構造のアイレットを通って配設される。
別の実施例(「実施例105」)によると、実施例104のデバイスに付け加えて、ステント構造は、どんぐり形状又は遠位端部に向かって先細になる形状を画定する。
別の実施例(「実施例106」)によると、実施例95のデバイスに付け加えて、分岐部材は、患者の心臓の周りに配設されている。
別の実施例(「実施例107」)によると、実施例95のデバイスに付け加えて、ポンプは1つ以上のポンプアンカ要素を含み、1つ以上の分岐アンカ要素は、1つ以上のポンプアンカ要素との協働係合のために作用可能であり、かつ分岐部材とポンプを定着させるように構成されている。
別の実施例(「実施例108」)によると、実施例95のデバイスに付け加えて、1つ以上の分岐アンカ要素は、分岐部材及びポンプを摩擦係合させてポンプを分岐部材内部に定着させるように構成されている。
別の実施例(「実施例109」)によると、心臓補助用の植込み可能な医療デバイスを植込むためのシステムは、大動脈の内部で植込み可能な医療デバイスを展開するように構成された第1のカテーテルであって、植込み可能な医療デバイスが主本体を含み、主本体が大動脈を通る流体流を維持するように作用可能な管腔を含み、主本体が、主本体の管腔に対するアクセスを提供する主本体の側壁内のアクセス部位を含んでいる、第1のカテーテルと;主本体の管腔と流体連結するべくアクセス部位の内部で分岐部材を展開するように構成され、分岐部材を通って主本体の管腔内に血液を搬送するように構成されたポンプを含む、第2のカテーテルと;を含む。
別の実施例(「実施例110」)によると、実施例109のシステムに付け加えて、第2のカテーテルは、分岐部材を経心尖で展開するように構成されている。
別の実施例(「実施例111」)によると、実施例109のシステムに付け加えて、第2のカテーテルは、分岐部材を経中隔で展開するように構成されている。
別の実施例(「実施例112」)によると、実施例109~111のいずれか1つに記載のシステムに付け加えて、システムは更に、大動脈内のアクセス部位及び心房又は心室内のアクセス部位を創出するように構成された穿刺デバイスを更に含み、第2のカテーテルは、大動脈内のアクセス部位及び心房又は左心室内のアクセス部位を横断して分岐部材を展開するように構成されている。
別の実施例(「実施例113」)によると、実施例112のシステムに付け加えて、第2のカテーテルは、分岐部材の遠位端部に配設されたフランジを展開するように構成されたシースを含み、フランジは、流体密封係合の形で心房又は心室の組織壁と係合するように構成されている。
別の実施例(「実施例114」)によると、心臓補助用の植込み可能な医療デバイスは、肺静脈の内部で展開するように構成されたポンプであって、肺静脈を通る血流を維持するように構成されかつ管腔を通って血液を搬送するように構成された管腔を含むポンプ、を含む。
別の実施例(「実施例115」)によると、実施例114のデバイスに付け加えて、ポンプは、肺静脈から血液を取込み血液を左心房内に放出するように構成されている。
別の実施例(「実施例116」)によると、実施例114~115のいずれか1つに記載のデバイスに付け加えて、ポンプは、肺静脈からの流量を増大させて心拍出量を増大させるように構成されている。
別の実施例(「実施例117」)によると、実施例114~117のいずれか1つに記載のデバイスに付け加えて、デバイスは更に、ポンプに動力供給するように構成されたドライブラインも含み、ドライブラインは、肺静脈から左心房内へそして中隔を横断して延在し、心臓の右側で退出するように構成されている。
別の実施例(「実施例118」)によると、実施例117のデバイスに付け加えて、ドライブラインは、腸骨静脈を介して患者から退出するように作用可能である。
別の実施例(「実施例119」)によると、心臓補助のための方法は、患者の大動脈と心内腔の間に植込み可能な医療デバイスを配設することであって、植込み可能な医療デバイスが、心内腔から大動脈内に血液を搬送するように構成されたポンプを含んでいること;及びポンプの周り及び大動脈と心内腔の間に、生来の組織の導管を形成すること;を含む。
別の実施例(「実施例120」)によると、実施例119の方法に付け加えて、生来の組織の導管を形成することには、瘢痕又は組織内殖を創出して大動脈と心内腔の間に組織層を形成することが含まれる。
別の実施例(「実施例121」)によると、実施例119~120のいずれか1つに記載の方法に付け加えて、ポンプは、ポンプの外側表面の周りに配設され、組織内殖を促進するように構成された材料を含む。
別の実施例(「実施例122」)によると、実施例121の方法に付け加えて、材料はダクロン及びePTFEのうちの少なくとも1つを含む。
別の実施例(「実施例123」)によると、心臓補助用の医療デバイスは、支持フレームと、支持フレームに結合され、開放して中を通る順行流を許容し支持フレームを閉塞して逆行流を防止するように構成された複数の弁尖と、支持フレームの内部に配設され支持フレームを通って血液を搬送するように構成されたポンプと、を含む。
別の実施例(「実施例124」)によると、実施例123のデバイスに付け加えて、複数の弁尖はポンプの周りで接合するように構成されている。
別の実施例(「実施例125」)によると、実施例124のデバイスに付け加えて、ポンプは支持フレームの内部で中央に配設されている。
別の実施例(「実施例126」)によると、実施例123~125のいずれか1つに記載のデバイスに付け加えて、デバイスは更に、支持フレームの流出端部に配設されたフィルタも含む。
別の実施例(「実施例127」)によると、実施例126のデバイスに付け加えて、フィルタはポンプの流出端部に配設されている。
別の実施例(「実施例128」)によると、実施例123~127のいずれか1つに記載のデバイスに付け加えて、人工弁は、患者の大動脈弁に置換するように構成されている。
別の実施例(「実施例129」)によると、実施例123~128のいずれか1つに記載のデバイスに付け加えて、人工弁は患者の僧帽弁に置換するように構成されている。
別の実施例(「実施例130」)によると、実施例123~129のいずれか1つに記載のデバイスに付け加えて、人工弁及びポンプは、経カテーテル送達のために構成されている。
別の実施例(「実施例131」)によると、心臓補助用の植込み可能な医療デバイスは、大動脈内部で展開するように構成され、大動脈を通る流体流を維持するように構成された管腔を含む主本体と;主本体から延在し、心臓の内腔の内部で展開させて大動脈と心臓の内腔とを流体連結するように構成された分岐部材と;分岐部材内部に配設され、心臓の内腔から分岐部材を通って主本体の管腔内へと血液を搬送するように構成されたポンプと;を含む。
別の実施例(「実施例132」)によると、実施例131のデバイスに付け加えて、分岐部材は、主本体と一体である。
別の実施例(「実施例133」)によると、実施例132のデバイスに付け加えて、分岐部材は、主本体との関係において内向き及び外向きに自在に伸縮するように構成されている。
別の実施例(「実施例134」)によると、心臓補助用の植込み可能な医療デバイスは、肺静脈の内部で展開するように構成され、肺静脈を通って流体流を維持するように構成された管腔を含むステントグラフトであって、管腔を通って血液を受入れるように構成されたステントグラフト、を含む。
別の実施例(「実施例135」)によると、実施例134のデバイスに付け加えて、ステントグラフトはポンプとインタフェースするように構成され、ポンプは、肺静脈から左心房へと血液を搬送するように構成されている。
以上の実施例は、単に例示されているだけのものであり、本開示によって別途提供されているいずれかの発明概念の範囲を限定又は別の形で狭めるものとして解釈されるべきものではない。多数の実施例が開示されているが、それでも、当業者には、例示的実施例を示し説明する以下の詳細な説明から他の実施形態が明らかになるものである。したがって、図面及び詳細な説明は、本来限定的ではなくむしろ事実上例示的なものとみなされるべきものである。
添付図面は、本開示を更に理解できるようにするために含められており、本明細書中に組込まれ、本明細書の一部を構成し、実施形態を例示し、明細書と共に本開示の原理を説明するのに役立つ。
定義及び用語
測定値範囲に関連して本明細書中で使用されているように、「約」及び「おおよそ」なる用語は、表明された測定値を含むと共に、表明された測定値に合理的に近いものの、当業者であれば測定誤差、測定及び/又は製造機器の較正差、測定値を読取る及び/又は設定するにあたっての人的エラー、他の構成要素に結び付けられる測定値の差を考慮して性能及び/又は構造パラメータを最適化するために行なわれる調整、特定の実装シナリオ、不精確な調整及び/又は人又は機械による物体の操作などに原因のあることが理解でき容易に解明するはずであるような合理的に僅かな量だけ異なるものであり得る任意の測定差も同様に含む測定値を意味するために、互換的に使用可能である。このような合理的に僅かな差についての値を当業者が直ちに解明するとは考えられないと判断された場合には、「約」及び「おおよそ」なる用語は、表明された値のプラスマイナス10%を意味するものと理解され得る。
本明細書中では、一定の用語が便宜的にのみ使用されている。例えば、「頂部」、「底部」、「上部」、「下部」、「左」、「右」、「水平」、「垂直」、「上向き」及び「下向き」といった用語は、単に図中に示された構成又は設置位置における部品の配向を説明しているに過ぎない。実際、言及された構成要素は、任意の方向に配向されてよい。同様にして、本開示全体を通して、プロセス又は方法が図示又は説明されている場合、該方法は、それが最初に行なわれる一定のアクションにより左右されることが文脈からから明白である場合を除いて、任意の順序で又は同時に行なうことができる。
さまざまな実施形態の説明
本開示のさまざまな態様が、心臓の心機能を改善又は補助するためのシステム及び方法に向けられている。開示されたシステム及び方法は概して、患者の脈管構造の内部にポンプを有する体内プロテーゼを含む。開示されたシステム及び方法は、更に、ポンプ及び分岐部材の経カテーテル送達のために構成された送達システムも含んでいる。
当該開示中、実施例は主として、大動脈が関与する経カテーテル心臓利用分野(本明細書中では心室補助としても言及されている)に関連して説明されているが、本明細書中で論述されているさまざまな実施形態及び実施例が、心臓及び脈管構造の他の領域の内部での使用を含めた心室補助デバイスの任意の公知の用途ならびに経皮的処置(例えば腹腔鏡)及び/又は外科的措置に関連して利用可能なものであるということは容易に認識されるはずである。本明細書中で論述されている心臓補助デバイスは、心不全を起こしている患者にとって有益であり得る。心臓補助デバイスは、本開示のさまざまな態様と一貫して、心臓の内腔(例えば右心室又は左心室)から(例えば大動脈を介して)身体の残りの部分へ血液を強制又は搬送する植込み可能なポンプを含み得る。
図1に示されているように、さまざまな実施形態に係るシステム1000が、分岐部材100及びこの分岐部材100の内部に少なくとも部分的に配置されたポンプ200、及び分岐部材100内部のポンプ200の位置の維持を助けるように構成された保定要素300を含む。分岐部材100は、以下で更に詳述する分岐した植込み可能な医療デバイスの一部を形成する分岐部材100であり得る。
一定の事例において、分岐部材100は、グラフト、ステント又はステントとグラフトの組合せを含み得る。以下で更に詳述するように、分岐部材100は、患者の大動脈内に植込まれたステント-グラフトデバイスと共に組込まれて分岐した植込み可能な医療デバイスを形成するステント-グラフトデバイスであり得る。分岐部材100は、大動脈内に植込まれる主ステント-グラフトデバイスに結合又は接合された分岐部材であり得る。一定の事例において、分岐部材100及びポンプ200は、右心室補助デバイスとして作用し、肺静脈又は動脈内への血流を増大させることができる。これらの事例では、主本体208は本明細書中で詳述されている通り、肺動脈中に設置され得、分岐部材100は心房又は心室内に配設され得る。
一定の事例において、分岐部材100のステント部分は、複数の相互連結された支柱要素によって画定されている。分岐部材100のステント部分は、弾性変形可能な金属又はポリマ生体適合性材料などを非限定的に含み得る。分岐部材100のステント部分は、ニッケル-チタン合金であるニチノールなどの形状記憶材料を含み得る。分岐部材100のステント部分のために好適である他の材料には、非限定的に、他のチタン合金、ステンレス鋼、コバルト-ニッケル合金、ポリプロピレン、アセチルホモポリマ、アセチルコポリマ、他の合金又はポリマ、又は、本明細書中で説明されているように、分岐部材100のステント部分として機能するのに適切な物理的及び機械的特性を有する他の任意の生体適合性(例えば生体吸収性)材料が含まれる。したがって、分岐部材100のステント部分は、自己拡張型であり得、かつ/又はバルーン拡張可能であり得る。すなわち、さまざまな実施例において、分岐部材100は、圧壊送達構成と拡張展開構成の間で遷移可能であり得る。
一定の事例において、分岐部材100は、グラフト材料で部分的にカバーされたステントであり得る。分岐部材100のグラフト材料は更に、その周り(例えば分岐部材100の内部又は外部の周り)に配置されたグラフト材料を含み得る。さまざまな実施形態において、グラフト材料には、例えば、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリエステル、ポリウレタン、フルオロポリマ、例えばペルフルオロエラストマなど、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン、ウレタン、超高分子量ポリエチレン、アラミド繊維及びそれらの組合せが含まれ得る。グラフト部材材料の他の実施形態には、高強度ポリマ繊維、例えば超高分子量ポリエチレン繊維(例えば、Spectra(登録商標)、Dyneema Purity(登録商標)など)、又はアラミド繊維(例えばTechnora(登録商標)など)が含まれ得る。いくつかの実施形態は、部分的にのみ分岐部材フレームの周りに配置されたグラフト材料を含み得る。
一定の事例において、システム1000は、ポンプ200を分岐部材100と取外し可能な形で結合できるように構成される。いくつかの実施例では、ポンプ200は、分岐部材100が送達され患者の脈管構造の内部で展開された後に分岐部材100と取外し可能な形で結合される(例えば植込み可能な医療デバイスの分岐部材)。いくつかの実装によると、ポンプ200は、更に分岐部材100の取外しも必要とすることなく(例えばポンプ200を交換できるような形で及び/又はシステム1000の取外しを最小限の侵襲性で行なうことができるような形で)、患者の脈管構造から取外し可能である。
ポンプ200は、概して、例えば矢印1006の方向に沿ってシステム1000の流入側1004からシステムの流出側1002までポンプ200を横断して血液を駆動するか又は他の形で血液を流動させるように構成されている。ポンプ200のポンプメカニズム(本明細書中ではポンプ駆動機構とも呼ばれる)は、例えば、遠心型ポンプ、軸流型ポンプ又は他の類似のデバイス、例えばウォーム型式の駆動メカニズム又はインペラであり得る。ポンプハウジングは、分岐部材100とインタフェースし係合するように構成されている。ポンプ200は、ポンプ200を横断して大動脈内へそして身体の脈管構造へと外へ血液を圧送又は駆動するように作用可能となるような形で、展開された分岐部材100の内部に位置している。ポンプ200は、血液を左心室(又は他の心内腔)から、ポンプ200を横断して、大動脈内へそして身体の脈管構造を通って外へと引出すように動作させられ得る。
一定の事例において、システム1000は更に、ドライブライン400を含む。ドライブライン400は、患者の生体構造の外部に位置設定されたコントローラ500をポンプ200と電気的に結合させるように動作するケーブルアセンブリであり、あるいは、ドライブライン400は回転ドライブシャフトであり得る。ドライブライン400は、患者の脈管構造を通って(例えば左心室心尖を通って心臓から退出する)、その後皮膚を通り体外へ、コントローラ500との結合場所まで、又は皮下に植込まれたコントローラ500まで、引回しされ得る。コントローラ500は、ポンプ200の動作を制御するように構成されたモジュールである。コントローラ500は、ポンプ200の動作を制御するためのバッタを含み得る。
一定の事例において、ドライブライン400は、左又は右鎖骨下動脈、静脈又は左総頸動脈の1つを通って、鎖骨下又は他の結び付けられたアクセスまで引回しされ得る。あるいは、ドライブライン400は、下行大動脈を通って大腿骨又は他の結び付けられたアクセスまで引回しされ得る。一定の事例において、ドライブライン400は、例えば保定要素300を通って引回しされているか又は保定要素300と一体であって、保定要素300と結び付けられている。ドライブライン400が保定要素300と一体であるいくつかの実施例においては、保定要素300は、保定要素300が分岐部材100に結合されているときドライブライン400がポンプ200と電気的に結合されるような形で、1つ以上のコネクタを含む。
いくつかの実施形態において、システム1000は、ドライブライン400の必要無く動作するように構成され得、あるいは、ドライブライン400が体外に延在する必要はない。すなわち、いくつかの実施例において、体外制御システムは、ポンプの動作を制御すると同時にポンプに無線で動力供給する(例えば経皮的エネルギ伝達システムを通して)ように構成され得る。いくつかの実施例においては、米国特許第6,400,991号中に記載のものなどの経皮的エネルギ伝達の公知の手段を通して経皮的エネルギ伝達を達成することができる。このような構成は、脈管構造を通り、経皮的アクセス部位を通って外へドライブライン400を引回しする必要性を無くし、このことは、感染リスクを最小限に抑える一助となり得る。システム1000が経心尖的に配設されている事例においては、ドライブライン400は、胸腔を通って患者の体から退出しなくてよい。いくつかの実施例において、ドライブライン400は、ポンプ200との接合部においてポンプ200から抜取られるか又は結合解除されるように構成され得る。いくつかの実施例において、ポンプ200からのドライブライン400の結合解除には、保定要素300の結合解除又は取外しが含まれる。いくつかの実施例において、システム1000は、経皮的エネルギ転移(「TET」)用に構成されている「アンテナ」(又は内部コイル)を含むことができる。いくつかの実施例においては、体外TET構成要素を、標準的心拍数モニタと同様に胴の周囲に装着し、更に外部TET構成要素がエネルギを経皮的にアンテナまで伝達するべく動作できるような形で、電源(壁ユニット又は大容量バッテリ)に結合させることができる。
以上で指摘したように、システム1000は、植込み可能な医療デバイスの主本体のアクセス部位とインタフェースするように構成された分岐部材の中に組込まれ得る。主本体及び分岐部材(システム1000を含む)は、更に以下で詳述するように植込み可能な医療デバイスの主本体と共に展開する前に送達状態まで圧密又は圧壊され得る。
システム1000は、図2に示されているような心臓補助用の植込み可能な医療デバイスとして使用され得る。システム1000は、植込み可能な医療デバイスの主本体208部分と共に、又は以下で更に詳述されるように主本体208に結合又は接合される分岐部材100と共に内含され得る。植込み可能な医療デバイスは、患者の心臓202から通じる患者の大動脈204内に植込まれた状態で示されている。患者の心臓202は、簡易図であり、大動脈弁206、右心房(RA)、左心房(LA)、右心室(RV)、及び左心室(LV)を含む。
一定の事例において、植込み可能な医療デバイスは、大動脈204の内部で展開するように構成された主本体208を含む。主本体208は、大動脈204を通る流体流を維持する管腔を含む。更に、主本体208は更に、主本体208の管腔に対するアクセスを提供する主本体208の側壁内のアクセス部位210も含んでいる。アクセス部位210は、主本体208の植込みの前又は後に創出された開窓部であってよい。更に、主本体208は、展開を容易にするためにアクセス部位210に隣接して近傍に配設されたX線不透過性マーカーを含み得る。更に、アクセス部位210は、腕頭動脈、鎖骨下動脈及び頸動脈から見て外方を向いているものとして展開され得る。主本体208は、湾曲を含むか又は、湾曲の反対側にアクセス部位210が配設されている状態で大動脈の湾曲に適合し、したがって、腕頭動脈、鎖骨下動脈及び頸動脈から見て外方を向いているものとして配設され得る。
植込み可能な医療デバイスは更に、アクセス部位210の内部で展開して主本体208の管腔と流体連結するように構成された分岐部材100を含むこともできる。分岐部材100は、分岐部材100を通って主本体208の管腔内に血流を搬送(又は強制)するように構成されたポンプ200を含み得る。分岐部材100及びポンプ200は、システム1000に関連して以上で説明した構造的及び機能的構成要素を含み得る。更に、以上で指摘したように、ポンプ200は、心臓補助のために大動脈204内への血流を増大させるように構成され得る。一定の事例において、ポンプ200は、主本体208の中に一体化され得る。これらの事例においては、主本体208にはアクセス部位210が欠落していてよく、ポンプ200は、大動脈204内部で血流を増大させることができる。
図2に示されているように、分岐部材100は大動脈204とLAの間に延在する(例えば2つの構造の間に吻合を形成する)。一定の事例においては、分岐部材100は、RA又はLVの内部に植込みかつ大動脈204内の主本体208に連結するように構成され得る。LA中に分岐部材100を植込むことにより、心不全患者が駆出率を保つことを容易にすることができる。分岐部材100及び主本体208は、ポンプ200が心臓の1つ以上の内腔から大動脈204内へと血液を強制している状態で、心臓補助デバイスとして機能することができる。分岐部材100、主本体208及びポンプ200は、心臓が弱くなっているか又は心不全を起こしている患者のために心機能を補助するために使用され得る。
以上で指摘した通り、分岐部材100と主本体208の結合を容易にするために、主本体208のアクセス部位210は、主本体208の管腔と流体連結する。主本体208内のアクセス部位210は、図4及び図5に関連して以下で更に詳しく論述するように開窓部又は門部を含み得る。分岐部材100を送達し大動脈204とLAを連結するために、穿刺用デバイス(例えばアクセス部位210を通って配設されている)が、大動脈204及びLAの組織壁内に小さいアクセス部位を創出する。例えば、分岐部材100は、大動脈204とLA(又はLV)の間の相対的な動き及び可撓性を可能にするステント及びグラフト構成要素(図1に関連して以上で指摘した通り)を含むことができる。一定の事例において、分岐部材100は、心房(LA又はRA)と大動脈2014を結合し心房(LA又はRA)と大動脈204の独立した動きを可能にするように構成されている。
更に、分岐部材100及びポンプ200の組合せは心臓補助のために血流の直接的増加を提供する。更に、分岐部材100及びポンプ200は、心臓202の自然な圧送を促し、心臓202の弁との干渉を回避し、経カテーテル植込みを可能にするための空間をLA(又はLV)の内部に保つ。ポンプ200は、分岐部材100を通り主本体208の管腔内に、大動脈204を通る自然の血流に対して平行に血流を送達するように構成され得る。以下で更に詳細に論述するように、分岐部材100及びポンプ200は、経カテーテル送達の送達構成まで圧壊され得る。大動脈204内に主本体208を配設させることによって、大動脈解離のリスクが軽減され、ポンプ200由来の流体流から大動脈壁が保護され、デバイスの展開のリスクを削減することができる。
更に、図1に関連して指摘した通り、ポンプ200は、分岐部材100に対し取外し可能な形で結合され得る。ポンプ200は、分岐部材100と共に送達されてよく、又は、分岐部材100が主本体208に対して流体結合された後で別個に送達されてもよい。ポンプ200は、分岐部材100の内部で定着し得る。ポンプ200は、例えば図9に関連して更に詳細に示されている送達シースからポンプ200が押し出された後に伸びる格納式アンカを有することができる。ポンプ200を交換又は取外す場合には、アンカは、分岐部材100が送達シース内に引込められるにつれて分岐部材100から内向きに格納し得る。分岐部材100は、ポンプ200とインタフェースするカラーを有することができる。他の事例においては、ポンプ200及び分岐部材100は相応して、ポンプ200及び分岐部材100を固定するべくくさび留めされ得る。くさび留めは、展開された分岐部材100の内部でポンプ200の回転によって発生し得る。
以上で指摘した通り、主本体208は、大動脈204そしてより具体的には上行大動脈の内部に配設され得る。主本体208は、ポンプ200の移動又はせん断から大動脈204を保護することができる。更に主本体208は、ポンプ200出口近くで組織の過剰増殖を最小限に抑え、ポンプ200の回収を容易にすることができる。
図3Aは、いくつかの実施形態に係る、第1の構成における心臓補助用の植込み可能な医療デバイスの送達シース314と分岐部材100の図版である。送達シース314は、大動脈と左心房(又は左心室)を連絡するための分岐部材100の送達(例えばガイドワイヤ及び/又は送達カテーテルに沿った)を容易にするために使用され得る。図3Aに示されているように、分岐部材100は、送達シース314の内部で圧壊又は拘束される。分岐部材100は、心房又は左心室の組織壁と係合するように構成される封止要素316を分岐部材100の端部又はその近くに含むことができる。
図3Bに示されているように、封止要素316は、分岐部材100が送達シース314から展開された場合に展開する。封止要素316は、送達シース314内で分岐部材100の外部表面に対して圧壊させられ、分岐部材100が展開された後外向きに伸びることができる。一定の事例において、封止要素316は、分岐部材100の両端部上に配設され得、封止要素316の一方は、分岐部材100を主本体の開窓部内部に合体し封止するように構成されており(図2に関連して以上で示されている通り)、封止要素316のもう一方は、心臓の組織壁に分岐部材100を配設ししっかり固定(secure)するように構成されている。
図4は、いくつかの実施形態に係る、門部418の内部に配設された植込み可能な医療デバイスの分岐部材100の図版である。門部418は、心室補助用の植込み可能な医療デバイスの主本体208の内部に配設され得る(例えば図2に示されている通り)。門部418は、主本体208内のアクセス部位210と整列していてよく、分岐部材100は、分岐部材100と主本体208を流体連結させるため門部418の内部に植込むように構成されていてよい。
一定の事例において、門部418は支持壁を含み、したがって第1の長手方向配向を有する二次管腔が、主本体208の血流方向と整列している分岐部材100の血流方向を画定することになる。門部418の支持壁はステント及びグラフト構成要素を含み得る。主本体内のアクセス部位を通って延在する分岐部材を支持するための内部支持壁についてのさらなる詳細は、Quinnに対する米国特許第6,645,242号中で開示されている。
図5は、いくつかの実施形態に係る分岐部材100及びフランジ520の図版である。フランジ520は、中に分岐部材100が配設される心房又は心室と分岐部材100の間の流体密封の流体係合状態に組織壁522を係合させるように構成され得る。フランジ520は、心房又は心室内で行なわれた穿刺と分岐部材100の間の漏出を防止する。
フランジ520は、分岐部材100と一体化されるか又は別個に展開され分岐部材100と定着させられてもよい。一定の事例において、フランジ520は、組織壁522の周りで展開するようにバルーン拡張式であってよい。フランジ520は、以上で詳述された通り、送達シース314からの展開後にバルーン拡張又は自己拡張した後、組織壁522の周りで伸び、平らになることができる。フランジ520はステント及び/又はグラフト部分を含むことができ、あるいはポリマ材料を含むことができる。
図6は、いくつかの実施形態に係る、心臓補助のための別の植込み可能な医療デバイスの図版である。植込み可能な医療デバイスは、患者の心臓202から通じる患者の大動脈204の中に植込まれた状態で示されている。患者の心臓202は、簡易図であり、大動脈弁206、右心房(RA)、左心房(LA)、右心室(RV)及び左心室(LV)を含む。
一定の事例において、植込み可能な医療デバイスは、大動脈204の内部で展開するように構成された主本体208を含む。主本体208は、大動脈204を通る流体流を維持する管腔を含む。更に、主本体208は更に、主本体208に結合されて主本体208の管腔に対するアクセスを提供する門部418も含んでいる。植込み可能な医療デバイスは更に、門部418の内部で展開して主本体208の管腔と流体連結するように構成された分岐部材100を含むこともできる。分岐部材100は、分岐部材100を通って主本体208の管腔内に血液を搬送するように構成されたポンプ200を含み得る。分岐部材100及びポンプ200は、システム1000に関連して以上で説明した構造的及び機能的構成要素を含み得る。更に、以上で指摘したように、ポンプ200は、心臓補助のために大動脈204内への血流を増大させるように構成されている。一定の事例において、ポンプ200は、主本体208の中に一体化され得る。これらの事例においては、主本体208にはアクセス部位210が欠落していてよく、ポンプ200は、大動脈204内部で血流を増大させることができる。
更に、分岐部材100は、大動脈の内部で大動脈弁208に隣接してか又は大動脈弁208を横断してあるいは弁206の弁尖の間に配置されるように構成されていてよい。分岐部材100は、利用中の逆流又は漏出を回避するべく大動脈弁208が分岐部材100の周りで閉じるように構成されていてよく、ポンプ200は、大動脈204の内部で血流を増大させることができる。一定の事例において、分岐部材100は、分岐部材100の端部から延在するカニューレ624を含み、このカニューレ624は大動脈弁208の内部に配設されている。
図7は、いくつかの実施形態に係る、心臓補助用の植込み可能な医療デバイスのための例示的送達システムの図版である。送達システムは、経心尖アクセス及び経大腿アクセス部位の両方を使用して示されており、こうして、経舌尖及び経大腿のそれぞれのアクセス部位から、身体の外側からの送達システムの少なくとも2つの部分又は部材の操作を通して分岐部材を伴う植込み可能な医療デバイスの心臓の内側での送達が可能になっている。以下で更に詳しく論述されるように、本開示の送達システムは、経カテーテルベースのものであり、従来の心臓補助デバイスでは必要となり得る直視下心臓手術を回避するものである。
送達システムは例えば、大動脈の上行部分の中に設置するため主本体208などの植込み可能な医療デバイスを展開するために使用可能である。図10に示されているように、経心尖アクセス部位を通って、心臓1100の左心室1010内にガイドワイヤ1206を挿入することができる。ガイドワイヤ1206は、大動脈弁1012、大動脈1014、一方の脚の大腿動脈を通り、経大腿アクセス部位(図示せず)を介して身体の外に引回しされ得、結果として、ガイドワイヤ1206の相対する末端部1205、1207がそれぞれの経心尖及び経大腿アクセス部位1102、1104から身体の外側に延在する「ボディフロス」又は「スルー・エンド・スルー」アクセス構成がもたらされる。
概して1300で標示されている第1のカテーテルが、先端部1306及び反対側の終端部1322を含む。第1のカテーテル1300は、ガイドワイヤ管腔1310を有し、この管腔を通って、ガイドワイヤ1206を引回しすることができる。ガイドワイヤ1206の第1の端部1205を、第1のカテーテル1300の先端部1306でガイドワイヤ管腔1310内に挿入することができる。第1のカテーテル1300の先端部1306は、第1の導入器シース1202を介して経心尖アクセス部位1102を通って脈管構造内に送り込まれ得る。その後第1のカテーテル1300を、先端部1306が経大腿アクセス部位(図示せず)から退出するまで、1302で標示されている方向にガイドワイヤ1206に沿って押すことができる。第1のカテーテル1300の終端部1322は、身体の外側にとどまり、第1の導入器シース1202を介して第1のアクセス部位1102から延在する。この構成において、カテーテル1300は、身体の外側から第1のカテーテル1300の先端部1306及び終端部1322を押すか引張ることによって操作可能である。
概して1400で標示されている第2のカテーテルが、先端部1406及び反対側の終端部1422を含む。第2のカテーテル1400は、中にガイドワイヤ1206を収容するためのガイドワイヤ管腔1410を有する。ガイドワイヤ1206の第2の端部1207を、第2のカテーテル1400の先端部1406でガイドワイヤ管腔1410内に挿入することができる。第2のカテーテル1400を、先端部306、306が係合するまで、ガイドワイヤ1206に沿って押すことができる。ガイドワイヤ1206と共に示されているものの、カテーテル1300、1400は、一定の事例においてはガイドワイヤ1206の内部で使用されてもよい。
第1及び第2のカテーテル1300、1400の先端部1306、1406は、互いに噛合して係合又は結合するために構成され得る。更に、先端部1306、1406は、互いに対し解除可能な形で結合するために構成され得る。第1及び第2のカテーテル1300、1400の先端部1306、1406は、体外で又はin situで互いに結合され得る。先端部1306、1406がひとたび結合されると、第1及び第2のカテーテル1300、1400の終端部1322、1422は、それぞれの経心尖アクセス部位1102及び経大腿アクセス部位1104から身体の外側でアクセス可能であり、治療部位に植込み可能な医療デバイスの主本体部分208を軸方向にかつ回転可能な形で位置付けするべく押すこと、引張ることそして回転させることが可能である。
主本体部分208は、解除可能な形で維持されるか又は図7に示されているようなフィルム拘束用スリーブ、拘束用テザー又は格子、格納可能なシースなどの任意の好適な拘束用手段により管腔内送達のための送達構成に向けて半径方向に圧縮され得る。任意には、1つ以上の拘束用手段又は拘束用手段の組合せを、完全展開に導く1つ以上の中間拡張状態を通した段階的拡張を可能にするように構成することができる。分岐部材100(図示せず)は、同様の形で拘束され得る。
大動脈に沿って又は心臓において又は心臓内でのデバイスの展開と関連して大動脈に沿った主要分岐動脈の1つを通って大動脈まで第3のアクセスポイントを通って、他の手術器具を送達することができる。例えば、分岐動脈1016、1018、1020に進入する血液を濾過するためにフィルタを展開することができる。
カテーテル1300、1400は、更に、経中隔穿孔を伴う大腿静脈から又は心臓の心尖から(経心尖穿孔及び僧帽弁を通って上へ大動脈を通って)又は心室側でも、主本体208及び分岐部材100を送達することができる。一定の事例において、主本体208は、大腿動脈を通る送達であり、分岐は、大腿動脈又は静脈からの送達である。
大動脈1014を横断し心房又は心室内への分岐部材100の送達においては、カテーテル1300、1400の一方又は両方が、大動脈1014及び心房又は心室の組織壁内にアクセス部位を創出する穿孔用デバイスを含み得る。更に、カテーテル1300、1400の一方又は両方は、アクセス部位が創出されるとき及びその後で組織に対して押圧される送達シース(以上で指摘した通り)を含み得る。カテーテル1300、1400の送達シース内の磁石又は他の結合用部材が、分岐部材100の展開のために共に付着し得る。
カテーテル1300、1400は、大動脈1014内で主本体208をそして大動脈1014を横断して心房又は心室の中へと分岐部材100を展開するために使用され得る。より具体的には、第1のカテーテル1300は主本体208を、第2のカテーテル1400は分岐部材100を、展開することができる。他の事例においては、経中隔アプローチではカテーテル1300、1400の一方を使用し(心房中隔を横断して左心房内へ)、そして大腿アプローチを用いてカテーテル1300、1400の他方を使用することによって、主本体208は大動脈1014内で展開させられ、分岐部材100は大動脈1014を横断して心房又は心室内へと展開させられ得る。
図8Aは、いくつかの実施形態に係る分岐部材の図版である。図8Bは、いくつかの実施形態に係るポンプの図版である。図8Cは、ライン8A-8Aに沿って切り取られた、図8C内に示された分岐部材の断面図である。図8Dは、ライン8B-8Bに沿って切り取られた、図8Bに示されたポンプの断面図である。
ここで図8Aを参照すると、分岐部材100は概して、外部104及び内部106を画定するステント本体102を含む。ステント本体102は、概して、円筒形状であり、それが内部で展開させられ拡張させられる脈管構造と適合する輪郭をとるように構成され得る。いくつかの実施例において、ステント本体102は、複数の相互連結された支柱要素108又は螺旋卷回の支柱要素108によって画定されている。
例えば、図8Bに示されているように、分岐部材100の少なくとも一部分の内部に配設されるか又は分岐部材100から延在するポンプ200は、概して、ポンプハウジング840及びポンプ駆動要素212を含む。ポンプハウジング840は概して、外部846と内部844を画定する。ポンプハウジング840の外部846は、ポンプ200を分岐部材100と結合できるような形で、分岐部材100の内部106と係合しそれとインタフェースするように構成されている。ポンプハウジング840の内部844は、ポンプ駆動要素212がポンプハウジング840との関係において移動して血液をポンプ200内で流動させることができるような形でポンプ駆動要素212を収納又は収容するように構成されている。いくつかの実施例においては、血液が、ポンプ駆動要素212とポンプハウジング840の間に画定された環状空間848の内部でポンプ200を通って進むが、他のポンプ構成も企図されており、ポンプハウジングが分岐部材100とインタフェースし係合するように構成され得ることを条件として、本開示の範囲内に入る。したがって、図8Bに示されたポンプ駆動要素212は、中央シャフトの周りに延在するらせんフランジを有するウォーム駆動機構(例えばインペラ構成)を含んでいるものの、本出願は、このような構成に限定されるものと理解されるべきではなく、代って、他のポンプ駆動機構成で作用可能であるものとして理解されなくてはならない。
上述のように、さまざまな実施形態において、ポンプ200は、分岐部材100の内部に収容可能である。図8C及び8Dに示されているように、ポンプ200及び分岐部材100の各々は、分岐部材100とポンプ200の結合を容易にする相補的特徴部を含む。
図8Cに示されているように、分岐部材100は、複数のポンプ位置設定用特徴部108a、108b及び108cを含む。この例示された実施例において、ポンプ位置設定用特徴部108a~108cは、分岐部材100の長手方向軸に沿って長手方向に延在するチャネル又は陥凹である。いくつかの実施例において、ポンプ位置設定用特徴部108a~108cは、分岐部材100の長手方向軸に対し平行に延在する。いくつかの実施例において、ポンプ位置設定用特徴部108a~108cの1つ以上は、分岐部材100の全長より短い長さに沿って延在する。すなわち、いくつかの実施例において、ポンプ位置設定用特徴部108a~108cは、分岐部材100の第1の端部112と第2の端部114の間で部分的にのみ延在する。いくつかのこのような実施例において、ポンプ位置設定用特徴部108a~108cの1つ以上が、第1及び第2の端部112及び114の間の場所で終結する。ポンプ位置設定用特徴部108a~108cの1つ以上のチャネル又は陥凹のこの終結は、ポンプ200のポンプハウジング840が接触して存在し得る当接部として作用する。
以下で更に説明するように、このような構成によって、ポンプ200のポンプハウジング840は、一方向でのみ分岐部材100内に挿入され分岐部材100から取外しされ得る。例えばポンプ200が、分岐部材100内に挿入されたとき、ポンプハウジング840がポンプ位置設定用特徴部108a~108cの1つ以上のチャネル又は陥凹の終結点と係合するまで、ポンプ200を分岐部材100に沿って長手方向に前進させることができる。その上、分岐部材100から取外される場合、ポンプ200は、ポンプ200が分岐部材100に結合された時点で前進させられた方向とは反対の方向にのみ引抜かれ得る。このように分岐部材100内部でポンプ200をしっかり固定(secure)することは、ポンプ200が分岐部材100を通って引出されるのを防ぐように作用する。
上述のように、ポンプハウジング840は概して、分岐部材100のポンプ位置設定用特徴部108a~108cと相補的である1つ以上の特徴部を含む。ここで図8Dを参照すると、ポンプハウジング840は、複数のステント係合要素216a、216b及び216cを含むものとして示されている。図示されている通り、ステント係合要素216a~216cは、ポンプハウジング840の外部から突出する特徴部である。ステント係合要素216a~216bは、ポンプハウジング840の外部846に沿って長手方向に、例えばポンプハウジング840の長手方向軸に対して平行に延在する。いくつかの実施例において、ステント係合要素216a~216cは、ポンプハウジング840の第1の端部218と第2の端部220の間に延在する。いくつかの実施例において、ステント係合要素216a~216cの1つ以上は、ポンプハウジング840の第1及び第2の端部218及び220の1つ以上を超えて(又は代替的にはその手前まで)延在し得る。ステント係合要素216a~216cは概して、形状、サイズ及び場所及び配向に関してポンプ位置設定用特徴部108a~108cと相補的であり、こうしてステント係合要素216a~216cは、ポンプ位置設定用特徴部108a~108cの内部に収容され得るようになっている。
図8C及び8Dに示されているように、ステント係合要素216a~216bは、蟻ほぞ特徴部として形成され、一方ポンプ位置設定用特徴部108a~108cは、相補的な蟻穴特徴部として形成される。更にステント係合要素216a~216cは、ポンプハウジング840の外部846の周りで周方向に均等に分布しているものとして示され、一方ポンプ位置設定用特徴部108a~108cは、分岐部材100の内部106の周りで同様に周方向に均等に分布している。
ステント係合要素216a~216cとポンプ位置設定用特徴部108a~108cの間の相互作用は、分岐部材100の内部でのポンプ200の位置設定を助けるように機能する。例えば、ステント係合要素216a~216cとポンプ位置設定用特徴部108a~108c(これらの組合せは本明細書において整列特徴部と呼ばれる)の間の係合は、分岐部材100との関係において長手方向にポンプ200を整列させる一助となる。同様にして、ステント係合要素216a~216cとポンプ位置設定用特徴部108a~108cの間の係合は、ポンプ200を分岐部材100と同軸に整列させる一助となる。
更に、さまざまな実施例において、この相互作用は更に、システム1000の動作中に分岐部材100との関係におけるポンプハウジング840の縦揺れ/偏揺れ/横揺れ(例えば分岐部材100の長手方向軸との関係における回転)を防止するようにも作用し、これは、ポンプ200が、ポンプ200を横断して血流を駆動するべく動作できるようにするために必要な拘束を提供する(例えば、ポンプ駆動要素212は、ポンプハウジング840が同様に回転することなく、ポンプハウジング840との関係において回転でき、あるいは回転させられ得る)。
さまざまな実施例において、ポンプ200が分岐部材100の内部で適切に整列され据え付けられた状態で、ポンプハウジング840及び分岐部材100はその間にシールを形成し、こうして、ポンプハウジング840と分岐部材100の間に血液が流れることはできなくなっている。いくつかの実施例において、ポンプハウジング840は、分岐部材100の内部で懸垂されており、したがって、血液はポンプ駆動要素842を通って/を横断して、又はポンプハウジング840の周りを流れることができる。このような構成は、ポンプの故障の場合にポンプの周りの血流を可能にし、更に、冠動脈の溶血及び灌流に関して有利な血行動態を提供する。いくつかの実施例においては、バイパス血流(例えばポンプ200の周りの血流を、分岐部材100自体によって促すことができる。例えば、いくつかの実施例において、分岐部材100は、ポンプ200がオープンセルステント分岐部材の内部に位置付けされるか又はそれによって懸垂されているオープンセルステント構造を含むことができ、これにより、血液は、(例えばステント分岐部材のオープンセルを通って、ポンプ200を通りポンプ200の周りを流れることができる。
更に、図8C及び8Dに示されている分岐部材100及びポンプ200は、蟻継ぎ形状をした相補的整列特徴部を含んでいるものの、このような特徴部のさまざまな他のサイズ及び形状が想定されており、本開示の精神又は範囲から逸脱することなく実装可能である、ということも認識すべきである。例えば、蟻継ぎ幾何形状を、非限定的に三角形、正方形及び多角形を含めたさまざまな代替的幾何形状の1つ以上と置換することが可能である。更に、図8C及び8Dは、3つの均等に分布した(例えば互いから120度離れて位置付けされた)整列特徴部(例えばステント係合要素216a~216c及びポンプ位置設定用特徴部108a~108c)を示しているが、1つ又は2つという少数のこのような整列特徴部を使用することができ、あるいは3つより多いこのような整列特徴部を使用することもできる。更に、2つ以上の整列特徴部が使用される場合、このような整列特徴部は、分岐部材100の内部/外部及びポンプハウジング840の周りに均等に分布している必要はない。
更に、図8C及び8Dに示された整列特徴部は分岐部材100及びポンプハウジング840に沿って長手方向に延在しているものの、代替的には、整列特徴部を螺旋パターンで配設することができるということも認識すべきである。このような代替的構成において、ポンプ200は、ポンプ200及び分岐部材100の螺旋整列特徴部を互いに整列させ次にポンプ200及び分岐部材100を、例えば分岐部材100の長手方向軸を中心として互いとの関係において回転させることによって、分岐部材100と結合可能である。
同様に、図8C及び8Dに示されている分岐部材100及びポンプ200は、整列特徴部が分岐部材100の内部106に沿ったチャネル又は陥凹としてかつポンプハウジング840の外部846から突出している状態で示されているものの、いくつかの他の実施例においては、整列特徴部は、分岐部材100の内部106から突出しポンプハウジング840の外部846に沿った陥凹又はチャネルとして形成され得るということも認識すべきである。代替的には、分岐部材100及びポンプハウジング840は各々、そこから突出する整列特徴部及びその内部の陥凹又はチャネルとして形成される整列特徴部の組合せを含むことができる。
図9は、本明細書中で開示されているシステムのさまざまな構成要素(例えば分岐部材100、ポンプ200、保定要素300及びドライブライン400)のためのさまざまな追加の構成を示す。例えば、いくつかの実施例において、分岐部材100は、図示されているように、半径方向内向きに突き出し、分岐部材100の内部でポンプ200とインタフェースしこのポンプを支持するように構成されている1つ以上の支持構成要素(例えば構成要素「a」及び「b」)を含むことができる。いくつかの実施例において、ポンプ200は、分岐部材100の支持構成要素「a」及び「b」と相補的であり、それらと係合して分岐部材100にポンプ200を結合する1つ以上の特徴部を含み、こうしてポンプ200が分岐部材100の内部(例えば分岐部材100の内部が画定する管腔の内部)で懸垂されるようになっていてよい。図示されている通り、ポンプ200は、分岐部材100と同軸的に整列され、ここでポンプ200の外部は分岐部材100の内部からオフセットされて、分岐部材100の内部とポンプ200の間に環状の隙間が画定されるようになっている。さまざまな実施例において、血液は、(例えばポンプ200を通る血流と併せて又はその代替として)このような環状隙間を通って流れるように作用可能である。
図10は、いくつかの実施形態に係る、フランジ520a、520bを伴う例示的分岐部材100の図版である。分岐部材100は、以上で詳述した通り大動脈及び心房又は心室などの組織構造又は空間の間の流体連結を創出する。図示されているように、分岐部材100はフランジ520a、520bを含む。フランジ520a、520bは、組織構造の内部又は以上で論述した植込み可能な医療デバイスの主本体208の内部で分岐部材100を封止するために配設されていてよい。分岐部材100が、図示されている2つのフランジ520a、520bを含んでいる事例においては、主本体208は開窓部(植込みの後か又は植込みに先立って創出されたもの)を含む。
分岐部材100は、分岐部材100の第1の端部からデバイス40の第2の端部まで長手方向に延在する管腔46を含む。管腔46は、大動脈内に植込まれた主本体208と、心臓の内部腸内空間(例えば心房又は心室)との間の連結部(例えばシャント通路)として作用し、こうして主本体208は、吻合デバイスの分岐部材100を介して心房又は心室と流体連通状態にある。フランジ520bは、以上で詳述されているように組織壁522と接触するように構成されていてよい。管腔46の壁44は、ポンプ200と締り嵌めするようにサイズ決定され得る。
図11は、いくつかの実施形態に係る心臓補助用の別の植込み可能な医療デバイスの図版である。植込み可能な医療デバイスは、患者の大動脈204内、より詳細には患者の心臓202から通じる下行大動脈204の内部に植込まれた状態で示されている。患者の心臓202は、簡易図として表わされ、大動脈弁206、右心房(RA)、左心房(LA)、右心室(RV)及び左心室(LV)を含む。
一定の事例において、植込み可能な医療デバイスは大動脈204の内部で展開するように構成された主本体208を含む。主本体208は、大動脈204を通る流体流を維持する管腔を含む。更に、主本体208は更に、主本体208の管腔に対するアクセスを提供する主本体208に結合された門部をも含んでいる。植込み可能な医療デバイスは更に、主本体208の管腔と流体連結するために開窓部又は門部(それぞれ図2及び6に関連し以上で説明されている)の内部で展開するように構成された分岐部材100も含み得る。分岐部材100に結合された状態で示されているものの、一定の事例において、ポンプ200は主本体208内に一体化されるか又は他の形で主本体208と結合され得る。
以上で言及されているように、分岐部材100は、分岐部材100を通って主本体208の管腔内へと血液を搬送するように構成されたポンプ200を含むことができる。分岐部材100及びポンプ200は、システム1000に関連して以上で説明した構造的及び機能的構成要素を含み得る。更に、以上で指摘した通り、ポンプ200は、心臓補助のために大動脈204内への血流を増大させるように構成されている。
図11に示されているように、ポンプ200及び/又は分岐部材100は、心臓202の左心耳(LAA)の内部に配設され得る。分岐部材100は、LAAを退出して、下行大動脈204の内部に配設された主本体208に結合することができる。主本体208は、大動脈204の他の部分の内部に配設され得る。一定の事例において、ポンプ200及び分岐部材100は、LAAの内部にポンプ200及び分岐部材100をしっかりと固定し位置付けするための封止要素316又はフランジ(例えば図3Bに示されているもの)を含む。他の事例においては、ステント構造1120を分岐部材100及び/又はポンプ200に結合させることができる。
一定の事例においてかつ図示されているように、ステント構造1120はLAAの内部壁に接触することができる。図12に更に詳細に示されているように、ステント構造1120は、LAA内部でポンプ200及び/又は分岐部材100を安定化させることができる。ステント構造1120は、LAAの形状(例えばどんぐり形状又はテーパー形状を含む)に適合するように構成されてよい。更に、ステント構造1120は、ポンプ200及び/又は分岐部材100の周りでLAAを封止するために膜によって少なくとも部分的にカバーされていてよい。ステント構造1120は、中央アイレットを含み、これを通ってポンプ200及び/又は分岐部材100が配設されている。更に、膜を含み得るステント構造1120は、LAAを横断する血液乱流を減少させて、血栓形成の機会を最小限に抑える。ステント構造1120のためのいくつかの好適な設計に関するさらなる論述及び詳細については、左心耳医療デバイスについて論述している、Centerらに対する米国特許出願公開第2016/0331382号、Larsenらに対する米国特許第9,554,806号、及びCenterらに対する米国特許出願公開第2015/0005810号の参照を指示することができる。
一定の事例において、ポンプ200は、ポンプ200の動作を制御するように構成されたコントローラに結合されているドライブライン400に結合されてよい。図1に示されているように、ドライブライン400は、心臓202を通って右心房へそして大静脈を通って引回しされ得る。
一定の事例において、分岐部材100は、主本体208無しで大動脈204内部に直接配設される部分を含むことができる。一定の事例において、分岐部材100は、心臓の左心耳の内部で展開するように構成された第1の端部部分と大動脈204の内部で展開するように構成された第2の端部部分とを含む。分岐部材100は、以上で詳述した通り、分岐部材100の管腔を通って左心耳から大動脈204まで血流を移行させるためにポンプ200とインタフェースするように構成されている。分岐部材100は、大動脈の組織壁と係合するように構成されたフランジを含み得る(例えば、図5及び図10に示されている通り)。フランジは、分岐部材100と大動脈204の組織壁の間で流体密封の流体連通状態で組織壁と係合するように構成され得る。
一定の事例において、分岐部材100(又はポンプ200)は、(例えばフランジを用いて)大動脈204に吻口され得る。ポンプ200は、左心耳から血液を取込み、大動脈204内へ血液を放出するように構成され得る。分岐部材100が大動脈204に直接結合される場合、ポンプ200の流出は、分岐部材100を通して直接大動脈204に対して行われる。
図12は、いくつかの実施形態に係る、左心耳の内部に配設されステント構造1120を含む心臓補助用の別の植込み可能な医療デバイスの図版である。図示されているように、ポンプ200及び分岐部材100は、ステント構造1120を通って配設されている。ステント構造1120は、左心耳の口1222の近くに配設されている閉塞面を含み得る。更に、図示されているように、ステント構造1120は、フレーム構成要素1226及びフレーム構成要素をカバーする膜1224を含む。
図13は、いくつかの実施形態に係る、心臓補助用の例示的植込み可能な医療デバイスの図版である。システム1000は、図13に示されている心臓補助用の植込み可能な医療デバイスとして使用可能である。図13に示されているように、植込み可能な医療デバイスの主本体208部分が、患者の心臓202に通じる患者の大動脈204の内部に配設されている。患者の心臓202。
主本体208は、大動脈204を通る流体流を維持する管腔を含む。更に、主本体208は更に、主本体208の管腔に対するアクセスを提供する主本体208の側壁内のアクセス部位210をも含む。アクセス部位210は、主本体208の植込みの前又は後に創出された開窓部であり得る。更に、主本体208は、展開を容易にするためにアクセス部位210に隣接して近傍に配設されたX線不透過性マーカーを含み得る。更に、アクセス部位210は、腕頭動脈、鎖骨下動脈及び頸動脈から見て外方を向いているものとして展開され得る。主本体208は、湾曲を含むか又は湾曲の反対側にアクセス部位210が配設されている状態で大動脈の湾曲に適合し、したがって腕頭動脈、鎖骨下動脈及び頸動脈から見て外方を向いているものとして配設され得る。
植込み可能な医療デバイスは更に、アクセス部位210の内部で展開して主本体208の管腔と流体連結するように構成された分岐部材100を含むこともできる。以上で指摘したように、分岐部材100及び主本体208の結合を容易にするために、主本体208のアクセス部位210は、主本体208の管腔と流体連結する。主本体208内のアクセス部位210は、開窓部又は門部を含み得る。
図13に示されているように、分岐部材100は、心臓202の外部に配設される。一定の事例において、分岐部材100は患者の心臓202の周りに配設される。植込み可能な医療デバイスは更に、分岐部材100を通って主本体208の管腔の内部に血液を搬送するように構成された心臓202の内腔の内部に配設されたポンプ200をも含み得る。一定の事例においてポンプ200は、患者の心臓202の左心室の内部に配置され分岐部材100を通って主本体208の管腔内に血液を搬送するように構成されている。
主本体208にポンプ200を連結するための大動脈内での分岐部材100の植込みは、ポンプ200が心臓の1つ以上の内腔から大動脈204内に血液を強制して、心臓補助デバイスとして機能し得る。分岐部材100、主本体208及びポンプ200は、心臓が弱くなっているか又は心不全を起こしている患者のために心機能を補助するために使用され得る。更に、以上で指摘した通り、ポンプ200は、心臓補助のために大動脈204内への血流を増大させるように構成されていてよい。
分岐部材100を送達し、大動脈204とポンプ200を連結させるために、穿孔用デバイス(例えばアクセス部位210を通って配設されている)が、大動脈204の組織壁内に小さいアクセス部位を創出する。分岐部材100は、大動脈204の穿孔後にアクセス部位210の内部に配設され得る(その後これを封止することができる(例えば主本体208は、分岐部材100とアクセス部位210の間に重複部分を有することによって大動脈204の内部及びその外部で封止する)。分岐部材100は、例えば、大動脈204とポンプ200の間の可撓性及び相対的動きを可能にするステント及びグラフト構成要素(図1に関連して以上で指摘した通り)を含むことができる。
更に、分岐部材100及びポンプ200の組合せは心臓補助のために血流の直接的増加を提供する。分岐部材100及びポンプ200は、分岐部材100を通り主本体208の管腔内に、大動脈204を通る生来の血流に対して平行に血流を送達するように構成され得る。分岐部材100、主本体208及びポンプ200は、経カテーテル送達の送達構成まで圧壊され得る。大動脈204内に主本体208を配設させることによって、大動脈解離のリスクが軽減され、ポンプ200由来の流体流から大動脈壁が保護され、デバイスの展開のリスクを削減することができる。
主本体208及び分岐部材100及びポンプ200をこのように配設することで、追加の直視下心臓手術無しでポンプ200と大動脈204の連結が容易になる。主本体208及び分岐部材100及びポンプ200は、無縫合、経皮的かつ吻合式である。主本体208及び分岐部材100及びポンプ200は更に、血液を損傷するか又は血中たんぱく質を消費し得るせん断及び乱流を削減でき潜在的に心臓の背圧を低下させるインライン(又は並行)流を提供することもできる。主本体208及び分岐部材100及びポンプ200は更に、局所的にせん断によって誘発される損傷(例えば解離、内膜過形成)から大動脈を保護し、かつ/又は、心臓の動きを大動脈204の動きから切り離して、心浸食(エロージョン)又は引抜きのリスクを最小限に抑えながら生来の動きを可能にすることができる。一定の事例において、分岐部材100は、主本体208無しで大動脈204の内部に直接配設されてもよい。
図14は、いくつかの実施形態に係る、肺静脈内への植込みのための心臓補助用の例示的植込み可能な医療デバイスの図版である。植込み可能な医療デバイスは、ポンプ200であってよく、あるいは、他の事例においては、植込み可能な医療デバイスは、患者の血管の中への植込みのためにステント、グラフト又はステント-グラフトの組合せを含み得る主本体の内部で展開するポンプ200であってもよい。一定の事例において、植込み可能な医療デバイスは、肺静脈350の内部で展開するように構成されており、植込み可能な医療デバイスは、肺静脈350を通る流体流を維持する管腔を含む。一定の事例において、ポンプ200は、右心室補助を促すため、大静脈(下又は上)の内部に配設され得る。ポンプ200は、一定の事例においては、分岐部材100の内部に配設され得、大静脈の内部に配設され得る。他の事例においては、ポンプ200(分岐部材100を伴う又は伴わない)は、血流を容易にするため、下行大動脈又は胸部大動脈、又は末梢血管の内部に配設され得る。更に、ポンプ200(分岐部材100を伴う又は伴わない)は、身体の他の部域(例えば泌尿器、胆管部域)に設置された場合に血液以外の他の体液の流量を増大させ得る。
植込み可能な医療デバイスは更に、主本体の管腔を通して血液を搬送するように構成されている植込み可能な医療デバイスの主本体の内部に配設されたポンプ200も含むことができる。一定の事例において、ポンプ200は、左心房352内に血流を取込むように構成されている。更に、ポンプ200は、肺静脈350からの流量を増大させて心拍出量を増大させるように構成され得る。
一定の事例において、ポンプ200は、ポンプ200に動力供給するように構成されたドライブライン400を含む。ドライブライン400は、ポンプ200に結合され、肺静脈350から左心房352内へそして中隔を横断して心臓の右側から退出するように配設されてよい。一定の事例において、ドライブライン400は腸骨静脈を介して患者の体から退出する。ポンプ200は、それが肺静脈350内に植込まれた場合に心室の直接的充填を促すことができる。ポンプ200は肺静脈350の中に植込まれていることから、肺循環の増大を促し、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のリスクを減少させ、心拍出量を増大させ、静脈アクセスを用いて心臓補助デバイスを植込んで、これにより動脈アクセスに比べてアクセス部位の合併症を削減することができる。
一定の事例において、ポンプ200は、別の血管の内部で流れを容易にするために使用されてよい。ポンプ200を、血管-血管連通(例えば、経皮的瘻創出)のために植込むことができる。更に、ポンプ200は、患者の体内で血液及び治療薬剤を圧送するポンプ200を伴う薬剤送達タンクを含むか又はそれに結合され得る。他の事例においては、ポンプ200は、患者の体内で血液のサンプリングを行なうために使用されるセンサを含み得る。更に、センサは、血流を測定し監視のために医師に流量を標示するために、ポンプが組込まれていてよい。
図15は、いくつかの実施形態に係る、心臓補助用の例示的植込み可能な医療デバイスの図版である。図15に示されているように、ポンプ200が患者の大動脈204と患者の心臓202の間に配設されている。ポンプ200は、一定の事例において、左心房、右心房又は左心室の中に配設されている。ポンプ200は、心内腔から大動脈204内へと血流を強制するように構成されている。
心臓202及び大動脈204内でポンプ200を封止するために、ポンプの周り及び大動脈と心内腔の間に、生来組織の導管460。一定の事例において、生来組織の導管460は、大動脈204と心臓202の間に組織層を創出すること又は、この組織層を形成するための組織内殖によって形成され得る。ポンプ200は、組織内殖を促すように構成されポンプ200の外側表面の周りに配設された材料を含むことができる。一定の事例において、材料は、ダクロン及びePTFEの少なくとも一方を含む。
材料は、組織内殖足場を提供する微孔構造を有し得るグラフト又はカバリングであり得る。一定の事例において、カバリング構成要素は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)ポリマなどのフルオロポリマを含むことができる。いくつかの実施例において、カバリング構成要素は、膜質カバリングであり得る。いくつかの実施例において、カバリング構成要素はフィルムであり得る。カバリング構成要素は、共有結合したヘパリンで改質されるか又は、創傷治癒を促進するためにin situで放出される1つ以上の薬剤物質が含浸されていてよい。いくつかの事例において、薬剤は、コルチコステロイド、ヒト成長因子、抗有糸分裂薬、抗血栓薬又はデキサメタゾンリン酸ナトリウムであり得る。
生来組織の導管460が形成された後、ポンプ200を取外すことができる。一定の事例において、天然組織導管460は、天然組織導管460が形成された後、別の材料(例えば膜又はグラフト材料)で再ライニングされ得る。
図16Aは、いくつかの実施形態に係る、心臓弁としての植込みのための心臓補助用の例示的植込み可能な医療デバイスの上面図である。図16Bは、いくつかの実施形態に係る、心臓弁として配設された図16A中に示された例示的植込み可能な医療デバイスの図版である。植込み可能な医療デバイスは、支持フレーム560を含む心臓弁デバイスである。複数の弁尖562a~cが支持フレーム560に結合される。複数の弁尖562a~cは、開放してその中を通る順行流を可能にし、支持フレーム560を閉塞して逆行流を防止するように構成されている。支持フレーム560と共にポンプ200が配設されていてよい。ポンプ200は、支持フレーム560を通して血液を強制するように構成され得る。
一定の事例において、図16Bに示されているように、複数の弁尖562a~cは、支持フレーム560の内部に配設されたポンプ200の周りに接合するように構成されている。ポンプ200は、弁尖562a~cがポンプ200上に閉じている状態で、支持フレーム560の内部で中央に配設され得る。人工弁(支持フレーム560及び弁尖562a~c)及びポンプ200は、経カテーテル送達のために構成され得る。一定の事例において、人工弁は、患者の大動脈弁に置換するように構成され、他の事例において、人工弁は患者の僧帽弁に置換するように構成されている。
一定の事例においては、支持フレーム560の流出端部上にフィルタ564を配設することができる。より具体的には、フィルタ564は、ポンプ200の流出端部に配設され得る。フィルタ564は、支持フレーム560を通過する塞栓に対する保護を容易にする。
カテーテルを介して支持フレーム560及びポンプ200を送達する方法は、送達カテーテルの遠位端部で送達カテーテル上又はその内部に拘束された圧壊状態の拡張可能な支持フレーム560を有する送達カテーテルを提供すること;導入器シースを通って弁輪内へと送達カテーテルを移行させること;支持フレーム560が弁輪の内部で適切に位置付けされ配向されるように送達カテーテルの遠位端部を位置付けすること;及び弁輪において支持フレーム560をそれと接触するように拡張させること、を含むことができる。
図17は、いくつかの実施形態に係る、心臓補助用の例示的植込み可能な医療デバイス600の図版である。システム1000が、図17に示された心臓補助用の植込み可能な医療デバイス600の一部分を形成し得る。例えば、植込み可能な医療デバイス600は、患者の心臓から通じる患者の大動脈の内部で展開されるように構成された主本体208部分を含む。植込み可能な医療デバイス600は更に、主本体208から延在し、心臓の内腔の内部で展開して大動脈と心臓の内腔とを流体連結するように構成された分岐部材100をも含み得る。一定の事例において、分岐部材100は主本体208と一体である。分岐部材100は、主本体208の端部部分から延在していてよく(図17に示されている通り)、あるいは分岐部材100は、主本体208から周方向に延在していてもよい。
分岐部材100は主本体208と一体であるか又は主本体208の一部分を形成していることから、同じ展開場所、方向から、又は同じカテーテルデバイスを使用して、主本体208及び分岐部材100の展開を促すことができる。一定の事例において、主本体208は、大腿動脈を介して大動脈内へと、大動脈の内部で配設され得る。主本体208を展開させた後、同じ大腿アクセスを介して大動脈及び心臓の内腔(心房又は心室)の中で穿孔を行なうことができる。一定の事例において、主本体208を展開するために使用されるガイドワイヤを用いて、大動脈及び心臓の内腔内で組織を穿孔することができる。大動脈及び心臓の内腔の穿孔の直後に、分岐部材100は、大動脈及び心臓の内腔を横断することができる。一定の事例において、分岐部材100の穿孔及び送達を同じアクションで(例えば同じガイドワイヤを用いて)行なうことができる。したがって、即時の順序で分岐部材100を展開することによって、漏出を最小限に抑えることができる。更に、展開及び穿孔は、唯一の送達ハンドル/システムを用いて行なうことができる。
植込み可能な医療デバイス600は、更にポンプ200(図示せず)も含み得る。以上で詳細に論述した通り、ポンプ200は分岐部材100の内部に配設され、分岐部材100を通って心臓の内腔から主本体208の管腔内へと血流を強制するように構成され得る。ポンプ200を展開するためには、ポンプ200を、下大静脈(IVC)を通って、心臓の中隔を横断して配設し、分岐部材100と共に展開することができる。
主本体208及び分岐部材100は、ステント、グラフト又はステント及びグラフト構成要素を含むことができる。更に、分岐部材100は、主本体208との関係において内向き及び外向きに自在に伸縮するように構成され得る。一定の事例において、分岐部材100は、分岐部材100の長さを改変するように圧壊し伸びることができる。
図18は、いくつかの実施形態に係る、例示的分岐部材100の図版である。以上で指摘した通り、分岐部材100は、分岐部材100を通って主本体内へと血流を移行させるためにポンプ(図示せず)とインタフェースするように構成されてよい。他の事例においては、分岐部材100は、人工弁内で使用される支持フレームであり得る(例えば図16A~Bに示されている通り)。分岐部材100(又は支持フレーム)は、標的の場所に送達され、分岐部材100が送達されて患者の体内で展開させられた後にポンプに対し取外し可能な形で結合し得る(例えば、植込み可能な医療デバイスの分岐部材)。
一定の事例において、分岐部材100(又は支持フレーム)は、分岐部材の内部にポンプを定着させるように構成されていてよい。図18に示されているように、例えば、分岐部材100(又は支持フレーム)は、分岐部材100(又は支持フレーム)とポンプを定着させるように構成されている取付けメカニズム702を含み得る。一定の事例において、分岐部材100(又は支持フレーム)及びポンプの各々が、分岐部材100内部にポンプを定着させるための相補的取付けメカニズム702、704を含むことができる。取付けメカニズム702又は相補的取付けメカニズム702、704に加えて及びその代替として、分岐部材100(又は支持フレーム)は、分岐部材100の内部にポンプを定着させるためにポンプと摩擦係合するように構成され得る。
図19Aは、いくつかの実施形態に係る、第1の構成でのポンプ200及びヒンジ構造302の図版である。ヒンジ構造302は、ポンプ200用のアンカ要素であり得る。一定の事例において、ヒンジ構造302は、ポンプ200の一部分を連接しポンプ200を図19Bに示されている角度付き構成に維持するように構成されている。ヒンジ構造302は、ポンプ200の構成を改変するために力が加えられた後、ポンプ200を一定の角度に維持することができる。
一定の事例において、ポンプ200は、管状部分304を含み、ヒンジ構造302は、管状部分304の内部又は周りで円周方向に配設される。更に、ポンプ200は、管状部分304の長さに沿って異なる位置に配設された多数のヒンジ構造302を有することができる。多数のヒンジ構造302は、異なる角度での管状部分304の屈曲を容易にし、かつ/又は管状部分304の長さに沿って異なる部分における屈曲を開始させることができる。ヒンジ構造302における屈曲は、ポンプ200と分岐部材100の間の固定を創出する。
ヒンジ構造302は、加えられる力に応答して管状部分304を角度付き構成に維持するように構成された複数の個別リングを含むことができる。一定の事例において、ヒンジ構造302の個別リングは金属製ステント様の構造であってよい。更に、ヒンジ構造302は更に、管状部分304の波形部分によって形成されてもよい。管状部分304は、図1に関連して上述したモータ及びインペラと共に、ステント、ステント-グラフト又はグラフトを含み得る。一定の事例において、管状部分304の波形部分は、グラフト材料で形成されていてよい。更に、図1に関連して以上で指摘されているように、ポンプ200は、ポンプ200を駆動するコントローラに結合するように構成されたドライブラインを含むことができる。
ポンプ200は、カテーテルによって、分岐部材100内に送達され得る。カテーテルを偏向させて、ヒンジ構造302を一定の角度に曲げることができる。ポンプ200を取外さなければならない事例では、カテーテルを分岐部材100まで引回しすることができ、ヒンジ構造302を連接解除することができる。ヒンジ構造302は、主本体グラフトの門部又は開窓部内に配設された分岐部材100と係合し得る。更に、ヒンジ構造302は、形状記憶材料(例えばニチノール)を含み、したがってヒンジ構造302は送達中実質的に線形構成(例えば図19Aに示されている通り)へと形状が設定されているもののエルボ又は角度付き構成(図19Bに示されている通り)に形状セットされるようになっている。これらの事例においては、ヒンジ構造302は、送達後角度付き構成へと展開し、分岐部材100と係合することになる。
図20は、いくつかの実施形態に係る、例示的ポンプ200及びアンカ要素406の図版である。図4に示されているように、アンカ要素406は、ポンプ200の外部表面上に配設されている。アンカ要素406は、拡張して分岐部材の内部表面と係合するように構成されていてよい。
一定の事例において、アンカ要素406は、拡張して分岐部材の内部表面と係合するように構成された拡張可能なバルーン408である。拡張可能なバルーン408は、導管412を経由して膨張/収縮ポンプ410に結合され得る。膨張/収縮ポンプ410は、患者の体内又は体外に配設され得、導管412は、ドライブラインと同様に引回しされ得る。一定の事例において、拡張可能なバルーン408を、ポンプ200の周りで周方向に配設することができる。
一定の事例において、アンカ要素406は、ポンプ200の外部表面上に配設されたばね414であるか、又はばね414を含んでいる。アンカ要素406は、更に、膨張に応答してばね414を圧壊するように構成された拡張可能なバルーン408を含むことができる。一定の事例において、拡張可能なバルーン408は、収縮させられて、ばねを圧壊させポンプ200と分岐部材の間の空隙を閉じることができる。
いずれの事例においても、拡張可能なバルーン408は、膨張及び収縮させられてポンプ200を位置付けし直すことができる。更に、拡張可能なバルーン408は、ポンプ200と分岐部材の間に締り嵌めを創出する。拡張可能なバルーン408には、液体(例えば生理食塩水、造影剤)又は空気を充填することができる。更に、拡張可能なバルーン408は、ポンプ200が分岐部材100の内部に恒久的に植込まれた場合に凝固する硬化用流体で裏込めされ得る。硬化用流体は同様溶解可能であってもよく、こうしてポンプ200は分岐部材100の内部で恒久的に植込まれなくなる。
図21は、いくつかの実施形態に係る、別の例示的ポンプ200及びアンカ要素406の図版である。図21に示されているように、アンカ要素406はポンプ200の端部部分516に配設される。更に、アンカ要素406は、ポンプ200の端部部分516から半径方向に延在する複数のフランジ518を含む。
フランジ518は、ポンプ200の端部部分516から半径方向に延在する自己拡張性材料(例えばニチノール)を含むことができる。ポンプ200は、送達シースの内部に配設され得、フランジ518は、ポンプ200が送達シースから外に配設された後に伸びることができる。一定の事例において、ポンプ200は、フランジ518が主グラフト無しで大動脈の内部で展開している状態で、大動脈と心房又は心室の間に直接配設され得る。これらの事例において、フランジ518は、組織の内殖を促すように構成され得る。
図22は、いくつかの実施形態に係る、例示的分岐部材100、ポンプ200、アンカ要素406及び受け構造620の図版である。図22に示されているように、ポンプ200は、分岐部材100の内部に配設され、分岐部材100と係合させられている。ポンプ200は、ポンプ200の外部表面に沿ってアンカ要素406を含み、分岐部材100は、分岐部材100の内部表面に沿って受け構造620を含む。アンカ要素406は、受け構造620と係合してポンプを分岐部材の内部に取外し可能な形で固定するように構成されている。一定の事例において、アンカ要素406はステント622であり、受け構造620は、ステント622を格納してポンプ200を分岐部材100の内部に取外し可能な形で固定するように構成されている。
一定の事例において、ステント622は、ポンプ200が送達シースから外に配設された後自己拡張する。更に、ステント622は、分岐部材100内へのポンプ200の運動が受け構造620の摩擦を克服し受け構造620の内部で入れ子になるように弾性を有し得る。受け構造620は、外向きに作り出されステント622の入れ子部域を創出する端部部分640、642を含み得る。
図示されている通り、ステント622及び受け構造620の各々が1つより多く存在する。一定の事例において、ステント622及び受け構造620は、それぞれポンプ200及び分岐部材100の外周の周りの個別要素であり得る。ステント622及び受け構造620は、各々1個、2個、3個、4個、5個又はそれ以上という数を含めて、任意の数で存在し得る。受け構造620の数とステント622の数は、等しくなくてもよい。一定の事例においては、ステント622の合体を容易にするため、より多くの受け構造620が存在してもよい。他の事例においては、ステント622及び受け構造620の一方又は両方が個別の要素であり、ステント622及び受け構造620の他方が連続したものであり得る。一定の事例においては、ステント622及び受け構造620の両方が連続したものである。更に、ステント622は、分岐部材100の内部表面上に配設されてよく、受け構造620はポンプ200の外部表面上に配設され得る。
ステント622は、ばね様であり得、分岐部材100からのポンプ200の取外しを容易にすることができる。ポンプ200は、分岐部材100からポンプ200を取外す上でスネアするか又は握ることのできる係合特徴部628を含み得る。係合特徴部628を把握した又は握った後、ポンプ200を引抜くことができ、ステント622の弾性は一時的にポンプ200に対して圧壊して、受け構造620を通過することができる。
図23は、いくつかの実施形態に係る、別の例示的分岐部材100、ポンプ200、アンカ要素及び受け構造の図版である。一定の事例において、アンカ要素は、突起406であり、受け構造は、分岐部材100の内部にポンプ200を取外し可能な形で固定し得る突起406を格納するように構成された成形ノッチ620である。図示されているように、突起406は、ポンプ200に配設され得、成形ノッチ620は分岐部材100に配設され得、あるいは突起406が分岐部材100に配設され、ノッチ620がポンプ200に配設されていてもよい。
成形ノッチ620は、分岐部材100とポンプ200の間のトルク係止を促すj字形フックであってよい。突起406は、分岐部材100とポンプ200を共に解除可能な形で係止するべく、成形ノッチ620の内部に配設され得る。
一定の事例において、ポンプ200は、アンカ要素406とノッチ620の間の係合を促すように構成されている。図1に関連して以上で指摘したように、ポンプ200は、コントローラに結合される。コントローラは、異なるトルク、速度、毎分回転数(RPM)、治療スケジュール又はポンプ200についての他のパラメータのための選択肢を含み得る。当初分岐部材100の内部に配設されている場合、突起406を成形ノッチ620と係止係合状態へと駆動するために突起406と成形ノッチ620の間の摩擦を克服するトルク、速度又はRPMを選択することができる。一定の事例において、トルク、速度又はRPMは、突起406を成形ノッチ620との係止係合状態へと駆動するために突起406と成形ノッチ620の間の摩擦を克服することを目的として、動作トルク、速度又はRPMよりも高いものであってよい。
図24は、いくつかの実施形態に係る、別の分岐部材100、ポンプ200、アンカ要素及び受け構造の図版である。一定の事例において、アンカ要素は第1のねじ付き部材406であり、受け構造は第2のねじ付き部材620である。第1のねじ付き部材406及び第2のねじ付き部材620は、対面してねじが付いていてよい。更に、第1のねじ付き部材406と第2のねじ付き部材620は、分岐部材100の内部でポンプ200を取外し可能な形で固定するべく係合するように構成されている。他の事例において、アンカ要素及び受け構造は、ねじ付き特徴部の代りに磁気式特徴部であり得る。第1のねじ付き部材406及び第2のねじ付き部材620は、ポリマ製、バルーン拡張可能、又は自己拡張型であり得る。
一定の事例において、ポンプ200は、第1のねじ付き部材406と第2のねじ付き部材620の間の係合を促すように構成されている。図1に関連して以上で指摘した通り、ポンプ200は、コントローラに結合されている。コントローラは、ポンプ200についての異なるトルク、速度及び毎分回転数(RPM)のための選択肢を含み得る。当初分岐部材100の内部に配設されている場合、第1のねじ付き部材406及び第2のねじ付き部材620のねじ山が係止係合状態へと駆動されるようにトルク、速度又はRPMを選択することができる。一定の事例において、トルク、速度又はRPMは、第1のねじ付き部材406と第2のねじ付き部材620を共に螺合させることを目的として、動作トルク、速度又はRPMよりも高いものであってよい。
一定の事例において、ポンプ200及び分岐部材100は、共に締り嵌めされ得る。アンカ要素406及び受け構造620は、分岐部材100とポンプ200を共に定着させるための分岐部材100及びポンプ200の長さに沿った一体構造であり得る。更に、アンカ要素406及び受け構造620は、摩擦又は締り嵌めを促すための拡張可能な要素であってよい。一定の事例において、アンカ要素406及び受け構造620は、ポンプ200が所定の場所に押し込まれた後に拡張する、分岐部材100及びポンプ200の一部分(例えばスリーブ、バルーン又は膨潤性材料)を代表するものである。
更に、一定の事例において、分岐部材100(又はポンプ200)は、分岐部材100の流出端部に弁922を含み得る。弁922は、ポンプ200が動作中でない場合、ポンプ200を通る背流を防止するために閉鎖し得る。弁922は、グラフト材料、フィルム又は金属(例えばニチノール、ステンレス鋼)又はそれらの組合せを含み得る。
図25は、いくつかの実施形態に係る、ポンプ200及び拡張可能な編組構造940の図版である。ポンプ200は、アクセス部位の内部で展開し、ポンプ200を通って主本体の管腔内へと血流を強制するように構成されている。ポンプ200は、主本体の内部にポンプ200を取外し可能な形で固定するように構成された拡張可能な編組構造940を含む。編組構造940は、大動脈204の内部に植込まれた主本体の内部で拡張するように構成されてよい。
編組構造940は、主本体の内部又は主本体無しで大動脈204の内部にポンプ200を固定させるように構成されている。編組構造940は、主本体の開窓部又は一部分の内部で拡張し得る。一定の事例において、編組構造940は、それが植込まれる大動脈204、血管、主本体又は門部よりも大きい直径まで拡張することができる。編組構造940は更に、一体化されたフィルタとして作用することもできる。一定の事例において、編組構造940は、膜を含み得る。
編組構造940は、張力に応答して編組構造940の圧壊を促すように構成されたスネアリング要素942を含み得る。スネアリング要素942は、リング又は他のスネア可能な構造を形成する編組構造940の終端端部によって形成され得る。他の事例において、スネアリング要素942は、編組構造940に結合されたループ又はボールであり得る。編組構造940に張力を加えると、編組構造940が圧壊されて、編組構造940の取外し及び設置が可能になる。
図26は、いくつかの実施形態に係る、フランジ520a、520を伴う例示的シャント270、及びシャント270を通って配設されたドライブライン400の図版である。図10に関連して以上で論述したフランジ520a、520bを伴う分岐部材100と同様、シャント270は、組織壁522と係合するように構成されている。組織壁522は、患者の心臓の中隔であるか、又は心臓壁の別の部分に沿ったものであり得る。一定の事例において、シャント270は、ドライブライン400のための管腔46を提供するように構成されている。
シャント270は、図26に示されているように、ドライブライン400が、一方の端部において以上で詳述したようにコントローラ500を横断してこれに連結し、他方の端部がポンプ200に連結されるように心臓の組織壁522に沿った場所に位置付けされ得る。一定の事例において、ポンプ200は、分岐部材100又は他のアンカシステムなどの重畳合体メカニズム無しで、心臓の別の部分(例えば、大動脈に連結している左心房)に位置設定されてよい。これらの事例では、シャント270は、ドライブライン400を定着させるために使用され得る。
一定の事例において、管腔46は、ドライブライン400の周囲に等しく又は実質的に等しくサイズ決定される。このようにして、管腔46を通して漏出が発生することはない。管腔46がドライブライン400の周囲に等しく又は実質的に等しくサイズ決定されていることから、例えば摩擦又は締り嵌めによって中に定着させることが可能となる。シャント270は、グラフト、支持構造(例えばステント)、又はそれらの組合せで形成され得る。一定の事例において、シャント270は、ドライブライン400の周りで堅く締めることのできるワイヤ又はフィルムのコイルであってよい。一定の事例において、ポンプ200は、以下で更に詳細に説明するように、シャント270に対して直接又は間接的に結合され得る。一定の事例において、ポンプ200をシャント270に対し直接又は間接的に結合することにより、間に流体連結を確立することができる。
一定の事例において、フランジ520a、520bは、これらのフランジ520a、520bを連結するバレル部分272を含み得る。フランジ520a、520b及びバレル部分272は、一定の事例においては均一な構造であり得、他の事例においては、フランジ520a、520b及びバレル部分272は、植込みに先立って共に付着させられるように結合された別個の構造であり得る。分岐部材100と同様、フランジ520a、520b及びバレル部分272は、ステント構成要素、グラフト構成要素又はステント及びグラフト構成要素の組合せを含むことができる。
図27は、いくつかの実施形態に係る、送達構成における心臓補助用の別の植込み可能な医療デバイスの図版である。図27に示されているように、ポンプ200が、送達のための圧壊構成に配設されている。ポンプ200は、以上で詳述した通り、1つ以上のフランジ520a、520bを含む(図解を容易にするため1つのフランジがポンプ200の一端部に示されている)。フランジ520aは、送達構成でポンプ200に向かって圧壊されている。一定の事例において、フランジ520は、圧壊構成においてロックワイヤ530又は類似のメカニズムにより保持される。図示されているように、ロックワイヤ530の端部部分580は、フランジ520aの周りに卷回されていてよい。フランジ520aは、ロックワイヤ530を引戻すことにより解除され得る。一定の事例において、フランジ520aは、ロックワイヤ530ではなくむしろ、又はロックワイヤ530に加えて、ノーズコーン590の内部に保持され得る。
送達中、ポンプ200及びフランジ520aが送達され、満足のいく位置付けが達成された(例えば分岐部材100の内部)時点で、ロックワイヤ530及び/又はノーズコーン590は解除される。
一定の事例において、ポンプ200及びフランジ520aは、フランジ520aがポンプ200を心房中隔の内部に定着させるような形で配設され得る。ポンプ200はこのとき、肺静脈を横断して配設され、静脈(及び/又は左心房)からポンプ200を通って血液を引込み、血流を増大させるように構成されていてよい。ポンプ200は、図14に関連して以上で更に詳しく説明されている通り、分岐部材100の内部及び肺静脈の内部に配設され得る。ポンプ200の反対側の端部(肺静脈の内部に定着させられていない側)が、同様に以上で詳述されているように、大動脈の中へと延在し得る。
図28は、いくつかの実施形態に係る、ポンプ200及び送達シース314の図版である。ポンプ200は、ポンプ200の外部表面から延在するアンカ要素406を含む。アンカ要素406は、図28に示されている通り、ポンプ200の周りに篏合するか又はポンプと一体化されているS字形フック要素である。アンカ要素406は、分岐部材100の内部でポンプ200に締り嵌め又は摩擦嵌めするように構成されていてよく、あるいは、分岐部材100は、以上で詳述した(例えば図22)受け構造を含んでいてよい。
一定の事例において、送達シース314は、ポンプ200が展開しかつ/又は分岐部材100から取外されることを可能にするため、ポンプ200に対してアンカ要素406を押圧するか又は押し潰すことができる。
一定の事例においては、ロックワイヤ530をポンプ200に配設しポンプ200に結合させることができる。ロックワイヤ530はドライブライン400に沿って延在し得る。ロックワイヤ530は、ドライブライン400の一部を成していてもよいし、又はドライブライン400と一体でもあり得、あるいはロックワイヤ530はドライブライン400の内部に配設されていてもよい。ロックワイヤ530は、ドライブライン400を介して又はドライブライン400とは別個に引戻されて、ポンプ200を取外すことができる。心臓補助デバイスの機能性を維持するために、ポンプ200を交換することができ、又は新しいポンプ200を設置し直すことができる。ロックワイヤ530を引張ることで、アンカ要素406は克服され、ポンプ200を分岐部材100から取外すことができる。
本明細書中で論述したグラフト構成要素又は膜構成要素のための生体適合性材料を使用することができる。一定の事例において、グラフトは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ポリマ又は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)ポリマなどのフルオロポリマを含んでいてよい。いくつかの事例において、グラフトは、ポリエステル、シリコーン、ウレタン、ポリエチレンテレフタレート又は別の生体適合性ポリマで形成され得る。いくつかの事例においては、生体再吸収性又は生体吸収性ポリマ又はそれらの組合せなどの生体再吸収性又は生体吸収性材料を使用することができる。いくつかの事例において、グラフトは、ダクロン、ポリオレフィン、カルボキシメチルセルロースファブリック、ポリウレタン又は他の製織またフィルムエラストマを含み得る。
更に、ニチノール(NiTi)が、フレーム又はステント(及び本明細書中で論述されているフレームのいずれか)の材料として使用可能であるが、ステンレス鋼、L605鋼、ポリマ、MP35N鋼、ポリマ材料、ファイノックス、エルジロイ又は他の適切な生体適合性材料及びそれらの組合せなどの他の材料をフレームの材料として使用することも可能である。NiTiの超弾性及び柔軟性は、ステントの順応性を増強させることができる。更に、NiTiは所望の形状に形状設定可能である。すなわち、NiTiは、例えばフレームが送達システムから外に展開させられた場合など、フレームが拘束を解かれた場合に所望の形状へと自己拡張する傾向をフレームが有するように、形状設定され得る。
本出願の発明について、以上で、包括的にかつ具体的な実施形態に関して説明してきた。当業者にとっては、本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態にさまざまな修正及び変形形態を加えることができる、ということは明白である。したがって、実施形態は、添付のクレーム及びその等価物の範囲内に入ることを条件として、本発明の修正及び変形形態を網羅するものである、ということが意図されている。
なお、本出願の発明は、以下の態様を更に含んでいる:
《態様1》
心臓補助用の植込み可能な医療デバイスであって:
大動脈内部に配置するように構成され、大動脈を通って血液を搬送するように作用可能な管腔を含む主本体;
前記主本体の前記管腔に対するアクセスを提供するように作用可能である前記主本体の側壁内のアクセス部位;及び
前記主本体の前記管腔と流体連結するように前記アクセス部位内部に配置されるように構成された分岐部材であって、ポンプを前記分岐部材とインタフェースし、かつしっかりと固定するように構成された1つ以上のアンカ要素を含む前記分岐部材;
を含む、植込み可能な医療デバイス。
《態様2》
前記分岐部材が、患者の心房又は心室内部に配置されるように構成されている、態様1に記載の植込み可能な医療デバイス。
《態様3》
前記ポンプを更に含み、前記ポンプが前記分岐部材を通って前記主本体の中へ、心臓補助のために前記心房又は心室から前記大動脈内に血液を搬送するように構成されている、態様2に記載の植込み可能な医療デバイス。
《態様4》
前記分岐部材が、左心房又は左心室の組織壁と係合するように構成された第1の端部近くの封止要素を含む、態様1又は2に記載の植込み可能な医療デバイス。
《態様5》
前記封止要素が、前記組織壁と係合するように構成されたフランジを含む、態様4に記載の植込み可能な医療デバイス。
《態様6》
前記主本体内の前記アクセス部位が開窓部を含み、前記分岐部材が、前記分岐部材と前記主本体とを流体連結するべく前記開窓部で封止するように構成されている、態様1~6のいずれか一つに記載の植込み可能な医療デバイス。
《態様7》
前記主本体内で前記アクセス部位と整列した前記主管腔の内部に配設された門部を更に含み、前記分岐部材の第1の部分が、前記分岐部材と前記主本体とを流体連結するべく前記門部内部に配置されるように構成されている、態様1~6のいずれか一つに記載の植込み可能な医療デバイス。
《態様8》
前記分岐部材の第2の部分が、前記主本体の前記管腔及び心臓の左心耳と流体連結するべく前記アクセス部位の内部に配置されるように構成されている、態様1~7のいずれか一つに記載の植込み可能な医療デバイス。
《態様9》
前記分岐部材又は前記ポンプに結合され前記左心耳の内部で前記分岐部材又はポンプを安定化するように構成されているステント構造を更に含む、態様8に記載の植込み可能な医療デバイス。
《態様10》
前記分岐部材又は前記ポンプが、前記ステント構造のアイレットを通って配設される、態様9に記載の植込み可能な医療デバイス。
《態様11》
前記ステント構造が、どんぐり形状又は遠位端部に向かって先細になる形状を画定する、態様10に記載の植込み可能な医療デバイス。
《態様12》
前記分岐部材が患者の心臓の周りに配設されている、態様1に記載の植込み可能な医療デバイス。
《態様13》
前記ポンプが1つ以上のポンプアンカ要素を含み、前記1つ以上の分岐アンカ要素は、前記1つ以上のポンプアンカ要素との協働係合のために作用可能であり、かつ前記ポンプを前記分岐部材と定着させるように構成されている、態様1に記載の植込み可能な医療デバイス。
《態様14》
前記1つ以上の分岐アンカ要素が、前記分岐部材とポンプを摩擦係合させてポンプを分岐部材内部に定着させるように構成されている、態様1に記載の植込み可能な医療デバイス。
《態様15》
心臓補助用の植込み可能な医療デバイスを植込むためのシステムであって:
大動脈の内部で植込み可能な医療デバイスを展開するように構成された第1のカテーテルであって、前記植込み可能な医療デバイスが主本体を含み、前記主本体が前記大動脈を通る流体流を維持するように作用可能な管腔を含み、前記主本体が、前記主本体の前記管腔に対するアクセスを提供する前記主本体の側壁内のアクセス部位を含んでいる、第1のカテーテル;及び
前記主本体の前記管腔と流体連結するべく前記アクセス部位の内部で分岐部材を展開するように構成され、前記分岐部材を通って前記主本体の前記管腔内に血液を搬送するように構成されたポンプを含む、第2のカテーテル;
を含むシステム。
《態様16》
前記第2のカテーテルが、前記分岐部材を経心尖で展開するように構成されている、態様15に記載のシステム。
《態様17》
前記第2のカテーテルが、前記分岐部材を経中隔で展開するように構成されている、態様15に記載のシステム。
《態様18》
前記大動脈内のアクセス部位及び前記心房又は心室内のアクセス部位を創出するように構成された穿刺デバイスを更に含み、前記第2のカテーテルが、前記大動脈内の前記アクセス部位及び心房又は左心室内の前記アクセス部位を横断して前記分岐部材を展開するように構成されている、態様15~17のいずれか一つに記載のシステム。
《態様19》
前記第2のカテーテルが、前記分岐部材の遠位端部に配設されたフランジを展開するように構成されたシースを含み、前記フランジが、流体密封係合の形で前記心房又は前記心室の組織壁と係合するように構成されている、態様18に記載のシステム。
《態様20》
心臓補助用の植込み可能な医療デバイスであって:
肺静脈の内部で展開するように構成されたポンプであって、前記肺静脈を通る血流を維持するように構成されかつ管腔を通って血液を搬送するように構成された前記管腔を含むポンプ、
を含む植込み可能な医療デバイス。
《態様21》
前記ポンプが、前記肺静脈から血液を取込み、前記血液を前記左心房内に放出するように構成されている、態様20に記載の植込み可能な医療デバイス。
《態様22》
前記ポンプが、前記肺静脈からの流量を増大させて心拍出量を増大させるように構成されている、態様20又は21に記載の植込み可能な医療デバイス。
《態様23》
前記ポンプに動力供給するように構成されたドライブラインを更に含み、前記ドライブラインが、前記肺静脈から前記左心房内へそして中隔を横断して延在し、前記心臓の右側で退出するように構成されている、態様20~22のいずれか一つに記載の植込み可能な医療デバイス。
《態様24》
前記ドライブラインが、腸骨静脈を介して患者から退出するように作用可能である、態様20に記載の植込み可能な医療デバイス。
《態様25》
心臓補助のための方法であって:
患者の大動脈と心内腔の間に植込み可能な医療デバイスを配設することであって、前記植込み可能な医療デバイスが、前記心内腔から前記大動脈内に血液を搬送するように構成されたポンプを含んでいること;及び
前記ポンプの周り及び前記大動脈と前記心内腔の間に、生来の組織の導管を形成すること;
を含む方法。
《態様26》
前記生来の組織の導管を形成することには、瘢痕又は組織内殖を創出して前記大動脈と前記心内腔の間に組織層を形成することが含まれる、態様25に記載の方法。
《態様27》
前記ポンプが、前記ポンプの外側表面の周りに配設され、組織内殖を促進するように構成された材料を含む、態様25又は26に記載の方法。
《態様28》
前記材料がダクロン及びePTFEのうちの少なくとも1つを含む、態様27に記載の方法。
《態様29》
心臓補助用の医療デバイスであって:
支持フレーム、
前記支持フレームに結合され、開放して中を通る順行流を許容し前記支持フレームを閉塞して逆行流を防止するように構成された複数の弁尖、及び
前記支持フレームの内部に配設され前記支持フレームを通って血液を搬送するように構成されたポンプ、
を含む人工弁、
を含む医療デバイス。
《態様30》
前記複数の弁尖が前記ポンプの周りで接合するように構成されている、態様29に記載の医療デバイス。
《態様31》
前記ポンプが前記支持フレームの内部で中央に配設されている、態様30に記載の医療デバイス。
《態様32》
前記支持フレームの流出端部に配設されたフィルタを更に含む、態様29又は30に記載の医療デバイス。
《態様33》
前記フィルタが前記ポンプの流出端部に配設されている、態様32に記載の医療デバイス。
《態様34》
前記人工弁が患者の大動脈弁に置換するように構成されている、態様29~33のいずれか一つに記載の医療デバイス。
《態様35》
前記人工弁が患者の僧帽弁に置換するように構成されている、態様29~34のいずれか一つに記載の医療デバイス。
《態様36》
前記人工弁及び前記ポンプが経カテーテル送達のために構成されている、態様29~35のいずれか一つに記載の医療デバイス。
《態様37》
心臓補助用の植込み可能な医療デバイスであって:
大動脈内部で展開するように構成され、大動脈を通る流体流を維持するように構成された管腔を含む主本体;
前記主本体から延在し、心臓の内腔の内部で展開させて前記大動脈と前記心臓の前記内腔とを流体連結するように構成された分岐部材;及び
前記分岐部材内部に配設され、前記心臓の前記内腔から前記分岐部材を通って前記主本体の前記管腔内へと血液を搬送するように構成されたポンプ;
を含む植込み可能な医療デバイス。
《態様38》
前記分岐部材が前記主本体と一体である、態様37に記載の植込み可能な医療デバイス。
《態様39》
前記分岐部材が前記主本体との関係において内向き及び外向きに自在に伸縮するように構成されている、態様38に記載の植込み可能な医療デバイス。
《態様40》
心臓補助用の植込み可能な医療デバイスであって:
肺静脈の内部で展開するように構成され、前記肺静脈を通って流体流を維持するように構成された管腔を含むステントグラフトであって、前記管腔を通って血液を受入れるように構成されたステントグラフト;
を含む植込み可能な医療デバイス。
《態様41》
前記ステントグラフトがポンプとインタフェースするように構成され、前記ポンプが、前記肺静脈から左心房へと血液を搬送するように構成されている、態様40に記載の植込み可能な医療デバイス。