JP7250849B2 - 遠隔制御システム及び自律走行作業システム - Google Patents

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本発明は、作業車両を自律走行させる際に操作する遠隔制御システム及び自律走行作業システムに関する。
近年、圃場での農作業を効率よく簡便に行うため、オペレータが登場していない無人の作業車両を自律的に走行させる自律走行システムが開発されている(特許文献1参照)。特許文献1の自律走行システムは、作業車両と離れた住居などに設置されたサーバ装置により遠隔操作するものであり、トラクタの作業状態を目視することができず、緊急時の対応が困難である。そのため、圃場等の作業場で作業車両の自律走行を操作するべく、無線通信端末装置による操作端末を利用した自律走行システムが開発されている(特許文献2参照)。
特開2011-254704号公報 特開2016-095658号公報
しかしながら、タブレット型のパーソナルコンピュータなどのようなタッチパネル操作による操作端末を利用した自律走行システムにおいては、タッチパネル上の操作ボタンを目視で探さねばならず、緊急対応時の操作に遅延が生じる恐れがある。
本発明は、上記の現状に鑑みてなされたものであり、自律走行中の作業車両に対してオペレータが緊急時に遅滞なく操作できる遠隔制御システム及び自律走行作業システムを提供することを技術的課題としている。
本発明の一態様に係る遠隔制御システムは、機体及び前記機体に装着された作業機を備え、前記機体を自律走行させつつ前記作業機に作業を実行させる作業車両の操作に用いられる遠隔制御システムであって、遠隔操作装置と、停止用リモコンと、を備える。前記遠隔操作装置は、手動操作に応じて、前記機体及び前記作業機を制御するための制御指示信号を、第1無線通信方式で前記作業車両に送信する。前記停止用リモコンは、手動操作に応じて、前記機体の自律走行を停止させる停止指示信号を、前記第1無線通信方式とは異なる第2無線通信方式で前記作業車両に送信する。前記停止用リモコンは、前記作業車両の制御のうち、前記機体の自律走行に係る操作のみ受付可能に構成されている。
本発明の一態様に係る自律走行作業システムは、前記遠隔制御システムと、前記作業車両と、を備える。
本発明の遠隔制御システムによれば、自律走行中の作業車両に対してオペレータが緊急時に遅滞なく操作できる遠隔制御システム及び自律走行作業システムを提供できる。
実施形態におけるロボットトラクタの全体側面図である。 ロボットトラクタの平面図である。 ロボットトラクタの機能ブロック図である。 遠隔操作装置の正面図、平面図及び右側面図である。 遠隔操作装置の背面図である。 緊急停止用リモコンの一例の正面図、平面図、底面図、左側面図及び右側面図である。 無線通信端末装置の一実施形態の正面図である。 緊急停止用リモコンの着脱状態を説明するための正面図及び平面図である。 無線通信端末装置のカバーの一例を示す正面図、平面図及び右側面図である。 緊急停止用リモコンの他の例の正面図、平面図及び右側面図である。 無線通信端末装置の他の実施形態の正面図及び右側面図である。 同実施形態の背面図である。 緊急停止用リモコンのさらに他の例の正面図、平面図及び左側面図である。 無線通信端末装置のさらに他の実施形態の正面図である。 緊急停止用リモコンの着脱状態を説明するための正面図及び平面図である。
以下に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。まず始めに、本発明に係る作業車の一例であるロボットトラクタ1(以下、単に「トラクタ」と称する場合がある。)について説明する。トラクタ1は、圃場を自律走行する機体2を備える。機体2には、図1及び図2において鎖線で示す作業機3が着脱可能に備えられる。当該作業機3は農作業に用いられる。この作業機3としては、例えば、耕耘機、プラウ、施肥機、草刈機、播種機等の種々の作業機があり、これらの中から必要に応じて所望の作業機3を選択して機体2に装着することができる。機体2は、装着された作業機3の高さ及び姿勢を変更可能に構成されている。
本明細書において自律走行とは、図3に示すようにトラクタ1が備える自律走行制御装置51等によって、当該トラクタ1が走行のために備える構成が制御され、予め定められた経路に沿ってトラクタ1が走行することを意味する。また、本明細書において自律作業とは、トラクタ1が作業のために備える構成が自律走行制御装置51等によって制御され、予め定められた経路に沿ってトラクタ1が作業を行うことを意味する。
以下の説明では、自律走行及び自律作業を行うトラクタを「無人トラクタ」又は「ロボットトラクタ」と称し、オペレータが直接操作することにより走行して作業を行うトラクタを「有人トラクタ」と称することがある。圃場内において農作業の一部が無人トラクタにより行われる場合、残りの農作業は有人トラクタにより行われる。単一の圃場において無人トラクタ及び有人トラクタにより農作業を分担して行うことを、農作業の協調作業、追従作業、随伴作業等と称することがある。なお、上記の協調作業には、ある圃場において農作業を無人トラクタが行い、それと同時に別の圃場において農作業を有人トラクタが行うことが含まれても良い。
本実施形態において、無人トラクタと有人トラクタの違いは、オペレータの直接操作の有無であり、トラクタとしての構成は無人と有人とで共通である。即ち、無人トラクタであっても、オペレータが搭乗(乗車)して直接操作することができる(言い換えれば、有人トラクタとして使用することができる)。また、有人トラクタであっても、オペレータが降車して自律走行及び自律作業を行わせることができる(言い換えれば、無人トラクタとして使用することができる)。
トラクタ1の構成について、図1及び図2を参照して説明する。トラクタ1の機体である機体2は、図1に示すように、その前部が左右一対の前輪7,7で支持され、その後部が左右一対の後輪8,8で支持されている。前輪7,7及び後輪8,8が走行部を構成している。
機体2の前部にはボンネット9が配置されている。このボンネット9内にはトラクタ1の駆動源であるエンジン10及び燃料タンク(図示省略)等が収容されている。このエンジン10は、例えばディーゼルエンジンにより構成することができるが、これに限るものではなく、例えばガソリンエンジンにより構成しても良い。また、駆動源としては、エンジンに加えて、又はこれに代えて、電気モータを使用しても良い。
ボンネット9の後方には、オペレータが搭乗するキャビン11が配置されている。このキャビン11の内部には、オペレータが操向操作するためのステアリングハンドル12と、オペレータが座ることが可能な座席13と、各種の操作を行うための様々な操作装置と、が主として設けられている。ただし、農業用作業車両は、キャビン11付きのものに限るものではなく、キャビン11を備えないものであってもよい。
図示は省略するが、上記の操作装置としては、例えばモニタ装置、スロットルレバー、主変速レバー、昇降レバー、PTOスイッチ、PTO変速レバー及び複数の油圧変速レバー等が挙げられる。これら操作装置は、座席13の近傍又はステアリングハンドル12の近傍に配置されている。
モニタ装置は、トラクタ1の様々な情報を表示可能に構成されている。スロットルレバーは、エンジン10の回転速度を設定するものである。主変速レバーは、ミッションケース22の変速比を変更操作するものである。昇降レバーは、機体2に装着された作業機3の高さを所定範囲内で昇降操作するものである。PTOスイッチは、ミッションケース22の後端側から外向きに突出したPTO軸(動力取出軸)への動力伝達を継断操作するものである。すなわち、PTOスイッチがON状態であるときPTO軸に動力が伝達されてPTO軸が回転し、作業機3が駆動される一方、PTOスイッチがOFF状態であるときPTO軸への動力が遮断されてPTO軸が回転せず、作業機3が停止する。PTO変速レバーは、作業機3に入力される動力の変更操作を行うものであり、具体的にはPTO軸の回転速度の変速操作を行うものである。油圧変速レバーは、油圧外部取出バルブを切換操作するものである。
図1に示すように、機体2の下部には、その骨組を構成するシャーシ20が設けられている。当該シャーシ20は、機体フレーム21、ミッションケース22、フロントアクスル23、及びリアアクスル24等から構成されている。
機体フレーム21は、トラクタ1の前部における支持部材であって、直接、又は防振部材等を介してエンジン10を支持している。ミッションケース22は、エンジン10からの動力を変化させてフロントアクスル23及びリアアクスル24に伝達する。フロントアクスル23は、ミッションケース22から入力された動力を前輪7に伝達するように構成されている。リアアクスル24は、ミッションケース22から入力された動力を後輪8に伝達するように構成されている。
図3に示すように、トラクタ1は、機体2の動作(前進、後進、停止及び旋回等)並びに作業機3の動作(昇降、駆動、及び停止等)を制御するための制御部として、車両バス回線18を介して相互に通信可能としたエンジン制御装置15、変速機制御装置16、及び作業機制御装置17を備える。エンジン制御装置15が、エンジン10に設けられる燃料噴射装置としてのコモンレール装置41と電気的に接続されており、変速機制御装置16が、エンジン10からの動力を変速させる油圧式変速装置などを含む変速機42と電気的に接続されている。また、作業機制御装置17が、作業機昇降アクチュエータ44と電気的に接続されている。
コモンレール装置41は、エンジン10の各気筒に燃料を噴射するものである。この場合、エンジン10の各気筒に対するインジェクタの燃料噴射バルブが制御装置4で開閉制御されることによって、燃料供給ポンプによって燃料タンクからコモンレール装置41に圧送された高圧の燃料が各インジェクタからエンジン10の各気筒に噴射され、各インジェクタから供給される燃料の噴射圧力、噴射時期、噴射期間(噴射量)が高精度にコントロールされる。
変速機42は、具体的には例えば可動斜板式の油圧式無段変速装置であり、ミッションケース22に備えられている。変速機42を制御装置4により制御して斜板の角度を適宜に調整することにより、ミッションケース22の変速比を所望の変速比にすることができる。
昇降アクチュエータ44は、例えば作業機3を機体2に連結している三点リンク機構を動作させることにより、作業機3を退避位置(農作業を行わない位置)又は作業位置(農作業を行う位置)の何れかに上げ下げするものである。昇降アクチュエータ44を制御装置4により制御して作業機3を適宜に昇降動作させることにより、例えば圃場領域の所望の高さで作業機3により農作業を行うことができる。
また、エンジン制御装置15には、エンジン10の回転速度を検出する回転速度センサ31、後輪8の回転速度を検出する車速センサ32、ハンドル12の回動角度(操舵角)を検出する操舵角センサ33等のセンサ類も電気的に接続している。これらセンサの検出値が検出信号に変換されてエンジン制御装置15に送信される。
上述のような制御装置15~17を備えるトラクタ1は、キャビン11内に搭乗したオペレータの各種操作に基づき、制御装置15~17が車両バス回線18を介して相互に通信して、トラクタ1の各部(機体2、作業機3等)を制御することで、圃場内を走行しながら農作業を実行可能に構成されている。加えて、実施形態のトラクタ1は、例えばオペレータが搭乗しなくても、遠隔操作装置70により出力される所定の制御信号に基づいて自律走行させることが可能となっている。
具体的には、図3に示すように、このトラクタ1は自律走行を可能とするための自律走行制御装置51等の各種の構成が追加されている。更に、トラクタ1は、測位システムに基づいて自ら(の機体)の位置情報を取得するために必要な測位アンテナ6等の各種の構成を備えている。このような構成により、トラクタ1は、測位システムに基づいて自らの位置情報を取得して、圃場上を自律走行することが可能となっている。
次に、自律走行のためにトラクタ1が備える構成について詳細に説明する。具体的には、トラクタ1は、図1及び図3に示すように、自律走行制御装置51、操舵制御装置52、測位測量装置53、無線通信ルータ(小電力データ通信装置)54、リモコン受信機(特定小電力無線装置)55、操舵アクチュエータ43、測位アンテナ6、及び無線通信用アンテナユニット48等を備える。
自律走行制御装置51及び操舵制御装置52は、車両バス回線18を介して、エンジン制御装置15、変速機制御装置16、及び作業機制御装置17それぞれと相互に通信可能に構成されている。また、自律走行制御装置51は、車両バス回線18による操縦用通信系統とは別系統となる自律走行用通信系統における自律走行バス回線56を介して、測位測量装置53、無線通信ルータ54、及びリモコン受信機55それぞれと相互通信可能となっている。
操舵アクチュエータ43は、例えば、ステアリングハンドル12の回転軸(ステアリング軸)の中途部に設けられ、ステアリングハンドル12の回動角度(操舵角)を調整するものである。予め定められた経路をトラクタ1が(無人トラクタとして)走行する場合、操舵制御装置52は、当該経路に沿ってトラクタ1が走行するようにステアリングハンドル12の適切な回動角度を算出し、算出した回動角度でステアリングハンドル12が回動するように操舵アクチュエータ43を制御する。また、操舵制御装置52は、車両バス回線18を介して、エンジン制御装置15、変速機制御装置16、及び作業機制御装置17それぞれと通信することで、トラクタ1の車速に応じた操舵を実行できる。なお、操舵アクチュエータ43はステアリングハンドル12の回動角度を調整するものではなくトラクタ1の前輪7の操舵角を調整するものであってもよく、その場合、旋回走行を行ったとしてもステアリングハンドル12は回転しない。
測位アンテナ6は、例えば衛星測位システム(GNSS)等の測位システムを構成する測位衛星からの信号を受信するものである。図1に示すように、測位アンテナ6は、キャビン11における屋根14の上面に配置されている。測位アンテナ6で受信された信号は、図3に示す測位測量装置53に入力されて、測位測量装置53でトラクタ1(厳密には、測位アンテナ6)の位置情報が、例えば緯度・経度情報として算出される。当該測位測量装置53で算出された位置情報は、自律走行制御装置51により取得されて、トラクタ1の制御に利用される。
測位測量装置53は、無線通信用アンテナユニット48における第1無線通信アンテナ48aと電気的に接続しており、特定小電力無線による第1無線通信ネットワーク(例えば、920MHz帯の無線通信ネットワーク)を通じて、後述する基準局(可搬型基準局)60と通信を行う。図1に示すように、無線通信用アンテナユニット48は、キャビン11における屋根14の上面に配置されている。測位測量装置53は、第1無線通信アンテナ48aを介して、圃場近接位置に基準局60と通信することで、基準局60からの補正情報によりトラクタ1(移動局)の衛星測位情報を補正して、トラクタ1の現在位置を求める。例えば、DGPS(ディファレンシャルGPS測位)、RTK測位(リアルタイムキネマティック測位)等の各種の測位方法を適用することができる。
本実施形態では、例えば、RTK測位を適用しており、移動局側となるトラクタ1に測位アンテナ6を備えるのに加えて、基準局測位アンテナ61を備えた基準局60が備えられている。基準局60は、例えば、圃場の周囲等、トラクタ1の走行の邪魔にならない位置(基準点)に配置されている。基準局60の設置位置となる基準点の位置情報は予め設定されている。基準局60には、トラクタ1の測位測量装置53及び第1無線通信アンテナ48aによる通信装置との間で構築される第1無線通信ネットワークを介して通信可能な基準局通信装置62が備えられている。
RTK測位では、基準点に設置された基準局60と、位置情報を求める対象の移動局側となるトラクタ1の測位アンテナ6との両方で測位衛星63からの搬送波位相(衛星測位情報)を測定している。基準局60では、測位衛星63から衛星測位情報を測定する毎に又は設定周期が経過する毎に、測定した衛星測位情報と基準点の位置情報等を含む補正情報を生成して、基準局通信装置62からトラクタ1の第1無線通信アンテナ48aに補正情報を送信している。トラクタ1(移動局に相当する)の測位測量装置53は、測位アンテナ6にて測定した衛星測位情報を、基準局60から送信される補正情報を用いて補正して、トラクタ1の現在位置情報(例えば、緯度情報・経度情報)を求めている。
なお、本実施形態ではGNSS-RTK法を利用した高精度の衛星測位システムを利用しているが、これに限られるものではなく、高精度の位置座標が得られる限りにおいて他の測位システムを用いてもよい。GNSS-RTKは、位置のわかっている基準局の情報に基づいて、補正して精度を高めた測位方式で、基準局からの情報の配信方法の違いで複数の方式が存在する。本発明はGNSS-RTK方式には依存しないので、本実施例では詳細は割愛する。
また、測位測量装置53は、衛星測位によるトラクタ1(機体2)の位置情報だけでなく、慣性測量による前後左右の傾斜角情報を計測可能になっている。測位測量装置53で計測された傾斜角情報は、自律走行制御装置51により位置情報(緯度・経度情報)と対応付けた状態で取得されて、トラクタ1の制御に利用される。なお、測位測量装置53は、圃場面に対する測位アンテナ6の高さ位置、ひいてはトラクタ1(機体2)の車高を計測することも可能である。
無線通信用アンテナユニット48は、トラクタ1のキャビン11の屋根14の上面に配置されており、周波数帯域の異なる第1~第3無線通信ネットワークと通信接続する第1~第3無線通信アンテナ48a~48cを備えている。第1無線通信ネットワークは、基準局60による測位情報を通信させるべく、例えば、データ伝送速度の速い920MHz帯の特定小電力無線などで構築される。第2無線通信ネットワークは、画像データなどのデータ容量の多いデータを高速で通信でさせるべく、例えば、2.4GHz帯の小電力データ通信システムなどで構築される。第3無線通信ネットワークは、第2無線通信ネットワークと比べてデータ伝送量が少ないため、例えば、400MHz帯の特定小電力無線などで構築される。
第1無線通信アンテナ48aは、測位測量装置53と電気的に接続しており、第2無線通信アンテナ48bは、無線通信ルータ54と電気的に接続しており、第3無線通信アンテナ48cは、リモコン受信機55と電気的に接続している。第2無線通信アンテナ48bと接続された無線通信ルータ54は、第2無線通信ネットワークを通じて、トラクタ1外部のオペレータにより操作される画像表示可能な遠隔操作装置70と通信を行う。無線通信ルータ54は、遠隔操作装置70からの制御信号を受信し、自律走行バス回線56を介して自律走行制御装置51に送信する。第3無線通信アンテナ48cと接続されたリモコン受信機55は、第3無線通信ネットワークを通じて、トラクタ1外部のオペレータにより操作される緊急停止用リモコン71と通信を行う。リモコン受信機55は、緊急停止用リモコン71からの制御信号を受信し、自律走行バス回線56を介して自律走行制御装置51に送信する。
遠隔操作装置70は、具体的には、タッチパネルを備えるタブレット型のパーソナルコンピュータとして構成される。オペレータは、遠隔操作装置70のタッチパネルに表示された情報(例えば、自律走行を行うときに必要な圃場の情報等)を参照して確認することができる。また、オペレータは、遠隔操作装置70を操作して、トラクタ1の自律走行制御装置51に、トラクタ1を制御するための制御信号を送信する。なお、実施形態の遠隔操作装置70はタブレット型のパーソナルコンピュータに限るものではなく、これに代えて、例えばノート型のパーソナルコンピュータで構成することも可能である。あるいは、有人のトラクタ(図示省略)を無人のトラクタ1に随伴して走行させる場合、有人側のトラクタに搭載されるモニタ装置を遠隔操作装置とすることもできる。
自律走行制御装置51は、遠隔操作装置70を用いるオペレータの指示に基づいて、圃場領域(走行領域)での走行経路を算出する。そして、自律走行制御装置51は、算出した走行経路とトラクタ1の位置情報とを比較することで、走行経路上のトラクタ1位置を確認し、傾斜角情報などを考慮して、トラクタ1の操舵角や走行速度を算出し、車両バス回線18を通じて、各制御装置15~17,52と通信する。これにより、トラクタ1は、当該走行経路に沿って自律走行しつつ、作業機3による農作業を行うことができる。このように、トラクタ1が自律走行する圃場領域(走行領域)内の経路を、以下の説明において「走行経路」と称する場合がある。また、圃場領域(走行領域)においてトラクタ1の作業機3による農作業の対象となる領域(作業領域)は、圃場領域の全体から枕地及び余裕代を除いた領域として定められ、オペレータ等が後述の登録点の登録作業を実行したときにこれら登録点とトラクタ1の作業幅とに基づいて設定される。
緊急停止用リモコン71は、トラクタ1を緊急停止させるためのリモコンスイッチであって、遠隔操作装置70を操作するオペレータにより所有され、当該オペレータによりスイッチ操作がなされたときに、緊急停止の制御信号を送信する。緊急停止用リモコン71は、緊急停止ボタン72をリモコン本体表面から突出させており、オペレータが緊急停止ボタン72を押すことで、緊急停止の制御信号を送信する。更に、緊急停止用リモコン71は、遠隔操作装置70に着脱自在に構成されるとともに、オペレータの首に掛けるなど身体に密着させるべく、ストラップ(紐状部材)を取り付け可能に構成されている。
自律走行制御装置51は、緊急停止用リモコン71における緊急停止ボタン72へのオペレータの操作に基づいて、エンジン制御装置15との通信により、コモンレール装置41における燃料噴射を停止させるとともに、変速機制御装置16との通信により、変速機42を中立状態とした上で、後述のブレーキ装置26による制動動作を作用させる。このとき、自律走行制御装置51は、操舵制御装置52との通信により、ハンドル12を中立位置とするように操舵アクチュエータ43を制御して、左右の前輪7,7の方向を直進方向に向けるものとしてもよい。
自律走行制御装置51は、測位測量装置53における基準局60との通信状態(第1通信ネットワークにおける通信状態)、無線通信ルータ54における遠隔操作装置70との通信状態(第2通信ネットワークにおける通信状態)、及び、リモコン受信機55による緊急停止用リモコン71との通信状態(第3通信ネットワークにおける通信状態)それぞれを、自律走行バス回線56を介して確認する。自律走行制御装置51は、第1~第3通信ネットワークのいずれかでの通信状態が遮断されたことを確認すると、エンジン制御装置15及び変速機制御装置16などと通信することで、トラクタ1の自律走行を緊急停止させる。なお、測位測量装置53、無線通信ルータ54、及びリモコン受信機55はそれぞれ、通信相手からの信号を所定期間以上受信しない場合には、当該通信相手との通信が遮断されたものと判定する。
更に、トラクタ1には、ブレーキペダルや駐車ブレーキレバーの操作と自動制御という2つの系統によって、左右の後輪8,8にブレーキを掛ける左右一対のブレーキ装置26,26を設けている。すなわち、左右両方のブレーキ装置26,26は、ブレーキペダル(又は駐車ブレーキレバー)の制動方向への操作によって、左右両方の後輪8,8にブレーキを掛けるように構成されている。また、ハンドル12の回動角度が所定角度以上になれば、変速機制御装置16の指令によって、旋回内側の後輪8に対するブレーキ装置26が自動的に制動動作をするように構成されている(いわゆるオートブレーキ)。
また、トラクタ1には、前方、側方又は後方に障害物があるか否かを検出する障害物センサ35が取り付けられている。障害物センサ35は、レーザセンサ、超音波センサ等によって構成され、トラクタ1の前方、側方及び後方に存在する障害物を認識し、検出信号を生成する。また、トラクタ1は、前方、側方、及び後方を撮影するカメラ36が取り付けられる。障害物センサ35及びカメラ36は、無線通信ルータ54と無線通信可能な構成とし、無線通信ルータ54及び自律走行バス回線56を介して、障害物検出信号及び画像信号を自律走行制御装置51に送信する。そして、無線通信ルータ54が、第2無線通信ネットワークを通じて、カメラ36からの画像信号を遠隔操作装置70に送信することで、遠隔操作装置70にトラクタ1周辺の画像を表示させることができる。なお、障害物センサ35及びカメラ36は、自律走行バス回線56を介して自律走行制御装置51と有線接続されるものであっても構わない。
可搬型基準局60は、自律走行するトラクタ(作業車両)1と無線通信する基準局無線通信アンテナ64と、測位衛星63からの信号を受信する基準局測位アンテナ61と、無線通信アンテナ64及び測位アンテナ61それぞれと電気的に接続された基準局通信装置62とを備える。可搬型基準局60は、移動局となるトラクタ(作業車両)1の位置特定における基準点に設置される。可搬型基準局60は、複数部材に分解可能に構成されており、分解した各部材は、トラクタ1により運搬可能な大きさに構成される。
分解部材を組み立てて、基準点に設置された可搬型基準局60は、基準局測位アンテナ61で受信した測位衛星63からの信号を基準局通信装置62に送り、基準局通信装置62において、測定した衛星測位情報と基準点の位置情報等を含む補正情報を生成する。そして、可搬型基準局60は、基準局通信装置62で生成した補正情報を、トラクタ1の第1無線通信アンテナ48aと通信可能な第1無線通信ネットワークと通信接続する基準局無線通信アンテナ64より送信する。
次に、図4から図8を参照しながら、無線通信端末装置88の実施形態について説明する。図8に示すように、自律走行作業車両である無人トラクタ1を操作する無線通信端末装置88として、トラクタ1と無線通信を実行する遠隔操作装置(端末装置本体)70及び緊急停止用リモコン71を備えている。そして、遠隔操作装置70及び緊急停止用リモコン71はそれぞれ、通信方式の異なる無線通信ネットワークによりトラクタ1と通信を実行する。また、遠隔操作装置70は、タッチパネル操作可能なディスプレイ74を備えており、緊急停止用リモコン71は、遠隔操作装置70の外枠に対して着脱自在に構成されている。また、緊急停止用リモコン71は、トラクタ1の自律走行を停止させる緊急停止ボタン72と、トラクタ1との無線通信を開始するためのスタートボタン(開始ボタン)73とを具備する。
図4及び図5に示すように、遠隔操作装置70は、前面70aにディスプレイ74を備え、背面70bにカメラ75を備え、右側面70cに電源接続用端子の端子カバー76を備え、左側面70dにUSB等を接続可能な外部接続端子の端子カバー77を備える。また、遠隔操作装置70の右上部位の外周部分には、前面70aから上面70eを介して背面70bにまたがってリモコン取付け部79が着脱可能に取り付けられる。リモコン取付け部79は、断面形状が略U字状であり、その上面に、基端部側ほど幅が狭いテーパ状の凸条部80を備える。
図6に示すように、緊急停止用リモコン71は、大小2つの円と2本の接線で囲まれる形状を外縁とする前面71aに、緊急停止ボタン72と、スタートボタン73と、トラクタ1の状態を告知する告知部を構成するランプ81を備える。緊急停止ボタン72は前面71aの幅広側端部に配置され、スタートボタン73は前面71aの中央部に配置され、ランプ81は前面71aの幅狭側端部寄りの部位に配置される。ランプ81は、例えば消灯や点灯、点滅、色の変化などで、トラクタ1の状態を告知する。また、緊急停止用リモコン71は、音声でトラクタ1の状態を告知する機能を有する。オペレータは、緊急停止用リモコン71単体を携帯している場合に、自律走行するトラクタ1から少し離れた状況でも、ランプ81及び音声による告知によりトラクタ1の状態を認識でき、安全性を向上できる。
緊急停止用リモコン71の幅広の一端面71bに、ストラップ等の吊り下げ部材82を取付け可能な吊り下げ部材取付け部83が設けられている。緊急停止用リモコン71の一側面71cに、リモコン取付け部79の凸条部80に係合する取付け溝84が設けられる。取付け溝84は、一側面71cの中途部から幅狭の他端面71dにわたって形成され、他端面71d側から見て一側面71c側ほど狭くなるテーパ形状を有し、他端面71d側の端部が解放されている。
図7及び図8に示すように、緊急停止用リモコン71は、遠隔操作装置70に取り付けられたリモコン取付け部79の凸条部80に取付け溝84が係合されることで、遠隔操作装置70に着脱可能に取り付けられる。緊急停止用リモコン71は、前面71aが遠隔操作装置70の前面70aと同じ方向を向くようにリモコン取付け部79に取り付けられる。
また、遠隔操作装置70のディスプレイ74の右上部位に、トラクタ1の自律走行を停止させる緊急停止ボタン画像86が表示されるとともに、トラクタ1の自律走行を開始又は停止するための開始又は停止ボタン画像87がディスプレイ74の左上部位に表示される。このように、ディスプレイ74において、緊急停止ボタン画像86が緊急停止用リモコン71の取付け位置の近傍に表示されることで、緊急停止ボタン72及び緊急停止ボタン画像86をまとめて配置することができ、オペレータがトラクタ1を緊急停止させたいときに緊急停止ボタン72及び緊急停止ボタン画像86の位置を認識しやすくなるので、緊急停止操作の遅延及び誤操作を抑制できる。
また、トラクタ1との無線通信の開始は、緊急に行うものではないので、緊急停止用リモコン71が遠隔操作装置70に取り付けられた状態で、スタートボタン73と、開始又は停止ボタン画像87が互いに離れた位置に配置されていても、誤操作を起こすおそれは低く、特に問題は生じない。
また、緊急停止ボタン画像86の操作は、タッチパネル式のディスプレイ74を押す(触る)ことになるので、オペレータにとって押し操作をした感触がないが、緊急停止ボタン72はしっかりと押せる構造なので、オペレータは押し操作をした感触が得られる。なお、オペレータは、トラクタ1を緊急停止させる際に、緊急停止ボタン72と緊急停止ボタン画像86のどちらを用いてもよい。
なお、緊急停止用リモコン71は、台数を増設可能な構成を有する。そして、自律走行するトラクタ1を監視しているオペレータ以外で、同じ圃場で作業している作業者は、緊急停止用リモコン71を携帯することで、ランプ81や音声による告知によりトラクタ1の状態を認識できるとともに、緊急時には緊急停止用リモコン71の緊急停止ボタン72を操作できるので、自律走行するトラクタ1の監視体制を向上させて、圃場での作業者の安全性を向上できる。
次に、図9から図12を参照しながら無線通信端末装置88の他の実施形態を説明する。この実施形態の無線通信端末装置88は、遠隔操作装置70を収容可能であるとともに緊急停止用リモコン71を着脱可能なケース90を備える。図9に示すように、ケース90は、遠隔操作装置70を収容する本体ケース部91と、緊急停止用リモコン71を保持するリモコンケース部92を備える。本体ケース部91は、遠隔操作装置70を収容する遠隔操作装置収容部93を内部に備える。また、本体ケース部91は、前面91aに遠隔操作装置70のディスプレイ74の位置に対応してディスプレイ用開口部94を備え、右側面91bに電源接続用端子の端子カバー76の位置に対応して電源接続用開口部95を備え、左側面91cに外部接続端子の端子カバー77の位置に対応して外部機器接続用開口部96を備え、裏面91dにカメラ75の位置に対応してカメラ用開口部97を備える。本体ケース部91は、遠隔操作装置70の外縁部を全周に亘って保持する。なお、ケース90はカメラ用開口部97を備えない構成であってもよい。
リモコンケース部92は、縦長の略直方体形状を有し、本体ケース部91の右下寄り部に右側方及び裏面側へ突出して一体成形されている。リモコンケース部92は、緊急停止用リモコン71を着脱可能に収容するリモコン収容部98を備える。リモコン収容部98は、縦長の略直方体形状の緊急停止用リモコン71(図10参照)の外形よりもわずかに大きい空洞部で形成され、リモコンケース部92の上面92cに設けられる開口により解放されて、当該開口を介して緊急停止用リモコン71をリモコン収容部98内に抜き差し可能に形成されている。また、リモコンケース部92は、前面92aに緊急停止用リモコン71のボタン72,72及びランプ81を露出させるボタン用開口部99と、右側面92bにリモコン収容部98内の緊急停止用リモコン71を指で上下にスライドさせるための取出用開口部100を備える。
図9に示すように、ケース90は側面部で半割り可能に構成され、ケース前面部90aとケース裏面部90bは、下端側を回動支点として開閉可能に設けられるとともに、ケース90の上面91eに設けられたスライド可能なロック機構101により固定される。ケース前面部90aとケース裏面部90bを開いた状態で、遠隔操作装置収容部93に遠隔操作装置70を収容した後、ケース前面部90aとケース裏面部90bを閉じてロック機構101を固定することで、本体ケース部91内に遠隔操作装置収容部93がしっかりと保持される。
図10に示すように、緊急停止用リモコン71は、縦長の略直方体形状を有し、前面71aに上端側から順に告知用のランプ81、緊急停止ボタン72、スタートボタン73を備える。緊急停止用リモコン71の裏面側上端部位に、吊り下げ部材82を取付け可能な吊り下げ部材取付け部83が設けられている。
図11に示すように、緊急停止用リモコン71は、緊急停止用リモコン71は、前面71aが遠隔操作装置70の前面70aと同じ方向を向くようにリモコン取付け部79に取り付けられる。この実施形態では、上記実施形態と同様に、遠隔操作装置70のディスプレイ74の右上部位に緊急停止ボタン画像86が表示されるとともに、ディスプレイ74の左上部位に開始又は停止ボタン画像87が表示され、オペレータがトラクタ1を緊急停止させたいときに緊急停止ボタン72及び緊急停止ボタン画像86の位置を認識しやすくしている。
また、リモコンケース部92の裏面が本体ケース部91の裏面91dよりも突出して設けられることで、リモコンケース部92はオペレータが握りやすい形状を有する。オペレータは、リモコンケース部92を右手で握ったまま、右手の親指でボタン72,73を容易に操作できるので、トラクタ1との無線通信の開始及び停止、ならびに緊急停止の操作を、ケース90を片手(右手)で持った状態で実行可能である。
次に、図13から図15を参照しながら、無線通信端末装置88の他の実施形態を説明する。この実施形態の無線通信端末装置88の緊急停止用リモコン71は、縦長の略直方体形状を有し、前面71aに、緊急停止ボタン72と、スタートボタン73と、ランプ81を備える。緊急停止用リモコン71の一端面71bに吊り下げ部材82を取付け可能な吊り下げ部材取付け部83が設けられ、一側面71cにリモコン取付け部79の凸条部80に係合する取付け溝84が設けられる。緊急停止ボタン72は、一端面71bとは反対側の他端面71d側の部位に配置され、スタートボタン73は前面71aの中央部に配置され、ランプ81はスタートボタン73よりも一端面71b寄りの部位に配置される。
図14及び図15に示すように、緊急停止用リモコン71は、図4から図8を参照して説明した上記実施形態と同様に、遠隔操作装置70に取り付けられたリモコン取付け部79の凸条部80に取付け溝84が係合されることで、遠隔操作装置70に着脱可能に取り付けられる。また、ディスプレイ74において、緊急停止ボタン画像86を緊急停止用リモコン71の取付け位置の近傍に表示して、オペレータがトラクタ1を緊急停止させたいときに緊急停止ボタン72及び緊急停止ボタン画像86の位置を認識しやすくしている。
この実施形態では、緊急停止用リモコン71において、緊急停止ボタン72が吊り下げ部材82とは反対側の位置に配置されている。これにより、オペレータが首に吊り下げ部材82を掛けて緊急停止用リモコン71をぶら下げている状態から、緊急停止用リモコン71を手に取る際に、オペレータから見て、手中の緊急停止用リモコン71の前方側の端部(吊り下げ部材取付け部83とは反対側の端部)に緊急停止用リモコン71が位置するようになる。したがって、オペレータが緊急停止用リモコン71の位置を認識しやすくなり、緊急停止操作の遅延及び誤操作を抑制できる。
上記実施形態によれば、自律走行する作業車両としてのトラクタ1を操作する無線通信端末装置88として、タッチパネル操作可能なディスプレイ74を備えると遠隔操作装置(装置本体)70と、トラクタ1の自律走行を停止させる緊急停止ボタン72を備えた緊急停止用リモコン71とを備えるので、オペレータは緊急停止用リモコン71を用いることで緊急停止ボタン72を素早く認識して確実に操作でき、緊急時に緊急停止操作を遅滞なく行える。
また、遠隔操作装置70及び緊急停止用リモコン71が、互いに通信方式の異なる無線通信ネットワークによりトラクタ1とそれぞれ無線通信を実行するので、複数の無線通信ネットワークがフェールセーフとして機能し、安全性を向上できる。また、遠隔操作装置70が行う通信のデータ容量と、緊急停止用リモコン71が行う通信のデータ容量に合わせて、それぞれ適切な通信方式を選択できる。
また、緊急停止用リモコン71は、遠隔操作装置70における外周部分に対して着脱自在に設けられるので、遠隔操作装置70と緊急停止用リモコン71が相対的に位置固定されている状態では、オペレータは、同じ機能を有する緊急停止ボタン72と緊急停止ボタン画像86のうち操作しやすい方を利用できる。また、オペレータは、緊急停止用リモコン71を遠隔操作装置70から分離して携帯することで、両手で他の機器を操作等しながら、緊急時には緊急停止用リモコン71の緊急停止ボタン72を操作して、自律走行するトラクタ1の緊急停止操作を遅滞なく行える。また、遠隔操作装置70を携帯するオペレータは、緊急停止用リモコン71を他の作業者に保有させる等して、状況に応じて遠隔操作装置70と緊急停止用リモコン71を柔軟に使用できる。
また、緊急停止用リモコン71は、トラクタ1との無線通信を開始させるスタートボタン(開始ボタン)73を備え、遠隔操作装置70のディスプレイ74において、トラクタ1の自律走行を停止させる緊急停止ボタン画像86が緊急停止用リモコン71の取付け位置の近傍に表示されるとともに、トラクタ1との無線通信を開始させる開始又は停止ボタン画像(開始ボタン画像)87が緊急停止用リモコン71の取付け位置に対して緊急停止ボタン画像86よりも離れた位置に表示されるので、緊急停止ボタン72及び緊急停止ボタン画像86をまとめて配置することができ、オペレータがトラクタ1を緊急停止させたいときに緊急停止ボタン72及び緊急停止ボタン画像86の位置を認識しやすくなるので、緊急停止操作の遅延及び誤操作を抑制できる。
また、図9から図12に示すように、遠隔操作装置70の外縁部を全周に亘って保持する本体ケース部91と、緊急停止用リモコン71を着脱可能に保持するリモコンケース部92が本体ケース部91に取り付けられてなるケース90を備えているので、遠隔操作装置70をしっかり保持及び保護できる一方で、緊急停止用リモコン71の取付け及び取外しを容易に行える。
また、緊急停止用リモコンは、トラクタ1の状態を告知する告知部としてのランプ81及び音声出力機能を備えているので、オペレータは、緊急停止用リモコン71単体でもランプ81及び音声による告知により、自律走行するトラクタ1から少し離れた状況でもトラクタ1の状態を認識でき、安全性を向上できる。
本発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
(付記)
(付記1)
自律走行する作業車両を操作する無線通信端末装置であって、
タッチパネル操作可能なディスプレイを備える装置本体と、前記作業車両の自律走行を停止させる緊急停止ボタンを備えるとともに前記装置本体における外周部分に対して着脱自在である緊急停止用リモコンとを備え、
前記装置本体及び前記緊急停止用リモコンそれぞれが、通信方式の異なる無線通信ネットワークにより前記作業車両と無線通信を実行しており、
前記緊急停止用リモコンは、前記作業車両の自律走行を開始させる開始ボタンを備え、
前記装置本体の前記ディスプレイにおいて、前記作業車両の自律走行を停止させる緊急停止ボタン画像が前記緊急停止用リモコンの取付け位置の近傍に表示されるとともに、前記作業車両との自律走行を開始させる開始ボタン画像が前記緊急停止用リモコンの取付け位置に対して前記緊急停止ボタン画像よりも離れた位置に表示される、無線通信端末装置。
(付記2)
前記装置本体の外縁部を全周に亘って保持する本体ケース部と、前記緊急停止用リモコンを着脱可能に保持するリモコンケース部が前記本体ケース部に取り付けられてなるケースを備えている、付記1に記載の無線通信端末装置。
(付記3)
前記緊急停止用リモコンは、前記作業車両の状態を告知する告知部を備えている、付記1又は2に記載の無線通信端末装置。
付記1に記載の無線通信端末装置によれば、自律走行する作業車両を操作する無線通信端末装置であって、タッチパネル操作可能なディスプレイを備える装置本体と、前記作業車両の自律走行を停止させる緊急停止ボタンを備えた緊急停止用リモコンとを備えるので、オペレータは緊急停止用リモコンを用いることで緊急停止ボタンを素早く認識して確実に操作でき、緊急時に緊急停止操作を遅滞なく行える。また、本発明では、前記装置本体及び前記緊急停止用リモコンそれぞれが、通信方式の異なる無線通信ネットワークにより前記作業車両と無線通信を実行するので、複数の無線通信ネットワークがフェールセーフとして機能し、安全性を向上できる。また、装置本体が行う通信のデータ容量と、緊急停止用リモコンが行う通信のデータ容量に合わせて、それぞれ適切な通信方式を選択できる。
(付記4)
機体本体の自律走行を制御する車両走行制御部と、
画像データを出力する撮像部と、
外部と信号の送受信を実行する車両側通信部と、
を備える作業車両と、
手動操作に応じて走行制御指示信号を作成する指示信号作成手段と、
前記車両側通信部との間で、第1無線通信方式で信号の送受信を行い、前記走行制御指示信号を前記車両側通信部に送信すると共に前記画像データを受信する端末側通信部と、
前記画像データを表示する表示部と、
を備える無線通信端末装置と、
手動操作により第2停止指示信号を作成する停止指示操作手段と、
前記車両側通信部に対して、前記第1無線通信方式よりもデータ伝送量が小さい第2無線通信方式で前記第2停止指示信号を送信するリモコン側通信部と、
を備える停止用リモコンと、を備え、
前記無線通信端末装置における前記走行制御指示信号には第1停止指示信号が含まれており、
前記車両走行制御部は、前記車両側通信部を経て入力される前記走行制御指示信号に応じて前記機体本体の自律走行を制御し、前記第2停止指示信号に応じて機体本体を停止させる、遠隔制御システム。
(付記5)
前記表示部と前記指示信号作成手段は、タッチパネル操作可能なディスプレイで構成されている、付記4に記載の遠隔制御システム。
1 ロボットトラクタ(作業車両)
70 遠隔操作装置(装置本体)
71 緊急停止用リモコン
72 緊急停止ボタン
73 スタートボタン(開始ボタン)
74 ディスプレイ
81 ランプ(告知部)
86 緊急停止ボタン画像
87 開始又は停止ボタン画像(開始ボタン画像)
91 本体ケース部
92 リモコンケース部
90 ケース

Claims (6)

  1. 機体及び前記機体に装着された作業機を備え、前記機体を自律走行させつつ前記作業機に作業を実行させる作業車両の操作に用いられる遠隔制御システムであって、
    手動操作に応じて、前記機体及び前記作業機を制御するための制御指示信号を、第1無線通信方式で前記作業車両に送信する遠隔操作装置と、
    手動操作に応じて、前記機体の自律走行を停止させる停止指示信号を、前記第1無線通信方式とは異なる第2無線通信方式で前記作業車両に送信する停止用リモコンと、を備え、
    前記停止用リモコンは、前記作業車両との無線通信を開始するための操作と、前記機体の自律走行を停止させるための操作と、を受付可能に構成されている、
    遠隔制御システム。
  2. 前記第1無線通信方式は、前記第2無線通信方式よりも伝送速度が速い、請求項1に記載の遠隔制御システム。
  3. 前記作業車両は、前記第2無線通信方式により複数台の前記停止用リモコンと通信可能である、請求項1又は2に記載の遠隔制御システム。
  4. 前記遠隔操作装置の表示部に停止ボタン画像が表示され、
    前記停止用リモコンと前記停止ボタン画像とのいずれが操作されても、前記機体の自律走行を停止させる、請求項1~3のいずれか1項に記載の遠隔制御システム。
  5. 前記遠隔操作装置の表示部には、前記作業車両に搭載された撮像部で撮像される前記作業車両の周辺の画像が表示される、請求項1~4のいずれか1項に記載の遠隔制御システム。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の遠隔制御システムと、
    前記作業車両と、を備える、
    自律走行作業システム。
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