JP7245988B2 - 海底鉱物資源揚収装置 - Google Patents

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Description

本発明は、海底から物体を揚収する装置に関する。特に、海底鉱物資源を採取し揚収するシステムに関し、水より比重の軽い液体の浮力を利用して揚収するためのエネルギーを投入せずに海面まで揚収するための装置に関する。気体を構成要素より排することにより内外の圧力を均衡させて海底での耐圧の必要性を回避する。さらに自律的に航走することにより海面と海底間の構造物を不要とすることを特徴としている。
海底より物体を回収する試みは従来から、サルベージ、浚渫、海底油田の掘削の分野で行われている。海底鉱物の採集については1000mレベルの海底鉱物採集の試行が開始された状況で、2000mから5000mレベルの海底鉱物資源回収は方法論すら確立されておらず、経済的目処も立たないため行われていない。本発明は6500mレベルまでの海底鉱物資源回収を経済的に行う装置に関するもので、従来、海洋開発では利用されていない他の分野である、制御工学、宇宙工学、情報工学、音響光学の最先端技術を組み合わせることにより、高圧環境下での機械的挑戦を行わずに現存のハードウェア技術で実現すべく、新たに考案したものである。
以下、従来技術を述べる。サルベージ技術、浚渫技術、海底石油掘削技術の延長発展として海底鉱物の採集は従来議論されている。サルベージ技術については、非特許文献1に概観されているように、ワイヤーをかけて引き上げる「大廻し方式」、浮力を利用する「バルーン方式」、直接つかみあげる「つかみ方式」がある。「大廻し方式」はワイヤーをかける潜水作業を伴うため深海では行われない。「バルーン方式」は圧搾空気を入れた金属製またはゴム製バルーンで海中を引き上げるが、深度変化に伴う気体膨張があるため水平移動が主体で、深度も100m以浅である。「つかみ方式」は海底に直接アームを伸ばしてつかみあげる方法で、1970年代に海底5000mから米国CIAがソ連の沈没原潜を核戦略情報収集のために採算を度外視して引き上げた例があるがこれが深海より引き上げた唯一の記録であり、その後の例はない。公開情報によると、このソ連の沈没原潜の引き上げは海底石油掘削技術の延長とみられる。いずれの方式も水上の作業船が直接力学的に関与するため海面の静謐が不可欠であり、深海から海底鉱物資源を採集するのには適さない。
現状における海底からの鉱物採取は経済的に成り立たず、深海探索艇や無人ロボットのアームや、ボーリングによってサンプル採取するのがせいぜいである。例外的に、油田やガス田などでは穴を開ければ内圧に押し出されて噴出するので、開口部にパイプなど回収設備を設けることで比較的低コストで採掘できるため、海底石油掘削技術の延長として海底熱水だまりより海底鉱物資源が溶けた熱水をポンプアップする方法が提案されている(特許文献1)。この方法は、さらにシェールガス採掘等と同様に鉱床に特殊な溶剤を流し込み、溶けた鉱物を水上へバキュームした後で溶剤から分離させて採取することもできる。
海底表層地層より海底鉱物資源を回収する方法としては、浚渫技術の延長として、深度1000mの海底熱水鉱床(チムニーなど)を掘削し、スラリー化して水中ポンプで海上に送り出すための要素技術の試験開発が行われている(特許文献2)(非特許文献5)。 海底1600mの熱水鉱床採掘・揚収のパイロットプロジェクトが2017年に実施され、1.5か月で16トン揚収したが商業的目途は立っていない。(非特許文献7)
海底鉱物の採掘採集は深度1600mの海底熱水鉱床がようやく要素技術の試験開発が行われ始めた段階である。コバルトリッチクラスト、マンガン団塊、レアアース堆積物は1000m以深の深海表面に分布するが、資源調査の段階であり、海底鉱物資源回収については方法論を含めて未着手である。(非特許文献3)
本発明と同様に高圧環境での機械的限界への挑戦を行わずに海底より物体を揚収する技術として本発明と同一出願人の特許文献3がある。特許文献3では海底で発生させた水素ガスの浮力を用いて揚収機材の内圧と周囲海水圧を同一として高圧環境下での耐圧技術など機械的・構造的問題を解決し、浮力を用い、さらに海底で発生させた水素ガスは揚収過程で余剰となるのでトルエンに吸収させてMCH(メチルシクロヘキサン)として回収し、水素エネルギー源として活用することにより揚収エネルギー効率の問題を解決した。
WO2013118876A1「海底熱水鉱物資源の回収方法及び回収システム」 特開2011-196047「揚鉱システムおよび揚鉱方法」 特開2017-066850 国際出願PCT/JP2016・0836「揚鉱資源揚収装置」 「サルベージ」清水信夫 日本造船学会誌 平成14年5月 「海底鉱物資源開発に係る揚鉱管内における大粒径粒子のスラリー移送評価」高野他 第14回 海上技術安全研究所研究発表会 平成26年6月 「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」 経済産業省 平成25年12月 「最新の海底鉱物資源の開発動向」織田洋一 三井物産戦略研究所 20134月 「海底熱水鉱床掘削要素技術試験機の開発」三菱重工技報2013年No.2 Satellite Attitude Tracking By Quaterion-Based Backstepping, Raymond Kristiansen, Norweigian University of Science and Technology, Norway, 2005 「海底熱水鉱床 採鉱・揚鉱パイロット試験」JOGMEC NEWS 2018,March Sound Metrics http://www.soundmetrics.com/
コバルトリッチクラスト、マンガン団塊、レアアース堆積物は海底面に堆積しており、地上であれば採集自体はパワーショベルまたはブルドーザで可能である。熱水鉱床の採掘試行が先行しているのは、熱水鉱床が深度1000m内外と比較的浅いことが主因であり、1000m以深の海底鉱物資源開発は深度が障害となり従来のサルベージ技術、浚渫技術、海底石油掘削技術の延長では解決できていない。
生物の世界では、マッコウクジラは生体で特段の耐圧技術を使わず、エネルギーもほとんど使わずに、3000mまで潜ってダイオウイカを捕食して海面に戻ってくる。マッコウクジラが深度を障害とせず深海底と海面を容易に往復できる理由は、第一に、生体内で液体と固体の内外圧を等しくして高圧環境での構造的問題を回避していること、第二に、海底や海上の物体と独立に移動でき、構造的にも運動体としても自律的であるため、構造物としての制約が少ないことにある。第三に、クジラは“脳油”の温度による比重変化を利用して浮力を調節してほとんどエネルギーを使わずに昇降しており、浮力を利用した昇降が海中のような液体内の上下移動手段として最もエネルギー効率が良いことを示している。
しかし、以上の問題意識で、海底で鉱石の水中重量を打消す浮力を得て鉱石を揚収するには、次の2方法以外はない。
第一は水中で無から浮力を発生させる方法であり、この視点から解決に取り組んだのが本特許と同一発明人の特許文献3の方法である。高圧環境の海底で最も効率が良いのは水の電気分解による分子量が最小の水素の発生である。この方法は発生源の純水の海底への持ち込み、海底への送電、浮上過程での余剰水素の回収も効率的に行える。海底で水素ガスを発生させて、浮力源として海底鉱物資源揚収に用いる。浮上に伴い余剰となった水素ガスをトルエンに吸収させ、MCHとし、水素エネルギー源として回収再利用する。しかし、この方法では (a)海底で電気分解により水素ガスを発生させるための電力、(b)海底での電気分解装置、(c)浮上過程での水素吸収のための有機ハイドライド反応装置、(d)揚収過程での水素反応制御装置が不可欠となる。
第二は本発明の方法である。すなわち、海面から“浮力”+“バラスト”の形で浮力を打消して海底に浮力源を持ち込み、“バラスト”を切り離して海底でそれまで存在していない浮力を発生させる方法である。バラストは比重の重い固体または液体であるので、海面から海底に持ち込む過程で水圧の影響は受けないと考えてよく比重も一定である。浮力源としては液体であれば海底でも水圧の影響を受けない。浮力源として最も目的に合う物質には、常温で液体の最も比重が軽いn-ペンタン(沸点が36.1℃、比重0.626)、あるいはコスト的に安価なガソリン(比重0.70)がある
本発明の方法では、第一の方法で必要な項目(a)から項目(d)の水素関連機材を省略できる。この利点はコストが削減でき、また、液体の浮力源は終始密閉状態にして置いてよいので取扱い容易である。一方、次の2点を解決する必要があり、これが本発明の課題となる。
(1)海底において、バラストと共に持ち込んだ浮力源からバラストを切り離し、バラストと揚収しようとする鉱石への切り替えを遠隔操作で、大浮力を発生している浮力源に対して実施する必要がある。
(2)商業的に海底鉱物資源を揚収するためには、連続的にプロセスを繰り返せなくてはならない。
なお、海面から気体を浮力源として海底に持ち込めば耐圧殻を用いる必要があり、この方法は試算すれば効率とコストが引き合わないことが分かる。海面からパイプで高圧空気を吹き込むのもこの変形といえる。
第一は、高圧環境の障害を根源的に回避するために、構成機材より気体を排除して、内外圧を等しくして耐圧機材を無くし、耐圧要件を回避した。このため揚収の浮力源として常温で水より比重の軽い液体(例えばn-ペンタン、ガソリン)を用いた。海底まで浮力源を到達させるために浮力を打消すバラストと共に沈下させ、海底でバラストと揚収鉱石を置き換える。本発明の方法では機構的に高応力の箇所がないので装置のスケールアップが容易となった。
第二は、浮力による揚収方法は海底鉱物資源を海中でスラリー化してポンプで海面に持ち上げる方法に対比して、高揚程ポンプが不要となる。圧力差の大きい可動機構、高圧配管、摩擦機構、耐圧機構がなくなり、スラリー輸送による輸送パイプの摩耗、シーリングの問題も生じない。さらに、本発明の方法では、海底より回収する物体をそのまま持ち上げるので、回収物体に対する寸法形状および物性の制約がない。海底鉱物資源については情報が少なく、海底では視程も悪く、情報収集手段が限られるので、鉱物破砕とスラリー化によるエネルギーの投入と海水汚染も回避できる。海底でのスラリー化を行うなどの海底での鉱物加工を排除し、原石のまま揚収する利点は大きい。さらに海底から高揚程の鉱物圧送を回避して、エネルギーの浪費を回避した。
第三に、構成機材の水中重量を軽量化し、定常運用の一環として全機材が浮力により自力で海面に浮上できるようにした。この結果、全機材の保守点検が容易となる。さらに自律航法で昇降できるので、揚鉱管のような海中および海底構造物と海上船舶との力学的連結がなく、海洋条件および海上指令船(母船)の位置制御条件の緩和を実現し、海上指令船のコストダウンになる。このことは同時に海底設置機材の移動を容易化するので、海底に薄く広く広がっている鉱物の収集に適した機動性が実現可能となった。
第四に、浮力差による移動速度を向上させて設備稼働率を向上する一方、水の抵抗を積極的に利用して抵抗翼の展開により水の抵抗を利用して終端速度の減速を行うことにより、海底への着床と海上指令船への帰還を安全にすることもできる。
しかしながら、上記の第一から第四の手段は、現実の世界で具体的に実現できて初めて課題を解決する手段となりうる。以下に実現を担保する方法について記述する。海底鉱物資源揚収システムの運用の全容は図02に示す通りであり、主たる機材である深海クレーンの構成は図01に示すとおりである。深海クレーン001は気球状の形状の浮力タンク002に比重が水より軽い液体を充填し、貨物室にバラストを積んで、洋上の海上司令船010より海底に降下する。海底ではバラストと採集鉱物を交換して海面に浮上する。
(1) 軽量化による実現性の担保
浮力を利用するためには装置の比重を1.0近辺にする必要がある。このため装置全体の軽量化が不可欠であり、比重が1.8程度の強靭な炭素繊維樹脂を含む軽量強靭な材料を構造材として用いる。とくに、海中より採集鉱物を揚収する深海クレーンを実現する場合、海底と海面の間を往復する時の全体比重を1.0近辺に保ちながら、バラスト=揚収鉱石の全体重量に対する比率を高めることが経済性の面で重要である。ここで比重が1.0近辺というのは、自重による自由降下で海底への軟着床が可能であることを意味する。
深海クレーン001の軽量化は実現化の成否を左右する重要要件であるので以下に検討する。
(a) 浮上時
試算例として、海底から一回の揚収で10トン程度の海底鉱物資源を1000から6500mの海底から回収する典型的な深海クレーンの諸元例(単位mm)図1に示す。充填する液体はガソリン(比重0.70)とする。浮力源として、浮力タンク002の容量は半径2mの球体であるから33.51m である。浮力タンク容器の重量は厚さ5mmの炭素繊維樹脂を用いた場合、浮力タンク容器の容積は、0.252 であり、代表的な比重1.8とすると水中重量は、0.2トンとなる。
体積 V = 2.0x2.0x2.0xπ x 4/3 = 33.51 m3
浮力= 33.51x0.30 =10.05トン
表面積 S = 4x2.0x2.0xπ = 50.26m2
水中重量 W = 50.26 x0.005x0.8 =0.20トン
外壁にかかる最大せん断応力は、10.05/2トンの浮力を得て上昇中及び下降中に球中央外壁部に上下方向にかかる。外壁円柱部断面積は肉厚5mmの場合 314.2cm2であり炭素繊維樹脂の代表的せん断応力を150kgf/mm2、圧縮破壊応力を100kgf/mm2当該すると3140トンまで耐えられる。荷重に対して30倍の強度がある。以上、本発明は現在の技術で十分実現性があると言える。
(b) 下降時
下降時は浮力ユニットにガソリンを33.51m充填してあるので、貨物室005にバラストとあわせて深海クレーンの機材重量を33.51トンであれば全体の比重が1.0となる。若干の重量を付加して比重を1.0+αとすることにより、緩やかに海底に向けて降下させることができ、海底に軟着床させることができる。(図2) 浮力タンクは0.2トンと見積れるので貨物室と付加機材が0.5トンまでであれば、バラストは9.35トンであり、海底で9.3トンの鉱石を積載できる。深海クレーン002は物理的な制約がないため海底鉱物資源を自由に取ることができる。図03に示すように直径9.0mの浮力タンクを使用すれば海底から100トンの鉱物を揚収することができる。
(2)商業運転の実現
本発明になるシステムは継続的かつ連続的に、海底鉱物資源を揚収し採集するシステムであるので、かかる運用を具体的に実現するものでなくてはならない。
この目的に沿う運用形態を図4に示した。
深海クレーン 001は、ガソリンの浮力を用いて海底009より海底鉱物資源を揚収するクレーンの役割を行うものであるが、深海クレーン001に加えて海底鉱物資源を海底で収集して深海クレーン001に積み込む機能が必要である。この目的で、鉱物収集装置(海底パワーショベル)015を海底に設置して対応する。
海底鉱物資源は深度1000mから6500mの海底に広範に存在する。海底熱水鉱床は岩塊として、マンガン団塊は、海底に礫状に散在して、またコバルトリッチクラストは海底に薄く枕状溶岩として堆積しており、レアアース泥は海底数メートルの深度に数~10mにわたって堆積している。
地上であればこれら海底鉱物資源はパワーショベルで収集できる。海底では、揚収手段である深海クレーン 001に積み込む手段がないので、鉱物収集装置(海底パワーショベル)015を用いて積み込む。
海底では一般に視程は保証されていない。この対策として超音波高精細ビデオカメラを海底パワーショベル015に搭載して海上司令船010より遠隔操縦で操作する。本発明の出願時点では商用で実用化されているものは、視程35~80m、視界29°、ビーム数96(分解能)、20フレーム/秒のものまで実用化されている。(非特許文献8)
図29は電動パワーショベルの例である。パワーショベルは油圧機構で駆動するが、駆動機構は差圧で動作するので、原理的に周囲の圧力環境に依存しない。海底の高圧環境でも電動油圧機構と移動機構をモータ駆動にすれば動作可能である。海上指令010より電力供給と遠隔制御を行う。超音波高精細ビデオカメラ050は海上指令船010より遠隔操縦で操作するリモコン雲台265の上に設置され、任意の方向の視界が海上指令船010で得られる。電動パワーショベル015の重心の上方には回収リング037を設け海底からのパワーショベル回収運用で用いる。
図2で、海底を離床した深海クレーン001は浮上経路046で海上指令船010に向かって上昇し、海面032に到着する。海上司令船010は深海クレーン001より、採集鉱物018を回収する。回収後は、貨物室005にバラストを搭載し沈降経路044で海底に降下させる。
海上司令船010は、バラストを出発港より運び、採掘点海上で採集鉱物018を回収して出港地にもどり、この往復を繰り返す。
海上指令船010は、海底鉱物資源を採取の中核となる基地船である。海底鉱物資源を採集する海底の上部に占位し、海底鉱物資源の採取の指揮、機材の保守、電源の供給を行う。海底指令船010は、複数の深海クレーン001、海底パワーショベル015を搭載して鉱物採集地点に進出して、複数の深海クレーン001、海底パワーショベル015を海中および海面に展開する。海上指令船010は関連するすべての機材の運用を管制し、その目的のためのシステムを装備する。
海上指令船010は、海底鉱物資源の状態によって位置を変えることができる。深海クレーン001は比重1.0近辺にすることができるため、一旦海面に浮上させて揚収した後、新地点で展開することができる。
本発明によれば、海底から物質の揚収を浮力により行うため、エネルギー消費が少なく、海底を往復する機材に気体を含まないため海底深度による機械的影響が少なく、1000m未満から5000m超まで広範に適用できる。また、構造的に強度が制約される部分がないため、スケールアップが容易である。さらに揚収鉱石を微粉化しないので海中汚染も起こさない。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明を行う。なお、本発明は以下の説明に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々に変形を加えて実施することが可能である。深海底と海面の間を往復して、繰り返し海底鉱物資源を揚収する装置を本書では、以下、「深海クレーン」と呼び、周辺の支援装置を含めて全体を「海底鉱物資源揚収システム」と呼ぶ(図2 海底鉱物資源揚収システム全体図)。深海クレーンはマッコウクジラから学ぶべき次の3点は全て採用している。
(1) 内外圧を均衡させる
(2) 浮力を利用する
(3) 自律的に移動する(自律航法)
本発明の揚収は密閉した常温で液体の低比重液体の浮力をバラストによる重力と組み合わせ操作することにより行う。陸上より海面上を運搬したバラストを海底にあるほぼ等重量の鉱石と交換するシステムであり、エネルギーの投入自体を行わないのが特徴である。また浮力源は密閉しているので方式上新規に浮力源を追加発生させることはできない。
(1) 比重制御
a. 搭載しているバラストを放棄して水中重量を減少させて比重を軽くすることにより比重を減少させることができる。
b. 浮上または降下中は比重を増加できない。
(2) 終端速度制御
水のような粘性流体中を重力または浮力を受けて移動する時、抗力と均衡して一定速度になる終端速度がある。比重は海水比重の近辺に設定する運用を行うが、海水比重より小さい分をαとすると、αと深海クレーン001の形状に規定される一定の最終速度で浮上する。深海クレーン001の比重が海水比重より大きい場合、大きい分をαとすると、αと深海クレーンの形状に規定される一定の最終速度で降下する。αの調節および減速器があれば減速器展開による抵抗増減で終端速度を調整する。
(3) 海面からの降下および着床
a. 降下時は比重を海水比重+αに設定する。αは大きいほど降下時間は短縮されるが消費バラスト量が増大すること、およびb.項に記載の制御が難しくなる欠点があり最適値を調整で求める。
b. 着床が近づくと、バラストを投棄して終端速度を0に近づけ軟着床する。
(4) 海底から海面への浮上
浮上時は比重を海水比重-αに設定して浮上し、制御翼兼着床用脚006で速度調整しながら海上指令船010の近傍に到着させる。海底から空荷で浮上するような浮力過多の場合は減速パラシュート064(図27)を利用できる。
海底鉱物資源揚収装置の構成機器
1.深海クレーン
深海クレーン001は図1に示すように気球と類似の構造を持ち、海面と海底を往復する球状の浮力タンク002に貨物室005を吊下ネット003、吊下索004で吊り下げた無人潜航体で、鉱物揚収を行う。球形の浮力タンク002を採用するのは製造が容易であること、表面積に対する容積が大きいこと、他の形状に比べて強度が得やすいこと、水中航走体としての特性が単純で、構造計算が簡単であることによる。海中深度によらず内外圧をほぼ等しくして運用するために深海クレーン001に耐圧能力は必要ない。浮力タンク002はジュラルミンなどの軽量金属または軽量で強度の得られる炭素繊維樹脂で構成され、常温において液体で、水より比重の軽いnシクロペンタン(比重0.63)またはガソリン(比重0.70)を密閉充填する。ガソリンは得られる浮力が劣るが価格が低い利点がある。
深海クレーン001は自律航法で海底と海面を往復するが、下降時は水より大きい比重に設定され、上昇時には水より小さい比重に設定される。海面からの下降時にはバラストを積載して沈下し、上昇時にはバラストの替わりに鉱物を積載して上昇する。上昇時の積載鉱物に見合う浮力は海底でバラストを投棄することによって得る。
また貨物室005には開閉可能な制御翼兼着床用脚006が設置され、制御用と減速用の翼が設置される。図1、図23(a)では、制御翼兼着床用脚006a、b、c、dが設けられ、深海クレーン001の貨物室005のZ軸対称にX軸の正負方向に各2個、Y軸の正負方向に各2個から構成される。制御翼兼着床用脚006は浮力タンク002と貨物室005内の積載物重量をバランスさせている運用で用いられるので、着床時に負担する荷重は少ない。深海クレーン001の最大の特徴はバラストと採集鉱物を、重力を利用して軽量簡単な機構で置き換えることである。海底では制御翼兼着床用脚006を用いて貨物室005が着床し、浮力タンクは上方に浮いている。浮力タンク002と貨物室006の間には鉱物投入用間隙092がある。貨物室の上方より採集鉱物を投入することにより下方よりバラストを押し出してバラストを採集鉱物に置き換える。バラストの投棄量を調節して海底への着床維持と浮上を制御する。
深海クレーン001は自律水中航走体であるため誘導制御が不可欠で、水中音響、画像処理、慣性航法のほか、制御理論を適用する。海上司令船010との制御・画像信号の通信のためには光ファイバケーブルを用いる
図17(a-1)は深海クレーン001の上面図であり、浮上時に深海クレーン001を海上司令船010に誘導するための発音素子230、感音素子A~D 231~234を設置する。また、図17(a-2)は深海クレーン001の貨物室005の下面図である。降下時に深海クレーン001を着床点011に誘導する目的で、発音素子230、感音素子A~D 231~234、撮像素子235を設置する。これらの運用法、実施例は「II 航法系」の項で詳述する。
図2で電源および信号ケーブル012を深海クレーン001に連接し、制御信号と電源を海上指令船010より供給する。信号ケーブルは光ファイバにより軽量化を図る。なお、電気機器は完全油浸ないし水浸である必要があり、電子回路もレジン封入を含む方法で耐圧性を確保する。電源は深海クレーン001搭載の充電池でもよい。
1. 1 貨物室による鉱石揚収
深海クレーン001は浮力タンク002の浮力と貨物室005に搭載したバラストの重量が水の比重より若干大きい状態で海底に近づく。貨物室の下部より投下するバラストの量を微調整することにより着床速度を調整できるが、ひとたび水の比重より軽くなると比重を増したり、下方に推進する手段がない理由により、着床速度は深海クレーンの機械的強度により定められる一定値、概ね毎秒0.7メートル程度に設定する。制御翼兼着床用脚006は海底の起伏に応じて開度を自動調整する。
深海クレーン001の降下経路及び浮上経路の制御は図23(a)の制御翼兼着床用脚006の開脚度と回転角を制御して行う。制御翼兼着床用脚006にはが設置されていて水流の制御と制動を行う。エネルギーを投入する制御は行わず下降又は浮上時の位置エネルギーを制御翼により変換して制御力にする。図23(c)は制御翼兼着床用脚006による制御力の発生メカニズムを示す図であり、(a)は重力ベクトル309が浮力ベクトル300より沈降力303だけ大きい沈降過程を示す。このとき(b)に示すような傾いた制御翼006が存在すると制御翼006に直角に制御翼抗力302が発生し、その結果、翼推力314が発生する。(c)翼推力314により斜め下に移動するが翼推力314を反対方向に打消す深海クレーン抗力315が働くので、翼推力314方向に一定速度で降下する。図23(b)は翼推力を各制御翼兼着床脚に記載したものである。
図26(a)は各制御翼が軸回りに同一方向に傾いていて深海クレーンの回転を行う。回転方向は下降時と浮上時は逆となる。図26(b)は対向する制御翼二枚を水平座標面で同一方向に傾ける。残りの二枚は鉛直に向けて水平方向に制御力が発生しないようにする。図26-1は沈下、浮上により発生する鉛直方向の水流に対して水中翼により翼面に垂直な揚力を得て水平方向の推力を得ている。さらに翼面の向きで、回転と水平方向移動ができる。図25(a)は開脚度を最小にして制動力を最小にする場合であり、図25(b)は開脚度を最大にして制動力を最大にする場合である。図1で制御翼兼着床用脚006の各付け根に制御翼兼着床用脚の開閉機構兼重量センサ007を設けて制御翼兼着床用脚006の開傘角度を開度調整範囲048の範囲で深海クレーン制御装置284により制御する。制動力の調節は深海クレーン001に対する図14減速器個別制御量計算220による制御翼制御系222による。
図4は深海クレーン001に対する採集鉱物積載の状況を示している。採集鉱物は電動パワーショベルにより貨物室005の上方より投入されるが、制御翼兼着床用脚006の根元にある重量計(開閉機構兼重量センサ007)で投入量を監視し、投入量に見合った量のバラストをバラスト排出機構より投棄する。全てのバラストを投棄しても深海クレーンの比重が海水より大きくなると浮上できなくなるので、制御翼兼着床用脚006の根もとにある重量計計測値の変化から残余バラスト量をアルゴリズムにより常時監視して採集鉱物投入を中止して浮上する。
(1) 貨物室の構成と運用
貨物室005は下記方針で構成する。
第一に自然の重力を利用して海底でバラストと揚収すべき鉱物を交換するために、バラストと揚収鉱石を搭載する貨物室005の構造を決定する。貨物室005は重力を用いてバラストを放棄し、揚収鉱物を搭載するために上方に開いた形状を持ち下端に開閉可能な放出口がある。この目的に合う形状は上方に開けた円錐台である。揚収鉱石は上方より投入され、下端にある放出口からバラストが放出できるようにする。バラストは流動性を確保するため粒度が細かい土砂を用いる。
第二にバラストと揚収鉱石と混合することを避け防止するため、貨物室005の上方を覆う隔壁を設ける。この隔壁は貨物室005の上部を隙間なく覆い上方から揚収鉱石を投入するにつれバラストとの境界を占めながら下端の排出口に移動する構造とする。隔壁は蛇腹式で下方に伸長するものでも、膜状のものでもよい。
第三にバラストと揚収鉱石を交換するに際しては、投棄するバラストの量を制御して、発生する浮力が深海クレーン001の全体重量(バラスト、揚収鉱物、揚収機材の重量の総和)より小さくするようにする。この目的で深海クレーン全体重量を計測するセンサを設け、計算機によりバラストの投棄量を予測し制御する。揚収鉱石の搭載が完了して浮上を開始する場合は深海クレーン全体重量を水より小さくする。
第四にバラストの流動性の確保する必要がある。これは搭載する揚収鉱石に対応して深海クレーン全体重量を正確に制御する必要があるためであり、バラスト排出機構を制御してバラスト排出量を正確に制御するためにバラストの流動性が必須となる。この目的のためバラストの粒度を細かくすると同時に流動性を増すために水流を噴射する構造とする。
図5はバラストと投入したバラストと採集鉱物を交換するための機構を示しており、下側に絞る構造の円錐台の形をしている。図5(a)は着床時の貨物室005がバラストで充填されていることを示す。バラストは細粒状の土砂で貨物室005の下端に設けたバラスト排出機構008により投棄量の微調整が可能である。バラストの投棄は重力によって行われ、採集鉱物の選鉱滓、精錬滓を用いると輸送コストと環境負荷を削減できる。上部を仕切機構016で覆うことで、上部より採集鉱物を投入しながら下端のバラスト排出機構008よりバラスト投棄を行っても、採集鉱物が投棄されることと、採集鉱物とバラストが混合することが防止できる。図5(d)(e)は下方に延長可能な蛇腹構造の仕切機構の例を示しているが膜構造でもよい。図5(b)は採集鉱物投入の途中過程で図5(c)は採集鉱物投入の終了時を示す。実際の運用では浮上時に深海クレーンの比重を海水より軽くする必要があるので投棄用のバラストを残しておく必要がある。
図7(a-2)はA-Bでの断面図である。制御翼兼着床用脚006の各付け根に開閉機構兼重量センサ007を設けて制御翼兼着床用脚006の開傘角度を開度調整範囲048の範囲で制御する。図2は図1の深海クレーン001の運用例を示したものである。海上指令船010より貨物室005の制御翼兼着床用脚006を畳んだ状態(図2(a))で貨物室005にバラストを搭載して全体の比重を1.0+αの状態にして、海上指令船010より深海クレーン001を海底に降下させる。航法制御については慣性航法区間090、および音響航法区間091の航法制御を経て、海底クレーン001は海底に近接したところ制御翼兼着床用脚006を開き(図2(c)、減速し、必要に応じてバラストを投下して軟着陸する(図2(c))。
図3に海底に於ける鉱石搭載の例を示す。浮力タンク002と貨物室009の間の鉱石投入間隙092より採集鉱物018を海底パワーショベル015により投入する。海底パワーショベル015は電動モータにより油圧システムを駆動する。海底パワーショベル015は重量が約6~8トンであり、浮力タンク002に充填したガソリンによる浮力が図1のシステムの場合約10トンであるので、海底パワーショベル015を貨物室005に吊下して海底に持ち込むこともできる。貨物室005は浮力タンク002の浮力と均衡するバラストを搭載して海底に軟着床する。海底パワーショベル015は採集鉱物018を貨物室005に投入する。深海クレーン001は投入された採集鉱物018に見合ったバラストをバラスト排出機構008より投棄しつつ深海クレーン001が浮上しないように投棄量を調整する。図1の制御翼兼着床用脚006の各付け根には開閉機構兼重量センサ007がある。各制御兼着床用脚006の重量計測値の和が正であれば着床状態である。着床状態で深海クレーン001に採集鉱物023を投入すると重量計測値が増加するので、増加量に見合った重量をバラスト排出機構008より投棄する。
海底パワーショベル015には採集鉱物投入作業に便利なように各種アタッチメント(図27(b))を予め取り付けることも可能である。図4の採集鉱物投入ではバラスト017が採集鉱物018に最大限置き換わることが望ましい。この実現には次の対策が有効である。
(1) バラスト排出機構008出口に開口度を調節可能な排出絞り機構を設置し、バラストを細粒で準備することにより、バラストのみを投棄させ、最終鉱物の積載空間を確保する。
(2) 採集鉱物018がレアアース泥のような細粒の場合にも対応できるように、バラスト上面に遮断用の膜または伸縮可能な仕切り機構で上面を覆い、仕切機構016より下の部分を投棄するようにする。
図2(d)で深海クレーン001への採集鉱物018搭載が終了すると残余のバラストを投下して浮力を得て浮上する(図2(e))。さらに制御翼兼着床用脚006をたたんで(図2(f))抵抗を減らして上昇し、海面への接近に伴い、制御翼兼着床用脚006を開傘して減速し、図14海上指令船010近傍に誘導される。
図4を用いて海底に於ける鉱石搭載の運用例を説明する。貨物室005は3本の吊下索004で浮力タンク002より吊下されているので浮力タンク002と貨物室005の間に鉱物投入間隙092がある。採集鉱物018を海底パワーショベル015はそこへ採集鉱物018を投入することができる。図5(a)は貨物室005へバラスト017を積載して海底に持ち込んだ時の状態を示す。バラスト017の上を覆う形で仕切機構016がある。図5(e)は上方より見た上面図であり、図5(d)仕切機構016は切断図である。仕切機構016は図5(d)に示すように伸縮可能な蛇腹機構であり、圧縮時は図5(a)の状態である。貨物室005に上方より採集鉱物023を投入すると、図5(b)に示すようにバラスト排出機構008によりバラスト017が重力により下方に廃棄され、採集鉱物018が仕切機構016の上側に搭載される。図5(c)は採集鉱物積載完了時の状態であり、バラスト017はバラスト排出機構008より完全に下方に廃棄され、採集鉱物018が仕切機構016の上側に搭載され、仕切機構016は伸長し、貨物室005の内側に密着した状態となる。採集鉱物018が重力によりバラスト017を押し出す。
図6は貨物室005の内壁に仕切機構016の下側に設置される水流機構の例である。注水機構1 023および注水機構2 025より注水管026の注水孔027より注水を行い、バラスト017の流動性を増す。採集鉱物018の重力によりバラスト017が押し出されやすくする。図6の例では水流機構を信頼性向上のため2系統に分割し、1系統が動作しなくても深海クレーン総重量制御に支障が無いようにしている。水流を駆動する水流発生器1,2 023,025も各系統に設置し2重化している。
図7は排出絞り機構の構成例を示したものである。図7(a-2)は排出口開口時の状態を示す。開閉機構は構成例の場合、円板に扇状の開口部を22.5度おきに空け(a-3)C-D断面図に示すように上下に重ねて配置する。(a-2)A-B断面図のように絞り板1 028と絞り板2 029を重ねると開状態となる。(b-2)A-B断面図のように配置すると閉状態となる。開閉の操作は(a-1)上面図、(b-1)上面図に示す。
回転駆動機構1 028により絞り板1 028をモーター1 021-1、ウォームギア1 033-1を介して絞り板1 028周辺部に刻んだ歯車を動かして回転させる。回転駆動機構2 031により絞り板2 029をモーター2 021-2、ウォームギア2 033-2を介して絞り板2 029周辺部に刻んだ歯車を動かして回転させる。このことにより、バラスト排出機構008の開閉状態を制御する。貨物室005の排出絞り機構008の開閉は深海クレーン001全体重量の制御に極めて重要である。バラスト放出に失敗して比重を海水より小さくできないと海面への浮上が不可能となり、鉱石積載終了前に比重が海水以下になると意図しない浮上が発生する。このような事態を防止するためには、貨物室の排出絞り機構は絞り板を2分し、回転駆動機構の片系が動作不良の場合にも残存系を利用して浮上できるようにしている。2重系は図6貨物室の水流機構においても導入されており、注水機構1 023、注水機構2 025のいずれか一方が故障しても機能停止に陥らないように構成している。
図8に記載する貨物室制御システムが揚収鉱物積込み機構全体を制御する。システム自体はマイコン制御システムで、開閉機構兼重量センサ007のストレーンゲージで制御翼兼着床用脚006の各脚にかかっている荷重を計測する。水中重量の計測がプラスであると着床が継続する。初めて着床した時点の水中重量は採集鉱物018を投入するごとに投入分増大する。バラスト排出機構008から放出するバラスト重量は計測できるので、着床時に海底に持ち込んだ既知のバラスト重量から、残余のバラスト量が計算できる。残余のバラストを全量廃棄すれば浮上できる範囲で採集鉱物018を投入すればよい。図7の貨物室排出絞り機構の開閉度を調整してバラストの放出量を調整するので、回転駆動機構1 030および回転駆動機構2 031を2チャンネルのモーター制御装置204で制御し、回転位置を回転位置取込装置205で取り込む。図6の2チャンネルの水流機構を制御するため、水流発生器1 019および水流発生器2 020を2チャンネルのモーター制御装置204で制御し、回転数取込装置205で取り込む。インターフェイス203を介して深海クレーン電源及び制御装置278に深海クレーン001の全体重量を含む状態値を報告すると同時に深海クレーンの浮上命令に基づき、図7の貨物室の排出絞り機構を制御してバラスト放棄による深海クレーン001の全体重量の比重を海水より少なくして浮上を行う。
図9は貨物室積載物構成の時間推移の例を示すグラフである。実際に計測可能なのは海底に持ち込んだバラスト重量と、重量センサ(ストレーンゲージ)007(制御翼兼着床用脚006の展開による)で計測された深海クレーン全体の水中重量(以下、“全体水中重量”と称す)である。図9の実太線は全体水中重量の時間変化を示し、実測可能値である。(ホ)は全体水中重量=0を示し、全体水中重量がこの値を下回ると浮上する。(ニ)全体水中重量閾値 は海底滞在中に計画外の浮上を避けるために全体水中重量を(ニ)全体水中重量閾値を下回らないように制御する。(チ)は深海クレーンが海底に着床した時の状態であり、全体水中重量>0である。全体水中重量>(ニ)全体水中重量閾値 であればバラストを投棄する。(イ)バラスト投棄制御による全体水中重量変化はこの時の重量変化を示す。この時の減少値を以てバラスト残量推定値を減ずる(図中太線点線の曲線)。貨物室005に採集鉱物が投入されると1回の鉱石投入量分 だけ全体水中重量が増大する。この増大に対応して全体水中重量が(ニ)全体水中重量閾値になるまでバラストを投棄する。バラスト投棄後、貨物室005への採集鉱物の投入を許可すると、全体水中重量は(ロ)1回の鉱石投入量分増加する。このプロセスを繰り返して、(ト)の時点でバラスト残量推定値が(ハ)バラスト残量推定値閾値に達した時点でこれ以上の鉱石投入量を停止して残余のバラストを投棄しないと浮上できなくなるので、全体水中重量が(ヘ)浮上用閾値になるようにバラストを投棄する。
図9に示した貨物室積載物構成の時間推移を実現するためのシステム構成は図8貨物室制御システムであり、ソフトウェアは図10貨物室制御システムの処理フローで示される。処理系の動作はタイマによる周期処理であり、図10(a)で初期起動時に周期処理を起動する。図10(b)は周期処理の全体を規定する。図10処理ブロック502でプラント計測データである重量計測データ取込、回転駆動機構1,2の回転位置、ジェットポンプ1,2の回転数を取り込む。処理ブロック503では合理性チェック、雑音除去を含んだプラント計測データの変化量・変化率計算を行う。処理ブロック504で鉱石投入許可するのはバラスト廃棄可能量が1回の採集鉱物投入量上限値より大きく、バラストの投棄が停止され全体水中重量が整定している場合である。バラスト廃棄可能量は海底に持ち込んだバラスト重量から投棄したバラストの積算値を引いて、さらに安全値を引いたものである。処理ブロック505は鉱石を貨物室005への投入を阻止するために海上指令船010の鉱物収集装置コンソール441に採集鉱物投入禁止の警報を表示する。この警報は図8インターフェイス203より深海クレーン電源及び制御装置278経由で海上指令船010に送信される。
処理ブロック504は揚収鉱石投入を許可しているかを判定する。揚収鉱石の投入はバラスト投棄の停止中しか許可しない。周期的に取り込んでいるストレーンゲージ049の値が整定していることと、海上指令船010の深海クレーンコンソール210から採集鉱物の投入許可か出ていないと鉱石投入が許可されていないと判定し、処理ブロック505へ移行する。鉱石投入許可中であると判断されたときは、状態が変動中でプラント(深海クレーン)制御を行うのは状態が変動中で危険であると判断して処理ブロック507に移行する。
処理ブロック507ではバラスト投棄の要求が無く、かつバラスト投棄が進行中でないことを判定する。バラスト投棄が無い場合のみ鉱石投入を許すので、処理ブロック508で鉱石投入不許可表示消去を海上指令船010の遠隔操作盤で行う。バラスト投棄がある場合は、処理ブロック513で貨物室の排出絞り機構を閉鎖し、処理ブロック514で鉱石投入不許可表示を海上指令船010の深海クレーンコンソール210に要求する。
処理ブロック504で鉱石投入を不許可としている場合はバラスト投棄制御を許可し、処理ブロック505で鉱石投入不許可の警報表示の要求を海上指令船010の深海クレーンコンソール210に行う。処理ブロック506は浮上指令でなくかつ鉱石投入中でなくかつ重量計測データが正常であるか判定する。判定結果がYESであればバラスト投棄制御を行い、NOであれば海上指令船010の深海クレーンコンソール210からの緊急指令または、揚収鉱石搭載完了による浮上制御を意味する。処理ブロック509では図9(ニ)全体水中重量閾値をバラスト投棄制御の目標値に設定する。処理ブロック510では図9(ヘ)浮上用閾値をバラスト投棄制御の目標値に設定する。
処理ブロック511は深海クレーン全体水中重量が閾値以下となった場合、処理ブロック513に移行してバラスト投棄を停止する。すなわち、図7の貨物室005の排出絞り機構の回転駆動機構1,2 031 032を駆動して絞り機構を閉鎖し、バラストの流動化を行うための図6貨物室005の水流機構も停止する。深海クレーン全体水中重量が閾値以上の場合、処理ブロック512で閾値に向けたPID制御演算を実施する。タイマで周期起動するディジタル系のPID制御は公知の技術であり、図7の貨物室005の排出絞り機構の開度を制御し、同時にバラストの流動性を増加させるために図6貨物室005の水流機構に注水を行う。
処理ブロック515では次回のサンプル周期の処理に備えて今回プラント値を前回プラント値として記憶し、処理ブロック516で次回のサンプル周期の処理を起動するためにタイマを設定する。
1.2 収集鉱物容器による鉱石揚収運用
採集鉱物018の収集は貨物室005を用いる代わりに図11に示す鉱物収集容器034を用いて行うこともできる。深海クレーン001により事前に海底に搬入されている鉱物収集容器034に鉱物収集装置015で採集鉱物018を集積しておき、深海クレーン001で揚収することもできる。利点として、第一に鉱物収集装置015による採掘と深海クレーン001による揚収作業を切り離せることで、深海クレーン001による揚収を海象の静かな時に集中して行い、海象の影響を受けにくい海底での鉱物収集装置015による採掘を継続して行うことができる。第二に採集鉱物018を過積載した場合に深海クレーン001が浮上できなくなり失われるリスクを解消できる。特に過積載した鉱物収集容器034から過剰鉱石を鉱物収集装置015で排出することが可能であり、誤操作に対する耐性が増える。一方、鉱物収集容器034の回収リング037に図26(b)の貨物室005の吊上フック047をドッキングして吊上げる必要があり、深海クレーン001の精密位置制御が必要となる(これは、鉱物収集装置015を海底から揚収するのと共用できる)。貨物室005のバラスト排出機構、採集鉱物018積込み機構は不要となるが、深海クレーン001の精密位置制御機構(図26精密制御用アタッチメント)が必要となる。さらに、鉱物収集容器034が追加で必要になり、採集鉱物018重量測定用の重量センサ035と回収リング037の制御および深海クレーン001とのドッキング用通信機能が必要となる。
図24による深海クレーン001の位置速度制御は能動的な推進力がないため静止状態から上方へ移動することはできない。精密な位置合わせを行うため、図24の精密制御用アタッチメントを貨物室005に付加して下記機能を付与する。
(1) 水平方向推力 図24(a)水平スラスターa~d
(2) 垂直方向推力 図24(a)垂直スラスターA~D
(3) 光学航法用撮像装置 図24(d)撮像装置235
(4) 吊上げフック 図24(d)
(1)(2)は精密な位置合わせの推力を付与するため、(3)は撮影画像から光学航法により位置合わせ用の目標位置を精密測定する。(4)吊上げフックは撮像装置235の直下に取り付けられ、図24(e)に精密位置合わせ回収リングを吊上げる。精密制御用アタッチメントを付加した場合の貨物室005に作用する推力は図24(c)作用ベクトル図に示す。
図28(b)は鉱物収集容器034を海底に持ち込む場合の状況を示す。鉱物収集容器034は空荷であるので軽量でありバラストの替わりに大量に海底に持ち込める。
図11は海底に設置した鉱物収集容器034を用いた鉱物採集の方法を示している。海底床に鉱物収集容器034を設置し、シュラウド036が閉じた状態で先端にある回収リング037を鉱物収集装置015で軽く圧下するとロック機構040が解除されるので、シュラウド036を鉱物収集装置015で軽く押して開状態にする。ロック機構040は一回目押すと篏合ロックされ二回目に押すと篏合ロックが解除される、例えばプッシュラッチ機構のロックである。開閉機構038はロック機構040が外れた時はバネで開くようにする。シュラウド036は鉱物収集容器034を吊下して深海クレーン001が浮上する時、貨物室005に積載しているバラストを投棄する必要があり、鉱物収集容器034の内部に入らないようにするためのものである。
鉱物収集容器034は、マイコンシステムを搭載して深海クレーン001と下記情報を交換して鉱物収集容器034への鉱物積込みと海底離床までの管理を行う。
鉱物収集容器034に図12に示す鉱物収集容器制御装置286を設置して図13の鉱物収集用容器制御装置の処理フローを行う。海底に設置された鉱物収集容器034の認識番号(ID)は事前に定義されている。
鉱物収集容器034の海底への持ち込みから鉱石搭載による揚収までの一連の動作は下記である。
(1)図28(b)に示すように鉱物収集容器を複数海底に搬入する。海底に置いた場合の姿勢は保証されない。
(2)鉱物収集装置015の撮像装置235または超音波高精細ビデオカメラ050で撮像した動画を図30海上司令船010のディスプレイ255で監視し操縦桿270で鉱物収集装置015のアームを操作して各鉱物収集装置を正立させ整列する。
(3)鉱物を投入する鉱物収集容器034の認識番号(ID)を知る必要があるので、順次に音響トランスポンダで問合わせを行う。該当鉱物収集容器034は回収リング037を点滅させる。
(4)鉱物を投入する鉱物収集容器034がIDとともに確定したので、シュラウド036を開く必要があるので、ロック機構040はプッシュラッチ機構のロックであるのでロック状態でシュラウド036を上から鉱物収集装置015のアームで押し下げるとシュラウド036が開く。
(5)鉱物収集容器034に採集鉱物を投入すると重量が増加する。重量センサ035で計測しているので鉱物収集容器制御装置282が重量を鉱物収集容器制御装置処理フロー(図13)に基づき計算し、重量問合せに対して回答する。規定重量に達したと鉱物収集装置の制御装置285が判断すると、鉱物収集装置015のアームを操作して各鉱物収集装置034のシュラウド036を閉じ上から押し下げロック機構040をロックする。鉱物収集容器制御装置282は揚収OKとなるので、揚収OKであると鉱物収集装置の制御装置285を通して鉱物収集装置コンソール441に表示し、鉱物収集容器034を吊上げるための回収リング037の上方に隣接するLEDを点灯する。
(6)深海クレーン001を精密位置制御して吊上フックをLEDDを点灯した回収リング037にドッキングして、図28(d)に示すように吊上フック047で釣り上げる。図43は鉱物収集装置015を海底から回収する運用を示すが、鉱物収集装置015の替わりに鉱物収集容器034を揚収すればよい。
(7)図28(d)の状態で貨物室005のバラストを投棄すると深海クレーンの比重が海水より軽くなり、海面に浮上する。
2. 鉱物収集装置
深海クレーン001では揚鉱管による揚収を行わないため鉱石をスラリー化、細粒化する必要がなく、原姿に近い状態で揚収できる。そのため鉱物収集装置015は地上での鉱物採掘の類推でそのノウハウを最大限適用できる。採掘自体は地上であれば鉱山採掘機器で行われ、各種の鉱脈状態に対応している。海底鉱物資源は次の種類があり採掘に際してそれぞれ異なった特徴がある。
(1)海水熱水鉱床はマウンド状に岩塊として存在
(2)コバルトリッチクラストは海底に枕石状に存在
(3)マンガン団塊は10数センチメートルの団塊として散乱
(4)レアアース泥は海底泥の数メートルから10メートル下に数メートルから10メートルの層をなして存在する。
鉱山採掘機器はいずれも建機を大型化したものであり、建機、例えば図29に示すパワーショベルに各種アタッチメント(バケット、ブレーカー、回転破砕機、岩用首振りグラスパーなど)を付加すれば海底鉱物資源の異なった存在形態に対応できる。建機の駆動機構は油圧機構で動作していて駆動力は差圧であるので海底の高圧は差圧に関係ないので原理的には障害とならない。地上の建機は内燃機関で油圧ポンプを動かしているので、これを電動機にすることにより水中での動作が可能である。すでにリモコンにより水中で動作する建機が実用化されている。図29はリモコン式水中建機の例であり洋上司令船010より操作可能とするために電源信号ケーブル012で連接して洋上司令船上の発電機から送電し、信号は光ケーブルで送る。海底は光が届かず泥を巻き上げて視界が保証されないことがあるので投光器と光学式撮像装置に加えて超音波式のビデオカメラ(例えば、http://www.soundmetrics.com/)を装備する。回収リング017は深海クレーン001により海底より鉱物収集容器034を揚収回収する時に用いるものであり、円形のリングの周囲にLED発光体と音響トランスポンダを設け、深海クレーン001を精密誘導して深海クレーン001の引き上げフックが篏合しやすいように誘導する目的で用いる。
2.1 設置および回収運用
深海クレーン001は海底より採集鉱物を揚収することに加え、貨物室005にバラストに替えて鉱物収集装置015(電動パワーショベル)を洋上から海底に持ち込む操作と、海底から洋上に回収する操作を行う必要がある。この操作を行うためには海底より採集鉱物を貨物室005に積載して揚収する場合に比べ次の点が異なる。
(1)鉱物収集装置015の海底への持ち込み
海底への降下時には図27(a)に示すように、貨物室005に鉱物収集装置015を吊下して降下し海底に軟着陸させることができる。位置精度および着床速度は採集鉱物の揚収運用時と同様でよい。降下時は浮力タンク002の浮力に対して上記条件を満足するように調整用のバラストを搭載し、海底に近づくと制御翼兼着床用脚006を開きバラストを調整しながら投棄して着床速度を調整する。鉱物収集装置015を海底に設置した後は貨物室005のバラストはなく、また負荷であった鉱物収集装置015もないため浮力が過多となり急速に上昇し貨物室の破損、洋上浮上時の応力による浮力タンク破損が予想される。この事態を防止するために上昇時に制動用パラシュートを開傘する(図27(b))。なお、鉱物収集装置015はガットクレーン船067のクレーン065で海底に下すこともできる。
(2)鉱物収集装置の海底からの回収
海底に存在する鉱物収集装置015を回収するためには、貨物室005の下部に設置したフック047に引っ掛ける必要があり、位置精度でミリメートルオーダー、相対速度で秒速数センチメートルオーダーの精密制御が求められる。鉱物収集装置015をフック047に引っ掛けたあとは貨物室005のバラストを投棄して深海クレーン001の比重を海水より軽くして海面へ浮上する。鉱物収集装置015の(1)および(2)の操作は採集鉱物の揚収と異なり精密な制御が必要とされるため、貨物室005の上部にバラストと採集鉱物を隔離する仕切機構016の替わりに図24に示す精密制御用アタッチメントを設置する。図24に示すように電動の垂直スラスター4基と水平スラスター4基を設け電源として二次電池を付属させる。スラスターはフック上部に設けた撮像素子235による映像で制御する。鉱物収集装置015を海底に設置した後、浮上する場合は浮力過多となり貨物室005及び海面浮上時に浮力タンク001を応力過多で破損するのを防ぐ目的で減速用パラシュート064を用意しておき開傘させる。
図27(a)は鉱物収集装置015海底に設置する場合の運用を示す図である。図28(c)と図43は鉱物収集装置015を海底から回収する場合の運用を示す図である。海底からの回収は頻繁に行われる操作ではないので、精密制御用アタッチメントを貨物室の上部に設置して行う。精密制御用アタッチメントと鉱物収集装置015の重量は深海クレーン001の採集鉱物揚収能力より少ない必要がある。図43はメインテナンス等の目的で鉱物収集装置015を海底より揚収する場合の運用例を示す。深海クレーン001にバラストを搭載して海底に降下させる(図43(1))。海底に近づくと精密位置誘導するために制御翼兼着床用脚006を開傘して最大限減速し、バラストも調整して投棄して海底に停止する(図43(2))。吊上フック047を吊下し先端の撮像素子235で鉱物収集装置(電動パワーショベル)015の上部につけた回収リング037に吊上フック047を精密光学誘導し、吊上フック047で回収リング037を吊り下げる(図43(3))。鉱物収集装置015分のバラストを投下して浮上する(図43(4))。
3. 海上指令船
3.1 船種の選定
本発明の深海クレーン001の運用では、海洋掘削リグ等の海中構造物を使用しないのでムーンプール及びバウスラスター等の一定位置制御機構を要しない。また荷役方法を工夫して船上の小型クレーンで対応可能として699トンクラスガット鉱石運搬船での運用を可能とすることにより、海上司令船010として利用可能とする。ガット鉱石運搬船は採集鉱石運搬船としても利用できる。運搬船はバラストを出発港より運び、海上司令船010として機能し、採集鉱物をバラストの替わりに搭載して出港地にもどり、この往復を繰り返す。バラストは貨物室005下端のバラスト排出機構009より海底に自由落下させるので細粒のものが必須で、量的には金属を抽出した鉱滓を利用すると量的、運搬の都合から都合がよい。
海上司令船010は、採集海底の海上に占位し、鉱物鉱物資源を採取の指揮、機材の保守、単数または複数の深海クレーン001、海底パワーショベル015を搭載して鉱物採集地点に進出して、それらを海中に展開する。海上司令船010は関連するすべての機材の運用を管制する。
海上指令船010の持つべき機能は下記である。
(1)母港より、複数の深海クレーン001、海底パワーショベル015、発電設備を搭載して鉱物採集地点に進出して、採集海底の海上に占位し、これら機材を海中および海面に展開し、また海中より自船に誘導し揚収する。
(2)鉱物採集を行う適地に深海クレーン001を誘導するための音響位置標識075を投下設置する。
(3)海底鉱物資源の存在する太平洋海域の海流に対して自己位置を正確に保持し続ける。
(4)海底鉱物資源の状態によって位置を変え新地点で展開する。
(5)海中および海面に展開する機材を揚収して保守する。
(6)海中および海面に展開する機材に電源を供給する。
(7)深海クレーン001、バラストを搭載して海底に向け沈降させ、海底より揚収した海底鉱物資源を回収する。
3.2 荷役方法
ガットクレーン船は図32に示す砂利積載用の船倉が一区画ないし二区画設けられ船上に海底からの砂利引き上げように用いるクレーンを搭載した小型標準貨物船である。海底鉱物資源の揚収を想定する運用想定海域は法律上「近海」に区分され、699トンクラス以上であることが必要である。積載量は1300トン程度まで可能である。洋上の採掘点までバラストを搭載して進出し、採集鉱石と交換して戻ってくる運用を考える。ガットクレーン船は傭船費が安い利点があるが、以下に示すように荷役方法を含めた能力に合った運用方法でなくてはならない。
(1)定点維持機能
バウスラスターは装備していないのが海流及び風によって流される方向に逆らってGPSで位置を測定して船舶位置を修正する。日本のGPS測位衛星「みちびき」を利用することにより位置自体は高精度に把握できる。船舶の向きは海象によりが、海中構造物が無いので構わない。GPSによる自動位置保持機能を装備することが人員への負荷削減のためには必要である。
(2)荷役
図32のクレーン065一つを用いて外洋で荷役を行うため風浪への対策が必要である。深海クレーン001の浮力タンク002は重量が30トン以上あるので、深海クレーン002全体を揚収するのは避け、海面に残し貨物室005以下のみを揚収する。図33に荷役用機材を示す。浮力タンク001より貨物室005を分離して揚収するためには、浮力タンク001と貨物室005の接続箇所が浮力タンクの中央の海面に来ることが望ましいので31(b)のように浮力タンクを3分し中心に間隙ができるようにする(図31(b)(c)、図31-1(a)(c))。
図33(a)および図31-1(a)に示す3分した各主浮力タンク055~057には各々貨物室吊上フック062付きのサブ浮力タンク059を設け海面に浮上させるようにし、サブ浮力タンク059についているフック062にクレーン065の先端を海面作業で引っ掛けて(図34(b)、図34-1(b))引き上げる。
サブ浮力タンク059にかかる荷重が大きくなると、主浮力タンクとの接続が自動的に外れ(図33(c)、図31-1(b))で、図34(c)あるいは、図34-1(b)のように主浮力タンクが切り離されて海面に浮かぶ状態となる。さらに図34(d)あるいは図34-1(c)のように海面より釣り上げて鉱石を回収する。
バラストを積載した貨物室005は同じく図34(d)あるいは図34-1(c)のように海面に吊り下げ、
図34(c)あるいは図34-1(b)で示すように海面にある主浮力タンクのマーカー浮きと浮力タンク切り替えスイッチが海面で隣接するので、両者の接続を海面作業で接続を行う。
さらに貨物室を海面に対して降下させると、浮力源が主浮力タンクに切り替わって降下を開始する(図34(b)(a)、図34-1(a))
クレーンで釣り上げた貨物室005は船上で荷役できる寸法重量となる。降下の場合図34(b)、図34-1(a)でクレーンワイヤの先端を解放する。
次の作業は洋上で人手により行う必要がある。
すなわち、海面に浮上してきた深海クレーンの貨物室に対してクレーンの先端を引っ掛ける作業(図34(a)(b)、図34-1(a)), および海底への降下の前に貨物室を主浮力タンクに接続する作業(図34(e)、図34-1(d)および、図34(b)、図34-1(a)),でクレーンワイヤの先端を解放する作業である。
図33、図33-1、図34及び図34-1に示す工夫により、ガットクレーンによる荷役を可能とし、潜水作業も回避できたが、ガットクレーン船より小舟を下ろして行う作業であり、風浪がある程度穏やかな必要がある。
海底では遠隔操作により電動建機である電動パワーショベル015を操作して採掘を行うが、貨物室に積み込むのに先立って、採掘、砕石、集積等の準備作業が必要である。海底での作業は海面での風浪の影響を受けないので、これら準備作業を風浪で海面での荷役作業ができないときの行い、海面での荷役ができるときに採集した海底鉱物資源の揚収を集中的に行うようスケジュールする。
4. 音響位置標識
深海を含む海底はGPSなど電波による測位が不可能であるので、海面において精密な位置基準をGPSで求め、その直下に音響位置標識を誘導設置して設置し、精密な海底での位置基準となし、海底で位置情報を利用した作業を可能にする。海底に緯度経度を参照可能な形態で位置標識を打設し、海底における露天掘りを効率よく進めることである。GPS緯度経度情報を海面で高精度に得られるので海面上での高精度緯度経度を直下の海底の定点位置基準として利用することに技術的特徴がある。音響位置標識を海面上での高精度緯度経度の直下の海底に海面から誘導する方法には、以下に述べるように音響を用いて誘導する方法と慣性航法による方法がある。
4.1 音響誘導による設置
技術的特徴として、第一に位置標識の設定手段のため、情報伝達手段として唯一可能な音波を海面と海底の間での位置標識の設定手段として利用するが、音波の伝搬は海中の温度分布が一様でないため屈折し直進しない特徴がある。このため位置標定には海中音響伝搬特性に最大限注意を払う。すなわち、温度分布は海中深度に対して層状に変化しており、層に直角な方向には屈折が起こらず直進性が保証される特徴があり、直下点に近い範囲では音響信号を使用できることを利用する。
第二に、音響信号を用いて信号処理と制御技術により音響標識を海面上の定点位置基準の直下に誘導設置する。
図36で音響位置標識の構成と設置手順の例を説明する。図37(a)に示すのは音響位置標識075の外形図であり、重力で海中を沈降する。沈降に際してX軸操舵翼076とY軸操舵翼077を制御して沈降の経路を変更する。図36(c)音響位置標識設定方法に示すように海面に位置標識船 070に占位させ、直下に音響位置標識075を降下させ、海底009に自重で貫入錘079により定位させる。海底の流速は深海では1~2cm/秒であり、海底ではX軸操舵翼076とY軸操舵077を水平に設定することにより定位が継続できる。
図37は音響位置標識079の構成を示したものである。図37(a)は正面図で円柱状の音響位置標識075の長軸に直交して誘導用のX軸操舵翼076とY軸操舵翼077を設置していることを示す。図37(b)は音響位置標識079の側面断面図である。音響位置標識075外部にはX軸操舵翼075とY軸操舵翼075があり、誘導用に角度を制御するためにX軸操舵翼サーボドライブ装置271とY軸操舵翼サーボドライブ装置272が内蔵されている。音響位置標識079は深海の高圧環境に耐える必要があるので、内部は油浸とし、内部の機材は完全に油浸の状態で機能するものでなくてはならない。X、Y軸操舵翼サーボドライブ装置はラジコン機で実現されている水準でよい。
発音素子276、感音素子277は音響位置標識079の尾部に設置する。
誘導制御のための動特性は図37(c)運動特性作用力ベクトルで規定される。X軸操舵翼076、Y軸操舵翼077および音響位置標識075を含めた抗力の中心を尾部に置くことにより、X軸操舵翼076、Y軸操舵翼077を操作して音響位置標識075の落下方向を制御できる。操舵分力Ws と操舵分力Rs が音響位置標識075に対して回転モーメントとして働く。
音響位置標識075は海底に設置後、音響位置標識としてトランスポンダとして長期間使用する。このため長時間使用に耐える電池031を内蔵し、併せて電源制御回路039を設け、トランスポンダとして不可欠な回路以外を遮断して長期運用に備える。音響位置標識075は電池で作動するので電池が消耗した時の対応として海面への回収手段を用意している。図37(b)に示すように音響位置標識075にガソリンを充填した浮力タンク081と、例えば鉄製の重りとなる貫入錘079を離脱機構080で接続一体化し、貫入錘079を含めると音響位置標識075の比重が海水より大きく、貫入錘079を分離すると海水より軽くなり海面に浮上回収できる仕組みとする。離脱機構080は図38(c)の音響位置標識制御部287でディジタル出力がONになると爆発ボルト078が分離する。貫入錘079以外の音響位置標識部分は浮上後再充電することにより再利用できる。図42音響トランスポンダ共通インフラで「浮上命令」により貫入錘079を爆破ボルト等により離脱させる。浮上命令の発行は海上司令船010の深海クレーン監視制御システム209で音響位置標識075の投入後の動作時間を監視して行う。
図38(c)は音響位置標識075内のシステム構成を示したものである。演算装置200、ROM201、RAM202は音響トランスポンダ共通処理部と同様であり、X軸操舵翼サーボドライブ装置271、Y軸翼サーボドライブ装置272はラジコンシステムで公然実施されている。受振制御274、送振制御275は圧電素子である発音素子、感音素子を駆動する回路であり公然実施されており、音波と電気信号の変換を行う。電源制御回路273は図38(b)に示す音響位置標識075内のシステム構成要素の電源供給のON/OFFを制御して海底設置後、トランスポンダとして動作する時の電池の電力消費を削減する。図38(a-2)に記載されるソフトウェアで実施する。
音響位置標識075には下記の動作モードがある。
(1) 誘導制御モード
(2) トランスポンダモード
音響位置標識075を海中に投入する前に、図38(a-1)で誘導制御モードに設定する初期化を行い、トランスポンダモードをOFFにして誘導制御モードとする。
海面の位置標識船070、無人補助船A~Dより誘導音響信号を受振すると、図38(a-2)誘導処理が誘導論理682(図39)により操舵翼操作量の計算682を行い、誘導信号受信監視タイマをリセット667する。図38(a-2)誘導監視処理は、誘導信号の受振がタイマ設定値のN回継続的に行われなかったときに誘導制御が行われなくなったと判断してトランスポンダモードに移行(処理ブロック657)し、省エネモードに移行する(処理ブロック659)。タイマ設定値以内に受振した場合には継続的に誘導制御か行われていると判断し、処理ブロック667で受振がないことをチェックする監視タイマをリセットする。
図39(a)で誘導システムの精度評価を行う。図36(a)および図39(a)水面図(X-Y)図に示すように位置標識船 070を中心にX軸およびY軸方向にそれぞれdの距離に補助位置標識船A、C、B、D 071~074を配置し、無線で音響発振を位置標識船 070より指令制御する。

dの距離は大きくとることができるが、音響位置標識075は海底に向かって移動中であるので、補助位置標識船A、Cおよび補助位置標識船B、Dの発振は同時でないと音響位置標識075に対する伝搬経路差を求めることができない。送振源がそれぞれ2つあり、かつ同時に発振し、かつ同時に受振識別するために、補助位置標識船AとCの発振周波数を相違させ、それぞれ2.0kHz~2.4kHzおよび2.6kHz~3.0kHzのチャープ信号とする。図39(a)は誘導の鉛直面(X-Z)図を示し、深度Dの音響位置標識075が鉛直線よりΔ偏位していた場合のそれぞれ補助位置標識070より d離れた補助位置標識船A 071と補助位置標識船C 073からの伝搬経路差を求めると(数001)となる。
Figure 0007245988000001
(数001)で伝搬経路差が示されるので、海底深度が大きい場合はdを大きくとることにより海底での設置誤差を減らすことができる。d=100mとすると、5000mの深度に対しても10mの誤差で伝搬経路差0.8mを確保可能で、十分実用に耐えうる。
図38処理ブロック662誘導論理は図39音響位置標識の誘導論理に示す通りである。補助位置標識船A 071と補助位置標識船C 073とは同時に補助位置標識船A 発振音082と補助位置標識船C 発振音084を発振する。音響位置標識075で識別可能とするため、補助位置標識船AとC、および補助位置標識船BとDの発振周波数を相違させ、例えば、それぞれ2.0kHz~2.4kHzおよび2.6kHz~3.0kHzのチャープ信号とする。補助船A発振音082、補助位置標識船C発振音 084は周波数がリニアに時間的に増加し、補助位置標識船B発振音 083、補助位置標識船D発振音085は周波数がリニアに時間的に減少することにより、X軸方向の偏差とY軸方向の偏差を識別する。図39(a)音響伝搬図はX軸方向の偏差を求める場合であるが、Y軸方向についても同様に議論できる。
補助位置標識船A発振音082と補助位置標識船C発振音084は音響位置標識075に伝搬距離の相違から時間をずらして重複して音響位置標受振音086として受振される。受振された信号はディジタルサンプリングされ、相関演算処理247によりROM内に事前に記憶されている補助位置標識船A発振音082および補助位置標識船C発振音084のそれぞれと相関演算をする。この結果、補助位置標識船A 発振音タイミング088と補助位置標識船C発振音タイミング089を得ることができ、両者の差であるΔt 093と補助位置標識船C 023と音響位置標識075の応答遅延より音響標識075の深度が知れるので処理ブロック244より鉛直線からの偏差△のX軸成分が求まる。この偏差に基づいて処理ブロック245でX軸の操舵量が求まり、Δを解消するためのX軸操舵翼076、Y軸操舵翼077の操作を行うことができる。Y軸についても同様の処理を行い、X軸、Y軸を交互に処理して誘導制御する。
図40(a)に示すように、音響位置標識075を設置する緯度経度の洋上に位置標識船 070を配置し、直交するX軸およびY軸方向の両側dmの位置に補助位置標識船A 071、補助位置標識船C 073、補助位置標識船B 072、補助位置標識船D 074を配置する。位置標識船070は音響位置標識敷設時に洋上に下して運用する小型舟艇を想定しており、補助位置標識船A、B、C、Dは無人の自走ボートを想定している。
図40(b)は位置標識船 070の制御システムであり、下記4機能を有している。
(1)指定した緯度経度への定点維持機能
(2)補助位置標識船A 071、補助位置標識船B 072、補助位置標識船C 073、補助位置標識船D074に対する定点保持監視と制御指令機能
(3)補助位置標識船A 071、補助位置標識船B 072、補助位置標識船C 073、補助位置標識船D074に対する精密誘導モード発振指令機能
(4)音響位置標識075追跡監視機能
(1) 指定した緯度経度への定点維持機能
スラスター100の方向と推進力を方向制御装置101と推進力制御装置102で制御して、 GPS107で測定された現在位置緯度経度をコンソール105で指定された目標位置緯度経度に一致させる。スラスター100の推進力は潮流等外乱に対して自己位置保持が可能であるレベルであるので、目標位置への移動は位置標識船070を操縦して行う。演算装置200が図41(C-b)の処理を実施して行う。
(2)補助位置標識船A071、補助位置標識船B072、補助位置標識船C 073、補助位置標識船D 074に対する定点保持監視と制御指令機能補助位置標識船A 071、補助位置標識船B 072、補助位置標識船C 073、補助位置標識船D 074を位置標識船 070より海面に下し定位置に展開する。展開するまでは公然実施されているリモコンボートの技術で実現できる。所定位置近辺に到達後は、図41(C-c-1)の機能により周期的に処理ブロック587で補助位置標識船A~Dの位置を測定し、処理ブロック588で定位置からの偏差を計算し、処理ブロック589で移動量を算出し、処理ブロック589で移動量を無線通信装置107経由で補助位置標識船A~Dの各々に送信する。処理ブロック591は周期的に実行するためのタイマ設定である。処理ブロック587のレーザ測距レーザ方位測定は各々の補助位置標識船A~Dに対してレーザ位置標定装置107で標定を行った後、ロックオンして自動追尾装置103で追尾することにより、補助位置標識船A~Dが潮流、波浪で位置が擾乱してもレーザ位置標定装置104で追跡を継続でき、補助位置標識船A~Dの距離・方位を継続的に自動取得できる。かかる自動追尾装置は公然実施されている。
無線通信装置107で補助尾位置標識船A~Dの各々に送信された移動量は図41(XY-a)の処理ブロック581で受信する一方、処理ブロック582でGSP 106の計測値から自船位置を標定する。GPSの精度は6cm精度まで向上しており、かかるGPSが利用可能であれば、レーザ位置標定装置104と自動追尾装置103による追尾の替わりに、図40(c)でGPS 106で緯度経度位置を測定し、図41(XY-a)の処理ブロック584でGPSによる自船位置標定値を使用する。処理ブロック584で移動量を算出して処理ブロック585でスラスタ制御指令を求め、図40(c)の方向制御装置101、推進力制御装置102によりスラスター100により補助位置標識船A~Dの位置を定位置に制御する。
図40(a)に示す位置標識船の位置が保持されていると、誘導モードで音響位置標識075を海底に誘導できる。図40(b)位置標識船 070を図41(C-a)で初期化処理する。処理ブロック576では一定深度Dmを超えた場合に誘導を有効にできる(図41(C-d))。一定深度Dmを超えるまでは音波の伝搬経路の海面とのなす角が小さく正確な誘導ができないためである。
図41(C-e)は音響位置標識075に補助位置標識船A、B、C、Dから音響信号を発振する制御をおこなう。発振は周期的に行うため処理ブロック602でタイマをセットして周期的に起動する。処理ブロック595で誘導適格か判断する。発音体が水平距離d離して設置するので一定深度がないと音波の直進性がないため誘導できないためである。処理ブロック596は補助位置標識船A、B、C、Dの位置が整定しているか判定して整定している場合に音響発振する。処理ブロック597から601は補助標識船A,Cの組と補助標識船A,Dの組を交互に発振させ、X軸とY軸を交互に偏差を計測して誘導するためである。
4.2 慣性誘導による設置
位置センサ、加速度センサとして固体振動体を利用した慣性航法センサがスマホ、ロボットなどを対象に小型低価格で固体パッケイジ化されたものが利用できる。降下時間による誤差蓄積が問題とならない範囲に収められれば、システムを簡略化できる慣性航法を利用することができる。図45は慣性誘導による音響位置標識の設置方法を示したものである。まず、(b-1)で、緯度経度が正確に測定できる位置標識船070より音響位置標識を索で吊下して静定させて、慣性航法センサを初期設定する。吊下索113を切断すると、(b-2)に示すように海底に向けて鉛直線111に沿って降下する。X軸操舵翼076、Y軸操舵翼077により鉛直線111との偏差を解消するように制御し音響位置標識降下軌跡112をたどって海底床009に貫入させる。
慣性誘導音響位置標識の外形は図46に示すように位置加速度センサ295が追加となるが音響誘導音響位置標識(図37)と外形は同じである。
慣性誘導音響位置標識の制御装置の構成を図47に示す。図38(c)に対比して位置加速度センサ295が追加となる反面、図39に示す音響誘導の誘導論理の処理が省略できる。図39の誘導論理はソフトウェアで処理する場合は演算装置200で実施するソフトウェアの変更(削除)となる。
図48(a)(b)で慣性誘導音響位置標識制御装置の処理フローを規定する。図45(b-1)に先立って図48(a)の初期化処理を1回実行する。処理ブロック670の周期タイマ起動により、(b)音響位置標識誘導処理を起動する。処理ブロック672で位置加速度センサ295の状態値を読込み、処理ブロック673で深度変化がない場合は図48(b-1)に対応して、音響位置標識の位置・速度変数の初期化を繰り返す。図45(b-2)で吊下索が切断されると深度が変化するので、処理ブロック673で降下誘導に分岐する。処理ブロック675の誘導論理は鉛直線111からX軸方向、Y軸方向の偏差を求め、周知のPID制御を含む制御論理によりにより処理ブロック676で操作量を計算する。処理ブロック677でサーボ系への出力を行い、図47(a)X軸操舵翼サーボドライブ装置076、Y軸操舵翼サーボドライブ装置077で操舵翼を駆動する。図45(b-3)で音響位置標識が海底床009に到達すると深度が変化しなくなり、図48(b)の処理ブロック678で周期タイマを停止して(b)の誘導処理を停止する。誘導制御を停止して以降、音響トランスポンダとして機能させるので、処理ブロック679でアクチュエータ電源をOFFしてトランスポンダ処理(図42)を起動する。
慣性誘導音響位置標識を設置する位置標識船070の処理を図49(a)に記す。図47(b)がハードウェアであって、GPS106で精密緯度経度を取込み、吊下索113が切られていない間は処理ブロック683でGPS106より緯度経度を継続的に取込み、情報更新する(処理ブロック684)。吊下索113を切ると同時に図47(b)コンソール105(PCキーボード)より吊下索113を切断した旨、設定する。吊下索113を切った段階で、監視のためにトランスポンダを周期起動(処理ブロック685)する。図49(a-2)で設置した音響位置標識から応答があるまで応答要求を周期的に送る。図49(a-3)は設置した音響位置標識からの応答信号があると起動され、問い合わせのIDと一致した場合は設置完了と判断して音響位置標識のID,緯度経度、設置時期を登録する。(USBメモリなどで海上司令船010の深海クレーン監視制御システム209に入力する)
II.航法系
1. 構成の原則
本発明の浮力を利用した揚収では制御技術により、出発点と到着点(海面の支援船または海底の基地)の間を、揚収機材である深海クレーン001を自律的に航走させて、昇鉱管のような力学的な連接のある構造物を不要とし、システムに要求される機構的な制約を緩和する。
海中では次の物理的特性がある。
(1) 海中では直進性のある電波が使えず位置センサとしてGPSが使用できない。
(2) 慣性位置センサは初期設定後時間経過とともに誤差が増大する
(3) 磁性体の耐圧殻を使用していないので磁気コンパスは使用できる。
(4) 海中で伝搬性の良い音波は上下方向から外れると直進性が悪くなり、測距と目標方位探知に適さない。
(5) 精密な位置測量には光学測距が不可欠であるが、海中では直近以外視界の保証がない。
さらに、海底鉱物資源揚収での移動は上下方向が主体で、距離的にも高々6.5kmという近距離であるが着床点制御ではmオーダーの精度が要求されるという特徴がある。また、航法制御は伝送情報量要求が大きいが、海中は電波が通らず伝搬性のよい音波は情報量が少ないので光ファイバ通信が適している。海中で利用可能なセンサには、(1)慣性位置センサ、(2)深度計、(3)音響センサ、(4)光学センサ、(5)地磁気センサがあり、これらを用いた航法制御には慣性航法、音響航法、光学航法があり、これらセンサと航法の特質の長短を組み合わせて使用する。
図16(a)は深海クレーン001が海上指令船010と着床点011との間で往復するための航法制御について全容を示したものである。
慣性航法区間090の間は出発より時間経過が少なく、かつ初期位置を正確に知ることができるので、慣性センサ、深度計、地磁気センサ(磁気コンパス)を用いて位置・速度・姿勢を求め下降目標経路043との偏差を最小にするように誘導する。
下降目標経路043では、はじめに慣性航法区間090で降下時の目標である海底での着床点の直上に近い範囲まで近づき、浮上目標経路045では、はじめに目標である海上指令船010の直下に近づく。引き続く音響航法区間091では降下時には目標の直上、浮上時には目標の直下からのずれを少なくして、海中温度分布による音線の屈曲の影響を排除する。深海クレーン001の海面032への浮上時には、海底では海水はほとんど停止しているので位置・速度に対する擾乱は小さいが、海面では波浪による支援船との相対運動を考慮する必要が出てくる。海面の波浪の影響を避けるため、海象の穏やかな時に海底からの揚収を集中し、海象が適さないときは海底での採掘に集中する方法もある。

3.航法制御系
図14の航法制御系212は図15航法制御系の動作フローチャートに従い動作する。
処理ブロック520では、深海クレーン001が海上指令船010を離れる前か離れた後かを判断して離れる前であれば、降下開始までは処理ブロック524により海上指令船010にある深海クレーン監視制御システム287のGPS測位データ402を初期化データとして取得する。深海クレーン001が海底からの浮上開始前であれば、処理ブロック526により深海クレーン001が保持している位置データを初期化データとする。浮上または下降開始後は慣性航法系がドリフト蓄積で時間経過とともに精度が劣化することへの対策をする。処理ブロック521では慣性センサ、デジタルコンパス、深度計を含む航法データを取得する。処理ブロック522で、航法モード(慣性航法、音響航法、光学航法)により分岐する。処理ブロック523で航法指令404を計出し運行制御系291の統括制御215に与える。浮上または下降開始時の初期設定は慣性航法である。光学航法は深海クレーン001を精密誘導して鉱物収集装置015(電動パワーショベル)および収集鉱物容器034回収リング037に吊上フック047をドッキングさせる場合のみに使用する。
4 慣性航法
慣性航法系の動作については図16に記述する。深海クレーン001に図23(a)に記すピッチ、ヨー、ロールを割り当てる。水中ではGPSが使えないため慣性航法は基準座標に対して初期化後、時間とともにドリフトにより位置の誤差が蓄積する。このため、浮上および降下のいずれにおいてもドリフトが蓄積しない初期の段階で使用し(慣性航法区間090)、水平面内で深海クレーン001を可能な限り目標に近づけ、次段階の音響航法で目標への近接が直上ないし直下に近くなるようにする。
音波の伝搬経路が鉛直により近くすることにより音波伝搬の屈折の影響を排除する。経路の初期段階の慣性センサのドリフト誤差が少ない時期に降下または上昇しつつ、目標の直上または直下に誘導し、音響誘導に切り替えることにより海水温度分布による音波伝搬の屈折を最小化する。
慣性航法227の処理は図16(b)慣性航法系の動作の処理フローに従う。GPSは使用できないので図15処理ブロック524または526で得た初期位置に慣性航法系で得た移動距離を加算して現在位置を計出する(処理ブロック530)。処理ブロック531で深度系データと電子コンパスより求めた移動方位より慣性航法センサのドリフトを推定する。処理ブロック532でドリフト推定値により補正した最尤緯度経度深度、速度、姿勢を求め,さらに目標経路との偏差を求める。
音響測距範囲091は、音波伝搬経路の屈折を考慮して、直進性の高い、最終目標点(降下時は海底着床点011、浮上時は海上指令船010位置)の直上または直下に円錐状に設定し、処理ブロック533で慣性航法系で音響測距範囲042の範囲に深海クレーン001が入ったことを確認すると、処理ブロック534で音響航法系228に発音命令を出す。
処理ブロック535で目標地点に設置された音響位置標識(トランスポンダ)からのエコーを受信し確認し、さらに処理ブロック536で信号レベルが閾値を超え、距離が閾値以下であることを確認して、処理ブロック537で音響航法モードへ切替えを行う。
5 音響航法
音響測距の原理と実現方法については図17~19に記述する。
感音素子A~D 231~234および発音素子230を深海クレーン001の頂部(図17(a-1))および深海クレーン001の底部(図17(a-2)に配置した。これに伴う音波の伝搬は図17(b)(c)に記す。音響航法は慣性航法に引き続き図16の音響航法区間042で浮上時と降下時に使用する。これは、海水の温度分布により音波の直進性が保証されないため位置標定には誤差が生じるが、海中では光が直近以外には到達しないため、中短距離で利用するのが適していることによる。海水の温度分布は深度方向に存在するが、一般に水平方向は均一である。トランスポンダを用いて目標との測位をする場合、水平方向の方位は比較的に正確に把握できるが、鉛直方向との角度が増えると俯角方向の誤差が増える。音波伝搬は直上ないし直下より20°以上離れると目標への到達が確実でなくなる。
音響航法228の原理と実現方法を図17(b)(c)に示す。深海クレーン001の進行方向(曲))面292に感音素子A 231、感音素子B 232、感音素子C 233、感音素子D 234を設置する。これらの中央に発音素子230を設置し、音響航法区間 091に入った時点で周期的に発音する。到着目標(海底着床位置)に設置されたトランスポンダかエコーを返すと、図17(b)(c)に示すように各感音素子に対するエコー信号の到着に時間的ずれが生じる。すなわち図17(b)においてトランスポンダ236よりのエコーは感音素子C 233に音波伝達面1 237で到達し、感音素子A232には音波伝達面2 238で到達し、時間的ずれ生じる。この状況を3次元的に示したのが図18であり、XY面上の原点Oを囲む4点の感音素子A~D 231~234へのエコー信号の到達時間のずれから演算により、トランスポンダ方位ベクトル239が求められることを示している。なお発音時刻とエコーの到着時刻の差より、トランスポンダ236までの距離も求められる。音源を点音源とすると計算は簡単ではないが、感音素子間の距離に比べて音源が十分遠くて面音源と近似できる場合は、図18の説明に記載するように比較的単純に音源の方位と距離を求められる。音響測距はアクティブソーナーと同様の原理を用いているが、(1)目標の像を作る必要がないこと、(2)目標にトランスポンダを設置できること。(3)目標の直下または直上に誘導することが目的であること (4)精密な目標の標定は光学航法にゆだねる の理由により、簡略化と低出力化が可能となる。
図20に音響航法で用いる装置の構成と動作を示す。
図20(b)音響航法装置の感音素子A~D 231~234, 発音素子 230として広くアクティブソーナーで用いられている圧電セラミックスであり、最近では一般民需要として高出力のものが市販されている。図20(a)の送振信号パターンの一定周波数電圧を圧電振動子に印加して音波を発振させる。図20(b)では送振と受振を別の圧電素子で行っているが共通にしてもよい。深海クレーン001の制御のためには図20(b)音響航法装置を深海クレーン001に設置し、図42トランスポンダは海上指令船010側に設置する。音響航法の動作は図20(c)処理シーケンスに記載の通りで、航法制御系からの送振指令により音響航法装置が(2)信号送振を行う。往路伝搬時間後、トランスポンダが(3)受振検知し、ただちに(4)エコー送振する。復路伝搬時間後、(5)~(8)Ch0~3エコー受振が音響航法装置141で行われる。受振信号は送振後ただちに(9)待受により CH0~3データが記録される。待ち受け記録データと送振信号との相関を(10)(11)で行い、受振素子別の伝搬遅延時間を求める。(図20(e1)~(e3)処理フロー1~3)
図19は音響航法装置を用いた音響航法系の動作を記した処理フローである。図20処理ブロック546で得たA,B,C,D各受振素子の往復音波伝搬遅れを取得(処理ブロック550)し、処理ブロック551で各素子の平均遅延時間と海中音速より目標との距離を求める。
音源を面音源で近似した場合、図18(a)~(c)の図を用いて詳細に説明する。
図18(a)にてトランスポンダ方位ベクトル239は音波の侵入方向を示し、XY面となす角をφとし、XY面への投影がX軸となす角をθとする。ABが音波の到来方向で、図18(b)はZ軸上方より見た図である。図18(b)を音波到来方向ABとZ軸を含む面で切断したのが図18(c)であり、感音素子A~D 231~234に対して音波伝搬経路と遅延時間の関係を示している。感音素子A~D 231~234の受振時刻(秒)をそれぞれta,tb,tc,td,とし、海中音速をs m/秒とすれば、
感音素子AとCの伝搬時刻差による距離と
感音素子BとDの伝搬時刻差による距離より、それぞれ下記が得られる。
Figure 0007245988000002

となり、処理ブロック551が求まる。(数002)は感音素子に対する伝搬遅延時間差がないとcosφ=0となってsinθが求まらない。cosφ=0とはトランスポンダが直下ないし直上にあることで、制御目的が達成されている状態である。
処理ブロック552で慣性センサより得られた姿勢データでトランスポンダ方位を補正し、処理ブロック553にて既知のトランスポンダ位置より制御対象である送振側の深海クレーン001の位置を求める。
6 光学航法
特に海底では巻き上がる泥により光の到達距離が短くなるが、10~数m以下の近距離では正確な測位が可能であるのでLEDの発光素子を用いて精密位置制御に利用する。光学航法の原理を図21(a)(b)(c)(d)を用いて説明する。深海クレーン001の貨物室005の吊上フック047の先端の撮像素子235で回収リング037の発光素子A~D 240~243の発光を撮像装置235が感知すると光学航法229に移行する。
発光素子A~D 240~243は回収リングが鉱物収集装置015(電動パワーショベル)および鉱物収集容器034の引上げ用に用いられるため、図24(e)の上下関係にあることを前提にしてよい。
撮像装置235を深海クレーン001の貨物室005の吊上フック047の上部に設置し、90度を隔てて水平面内に設置されて4台の撮像装置235の一つが発光素子A~D 240~243からなる回収リング照準068を視界内にとらえるようにする。撮像装置235の中心軸が
発光素子AB側にずれている場合は図21(c)の(d3)の画像となり、
発光素子BC側にずれている場合は図21(c)の(d4)の画像となり、
発光素子CD側にずれている場合は図21(c)の(d1)の画像となり、
発光素子DA側にずれている場合は図21(c)の(d2)の画像となり、
中心軸にずれがないときは図21(c)の(d0)の画像となる。
図21(b)は光学航法の原理を示す。吊上フック047の先端に設置される撮像装置235は通常の電子カメラであり、1000x1000~4000x4000pixelで視野角90°を想定する。図21(b)のFaFbFcFdが撮像面293であり、発光素子A~D 240~243の像が図21(c)のように結像する。
光学航法では図21、図22において;
(1)撮像面293上の発光素子A~D 240~243の像の画素位置
発光素子A(Ha,Va)、発光素子B(Hb,Vb)、発光素子C(Hc,Vc)、発光素子D(Hd,Vd)
(2)発光素子A~D 240~243の識別情報
(3)撮像装置235の焦点距離Lf 155
(4)撮像装置235の縦横画角(α,α)と縦横画素数(Vmax,Hmax)
(5)発光素子A,C 240~243を結ぶ線ACがXY面となす角β
(6)発光素子B,D240~243を結ぶ線BDがXY面となす角γ
(7)直線BDがY軸となす角δ
から下記データ(A)(B)を以下に記す方法で求めることができる。
上記(1)(2)は撮像装置235の計測データであり、(3)(4)は撮像装置235の固有データでありすべて既知である。
(A)深海クレーン001の位置(緯度経度(LatT,LonT)、深度(DpT))
(B)深海クレーン001の姿勢(ピッチpb、ヨーyb、ロ―ルrb)
クオテリオンを用いて上記(A)(B)を求める。
撮像装置235の位置における基準座標系(XYZ X軸:水平 Y軸:鉛直 Z軸:前後)Pを定義し、撮像装置235の姿勢を表す座標系(XbYbZb )Pを定義する。
図21(b)における回収リング照準068は基準座標P に対してクオテリオンQT回転させて目標方位ベクトル310の視界座標 Pとなったものとする。
Figure 0007245988000003

この座標系における回収リング照準068が撮像面293に投影されて図21(c)の像が得られる。回収リング照準068は基準座標P のZ軸に直交する平面上にあり、基準座標P のZ軸よりずれた位置にあるため、目標方位ベクトル310と回収リング照準068のなす面は垂直とならない。図21(b)のPACおよびPBDを詳しく書いたのが図22(a)(b)である。
Aは発光素子A240の存在する点であり、BCDも以下同様である。MはACとBDの交点である。A、B,C,Dの撮像面293における結像座標を図22(c)に示した。HV座標は左上が(0,0)で右下が(Hmax,Vmax)である。発光素子A,Cを結ぶ線ACと発光素子B,Dを結ぶ線BDの交点Mの座標は下記で与えられる。
Figure 0007245988000004
図22(a)(b)において視点Pより、線分AM,MCを見込む角度をα,β、線分BM,MDを見込む角度をγ,δとすると(数003)で与えられる。ここで、Rは視点PからACとBDの交点Mまでの距離、r は発光素子とMまでの距離、ω、φは、視線ベクトルPMに対する直交面に対して線分AC、BDがなす角とすると(数005)で与えられる。
Figure 0007245988000005
一方、α,β、γ,δは、(数005)のように撮像面293上の発光素子の像の座標から求められるので、(数006)のR,ω、φは値が確定する。
Figure 0007245988000006

なお、ρは、視線ベクトルPM周りの基準座標に対する回転を示す。
(数005)では回収リング照準068をXY面上仮定しているが、一般にはある姿勢角を持って傾いている。図21(a)に示すように X* 軸が水平に対してα、Y* 軸が水平に対してβ傾いている場合には、rの替りに rcosε,rcosτを用いればよい。
図22(c)より、深海クレーン001の姿勢を表す座標系(XbYbZb )でPと目標方位ベクトル310の視界座標 Pの(数007)の関係を求めることができる。Pitch,Yaw,Rollの定義は図23に従う。
Figure 0007245988000007

(数007)の回転のクオテリオンをQt とすれば(数008)となる。
Figure 0007245988000008
(数008)と(数003)より(数009)が得られ、基準座標Pに対する撮像装置235の姿勢が明らかとなる。
Figure 0007245988000009
(数005)(数006)より図21(d)処理ブロック561が求まり、(数008)より処理ブロック562が求まる。
光学航法229 の結果、図15処理ブロック523で運行制御系への指令値計出が行われ、図14の運行制御系により、深海クレーン001は回収リング照準068に近接する。
III 制御系
1. 制御の原則
1.1 制御系の構成
図14は制御論理をブロックダイアグラムで示したものである。
慣性位置センサ、深度計、音響センサ、光学センサおよび地磁気センサによる航法センサ115の計測値が位置速度制御系216に入力される。姿勢センサ214によるピッチ、ヨー、ロール信号は姿勢制御系217に入力される。航法制御系110は図15の処理ブロック522選択された航法モードにより、位置速度制御系216に航法指令404を与える。航法指令404は目標位置の時間関数であり、到達目標位置である海底着床位置、制御対象である深海クレーン001の現在位置と目標位置の間の時間関数である移動軌跡を含む。姿勢制御系217は深海クレーン001の形状が貨物室005を浮力タンク002に吊下した気球類似の形状(図1、図31)であり、姿勢については鉛直軸回りの回転以外は実用上無視してもよい。
慣性航法227および音響航法228の場合、位置速度制御系 216は(数015) (数016)により制御量を計出し、制御翼個別制御量計算219と減速器個別制御量計算220で制御翼制御系222への指令信号を計出する。慣性航法227および音響航法228の場合、図22(a)に示すように貨物室に制御翼兼着床用脚の開脚角度及び回転角を制御して制動と回転または水平方向推力を得る(図26(a)(b))。
光学航法229で精密位置速度制御を行う場合、位置速度制御系 216は(数015) (数016)により制御量を計出し、個別推進機制御系221で個別推進器への指令信号を計出する。
光学航法229で精密位置速度制御を行う場合、図24(b)、図44(b)に示すようにスラスターを追加した精密制御用アタッチメントを貨物室005に付加して精密位置制御を行う。精密制御は鉱物収集装置015(電動パワーショベル)および鉱物収集容器034の回収リング037を回収フック047で吊上げるためにランデブー制御を行う場合に限定して行い、それ以外の海面と海底の揚収往復はスラスターを用いないで位置エネルギを受動的に変換して用いる。
深海クレーン001の制御は個別推進器の推力、制御翼への指令値を制御して行う点で、下記運用モード(慣性航法、音響航法、光学航法)にすべて共通であるため、運用フェーズごとの個別要求は統括制御215が位置速度制御系216、姿勢制御系217で、(数016)の対角行列Aの状態変数に対応した対角成分、(数016)のフィードバック係数を変更することにより実現する。
図14に記載されている運行制御系291につき詳説する。
構造と座標系は図23、図24による。図23(b)、図24(c)、図44(c)は深海クレーン001の貨物室005に作用する外力ベクトルをモデル化した。
姿勢制御は深海クレーンの形状が軸対称であり姿勢制御は鉛直軸回りの回転以外、事実上意味がないが、精密位置速度制御により貨物室005の吊下フック047で鉱物収集装置015または鉱物収集容器034を吊上げる場合にはランデブー目標(図24(e)、図44(e))の回収リング037に正対する必要がある。この解決策として下記の2つの対応がある。
(1) 深海クレーンは形状が軸対称であり姿勢制御の意味が少ないこと、さらに軸方向の回転制御を行うと図31(a)(b)の吊下方法の場合、吊下索の捻じれに吸収されて挙動の制御が困難であるので軸回りの回転制御は行わない。軸方向の回転位置がいかなる場合でも、ランデブー目標(図24(e))の回収リング037に正対できるようする。例えば視野角90度の撮影装置235を直交して4個配置し、つり上げフック047を撮影装置235の視野の中心に向くように4つ設ける(図24(b)(d))。このうちランデブー目標(図24(e))をとらえた撮影装置235を選択して精密位置速度制御を行う。この場合、図24(a)の水平スラスターには貨物室005を軸回りに回転させるスラスターは設けない。
(2) 深海クレーンの軸回りの回転制御を行う方針とし、図31-1(a)の吊下方法とすれば、回転は浮力タンクコネクタ060で回転の捻じれが吸収されるので、ランデブー目標(図44(e))の回収リング037に正対できるように図44(b)(d)に示すように貨物室005に吊下する撮影装置235が視界に収めるように姿勢制御(回転制御)を行う。この場合、図44(a)の貨物室005を軸回りに回転させるスラスターe、fを設ける。
1. 2 位置速度制御
慣性航法227および音響航法228の場合、図23(a)に示す4枚の制御翼着床用脚006の開脚度と制御翼の回転角を制御して制動と横方向の推力を得る。開脚度、制御翼回転角は制御翼兼着床用脚aとcで同一、制御翼兼着床用脚bとdで同一である。
Ra = Rc
Rb = Rd
上記ベクトルの成分を下記の通り定義する。
Figure 0007245988000010
下記パラメタにより抗力を定義する。
開脚度 αa (添え字は制御翼着床用脚を示す)
制御翼回転角 βa (添え字は制御翼着床用脚を示す)
沈降力または浮上力 S = W-F
貨物室重量 W
関数Fxy は水平面に対する推力成分を発生する実験式である。
関数Fz は鉛直方向に対する推力成分を発生する実験式である。鉛直方向の推力は、受動的な抵抗翼により発生するので、浮力と重力の差を減殺する抵抗としてのみ働く。
Ray = Fxy(S,W, αa, βa)
Raz = Fz(S,W, αa, βa)
各成分を統合して下記が得られる。
Figure 0007245988000011
1. 3 精密位置速度制御
光学航法229で精密位置速度制御を行う場合、図24(c)図44(c)は深海クレーン001に働く力を示す。
精密位置速度制御を行う前にバラストを調整して深海クレーンの浮力と重力を均衡させ、一旦、静止させてから精密位置速度制御によるランデブーに移行する。貨物室005の位置と速度を制御するが、図24では貨物室005が浮力タンクに索で吊下されている。吊上げフック047および撮像装置235の構造上姿勢制御は行う必要がない。図44では貨物室005が浮力タンクに索で吊下されている吊上げフック047および撮像装置235がランデブー目標(図44(e))に正対するよう姿勢制御を行う。
精密位置速度制御では図44(b)の垂直スラスターA~Dの推力をTA, TB, TC, TD, 水平スラスターa~f の推力をTa, Tb, Tc, Td, T, Tf とする。(図24(b)の場合は、
T =Tf =0)
鉛直方向の制御は水平姿勢を維持しながら行うので、垂直スラスタの推力は全て同一となる。
Tz= TA =TB =TC =TD
上記ベクトルの成分を表記して、
Figure 0007245988000012
水平方向のスラスターはX軸又はY軸上にあるため、水平方向の移動のため、各軸に対しては同一推力としてよい。
Ta = Tc
Tb = Td
T = ―T
ベクトル表記して、
Figure 0007245988000013
各成分を統合して下記が得られる。
Figure 0007245988000014
姿勢制御がある場合はz軸(鉛直軸)トルクをRz とすると Rz = 2T・b
ここでbはスラスターのz軸からの距離である。
ランデブー機構
精密位置速度制御は鉱物収集装置015(電動パワーショベル)および鉱物収集容器034の回収リング037を深海クレーン001の貨物室の吊上フック177で吊上げるために用いる。図24(d)図44(d)ランデブー機構はこの目的に特化して構成してある。回収リング037を吊下フック047にくぐらせて引き上げる。回収リングは吊上げる対象物体の上側に存在し上部にLED4個による発光体があり、吊上フック047の上部にある撮像素子235で視界に捉え光学方法により深海クレーン001を誘導して吊上フック047を回収リング037にくぐらせる。発光LEDは撮像素子235が捉えやすいように高さを設定する。
1. 4 制御則
深海クレーン001、は比重1.0近辺に保たれており、移動速度が1m/秒程度で低速であり、低抵抗の対称形状であるが、x軸、y軸、z軸方向の移動に関しては、速度に比例する水抵抗を受ける。Rは水抵抗係数で運動方程式は(数015)で表現できる。
Figure 0007245988000015
ここで、Mは深海クレーン001の質量、Rは抵抗係数、X(t)は重心G 053の基準座標系での位置を示す。T(t)は深海クレーン001に対する航法制御系および浮上制御系から求められる基準座標系における推力である。r はz軸回りのトルクであり、mは回転モーメント、sは回転に対する抵抗トルクである。(r(t)は姿勢制御を行う場合のみ考慮する)
制御系は(数015)の動特性に対して次の原則で構成する。
下記を最小化するT(t)を求めればよい。姿勢制御を行う場合はr(t)も求める。
Figure 0007245988000016
Aは対角成分が aij >0 i=0,5 である6x6定数行列である。
(数016)におけるWT(t), XT(t),rT(t)における右下添え字は目標値を示し、右上添え字は転置行列を示す。
VI 監視制御系
海底鉱物資源揚収を構成する機材を以上述べてきたが、これら機材に関して監視制御すべき内容には下記がある。これらは全て監視制御系283により海上司令船010で実施される。海上司令船010は標準鉱石運搬船を使用することを考え、PCベースの小型可搬システムとして標準鉱石運搬船を海上司令船に変更して運用しやすいようにする。
(1)航法制御
(2)海底鉱物資源収集装置制御
(3)音響位置標識管理
(4)電源制御
(5)海上司令船制御
監視制御系283は図35に示す深海クレーン制御装置284に関する部分と図30に示す鉱物収集装置制御装置285に関する部分から構成される。
図35の監視制御系で示す深海クレーン制御装置284に関する部分は、海上指令船010上の深海クレーンコンソール210が光インターフェイス211を介して深海クレーン001の次の監視制御を行う。
(1) 深海クレーン001の状態を監視し、海底への離着床を制御し、鉱石搭載などの運用管理、バラスト制御情報を管理制御する。
(2) 精密速度位置制御に際して撮像装置235の画像をモニターし、必要に応じて手動制御を行う。
深海クレーン制御装置284に関する機能に加えて図35の監視制御系の深海クレーンコンソール210は下記を行う。
(1) 深海クレーン監視制御システム209が取り込んだGPS測位データ402に基づき、海上司令船010へ定点維持のために、海流と風の影響を打消すための速度、操舵指令を出す。
(2) 位置標識船070が設定した音響位置標識の認識番号(ID)、緯度経度、設置時期を一括管理する。音響位置標識の設置および回収ごとに位置標識船070の音響位置標識制御装置(図38、図48)と媒体で情報更新を行う。音響位置標識は電池駆動なので電池消耗を管理して浮上回収指令情報を管理して位置標識船070に付与する。
(3) 海底機材管理として、鉱物収集装置015(電動パワーショベル)および鉱物収集容器034の認識番号(ID)、緯度経度、設置時期等情報を管理する。
(4) 海底の地理情報(映像情報、海底鉱物資源掘削情報)を収集管理する。
図30の監視制御系で示す鉱物収集装置制御装置285に関する部分は、海上指令船010上の深海クレーンコンソール210が光インターフェイス211を介して鉱物収集装置015の次の監視制御を行う。
(1) 超音波高精細ビデオカメラ050の映像をディスプレイ255で見ながら操縦桿270で鉱物収集装置015を操作する。海底視界が良好な場合は撮像装置235の映像を用いる。
(2) 深海クレーンコンソール210の指示に従い、鉱物積載対象を選択して鉱物積載を行う。
(3) 海底鉱物資源収集装置制御インターフェイス262を介して操縦桿270と海底鉱物資源収集装置コンソール441の操作により海底鉱物資源収集装置015を遠隔操縦する。
図35に示す電源装置監視制御システム250により電源制御盤251で発電機470を制御して下記を行う。
(1) 送電インターフェイス253と海中電源ケーブル269を介して海底鉱物資源収集装置015の海底鉱物資源収集装置動力機構267に電源を供給する。
(2) 送電インターフェイス253と海中電源ケーブル269を介して深海クレーン制御装置284に電源を供給する。詳細位置速度制御用のアタッチメントにはスラスターがあり駆動用の電力を要するが高性能の二次電池を搭載して海中電源ケーブル269を省略する方法もある。
電源装置監視制御システム250は電源制御盤251を介して充電装置252を制御して音響位置標識、深海クレーン制御装置284用の二次電池を充電する。
本発明の海底鉱物資源揚収装置は海底に分布する鉱物資源を収集して揚収することができるが、構成要素に気体を含まず液体と固体のみで構成するため構成装置の内圧と海水圧を特段の耐圧機構を持たずに任意の海底深度で等しくすることができる。また流体の圧送を含まないため機械的な制約がない。海底鉱物資源の揚収を周囲海水の比重より若干軽くすることにより浮力を用いて行うので、揚収に必要なエネルギーが深度によって増大することがない。すなわち、海底鉱物資源が存在する深度1000未満から6500mを超える深度まで運用することができる。このように運用に柔軟性があるため、高品位の鉱物のある海域を選択的に移動して揚収することができ採算効果が大きい。
実施例中で示した数値は実現可能性を示すためのものであり、規模を拡大または縮小することができる。
本発明の深海クレーンの外形図を示す図である。 本発明の海底鉱物資源揚収システム全体図を示す図である。 本発明の浮力タンク体積と浮力諸元を示す図と表である。 本発明の深海クレーンの鉱石積載(貨物室)を示す図である。 本発明の深海クレーン貨物室の鉱石積載を示す図である。 本発明の貨物室の水流機構の例を示す図である。 本発明の貨物室の排出絞り機構の例を示す図である。 本発明の貨物室制御処理部を示す図である。 本発明の貨物室積載物構成の時間推移を示す図である。 本発明の貨物室制御処理部の処理フローを示す図である。 本発明の深海クレーンの鉱石積載(海底資源収集容器)を示す図である。 本発明の海底鉱物資源収集容器制御装置の構成を示す図である。 本発明の海底鉱物資源収集容器制御装置の処理フローを示す図である。 本発明の監視制御系のブロックダイアグラムを示す図である。 本発明の深海クレーンの航法制御系の処理フローを示す図である 本発明の深海クレーンの慣性航法系の動作を示す図である。 本発明のセンサの実装例を示す図である。 本発明の音響航法の原理を示す図である。 本発明の音響航法系の動作を示す処理フローである。 本発明の音響測距の原理と動作を示す図である。 本発明の光学測距の原理(1)を示す図である。 本発明の光学測距の原理(235)を示す図である。 本発明の深海クレーンの制御系の動作を示す図である。 本発明の精密制御用アタッチメントを示す図である。 本発明の深海クレーンの制御(その1)を示す図である。 本発明の深海クレーンの制御(その2)を示す図である。 本発明の深海クレーンの制御(その3)を示す図である。 本発明の海底鉱物資源収集装置の海底設置を示す図である。 本発明の海底鉱物資源収集装置および収集鉱物容器の海底からの回収を示す図である。 本発明の海底鉱物資源収集装置(海底パワーショベル)を示す図である。 本発明の監視制御装置(その2)を示す図である 本発明の深海クレーンの浮力タンクの分割(その1)を示す図である。 本発明の深海クレーンの浮力タンクの分割(その2)を示す図である。 本発明の海上司令船の例 ガットクレーン船を示す図である。 本発明の深海クレーンの荷役用機材を示す図である。 本発明の深海クレーンの荷役手順(その1)を示す図である。 本発明の深海クレーンの荷役手順(その2)を示す図である。 本発明の監視制御装置(その1)の構成図を示す図である。 本発明の音響誘導音響位置標識の設置を示す図である。 本発明の音響誘導音響位置標識の構成例を示す図である。 本発明の音響誘導音響位置標識制御装置を示す図である。 本発明の音響誘導音響位置標識の誘導論理を示す図である。 本発明の音響誘導音響位置標識設置システムの信号処理・制御システムの構成を示す図である。 本発明の音響誘導音響位置標識設置システムの信号処理・制御システムの処理フローを示す図である。 本発明の音響トランスポンダ共通インフラの処理フローを示す図である。 本発明の海底鉱物資源収集装置(電動パワーショベル)の海底からの回収運用の例を示す図である。 本発明の精密制御用アタッチメント(その2)を示す図である。 本発明の慣性誘導音響位置標識の設置を示す図である。 本発明の慣性誘導音響位置標識の構成例を示す図である。 本発明の慣性誘導音響位置標識制御装置の構成を示す図である。 本発明の慣性誘導音響位置標識制御装置の処理フローを示す図である。 本発明の慣性誘導音響位置標識位置標識船制御装置の処理フローを示す図である。
001 深海クレーン
002 浮力タンク
003 吊下ネット
004 吊下索
005 貨物室
006 制御翼兼着床用脚 (制御翼)

Claims (8)

  1. 海底より海底鉱物資源を海面へ揚収する海底鉱物資源揚収装置であって、
    深海クレーンおよび、海上司令船と海底鉱物資源収集装置と位置標識の一部または全部を含んで構成され、
    前記深海クレーンは、
    第一に、常温において液相で水より比重の軽いn-シクロペンタンまたはガソリンを含む液体を密閉充填した浮力タンクと、
    第二に、海底より海底鉱物資源を揚収するための貨物室と、
    第三に、前記貨物室を前記浮力タンクと連接する機構と、
    第四に、前記貨物室を海底に着床させるためおよび海中での位置及び姿勢を制御するための制御翼兼着床用脚を含む制御装置のすべてまたは一部を含んで構成されることを特徴とし、
    前記深海クレーンは、
    前記貨物室に搭載したバラストを含んだ前記深海クレーン全体の比重を海水より大きくすることにより海底に降下し、
    海底に着床後は前記貨物室に搭載したバラストを海底鉱物資源と交換し、
    その後、前記深海クレーン全体の比重を周囲海水より小さくして、浮力により海面に浮上して海底鉱物資源揚収を行い、
    前記深海クレーンを固体と液体で構成することにより
    前記深海クレーンの内部圧力を周囲海水と等しくすることにより、高圧による前記深海クレーンに対する機械的応力を回避することを特徴とする前記深海クレーンを含む前記海底鉱物資源揚収装置
  2. 請求項1の前記深海クレーンは、
    第一に、前記浮力タンク下部に間隙を空けて、上方から下方に滑らかに積載物が重力で落下できる構造を有する前記貨物室を水中において吊下し、
    第二に、当該間隙より海底鉱物資源を収集する海底鉱物資源収集装置が前記海底鉱物資源を上方より前記貨物室に投入し、
    第三に、前記海底鉱物資源の重力を利用して前記貨物室に搭載したバラストを下方に押出し投棄することにより、前記バラストと前記海底鉱物資源を交換することを特徴として構成され、
    この特徴実現のため、
    第一に、前記貨物室下端に通過阻止機能を含むバラスト排出機構を設け、さらに海面より持ち込んだバラストと、海底で上方より投入する採集鉱物の混合を防止するために、海面より降下する時に前記バラスト上面に可動型の膜状または伸縮可能で可動な仕切機構を設け、
    第二に、前記貨物室の下端にある前記バラスト排出機構より当該バラストを落下排出可能とし、
    第三に、前記制御翼兼着床用脚の一部またはすべてに海底床に対する荷重を測定する重量計を設置し、その測定値から前記深海クレーン全体の水中重量を常時監視し、前記貨物室上方より投入する前記海底鉱物資源の重量に対応して前記貨物室が海底への着床を継続可能な範囲でバラスト量を制御し、
    第四に、前記貨物室への採集鉱物資源の積込み完了後、海底よりの離床浮上時にはバラスト排出を制御し、前記深海クレーンの比重を周囲海水より小さくして浮上することを特徴として構成される前記深海クレーン
  3. 請求項1おける前記深海クレーンの前記制御翼兼着床用脚は、
    第一に、前記貨物室の上部外周部に半径方向に外周に向かって鉛直方向から水平方向に個別に開度が制御可能な複数の前記制御翼兼着床用脚を設け、
    第二に、各前記制御翼兼着床用脚の支持柱周りに個別に回転を制御でき、
    前記深海クレーンの水平方向移動、昇降速度が制御できる特徴がある前記制御翼兼着床用脚
  4. 請求項1の前記深海クレーンは海底着床点と前記海上司令船との間の移動経路を誘導制御する経路誘導制御機能として、
    第一に、前記深海クレーンの海面からの下降時には下降時における目標点である前記海底着床点との位置関係に応じて慣性航法と音響航法を切り替えることができ、
    第二に、前記深海クレーンが前記海底着床点から上昇する時には上昇時における目標点である前記海上司令船との位置関係に応じて慣性航法と音響航法を切り替えることができ、海中温度分布により音波が到達しないか直進性が目標方位を計測するのに十分でない範囲では深度データと慣性航法データを用い、音響測定が目標方位を計測するのに十分な範囲では深度データと音響測定データを用いる機能を含み、
    前記音響航法は、
    第一に、前記海底着床点と前記海上司令船に音響トランスポンダを設置し、前記深海クレーンに設置した音響発振機に呼応して前記音響トランスポンダがエコーを発生することにより、音響信号の往復時間を測定し、
    第二に、前記深海クレーンの浮上時には前記深海クレーンと前記海上令船との距離を測定するほか、前記深海クレーンに位置を離して設置した受振素子間の位相差から前記海上司令船の存在方向を探知し、
    第三に、前記深海クレーンの下降時には前記深海クレーンと前記海底着床点を含む海底着床点との距離を測定するほか、前記深海クレーンに位置を離して設置した受振素子間の位相差から海底着床点を含む海底着床点の存在方向を探知することができる特徴を含んで構成される前記深海クレーン
  5. 請求項1における前記深海クレーンの前記浮力タンクを3個以上の等容積の各球に分割して炭素繊維樹脂を含む軽量強靭素材で構成し、
    前記各球に対する吊下応力を分散させるため網を前記各球の上部から側部表面に覆い索に絞り込み、前記各球よりの索で前記貨物室を吊下することにより、
    前記深海クレーンの採集鉱物を船上に回収するときには、前記各球が海面に浮上している状態で前記各球の中央部の間隙より前記貨物室を前記海上司令船の船上クレーンで釣り上げ、
    前記深海クレーンの海底への降下時には、バラストを前記貨物室に搭載して海面に浮上している前記各球の中央部の間隙より前記海上司令船の船上クレーンで釣り下げ前記各球に接続して海底に降下する運用が可能となる前記深海クレーン
  6. 請求項1における前記位置標識は緯度経度に対応して海底に設置される音響標識であって、
    第一に、GPSにより緯度経度が海面で測定された標識船の直下に、音響信号による誘導または慣性誘導を含む方法により前記音響標識を設定し、
    第二に、海面上において前記標識船を取り囲む緯度経度の異なる前記標識船を内包する多角形の頂点より音響信号を発振させ、前記標識船直下の鉛直線からの偏位を三角測量の原理で求め、各軸操舵翼により当該偏を解消するように制御して、前記標識船直下の直下点に前記音響標識を誘導して着床させ、
    第三に、前記音響標識が海底に着床した後は、前記音響標識は深海クレーンからの問合せ信号に応答してトランスポンダとして機能する特徴を含む前記位置標識

  7. 請求項1における前記海上司令船の監視制御系は、前記海底鉱資源収集装置に電源を供給し、光ファイバーによる通信を行い、前記海上令船から前記深海クレーンの海底での着床点への降下を指揮管制し、前記着床点からの離床と前記海上令船への浮上を指揮管制し、
    第一に、前記海上令船の発電装置は前記深海クレーンへ送電または充電により電源を供給し管制し、
    第二に、前記深海クレーンからの揚収鉱物の前記海上令船への移送の管制を実施する特徴がある前記海上司令船の監視制御系
  8. 請求項1の前記深海クレーンの前記貨物室に分離および接続が可能で、水中重量を測定可能な海底鉱物資源収集容器を前記海底鉱物資源揚収装置の構成要素に加え、
    第一に、前記深海クレーンの海面よりの海底への降下においては次の3項の運用を行い、
    1.前記貨物室に投棄用バラストを積載し、
    2.前記海底鉱物資源収集装置または単数または複数の前記海底鉱物資源収集容器を吊下し、
    3.前記深海クレーンの比重を海水より大きくする特徴を持って運用し、
    第二に、前記深海クレーンの海底着床後には、次の3項の運用を行い、
    1.前記海底鉱物資源収集装置は、陸上で使用される建設機械のパワーショベルの油圧機構の原動力を原動機から電動機に置き換え、油圧差圧モータによりにより駆動されることを特徴とせしめ、前記海底鉱物資源収集装置または前記海底鉱物資源収集容器を前記貨物室からの吊下を解いて海底に設置せしめ、
    2.前記海上司令船より超音波高精細ビデオカメラを含む映像監視装置を用いて前記海底鉱物資源収集装置を遠隔操作し、前記海底鉱物資源収集容器に採集鉱物を積載せしめ、
    3.前記海底鉱物資源収集容器の水中重量が浮上可能である限界を監視し、前記海底鉱物資源収集装置が前記採集鉱物を前記海底鉱物資源収集容器へ搭載するのを停止すべき時期を検知せしめ、
    第三に、前記深海クレーンが前記海底鉱物資源収集装置または前記採集鉱物を積載した前記海底鉱物資源収集容器を海面に揚収するときは、次の2項の運用を行い、
    1.前記海底鉱物資源収集装置に設けたリングを含む吊り上げられるための機構または、前記海底鉱物資源収集容器のシュラウドに設けたリングを含む吊り上げられるための機構に、前記貨物室下部のフックを含む吊上げるための機構を誘導して篏合させ
    2.前項ののち、前記貨物室中のバラストを投棄して、前記深海クレーンの比重を周囲の海水より小さくして海上司令船の近辺に浮上せしめる
    ことを特徴とする前記海底鉱物資源揚収装置
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