JP7245894B2 - 太陽電池アレイの支持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の屋上に設置される太陽電池アレイを支持する構造に関する。
従来より、太陽光発電によりエネルギー自給率を高めることを目的として、地表面上や建物屋上に複数の太陽電池パネルからなる太陽電池アレイを設置することが提案されている(特許文献1、2参照)。
特許文献1には、複数の太陽電池アレイを配置した太陽電池アレイ群の後面や側面に防風体を設けることが提案されている。しかしながら、建物屋上に太陽電池アレイを設置する場合、建物にどのように防風体を取り付けるのか不明であった。
特許文献2には、建物の屋根面にソーラーパネルを固定するソーラーパネル用取付架台が示されている。このソーラーパネル用取付架台は、ソーラーパネルの上下両面を一対の挟持部で挟み込むことで、サイズや形状の異なる種々のソーラーパネルに適用可能である。しかしながら、特許文献2には、屋上設置型のソーラーパネルに作用する風荷重を低減させることで、ソーラーパネル用取付架台の縮小化や構造安全性を高める技術的思想は示されていない。
また、建物屋上に設置する太陽電池アレイにおいては、エネルギー自給率をさらに向上させるため、太陽電池アレイの設置面積をさらに拡張することが要請されている。
その際、一部の太陽電池アレイが建物屋上の周縁部に設置されることになる。すると、建物の外壁面に吹き付ける風が、外壁面に沿って上昇し、この屋上周縁部に設置された太陽電池アレイの下面に当たるので、この太陽電池アレイの下面には、太陽電池アレイを上向きに持ち上げようとする正圧が生じることになる。さらに、この建物屋上の周縁部に設置される太陽電池アレイには、太陽電池アレイの下面側に加わる上向き力に加えて、太陽電池アレイの上方側を通り抜ける風によって、太陽電池アレイを上面側に押し上げる風力が作用することが多い。よって、太陽電池アレイやこの太陽電池アレイの支持架台が構造安定性を確保できないおそれがあった(図4(b)を参照)。
また、特許文献3には、高層ビル等の地上部分に発生するビル風を低減するため、建物の所定高さの壁面に設けた風向変更部材を上下に稼動させることで、平面視における風向変更部材の面積を変化させて、ビル風の風向を変え、建物上部の壁面に沿って地上に吹き下ろすビル風を低減するビル風低減装置が示されている。しかしながら、特許文献3のビル風低減方法は、建物上部の風面に沿って吹き下ろすビル風が対象であり、建物屋上に設置する工作物(太陽電池アレイ)に加わる揚力を低減させるには、建物周りでの上昇風の低減方法に関する詳細な分析および検討が必要であった。さらに、特許文献3のビル風低減方法では、風向変更部材を制御するために建物屋上に設置する風向風速測定手段や風向変更部材を稼動させる揺動駆動手段が必要であり、制御装置等が高額となるため、中低層建物の屋上に設置する太陽電池アレイにビル風低減手段として使用するには低コスト化が課題であった。
特開2016-214063号公報 特開2012-12778号公報 特開平7-217254号公報
本発明は、建物屋上に設置する太陽電池アレイおよびその支持架台について、高い構造安定性を確保できる太陽電池アレイの支持構造を提供することを課題とする。
本発明者らは、建物の屋上設置型の太陽電池アレイの支持構造として、建物の外壁面から一定の距離をあけて、建物屋上から所定高さまで垂下される第1の風力低減材、および、建物の外壁面から外側に向かって略水平に延びる第2の風力低減材のうち、少なくとも一方を設けることで、建物の壁面近傍や屋上付近に発生する強風を低減できる点と、太陽電池アレイの支持架台を建物外壁面の外側まで延長することで、建物を増築することなく、大規模な設置面積を有する建物屋上設置型の太陽電池アレイの支持構造が実現可能である点とに着眼し、本発明を発明するに至った。
第1の発明の太陽電池アレイの支持構造(例えば、後述の太陽電池アレイの支持構造1)は、建物(例えば、後述の建物10)の屋上に設置された太陽電池アレイ(例えば、後述の太陽電池アレイ30)の支持構造であって、前記建物の屋上面(例えば、後述の屋上面12)に設けられた支持架台(例えば、後述の支持架台20)と、当該支持架台に支持された太陽電池アレイと、前記太陽電池アレイに作用する風力を低減する風力低減機構(例えば、後述の風力低減機構40)と、を備え、当該風力低減機構は、平面視で当該建物の外壁面(例えば、後述の外壁面11)から離れて配置されかつ前記建物の外壁面に沿って延びる板状の第1の風力低減材(例えば、後述のメッシュ膜50)、および、前記建物の外壁面から外側に向かって略水平に延びる第2の風力低減材(例えば、後述のグレーチング60)のうち、少なくとも一方を備えることを特徴とする。
この発明によれば、建物の外部に風力低減手段として、建物の外壁面に沿って延びる第1の風力低減材、および、前記建物の外壁面から外側に向かって略水平に延びる第2の風力低減材のうち、少なくとも一方を設けた。よって、建物の外壁面に吹き付ける風が第1の風力低減材や第2の風力低減材で遮られるから、建物の外壁面に沿って上昇する風量が低減して、屋上周縁部に設置された太陽電池アレイの下面に生じる正圧を低く抑えることができる(図4(b)参照)。これにより、太陽電池アレイやその支持架台の構造安定性を高めることができ、太陽電池アレイの支持架台の小型化や太陽電池アレイの支持構造の簡素化が可能である。
第2の発明の太陽電池アレイの支持構造(例えば、後述の太陽電池アレイの支持構造1A)は、建物(例えば、後述の建物10)の屋上に設置された太陽電池アレイ(例えば、後述の太陽電池アレイ30A)の支持構造であって、前記建物の屋上面(例えば、後述の屋上面12)に設けられた支持架台(例えば、後述の支持架台20)と、当該支持架台に支持された太陽電池アレイと、前記太陽電池アレイに作用する風力を低減する風力低減機構と、を備え、当該風力低減機構は、前記太陽電池アレイの下面を覆う膜材または板材(例えば、後述のメッシュ膜70)であることを特徴とする。
この発明によれば、風力低減手段として、建物の外壁面から外側に設置される太陽電池アレイの下面を覆う風力低減材を設けたので、建物外壁面と外壁面に沿って上昇してきた風が、太陽電池アレイの裏面に直接当たることはない。よって、太陽電池アレイに作用する風量や風圧を低減して、太陽電池アレイの構造安全性を高めることができる。
第3の発明の太陽電池アレイの支持構造は、前記支持架台は、前記建物の外壁面の外側まで延長して設けられており、前記建物の外側の地表面に設けられた外周柱と、当該外周柱同士を連結する外周梁と、を備え、前記第1の風力低減材は、前記外周柱および前記外周梁に支持されることを特徴とする。
この発明によれば、太陽電池アレイを支持する支持架台を建物の外壁面の外側まで延長した。よって、建物の屋上の平面積(具体的には、建物の建築面積)を増加させることなく、太陽電池アレイの設置面積を拡大できるので、建物屋上に大規模な太陽電池アレイを設置できる。よって、太陽光発電で得られる電気エネルギーを増やすことができ、建物のエネルギー自給率が高められる。
また、地表面上に設置された外周柱および外周梁で構成される外周柱梁架構に第1の風力低減材を取り付けた。この外周柱梁架構により奥行きを有する立体架構体が形成されるため、風力や地震荷重に対する太陽電池アレイの支持構造の耐震安全性能を高めることができる。
本発明によれば、建物屋上に設置した太陽電池アレイおよびその支持架台において、高い構造安定性を確保できる。
本発明の第1実施形態に係る太陽電池アレイの支持構造が適用された建物の屋上平面図である。 図1に示す建物のA-A断面図である。 図1に示す建物のB-B矢視図である。 従来の太陽電池アレイに作用する風圧の説明図である。 本発明の太陽電池アレイに作用する風圧の説明図である。 本発明の太陽電池アレイの風洞実験用の建物縮小模型の説明図である。 本発明の比較例に係る建物縮小模型を使用した風洞実験結果のピーク風力分布である。 本発明の実施例1に係る建物縮小模型を使用した風洞実験結果のピーク風力分布である。 本発明の実施例2に係る建物縮小模型を使用した風洞実験結果のピーク風力分布である。 本発明の第2実施形態に係る太陽電池アレイの支持構造の部分拡大図である。
本発明は、建物の外壁面から一定の距離をあけて、建物屋上から所定高さまで垂下される第1の風力低減材、および、建物の外壁面から外側に向かって略水平に延びる第2の風力低減材のうち少なくとも一方が設置された建物の屋上設置型の太陽電池アレイの支持構造である。本発明は、建物の外壁面から外側に風力低減手段(第1~3の風力低減材)を設けるとともに、建物の屋上面から外側まで太陽電池アレイの支持架台を設置することで、風力を低減しつつ、屋上平面積を上回る設置面積を備えた太陽電池アレイの支持構造である点を特徴とする。
本発明の第1実施形態は、建物の外壁面の外側まで太陽電池アレイの支持架台を延長するとともに、建物の外壁面から外側に一定の距離をあけて、建物屋上から所定高さまで第1の風力低減材(例えば、メッシュ膜)を垂下させ、かつ、第1の風力低減材と建物外壁面との間に略水平に延びる第2の風力低減材(例えば、グレーチング)を設置した、太陽電池アレイの支持構造である(図1~3)。
また、第2実施形態は、第1実施形態に設けられた第1、2の風力低減材に加えて、建物の外壁面から外側まで延設された太陽電池アレイの直下に第3の風力低減材を設置した太陽電池アレイの支持構造である(図A)。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る太陽電池アレイの支持構造1が適用された建物10の屋上平面図である。図2は、建物10のA-A断面図である。図3は、建物10のB-B矢視図(外観図)である。
太陽電池アレイの支持構造1は、建物10の屋上に設置された太陽電池アレイ30を支持するものである。この建物10は、鉄筋コンクリート造の3階建ての建物である。
太陽電池アレイの支持構造1は、建物10の外側および屋上面12に設けられた支持架台20と、支持架台20の上面に支持された複数の太陽電池パネルからなる太陽電池アレイ30と、太陽電池アレイ30に作用する風力を低減する風力低減機構40と、を備える。風力低減機構40は、支持架台20に支持された第1の風力低減材としてのメッシュ膜50と、第2の風力低減材としてのグレーチング60と、を備える。
支持架台20は、建物10の外壁面11の外側の地表面2に設けられた複数本の外周柱21と、これら外周柱21同士を連結する外周梁22と、外周柱21と建物10とを連結する連結梁23と、建物10の屋上面12に設けられた屋上柱24と、屋上柱24同士あるいは屋上柱24と外周柱21とを連結する屋上梁25と、を備える。これにより、支持架台20は、建物10の外壁面11の外側まで延長して設けられていることになる。
外周梁22は、建物10の2階床レベル、3階床レベル、屋上階床レベル、および外周柱21の上端レベルに設けられている。
連結梁23は、建物10の2階床レベル、3階床レベル、屋上階床レベルに設けられている。
外周梁22同士の間で、外周梁22の近傍、建物10の窓13の上端の高さ位置、および窓13の下端の高さ位置には、メッシュ膜50を支持するための膜固定部材26が設けられている。
メッシュ膜50は、図1に示すように、平面視で、建物10の隣接する3つの外壁面に略コの字形状に設置される。メッシュ膜50は、図2に示すように、膜固定部材26に固定されており、これにより、外周柱21および外周梁22からなる面状の柱梁架構に支持されている。このメッシュ膜50は、開口率が30%の膜材であり、建物10の窓13の正面を避けて取り付けられている。
よって、メッシュ膜50は、支持架台20の外面に沿って設けられており、平面視で建物10の外壁面11から離れて配置され、かつ、太陽電池アレイ30の上面の高さ位置から屋上面12よりも下方まで鉛直方向に延びる板状となっている。
具体的には、メッシュ膜50は、各階の床レベルに設置されるグレーチング60を上下から挟むように配置される。つまり、建物途中階において、各メッシュ膜50の上端は、腰壁上端の高さに設けられた膜固定部材26に固定され、メッシュ膜50の下端は、垂れ壁下端の高さに設けられた膜固定部材26に固定されている。よって、各階の窓13の高さ位置には、メッシュ膜50は設置されておらず、窓13からの眺望が確保されている。
グレーチング60は、平面視で格子状でありかつ水平方向に延びる板状の部材であり、連結梁23の上に架設されている。これにより、グレーチング60は、各階床レベルでメッシュ膜50と建物10の外壁面11との間に設けられて、各階のバルコニーの役割を果たす。このグレーチング60は、外周柱21および外周梁22からなる面状の柱梁架構と建物10の外壁面11との間に設けられている。
太陽電池アレイの支持構造1を以上のような構成とした理由は、以下の通りである。
太陽電池アレイ用支持物設計標準(JIS C 8955)には、太陽電池アレイ用の設計支持物の設計用荷重の算出方法が示されている。この太陽電池アレイ用支持物設計標準では、陸屋根の場合、屋根端部から辺長の10%以内の範囲は、適用外とされている。したがって、太陽電池アレイを建物屋上に設置する場合、現行の太陽電池アレイ用支持物設計標準のみに従って設置すると、設置面積が狭くなる。
このように規定されている理由は、以下の通りである。すなわち、図4(a)に示すように、太陽電池アレイを建物屋上の周縁部に設置せず、中央部にのみ設置した場合、図4(a)中の矢印のように風が流れるので、周縁部の太陽電池アレイには、上面および下面に負圧(面を引っ張る力)が生じる。よって、この太陽電池アレイの上面および下面に作用する圧力の差が小さくなるので、太陽電池アレイに作用する風力は小さくなる。
これに対し、図4(b)に示すように、太陽電池アレイを建物屋上の周縁部にも設置した場合、図4(b)中の矢印のように風が流れるので、周縁部の太陽電池アレイには、上面に大きな負圧が生じ、下面に正圧(面を押す力)が生じる。よって、この太陽電池アレイの上面および下面に作用する圧力の差が大きくなるので、太陽電池アレイに作用する風力は大きくなる。したがって、本願発明のような風力低減機構を設けない場合、太陽電池アレイの支持架台を大型化して強固な構造とする必要があった。
本発明では、太陽電池アレイの設置面積を拡大するため、図5(a)に示すように、太陽電池アレイを建物の外壁面よりも外側に張り出して設置した。そして、周縁部の太陽電池アレイに作用する風力を小さくするため、建物の外壁面の外側に、太陽電池アレイの上面の高さ位置から建物屋上よりも下方まで延びる第1の風力低減手段(メッシュ膜)を設けた。よって、建物外壁面から所定距離だけ離れて、メッシュ膜で建物外壁面を覆うことで、建物外壁面に沿って上昇する風が低減され、太陽電池アレイの下面に作用する正圧を小さくして、太陽電池アレイに作用する風力を低減する。
また、図5(b)に示すように、建物の屋上近くの外壁面に側方から風が当たると、この風は外壁面に沿って上昇する気流と、外壁面に沿って下降する気流とに分かれる。これら2つの気流の境界は停留点と呼ばれている。外壁面に沿って上昇する気流を少しでも弱めるため、上述のメッシュ膜はこの停留点よりも下方まで延びていることが好ましい。
〔風洞実験〕
上述のように、太陽電池アレイの設置面積を広く確保するため、屋上周縁部にも太陽電池アレイを設置する必要がある。そこで、太陽電池アレイが建物の外壁面よりも外側に張り出した場合に、太陽電池アレイに作用する風荷重を把握するため、以下のように風洞実験を行った。風洞実験では、建物縮小模型に風力低減手段を設置した場合(実施例1、実施例2)と、建物縮小模型に風力低減手段を設置しなかった場合(比較例)と、について実験を行った。
風洞実験には、図6(a)~(c)に示すような寸法の建物縮小模型を用いて、図6(a)中白抜き矢印の方向から風を当てて、所定の測定点でピーク風力係数を測定した。具体的には、建物縮小模型を、直方体(建物)と、この直方体の上面に設けた板材(太陽電池アレイ)と、直方体の側面の外側に上下に延びる板材(第1の風力低減材)とで構成した。
実施例1は、建物屋上の太陽電池アレイの周囲にメッシュ膜を設けた場合である。風荷重の影響のみを考慮するのであれば、太陽電池アレイの下側の空間をパネルで囲むことで、太陽電池アレイの下面に作用する正圧を低減すればよい。しかし実際には、太陽電池アレイの下側の空間をパネルで囲むと、この空間の風通しが悪くなり、太陽電池アレイの温度が上昇して、発電効率が低下するおそれがあった。そこで、太陽電池アレイの下側の空間をパネルではなくメッシュ膜で囲むことで、太陽電池アレイの下面に作用する正圧を低減しつつ、太陽電池アレイの下面の通風性を確保する。なお、メッシュ膜の開口率が低過ぎると通気性が低下するため、メッシュ膜の開口率を30%とした。
実施例2は、実施例1と同様に太陽電池アレイの周囲にメッシュ膜を設けたが、非常用進入口として、一部のメッシュ膜を撤去した場合であり、実際の太陽電池アレイの設置方法に近い。
また、比較例1は、メッシュ膜を設けなかった場合である。
図7~図9は、比較例、実施例1、および実施例2の風洞実験結果のピーク風力分布である。具体的には、図7~図9は、各測定点におけるピーク風力係数の分布であり、理解の容易のため、各ピーク風力係数は100倍した値を示している。
風洞実験の結果、図7に示す風力低減手段が設けられていない比較例のピーク風力係数の最大値は、風洞実験の風が当たる外壁面でかつ当該外壁面より外側の位置において、-6.05であった。また、図8に示す建物外壁面より外側に第1の風力低減材(メッシュ膜)を設けた実施例1のピーク風力係数の最大値は、図7に示す風力低減手段が設けられていない比較例で最大値を示した建物外壁面の外側位置とは異なり、風洞実験の風が当たる外壁面に隣接する外壁面でかつ当該外壁面の外側の位置において、-4.55であった。さらに、図9に示す実施例2のピーク風力係数の最大値は、実施例1のピーク風力係数の最大値が得られた位置と同様の位置において、-4.50であった。したがって、メッシュ膜を設けることで、ピーク風力係数の最大値は、図9に示す実施例2では、図7に示す比較例に対して、約25%低減された。よって、本発明の第1の風力低減材によってピーク風力を低減できることが判った。
太陽電池アレイに作用する風荷重Wは、以下の式(1)によって表わされる。
W=q×C
ここで、W:風荷重(N/m
:設計速度圧(N/m
:ピーク風力係数
このうち、設計速度圧qは、建設省告示第1454号、第1458号に従って求められる。
例えば、計算条件を以下のように設定する。
場所:神奈川県横浜市
地表面粗度区分:III
建物高さH:15m
場所が神奈川県横浜市であるので、基準風速Vは34(m/s)となる。また、地表面粗度区分がIIIであるので、Zbが5m、ZGが450m、αが0.2となる。
すると、設計速度圧qは、以下の式(2)で求められる。
=0.6×{1.7×(H/ZG)α×V
=0.6×{1.7×(15/450)0.2×34}
=514(N/m
上述のように、風洞実験により、メッシュ膜を設けなかった場合(比較例)、ピーク風力係数の絶対値の最大値は、6.05であった。一方、メッシュ膜を設けた場合(実施例1、実施例2)、ピーク風力係数の絶対値の最大値は、4.55であった。
よって、メッシュ膜を設けなかった場合、太陽電池アレイに作用する風荷重Wの最大値は、6.05×514=3109.7(N/m)となる。一方、メッシュ膜を設けた場合、太陽電池アレイに作用する風荷重Wの最大値は、4.55×514=2338.7(N/m)となる。
低層建物用の一般的な太陽電池アレイの耐荷重は2400N/mであり、高層建物用の太陽電池アレイの耐荷重は5400N/mである。よって、高さ15mの屋根上に太陽電池アレイを設置する場合、メッシュ膜を設けない場合には、高層建物用の太陽電池アレイを用いる必要があるため、設置コストが上昇するが、メッシュ膜を設けることで、低層建物用の一般的な太陽電池アレイを用いることができ、設置コストを抑制できることが判る。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)太陽電池アレイ30の上面の高さ位置から建物10の屋上面12よりも下方まで延びるメッシュ膜50を設けた。よって、建物10の外壁面11に吹き付ける風がメッシュ膜50で遮られるから、建物10の外壁面11に沿って上昇する風量を低減して、屋上周縁部に設置された太陽電池アレイ30の下面に生じる正圧を低減できる。これにより、太陽電池アレイ30やその支持架台20の構造安定性を確保できる。
(2)メッシュ膜50と建物10の外壁面11との間に、水平方向に延びるグレーチング60を設けた。よって、メッシュ膜50と建物10の外壁面11との間を風が上昇するのを抑制して、屋上周縁部に設置された太陽電池アレイ30の下面に生じる正圧をより低減できる。
(3)太陽電池アレイ30を支持する支持架台20を、建物10の外壁面11の外側まで延長した。よって、建物10の屋上の平面積(建物10の建築面積)を増加させることなく、太陽電池アレイ30の設置面積を拡大できる。
また、地表面上に設置された外周柱21、外周梁22、および連結梁23で構成される外周柱梁架構にメッシュ膜50を取り付けた。これら外周柱21、外周梁、および連結梁23からなる外周柱梁架構が奥行きを有する立体架構体を形成するので、風力や地震荷重に対する太陽電池アレイの支持構造1の耐震安全性能を高めることができる。
〔第2実施形態〕
図10は、本発明の第2実施形態に係る太陽電池アレイの支持構造1Aの部分拡大図である。
本実施形態では、風力第1風力低減材としてのメッシュ膜50および第2の風力低減材としてのグレーチング60に加えて、第3の風力低減材としてのメッシュ膜70を設けた点が、第1実施形態と異なる。
すなわち、第3の風力低減材であるメッシュ膜70は、建物10の外壁面11よりも外側まで延設された太陽電池アレイ30Aの下面を覆うように設けられている。具体的には、太陽電池アレイ30Aは、束柱31により屋上梁25の上方に設置されている。また、メッシュ膜70は、最上段の外周梁22および屋上梁25に支持されている。このとき、例えば、屋上梁25の上フランジの上面に図示しないボルトを溶接し、このボルトをメッシュ膜70に貫通させてナットを締め付けることで、メッシュ膜70を屋上梁25に固定する。
なお、本実施形態では、第3の風力低減材としてメッシュ膜70を用いたが、これに限らず、第3の風力低減材として、パンチングメタル、有孔板(例えば、カルシウム板、フレキシブル板)などを用いてもよい。
また本実施形態では、メッシュ膜70を、外周梁22および屋上梁25に取り付けたが、これに限らず、メッシュ膜70を太陽電池アレイ30Aの下面部に留め金具等で固定してもよい。
本実施形態によれば、上述の(1)~(3)の効果に加えて、以下の作用効果がある。
(4)建物10の外壁面11から外側に延出する太陽電池アレイ30Aの下面に第3の風力低減材であるメッシュ膜70を設けたので、建物10の外壁面11とこの外壁面11から離れた位置に設けられたメッシュ膜50との間を上昇してきた風が、太陽電池アレイ30Aの下面に当たることはなく、太陽電池アレイ30Aに作用する風量や風圧を低減でき、太陽電池アレイ30Aの構造安全性を高めることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述の各実施形態では、第1の風力低減材であるメッシュ膜50および第2の風力低減材であるグレーチング60を各階に設けたが、これに限らず、メッシュ膜50およびグレーチング60を建物10の上層階のみに設けてもよい。具体的には、メッシュ膜50およびグレーチング60を、屋上階から図5に示す停留点が位置する階の垂れ壁の下端まで設置してもよい。
また、上述の各実施形態では、第1の風力低減材であるメッシュ膜50、第2の風力低減材であるグレーチング60、および第3の風力低減材であるメッシュ膜70を、建物10の外壁面11の全面に設けたが、これに限らない。すなわち、建物10に接近して他の建物が配置されており、建物10の屋上付近に強風が作用しない場合は、メッシュ膜50、グレーチング60、およびメッシュ膜70を、外壁面11の全面ではなく、外壁面11の一部のみに設けてもよい。
1、1A…太陽電池アレイの支持構造 2…地表面
10…建物 11…外壁面 12…屋上面 13…窓
20…支持架台 21…外周柱 22…外周梁 23…連結梁 24…屋上柱
25…屋上梁 26…膜固定部材 30、30A…太陽電池アレイ 31…束柱
40…風力低減機構 50…メッシュ膜(第1の風力低減材)
60…グレーチング(第2の風力低減材) 70…メッシュ膜(第3の風力低減材)

Claims (1)

  1. 建物の屋上に設置された太陽電池アレイの支持構造であって、
    前記建物の屋上面に設けられた支持架台と、
    当該支持架台に支持された太陽電池アレイと、
    前記太陽電池アレイに作用する風力を低減する風力低減機構と、を備え、
    当該風力低減機構は、平面視で当該建物の外壁面から離れて配置されかつ前記建物の外壁面に沿って延びる第1の風力低減材、および、前記建物の外壁面から外側に向かって略水平に延びる第2の風力低減材のうち、少なくとも一方を備えることを特徴とする太陽電池アレイの支持構造。
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