JP7244947B2 - 呼吸機能検査用フローセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、呼吸機能検査用フローセンサに関する。
ヒトが肺から吐き出す息、或いは肺に吸い込む空気の体積流量(フロー)を測定するための呼吸機能検査装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。この呼吸機能検査装置では、フローに対応した圧力信号(差圧信号)を出力し、フローセンサが出力した差圧信号は、本体部の圧力センサにおいて対応する電気信号に変換される。
特開2019-146710号公報
上記特許文献1に記載された発明では、被検者が肺から吐き出す息はフローセンサのスクリーン(抵抗体)に直接当たるため、被検者の息に含まれる唾液がスクリーンに付着することになる。特にスクリーンがメッシュ構造の場合、唾液がメッシュに付着すると表面張力により、メッシュの目が唾液で埋まってしまう。その結果、圧力損失が実際よりも大きくなり、誤ったフロー(呼吸流量)が検出されることになる。
また、スクリーンに唾液が付着することにより、フローセンサと本体部を接続する「外部チューブ」が汚染される可能性がある。このため、フローセンサを被験者毎に交換する場合においても、外部チューブを介して前の被検者の唾液に含まれる雑菌等が後の被検者に伝染することが十分に起こり得るという問題が生じる。
そこで、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、その目的は、被検者の唾液・雑菌等が計測器本体側に侵入し難く且つ前の被検者の唾液・雑菌等が後の被検者に伝染し難い構造を有し、計測精度が高い呼吸機能検査用フローセンサを提供することである。
上記目的を達成するための手段に係る呼吸機能検査用フローセンサは、被検者の呼吸ガスが流れる流路(2)の途中に設けられ呼吸ガスの抵抗となる抵抗体(4)と、前記抵抗体(4)の前後に配置された圧力検出部(5a、5a’、5b、5b’)とを備えた呼吸機能検査用フローセンサであって、被検者の唾液・雑菌等を濾過するフィルタ(3)は、被検者から見た場合、前記圧力検出部(5a、5a’、5b、5b’)の前段に設けられていることを特徴とする。
上記構成では、被検者の吐く息はフィルタ(3)を通過して抵抗体(4)を通過することになるため、計測器本体(50)が雑菌等によって汚染されなくなる。また、仮に、従来のフローセンサを介して雑菌等が計測器本体(50)側に残存する場合であっても、雑菌等はフィルタ(3)によって濾過されることになるため、計測器本体(50)側から被検者に雑菌等が伝染することはなくなる。
本手段に係る呼吸機能検査用フローセンサの第2の特徴は、前記フィルタ(3)は被検者の呼吸ガスに含まれる唾液を、圧力を検知する前記抵抗体(4)に到達させないことである。
上記構成では、フィルタ(3)のおかげで抵抗体(4)の目(空隙)が被検者の唾液によって埋まることはなくなるため、息が通過する際の抵抗体(4)における差圧が正しく検知され、これにより被検者の呼吸流量が正しく検知されることになる。
本手段に係る呼吸機能検査用フローセンサの第3の特徴は、前記流路は第1流路(1)と第2流路(2)から構成され、前記第1流路(1)と前記第2流路(2)との接合部(12、21)はフランジ状に成形されていることである。
上記構成では、第1流路(1)と第2流路(2)との接合部(12、21)における接合面積が大きくなる。これにより接合部(12、21)に面積の大きいフィルタ(3)を設置することが可能となる。その結果、フィルタ(3)の濾過効率が高くなると共に、呼吸ガスの流れに対する抵抗が小さくなり、呼吸ガスの流れが安定するようになる。さらに、フィルタ(3)を接合部(12、21)に安定に保持することが可能となる。
本手段に係る呼吸機能検査用フローセンサの第4の特徴は、前記圧力検出部(5a、5a’、5b、5b’)は、前記接合部(12、21)内側の最も低い位置より高い位置に設けられていることである。
上記構成では、フィルタ(3)でトラップ(捕捉)された被検者の唾液・雑菌等が、圧力検出部(5a、5a’、5b、5b’)を通って計測器本体(50)に侵入し難くなる。
本手段に係る呼吸機能検査用フローセンサの第5の特徴は、前記接合部(12、21)が、前記フィルタ(3)を両側から挟み込むクランプ板(12a、21a)を備えることである。
上記構成では、クランプ板(21a、21a)によってフィルタ(3)を安定に保持することが可能となる。
本手段に係る呼吸機能検査用フローセンサの第6の特徴は、前記クランプ板(12a、21a)は、三角形状を成し前記接合部(12、21)の内周面に直交して径方向に沿って設けられていることである。
上記構成では、クランプ板(12a、21a)は接合部(12、21)の径方向に沿って設けられているため、第1流路(1)又は第2流路(2)の各内部を流れる呼吸ガスがクランプ板(12a、21a)によって整流される。これにより、第1流路(1)又は第2流路(2)の各内部を流れる呼吸ガスの流れが安定するようになる。その結果、フローセンサ(100)から出力信号が安定するようになる。これにより、フローセンサ(100)の計測精度が向上するようになる。
本手段に係る呼吸機能検査用フローセンサの第7の特徴は、隣り合う2つの前記クランプ板(12a、21a)の間には被検者の呼吸ガスを一時的に溜めるガス溜め部(12c、21c)が形成されることである。
上記構成では、上記ガス溜め部(12c、21c)は、被検者の呼吸ガスの流れが乱れる(呼吸ガスの圧力が変動する)場合、バッファーゾーンとして機能して呼吸ガスの流れを安定させるように作用する。その結果、フローセンサ(100)から出力信号が安定するようになる。これにより、フローセンサ(100)の計測精度が向上するようになる。
本手段に係る呼吸機能検査用フローセンサの第8の特徴は、前記接合部(12、21)は、前記クランプ板(12a、21a)を互いに突き合う位置で位置決めする位置決め手段(12b、21b)を備えることである。
上記構成では、クランプ板(12a、21a)は、互いに突き合う位置で位置決めされるため、フィルタ(3)はクランプ板(12a、21a)によって安定に保持されることになる。
本手段に係る呼吸機能検査用フローセンサの第9の特徴は、前記流路(2)の内周面のうちで、被検者から見た場合の前記抵抗体(4)の後段に呼吸ガスの流れを安定させる整流板(23)が設けられていることである。
上記構成では、整流板(23)によって被検者の吸気ガスの流れが層流になり抵抗体(4)の前後において安定した圧力を検出することが出来るようになる。
本手段に係る呼吸機能検査用フローセンサの第10の特徴は、前記フローセンサ(100)は一人の被検者の呼吸機能検査のために使用されることである。
上記構成では、フローセンサ(100)は一人の被検者のみに特化した”使い捨てタイプ”として使用されることになる。これにより検査を終えた前の被検者の唾液・雑菌等が、これから検査を受ける後の被検者に伝染しなくなる。
本手段に係る呼吸機能検査用フローセンサの第11の特徴は、基準流量を流した時の前記抵抗体(4)の前後に発生する圧力差についての較正係数については、読み取り機(59)が読み取り可能なコードと数値によってフィルム(6)上に記載され、前記フィルム(6)は前記第1流路(1)又は前記第2流路(2)の表面に貼られていることである。
上記較正では、上記較正係数については読み取り機(59)によって読み取られるため、オペレータの入力作業が簡素化され、これにより、検査時間が大幅に短縮されることになる。同時に入力ミス等のヒューマンエラーを防止することが可能となる。
本手段に係る呼吸機能検査用フローセンサの第12の特徴は、前記フィルム(6)上に前記フローセンサに係る製品ロット番号が、前記読み取り機(59)が読み取り可能なコード又は文字・数字によって記載されていることである。
上記較正では、各フローセンサ単体の較正係数を製造ロット毎に調整することより、使い捨てタイプのフローセンサの計測精度管理が可能となる。これにより、本フローセンサについての品質管理(トレーサビリィティ)が向上する。
本手段の呼吸機能検査用フローセンサによれば、被検者の唾液・雑菌等が計測器本体側に侵入し難く且つ前の被検者の唾液・雑菌等が後の被検者に伝染し難い構造を有し、計測精度が高い呼吸機能検査用フローセンサとすることが可能となる。
特に、被検者の唾液・雑菌等を濾過するフィルタ(3)が、被検者から見た場合、被検者の呼吸ガスの圧力を検出する圧力検出部(5a、5a’、5b、5b’)の前段に設けられている。これにより、被検者の呼吸ガスに含まれる唾液・雑菌等がフィルタ(3)によって捕捉され計測器本体(50)側に侵入することはなくなる。一方、仮に従来のフローセンサを介して前の被検者の唾液・雑菌等が計測器本体(50)側に残存する場合であっても、フィルタ(3)によって捕捉されるため、前の被検者の唾液・雑菌等が後の被検者に伝染することはなくなる。
また、被検者の呼吸ガスの圧力を検出する圧力検出部(5a、5a’、5b、5b’)は、接合部(12、21)内側の最も低い位置より高い位置に設けられている。これにより、フィルタ(3)によって捕捉された被検者の唾液・雑菌等が圧力検出部(5a、5a’、5b、5b’)に侵入し難くなる。それに加えて、本手段の呼吸機能検査用フローセンサは、一人の被検者のみに特化した”使い捨てタイプ”として使用されることになるため、前の被検者の唾液・雑菌等が後の被検者に伝染しなくなる。
また、フィルタ(3)を固定する各クランプ板(12a、21a)は、略三角形状を成し接合部の内周面に直交して径方向に沿って設けられている。さらに隣り合う2つのクランプ板(12a、21a)の間には被検者の呼吸ガスを一時的に溜めるガス溜め部(12c、21c)を形成している。これにより、クランプ板(12a、21a)は呼吸ガスを整流すると共に、隣り合う2つのクランプ板(12a、21a)の間に形成されたガス溜め部(12c、21c)は、呼吸ガスの圧力変動が変動する場合、バッファーゾーンとして機能して呼吸ガスの流れを安定させるように作用する。その結果、フローセンサ(100)からの出力信号が安定するようになる。これにより、フローセンサ(100)の計測精度が向上するようになる。
第1実施形態に係る呼吸機能検査用フローセンサを示す説明図である。 第1流路のA方向矢視図である。 第2流路のB方向矢視図である。 本フローセンサから出力される計測信号を処理する計測器本体の構成を示すブロック図である。 差圧センサの計測原理を示す説明図である。 A/D変換器の原理を示す説明図である。 D/A変換器の原理を示す説明図である。 第2実施形態に係る呼吸機能検査用フローセンサを示す説明図である。 第3実施形態に係る呼吸機能検査用フローセンサを示す説明図である。 図9のA矢視図である。 第4実施形態に係る呼吸機能検査用フローセンサ及び計測器本体を示す説明図である。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
図1は、第1実施形態に係る呼吸機能検査用フローセンサ100を示す説明図である。
この呼吸機能検査用フローセンサ(以下、「本フローセンサ」という。)100は、被検者の口に装着されて被検者が吸う吸気ガス又は吐き出す呼気ガスの流量を測定するための流量検出部である。なお、本フローセンサ100によって検出される情報(信号)は、流量と1対1の関係(線形関係)を有する圧力差信号(抵抗体4の前後における差圧信号)である。この差圧信号は後述する計測器本体50(図4)に取り込まれ、この差圧信号に基づいて対応する流量信号に変換されることになる。この信号処理については図4を参照しながら後述する。また、「吸気ガス」又は「呼気ガス」については総称して「呼吸ガス」と言う場合がある。
本フローセンサ100は、被検者の口内に連通する第1流路1と、外気(大気)に連通する第2流路2と、被検者の息に含まれる唾液・雑菌等が、計測器本体50(図4)内部に侵入することを阻止するフィルタ3と、呼吸ガスについて圧力降下を発生させる抵抗体4と、抵抗体4のフィルタ3側の圧力(静圧)を検出する第1圧力検出ポート5aと、抵抗体4のフィルタ3と反対側の圧力(静圧)を検出する第2圧力検出ポート5bと、を具備して構成される。
2つの圧力検出ポート5a,5bは、被検者から見た場合、フィルタ3の後段(下流側)で、且つ第1流路1と第2流路2との接合部内側の最も低い位置Hmin(図2、図3)より高いところに位置している。これにより、被検者の呼吸ガスに含まれる唾液・雑菌等がフィルタ3によって捕捉され、計測器本体50(図4)側に侵入することはなくなる。一方、仮に従来のフローセンサを介して前の被検者の唾液・雑菌等が計測器本体50(図4)側に残存する場合であっても、フィルタ3によって捕捉されるため、前の被検者の唾液・雑菌等が後の被検者に伝染することはなくなる。
また、フィルタ3によって捕捉された被検者の唾液・雑菌等は、第1流路1と第2流路2との接合部内側の最も低い位置Hmin(図2、図3)に集められる。2つの圧力検出ポート5a,5bは、第1流路1と第2流路2との接合部内側の最も低い位置Hmin(図2、図3)より高いところに位置しているため、被検者の唾液が計測器本体50(図4)に侵入しにくくなる。以下、各構成について更に説明する。
第1流路1の形状について、第2流路2と対向する端部がフランジ状に成形された第1フランジ部12を成している。第1フランジ部12にはフィルタ3が装着され、フィルタ3は第1流路1の第1フランジ部12と第2流路2の第2フランジ部21によってサンドイッチされて固定される。
第1フランジ部12には、フィルタ3を押しつける第1クランプ板12aが90°間隔に4個形成されている。第1クランプ板12aは一定幅の三角形状の板を成している。第1クランプ板12aと第1クランプ板12aとの間は空間を形成している。これについては、図2を参照しながら後述する。
また、第1フランジ部12の径方向外側には凹部12bが形成されている。この凹部12bには、第2流路2の第2フランジ部21の凸部21bが嵌まることになる。これについては、図2を参照しながら後述する。
第1フランジ部12の図上右方向に沿って、内径が曲線状に縮径した第1R部11aと、内径が一定である第1直管部11と、外径が縮径した第1縮径部11bと、内径が直線状に縮径したテーパー部11cとがシリアルに連続している。第1縮径部11b及びテーパー部11cにマウスピース(図示せず)が装着されることになる。
一方、第2流路2の形状について、第1流路1と対向する端部がフランジ状に成形された第2フランジ部21を成している。第2フランジ部21にはフィルタ3が装着され、フィルタ3は第1流路1の第1フランジ部12と第2流路2の第2フランジ部21によってサンドイッチされて固定される。
従って、第2フランジ部21にも、フィルタ3を押しつける第2クランプ板21aが90°間隔に4個形成されている。第2クランプ板21aは一定幅の略三角形状の板を成している。第2クランプ板21aと第2クランプ板21aとの間は空間を形成している。これについては、図3を参照しながら後述する。
また、第2フランジ部21の径方向外側には、第1流路1の第1フランジ部12の凹部12bに嵌合する凸部21bが形成されている。これについては、図3を参照しながら後述する。
また、第2フランジ部21の図上左方向に沿って、内径が曲線状に縮径した第2R部22aと、外径が一定である第2直管部22とがシリアルに連続している。
第2直管部22の内周面について、内径が縮径した第2縮径部22bが成形されている。これにより、第2直管部22の内周面と第2縮径部22bとによって抵抗体4を収容する段差が形成され、その段差に抵抗体4が嵌まることになる。なお、抵抗体4は第2R部22a及び第2縮径部22bと一体に成形されていても良い。
フィルタ3は、例えばガス用疎水性フィルタであり、呼吸ガス中に含まれる唾液、雑菌、微小異物やスケールを捕捉する。なお、フィルタ3の材質については、殺菌可能であり且つ過度の吸入抵抗または吐出抵抗にならずに、唾液、雑菌、微小異物やスケール等を好適に捕捉することができるものであれば、材質は特に問わない。
特に、抵抗体4がメッシュ構造の場合、被検者の息に含まれる唾液が抵抗体4に付着すると表面張力により、メッシュの目が唾液で埋まってしまう。その結果、抵抗体4での圧力損失が実際よりも大きく検知され、これにより誤ったフロー(呼吸流量)が検知されることになる。しかし、フィルタ3により唾液がフローを検出する抵抗体4に到達しなくなるため、抵抗体4での圧力損失が正しく検知され、これにより正しいフロー(呼吸流量)が検知されることになる。
抵抗体4は、呼吸ガスが抵抗体4を通過する際に、抵抗体4の前後に圧力差(差圧)を発生させるものである。差圧を発生させる機構としては、例えばオリフィス構造、網目(メッシュ)構造、ルーバー構造を使用することができる。
なお、差圧と流量の関係式について、第1圧力検出ポート5a側の圧力と流速と流路断面積を(P1、Ve1、S1)と、第2圧力検出ポート5b側の圧力と流速と流路断面積を(P2、Ve2、S2)と、呼吸ガスの密度をρとし、呼吸ガスが抵抗体4を通過する際に生じるエネルギー損失を無視する場合、ベルヌーイの定理より下記式1が成立する。
(式1):1/2ρVe1+P1=1/2ρVe2+P2
また、連続の式より、下記式2が成立する。
(式2):ρ・Ve1・S1=ρ・Ve2・S2
式2より、下記式3が成立する。
(式3):Ve1=Ve2・(S2/S1)=m・Ve2、但しm≡S2/S1。
式3を式1に代入して、Ve2について解くと下記式4が成立する。
(式4):Ve2=√[2/{ρ(1-m)}・(P1-P2)]
式4から、流量Qと差圧ΔP(≡P1-P2)についての下記式5が成立する。
(式5):Q=S2・Ve2=S2・C・√ΔP、但しC≡√[2/{ρ(1-m)}]。
上記C及び流路断面積S2は共に定数より、式5よりΔPが求まる場合、流量Qは一意的に求まることになる。しかし、前述した通り、式5は呼吸ガスが抵抗体4を通過する際に生じるエネルギー損失等は無視しているため、流量Qを求める際に式5をそのまま使用することはできない。式5において補正係数Kを決める必要がある。補正係数Kについては、例えば実流量Qを流し、その時発生する実差圧ΔPを取得するキャリブレーション(較正)を実施することにより、決定される。
従って、補正係数Kを考慮した流量Qと差圧ΔP(≡P1-P2)については下記式6が成立する。
(式6):Q=K・S2・C・√ΔP、但しC≡√[2/{ρ(1-m)}]。
一方、差圧ΔPは計測器本体50の差圧センサ52によって計測される。差圧ΔPと差圧センサ52の出力電圧Vと間には下記式7が成立する。
(式7):ΔP=K’・V、但しK’は較正係数。
結局、式7を式6に代入することにより、流量Qは差圧センサの出力電圧Vから下記式8に示す通り一意的に求められる。
(式8):Q=K・S2・C・√ΔP=K・S2・C・√(K’・V
第1圧力検出ポート5aは、抵抗体4を通過する呼吸ガスのフィルタ3側の圧力(静圧)を検出する。第1圧力検出ポート5aは、内部が貫通した直管形状を成している。第1圧力検出ポート5aは、例えば第2流路2に一体に成形される。或いは、別体で成形し第2流路2に後付けで取り付けることも可能である。
第2圧力検出ポート5bは、抵抗体4を通過する呼吸ガスのフィルタ3と反対側の圧力(静圧)を検出する。第2圧力検出ポート5bも、内部が貫通した直管形状を成している。第2圧力検出ポート5bは、例えば第2流路2に一体に成形される。或いは、別体で成形し第2流路2に後付けで取り付けることも可能である。
図2は、第1流路1のA方向矢視図である。
第1フランジ部12の端面は、環状端面12eを成している。環状端面12eはフィルタ3の外周部を支持している。その環状端面12eに連結した第1クランプ板12aが第1フランジ部12に直交して90°の間隔で4個形成されている。第1クランプ板12aはフィルタ3の径方向外側を支持している。
また、第1クランプ板12aの径方向外側延長線上には、第2フランジ部21の凸部21bが嵌まる凹部12bがそれぞれ形成されている。第1フランジ部12の凹部12bに第2フランジ部21の凸部21bが嵌合することにより、第1流路1の第1クランプ板12aと第2流路2の第2クランプ板21aがちょうど重なる位置に位置決めされることになる。その結果、フィルタ3がズレることなく安定に保持されることになる。
また、第1クランプ板12aは、略三角形状を成す板が第1フランジ部12に直交して90°の間隔で形成されている。第1クランプ板12aは、フィルタ3を通過する前の被検者の吐いた息の流れ(呼吸ガスの流れ)を整流するように作用する。
また、隣り合う第1クランプ板12aと第1クランプ板12aとの間には、呼吸ガスを一時的に溜める第1ガス溜め部12c(バッファゾーン、図2のハッチング部分)が形成される。この第1ガス溜め部12cは、呼吸ガスの圧力変動に対し緩衝作用を発揮する。この第1ガス溜め部12cによって、第1流路1を流れる呼吸ガスの流れが安定するようになる。これにより、呼吸ガスが抵抗体4を通過する際の差圧が安定し、本フローセンサ100を使用した計測器本体50の計測精度が向上するようになる。
図3は、第2流路2のB方向矢視図である。
第2フランジ部21の端面は、環状端面21eを成している。環状端面21eはフィルタ3の外周部を支持している。その環状端面21eに連結した第2クランプ板21aが第2フランジ部21に直交して90°の間隔で4個形成されている。第2クランプ板21aはフィルタ3の径方向外側を支持している。
また、第2クランプ板21aの径方向外側延長線上には、第1フランジ部12の凹部12bに嵌まる凸部21bがそれぞれ形成されている。第2フランジ部21の凸部21bが第1フランジ部12の凹部12bに嵌合することにより、第1流路1の第1クランプ板12aと第2流路2の第2クランプ板21aがちょうど重なる位置に位置決めされることになる。その結果、フィルタ3がズレることなく安定に保持されることになる。
また、第2クランプ板21aは、略三角形状を成す板が第2フランジ部21に直交して90°の間隔で形成されている。第2クランプ板21aは、フィルタ3を通過した被検者の吐いた息の流れ(呼吸ガスの流れ)を整流するように作用する。
また、隣り合う第2クランプ板21aと第2クランプ板21aとの間には、呼吸ガスを一時的に溜める第2ガス溜め部21c(バッファゾーン、図3のハッチング部分)が形成される。この第2ガス溜め部21cは、呼吸ガスの圧力変動に対し緩衝作用を発揮する。この第2ガス溜め部21cによって、第2流路2を流れる呼吸ガスの流れが安定するようになる。これにより、呼吸ガスが抵抗体4を通過する際の差圧が安定し、本フローセンサ100を使用した計測器本体50の計測精度が向上するようになる。
また、第1圧力検出ポート5a及び第2検出ポート5b(図示せず)が、接合部内側の最も低い位置より高い位置に設けられている。これにより、フィルタ3によって捕捉された被検者の唾液・雑菌等が第1圧力検出ポート5a及び第2検出ポート5bに侵入し難くなる。それに加えて、本フローセンサ100は、一人の被検者のみに特化した”使い捨てタイプ”として使用されることになるため、前の被検者の唾液・雑菌等が後の被検者に伝染しなくなる。
図4は、本フローセンサ100から出力される計測信号を処理する計測器本体50の構成を示すブロック図である。
この計測器本体50は、第1圧力検出ポート5aで検知された圧力を差圧センサ51に伝搬する第1圧力伝搬チューブ51aと、第2圧力検出ポート5bで検知された圧力を差圧センサ51に伝搬する第2圧力伝搬チューブ51bと、抵抗体4の前後における差圧ΔPを対応する電気信号に変換する差圧センサ51と、差圧センサ51が出力する電気信号(アナログ信号)を所定のディジタル信号に変換するA/D変換器52と、変換されたディジタル信号を基に第2流路2を流れた呼吸ガスの流量Qを算出するCPU53と、A/D変換器52が出力する差圧センサ51の出力信号に係るディジタル信号を一時的に保存するRAM54、CPU53が演算する流量Qと差圧センサ51の出力電圧Vとの較正式(関係式)又は計測結果を保存するROM55と、オペレータからのプログラムの実行要求またはプログラムの実行結果を表示する液晶ディスプレイ56と、CPU53からのディジタル信号を対応するアナログ電圧を生成するD/A変換器57と、計測器本体50の操作ガイダンスを音声にて出力するスピーカー58とを具備して構成される。以下、各構成について更に説明する。
第1圧力伝搬チュープ51a、第2圧力伝搬チューブ51bは、各圧力検出ポート5a,5bで検出された圧力が途中で減衰することがないように、金属製チューブ若しくは樹脂製チューブから作られる。
差圧センサ51は、第1圧力検出ポート5aで検出された圧力を受圧する第1圧力入力ポート51cと、第2圧力検出ポート5bで検出された圧力を受圧する第2圧力入力ポート51dとを備え、例えば半導体ひずみセンサによって構成されている。図5に示されるように、半導体ひずみセンサは、例えばシリコンのダイヤフラム上に金属電極を蒸着してシリコン可動電極MEを作り、その両側に極板面積Sの第1固定電極FE1と第2固定電極FE2を極板間隔dでそれぞれ配置して、可変容量型コンデンサーを構成することにより実現される。
すなわち、第1固定電極FE1と第2固定電極FE2との間に一定の電源電圧Eを印加した場合、第2固定電極FE2とシリコン可動電極MEとの間の第2電圧Vは、下記式9に示す通り求められる。
(式9):V=C1/(C1+C2)×E
なお、C1は第1固定電極FE1とシリコン可動電極MEとの間の静電容量(以下「第1静電容量」という。)を意味しているものとする。また、C2は第2固定電極FE2とシリコン可動電極MEとの間の静電容量(以下「第2静電容量」という。)を意味しているものとする。
従って、図5(a)に示される通り、差圧ΔP(=P1-P2)が発生していない場合、シリコン可動電極MEは中立の位置で静止することになる。この場合、第1静電容量C1と第2静電容量C2は下記式10に示される通り等しくなる。その結果、第2電圧Vは、E/2を示すことになる。
(式10):C1=C2=εS/d
なお、ε、S、dはそれぞれ誘電率、極板面積、極板間隔である。
一方、図5(b)に示される通り、第1圧力P1が第2圧力P2よりも大きくなり差圧ΔPが発生する場合、シリコン可動電極MEは中立の位置から図上左方にxだけひずみ変位することになる。この場合、第1固定電極FE1とシリコン可動電極MEとの間の極板間隔は、dからd+xになると共に、第2固定電極FE2とシリコン可動電極MEとの間の極板間隔は、dからd-xになる。その結果、第1静電容量C1と第2静電容量C2は、下記式11及び式12に示される通り変化する。
(式11):C1=εS/(d+x)
(式12):C2=εS/(d-x)
その結果、第2固定電極FE2とシリコン可動電極MEとの間の第2電圧Vは、下記式13の値を示すことになる。
(式13):V=C1/(C1+C2)×E=(d-x)/2d×E
上記式13は、第2電圧Vとシリコン可動電極MEのひずみ変位xは、比例関係(V∝x)であることを示している。他方、シリコン可動電極MEのひずみ変位xと差圧ΔPは比例関係(x∝ΔP)にある。従って、第2電圧Vと差圧ΔPは比例関係(V∝ΔP)になる。従って、予め、差圧ΔPと第2電圧Vとの較正式(上記式7)を取得することにより、第2電圧Vの値から差圧ΔPが求められる。従って、流量Qは差圧センサの出力電圧Vから上記式8に示す通り一意的に求められる。なお、この第2電圧Vは、A/D変換器52に取り込まれ、所定ビット数のディジタル信号に変換される。
A/D変換器52は、例えば逐次比較形A/D変換器を使用することができる。図6に示されるように、逐次比較形A/D変換器は、比較器とD/A変換器を用いて最上位の第nビットQnから順番に1ビットずつディジタル変換するものである。変換原理は、いったん第nビットQnを”H”と設定してみてD/A変換器に入力し、その出力電圧VDAを比較器によってアナログ電圧(第2電圧V)と比較し、V>VDAならば、第nビットQnは”H”であると決定し、逆にV≦VDAならば、第nビットQnは”L”であると決定する。次に第n-1ビットQn-1を”H”であると仮定し、同様の比較動作を行うことによりnビット全てを順次、試行錯誤的に決定していくというものである。
A/D変換は、逐次比較レジスタがCPU53からの変換開始入力信号を受信するタイミングで開始される。また、nビット全てが決定されたときにA/D変換は終了する。この場合、逐次比較レジスタからCPU53に変換終了出力信号が送信される。変換終了出力信号を受信したCPU53は、出力ポートをデータバスに対し切断状態から接続状態にする。出力ポートがデータバスに接続されると、差圧(第2電圧V)に係るディジタル信号V2Dは、RAM54に保存される。CPU53は、ROM55に格納された「第2電圧Vと流量Qの較正式」(上記式8)をRAM54に読み込んで、その較正式にディジタル信号V2Dを代入して流量Qを算出する。CPU53によって算出された流量Qは、被検者の個人データ(性別、年齢等)と共にROM55に保存される。
一方、ROM55に保存された流量Qは、液晶ディスプレイ56のコントローラ56aに送信される。コントローラ56aは、CPU53からの制御信号に基づいてLCDドライバー56bを駆動して液晶ディスプレイ56の所定位置に流量Qを表示させる。
液晶ディスプレイ56は、複数のタッチセンサ(図示せず)を備え、オペレータの計測プログラムの開始/停止要求、被検者の個人データを入力することができる。
ROM55にはガイドに係る音声データについても格納されている。従って、例えばオペレータが液晶ディスプレイ56において計測プログラムの開始ボタン(アイコン)を押した場合、その開始に係る制御信号が液晶ディスプレイ56のコントローラ56aからCPU53に送信される。
開始に係る制御信号を受け取ったCPU53は、ROM55に格納されたガイドに係る音声データ(ディジタル信号)を読み込んでD/A変換器57によって対応するアナログ信号に変換し、そのアナログ信号をスピーカー58に印加する。その結果、スピーカー58からガイドに係る音声データ(アナログ信号)が出力されることになる。なお、D/A変換器57は、図7に示されるように、例えば電流加算形D/A変換器によって構成することが可能である。
以上の通り、本実施形態に係る呼吸機能検査用フローセンサ100によれば、被検者の唾液・雑菌等を濾過するフィルタ3が、被検者から見た場合、被検者の呼吸ガスの圧力を検出する第1圧力検出ポート5a及び第2圧力検出ポート5bの前段に設けられている。これにより、被検者の呼吸ガスに含まれる唾液・雑菌等がフィルタ3によって捕捉され計測器本体50側に侵入することはなくなる。一方、仮に従来のフローセンサを介して前の被検者の唾液・雑菌等が計測器本体50側に残存する場合であっても、前の被検者の唾液・雑菌等はフィルタ3によって捕捉されるため、前の被検者の唾液・雑菌等が後の被検者に伝染することはなくなる。
また、被検者の呼吸ガスの圧力を検出する第1圧力検出ポート5a及び第2圧力検出ポート5bは、第1フランジ部12と第2フランジ部21の接合部内側の最も低い位置より高い位置に設けられている。これにより、フィルタ3によって捕捉された被検者の唾液・雑菌等が第1圧力検出ポート5a及び第2圧力検出ポート5bに侵入し難くなる。それに加えて、本実施形態の呼吸機能検査用フローセンサ100は、一人の被検者のみに特化した”使い捨てタイプ”として使用されることになるため、前の被検者の唾液・雑菌等が後の被検者に伝染しなくなる。
また、フィルタ3を固定する第1クランプ板12a及び第2クランプ板21aは、略三角形状を成し、第1フランジ部12と第2フランジ部21との接合部の内周面に直交して径方向に沿って設けられている。さらに隣り合う2つの第1クランプ板12a,12a、或いは2つの第2クランプ板21a,21aの間には被検者の呼吸ガスを一時的に溜める第1ガス溜め部12c、第2ガス溜め部21cをそれぞれ形成している。これにより、各第1クランプ板12a、第2クランプ板21aは呼吸ガスを整流すると共に、隣り合う2つの第1クランプ板12a,12a、或いは第2クランプ板21a,21aの間に形成された第1ガス溜め部12c、第2ガス溜め部21cは、呼吸ガスの圧力変動が変動する場合、バッファーゾーンとして機能して呼吸ガスの流れを安定させるように作用する。その結果、本呼吸機能検査用フローセンサ100からの出力信号が安定するようになる。これにより、本呼吸機能検査用フローセンサ100の計測精度が向上するようになる。
以上、図面を参照しながら、呼吸機能検査用フローセンサの第1実施形態について説明してきたが、呼吸機能検査用フローセンサの形態は上記実施形態だけに限定されるものではなく、上記実施形態に種々の変更・修正を加えることが可能である。例えば、抵抗体4については、呼吸ガスが流れる際に差圧を安定に発生させ、且つ流路内に固定されるものであればよく、メッシュ状、ルーバー状、又はオリフィス状だけに限られない。
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態に係る呼吸機能検査用フローセンサ200を示す説明図である。この呼吸機能検査用フローセンサ200は、上記呼吸機能検査用フローセンサ100から第1圧力検出ポート5a及び第2圧力検出ポート5bをなくしたものに相当する。従って、それ以外の構成については上記呼吸機能検査用フローセンサ100と同じである。
呼吸機能検査用フローセンサ200では、呼吸ガスが流れたときの抵抗体4の前後における圧力(P1、P2)を検出する圧力検出部が、所定の内径を有する貫通穴の第1圧力検出穴5a’及び第2圧力検出穴5b’によって構成されている。この場合、差圧センサ51(図4)に圧力をそれぞれ伝搬する第1圧力伝搬チューブ51a及び第2圧力伝搬チューブ51bは、第1圧力検出穴5a’、第2圧力検出穴5b’にシール材(図示せず)を介して直接挿入されることになる。
なお、被検者から見た場合の抵抗体4の後段の圧力(第2圧力P2)は、殆ど大気圧(Patm)に等しくなるため、第2圧力検出穴5b’及び第2圧力伝搬チューブ51bがなくても、第1圧力検出穴5a’及び第1圧力伝搬チューブ51aのみで抵抗体4の前後の差圧(P1-Patm)を検出することは可能であるように思われる。
しかし、呼吸検査時においては、被検者の上体は前後に揺れるため、第1圧力伝搬チューブ51a及び第2圧力伝搬チューブ51bも被検者の上体の揺れに連動して揺れることになる。その結果、チューブの揺れに伴うノイズ(pN)が圧力信号(P1)に混入することになる。従って、第1圧力伝搬チューブ51aのみで圧力を伝搬する場合、差圧センサ51が計測する差圧ΔPは、P1+pN-Patmとなり、ノイズ(pN)を差圧センサ51は信号として計測することなる。他方、第1圧力伝搬チューブ51a及び第2圧力伝搬チューブ51bで圧力を伝搬する場合、差圧センサ51が計測する差圧ΔPは、P1+pN-(Patm+pN)=P1-Patmとなり、ノイズ(pN)は互いにキャンセルされ信号として計測されることはない。従って、呼吸検査時においては、第2圧力検出穴5b’及び第2圧力伝搬チューブ51bが必要となる。
(第3実施形態)
図9及び図10は、第3実施形態に係る呼吸機能検査用フローセンサ300を示す説明図である。なお、図10は図9のA矢視図である。この呼吸機能検査用フローセンサ300は、上記呼吸機能検査用フローセンサ100又は呼吸機能検査用フローセンサ200に対し、呼吸ガスの流れを層流にする整流板23が第2直管部22の内周面に形成されている。従って、それ以外の構成については上記呼吸機能検査用フローセンサ100又は呼吸機能検査用フローセンサ200と同じである。
図10に示されるように、整流板23は矩形板が第2直管部22の中心軸CLに関して放射状に、例えば90°間隔で形成されている。整流板23を第2直管部22内周面に設けることによって、被検者の吸気ガスの流れが層流になり抵抗体4の前後において安定した圧力を検出することが出来るようになる。これにより、フローセンサの計測精度が向上するようになる。なお、整流板23は、第2直管部23に対し別体であっても良い。
(第4実施形態)
図11は、第4実施形態に係る呼吸機能検査用フローセンサ400及び計測器本体50’を示す説明図である。この呼吸機能検査用フローセンサ400は、流量と差圧との間の較正係数がバーコードフィルム6上に記載され、そのバーコードフィルム6が、例えば第1流路1の表面上に貼られている。この計測器本体50’は、バーコードフィルム6に含まれる情報を読み取るバーコードリーダ59を備えている。なお、ここで言う「流量と差圧との間の較正係数」とは、上記フローセンサ400単体についての「流量と差圧との間の較正係数」(以下、「センサ単体の較正係数」という。)を意味している。例えば、上記式6中の補正係数Kに相当するものである。
バーコードフィルム6に含まれる情報としては、センサ単体の較正係数の他、上記フローセンサ400に係る製品ロット番号、シリアル番号等が挙げられる。センサ単体の較正係数については、数字でもバーコードフィルム6上に表記されている。
なお、呼吸機能検査用フローセンサ400は、一人の被検者の検査のみに特化した”使い捨てタイプ”として使用されることになるため、フローセンサ1個ずつの較正ができない。そこで、上記較正係数の調整を、製品ロット単位で行うことにより、”使い捨てタイプ”のフローセンサ単体の精度管理を行っている。
すなわち、同一製品ロットの各上記フローセンサ400について、第1圧力検出ポート5a及び第2圧力検出ポート5bにマノメータ等の水柱式差圧計を接続して、上記フローセンサ400に一定流量(基準流量として、例えば、1L/s)の空気を流し、差圧を実際に計測することにより、較正係数の調整が行われる。具体的には較正係数の調整は以下のように行われる。
今、上記フローセンサ400は、例えば基準流量1L/sの空気を流した際に、抵抗体4の前後に1cmHOの差圧が発生するように設計されているものとする。従って、基準流量1L/sの空気を流した際に、抵抗体4の前後に1cmHOの差圧が発生する場合、その較正係数は1.000となる。
他方、例えば基準流量1L/sの空気を流した際に1.1cmHOの差圧が計測される場合、較正係数が1.000のままでは、計測器本体50’は実流量より多めに呼吸量を計測することになる。従って、この場合、較正係数を1.000から0.909(=1/1.1)に調整する必要がある。そして、調整された較正係数は、0.909としてバーコードフィルム6上にコード化されることになる。
逆に、例えば基準流量1L/sの空気を流した際に0.9cmHOの差圧が計測される場合、較正係数が1.000のままでは、計測器本体50’は実流量より少なめに呼吸量を計測することになる。従って、この場合、較正係数を1.000から1.111(=1/1.1)に調整する必要がある。そして、調整された較正係数は、1.111としてバーコードフィルム6上にコード化されることになる。
上記フローセンサ400に貼られたバーコードフィルム6については、バーコードリーダ59によって読み出される。読み出されたセンサ単体の較正係数は、バーコードリーダ59からCPU53に送信される。CPU53は、例えばROM55に保存されている流量Qを算出するための上記式8を修正する。このように、上記呼吸機能検査用フローセンサ400及び計測器本体50’を使用することにより、フローセンサ単体の較正係数が自動的に最適化されるため、フローセンサ400の計測精度が向上するようになる。また、オペレータはセンサ単体の較正係数を手入力する必要がないため、検査時間が大幅に短縮されることになると共に、入力ミス等のヒューマンエラーが起きなくなる。
また、上記較正係数の調整を、製品ロット単位で行うことにより、”使い捨てタイプ”のフローセンサ単体の精度管理を適切に行うことが可能となる。
バーコードフィルム6が貼られる位置については、第1流路1又は第2流路2の外表面であれば良く、図11の位置のみ限定されない。また、バーコードフィルム6上に含まれる情報としてはセンサ単体の較正係数、製品ロット番号、シリアル番号だけに限定されない。
1 第1流路
2 第2流路
3 フィルタ
4 抵抗体
5a 第1圧力検出ポート(圧力検出部)
5a’ 第1圧力検出穴(圧力検出部)
5b 第2圧力検出ポート(圧力検出部)
5b’ 第2圧力検出穴(圧力検出部)
6 バーコードフィルム
11 第1直管部
11a 第1R部
11b 第1縮径部
11c テーパー部
12 第1フランジ部
12a 第1クランプ板
12b 凹部
12c ガス溜め部
21 第2フランジ部
21a 第2クランプ板
22 第2直管部
22a 第2R部
22b 第2縮径部
23 整流板
50 計測器本体
51 差圧センサ
52 A/D変換器
53 CPU
54 RAM
55 ROM
56 タッチパネル式ディスプレイ
57 D/A変換器
58 スピーカー
59 バーコードリーダ
100,200,300 呼吸機能検査用フローセンサ

Claims (12)

  1. 被検者の呼吸ガスが流れる流路(2)の途中に設けられ呼吸ガスの抵抗となる抵抗体(4)と、
    前記抵抗体(4)の前後に配置された圧力検出部(5a、5a’、5b、5b’)とを備え、前記抵抗体(4)の前後における差圧を検出する呼吸機能検査用フローセンサであって、
    被検者の唾液または雑菌を濾過するフィルタ(3)は、被検者から見た場合、前記圧力検出部(5a、5a’、5b、5b’)の前段に設けられている
    ことを特徴とする呼吸機能検査用フローセンサ。
  2. 請求項1に記載の呼吸機能検査用フローセンサにおいて、
    前記フィルタ(3)は被検者の呼吸ガスに含まれる唾液を、圧力を検知する前記抵抗体(4)に到達させない
    ことを特徴とする呼吸機能検査用フローセンサ。
  3. 請求項1又は2に記載の呼吸機能検査用フローセンサにおいて、
    前記流路は第1流路(1)と第2流路(2)から構成され、
    前記第1流路(1)と前記第2流路(2)との接合部(12、21)はフランジ状に成形されている
    ことを特徴とする呼吸機能検査用フローセンサ。
  4. 請求項3に記載の呼吸機能検査用フローセンサにおいて、
    前記圧力検出部(5a、5a’、5b、5b’)は、前記接合部(12、21)内側の最も低い位置より高い位置に設けられている
    ことを特徴とする呼吸機能検査用フローセンサ。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の呼吸機能検査用フローセンサにおいて、
    前記接合部(12、21)は、前記フィルタ(3)を両側から挟み込むクランプ板(12a、21a)を備える
    ことを特徴とする呼吸機能検査用フローセンサ。
  6. 請求項5に記載の呼吸機能検査用フローセンサにおいて、
    前記クランプ板(12a、21a)は、三角形状を成し前記接合部(12、21)の内周面に直交して径方向に沿って設けられている
    ことを特徴とする呼吸機能検査用フローセンサ。
  7. 請求項5又は6項に記載の呼吸機能検査用フローセンサにおいて、
    隣り合う2つの前記クランプ板(12a、21a)の間には被検者の呼吸ガスを一時的に溜めるガス溜め部(12c、21c)が形成される
    ことを特徴とする呼吸機能検査用フローセンサ。
  8. 請求項5から7の何れか1項に記載の呼吸機能検査用フローセンサにおいて、
    前記接合部(12、21)は、前記クランプ板(12a、21a)を位置決めする位置決め手段(12b、21b)を備える
    ことを特徴とする呼吸機能検査用フローセンサ。
  9. 請求項1から8の何れか1項に記載の呼吸機能検査用フローセンサにおいて、
    前記流路(2)の内周面のうちで、被検者から見た場合の前記抵抗体(4)の後段に呼吸ガスの流れを安定させる整流板(23)が設けられている
    ことを特徴とする呼吸機能検査用フローセンサ。
  10. 請求項1から9の何れか1項に記載の呼吸機能検査用フローセンサにおいて、
    前記フローセンサは一人の被検者の呼吸機能検査のために使用される
    ことを特徴とする呼吸機能検査用フローセンサ。
  11. 請求項1から10の何れか1項に記載の呼吸機能検査用フローセンサにおいて、
    基準流量を流した時の前記抵抗体(4)の前後に発生する圧力差についての較正係数は、読み取り機(59)が読み取り可能なコードと数値によってフィルム(6)上に記載され、
    前記フィルム(6)は前記第1流路(1)又は前記第2流路(2)の表面に貼られていること
    ことを特徴とする呼吸機能検査用フローセンサ。
  12. 請求項11に記載の呼吸機能検査用フローセンサにおいて、
    前記フィルム(6)上に前記フローセンサに係る製品ロット番号が、前記読み取り機(59)が読み取り可能なコード又は文字・数字によって記載されている
    ことを特徴とする呼吸機能検査用フローセンサ。
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