JP7243994B2 - 血液分析装置 - Google Patents
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Description
本発明は、血液分析装置に関し、より詳しくは、メンブレンの一部がチャネルカバーまたは電極部の上部を覆うことによって、前記メンブレンを通過する血漿が前記メンブレンと前記電極部または前記メンブレンと前記チャネルカバーとの間の空間に流れないようにする血液分析装置に関する。
ラボオンチップ(Lab on a Chip)技術は、バイオチップを製作する技術の一種である。プラスチックやガラスまたはケイ素(シリコン)などを材料として用いてナノ通路を作り、この通路に極微量の試料を流して実験を迅速に行うことができるようにする。1滴の血の量は3~4ccであり、その300万分の1に該当する量だけで癌患者の白血球数値を測定することができる。
血液により診断できるものは、血糖、貧血、コレステロール、心筋梗塞、肝機能、および癌などである。
血糖は、血液に含まれたブドウ糖の量を意味し、最近、糖尿病患者の増加により、重要な検査数値として用いられる。また、赤血球数、血色素、ヘマトクリットなどを確認すれば貧血有無を判断することができる。
心臓筋肉内にはAST、CPK、LDHのような種々の酵素が含まれており、Troponin-I、Troponin-Tのようなタンパク質も含まれている。心筋梗塞により心臓筋肉が壊死を起こせば、これらの酵素とタンパク質が血液内に流れ出るようになり、壊死を起こした範囲が広いほど、血液内に流出する酵素とタンパク質の量も増加する。この中、急性心筋梗塞の発生時、最も速く血液内で上昇するのがCK-MBであり、その次がAST、最後に上昇するのがLDHである。AST、CPK、LDHのような酵素は心臓筋肉にも存在するが、他の臓器にも存在するため、これらの酵素が増加した時、必ずしも心筋梗塞のために増加したとは言えないが、胸痛があり、且つ、これらの酵素が増加したのであれば、心筋梗塞によって発生したと推定することができる。Troponin-Iやtroponin-Tは他の臓器には存在しないタンパク質であるため、血液からこれらのタンパク質が発見されれば、心臓筋肉に損傷があることを意味し、心筋梗塞の診断に役立つ。
一方、血液内に存在するタンパク質を分析して癌を診断する方法が紹介されている。一例として、癌細胞から発現されて細胞外に分泌されるリボソームタンパク質S3(rpS3)を用いた癌診断方法がある。また他の例として、癌発生と関係のある糖タンパク質から酵素を用いる加水分解過程を通じてペプチドを得て、癌発生に応じた特異的な定量的変化を示すグリコシル化関連の特異ペプチドを選別した後、前記選別されたグリコシル化関連の特異ペプチドをマーカーとして用いて癌を診断する方法が紹介されている。
他の一方で、上記のように血糖、貧血、コレステロール、心筋梗塞、肝機能、および癌などを血液から診断するためのバイオチップが開発されている状況下、バイオチップのメンブレンを通して血液から血球成分を分離した血漿成分の回収率を高め、抗原/抗体反応を極大化して診断チップの感度を向上させる方法が必要な実情である。
文献1(KR10-1046156 B1)によれば、メンブレンの各エッジが、上部基板と下部基板が接合した構造物に最大限に非接触するようにして、ロードされた血液が所望しない方向に漏れるのを防止しているが、これより簡単な構造で血液漏れを効果的に防止する必要がある。
本発明が解決しようとする第1課題は、メンブレンの一部がチャネルカバーまたは電極部の上部を覆うことによって、前記メンブレンを通過する血漿が前記メンブレンと前記電極部または前記メンブレンと前記チャネルカバーとの間の空間に流れないようにする血液分析装置を提供することである。
本発明が解決しようとする第2課題は、メンブレンを経てチャネルを流れる血漿の位置を検出できる血液分析装置を提供することである。
本発明は、前記第1課題を達成するために、血液から血漿を分離するメンブレン、前記メンブレンが分離した血漿が入ってくるチャネル、前記チャネルの下部に接して、前記チャネルを流れる血漿が接する電極を含む電極部、および前記チャネルの上部の一部を覆うチャネルカバーを含み、前記メンブレンの一部が前記チャネルカバーの一部を覆うようにすることを特徴とする血液分析装置を提供する。
本発明の一実施形態によれば、前記メンブレンが前記チャネルカバーと接する面の下部にキャビティが形成されることが好ましい。
また、前記メンブレンは不均一な大きさの孔隙で構成され、前記チャネルカバーと隣接した前記メンブレンの面には孔隙を形成しないかまたは前記メンブレンにおいて最も小さく形成されてもよい。
本発明の他の実施形態によれば、前記メンブレンと前記チャネルの下部面との間を連結するピラーをさらに含み、前記ピラーが前記メンブレンに接する部分を一定高さだけ押し上げることが好ましい。
また、前記メンブレンと前記チャネルの接触面の上部または下部に血漿が接する第1検出電極を配置してもよい。
本発明のまた他の実施形態によれば、前記チャネルカバーと前記チャネルとの間に血漿移動用電極と絶縁体とをさらに含み、前記第1検出電極に血漿が接し、一定時間後に第2検出電極に血漿が到達しなかった場合、前記血漿移動用電極の極性を変化させて前記チャネル内の血漿を移動させることが好ましい。
また、前記チャネルと前記電極部の接触面の上部または下部に血漿移動用電極をさらに含み、前記第1検出電極に血漿が接し、一定時間後に第2検出電極に血漿が到達しなかった場合、前記血漿移動用電極の極性を変化させて前記チャネル内の血漿を移動させてもよい。
本発明の他の実施形態によれば、前記チャネルの左側面または右側面に血漿移動用電極をさらに含み、前記血漿移動用電極の極性を変化させて前記チャネル内の血漿を移動させてもよい。
本発明は、前記第2課題を達成するために、血液から血漿を分離するメンブレン、前記メンブレンが分離した血漿が入ってくるチャネル、前記チャネルの上部の一部に接して、前記チャネルを流れる血漿が接する電極を含む電極部、および前記チャネルの下部を覆うチャネルカバーを含み、前記メンブレンの一部が前記電極部の上部の一部を覆うようにすることを特徴とする血液分析装置を提供する。
本発明の一実施形態によれば、前記メンブレンが前記電極部と接する面の下部にキャビティが形成されることが好ましい。
また、前記メンブレンは不均一な大きさの孔隙で構成され、前記電極部と隣接した前記メンブレンの面には孔隙を形成しないかまたは前記メンブレンにおいて最も小さく形成されてもよい。
本発明の他の実施形態によれば、前記メンブレンと前記チャネルの下部面との間を連結するピラーをさらに含み、前記ピラーが前記メンブレンに接する部分を一定高さだけ押し上げることが好ましい。
また、前記メンブレンと前記チャネルの接触面の上部または下部に血漿が接する第1検出電極を配置してもよい。
本発明のまた他の実施形態によれば、前記チャネルと前記チャネルカバーとの間に血漿移動用電極と絶縁体とをさらに含み、前記第1検出電極に血漿が接し、一定時間後に第2検出電極に血漿が到達しなかった場合、前記血漿移動用電極の極性を変化させて前記チャネル内の血漿を移動させることが好ましい。
また、前記チャネルの左側面または右側面に血漿移動用電極をさらに含み、前記血漿移動用電極の極性を変化させて前記チャネル内の血漿を移動させてもよい。
本発明によれば、メンブレンの一部がチャネルカバーまたは電極部の上部を覆うことによって、前記メンブレンを通過する血漿が前記メンブレンと前記電極部または前記メンブレンと前記チャネルカバーとの間の空間に流れないようにすることができる。
また、本発明によれば、メンブレンを経てチャネルを流れる血漿の位置を検出することができる。さらに、本発明によれば、チャネル内を流れる血漿を、血漿移動用電極を用いて検出電極方向に能動的に移動させることができる。
本発明は、前記第1課題を達成するために、血液から血漿を分離するメンブレン、前記メンブレンが分離した血漿が入ってくるチャネル、前記チャネルの下部に接して、前記チャネルを流れる血漿が接する電極を含む電極部、および前記チャネルの上部の一部を覆うチャネルカバーを含み、前記メンブレンの一部が前記チャネルカバーの一部を覆うようにすることを特徴とする血液分析装置を提供する。
以下では、添付図面を参照して本発明が属する技術分野における通常の知識を有した者が本発明を容易に実施することができるように好ましい実施形態を詳しく説明する。但し、これらの実施形態は本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の範囲がこれらの実施形態によって制限されないことは当業界における通常の知識を有する者に明らかである。
本発明が解決しようとする課題の解決案を明らかにするための発明の構成を本発明の好ましい実施形態に基づいて添付図面を参照して詳しく説明するが、図面の構成要素に参照番号を付するにおいて、同一の構成要素に対しては他の図面上に示す時にも同一の参照番号を付し、当該図面に関して説明する際、必要な場合、他の図面の構成要素を引用できることを予め明らかにする。さらに、本発明の好ましい実施形態の動作原理を詳しく説明するにおいて、本発明と関連した公知の機能あるいは構成に関する具体的な説明、そしてそれ以外の諸事項が本発明の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
さらに、明細書の全体にわたって、ある部分が他の部分と「連結」されているとする時、これは、「直接的に連結」されている場合だけでなく、その間に他の素子を介在させて「間接的に連結」されている場合も含む。本明細書において、単数型は、特に言及しない限り、複数型も含む。明細書で用いられる「含む(comprises)」または「含む(comprising)」は、言及された構成要素、ステップ、動作、または素子の他に、一つ以上の他の構成要素、ステップ、動作、または素子の存在または追加を排除するものではない。
第1、第2などは様々な素子、構成要素および/またはセクションを叙述するために用いられるが、これらの素子、構成要素および/またはセクションはこれらの用語によって制限されないことは勿論である。これらの用語は、単に一つの素子、構成要素またはセクションを他の素子、構成要素またはセクションと区別するために用いられるものである。よって、以下にて言及される第1素子、第1構成要素または第1セクションは、本発明の技術的思想内で第2素子、第2構成要素または第2セクションであってもよいことは勿論である。
ある素子(elements)または層が他の素子または層の「上(on)」にあると言及される場合には、他の素子または層の真上だけでなく、その間にまた他の層またはまた他の素子を介在した場合を全て含む。その反面、素子が「直接に上(directly on)」または「真上」にあると言及される場合には、その間にまた他の素子またはまた他の層を介在しないことを示す。空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは、図面に示されているように、一つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために用いられる。空間的に相対的な用語は、図面に示されている方向に加えて、使用時または動作時の素子の互いに異なる方向を含む用語として理解しなければならない。例えば、図面に示されている素子を逆様にする場合、他の素子の「下(belowまたはbeneath)」に記述された素子は、他の素子の「上(above)」に置かれる。したがって、例示的な用語である「下」は、下と上の方向をいずれも含むことができる。素子は他の方向に配向されることができ、この場合、空間的に相対的な用語は配向に応じて解釈される。
本明細書で用いられた用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数型は、特に言及しない限り、複数型も含む。明細書で用いられる「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、言及された構成要素の他に、一つ以上の他の構成要素の存在または追加を排除するものではない。明細書の全体にわたって、同一の参照符号は同一の構成要素を示す。
特に定義しない限り、本明細書で用いられる全ての用語(技術および科学的な用語を含む)は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に共通に理解できる意味として用いられることができるであろう。また、一般的に用いられる辞典に定義されている用語は、特に定義されていない限り、理想的にまたは過度に解釈されない。
図1は、本発明の好ましい一実施形態による血液分析装置の構成図である。
図1を参照すれば、本実施形態による血液分析装置は、血液注入部100、血漿分離部110、血漿誘導部120、および信号分析部130で構成される。
血液注入部100は、血液の注入を受けて血漿分離部100のメンブレンに供給する。血液注入部100は、血漿分離部110に血液を定量注入するように構成されることが好ましい。
血漿分離部110は、血液注入部100から供給を受けた血液から血球を濾過し血漿を通過させる。血漿を血液から分離するために別途の動力を使わないことが好ましい。
血漿誘導部120は、チャネルに入ってきた血漿の特性(例えば、粘度)がサンプルごとに異なるため、定められた時間内に血漿がチャネル内で流れて電極に接するように誘導する。このために、本発明の一実施形態によれば、血漿誘導用電極を含んでおり、チャネル内の血漿を能動的に移動させる。
信号分析部130は、電極に接した血漿により発生した電気信号を測定および分析し、分析結果をディスプレイする。信号分析部130が信号から分析した結果は、グルコース含量、コレステロール含量、癌危険度などを含むことができる。また、信号分析部130は、血液注入部100、血漿分離部110、または血漿誘導部120の動作を制御する信号を生成して、血液注入部100、血漿分離部110、または血漿誘導部120に送信することができる。
図2は、本発明の好ましい一実施形態による血漿分離部110と血漿誘導部120の細部構成を示すものであり、図3は、本発明の好ましい他の実施形態による血漿分離部110と血漿誘導部120の細部構成を示すものである。
図2と図3を参照すれば、本実施形態による血漿分離部110は、注入ホールカバー111、チャネルカバー112、およびメンブレン113で構成され、血漿誘導部120は、チャネル114、電極部115、およびピラー118を含んで構成される。電極部115は、機器認識部116、および反応部117で構成される。
図2に示された実施形態は、メンブレン113を通過した血漿がチャネル114を流れる時、電極部115の位置がチャネル114の下側に位置する場合であり、図3に示された実施形態は、電極部115の位置がチャネル114の上側に位置する場合である。
注入ホールカバー111は、血液が投入される注入ホールが形成されたカバーである。注入ホールカバー111は、注入ホールを除いた残りの領域に血液が流れるのを防止する。注入ホールを通して流入された血液から分離した血漿がチャネル方向に移動することができるように、注入ホールカバー111は、チャネルカバー112、メンブレン113、チャネル114、または電極部115の外部を塞ぐ。
チャネルカバー112は、チャネル114の上面に付着するか(図2)、またはチャネルの下面に付着して(図3)、血漿が電極部115に流れるように誘導する。チャネルカバー112がチャネル114の上部に位置した場合、電極部115はチャネル114の下部に位置し、チャネルカバー112がチャネル114の下部に位置した場合、電極部115はチャネル114の下部に位置することができる。
メンブレン113は、血液(全血)から血球を分離して血漿をチャネル114に供給する。メンブレン113については、図4を参照してより詳しく説明することにする。
図4は、本発明の一実施形態によるメンブレン113を拡大して示すものである。
メンブレン113は不均一な大きさの孔隙で構成され、全血が入ってくるメンブレン部分の孔隙の大きさよりチャネル114に接しているメンブレン部分の孔隙大きさが小さいことが好ましい。一例として、メンブレン113の上部から下部に行くほど孔隙が小さくなる。メンブレンの上部孔隙の大きさは血球が通過できない大きさであり、大きさの大きい血球はメンブレンを通過することができない。メンブレン113を六面体形態とすれば、全血をメンブレンの上面に投入し、血漿は上面を除いた5面に流れ出る。他の実施形態として、メンブレンの4個の壁面は血漿が通過できないように孔隙を形成しないかまたは血漿が通過できない程度の小さい孔隙を形成する一方、上部から下部に行くほど孔隙が小さくなるようにすることによって、血漿がメンブレンの下面にのみ流れ出るようにすることができる。この場合、メンブレンの4個の壁面の孔隙は、メンブレン113において最も小さく形成されることが好ましい。
また他の実施形態として、図2を参照すれば、チャネルカバー112と隣接したメンブレン113の面に孔隙を形成しないかまたは血漿が通過できない程度にメンブレン113において最も小さく形成されるようにすることができる。
図3を参照すれば、電極部115と隣接したメンブレン113の面に孔隙を形成しないかまたは血漿が通過できない程度にメンブレン113において最も小さく形成されるようにすることができる。
メンブレン113が電極部115またはチャネルカバー112のうちいずれか一つと接している場合、メンブレン113の上部の一部が電極部115またはチャネルカバー112の上部を覆うようにすることが好ましい。この場合、メンブレン113を通過する血漿がメンブレン113と電極部115またはメンブレン113とチャネルカバー112との間の空間に漏れないようにするという効果がある。
また、図2に示すように、メンブレン113がチャネルカバー112と接する面の下部にキャビティを形成して、メンブレン113を通過する血漿がチャネルカバー112とチャネル114との間に流れないようにすることができる。図3においては、メンブレン113が電極部115と接する面の下部にキャビティを形成して、メンブレン113を通過した血漿が電極部115とチャネル114との間に漏れないようにすることができる。
チャネル114は、メンブレン113が分離した血漿が流れる通路である。
チャネル114を流れる血漿は、電極部115の反応部117に移動する。チャネルの端部はオープンしているため、チャネル114内の血漿は毛細管現象を利用して別途の動力なしに流れることができる。
電極部115は、電気化学信号を信号分析部130に伝達し、チャネル114の一面に接して、チャネル115を流れる血漿が接する電極を含む。
電極部115は、機器認識部116、および反応部117で構成される。機器認識部116は、本発明に係る血液分析装置が外部認識装置のスロットに嵌められる時、スロットに本発明に係る血液分析装置が連結されたのを前記外部認識装置が確認できるようにする。
反応部117は、分析しようとする物質に応じて必要なタンパク質/核酸などがコーティングされている。例えば、グルコース(Glucose)を分析しようとする場合には、GOx、GDHなどのようにグルコースを用いる酸化酵素系を酵素コーティングし、疾病関連抗原を分析しようとする場合には、関連抗体やaptamerをコーティングすることができる。
一方、電極部115は、機器認識部116と反応部117を除いた領域を絶縁体でコーティングすることができる。電極部115を構成する電極は、2電極または3電極に製作が可能である。
電極部115は、作用電極(WE、working electode)と対電極(CE、counter electrode)とを含んで構成されることができる。チャネルを流れる血漿が作用電極と対電極の全てに接してこそ、分析に必要な血漿が十分にチャネルに流入されたと見ることができる。
ピラー118は、メンブレン113とチャネル114の下部面との間を連結し、ピラー118がメンブレン113に接する部分を一定高さだけ押し上げることができる。表面張力のために血漿がメンブレン113を容易に通過し難いが、ピラー118がメンブレンとチャネル114の下部を連結し、ピラー118の端部がメンブレン113を一定高さ押し上げて表面張力を減らすことができる。
図5は、本発明の好ましい一実施形態による固定型血液注入部100の細部構成を示すものである。
図5を参照すれば、本実施形態による血液注入部100は、毛細管部500、および毛細管ホルダー510で構成される。
毛細管部500は注入された血液をメンブレン113に供給し、毛細管ホルダー510は毛細管部500をメンブレン113に誘導する。
図5(a)は、血液が毛細管部500に供給される前、毛細管部500が毛細管ホルダー510により支持されてメンブレン113と接触している状態である。
図5(b)において、血液が毛細管部500に供給されれば、血液が毛細管部500の下方向に移動する。
図5(c)において、毛細管部500が血液で完全に満たされれば、毛細管部500の出口から血液が出てメンブレン113に血液が吸収され始める。
図5(d)において、メンブレン113に血液が吸収されて色が変われば、血液の追加投入を中止する。
図5(e)において、メンブレン113に十分な量の血液が吸収されれば、メンブレン113への血液供給は自動的に中止される。
図5(e)において血液供給が自動中止されるのは、図4に示されたメンブレン113のように上部の孔隙において血球が濾過され、時間の経過とともに上部の孔隙は全て詰まるようになるためである。したがって、メンブレン113への血液供給後に一定時間が過ぎれば、血液がメンブレン113へ吸収されなくなる。よって、メンブレン113の上部孔隙の個数、大きさ、密度などに応じて、メンブレン113に供給される血液の量を調節できるようになる。
図6は、本発明の好ましい他の実施形態による固定型血液注入部100の細部構成を示すものである。
図5に示された固定型血液注入部100においては、毛細管部500をメンブレン113に接するようにした後に血液を毛細管部500に供給するのに対し、図6に示された固定型血液注入部100においては、毛細管部500を血液で満たした後にメンブレン113に毛細管部500を接するようにするという差がある。
図6での毛細管部500に注入された血液の量は、メンブレン113に吸収される最大の血液量を予め計算して定められる。よって、図5(d)のようにメンブレン113の色が変わるのを確認して血液注入を中止する必要がない。毛細管部500に注入される血液の量は、メンブレン113の上部孔隙の個数、大きさ、密度などに応じて調節できる。
図7は、本発明の好ましいまた他の実施形態による回転型血液注入部100の細部構成を示すものである。
図7を参照すれば、本実施形態による血液注入部100は、毛細管部500、毛細管ホルダー510、および回転部520で構成される。
毛細管部500は注入された血液をメンブレンに供給し、毛細管ホルダー510は毛細管部500をメンブレンに誘導する。
回転部520は、毛細管部500と結合され、毛細管部500を回転させて毛細管ホルダー510の上に毛細管部500を位置させる。回転部520は、毛細管部500を毛細管ホルダー510方向に移動させ、毛細管部500が注入ホールを通過してメンブレン113と接するようにする。
図8は、図7に示された回転型血液注入部100を用いてメンブレン113に血液を供給する過程を示すものである。
図8(a)は、回転型血液注入部100の毛細管部500に血液を注入するのを示すものである。図8(b)は、血液が注入された毛細管部500が回転部520により90度回転して毛細管ホルダー510の上部に位置したのを示すものである。図8(c)は、回転部520に結合されている毛細管部500が注入ホールを通過して毛細管ホルダー510に誘導されるのを示すものである。
図8において、毛細管部500に注入された血液の量は、メンブレン113に吸収される最大の血液量を予め計算して定められることが好ましい。
図9は、毛細管ホルダー510がメンブレン113の上部面と45度傾いている状態を示すものである。
図9(a)は、毛細管ホルダー510に毛細管部500が45度方向に挿入されるのを示すものであり、図9(b)は、回転部520と結合された毛細管部500が45度回転後、毛細管ホルダー510に挿入されるのを示すものである。図9(c)は、毛細管部500が45度方向に毛細管ホルダー510に挿入される場合、メンブレン113との接触面を広くするために毛細管の底面を斜線でカットしたのを示すものである。
血液が注入される毛細管部500の幅と長さが変われば、毛細管部500に注入できる血液の量が変わるため、毛細管部500の幅と長さを利用して、メンブレン1130に注入する血液の量を定量化することができる。一方、毛細管の材質としては、ガラス、プラスチック、金属などが可能である。図8~図9を参照すれば、毛細管ホルダー510がメンブレン113となす角度が0度から90度の間になることができる。
図10は、毛細管部500なしに毛細管ホルダー510の内部を親水コーティングして血液を注入する血液注入部100を示すものである。
図10を参照すれば、毛細管ホルダー510の内部を親水コーティングすることによって、毛細管ホルダー510の内部に注入された血液をメンブレン113に誘導する。
この時、図10(a)は、毛細管ホルダー510の内部への血液供給方向とメンブレン上部面がなす角度が0度(または180度)の場合であり、図10(b)は、毛細管ホルダー510の内部への血液供給方向とメンブレン上部面がなす角度が90度(または-90度)の場合である。
図11は、本発明の好ましい一実施形態による電極部115に含まれた検出電極(DE1、DCE、WE、CE、DE2)を示すものである。
図11(a)と図11(b)は、本発明の好ましい一実施形態による血液分析装置の断面図と平面図であり、図11(c)と図11(d)は、本発明の好ましい他の実施形態による血液分析装置の断面図と平面図である。
メンブレン113を通過した血漿は、血液の状態に応じて、血漿の総量、粘度などの偏差が大きい。よって、血漿が分離されるのに必要な時間が異なるため、血漿の注入程度を確認する検出方法が必要である。
図11(a)と図11(b)を参照すれば、メンブレン113を通過した血漿が第1検出電極(DE1、detecting electrode)と検出用対電極(DCE、detecting counter electrode)に接すれば、血漿がチャネルに注入され始めたことを検出するようになる。この時、DE1とDCEの位置は、メンブレン113の下部に位置してもよく、電極部115の上端に位置してもよい。
血漿が第1検出電極(DE1)と検出用対電極(DCE)を経てチャネルを流れれば、一定時間後に作用電極(WE、working electrode)と対電極(CE、counter electrod)に到達するようになる。作用電極と対電極に血漿が到達し、第2検出電極(DE2)に血漿が接すれば、チャネルに血漿注入が完了したことを検出することができる。
第2検出電極(DE2)、作用電極(WE)、および対電極(CE)は、チャネル114の一端に位置してチャネル114を流れる血漿が到達することが好ましい。
他の実施形態として、図11(c)と図11(d)を参照すれば、メンブレン113を通過した血漿が第1検出電極(DE1)と検出用対電極(DCE、detecting counter electrode)に接すれば、血漿がチャネルに注入され始めたことを検出するようになる。この時、DE1とDCEの位置は、メンブレン113の下部に位置してもよく、チャネルカバー112の上端に位置してもよい。
血漿が第1検出電極(DE1)と検出用対電極(DCE)を経てチャネルを流れれば、一定時間後に作用電極(WE)と対電極(CE)に到達するようになる。作用電極と対電極に血漿が到達し、第2検出電極(DE2)に血漿が接すれば、チャネルに血漿注入が完了したことを検出することができる。第2検出電極(DE2)、作用電極(WE)、および対電極(CE)は、チャネル114の一端に位置してチャネル114を流れる血漿が到達することが好ましい。
図12は、本発明の好ましい一実施形態による血漿誘導部120に含まれた血漿移動用電極(PTE)を図11にさらに示すものである。
図12(a)を参照すれば、血漿誘導部120は、チャネルカバー112の下に血漿移動用電極(PTE、plasma transporting electrode)とPTEに接する絶縁体とを含んで構成される。また、図12(a)においては、PTEがチャネルカバー112の下に配置されるか、またはチャネル114の下にPTEが配置されてもよい。
一方、図12(b)においては、PTEがチャネルカバー112の上部に配置され、PTEの上には絶縁体が配置される。
図13は、図12に示されたPTEの一部(A)を拡大して示すものである。
図13を参照すれば、PTEは、複数の電極で構成され、血漿移動方向に並んで配置されている状態である。PTEは、一つの電極で構成されても血漿を移動させることができる。
PTEは、electro-wetting方式で血漿を電極のある方向に移動できる電極である。
electro-wettingは、絶縁体を間に置いて電極と極性液体(polar liquid)を位置させた場合、電極に電圧を印加すれば、極性液体の表面張力が変わる現象をいう。electro-wettingを利用すれば、電圧が印加される電極に沿って極性液体が動く現象を示す。
再び図12を参照すれば、DE1に血漿が到達して信号を発生させた後、一定時間の経過後にDE2が信号を発生させなかった場合、チャネル114内の血漿を強制的に移動させるためにPTEを用いることができる。
図13に示すように電極番号を左側から右側に1、2、3...に番号を付ける場合、電圧を印加する電極を1、2番→2、3番→3、4番に電極をon/offして絶縁体の下にあるチャネルを流れる血漿を電極に移動させることができる。
図14は、本発明の好ましい他の実施形態による血漿誘導部120に含まれた血漿移動用電極(PTE)を図11にさらに示すものである。
図12においては、PTEの位置がチャネルカバー112の上(図12(b))または下(図12(a))に配置されて垂直的(vertical)に配置されたとすれば、図14においては、PTEの位置がチャネル114の壁面に配置されて水平的(horizontal)に配置された状態を示すものである。この時、絶縁体は、チャネル114とPTEとの間に位置することが好ましい。
PTEがチャネル114の壁面に配置されて水平的(horizontal)に配置されれば、図12に示された垂直的なPTE配置に比べて、PTE電極が占める垂直空間だけ大きさが減る。さらに、PTEがチャネル114の壁面に配置されるため、図12のような積層構造の形態より他の電極への電場の影響を減らすことができる。
図15は、本発明の好ましい一実施形態による血液分析方法のフローチャートである。
図15を参照すれば、本実施形態による血液分析方法は、図1~図14に示された血液分析装置において時系列的に処理されるステップで構成される。よって、以下で省略された内容であっても図1~図14に示された血液分析装置について以上で記述された内容は、本実施形態による血液分析方法にも適用される。
1500ステップにおいて、血液分析装置は、血液分析装置が含む内部電極が定められた位置にあるか否かを判断する。前記内部電極は、第1検出電極(DE1)、検出用対電極(DCE)、第2検出電極(DE2)、作用電極(WE)、対電極(CE)、および血漿移動用電極(PTE)を含む。特に、機器認識部116は、本発明に係る血液分析装置が外部認識装置のスロットに嵌められる時、前記スロットに本発明に係る血液分析装置が連結されたことを確認できるようにすることによって、作用電極(WE)と対電極(CE)が定められた位置にあるか否かを確認することができる。
1500ステップにおいて、内部電極が定められた位置にないと判断した場合には1510ステップに進行し、内部電極が定められた位置にあると判断した場合には1520ステップに進行する。
1510ステップにおいて、血液分析装置のディスプレイ装置に内部電極を再挿入することを表示する。内部電極が再挿入されれば、全ての内部電極が定められた位置にあるか否かを1500ステップにおいて再び判断する。
1520ステップにおいて、血液分析装置は、血液が注入された後、第1検出電極(DE1)と検出用対電極(DCE)が電気的に連結されたか否かを判断する。第1検出電極(DE1)と検出用対電極(DCE)が電気的に連結されれば、血漿が第1検出電極(DE1)に到達したかを検出し、これはメンブレンに血液が十分に供給されたことを意味する。
一方、第1検出電極(DE1)と検出用対電極(DCE)が電気的に連結されていない場合には、血液を追加注入することを案内する1530ステップに進行し、第1検出電極(DE1)と検出用対電極(DCE)が電気的に連結された場合には、1540ステップに進行する。
1540ステップにおいて、血液分析装置は、メンブレンを通過した血漿がチャネルを流れて第2検出電極(DE2)に到達する一定時間の間、血漿の注入中というメッセージをディスプレイ装置を介して表示する。
1550ステップにおいて、血液分析装置は、前記一定時間の間に待機する。前記一定時間は、血漿の移動速度およびチャネルの長さに応じて異なる。
1560ステップにおいて、血液分析装置は、前記一定時間後、第2検出電極(DE2)とDCEが電気的に連結されたか否かを判断する。
第2検出電極(DE2)とDCEが電気的に連結されれば、第1検出電極(DE1)に血漿が到達し、一定時間が経過した後、第2検出電極に到達したことを検出するようになり、チャネルを流れる血漿がチャネルの一端に位置した作用電極(WE)にも到達して血漿の電気化学的信号を測定できるようになったことを意味する。
1560ステップにおいて、前記一定時間後、第2検出電極(DE2)とDCEが電気的に連結された場合、1580ステップを経ず、1590ステップに進行することが好ましい。
しかし、前記一定時間後にも第2検出電極(DE2)とDCEが電気的に連結されていない場合には、1570ステップに進行して、血漿移動用電極を動作させて血漿を移動させる。血漿移動用電極は、チャネルの上、下、左、右のうち少なくともいずれか一つに位置することが好ましい。再び図12を参照すれば、チャネル114の上と下に血漿移動用電極が位置し、図14を参照すれば、チャネル114の左側と右側に血漿移動用電極が位置している。
1580ステップにおいて、血液分析装置は、1570ステップにおいて動作させた血漿移動用電極の動作を中止させる。
1590ステップにおいて、血液分析装置は、作用電極(WE)に到達した血漿の電気化学信号を測定する。
以上のように、本発明は具体的な構成要素などのような特定事項と限定された実施形態および図面によって説明されたが、これは本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものに過ぎず、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明が属する技術分野における通常の知識を有した者であれば、このような記載から様々な修正および変形が可能である。
したがって、本発明の思想は説明された実施形態に限定して定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等または等価的な変形がある全てのものは本発明の思想の範疇に属すると言える。
Claims (7)
- 血液から血漿を分離するメンブレン、
前記メンブレンが分離した血漿が入ってくるチャネル、
前記チャネルの上部の一部に接して、前記チャネルを流れる血漿が接する電極を含む電極部、および
前記チャネルの下部を覆うチャネルカバーを含み、
前記メンブレンの一部が前記電極部の上部の一部を覆い、
前記メンブレンは不均一な大きさの孔隙で構成され、
前記電極部と隣接した前記メンブレンの面には孔隙を形成しないかまたは前記メンブレンにおいて最も小さく形成されることを特徴とする、
血液分析装置。 - 前記メンブレンが前記電極部と接する面の下部にキャビティが形成されることを特徴とする、請求項1に記載の血液分析装置。
- 前記メンブレンと前記チャネルの下部面との間を連結するピラーをさらに含み、前記ピラーが前記メンブレンに接する部分を一定高さだけ押し上げることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の血液分析装置。
- 前記メンブレンと前記チャネルの接触面の上部または下部に血漿が接する第1検出電極を配置することを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の血液分析装置。
- 前記チャネルと前記チャネルカバーとの間に血漿移動用電極と絶縁体とをさらに含み、
前記第1検出電極に血漿が接し、一定時間後に第2検出電極に血漿が到達しなかった場合、前記血漿移動用電極の極性を変化させて前記チャネル内の血漿を移動させることを特徴とする、請求項4に記載の血液分析装置。 - 前記チャネルの左側面または右側面に血漿移動用電極をさらに含み、
前記血漿移動用電極の極性を変化させて前記チャネル内の血漿を移動させることを特徴とする、請求項4に記載の血液分析装置。 - 前記チャネルカバーと前記チャネルとの間に血漿移動用電極と絶縁体とをさらに含み、
前記第1検出電極に血漿が接し、一定時間後に第2検出電極に血漿が到達しなかった場合、前記血漿移動用電極の極性を変化させて前記チャネル内の血漿を移動させることを特徴とする、請求項4に記載の血液分析装置。
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