1.粘着シート
図1に示すように、粘着シート1は、所定の厚みを有するフィルム形状(シート形状を含む)を有し、厚み方向と直交する方向(面方向)に延び、平坦な上面および平坦な下面を有する。
具体的には、粘着シート1は、粘着層2および粘着層2の一方面に配置される活性光線吸収層3を備える。
以下、粘着シート1を構成する各層について、説明する。
1-1.粘着層
粘着層2は、粘着シート1の上層である。
粘着層2は、粘着シート1を、被着体4(後述)に接着させるための感圧接着層である。
粘着層2は、面方向に延びるフィルム形状を有しており、平坦な平面および平坦な下面を有する。
粘着層2は、活性光線の照射により波長550nmでの可視光透過率が低下可能な粘着性組成物からなる。
そのため、粘着層2に、任意のタイミングで活性光線を照射することで、粘着層2を着色させることができ、これによって、光を吸収する機能を付与することができる。
活性光線としては、紫外線、可視光、赤外線、X線、α線、β線、γ線が挙げられ、好ましくは、使用設備の多様性およびハンドリング容易性の観点から、紫外線が挙げられる。
また、紫外線とは、1nm以上400nm以下の波長範囲の電磁波を意味する。
つまり、粘着層2は、紫外線の照射により波長550nmでの可視光透過率が低下可能な粘着性組成物からなる。
なお、粘着性組成物の、波長550nmでの可視光透過率を低下可能とする活性光線の種類は、後述する光酸発生剤の種類(具体的には、光酸発生剤が酸を発生する活性光線の波長)によって決まる。
粘着性組成物は、粘着性ポリマーと、酸により着色する化合物と、光酸発生剤とを含む。
粘着性組成物が、粘着性ポリマーと、酸により着色する化合物と、光酸発生剤とを含めば、活性光線(好ましくは、紫外線)の照射によって、粘着層2の、波長550nmでの可視光透過率を、確実に低下させることができる。
粘着性ポリマーは、粘着性を付与するために配合される。
粘着性ポリマーは、モノマー成分(後述)の重合体であって、例えば、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ウレタン系ポリマー、ゴム系ポリマーなどが挙げられ、光学的透明性、接着性、および、貯蔵弾性率の制御の観点から、好ましくは、アクリル系ポリマーが挙げられる。
アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分として含むモノマー成分の重合により得られる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルであって、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸イソトリドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸イソテトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソオクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの直鎖状または分岐状の、(メタ)アクリル酸C1-20アルキルエステルなどが挙げられ、好ましくは、(メタ)アクリル酸C4-12アルキルエステル、より好ましくは、アクリル酸ブチルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独使用または2種以上併用できる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの配合割合は、モノマー成分に対して、例えば、50質量%以上、好ましくは、60質量%以上であり、また、例えば、99質量%以下である。
また、モノマー成分は、好ましくは、アニオン性基を有する酸性ビニルモノマーを含む。
モノマー成分が、アニオン性基を有する酸性ビニルモノマーを含めば、光酸発生剤(後述)から生じた強酸により乖離促進され、色味が強くなり、着色安定性に優れる。
アニオン性基を有する酸性ビニルモノマーとしては、例えば、カルボキシル基含有ビニルモノマー、スルホ基含有ビニルモノマー、リン酸基含有ビニルモノマーなどが挙げられる。
カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2-カルボキシエチル、カルボキシペンチル(メタ)アクリル酸カルボキシペンチル、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などが挙げられる。
また、カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマーも挙げられる。
スルホ基含有ビニルモノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸などが挙げられる。
リン酸基含有ビニルモノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどが挙げられる。
アニオン性基を有する酸性ビニルモノマーとしては、好ましくは、カルボキシル基含有ビニルモノマー、より好ましくは、(メタ)アクリル酸、さらに好ましくは、アクリル酸が挙げられる。
アニオン性基を有する酸性ビニルモノマーは、単独使用または2種以上併用できる。
アニオン性基を有する酸性ビニルモノマーの配合割合は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル100質量部に対して、例えば、3質量部以上であり、また、例えば、10質量部以下であり、また、モノマー成分に対して、例えば、1質量%以上であり、また、例えば、8質量%以下である。
また、モノマー成分は、好ましくは、実質的に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な孤立電子対を有する塩基性ビニルモノマーを含まない。
具体的には、孤立電子対を有する塩基性ビニルモノマーの配合割合は、モノマー成分に対して、例えば、3質量%以下、好ましくは、1質量%以下、さらに好ましくは、0.5質量%以下、とりわけ好ましくは、0質量%以下である。換言すれば、とりわけ好ましくは、モノマー成分は、孤立電子対を有する塩基性ビニルモノマーを含まない。
モノマー成分が、実質的に、孤立電子対を有する塩基性ビニルモノマーを含まなければ、各モノマー成分の溶出を抑制でき、着色安定性を向上できる。
孤立電子対を有する塩基性ビニルモノマーとしては、複素環に窒素を有する複素環含有塩基性ビニルモノマーであって、例えば、N-ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、N-アクリロイルモルホリン、N-ビニルカプロラクタムなどが挙げられる。
また、モノマー成分は、必要により、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な官能基含有ビニルモノマー(上記のアニオン性基を有する酸性ビニルモノマーおよび孤立電子対を有する塩基性ビニルモノマーを除く)を含んでいる。
官能基含有ビニルモノマーとしては、ヒドロキシル基含有ビニルモノマー、シアノ基含有ビニルモノマー、グリシジル基含有ビニルモノマー、芳香族ビニルモノマー、ビニルエステルモノマー、ビニルエーテルモノマーなどが挙げられる。
ヒドロキシル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8-ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10-ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12-ヒドロキシラウリル、(メタ)アクリル酸4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル)メチルなどが挙げられ、好ましくは、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、より好ましくは、アクリル酸2-ヒドロキシエチルが挙げられる。
シアノ基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。
グリシジル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルなどが挙げられる。
芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、p-メチルスチレン、o-メチルスチレン、α-メチルスチレンなどが挙げられる。
ビニルエステルモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどが挙げられる。
ビニルエーテルモノマーとしては、例えば、メチルビニルエーテルなどが挙げられる。
官能基含有ビニルモノマーは、単独使用または2種以上併用できる。架橋剤(後述)が配合される場合には、ポリマーに架橋構造を導入する観点から、好ましくは、ヒドロキシル基含有ビニルモノマーが挙げられる。
官能基含有ビニルモノマーの配合割合は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル100質量部に対して、例えば、3質量部以上、好ましくは、5質量部以上、より好ましくは、15質量部以上であり、また、例えば、20質量部以下であり、また、モノマー成分に対して、例えば、4質量%以上、好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下である。
そして、アクリル系ポリマーは、上記したモノマー成分を重合してなる重合体である。
モノマー成分を重合させるには、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、必要により、アニオン性基を有する酸性ビニルモノマーおよび官能基含有ビニルモノマーとを配合してモノマー成分を調製し、これを、例えば、溶液重合、塊状重合、乳化重合などの公知の重合方法により調製する。
重合方法としては、好ましくは、溶液重合が挙げられる。
溶液重合では、例えば、公知の有機溶媒に、モノマー成分と、重合開始剤とを配合して、モノマー溶液を調製し、その後、モノマー溶液を加熱する。
重合開始剤としては、例えば、パーオキサイド系重合開始剤、アゾ系重合開始剤などが挙げられる。
パーオキサイド系重合開始剤としては、例えば、パーオキシカーボネート、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステルなどの有機過酸化物が挙げられる。
アゾ系重合開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソ酪酸ジメチルなどのアゾ化合物が挙げられる。
重合開始剤として、好ましくは、アゾ系重合開始剤、より好ましくは、2,2’-アゾビスイソブチロニトリルが挙げられる。
重合開始剤は、単独使用または2種以上併用できる。
重合開始剤の配合割合は、モノマー成分100質量部に対して、例えば、0.05質量部以上、好ましくは、0.1質量部以上であり、また、例えば、1質量部以下、好ましくは、0.5質量部以下である。
加熱温度は、例えば、50℃以上、80℃以下であり、加熱時間は、例えば、1時間以上、8時間以下である。
これによって、モノマー成分を重合して、アクリル系ポリマーを含むアクリル系ポリマー溶液を得る。
アクリル系ポリマー溶液の固形分濃度は、例えば、20質量%以上であり、また、例えば、80質量%以下である。
アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、例えば、100000以上、好ましくは、300000以上、より好ましくは、500000以上あり、また、例えば、5000000以下、好ましくは、3000000以下、より好ましくは、2000000以下である。
なお、上記の重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ)により測定し、ポリスチレン換算により算出された値である。
粘着性ポリマーのガラス転移温度は、例えば、0℃以下、好ましくは、-20℃以下であり、また、通常、-70℃以上である。
粘着性ポリマーのガラス転移温度が、上記上限以下であれば、段差追従性に優れる。
なお、ガラス転移温度は、FOXの式による計算で得られる。
酸により着色する化合物は、酸により無色(透明)から有色に変化する化合物であって、例えば、ロイコ系色素、例えば、p,p’,p”-トリス-ジメチルアミノトリフェニルメタンなどのトリアリールメタン系色素、例えば、4,4-ビス-ジメチルアミノフェニルベンズヒドリルベンジルエーテルなどのジフェニルメタン系色素、例えば、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-クロロフルオランなどのフルオラン系色素、例えば、3-メチルスピロジナフトピランなどのスピロピラン系色素、例えば、ローダミン-B-アニリノラクタムなどのローダミン系色素などが挙げられ、好ましくは、ロイコ系色素が挙げられる。
酸により着色する化合物は、単独使用または2種以上併用できる。
酸により着色する化合物の配合割合は、粘着性ポリマー100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上であり、また、例えば、5質量部以下、好ましくは、2質量部以下である。
光酸発生剤は、活性光線の照射によって酸を発生する化合物である。
このような光酸発生剤のうち、紫外線の照射によって酸を発生する化合物(紫外線酸発生剤)として、例えば、オニウム化合物などが挙げられる。
オニウム化合物としては、例えば、ヨードニウムおよびスルホニウムなどのオニウムカチオンと、Cl-、Br-、I-、ZnCl3
-、HSO3
-、BF4
-、PF6
-、AsF6
-、SbF6
-、CH3SO3
-、CF3SO3
-、(C6F5)4B-、(C4H9)4B-などのアニオンからなる塩などが挙げられる。
このようなオニウム化合物として、好ましくは、スルホニウム(オニウムカチオン)と、(C6F5)4B-(アニオン)とからなる塩が挙げられる。
また、紫外線酸発生剤としては、市販品を用いることもでき、例えば、CPI-310B(スルホニウムと(C6F5)4B-とからなる塩、サンアプロ社製)などが挙げられる。
光酸発生剤は、単独使用または2種以上併用できる。
光酸発生剤の配合割合は、粘着性ポリマー100質量部に対して、例えば、1質量部以上であり、また、例えば、20質量部以下、好ましくは、15質量部以下である。
そして、粘着性組成物は、粘着性ポリマー(溶液重合により粘着性ポリマーを調製した場合は、ポリマー溶液)と、酸により着色する化合物と、光酸発生剤とを上記の割合で配合し、混合することにより、調製される(粘着性ポリマーとして、ポリマー溶液を用いた場合には、粘着性組成物の溶液として調製される)。
粘着性組成物には、粘着性ポリマーに架橋構造を導入させる観点から、好ましくは、架橋剤を配合する。
架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、金属キレート系架橋剤などなど挙げられる。
イソシアネート系架橋剤としては、例えば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、例えば、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
また、イソシアネート系架橋剤として、上記のイソシアネートの誘導体(例えば、イソシアヌレート変性体、ポリオール変性体など)も挙げられる。
イソシアネート系架橋剤としては、市販品を用いることもでき、例えば、コロネートL(トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、東ソー製)、コロネートHL(へキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、東ソー製)、コロネートHX(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、東ソー製)、タケネートD110N(キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、三井化学製)などが挙げられる。
イソシアネート系架橋剤としては、好ましくは、へキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体が挙げられる。
エポキシ系架橋剤としては、例えば、ジグリシジルアニリン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
エポキシ系架橋剤としては、市販品を用いることもでき、例えば、テトラッドC(三菱瓦斯化学製)などが挙げられる。
エポキシ系架橋剤としては、好ましくは、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンが挙げられる。
架橋剤としては、好ましくは、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、より好ましくは、エポキシ系架橋剤が挙げられる。
架橋剤は、単独使用または2種以上併用できる。
粘着性組成物に、架橋剤を配合すれば、ポリマー中のヒドロキシル基などの官能基と、架橋剤とが反応し、ポリマーに架橋構造が導入される。
架橋剤の配合割合は、粘着性ポリマー100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、0.1質量部以上であり、また、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下、より好ましくは、4質量部以下、さらに好ましくは、3質量部以下、とりわけ好ましくは、1質量部以下である。
また、粘着性組成物に架橋剤を配合する場合には、架橋反応を促進させるために、架橋触媒を配合することもできる。
架橋触媒としては、例えば、テトラ-n-ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、ナーセム第二鉄、ブチルスズオキシド、ジオクチルスズジラウレートなどの金属系架橋触媒などが挙げられる。
架橋触媒は、単独使用または2種以上併用できる。
架橋触媒の配合割合は、粘着性ポリマー100質量部に対して、例えば、0.001質量部以上、好ましくは、0.01質量部以上であり、また、例えば、0.05質量部以下である。
また、粘着性組成物には、必要に応じて、例えば、シランカップリング剤、粘着性付与剤、可塑剤、軟化剤、劣化防止剤、充填剤、着色剤、界面活性剤、帯電防止剤、蛍光灯下または自然光下での安定化の観点から、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの添加剤などの各種添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で、含有させることができる。
これにより、粘着性組成物(粘着性ポリマーとして、ポリマー溶液を用いた場合には、粘着性組成物の溶液)が得られる。
この粘着性組成物(固形分)の20℃~50℃における剪断貯蔵弾性率G’は、例えば、1.0×104Pa以上、好ましくは、2.0×104Pa以上、より好ましくは、4.0×104Pa以上であり、また、例えば、1.0×106Pa以下、好ましくは、5.0×105Pa以下である。
上記の剪断貯蔵弾性率G’が、上記の範囲内であれば、密着性に優れ、より剪断貯蔵弾性率G’が低い場合には、段差追従性にも優れる。
なお、上記の剪断貯蔵弾性率G’は、周波数1Hz、昇温速度5℃/分、温度範囲-70℃~250℃の条件における動的粘弾性測定により測定される。
そして、後述する方法により、粘着性組成物から粘着層2を形成する。
粘着層2は、粘着性組成物からなるため、活性光線(好ましくは、紫外線)照射によって、光酸発生剤から酸を発生させ、その酸によって、酸により着色する化合物が着色することによって、粘着層2は、無色(透明)から有色に変化する。すなわち、活性光線(好ましくは、紫外線)照射前において、粘着層2は、無色(透明)である。
また、無色(透明)とは、波長400nm以上700nm以下における平均透過率が、例えば、60%以上、好ましくは、70%以上、より好ましくは、90%以上であり、また、例えば、100%以下であることを意味する。
また、有色とは、波長400nm以上700nm以下における平均透過率が、例えば、0%以上であり、また、例えば、60%未満、好ましくは、50%以下あることを意味する。
粘着層2の厚みは、例えば、3μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、50μm以下、好ましくは、30μm以下である。
1-2.活性光線吸収層
活性光線吸収層3は、粘着層2の一方面の全面に配置され、活性光線吸収層3は、粘着シート1の下層である。
活性光線吸収層3は、面方向に延びるフィルム形状を有しており、平坦な平面および平坦な下面を有する。
活性光線吸収層3は、活性光線吸収性を備えている。
具体的には、活性光線吸収層3の、活性光線の平均透過率は、15%以下、好ましくは、10%以下、より好ましくは、9%以下、さらに好ましくは、8%以下、とりわけ好ましくは、7%以下、最も好ましくは、3%以下、さらには、1%以下である。
上記の平均透過率が、上記上限以下であれば、この粘着層2における着色部分以外を、透明のまま残存させたい場合や、着色部分よりも着色量を少なくしたい場合に、着色部分以外が、外光(紫外線)によって着色されることを抑制できる。。
一方、上記の平均透過率が、上記上限を超過すると、着色部分以外が、外光(活性光線)によって着色されることを抑制できない。
なお、平均透過率の測定方法は、後述する実施例において詳述する。
また、活性光線吸収層3は、好ましくは、紫外線吸収性を備えている。
つまり、活性光線吸収層3は、好ましくは、紫外線吸収層である。
活性光線吸収層3が、紫外線吸収層であれば、反射制御や使用可能な材料の選択肢が広がるといった利点がある。
紫外線吸収層としては、例えば、紫外線吸収剤を配合した樹脂フィルム、紫外線吸収剤を配合した粘着テープなどが挙げられる。つまり、このような紫外線吸収層は、紫外線吸収剤を含む。紫外線吸収層が、紫外線吸収剤を含めば、紫外線吸収層の、波長300nm以上400nm以下における平均透過率を確実に低くできる。
樹脂フィルムを構成する材料は、紫外線吸収剤を配合しないと紫外線吸収性を有さない材料であって、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)などのセルロース樹脂、例えば、シクロオレフィンポリマーなどの環状ポリオレフィン樹脂、例えば、アクリル樹脂、フェニルマレイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられ、好ましくは、セルロース樹脂、より好ましくは、トリアセチルセルロース(TAC)が挙げられる。
これら材料は、単独使用または2種以上併用することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。
紫外線吸収剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
紫外線吸収剤を配合した樹脂フィルムとしては、市販品を用いることもでき、例えば、KC2UA(TACフィルム、コニカミノルタ社製)などが挙げられる。
また、紫外線吸収剤を配合した粘着テープとしては、市販品を用いることもでき、例えば、CS9934U(日東電工社製)などが挙げられる。
また、紫外線吸収層として、紫外線吸収剤を配合しなくても、紫外線吸収性する材料から形成されるフィルム、例えば、ポリイミドフィルムなども挙げられる。
ポリイミドフィルムとしては、市販品を用いることもでき、例えば、カプトン200H(東レデュポン社製)などが挙げられる。
紫外線吸収層の、波長300nm以上400nm以下における平均透過率は、例えば、15%以下、好ましくは、10%以下、より好ましくは、9%以下、さらに好ましくは、8%以下、とりわけ好ましくは、7%以下、最も好ましくは、3%以下、さらには、1%以下である。
上記の平均透過率が、上記上限以下であれば、この粘着層2における着色部分以外を、透明のまま残存させたい場合や、着色部分よりも着色量を少なくしたい場合に、着色部分以外が、外光(紫外線)によって着色されることを抑制できる。
また、紫外線吸収層の、波長400nm以上700nm以下における平均透過率は、例えば、40%以上、好ましくは、50%以上、より好ましくは、70%以上、さらに好ましくは、80%以上、とりわけ好ましくは、85%以上、最も好ましくは、90%以上である。
上記の平均透過率が、上記下限以上であれば、紫外線吸収層は透明性に優れる。
そのため、この粘着シート1を、透明性が要求される光デバイスおよびその構成部品に好適に用いることができる。
活性光線吸収層3の厚みは、上記した平均透過率が得られる厚みであって、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、120μm以下、より好ましくは、50μm以下である。
活性光線吸収層3は、1層であってもよく、複数層であってもよい。
活性光線吸収層3が、複数層である場合には、上記の平均透過率および上記の厚みが、上記した範囲になるように、同種または異種の活性光線吸収層3を複数積層させる。
また、活性光線吸収層3には、必要により、表面処理(例えば、ハードコート処理)を、施すことができる。
1-3.粘着シートの製造方法
次に、粘着シート1を製造する方法を、図2を参照して説明する。
粘着シート1の製造方法は、粘着層2を準備する粘着層準備工程と、粘着層2の一方面に、活性光線吸収層3を配置する配置工程とを備える。
粘着層準備工程では、図2Aに示すように、粘着層2を準備する。
粘着層2を準備するには、まず、剥離フィルム5を準備する。
剥離フィルム5としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルフィルムなどの可撓性のプラスチックフィルムが挙げられる。
剥離フィルム5の厚みは、例えば、3μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下、より好ましくは、50μm以下である。
剥離フィルム5には、好ましくは、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系、脂肪酸アミド系などの離型剤による離型処理、または、シリカ粉による離型処理が施されている。
次いで、剥離フィルム5の一方面に、上記粘着性組成物(粘着性組成物の溶液)を塗布し、必要により溶媒を乾燥除去する。
粘着性組成物の塗布方法としては、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコートなどが挙げられる。
乾燥条件として、乾燥温度は、例えば、50℃以上、好ましくは、70℃以上、より好ましくは、100℃以上であり、また、例えば、200℃以下、好ましくは、180℃以下、より好ましくは、150℃以下であり、乾燥時間は、例えば、5秒以上、好ましくは、10秒以上であり、また、例えば、20分以下、好ましくは、15分以下、より好ましくは、10分以下である。
これにより、剥離フィルム5の一方面に、粘着層2を配置する(準備する)。
なお、粘着性組成物が架橋剤を含む場合には、乾燥除去と同時、または、溶媒の乾燥後(必要により、粘着層2の一方面に、剥離フィルム5を積層した後)に、好ましくは、エージングにより架橋を進行させる。
エージング条件は、架橋剤の種類によって適宜設定され、エージング温度は、例えば、20℃以上であり、また、例えば、160℃以下、好ましくは、50℃以下であり、また、エージング時間は、1分以上、好ましくは、12時間以上、より好ましくは、1日以上であり、また、例えば、7日以下である。
配置工程では、図2Bに示すように、粘着層2の一方面に、活性光線吸収層3を配置する。
その後、必要により、剥離フィルム5を剥離する。
これにより、粘着層2と、粘着層2の一方面に配置される活性光線吸収層3とを備えた粘着シート1が得られる。また、剥離フィルム5を剥離しない場合には、剥離フィルム5と、剥離フィルム5の一方面に配置される粘着層2と、粘着層2の一方面に配置される活性光線吸収層3とを備えた粘着シート1が得られる。
また、上記した説明では、粘着層2を、剥離フィルム5の一方面に粘着層2を配置したが、取り扱い性の観点から、粘着層2を、透明基材の一方面に配置することもできる。
透明基材は、面方向に延びるフィルム形状を有しており、平坦な平面および平坦な下面を有する。
透明基材は、可撓性のプラスチック材料からなる。
このようなプラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、例えば、ポリメタクリレートなどの(メタ)アクリル樹脂(アクリル樹脂および/またはメタクリル樹脂)、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー(COP)などのポリオレフィン樹脂、例えば、ポリカーボネート樹脂、例えば、ポリエーテルスルフォン樹脂、例えば、ポリアリレート樹脂、例えば、メラミン樹脂、例えば、ポリアミド樹脂、例えば、ポリイミド樹脂、例えば、セルロース樹脂、例えば、ポリスチレン樹脂、例えば、ノルボルネン樹脂の合成樹脂などが挙げられる。
透明基材側から活性光線(好ましくは、紫外線)を照射して粘着層2を着色させる場合には、好ましくは、基材5は、光に対する透明性を有する。具体的には、透明基材の全光線透過率(JIS K 7375-2008)が、例えば、80%以上、好ましくは、85%以上である。
光に対する透明性および機械強度を両立させる観点から、プラスチック材料として、好ましくは、ポリエステル樹脂、より好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、が挙げられる。
透明基材の厚みは、例えば、4μm以上、好ましくは、20μm以上、より好ましくは、30μm以上、さらに好ましくは、45μm以上であり、また、例えば、500μm以下、可撓性およびハンドリング性の観点から、好ましくは、300μm以下、より好ましくは、200μm以下、さらに好ましくは、100μm以下である。
粘着層2を、透明基材の一方面に配置するには、透明基材の一方面に、上記と同様に、上記粘着性組成物(粘着性組成物の溶液)を塗布し、必要により溶媒を乾燥除去する。
そして、粘着シート1には、後述する中間積層体6の製造時、または、後述する中間積層体6の製造前に、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射することができる。
中間積層体6の製造時に、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する場合は、具体的には、配置工程の後に、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する。
具体的には、後述する中間積層体6の製造方法における照射工程で、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する。
また、後述する中間積層体6の製造前に、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する場合は、具体的には、粘着層準備工程の後、配置工程の前に、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する。
粘着層準備工程の後、配置工程の前に、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する場合を、図3を参照して説明する。
粘着層準備工程では、図3Aに示すように、上記した方法と同様に、剥離フィルム5の一方面に、粘着層2を準備する。
次いで、粘着層準備工程の後に、図3Bに示すように、剥離フィルム5の表面側から粘着層2の全部に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する。
次いで、配置工程では、図3Cに示すように、粘着層2の一方面に、活性光線吸収層3を配置する。
この方法によれば、粘着層2の全部を予め変色させることができ、また、その着色部分が、外光(活性光線)によってさらに着色されることを抑制できる。
また、上記した説明では、配置工程において、粘着層2の一方面に、活性光線吸収層3を配置したが、図3Dに示すように、粘着層2の他方面の剥離フィルム5(透明基材の一方面に粘着層2を準備する場合は透明基材)を、活性光線吸収層3に貼り替えてもよい。
また、上記した説明では、粘着層2の全部を変色させたが、粘着層2の一部を変色させることもできる。
このような場合には、図3Eに示すように、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する部分51(詳しくは、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する部分51の他方面に配置される剥離フィルム5の他方面)には、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するマスク7を配置せず、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射しない部分52(詳しくは、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射しない部分52の他方面に配置される剥離フィルム5の他方面)に、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するマスク7を配置して、剥離フィルム5の表面側から活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する。
そして、配置工程では、図3Fに示すように、粘着層2の一方面に、活性光線吸収層3を配置する。
これにより、粘着層2の一部を予め変色させることができ、また、その着色部分以外が、外光(活性光線)によって着色されることを抑制できる。
また、このような場合においても、粘着層2の他方面の剥離フィルム5(透明基材一方面に粘着層2を準備する場合は透明基材)を、活性光線吸収層3に貼り替えることもできる。
具体的には、図3Gに示すように、剥離フィルム5の全部を活性光線吸収層3に貼り替えることもでき、また、図3Hに示すように、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射しない部分52の他方面に配置される剥離フィルム5(透明基材一方面に粘着層2を準備する場合は透明基材)のみを、活性光線吸収層3に貼り替えることもできる。
また、上記した説明では、粘着シート1は、粘着層2と、活性光線吸収層3とからなるが、粘着層2と、活性光線吸収層3と間に、上記した透明基材などの中間層を介在させることもできる。
2.中間積層体
図4に示すように、中間積層体6は、所定の厚みを有するフィルム形状(シート形状を含む)を有し、厚み方向と直交する方向(面方向)に延び、平坦な上面および平坦な下面を有する。
具体的には、中間積層体6は、粘着層2および粘着層2の一方面に配置される活性光線吸収層3を備えた粘着シート1と、粘着シート1の他方面(粘着層2の他方面)に配置される被着体4とを備える。
詳しくは後述するが、中間積層体6は、上記した粘着シート1を被着体4に貼付することにより得られる。
中間積層体6は、活性光線吸収層3を備えるため、粘着層2における非照射/低照射部分21(後述)が、外光(活性光線)によって着色されることを抑制できる。
2-1.粘着シート
上記したように、粘着シート1は、粘着層2と、粘着層2の一方面に配置される活性光線吸収層3とを備える。
また、上記したように、粘着シート1は、必要により、粘着層2の他方面に、剥離フィルム5を積層してもよい。
このような場合には、粘着シート1は、剥離フィルム5と、粘着層2と、活性光線吸収層3とを順に備える。
以下の説明では、剥離フィルム5を備える粘着シート1を用いた場合について、詳述する。
また、粘着シート1における粘着層2は、相対的に波長550nmでの可視光透過率が大きい高光透過率部分10と、相対的に波長550nmでの可視光透過率が小さい低光透過率部分11とを備える。
なお、詳しくは後述するが、高光透過率部分10および低光透過率部分11の、波長550nmでの可視光透過率は、後述する中間積層体6の製造方法によって決まる。
2-2.被着体
被着体4は、粘着シート1によって、補強される被補強体であって、例えば、光学デバイス、電子デバイスおよびその構成部品などが挙げられる。
なお、図4において、被着体4は、平板形状を有するが、被着体4の形状は、特に限定されず、光学デバイス、電子デバイスおよびその構造部品の種類によって、種々の形状が選択される。
また、詳しくは後述するが、中間積層体6の製造方法において、被着体4の表面側から粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する場合(後述する第2A実施形態)には、被着体4が、活性光線(好ましくは、紫外線)を透過するか、または、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するかによって、中間積層体6の製造方法が決まる。
このような被着体4のうち、活性光線を透過する被着体4(以下、第1被着体30とする。)としては、好ましくは、紫外線を透過する第1被着体30が挙げられる。
紫外線を透過する第1被着体30としては、例えば、無アルカリガラス、PETフィルムなどが挙げられる。
活性光線を透過する第1被着体30の、活性光線の平均透過率は、例えば、例えば、60%以上、好ましくは、65%以上であり、とりわけ、活性光線を透過する第1被着体30が、紫外線を透過する第1被着体30である場合には、紫外線を透過する第1被着体30の、波長300nm以上400nm以下における平均透過率は、例えば、60%以上、好ましくは、65%以上である。
上記した平均透過率が、上記下限以上であれば、活性光線(好ましくは、紫外線)が第1被着体30を透過し、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射することができる。
また、このような被着体4のうち、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断する被着体4(以下、第2被着体31とする。)としては、活性光線を吸収する第2被着体31、活性光線を反射する(活性光線を透過しない)第2被着体31が挙げられる。
活性光線を吸収する第2被着体31としては、好ましくは、紫外線を吸収する第2被着体31が挙げられる。
紫外線を吸収する第2被着体31としては、例えば、ポリイミドフィルム、上記紫外線吸収剤が塗布されたガラス板などが挙げられる。
活性光線を吸収する第2被着体31の、活性光線の平均透過率は、例えば、例えば、15%以下、好ましくは、10%以下であり、とりわけ、活性光線を吸収する第2被着体31が、紫外線を吸収する第2被着体31である場合には、紫外線を吸収する第2被着体31の、波長300nm以上400nm以下における平均透過率は、例えば、15%以下、好ましくは、10%以下である。
上記した平均透過率が、上記下限以上であれば、第2被着体31が活性光線(好ましくは、紫外線)を吸収することができる。
活性光線を反射する第2被着体31としては、好ましくは、紫外線を反射する第2被着体31が挙げられる。
紫外線を反射する第2被着体31としては、例えば、銅板などの金属基板などが挙げられる。
2-3.中間積層体の製造方法
中間積層体6の製造方法は、上記の粘着シート1を準備する準備工程、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射して、粘着層2に、相対的に活性光線(好ましくは、紫外線)の照射量が高い高照射部分20と、相対的に活性光線(好ましくは、紫外線)の照射量が低いか、活性光線(好ましくは、紫外線)が照射されない非照射/低照射部分21とを形成することにより、高照射部分20の波長550nmでの可視光透過率を、非照射/低照射部分21の波長550nmでの可視光透過率よりも小さくする照射工程、および、粘着シート1の他方面を被着体4に貼着する貼着工程を備える。
つまり、この中間積層体6の製造方法では、粘着シート1を用いているため、この中間積層体6の製造方法により得られる中間積層体6は、着色部分以外(非照射/低照射部分21)が、外光(活性光線)によって着色されることを抑制できる。
以下、中間積層体6の製造方法を、各工程の順番および活性光線(好ましくは、紫外線)の照射方向毎に分けて、説明する。
詳しくは、各工程の順番としては、準備工程の後に、照射工程を実施し、照射工程の後に、貼着工程を実施する(以下、第1実施形態とする。)か、または、準備工程の後に、貼着工程を実施し、貼着工程の後に、照射工程を実施する(以下、第2実施形態とする。)。
また、活性光線(好ましくは、紫外線)の照射方向としては、第1実施形態においては、剥離フィルム5の表面側(粘着層2の表面側)から粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する(以下、第1A実施形態とする。)か、または、活性光線吸収層3の表面側から粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射(以下、第1B実施形態とする。)する。また、第2実施形態においては、被着体4の表面側から粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する(以下、第2A実施形態とする。)か、または、活性光線吸収層3の表面側から粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射(以下、第2B実施形態とする。)する。
以下、各実施形態について、詳述する。
なお、この中間積層体6の製造方法において、活性光線(好ましくは、紫外線)の照射量によって、非照射/低照射部分21が、非照射部分22となるか、または、低照射部分23となるかが決まるが、以下の説明では、非照射/低照射部分21が、非照射部分22である場合について、詳述する。
また、非照射部分22は、活性光線(好ましくは、紫外線)が照射されない部分であって、非照射部分22の、波長550nmでの可視光透過率は、例えば、80%以上、好ましくは、90%以上である。
上記の可視光透過率が、上記下限以上であれば、非照射部分22は、透明性を有する。
2-3-1.第1A実施形態
第1A実施形態では、準備工程の後に、照射工程を実施し、照射工程の後に、貼着工程を実施する。
また、第1A実施形態では、照射工程において、粘着層2の表面側から、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する。
第1A実施形態を、図5を参照して説明する。
準備工程では、図5Aに示すように、粘着シート1を準備する。
照射工程では、図5Bに示すように、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射して、粘着層2に、相対的に活性光線(好ましくは、紫外線)の照射量が高い高照射部分20と、活性光線(好ましくは、紫外線)が照射されない非照射部分22とを形成する。
なお、以下の説明では、粘着シート1(粘着層2)の一部に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する場合、具体的には、粘着シート1を面方向に3分割したうちの両端部分の2ヶ所に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射し、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する粘着シート1(粘着層2)の一部を、高照射部分20(換言すれば、粘着シート1を面方向に3分割したうちの中央分の1ヶ所のみが非照射部分22)として、説明する。
具体的には、照射工程では、粘着シート1において、高照射部分20には、剥離フィルム5の表面側(粘着層2の表面側)から活性光線(好ましくは、紫外線)を照射し、非照射部分22には、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射しない。
詳しくは、高照射部分20(詳しくは、高照射部分20の他方面に配置される剥離フィルム5の他方面)には、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するマスク7を配置せず、非照射部分22(詳しくは、非照射部分22の他方面に配置される剥離フィルム5の他方面)に、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するマスク7を配置して、剥離フィルム5の表面側(粘着層2の表面側)から活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する。
これにより、高照射部分20のみに、活性光線(好ましくは、紫外線)が照射される。
そして、高照射部分20における粘着層2では、光酸発生剤から酸が発生し、その酸によって、酸により着色する化合物が着色(具体的には、黒色)する。その結果、高照射部分20における粘着層2が、無色(透明)から有色に変化する(波長550nmでの可視光透過率が低くなる。)。そうすると、高照射部分20の波長550nmでの可視光透過率が、非照射部分22の波長550nmでの可視光透過率よりも小さくなる(具体的には、高照射部分20が、非照射部分22よりも黒くなる。)。
つまり、相対的に波長550nmでの可視光透過率が小さい高照射部分20と、相対的に波長550nmでの可視光透過率が大きい非照射部分22とが形成される。
そうすると、高照射部分20が、低光透過率部分11となり、非照射部分22が、高光透過率部分10となる。
貼着工程では、図5Cに示すように、粘着シート1の他方面(粘着層2の他方面)を、被着体4に貼付する。
具体的には、粘着シート1から、剥離フィルム5を剥離し、粘着シート1の他方面(粘着層2の他方面)に、被着体4を配置する。
これにより、粘着層2および粘着層2の一方面に配置される活性光線吸収層3を備えた粘着シート1と、粘着シート1の他方面(粘着層2の他方面)に配置される被着体4とを備える中間積層体6が得られる。
また、中間積層体6において、粘着層2は、相対的に波長550nmでの可視光透過率が大きい高光透過率部分10と、相対的に波長550nmでの可視光透過率が小さい低光透過率部分11とを備える。
そして、この中間積層体6において、低光透過率部分11の、波長550nmでの可視光透過率は、例えば、20%未満、好ましくは、10%以下であり、また、例えば、0.01%以上であり、また、高光透過率部分10の、波長550nmでの可視光透過率は、例えば、80%以上、好ましくは、90%以上である。
低光透過率部分11の、上記した可視光透過率が、上記上限未満であれば、低光透過率部分11に光を吸収する機能を確実に付与することができる。
また、高光透過率部分10の、上記した可視光透過率が、上記下限以上であれば、高光透過率部分10は透明性を有する。
第1A実施形態によれば、上記した中間積層体6の製造方法の効果を奏するとともに、準備工程の後に、照射工程を実施し、照射工程の後に、貼着工程を実施するため、照射工程において形成させた透過率の異なる領域のパターン形状が外光にさらされた場合にも維持しやすくなる。
また、第1A実施形態によれば、照射工程において、剥離フィルム5の表面側(粘着層2の表面側)から、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射するため、粘着層2を確実に着色することができる。
また、とりわけ、被着体4が、第2被着体31であれば、第2被着体31の表面側からの外光(活性光線)によって、非照射部分22が、着色されることを抑制できる。
2-3-2.第1B実施形態
第1B実施形態では、準備工程の後に、照射工程を実施し、照射工程の後に、貼着工程を実施する。
また、第1B実施形態では、照射工程において、活性光線吸収層3の表面側から、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する。
具体的には、照射工程において、活性光線吸収層3の表面側から、活性光線吸収層3に、活性光線吸収層3の吸収量を超える光量の活性光線(好ましくは、紫外線)を照射することで、粘着層2を変色させる。
第1B実施形態を、図6を参照して説明する。
準備工程では、図6Aに示すように、上記した第1A実施形態と同様に、粘着シート1を準備する。
照射工程では、図6Bに示すように、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射して、粘着層2に、相対的に活性光線(好ましくは、紫外線)の照射量が高い高照射部分20と、活性光線(好ましくは、紫外線)が照射されない非照射部分22とを形成する。
具体的には、照射工程では、粘着シート1において、高照射部分20には、活性光線吸収層3側から活性光線(好ましくは、紫外線)(活性光線吸収層3の吸収量を超える光量の活性光線(好ましくは、紫外線))を照射し、非照射部分22には、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射しない。
詳しくは、高照射部分20(詳しくは、高照射部分20の一方面に配置される活性光線吸収層3の一方面)には、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するマスク7を配置せず、非照射部分22(詳しくは、非照射部分22の一方面に配置される活性光線吸収層3の一方面)に、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するマスク7を配置し、活性光線吸収層3の表面側から活性光線(好ましくは、紫外線)(活性光線吸収層3の吸収量を超える光量の活性光線(好ましくは、紫外線))を照射する。
これにより、高照射部分20のみに、活性光線(好ましくは、紫外線)が照射され、上記した第1A実施形態と同様に、高照射部分20(低光透過率部分11)と、非照射部分22(高光透過率部分10)とを形成することができる。
貼着工程では、図6Cに示すように、上記した第1A実施形態と同様に、粘着シート1の他方面(粘着層2の他方面)を、被着体4に貼付する。
これにより、粘着層2および粘着層2の一方面に配置される活性光線吸収層3を備えた粘着シート1と、粘着シート1の他方面(粘着層2の他方面)に配置される被着体4とを備える中間積層体6が得られる。
また、中間積層体6において、粘着層2は、相対的に波長550nmでの可視光透過率が大きい高光透過率部分10と、相対的に波長550nmでの可視光透過率が小さい低光透過率部分11とを備える。
そして、この中間積層体6において、低光透過率部分11の、波長550nmでの可視光透過率は、例えば、20%未満、好ましくは、10%以下であり、また、例えば、0.01%以上であり、また、高光透過率部分10の、波長550nmでの可視光透過率は、例えば、80%以上、好ましくは、90%以上である。
低光透過率部分11の、上記した可視光透過率が、上記上限未満であれば、低光透過率部分11に光を吸収する機能を確実に付与することができる。
また、高光透過率部分10の、上記した可視光透過率が、上記下限以上であれば、高光透過率部分10は透明性を有する。
第1B実施形態によれば、上記した中間積層体6の製造方法の効果を奏するとともに、準備工程の後に、照射工程を実施し、照射工程の後に、貼着工程を実施するため、照射工程(粘着層2と活性光線吸収層3との貼り合わせ)で不具合が生じた場合には、次工程(照射工程)を事前に停止することができ、その結果、効率性が向上する。
また、第1B実施形態によれば、照射工程において、活性光線吸収層3の表面側から、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射するため、活性光線吸収層3には、光量の大きい活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する必要があり、これによって、高照射部分20の透過率を制御しやすくなる。
また、とりわけ、被着体4が、第2被着体31であれば、第2被着体31の表面側からの外光(活性光線)によって、非照射部分22が、着色されることを抑制できる。
2-3-3.第2A実施形態
第2A実施形態では、準備工程の後に、貼着工程を実施し、貼着工程の後に、照射工程を実施する。
また、第2A実施形態では、照射工程において、被着体4の表面側から、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する。
第2A実施形態では、被着体4が、活性光線(好ましくは、紫外線)を透過するか、または、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するかによって(具体的には、被着体4が第1被着体30であるか、または、第2被着体31であるかによって)、中間積層体6の製造方法が決まる。
以下、被着体4が第1被着体30である場合と、被着体4が第2被着体31である場合に分けて説明する。
被着体4が第1被着体30である場合の第2A実施形態を、図7を参照して説明する。
準備工程では、図7Aに示すように、上記した第1A実施形態と同様に、粘着シート1を準備する。
貼着工程では、図7Bに示すように、上記した第1A実施形態と同様に、粘着シート1の他方面(粘着層2の他方面)を、第1被着体30に貼付する。
照射工程では、図7Cに示すように、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射して、粘着層2に、相対的に活性光線(好ましくは、紫外線)の照射量が高い高照射部分20と、活性光線(好ましくは、紫外線)が照射されない非照射部分22とを形成する。
具体的には、照射工程では、粘着シート1において、高照射部分20には、第1被着体30側から活性光線(好ましくは、紫外線)を照射し、非照射部分22には、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射しない。
詳しくは、第1被着体30の他方面の一部に、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するマスク7を配置した後、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する。
より詳しくは、高照射部分20(詳しくは、高照射部分20の他方面に配置される第1被着体30の他方面)には、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するマスク7を配置せず、非照射部分22(詳しくは、非照射部分22の他方面に配置される第1被着体30の他方面)に、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するマスク7を配置し、第1被着体30の表面側から活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する。
このとき、第1被着体30は、活性光線(好ましくは、紫外線)を透過するため、高照射部分20のみに、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射することができる。
これにより、上記した第1A実施形態と同様に、高照射部分20(低光透過率部分11)と、非照射部分22(高光透過率部分10)とを形成することができる。
以上により、図7Dに示すように、粘着層2および粘着層2の一方面に配置される活性光線吸収層3を備えた粘着シート1と、粘着シート1の他方面(粘着層2の他方面)に配置される被着体4(第1被着体30)とを備える中間積層体6が得られる。
また、中間積層体6において、粘着層2は、相対的に波長550nmでの可視光透過率が大きい高光透過率部分10と、相対的に波長550nmでの可視光透過率が小さい低光透過率部分11とを備える。
そして、この中間積層体6において、低光透過率部分11の、波長550nmでの可視光透過率は、例えば、20%未満、好ましくは、10%以下であり、また、例えば、0.01%以上であり、また、高光透過率部分10の、波長550nmでの可視光透過率は、例えば、80%以上、好ましくは、90%以上である。
低光透過率部分11の、上記した可視光透過率が、上記上限未満であれば、低光透過率部分11に光を吸収する機能を確実に付与することができる。
また、高光透過率部分10の、上記した可視光透過率が、上記下限以上であれば、高光透過率部分10は透明性を有する。
第2A実施形態(被着体4が第1被着体30である場合)によれば、上記した中間積層体6の製造方法の効果を奏するとともに、準備工程の後に、貼着工程を実施し、貼着工程の後に、照射工程を実施するため、貼着工程時に、異物や気泡を確認することができる。
また、第2A実施形態(被着体4が第1被着体30である場合)によれば、照射工程において、被着体4(第1被着体30)の表面側から、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射するため、着色したい箇所の位置合わせの精度が向上する。
また、第2A実施形態(被着体4が第1被着体30である場合)によれば、第1被着体4を用いているため、被着体4(第1被着体30)の表面側から、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を確実に照射できる。
次に、被着体4が第2被着体31である場合の第2B実施形態を、図8を参照して説明する。
準備工程では、図8Aに示すように、上記した第1A実施形態と同様に、粘着シート1を準備する。
貼着工程では、図8Bに示すように、粘着シート1の他方面の一部(粘着層2の他方面の一部)に、第2被着体31を配置する。
具体的には、粘着シート1から、剥離フィルム5を剥離し、粘着シート1の他方面の一部(粘着層2の他方面の一部)に、第2被着体31を配置する。
なお、以下の説明では、図8Bに示すように、粘着シート1を面方向に3分割したうちの中央分の1ヶ所に、第2被着体31を配置する場合について、説明する。
照射工程では、図8Cに示すように、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射して、粘着層2に、相対的に活性光線(好ましくは、紫外線)の照射量が高い高照射部分20と、活性光線(好ましくは、紫外線)が照射されない非照射部分22とを形成する。
具体的には、照射工程では、粘着シート1において、高照射部分20には、第2被着体31の表面側から活性光線(好ましくは、紫外線)を照射し、非照射部分22には、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射しない。
詳しくは、上記した第1A実施形態、第1B実施形態および第2A実施形態(被着体4が第1被着体30である場合)と異なり、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するマスク7を用いず、そのまま、第2被着体31の表面側から活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する。
このとき、第2被着体31は、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するため、第2被着体31が、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するマスク7に代替えでき、第2被着体31を配置した非照射部分22に、活性光線(好ましくは、紫外線)が照射されることを防止できる一方、第2被着体31を配置しない高照射部分20のみに、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射することができる。
これにより、上記した第1A実施形態と同様に、高照射部分20(低光透過率部分11)と、非照射部分22(高光透過率部分10)とを形成することができる。
以上により、図8Dに示すように、粘着層2および粘着層2の一方面に配置される活性光線吸収層3を備えた粘着シート1と、粘着シート1の他方面(粘着層2の他方面)に配置される被着体4(第2被着体31)とを備える中間積層体6が得られる。
また、中間積層体6において、粘着層2は、相対的に波長550nmでの可視光透過率が大きい高光透過率部分10と、相対的に波長550nmでの可視光透過率が小さい低光透過率部分11とを備える。
そして、この中間積層体6において、低光透過率部分11の、波長550nmでの可視光透過率は、例えば、20%未満、好ましくは、10%以下であり、また、例えば、0.01%以上であり、また、高光透過率部分10の、波長550nmでの可視光透過率は、例えば、80%以上、好ましくは、90%以上である。
低光透過率部分11の、上記した可視光透過率が、上記上限未満であれば、低光透過率部分11に光を吸収する機能を確実に付与することができる。
また、高光透過率部分10の、上記した可視光透過率が、上記下限以上であれば、高光透過率部分10は透明性を有する。
第2A実施形態(被着体4が第2被着体31である場合)によれば、上記した中間積層体6の製造方法の効果を奏するとともに、準備工程の後に、貼着工程を実施し、貼着工程の後に、照射工程を実施するため、貼着工程時に、異物や気泡を確認することができる。
また、第2A実施形態(被着体4が第2被着体31である場合)によれば、照射工程において、被着体4(第2被着体31)の表面側から、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射するため、着色したい箇所の位置合わせの精度が向上する。
また、第2A実施形態(被着体4が第2被着体31である場合)によれば、第2被着体4が配置された部分(非照射部分22)を、確実に活性光線(好ましくは、紫外線)から遮断することができる。
2-3-4.第2B実施形態
第2B実施形態では、準備工程の後に、貼着工程を実施し、貼着工程の後に、照射工程を実施する。
また、第2B実施形態では、照射工程において、活性光線吸収層3側から、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する。
具体的には、第1B実施形態と同様に、照射工程において、活性光線吸収層3の表面側から、活性光線吸収層3に、活性光線吸収層3の吸収量を超える光量の活性光線(好ましくは、紫外線)を照射することで、粘着層2を変色させる。
第2B実施形態を、図9を参照して説明する。
準備工程では、図9Aに示すように、上記した第1A実施形態と同様に、粘着シート1を準備する。
貼着工程では、図9Bに示すように、上記した第1A実施形態と同様に、粘着シート1の他方面(粘着層2の他方面)を、被着体4に貼付する。
照射工程では、図9Cに示すように、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射して、粘着層2に、相対的に活性光線(好ましくは、紫外線)の照射量が高い高照射部分20と、活性光線(好ましくは、紫外線)が照射されない非照射部分22とを形成する。
具体的には、照射工程では、粘着シート1において、高照射部分20には、活性光線吸収層3の表面側から活性光線(好ましくは、紫外線)(活性光線吸収層3の吸収量を超える光量の活性光線(好ましくは、紫外線))を照射し、非照射部分22には、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射しない。
詳しくは、高照射部分20(詳しくは、高照射部分20の一方面に配置される活性光線吸収層3の一方面)には、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するマスク7を配置せず、非照射部分22(詳しくは、非照射部分22の一方面に配置される活性光線吸収層3の一方面)に、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するマスク7を配置し、活性光線吸収層3の表面側から活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する。
これにより、高照射部分20のみに活性光線(好ましくは、紫外線)を照射することができ、上記した第1A実施形態と同様に、高照射部分20(低光透過率部分11)と、非照射部分22(高光透過率部分10)とを形成することができる。
以上により、図9Dに示すように、粘着層2および粘着層2の一方面に配置される活性光線吸収層3を備えた粘着シート1と、粘着シート1の他方面(粘着層2の他方面)に配置される被着体4とを備える中間積層体6が得られる。
また、中間積層体6において、粘着層2は、相対的に波長550nmでの可視光透過率が大きい高光透過率部分10と、相対的に波長550nmでの可視光透過率が小さい低光透過率部分11とを備える。
そして、この中間積層体6において、低光透過率部分11の、波長550nmでの可視光透過率は、例えば、20%未満、好ましくは、10%以下であり、また、例えば、0.01%以上であり、また、高光透過率部分10の、波長550nmでの可視光透過率は、例えば、80%以上、好ましくは、90%以上である。
低光透過率部分11の、上記した可視光透過率が、上記上限未満であれば、低光透過率部分11に光を吸収する機能を確実に付与することができる。
また、高光透過率部分10の、上記した可視光透過率が、上記下限以上であれば、高光透過率部分10は透明性を有する。
第2B実施形態によれば、上記した中間積層体6の製造方法の効果を奏するとともに、準備工程の後に、貼着工程を実施し、貼着工程の後に、照射工程を実施するため、貼着工程時に、異物や気泡を確認することができる。
また、第2B実施形態によれば、照射工程において、活性光線吸収層3の表面側から、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射するため、活性光線吸収層3には、光量の大きい活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する必要があり、これによって、高照射部分20の透過率を制御しやすくなる。
また、とりわけ、被着体4が、第2被着体31であれば、第2被着体31の表面側からの外光(活性光線)によって、非照射部分22が、着色されることを抑制できる。
2-3-5.変形例
上記した説明では、非照射/低照射部分21が、非照射部分22である場合について説明したが、以下の説明では、非照射/低照射部分21が、低照射部分23とすることもできる。
非照射/低照射部分21が、低照射部分23である場合には、照射工程は、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断する第1マスク8を配置した後、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射することにより、粘着層2に、活性光線(好ましくは、紫外線)が照射された第1照射部分40と、活性光線(好ましくは、紫外線)が照射されていない仮非照射部分41とを形成する第1照射工程と、第1照射部分40に、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断する第2マスク9を配置した後、粘着層2における仮非照射部分41に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射することにより、仮非照射部分41を、第2照射部分42にする第2照射工程とを備える。
そして、詳しくは後述するが、第1照射工程における活性光線(好ましくは、紫外線)の照射量と、第2照射工程における活性光線(好ましくは、紫外線)の照射量とが異なるため、第1照射部分40および第2照射部分42のうちいずれか一方が、高照射部分20となり、他方が、低照射部分23となる。
以下の説明では、第1A実施形態において、非照射/低照射部分21が、低照射部分23である場合(以下、第1A実施形態の第1変形例とする。)を、図10を参照して、説明する。
準備工程では、図10Aに示すように、上記した第1A実施形態と同様に、粘着シート1を準備する。
照射工程では、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射して、粘着層2に、相対的に活性光線(好ましくは、紫外線)の照射量が高い高照射部分20と、相対的に活性光線(好ましくは、紫外線)の照射量が低い低照射部分23とを形成する。
具体的には、照射工程における第1照射工程において、第1照射部分40と仮非照射部分41とを形成し、照射工程における第2照射工程において、仮非照射部分41を、第2照射部分42にする。
第1照射工程では、図10Bに示すように、第1照射部分40には、剥離フィルム5の表面側(粘着層2の表面側)から活性光線(好ましくは、紫外線)を照射し、仮非照射部分41には、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射しない。
なお、以下の説明では、粘着シート1を面方向に3分割したうちの両端部分の2ヶ所を第1照射部分40(換言すれば、粘着シート1を面方向に3分割したうちの中央分の1ヶ所のみが仮非照射部分41)として、説明する。
より詳しくは、第1照射部分40(詳しくは、第1照射部分40の他方面に配置される剥離フィルム5の他方面)には、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断する第1マスク8を配置せず、仮非照射部分41(詳しくは、仮非照射部分41の他方面に配置される剥離フィルム5の他方面)に、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断する第1マスク8を配置し、粘着層2の表面側から活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する。
これにより、第1照射部分40のみに、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射することができる。
そして、第1照射部分40における粘着層2では、光酸発生剤から酸が発生し、その酸によって、酸により着色する化合物が着色(具体的には、黒色)する。その結果、第1照射部分40における粘着層2が、無色(透明)から有色に変化する(波長550nmでの可視光透過率が低くなる。)。
次いで、第2照射工程では、仮非照射部分41を、第2照射部分42にする。
詳しくは、第2照射工程では、仮非照射部分41には、粘着層2の表面側から第1照射工程とは異なる光量の活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する一方、第1照射部分40には、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射しない。
より詳しくは、仮非照射部分41(詳しくは、仮非照射部分41の他方面に配置される剥離フィルム5の他方面)には、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断する第2マスク9を配置せず、第1照射部分40(詳しくは、第1照射部分40の他方面に配置される剥離フィルム5の他方面)に、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断する第2マスク9を配置し、粘着層2の表面側から活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する。
これにより、仮非照射部分41のみに、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射することができ、仮非照射部分41は、第2照射部分42となる。
そして、第2照射部分42における粘着層2では、光酸発生剤から酸が発生し、その酸によって、酸により着色する化合物が着色(具体的には、黒色)する。その結果、第2照射部分42における粘着層2が、無色(透明)から有色に変化する(波長550nmでの可視光透過率が低くなる。)。
これにより、粘着層2に、第1照射部分40および第2照射部分42が形成される。
そして、上記したように、第2照射工程では、第1照射工程とは異なる光量の活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する。
つまり、第1照射部分40および第2照射部分42の活性光線(好ましくは、紫外線)の照射量が互いに異なる。
そのため、第1照射部分40および第2照射部分42のうちいずれか一方が、相対的に活性光線(好ましくは、紫外線)の照射量が高い高照射部分20(換言すれば、相対的に波長550nmでの可視光透過率が低い低光透過率部分11)となり、他方が、相対的に活性光線(好ましくは、紫外線)の照射量が低い低照射部分23(換言すれば、相対的に波長550nmでの可視光透過率が高い高光透過率部分10)となる。
なお、図10では、第1照射部分40が、高照射部分20(低光透過率部分11)であり、第2照射部分42が、低照射部分21(高光透過率部分10)であるものとして、説明する。
詳しくは、高照射部分20の、波長550nmでの可視光透過率は、例えば、20%未満、好ましくは、10%以下、また、例えば、0.01%以上であり、また、低照射部分23の、波長550nmでの可視光透過率は、例えば、20%以上、好ましくは、40%以上であり、また、例えば、70%以下である。
そして、貼着工程では、図10Dに示すように、上記した第1A実施形態と同様に、粘着シート1の他方面(粘着層2の他方面)を、被着体4に貼付する。
これにより、粘着層2および粘着層2の一方面に配置される活性光線吸収層3を備えた粘着シート1と、粘着シート1の他方面(粘着層2の他方面)に配置される被着体4とを備える中間積層体6が得られる。
また、中間積層体6において、粘着層2は、相対的に波長550nmでの可視光透過率が大きい高光透過率部分10と、相対的に波長550nmでの可視光透過率が小さい低光透過率部分11とを備える。
そして、この中間積層体6において、低光透過率部分11の、波長550nmでの可視光透過率は、例えば、20%未満、好ましくは、10%以下、また、例えば、0.01%以上であり、また、高光透過率部分10の、波長550nmでの可視光透過率は、例えば、20%以上、好ましくは、40%以上であり、また、例えば、70%以下である。
低光透過率部分11の、上記した可視光透過率が、上記範囲内であり、高光透過率部分10の、上記した可視光透過率が、上記範囲内であれば、光透過率部分11および高光透過率部分10の色味を確実に変えることができる。
第1A実施形態の第1変形例によれば、上記した中間積層体6の製造方法の効果を奏するとともに、第1照射工程および第2照射工程によって、高照射部分20(低光透過率部分11)と低照射部分23(高光透過率部分10)を形成するため、色味の異なる領域を有する粘着層2を備える中間積層体6を製造することができる。
また、とりわけ、被着体4が、第2被着体31であれば、第2被着体31の表面側からの外光(活性光線)によって、低照射部分23が、着色されることを抑制できる。
また、非照射/低照射部分21が、低照射部分23である場合には、照射工程は、粘着層2の全部に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射することにより、粘着層2の全部を、活性光線(好ましくは、紫外線)が照射された第3照射部分43とする第3照射工程と、第3照射部分43の一部45に、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するマスク7を配置した後、第3照射部分の残部46に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射することにより、第3照射部分43の残部46を、第4照射部分44にする第4照射工程とを備える。
以下の説明では、第1A実施形態において、非照射/低照射部分21が、低照射部分23である場合(以下、第1A実施形態の第2変形例とする。)を、図11を参照して、説明する。
準備工程では、図11Aに示すように、上記した第1A実施形態と同様に、粘着シート1を準備する。
照射工程では、粘着層2に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射して、粘着層2に、相対的に活性光線(好ましくは、紫外線)の照射量が高い高照射部分20と、相対的に活性光線(好ましくは、紫外線)の照射量が低い低照射部分23とを形成する。
具体的には、照射工程における第3照射工程において、第3照射部分43を形成し、照射工程における第4照射工程において、第3照射部分43の残部46(後述)を、第4照射部分44にする。
第3照射工程では、図11Bに示すように、粘着層2の全部に、剥離フィルム5の表面側(粘着層2の表面側)から活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する。
これにより、粘着層2の全部が、第3照射部分43となる。
また、粘着層2(第3照射部分43)では、光酸発生剤から酸が発生し、その酸によって、酸により着色する化合物が着色(具体的には、黒色)する。その結果、粘着層2の全部(第3照射部分43)が、無色(透明)から有色に変化する(波長550nmでの可視光透過率が低くなる。)。
次いで、第4照射工程では、図11Cに示すように、第3照射部分43の一部45に、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するマスク7を配置した後、第3照射部分の残部46に活性光線(好ましくは、紫外線)を照射することにより、第3照射部分43の残部46を、第4照射部分44にする。
なお、以下の説明では、粘着シート1を面方向に3分割したうちの両端部分の2ヶ所を第3照射部分43の残部46(換言すれば、粘着シート1を面方向に3分割したうちの中央分の1ヶ所のみが第3照射部分43の一部45)として、説明する。
詳しくは、第4照射工程では、第3照射部分43の残部46には、粘着層2の表面側から活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する一方、第3照射部分43の残部には、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射しない。
より詳しくは、第3照射部分43の残部46(詳しくは、第3照射部分43の残部46の他方面に配置される剥離フィルム5の他方面)には、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するマスク7を配置せず、第3照射部分43の一部45(詳しくは、第3照射部分43の一部45の他方面に配置される剥離フィルム5の他方面)に、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するマスク7を配置し、粘着層2の表面側から活性光線(好ましくは、紫外線)を照射する。
これにより、第3照射部分43の残部46のみに、活性光線(好ましくは、紫外線)を照射することができ、第3照射部分43の残部46は、第4照射部分44となる。
そして、第4照射部分44における粘着層2では、光酸発生剤から酸が発生し、その酸によって、酸により着色する化合物が着色(具体的には、黒色)する。その結果、第4照射部分44における粘着層2が、無色(透明)から有色に変化する(波長550nmでの可視光透過率が低くなる。)。
これにより、第4照射部分44は、第3照射部分43よりも、波長550nmでの可視光透過率が低くなる。
すなわち、第3照射部分43が、相対的に活性光線(好ましくは、紫外線)の照射量が低い低照射部分23(換言すれば、相対的に波長550nmでの可視光透過率が高い高光透過率部分10)となり、第4照射部分44が、相対的に活性光線(好ましくは、紫外線)の照射量が高い高照射部分20(換言すれば、相対的に波長550nmでの可視光透過率が低い低光透過率部分11)となる。
詳しくは、高照射部分20の、波長550nmでの可視光透過率は、例えば、20%未満、好ましくは、10%以下、また、例えば、0.01%以上であり、また、低照射部分23の、波長550nmでの可視光透過率は、例えば、20%以上、好ましくは、40%以上であり、また、例えば、70%以下である。
そして、貼着工程では、図11Dに示すように、上記した第1A実施形態と同様に、粘着シート1の他方面(粘着層2の他方面)を、被着体4に貼付する。
これにより、粘着層2および粘着層2の一方面に配置される活性光線吸収層3を備えた粘着シート1と、粘着シート1の他方面(粘着層2の他方面)に配置される被着体4とを備える中間積層体6が得られる。
また、中間積層体6において、粘着層2は、相対的に波長550nmでの可視光透過率が大きい高光透過率部分10と、相対的に波長550nmでの可視光透過率が小さい低光透過率部分11とを備える。
そして、この中間積層体6において、低光透過率部分11の、波長550nmでの可視光透過率は、例えば、20%未満、好ましくは、10%以下、また、例えば、0.01%以上であり、また、高光透過率部分10の、波長550nmでの可視光透過率は、例えば、20%以上、好ましくは、40%以上であり、また、例えば、70%以下である。
低光透過率部分11の、上記した可視光透過率が、上記範囲内であり、高光透過率部分10の、上記した可視光透過率が、上記範囲内であれば、光透過率部分11および高光透過率部分10の色味を確実に変えることができる。
第1A実施形態の第2変形例によれば、上記した中間積層体6の製造方法の効果を奏するとともに、第3照射工程および第4照射工程によって、高照射部分20(低光透過率部分11)と低照射部分23(高光透過率部分10)を形成するため、色味の異なる領域を有する粘着層2を備える中間積層体6を製造することができる。
また、とりわけ、被着体4が、第2被着体31であれば、第2被着体31の表面側からの外光(活性光線)によって、低照射部分23が、着色されることを抑制できる。
上記した説明では、第1A実施形態において、非照射/低照射部分21が、低照射部分23とする場合を説明したが、第1B実施形態、第2A実施形態(第1被着体を用いる場合)および第2B実施形態においても、上記した第1A実施形態の第1変形例または第2変形例における照射工程と同様の手順に基づいて、非照射/低照射部分21を、低照射部分23とすることができる。
また、活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するマスク7を、複数用いることで、粘着層2における低光透過率部分11がパターン形状を有する中間積層体6を得ることもできる。
具体的には、第1A実施形態の照射工程において、図12Aに示すように、剥離フィルム5の他方面に複数の活性光線(好ましくは、紫外線)を遮断するマスク7を配置する(詳しくは、互いに間隔を隔てて、4つ配置する)。
そして、上記した第1A実施形態と同様に、準備工程、照射工程および貼着工程を実施することで、図12Bに示すように、粘着層2における低光透過率部分11がパターン形状を有する中間積層体6を得ることができる。
中間積層体6において、低光透過率部分11が、パターン形状を有すれば、パターン形状を自由に設計することができる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。
1.成分の詳細
各実施例および各比較例で用いた各成分を以下に記載する。
BA:アクリル酸ブチル
AA:アクリル酸
テトラッドC:商品名:1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(エポキシ系架橋剤)、三菱瓦斯化学製
BLACK ND1:ロイコ染料、山田化学工業製
CPI-310B:スルホニウムと(C6F5)4B-とからなる塩、光酸発生剤、サンアプロ製
カプトン200H:ポリイミドフィルム、厚み25μm、東レデュポン社製
KC2UA:TACフィルム、厚み25μm、コニカミノルタ株式会社製
UVA-TAC:KC2UAと、ハードコート層とを順に備えるフィルム(ハードコート処理により、KC2UA(厚み:25μm)の一方面にハードコート層(厚み:7μm)を形成することにより得られる)、厚み32μm
UVA-TAC×1:1枚のUVA-TAC
UVA-TAC×2:2枚のUVA-TAC
UVA-TAC×4:4枚のUVA-TAC
UVA-TAC×8:8枚のUVA-TAC
UVA-OCA:紫外線吸収機能を有する粘着テープ、商品名「CS9934U」、厚み100μm、日東電工社製
2.粘着性ポリマーの調製
合成例1
温度計、攪拌機、還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた反応容器に、モノマー成分として、アクリル酸ブチル95質量部、アクリル酸5質量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2質量部、溶媒として、酢酸エチル233質量部を投入し、窒素ガスを流し、攪拌しながら約1時間窒素置換した。その後、60℃に加熱し、7時間反応させて、重量平均分子量(Mw)が600000の粘着性ポリマーの溶液を得た。
3.粘着シートの製造
実施例1
合成例1の粘着性ポリマーの溶液に、架橋剤として、テトラッドCを、粘着性ポリマーの溶液中の粘着性ポリマー100質量部に対して、0.075質量部、酸により着色する化合物として、BLACK ND1(ロイコ染料)を粘着性ポリマーの溶液中の粘着性ポリマー100質量部に対して、2質量部、酸発生剤として、CP-310B(光酸発生剤)を粘着性ポリマーの溶液中の粘着性ポリマー100質量部に対して、10質量部を添加し、均一に混合して粘着性組成物を調製した。
次いで、表面離型処理がされている厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、剥離フィルムAとする。)の一方面に、合成例1の粘着性組成物を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、ファウンテンロールによって塗布し、130℃で1分間乾燥して溶媒を除去した。これにより、他方面に剥離フィルムAを備える粘着層を形成した。さらに、粘着層の一方面に、剥離フィルムB(表面がシリコーン離型処理された厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の離型処理面を貼り合わせた。その後、25℃の雰囲気で4日間のエージング処理をし、架橋反応を進行させた。これにより、粘着層を製造(準備)した。
次いで、粘着層の一方面に配置された剥離フィルムBを剥離し、ガラス基板と、公知の粘着剤からなる低粘着剤層と、PETフィルムと、公知の粘着剤からなる高粘着剤層と、紫外線吸収層としてのカプトン200Hとを、粘着層の一方面に順に配置した。
なお、低粘着剤層は、ガラス基板とPETフィルムとを剥離可能な程度の粘着力を有する。
また、低粘着剤層および高粘着剤層の、紫外線の平均透過率は、50%以上である。
これにより、剥離フィルムAと、粘着層と、ガラス基板と、低粘着剤層と、PETフィルムと、高粘着剤層と、紫外線吸収層(カプトン200H)とを備える粘着シートを得た。
実施例2
紫外線吸収層として、UVA-TAC×1を用いた以外は、実施例1と同様に、粘着シートを製造した。
実施例3
紫外線吸収層として、UVA-TAC×2を用いた以外は、実施例1と同様に、粘着シートを製造した。
実施例4
紫外線吸収層として、UVA-TAC×4を用いた以外は、実施例1と同様に、粘着シートを製造した。
実施例5
紫外線吸収層として、UVA-TAC×8を用いた以外は、実施例1と同様に、粘着シートを製造した。
実施例6
紫外線吸収層として、UVA-OCAを用いた以外は、実施例1と同様に、粘着シートを製造した。
実施例7
紫外線吸収層として、UVA-TACおよびUVA-OCAを用いた以外は、実施例1と同様に、粘着シートを製造した。
具体的には、剥離フィルムAと、粘着層と、ガラス基板と、低粘着剤層と、PETフィルムと、高粘着剤層と、UVA-TACと、UVA-OCAとを順に備える粘着シートを得た。
比較例1
紫外線吸収層として、PETフィルム(厚み25μm)を用いた以外は、実施例1と同様に、粘着シートを製造した。
4.評価
(LED照射前の粘着層の平均透過率)
実施例1の粘着層の一方面に配置された剥離フィルムBを剥離し、粘着層の一方面をガラス基板に貼着した。
その後、粘着層の他方面に配置された剥離フィルムAを剥離した。これにより、平均透過率測定用サンプルを調製した。
この平均透過率測定用サンプルを、光源側に粘着層が配置されるように、透過率測定装置(U4100形分光光度計、日本ハイテクノロジーズ社製)に設置し、波長400nm~700nmにおける平均透過率を、測定した。
なお、ガラス基板のみで測定したデータをベースラインとした。
その結果を表1に示す。
(LED照射後の粘着層の平均透過率)
上記の平均透過率測定用サンプルにおける粘着層に、LED(365nm、8000mJ/□)の光を照射した後、上記と同様の方法で、波長400nm~700nmにおける平均透過率を、測定した。
その結果を表1に示す。
(紫外線吸収層の平均透過率)
各紫外線吸収層を、透過率測定装置(U4100形分光光度計、日本ハイテクノロジーズ社製)に設置し、波長300nm~400nmにおける平均透過率および波長400nm~700nmにおける平均透過率を、測定した。
なお、測定装置内に何も設置しない状態で測定したデータをベースラインとした。
その結果を表1に示す。
(外光安定性)
各実施例および各比較例の粘着シートにおける紫外線吸収層側から、蛍光灯の光が照射されるように、各実施例および各比較例の粘着シートを、放置した。
そして、放置開始時、および、放置開始から一定時間経過後(24時間後、48時間後、120時間後、144時間後)の、波長400nm~700nmにおける平均透過率を、測定した。
具体的には、粘着シートから、ガラス基板の一方面に配置される低粘着剤層と、PETフィルムと、高粘着剤層と、紫外線吸収層とを剥離し、また、粘着層の他方面に配置される剥離フィルムAを剥離した。
これにより、粘着層と、ガラス基板とを順に備えた外光安定性測定用サンプルを調製した。
そして、この外光安定性測定用サンプルを、光源側に粘着層が配置されるように、透過率測定装置(U4100形分光光度計、日本ハイテクノロジーズ社製)に設置し、波長400nm~700nmにおける平均透過率を、測定した。
なお、ガラス基板のみで測定したデータをベースラインとした。
また、各時間経過後の変化率を、下記式(1)により求めた。
各時間経過後の変化率=(放置開始時の平均透過率-各時間経過後の平均透過率)/(放置開始時の平均透過率) (1)
その結果を表2に示す。
5.考察
平均透過率の評価において、粘着層が、紫外線の照射により波長550nmでの可視光透過率が低下可能な粘着性組成物からなる実施例1の粘着シートは、LEDを照射する前後での波長400nm~700nmにおける平均透過率が、低下している。
このことから、上記の粘着層を備える粘着シートを用いると、任意のタイミングで紫外線照射することで、粘着層を着色させることができるとわかる。
外光安定性の評価において、波長300nm以上400nm以下における平均透過率が、15%以下である紫外線吸収層を用いる実施例1~実施例7は、放置開始から120時間経過後において、変化率が5.72%以下である。
一方、波長300nm以上400nm以下における平均透過率が、69%であるPETフィルムを用いる比較例1は、放置開始から120時間経過後において、変化率が64.02%である。
このことから、波長300nm以上400nm以下における平均透過率が、15%以下である紫外線吸収層を用いると、外光安定性に優れることがわかる。
そして、外光安定性に優れるため、粘着層における着色部分以外を、透明のまま残存させたい場合や、着色部分よりも着色量を少なくしたい場合に、着色部分以外が、外光(紫外線)によって着色されることを抑制できるとわかる。