JP7241547B2 - 水力発電装置及び水力発電システム - Google Patents
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Description
例えば特許文献1に記載された発電システムでは、下水が流れる下水道管を下流側のマンホールに接続し、下水道管を流れる下水の水流でマンホール内に設置した水車を回転させている。水車の回転動力は発電機で電力に変換され、下水のエネルギーを電力として回収している。
また、特許文献3に記載された発電装置は、水道管内に設置した回転軸に水流で回転する羽根部を設けた水車部を備え、回転軸の回転を傘歯車を介して水道管の外部に設置した発電機に伝達して発電するようにしている。回転軸に設けた羽根部は螺旋状に配列されている。
特許文献2に記載されたチューブラ水車は配管内で水流に直交して配置された水車によって水流全体を受けているため、水流を水車の回転に変換する際の変換効率が悪かった。しかも、水車の下流側にS字型の管路を設置する必要があり、コスト高になる欠点があった。
特許文献3に記載された発電装置は水道管内に設置した羽根部の回転力を傘歯車を介して水道管の外部に取り出すため、回転力の変換効率が悪かった。
本発明によれば、管路内を流れる水流が直交配置された水車の羽根部に当接して回転させることで回転軸も一体に回転し、回転軸の回転運動を発電機で電気に変換することができる。しかも、水車は管路内に設置されていて回転軸が水流に略直交する方向に配設されて管路の外部に設けた発電機に連結されているため、構造が簡単で水流と電気の変換効率が高い。
管路内を流れる水流が、制御部材によってガイドされて水車の片側の羽根部に集中させられるため、水流によって水車が高速回転して回転効率が高くなる。
管路内で水流を水車の羽根部で受ける際、羽根部が凹曲面部を有するため水流を下流側に逃がすことなく効率的に受け止めて回転運動に変換することで水車を高速回転できる。
本発明によれば、水路の水流が少なくても堰で堰き止めて管路に大量の水流を流すことができるため、水車で効率的に回転運動に変換することができる。
堰と水車の間では管路の下り勾配を比較的小さくして水流を溜めて、水車の直前で管路を急激な下り勾配にすることで水流を高速に切り換えて水車に流して回転運動に変換できる。
図1は管路2内に設置した水力発電装置1の平面図である。この水力発電装置1を本発明の第一実施形態として説明する。管路2は例えば河川や上下水道等の水流を管内に導入して流すものである。管路2内の下流側には発電用の水車3が設置されている。水車3は例えば管路2の略中心を通して上下方向に配設された回転軸4の周方向に例えば等間隔に複数枚、例えば6枚の羽根部5が設けられている。水車3は図1において反時計回りに回転可能とされている。回転軸4は図2に示すように管路2の下端近傍から上方に向けて略鉛直に延びており、管路2の上端を貫通して外側に設けられた発電機6に連結されている。
そのため、羽根部5が凹曲面部5bで水流を受け止めて凹曲面部5bに流入させることで、水流圧を逃がすことなく効率よく受け止めて回転軸4の回転力に変換できる。各羽根部5の回転によって水流が下流側に流れる。また、発電機6は回転軸4の回転速度を図示しない変速機等で増減調整する等して受けて回転動力を電力に変換することができる。
制御部材8の稜線部8aは図2に破線で示すように略凹曲線状に湾曲形成されているが、稜線部8aの形状は任意である。図1において、制御部材8の稜線部8aに対して下流側面部8bは水車3の回転する羽根部5に干渉しないように間隙を開けて凹曲面状に形成されている。稜線部8aに対して上流側ガイド8cは管路2内の水流がスムーズに空間Dに偏寄するようになだらかな傾斜面状に形成されている。
しかも、水車3の複数の羽根部5を管路2内という閉流路内に設置したため、水流を効率よく水車3の回転運動に変換できる。発電機6で発電された電力は例えば周辺地域の住宅や各施設、街灯、信号灯等の電力設備に供給されて消費することができる。
そのため、本変形例による水力発電装置1では、管路2における制御部材8の下側の空間Dに水流が集められ、水車3の回転軸4の下側の羽根部5で水流を受けて高速回転させることができる。回転軸4の回転を発電機6で受けて効率よく発電することができる。
図5及び図6において、例えば山等の斜面の途中に形成された道路12の下側に略V字状に谷が形成されている。谷の片側の斜面に擁壁13、反対側の斜面に段部14が形成されている。谷の底部には例えば水量の小さい沢や小川等の小河川15が形成されている。谷の底部の小河川15には堰17が設置され、水流が溜められる。堰17は鉄筋コンクリート製でもよいし、土嚢を積み上げた構造でもよい。
なお、擁壁13には管路2を支持するためのブラケット18を取り付けてもよい。管路2をブラケット18で支持することで小河川15上の空中に支持できるため、管路2の傾斜角度θ2の調整が容易である。また、管路2の支持はブラケット18に限定されるものではなく、鋼材や木材等の脚部を小河川15の河床15aや擁壁13等に設置して支持してもよい。
すると、傾斜管路2b内では、水力発電装置1における水車3の羽根部5が高速の水流を受けて高速で回転する。しかも、傾斜管路2b内では、水流が水車3の上流側で制御部材8によって空間D内に絞られて集合するため、水車3の羽根部5が更に高速回転する。すると、水車3の回転軸4も高速で回転して傾斜管路2bの外部に設置された発電機6に伝達されて発電することができる。
また、小河川15における堰17の下流側の河床15aの勾配(傾斜角θ1)は管路2の勾配(傾斜角θ2)より急傾斜に設定されるとは限らない。河床15aの傾斜角θ1が管路2の傾斜角θ2と同程度またはより緩やか(θ1>θ2)でもよい。
また、第二実施形態による水力発電システム10において、傾斜管路2b内に複数の水力発電装置1を設置してもよく、この場合、傾斜管路2bの流れに沿って複数の水車3を順次配設すればよい。
なお、本発明の第一実施形態による水力発電装置1及び第二実施形態による水力発電システム10は、必ずしも山間部の谷に形成される小河川15に限定されるものではない。例えば道路の側溝や上水道の管路、下水道の管路等にも適用できる。これら小河川15を含む側溝、上下水土の管路等は水路に含まれる。
2 管路
3 水車
4 回転軸
5 羽根部
5a 周縁部
5b 凹曲面部
6 発電機
8 制御部材
10 水力発電システム
13 擁壁
15 小河川
15a 河床
17 堰
Claims (5)
- 内部に水を流す管路と、
前記管路内に設けられていて、前記管路内の水流に略直交する方向に配設された回転軸と該回転軸を中心に周方向に配設された複数の羽根部とを備えた回転可能な水車と、
前記管路の外側に設置されていて前記回転軸の回転を受けて発電する発電機と、
前記管路内の水車の上流側に設置されていて、水流を前記回転軸の片側の羽根部に集中させる制御部材と、
を備えており、
前記制御部材は、前記回転軸の軸方向から見た場合に前記管路に略三角形状に突出形成されており、
前記制御部材の最も突出する頂部である綾線部は、前記回転軸の軸方向に沿って略凹曲線状に略湾曲形成されている、
ことを特徴とする水力発電装置。 - 前記羽根部は、略半円状の周縁部と該周縁部の内側に凹曲面状に形成された凹曲面部とを有する請求項1に記載された水力発電装置。
- 水路に設置されていて水流を堰き止める堰と、
請求項1または2に記載された前記水力発電装置と、を備えており、
前記堰を貫通して配設された前記管路が前記水車を設けた下流側に向けて下り勾配で配設されていることを特徴とする水力発電システム。 - 前記管路は、前記堰から下流側に向けて比較的緩やかな下り勾配に配設され、前記水車の直前で落差を大きくしてより急激な下り勾配に配設されている請求項3に記載された水力発電システム。
- 水路に設置されていて水流を堰き止める堰と、
内部に水を流す管路と、前記管路内に設けられていて、前記管路内の水流に略直交する方向に配設された回転軸と該回転軸を中心に周方向に配設された複数の羽根部とを備えた回転可能な水車と、前記管路の外側に設置されていて前記回転軸の回転を受けて発電する発電機と、前記管路内の水車の上流側に設置されていて、水流を前記回転軸の片側の羽根部に集中させる制御部材と、を備え、前記制御部材は、前記回転軸の軸方向から見た場合に前記管路に略三角形状に突出形成されている水力発電装置と、を備えており、
前記堰を貫通して配設された前記管路が前記水車を設けた下流側に向けて下り勾配で配設されていることを特徴とする水力発電システム。
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JP2019005226A JP7241547B2 (ja) | 2019-01-16 | 2019-01-16 | 水力発電装置及び水力発電システム |
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JP3158191U (ja) | 2010-01-07 | 2010-03-18 | エフケイ・ライフサービス株式会社 | パイプ発電装置 |
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JPS61200470U (ja) * | 1985-06-05 | 1986-12-15 | ||
JPH0842440A (ja) * | 1994-08-01 | 1996-02-13 | Senji Okuda | 水道管の水流による発電装置 |
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