JP7238751B2 - 内燃機関の製造方法および内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、内側に気筒を形成する気筒形成部材と、気筒内に往復動可能に収容されたピストンと、気筒とピストンとにより画成された燃焼室に燃料を供給するインジェクタと、燃焼室を規定する燃焼室壁面の少なくとも一部を覆いかつ当該燃焼室壁面よりも熱伝導率の低い断熱層とを備えた内燃機関およびその製造方法に関する。
内燃機関の熱効率を向上させること等を目的として、燃焼室の壁面を断熱層で覆うことが提案されている。例えば、下記特許文献1には、燃焼室を規定する基材の表面に、基材よりも熱伝導率の低い断熱層を形成した内燃機関が開示されている。
具体的に、特許文献1では、上記断熱層を形成する方法として、当該断熱層の材料である被膜材(Si系樹脂、中空粒子、希釈溶剤などの混合物)を基材の表面に塗布するとともに、その状態でエンジンを組み立てて燃焼試験(着火試験)を行うことが提案されている。被膜材が塗布されたエンジンを燃焼試験に供すれば、その燃焼熱によって上記被膜材の表面が酸化(硬化)し、これによって上記断熱層が形成される。
このような特許文献1の断熱層の形成方法によれば、断熱層を形成するための工程の一部をエンジンの組立後に通常行われる燃焼試験により代用できるので、断熱層の形成にかかる工数を削減できる等の利点がある。
特開2014-1718号公報
しかしながら、本願発明者等の研究によれば、上記特許文献1のように混合気の燃焼熱で被膜材を加熱する方法により断熱層を形成した場合、断熱層の品質が必ずしも安定せず、断熱層の一部に剥がれが生じるケースがあることが判明した。その原因を探ったところ、本願発明者等は、燃焼試験中にインジェクタから供給された燃料の一部が液滴のまま被膜材に付着することが有力な原因であることをつきとめた。すなわち、液滴状態の燃料が被膜材に付着すると、付着した燃料により被膜材が希釈もしくは溶解され(以下、単に希釈という)、この希釈された部分(燃料が付着した部分)において被膜材の粘度が低下する結果、当該部分の被膜材が燃焼試験時の燃焼圧力を受けて飛散し、上述した剥がれを招いているものと考えられる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、剥がれ等のない優れた品質の断熱層を容易に形成することが可能な内燃機関の製造方法等を提供することを目的とする。
前記課題を解決するためのものとして、本発明は、内側に気筒を形成する気筒形成部材と、気筒内に往復動可能に収容されたピストンと、気筒とピストンとにより画成された燃焼室に燃料を供給するインジェクタと、燃焼室を規定する燃焼室壁面の少なくとも一部を覆いかつ当該燃焼室壁面よりも熱伝導率の低い断熱層とを備えた内燃機関を製造する方法であって、前記断熱層の材料である被膜材を前記燃焼室壁面に塗布する塗布ステップと、前記被膜材が未硬化の状態で前記気筒形成部材に前記ピストンを組み付ける組立ステップと、前記インジェクタから噴射された燃料を燃焼させて前記ピストンを往復動させることにより、前記被膜材を加熱して硬化させる焼成ステップとを含み、前記焼成ステップは、その少なくとも初期に実施され、噴射された燃料が前記被膜材の表面に付着することが抑制される態様で前記インジェクタから燃料を噴射する第1焼成ステップを含む、ことを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、燃焼室壁面に塗布された被膜材が、ピストンおよび気筒形成部材を含む主要部品の組み立て後に実施される運転時の燃焼熱を利用して焼成(硬化処理)されるので、例えば当該焼成のための運転(焼成ステップ)を、内燃機関の製造過程で通常行われる試験運転(燃焼試験)と兼ねることにより、被膜材の焼成つまり断熱層の形成にかかる工数および費用を削減することができる。
また、焼成ステップの少なくとも初期において、被膜材に燃料が付着することが抑制される態様で燃料が噴射されるので、付着した燃料(特に燃料に含まれるトルエン)によって未硬化の被膜材が希釈される可能性を低減することができる。したがって、燃焼による大きな圧力(燃焼圧)が被膜材に作用したとしても、被膜材に生じる形状変化を最小限に抑えることができ、硬化後の被膜材からなる断熱層の品質を良好に確保することができる。例えば、仮に燃料の付着によって被膜材が希釈された場合には、この希釈された部分(燃料が付着した部分)において、被膜材の粘度が低下し、高い燃焼圧が作用したときに被膜材が飛散するおそれがある。これに対し、被膜材への燃料の付着を抑制可能な本発明によれば、前記のような事情で生じる被膜材の飛散の可能性を低減することができる。その結果、断熱層に剥がれ等の不具合が生じる可能性を低減でき、断熱層の品質を良好に確保することができる。
好ましくは、前記塗布ステップでは、前記被膜材を少なくとも前記ピストンの冠面に塗布し、前記第1焼成ステップでは、前記インジェクタからの燃料の噴射期間を吸気下死点を含む期間に設定する(請求項2)。
このように、被膜材がピストンの冠面に塗布されている場合、当該被膜材にインジェクタからの噴射燃料が液滴のまま到達する可能性は、ピストンが下死点に近いほど(言い換えるとピストンがインジェクタから遠ざかるほど)低くなる。この態様では、吸気下死点を含む一連の期間に亘って燃料が噴射されるので、前記の事情により、噴射された燃料が液滴のままピストン冠面の被膜材に到達する(付着する)可能性を大幅に低減することができる。
前記態様において、より好ましくは、前記焼成ステップは、前記第1焼成ステップと、当該第1焼成ステップの後に実施され、前記インジェクタからの燃料の噴射開始時期および噴射終了時期を前記第1焼成ステップのときよりも進角させる第2焼成ステップとを含む(請求項3)。
このように、第1焼成ステップに続く第2焼成ステップにおいて燃料の噴射時期を相対的に進角させるようにした場合には、燃料と空気とを十分に混合して均一な混合気を形成することができ、混合気の燃焼安定性を高めることができる。
好ましくは、前記焼成ステップは、前記第1焼成ステップと、当該第1焼成ステップの後に実施される第2焼成ステップとを含み、前記第1焼成ステップでは、前記インジェクタからの燃料の噴射量を前記第2焼成ステップのときよりも減らす(請求項4)。
燃焼室壁面の被膜材にインジェクタからの噴射燃料が液滴のまま到達する可能性は、燃料の噴射量が少ないほど低くなる。この態様では、前段の第1焼成ステップにおいて燃料の噴射量が減らされるので、前記の事情により、噴射された燃料が液滴のまま被膜材に到達する(付着する)可能性を低減することができる。
逆に、後段の第2焼成ステップでは燃料の噴射量が増やされるので、剥がれ等の不具合を抑制する前記の効果を担保しながら、被膜材の内部の硬化(焼成)を促進することができ、断熱層の形成に要する工数を削減することができる。すなわち、被膜材の硬化は内部よりも表面で速く進行する。一方で、被膜材の表面が十分に硬化すれば(内部は未硬化であっても)、燃料の付着による被膜材の希釈は起こらず、燃焼圧により被膜材の一部が飛散するような事態は避けられると考えられる。この態様では、第1焼成ステップから第2焼成ステップへの移行に応じて噴射量が増やされるので、例えば被膜材の表面が十分に硬化したタイミングで第2焼成ステップに移行することにより、被膜材の一部が飛散する前記のような事態を避けながら、噴射量の増大によって燃焼熱(加熱能力)を高めることができ、未硬化である被膜材の内部の硬化速度を速めることができる。これにより、被膜材を全体的に硬化させるのに要する時間を短縮することができ、断熱層の品質を担保しつつその形成を効率化することができる。
前記態様において、より好ましくは、前記塗布ステップでは、前記被膜材を少なくとも前記ピストンの冠面に塗布し、前記第1焼成ステップでは、前記インジェクタからの燃料の噴射時期を、前記第2焼成ステップのときよりも前記ピストンが下死点に近くなる時期に設定する(請求項5)。
このように、第1焼成ステップでの燃料の噴射時期を下死点に近づけた場合には、第1焼成ステップで燃料の噴射量が減らされることと相俟って、ピストン冠面の被膜材に燃料が付着する可能性をより低減することができる。
前記第1焼成ステップでは、前記インジェクタからの燃料の噴射圧を前記第2焼成ステップのときより低下させてもよい(請求項6)。
このように、第1焼成ステップにおいて燃料の噴射圧を低下させるようにした場合には、噴射圧の低下により燃料のペネトレーション(貫徹力)を弱めることができ、燃料が被膜材に到達する可能性を低減することができる。
好ましくは、前記第2焼成ステップは、前記第1焼成ステップの開始からの経過時間が予め定められた所定時間に達したときに開始される(請求項7)。
この態様では、第1焼成ステップから第2焼成ステップへの移行を簡単な方法で決定することができる。
本製造方法は、前記第1焼成ステップにより焼成される前記被膜材の表面の硬化度合いを判定する判定ステップをさらに含んでいてもよい。この場合、前記判定ステップで前記被膜材の表面の硬化が完了したと判定されたときに、前記第1焼成ステップから前記第2焼成ステップに移行することが好ましい(請求項8)。
被膜材の表面の硬化が完了すれば、仮に燃料が付着しても被膜材の希釈は起きないので、第1焼成ステップにより被膜材の燃料の付着を抑制する必要性は薄れる。この態様では、被膜材の表面の硬化が完了したタイミングが判定され、判定されたタイミングで第1焼成ステップから第2焼成ステップへの移行が行われるので、燃焼圧による被膜材の飛散を回避する上述した効果を担保しつつ、燃料噴射の態様を適切に切り替えることができる。なお、被膜材の表面の硬化が完了したタイミングは、例えば排気ガス中の希釈剤の含有量を検出するといった直接的な方法で判定してもよいし、予め実験的に求めた期間が経過したことを確認するという間接的な方法で判定してもよい。
また、本発明は、上述した製造方法により製造された内燃機関を提供するものである(請求項9)。
以上説明したように、本発明によれば、内燃機関の燃焼室の壁面に、剥がれ等のない優れた品質の断熱層を容易に形成することができる。
本発明の一実施形態にかかる製造方法により製造される内燃機関の概略構成を示すシステム図である。 上記内燃機関の主要部の断面図である。 上記内燃機関の製造方法の具体的手順を示すフローチャートである。 ピストン冠面に被膜材を塗布する様子を説明する説明図である。 上記被膜材を焼成するための運転時における各種パラメータの時間変化を示すタイムチャートである。 上記実施形態の変形例を説明するための図2相当図である。
[エンジンの全体構成]
図1は、本発明の一実施形態にかかる製造方法により製造される内燃機関の概略構成を示すシステム図であり、図2は、内燃機関の主要部の断面図である。本図に示される内燃機関(以下、単にエンジンという)は、4サイクルのガソリンエンジンであって、シリンダブロック1、シリンダヘッド3、およびピストン5を備えている。シリンダブロック1およびシリンダヘッド3は、円筒状の気筒2を内部に形成する部材であり、請求項にいう「気筒形成部材」に相当する。すなわち、シリンダブロック1は、気筒2の周面を規定する壁面(シリンダーライナ)を有しており、シリンダヘッド3は、気筒2を上から閉塞するようにシリンダブロック1の上面に取り付けられている。ピストン5は、シリンダブロック1の内周面(シリンダーライナ)と摺動可能な外周面を有する円筒形の部材であり、気筒2の内部に往復動可能に収容されている。なお、当実施形態のエンジンは、自動車等の車両に動力源として搭載される車載エンジンであり、典型的には複数の気筒2を有する多気筒型のものである。ただし、ここでは簡略化のため、1つの気筒2のみに着目してエンジンの説明を進める。
ピストン5の下方には、エンジンの出力軸であるクランク軸7が設けられており、クランク軸7とピストン5とがコネクティングロッド9を介して連結されている。
ピストン5の上方には燃焼室Cが画成されている。すなわち、燃焼室Cは、気筒2の周面を規定する壁面(シリンダブロック1の内周面)と、気筒2の上面を規定する壁面(シリンダヘッド3の下面)と、ピストン5の冠面5a(上面)とにより画成された空間である。
シリンダヘッド3には、インジェクタ11および点火プラグ12が配設されている。インジェクタ11は、燃焼室Cに燃料(ガソリンを主成分とする燃料)を噴射する噴射弁である。点火プラグ12は、燃焼室C内の混合気、つまりインジェクタ11から噴射された燃料が燃焼室C内で空気と混合された混合気に点火するプラグである。
点火プラグ12の点火により混合気が燃焼すると、当該燃焼による膨張力を受けてピストン5が上下方向に往復動する。このピストン5の往復動は、コネクティングロッド9を介してクランク軸7に伝達され、クランク軸7を回転させる。
インジェクタ11は、その先端部が燃焼室Cの天井面C1の中央に位置するように、気筒2の中心軸Zに沿って配置されている(特に図2参照)。インジェクタ11は、その先端部に複数の噴孔を有しており、当該噴孔からピストン5の冠面5aに向けて放射状に燃料を噴射する。なお、図2における符号Fは、インジェクタ11から噴射された燃料の噴霧を表している。
点火プラグ12は、その先端部が燃焼室Cの天井面C1の中央付近に位置するように、気筒2の中心軸Zに対し傾いた姿勢でインジェクタ11に隣接して取り付けられている。なお、点火プラグ12の先端部には、燃焼室Cに火花を放電するための電極が設けられている。
図1に示すように、シリンダヘッド3には、燃焼室Cに連通する吸気ポート13および排気ポート14が形成されている。吸気ポート13は、燃焼室Cに吸気を導入するためのポートであり、排気ポート14は、燃焼室Cから排気ガスを導出するためのポートである。シリンダヘッド3には、吸気ポート13の燃焼室C側の開口を開閉する吸気弁15と、排気ポート14の燃焼室C側の開口を開閉する排気弁16とが組み付けられている。
シリンダヘッド3には、吸気通路20および排気通路21が接続されている。吸気通路20は、燃焼室Cに導入される吸気が流通する通路であり、吸気ポート13に連通する状態でシリンダヘッド3の一側面に接続されている。排気通路21は、燃焼室Cから導出された排気ガスが流通する通路であり、排気ポート14に連通する状態でシリンダヘッド3の他側面に接続されている。
[ピストン冠面の構造]
図2に示すように、ピストン5の冠面5a(以下、単にピストン冠面5aともいう)には、断熱層30が形成されている。断熱層30は、ピストン5よりも熱伝導率の低い樹脂材料により構成されている。すなわち、ピストン5がアルミニウム合金等の金属材料により構成されているのに対し、断熱層30は、ピストン5を構成する金属材料(母材)よりも熱伝導率が大幅に低い樹脂材料により構成されている。
具体的に、当実施形態における断熱層30は、耐熱性のシリコン系樹脂により構成されている。シリコン系樹脂としては、メチルシリコーン樹脂やメチルフェニルシリコーン樹脂に代表される、分岐度の高い3次元ポリマーからなるシリコン樹脂を例示することができる。なお、断熱層30にはシラスバルーン等の中空粒子が含有されていてもよい。詳しくは後述するが、断熱層30は、ピストン冠面5aに塗布されるペースト状の樹脂材料(後述する被膜材30A)を焼成することでピストン冠面5aに固着される。
上記のような性質の断熱層30をピストン冠面5aに形成することは、冷却損失の低減、ひいてはエンジンの燃費性能の改善につながる。すなわち、断熱層30は、燃焼室Cで燃焼した混合気の燃焼エネルギーがピストン冠面5aを通じて外部に放出されることを抑制するので、当該熱エネルギーの放出により生じる損失つまり冷却損失が低減される。これにより、熱エネルギーが仕事に変換される割合である熱効率の向上、換言すればエンジンの燃費性能の改善が見込まれる。
[エンジンの製造方法]
次に、以上のような構造を有する当実施形態のエンジンを製造する方法について説明する。図3は、当実施形態のエンジンの製造方法の具体的手順を示すフローチャートである。なお、このフローチャートに示す製造方法は、主に断熱層30の形成に関するものである。このため、当該方法を実施する前提として、エンジンを構成する主要部品(シリンダブロック1、シリンダヘッド3、ピストン5等)は既に用意されているものとする。
図3の方法が開始されると、まず、図4に示される被膜材30Aをピストン冠面5aに塗布する(ステップS1)。被膜材30Aは、上述した断熱層30の材料であり、ペースト状の樹脂材料を希釈剤により希釈したものである。当実施形態では、被膜材30Aとして、ペースト状のシリコン系樹脂(メチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂等)をトルエンで希釈して粘度を低下させたものが用いられる。なお、断熱層30として中空粒子(シラスバルーン等)を含むものを形成する場合には、この中空粒子も被膜材30Aに含有させておく。さらに、被膜材30Aの硬化を促進させる硬化触媒として、白金イオン溶液等の微量の触媒を被膜材30Aに含有させてもよい。
図4に示すように、ピストン冠面5aへの被膜材30Aの塗布には、スプレーガンGが用いられる。すなわち、スプレーガンGから被膜材30Aをスプレー状に噴射することにより、当該被膜材30Aをまんべんなくピストン冠面5aに吹き付ける。これにより、略一定の厚みを有する被膜材30Aの層をピストン冠面5aに形成する。なお、被膜材30Aと塗布する際には、事前にピストン冠面5aに対し脱脂やサンドブラスト等の処理を施しておくことが望ましい。
次いで、ピストン冠面5aに塗布された被膜材30Aを自然乾燥させる(ステップS2)。なお、ここでの乾燥は、後述するエンジンの組み立て時にピストン5以外の部材(シリンダブロック1やシリンダヘッド3等)に被膜材30Aが容易に付着するといった事態を避けるための処理であり、少なくとも被膜材30Aの表面の粘度がある程度高くなればよい。このため、当該ステップS2での乾燥処理は、例えば、被膜材30A塗布後のピストン5を常温で所定時間置くといった程度の処理でよい。
次いで、シリンダブロック1、シリンダヘッド3、およびピストン5を含む主要部品を互いに組み合わせた組立品を構築する(ステップS3)。この組立品は、燃焼室Cでの混合気の燃焼が可能となるように主要部品を組み合わせたものであり(以下、これを完成前エンジンという)、上述したシリンダブロック1、シリンダヘッド3、ピストン5の他、インジェクタ11、点火プラグ12、吸気弁15、および排気弁16等の部品を組み合わせたものである。なお、先のステップS2による自然乾燥を経ただけでは被膜材30Aに含まれる希釈剤は完全に揮発していない。このため、このステップS3で完成前エンジンが組み立てられた段階で、被膜材30Aは未硬化状態にある。
次いで、上記完成前エンジンを実際に運転する操作を行う(ステップS4)。すなわち、インジェクタ11から燃焼室Cに燃料を噴射して混合気を形成しかつ点火プラグ12を用いて混合気に点火することにより、当該混合気を燃焼させてピストン5を往復動させる。そして、このような燃焼によるピストン5の往復動(完成前エンジンの運転)を予め定められた第1期間(後述する図5の期間T1)に亘り継続する。ただし、ここでの完成前エンジンの運転は、ピストン冠面5aを覆う被膜材30Aに燃料が付着するのを抑制するための特別なモードによる運転とされる。以下では、このステップS4にて完成前エンジンを運転するモードを付着抑制モードという。また、後述するステップS6にて完成前エンジンを運転するモードを本格モードという。これら付着抑制モードおよび本格モードによる運転は、エンジンが支障なく動作することを確認するための試験運転(燃焼試験)を兼ねている。
図5は、上記ステップS4(付着抑制モード)と後述するステップS6(本格モード)での運転の詳細を示すタイムチャートである。具体的に、この図5において、チャート(a)は被膜材30Aの硬化度合いを、チャート(b)は燃料噴射量を、チャート(c)は燃料噴射時期を、それぞれ示している。また、各チャートにおける横軸の原点は上記ステップS4の付着抑制モードによる運転の開始時点であり、それ以降の期間T1は付着抑制モードによる運転期間(つまり第1期間)を示している。さらに、この第1期間T1に続く期間T2は、本格モードによる運転期間(第2期間)を示している。
上記第1期間T1中のチャート(b)(c)の波形に示すように、付着抑制モード(ステップS4)では、インジェクタ11から噴射される燃料の噴射量が後の本格モード(ステップS6)のときよりも減らされるとともに、インジェクタ11から噴射される燃料の噴射時期が吸気下死点(吸気BDC)付近に設定される。
より詳しくは、上記付着抑制モードでは、燃料の噴射量が本格モードのときの約半分に設定される。また、燃料の噴射時期は、吸気下死点を含む一連の期間に亘って燃料が噴射されるような時期(期間)に設定される。すなわち、インジェクタ11による燃料噴射は、吸気下死点の進角側の近傍で開始され、かつ吸気下死点の遅角側の近傍で終了される。言い換えると、インジェクタ11による燃料噴射のタイミングは、噴射開始時期(SOI)が吸気行程の終期になり、かつ噴射終了時期(EOI)が圧縮行程の初期になるように設定される。なお、周知のとおり、吸気行程とは、排気上死点(排気TDC)から吸気下死点(吸気BDC)までの期間のことであり、圧縮行程とは、吸気下死点(吸気BDC)から圧縮上死点(圧縮TDC)までの期間のことである。このように、ピストン5がインジェクタ11から最も離れる吸気下死点付近において比較的少量の燃料を噴射することは、ピストン冠面5aの被膜材30Aに燃料が液滴のまま到達する(付着する)可能性を大幅に低減することにつながる。
上記のようにして付着抑制モードによる運転が開始された後は、その運転開始からの経過時間が上述した第1期間T1に達するまで、当該付着抑制モードによる運転を継続する(ステップS5)。すなわち、タイマーを用いて運転開始からの経過時間をカウントし、そのカウント値が第1期間T1に達したか否かを判定し、第1期間T1に達するまで上記付着抑制モードによる運転を継続する。
上記付着抑制モードによる運転期間である第1期間T1は、図5のチャート(a)に示すように、被膜材30Aの表面の硬化がほぼ完了するような期間に設定される。すなわち、被膜材30Aは、混合気の燃焼熱により加熱されて徐々に硬化するが、燃焼ガスに直接晒される被膜材30Aの表面の方が、燃焼ガスに直接晒されない被膜材30Aの内部よりも高温になるため、硬化速度は被膜材30Aの表面の方が速くなる。上記チャート(a)の第1期間T1の間、被膜材30Aの表面の硬化度合いを表す破線の波形の傾きの方が、被膜材30Aの内部の硬化度合いを表す一点鎖線の波形の傾きよりも大きいのはこのためである。すなわち、目標とする被膜材30Aの硬化度合いをPとしたとき、硬化度合いが当該目標値Pに達する(つまり硬化が完了する)のは、被膜材30Aの表面の方が被膜材30Aの内部よりも早くなる。このことを前提に、上記付着抑制モードによる運転期間である第1期間T1は、その終了時において被膜材30Aの表面の硬化がほぼ完了する(硬化度合いがほぼ目標値Pに達する)ような期間に設定される。したがって、この第1期間T1が経過したとき(つまり付着抑制モードによる運転が終了したとき)、被膜材30Aの表面の硬化はほぼ完了しているが、被膜材30Aの内部の硬化は不十分なままである。なお、このような被膜材30Aの状態を得るための上記第1期間T1は、実験的に予め求めておくことが可能である。
上記ステップS5にて第1期間T1の経過が確認された場合には、運転モードを付着抑制モードから本格モードに切り替えるとともに(ステップS6)、この本格モードによる運転を上記第1期間T1に連続する第2期間T2に亘って継続する(ステップS7)。本格モードは、付着抑制モードのときよりも燃料の噴射量を増やしかつ噴射時期を進角させた状態で上記完成前エンジンを運転するモードである。
具体的に、上記本格モードによる運転時は、図5に示すように、燃料の噴射量が上記付着抑制モードのときの約2倍に設定される。また、燃料の噴射時期は、吸気行程中に含まれる一連の期間に亘って燃料が噴射されるような時期(期間)に設定される。言い換えると、インジェクタ11による燃料噴射は、噴射開始時期(SOI)および噴射終了時期(EOI)の双方が排気上死点(排気TDC)よりも遅角側かつ吸気下死点よりも進角側になるように制御される。噴射開始から噴射終了までの期間は、上述した噴射量の増大に対応して、上記付着抑制モードのときよりも長くされる。
上記のように、吸気行程中に相対的に多くの燃料を噴射することは、燃焼による熱発生量を増大させ、ピストン冠面5aの被膜材30Aの硬化(焼成)を促進することにつながる。すなわち、熱発生量が多い本格モードでは、被膜材30Aの内部の温度が先の付着抑制モードのときよりも上昇するので、被膜材30Aの内部の硬化速度が速まる。図5のチャート(a)において、第2期間T2(本格モード)のときの被膜材30Aの内部の硬化速度の方が、第1期間T1(付着抑制モード)のときの硬化速度よりも速いのはこのためである。なお、被膜材30Aの表面については、付着抑制モードの終了時(本格モードの開始時)に既に硬化が完了しているので、本格モードに移行してもその硬化度合いはほとんど変わらない。
上記本格モードによる運転期間である第2期間T2は、上記チャート(a)に示すように、被膜材30Aの内部の硬化がほぼ完了するような期間に設定される。すなわち、第2期間T2に亘って上記本格モードによる運転が継続されることで、被膜材30Aの内部の硬化度合いがほぼ目標値Pまで上昇する。これにより、被膜材30Aの表面だけでなく内部も十分に硬化し、被膜材30Aの焼成(断熱層30の形成)が完了する。言い換えると、被膜材30Aから希釈剤(トルエン)がほぼ全て揮発するなどして被膜材30Aが全体的に固形化し、この固形化した被膜材30Aが断熱層30(図2)としてピストン冠面5aに形成される。なお、このように被膜材30Aの内部の硬化を完了させるための上記第2期間T2は、実験的に予め求めておくことが可能である。
上記のようにして断熱層30の形成が完了すると、インジェクタ11からの燃料噴射を停止し、混合気の燃焼によるエンジンの運転を終了する(ステップS8)。その後、上記ステップS3で組み立てられた完成前エンジンに含まれていなかった部品(付属部品等)を組み付け、エンジンの製造が完了する。
なお、以上のようなエンジンの製造方法において、ステップS1は請求項にいう「塗布ステップ」に相当し、ステップS3は請求項にいう「組立ステップ」に相当し、ステップS4は請求項にいう「第1焼成ステップ」に相当し、ステップS5は請求項にいう「判定ステップ」に相当し、ステップS6は請求項にいう「第2焼成ステップ」に相当する。
[作用効果]
以上説明したように、当実施形態では、ペースト状の被膜材30Aをピストン冠面5aに塗布するステップ(S1)と、塗布後のピストン5を含む主要部品を互いに組み付けて完成前エンジンを構築するステップ(S3)と、噴射量および噴射時期が異なる2種類のモードで完成前エンジンを運転するステップ(S4,S6)とを含む方法により、ピストン冠面5aに断熱層30が形成される。このような構成によれば、断熱層30の品質を良好に確保しつつその形成を容易化できるという利点がある。
すなわち、上記実施形態では、ピストン冠面5aに塗布された被膜材30Aが、ピストン5を含む主要部品の組み立て後に実施される運転時の燃焼熱を利用して焼成(硬化処理)されるので、例えば当該焼成のための運転を、エンジンの製造過程で通常行われる試験運転(燃焼試験)と兼ねることにより、被膜材30Aの焼成つまり断熱層30の形成にかかる工数および費用を削減することができる。例えば、ピストン冠面5aに塗布された被膜材30Aを加熱炉等を用いた加熱により焼成した場合には、当該焼成のための工数と試験運転のための工数とが別々にかかる上に、加熱炉等の設備を新たに設ける必要がある。これに対し、上記実施形態のように混合気の燃焼熱により被膜材30Aを焼成するようにした場合には、当該焼成のための設備を新たに設けることが不要になる上、断熱層30を形成するための工程の一部をエンジンの試験運転により代用できるので、断熱層30を有する熱効率に優れたエンジンを低コストかつ短時間で製造することが可能になる。
また、被膜材30Aの焼成のための運転として、付着抑制モード(S4)による運転と本格モード(S6)による運転とがこの順に実施されるとともに、前段の付着抑制モードによる運転時には、インジェクタ11からの燃料の噴射量が減らされかつ噴射の噴射時期が吸気下死点付近に設定されるので、ピストン冠面5aに塗布された被膜材30Aに燃料が液滴のまま付着する可能性を大幅に低減することができる。
すなわち、インジェクタ11からの噴射燃料が液滴のまま被膜材30Aに到達する可能性は、インジェクタ11からピストン5までの距離が大きいほど低くなり、かつ燃料の噴射量が少ないほど低くなる。これは、燃料がピストン冠面5aに到達する前に燃料の気化が十分に進むからである。上記実施形態では、上記付着抑制モードのときに、後の本格モードのときよりも噴射量が減らされるとともに、インジェクタ11からピストン5までの距離が最も拡大する吸気下死点を含む一連の期間に亘って燃料が噴射されるので、噴射された燃料が液滴のままピストン冠面5aの被膜材30Aに到達する(付着する)可能性を大幅に低減することができる。このことは、付着した燃料(特に燃料に含まれるトルエン)によって未硬化の被膜材30Aが希釈される可能性が大幅に低減されることを意味する。したがって、混合気の燃焼による大きな圧力(燃焼圧)が被膜材30Aに作用したとしても、被膜材30Aに生じる形状変化を最小限に抑えることができ、硬化後の被膜材30Aからなる断熱層30の品質を良好に確保することができる。例えば、仮に燃料の付着によって被膜材30Aが希釈された場合には、この希釈された部分(燃料が付着した部分)において、被膜材30Aの粘度が低下し、高い燃焼圧が作用したときに被膜材30Aが飛散するおそれがある。これに対し、上記実施形態では、噴射量および噴射時期の調整(付着抑制モード)により燃料が付着する可能性が大幅に低減されるので、上記のような事情で生じる被膜材30Aの飛散を高い確率で回避することができる。その結果、断熱層30に剥がれ等の不具合が生じる可能性を大幅に低減でき、断熱層30の品質を良好に確保することができる。
逆に、付着抑制モードに続く本格モードでは燃料の噴射量が増やされるので、剥がれ等の不具合を抑制する上述した効果を担保しながら、被膜材30Aの内部の硬化(焼成)を促進することができ、断熱層30の形成に要する工数を削減することができる。すなわち、被膜材30Aの硬化は内部よりも表面で速く進行する。一方で、被膜材30Aの表面が十分に硬化すれば(内部は未硬化であっても)、燃料の付着による被膜材30Aの希釈は起こらず、燃焼圧により被膜材30Aの一部が飛散するような事態は避けられると考えられる。上記実施形態では、付着抑制モードから本格モードへの移行に応じて噴射量が増やされるので、被膜材30Aの表面が十分に硬化したタイミングで本格モードに移行することにより、被膜材30Aの一部が飛散する上記のような事態を避けながら、噴射量の増大によって燃焼熱(加熱能力)を高めることができ、未硬化である被膜材30Aの内部の硬化速度を速めることができる。これにより、被膜材30Aを全体的に硬化させるのに要する時間を短縮することができ、断熱層30の品質を担保しつつその形成を効率化することができる。
さらに、燃料が増量される本格モードのときは、付着抑制モードのときよりも燃料の噴射時期が進角される(噴射開始時期と噴射終了時期とがともに吸気行程中に設定される)ので、増量された燃料を十分に空気と混合して均一な混合気を燃焼室Cに形成することができ、硬化促進のための高い燃焼熱を発生させながら十分な燃焼安定性を確保することができる。
[変形例]
上記実施形態では、付着抑制モードによる運転を予め定められた第1期間T1に亘って継続した後、本格モードによる運転に移行するようにしたが、モード切り替えのタイミングを決定する方法はこれに限られない。例えば、被膜材30Aの焼成のための運転(試験運転)中に排出される排気ガスに含まれるトルエン(希釈剤)の含有量をセンサにより検出すれば、被膜材30Aの硬化(焼成)がどの程度進行したかを判定できると考えられる。このため、上記センサを用いて排気ガス中のトルエンの含有量をモニターし、当該含有量が所定の閾値(被膜材30Aの表面が十分に硬化したとみなせる値)まで低下した時点で、運転モードを付着抑制モードから本格モードに移行させるようにしてもよい。これにより、本格モードへの移行に適したタイミング、つまり被膜材30Aの表面が十分に硬化したタイミングを精度よく判定することが可能になる。ただし、被膜材30Aの表面を十分に硬化するのに要する期間は、実験的にある程度の精度で求めておくことが可能である。上記実施形態では、このことを利用して、付着抑制モードと本格モードとを単純に時間で区切るようにした。これにより、特別な追加設備(センサ等)を設けることなく、燃焼熱を利用した被膜材30Aの焼成作業を適切に行うことが可能になる。
上記実施形態では、付着抑制モードのときに吸気下死点を含む一連の期間に亘って燃料を噴射する一方で、本格モードのときには燃料の噴射開始時期(SOI)と噴射終了時期(EOI)との双方が吸気行程中に含まれるようになるまで噴射時期を進角させたが、本格モードのときは少なくとも燃料の噴射重心位置(SOIからEOIまでの噴射期間を2等分する位置)を進角させればよく、SOIとEOIの双方を進角させることは必須ではない。例えば、本格モードのときは噴射量が増大するので、SOIからEOIまでの噴射期間は長くなる。そこで、EOIを固定しながらSOIを進角させることにより、噴射重心位置を進角させるようにしてもよい。
上記実施形態では、付着抑制モードのときに、燃料の噴射量および噴射時期の双方を燃料の付着が起き難くなる方向に調整する(つまり噴射量を減らしかつ噴射時期を下死点寄りにする)ようにしたが、噴射量および噴射時期のいずれか一方のみを燃料の付着が起き難くなる方向に調整してもよい。さらに、噴射量および噴射時期に加えて、もしくはこれに代えて、燃料の噴射圧を調整することも可能である。例えば、噴射圧を低下させれば燃料のペネトレーション(貫徹力)が弱まり、燃料が被膜材30Aに到達する可能性が減少すると考えられる。そこで、付着抑制モードのときは本格モードのときに比べて燃料の噴射圧を低下させるようにしてもよい。
上記実施形態では、燃焼室Cの底面を規定するピストン冠面5aにのみ断熱層30を形成したが、同様の断熱層は、ピストン冠面5a以外の燃焼室Cの壁面にも適用することが可能である。例えば、燃焼室Cの天井面C1(シリンダヘッド3の下面)、吸・排気弁の傘部の下面、さらには気筒2の周面(シリンダーライナ)にも断熱層を形成することが可能である。いずれの面に形成される断熱層についても、上記実施形態の断熱層30と同様に、断熱層の材料であるペースト状の被膜材を混合気の燃焼熱により焼成するという方法で形成することができる。
図6は、ピストン冠面5aに加えて燃焼室Cの天井面C1(以下、単に燃焼室天井面C1という)に被膜材30Aを塗布し、これを燃焼熱により焼成する例を示す図2相当図である。すなわち、この図6の例では、ピストン冠面5aに塗布した被膜材30Aと、天井面C1に塗布した被膜材30Aとが、ともにインジェクタ110から噴射される燃料の燃焼熱により焼成されて断熱層30となる。
また、図6の例では、上記実施形態(インジェクタ11が燃焼室天井面C1の中央に配置されるもの)と異なり、インジェクタ110が吸気側の側方から燃焼室Cを臨むように配置されている。すなわち、インジェクタ110は、その先端部110aが燃焼室天井面C1の周縁部に位置し、かつ当該周縁部から気筒2の中心軸Zを臨むように大きく傾斜した姿勢でシリンダヘッド3に取り付けられている。この場合において、ピストン冠面5aの被膜材30Aと、燃焼室天井面C1の被膜材30Aとにそれぞれ燃料が付着するのを抑制するには、やはりインジェクタ110からの燃料の噴射量を減らすとともに、インジェクタ110からの燃料の噴射時期をできるだけ吸気下死点に近い時期に設定することが望ましい。このように、ピストン5が下死点に近くなる時期に燃料を噴射すれば、インジェクタ110から斜めに噴射された燃料の噴霧F1が下向きに方向転換し易くなり、噴霧F1が燃焼室天井面C1に向かって上方に方向転換することが避けられると考えられる。このことは、インジェクタ110からピストン5までの距離が大きいことと相俟って、ピストン冠面5aおよび燃焼室天井面C1の各被膜材30Aに燃料が付着する可能性を低減させる。
上記実施形態では説明を省略したが、燃料の気化性(気化のし易さ)は、燃焼室Cの温度条件により変動する。例えば、燃料を噴射する直前の燃焼室Cの温度が高い条件であるほど燃料は気化し易くなる。また、燃料が気化し易いことは、燃料が被膜材30Aに付着する可能性を低減させる。そこで、例えば吸気温度(あるいは外気温度)が高いとき、もしくはエンジン水温が高いときは、そうでないときに比べて、付着抑制モードによる運転時に噴射される燃料の噴射量を増やすようにしてもよい。
上記実施形態では、燃焼室Cに直接燃料を噴射するインジェクタ11を備えかつ燃料としてガソリンを用いる直噴式ガソリンエンジンに本発明を適用した例について説明したが、本発明を適用可能なエンジンはこれに限られず、例えばポート噴射式のガソリンエンジンやディーゼルエンジンにも本発明を適用可能である。
ポート噴射式のガソリンエンジン、つまり吸気ポートにガソリン燃料を噴射するタイプのエンジンの場合、付着抑制モードのときに例えば燃料の噴射量を減少させれば、ピストン冠面等の燃焼室壁面に塗布された被膜材に燃料が付着する可能性を低減することができる。また、ピストンが下死点に近い時期に吸気ポートに燃料を噴射した方が、吸気ポートからピストン冠面まで混合気が流動する間に燃料が気化する可能性が高くなる。このため、例えば燃料の噴射時期を吸気行程の後半のような遅めのタイミングに設定することも、被膜材への燃料付着の抑制につながると考えられる。
ディーゼルエンジン、つまり軽油燃料を圧縮着火により燃焼させるエンジンの場合、付着抑制モードのときに、例えば燃料の噴射量を減らすとともに、圧縮行程中の比較的早い時期に少なくとも一部の燃料を噴射する予混モードで燃料を燃焼させるようにすれば、燃焼室壁面の被膜材に燃料が付着する可能性を低減することができる。
1 :シリンダブロック(気筒形成部材)
2 :気筒
3 :シリンダヘッド(気筒形成部材)
5 :ピストン
5a :(ピストンの)冠面
11 :インジェクタ
30 :断熱層
30A :被膜材
C :燃焼室

Claims (9)

  1. 内側に気筒を形成する気筒形成部材と、気筒内に往復動可能に収容されたピストンと、気筒とピストンとにより画成された燃焼室に燃料を供給するインジェクタと、燃焼室を規定する燃焼室壁面の少なくとも一部を覆いかつ当該燃焼室壁面よりも熱伝導率の低い断熱層とを備えた内燃機関を製造する方法であって、
    前記断熱層の材料である被膜材を前記燃焼室壁面に塗布する塗布ステップと、
    前記被膜材が未硬化の状態で前記気筒形成部材に前記ピストンを組み付ける組立ステップと、
    前記インジェクタから噴射された燃料を燃焼させて前記ピストンを往復動させることにより、前記被膜材を加熱して硬化させる焼成ステップとを含み、
    前記焼成ステップは、その少なくとも初期に実施され、噴射された燃料が前記被膜材の表面に付着することが抑制される態様で前記インジェクタから燃料を噴射する第1焼成ステップを含む、ことを特徴とする内燃機関の製造方法。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の製造方法において、
    前記塗布ステップでは、前記被膜材を少なくとも前記ピストンの冠面に塗布し、
    前記第1焼成ステップでは、前記インジェクタからの燃料の噴射期間を吸気下死点を含む期間に設定する、ことを特徴とする内燃機関の製造方法。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の製造方法において、
    前記焼成ステップは、前記第1焼成ステップと、当該第1焼成ステップの後に実施され、前記インジェクタからの燃料の噴射開始時期および噴射終了時期を前記第1焼成ステップのときよりも進角させる第2焼成ステップとを含む、ことを特徴とする内燃機関の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の内燃機関の製造方法において、
    前記焼成ステップは、前記第1焼成ステップと、当該第1焼成ステップの後に実施される第2焼成ステップとを含み、
    前記第1焼成ステップでは、前記インジェクタからの燃料の噴射量を前記第2焼成ステップのときよりも減らす、ことを特徴とする内燃機関の製造方法。
  5. 請求項4に記載の内燃機関の製造方法において、
    前記塗布ステップでは、前記被膜材を少なくとも前記ピストンの冠面に塗布し、
    前記第1焼成ステップでは、前記インジェクタからの燃料の噴射時期を、前記第2焼成ステップのときよりも前記ピストンが下死点に近くなる時期に設定する、ことを特徴とする内燃機関の製造方法。
  6. 請求項1または2に記載の内燃機関の製造方法において、
    前記焼成ステップは、前記第1焼成ステップと、当該第1焼成ステップの後に実施される第2焼成ステップとを含み、
    前記第1焼成ステップでは、前記インジェクタからの燃料の噴射圧を前記第2焼成ステップのときよりも低下させる、ことを特徴とする内燃機関の製造方法。
  7. 請求項3~6のいずれか1項に記載の内燃機関の製造方法において、
    前記第2焼成ステップは、前記第1焼成ステップの開始からの経過時間が予め定められた所定時間に達したときに開始される、ことを特徴とする内燃機関の製造方法。
  8. 請求項3~6のいずれか1項に記載の内燃機関の製造方法において、
    前記第1焼成ステップにより焼成される前記被膜材の表面の硬化度合いを判定する判定ステップをさらに含み、
    前記判定ステップで前記被膜材の表面の硬化が完了したと判定されたときに、前記第1焼成ステップから前記第2焼成ステップに移行する、ことを特徴とする内燃機関の製造方法。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の製造方法により製造された内燃機関。
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