JP7238344B2 - 電動機駆動装置 - Google Patents
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Description
これらのサーボモータは、整流回路において交流電源の電圧が直流電圧に整流され、さらにこの直流電圧は半導体スイッチング素子でON/OFFさせるタイミングが調整される。こうして、これらのサーボモータは、直流電圧の増減および周波数を変換した出力であるインバータ回路出力が駆動電力として供給される。
この流出入する漏洩電流は、その周波成分がラインノイズとして他のサーボモータの制御電流に重畳され得る。これにより、モータ制御の信頼性を損なうのに加えて、騒音問題、サーボモータの誤作動が発生するおそれがある。
特許文献3は、交流電源からの電力にて電動機を駆動する電動機駆動装置またはこの電動機のいずれかから対地に流れる零相電流を検出する漏洩電流検出部と、漏洩電流検出部で検出された零相電流を入力して、交流電源に同期した周期性の制御信号を生成する漏洩電流制御部と、を備える電力変換装置を提案する。この電力変換装置は、制御信号を入力して、零相電流と逆位相となる逆相電流を生成して出力し、零相電流を対地に流入させて、漏洩電流と相殺させている。
これに対し、ノイズのような高調波に対して相殺可能な逆相電流を生成するためには、複数のモータドライブ間で10μs以下、例えば0.1μs精度の協調動作が必要である。ところが、通常のモータドライブの協調動作の応答は以上のように100μs程度が限界であるから、相殺可能な逆相電流を生成するための協調動作に対応できず逆補償を発生させるおそれがある。なお、特許文献3において、複数のモータドライブ間とは、電動機駆動装置100と図5の逆相電流生成部23aの間をいう。
電動機機能は、交流電源からの電力を受けて駆動する第一電動機と、第一電動機の動作を制御する複数の第一スイッチング素子を備える第一素子群と、を有する。
逆相電流生成機能は、第一電動機から対地に流れる零相電流と逆位相となる逆相電流を生成して出力する、複数の第二スイッチング素子を備える。
制御機能は、複数の第一スイッチング素子のそれぞれへの動作指令を出力し、および、逆相電流生成部に逆相電流の出力指令を出力する。
遅延機能は、予め設定された設定遅延時間だけ遅延させて、動作指令を複数の第一スイッチング素子のそれぞれに伝え、かつ、出力指令を複数の第二スイッチング素子のそれぞれに伝える。
本発明の電動機駆動装置は、設定遅延時間をTnとし、複数の第一スイッチング素子について遅延時間、および、複数の第二スイッチング素子についての遅延時間の中の最大値をTdmaxとすると、Tn≦Tdmaxを満たす。
Tn=Tdmax-Tdn … 式(1)
Tn:複数の第一遅延器および複数の第二遅延器のそれぞれの設定遅延時間Tn,T2,T3…T4
Tdn:複数の第一スイッチング素子および複数の第二スイッチング素子のそれぞれについて設定された遅延時間Td1、Td2、Td3、…Tdn
この場合、複数の第二スイッチング素子は、第二電動機の動作を制御し、制御機能は、複数の第一スイッチング素子と複数の第二スイッチング素子とを、互いに逆位相の交流電流を供給するように制御する。
また、本発明において、複数の第一スイッチング素子および複数の第二スイッチング素子の仕様に基づいて、遅延時間Td1、Td2、Td3、…Tdnを設定できる。
[第1実施形態]
本実施形態に係る電動機駆動装置10は、図1に示すように、三相交流電源1から出力される交流電流を直流電流に変換し、さらに変換された直流電流を交流に変換して3相交流電動機に供給して、3相交流電動機を駆動する。本実施形態において、3相交流電動機の一例としてサーボモータ3を示すが、本発明における3相交流電動機はサーボモータに限らず、誘導電動モータ、同期電動モータ、PM(Permanent Magnet)モータなどインバータ回路により駆動される3相交流による電動モータ(アクチュエータ)あるいは発電機を含み、これらであれば同様の作用、効果を得ることができる。
本実施形態は、図1に示すように、第一サーボモータ(第一電動機)3Aと第二サーボモータ(第二電動機)3Bを備え、第一サーボモータ3Aと第二サーボモータ3Bのそれぞれに対応するように第一インバータ回路20Aと第二インバータ回路20Bが設けられている。以下では、第一サーボモータ3Aと第二サーボモータ3Bの両者を区別する必要がない場合には単にサーボモータ3と表記し、第一サーボモータ3Aと第二サーボモータ3Bの両者を区別する必要がある場合には第一サーボモータ3A、第二サーボモータ3Bと表記する。インバータ回路20およびその構成要素についても同様に扱われる。
また、インバータ回路20は、インバータ主回路15を制御するインバータ制御部17を備える。インバータ制御部17は、インバータ主回路15を構成する半導体スイッチング素子16のONおよびOFFを制御する。図1では単一のインバータ制御部17によりインバータ主回路15A,15Bの双方を制御するように示されているが、インバータ主回路15Aに対応するインバータ制御部とインバータ主回路15Bに対応するインバータ制御部とに区分されていてもよい。
インバータ制御部17は、サーボモータ3の電流を検出し、かつ、平滑コンデンサ13の電圧を検出して、半導体スイッチング素子16のONおよびOFFを制御する。
また、インバータ制御部17は、サーボモータ3A,3Bのぞれぞれのエンコーダからの情報をもとに、第一サーボモータ3Aと第二サーボモータ3Bの動作を互いに同期制御する。
サーボモータ3は、図1に示すように、三相交流のサーボモータからなり、それぞれが巻線からなる三つのコイル31u,31v,31wと、コイル31u,31v,31wが巻き回される導電体からなるステータ32(32A,32B)と、を備えている。サーボモータ3は、コイル31u,31v,31wおよびステータ(固定子)32に加えて、ステータ32の内側に回転可能に設けられるロータ(回転子)などを備えているが、図1においては図示が省略されている。第2実施形態も同様である。ロータは永久磁石からなる場合もあればコイル、カゴからなる場合もある。
第一サーボモータ3Aと第二サーボモータ3Bは、双方のステータ32Aとステータ32Bが導体33により電気的に導通されている。この導体33は対地Eに接続されている。
整流器11は、電流を一方向にだけ流す整流作用を有する素子からなり、三相交流電源1から出力される交流電流を直流電流に変換する。整流器11は、例えば一対の整流ダイオードを備え、それらを交互に流れる交流を整流する。一対の整流ダイオードに交流を交互に流すために、例えば、整流器11は一対の整流ダイオードのそれぞれに対応する半導体スイッチング素子を備える。なお、整流器11を回生または発電により電流を電動機側から整流器11の側に供給可能なコンバータと置き換えることも可能である。
平滑コンデンサ13は、整流器11による整流後も発生するリップルを抑え、より直流に近い電流が得られるように信号を平滑化する。整流後に平滑コンデンサ13を挿入することにより、電圧が高い時には蓄電し、電圧が低い時には放電するので、電圧の変動を抑える効果を奏する。
インバータ主回路15は、図1に示すように、サーボモータ3に備えられたu相、v相、w相のコイル31u,31v,31wのそれぞれに対応する半導体スイッチング素子16を含んで構成されている。半導体スイッチング素子16はそれぞれ一対ずつ設けられている。つまり、インバータ主回路15Aにおいて、図中の上側に配置される半導体スイッチング素子16u1,16v1,16w1と、図中の下側に配置される半導体スイッチング素子16u2,16v2,16w2と、に区分されている。また、インバータ主回路15Bにおいて、図中の上側に配置される半導体スイッチング素子16u3,16v3,16w3と、図中の下側に配置される半導体スイッチング素子16u4,16v4,16w4と、に区分されている。なお、半導体スイッチング素子を区別して表記する必要がないときには、半導体スイッチング素子16と総称される。
半導体スイッチング素子16は、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ:Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ:Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、その他の半導体素子から構成できる。
インバータ制御部17は、インバータ主回路15A,15Bを構成する半導体スイッチング素子16uのそれぞれのONおよびOFFを制御する。この制御を通じて、インバータ主回路15A,15Bは、サーボモータ3A,3Bを同期制御させる。
インバータ制御部17は、第一サーボモータ3Aと第二サーボモータ3Bには、互いに逆位相の電流が供給されるように、半導体スイッチング素子16のそれぞれのONおよびOFFを制御する。これは、インバータ制御部17によるインバータ主回路15A,15Bの一方のスイッチング周期を、インバータ主回路15A,15Bの他方のスイッチング動作の周期より半周期の位相分だけ遅らせることにより実現される。
図2に示すように、電動機駆動装置10は、半導体スイッチング素子16u1~16w4のそれぞれに対応して可変遅延器12u1,12v1,12w1,12u2,12v2,12w2,12u3,12v3,12w3,12u4,12v4,12w4が設けられている。可変遅延器12u1~12w4は、インバータ制御部17からのONおよびOFFの指示があった時刻に設定された遅延時間を加算して半導体スイッチング素子16u1~16w4のONおよびOFFを制御する。こうして、可変遅延器12u1~12w4は、半導体スイッチング素子16u1~16w4のそれぞれが同時に動作できるように機能する。可変遅延器12u1~12w4に設定される遅延時間について詳しくは後述される。
なお、可変遅延器12u1~12w4を総称する場合には、可変遅延器12と表記される。コンパレータについても同様である。
図2に示すように、電動機駆動装置10は、半導体スイッチング素子16u1~16w4のそれぞれに対応して、コンパレータ14u1,14v1,14w1,14u2,14v2,14w2,14u3,14v3,14w3,14u4,14v4,14w414u,14v,14wが設けられている。
コンパレータ14u1~14w4は、それぞれの半導体スイッチング素子16u1~16w4で生ずる遅れ時間を計測するために設けられる。半導体スイッチング素子16u1~16w4は同じ仕様で製造されていても、ONの指示を受けてから実際にONするまでの時間、または、OFFの指示を受けてから実際にOFFするまでの時間、つまり遅延時間には個体差がある。そこで、この個体差のある遅延時間を実際に計測し、この計測結果を半導体スイッチング素子16u1~16w4のON/OFFの制御に利用する。
コンパレータ14u1~14w4は半導体スイッチング素子16u1~16w4のそれぞれに並列で接続される。また、半導体スイッチング素子16u1~16w4のそれぞれがONしてトランジスタの主回路が通電したらコンパレータ14u1~14w4が出力するようにしておく。インバータ制御部17から半導体スイッチング素子16u1~16w4に制御指令が出てから、コンパレータ14u1~14w4が出力するまでの時間を、カウンタにより計測することにより、遅延時間が計測される。
コンパレータ14u1~14w4は比較器とも呼ばれ、二つの電圧を比較して1か0を出力する機器であり、入力電圧が一定の値に達したかどうかを検出する場合などに用いられる。
次に、可変遅延器12へ遅延時間を設定する手順を説明する。電動機駆動装置10は、この設定手順が行われた後に、実際の使用に供される。また、電動機駆動装置10の仕様が継続すると、半導体スイッチング素子16の遅延時間が変動することもあるので、電動機駆動装置10の使用を開始した後に、定期または不定期に遅延時間を設定する手順を行ってもよい。この設定手順は、第一ステップ~第三ステップからなる。
計測は第一サーボモータ3Aに対応するインバータ主回路15Aと第二サーボモータ3Bに対応するインバータ主回路15Bのそれぞれについて行われる。インバータ制御部17からそれぞれの半導体スイッチング素子16にONの駆動指令が発信されてから、実際にそれぞれの半導体スイッチング素子16がONするまでの遅延時間(計測遅延時間(ON))が計測される。
また、第一サーボモータ3Aに対応するインバータ主回路15Aと第二サーボモータ3Bに対応するインバータ主回路15Bのそれぞれについて、インバータ制御部17からそれぞれの半導体スイッチング素子16にOFFの駆動指令が発信されてから、実際にそれぞれの半導体スイッチング素子16がOFFするまでの遅延時間(計測遅延時間(OFF))を計測する。
第一ステップで計測されたインバータ主回路15Aおよびインバータ主回路15Aのそれぞれの半導体スイッチング素子の計測遅延時間(ON)、計測遅延時間(OFF)の中で最も長いものを最大計測遅延時間(ON)、最大計測遅延時間(OFF)として抽出する。
なお、次に説明する第三ステップにおいては、最大計測遅延時間(ON)と最大計測遅延時間(OFF)が一致し、最大計測遅延時間(ON)だけを可変遅延器12への設定の対象とするものとして説明する。
可変遅延器12u1~12v4には、対応する半導体スイッチング素子16u1~16v4のそれぞれの計測遅延時間Tdu1(ON)~Tdv4(ON)とTdmax(ON)(=Tdw4(ON))との差が設定遅延時間(ON)とされる。可変遅延器12w4には設定遅延時間(ON)が設定されない。
Tn=Tdmax(ON)-Tdn(On) … 式(1)
∵ Tn : 可変遅延器12u1~12v4の設定遅延時間(ON)
(半導体スイッチング素子16u1~16v2の設定遅延時間(ON))
Tdmax(ON) : Tdw4(ON)
Tdn(ON): Tdu1(ON)~Tdv4(ON)
次に、本実施形態が解消の対象とするノイズについて説明する。
ここで、図3には、本実施形態が対象とするノイズ波形が示されている。このノイズ波形は、単一のサーボモータのものである。インバータ主回路15のスイッチングに同期して、図3に示すように、負側のインパルスノイズNnと正側のインパルスノイズNpが繰り返して現れる。ノイズNnとノイズNpの間隔がスイッチング動作の半周期P/2に相当し、隣接するノイズNnとノイズNnの間隔がスイッチング動作の1周期Pに相当する。
単一のインバータ主回路15とサーボモータ3について、三相交流電源1(例えば、400V)を整流した直流電源(例えば±282V)を想定する。サーボモータ3のコイル31とステータ32の間には、取り付け上の隙間が不可避的に生じ、この隙間が浮遊容量とみなされる。図4(a)は、この浮遊容量を対地E(0V)に対してコンデンサCとして示している。
図4(a)の構成において、インバータ主回路15の上段の三つの半導体スイッチング素子16u,16v,16wの全てをONとする一方、下段の三つの半導体スイッチング素子16u,16v,16wの全てをOFFにしたとする。そうすると、サーボモータ3の電位は+V(例えば+282V)になる。これにより、図5(a)に示すように、コンデンサCにはこの電圧波形の微分波形電流Ipが流れる。
第一サーボモータ3Aが、例えば、大型の射出成形機の射出装置を駆動するサーボモータであれば、対地Eに+20A程度の電流Iが流れるため、大きな正のインパルスノイズが生じる。
図4(a)の構成において、インバータ主回路15の上段の三つの半導体スイッチング素子16u,16v,16wの全てをOFFとする一方、下段の三つの半導体スイッチング素子16u,16v,16wの全てをONにしたとする。そうすると、サーボモータ3の電位は-V(例えば-282V)になる。これにより、図5(b)に示すように、コンデンサCにはこの電圧波形の微分波形電流Inが流れる。
第一サーボモータ3Aが、例えば、大型の射出成形機の射出装置を駆動するサーボモータであれば、対地Eに-20A程度の電流Iが流れるため、大きな負のインパルスノイズが生じる。
いま、図1に示すように、コイル31u,31v,31wの三相の全てに電圧を負荷したままサーボモータ3A,3Bを停止させているものとする。図1では一例として、インバータ主回路15Aの上段の半導体スイッチング素子16u1,16v1,16w1の三つが全てONで、かつ、インバータ主回路15Aの下段の半導体スイッチング素子16u2,16v2,16w2の三つが全てOFFである。また、インバータ主回路15Bの上段の半導体スイッチング素子16u3,16v3,16w3の三つが全てOFFで、かつ、インバータ主回路15Bの下段の半導体スイッチング素子16u4,16v4,16w4の三つが全てONである。
第一サーボモータ3Aと第二サーボモータ3Bの間で漏洩電流が相殺されためには、半導体スイッチング素子16u1~16w4が動作するタイミングにずれがなく一致することが必要である。
次に、第一サーボモータ3Aと第二サーボモータ3Bを同期して駆動する制御を説明する。
本実施形態においては、インバータ主回路15Aにおけるスイッチング動作とインバータ主回路15Bにおけるスイッチング動作の間に半周期の分だけ、つまり180°だけ位相差を設ける。これにより、第一サーボモータ3Aと第二サーボモータ3Bは、互いに逆位相の交流電流が供給され、第一サーボモータ3Aの側で生じるノイズと第二サーボモータ3Bの側で生じるノイズが相殺される。
つまり、本実施形態は、全ての同期すべき半導体スイッチング素子16u1~16w4は、インバータ制御部17が駆動指令信号を発信してからTdmaxに達した時点で同時にON動作することができる。つまり、インバータ制御部17からそれぞれの半導体スイッチング素子16u1~16w4に対して駆動指令を出してインバータ主回路15Aを駆動し第一サーボモータ3Aを回転させるとともに、インバータ主回路15Bで逆相電流を生成する。インバータ主回路15Aおよびインバータ主回路15Bの全ての半導体スイッチング素子16u1~16v4は、計測遅延時間の最も長い半導体スイッチング素子16w4と同じタイミングで駆動するため、漏洩電流と相殺する逆相電流を応答遅れゼロでかつ高精度に出力することができる。これにより漏洩電流の発生を防止できるか、または、漏洩電流を大幅に低減できる。
図1では、高電位側の電圧を+VE、低電位側の電圧を-VEとして示してある。またインバータ主回路15Aの回路が開いている半導体スイッチング素子を高電位側の半導体スイッチング素子16u1,16v1,16w1の三つの素子とし、インバータ主回路15Bで回路が開いている半導体スイッチング素子を低電位側の半導体スイッチング素子16u4,16v4,16w4の三つの素子としている。これにより第一サーボモータ3Aと第二サーボモータ3Bに負荷される電位を等価で符号が正負逆の電位とすることができる。
ただし、本発明のノイズ相殺を可能とするインバータ主回路15Aの高電位側および低電圧側の回路を開く半導体スイッチング素子のそれぞれの個数と、インバータ主回路15Bの高電圧側および低電位側の回路を開く半導体スイッチング素子のそれぞれの個数の好ましい組合せはこの限りではなく、図7に示すような組合せがある。
電源ノイズNpと電源ノイズNnは、上述したスイッチング動作に半周期の分だけ位相差を設けることにより、図6に示すように、生じるタイミンクが一致し同期しており、かつ正負の値が逆である。
サーボモータ3に負荷される電位と対地Eの側の電位差からの静電誘導によりコンデンサCの対地Eの側にそれぞれ誘起されて伝達する漏電電流および電源ノイズNpと電源ノイズNnの相殺には、コンデンサCにおける電荷の挙動が関与する。そこで、図8を参照してこの電荷の挙動について説明する。
電位Epの上昇の過程では、コンデンサCの電源側の電極EL1には正(+)の電荷が集まる。電源側の正の電荷に負(-)の電荷が引き寄せられることで、コンデンサCの対地Eの側の電極EL2には負(-)の電荷が集まる。
電流は電荷の移動(流れ)であり、負の電荷の移動と逆方向に電流が流れるので、電位Epが上昇する過程では、電流IはコンデンサCから対地Eに向けて流れる。
次に、以上で説明したコンデンサへの電荷の挙動に基づくノイズ相殺の作用について、図9を参照して説明する。
図9には、二つの電源側の電位Ep,Enが示されており、一方が基準となり、他方が基準に対して180°だけ位相が遅れており、互いに逆位相をなしている。ここでは、両者の区別を明確にするために、基準となる一方を第一サーボモータ3Aの側とし、他方を第二サーボモータ3Bの側として説明する。また、コンデンサCの数はコイル31u,31v,31wとステータ32との隙間の数と同数存在するが、静電誘導により電荷が誘起されるのはインバータ主回路15で半導体スイッチング素子がONして通電されたコイル31u,31v,31wに対向するコンデンサCのみである。ここで図4では通電されたコイル31u,31v,31wの数を、簡単のため、二つの電源側の電位Ep,Enでそれぞれ一つ、つまり静電誘導により電荷が誘起されるコンデンサCの数をそれぞれ一つとして示す。
しかし、電極EL12と電極EL21にはそれぞれ逆位相の電極EL11と電極EL22の電位による、等価で符号が正負逆のクーロン力によりそれぞれ電荷が引きよせられて蓄えられている。したがって、電源側の電極EL11と電極EL22の電位が逆位相で変化すると、対地Eの側の電極EL12と電極EL21の間に対称な電荷の移動が発生する。
このとき電位Epと電位Enが等価な逆位相で変化しているので、電極EL12と電極EL21の間にはペアを失った不安定な電荷はなく、電極EL12と電極EL21の間で移動する電荷は正負のいずれにも偏ることがない。このため、電荷が対地Eに流出しないので漏洩電流が生じない。
電位Epが上昇している間には、同時に電位Enが下降するが、電位Epの大きさが、電位Enよりも大きいので、電極EL11の正(+)の電荷に引っ張られて負(-)の電荷を奪われた正(+)の電荷の一部が、ペアを失った不安定状態となる。このため、このペアを失った正(+)の電荷はペアとなる負(-)の電荷を求めて対地Eに流出する。
形態1:第一サーボモータ3Aのインバータ主回路15Aおける半導体スイッチング素子の高電位側でONする半導体スイッチング素子と第二サーボモータ3Bのインバータ主回路15Bに低電位側でONする半導体スイッチング素子の数がそれぞれ同一
形態2:第一サーボモータ3Aのインバータ主回路15Aおける半導体スイッチング素子の低電位側でONする半導体スイッチング素子と第二サーボモータ3Bのインバータ主回路15Bに高電位側でONする半導体スイッチング素子の数がそれぞれ同一
つまり、第一サーボモータ3Aの三つのコンデンサCに誘起される正(+)の電荷と負(-)の電荷の正負で相殺した電荷の総和が、第二サーボモータ3Bの三つのコンデンサCに誘起される正(+)の電荷と負(-)の電荷の正負で相殺した電荷の総和と同一であればよい。
ケース1:第一サーボモータ3AのコンデンサCにおいて、対地Eの側に負(-)の電荷が誘起されたコンデンサCが二つであり、正(+)の電荷が誘起されたコンデンサCが一つ。
ケース2:第二サーボモータ3Bにおいて、対地Eの側に負(―)の電荷が誘起されたコンデンサCが一つであり、正(+)の電荷が誘起されたコンデンサCが二つ。
ケース3:第二サーボモータ3Bにおいて、対地Eの側に負(―)の電荷が誘起されたコンデンサCが零(0)個であり、正(+)の電荷が誘起されたコンデンサCが一つ。
第一サーボモータ3Aの各相コイル(31u、31v、31w)とステータの間の各浮遊容量である三つのコンデンサCに誘起される電荷の総和と第二サーボモータ3Bの各相コイル(31u、31v、31w)とステータの間の各浮遊容量である三つのコンデンサCに誘起される電荷の総和が同一であることが最も好ましい。
しかし、第一サーボモータ3Aの三つのコンデンサCに誘起される電荷の総和と第二サーボモータ3Bの三つのコンデンサCに誘起される電荷の総和が同一ではなく、互いの電荷の総和の符号が正負逆となるように第一サーボモータ3Aおよび第二サーボモータ3Bの半導体スイッチング素子16u,16v,16wを制御することでノイズを低減することができる。
ケース4:第一サーボモータ3AのコンデンサCにおいて、対地Eの側に負(-)の電荷が誘起されたコンデンサCが二つであり、正(+)の電荷が誘起されたコンデンサCが一つ。
ケース5:第二サーボモータ3Bにおいて、対地Eの側に負(―)の電荷が誘起されたコンデンサCが零(0)個であり、正(+)の電荷が誘起されたコンデンサCが二つ。
ケース6:第二サーボモータ3Bにおいて、対地Eの側に負(―)の電荷が誘起されたコンデンサCが零(0)個であり、正(+)の電荷が誘起されたコンデンサCが一つ。
ケース7:第二サーボモータ3Bにおいて、対地Eの側に負(―)の電荷が誘起されたコンデンサCが一つであり、正(+)の電荷が誘起されたコンデンサCが一つ。
以上説明した第1実施形態が奏する効果を説明する。
本実施形態において、全ての同期すべき半導体スイッチング素子16u1~16w4が、インバータ制御部17が駆動指令信号を発信してからTdmaxに達した時点で同時にON動作することができる。つまり、インバータ制御部17からそれぞれの半導体スイッチング素子16u1~16w4に対して駆動指令を出してインバータ主回路15Aを駆動し第一サーボモータ3Aを回転させるとともに、インバータ主回路15Bで逆相電流を生成する。インバータ主回路15Aおよびインバータ主回路15Bの全ての半導体スイッチング素子16u1~16v4は、最も計測遅延時間の長い半導体スイッチング素子16w4と同じタイミングで駆動するため、漏洩電流と相殺する逆相電流を応答遅れゼロでかつ高精度に出力することができる。これにより、漏洩電流の発生が防止できるか、または、漏洩電流を大幅に低減できるので、逆補償の発生を抑えることができる。
具体的には、例えば特許文献1の射出用のスクリュを全更新させるサーボモータ(10)や、特許文献2の型締め装置の型開閉用サーボモータ(27)が該当する。特許文献1における一対のサーボモータ(10)はハウジング(7)に、特許文献2における一対の型開閉用サーボモータ(27)は固定盤(1)に、軸対称に組み付けられている。
また、射出成形機について偶数のサーボモータが同相運転する他の用途として、型締装置に用いられる割ナットの開閉用モータ、油圧ポンプの駆動用モータが掲げられる。また、モータの形態として、例えば一つのコイル31uを二本の巻線、四本の巻線から構成される2巻線モータ、4巻線モータにも適用できる。
[適用の対象]
本実施形態は、互いに同期制御される第一サーボモータ3Aと第二サーボモータ3Bの一方の側に逆相電流生成機能を持たせているが、本発明はこれに限定されない。例えば、特許文献3(図5)に開示される逆相電流生成部(23a)のように、電動機を伴わない、3相構成のスイッチング素子(トランジスタ41a,41b,41c,42a,42b,42c)から構成することもできる。
また、本実施形態において、3相交流電動機に電力を供給する場合について説明したが、3相交流電動機の減速時に発生する電力回生時に適用してもよいし、3相交流電動機を発電機として使用する場合に適用してもよい。3相交流電動機に電力供給する場合と電力回生時や発電時に3相交流電動機から電流を供給する場合においては、3相交流電動機をモータ(アクチュエータ)として使用する場合とは電流の向きが逆向きであることを除き、インバータ回路の半導体スイッチング素子16u,16v,16wのONおよびOFFを制御は同様であり、かつ半導体スイッチング素子16u,16v,16wのONおよびOFFによるノイズの発生の様態も同様であるためである。
また、以上では、簡単のため直流電源電圧をON-OFFする単純な方式である2レベルインバータの場合を説明した。しかし、これは一例であり、本発明は、大電力のVVVF制御(可変電圧可変周波数制御)に多用される方式であって、耐電圧の低い素子を使用するために電源の中間電圧レベルを供給する回路方式である3レベルインバータに適用してもよい。3レベルインバータのスイッチング要素群は、高電位側の回路を開くスイッチング要素と低電位側を開くスイッチング要素にそれぞれ更に中間電位を開くスイッチング要素を加えたものである。
本実施形態は、半導体スイッチング素子16u1~16w4の全てについて計測された遅延時間Tdnと最大計測遅延時間Tdmaxから設定遅延時間Tnを求めている。しかし本発明はこれに限定されず、以下にいくつか例示するように、計測を伴わないで、設定遅延時間Tnを設定できる。
また、最大計測遅延時間Tdmaxについても同様であり、使用される半導体スイッチング素子16u1~16w4の仕様から推測されるかまたは経験的に特定される最大遅延時間を用いることができる。最大予測遅延時間は最大計測遅延時間Tdmaxよりも長い値とされるべきである。
D:デッドタイム=各相の上下のトランジスタが同時にONしてショートすることを避ける為の余裕時間
α:半導体スイッチング素子のON/OFFの誤差時間
グループA(図15(b-1)):u相の半導体スイッチング素子16u1、16u2、16u3、16u4からなるグループをグループAとする。このうち半導体スイッチング素子16u1と半導体スイッチング素子16u4を対の関係を有するグループA1、半導体スイッチング素子16u2と半導体スイッチング素子16u3を対の関係を有するグループA2とする。
また、第二形態は、グループA2、B2、C2のいずれか一つあるいは複数のグループのトランジスタの設定遅延時間Tnを2α(μs)ずつ加算した値としてもよい。これにより、電位を下げるトランジスタが同時にONしないため、電位の降下率を緩和させることができる。
ここでコンデンサを通過する交流ノイズの大きさはコンデンサに負荷される電位の変化率に大きく影響を受ける。したがって、以上のように電位の上昇率または降下率が緩和されるとコンデンサを通過する交流ノイズを低減できる。
またこのとき、グループA1の設定遅延時間TnとグループA2の設定遅延時間Tnを2α(μs)だけ異なる値とすることが好ましい。これにより高電位側の半導体スイッチング素子16u,16v,16wをONさせたコイル31u,31v,31wに接続された際の、低電位側の半導体スイッチング素子16u,16v,16wを高精度にOFFさせて、電気回路の短絡を防止できる。
また、一対をなすトランジスタ、例えばグループAにおける半導体スイッチング素子16u1と半導体スイッチング素子16u4は同時に、つまり2α(μs)以内の間に2つの半導体スイッチング素子16u1と半導体スイッチング素子16u4の両方をONに切り替えるか、またはOFFに切り替えることが好ましい。これによりノイズの原因であるスイッチング時の電位を速やかに(2α(μs)以内)に0(零)にすることができる。
但しこの場合、モータのトルク制御=電流制御という目的において決定されるグループA、グループB、グループCのトランジスタのON/OFFタイミングを故意にずらすことになるので、ON/OFFタイミングの遅延は電流制御に対して外乱となる。
また、U相、V相、W相の電流誤差が例えば1.6%と微小の場合には、グループA1,A2,B1,B2,C1,C2のスイッチングタイミングが同時であるとみなすことができる。つまり、スイッチングタイミングが±α以下または±2α以下に近づく。
また、U相、V相、W相の電流誤差が例えば5%以上と大きい場合には、スイッチングタイミングを遅延させずに同一にすることが好ましい。
遅延順組み合わせ:
A→B→C、B→C→A、C→A→B、A→C→B、B→A→C、C→B→A
(1)単純均し:A→B→C、B→C→A、C→A→B
(2)総当たり均し:A→B→C、C→B→A、B→A→C、C→A→B、B→C→A、A→C→B
(3)ランダム均し:例えば、6つの組合せから疑似乱数アルゴリズムにより選択する
αの値の散逸方法としては、例えばα´=α+Asin(2πft) としてα´をαの代替として利用する方法がある。ただし、この方法に限定されない。
また、A、ω、nの代表的な値として、0<A<α、10kHz<f<100MHz、tは実時間でもt=n/N (n:スイッチングの積算回数、N:1秒当たりのスイッチング数)としてもよい。
コイルの巻き回し方向が左巻きのサーボモータと右巻きサーボモータの組み合せであれば、界磁を発生させるコイルの位相を180°だけシフトしたことと等価である。つまり、本発明は、一つの左巻きサーボモータからなるモータ群と一つの右巻きサーボモータからなるモータ群が一組の場合だけでなく、以下の組み合わせを包含する。
例えば、サーボモータの極数がN極だとすると、界磁角の180°は実物のモータロータの回転角180×2/N(°)に相当する。
コイルが巻き回される向きが互いに逆となる第一サーボモータ3Aと第二サーボモータ3Bについて、具体的な電流の供給方法は以下の第1供給方法または第2供給方法とすればよい。
第1供給方法は、図1に示すように、第一サーボモータ3Aが左巻きのコイル31u,31v,31wを用い、第二サーボモータ3Bが右巻きのコイル31u,31v,31wを用いている。つまり、第一サーボモータ3Aのコイル31u,31v,31wと第二サーボモータ3Bのコイル31u,31v,31wは、コイルの巻き回しの向きが逆である。したがって、以下では第一サーボモータ3Aを左巻きの第一サーボモータ3Aといい、第二サーボモータ3Bを右巻きの第二サーボモータ3Bという。このコイルの巻き回しの向きを除くと、第1供給方法は本実施形態と同様の構成を備え、特に第一サーボモータ3Aのステータ32Aと第二サーボモータ3Bのステータ32Bが導体33で電気的に導通されている。
u相→w相とw相→u相 v相→w相とw相→v相
次に、図12を参照して第2供給方法を説明する。
第2供給方法は、左巻きのコイル31u,31v,31wおよび右巻きのコイル31u,31v,31wの全てに電流を供給するところを除けば、第1供給方法と同じである。
以上のように左巻の第一サーボモータ3Aと右巻の第二サーボモータ3Bに逆向きに電流を供給するので、第2供給方法においても、第一サーボモータ3Aと第二サーボモータ3Bには同じ向きにモータトルクが生じ同一方向に回転する。
次に、本実施形態ではコイル31u,31v,31wを一組だけ備えるサーボモータ3を例にして説明した。しかし、本発明はコイル31u,31v,31wを二組、四組など偶数組だけ備えるサーボモータ3に適用しても、コイル31u,31v,31wが一組だけのサーボモータ3と同等の効果が得られる。
例えば一つのサーボモータ3が二組のコイル31u,31v,31wを備える場合には、一組のコイル(α)は左巻きとし、もう一組のコイル(β)は右巻きとする。そして、コイル(α)とコイル(β)には、それぞれに180°の位相差で電流を供給すればよい。
また同様に、例えば一組のコイル(α)は左巻きとし、もう一組のコイル(β)は右巻きとする場合に、コイル(α)とコイル(β)がステータ32に組み付けられる位置を界磁角で180°シフトすればよい。この組み付け位置とは、コイル31u,31v,31w各相の巻線の周方向の配列及び順序をいう。
上述した二組のコイル3に、インバータ主回路15により生成された電流を供給するためのuvw動力ケーブルを束ねることにより、さらにノイズを低減できる。uvw動力ケーブルは、インバータ回路とステータコイルを電気的に連結する導体である。
より緊密な束ね方としては、右巻きのコイル3のu線(R)と左巻きのコイルのu線(L)、同じく右巻きのコイル3のv線(R)と左巻きのコイル3のv線(L)、右巻きのコイル3のw線(R)と左巻のコイル3のw線(L)を束ねる。これにより、u線(R)とu線(L)が、v線(R)とv線(L)が、さらにw線(R)とw線(L)が、互いに磁束が打ち消し合うことよりノイズをより低減できる。
これは、例えばu線(R)とu線(L)には同じ波形の電流が反対向きに流れるからである。v線(R)とv線(L)、w線(R)とw線(L)についても同じである。
さらに、一つのコイル31を二本の巻線により構成する2巻線モータにおいては、例えば一方のコイル31u(R)を右巻きとし他方のコイル31u(L)を左巻きとし、両方のコイル31u(R),31u(L)を同軸上に巻き回すことが好ましい。そうすれば、対地E(ステータ)に対するコイル31u(R)の電位と31u(L)の電位が正負対称とされるので、そのコイルの周囲における合成電位を0V付近にできる。これにより、巻線の側と対地Eの側の電位差からの静電誘導により対地Eの側に誘起されて伝達する漏電電流・ノイズ電流を低減できる。
2巻線モータにおけるコイル31v,31wについても同様である。
4巻線モータにおけるコイル31v,31wについても同様である。
また、同期する複数のサーボモータ3に正確に逆位相の電流を供給して、インバータ主回路15のスイッチングタイミングを同期させるために、既知の方法によってそれぞれのモータドライブ間で基準時間を揃えることが好ましい。例えば、インバータ主回路15を制御可能な一つのホストコンピュータに対し、各モータドライブがシリアルインタフェースを介して直列に接続した構成としておき、接続された各モータドライブの時間同期が可能な機能を持つ、例えばIEEE-802.1AS等のネットワーク時間同期プロトコル等のシリアルインタフェースを使用できる。
また、同期する複数のモータドライブ間で互いの基準クロックの位相情報をフィードバックして交換し合うとともに、PLL(フェーズロックループ)アルゴリズムを用いてモータドライブ間の基準時刻を同期してもよい。
さらに、一つのモータドライブによる基準時間によって、同期対象である複数のインバータ回路を制御してもよい。
次に、図15に示すように、本発明は、第一サーボモータ群LMGと第二サーボモータ群RMGのそれぞれのサーボモータ3の個体数Nが2以上であることを許容する。
図15に示すように、第一サーボモータ群LMGは、それぞれが左巻きの第一サーボモータ3A1と第一サーボモータ3A2を備えている。第一サーボモータ3A1および第一サーボモータ3A2は第1実施形態の第一サーボモータ3Aと同じ構成を備えており、また、第一サーボモータ3A1および第一サーボモータ3A2のそれぞれに対応するインバータ主回路15A1,15A2は第1実施形態のインバータ主回路15Aと同じ構成を備えている。
3 サーボモータ
3A,3A1,3A2 第一サーボモータ
3B,3B1,3B2 第二サーボモータ
10 電動機駆動装置
11 整流器
12u1~12w4 可変遅延器
13 平滑コンデンサ
14u1~14w4 コンパレータ
15,15A,15B,15A1,15A2,15B1,15B2 インバータ主回路
16u1~16w4 半導体スイッチング素子
17 インバータ制御部
20 インバータ回路
20A 第一インバータ回路
20B 第二インバータ回路
31,31u,31v,31w コイル
32,32A,32A1,32A2,32B,32B1,32B2 ステータ
33,33A,33B,33C 導体
C,C1,C11,C12,C2,C21,C22 コンデンサ
D 間隔
E 対地
EL1,EL11,EL12,EL2,EL21,EL22 電極
LMG 第一サーボモータ群
RMG 第二サーボモータ群
Claims (6)
- 交流電源からの電力を受けて駆動する第一電動機と、前記第一電動機の動作を制御する複数の第一スイッチング素子を備える第一素子群と、を有する電動機機能と、
前記第一電動機から対地に流れる零相電流と逆位相となる逆相電流を生成して出力する、複数の第二スイッチング素子を備える逆相電流生成機能と、
複数の前記第一スイッチング素子のそれぞれへの動作指令を出力し、および、前記逆相電流生成機能に前記逆相電流の出力指令を出力する制御機能と、
前記制御機能から前記第一スイッチング素子へと発せられる前記動作指令の受信時から、予め設定された設定遅延時間だけ遅延させて、前記動作指令を複数の前記第一スイッチング素子のそれぞれに伝え、かつ、前記制御機能から前記第二スイッチング素子へと発せられる前記出力指令の受信時から、予め設定された設定遅延時間だけ遅延させて、前記出力指令を複数の前記第二スイッチング素子のそれぞれに伝える遅延機能と、を備え、
複数の前記第一スイッチング素子および複数の前記第二スイッチング素子のそれぞれに固有な前記設定遅延時間をTnとし、
複数の前記第一スイッチング素子についての遅延時間、および、複数の前記第二スイッチング素子についての遅延時間の中の最大値をTdmaxとすると、
Tn≦Tdmaxを満たし、
前記設定遅延時間Tnは、下記の式(1)に基づいて定められる、
電動機駆動装置。
式(1) Tn=Tdmax-Tdn
Tn:複数の前記第一スイッチング素子および複数の前記第二スイッチング素子についてそれぞれ設定される前記設定遅延時間T1,T2,T3…Tn
Tdn:複数の前記第一スイッチング素子および複数の前記第二スイッチング素子のそれぞれの遅延時間Td1,Td2,Td3,…Tdn - 前記遅延機能は、
複数の前記第一スイッチング素子のそれぞれに対応して設けられる第一遅延器と、
複数の前記第二スイッチング素子のそれぞれに対応して設けられる第二遅延器と、を備え、
複数の前記第一遅延器および複数の前記第二遅延器のそれぞれに前記設定遅延時間Tnが設定される、
請求項1に記載の電動機駆動装置。 - 前記逆相電流生成機能は、
前記交流電源からの電力を受けて前記第一電動機と互いに同期して動作する第二電動機を備え、
複数の前記第二スイッチング素子は、前記第二電動機の動作を制御し、
前記制御機能は、
複数の前記第一スイッチング素子と複数の前記第二スイッチング素子とを、互いに逆位相の交流電流が供給されるように制御する、
請求項1または請求項2に記載の電動機駆動装置。 - 前記第一電動機のステータと前記第二電動機のステータとを電気的に導通させ、かつ、接地される導体を備え、
前記制御機能は、
複数の前記第一スイッチング素子からなる第一スイッチング素子群において、高電位側の回路に対応する前記第一スイッチング素子の個数から低電位側の回路に対応する前記第一スイッチング素子の個数を差し引いた第一スイッチング総和数M1と、
複数の前記第二スイッチング素子からなる第二スイッチング素子群において、高電位側の回路に対応する前記第二スイッチング素子の個数から低電位側の回路に対応する前記第二スイッチング素子の個数を差し引いた第二スイッチング総和数M2と、の値を、正(+)と負(-)の符号を逆とするように制御する、
請求項3に記載の電動機駆動装置。 - 前記遅延時間Td1、Td2、Td3、…Tdnは、
複数の前記第一スイッチング素子および複数の前記第二スイッチング素子のそれぞれについて計測された時間に基づいて設定される、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電動機駆動装置。 - 前記遅延時間Td1、Td2、Td3、…Tdnは、
複数の前記第一スイッチング素子および複数の前記第二スイッチング素子の仕様に基づいて設定される、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電動機駆動装置。
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