以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
以下、本開示を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.第3の実施の形態
4.第4の実施の形態
5.第5の実施の形態
6.第6の実施の形態
7.第7の実施の形態
8.第8の実施の形態
9.第9の実施の形態
10.第10の実施の形態
11.第11の実施の形態
12.第12の実施の形態
13.第13の実施の形態
14.第14の実施の形態
15.第15の実施の形態
16.第16の実施の形態
17.第17の実施の形態
18.第18の実施の形態
19.第19の実施の形態
20.第20の実施の形態
21.第21の実施の形態
22.電子機器への適用例
23.固体撮像装置の使用例
24.内視鏡手術システムへの応用例
25.移動体への応用例
<1.第1の実施の形態>
<撮像装置の構成例>
図1を参照して、装置構成の小型化と低背化とを実現しつつ、ゴーストやフレアの発生を抑制する、本開示の第1の実施の形態の撮像装置の構成例について説明する。尚、図1は、撮像装置の側面断面図である。
図1の撮像装置1は、固体撮像素子11、ガラス基板12、IRCF(赤外光カットフィルタ)14、レンズ群16、回路基板17、アクチュエータ18、コネクタ19、およびスペーサ20より構成されている。
固体撮像素子11は、いわゆるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)などからなるイメージセンサであり、回路基板17上で電気的に接続された状態で固定されている。固体撮像素子11は、図4を参照して後述するように、アレイ状に配置された複数の画素より構成され、画素単位で、図中上方よりレンズ群16を介して集光されて入射される、入射光の光量に応じた画素信号を生成し、画像信号として回路基板17を介してコネクタ19より外部に出力する。
固体撮像素子11の図1中の上面部には、ガラス基板12が設けられており、透明の、すなわち、ガラス基板12と略同一の屈折率の接着剤(GLUE)13により貼り合わされている。
ガラス基板12の図1中の上面部には、入射光のうち、赤外光をカットするIRCF14が設けられており、透明の、すなわち、ガラス基板12と略同一の屈折率の接着剤(GLUE)15により貼り合わされている。IRCF14は、例えば、青板ガラスから構成されており、赤外光をカット(除去)する。
すなわち、固体撮像素子11、ガラス基板12、およびIRCF14が、積層され、透明の接着剤13,15により、貼り合わされて、一体的な構成とされて、回路基板17に接続されている。尚、図中の一点鎖線で囲まれた、固体撮像素子11、ガラス基板12、およびIRCF14は、略同一の屈折率の接着剤13,15により貼り合わされて一体化された構成にされているので、以降においては、単に、一体化構成部10とも称する。
また、IRCF14は、固体撮像素子11の製造工程において、個片化された後に、ガラス基板12上に貼り付けられるようにしてもよいし、複数の固体撮像素子11からなるウェハ状のガラス基板12上の全体に大判のIRCF14を貼り付けた後、固体撮像素子11単位で個片化するようにしてもよく、いずれの手法を採用してもよい。
固体撮像素子11、ガラス基板12、およびIRCF14が一体構成された全体を取り囲むようにスペーサ20が回路基板17上に構成されている。また、スペーサ20の上に、アクチュエータ18が設けられている。アクチュエータ18は、円筒状に構成されており、その円筒内部に複数のレンズが積層されて構成されるレンズ群16を内蔵し、図1中の上下方向に駆動させる。
このような構成により、アクチュエータ18は、レンズ群16を、図1中の上下方向(光軸に対して前後方向)に移動させることで、図中の上方となる図示せぬ被写体までの距離に応じて、固体撮像素子11の撮像面上において、被写体を結像させるように焦点を調整することでオートフォーカスを実現する。
<外観概略図>
次に、図2乃至図6を参照して、一体化構成部10の構成につい説明する。図2は、一体化構成部10の外観概略図を示している。
図2に示される一体化構成部10は、下側基板11aと上側基板11bとが積層されて構成されている積層基板からなる固体撮像素子11がパッケージ化された半導体パッケージである。
固体撮像素子11を構成する積層基板の下側基板11aには、図1の回路基板17と電気的に接続するための裏面電極であるはんだボール11eが、複数、形成されている。
上側基板11bの上面には、R(赤)、G(緑)、またはB(青)のカラーフィルタ11cとオンチップレンズ11dが形成されている。また、上側基板11bは、オンチップレンズ11dを保護するためのガラス基板12と、ガラスシール樹脂からなる接着剤13を介してキャビティレス構造で接続されている。
例えば、上側基板11bには、図3のAに示されるように、光電変換を行う画素部がアレイ状に2次元配列された画素領域21と、画素部の制御を行う制御回路22が形成されており、下側基板11aには、画素部から出力された画素信号を処理する信号処理回路などのロジック回路23が形成されている。
あるいはまた、図3のBに示されるように、上側基板11bには、画素領域21のみが形成され、下側基板11aに、制御回路22とロジック回路23が形成される構成でもよい。
以上のように、ロジック回路23または制御回路22及びロジック回路23の両方を、画素領域21の上側基板11bとは別の下側基板11aに形成して積層させることで、1枚の半導体基板に、画素領域21、制御回路22、およびロジック回路23を平面方向に配置した場合と比較して、撮像装置1としてのサイズを小型化することができる。
以下では、少なくとも画素領域21が形成される上側基板11bを、画素センサ基板11bと称し、少なくともロジック回路23が形成される下側基板11aを、ロジック基板11aと称して説明を行う。
<積層基板の構成例>
図4は、固体撮像素子11の回路構成例を示している。
固体撮像素子11は、画素32が2次元アレイ状に配列された画素アレイ部33と、垂直駆動回路34、カラム信号処理回路35、水平駆動回路36、出力回路37、制御回路38、および入出力端子39を含む。
画素32は、光電変換素子としてのフォトダイオードと、複数の画素トランジスタを有して成る。画素32の回路構成例については、図5を参照して後述する。
また、画素32は、共有画素構造とすることもできる。この画素共有構造は、複数のフォトダイオードと、複数の転送トランジスタと、共有される1つのフローティングディフージョン(浮遊拡散領域)と、共有される1つずつの他の画素トランジスタとから構成される。すなわち、共有画素では、複数の単位画素を構成するフォトダイオード及び転送トランジスタが、他の1つずつの画素トランジスタを共有して構成される。
制御回路38は、入力クロックと、動作モードなどを指令するデータを受け取り、また固体撮像素子11の内部情報などのデータを出力する。すなわち、制御回路38は、垂直同期信号、水平同期信号及びマスタクロックに基づいて、垂直駆動回路34、カラム信号処理回路35及び水平駆動回路36などの動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。そして、制御回路38は、生成したクロック信号や制御信号を、垂直駆動回路34、カラム信号処理回路35及び水平駆動回路36等に出力する。
垂直駆動回路34は、例えばシフトレジスタによって構成され、所定の画素駆動配線40を選択し、選択された画素駆動配線40に画素32を駆動するためのパルスを供給し、行単位で画素32を駆動する。すなわち、垂直駆動回路34は、画素アレイ部33の各画素32を行単位で順次垂直方向に選択走査し、各画素32の光電変換部において受光量に応じて生成された信号電荷に基づく画素信号を、垂直信号線41を通してカラム信号処理回路35に供給する。
カラム信号処理回路35は、画素32の列ごとに配置されており、1行分の画素32から出力される信号を画素列ごとにノイズ除去などの信号処理を行う。例えば、カラム信号処理回路5は、画素固有の固定パターンノイズを除去するためのCDS(Correlated Double Sampling:相関2重サンプリング)およびAD変換等の信号処理を行う。
水平駆動回路36は、例えばシフトレジスタによって構成され、水平走査パルスを順次出力することによって、カラム信号処理回路35の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路35の各々から画素信号を水平信号線42に出力させる。
出力回路37は、カラム信号処理回路35の各々から水平信号線42を通して順次に供給される信号に対し、信号処理を行って出力する。出力回路37は、例えば、バファリングだけする場合もあるし、黒レベル調整、列ばらつき補正、各種デジタル信号処理などが行われる場合もある。入出力端子39は、外部と信号のやりとりをする。
以上のように構成される固体撮像素子11は、CDS処理とAD変換処理を行うカラム信号処理回路35が画素列ごとに配置されたカラムAD方式と呼ばれるCMOSイメージセンサである。
<画素の回路構成例>
図5は、画素32の等価回路を示している。
図5に示される画素32は、電子式のグローバルシャッタ機能を実現する構成を示している。
画素32は、光電変換素子としてのフォトダイオード51、第1転送トランジスタ52、メモリ部(MEM)53、第2転送トランジスタ54、FD(フローティング拡散領域)55、リセットトランジスタ56、増幅トランジスタ57、選択トランジスタ58、及び排出トランジスタ59を有する。
フォトダイオード51は、受光量に応じた電荷(信号電荷)を生成し、蓄積する光電変換部である。フォトダイオード51のアノード端子が接地されているとともに、カソード端子が第1転送トランジスタ52を介してメモリ部53に接続されている。また、フォトダイオード51のカソード端子は、不要な電荷を排出するための排出トランジスタ59とも接続されている。
第1転送トランジスタ52は、転送信号TRXによりオンされたとき、フォトダイオード51で生成された電荷を読み出し、メモリ部53に転送する。メモリ部53は、FD55に電荷を転送するまでの間、一時的に電荷を保持する電荷保持部である。
第2転送トランジスタ54は、転送信号TRGによりオンされたとき、メモリ部53に保持されている電荷を読み出し、FD55に転送する。
FD55は、メモリ部53から読み出された電荷を信号として読み出すために保持する電荷保持部である。リセットトランジスタ56は、リセット信号RSTによりオンされたとき、FD55に蓄積されている電荷が定電圧源VDDに排出されることで、FD55の電位をリセットする。
増幅トランジスタ57は、FD55の電位に応じた画素信号を出力する。すなわち、増幅トランジスタ57は定電流源としての負荷MOS60とソースフォロワ回路を構成し、FD55に蓄積されている電荷に応じたレベルを示す画素信号が、増幅トランジスタ57から選択トランジスタ58を介してカラム信号処理回路35(図4)に出力される。負荷MOS60は、例えば、カラム信号処理回路35内に配置されている。
選択トランジスタ58は、選択信号SELにより画素32が選択されたときオンされ、画素32の画素信号を、垂直信号線41を介してカラム信号処理回路35に出力する。
排出トランジスタ59は、排出信号OFGによりオンされたとき、フォトダイオード51に蓄積されている不要電荷を定電圧源VDDに排出する。
転送信号TRX及びTRG、リセット信号RST、排出信号OFG、並びに選択信号SELは、画素駆動配線40を介して垂直駆動回路34から供給される。
画素32の動作について簡単に説明する。
まず、露光開始前に、Highレベルの排出信号OFGが排出トランジスタ59に供給されることにより排出トランジスタ59がオンされ、フォトダイオード51に蓄積されている電荷が定電圧源VDDに排出され、全画素のフォトダイオード51がリセットされる。
フォトダイオード51のリセット後、排出トランジスタ59が、Lowレベルの排出信号OFGによりオフされると、画素アレイ部33の全画素で露光が開始される。
予め定められた所定の露光時間が経過すると、画素アレイ部33の全画素において、転送信号TRXにより第1転送トランジスタ52がオンされ、フォトダイオード51に蓄積されていた電荷が、メモリ部53に転送される。
第1転送トランジスタ52がオフされた後、各画素32のメモリ部53に保持されている電荷が、行単位に、順次、カラム信号処理回路35に読み出される。読み出し動作は、読出し行の画素32の第2転送トランジスタ54が転送信号TRGによりオンされ、メモリ部53に保持されている電荷が、FD55に転送される。そして、選択トランジスタ58が選択信号SELによりオンされることで、FD55に蓄積されている電荷に応じたレベルを示す信号が、増幅トランジスタ57から選択トランジスタ58を介してカラム信号処理回路35に出力される。
以上のように、図5の画素回路を有する画素32は、露光時間を画素アレイ部33の全画素で同一に設定し、露光終了後はメモリ部53に電荷を一時的に保持しておいて、メモリ部53から行単位に順次電荷を読み出すグローバルシャッタ方式の動作(撮像)が可能である。
なお、画素32の回路構成としては、図5に示した構成に限定されるものではなく、例えば、メモリ部53を持たず、いわゆるローリングシャッタ方式による動作を行う回路構成を採用することもできる。
<固体撮像装置の基本構造例>
次に、図6を参照して、固体撮像素子11の詳細構造について説明する。図6は、固体撮像素子11の一部分を拡大して示した断面図である。
ロジック基板11aには、例えばシリコン(Si)で構成された半導体基板81(以下、シリコン基板81という。)の上側(画素センサ基板11b側)に、多層配線層82が形成されている。この多層配線層82により、図3の制御回路22やロジック回路23が構成されている。
多層配線層82は、画素センサ基板11bに最も近い最上層の配線層83a、中間の配線層83b、及び、シリコン基板81に最も近い最下層の配線層83cなどからなる複数の配線層83と、各配線層83の間に形成された層間絶縁膜84とで構成される。
複数の配線層83は、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)などを用いて形成され、層間絶縁膜84は、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜などで形成される。複数の配線層83及び層間絶縁膜84のそれぞれは、全ての階層が同一の材料で形成されていてもよし、階層によって2つ以上の材料を使い分けてもよい。
シリコン基板81の所定の位置には、シリコン基板81を貫通するシリコン貫通孔85が形成されており、シリコン貫通孔85の内壁に、絶縁膜86を介して接続導体87が埋め込まれることにより、シリコン貫通電極(TSV:Through Silicon Via)88が形成されている。絶縁膜86は、例えば、SiO2膜やSiN膜などで形成することができる。
なお、図6に示されるシリコン貫通電極88では、内壁面に沿って絶縁膜86と接続導体87が成膜され、シリコン貫通孔85内部が空洞となっているが、内径によってはシリコン貫通孔85内部全体が接続導体87で埋め込まれることもある。換言すれば、貫通孔の内部が導体で埋め込まれていても、一部が空洞となっていてもどちらでもよい。このことは、後述するチップ貫通電極(TCV:Through Chip Via)105などについても同様である。
シリコン貫通電極88の接続導体87は、シリコン基板81の下面側に形成された再配線90と接続されており、再配線90は、はんだボール11eと接続されている。接続導体87及び再配線90は、例えば、銅(Cu)、タングステン(W)、タングステン(W)、ポリシリコンなどで形成することができる。
また、シリコン基板81の下面側には、はんだボール11eが形成されている領域を除いて、再配線90と絶縁膜86を覆うように、ソルダマスク(ソルダレジスト)91が形成されている。
一方、画素センサ基板11bには、シリコン(Si)で構成された半導体基板101(以下、シリコン基板101という。)の下側(ロジック基板11a側)に、多層配線層102が形成されている。この多層配線層102により、図3の画素領域21の画素回路が構成されている。
多層配線層102は、シリコン基板101に最も近い最上層の配線層103a、中間の配線層103b、及び、ロジック基板11aに最も近い最下層の配線層103cなどからなる複数の配線層103と、各配線層103の間に形成された層間絶縁膜104とで構成される。
複数の配線層103及び層間絶縁膜104として使用される材料は、上述した配線層83及び層間絶縁膜84の材料と同種のものを採用することができる。また、複数の配線層103や層間絶縁膜104が、1または2つ以上の材料を使い分けて形成されてもよい点も、上述した配線層83及び層間絶縁膜84と同様である。
なお、図6の例では、画素センサ基板11bの多層配線層102は3層の配線層103で構成され、ロジック基板11aの多層配線層82は4層の配線層83で構成されているが、配線層の総数はこれに限られず、任意の層数で形成することができる。
シリコン基板101内には、PN接合により形成されたフォトダイオード51が、画素32ごとに形成されている。
また、図示は省略されているが、多層配線層102とシリコン基板101には、第1転送トランジスタ52、第2転送トランジスタ54などの複数の画素トランジスタや、メモリ部(MEM)53なども形成されている。
カラーフィルタ11cとオンチップレンズ11dが形成されていないシリコン基板101の所定の位置には、画素センサ基板11bの配線層103aと接続されているシリコン貫通電極109と、ロジック基板11aの配線層83aと接続されているチップ貫通電極105が、形成されている。
チップ貫通電極105とシリコン貫通電極109は、シリコン基板101上面に形成された接続用配線106で接続されている。また、シリコン貫通電極109及びチップ貫通電極105のそれぞれとシリコン基板101との間には、絶縁膜107が形成されている。さらに、シリコン基板101の上面には、平坦化膜(絶縁膜)108を介して、カラーフィルタ11cやオンチップレンズ11dが形成されている。
以上のように、図2に示される固体撮像素子11は、ロジック基板11aの多層配線層102側と、画素センサ基板11bの多層配線層82側とを貼り合わせた積層構造となっている。図6では、ロジック基板11aの多層配線層102側と、画素センサ基板11bの多層配線層82側とを貼り合わせ面が、破線で示されている。
また、撮像装置1の固体撮像素子11では、画素センサ基板11bの配線層103とロジック基板11aの配線層83が、シリコン貫通電極109とチップ貫通電極105の2本の貫通電極により接続され、ロジック基板11aの配線層83とはんだボール(裏面電極)11eが、シリコン貫通電極88と再配線90により接続されている。これにより、撮像装置1の平面積を、極限まで小さくすることができる。
さらに、固体撮像素子11とガラス基板12との間を、キャビティレス構造にして、接着剤13により貼り合わせることにより、高さ方向についても低くすることができる。
したがって、図1に示される撮像装置1によれば、より小型化した半導体装置(半導体パッケージ)を実現することができる。
以上のような撮像装置1の構成により、IRCF14が、固体撮像素子11、およびガラス基板12上に設けられることになるので、光の内乱反射によるフレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
すなわち、図7の左部で示されるように、IRCF14が、ガラス基板(Glass)12に対して離間して、レンズ(Lens)16とガラス基板12との中間付近に構成される場合、実線で示されるように入射光が集光されて、IRCF14、ガラス基板12、および接着剤13を介して、固体撮像素子(CIS)11に位置F0に入射した後、点線で示されるように位置F0において反射し、反射光が発生する。
位置F0で反射した反射光は、点線で示されるように、その一部が、例えば、接着剤13、およびガラス基板12を介して、ガラス基板12と離間した位置に配置されたIRCF14の背面(図7中の下方の面)R1で反射し、再び、ガラス基板12、および接着剤13を介して、位置F1において、再び固体撮像素子11に入射する。
また、焦点F0で反射した反射光は、点線で示されるように、その他の一部が、例えば、接着剤13、およびガラス基板12、並びに、ガラス基板12と離間した位置に配置されたIRCF14を透過して、IRCF14の上面(図7中の上方の面)R2で反射し、IRCF14、ガラス基板12、および接着剤13を介して、位置F2において、再び固体撮像素子11に入射する。
この位置F1,F2において、再び入射する光が、内乱反射に起因するフレアやゴーストを発生させる。より具体的には、図8の画像P1で示されるように、固体撮像素子11において、照明Lを撮像する際に、反射光R21,R22で示されるような、フレアやゴーストとして現れることになる。
これに対して、図1の撮像装置1の構成と対応する、図7の右部で示されるような撮像装置1のように、IRCF14が、ガラス基板12上に構成されると、実線で示される入射光が集光されて、IRCF14、接着剤15、ガラス基板12、および接着剤13を介して、固体撮像素子11に位置F0で入射した後、点線で示されるように反射する。そして、反射した光は、接着剤13、ガラス基板12、接着剤15、およびIRCF14を介して、レンズ群16上の最下位層のレンズの面R11により反射するが、レンズ群16がIRCF14から十分に離れた位置であるので、固体撮像素子11において十分に受光できない範囲に反射される。
ここで、図中の一点鎖線で囲まれた、固体撮像素子11、ガラス基板12、およびIRCF14は、略同一の屈折率の接着剤13,15により貼り合わされて一体化された一体化構成部10として構成されている。一体化構成部10においては、屈折率が統一されることで、異なる屈折率の層の境界で発生する内乱反射の発生が抑制され、例えば、図7の左部における位置F0の近傍である、位置F1,F2で再入射されることが抑制される。
これにより、図1の撮像装置1は、照明Lを撮像した場合、図8の画像P2で示されるように、画像P1における反射光R21,R22のような、内乱反射に起因するフレアやゴーストの発生が抑制された画像を撮像することができる。
結果として、図1で示される第1の実施の形態の撮像装置1のような構成により、装置構成の小型化および低背化を実現すると共に、内乱反射に起因するフレアやゴーストの発生を抑制することができる。
尚、図8の画像P1は、図7の左部の構成からなる撮像装置1により夜間において照明Lが撮像された画像であり、画像P2は、図7の右部の構成からなる(図1の)撮像装置1により夜間において照明Lが撮像された画像である。
また、以上においては、レンズ群16をアクチュエータ18により図1中において上下方向に移動させることにより被写体までの距離に応じて、焦点距離を調整して、オートフォーカスを実現できる構成を例に説明したが、アクチュエータ18を設けず、レンズ群16による焦点距離を調整せず、いわゆる単焦点レンズとして機能させるようにしてもよい。
<2.第2の実施の形態>
第1の実施の形態においては、IRCF14を固体撮像素子11の撮像面側に貼り付けられたガラス基板12上に貼り付ける例について説明してきたが、さらに、レンズ群16を構成する最下位層のレンズを、IRCF14上に設けるようにしてもよい。
図9は、図1における撮像装置1を構成する複数のレンズからなるレンズ群16のうちの、光の入射方向に対して最下位層となるレンズを、レンズ群16から分離して、IRCF14上に構成するようにした撮像装置1の構成例を示している。尚、図5において、図1における構成と基本的に同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略するものとする。
すなわち、図9の撮像装置1において、図1の撮像装置1と異なる点は、IRCF14の図中の上面において、さらに、レンズ群16を構成する複数のレンズのうちの、光の入射方向に対して最下位層となるレンズ131を、レンズ群16から分離して設けた点である。尚、図9のレンズ群16は、図1のレンズ群16と同一の符号を付しているが、光の入射方向に対して最下位層となるレンズ131が含まれていない点で、厳密には、図1のレンズ群16とは異なる。
図9のような撮像装置1の構成により、IRCF14が、固体撮像素子11上に設けられたガラス基板12上に設けられ、さらに、IRCF14上にレンズ群16を構成する最下位層のレンズ131が設けられることになるので、光の内乱反射によるフレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
すなわち、図10の左部で示されるように、ガラス基板12上にレンズ群16の光の入射方向に対して最下位層となるレンズ131が設けられ、IRCF14が、レンズ131に対して離間して、レンズ群16とレンズ131との中間付近に構成される場合、実線で示される入射光が集光されて、IRCF14、レンズ131、ガラス基板12、および接着剤13を介して、固体撮像素子11に位置F0で入射した後、点線で示されるように位置F0から反射して、反射光が発生する。
位置F0で反射した反射光は、点線で示されるように、その一部が、例えば、接着剤13、ガラス基板12、およびレンズ131を介して、レンズ131と離間した位置に配置されたIRCF14の背面(図2中の下方の面)R31で反射し、レンズ131、ガラス基板12、および接着剤13を介して、位置F11において、再び固体撮像素子11に入射する。
また、焦点F0で反射した反射光は、点線で示されるように、その他の一部が、例えば、接着剤13、ガラス基板12、およびレンズ131、並びに、レンズ131と離間した位置に配置されたIRCF14を透過して、IRCF14の上面(図7中の上方の面)R32で反射し、IRCF14、レンズ131、ガラス基板12、および接着剤13を介して、位置F12において、再び固体撮像素子11に入射する。
この位置F11,F12において、再び入射する光が、固体撮像素子11において、フレアやゴーストとして現れることになる。この点については、図8を参照して説明した画像P1における照明Lの反射光R21,R21が、図7の位置F1,F2において再入射した場合に発生する原理と基本的には同様である。
これに対して、図9の撮像装置1における構成と同様に、図10の右部で示されるように、レンズ群16の最下位層のレンズ131が、IRCF14上に構成されると、実線で示されるように入射光が集光されて、レンズ131、IRCF14、接着剤15、ガラス基板12、および接着剤13を介して、固体撮像素子11に位置F0で入射した後、反射して、点線で示されるように接着剤13、ガラス基板12、接着剤15、IRCF14、およびレンズ131を介して、十分に離れた位置のレンズ群16上の面R41により反射光が発生するが、固体撮像素子11において略受光できない範囲に反射されるので、フレアやゴーストの発生を抑制することができる。
すなわち、固体撮像素子11、接着剤13、ガラス基板12、およびIRCF14は、略同一の屈折率の接着剤13,15により貼り合わされて一体化された構成にされているので、一体化された構成である、図中の一点鎖線で囲まれた一体化構成部10においては、屈折率が統一されることで、異なる屈折率の層の境界で発生する内乱反射の発生が抑制され、例えば、図10の左部で示されるように、位置F0の近傍の位置F11,F12への反射光などの入射が抑制される。
結果として、図10で示される第2の実施の形態の撮像装置1のような構成により、装置構成の小型化および低背化を実現すると共に、内乱反射に起因するフレアやゴーストの発生を抑制することができる。
<3.第3の実施の形態>
第2の実施の形態においては、最下位層のレンズ131をIRCF14上に設ける例について説明してきたが、最下位層のレンズ131とIRCF14とを接着剤により貼り合わせるようにしてもよい。
図11は、最下位層のレンズ131とIRCF14とを接着剤により貼り合わせるようにした撮像装置1の構成例を示している。尚、図11の撮像装置1において、図9の撮像装置1の構成と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。
すなわち、図11の撮像装置1において、図9の撮像装置1と異なる点は、最下位層のレンズ131とIRCF14とを透明の、すなわち、略屈折率が同一の接着剤151により貼り合わせている点である。
図11の撮像装置1のような構成においても、図9の撮像装置1と同様に、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
また、レンズ131の平坦性が大きくない場合、接着剤151を用いずにIRCF14に固定しようとしても、レンズ131の光軸に対してIRCF14がずれてしまう恐れがあるが、レンズ131とIRCF14とが接着剤151により貼り合わされることにより、レンズ131の平坦性が大きくなくても、レンズ131の光軸に対して、ずれがないようにIRCF14を固定することが可能となり、光軸のずれにより生じる画像の歪みの発生を抑制することが可能となる。
<4.第4の実施の形態>
第2の実施の形態においては、光の入射方向に対して最下位層のレンズ131をIRCF14上に設ける例について説明してきたが、最下位層のレンズ131のみならず、レンズ群16の最下位層を構成する複数のレンズ群をIRCF14上に設けるようにしてもよい。
図12は、レンズ群16のうちの、入射方向に対して最下位層を構成する複数のレンズからなるレンズ群をIRCF14上に構成するようにした撮像装置1の構成例を示している。尚、図12の撮像装置1において、図9の撮像装置1の構成と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。
すなわち、図12の撮像装置1において、図9の撮像装置1と異なる点は、レンズ131に代えて、レンズ群16のうちの光の入射方向に対して最下位層を構成する複数のレンズからなるレンズ群171をIRCF14上に設けている点である。尚、図12では、2枚のレンズからなるレンズ群171の例が示されているが、それ以上の数のレンズによりレンズ群171を構成するようにしてもよい。
このような構成においても、図9の撮像装置1と同様に、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
また、レンズ群16を構成する複数のレンズのうちの最下位層を構成する複数のレンズからなるレンズ群171がIRCF14上に構成されるため、レンズ群16を構成するレンズ数を減らすことができ、レンズ群16を軽量化できるので、オートフォーカスに使用されるアクチュエータ18の駆動力量を低減させることが可能となり、アクチュエータ18の小型化と低電力化を実現することが可能となる。
尚、第3の実施の形態の図11の撮像装置1におけるレンズ131を、レンズ群171に代えて、透明の接着剤151でIRCF14に貼り付けるようにしてもよい。
<5.第5の実施の形態>
第2の実施の形態においては、固体撮像素子11上にガラス基板12を接着剤13により貼り付け、ガラス基板12の上にIRCF14を接着剤15により貼り付ける例について説明してきたが、ガラス基板12、接着剤15、およびIRCF14を、ガラス基板12の機能とIRCF14の機能とを併せ持った構成で置き換えて、接着剤13により固体撮像素子11上に貼り付けるようにしてもよい。
図13は、ガラス基板12、接着剤15、およびIRCF14を、ガラス基板12の機能とIRCF14の機能とを併せ持った構成で置き換えて、接着剤13により、固体撮像素子11上に貼り付けて、その上に最下位層のレンズ131を設けるようにした撮像装置1の構成例を示している。尚、図13の撮像装置1において、図9の撮像装置1の構成と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。
すなわち、図13の撮像装置1において、図9の撮像装置1と異なる点は、ガラス基板12およびIRCF14を、ガラス基板12の機能と、IRCF14の機能とを備えたIRCFガラス基板14’に置き換えて、接着剤13により固体撮像素子11上に貼り付け、さらに、IRCF14’上に最下位層のレンズ131を設けるようにした点である。
このような構成においても、図9の撮像装置1と同様に、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
すなわち、現在、固体撮像素子11は、小型化のため、CSP(Chip Size Package)構造と称されるガラス基板12と固体撮像素子11を接着し、ガラス基板を基軸基板として、固体撮像素子11を薄く加工することにより、小型の固体撮像素子の実現が可能となっている。図13においては、IRCFガラス基板14’が、IRCF14の機能と共に、平坦度の高いガラス基板12としての機能も実現することで、低背化を実現することが可能となる。
尚、第1の実施の形態、第3の実施の形態、および第4の実施の形態である、図1、図11、図12の撮像装置1における、ガラス基板12、接着剤15、およびIRCF14を、ガラス基板12の機能と、IRCF14の機能とを備えたIRCFガラス基板14’に置き換えるようにしてもよい。
<6.第6の実施の形態>
第4の実施の形態においては、CSP構造の固体撮像素子11上に接着剤13によりガラス基板12を貼り付け、さらに、ガラス基板12の上に接着剤15によりIRCF14を貼り付け、さらに、IRCF14上にレンズ群16を構成する複数のレンズのうち、最下位層の複数のレンズからなるレンズ群171を設ける例について説明してきたが、CSP構造の固体撮像素子11に代えて、COB(Chip on Board)構造の固体撮像素子11を用いるようにしてもよい。
図14は、図12の撮像装置1における、ガラス基板12およびIRCF14を、ガラス基板12の機能と、IRCF14の機能とを備えたIRCFガラス基板14’に置き換えると共に、CSP構造の固体撮像素子11に代えて、COB(Chip on Board)構造の固体撮像素子11を用いるようにした構成例を示している。尚、図14の撮像装置1において、図12の撮像装置1の構成と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。
すなわち、図14の撮像装置1において、図12の撮像装置1と異なる点は、ガラス基板12およびIRCF14を、ガラス基板12の機能と、IRCF14の機能とを備えたIRCFガラス基板14’に置き換えた点と、CSP構造の固体撮像素子11に代えて、COB(Chip on Board)構造の固体撮像素子91を用いるようにした点である。
このような構成においても、図12の撮像装置1と同様に、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
また、近年、撮像装置1の小型化とともに固体撮像素子11の小型化のためCSP構造が一般的となっているが、CSP構造はガラス基板12またはIRCFガラス基板14’との張り合わせや、固体撮像素子11の端子を受光面の裏側に配線するなど、加工が複雑になるため、COB構造の固体撮像素子11と比較して高価となる。そこで、CSP構造だけでなく、ワイヤボンド92などにより回路基板17と接続されるCOB構造の固体撮像素子91を用いるようにしてもよい。
COB構造の固体撮像素子91を用いることにより、回路基板17への接続を容易なものとすることができるので、加工をシンプルにすることが可能となり、コストを低減させることができる。
尚、第1の実施の形態乃至第3の実施の形態、および第5の実施の形態である図1,図9,図11,図13の撮像装置1におけるCSP構造の固体撮像素子11を、COB(Chip on Board)構造の固体撮像素子11に代えるようにしてもよい。
<7.第7の実施の形態>
第2の実施の形態においては、固体撮像素子11上にガラス基板12を設け、さらに、ガラス基板上にIRCF14を設ける例について説明してきたが、固体撮像素子11上にIRCF14を設け、さらに、IRCF14上にガラス基板12を設けるようにしてもよい。
図15は、ガラス基板12を用いる場合であって、固体撮像素子11上にIRCF14を設け、さらに、IRCF14上にガラス基板12を設けるようにした撮像装置1の構成例を示している。
図15の撮像装置1において、図9の撮像装置1と異なる点は、ガラス基板12とIRCF14とを入れ替えて、透明の接着剤13により固体撮像素子11上にIRCF14を貼り付け、さらに、透明の接着剤15によりIRCF14上にガラス基板12を貼り付けるようにして、そのガラス基板12上にレンズ131を設けるようにした点である。
このような構成においても、図9の撮像装置1と同様に、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
また、IRCF14は、一般に、特性上、温度や外乱による影響により、平坦性が低く、固体撮像素子11上の画像に歪を生じさせる恐れがある。
そこで、IRCF14の両面にコーティングの材料などを塗布するなどして、平坦性を保持させるような特殊な材料を採用したりすることが一般的であるが、これによりコスト高となっていた。
これに対して、図15の撮像装置1においては、平坦性の低いIRCF14を平坦性の高い固体撮像素子11とガラス基板12とで挟み込むことにより、低コストで、平坦性を確保することが可能となり、画像の歪を低減させることが可能となる。
従って、図15の撮像装置1により、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となると共に、IRCF14の特性により生じる画像の歪を抑制することが可能となる。また、平坦性を保持させるような特殊な材料からなるコーティングが不要となるので、コストを低減させることが可能となる。
尚、第1の実施の形態、第3の実施の形態、および第4の実施の形態である図1,図11,図12の撮像装置1においても、ガラス基板12とIRCF14とを入れ替えて接着剤13,15で貼り付けるようにしてもよい。
<8.第8の実施の形態>
第1の実施の形態においては、赤外光をカットする構成としてIRCF14を用いる例について説明してきたが、赤外光をカットすることが可能な構成であれば、IRCF14以外の構成でもよく、例えば、IRCF14に代えて、赤外光カット樹脂を塗布して用いるようにしてもよい。
図16は、IRCF14に代えて、赤外光カット樹脂を用いるようにした撮像装置1の構成例である。尚、図16の撮像装置1において、図1の撮像装置1と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。
すなわち、図16の撮像装置1において、図1の撮像装置1と異なる点は、IRCF14に代えて、赤外光カット樹脂211が設けられている点である。赤外光カット樹脂211は、例えば、塗布されることにより設けられる。
このような構成においても、図1の撮像装置1と同様に、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
また、近年、樹脂の改良が進み、赤外カット効果のあるものが一般的になってきており、赤外光カット樹脂211はCSP型の固体撮像素子11の生産時にガラス基板12に塗布できることが知られている。
尚、第2の実施の形態乃至第4の実施の形態,および第7の実施の形態である、図9,図11,図12,図15の撮像装置1におけるIRCF14に代えて、赤外光カット樹脂211を用いるようにしてもよい。
<9.第9の実施の形態>
第2の実施の形態においては、ガラス基板12を用いる場合、平板のものが固体撮像素子11に空洞などがない密着した状態で設けられる例について説明してきたが、ガラス基板12と固体撮像素子11との間に空洞(キャビティ)を設けるようにしてもよい。
図17は、ガラス基板12と固体撮像素子11との間に空洞(キャビティ)を設けるようにした撮像装置1の構成例を示している。図17の撮像装置1において、図9の撮像装置1の構成と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。
すなわち、図17の撮像装置1において、図9の撮像装置と異なる点は、ガラス基板12に代えて、周囲に凸部231aを備えたガラス基板231が設けられている点である。周囲の凸部231aが固体撮像素子11と当接し、透明の接着剤232により凸部231aが接着されることで、固体撮像素子11の撮像面とガラス基板231との間に空気層からなる空洞(キャビティ)231bが形成される。
このような構成においても、図9の撮像装置1と同様に、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
尚、第1の実施の形態、第3の実施の形態、第4の実施の形態,および第8の実施の形態である、図1,図11,図12,図16の撮像装置1におけるガラス基板12に代えて、ガラス基板231を用いるようにして、接着剤232により凸部231aのみが接着されるようにすることで、空洞(キャビティ)231bが形成されるようにしてもよい。
<10.第10の実施の形態>
第2の実施の形態においては、レンズ群16の最下位層のレンズ131をガラス基板12上に設けられたIRCF14の上に構成する例にしてきたが、ガラス基板12上のIRCF14に代えて、赤外光カット機能を備えた有機多層膜の塗布剤により構成されるようにしてもよい。
図18は、ガラス基板12上のIRCF14に代えて、赤外光カット機能を備えた有機多層膜の塗布剤により構成されるようにした撮像装置1の構成例を示している。
図18の撮像装置1において、図9の撮像装置1と異なる点は、ガラス基板12上のIRCF14に代えて、赤外光カット機能を備えた有機多層膜の塗布剤251により構成されるようにした点である。
このような構成においても、図9の撮像装置1と同様に、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
尚、第1の実施の形態、第3の実施の形態、第4の実施の形態、第7の実施の形態、および第9の実施の形態である、図1,図6,図7,図10,図12の撮像装置1におけるIRCF14に代えて、赤外光カット機能を備えた有機多層膜の塗布剤251を用いるようにしてもよい。
<11.第11の実施の形態>
第10の実施の形態においては、ガラス基板12上のIRCF14に代えて、赤外光カット機能を備えた有機多層膜の塗布剤251上にレンズ群16の最下位層のレンズ131を備えるようにした例について説明してきたが、さらに、レンズ131にAR(Anti Reflection)コートをするようにしてもよい。
図19は、図13の撮像装置1におけるレンズ131にARコートを施すようにした撮像装置1の構成例を示している。
すなわち、図19の撮像装置1において、図18の撮像装置1と異なる点は、レンズ131に代えて、ARコート271aがなされた、レンズ群16の最下位層のレンズ271が設けられている点である。ARコート271aは、例えば、真空蒸着、スパッタリング、またはWETコーティングなどを採用することができる。
このような構成においても、図9の撮像装置1と同様に、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
また、レンズ271のARコート271aにより、固体撮像素子11からの反射光の内乱反射が抑制されるので、より高い精度でフレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
尚、第2の実施の形態、第3の実施の形態、第5の実施の形態、第7の実施の形態、第9の実施の形態、および第10の実施の形態である、図9,図11,図13,図15,図17,図18の撮像装置1におけるレンズ131に代えて、ARコート271aが付されたレンズ271を用いるようにしてもよい。また、第4の実施の形態および第6の実施の形態である、図12,図14の撮像装置1におけるレンズ群171の表面(図中の再上面)にARコート271aと同様のARコートを施すようにしてもよい。
ARコート271aは、以下の膜の単層または多層構造まくであることが望ましい。すなわち、ARコート271aは、例えば、透明なシリコン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系等の樹脂、Si(ケイ素),C(炭素),H(水素)を主成分とする絶縁膜(例えば、SiCH,SiCOH,SiCNH)、Si(ケイ素),N(窒素)を主成分とする絶縁膜(例えば、SiON,SiN)、水酸化シリコン、アルキルシラン、アルコキシシラン、ポリシロキサン等の少なくともいずれかの材料ガスと酸化剤を用いて成膜されるSiO2膜、P-SiO膜、HDP-SiO膜などである。
<12.第12の実施の形態>
第11の実施の形態においては、レンズ131に代えて、AR(Anti Reflection)コート271aが付されたレンズ271を用いるようにした例について説明してきたが、反射防止機能が実現できれば、ARコート以外の構成でもよく、例えば、反射を防止する微小な凹凸構造であるモスアイ構造にするようにしてもよい。
図20は、図19の撮像装置1におけるレンズ131に代えて、モスアイ構造の反射防止機能が付加されたレンズ291を設けるようにした撮像装置1の構成例を示している。
すなわち、図20の撮像装置1において、図18の撮像装置1と異なる点は、レンズ131に代えて、モスアイ構造となるような処理がなされた反射防止処理部291aが施されている、レンズ群16の最下位層のレンズ291が設けられている点である。
このような構成においても、図18の撮像装置1と同様に、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
また、レンズ291には、モスアイ構造となるような処理がなされた反射防止処理部291aにより、固体撮像素子11からの反射光の内乱反射が抑制されるので、より高い精度でフレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。尚、反射防止処理部291aは、反射防止機能を実現できれば、モスアイ構造以外の反射防止処理がなされたものでもよい。
反射防止処理部291aは、以下の膜の単層または多層構造まくであることが望ましい。すなわち、反射防止処理部291aは、例えば、透明なシリコン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系等の樹脂、Si(ケイ素),C(炭素),H(水素)を主成分とする絶縁膜(例えば、SiCH,SiCOH,SiCNH)、Si(ケイ素),N(窒素)を主成分とする絶縁膜(例えば、SiON,SiN)、水酸化シリコン、アルキルシラン、アルコキシシラン、ポリシロキサン等の少なくとも、いずれかの材料ガスと酸化剤を用いて成膜されるSiO2膜、P-SiO膜、HDP-SiO膜などである。
尚、第2の実施の形態、第3の実施の形態、第5の実施の形態、第7の実施の形態、第9の実施の形態、および第10の実施の形態である、図9,図11,図13,図15,図17,図18の撮像装置1におけるレンズ131に代えて、反射防止処理部291aが付されたレンズ291を用いるようにしてもよい。また、第4の実施の形態および第6の実施の形態である、図12,図14の撮像装置1におけるレンズ群171の表面に反射防止処理部291aと同様の反射防止処理を施すようにしてもよい。
<13.第13の実施の形態>
第4の実施の形態においては、IRCF14の上にレンズ群16の最下位層のレンズ131が設けられる例について説明してきたが、赤外光カットの機能と、最下位層のレンズ131と同様の機能とを備えた構成で置き換えるようにしてもよい。
図21は、図9の撮像装置1におけるIRCF14とレンズ群16の最下位層のレンズ131とに代えて、赤外光カット機能と、レンズ群16の最下位層のレンズと同様の機能とを備えた赤外光カットレンズを設けるようにした撮像装置1の構成例を示している。
すなわち、図21の撮像装置1において、図9の撮像装置1と異なる点は、IRCF14とレンズ群16の最下位層のレンズ131に代えて、赤外光カット機能付きの赤外光カットレンズ301が設けられている点である。
このような構成においても、図9の撮像装置1と同様に、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
また、赤外光カットレンズ301は、赤外光カット機能と、レンズ群16の最下位層のレンズ131としての機能とを兼ね備えた構成であるため、IRCF14とレンズ131とをそれぞれ個別に設ける必要がないので、撮像装置1の装置構成を、より小型化および低背化することが可能となる。また、第4の実施の形態である、図12の撮像装置1におけるレンズ群171とIRCF14に代えて、赤外光カット機能と、レンズ群16の最下位層の複数のレンズからなるレンズ群171としての機能とを兼ね備えた赤外光カットレンズに置き換えるようにしてもよい。
<14.第14の実施の形態>
固体撮像素子11の受光面の辺縁部からは、迷光が入り込みやすいことが知られている。そこで、固体撮像素子11の受光面の辺縁部にブラックマスクを施して、迷光の侵入を抑制することでフレアやゴーストの発生を抑制するようにしてもよい。
図22の左部は、図18の撮像装置1におけるガラス基板12に代えて、固体撮像素子11の受光面の辺縁部を遮光するブラックマスク321aを設けたガラス基板321を設けるようにした撮像装置1の構成例を示している。
すなわち、図22の左部の撮像装置1において、図18の撮像装置1と異なる点は、ガラス基板12に代えて、図22の右部で示されるように、辺縁部Z2に遮光膜からなるブラックマスク321aが施されたガラス基板321が設けられている点である。ブラックマスク321aは、フォトリソグラフィなどによりガラス基板321に施される。尚、図22の右部におけるガラス基板321の中心部Z1にはブラックマスクが施されていない。
このような構成においても、図9の撮像装置1と同様に、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
また、ガラス基板321は、辺縁部Z2にブラックマスク321aが施されているので、辺縁部からの迷光の侵入を抑制することができ、迷光に起因するフレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
尚、ブラックマスク321aについては、ガラス基板321のみならず、固体撮像素子11に迷光が入らないようにすることができれば、その他の構成に設けるようにしてもよく、例えば、赤外光カット機能を備えた有機多層膜の塗布剤251やレンズ131に設けられるようにしてもよいし、IRCF14、IRCFガラス基板14’、ガラス基板231、レンズ群171、レンズ271,291、赤外光カット樹脂211、赤外光カットレンズ301等に設けられるようにしてもよい。尚、この際、表面の平坦性が低く、フォトリソグラフィによりブラックマスクを施すことができない場合については、例えば、インクジェットにより平坦性の低い表面にブラックマスクを施すようにしてもよい。
以上の如く、本開示によれば、小型化に伴う光の固体撮像素子からの内乱反射に起因するフレア、およびゴーストを低減することが可能になると共に、撮像装置の性能を落とすことなく、高画素化、高画質化、および小型化を実現することが可能となる。
<15.第15の実施の形態>
以上においては、方形状の固体撮像素子11上にレンズ131,271,291、レンズ群171、または、赤外光カットレンズ301を接着する、または貼り付ける等により接合する例について説明してきた。
しかしながら、方形状のレンズ131,271,291、レンズ群171、および、赤外光カットレンズ301のいずれかが、略同サイズの固体撮像素子11上に接着される、または貼り付けられると、角部近傍が剥がれ易くなり、レンズ131の角部の剥がれにより、入射光が固体撮像素子11に適切に入射せず、フレアやゴーストが発生してしまう恐れがある。
そこで、方形状のレンズ131,271,291、レンズ群171、および、赤外光カットレンズ301のいずれかが、固体撮像素子11に接着される、または、貼り付けられる場合、固体撮像素子11の外形寸法よりも小さな外形寸法に設定し、さらに、レンズの中央付近に有効領域を設定すると共に外周部に非有効領域を設定することにより、剥がれ難く、または、端部が多少剥がれても有効に入射光を集光できるようにしてもよい。
すなわち、レンズ131が、固体撮像素子11上に設けられたガラス基板12に接着される、または、貼り付けられる場合、例えば、図23で示されるように、レンズ131の外形寸法を固体撮像素子11上のガラス基板12よりも小さくし、かつ、レンズ131の外周部に非有効領域131bが設定され、その内側に有効領域131aが設定されるようにする。尚、固体撮像素子11上には、ガラス基板12に代えてガラス基板231が設けられるようにしてもよい。
また、図23の構成は、図9における撮像装置1の一体化構成部10内のIRCF14と接着剤15が省略された構成となっているが、説明の便宜上省略したのみであり、当然のことながらレンズ131とガラス基板12との間に設けられるようにしてもよいものである。
さらに、ここで、有効領域131aとは、レンズ131の入射光が入射する領域のうち、非球面形状であって、固体撮像素子11の光電変換可能な領域に入射光を集光するように有効に機能する領域である。換言すれば、有効領域131aは、非球面形状のレンズ構造が形成された同心円状の構造であって、レンズ外周部と外接する領域であって、入射光を固体撮像素子11の光電変換可能な撮像面に集光する領域である。
一方、非有効領域131bとは、レンズ131に入射する入射光を、必ずしも、固体撮像素子11において光電変換される領域に集光するレンズとして機能しない領域である。
ただし、非有効領域131bにおいて、有効領域131aとの境界においては、一部非球面形状のレンズとして機能する構造を延長した構造とすることが望ましい。このように、レンズとして機能する構造が、非有効領域131bであって、有効領域131aとの境界付近に延長して設けられることにより、レンズ131が固体撮像素子11上のガラス基板12に接着される、または、貼り付けられるときに位置ズレが生じても適切に入射光を固体撮像素子11の撮像面に集光させることが可能となる。
尚、図23においては、固体撮像素子11上のガラス基板12のサイズが垂直方向(Y方向)に高さVs×水平方向(X方向)に幅Hsであり、固体撮像素子11上のガラス基板12の内側に、固体撮像素子11(ガラス基板12)よりも小さい、垂直方向に高さVn×水平方向に幅Hnのサイズからなるレンズ131が、中央部分に接着される、または貼り付けられる。さらに、レンズ131の外周部には、レンズとして機能しない非有効領域131bが設定され、その内側に垂直方向に高さVe×水平方向に幅Heのサイズからなる有効領域131aが設定される。
換言すれば、水平方向の幅、および垂直方向の高さのいずれにおいても、レンズ131の有効領域131aの幅および長さ<非有効領域131bの幅および長さ<固体撮像素子11(上のガラス基板12)の外形サイズの幅および長さの関係となり、レンズ131、有効領域131aおよび非有効領域131bのそれぞれの中心位置は略同一である。
また、図23においては、図中上部に固体撮像素子11上のガラス基板12にレンズ131を接着、または貼り付けたときの光の入射方向側から見た上面図が示されており、図中左下部に、固体撮像素子11上のガラス基板12にレンズ131を接着、または貼り付けたときの外観斜視図が示されている。
さらに、図23の図中右下部には、固体撮像素子11上のガラス基板12にレンズ131を接着、または貼り付けたときの外観斜視図の端部におけるレンズ131の側面部とガラス基板12との境界B1、非有効領域131bの外側の境界B2、および有効領域131aの外側と非有効領域131bの内側との境界B3が示されている。
ここで、図23においては、レンズ131の側面端部は、固体撮像素子11上のガラス基板12に対して垂直である例が示されている。このため、図23の上面図においては、非有効領域131bの外側境界B2は、レンズ131の上面部に形成され、有効領域131aと非有効領域131bとの境界B1とは、レンズ131の下面部に形成されるため、同一のサイズとされる。これにより、図23の上部においては、レンズ131の外周部(境界B1)と、非有効領域131bの外周部(境界B2)とは同一の外形として表現される。
このような構成により、レンズ131の外周部となる側面と、固体撮像素子11上のガラス基板12の外周部との間には空間ができるので、レンズ131の側面部と他の物体との干渉を抑制することが可能となり、固体撮像素子11上のガラス基板12から剥がれ難くい構成とすることが可能となる。
また、レンズ131の有効領域131aが、非有効領域131b内に設定されることにより、周辺部が多少剥がれるようなことがあっても、適切に入射光を固体撮像素子11の撮像面に集光させることが可能となる。また、レンズ131の剥がれが発生すると界面反射が大きくなり、フレアやゴーストが悪化するので、剥がれを抑制することで、結果として、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
尚、図23においては、レンズ131が固体撮像素子11上のガラス基板12に接着される、または、貼り付けられる例について説明してきたが、当然のことながら、レンズ271,291、レンズ群171、および、赤外光カットレンズ301のいずれであってもよい。
<レンズの外形形状の変形例>
以上においては、レンズ131の中央部に有効領域131aが設定され、その外周部に非有効領域131bが設定され、さらに、有効領域131aは、固体撮像素子11(上のガラス基板12)の外周サイズよりも小さなサイズとする例であって、レンズ131の外形形状の四隅がいずれも鋭角状の形状により構成される例について説明してきた。
しかしながら、レンズ131のサイズが固体撮像素子11(上のガラス基板12)のサイズよりも小さく設定され、レンズ131の中央部に有効領域131aが設定されて、その外周部に非有効領域131bが設定されれば、外形形状は、その他の形状であってもよい。
すなわち、図24の左上部(図23に対応)で示されるように、レンズ131の外形形状における四隅の領域Z301は、鋭角状の形状から構成されるようにしてもよい。また、図24の右上部のレンズ131’で示されるように、四隅の領域Z302は、鈍角からなる多角形のような形状であってもよい。
また、図24の左中部のレンズ131’’で示されるように、外形形状における四隅の領域Z303が、円形のような形状であってもよい。
さらに、図24の右中部のレンズ131’’’で示されるように、外形形状における四隅の領域Z304が、四隅から小さな方形部が突出した形状であってもよい。また、突出した形状は、方形以外の形状であってもよく、例えば、円形、楕円形、多角形等の形状であってもよい。
また、図24の左下部のレンズ131’’’’で示されるように、外形形状における四隅の領域Z305が、方形状に凹んだ形状であってもよい。
さらに、図24の右下部のレンズ131’’’’’で示されるように、有効領域131aは方形状とし、非有効領域131bの外周部は円形とするようにしてもよい。
すなわち、レンズ131の角部は、鋭角であるほどガラス基板12に対して剥がれ易くなり、光学的に悪影響を及ぼす恐れがある。そこで、図24のレンズ131’乃至131'''''で示されるように、角部を、90度よりも鈍角となる多角形からなる形状、ラウンド状、凹部、または凸部を付与した形状等にすることで、レンズ131を、ガラス基板12から剥がれ難い構成とし、光学的に悪影響を及ぼすリスクを低減させることが可能となる。
<レンズ端部の構造の変形例>
以上においては、レンズ131の端部が、固体撮像素子11の撮像面に対して垂直に形成される例について説明してきた。しかしながら、レンズ131のサイズが固体撮像素子11のサイズよりも小さく設定され、レンズ131の中央部に有効領域131aが設定されて、その外周部に非有効領域131bが設定されれば、その他の形状で形成されていてもよい。
すなわち、図25の左上部で示されるように、非有効領域131bにおける、有効領域131aとの境界において、非球面のレンズとしての有効領域131aと同様の構成が延長され、非有効領域131bの端部Z331で示されるように、端部が垂直に形成されてもよい(図23の構成に対応)。
また、図25の左から2番目の上部で示されるように、非有効領域131bにおける、有効領域131aとの境界において、非球面のレンズとしての有効領域131aと同様の構成が延長され、非有効領域131bの端部Z332で示されるように、端部がテーパ形状に形成されてもよい。
さらに、図25の左から3番目の上部で示されるように、非有効領域131bにおける、有効領域131aとの境界において、非球面のレンズとしての有効領域131aと同様の構成が延長され、非有効領域131bの端部Z333で示されるように、端部がラウンド状に形成されてもよい。
また、図25の右上部で示されるように、非有効領域131bにおける、有効領域131aとの境界において、非球面のレンズとしての有効領域131aと同様の構成が延長され、非有効領域131bの端部Z334で示されるように、端部が多段構造の側面として形成されてもよい。
さらに、図25の左下部で示されるように、非有効領域131bにおける、有効領域131aとの境界において、非球面のレンズとしての有効領域131aと同様の構成が延長され、非有効領域131bの端部Z335で示されるように、端部に水平方向の平面部を備え、有効領域131aよりも、入射光の入射方向と対向する方向に突出した土手状の突出部が形成された上で、突出部の側面が垂直に形成されてもよい。
また、図25の左から2番目の下部で示されるように、非有効領域131bにおける、有効領域131aとの境界において、非球面のレンズとしての有効領域131aと同様の構成が延長され、非有効領域131bの端部Z336で示されるように、端部に水平方向の平面部を備え、有効領域131aよりも、入射光の入射方向と対向する方向に突出した土手状の突出部が形成された上で、突出部の側面がテーパ形状に形成されてもよい。
さらに、図25の左から3番目の下部で示されるように、非有効領域131bにおける、有効領域131aとの境界において、非球面のレンズとしての有効領域131aと同様の構成が延長され、非有効領域131bの端部Z337で示されるように、端部に水平方向の平面部を備え、有効領域131aよりも、入射光の入射方向と対向する方向に突出した土手状の突出部が形成された上で、突出部の側面がラウンド形状に形成されてもよい。
また、図25の右下部で示されるように、非有効領域131bにおける、有効領域131aとの境界において、非球面のレンズとしての有効領域131aと同様の構成が延長され、非有効領域131bの端部Z338で示されるように、端部に水平方向の平面部を備え有効領域131aよりも、入射光の入射方向と対向する方向に突出した土手状の突出部が形成された上で、突出部の側面が多段構造に形成されてもよい。
尚、図25の上段には、レンズ131の端部に水平方向の平面部を備え、有効領域131aよりも、入射光の入射方向と対向する方向に突出した土手状の突出部が設けられていない構造例が示され、下段には、レンズ131の端部に水平方向の平面部を備えた突出部が設けられていない構造例が示されている。また、図25の上段および下段は、いずれも左から順に、レンズ131の端部がガラス基板12に対して垂直に構成された例、端部がテーパ形状に構成された例、端部がラウンド形状に構成された例、および端部が複数の側面が多段に構成された例が示されている。
また、図26の上部で示されるように、非有効領域131bにおける、有効領域131aとの境界において、非球面のレンズとしての有効領域131aと同様の構成が延長され、非有効領域131bの端部Z351で示されるように、突出部がガラス基板12に対して垂直に形成され、さらに、固体撮像素子11上のガラス基板12との境界に方形状の境界構造Esを残すように構成するようにしてもよい。
さらに、図26の下部で示されるように、非有効領域131bにおける、有効領域131aとの境界において、非球面のレンズとしての有効領域131aと同様の構成が延長され、非有効領域131bの端部Z352で示されるように、突出部がガラス基板12に垂直に形成され、さらに、固体撮像素子11上のガラス基板12との境界にラウンド形状の境界構造Erを残すように構成するようにしてもよい。
方形状の境界構造Esおよびラウンド形状の境界構造Erについては、いずれにおいても、レンズ131とガラス基板12との接触面積を増大させることにより、レンズ131とガラス基板12とをより密着させて接合させることが可能となり、結果として、レンズ131のガラス基板12からの剥がれを抑制することが可能となる。
尚、方形状の境界構造Esおよびラウンド形状の境界構造Erについては、端部がテーパ形状に形成される場合、ラウンド形状に形成される場合、および多段構造に形成される場合のいずれにおいて使用するようにしてもよい。
また、図27で示されるように、非有効領域131bにおける、有効領域131aとの境界において、非球面のレンズとしての有効領域131aと同様の構成が延長され、非有効領域131bの端部Z371で示されるように、レンズ131の側面がガラス基板12に垂直に形成され、さらに、その外周部のガラス基板12上にレンズ131と略同一の高さで、所定の屈折率の屈折膜351が構成されるようにしてもよい。
これにより、例えば、屈折膜351が所定の屈折率よりも高屈折率である場合、図27の上部の実線の矢印で示されるように、レンズ131の外周部からの入射光がある場合、レンズ131の外側に反射すると共に、点線の矢印で示されるように、レンズ131の側面部への入射光を低減する。結果として、レンズ131への迷光の侵入を抑制するので、フレアやゴーストの発生を抑制する。
また、屈折膜351が所定の屈折率よりも低屈折率である場合、図27の下部の実線の矢印で示されるように、固体撮像素子11の入射面に入射せず、レンズ131の側面からレンズ131外に透過しようとする光を透過させると共に、点線の矢印で示されるように、レンズ131の側面からの反射光を低減させる。結果として、レンズ131への迷光の侵入を抑制するので、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
さらに、図27においては、屈折膜351は、ガラス基板12上のレンズ131と同一の高さに、かつ、端部が垂直に形成される例について説明してきたが、それ以外の形状であってもよい。
例えば、図28の左上部の領域Z391で示されるように、屈折膜351は、ガラス基板12上の端部にテーパ形状が形成され、かつ、レンズ131の端部の高さよりも高い厚みを持った構成とするようにしてもよい。
また、例えば、図28の中央上部の領域Z392で示されるように、屈折膜351は、端部にテーパ形状が形成され、かつ、レンズ131の端部の高さよりも高くなるような厚みを持った構成とし、さらに、一部がレンズ131の非有効領域131bに被るような構成にしてもよい。
さらに、例えば、図28の右上部の領域Z393で示されるように、屈折膜351は、レンズ131の端部の高さからガラス基板12の端部にかけてテーパ形状が形成される構成にしてもよい。
また、例えば、図28の左下部の領域Z394で示されるように、屈折膜351は、ガラス基板12の端部にテーパ形状が形成され、かつ、レンズ131の端部の高さよりも低い厚みを持った構成にしてもよい。
さらに、例えば、図28の右下部の領域Z395で示されるように、屈折膜351は、レンズ131の端部の高さよりもガラス基板12に向かって凹状で、かつ、ラウンド形状に形成される構成にしてもよい。
図27,図28のいずれの構成においても、レンズ131への迷光の侵入を抑制するので、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
<16.第16の実施の形態>
以上においては、レンズ131がガラス基板12に対して剥がれ難い構成にしたり、迷光の侵入を抑制する構成にすることで、フレアやゴーストを低減する例について説明してきたが、加工に際して発生する接着剤のバリを抑制する構成にすることで、フレアやゴーストを低減するようにしてもよい。
すなわち、図29の上段で示されるように、固体撮像素子11上にIRCF14が形成され、IRCF14上に接着剤15によりガラス基板12が接着される構成の場合(例えば、図15の第7の実施の形態の構成の場合)について考える。尚、図29の構成は、図15の撮像装置1における一体化構成部10におけるレンズ以外の構成に対応する。
この場合、IRCF14は、所定の厚さの膜厚が必要となるが、一般的にIRCF14の材料の高粘度化は困難であり、一度に所望の膜厚を形成することはできない。しかしながら、重ね塗りを行うと、マイクロボイドや泡がみが発生してし、光学特性を劣化させてしまう恐れがあった。
また、ガラス基板12は、固体撮像素子11上にIRCF14が形成された後、接着剤15により接着されることになるが、IRCF14の硬化収縮により、反りが生じるため、ガラス基板12とIRCF14との接合不良が発生する恐れがある。さらに、ガラス基板12のみではIRCF14の反りを強制できず、デバイス全体として反りが生じて、光学特性を劣化させる恐れがあった。
さらに、特に、接着剤15を介して、ガラス基板12とIRCF14とが接合される場合、個片化に際して、図29の上部の範囲Z411で示されるように、接着剤15に起因する樹脂バリが発生してしまい、ピックアップ等、実装時において工作精度を低減させてしまう恐れがあった。
そこで、図29の中部で示されるように、IRCF14をIRCF14-1,14-2のとするように2分割し、IRCF14-1,14-2間を接着剤15により接着する。
このような構成により、IRCF14-1,14-2の成膜に際しては、それぞれを分割して薄く製膜することが可能となるので、所望とする分光特性を得るための厚膜形成が容易(分割形成)となる。
また、ガラス基板12を固体撮像素子11に接合する際、固体撮像素子11上の段差(PAD等のセンサ段差)をIRCF14-2で平坦化して接合することができるので、接着剤15を薄膜化することが可能となり、結果として撮像装置1を低背化することが可能となる。
さらに、ガラス基板12と固体撮像素子11とのそれぞれに形成されたIRCF14-1,14-2により、反りが相殺され、デバイスチップの反りを低減することが可能となる。
また、ガラスの弾性率は、IRCF14-1,14-2よりも高い。IRCF14-1,14-2の弾性率を、接着剤15の弾性率よりも高くすることで、個片化時に低弾性の接着剤15の上下を、接着剤15よりも弾性率の高いIRCF14-1,14-2で覆うことになるので、図29の上部の範囲Z412で示されるように、個片化(Expand)時の樹脂バリの発生を抑制することが可能となる。
さらに、図29の下部で示されるように、接着剤としての機能を備えたIRCF14’-1、14’-2を形成し、相互に対向するようにして直接貼り合わせるようにしてもよい。このようにすることで、個片化時に生じる接着剤15の樹脂バリの発生を抑制することができる。
<製造方法>
次に、図30を参照して、図29の中部で示される固体撮像素子11に対して、IRCF14-1,14-2により接着剤15を挟んで、ガラス基板12を接合する製造方法について説明する。
第1の工程において、図30の左上部で示されるように、ガラス基板12に対して、IRCF14-1が塗布されて形成される。また、固体撮像素子11に対して、IRCF14-2が塗布されて形成される。尚、図30の左上部においては、ガラス基板12は、IRCF14-2が塗布されて形成された後、上下が反転された状態で描かれている。
第2の工程において、図30の中央上部で示されるように、IRCF14-2上に接着剤15が塗布される。
第3の工程において、図30の右上部で示されるように、図30の中央上部で示された接着剤15上に、ガラス基板12のIRCF14-1が、接着剤15が塗布された面に対向するように貼り合わせられる。
第4の工程において、図30の左下部で示されるように、固体撮像素子11の裏面側に電極が形成される。
第5の工程において、図30の中央下部で示されるように、ガラス基板12が研磨により薄膜化される。
そして、第5の工程の後に、ブレード等により端部が切断されることにより、個片化されて、撮像面にIRCF14-1,14-2が積層され、さらに、その上にガラス基板12が形成された固体撮像素子11が完成される。
以上の工程により、接着剤15が、IRCF14-1,14-2に挟み込まれることになるので、個片化に伴うバリの発生を抑制することが可能となる。
また、IRCF14-1,14-2は、必要な膜厚をそれぞれ半分ずつ形成することが可能となり、重ね塗りが必要な厚さを薄くすることができる、または、重ね塗りが不要となるので、マイクロボイドや泡がみの発生を抑制してし、光学特性の劣化を低減することが可能となる。
さらに、IRCF14-1,14-2のそれぞれの膜厚が薄くなるので、硬化収縮による反りを低減させることが可能となり、ガラス基板12とIRCF14との接合不良の発生を抑制することが可能となり、反りに起因する光学特性の劣化を抑制させることが可能となる。
尚、図29の下部で示されるように、接着剤の機能を備えたIRCF14’-1,14’-2が用いられる場合については、接着剤15を塗布する工程が省略されるのみであるので、その説明は省略する。
<個片化後の側面形状の変形例>
上述した製造方法により、IRCF14-1,14-2が形成され、さらに、ガラス基板12が形成された固体撮像素子11を個片化するにあたっては、端部をブレードなどにより側面断面が撮像面に対して垂直に切断されることが前提とされている。
しかしながら、固体撮像素子11上に形成されるIRCF14-1,14-2、およびガラス基板12の側面断面の形状を調整することにより、ガラス基板12、IRCF14-1,14-2、および接着剤15に起因する脱落ゴミによる影響を、さらに低減させるようにしてもよい。
例えば、図31の左上部で示されるように、固体撮像素子11の水平方向の外形形状が最も大きく、ガラス基板12、IRCF14-1,14-2、および接着剤15がいずれも等しく、かつ、固体撮像素子11よりも小さくなるように側面断面が形成されてもよい。
さらに、図31の右上部で示されるように、固体撮像素子11の水平方向の外形形状が最も大きく、IRCF14-1,14-2および接着剤15の外形形状が等しく、かつ、固体撮像素子11の次に大きく、ガラス基板12の外形形状が最も小さくなるように側面断面が形成されてもよい。
また、図31の左下部で示されるように、水平方向の外形形状が大きい順に、固体撮像素子11、IRCF14-1,14-2、接着剤15、ガラス基板12となるように、側面断面が形成されてもよい。
また、図31の右下部で示されるように、固体撮像素子11の水平方向の外形形状が最も大きく、次に、ガラス基板12の外形形状が大きく、IRCF14-1,14-2および接着剤15の外形形状が等しく、かつ、最も小さくなるように側面断面が形成されてもよい。
<図31の左上部の個片化方法>
次に、図32を参照して、図31の左上部の個片化方法について説明する。
図32の上段においては、図31の左上部で示される側面断面を説明する図が示されている。すなわち、図32の上段においては、固体撮像素子11の水平方向の外形形状が、最も大きく、その次に、ガラス基板12、IRCF14-1,14-2、および接着剤15がいずれも等しく大きく、固体撮像素子11よりも小さい側面断面が示されている。
ここで、図32の中段を参照して、図31の左上部で示される側面断面の形成方法について説明する。尚、図32の中段は、個片化により切断される、隣接する固体撮像素子11の境界を側面から見た拡大図である。
第1の工程において、隣接する固体撮像素子11の境界において、所定の幅Wb(例えば、100μm程度)のブレードにより、ガラス基板12、並びにIRCF14-1,14-2および接着剤15からなる範囲Zbが、IRCF14-1の表層から深さLc1まで切り込まれる。
ここで、図32の中央部において、IRCF14-1の表層から深さLcとなる位置は、固体撮像素子11の表層であって、CuCu接合等により形成された配線層11Mまでの位置とされているが、固体撮像素子11の表層に達していればよい。したがって、深さLc1については、図6の半導体基板81の表層まで切り込まれるようにしてもよい。
また、図32の中央部で示されるように、ブレードは、一点鎖線で示される、隣接する固体撮像素子11の中心位置にセンタリングされた状態で境界に切り込まれる。また、図中において、幅WLAは、隣接する2個の固体撮像素子11の端部に形成される配線層が形成される幅である。さらに、固体撮像素子11の一方のチップのスクライブラインの中央までの幅が幅Wcであり、ガラス基板12の端部までの幅が幅Wgである。
さらに、範囲Zbは、ブレードの形状に対応しており、上部がブレードの幅Wbとされ、下部が半球面状の形状で表現されているが、ブレードの形状に対応する。
第2の工程において、例えば、固体撮像素子11のSi基板(図6の半導体基板81)はドライエッチング、レーザダイシング、またはブレードにより、ガラス基板12を切り込んだブレードよりも薄い所定の幅Wd(例えば、35μm程度)からなる範囲Zhが切断されることにより、固体撮像素子11が個片化される。ただし、レーザダイシングの場合については、幅Wdは略ゼロとなる。また、切断形状は、ドライエッチング、レーザダイシング、またはブレードにより所望の形状に調整することができる。
結果として、図32の下段で示されるように、固体撮像素子11の水平方向の外形形状が最も大きく、ガラス基板12、IRCF14-1,14-2、および接着剤15がいずれも等しく、かつ、固体撮像素子11よりも小さくなるように側面断面が形成される。
尚、図32の下段においては、範囲Z431で示されるように、IRCF14-2の固体撮像素子11との境界付近の水平方向の一部が、IRCF14-1の水平方向の幅よりも広く描かれており、図32の上段におけるガラス基板12、IRCF14-1,14-2、および接着剤15の側面断面の形状とは異なる。
しかしながら、ブレードによる切断形状をデフォルメして描いた結果であり、ドライエッチング、レーザダイシング、またはブレードにより切断形状を調整することで、実質的に、図32の下段における構成と、図32の上段における構成とは同一とすることができる。
また、範囲Zhによる固体撮像素子11を形成するSi基板(図6の半導体基板81)を切断する処理は、範囲Zbの切り込み作業よりも先に実行するようにしてもよく、この際、図32の中段で示される状態に対して、上下反転した状態で作業がなされるようにしてもよい。
さらに、配線層はブレードダイシング時にクラックや、膜剥がれを起こしやすいので、範囲Zhについては、短パルスレーザでのアブレーション加工により切り込むようにしてもよい。
<図31の右上部の個片化方法>
次に、図33を参照して、図31の右上部の個片化方法について説明する。
図33の上段においては、図31の右上部で示される側面断面を説明する図が示されている。すなわち、図33の上段においては、固体撮像素子11の水平方向の外形形状が最も大きく、IRCF14-1,14-2および接着剤15の外形形状が等しく、かつ、固体撮像素子11の次に大きく、ガラス基板12の外形形状が最も小さくなるように形成された側面断面が示されている。
ここで、図33の中段を参照して、図31の右上部で示される側面断面の形成方法について説明する。尚、図33の中段は、個片化により切断される、隣接する固体撮像素子11の境界を側面から見た拡大図である。
第1の工程において、所定の幅Wb1(例えば、100μm程度)のブレードにより、ガラス基板12、並びにIRCF14-1,14-2および接着剤15からなる範囲Zb1が、IRCF14-1の表層から深さLc11まで切り込まれる。
第2の工程において、所定の幅Wb2(<幅Wb1)のブレードにより、配線層11Mを超える深さとなる、範囲Zb2が切り込まれる。
第3の工程において、例えば、Si基板(図6の半導体基板81)はドライエッチング、レーザダイシング、またはブレードにより、幅Wb2よりも薄い所定の幅Wd(例えば、35μm程度)からなる範囲Zhが切断されることにより、固体撮像素子11が個片化される。ただし、レーザダイシングの場合については、幅Wdは略ゼロとなる。また、切断形状は、ドライエッチング、レーザダイシング、またはブレードにより所望の形状に調整することができる。
結果として、図33の下段で示されるように、固体撮像素子11の水平方向の外形形状が最も大きく、IRCF14-1,14-2および接着剤15の外形形状が等しく、かつ、固体撮像素子11の次に大きく、ガラス基板12が最も小さくなるように側面断面が形成される。
尚、図33の下段においては、範囲Z441で示されるように、IRCF14-1の水平方向の一部が、ガラス基板12の水平方向の幅と同一に描かれている。また、範囲Z442で示されるように、IRCF14-2の水平方向の一部が、IRCF14-1の水平方向の幅よりも広く描かれている。
従って、図33の下段におけるガラス基板12、IRCF14-1,14-2、および接着剤15の側面断面の形状は、図33の上段における形状と異なる。
しかしながら、ブレードによる切断形状をデフォルメして描いた結果であり、ドライエッチング、レーザダイシング、またはブレードにより切断形状を調整することで、実質的に、図32の下段における構成と、図32の上段における構成とは同一とすることができる。
また、範囲Zhによる固体撮像素子11を形成するSi基板(図6の半導体基板81)を切断する処理は、範囲Zb1,Zb2の切り込み作業よりも先に実行するようにしてもよく、この際、図33の中段で示される状態に対して、上下反転した状態で作業がなされるようにしてもよい。
さらに、配線層はブレードダイシング時にクラックや、膜剥がれを起こしやすいので、範囲Zhについては、短パルスレーザでのアブレーション加工により切り込むようにしてもよい。
<図31の左下部の個片化方法>
次に、図34を参照して、図31の左下部の個片化方法について説明する。
図34の上段においては、図31の左下部で示される側面断面を説明する図が示されている。すなわち、図34の上段において、外形形状の大きさは、固体撮像素子11の水平方向の外形形状、IRCF14-1,14-2、接着剤15、ガラス基板12の順に大きい側面断面が示されている。
ここで、図34の中段を参照して、図31の右上部で示される側面断面の形成方法について説明する。尚、図34の中段は、個片化により切断される、隣接する固体撮像素子11の境界を側面から見た拡大図である。
第1の工程において、所定の幅Wb1(例えば、100μm程度)のブレードにより、ガラス基板12、並びにIRCF14-1,14-2および接着剤15からなる範囲Zbが、IRCF14-2の表層から深さLc21まで切り込まれる。
第2の工程において、所定の幅Wb2(<幅Wb1)だけレーザによるアブレーション加工を施し、配線層11Mを超える深さまでの、範囲ZLが切り込まれる。
この工程において、IRCF14-1,14-2、および接着剤15は、加工表面付近において、レーザ光の吸収により、熱収縮を起こすことで、波長依存性により、接着剤15が、IRCF14-1,14-2の切断面に対して後退し、凹んだ形状となる。
第3の工程において、例えば、Si基板(図6の半導体基板81)はドライエッチング、レーザダイシング、またはブレードにより、幅Wb2よりも薄い所定の幅Wd(例えば、35μm程度)からなる範囲Zhが切断されることにより、固体撮像素子11が個片化される。ただし、レーザダイシングの場合については、幅Wdは略ゼロとなる。また、切断形状は、ドライエッチング、レーザダイシング、またはブレードにより所望の形状に調整することができる。
結果として、図34の下段で示されるように、固体撮像素子11の水平方向の外形形状が最も大きく、次に、IRCF14-1,14-2の外形形状が大きく、さらに、続いて接着剤15の外形形状が大きく、ガラス基板12が最も小さくなるように側面断面が形成される。すなわち、図34の下段における範囲Z452で示されるように、接着剤15の外形形状は、IRCF14-1,14-2の外形形状よりも小さくなる。
尚、図34の下段においては、範囲Z453で示されるように、IRCF14-2の水平方向の一部が、IRCF14-1の水平方向の幅よりも広く描かれている。また、範囲Z451で示されるように、IRCF14-1の水平方向の一部が、ガラス基板12の水平方向の幅と同一に描かれている。
従って、図34の下段におけるガラス基板12、IRCF14-1,14-2、および接着剤15の側面断面の形状は、図34の上段における形状と異なる。
しかしながら、ブレードによる切断形状をデフォルメして描いた結果であり、ドライエッチング、レーザダイシング、またはブレードにより切断形状を調整することで、実質的に、図32の下段における構成と、図32の上段における構成とは同一とすることができる。
また、範囲Zhによる固体撮像素子11を形成するSi基板(図6の半導体基板81)を切断する処理は、範囲Zb,ZLの切り込み作業よりも先に実行するようにしてもよく、この際、図34の中段で示される状態に対して、上下反転した状態で作業がなされるようにしてもよい。
さらに、配線層はブレードダイシング時にクラックや、膜剥がれを起こしやすいので、範囲Zhについては、短パルスレーザでのアブレーション加工により切り込むようにしてもよい。
<図31の右下部の個片化方法>
次に、図35を参照して、図31の右下部の個片化方法について説明する。
図35の上段においては、図31の右下部で示される側面断面を説明する図が示されている。すなわち、図35の上段においては、固体撮像素子11の水平方向の外形形状が最も大きく、次に、ガラス基板12の外形形状が大きく、IRCF14-1,14-2および接着剤15の外形形状が等しく、かつ、最も小さい側面断面が示されている。
ここで、図35の中段を参照して、図31の右下部で示される側面断面の形成方法について説明する。尚、図35の中段は、個片化により切断される、隣接する固体撮像素子11の境界を側面から見た拡大図である。
第1の工程において、レーザを用いた、いわゆるステルス(レーザ)ダイシング加工により、実質的に、ほぼ幅Ldがゼロとなる範囲Zs1のガラス基板12が、切り込まれる。
第2の工程において、所定の幅Wabだけレーザによるアブレーション加工が施され、IRCF14-1,14-2、および固体撮像素子11における配線層11Mを超える深さとなる範囲ZLが切り込まれる。
この工程においては、レーザを用いたアブレーション加工を調整して、IRCF14-1,14-2、および接着剤15の切断面が同一になるように加工される。
第3の工程において、レーザを用いた、いわゆるステルス(レーザ)ダイシング加工により、幅が略ゼロとなる範囲Zs2が切り込まれて、固体撮像素子11が個片化される。この際、アブレーションにより生じた有機物は、ステルスダイシング加工された溝を介して外部に排出される。
結果として、図35の下段における範囲Z461,Z462で示されるように、固体撮像素子11の水平方向の外形形状が最も大きく、次に、ガラス基板12の外形形状が大きく、IRCF14-1,14-2および接着剤15の外形形状が等しく、かつ、最も小さくなるように側面断面が形成される。
また、ガラス基板12に対するステルスダイシング加工と、固体撮像素子11に対するステルスダイシング加工の順序は入れ替えるようにしてもよく、この際、図35の中段で示される状態に対して、上下反転した状態で作業がなされるようにしてもよい。
<反射防止膜の付加>
以上においては、図36の左上部で示されるように、固体撮像素子11上にIRCF14-1,14-2を接着剤15により接着して形成し、さらに、IRCF14-1上にガラス基板12を形成することで、バリの発生を抑制すると共に、光学特性の低減を抑制する例について説明してきたが、さらに、反射防止機能を備えた付加膜が形成されるようにしてもよい。
すなわち、例えば、図36の左中部で示されるように、ガラス基板12上に反射防止機能を備えた付加膜371が形成されるようにしてもよい。
また、例えば、図36の左下部で示されるように、ガラス基板12上、ガラス基板12とIRCF14-1との境界、IRCF14-1と接着剤15との境界、および接着剤15とIRCF14-2との境界のそれぞれに反射防止機能を備えた付加膜371-1乃至371-4が形成されるようにしてもよい。
また、図36の右上部、右中部、右下部のそれぞれで示されるように、反射防止機能を備えた付加膜371-2,371-4,371-3のうちのいずれかが形成されるようにしてもよいし、これらが組み合わされて形成されてもよい。
尚、付加膜371,371-1乃至371-4は、例えば、上述したARコート271a、または、反射防止処理部(モスアイ)291aと同等の機能を備えた膜より形成されるようにしてもよい。
これらの付加膜371,371-1乃至371-4により、不要な光の入射が防止されて、ゴーストやフレアの発生が抑制される。
<側面部への付加>
以上においては、ガラス基板12上、ガラス基板12とIRCF14-1との境界、IRCF14-1と接着剤15との境界、および接着剤15とIRCF14-2との境界のそれぞれの少なくともいずれかに反射防止機能を備えた付加膜371-1乃至371-4が形成される例について説明してきたが、側面部に反射防止膜や光吸収膜として機能する付加膜が形成されてもよい。
すなわち、図37の左部で示されるように、ガラス基板12、IRCF14-1,14-2、接着剤15、および固体撮像素子11の側面断面全体に、反射防止膜、または、光吸収膜などとして機能する付加膜381が形成されるようにしてもよい。
また、図37の右部で示されるように、固体撮像素子11の側面を除く、ガラス基板12、IRCF14-1,14-2、および接着剤15の側面にのみ、反射防止膜、または、光吸収膜などとして機能する付加膜381が形成されるようにしてもよい。
いずれにおいても、固体撮像素子11、ガラス基板12、IRCF14-1,14-2、および接着剤15の側面部に付加膜381が設けられることにより、固体撮像素子11への不要な光の入射が防止されて、ゴーストやフレアの発生が抑制される。
<17.第17の実施の形態>
以上においては、積層される固体撮像素子11、IRCF14-1、接着剤15、IRCF14-2、および、ガラス基板12のそれぞれの水平方向の大小関係を調整することにより、脱落ゴミを抑制すると共に、フレアやゴーストの発生を抑制する例について説明してきたが、レンズの形状を規定することにより、小型軽量で、かつ、高解像度撮像が可能なレンズを実現してもよい。
例えば、固体撮像素子11上にガラス基板12が形成されて、その上にARコート271aが形成されたレンズ271に対応するレンズが接合される場合(例えば、図19の撮像装置1における一体化構成部10)について考える。尚、撮像装置1の構成は、図19以外でもよく、例えば、図9における撮像装置1における一体化構成部10におけるレンズ131をレンズ271に代えても同様である。
すなわち、図38で示されるように、上面からみた重心位置を中心とした同心円状に非球面の凹型のレンズ401(図19のレンズ271に相当)が、固体撮像素子11上のガラス基板12上に形成されているものとする。また、レンズ401には、光が入射する面上にARコート402(上述したARコート271aまたは反射防止処理部291aと同等の機能を備えた膜)が形成され、外周部に突出部401aが形成されているものとする。尚、図38,図39は、図19の撮像装置1における一体化構成部10のうちの固体撮像素子11、ガラス基板12、およびレンズ271が抽出された構成を示している。
ここで、レンズ401は、図39で示されるように、上面から見た重心位置を中心として非球面の凹型形状となるような、すり鉢状の形状とされている。尚、図39においては、図中の右上部が、図中の左上部の点線で示される方向におけるレンズ401の断面形状が示されており、図中の右下部が、図中の左上部の実線で示される方向におけるレンズ401の断面形状が示されている。
図39においては、レンズ401の範囲Zeが図39の右上部および右下部において共通の非球面曲面構造とされており、このような形状により固体撮像素子11の撮像面に、図中の上方からの入射光を集光させる有効領域を構成する。
また、レンズ401は、非球面曲面から構成されることにより、中心位置から光の入射方向と垂直方向の距離の応じて厚さが変化する。より具体的には、中心位置においては、レンズ厚さは最も薄い厚さDであり、範囲Zeにおける中心から最も離れた位置のレンズ厚さは、最も厚い厚さHとなる。また、ガラス基板12の厚さが、厚さThである場合、レンズ401の最も厚くなる厚さHは、ガラス基板12の厚さThよりも厚く、レンズ401の最も薄くなる厚さDは、ガラス基板12の厚さThよりも薄い。
すなわち、これらの関係をまとめると、厚さD,H,Thは、厚さH>厚さTh>厚さDの関係を満たしたレンズ401とガラス基板12とが用いられることで、小型軽量で、かつ、高解像度での撮像が可能な撮像装置1(の一体化構成部10)を実現することが可能となる。
また、ガラス基板12の体積VGが、レンズ401の体積VLよりも小さくなるようにすることで、最も効率よくレンズの体積を形成することが可能となるので、小型軽量で、かつ、高解像度での撮像が可能な撮像装置1を実現することが可能となる。
<ARコートへの加熱時に発生する応力分布>
また、以上のような構成により、実装リフロー熱負荷時や信頼性試験時におけるARコート402の膨張や収縮による応力を抑制することができる。
図40は、図39のレンズ401の外形形状を変化させたときの、実装リフロー熱負荷時のARコート402の膨張や収縮による応力分布を示している。尚、図40における応力分布は、図38で示される範囲Zpで示されるレンズ401の中心位置を基準として水平方向および垂直方向に対して、それぞれの1/2の、全体の1/4の範囲の分布が示されている。
図40の最左部においては、突出部401aが設けられていないレンズ401Aにおける、実装リフロー熱負荷時のARコート402Aに生じる応力分布が示されている。
図40の左から2番目においては、図39で示される突出部401aが設けられたレンズ401Bにおける、実装リフロー熱負荷時のARコート402Bに生じる応力分布が示されている。
図40の左から3番目においては、図39で示される突出部401aの高さが、図39の場合よりも高くされているレンズ401Cにおける、実装リフロー熱負荷時のARコート402Cに生じる応力分布が示されている。
図40の左から4番目においては、図39で示される突出部401aの幅が、図39の場合よりも拡大されているレンズ401Dにおける、実装リフロー熱負荷時のARコート402Dに生じる応力分布が示されている。
図40の左から5番目においては、図39で示される突出部401aの外周部の側面に設けられたテーパが、図39の場合よりも拡大されているレンズ401Eにおける、実装リフロー熱負荷時のARコート402Eに生じる応力分布が示されている。
図40の最右部においては、図39で示される突出部401aが外周部を構成する4辺にのみ設けられたレンズ401Fにおける、実装リフロー熱負荷時のARコート402Fに生じる応力分布が示されている。
図40で示されるように、最左部で示される突出部401aがないレンズ401AのARコート402Aに生じた応力分布においては、有効領域の外周側において、大きな応力分布が表れているが、突出部401aが形成されたレンズ401B乃至401FのARコート402B乃至402Fについては、ARコート402Aにみられるほど大きな応力分布が存在しない。
すなわち、レンズ401において突出部401aを設けるようにすることで、実装リフロー熱負荷時において、レンズ401の膨張収縮によるARコート402のクラックの発生を抑制させることが可能となる。
<レンズ形状の変形例>
以上においては、図39で示されるような、外周部にテーパが設けられた突出部401aを備えた凹型のレンズ401により、小型軽量で、かつ、高解像での撮像が可能な撮像装置1を構成する例について説明してきた。しかしながら、レンズ401、およびガラス基板12が、厚さD,H,Thは、厚さH>厚さTh>厚さDの関係を満たす限り、レンズ401の形状は他の形状であってもよい。また、体積VG,VLが、体積VG<体積VLの関係を満たせば、より好ましい。
例えば、図41のレンズ401Gで示されるように、突出部401aより外周側の側面は、ガラス基板12に対して直角をなす構成として、テーパを含まない構成とするようにしてもよい。
また、図41のレンズ401Hで示されるように、突出部401aより外周側の側面は、ラウンド状のテーパを含む構成とするようにしてもよい。
さらに、図41のレンズ401Iで示されるように、突出部401aそのものを含まず、側面は、ガラス基板12に対して所定の角をなす直線状のテーパ形状を含む構成とするようにしてもよい。
また、図41のレンズ401Jで示されるように、突出部401aそのものを含まず、側面は、ガラス基板12に対して直角をなす構成として、テーパ形状を含まない構成とするようにしてもよい。
さらに、図41のレンズ401Kで示されるように、突出部401aそのものを含まず、側面は、ガラス基板12に対してラウンド状のテーパ形状を含む構成とするようにしてもよい。
また、図41のレンズ401Lで示されるように、突出部401aそのものを含まず、レンズの側面は、2つの変曲点を有する2段構成とするようにしてもよい。尚、レンズ401Lの詳細な構成については、図42を参照して後述する。また、レンズ401Lの側面については、2つの変曲点を有する2段構成であるので、以降においては、2段側面型レンズとも称する。
さらに、図41のレンズ401Mで示されるように、側面は、突出部401aを含み、かつ、外形側面に2つの変曲点を有する2段構成とするようにしてもよい。
また、図41のレンズ401Nで示されるように、突出部401aを含み、側面は、ガラス基板12に対して直角をなす構成として、さらに、ガラス基板12との境界付近に方形状の裾引き部401bを付加するようにしてもよい。
さらに、図41のレンズ401Nで示されるように、突出部401aを含み、ガラス基板12に対して直角をなす構成として、さらに、ガラス基板12との境界付近にラウンド形状の裾引き部401b’を付加するようにしてもよい。
<2段側面型レンズの詳細な構成>
ここで、図42を参照して、図41の2段側面型レンズ401Lの詳細な構成について説明する。
図42は、固体撮像素子11上にガラス基板12が形成され、その上に2段側面型レンズ401Lが設けられたときに、様々な方向か見たときの外観斜視図が示されている。ここで、図42の中央上部においては、固体撮像素子11の図中右側の辺から時計回りに辺LA,LB,LC,LDが設定されている。
そして、図42の右部は、図42の中央上部における視線E1方向から固体撮像素子11とレンズ401Lを見たときの、固体撮像素子11の辺LA,LBの角部周辺の斜視図を示している。また、図42の中央下部は、図42の中央上部における視線E2方向から固体撮像素子11とレンズ401Lを見たときの、固体撮像素子11の辺LA,LBの角部周辺の斜視図を示している。さらに、図42の左部は、図42の中央部における視線E3方向から固体撮像素子11とレンズ401Lを見たときの、固体撮像素子11の辺LB,LCの角部周辺の斜視図を示している。
すなわち、2段側面型レンズ401Lにおいては、長辺となる辺LB,LD(図示せず)の中央部は、凹型レンズとなる2段側面型レンズ401Lの上面から見て、レンズ厚さが最も薄くなるレンズとして機能する円形における重心位置に近い位置となるため、レンズが薄くなり、点線で囲まれるように稜線が緩やかな曲線形状とされる。
これに対して、短辺となる辺LA,LCの中央部は、重心位置から遠い位置になるため、レンズが厚く構成されることにより、稜線は直線形状とされる。
<2つの変曲点と2段の側面>
また、2段側面型レンズ401Lは、図43で示されるように、断面形状において、有効領域Zeの外側に設けられた非有効領域の側面が、2段構成とされ、側面のそれぞれの平均面X1,X2がずれて形成され、2段の側面による段差が生じる位置に断面形状における変曲点P1,P2が形成される。
変曲点P1,P2は、固体撮像素子11に近い位置から順に凹凸の順序で変化する。
また、変曲点P1,P2のガラス基板12からの高さは、いずれも2段側面型レンズ401Lにおける最も薄い厚さThよりも高い位置に設けられる。
さらに、2段の側面の、それぞれの平均面X1,X2間の差(平均面X1,X2間距離)は、固体撮像素子11の厚さ(図6の固体撮像素子11のシリコン基板81の厚さ)よりも大きくすることが望ましい。
また、2段の側面の、それぞれの平均面X1,X2間の距離の差は、レンズ401Lの有効領域の入射光の入射方向に対して垂直となる領域幅(例えば、図23の水平方向の幅He、または、垂直方向の高さVe)に対して1%以上とすることが望ましい。
従って、上述した条件を満たす2段の側面と2つの変曲点が形成されれば、2段側面型レンズ401L以外の形状であってもよく、例えば、図43の上から2段目で示されるように、平均面X11,X12からなる2段の側面が設けられ、ガラス基板12からレンズの最薄厚Thよりも高い位置に変曲点P1,P2とは異なる曲率の変曲点P11,P12が形成された2段側面型レンズ401Pであってもよい。
また、例えば、図43の上から3段目で示されるように、平均面X21,X22からなる2段の側面が設けられ、ガラス基板12からレンズの最薄厚Thよりも高い位置に、変曲点P1,P2およびP11,P22とは異なる曲率の変曲点P21,P22が形成された2段側面型レンズ401Qであってもよい。
さらに、例えば、図43の上から4段目で示されるように、平均面X31,X32からなる2段の側面が設けられ、ガラス基板12からレンズの最薄厚Thよりも高い位置に変曲点P31,P32が形成され、レンズ401の最も厚い位置の端部がラウンド形状にされた2段側面型レンズ401Rであってもよい。
<2つの変曲点と2段構成の側面とを備えたレンズにおけるARコートへの加熱時に発生する応力分布>
上述したように、2つの変曲点と2段構成の側面とを備えた2段側面型レンズ401Lの場合、実装リフロー熱負荷時や信頼性試験時におけるレンズ401Lの膨張や収縮によるARコート402にかかる応力を抑制することができる。
図44は、図39のレンズ401の外形形状を変化させたときの、実装リフロー熱負荷時のARコート402の膨張や収縮による応力分布を示している。図44において、上段は、レンズ401を対角方向から見たときの奥手側のARコート402の応力分布であり、下段は、レンズ401を対角方向から見たときの手前側のARコート402の応力分布である。
図44の最左部においては、突出部401aも設けられておらず、2段側面型レンズでもないレンズ401S(レンズ401Aに対応する)における、実装リフロー熱負荷時のARコート402Sに生じる応力分布が示されている。
図44の左から2番目においては、図43で示される2段側面型レンズ401Lに対応するレンズ401Tおける、実装リフロー熱負荷時のARコート402Tに生じる応力分布が示されている。
図44の左から3番目においては、突出部401aが設けられていないが、テーパ形状が設けられ、かつ、レンズの各辺の角部がラウンド形状に成型されたレンズ401Uにおける、実装リフロー熱負荷時のARコート402Uに生じる応力分布が示されている。
図44の左から4番目においては、突出部401aも、テーパ形状も設けられておらず、側面がガラス基板12に対して垂直で、かつ、レンズの各辺の角部がラウンド形状に成型されたレンズ401Vにおける、実装リフロー熱負荷時のARコート402Vに生じる応力分布が示されている。
また、図45は、左から順に図44の各レンズ形状におけるARコートに生じる応力分布における全体の最大値(Worst)、レンズの有効領域の最大値(有効)、および稜線における最大値(稜線)のグラフが示されている。また、図45におけるそれぞれの最大値のグラフは、左から順にARコート402S乃至402Vの応力分布の最大値を示している。
図45で示されるように、各レンズの全体の最大応力は、レンズ401SのARコート402Sの場合、上面の角部Ws(図44)において1390MPaであり、レンズ401TのARコート402Tの場合、稜線の角部Wt(図44)において1130MPaであり、レンズ401UのARコート402Uの場合、稜線上Wu(図44)において800MPaであり、レンズ401VのARコート402Vの場合、稜線上Wv(図44)において1230MPaである。
また、各レンズの有効領域の最大応力は、図45で示されるように、レンズ401SのARコート402Sの場合、646MPaであり、レンズ401TのARコート402Tの場合、588MPaであり、レンズ401UのARコート402Uの場合、690MPaであり、レンズ401VのARコート402Vの場合、656MPaである。
さらに、各レンズの稜線の最大応力は、レンズ401SのARコート402Sの場合、1050MPaであり、レンズ401TのARコート402Tの場合、950MPaであり、レンズ401UのARコート402Uの場合、800MPaであり、レンズ401VのARコート402Uの場合、1230MPaである。
図45によれば、いずれも最大応力が最小となるのは、レンズ401SのARコート402Sであるが、図44によれば、レンズ401TのARコート402Tの有効領域の全体の応力分布において、レンズ401UのARコート402Uの外周部に近い範囲に多く存在する600MPa付近の応力分布が存在せず、全体として、レンズ401T(レンズ401Lと同一)のARコート402Tからなる外形形状において、ARコート402T(ARコート402Lと同一)のARコート402Tに生じる応力分布が小さくなることがわかる。
すなわち、図44,図45によれば、実装リフロー熱負荷時において、2つの変曲点と2段構成の側面とを備えたレンズ401T(401L)においては、ARコート402T(402L)に生じる膨張や収縮が抑制されて、膨張や収縮に起因して生じる応力が小さくなっていることがわかる。
以上のように、レンズ401として、2つの変曲点と2段構成の側面とを備えた2段側面型レンズ401Lを採用することにより、実装リフロー熱負荷時や信頼性試験等において、熱による膨張や収縮を抑制することが可能となる。
結果として、ARコート402Lに生じる応力を低減させることが可能となり、クラックの発生や、レンズ剥がれ等の発生を抑制させることが可能となる。また、レンズそのものの膨張や収縮を抑制することが可能となるので、歪の発生を低減し、歪に起因した複屈折の増加による画質劣化、屈折率の局所的な変化により発生する界面反射の増加によるフレアの発生を抑制することが可能となる。
<18.第18の実施の形態>
以上においては、レンズの形状を規定することにより、小型軽量で、かつ、高解像度撮像が可能なレンズを実現する例について説明してきたが、レンズを固体撮像素子11に形成する際の精度を向上させることで、より小型軽量で、かつ、高解像度画像が撮像可能なレンズを実現するようにしてもよい。
図46の上部で示されるように、基板451に成形型452を固体撮像素子11上のガラス基板12に押し付けた状態で、成形型452とガラス基板12との間の空間に、レンズ401の材料となる紫外光硬化樹脂461を充填させ、図中の上部より紫外光により所定時間露光する。
基板451および成形型452は、いずれも紫外光を透過させる材質により構成されている。
成形型452は、凹型のレンズ401の形状に対応した非球面の凸型構造であり、外周部に遮光膜453が形成されており、紫外光の入射角度により、例えば、図46で示されるような角度θからなるレンズ401の側面にテーパを形成させることができる。
レンズ401の材料となる紫外光硬化樹脂461は、所定時間紫外光に対して露光されることにより、硬化して、図46の下部で示されるように非球面の凹型レンズとして形成されると共に、ガラス基板12に貼り付けられる。
紫外光が照射された状態で所定時間経過した後、紫外光硬化樹脂461が硬化することでレンズ401が形成され、レンズ401が形成された後、成形型452が形成されたレンズ401より外される(離型)。
レンズ401の外周部と、ガラス基板12との境界においては、紫外光硬化樹脂461の一部が、成形型452から浸み出して浸み出し部461aが生じる。しかしながら、浸み出し部461aは、遮光膜453により紫外光が遮光されることになるので、拡大図Zfにおける範囲Zcで示されるように、紫外光硬化樹脂461の一部の浸み出し部461aは硬化せずに残り、離型された後、自然光に含まれた紫外光により硬化することで、裾引き部401dとして残る。
これにより、レンズ401は、成形型452により凹型レンズとして形成されると共に、遮光膜453により規定された角度θで側面にテーパ形状が形成される。また、レンズ401の外周部には、裾引き部401dがガラス基板12との境界に形成されることで、レンズ401をガラス基板12に対してより強固に接着させることが可能となる。
結果として、小型軽量で、かつ、高解像度画像が撮像可能なレンズを高精度に形成することが可能となる。
尚、以上においては、遮光膜453は、図47の左上部で示されるように、基板451の紫外光の入射方向に対して裏面側(図中の下側)における、レンズ401の外周部に設けられる例について説明してきた。しかしながら、遮光膜453は、図47の右上部で示されるように、基板451の紫外光の入射方向に対して表面側(図中の上側)における、レンズ401の外周部に設けられるようにしてもよい。
また、遮光膜453は、図47の左の上から2番目で示されるように、基板451に代えて、成形型452よりも水平方向に大きな成型型452’を形成し、紫外光の入射方向に対して裏面側(図中の下側)における、レンズ401の外周部に設けられるようにしてもよい。
さらに、遮光膜453は、図47の右の上から2番目で示されるように、成型型452’の基板451の紫外光の入射方向に対して表面側(図中の上側)における、レンズ401の外周部に設けられるようにしてもよい。
また、遮光膜453は、図47の左の上から3番目で示されるように、基板451と成形型452とを一体化させた成形型452’’を形成し、紫外光の入射方向に対して裏面側(図中の下側)における、レンズ401の外周部に設けられるようにしてもよい。
さらに、遮光膜453は、図47の右の上から3番目で示されるように、基板451と成形型452とを一体化させた成形型452’’を形成し、紫外光の入射方向に対して表面側(図中の上側)における、レンズ401の外周部に設けられるようにしてもよい。
また、図47の左下部で示されるように、基板451、および成形型452に加えて、側面部の一部を規定する構成が設けられた成形型452’’’を形成し、成形型452’’’の外周部であって、紫外光の入射方向に対して裏面側に遮光膜453が形成されるようにしてもよい。
尚、図46,図47の構成は、図9における撮像装置1の一体化構成部10内のIRCF14と接着剤15が省略された構成となっているが、説明の便宜上省略したのみであり、当然のことながらレンズ401(131)とガラス基板12との間に設けられるようにしてもよいものである。また、以降においても、図9における撮像装置1における構成より、IRCF14と接着剤15は、省略した構成を例にして説明を進めるものとするが、いずれにおいても、例えば、レンズ401(131)とガラス基板12との間にIRCF14と接着剤15が設けられる構成としてもよいものである。
<2段側面型レンズの形成方法>
次に、2段側面型レンズの製造方法について説明する。
基本的な製造方法については、上述した2段側面型ではないレンズの製造方法と同様である。
すなわち、図48の左部で示されるように、基板451に対して2段側面型レンズ401Lの側面形状に対応した成形型452が用意され、固体撮像素子11上のガラス基板12上に紫外光硬化樹脂461が載置される。尚、図48においては、成形型452における側面断面の右側半分のみの構成が示されている。
次に、図48の中央部で示されるように、成形型452が載置された紫外光硬化樹脂461をガラス基板12に対して押圧するように固定することで、成形型452の凹部内に紫外光硬化樹脂461を充填させた状態にして、図中上方より紫外光が所定時間照射される。
紫外光硬化樹脂461は、紫外光に露光されることにより硬化し、成形型452に対応する凹型の2段側面型レンズ401が形成される。
紫外光により所定時間露光されることで、レンズ401が形成された後、図48の右部で示されるように、成形型452が離型されると、2段側面型レンズからなるレンズ401が完成される。
また、図49の左部で示されるように、成形型452の外周部のガラス基板12に当接する部位の一部のうち、例えば、側面の断面形状における2つの変曲点のうち、ガラス基板12に近い位置の変曲点となる高さから下の部分を切断し、切断面に遮光膜453を設けるようにしてもよい。
この場合、図49の左から2番目で示されるように、紫外光硬化樹脂461が成形型452の凹部に充填された状態で、紫外光が図中の上方より所定時間照射されると、遮光膜453の下部については、紫外光が遮光されることで、硬化が進まない状態となり、レンズ401が未完成の状態となる。しかしながら、紫外光が露光された図中の有効領域の周囲の紫外光硬化樹脂461は硬化が進んでレンズ401として形成される。
この状態で成形型452が離型されると、図49の左から3番目で示されるように、2段側面型レンズとして形成されるレンズ401のうちの、最外周の2段構成の側面のうちのガラス基板12に近い部分の側面が未硬化の紫外光硬化樹脂461の浸み出し部461aとして残される。
そこで、図49の右部で示されるように、未硬化の紫外光硬化樹脂461の浸み出し部461aの状態のままの側面について、側面の角度や表面粗さを制御して、別途紫外光を照射して硬化させるようにする。
このようにすることで、図50の上段で示されるように、レンズ401の側面の平均面X1,X2のなす角度を、例えば、入射光の入射方向に対してそれぞれ角度θ1,θ2といった異なる角度に設定することが可能となる。
ここで、側面X1,X2の角度をそれぞれ角度θ1,θ2とするとき、角度θ1<角度θ2となるように構成すると、側面フレアの発生を抑制すると共に、成形型452の離型の際、完成したレンズ401がガラス基板12から剥がれてしまうといったことを抑制することが可能となる。
また、側面X1,X2のそれぞれの表面粗さρ(X1),ρ(X2)を異なる構成とすることが可能となる。
ここで、側面X1,X2のそれぞれの表面粗さρ(X1),ρ(X2)を、表面粗さρ(X1)<表面粗さρ(X2)となるように設定することで、側面フレアの発生を抑制すると共に、成形型452の離型の際、完成したレンズ401がガラス基板12から剥がれてしまうといったことを抑制することが可能となる。
また、紫外光硬化樹脂461の浸み出し部461aの形状を調整することで、図50の下部で示されるように、裾引き部401dを形成することも可能となる。これにより、レンズ401をガラス基板12に対してより強固に固定することが可能となる。
尚、角度θ1,θ2、表面粗さρ(X1),ρ(X2)、および裾引き部401dの形成については、図48を参照した遮光膜453を用いない場合でも、成形型452の形状により設定することは可能である。しかしながら、図49を参照したように遮光膜453が設けられた成形型452が用いられる場合については、最初の紫外光の照射において未硬化な部分として残された紫外光硬化樹脂461の浸み出し部461aを後から調整することができるので、角度θ1,θ2、表面粗さρ(X1),ρ(X2)、および裾引き部401dの設定の自由度を高くすることが可能となる。
いずれにおいても、固体撮像素子11のガラス基板12上にレンズ401を高精度に形成することが可能となる。また、2段側面型レンズ401における側面X1,X2の角度、表面粗さρ(X1),ρ(X2)、および裾引き部401dの有無を調整することが可能となるので、フレアやゴーストの発生を抑制すると共に、レンズ401をより強固にガラス基板12に形成することが可能となる。
<19.第19の実施の形態>
以上においては、成形方法により高精度にレンズ401を固体撮像素子11上のガラス基板12に形成する例について説明してきたが、レンズ401をガラス基板12上の適切な位置に形成するためガラス基板12にアライメントマークを形成し、アライメントマークに基づいて位置決めすることで、より高精度にレンズ401をガラス基板12上に形成するようにしてもよい。
すなわち、図51で示されるように、中心からレンズ401の有効領域Ze(図23の有効領域131aに対応する)が設けられ、その外周部に非有効領域Zn(図23の非有効領域131bに対応する)が設けられ、さらにその外周部にガラス基板12が露出した領域Zgが設けられ、固体撮像素子11の最外周部にスクライブラインが設定される領域Zscが設けられている。図51においては、非有効領域Zn(図23の非有効領域131bに対応する)に突出部401aが設けられている。
各領域の幅は、有効領域Zeの幅>非有効領域Znの幅>ガラス基板12が露出した領域Zgの幅>スクライブラインが設定される領域Zscの幅の関係となる。
アライメントマーク501は、ガラス基板12が露出した、ガラス基板12上の領域Zgに形成される。従って、アライメントマーク501のサイズは、領域Zgよりも小さいサイズとなるが、位置合わせするための画像により認識可能なサイズである必要がある。
ガラス基板12上の、例えば、レンズ401の角部が当接すべき位置に、アライメントマーク501を形成し、アライメントカメラにより撮像される画像に基づいて、成形型452におけるレンズの角部を、アライメントマーク501が設けられた位置になるように調整することで、アライメントするようにしてもよい。
<アライメントマークの例>
アライメントマーク501は、例えば、図52で示されるようなアライメントマーク501A乃至501Kなどである。
すなわち、アライメントマーク501A乃至501Cは方形からなり、アライメントマーク501D,501Eは円形からなり、アライメントマーク501F乃至501Iは多角形からなり、アライメントマーク501J,501Kは複数の線状形状からなる。
<アライメントマークをガラス基板上と成形型とに設ける例>
また、アライメントマーク501A乃至501Kのうち、黒色部分と、グレー部分とを、それぞれ成形型452上のレンズ401の外周部分と、ガラス基板12上の領域Zgとの対応する位置にそれぞれ形成し、例えば、アライメントカメラにより撮像される画像に基づいて、相互に対応する位置関係となっているかを確認することで、レンズ401とガラス基板12との位置関係をアライメントするようにしてもよい。
すなわち、アライメントマーク501Aの場合、図52で示されるように、レンズ401と成形型452とが適切な位置関係となるように、成形型452上に方形枠からなるグレー部分のアライメントマーク501’を設け、黒色部分となる方形部からなるアライメントマーク501を形成する。
そして、図53の矢印方向から、ガラス基板12上のアライメントマーク501と、成形型452上のアライメントマーク501’とをアライメントカメラにより撮像し、黒色の方向状のアライメントマーク501が、グレーの方形枠からなるアライメントマーク501’に内包して重なるように撮像されるように成形型452の位置を調整することで、アライメントを調整するようにしてもよい。
この場合、同一のカメラの同一視野内に、黒色部分のアライメントマーク501と、グレー部分のアライメントマーク501’とが配置されることが望ましいが、複数のカメラの位置関係を予めキャリブレーションしておき、複数のカメラで、対応する異なる位置に設けられたアライメントマーク501,501’との位置関係の対応によりアライメントするようにしてもよい。
いずれにおいても、アライメントマーク501により、固体撮像素子11のガラス基板12上にレンズ401を高精度に位置決めして形成することが可能となる。
<20.第20の実施の形態>
以上においては、アライメントマークによりレンズ401と固体撮像素子11上のガラス基板12とを高精度に位置決めして形成する例について説明してきたが、レンズ401の有効領域にARコート402を形成することで、感度を向上させ、高精細な撮像を実現するようにしてもよい。
すなわち、例えば、図54の最上段の太線で示されるように、ガラス基板12上、突出部401aの側面および平面部を含む非有効領域(図23の非有効領域131bに対応する)、並びに有効領域(図23の有効領域131aに対応する)の全域に、ARコート402-P1が形成されるようにしてもよい。
また、例えば、図54の上から2番目で示されるように、レンズ401上の突出部401a内の有効領域にのみARコート402-P2が形成されるようにしてもよい。ARコート402-P2は、レンズ401上の突出部401a内の領域(有効領域(図23の有効領域131aに対応する))にのみ形成されることにより、実装リフロー熱負荷時等でレンズ401が熱による膨張や収縮することで生じる応力を低減させることが可能となり、ARコート402-P2のクラックの発生を抑制することができる。
さらに、例えば、図54の上から3番目で示されるように、レンズ401上の突出部401aの平面部を含む、突出部401aの内側の領域(有効領域(図23の有効領域131aに対応する))にARコート402-P3が形成されるようにしてもよい。ARコート402-P3は、レンズ401上の突出部401aを含む、突出部401aの内側の領域にのみ形成されることにより、実装リフロー熱負荷時等でレンズ401が熱による膨張や収縮することで生じる、ARコート402-P3に対して生じる応力を低減させることが可能となり、クラックの発生を抑制することができる。
さらに、例えば、図54の上から4番目で示されるように、レンズ401上の突出部401aの平面部とその外周部の一部に加えて、突出部401aの内側の領域(有効領域(図23の有効領域131aに対応する))にARコート402-P4が形成され、さらに、ガラス基板12とレンズ401における、ガラス基板12との境界付近の領域にARコート402-P5が形成されるようにしてもよい。ARコート402-P4,402-P5のように、レンズ401の側面部分の一部にARコートが形成されない領域が形成されることにより、実装リフロー熱負荷時等でレンズ401が熱による膨張や収縮することで生じる、ARコート402-P2に対して生じる応力を低減させることが可能となり、クラックの発生を抑制することができる。
図55は、レンズ401に対して、ARコート402が形成される領域を様々に変化させて実装リフロー熱負荷時にARコート402に生じる応力分布をまとめたものである。
図55は、上部が、レンズ401を水平垂直にそれぞれ2分割したときの、レンズ401とARコート402の外形形状であり、下部が、対応する実装リフロー熱負荷時のARコート402に生じる応力分布である。
図55の左部は、周辺のガラス基板12、レンズ401の側面、突出部401a、および突出部401aの内部を含めた全体にARコートが形成されたARコート402AAが形成されている場合である。
図55の左から2番目は、図55の最左部の構成に対して、周辺のガラス基板12、およびレンズ401の側面にARコート形成されず、それ以外の領域にARコートが形成されたARコート402ABの場合である。
図55の左から3番目は、図55の最左部の構成に対して、レンズ401の側面の領域にARコートが形成されておらず、周辺のガラス基板12、突出部401a、および突出部401aの内部にARコートがなされたARコート402ACの場合である。
図55の左から4番目は、図55の最左部の構成に対して、レンズ401の側面の領域、突出部401aの平面部、突出部401aの内側であって、突出部401aの上面の平坦部から所定の幅Aまでの領域にARコートが形成されておらず、それ以外の突出部401aの内部および周辺のガラス基板12にARコートがなされたARコート402ADの場合である。ここで、幅Aは、例えば、100μmである。
図55の左から5番目は、図55の最左部の構成に対して、突出部401aの内側、突出部401aの上面の平坦部、突出部401aの外側の側面であって、平坦部から所定の幅Aだけ下までの領域にARコートが形成されているARコート402AEの場合である。
図55の左から6番目は、図55の最左部の構成に対して、突出部401aの内側、突出部401aの上面の平坦部、突出部401aの外側の側面であって、平坦部から所定の幅2Aだけ下までの領域にARコートが形成されているARコート402AFの場合である。
図55の左から7番目は、図55の最左部の構成に対して、突出部401aの内側、突出部401aの上面の平坦部、突出部401aの外側の側面であって、平坦部から所定の幅3Aだけ下までの領域にARコートが形成されているARコート402AGの場合である。
図55の左から8番目は、図55の最左部の構成に対して、突出部401aの内側、突出部401aの上面の平坦部、突出部401aの外側の側面であって、平坦部から所定の幅4Aだけ下までの領域にARコートが形成されているARコート402AHの場合である。
図55の最左部との比較により、いずれにおいてもARコート402が、レンズ401の全面を覆うように形成されたARコート402AAよりも、レンズ401の突出部401aよりも内側におけるARコートが、ガラス基板12上のARコート402と連続的に繋がっていない状態で形成される方がARコート402に生じる応力が小さいことが示されている。
以上のように、ARコート402が、レンズ401上に形成されることにより、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となり、より高精細な画像を撮像することが可能となる。
また、形成されるARコート402は、突出部401aを含むレンズ401の有効領域と非有効領域とを含む全面と、その外周部となるガラス基板12上において、有効領域、およびガラス基板12以外の少なくとも一部にARコートが形成されない領域を設けるようにすることで、実装リフロー熱負荷時や信頼性検査等の加熱による膨張収縮に起因するクラックの発生を抑制することが可能となる。
尚、ここでは、ARコート402について説明してきたが、レンズ401の表面に製膜される構成であれば、他の膜でもよく、例えば、モスアイ等の反射防止膜等であっても同様である。
また、以上においては、突出部401aを備えたレンズの例について説明してきたが、突出部401aを備えていないレンズであっても、有効領域と非有効領域とを含む全面と、その外周部となるガラス基板12上において、有効領域、およびガラス基板12以外の少なくとも一部にARコートが形成されない領域が設けられればよい。換言すれば、レンズ401に形成されるARコート402が、レンズ側面およびガラス基板12上に形成されるARコート402と連続的に繋がった状態で形成されないようにすればよい。このため、レンズ401は、例えば、2段側面型レンズ401Lであってもよく、レンズ401上に形成されるARコート402が、レンズ側面、およびガラス基板12上に形成されるARコート402と連続的に繋がった状態で形成されないように形成されれば、同様の効果を奏する。
<21.第21の実施の形態>
以上においては、レンズ401に形成されるARコート402が、ガラス基板12上に形成されるARコート402と連続的に繋がった状態で形成されないようにすることで、実装リフロー熱負荷時に熱に起因する膨張収縮によりARコート402の生じる応力を低減させる例に説明してきた。
しかしながら、レンズ401の突出部401aや側面を覆うように遮光膜が形成されるようにして、側面フレアの発生を抑制するようにしてもよい。
すなわち、図56の最上段で示されるように、ガラス基板12上において、レンズ401の側面、および突出部401aの上面の平面部の高さまでの全範囲、すなわち、有効領域以外の範囲に遮光膜521が形成されるようにしてもよい。
また、図56の上から2番目で示されるように、ガラス基板12上からレンズ401の側面、および突出部401aの上面の平面部までの全面、すなわち、有効領域以外の表面部分の全体に遮光膜521が形成されるようにしてもよい。
さらに、図56の上から3番目で示されるように、ガラス基板12上からレンズ401の突出部401aの側面に遮光膜521が形成されるようにしてもよい。
また、図56の上から4番目で示されるように、ガラス基板12上からレンズ401の突出部401aの側面における、ガラス基板12から所定の高さまでの範囲に遮光膜521が形成されるようにしてもよい。
さらに、図56の上から5番目で示されるように、レンズ401の突出部401aの側面のみに遮光膜521が形成されるようにしてもよい。
また、図56の上から6番目で示されるように、ガラス基板12上の2段側面型レンズ401の2つの側面の最高位置までの範囲に遮光膜521が形成されるようにしてもよい。
さらに、図56の上から7番目で示されるように、ガラス基板12上の2段側面型レンズ401の2つの側面の最高位置までの表面の全体、および、固体撮像素子11の外周部分を覆うように遮光膜521が形成されるようにしてもよい。
いずれにおいても、遮光膜521は、部分成膜により形成する、成膜後リソグラフィすることで形成する、レジストを形成した後、成膜し、レジストをリフトオフすることで形成する、または、リソグラフィにより形成する。
また、2段側面型レンズ401の外周部に遮光膜を形成するための土手を形成し、2段側面型レンズ401の外周部であって、土手の内側に遮光膜521を形成するようにしてもよい。
すなわち、図57の最上段で示されるように、2段側面型レンズ401の外周部におけるガラス基板12上に、レンズ高さと同一の高さの土手531を形成し、2段側面型レンズ401の外周部であって、土手531の内側にリソグラフィ、または、塗布により遮光膜521を形成した後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等の研磨により、遮光膜521、レンズ401、および土手531の高さを揃えるようにしてもよい。
また、図57の2段目で示されるように、2段側面型レンズ401の外周部におけるガラス基板12上に、レンズ高さと同一の高さの土手531を形成し、2段側面型レンズ401の外周部であって、土手531の内側に遮光膜521の材料を塗布するのみで、遮光膜521、レンズ401、および土手531の高さについては、遮光膜521の材料によるセルフアラインとするようにしてもよい。
さらに、図57の3段目で示されるように、2段側面型レンズ401の外周部におけるガラス基板12上に、レンズ高さと同一の高さの土手531を形成し、2段側面型レンズ401の外周部であって、土手531の内側にリソグラフィにより遮光膜521を形成するのみにしてもよい。
また、図57の4段目で示されるように、2段側面型レンズ401の外周部におけるガラス基板12上に、2段側面型レンズ401とガラス基板12との境界が繋がるように土手531を形成し、2段側面型レンズ401の外周部であって、土手531の内側にリソグラフィ、または、塗布により遮光膜521を形成した後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等の研磨により、遮光膜521、レンズ401、および土手531の高さを揃えるようにしてもよい。
また、図57の5段目で示されるように、2段側面型レンズ401の外周部におけるガラス基板12上に、2段側面型レンズ401とガラス基板12との境界が繋がるように土手531を形成し、2段側面型レンズ401の外周部であって、土手531の内側に遮光膜521の材料を塗布するのみで、遮光膜521、レンズ401、および土手531の高さについては、遮光膜521の材料によるセルフアラインとするようにしてもよい。
さらに、図57の6段目で示されるように、2段側面型レンズ401の外周部におけるガラス基板12上に、2段側面型レンズ401とガラス基板12との境界が繋がるように土手531を形成し、2段側面型レンズ401の外周部であって、土手531の内側にリソグラフィにより遮光膜521を形成するのみにしてもよい。
いずれにおいても、レンズ401の突出部401aや側面を覆うように遮光膜が形成されるので、側面フレアの発生を抑制することが可能となる。
尚、以上においては、レンズ401の外周部に遮光膜が形成される例について説明してきたが、レンズ401の外周部からの光が侵入できないものであればよいので、遮光膜に代えて、例えば、光吸収膜を形成するようにしてもよい。
<22.電子機器への適用例>
上述した図1,図4,図6乃至図17の撮像装置1は、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像装置、撮像機能を備えた携帯電話機、または、撮像機能を備えた他の機器といった各種の電子機器に適用することができる。
図58は、本技術を適用した電子機器としての撮像装置の構成例を示すブロック図である。
図58に示される撮像装置1001は、光学系1002、シャッタ装置1003、固体撮像素子1004、駆動回路1005、信号処理回路1006、モニタ1007、およびメモリ1008を備えて構成され、静止画像および動画像を撮像可能である。
光学系1002は、1枚または複数枚のレンズを有して構成され、被写体からの光(入射光)を固体撮像素子1004に導き、固体撮像素子1004の受光面に結像させる。
シャッタ装置1003は、光学系1002および固体撮像素子1004の間に配置され、駆動回路1005の制御に従って、固体撮像素子1004への光照射期間および遮光期間を制御する。
固体撮像素子1004は、上述した固体撮像素子を含むパッケージにより構成される。固体撮像素子1004は、光学系1002およびシャッタ装置1003を介して受光面に結像される光に応じて、一定期間、信号電荷を蓄積する。固体撮像素子1004に蓄積された信号電荷は、駆動回路1005から供給される駆動信号(タイミング信号)に従って転送される。
駆動回路1005は、固体撮像素子1004の転送動作、および、シャッタ装置1003のシャッタ動作を制御する駆動信号を出力して、固体撮像素子1004およびシャッタ装置1003を駆動する。
信号処理回路1006は、固体撮像素子1004から出力された信号電荷に対して各種の信号処理を施す。信号処理回路1006が信号処理を施すことにより得られた画像(画像データ)は、モニタ1007に供給されて表示されたり、メモリ1008に供給されて記憶(記録)されたりする。
このように構成されている撮像装置1001においても、上述した光学系1002、および固体撮像素子1004に代えて、図1,図9,図11乃至図22のいずれかの撮像装置1を適用することにより、装置構成の小型化および低背化を実現しつつ、内乱反射に起因するゴーストやフレアを抑制することが可能となる。
<23.固体撮像装置の使用例>
図59は、上述の撮像装置1を使用する使用例を示す図である。
上述した撮像装置1は、例えば、以下のように、可視光や、赤外光、紫外光、X線等の光をセンシングする様々なケースに使用することができる。
・ディジタルカメラや、カメラ機能付きの携帯機器等の、鑑賞の用に供される画像を撮影する装置
・自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用センサ、走行車両や道路を監視する監視カメラ、車両間等の測距を行う測距センサ等の、交通の用に供される装置
・ユーザのジェスチャを撮影して、そのジェスチャに従った機器操作を行うために、TVや、冷蔵庫、エアーコンディショナ等の家電に供される装置
・内視鏡や、赤外光の受光による血管撮影を行う装置等の、医療やヘルスケアの用に供される装置
・防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等の、セキュリティの用に供される装置
・肌を撮影する肌測定器や、頭皮を撮影するマイクロスコープ等の、美容の用に供される装置
・スポーツ用途等向けのアクションカメラやウェアラブルカメラ等の、スポーツの用に供される装置
・畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の、農業の用に供される装置
<24.内視鏡手術システムへの応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
図60は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
図60では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
光源装置11203は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
図61は、図60に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
撮像部11402は、撮像素子で構成される。撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(Dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、内視鏡11100や、カメラヘッド11102(の撮像部11402)、CCU11201(の画像処理部11412)等に適用され得る。具体的には、例えば、図1,図9,図11乃至図22の撮像装置1は、レンズユニット11401および撮像部10402に適用することができる。レンズユニット11401および撮像部10402に本開示に係る技術を適用することにより、装置構成の小型化および低背化を実現すると共に、内乱反射に起因するフレアやゴーストの発生を抑制させることが可能となる。
なお、ここでは、一例として内視鏡手術システムについて説明したが、本開示に係る技術は、その他、例えば、顕微鏡手術システム等に適用されてもよい。
<25.移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
図62は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図62に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図62の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
図63は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
図63では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
なお、図63には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、撮像部12031に適用され得る。具体的には、例えば、図1,図9,図11乃至図22の撮像装置1は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、装置構成の小型化および低背化を実現すると共に、内乱反射に起因するフレアやゴーストの発生を抑制させることが可能となる。
尚、本開示は、以下のような構成も取ることができる。
<1> 入射光の光量に応じて光電変換により画素信号を生成する固体撮像素子と、
前記固体撮像素子の受光面に対して、前記入射光を合焦させる、複数のレンズからなるレンズ群とを含み、
前記レンズ群のうち、前記入射光の入射方向に対して最下位層を構成する最下位層レンズが、前記入射光を受光する方向に対して最前段に構成され、
前記最下位層レンズは、非球面の凹型レンズであり、前記最下位層レンズの側面に遮光膜が形成される
撮像装置。
<2> 前記最下位層レンズは、前記入射光を前記固体撮像素子に対して集光させる有効領域が設定され、
前記遮光膜は、前記最下位層レンズの側面のうち、前記有効領域が設定される高さまでの領域に形成される
<1>に記載の撮像装置。
<3> 前記遮光膜は、前記最下位層レンズの側面に加えて、前記最下位層レンズが貼り付けられる前記固体撮像素子上のガラス基板上に形成される
<1>または<2>に記載の撮像装置。
<4> 前記最下位層レンズは、前記入射光を前記固体撮像素子に対して集光させる有効領域が設定され、
前記遮光膜は、前記最下位層レンズの側面を含む、前記有効領域以外の領域に形成される
<1>乃至<3>のいずれかに記載の撮像装置。
<5> 前記遮光膜は、前記最下位層レンズの側面を含む、前記有効領域以外の領域における、前記最下位層レンズの前記入射光の入射方向の高さまでの全体を埋めるように形成される
<4>に記載の撮像装置。
<6> 前記遮光膜は、前記最下位層レンズの外周部に設けられた土手と、前記最下位層レンズの側面との間に形成される
<5>に記載の撮像装置。
<7> 前記遮光膜は、前記最下位層レンズの外周部に設けられた土手と、前記最下位層レンズの側面との間に、前記遮光膜を形成する材質がリソグラフィにより充填されることにより形成される
<6>に記載の撮像装置。
<8> 前記遮光膜は、前記最下位層レンズの外周部に設けられた土手と、前記最下位層レンズの側面との間に、前記遮光膜を形成する材質が塗布されることにより形成される
<6>に記載の撮像装置。
<9> 前記遮光膜は、前記最下位層レンズの外周部に設けられた土手と、前記最下位層レンズの側面との間に、前記遮光膜を形成する材質がリソグラフィにより充填された後、または、塗布された後、さらに、研磨されることにより形成される
<6>に記載の撮像装置。
<10> 前記土手は、前記最下位層レンズの側面と接続されて形成される
<9>に記載の撮像装置。
<11> 前記遮光膜は、前記最下位層レンズの側面を含む、前記有効領域以外の領域における、前記最下位層レンズの前記入射光の入射方向の高さまでの表面に形成される
<4>に記載の撮像装置。
<12> 前記最下位層レンズの外周側面には、前記最下位層レンズの最も厚い厚さよりも前記ガラス基板からの厚さが厚く、平面部を備えた土手状の突出部が形成される
<3>に記載の撮像装置。
<13> 前記最下位層レンズの外周部には、多段に側面が形成される
<1>乃至<12>のいずれかに記載の撮像装置。
<14> 前記固体撮像素子は、積層構造で、かつ、キャビティレス構造である
<1>乃至<13>のいずれかに記載の撮像装置。