JP7237029B2 - 監視制御装置 - Google Patents
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Description
従来の監視制御装置においては、監視対象の設備における配線、配管等の接続状況は、設計図面等に代表される設計情報に基づいて入力されていた。しかし、年数の経過に伴う設備追加または補修、更新等に伴い、配線、配管等の接続状況が変化することがある。
また、既設の施設ビル等に対して、新規に監視制御装置を導入する場合、設計情報そのものが散逸もしくは陳腐化しており、接続状況が入手できない事例がある。
そのため、監視対象設備の接続関係を推定処理するために、供給元と供給先の同一時刻の測定値の変化量から供給元と供給先の接続可能性を示す指標値を算出し、指標値の大きさによって接続関係を推定している。(例えば、特許文献1および特許文献2参照)
すなわち、一つの供給元に対して、複数の供給先が並列接続されているのか、直列接続されているのかは、供給先設備間で供給元と供給先の組み合わせを総当たりで推定する必要がある。
また、従来の監視制御装置では、供給元と供給先との接続関係を推定するための指標値の値が一定値より小さくなると、接続関係がないと判断するため、例えば、空調設備または給排水管の配管劣化等により、末端の設備まで冷暖気または水の供給が行き届かなくなると、接続関係がなくなってしまうという問題があった。
以下、実施の形態1を図に基づいて説明する。
図1は、実施の形態1による監視制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図1において、監視制御装置1は、後述する信号リスト記憶部2、設備機器リスト記憶部3、履歴データ記憶部4、データ収集部5、設備影響度算出部6、接続関係推定部7、設備機器リスト更新部8を有する。
監視制御装置1は、監視対象となる設備機器11から機器の稼動状態を示すデータを信号線、通信回線等を経由して収集する。
以下、監視制御装置1の各部について詳述する。
また、信号リスト記憶部2は、図2に示すデータの他、監視制御装置1または設備機器11の入出力仕様の制限等の理由により、実際には収集不可能な信号名とその取り得る値と各値の示す意味を格納してもよい。
また、信号リスト記憶部2は、図2の形式によらず、機器の型名と収集可能な信号名とその取り得る値と各値の示す意味とを紐づけて記憶するテーブルに分割したテーブル構造を有し、型名が同一の機器について共通な信号リストを保持するようにしてもよい。
さらにまた、信号リスト記憶部2には、上記以外のデータ項目、例えば信号種別、計測ユニット名、収集プロトコル名等が含まれていてもよい。
図3で、機器同士の接続関係に関する情報は、接続系統ごとに保有してもよい。例えば、空調設備の場合は、電力供給系統による接続関係、配管系統による接続関係、制御ネットワーク系統による接続関係、等の複数の接続関係を有する。
この場合は、各系統における接続関係を保有することが望ましい。そのため、機器同士の接続関係に関する情報は、接続系統ごとに異なるテーブルで管理してもよい。
また、設備機器リスト記憶部3に記憶される情報は、機器の種別、設置場所、メーカ名、購入年または導入年、保守に関する情報、設定値に関する情報等を含んでいてもよい。
稼動状態を示すデータとしては、設備機器11が外部出力可能な信号状態、動作モード識別記号、計量値等の他に、後付けセンサ等で計測可能な電力量等の出力量の能力値または外部から入力された制御指令信号等、設備機器11自身の入出力可能パラメータ以外のパラメータを含んでいてもよい。
また、信号リスト記憶部2もしくは設備機器リスト記憶部3のいずれかに信号ごと、もしくは設備機器ごとの収集周期を格納しておき、この収集周期に従って自動的に設備機器11の稼動状態を収集するようにしてもよい。
また、設備機器11側、または監視制御装置1および設備機器11と、ネットワーク接続されたデータ収集サーバによって収集された設備機器11の稼動状態を示すデータを、データ収集部5で受信するようにしてもよい。
ここで、設備影響度とは、ある設備機器11の制御指令に対して、設備の挙動が変化する度合いを意味する。例えば、設備機器11に空調コントローラが含まれている場合、空調コントローラにおいて、電源オン/オフ、運転モード、室温設定、風量設定等の変更制御が行われた場合に、他の設備機器11の稼動状態の変化度合いが設備影響度となる。
設備影響度は、一つの信号にのみ着目して算出する方法の他に、当該設備機器11の複数の信号に対する総合的な変化度合いとして算出する方法がある。算出方法の詳細については後述する。
設備機器リスト更新部8は、接続関係推定部7により推定された設備機器11同士の接続関係を、設備機器リスト記憶部3に格納する。
図2において、信号リスト記憶部2のデータ例を示している。監視制御装置1の監視対象である設備機器11のそれぞれにおいて、機器を特定する機器ID(identification)、機器名(機器種別および名称記号)、収集可能な信号名、信号種別、信号値(信号の取り得る値)と各信号値の示す意味とを少なくとも格納している。
図3において、監視制御装置1の監視対象である設備機器11のそれぞれにおいて、機器を特定する機器ID、機器名、機器種別、機器同士の接続関係に関する情報を少なくとも格納する。親設備ID、子設備ID1、子設備ID2にその接続関係が示されている。
図4において、監視制御装置1の監視対象である設備機器11のそれぞれから収集した、稼動状態を示すデータが格納されている。収集日、収集時刻、機器ID、収集信号名、収集値である。なお、収集値は、図2の信号値と同じであり、図2の意味が適用される。
なお、稼動状態を示すデータとしては、設備機器11が外部出力可能な信号状態、動作モード識別記号、計量値等の他に、後付けセンサ等で計測可能な電力量等の出力量の能力値または外部から入力された制御指令信号等、設備機器11自身の入出力可能パラメータ以外のパラメータを含んでもよい。
図6においては、監視制御装置が適用されるプラントの例を示している。
プラント内部には、空調コントローラ11aと、空調室外機11b、11cと、空調室内機11d~11iと、照明コントローラ11jと、照明設備11k~11rと、コンピュータ11s~11vが存在するものとする。
図8においては、例として、機器ID_1として記載された空調コントローラ11aが、機器ID_2として記載された、その他の設備機器11b~11vに及ぼす設備影響度の算出例を示す。設備影響度は、後述する式(1)により算出される。
まず、監視制御装置1の動作について、図5を用いて説明する。
この場合、実施の形態1の各処理の内容を説明するための適用例として、図6に示すプラントを例にする。
図6のプラント内部には、空調コントローラ11aと空調室外機11b、11cと、空調室内機11d~11iと、照明コントローラ11jと、照明設備11k~11rと、コンピュータ11s~11vが存在するものとする。
また、実施の形態1においては、設備機器リスト記憶部3には、図6に示すように、電力供給系統については既知であるが、配管系統および制御ネットワーク系統に関する接続関係は不明であるとする。
データ収集部5は、例えば、信号リスト記憶部2に格納されている収集可能な信号すべてに対して、稼動状態を示すデータを収集してもよい。また、設備影響度算出部6が必要とする信号に限定して稼動状態を示すデータを収集してもよい。
次いで、接続関係推定部7が、設備機器11同士の接続関係を推定する(ステップS3)。接続関係推定部7の詳細な処理フローについては、図9で後述する。
設備機器リスト更新部8の詳細な処理フローについては、図10で後述する。
図5のステップS2の設備影響度算出部6による設備影響度の算出の例として、図8のように、空調コントローラ11aが、その他の設備機器11b~11vに及ぼす設備影響度の算出例について説明する。
空調コントローラ11aにおいて、空調設備の運転状況を「稼働中(電源オン)」から「停止中(電源オフ)」に変更した場合、履歴データ記憶部4には、空調コントローラ11aの制御内容の変更履歴が格納される。
空調コントローラ11aのどの信号が制御指令を表すかどうかは、信号リスト記憶部2から取得してもよく、設備機器リスト記憶部3から取得してもよい。
ステップS201で、制御指令が変化しない場合は、処理を終了する。
設備影響度未算出の設備機器がある場合は、空調コントローラ11aと当該設備機器との設備影響度αを、式(1)により算出する(ステップS203)。
ここで、設備影響度は、空調コントローラ11aの制御内容が変化した時刻を起点とした場合の当該設備機器の影響変化量比で表現する。
このように、明らかに設備機器間に制御関連性がないとわかっている場合は、設備機器リスト記憶部3に、設備機器間の制御関連性を格納しておき、制御関連性がある設備機器間についてのみ、設備影響度を算出してもよい。
すべての設備機器に対して設備影響度を算出すると、設備影響度算出部6の動作を終了する。
ここでは、例として、空調コントローラ11aとその他の設備機器11b~11vとの接続関係を推定する。
接続関係を推定していない系統がある場合は、設備影響度の大小に基づいて接続関係を推定する(ステップS302)。
また、設備影響度差が、予め指定した範囲内に収まる設備機器が複数存在する場合は、並列接続になっていると判断させてもよい。
また、設備影響度が予め指定したしきい値以下の場合には、空調コントローラ11aとの接続関係がないと判断させてもよい。
すべての接続系統について接続関係を推定すると、接続関係推定部7の動作を終了する。
図10で、まず、接続関係を格納していない接続系統があるかどうかを判定する(ステップS401)。
接続関係を格納していない系統がある場合は、接続関係推定部7により推定された接続関係を設備機器リスト記憶部3に格納する(ステップS402)。
ステップS4の動作が終了すると、監視制御装置1の動作を終了する。
このため、接続関係が不明な接続系統が存在しても、接続関係を自動的に得ることができる。
図11は、実施の形態2による監視制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図11において、符号1~8、11は図1におけるものと同一のものである。図11では、監視制御装置1に、接続関係を描画する接続関係描画部21を設けるとともに、監視制御装置1に入力部101と出力部102が接続されている。
入力部101は、監視制御装置1を操作するためのキーボード、マウス等のユーザ入力装置である。出力部102は、監視制御装置1の状態を表示するディスプレイ機器等の表示装置である。
図13においては、接続関係描画部21の接続関係の描画結果として、図6のプラントを例にした制御系統の接続関係を示している。
実施の形態2における設備機器リスト更新部8の処理の詳細について、図12を用いて説明する。
接続関係描画部21は、図13のように、接続関係をグラフィックデータとして作成したり、表形式で出力したりして、出力部102に出力する。
利用者が、入力部101を介して、接続関係推定結果の格納に同意した場合は、接続関係推定部7により推定された接続関係を設備機器リスト記憶部3に格納する(ステップS414)。
利用者が同意しなければ、接続関係推定結果を保存せずに、ステップS411に戻る。
すべての接続系統について確認が終われば、設備機器リスト更新部8の動作を終了する。
図14は、実施の形態3による監視制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図14において、符号1~8、11、21、101、102は図11におけるものと同一のものである。図14では、監視制御装置1に、接続関係修正部22を設けている。接続関係修正部22は、現在表示中の接続系統における接続関係推定結果に対して修正が必要な場合に、利用者による修正作業を行わせる。
次に、実施の形態3の設備機器リスト更新部8の処理の詳細について、図15を用いて説明する。
接続関係を格納していない系統がある場合は、接続関係描画部21により、当該接続系統の接続関係推定結果を表示する(ステップS422)。
修正作業が必要である場合は、接続関係修正部22が、利用者による接続関係の修正を受け付ける(ステップS424)。
例えば、修正したい設備機器を画面上で選択して移動先を指定したり、表の中にリストの表示順を移動させるボタンを設けて指定したり、設備機器の追加または削除ができるアイコンまたはポップアップ画面を設けてもよい。
利用者が同意しなければ、接続関係推定結果を保存せずに、ステップS421に戻る。
すべての接続系統について、接続関係の修正の必要性の確認が終われば、設備機器リスト更新部8の動作を終了する。
図16は、実施の形態4による監視制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図16において、符号1~8、11は図1におけるものと同一のものである。図16では、監視制御装置1に、既存の接続関係を評価し、この接続関係の変化を検知する接続関係評価部31を設けている。
なお、ステップS1~ステップS4は、図5のステップS1~ステップS4の処理と同一の処理であり、その説明を省略する。
図17では、ステップS2の処理に続いて、ステップS10が行われる。
例えば、電力供給系統については既知であるが、配管系統および制御ネットワーク系統に関する接続関係は不明である場合、配管系統および制御ネットワーク系統については実施の形態1のステップS3およびステップS4の処理を続けて行い、不明な接続関係の推定処理を行う。
接続関係評価部31の処理の詳細は、後述する図18に示す。
ステップS4またはステップS12の動作が終了すると、監視制御装置1の動作を終了する。
図18で、始めに、設備機器リスト記憶部3に格納されている接続関係の中に、接続関係を評価していないものがあるかどうかを判定する(ステップS501)。
例えば、設備影響度の値をそのまま評価結果としてもよく、設備影響度に何段階かのしきい値を設けて、そのしきい値で設定された区間の区間記号を評価結果としてもよい。
すべての接続関係について評価が終わると、接続関係評価部31の動作を終了する。
このため、経年劣化または破損、汚損等により、既存の接続関係に変化が発生している場合に、接続関係評価結果に基づいて、接続関係が低下している区間を自動的に検知し、利用者に対して警告を発することができる。
図19は、実施の形態5による監視制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図19において、符号1~8、11、31は図16におけるものと同一のものである。図19では、監視制御装置1に、設備機器リスト記憶部3に格納されている接続関係推定結果および接続関係評価結果に基づいて、設備機器11への制御指令を作成する設備機器制御指令作成部201を設けている。
すなわち、監視制御装置1は、実施の形態1~実施の形態4に述べた処理とは別に、適宜、設備機器制御指令作成部201の処理を行う。
図20で、始めに、設備機器11の稼動状態を示すデータを履歴データ記憶部4から読み込む(ステップS601)。
このとき、読み込むデータの期間は、機器種別、制御内容に応じて適宜設定されるものとする。
設備機器の制御指令を変更する必要があれば、設備機器リスト記憶部3に格納されている当該接続関係の評価結果に基づいて、制御指令を作成する(ステップS603)。
ステップS603が終了するか、ステップS602において、制御指令を変更する必要がないと判定されれば、設備機器制御指令作成部201の動作を終了する。
このため、経年劣化または破損、汚損等により既存の接続関係に変化が発生している場合、あるいは、空調配管系統に接続された設備機器のように、制御可能な設備機器と制御効果を得たい箇所とが異なる場合に、系統全体の設備機器の制御を自動的に行うことができる。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
4 履歴データ記憶部、5 データ収集部、6 設備影響度算出部、
7 接続関係推定部、8 設備機器リスト更新部、11 設備機器、
21 接続関係描画部、22 接続関係修正部、31 接続関係評価部、
101 入力部、102 出力部、201 設備機器制御指令作成部、
1000 プロセッサ、1001 記憶装置
Claims (5)
- 設備機器を監視および制御する監視制御装置であって、
上記設備機器の稼動状態を示すデータを収集するデータ収集部、
このデータ収集部により収集されたデータに基づき、上記設備機器を制御するための制御指令が変化した場合の当該設備機器の稼動状態の変化が、他の設備機器の稼動状態に及ぼす影響の度合いを数値化し、設備影響度として算出する設備影響度算出部、
この設備影響度算出部により算出された上記設備影響度に基づき、上記設備機器間の接続関係を推定する接続関係推定部、
この接続関係推定部により推定された上記設備機器間の接続関係を記憶する接続関係記憶部を備え、
上記接続関係推定部は、上記設備影響度が予め決められたしきい値を超える場合に、上記設備機器間の接続関係ありとすることを特徴とする監視制御装置。 - 上記接続関係推定部により推定された上記設備機器間の接続関係を描画する接続関係描画部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の監視制御装置。
- 上記接続関係描画部による描画結果に基づき、上記設備機器間の接続関係を修正する接続関係修正部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の監視制御装置。
- 上記接続関係記憶部に記憶された上記設備機器間の接続関係を評価する接続関係評価部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の監視制御装置。
- 上記接続関係評価部による評価結果に基づいて、上記設備機器を制御するための制御指令を作成する設備機器制御指令作成部を備えたことを特徴とする請求項4に記載の監視制御装置。
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