JP7236431B2 - 長鎖アミノ酸および二塩基酸を製造する方法 - Google Patents

長鎖アミノ酸および二塩基酸を製造する方法 Download PDF

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Description

[関連出願の相互参照]
本出願は2017年7月12日に出願された米国特許出願第15/647966号の継続出願であり、そのすべては引用することによって本明細書の一部を成すものとする。
本発明は、長鎖アミノ酸、二塩基酸、短鎖アルキルアミンおよびアルカン酸を製造および分離する方法に関する。
長鎖飽和脂肪族アミノ酸、ラクタムおよび二塩基酸は、長鎖ナイロンおよびエンジニアリングプラスチックにとって重要なモノマーである。ナイロンは、その鎖の主鎖にアミド結合を含有するポリマーのクラスである。ナイロンは、最も広範に用いられており、種類が最も多く、使用量が最も多いエンジニアリングプラスチックの1種である。
長鎖ナイロンは、その希少な分子構造によって、驚くべき物性、すなわち金属より高い機械的強度、低い吸湿性、優れた耐油性、耐低温性、耐摩損性および耐薬品性を有しており、最も重要なことに、加工が容易である。長鎖ナイロンは、多くの種類のプラスチック製品に加工され、繊維に紡績され、薄膜に延伸される。長鎖ナイロンは、塗料および熱溶融接着剤にも用いられる。このように、長鎖ナイロンには、自動車、電気、電子、電気通信、石油化学および航空宇宙産業において広範な用途が見出されている。
長鎖アミノ酸およびラクタムは、ナイロン-9、ナイロン-11およびナイロン-12を製造するためのモノマーとして、工業的に用いられている。
長鎖二塩基酸は、ナイロン-610、ナイロン-612、ナイロン-510、ナイロン-512、ナイロン-1010およびナイロン-1212を製造するための出発原料として、ジアミンと工業的に縮合されている。
いずれも本発明者による、国際公開第2017/088218号、同時係属出願USSN15/601556号およびUSSN15/644708号は、長鎖アミノ酸および二塩基酸のケト脂肪酸誘導体からの同時製造(coproduction)についての新規な方法を開示している。これらの先行技術によれば、長鎖ケト脂肪酸誘導体をヒドロキシアミンと反応させて、オキシム誘導体を形成し、これにベックマン転位を行って、2つのアミド誘導体の混合物を得る。これらのアミド誘導体を、酸および塩基性剤で加水分解して、長鎖アミノ酸および二塩基酸を含有する生成物の混合物とし、これを多段中和(step-wise neutralization)法により単離する。酸による加水分解は非常に遅く、終了するまでに過度に長い時間を要するため、加水分解は水酸化アルカリで行う。
同時係属出願USSN15/635874号は、任意の廃棄水流(waste aqueous stream)の排出なしでの、長鎖二塩基酸およびアミノ酸の製造における各成分の、加水分解生成物の混合物から完全に分離する方法を開示している。
国際公開第2017/088218号およびUSSN15/635874号による方法は、水酸化アルカリ、最も好ましくは水酸化ナトリウム、および酸、最も好ましくは硫酸を利用して、製造および分離を実現している。結果的に、大量の硫酸ナトリウムが該製造方法で得られている。副生成物としては、硫酸ナトリウムは、水酸化ナトリウムおよび硫酸から形成するにはコストがかかる。また、硫酸ナトリウムはほとんど価値がなく、処理を益々困難にするものである。
本発明の目的は、混合アミド誘導体のアンモニアまたは水酸化アンモニウムでの加水分解を行うことにより長鎖アミノ酸および二塩基酸を製造する方法を開示することである。
本発明の別の目的は、水酸化アンモニウム加水分解による生成物の混合物からの各成分を分離する方法を開示することである。本発明に係る方法によれば、長鎖アミノ酸および二塩基酸が、高収率および優れた純度で簡単、効率的かつ経済的に、製造ならびに分離される。唯一の副生成物は、肥料として価値のある商品である硫酸アンモニウムである。
水酸化アンモニウム加水分解の場合の、長鎖アミノ酸、二塩基酸、アルキルアミンおよびアルカン酸の、これらの混合物からの製造および分離のフローチャート図である。 水酸化アンモニウム加水分解の場合の、長鎖アミノ酸、二塩基酸、アルキルアミンおよびアルカン酸の、これらの混合物からの製造および分離のフローチャート図である。 アルキルアミン、長鎖アミノ酸および硫酸アンモニウムを回収するための水流の処理のフローチャート図である。 5%水酸化アンモニウム水溶液中の11-アミノウンデカン酸およびドデカン二酸の溶解度曲線を示す図である。
本発明の主な目的は、オキシム脂肪酸誘導体のベックマン転位からの以下の構造式の混合アミド誘導体
Figure 0007236431000001
の加水分解は、アンモニアまたは水酸化アンモニウムで行うことができ、以下の構造式の主生成物の混合物
Figure 0007236431000002
(式中、mは0~10の整数であり、nは6~20の整数であり;XはORまたはNRであり、ORはOH、C~C一価アルコールまたはC~C多価アルコールであり、RおよびRは各々独立して水素またはC~Cアルキル基である。)
が得られる方法を開示することである。
m=5、n=10の場合、主生成物は、11-アミノウンデカン酸、ドデカン二酸、ヘキシルアミンおよびヘプタン酸である。商用グレードの出発原料がヒマシ油から得られるため、相当量のステアリン酸も、生成物の混合物中に不純物として存在することとなる。
m=7、n=8の場合、主生成物は、9-アミノノナン酸、セバシン酸、オクチルアミンおよびペラルゴン酸である。
m=5、n=12の場合、主生成物は、13-アミノトリデカン酸、テトラデカン二酸(ブラシル酸)、ヘキシルアミンおよびヘプタン酸である。
本発明者は、ベックマン転位からの混合アミド誘導体をアンモニアまたは水酸化アンモニウムの水溶液で加水分解できることを見出している。加水分解反応は、100℃~280℃、好ましくは150~250℃、より好ましくは160~240℃、最も好ましくは180℃~220℃の高温で行う。加水分解反応の圧力は、自生圧(autogenous)から260barまでである。
加水分解反応は、空気雰囲気下で、または不活性ガス、すなわちヘリウム、アルゴンもしくは窒素の保護下で行うことができる。
アンモニア対混合アミド誘導体のモル比は、1~20、好ましくは2~10、より好ましくは3~8、最も好ましくは4~8にて変化できる。
混合アミド誘導体の加水分解は、触媒の存在下で行うこともできる。有用な触媒は、水酸化物、重炭酸、炭酸、重亜硫酸、亜硫酸、硫酸、硝酸、リン酸のアルカリおよびアンモニウム塩、ならびにこれらの2つ以上の混合物からなる群にて見出されている。触媒は、水酸化アルカリから選択されることが好ましく、触媒は、水酸化ナトリウムであることが最も好ましい。触媒は、混合アミド誘導体の0.01~10重量%、より好ましくは0.1~5重量%、最も好ましくは0.5~2重量%の量で添加する。アルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウムまたはセシウムである。
有機溶媒の水溶液は、加水分解反応で使用して、混合アミド誘導体の溶解を補助することができ、これは加水分解を促進するのに有益である。有用な溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、tert-ブタノール、イソブタノール、ブタノールおよびこれらの2つ以上の混合物から選択される。溶媒は、好ましくはアルコール、より好ましくはメタノールまたはエタノール、最も好ましくは混合アミドエステル中と同じアルコールから選択される。水性混合物中の選択された溶媒の含有量は、5%~95%、より好ましくは30~70%の範囲、最も好ましくは40%~60%で変化できる。
加水分解反応は、連続的に、半連続的にまたはバッチ式で行うことができる。加水分解後、水性溶媒中の過剰なアンモニアおよび溶媒を蒸発により除去して、長鎖アミノ酸、ならびに長鎖二塩基酸およびアルカン酸のアルキルアミンまたはアンモニウム塩の混合物の溶液または懸濁液を得る。アンモニアを除去する過程で、アルキルアミンを蒸発させないか、またはわずかに蒸発させることを指摘することは重要である。アルキルアミンは、長鎖二塩基酸またはアルカン酸との塩を形成することが見出されている。過剰なアンモニアの除去後、強アルカリ溶液または懸濁液が中性となり、長鎖アミノ酸が沈殿する。
図1に概略的に例示される本発明に係る一実施形態において、溶液または懸濁液をさらに冷却して、長鎖アミノ酸を結晶化させ、これを固液分離により回収して、長鎖二塩基酸およびアルカン酸のアンモニウムまたはアルキルアミン塩を含有する母液を得ることができる。図4では、ドデカン二酸および11-アミノウンデカン酸のアンモニウム塩の溶解度の大きな差が示された。図4に示すように、ドデカン二酸のアンモニウム塩は可溶であり、温度が上昇するとさらに可溶になるが、11-アミノウンデカン酸は5%水酸化アンモニウム溶液にほぼ不溶であることが明らかである。母液中の3つの成分、すなわちアルキルアミン、ドデカン二酸およびアルカン酸は、以下の3つの方法の1つに従って分離できる。
母液中の各成分を分離する第1の方法によれば、溶液を酸性化し、長鎖二塩基酸を沈殿させ、アルカン酸を油として得る。長鎖二塩基酸を固液分離により回収し、母液を得、ここからアルカン酸を相分離により分離して溶液を得、ここに塩基性剤を抽出剤の存在下で添加してアルキルアミンを回収する。抽出剤相中のアルキルアミンを分別蒸留し、アルキルアミンを得て、抽出溶媒(extractant solvent)を回収する。
母液中の各成分を分離する第2の方法によれば、母液を抽出溶媒の存在下で酸性化して、長鎖二塩基酸およびアルカン酸を溶解する。酸性化および抽出後、水溶液に塩基性剤および抽出溶媒を添加して、アルキルアミンを回収する。長鎖二塩基酸およびアルカン酸は、それぞれ、冷却結晶化および蒸留により抽出剤相から分離する。
母液中の各成分を分離する第3の方法は、塩基性剤および抽出溶媒を溶液に添加して、アルキルアミンを回収することから出発し、次いで、抽出溶媒の存在下または非存在下で、酸を溶液に添加して、長鎖二塩基酸およびアルカン酸を形成する。抽出溶媒の非存在下では、長鎖二塩基酸を沈殿させ、固液分離により回収して、アルカン酸を母液中の油相として回収する。抽出溶媒の存在下では、長鎖二塩基酸およびアルカン酸を抽出剤相に溶解し、それぞれ結晶化および蒸留により分離する。
長鎖脂肪酸が出発原料中に存在する場合、これらの脂肪酸は、長鎖アミノ酸と共にアンモニウム塩として沈殿させる。出発原料のヒマシ油からの11-アミノウンデカン酸およびドデカン二酸の製造では、大量のステアリン酸が混合アミド誘導体中に存在している。脂肪酸のアンモニウム塩は水にほぼ不溶であるため、ステアリン酸を11-アミノウンデカン酸と共にアンモニウム塩として沈殿させる。
有機の存在下で、粗生成物を抽出溶媒酸性水溶液に溶解することによって、長鎖アミノ酸を精製する。このように、長鎖アミノ酸および脂肪酸の分離は、長鎖アミノ酸の酸性塩の水溶液、および脂肪酸および不純物に富む有機抽出剤相を形成することにより実現される。着色物質が抽出剤相に抽出され、長鎖アミノ酸の酸性塩の水溶液がほぼ無色であることを指摘することは特に興味深いものである。
図2に概略的に例示される本発明に係る別の実施形態において、過剰なアンモニアの除去後、抽出溶媒の存在下で酸を添加することにより、溶液または懸濁液を酸性化して、長鎖アミノ酸およびアルキルアミンの酸性塩の水溶液、および長鎖二塩基酸、アルカン酸、脂肪酸および不純物に富む有機抽出剤相を形成する。長鎖二塩基酸およびアルカン酸をそれぞれ抽出剤相の冷却結晶化および蒸留により分離する。
好適な酸は、pKa<5.0の酸である。これらの酸としては、無機酸、すなわち、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸;アルキルおよびアリールスルホン酸、すなわち、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、イセチオン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、およびスルファミン酸;有機カルボン酸;リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、クエン酸、シュウ酸、ギ酸、酢酸およびプロピオン酸があるものの、これらに限定されない。これらの酸の1つまたは2つ以上の混合物を使用して、長鎖アミノ酸の酸性塩を形成できる。
酸は、無機酸の1つから選択されることが好ましく、硫酸が最も好ましい。
酸性化の目的は、長鎖二塩基酸、短鎖アルカン酸および脂肪酸のアンモニウムまたはアルキルアミン塩を遊離カルボン酸に完全に変換し、長鎖アミノ酸の酸性塩を形成して、長鎖アミノ酸の水相への、かつ長鎖二塩基酸の有機抽出剤相への完全な溶解を確実にするようにすることである。
二塩基酸、アルカン酸および脂肪酸を抽出するのに好適な有機溶媒は、水不溶性であり、エステル、脂肪族、芳香族、エーテル、C~C10アルコールおよびC~C10ケトンに属する。有用な抽出溶媒としては、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、酢酸オクチル、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、アニソール、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、エチルtert-ブチルエーテル、メチルテトラヒドロフラン、石油エーテル、シクロヘキサン、ジクロロエタン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、およびトリフルオロメチルベンゼン、n-ブタノール、イソブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、2-エチルヘキサノール、イソオクタノール、sec-オクタノール、ブタノン、ペンタノン、ヘキサノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンが挙げられるものの、これらに限定されない。単一の溶媒または2つ以上の溶媒の混合物が抽出溶媒として使用できる。
選択された抽出溶媒は、高温で長鎖二塩基酸および脂肪酸の良好な溶解度、低温で長鎖二塩基酸の低いまたは小さい溶解度、ならびに低温で脂肪酸などの良好な溶解度を有しており、有機相にて長鎖二塩基酸を他の豊富な脂肪酸から効果的に分離することが確実になると予想される。
抽出溶媒は、トルエンであることが好ましい。
抽出溶媒の量は、二塩基酸および脂肪酸不純物の溶解に有効な量を上回る量であればよいものの、これに限定されない。
酸性化および抽出を行う温度は、正常圧下にて、50℃から長鎖二塩基酸および脂肪酸に富む有機抽出剤相の混合物の沸点まで、および100℃未満の範囲である。酸性化および抽出を加圧下にて高温で行うこともできるが、該方法には圧力装置が必要とされる。
酸性化および抽出は、60℃~95℃の温度で行うことが好ましく、80℃~90℃の温度で行うことが最も好ましい。より高い温度では、使用する抽出溶媒の量を低減するのに、抽出溶媒中の長鎖二塩基酸の溶解度がより高いことが有利である。
酸および抽出溶媒を、長鎖二塩基酸およびアルカン酸のアンモニウムまたはアルキルアミン塩の溶液にどのように導入するかについて、優先的な事項はない。酸および抽出溶媒は、一緒に、順次に、連続的に、半連続的にまたはバッチ式で添加できる。
長鎖アミノ酸を単離するために、強酸性水溶液は、塩基性剤で5~9のpH範囲のほぼ中性の酸性度に中和する。pHは、6~8の範囲であることがより好ましい。中和は、50℃から溶液の沸点まで、好ましくは60℃~90℃、最も好ましくは70℃~80℃の温度で行う。この最も好ましい温度での中和により、固液分離を促進する大きな結晶が形成される。0℃~30℃、好ましくは15℃~25℃に冷却した後、生成物である長鎖アミノ酸を沈殿させ、固液分離、すなわち濾過または遠心分離により分離して、無機塩および少量の長鎖アミノ酸を含有する母液を得る。
塩基性剤は、アンモニア、水酸化物、重炭酸、炭酸、亜硫酸、重亜硫酸およびカルボン酸のアルカリおよびアンモニウム塩からなる群から選択される。単一の剤、または2つ以上の剤の混合物が使用できる。塩基性剤は、アンモニア、または水酸化、重炭酸もしくは炭酸アンモニウム塩であることが好ましい。
塩基性剤は、最も好ましくは水酸化アンモニウムである。
アンモニアまたは水酸化アンモニウムを、硫酸を中和するための塩基性剤として使用した場合、追加の塩基性剤を母液に添加して塩基性のpHにした後、アルキルアミンは抽出によってのみ回収できる。塩基性溶液の蒸留は、アルキルアミンの代わりにアンモニアを除去する。アルキルアミン、例えばヘキシルアミンは、アンモニウム塩、すなわち硫酸アンモニウム溶液に十分に可溶であるが、ヘキシルアミンは水またはアルカリ塩の溶液に不溶であることに留意することは興味深い。ヘキシルアミンと硫酸アンモニウム溶液との間での相分離は、観察されなかった。
硫酸が、最も好ましい酸として選択される場合、本発明に係る方法の廃棄水流は、アルキルアミン、少量の長鎖アミノ酸および硫酸アンモニウムを含有する。図3に、水溶液の処理を概略的に例示する。溶液を硫酸で酸性化して、長鎖アミノ酸の溶解度を増加させ、濃縮して硫酸アンモニウムを沈殿させる。アンモニアまたは水酸化アンモニウムでの濃縮溶液の中和によって、長鎖アミノ酸の沈殿物が得られ、これを固液分離により回収する。
本発明に係る方法は、該方法により任意の廃棄水流が排出されることなく、長鎖アミノ酸、二塩基酸、短鎖アルカン酸、アルキルアミンおよび脂肪酸の製造および完全な分離を実現する。該製造方法からの唯一の副生成物である硫酸アンモニウムは、肥料として価値のある商品である。
以下の実施例は、本発明に係る実施を例示するものであるが、その範囲を限定することを意図するものではない。
[実施例1]
本実施例は、11-アミノウンデカン酸、ドデカン二酸、ヘキシルアミン、ヘプタン酸およびステアリン酸の、混合アミド誘導体の水酸化アンモニウム加水分解から得られたこれらの混合物からの製造および分離に関する。
国際公開第2017/088218号に従って12-ケトステアリン酸メチルから調製した150gの混合アミド誘導体を、1200mLの10%水酸化アンモニウムで加水分解することによって、生成物の混合物を得た。
混合アミドメチルエステルを、2Lオートクレーブ中の1200mLの10%水酸化アンモニウムに懸濁し、65barの圧力下にて225℃で5時間加熱した。冷却後、懸濁液を2Lのフラスコに移し、磁器製のバールサドル(porcelain berl saddle)を充填した2.5×30cmの真空ジャケット付きカラムで101℃に蒸留して、過剰なアンモニアを除去した。懸濁液は、7~8の範囲のpHで中性となり、これを室温まで冷却した。沈殿した11-アミノウンデカン酸を濾過および脱イオン水での洗浄により回収して、母液を得た。茶色の粗生成物は、約20%のステアリン酸アンモニウムを含有していた。
粗生成物を、85℃で400mLの1M硫酸および300mLのトルエンの混合物に溶解した。混合物を85℃で60分間勢いよく撹拌し、別個の漏斗に移して、水相を分離した。暗色の上部のトルエン相を温脱イオン水で洗浄し、洗液(washing)を水相と組み合わせた。トルエンを蒸留除去した後、14gの黄色のステアリン酸を得た。
無色の水相に1.0gの活性炭を添加し、80℃で45分間撹拌し、溶液を濾過して、無色透明の溶液を得た。溶液を水酸化アンモニウム溶液にて約70℃でpHを7.5に中和して、結晶性懸濁液を得た。25℃に冷却した後、懸濁液を濾過し、固形物を脱イオン水で3回洗浄した。乾燥後、41.6gの白色の11-アミノウンデカン酸を得た。
約800mLの母液に硫酸の溶液を添加してpHを3.0にし、ドデカン二酸を沈殿させ、これを濾過、および水、次いでメタノールでの洗浄により回収した。乾燥後、46.3gのドデカン二酸を得た。
母液を300mLに濃縮し、油相を分離して、24.5gのヘプタン酸を得た。次いで、溶液に50mLの25%水酸化アンモニウムを添加し、100mLのトルエンで3回抽出した。トルエン相を分別蒸留して、18.6gのヘキシルアミンを得た。
水流を組み合わせ、沸騰させて、過剰なアンモニアを除去した。次いで、5gの硫酸を溶液に添加した。溶液を濃縮して、硫酸アンモニウムを沈殿させ、これを濾過により溶液から除去した。約150mLの溶液に水酸化アンモニウム溶液を添加してpHを7.5にし、濾過、脱イオン水での洗浄、および乾燥後、0.6gの11-アミノウンデカン酸を沈殿させた。
[実施例2]
本実施例は、11-アミノウンデカン酸、ドデカン二酸、ヘキシルアミン、ヘプタン酸およびステアリン酸の、50%エタノール中の混合アミド誘導体の水酸化アンモニウム加水分解から得られたこれらの混合物からの製造および分離に関する。
国際公開第2017/088218号に従って12-ケトステアリン酸メチルから調製した150gの混合アミド誘導体を、50%エタノールを含有する1200mLの10%水酸化アンモニウムで加水分解することによって、生成物の混合物を得た。
混合アミドメチルエステルを、2Lオートクレーブ中の50%エタノールを含有する1200mLの10%水酸化アンモニウムに懸濁し、225℃に5時間加熱した。懸濁液を2Lのフラスコに移し、磁器製のバールサドルを充填した2.5×30cm真空ジャケットカラムで101℃に蒸留して、過剰なアンモニアおよびエタノールを除去した。懸濁液は7~8のpHで中性となり、これを室温まで冷却した。
懸濁液に、75gの硫酸および800mLのトルエンを添加した。混合物を85℃で60分間勢いよく撹拌し、別個の漏斗に移して、水相およびドデカン二酸、ヘプタン酸およびステアリン酸に富むトルエン相を分離した。
トルエン相を300mLに濃縮し、10℃に冷却して、ドデカン二酸を結晶化させ、これを濾過により分離した。乾燥後、28.4gのドデカン二酸を得た。母液を蒸留してトルエンを回収し、次いで真空下で23.5gのヘプタン酸を得た。蒸留後、残留物は、14gのステアリン酸および12gのドデカン二酸の混合物を含有していた。
水相を、25%水酸化アンモニウム溶液でpHを7.5に中和した。25℃に冷却した後、結晶性固体を濾過除去し、脱イオン水で3回洗浄し、乾燥して、41.9gの11-アミノウンデカン酸を得た。さらに1.2gの11-アミノウンデカン酸を、実施例1に記載した同様の手順に従って母液から回収した。
母液に50mLの25%水酸化アンモニウムを添加して、200mLのトルエンで3回抽出した。トルエン相を分別蒸留して、21.8gのヘキシルアミンを得た。
先述の実施例、説明および図面は例示目的のためにすぎず、即時開示の観点から、本発明の様々な修正が当業者に自明であって、本出願の精神および範囲、ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれるべきであることを理解されるであろう。
なお、本願の出願当初の特許請求の範囲の請求項は以下の通りである。
[請求項1]
下記構造式の長鎖アミノ酸、二塩基酸、短鎖アルキルアミンおよびアルカン酸
Figure 0007236431000003
を、以下の構造式の混合アミド誘導体のアンモニアまたは水酸化アンモニウム加水分解から製造する方法であって、
Figure 0007236431000004
(式中、mは、0~10の整数であり、nは、6~20の整数であり、Xは、ORまたはNR であり、ORは、OH、C ~C 一価アルコールまたはC ~C 多価アルコールであり、R およびR は、各々独立して水素またはC ~C アルキル基である。)
(1)前記混合アミド誘導体を水酸化アンモニウムの水溶液に溶媒または触媒の存在下もしくは非存在下で添加するステップと、(2)ステップ(1)の前記溶液または懸濁液に加水分解反応を行うステップと、(3)ステップ(1)の溶媒の存在下で、過剰なアンモニアおよび溶媒を蒸発により回収して、長鎖アミノ酸、ならびに長鎖二塩基酸およびアルカン酸のアルキルアミンまたはアンモニウム塩の混合物を得るステップと
を含む、方法。
[請求項2]
前記加水分解反応を、100℃~280℃の温度で行う、請求項1に記載の方法。
[請求項3]
前記加水分解反応を、160℃~220℃の温度で行う、請求項1に記載の方法。
[請求項4]
前記加水分解反応を、自生圧から260barまでの圧力下で行う、請求項1に記載の方法。
[請求項5]
前記溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、tert-ブタノール、イソブタノール、ブタノールおよびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
[請求項6]
前記触媒が、水酸化物、重炭酸、炭酸、重亜硫酸、亜硫酸、硫酸、硝酸、リン酸のアルカリおよびアンモニウム塩、ならびにこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
[請求項7]
長鎖アミノ酸、ならびに長鎖二塩基酸およびアルカン酸のアンモニウムまたはアルキルアミン塩を分離する方法が、
(a)加水分解溶液または懸濁液の混合物を冷却することにより、長鎖アミノ酸を結晶化させるステップと、(b)前記長鎖アミノ酸を固液分離により分離して、長鎖二塩基酸およびアルカン酸のアンモニウムまたはアルキルアミン塩を含有する母液を得るステップと、(c)抽出溶媒の非存在下または存在下で酸をステップ(b)の前記母液に添加して、前記長鎖二塩基酸を沈殿させ、前記アルカン酸を形成するステップと、(d)前記長鎖二塩基酸を固液分離により分離するステップと、(e)前記アルカン酸を前記母液または抽出剤相から回収するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
[請求項8]
長鎖アミノ酸、ならびに長鎖二塩基酸およびアルカン酸のアンモニウムまたはアルキルアミン塩を分離する方法が、(a)酸および抽出溶媒を加水分解溶液または懸濁液の混合物に添加するステップと、(b)長鎖アミノ酸およびアルキルアミンの酸性塩の水相と、長鎖二塩基酸、アルカン酸、脂肪酸および不純物を含有する抽出剤相とを分離するステップと、(c)前記抽出剤相を冷却することにより長鎖二塩基酸を結晶化させ、前記長鎖二塩基酸を固液分離により分離するステップと、(d)前記アルカン酸をステップ(c)の前記母液から蒸留により回収するステップと、(e)ステップ(b)の水溶液を塩基性剤で中性pHに中和して、前記長鎖アミノ酸を沈殿させるステップと、(f)ステップ(e)の前記長鎖アミノ酸を固液分離により回収するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
[請求項9]
長鎖アミノ酸を精製する方法が、
(a)抽出溶媒の存在下で、前記長鎖アミノ酸を酸性水溶液に溶解するステップと、(b)長鎖アミノ酸の酸性塩を含有する水相と、脂肪酸および着色物質に富む抽出溶媒相とを分離するステップと、(c)前記水相を塩基性剤で中和して、前記長鎖アミノ酸を沈殿させるステップと、(d)前記長鎖アミノ酸を固液分離により回収するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
[請求項10]
酸が、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、イセチオン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、スルファミン酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、クエン酸、シュウ酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
[請求項11]
酸が、硫酸である、請求項1に記載の方法。
[請求項12]
抽出溶媒が、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、酢酸オクチル、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、アニソール、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、エチルtert-ブチルエーテル、メチルテトラヒドロフラン、石油エーテル、シクロヘキサン、ジクロロエタン、塩化メ
チレン、クロロホルム、四塩化炭素、およびトリフルオロメチルベンゼン、n-ブタノール、イソブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、2-エチルヘキサノール、イソオクタノール、sec-オクタノール、ブタノン、ペンタノン、ヘキサノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ならびにこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
[請求項13]
抽出溶媒が、トルエンである、請求項1に記載の方法。
[請求項14]
塩基性剤が、アンモニア、水酸化物、重炭酸、炭酸、重亜硫酸、亜硫酸、カルボン酸のアルカリおよびアンモニウム塩、ならびにこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
[請求項15]
塩基性剤が、アンモニアまたは水酸化アンモニウムである、請求項1に記載の方法。
[請求項16]
前記長鎖アミノ酸が、9-アミノノナン酸、11-アミノウンデカン酸または13-アミノトリデカン酸である、請求項1に記載の方法。
[請求項17]
前記長鎖アミノ酸が、11-アミノウンデカン酸である、請求項1に記載の方法。
[請求項18]
前記長鎖二塩基酸が、セバシン酸、ドデカン二酸またはブラシル酸である、請求項1に記載の方法。
[請求項19]
前記長鎖二塩基酸が、ドデカン二酸である、請求項1に記載の方法。
[請求項20]
短鎖アルカン酸が、ヘプタン酸およびペラルゴン酸である、請求項1に記載の方法。
[請求項21]
前記アルキルアミンが、n-ヘキシルアミンおよびn-オクチルアミンである、請求項1に記載の方法。

Claims (21)

  1. 下記構造式の長鎖アミノ酸、長鎖二塩基酸、アルキルアミンおよびアルカン酸
    Figure 0007236431000005
    を、以下の構造式の混合アミド誘導体のアンモニアまたは水酸化アンモニウム加水分解から製造する方法であって、
    Figure 0007236431000006
    (式中、mは、0~10の整数であり、
    nは、6~20の整数であり、
    Xは、ORまたはNRであり、ORは、OH、C~C一価アルコールまたはC~C多価アルコールであり、RおよびRは、各々独立して水素またはC~Cアルキル基である。)
    (1)前記混合アミド誘導体を水酸化アンモニウムの水溶液に溶媒または触媒の存在下もしくは非存在下で添加するステップと、
    (2)ステップ(1)の前記溶液または懸濁液に加水分解反応を行うステップと、
    (3)ステップ(1)の溶媒の存在下で、過剰なアンモニアおよび溶媒を蒸発により回収して、長鎖アミノ酸、ならびに長鎖二塩基酸およびアルカン酸のアルキルアミンまたはアンモニウム塩の混合物を得るステップと
    を含む、方法。
  2. 前記加水分解反応を、100℃~280℃の温度で行う、請求項1に記載の方法。
  3. 前記加水分解反応を、160℃~220℃の温度で行う、請求項1に記載の方法。
  4. 前記加水分解反応を、自生圧から260barまでの圧力下で行う、請求項1に記載の方法。
  5. 前記溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、tert-ブタノール、イソブタノール、ブタノールおよびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記触媒が、水酸化物、重炭酸、炭酸、重亜硫酸、亜硫酸、硫酸、硝酸、リン酸のアルカリおよびアンモニウム塩、ならびにこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記長鎖アミノ酸、ならびに長鎖二塩基酸およびアルカン酸の前記アルキルアミンまたはアンモニウム塩を分離する方法を更に含み、該方法が、
    (a)ステップ(3)の混合物を冷却することにより、前記長鎖アミノ酸を結晶化させるステップと、
    (b)前記長鎖アミノ酸を固液分離により分離して、長鎖二塩基酸およびアルカン酸の前記アルキルアミンまたはアンモニウム塩を含有する母液を得るステップと、
    (c)酸をステップ(b)の前記母液に添加して、前記長鎖二塩基酸を沈殿させ、前記アルカン酸を含む相を形成するステップと、
    (d)前記長鎖二塩基酸を固液分離により分離して、他の母液を得るステップと、
    (e)前記アルカン酸をステップ(d)の前記母液から回収するステップと
    を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記長鎖アミノ酸、ならびに長鎖二塩基酸およびアルカン酸の前記アルキルアミンまたはアンモニウム塩を分離する方法を更に含み、該方法が、
    (a)酸および抽出溶媒をステップ(3)の混合物に添加するステップと、
    (b)前記長鎖アミノ酸およびアルキルアミンの酸性塩の水相と、前記長鎖二塩基酸、アルカン酸、脂肪酸および不純物を含有する抽出剤相とを分離するステップと、
    (c)前記抽出剤相を冷却することにより長鎖二塩基酸を結晶化させ、前記長鎖二塩基酸を固液分離により分離して、母液を得るステップと、
    (d)前記アルカン酸をステップ(c)の前記母液から蒸留により回収するステップと、
    (e)ステップ(b)の水溶液を塩基性剤で中性pHに中和して、前記長鎖アミノ酸を沈殿させるステップと、
    (f)ステップ(e)の前記長鎖アミノ酸を固液分離により回収するステップと
    を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記長鎖アミノ酸を精製する方法を更に含み、該方法が、
    (a)抽出溶媒の存在下で、前記長鎖アミノ酸を酸性水溶液に溶解するステップと、
    (b)前記長鎖アミノ酸の酸性塩を含有する水相と、脂肪酸および着色物質に富む抽出溶媒相とを分離するステップと、
    (c)ステップ(b)の前記水相を塩基性剤で中和して、前記長鎖アミノ酸を沈殿させるステップと、
    (d)前記長鎖アミノ酸を固液分離により回収するステップと
    を含む、請求項7または8に記載の方法。
  10. 酸が、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、イセチオン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、スルファミン酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、クエン酸、シュウ酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される、請求項7または8に記載の方法。
  11. 酸が、硫酸である、請求項7または8に記載の方法。
  12. 抽出溶媒が、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、酢酸オクチル、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、アニソール、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、エチルtert-ブチルエーテル、メチルテトラヒドロフラン、石油エーテル、シクロヘキサン、ジクロロエタン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、およびトリフルオロメチルベンゼン、n-ブタノール、イソブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、2-エチルヘキサノール、イソオクタノール、sec-オクタノール、ブタノン、ペンタノン、ヘキサノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ならびにこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
  13. 抽出溶媒が、トルエンである、請求項8に記載の方法。
  14. 塩基性剤が、アンモニア、水酸化物、重炭酸、炭酸、重亜硫酸、亜硫酸、カルボン酸のアルカリおよびアンモニウム塩、ならびにこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
  15. 塩基性剤が、アンモニアまたは水酸化アンモニウムである、請求項8に記載の方法。
  16. 前記長鎖アミノ酸が、9-アミノノナン酸、11-アミノウンデカン酸、または13-アミノトリデカン酸である、請求項1に記載の方法。
  17. 前記長鎖アミノ酸が、11-アミノウンデカン酸である、請求項1に記載の方法。
  18. 前記長鎖二塩基酸が、セバシン酸、ドデカン二酸、またはブラシル酸である、請求項1に記載の方法。
  19. 前記長鎖二塩基酸が、ドデカン二酸である、請求項1に記載の方法。
  20. 前記アルカン酸が、ヘプタン酸、またはペラルゴン酸である、請求項1に記載の方法。
  21. 前記アルキルアミンが、n-ヘキシルアミン、またはn-オクチルアミンである、請求項1に記載の方法。
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