JP7236247B2 - 測定システムおよび測定システムの制御方法 - Google Patents
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Description
このとき、オペレータは三次元測定機の傍にいる必要はない。測定対象物が大きなものであったり、複雑な形状であったり、同形状のものを数多く測定する場合などには、無人での長時間自動測定が便利であり、広く利用されている。
この原因としては種々考えられる。
例えば、三次元測定機の設置環境の温度(雰囲気温度)が変化する場合が有り得る。雰囲気温度が変化する状況は、例えば、三次元測定機の設置環境の扉を長く開放状態にする場合、照明を消灯する場合、空調の故障などが有り得る。従来の三次元測定機では、雰囲気温度を記録する機能は無かったため、上記のような温度変化による異常を知ることができなかった。別途に部屋の温度のログをとっている場合には、測定データと見比べながら推測はできるかもしれないが、データの突き合わせ作業が大変であるし、一つ一つ測定値の取得時間とそのときの環境温度とを正確に突き合わせることは難しい。なお、三次元測定機のなかには、測定対象物自体の温度を測定する温度計を持つものもあるが、この温度計では環境温度を取得したり記録したりすることはできなかった。
測定対象物の形状を測定する三次元測定機と、
前記測定対象物の測定手順をプログラムした測定パートプログラムに従って前記三次元測定機を駆動制御する制御装置と、を有する測定システムであって、
前記三次元測定機には雰囲気温度を測定するための雰囲気温度計が設けられ、
前記制御装置は、前記雰囲気温度計で計測された雰囲気温度データを取得して、時系列で記録する
ことを特徴とする。
測定対象物の形状を測定する三次元測定機と、
前記測定対象物の測定手順をプログラムした測定パートプログラムに従って前記三次元測定機を駆動制御する制御装置と、を有する測定システムであって、
前記制御装置は、
前記測定パートプログラムの実行時に実行命令の番号と、前記三次元測定機の消費電流と、を時系列で記録する
ことを特徴とする。
測定対象物の形状を測定する三次元測定機と、
前記測定対象物の測定手順をプログラムした測定パートプログラムに従って前記三次元測定機を駆動制御する制御装置と、を有する測定システムであって、
前記制御装置は、
同じ測定パートプログラムを実行したときの開始時から終了時までの積算電流値を測定パートプログラムごとに記録する
ことを特徴とする。
測定対象物の形状を測定する三次元測定機と、
前記測定対象物の測定手順をプログラムした測定パートプログラムに従って前記三次元測定機を駆動制御する制御装置と、を有する測定システムであって、
前記制御装置は、
前記三次元測定機の移動機構の加減速度、速度および移動距離を時系列で記録する
ことを特徴とする。
前記測定システムを用いた測定動作の制御方法であって、
前記制御装置は、
前記測定対象物の形状測定が正常に行なわれるための環境条件の一つとして雰囲気温度の適正範囲を設定し、
雰囲気温度が前記雰囲気温度の適正範囲に入っているか判定し、
前記雰囲気温度が前記雰囲気温度の適正範囲から外れていたら、前記測定パートプログラムの実行を中断させ、
前記雰囲気温度が前記雰囲気温度の適正範囲に入ったら、前記測定パートプログラムの実行を開始させる
ことを特徴とする。
前記三次元測定機には外部振動を測定するための振動計が設けられ、
前記制御装置は、
前記測定対象物の形状測定が正常に行なわれるための環境条件の一つとして外部振動の上限値を設定し、
前記外部振動の振動レベルが設定された前記上限値以下であるか判定し、
前記振動レベルが前記上限値を越えていたら、前記測定パートプログラムの実行を中断させ、
前記振動レベルが前記上限値以下になったら、前記測定パートプログラムの実行を開始させる
ことが好ましい。
前記測定システムを用いて、前記三次元測定機の故障の予兆を検知する方法であって、
同じ測定パートプログラムを実行したときの開始時から終了時までの積算電流値を測定パートプログラムごとに記録し、
測定パートプログラムごとに記録された前記積算電流値の変化の傾向に基づいて前記三次元測定機の故障の予兆を判定する
ことを特徴とする。
前記測定システムを用いて、前記三次元測定機の故障の予兆を検知する方法であって、
前記制御装置は、さらに、同じ測定パートプログラムを実行したときの開始時から終了時までの積算電流値を測定パートプログラムごとに記録するものであり、
予め正常な前記三次元測定機を用いて同じ測定パートプログラムに従って同形状の測定対象物を測定したときの雰囲気温度と消費電流値との正常な関係を求めておき、
同じ測定パートプログラムに従って同形状の測定対象物を測定したときの雰囲気温度と消費電流値との関係が前記正常な関係から外れてきたら、前記三次元測定機の故障の予兆と判定する
ことを特徴とする。
(第1実施形態)
本発明の測定システム100に係る第1実施形態について説明する。
図1は、測定システム100の全体構成図である。
測定システム100は、三次元測定機200と、モーションコントローラ300と、ホストコンピュータ500と、を備えている。
三次元測定機200は、測定対象物を載置する定盤210と、定盤210に立設されたY軸コラム220と、ワークを検出するプローブ230と、プローブ230を互いに直交するXYZ方向に移動させる移動機構240と、を備える。
X軸ガイド部は、X軸方向に長さを有する長尺であり、一端だけがYスライダに固定され、片持ちで支持されている。
Z軸移動機構270は、Xスライダに支持されている。Z軸移動機構270は、Xスライダに取り付けられたZ軸駆動部と、Z軸駆動部によりZ方向に移動可能に支持されたZスピンドル271と、を備える。
測定対象物の状態をモニターするためのセンサとして、ワーク用温度計が設けられている。ワーク用温度計は、明示的に図示しないが、例えば、定盤210の表面に露出するように複数個配置しておく。さらに、環境の情報をモニターするためのセンサとしては、雰囲気温度を測定するための雰囲気温度計281と、外部振動を検出する振動センサ(不図示)と、が設けられている。
図3は、図2の一部拡大図であって、雰囲気温度計281の設置状態を例示する図である。
雰囲気温度計281は、Y軸コラム220の上端側であって、X軸の正側の側面に配置されている。雰囲気温度計281の基部側は覆い板221でカバーされ、温度をセンシングする先端部だけが開口部から外部に露出している。
図4は、雰囲気温度計281に温度計カバー282を設置した状態を例示した図である。温度計カバー282は、人の指が入らない程度に小さな通気孔を有している。温度計カバー282は着脱可能としておき、雰囲気温度計281を容易にメンテナンスできるようにしておくとよい。
図5は、モーションコントローラ300およびホストコンピュータ500の機能ブロック図である。モーションコントローラ300は、三次元測定機200を駆動制御する。また、モーションコントローラ300は、三次元測定機200に付設されたセンサからセンサ信号を取得して記録する。
モーションコントローラ300は、測定指令取得部310と、カウンタ部320と、モニタリングデータ記録部330と、移動指令生成部340と、駆動制御部350と、を備える。
測定機の状態ログとしては、例えば、各移動機構240(250、260、270)の加減速度、速度、移動距離、各移動機構240(250、260、270)の消費電流値、がある。また、周囲の環境情報としては、雰囲気温度および外部振動の振動レベルがある。
ホストコンピュータ500は、CPU510(CentralProcessingUnit)やメモリ等を備えて構成され、モーションコントローラ300を介して三次元測定機200を制御する。
ホストコンピュータ500は、さらに、記憶部520と、形状解析部530と、を備える。記憶部520は、測定対象物(ワーク)Wの形状に関する設計データ(CADデータや、NURBSデータ等)、形状測定で得られた形状測定データ、および、測定動作全体を制御する測定制御プログラムを格納する。さらに、記憶部520は、モーションコントローラ300から送られてくるモニタリングデータを記録する。
オペレータは記録されたモニタリングデータを呼び出して確認することができる。
図6においては、各モニタリングデータの累積値を一覧表示した画面例である。
701の通電時間は、三次元測定機200の電源がONになっていた総時間である。
702のCNC稼働時間は、三次元測定機200で自動測定動作を行なった総時間である。
703のサーボON回数とは、電源ONした回数である
704、705、706のX軸オドメータ、Y軸オドメータ、Z軸オドメータ、は、X軸移動機構260、Y軸移動機構250、Z軸移動機構270のぞれぞれの総移動距離である。
707のB軸オドメータは、回転テーブルの総回転回数である。(図1には回転テーブルを図示していないが、定盤210上にワークを載置する回転テーブルを設置した場合と解釈されたい。)
入力回数というのはタッチを検出した回数である。通電時間は電源ONの時間である。交換回数というのは、別のタッチプローブから交換してタッチプローブAをプローブヘッドに取り付けて使用した回数である。
タッチスタイラス入力回数は、タッチスタイラスAでものにタッチした回数である。
タッチスタイラスA交換回数は、別のタッチスタイラスから交換してタッチスタイラスAをタッチモジュールに取り付けて使用した回数である。
720、721はタッチスタイラスBの使用時のログである。
入力回数は、倣いプローブがものに接触した回数である。
通電時間は、電源ONの時間である。
交換回数というのは、別の倣いプローブから交換してプローブヘッドに倣いプローブCを取り付けて使用した回数である。
上段には、日ごとに、電源OFF時間、CNC(正常測定時間)、エラーが示されている。
下段の左欄は、日ごとのCNC(正常測定時間)とエラーとの割合が示されている。
下段の右欄は、日ごとの電源ON時間とCNC(正常測定時間)とが折れ線グラフで示されている。
図10では、X、Y、Z軸移動機構250、260、270の各エンコーダに付設された温度計のデータ、ワークの温度を測定するワーク用温度計のデータ、および、雰囲気温度計281のデータが時系列で表わされている。
測定動作が開始されると、X、Y、Z軸移動機構250、260、270の各モータが駆動され、モータからの熱が影響を与えていることがわかる。
第2実施形態としては、モニタリングデータを用いて測定動作の開始と中断を自律的に制御する測定動作の許可判定を説明する。
図11は、モニタリングデータを用いた測定動作の許可判定の手順を示すフローチャートである。
図12は、図11の測定動作の許可判定を受けて実際の測定動作を行なう手順を示すフローチャートである。図11および図12の各ステップは、基本的には、モーションコントローラ300によって実行される。
このとき、例えば加工直後のワークは形状測定に適切な温度範囲にないかもしれないが、オペレータ自身がワークの温度が適切な範囲になるのを待たなくても、モーションコントローラ300が自動的に判断し、ワークの温度が設定された適正範囲になったところで形状測定を開始してくれる。また、三次元測定機200がワークの形状測定を行なっているときに、他の人が部屋を開けてしまって部屋の温度が急に変化してしまうことが有り得る。このような場合でも、モーションコントローラ300が自動的に雰囲気温度が変化したことを検知し、部屋の温度が適正温度に戻るまで測定作業を中断させる。
第3実施形態としては、モニタリングデータを用いて三次元測定機200の故障の予兆を判定する方法を説明する。
第1実施形態に例示したように、モーションコントローラ300はモニタリングデータとして、電流値を記録している。
電流値の記録から三次元測定機200の故障の予兆を知ることができる。例えば、消費電流が上昇していれば、配線やモータの劣化(断線)や、ガイドレール(リニアガイド)の摩耗の予兆であると考えられる。
例えば、雰囲気温度が高いときには消費電流値が下がり、雰囲気温度が低いと消費電流値が上がる傾向がある。もちろん、測定機の種類(メカ的な機構や制御ICの特性)によってはこの傾向が逆になることもあるが、本実施形態で説明したモニタリングデータの取得と記録によって傾向を検証することで測定機の種類ごとに雰囲気温度と消費電流の傾向を知ることができるようになった。したがって、例えば、雰囲気温度が高いときでも消費電流値が徐々に増加していく傾向が現れたら、これは故障の予兆であると判断できるようになった。
200 三次元測定機
210 定盤
220 Y軸コラム
221 覆い板
230 プローブ
240 移動機構
250 Y軸移動機構
260 X軸移動機構
270 Z軸移動機構
271 Zスピンドル
281 雰囲気温度計
282 温度計カバー
300 モーションコントローラ
310 測定指令取得部
320 カウンタ部
330 モニタリングデータ記録部
340 移動指令生成部
350 駆動制御部
400 手動コントローラ
500 ホストコンピュータ
520 記憶部
530 形状解析部。
Claims (10)
- 測定対象物の形状を測定する三次元測定機と、前記測定対象物の測定手順をプログラムした測定パートプログラムに従って前記三次元測定機を駆動制御する制御装置と、を有する測定システムであって、
前記三次元測定機は、雰囲気温度を測定するための雰囲気温度計、外部振動を測定するための振動計、および、ワークの温度を測定するワーク用温度計のなかから選択される第一センサと第二センサとを有し、
前記制御装置には、前記測定対象物の形状測定が正常に行なわれるための第一条件として前記第一センサによって計測されるセンサ値に対して適正範囲が設定されているとともに、第二条件として前記第二センサによって計測されるセンサ値に対して適正範囲が設定されており、
前記制御装置は、前記第一条件および前記第二条件の両方が満たされている場合は前記測定パートプログラムの実行を開始させ、前記第一条件および前記第二条件の一つでも満たされていない場合は前記測定パートプログラムの実行を中断させ、
さらに、前記測定パートプログラムの実行をしているときも、前記測定パートプログラムの実行を中断しているときも、前記第一センサおよび前記第二センサによって取得されたモニタリングデータをモニタリングデータ記録部に記録していく
ことを特徴とする測定システム。 - 請求項1に記載の測定システムにおいて、
前記三次元測定機は、
定盤に立設されたY軸コラムと、
前記Y軸コラムの上端面に配設され、水平面に平行なY方向に移動可能なYスライダを有するY軸移動機構と、
前記Yスライダに支持され、水平面内で前記Y方向に垂直であるX方向に長さを有するX軸ガイド部を有するX軸移動機構と、
前記定盤に対して相対移動可能になるように前記X軸移動機構に直接的または間接的に支持されたプローブと、を備え、
前記X軸ガイド部は、前記Yスライダに片持ちで支持されている
ことを特徴とする測定システム。 - 請求項1または請求項2に記載の測定システムにおいて、
前記制御装置は、
前記測定パートプログラムの実行時に実行命令の番号と、前記三次元測定機の消費電流と、を時系列で記録する
ことを特徴とする測定システム。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の測定システムにおいて、
前記制御装置は、
同じ測定パートプログラムを実行したときの開始時から終了時までの積算電流値を測定パートプログラムごとに記録する
ことを特徴とする測定システム。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の測定システムにおいて、
前記制御装置は、
前記三次元測定機の移動機構の加減速度、速度および移動距離を時系列で記録する
ことを特徴とする測定システム。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の測定システムにおいて、
前記三次元測定機は、さらに、前記三次元測定機のY軸移動機構、X軸移動機構およびZ軸移動機構のそれぞれに設けられた各エンコーダに付設されたエンコーダ用温度センサを備え、
前記制御装置は、
前記エンコーダ用温度センサで計測された温度を時系列で記録する
ことを特徴とする測定システム。 - 測定対象物の形状を測定する三次元測定機と、前記測定対象物の測定手順をプログラムした測定パートプログラムに従って前記三次元測定機を駆動制御する制御装置と、を有する測定システムの制御方法であって、
前記三次元測定機は、雰囲気温度を測定するための雰囲気温度計、外部振動を測定するための振動計、および、ワークの温度を測定するワーク用温度計のなかから選択される第一センサと第二センサとを有していて、
前記制御装置は、前記測定対象物の形状測定が正常に行なわれるための第一条件として前記第一センサによって計測されるセンサ値に対して適正範囲を設定するとともに、第二条件として前記第二センサによって計測されるセンサ値に対して適正範囲を設定し、
前記第一条件が満たされているかどうかの第一判定をし、
前記第二条件が満たされているかどうかの第二判定をし、
前記第一条件および第二条件の一つでも満たされていない場合は前記測定パートプログラムの実行を中断させ、
前記第一条件および第二条件の両方が満たされている場合は前記測定パートプログラムの実行を開始させ,
さらに、前記測定パートプログラムの実行をしているときも、前記測定パートプログラムの実行を中断しているときも、前記第一センサおよび前記第二センサによって取得されたモニタリングデータをモニタリングデータ記録部に記録していく
ことを特徴とする測定システムの制御方法。 - 請求項7に記載の測定システムの制御方法であって、
前記三次元測定機には、モニタリングデータを取得するためのセンサとして、さらに、前記三次元測定機のY軸移動機構、X軸移動機構およびZ軸移動機構のそれぞれに設けられた各エンコーダに付設されたエンコーダ用温度センサが設けられており、
前記制御装置は、前記モニタリングデータとして前記エンコーダ用温度センサで取得された温度データをモニタリングデータ記録部に記録していく
ことを特徴とする測定システムの制御方法。 - 請求項7または請求項8に記載の測定システムの制御方法において、
当該測定システムの電源がONになると前記制御装置はモニタリングを開始して、前記モニタリングデータをモニタリングデータ記録部に記録していき、
続いて、前記制御装置は前記モニタリングデータが前記第一条件および第二条件を満たしているか確認し、前記モニタリングデータが前記第一条件および第二条件を満たしている場合、前記制御装置は前記三次元測定機によるワークの測定を許可し、前記モニタリングデータが前記第一条件および第二条件の一方でも満たしていない場合には、前記制御装置はワークの測定動作を中断させ、前記モニタリングデータが前記第一条件および第二条件を満たすのを待ち、前記モニタリングデータが前記第一条件および第二条件を満たしたら、中断を解除して、ワークの測定を許可し、
前記制御装置は、電源がONの間は、前記第一センサおよび前記第二センサによって取得されたモニタリングデータを前記モニタリングデータ記録部に記録していく
ことを特徴とする測定システムの制御方法。 - 請求項7から請求項9のいずれかに記載の測定システムの制御方法において、
前記第一条件および前記第二条件は、測定対象物に応じて用意される測定パートプログラムに、測定対象物に応じた測定が正常に行われる条件として組み込まれている
ことを特徴とする測定システムの制御方法。
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