JP7235355B2 - 傾斜照明による網膜の吸収、位相および暗視野撮像のためのシステム、方法、および装置 - Google Patents

傾斜照明による網膜の吸収、位相および暗視野撮像のためのシステム、方法、および装置 Download PDF

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関連出願の相互参照
本出願は、参照によって本明細書に組み入れる、2016年5月13日に出願された国際特許出願PCT/IB2016/052787および2016年11月11日に出願された国際特許出願PCT/IB2016/056806の優先権を主張する。
本発明は、傾斜照明の使用による、網膜の高分解能の定量および定性吸収、位相ならびに暗視野撮像に関する。
標準的な写真撮影は、コントラストを提供する異なる特徴部分(feature)の吸収差に依拠する。これは、血管、光受容体、およびその他の網膜構造を、センサ面に強度変調をもたらす異なる反射率値によって観察する従来の眼底検査にも当てはまる。これは、内網膜(神経節、核層、および網状層)にある細胞の大部分には当てはまらず、これらの吸収および散乱値は、高分解能であってもコントラストをほとんど示さないほど低い。さらに、これらの特徴部分の強度変調は、ノイズと組み合わせた(基本となる特徴部分による)バックグラウンド変調信号に関して無視できるほど小さい。光干渉断層法(OCT)を使用しても、これらの細胞のコントラストが弱いため、網膜は、ほとんど特徴部分のない平滑層のように見える。
非特許文献1は、異なる角度の照明により取得した位相サンプル(弱い吸収性の特徴部分を有するサンプル)の画像を使用して、サンプルの単相画像が得られることを示した。透過により照明するこの方法では、ウィナーフィルタに基づくアルゴリズムを使用して位相画像を再構成する。このような方法は、生きている生物媒質に直接適用することはできない。なぜなら、透過照明が一般に不可能であるからである。この問題の解決法が、非特許文献2により提案されており、ここでは、サンプルの深層からの光を、最上層を透過して照明する二次光源として使用する。傾斜照明を与えるために、非特許文献2は、点pでサンプルに光を照射し、ある距離dに位置する領域を後方から傾斜して照明することを示した。2つの対向する照明点で得られた画像を減算することにより、サンプルの位相コントラスト画像を再構成することができた。
照明が瞳孔を通る場合についての網膜の暗視野画像が研究されている。この研究では、血管系の強調されたコントラストが示された(非特許文献3、非特許文献4)。
サンプルのいくつかの暗視野画像を組み合わせると、非対称の照明から撮像された2つの画像を減算することにより、位相情報の偏導関数を含む画像が得られる。これは、顕微鏡の透過(非特許文献5)、または内視鏡の傾斜後方照明を用いる反射(特許文献1、非特許文献2)において示されている。さらに、サンプルの照明の角度、すなわちそのスペクトルがわかると、弱物体伝達関数モデル(非特許文献6、非特許文献1)、またはフーリエタイコグラフィアルゴリズム(特許文献2、非特許文献7)を用いて定量位相情報を復元する(recover)ことができる。同様の手法を、サンプルの3D画像の再構成にも使用することができる(非特許文献8)。
最後に、画像を処理することによっても、眼の収差を補正して画像のフーリエ特性を最適化することができる(特許文献3、非特許文献9)。
上記の経瞳孔的照明によって得られる、より高いコントラストの暗視野画像を得るための試みがほとんど報告されていない。
1つの研究は、経強膜的照明、すなわち、強膜を通る照明により眼底に与えられる光を使用して、網膜のより高いコントラストの暗視野画像を得ることである(非特許文献10)。特許文献4の図21、特許文献5、および特許文献6の図22では、いくつかの異なる波長(赤、緑、青)を有する経強膜的照明を使用して、いくつかの波長を同時に有する1つの画像を作る。これによって得られる画像を使用して、脈絡膜腫瘍を診断する。眼の水晶体(eye lens)を通る全視野照明(経瞳孔的照明と呼ばれる)とは対照的に、経強膜的照明により、網膜の100μm以下の厚さの第1の層の下から生じる光のみを集めることができる。これは、表面から生じる高い反射率(正反射率または近正反射率)が、眼の瞳孔によって遮断されるためである。腫瘍は、腫瘍組織の細胞および血管系の活動が激しいため、健康な組織よりも多くの光を吸収する。近正反射光は遮断されるため、腫瘍の経強膜的画像は、経瞳孔的照明により得られた画像よりもコントラストが強く、したがって、腫瘍の空間的広がりをより良好に診断することができる(非特許文献10)。
上記の経強膜的方法は、1つの照明点、または場合により、2つの点光源が同時に照明を与える2つの照明点を使用するものと説明されている。ここで、点とは、小領域などの「点光源状」を意味する。この点は、回折限界により示される領域よりも大きい領域であり得る。
しかしながら、上記の技法のいずれも、スキャンシステムを使用せずに眼の内部の位相画像情報を定量的または非定量的に提供することはない。この位相コントラストは、限定されないが、眼底と網膜などである。したがって、光受容体より上の生物材料から位相情報を得ることにより、改良されたコントラスト、改良された画像分解能を得て、生物の定量位相撮像の大規模な研究から、存在する機能的情報をさらに引き出す必要がある。
定量位相撮像とは、カメラのグレースケールピクセル値と物理的サンプルがそれを横切る光に与える対応する位相との間に存在する周知の関係(限定されないが、線形または対数)についての撮像法を意味する。位相アンラッピング法を使用して、位相の周期性の効果を除去し、より詳細な画像を得ることもできる。
それに対して、カメラのグレースケールピクセル値と物理的サンプルがそれを横切る光に与える対応する位相との間に絶対的関係がないことを、非定量または定性位相撮像と呼ぶ。定性位相撮像の例は、位相勾配コントラストであり、非特許文献2に示される。
網膜画像の精密化は、異なる方法で得られている。人間の網膜の主な特徴の1つは、錐体細胞の存在である。高倍率では、錐体細胞は暗い背景上で輝点のように見えるため、案内星(guiding star)再構成アルゴリズムが可能になる(非特許文献11、非特許文献12)。別の方法は、眼の自然な動き(サッカード)を利用する。研究の大部分は、平均化の場合により低い分解能につながるこの現象を抑制しようとするものであるが、非特許文献13は、各画像の相対的移動(shift)を見出だした後に平均化を使用した。これは、画像相関を使用して行われ、平均化を行いながらすべての画像を位置合わせすることができる。眼の動きにより、各画像は異なる収差の点広がり関数(PSF)を示し、結果として得られる平均画像は平均PSFを示して、最高次収差を除外する。
その後、回折限界のPSFにはるかに類似したPSFを得ることができる。異なるPSFを有する画像のデコンボリューションを行い、最良のPSFを推定することにより、眼の収差の効果をさらに小さくすることができる。このプロセスは、非特許文献14により行われている。この研究では、デコンボリューションは、典型的な眼の収差に基づく異な
るPSFによって得られる。エントロピを画質の測定値として使用して、最良の補正を推定し、高分解能の画像を生成する。さらに、非特許文献1の方法を使用する位相および吸収再構成は、すでにデコンボリューションプロセスからなる。この方法を使用して、収差瞳がわかる場合にもわからない場合にも、位相および吸収情報を得ることができる(非特許文献9)。
生体網膜の高分解能撮像は、収差補正によって行われる。この作業は、特許文献3に示されるようにコンピュータを使用して、またはハードウェアデバイスを使用して行われる。網膜の生体内撮像は、通常、スキャンシステム(特許文献7)により、場合により補償光学系(adaptive optics)に連結されるスキャンシステム(特許文献8)により、または、例えば、特許文献9、特許文献10のように、やはり補償光学系に連結されることもあるカメラフラッド照明システムを使用して行われる。
眼の光学撮像の分解能は、主として3つの要因:瞳の開口数(最大0.24(非特許文献15)、レンズの収差、および眼内散乱によって限定される。後者の2つの効果に対する補償が提案され、いわゆる補償光学共焦点スキャンレーザ検眼鏡(AOCSLO)につながっている(非特許文献16)。
光干渉断層法(OCT)と組み合わされることもあるこのシステム(非特許文献17)は、約1.5μmの横方向分解能および軸方向に2μmの分解能をもたらす。この値は、眼の瞳孔がもたらす開口数によって限定される。非特許文献18は波面成形法を使用して、高散乱媒質を通る光を集束させる。さらなる研究により、散乱媒質をどのように光学素子として使用して高い開口数(NA=0.85)をもたらすことができるかがわかった。(非特許文献19、非特許文献20)。メモリ効果を使用して、このスポットをスキャンし、スキャンした物体の画像を再構成ことができる(非特許文献21)。別の技法は、スペックルパターンを用いてサンプルを直接スキャンし、位相回復アルゴリズムにより元の画像を再構成することからなる(非特許文献22、非特許文献23)。
したがって、前述したように、眼科用撮像装置の背景技術において、眼の水晶体を通過することによって、網膜が常に照明される。その後、反射光が水晶体により再び集められる。また、前述したように、これは、いくつかの欠点および複雑な問題を示しており、新規の実質的に改良された眼科用の方法、システム、およびデバイスが望まれる。
国際特許出願公開WO2013/148360 国際特許出願公開WO2015/179452 米国特許第8,731,272号 米国特許第7,387,385号 米国特許出願公開第2007/0159600号 米国特許出願公開第2007/0030448号 米国特許第4,213,678号 欧州特許出願1427328A1 米国特許出願公開第2004/0189941号 米国特許第7,364,296号
L.TianおよびL.Waller、「Quantitative differential phase contrast imaging in an LED array microscope」、Opt.Exp.23、9、11394~11403ページ(2015) T.N Ford、K.K Chu、およびJ.Mertz、「Phase-gradient microscopy in thick tissue with oblique back-illumination」、Nat.methods、9、12(2012) D.Scoles、Y.N.Sulai、およびA.Dubra「In vivo dark-field imaging of the retinal pigment epithelium cell mosaic」、Biomed.Opt.Exp.4、9、1710~1723ページ(2013) T.Y.P.Chui、D.A.VanNasdale、およびS.A.Burns、「The use of forward scatter to improve retinal vascular imaging with an adaptive optics scanning laser ophthalmoscope」、Biomed.Opt.Exp.3、10、2537~2549ページ(2012)) Z.Liu、S.Liu、およびL.Waller、「Real-time brightfield,darkfield,and phase contrast imaging in a light emitting diode array microscope」、J.of Biomed.、Opt.19、10、106002(2014) S.B.MehtaおよびC.J.R.Sheppard、「Qantitatvie phase-gradient imaging at high resolution with asymmetric illumination-based differential phase contrast」、Opt.Lett.34、13、1924~1926ページ(2009) G.Zheng、R.Horstmeyr、およびC.Yang、「Wide-field,high-resolution Fourier ptychographic microscopy」 「Microscopy refocusing and dark-field imaging by using a simple LED array」、G.Zheng、C.Kolner、およびC.Yang、Optics Letters、3987~3989ページ(2011) Z.Phillips、M.Chen、L.Waller、「Quantitative Phase microscopy with Simultaneous Aberration Correction」、Optics in the Life Sciences Congress、OSA Technical Digest(online)、Optical Society of America、2017、Paper JTu5A.2 A.Schalenbourg、L.Zografos、「Pitfalls in colour photography of choroidal tumours」、Eye.2013、Vol.27(2)、224~229ページ N.MeitavおよびE.N.Ribak、「Estimation of the ocular point spread function by retina modeling」、Optics Letter Vol37(9)(2012) N.D.Shemonski、F.A.South、T.Z.Liu、S.G.Adie、P.S.Carney、およびS.A.Boppart、「Computational high-resolution optical imaging of the living human retina」、Nature Photonics(2015) N.MeitavおよびE.N.Ribak、「Improving retinal image resolution with iterative weighted shift-and-add」、J.Opt.Soc.Am.Vol28(7)(2011) Hillmann他、(D.Hillmann、H.Spahr、C.Hain、H.Sudkamp、G.Franke、C.Pfaffle、C.Winter、およびG.Huttmann、「Aberration-free volumetric high-speed imaging of in vivo retina」、Scientific reports、Vol.6(2016)) R.K.WangおよびV.V.Tuchin、「Advanced Biophotonics:Tissue Optical Sectioning」、CRCPress、2014 A.Roorda、F.Romero-Borja、W.Donnelly、H.Queener、T.Hebert、およびM.Campbell、「Adaptive optics scanning laser ophthalmoscopy」、Opt.Express、voL.10、405-412ページ、2002 E.M.Wells-Gray、R.J.Zawadzki、S.C.Finn、C.Greiner、J.S.Werner、S.S.Choi、N.Doble、「Performance of a combined optical coherence tomography and scanning laser ophthalmoscope with adaptive optics for human retinal imaging applications」、ProC.SPIE、vol 9335、pp、2015 I.M.Vellekoop、A.Lagendijk、およびA.P.Mosk、「Exploiting disorder for perfect focusing」、Nature Photonics、voL.4、320~322ページ、2010 Y.Choi、T.D.Yang、C.Fang-Yen、P.Kang、K.J.Lee、R.R.Dasari、M.S.Feld、およびW.Choi、「Overcoming the Diffraction Limit Using Multiple Light Scattering in a Highly Disordered Medium」、PhyS.ReV.LetT.、voL.107、no.2、023902ページ、2011 I.N.Papadopoulos、S.Farahi、C.Moser、D.Psaltis、「Increasing the imaging capabilities of multimode fibers by exploiting the properties of highly scattering mediua」、Optics Letters、voL.38、2776~2778ページ、2013 C.-L.Hsieh、Y.Pu、R.Grange、G.Laporte、およびD.Psaltis、「Imaging through turbid layers by scanning the phase conjugated second harmonic radiation from a nanoparticle」、Opt.Express 18、20723~20731(2010) X.Yang、Y.Pu、およびD.Psaltis、「Imaging blood cells through scattering biological tissue using speckle scanning microscopy」、Opt.Express 22、3405~3413(2014) H.Yilmaz、E.G.van Putten、J.Bertolotti、A.Lagendijk、W.L.Vos、およびA.P.Mosk、「Speckle correlation resolution enhancement of wide-field fluorescence imaging」、Optica 2、424~429(2015)
本発明の一態様によれば、眼組織を撮像するための方法が提供される。好ましくは、方法は、光送出デバイス(light delivery device)の複数の発光領域により眼に傾斜照明を与える工程であって、複数の発光領域は、独立して制御可能であり、かつ眼の網膜および虹彩のうちの少なくとも一方に光を向けるように配置されている、工程と;傾斜照明により網膜および虹彩のうちの少なくとも一方から後方散乱した光から、出力ビームを生じさせる工程と;眼底の一連の画像を提供するために、撮像システムを用いて出力ビームを取り込む工程とを含む。
さらに、方法は、眼底の一連の画像から位相および吸収コントラスト画像を取り出す工程を含み、取り込む工程の眼底の一連の画像は、傾斜照明を与える工程において、一度に複数の発光領域のうちの1つまたはそれ以上を順次オンにすることによって得られることがさらに好ましい。
本発明の別の態様によれば、眼組織は人間または動物の生体眼の一部であり、傾斜照明は、経瞳孔的照明、経強膜的照明、および経表皮的照明のうちの少なくとも1つである。加えて、光送出デバイスは、以下の照明モダリティ、すなわち、光送出デバイスと眼の患者の顔とが接触しない、光送出デバイスが眼の周りの皮膚に接触する、光送出デバイスが眼の強膜に接触する、および光送出デバイスが眼の角膜に接触する、のうちの少なくとも1つのために構成される。
本発明のさらに別の態様によれば、眼組織を撮像するためのシステムが提供される。システムは、傾斜照明を与えるために眼組織に向けられる複数の発光領域、および複数の発光領域からの傾斜照明の、眼底から後方散乱した光によって生じる出力ビームを有する光送出デバイスと、出力ビームを取り込んで、眼底の一連の画像を提供するように構成された撮像システムとを含むことが好ましい。
さらに、システムは、光送出デバイスの複数の発光領域を個々に制御し、一度に複数の発光領域のうちの1つを順次オンにして、撮像システムにより一連の画像を取り込むように構成されたコントローラを含み、撮像システムは、定量位相コントラスト画像、定量吸収画像、定性位相および吸収画像、定性位相コントラスト画像、定性吸収画像、定性位相および吸収画像、ならびに眼底からの暗視野画像を取り出すようにさらに構成されていることがさらに好ましい。
本発明のさらに別の態様によれば、撮像システムは、スキャンシステムと検出器とをさらに含み、スキャンシステムは、眼の瞳孔の中心に対して中心に位置するか、または移動した集光瞳(collection pupil)を有し、検出器は、1ピクセル検出器、ラインカメラ、2次元マルチピクセルデバイス、および分割検出器のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
本発明のいくつかの好ましい実施形態を示す添付図面を参照しながら、以下の説明を検討することにより、本発明の上記およびその他の目的、構成、および利点、ならびにこれらを実現する方法が明らかになり、本発明自体が最もよく理解されるだろう。
本明細書に組み入れられ、本明細書の一部をなす添付図面は、本発明の現時点での好ましい実施形態を示し、上記の一般的な説明および以下の詳細な説明と共に、本発明の構成を説明する役割を果たす。
背景技術による、米国特許第7,387,385号、米国特許出願公開第2007/0159600号に示されたシステムの動作原理の方式を示す図である。導波路部材を強膜に接触させて照明を与える。ユーザは、この導波路部材を保持しなければならない。 背景技術による、米国特許出願公開第2007/0159600号に示されたシステムの動作原理の方式を示す図である。この方法は、1つの照明点、または2つの光源が同時に照明を与える2つの照明点を使用する。 背景技術による、T.N Ford、K.K Chu、およびJ.Mertz、「Phase-gradient microscopy in thick tissue with oblique back-illumination」、Nat.methods、9、12(2012)および国際特許出願公開WO2013/148360に示された照明システムを示す図である。光が散乱媒質の表面で案内され送出される。ここでは、散乱により、一部の光が表面まで戻り、非対称の角度分布を有して出現する。第2の導波路部材が、対称な照明を与えるために存在する。 背景技術による、L.TianおよびL.Waller、「Quantitative differential phase contrast imaging in an LED array microscope」、Opt.Exp.23、9、11394~11403ページ(2015)に示された、インコヒーレント暗視野照明を使用する透過顕微鏡法位相撮像方法の2つの異なる概略図である。 背景技術による、L.TianおよびL.Waller、「Quantitative differential phase contrast imaging in an LED array microscope」、Opt.Exp.23、9、11394~11403ページ(2015)に示された、インコヒーレント暗視野照明を使用する透過顕微鏡法位相撮像方法の2つの異なる概略図である。 背景技術による、オフセットアパーチャを有する変形AOSLOシステムを使用する、網膜の生体内暗視野撮像を示す図であり、画像はToco Y.P.Chui、Dean A.VanNasdale、およびStephen A.Burns、the use of forward scatter to improve retinal vascular imaging with an adaptive optics scanning laser ophthalmoscope、Biomed.Opt.Express 3、2537~2549ページ(2012))からの引用である。 背景技術による、分割検出器を有する変形AOSLOシステムを使用する、網膜の生体内暗視野撮像を示す図であり、画像はA.Guevara-Torres、D.R.Williams、およびJ.B.Schallek、Imaging translucent cell bodies in the living mouse retina without contrast agents、Biomed.Opt.Express 6、2106~2119(2015)からの引用である。 背景技術による、米国特許出願公開第2004/0189941号に示す、経瞳孔的照明によるフラッド照明補償光学系を示す図である。 背景技術による、最先端のOCT網膜撮像システムに基づく考察を示す図である。表はJonnal R.S.、Kocaoglu O.P.、Zawadzki R.J.、Liu Z.、Miller D.T.、Werner J.S.、A Review of Adaptive Optics Optical Coherence Tomography:Technical Advances,Scientific Applications,and the Future、Invest Ophthalmol Vis Sci.2016 Jul 1;57(9):OcT.51~68からの引用であり、細胞が生体内でまだ撮像されていない状態を示す。 図9Aは、本発明の態様による経強膜的照明方法の概略図である。光が眼底を照明する前に強膜を通過する。図9Bは、本発明の態様による、提案された経強膜的照明方法の概略図であり、光が強膜組織に直接照射される。光を、光源または光導波路部材との直接接触により送出しても、光ビーム(コリメートまたは非コリメート)により非接触で送出してもよい。多様な光位置、領域のいくつかの例を円板により示す。強膜の散乱特性は、大きい角度で眼底を照明する拡散ビームを発生させる。強膜に物理的に接触させる場合、局所麻酔を使用して、測定が患者にとってより快適になるようにしてもよい。 図10Aは、本発明の態様による経表皮的照明方法の概略図である。光が、眼底を照明する前に皮膚および強膜を通過する。図10Bは、本発明の態様による経表皮的照明方法の概略図である。光が眼瞼に照射され、そこから異なる層を通って眼の内側まで散乱する。光を(光源または導波路部材の)直接接触により送出しても、光ビーム(コリメートまたは非コリメート)により送出してもよい。多様な光位置、領域のいくつかの例を円板により示す。離間した多くの点光源が、異なる角度の照明を与える。また、麻酔が必要ないので、皮膚との接触が患者にとってより快適になり得る。 図11Aは、本発明の態様による瞳孔照明方法の概略図である。光が、瞳孔を通過した後に眼の内層に照射される。光は眼の内側で散乱し、眼底を照明する。光を(光源または導波路部材の)角膜との直接接触により送出しても、光ビーム(コリメートまたは非コリメート)により非接触で送出してもよい。図11Bは、本発明の態様による、瞳孔に入る点光の例を示す、瞳孔照明方法の概略図である。 図12Aは、本発明の態様による瞳孔暗視野照明の概略図である。光が瞳孔の端に(1つの点または環状に)照射される。光は、背景を照明することなく、網膜の上層を照明している。図12Bは、本発明の態様による瞳孔暗視野照明の概略図である。光パターンは円環であっても、円環の限定された部分であってもよい。 本発明の態様による、側頭照明の概略図である。光が眼の強膜および眼底に到達する前に側頭組織(皮膚)を通過する。 図14Aは、本発明の態様による、集束ビームによる眼底の傾斜照明の概略図である。図14Bは、本発明の態様による、コリメートビームによる眼底の傾斜照明の概略図である。図14Cは、本発明の態様による、拡散ビームによる眼底の傾斜照明の概略図である。 本発明の態様による、高い開口数をもたらす散乱層として側部眼球(side eyeball)を使用する環状照明の概略図である。 本発明の態様による、非接触照明用の例示的な装置の概略図である。方法を説明するための手段として、4つの異なる照明点に照射する4つのビームが示される。 本発明の別の態様による、接触照明用の装置の概略上面図である。少なくとも1つの光ビームが強膜に接触している。光ビームを、限定されないがマルチモードファイバなどの光導波路を介してもたらすことができる。加えて、眼の水晶体を通して眼底を撮像する撮像レンズも、角膜と撮像レンズとの間に配置された屈折率整合ゲルを介して強膜に接触する。この図は、図2示す装置とは、照明点の数(3つ以上)および照明方法が異なることに留意されたい。ここでは、ビームを順次(同時に1つまたは複数)オンにするが、図2では、2つの点を同時に照射する。 図17の上面図の本発明の別の態様による、非接触照明用の装置の概略図である。この図は、図2とは、照明点の数(3つ以上)および照明方法が異なることに留意されたい。ここでは、ビームを順次(同時に1つまたは複数)オンにするが、図2では、2つの点を同時に照射する。 本発明の態様による、非接触照明用の装置の概略図である。回転ホイールは、その周囲に孔が穿孔されている。光ビームは、ホイールの表面全体を、光が孔のみを通過して強膜上の点のみを照明するように照明する。あるいは、照明点は皮膚上にあってもよい。 本発明の態様による、非接触照明用の装置の概略図である。回転ホイールは、強膜または皮膚上に光を集束させるファイバおよびレンズを保持する。 本発明の態様による、撮像システムを有する図19に示す装置の例に基づく非接触照明用の装置の概略図である。 本発明の態様による、撮像システムを有する図19に示す装置の例に基づく非接触照明用の装置の概略図である。 本発明の態様による、接触照明用の装置の概略図である。パッチを患者の皮膚に接触させる。パッチはいくつかのファイバに接続され、このファイバの遠位端は、患者の眼瞼の照明点(部位)である。パッチを、皮膚に接触する着脱可能な(消耗)保護部材(患者ごとに1つ)から構成することができる。 眼の円弧形状を有する連続発光デバイスの概略図である。発光デバイスは、フレキシブル電子回路により保持される。 本発明の態様による、プリント回路基板(PCB)システムをその電子部品と共に示す簡単な概略図である。 被験者の左眼に配置された2つの試作品の写真である。4つの発光ダイオード(LED)が上瞼に光を照射することができ、他の4つのLEDが眼の下瞼から照射する。 2つの試作品の光源が眼瞼の上下それぞれに配置された状態の、眼科用頭部取付具に位置決めされた被験者の写真である。画像では、1つのLEDがオンになっている。 1mm未満の寸法を有する4つの赤色表面取付デバイス(SMD)LEDを保持する設計された試作品の写真である。照明デバイスはフレキシブルPCBである。 5mmの直径を有する4つの赤色LEDを保持する試作品の写真である。LEDコネクタは、光学系に螺着可能なねじ付チューブに固定される。 本発明の態様によるデバイスの簡単な概略図である。光ビームは、変調デバイスにより最初に再成形され、その後、高い開口数の照明方法により網膜に送られる。後方散乱光が瞳孔から集められ、検出器により測定される。ビーム1:前方散乱光。ビーム2:集められた後方散乱光。 暗い背景および反射ビーズを使用する集束の概念検証を説明する図である。一般的な波面が表面に照射される。ビーズのみが光を反射できるため、少量のパワーのみが戻っている。 暗い背景および反射ビーズを使用する集束の概念検証を説明する図である。最適な波面が表面に照射される。光がビーズに集束され、すべての散乱光を反射して戻している。 本発明の態様による、ビーズに散乱された光を集束するために使用される光学方式を説明する図である。 図33A~図33Dは、態様による、提示された方法を使用する1つのビーズの強度増大を示す図である。図33Aはアルゴリズムを実行する前の反射率を示し、図33Bは最終結果を示す。図33Cでは低NAで、図33Dでは最大NA(開放絞り(open diaphragm))で、1次元に沿った同じ輪郭がプロットされている。 図33-1の続き。 本発明の態様による、傾斜照明による後方散乱光の角度分布を示す概略図である。 本発明の態様による、ビームが散乱媒質の表面で散乱する様子を示す概略図である。傾斜照明の場合が示され、異方性散乱も示される(散乱ビームは、表面に対する垂線に関して対称ではない)。 本発明の態様による、照明ビームから異なる距離で出現するビームの角度分布を示す概略図である。距離が大きくなるほど、出現するビームがランベルト分布のように見えるようになる。 本発明の態様による、照明ビームが眼組織に照射される概略図である。照明ビームは、異なる層を通過した後、散乱ビームとして出現する。散乱ビームは、透明網膜層を通過した後、より深い組織(例えば脈絡膜)により後方散乱する。後方散乱光は、傾斜平均分布を表し、再び網膜を通過して、網膜に含まれる細胞が、網膜を通過する光の位相を変化させる。後方散乱光は、眼を通過した後、眼の水晶体により集められ、コリメートビームとして外部に送られる。 後方散乱光の角度分布の2次元(2D)モンテカルロシミュレーションを表すグラフである。照明ビームは、45°の角度で当たると考えられる。選択された散乱パラメータは脈絡膜組織についてのものである。 本発明の態様による、測定を行うためのフローチャートの概略図である。光学系を、図9A~図28に詳細に示す実施形態に従って、患者に位置決めする。この工程後、約400nm~1200nmのスペクトルを含む1つまたはそれ以上の波長で各点を照明し、眼の水晶体を通して眼底の画像を取得する。各画像は順次取得される。患者の瞳孔を拡張させてもよいが、これに限定されない。暗視野画像(最小で1つの照明点)の場合、取り込まれた画像は直接、暗視野画像となる。選択された方法が位相撮像(最小で2つの照明点)の場合、取得した画像を最初に処理して、定性または定量位相画像を得る必要がある。すべての画像が取得されると、画像を後処理することができる。 図40A、図40B、および図40Cは、照明点の角度スペクトルを決定するための方法を示す図である。照明点ごとに、異なる影が血管に投射されている。眼の水晶体を通して得られた影の画像を使用して、照明の空間周波数スペクトルを決定することができる。その後、各照明点の空間周波数スペクトルの知識を位相回復アルゴリズムで使用して、定量位相画像を提供する。加えて、眼の水晶体システムの収差は、反復アルゴリズムによっても推測される。これが有効なのは、複数の影の表示があるからである。異なる角度の影の画像が多いほど、位相画像および収差補正が正確になる。図40Aおよび図40Bに示すように、原理または方法は2つの異なる照明点について示される。図40Cは、血管の影を示す、人間の網膜の典型的な経強膜的照明画像を示す。 図40-1の続き 本発明の態様による、フーリエ空間においてつなぎ合わせた異なる画像を示す概略図である。傾いた照明がフーリエ空間における移動に相当するため、フーリエ領域において、異なる照明角度を有する画像をつなぎ合わせることは、より大きいフーリエ領域を有する1つの画像を得ることに相当する。この結果、より高い分解能の画像が得られる。 本発明の態様による、生体外測定を行うために使用されるシステムまたはデバイスの概略図である。サンプルは、位相撮像の概念の検証および証明に使用される。 図43A、図43B、および図43Cは、図42に示すサンプルの測定を示す図である。デジタルホログラフィを用いた比較により定量位相測定を行い、共焦点顕微鏡法により強度測定を行う。 図43-1の続き 厚いブタ網膜のサンプル(180μm)を深さ方向にスキャンする異なる位相測定を示す図である。画像は網膜の異なる層を示す。 図44のスキャンに基づく異なる層の細胞密度の計算を示すグラフである。 概念測定の証明に使用される倒像検眼鏡の光学系の概略図である。 本発明の態様による、生体内撮像用システムの概略図である。経強膜的照明に使用されるLEDを、カメラの取得と同期させる。瞳面(pupil plane)を絞りDの面に共役させる。このようにして、眼の周りで散乱した光を最終画像からフィルタリングする。カメラ面を網膜内の面に共役させる。この面の深さは、バーダル(badal)システムにより調節することができる。 本発明の態様による、眼の収差を補正するための補償光学ループを考慮して設計された光学系の例を示す概略図である。この光学系は、波面センサ(WFS)と可変形状ミラー(deformable mirror)(DM)とを組み込む。 中央下の照明点で経表皮的方法により撮像した画像を左側に、左下の照明点で経表皮的方法により撮像した画像を中央に、位相コントラストを示す2つの差を右側に示す図である。 対応する断面が血管および視神経乳頭の勾配を示す、本発明の態様による方法によって得られた位相勾配画像の図である。 右下の照明点で経表皮的方法により撮像した画像を左側に、左下の照明点で経表皮的方法により撮像した画像を中央に、位相コントラストを示す2つの差を右側に示す図である。 図47のシステムを用いて取得した暗視野経表皮的画像の例を示す図である。 本発明の態様による、散乱光による干渉測定のための光学系の概略図である。広帯域光源(例えば、スーパールミネッセント発光ダイオード:SLD)が、基準と物体アームとに分割される。基準は、並進運動してサンプルを深さ方向にスキャンすることのできるミラーを照明する。物体アームは、図4~図26に記載の方法により眼を照明する。眼底を照明した後、後方散乱光が瞳孔により集められ、基準ビームに干渉する。あるいは、散乱ビームのスペクトル成分を分解して網膜内の深さを取り出すことにより、フーリエ領域法を実施することができる(画像には示さない)。 本発明の態様による、経強膜的照明を使用するスキャンシステムの動作方式または方法の概略図である。 本発明の態様による、ロックイン取得を示すクロノグラムの形の信号を示す図である。
本明細書中、可能であれば、同一の参照符号を使用して、図面に共通な同一の要素を示す。また、画像は、図示の目的で簡略化されており、縮尺通りに示されていないことがある。
本発明の一態様によれば、網膜層の傾斜照明により位相および吸収コントラスト画像を確立することのできる、網膜撮像用デバイスが提供される。本発明の態様によれば、デバイスを生体外および生体内撮像のために使用することができる。このセクションの第1の部分で、生体外の実施について概要を説明し、第2の部分で、生体内の実施について詳細に説明する。
位相および吸収コントラスト画像として、定量位相コントラスト画像、定量吸収画像、定性位相および吸収画像、定性位相コントラスト画像、定性吸収画像、定性位相および吸収画像、および暗視野画像が挙げられるが、これに限定されない。また、位相および吸収コントラスト画像としては、1次元画像、2次元画像、3次元画像、または多次元画像が挙げられるが、これに限定されない。
眼の生体外サンプルとしては、全眼、眼の未処置片、眼の固定片、眼の着色片、および試験管内サンプルが挙げられるが、これに限定されない。
生体外撮像に関し、本発明の態様によるサンプルの直接照明を使用する代わりに、眼の深層における散乱によって生じる傾斜照明により、位相コントラストが得られる。第1の実施形態では、サンプルを光源および傾斜角度により照明する。第2の実施形態では、光源を撮像システムと同じ側に配置して、反射構成を作る。第3の実施形態では、散乱層を
位相サンプルの後ろに配置して、後方散乱照明を与える。第4の実施形態では、後方照明を与える散乱層が、眼の脈絡膜である。第5の実施形態では、光源を、サンプルへの到達前に拡散板により散乱させる。第6の実施形態では、後方反射層をサンプルの下方に追加する。再構成プロセスについては、以下を参照されたい。
光源としては、発光ダイオード、スーパールミネッセントダイオード、量子ドット光源、ランプ、黒体放射源、低時間コヒーレンス光源、低空間コヒーレンス光源、およびレーザ源が挙げられるが、これに限定されない。
生体内撮像に関し、眼底の直接照明を使用する代わりに、眼の深層における散乱によって生じる傾斜照明により、位相コントラストが得られる。方法、デバイス、システムの構成を、以下のカテゴリ:照明のタイプ、光送出デバイス、画像取得システム、再構成プロセスにおいて簡略化してもよい。
照明のタイプを、以下の非限定的および非排他的な実施形態によって示すことができる:
第1の実施形態では、光が強膜、脈絡膜、および網膜を通過している。透過および散乱した光が眼底を照明する。この変形例では、瞳孔-水晶体に光が全くまたはほとんど入らない。光送出デバイスは強膜に接触している。他の変形例では、経強膜的照明と経瞳孔的照明との組合せを使用してもよい。
第2の実施形態では、光が眼の近くの皮膚層、強膜、脈絡膜、および網膜を通過している。透過および散乱した光が眼底を照明する。この変形例では、瞳孔-水晶体に光が全くまたはほとんど入らない。
第3の実施形態では、光が瞳孔を通過して眼の側部に向けられる。ここでは、光線が散乱し、眼底に向かって反射する。
第4の実施形態では、光が瞳孔を通過して、ある角度で眼底に向けられ、同様の角度のある後方散乱光を発生させる。
第5の実施形態では、光が瞳孔を通過して、撮像領域近くの部位に照射される。光は深層で散乱し、撮像領域の後ろに、角度のある照明を与える。
第6の実施形態では、光が側頭を通過している。透過および散乱した光が眼底を照明する。瞳孔-水晶体には光が全く入らない。
第7の実施形態では、光が瞳孔または皮膚および強膜を透過し、網膜の撮像部位を直接照明するが、その背景は照明しないため、暗視野コントラストを提供する。
第8の実施形態では、波面を眼に入る前に操作する。フィードバック光が眼の水晶体を通して集められる。そして、いくつかの方式が可能であり、例えば、眼底に光を集束させて散乱を補償することにより、眼-瞳孔の分解能(0.24NA)よりも小さいスポットサイズを得る、反復プロセスにより集束を得る、眼-瞳孔を通るフィードバック光を最適化の基準として使用する、および、波面に位相勾配を加えることにより、散乱媒質の周知のメモリ効果を使用して、眼底をスキャンする。スキャンパターンは、最適化焦点スポットまたはスペックルパターンを含むことができる。
スキャンのデータが記録されると、このデータは位相回復アルゴリズムまたは他のデジ
タル手段により処理され、超解像画像、すなわち照明スペックルパターンの分解能を有する画像を再構成する。
本発明の態様による光送出デバイスを、接触および非接触用に設計することができる。接触用の光送出デバイスを、以下の実施形態に示す:
光送出デバイスは、発光デバイスと光送出デバイスのための駆動信号を生じさせる電子ワイヤとを組み込んだフレキシブル電子回路から作られる。
光送出デバイスは、皮膚または強膜に接触し、皮膚に接触した光送出デバイスは、着脱可能な保護パッチ(各患者に1つ)を有する。
眼を分析する患者の顔に接触する部材としては、頭部ホルダ、顎ホルダが挙げられるが、これに限定されず、光送出デバイスは着脱可能な使い捨て部材により覆われる。着脱可能な部材としては、紙の層、積み重ねた紙の層、ポリマー層が挙げられるが、これに限定されない。
光送出デバイスのフレキシブル電子回路の形状は、人間工学的に設計される。
フレキシブル電子回路-パッチは、被験者に配置される頭部取付フレーム(例えば、ガラスのフレーム)により保持される。
後方散乱光を抑制するために、吸収または反射層が照明デバイスの後方に配置される。
非接触照明用の光送出デバイスを、以下の実施形態に示す:
非接触光送出デバイスは、点光源から作られ、点光源の像が照明面(角膜、強膜、または皮膚)に作られる。
非接触光送出デバイスは円形光源からなり、その光が照明面(角膜、強膜、または皮膚)に照射される。
非接触光送出デバイスは環状からなり、その光が照明面(角膜、強膜、または皮膚)に照射される。
照明は、限定されないが、パルスまたは連続レーザ光源、発光ダイオード、スーパールミネッセントダイオード、量子ドット光源、ランプ、黒体放射源、およびレーザ光源などの400nm~1200nmの波長範囲の1つの光源または光源の組合せにより与えられる。光は、光源を組織(強膜または皮膚)に直接接触させて配置することにより送出され、または光源から組織に案内され、または照明面(角膜、強膜、または皮膚)に光源の像を作る。導波路部材としては、マルチモードファイバ、毛管導波路(capillary
waveguide)、レンズ付マルチモードファイバ、シングルモードファイバ、およびフォトニック結晶ファイバが挙げられるが、これに限定されない。光ビームは、選択された照明法に応じて、集束、拡散、またはコリメートであってよい。光は、直線偏光、円形偏光、非偏光(知られている選択的偏光(preferential polarization)を示さないことを意味する)、および異なる偏光の混合であってよいが、これに限定されない。
フーリエ領域では、平面波を有する傾斜照明が、より高い空間周波数に向かう移動に相当し、空間分解能がより高いことを意味する。加えて、より大きい角度で眼底に光を照射
しても、より大きい傾斜の後方照明が生じるため、より高いコントラストが得られる。
画像取得プロセスは、必要な撮像モダリティ:暗視野または位相/吸収によって異なる。暗視野の場合、1つの照明点のみにより、画像処理なしで撮像を行うことができる。異なる撮像部位について得られた画像を一緒につなぎ合わせることによって、より広い視野が得られる。
画像取得システムについて、以下の動作工程または方式を行うことができる:一連のレンズおよびミラーにより、網膜の画像がカメラに形成される。レンズまたはミラーを並進運動させて、網膜内の焦点面を変化させる。網膜内の焦点面を変化させるために、チューナブルレンズを使用する。円柱レンズを回転および並進運動させて、眼の乱視を補償する。2つの独立した円柱レンズを並進運動させて、眼の乱視を補償する。患者の度付き眼鏡を使用して、眼の収差を補償する。可変形状ミラーを使用して、眼の収差を補償する。波面センサを瞳面に共役させて、眼の収差を測定する。カメラを瞳面に共役させて、照明関数を測定する。絞りを網膜に共役させて、網膜の小部位を選択し、照明関数を測定する。カメラを角膜に共役させて、患者の眼が正しい位置にある場合を観察する。さらに、偏光光学系を使用して、異なる表面で光の後方反射を止めることができる。
再構成について、以下の動作工程を行うことができる:網膜の照明輪郭(後方散乱光)は、集光範囲(range of collection)NAにおける均一な関数ではない。照明に使用される光は網膜を通過し、その位相および強度はその光学特性によって影響される。異なる照明関数について、変調光をカメラに記録する。画像を共に処理して、位相および吸収画像を再構成する。画像処理により分解能およびコントラストを高めることによって、画質を向上させる。解剖学的特徴部分を抽出し分析して、起こり得る異常を検出する。
位相撮像には、2つの異なる照明点で取り込まれた少なくとも2つの画像が必要である。再構成アルゴリズムを使用することにより、定性または定量位相画像を得ることができる。当技術分野で公知のそのような再構成アルゴリズムは、限定されないが、L.TianおよびL.Waller、「Quantitative differential phase contrast imaging in an LED array microscope」、Opt.Exp.23、9、11394~11403ページ(2015)、Z.Phillips、M.Chen、L.Waller、「Quantitative Phase microscopy with Simultaneous
Aberration Correction」、Optics in the Life Sciences、2017)、または国際特許出願公開WO2015/179452、S.B.MehtaおよびC.J.R.Sheppard、「Qantitatvie phase-gradient imaging at high resolution with asymmetric illumination-based differential phase contrast」、Opt.Lett.34、13、1924~1926ページ(2009)に記載されたものであってよい。例示的な実施形態に記載の提案された照明方式を組み合わせて、処理すべき画像を記録してもよい。
位相撮像は、物体面の位相差により、ビームがビーム自体に干渉することに基づく。この干渉により、不均一な照明の場合、カメラ層で強度変調が生じる。反対の照明輪郭(S(u)=S(-u))を有する2つの画像を記録し、これらの強度を減算することにより、背景信号が除去され、位相情報のみが残る。微分位相コントラストである画像が得られる(Z.Liu、S.Liu、およびL.Waller、「Real-time brightfield,darkfield,and phase contrast
imaging in a light emitting diode array microscope」、J.of Biomed.、Opt.19、10、106002(2014)、T.N Ford、K.K Chu、およびJ.Mertz、「Phase-gradient microscopy in thick tissue with oblique back-illumination」、Nat.methods、9、12(2012))。図3、図4A、および図4Bに原理を示す。
2つの相補照明角度画像をI0およびI1とすると、微分位相コントラスト画像は、
Idiff=(I0-I1)/(I0+I1) (1)
により計算される。
画像の強度値は、画像面の位相勾配に関連する。この技法では照明ビームをサンプルに透過させる必要があるため、厚い生物媒質には不可能であると思われる。
生物組織などの散乱媒質の特性を使用して、ある種のサンプルの後方照明を与える方法がわかっている(T.N Ford、K.K Chu、およびJ.Mertz、「Phase-gradient microscopy in thick tissue with oblique back-illumination」、Nat.methods、9、12(2012))。実際には、光のビームが散乱媒質に垂直に照射されると、ビーム入射位置から離れる距離に応じて、後方散乱光は異なる角度分布を示す(図3参照)。この不均一な角度分布により、傾いた平均照明が得られ、これを使用して傾斜照明を与えることができる。図34および図35に示すように、照射ビームが表面に垂直でない場合に同様の効果が認められ、後方散乱ビームが指向性を示す。
この効果を、限定されないが、人間の眼などの眼で使用することができる:光がある角度で眼底に照射されると(例えば、強膜を通過すると)、光は透明網膜層を通過して、より深い層(例えば色素上皮および脈絡膜)で散乱する。ここで、光は後方に散乱して、傾斜方向を維持し、かつ網膜の上層を通過して、網膜吸収および位相により影響される。
少なくとも2つの異なる相補照明角度(例えば、+90および-90度)で画像を順次取得することにより、位相勾配撮像アルゴリズム(T.N Ford、K.K Chu、およびJ.Mertz、「Phase-gradient microscopy in
thick tissue with oblique back-illumination」、Nat.methods、9、12(2012)、S.B.MehtaおよびC.J.R.Sheppard、「Qantitatvie phase-gradient imaging at high resolution with asymmetric illumination-based differential phase contrast」、Opt.Lett.34、13、1924~1926ページ(2009)、L.TianおよびL.Waller、「Quantitative
differential phase contrast imaging in an LED array microscope」、Opt.Exp.23、9、11394~11403ページ(2015)、例えば図4参照)、またはフーリエタイコグラフィアルゴリズム(国際特許出願公開WO2015/179452、G.Zheng、R.Horstmeyr、およびC.Yang、「Wide-field,high-resolution Fourier ptychographic microscopy」)を使用し、定性または定量位相勾配画像を再構成することができる。その後、この再構成プロセスを、TianおよびWallerがすでに取り入れた位相および吸収の伝達関数を導入する任意の種類の照明に一般化することができる。実際には、カメラの強度を次のように表すことができる:
Figure 0007235355000001
δはディラックのデルタ関数、B、HおよびGは、Sのみに依存する伝達関数である。Sが既知である場合、未知であるのはμおよびφのみであり、少なくとも2つの画像を取得することにより、2つの未知の関数を得ることができる。図49は、2つの異なる照明点の原理を示す。人間の生体内眼底画像が、経強膜的照明により撮像される。図40Aの影は、画像55および56にも示すように、血管と影を投射する層との間の略透明な層により、血管ツリーの「二重」画像の効果を示す。
次に、本発明の態様の数学的背景のいくつかの詳細を示す。画像Iおよび第2の画像Iが2つの異なる照明パターンで取得されると、これらの画像は、限定されないが、異なる方法:
Figure 0007235355000002
を使用して繰り込まれる(renormalized)。
ここで、N{~}はi番目の繰り込み方法であり、Low{~}は2Dローパスフィルタである。それと共に、多くの場合、結果として得られる画像をその平均で減算して、フーリエ空間のゼロ成分を除去すると都合がよい。
正規化方法としては、N{~}で定義される関係、N{~}で定義される関係、およびN{~}で定義される関係が挙げられるが、これに限定されない。
位相および吸収の再構成に関し、TianおよびWallerの研究(L.TianおよびL.Waller、「Quantitative differential phase contrast imaging in an LED array microscope」、Opt.Exp.23、9、11394~11403ページ(2015))から、画像をフーリエで次のように表すことができる:
Figure 0007235355000003
ここで、
Figure 0007235355000004
は、吸収および位相輪郭のそれぞれのフーリエ変換であり、H、G、およびBは、測定1における照明関数および瞳孔の収差に依存する関数である。ここから、2つの輪郭が次のように得られる:
Figure 0007235355000005
3つ以上の画像が取得される場合、位相DPC画像を画像iと画像jとの間で次のように定義することができる:
ij=H-H+(B-B)δ (9)
吸収については次のように表される:
Figure 0007235355000006
伝達関数は次のように表される:
ij=H-H (11)
これにより、異なるDPC画像を使用して、例えばウィナーフィルタリングを使用して、次のように再構成することができる:
Figure 0007235355000007
照明関数の推定に関し、3つの異なる変形例が示される。平坦近似法では、前述したように、異なるHおよびGがわかることによってのみ再構成が可能である。これは、瞳孔関数(収差)および照明輪郭がわかることによるTianおよびWallerの研究から得られる。
式(9)および(10)および伝達関数(11)により得られたDPC画像を使用して位相および吸収を得るための方法を、ここでは変形Waller法(MWM)と呼ぶ。B=B、H=H、およびG=-Gである特別な場合に、DPC画像により位相を得るためのWaller法(WM)を次のように簡略化することができる:
ij=I-I (14)
伝達関数は、
ij=2G (15)
これらの方法の各々には、DPC画像を伝達関数でデコンボリューションするデコンボリューション工程が必要である。これを、限定されないが:直接反転、ウィナーフィルタリング、共役勾配最小化、最大尤度法、ブラインドデコンボリューション法などの異なる方法で行うことができる。
これらの位相および吸収を取り出すための方法を、ここでは「位相および吸収回復アルゴリズム」と呼ぶ。位相および吸収回復アルゴリズムとしては、繰り込みのある、または繰り込みのないWaller法、繰り込みのある、または繰り込みのない変形Waller法、および位相回復アルゴリズムが挙げられるが、これに限定されない。
第1の方法は、近似S(u)=h(au+bu)からなり、ここでh(u)は、座標uのみに依存するヘビサイド関数を表し、aおよびbは、どの半空間が1に等しい
かを判定するように選択された2つの係数である。この方法は、後方散乱光の角度分布を完全に無視しており、照明される表面について他の調査をすることなく再構成を可能にする。その後、再構成は、限定されないが、反転フィルタリング、最小二乗フィルタ、制約付き最小二乗フィルタ、チホノフの正則化、ブラインドデコンボリューション、反復フィルタによって行われ、空間またはフーリエ領域の両方に適用することができる。図49の画像は、この近似、およびその後のチホノフの正則化による位相画像の再構成によって得られる。
ランプ近似方法に関し、この方法は、前に得られたものと同様であるが、ヘビサイド近似を使用する代わりに、照明関数がS(u)=au+bu+qとして選択され、a、bおよびqは任意の値である。その後、画像を平坦近似方法で提案されたものと同様の方法で再構成することができる。
次に、角度散乱情報法に関し、この方法は、関数S(u)の正確な知識に基づく。この関数は、限定されないが、モンテカルロ散乱シミュレーションまたは実験測定により得られる。実験結果を、限定されないが、瞳面に共役させたカメラにより得ることができる。再構成は、方法1に示したものと同じ技法を使用することによって得られる。図51に示す画像は、モンテカルロシミュレーションにより得られた関数S(u)を用いて得られ、その後、チホノフの正則化により位相画像を再構成する。シミュレーションに使用されるパラメータは、Rovati他、(L.Rovati、S.Cattini、N.Zambelli、F.Viola、およびG.Staurenghi、「In-vivo diffusing-wave-spectroscopy measurements of the ocular fundus」、Optics Express Vol.15、Issue 7、4030~4038ページ(2007))、ならびにCurcio他、(C.A.Curcio、J.D.Messinger、K.R.Sloan、A.Mitra、G.McGwin、およびR.F.Spaide、「Human Chorioretinal Layer Thicknesses Measured in Macula-wide、High-Resolution Histologic
Sections」、Invest Ophthalmol Vis Sci.2011 Jun;52(7):3943~3954から得た。
画像の再構成後、分解能を、限定されないが、MeitavまたはShemonskiの案内星法、Meitavの移動および追加法、Hillmanのデコンボリューション-エントロピ法、ブラインドデコンボリューションアルゴリズム、または反復フィルタにより向上させる。案内星アルゴリズムの場合、デコンボリューション関数を、最初に物理的集束により光受容体層で推定する。続いて、位相網膜層を集束させ、画像を取得し、同じフィルタを適用して画質を向上させる。フィルタを原画像に適用してもDPC(IDPC)画像に適用してもよい。
画質を再構成プロセスで向上させることもできる。実際には、瞳面の収差がわかる場合、再構成により元の画像を復元する。収差がわからない場合、Phillips(Z.Phillips、M.Chen、L.Waller、「Quantitative Phase microscopy with Simultaneous Aberration Correction」、Optics in the Life Sciences、2017)に記載されているように、ブラインドデコンボリューション手法を使用して収差を推定することもできる。
位相画像が抽出されると、改良されたパターン認識アルゴリズムを、特徴部分抽出のために実行することができる。特徴部分抽出は、限定されないが、異なる網膜層、例えば内境界膜(ILM)、網膜神経線維層(RNFL)、神経節細胞層(GCL)、内網状層(
IPL)、内顆粒層(INL)、外網状層(OPL)、外顆粒層(ONL)、外境界膜(ELM)に存在する細胞、核および微小血管系などの網膜の特徴部分に作用するものである。
特徴部分抽出は、限定されないが、例えば深層学習ソフトウェアに基づいて、エッジ検出、コーナ検出、ブロブ検出、リッジ検出、スケール不変性特徴部分変換、ハフ変換により行われる。そのような場合、深層学習ソフトウェアを病理学および非病理学画像(生体内または生体外)によって訓練することができる。さらに、臨床医がデータを分析するのを助けるために、特徴部分抽出を医療情報抽出に適用することができる。
照明関数の測定に関し、曲面の場合(眼の場合など)に瞳面に共役する面、またはサンプル表面が平坦な場合(平坦に取り付けられた生体外サンプルの場合など)にフーリエ面に共役する面にカメラを配置することにより、照明関数を推定することができる。サンプル面に共役する面における絞りによって、散乱輪郭をより良好に選択することができる。実際には、測定された照明関数をサンプル領域にわたって平均化するが、絞りにより、この領域を限定することができ、照明関数を局所的に測定することができる。さらに、小さいアパーチャにより、曲面を局所的に平坦なものとして近似することができる。この考えにより、カメラを瞳孔に配置する場合とフーリエ面に配置する場合との差がなくなる。
この構成により、瞳孔カメラで得られた画像は、絞りアパーチャにより限定された領域にわたって平均化された照明関数である。照明関数をサンプルの異なる領域にわたって点別に測定する必要がある場合、アパーチャをレンズアレイに置き換えてもよい。この構成では、各レンズが、局所的な照明関数のカメラで画像を作成する。
収差測定に関し、画質の制限要因が光学収差により与えられる。これらの制限要因は、眼の収差および光学系の収差によるものであり得る。収差により、通常、高周波数のダンピングが生じるため、画像の分解能が低下する。この効果を補償するために、例えば、物理的補正または後処理により、波面センサをシステムの一部とすることができる。多くの異なるデバイスを使用してこの作業を行うことができるが、主に使用するのは、Shack-Hartmann波面センサおよびTscherning波面センサである。
両方の場合に、光を網膜に送り、カメラをこの面に共役させる。Shack Hartmannの場合、点を生じさせるために光を送るが、Tscherningの場合には、点のグリッドに類似したパターンの像を網膜に作る。Shack Hartmannでは、その後、レンズアレイを瞳に共役する面に配置して、カメラの同じ点のいくつかの画像を生成する。レンズアレイが瞳面に共役するため、各スポットの画像は、波面の局所勾配に比例する距離だけ、レンズの中心から並進運動する。このようにして、スポットフィールド(spot field)を測定することにより、波面を再構成することができる。Tschering波面センサは、同じ測定を行うが、スポットフィールドを網膜に直接生じさせる。
そのようなシステムには網膜の照明が必要であるため、2つを同時に使用すると、この光は再構成に使用される網膜画像を乱すことがある。そのため、異なる波長:照明用の一方の波長と波面検出用の他方の波長とを使用すると都合がよい。その後、フィルタおよびダイクロイックミラーを使用して、一方のシステムの光が他方に入ることを避ける。
物理的収差補正に関し、収差を後処理で補償することができるが、ダンピング効果が強すぎる場合、カメラのダイナミックレンジが情報を記録するのに十分でない。その場合、眼の収差が強すぎるときに、収差の効果を物理的に補償すると、より都合がよい。物理的補正を異なる方法で行うことができる。
方法、システム、およびデバイスの焦点距離を変化させることは、眼の焦点がぼける(近視/遠視)場合と、焦点面の変化が、例えば限定されないが、積み重なった異なる面の性能(performance)に必要な場合との両方で有用である。この作業を、異なる方法で、例えば限定されないが、集束要素(レンズまたは曲面ミラー)の並進運動、経路を増加させるためのミラーの並進運動(バーダルシステム)、チューナブルレンズの焦点距離の変化、可変形状ミラーの変化により行うことができる。
さらに、患者の度付き眼鏡またはコンタクトレンズを使用する測定において、患者の近視/遠視を補正することができる。
人間の眼によく見られる別の収差は、乱視によるものである。これは、2つの異なる軸に沿った水晶体の焦点距離の差からなる。そのため、例えば、2つの独立した円柱レンズの並進運動、可変形状ミラー、患者の度付き眼鏡またはコンタクトレンズを使用して、乱視を補償することができる。
図48を参照すると、瞳面に共役する面に可変形状ミラーを配置することによって、低次およびより高次の収差の両方を補償することができる。この構成は、可変形状ミラーの後にセンサが配置される波面センサに連結されるとより堅牢になる。このようにして、波面センサを可変形状ミラーと共に閉ループで使用して、収差を補償することができる。
さらに、暗視野照明を、本方法、システム、およびデバイスで使用することができる。暗視野照明に関し、集光範囲とは異なる照明角度の範囲を照明するために採用される照明方法を使用する。このように、経瞳孔的集光に関連付けた経強膜的照明を、暗視野照明とみなす。
光は眼底に入射すると、多くの異なる層によって散乱される。第1の網膜層は、比較的強い後方散乱をもたらす。照明および集光のために異なる角度を使用することにより、この第1の網膜層により散乱される光の大部分は、瞳孔によって集光されない。より深い層が光を散乱させ、OCT画像または非共軸集光において見られる(T.Y.P.Chui、D.A.VanNasdale、およびS.A.Burns、「The use of
forward scatter to improve retinal vascular imaging with an adaptive optics scanning laser ophthalmoscope」、Biomed.Opt.Exp.3、10、2537~2549ページ(2012))。この論文では、照明および集光時に瞳孔を通る暗視野照明を使用して、網膜および脈絡膜の微小血管系を観察する。
眼底の傾斜後方照明を与えるために、以下の照明を使用することができる:経強膜的(図9A、図9B)、経表皮的(図10A、図10B)、瞳孔傾斜照明(図11A、図11B)、瞳孔直接照明(図12A、図12B)、または側頭を通る照明(図13)。
暗視野集光に関し、サンプルにより回折した光のみを集め、背景からの光を集めない集光方法について説明する。網膜層の暗視野撮像は、大きい角度の照明により撮像部位の背景を照明することを避けることによって、または共役面の背景層の一部をフィルタリングすることによって得られる。これは、フラッド照明、スキャン方法、およびこれら2つの混合、例えば、限定されないが、フラッド照明および集光のためのスキャンシステムにより行うことができる。
スキャン取得システムとしては、共焦点スキャン取得、光干渉断層法取得、移動瞳孔スキャン取得、分割検出器取得、およびロックインスキャン取得が挙げられるが、これに限
定されない。検出器としては、1ピクセル検出器、ラインカメラ、および2D検出器が挙げられるが、これに限定されない。1ピクセル検出器としては、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、光電子増倍管、微小光電子増倍管、ロックイン1ピクセル検出器、および1ピクセル検出器から構成された分割検出器が挙げられるが、これに限定されない。2次元検出器としては、ロックインマルチピクセル検出器、CMOSカメラ、sCMOSカメラ、CCDカメラ、および2D分割検出器が挙げられるが、これに限定されない。
次に、異なる照明方法およびシステムについて、非限定的および非排他的な実施形態としての役割を果たす、異なる構成を用いて説明する。
構成1(経強膜的)
図9Aおよび図9Bを参照すると、これらの図は経強膜的照明方法を示す:光16が強膜組織9に直接照射される。光を、光源または光導波路部材との直接接触により送出しても、光ビーム(コリメートビーム、集束ビーム、拡散ビーム、または構造化照明を有するもの)により非接触で送出してもよい。光位置のいくつかの例を円板45により示す。強膜9および下層10、11の散乱特性は、大きい角度で眼底を照明する拡散ビーム19を発生させる。強膜に物理的に接触させる場合、局所麻酔を使用して、測定が患者にとってより快適になるようにしてもよい。
構造化照明としては、正弦曲線位相パターン、正弦曲線強度パターン、マイクロミラーアレイにより強度変調された光パターン、位相変調された、かつ/または空間光変調器により変調された光パターンが挙げられるが、これに限定されない。
導波路および導波路部材としては、シングルモードファイバ、マルチモードファイバ、毛管導波路、レンズ付マルチモードファイバ、およびフォトニック結晶ファイバが挙げられるが、これに限定されない。
構成2(経表皮的)
図10Aおよび図10Bを参照すると、これらの図は経表皮的照明方法を示す:光16が上瞼14および/または下瞼15に照射され、そこから異なる層を通って眼1の内側まで散乱19する。光を(光源または導波路部材の)直接接触27により送出しても、光ビーム16(コリメートまたは非コリメート)により送出してもよい。光位置のいくつかの例を円板45により示す。離間した多くの点光源が、異なる角度の照明を与える。また、麻酔が必要ないので、皮膚との接触が患者にとってより快適になり得る。
構成3(側部から経瞳孔的)
図11Aおよび図11Bを参照すると、これらの図は瞳孔照明方法を示す:光17が、瞳孔4および水晶体5を通過した後に眼の内層に照射される。光は、焦点28からの後方反射後、眼の内側で散乱し、眼底を照明する。光を(光源または導波路部材の)角膜3への直接接触により送出しても、光ビーム(コリメートまたは非コリメート)を用いて非接触で送出してもよい。
構成4(経瞳孔的直接明視野)
別の照明方法は眼底の直接照明に基づく。光が眼底に到達すると、後方散乱光が網膜により変調され、その後、撮像の目的で集められる。この構成では、光が撮像部位の背景を照射しても(明視野)、撮像部位の側部のみを照射してもよい(暗視野)。
構成5(経瞳孔的直接暗視野)
図12Aおよび図12Bを参照すると、これらの図は、光が瞳孔を通って撮像網膜部位
に直接送られることを示す。しかしながら、光は、撮像網膜部位の後方で網膜色素上皮(RPE)に到達しないような角度で送られる。このようにすると、背景が暗く見える。この網膜部位により集められる光は、背景光の変調によって与えられるのではなく、網膜特徴部分の回折によって与えられる。
構成6(Mertz状)
光が、撮像網膜部位またはその背景に直接照射することなく、瞳孔を通って照射され、RPEに集束される。光がRPEおよび脈絡膜の内側で散乱し、撮像網膜部位の後方の層に到達する。ここから光が後方散乱し、網膜に照射されて照明を与える。
構成7(経側頭的)
図13を参照すると、この図は、経側頭的照明により眼底を照明できることを示す。光が患者の側頭に照射され、ここから眼の中に散乱する。
構成8(ビーム形状)
図14A、図14B、図14Cを参照すると、これらの図は、構成1~7を使用して、限定されないが、光学方法、波長選択、波面成形により、ビーム形状を修正できることを示す。
次に、異なる例示的な照明方法およびシステムについて、非限定的および非排他的な実施形態として説明する。
構成1(接触PCB)
図23、図24、図25、図26、図27、図28Aを参照すると、経表皮的照明方法が示される。光16が上瞼14および下瞼15に同時にまたは順次、または任意の組合せで照射され、そこから異なる層を通って眼1の内側に向かって散乱19する。光は、光源27が皮膚15に直接接触することにより送出される。透明または散乱媒質が光源と皮膚との間にあって、照明部位を拡大し、皮膚上におけるパワー密度を低下させることができる。光源位置の例示的な例を円板45により示す。離間した多くの点光源が、眼の内側に異なる角度の照明を与える。また、光源を眼(強膜、角膜)に接触させる場合とは対照的に、麻酔潤滑剤が必要ないので、皮膚との接触が患者にとってより快適になり得る。
図25および図28Aの装置では、経強膜的照明システムがマスタドライバ基板に接続される。基板は、接続されたすべてのLEDの駆動信号および撮像デバイスのトリガ信号を提供して、照明を取得システムに同期させる。異なるLEDをオンにすることにより、発光波長および角度スペクトルの両方に関して異なる照明スペクトルを生成することができる。駆動電流を変化させることにより、全強度、パワースペクトルの形状、および光の空間分布を変化させることができる。
構成2(接触PCB)
図24を参照すると、構成1と同様の照明原理、すなわち強膜を通過する前の経表皮的照明が示される。発光デバイスおよびそのフレキシブル部材が、眼瞼の円弧形状に従った連続光源を、眼の上下に有する。連続光源はピクセルから構成され、各ピクセルを独立してオンまたはオフにすることができる。
構成3(接触LED)
図28Bを参照すると、構成1と同様の照明原理、すなわち強膜を通過する前の経表皮的照明が示される。発光デバイスはLEDであり、数ミリメートルの直径のカプセル化した透明材料(限定されないがエポキシおよびポリジメチルシロキサンなど)を有する。LEDは、患者の眼瞼の皮膚に接触して配置される。LEDの数は4に限定されない。
構成4(非接触)
照明は非接触で与えられ、眼または周囲組織を照明するビームを集束、コリメート、または拡散させることができる。
構成5(ホイール)
図19、図21、および図22の装置では、散乱組織に向ける光が、限定されないが、光ビーム16、および小孔41が穿孔された回転ホイール39により与えられる。光ビームは、ホイールの表面全体を、光が孔40のみを通過して強膜9上の1つの点のみを照明するように照明する。あるいは、図4、図8、および図9を参照して、照明点は、眼を囲む皮膚14、15上、またはさらには眼の外側にあってもよい。
構成6(ホイールおよびファイバ)
図20の装置では、散乱組織上の光が、限定されないが、シングルモードファイバまたはマルチモードファイバであり得るファイバ18により与えられる。回転ホイール39は、ファイバ18と、強膜9または皮膚14、15に光を集束させるレンズ22とを保持する。ファイバホルダは、ファイバに応力を生じさせることなく、ファイバが自由に回転できるように設計される。さらに、ファイバを保持する円板は、限られた時間だけ回転して、ファイバが回転アームに巻き取られるのを防ぐ。巻き取りを防ぐ別の解決法は、円板を側部から回転させる(それにより回転アームを取り外す)ことからなる。
別の実施形態は、限定されないが、円(円環)などの形状の固定構造に配置された一連の光源である。あるいは、光ビーム74を、図16および図18に示すように分離させることができる。これらの前述した例では、図10A~図14Cを参照し、装置が光を非接触で送るように構成される。
構成7(パッチ)
図23の装置では、光が、パッチ46により患者の皮膚に接触して、皮膚に送出される。パッチは、いくつかの照明点45を患者の眼瞼にもたらすいくつかのファイバに接続される。それぞれの照明点に1つの光ファイバ18が必要である。パッチを、皮膚に接触する消耗保護部材から構成することができる。パッチは、光コネクタ47により分割光源に接続される。
構成8(接触強膜)
図17の装置では、光が患者の強膜9に接触して送出される。光は複数の光ファイバ18または光導波路から出る。加えて、撮像システム21の対物レンズが角膜3に略接触し、屈折率整合生体適合性ゲル65が両者の間にある。図17に示す原理は、図2とは、照明点の数(3つ以上)および照明方法が異なることに留意されたい。ここでは、ビームを順次オンにするが、図2では、2つの点を同時に照射する。
図54は、本発明の態様による、眼541を検査するためのスキャンシステムの例示的な概略図である。信号を集めるためにスキャンシステムを使用することにより、サンプルの撮像層の深さ選択度をより良好にすることができる。このシステムを、位相/吸収または暗視野情報の両方を集めるために使用することができる。システムは、限定されないが、集光ビームを眼541の撮像部位に沿ってスキャンするための2軸スキャンミラー543および545などのスキャン要素を使用する。他のミラー540、544、548、および549を使用して、光を検出器に向けて反射させる。その後、絞りまたはピンホール546を、撮像面に共役する面に配置することができる。このようにして、深さ選択が向上する。標準SLOシステムと比べて、照明542が強膜を通して与えられ、瞳孔を通過しないため、検出アームのみが必要となる。スキャンシステムの使用をハードウェア補償
光学系と組み合わせてもよい。信号を、限定されないが、標準取得のために使用可能またはロックインモードで使用可能な、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、光電子増倍管(PMT)、微小PMTなどの1ピクセル検出器547によって集めることができる。
図55を参照すると、ロックイン取得をシステムに効率的に組み込むことができる。ロックイン取得を、例えばフラッド照明のロックインカメラ、または、例えばスキャンシステムの単一検出器を使用して行うことができる。そして、カメラ/検出器の出力はDPC画像である。加えて、いくつかのDPC信号を統合して、DPC信号の平均値である出力を有するようにしてもよい。これにより、SN比を大きくすることができる。最後に、読み出しチェーンの初期段階で背景を除去することによって、デジタルリソースをより効率的に使用する。
図29、図30、および図31に関して、波面成形をさらに説明する。異なる照明方式により、網膜表面に、数マイクロメートルである光受容体の直径よりも小さいスペックル粒径を有するスペックルパターンを提供する(D.Mustafi、A.およびH.Engel、KrzysztofPalczewski、「Structure of cone photoreceptors」、Progress in Retinal and Eye Research、Vol.28、No.4、289~302ページ、2009)。高分解能スペックルパターンが眼底に照射された後、眼底の高分解能画像をいくつかの実施形態で再構成することができる。
第1の実施形態は、眼の瞳孔を通して(したがって、はるかに低い分解能で)スペックルパターンを見ること(すなわちデジタル画像を集めること)を含む。散乱媒質のメモリ効果により、スペックルパターンを移動させ、移動のたびに画像を集めることができる。その後、これにより集めた画像を位相回復アルゴリズムで使用して、元の高分解能の投射スペックルパターンと同じ分解能で眼底の画像を再構成する。別の実施形態は、フィードバックを得て常に同じ部位を照明することにより一定のスペックルパターンを提供するために、コンタクトレンズに埋め込むなどして、または非接触マーカもしくは任意の高分解能アイトラッカを表示することにより、マーカを眼の表面に配置することである。
画像再構成の別の実施形態は、単一焦点スポットをスキャンすることに基づく。波面成形により、スペックルパターンを単一スポット(元のスペックルと同じサイズの)に変換することができる。同様に、この方法では、メモリ効果を使用してスポットをスキャンすることができる。各点の反射強度を集めることにより、眼底画像全体の強度輪郭を再構成することができる。本実施形態の主な問題は、集束部分にある。これは、瞳孔によって生じる分解能が限られているため、透過マトリックスを測定することができないからである。代替案は、限定されないが、遺伝アルゴリズム(GA)などの反復プロセスを使用することである。(D.Conkey、A.Brown、A.Caravaca-Aguirre、およびR.Piestun、「Genetic algorithm optimization for focusing through turbid media in noisy environments」、Opt.Express、vol.20、4840~4849ページ、2012)。GAは、パターンが理想的な場合(完全集束)にどのくらい近いかを測定するパラメータを最大化することにより、集束をもたらすことができる。この種類のアルゴリズムは、収束時間が速い、すなわち、許容できるコントラストを有する光を集束させるために約1000回の反復のみが必要であるため、目標とする適用には最も効率的である(I.M.Vellekoop、「Feedback-based wavefront shaping」、Opt.Express 23、12189~12206(2015))。
眼底の場合、この組織の固有の特性を使用して、集束のためのパラメータを提供することができる。錐体光受容体(直径1~1.25μm(D.Mustafi、A.およびH.Engel、KrzysztofPalczewski、「Structure of
cone photoreceptors」、Progress in Retinal and Eye Research、Vol.28、No.4、289~302ページ、2009))は、その導波路特性のため、背景よりもはるかに明るく見え(B.Vohnsen、「Photoreceptor waveguides and effective retinal image quality」、J.Opt.Soc.Am.A24、597-607(2007)、B.Vohnsen、I.Iglesias、およびP.Artal、「Guided light and diffraction model of human-eye photoreceptors」、J.Opt.Soc.Am.A22、2318~2328(2005))、その疎な分布を、分解能の限界を打ち破るために使用することができる。全反射率の最大化は最も明るい光受容体への光の集束に一致することが、簡単にわかる。最大化できる別のパラメータは、1つの光受容体のみを含む部位の全強度を背景強度で割ったものである。2つまたはそれ以上の点がPSFの発生に寄与するとき、その最大値/エネルギー比は理想的な場合よりも小さい。
干渉撮像に関し、図53は、散乱光による光干渉断層法測定の光学原理方式を示す。広帯域光源53(例えばSLD)が、基準50と物体51アームとに分割される。基準50は、干渉後に並進運動してサンプルを深さ方向にスキャンすることのできるミラー54を照明する。物体アームは、皮膚8および/または強膜9、脈絡膜10および網膜11を通して眼1を照明する。眼底を照明した後、後方散乱光が瞳孔4により集められ、基準ビームに干渉する。ビームスプリッタ42により2つのビームを再結合させた後、干渉ビームが撮像光学系ブロック49を通過し、検出器48により記録される。
システムの要素を他の撮像モダリティ、例えば、限定されないが、OCT、蛍光撮像、磁気共鳴撮像(MRI)と単一プラットフォームで組み合わせて、診断を助ける医療情報を得て統合し、マルチモード網膜撮像プラットフォームを確立することができる。特に、画像取得のためにスキャンシステムを使用することにより、システムがスキャンレーザ検眼鏡およびOCT技術とより適合性のあるものになる。
本発明の態様による網膜の位相撮像を、赤外光により行ってもよい。人間の眼は赤外光を感知しない。その結果、生体網膜の場合、例えば瞳孔または強膜を通して、網膜を可視波長により刺激して、機能的な網膜撮像を行うことによって、いくつかの網膜機能を撮像することができる。例えば、異なる波長に対する光受容体の反応を調べることができる。機能分析法は、本明細書で使用されるとき、深層学習アルゴリズムを含むことができるが、これに限定されない。
眼科撮像システムとしては、光干渉断層法システム、眼底撮像システム、スリット照明撮像システム、蛍光血管造影撮像システム、インドシアニングリーン血管造影撮像システム、眼底自動蛍光撮像システム、角膜トポグラフィ撮像システム、内皮細胞層写真撮影システム、眼組織のマルチモード撮像を行うためのスペキュラマイクロスコピー(specular microscopy)システムが挙げられるが、これに限定されない。
同じ撮像方法を前眼部の撮像に適用することができる。前眼部組織としては、水晶体、内皮、および角膜が挙げられるが、これに限定されない。眼底または瞳孔から散乱された光がこれらの層を透過し、強度および位相が変調される。焦点面が網膜ではなく眼の前層(例えば、角膜内皮)である撮像システムを使用することにより、位相および吸収情報を含む画像を記録することができる。同様に、異なる照明を使用してこれらの画像の2つま
たはそれ以上を記録することにより、吸収および位相輪郭を再構成することができる。
次に、図38に関し、眼の撮像のプロトコルを記載する一般的な方法について説明する。図9A~図29の実施形態に従って、光学系を患者に位置決めする。次に、撮像システムを患者の眼に位置合わせする。この工程の後、各点(一度に1つまたは複数を共に)を、約400nm~1200nmのスペクトルで選択された1つまたはそれ以上の波長で照明し、眼の水晶体を通して眼底の画像を取得する。各画像は順次取得される。患者の瞳孔を拡張させても拡張させなくてもよい。暗視野画像(最小で1つの照明点)の場合、取り込まれた画像は直接、暗視野画像となる。選択された方法が位相撮像(最小で2つの照明点)の場合、取得した画像を最初に処理して、定性または定量位相画像を得る必要がある。すべての画像が取得されると、画像を後処理することができる
一連の実験を行い、操作性、原理の証明、および実質的に背景技術よりも向上した結果を示した。
生体内位相撮像に関する測定について、原理の証明を示すため、図46に示すように、倒像検眼鏡を作った。非球面レンズ30により、眼底において約60°の視野が可能である。カメラの対物レンズ33は、レンズ30の画像面に焦点を合わせ、カメラ32は眼底の反転画像31を記録する。図49、図50、図51は、2人の人間についての2つの暗視野画像35、36と、式(1)の関係を使用して2つの暗視野画像を減算することにより得られた対応する位相勾配画像37とを示す。照明波長は643nmであった。図49の左側は、中央下の照明点から経表皮的に撮像した画像を示し、中央は、左下の照明点から経表皮的に撮像した画像を示し、右側は、位相コントラストを示す2つの差を示す。図50は、例えば、視神経乳頭の勾配を示す位相勾配画像37とスペクトル線輪郭(line profile)38とを示す。次に、図51において、左側は、右下の照明点から経表皮的に撮像した画像を示し、中央は、左下の照明点から経表皮的に撮像した画像を示し、右側は、位相コントラストを示す2つの差を示す。
図47を参照すると、第2の工程において、小さい視野を得るために別の検眼鏡が作られている。この検眼鏡は、焦点を調節するためのステージ、患者用の固定ターゲット、および左から右へ第1のレンズ、第2のレンズ、および第3のレンズを含む接眼レンズにより形成された2つのテレスコープを含む。加えて、絞りを瞳面に配置してビームをフィルタリングする。最後に、高感度カメラが網膜画像を記録する。図52は、経表皮的LED(870nmのピーク波長)照明による網膜の2×2mmの視野の例を示す。
図48を参照すると、第3の工程において、システムは、収差補正法を用いた閉ループの波面センサおよび可変形状ミラーを使用して、収差を補正するように設計されている。
収差補正法としては、本明細書で使用されるとき、可変形状ミラー、空間光変調器、バーダルシステム、チューナブルレンズ、一連の円柱レンズ、Waller法、変形Waller法、およびブラインドデコンボリューションアルゴリズムが挙げられるが、これに限定されない。
生体外位相撮像に関する測定について、図42を参照すると、生体内撮像の場合と同様のパラメータを有する顕微鏡が作られている。この顕微鏡は、最初に散乱板により散乱される傾斜照明、後方散乱光をもたらす反射層、顕微鏡の対物レンズ、撮像レンズ、およびカメラを含む。図43は、生体外測定結果を、分解能評価、本発明により得られた画像と定量位相画像を提供するデジタルホログラフィ顕微鏡との比較と共に示す。図43は、強度画像を提供する共焦点顕微鏡により取得した画像との比較も示す。図44および図45は、ブタ網膜の深さ方向のスキャン結果を、網膜の異なる層と共に示し、核の層の細胞密
度を計算する。
次に、波面成形を使用して操作性および原理の証明を示すために測定を行った。原理の証明を示すために、マイクロビーズの静的サンプルおよび液晶ベースの空間光変調器を使用して、フィードバック光を最適化する。このシステムは図32に示される。直線偏光コリメートレーザビームが、400μm厚さの散乱層を通過する前にSLMを照明する。次に、散乱ビームが、0.25NAの対物レンズを通してサンプルを照明する。反射光が対物レンズにより集められ、絞りを通過して、検出NAを人工的に低下させ、眼の瞳孔の限定された分解能に類似させる。マイクロビーズのサンプルを使用して、検出システムが解決できない高反射率特徴部分の状況を再現する。
図33は、直径10μmの1つのビーズおよび検出NA0.02について行われた集束プロセスの結果を示す。手順は以下の通りである:画像を最大分解能で記録(図33Dの最適化前の曲線)した後、絞りを閉じて波面を最適化する(図33C)。最適化前後の低分解能PSFが図33Cに示される。最後に、絞りを開いて最適化された高分解能PSFを記録する(図33Dの最適化後の曲線)。最適化前(図33A)および最適化後(図33B)の2次元画像が示される。いくつかのビーズのサンプルの場合、集束は1つのビーズの場合ほど良好でないため、これらのPSFの形状によりビーズを識別する方法を開発する。2つのビーズが分解能距離(resolution distance)より近い場合、集められた画像はPSFに類似する。いずれにしても、最大値と全エネルギーとの比は、中心間の距離に応じて変化する。このパラメータを使用して、1つのビーズの場合と複数のビーズの場合とを識別することができる。
様々な適用を、本発明のデバイス、システム、および方法により行うことができる。適用としては、光受容体の上の網膜層、内境界膜および外境界膜の間の網膜層、例えば内境界膜(ILM)、網膜神経線維層(RNFL)、神経節細胞層(GCL)、内網状層(IPL)、内顆粒層(INL)、外網状層(OPL)、外顆粒層(ONL)、外境界膜(ELM)の定量位相撮像が挙げられる。
次に、提案された方法は、脈絡膜および網膜色素上皮(RPE)の暗視野画像を提供することができ、コントラストを強調した脈絡膜腫瘍および脈絡膜の微小血管系を撮像することができる。
最後に、2つの暗視野画像を記録することにより、網膜層の位相勾配情報を得ることができる。
要するに、本発明の態様により、眼の視覚プロセスを網膜の最初の層によって判定する。眼に入る光は、光受容体細胞に到達する前に、網膜を形成する神経節および神経細胞の厚さ約100μmの層を通過する必要がある。これらの細胞は、位相物体であるため、標準的な撮像法によって見ることは難しい。実際、位相撮像法は、通常、照明システムを撮像システムに対してサンプルの反対側に配置する必要があり、位相撮像を生体内で行うことができない。しかしながら、散乱媒質の特性を使用して一側から位相撮像を行う可能性が示されている。
本発明の態様によれば、傾斜照明により眼底で定性および定量撮像を行うためのシステムが提案される。瞳孔を通して、強膜自体で、または強膜を覆う皮膚で直接、異なる照明点を使用することにより、眼の散乱特性を通して傾斜後方照明を与え、位相コントラスト画像が得られる。これらの位相コントラスト画像を使用して、位相または吸収情報のみを含む画像を再構成することができる。さらに、同じ照明方式を使用して、暗視野画像を瞳孔から集めることができる。さらに、インコヒーレント照明を使用することにより、コヒ
ーレント撮像と比べて復元画像の分解能を2倍にすることができる。
本出願において、位相コントラストが得られること、ならびに絶対吸収および位相輪郭が2次元(2D)および3次元(3D)について得られる方法について示した。いくつかの実施形態により、位相コントラストおよびこの照明を与え、画像を取得するための異なる装置を提供する、異なる照明モードを示した。2Dおよび3D位相ならびに吸収輪郭を再構成するためのアルゴリズムについて説明した。加えて、この技法および異なる改良によって得られる二次情報について説明した。
ある好ましい実施形態を参照して本発明を開示したが、本発明の範囲から逸脱することなく、記載された実施形態およびその等価物に多くの修正、改変、ならびに変更を行うことができる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の文言に従って最も広い妥当な解釈がなされるものである。
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Claims (18)

  1. 眼組織を撮像するための方法であって:
    光送出デバイスの複数の発光領域により眼に傾斜照明を与える工程であって、複数の発光領域は、独立して制御可能であり、かつ眼の網膜および虹彩のうちの少なくとも一方に光を向けるように配置されている、工程と;
    傾斜照明により網膜および虹彩のうちの少なくとも一方から後方散乱した光から、出力ビームを生じさせる工程と;
    眼底の一連の画像を提供するために、撮像システムを用いて出力ビームを取り込む工程と;
    眼底の一連の画像から位相および吸収コントラスト画像を取り出す工程とを含み、
    ここで、取り込む工程の眼底の一連の画像は、傾斜照明を与える工程において、一度に複数の発光領域のうちの1つまたはそれ以上を順次オンにすることによって得られる前記方法。
  2. 眼組織は人間または動物の生体眼の一部であり、
    傾斜照明は、経瞳孔的照明、経強膜的照明、および経表皮的照明のうちの少なくとも1つであり、
    光送出デバイスは、以下の照明モダリティ:
    光送出デバイスと患者の顔とが接触しない;
    光送出デバイスが眼の周りの皮膚に接触する;
    光送出デバイスが眼の強膜に接触する;および
    光送出デバイスが眼の角膜に接触する、
    のうちの少なくとも1つのために構成される、請求項1に記載の方法。
  3. 眼組織は人間または動物の眼の生体外サンプルである、請求項1に記載の方法。
  4. 傾斜照明は、拡散ビーム、コリメートビーム、集束ビーム、および構造化照明のうちの少なくとも1つにより形成される、請求項1に記載の方法。
  5. 眼組織は、人間の生体内網膜、人間の生体外網膜、および動物の生体内網膜のうちの少なくとも1つを含み、
    取り込む工程は、暗視野照明、暗視野集光、波面成形による集束コヒーレント照明、および低コヒーレンス光源による傾斜光干渉断層法のうちの少なくとも1つのモダリティを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 取り出す工程において、再構成された位相および吸収画像は、位相および吸収回復アルゴリズムにより得られる、請求項1に記載の方法。
  7. 取り込む工程において、一連の画像は、2D単一フレーム取得および2Dロックイン取得のうちの少なくとも一方によって取り込まれる。請求項1に記載の方法。
  8. 眼組織は前眼部組織であり、
    傾斜照明を与える工程において、照明は、眼底および眼の虹彩のうちの少なくとも一方から後方反射によって得られる、請求項1に記載の方法。
  9. 眼の収差および照明関数のうちの少なくとも一方を、波面センサおよび瞳孔カメラのうち少なくとも一方を用いて測定する工程と;
    収差補正法により収差を補正する工程とをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  10. 機能的情報が一連の画像のデータから取り出される、請求項1に記載の方法。
  11. 眼組織を撮像するためのシステムであって、
    傾斜照明を与えるために眼組織に向けられる複数の発光領域、および複数の発光領域からの傾斜照明の、眼底から後方散乱した光によって生じる出力ビームを有する光送出デバイスと、
    出力ビームを取り込んで、眼底の一連の画像を提供するように構成された撮像システムと、
    光送出デバイスの複数の発光領域を個々に制御し、一度に複数の発光領域のうちの1つを順次オンにして、撮像システムにより一連の画像を取り込むように構成されたコントローラとを含み、
    ここで、撮像システムは、定量位相コントラスト画像、定量吸収画像、定性位相および吸収画像、定性位相コントラスト画像、定性吸収画像、定性位相および吸収画像、ならびに眼底からの暗視野画像を取り出すように構成されている前記システム。
  12. 光送出デバイスからの光は、400nm~1200nmの波長範囲の強膜-脈絡膜-皮膚の透過範囲を有し、
    光送出デバイスは、1つまたはそれ以上の異なるタイプの光源から出る光を使用する、請求項11に記載のシステム。
  13. 撮像システムはスキャンシステムと検出器とを含み、
    スキャンシステムは、眼の瞳孔の中心に対して中心に位置するか、または移動した集光瞳を有し、
    検出器は、1ピクセル検出器、ラインカメラ、2次元マルチピクセルデバイス、および分割検出器のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載のシステム。
  14. 一連の画像は、2次元マルチピクセルデバイスで眼組織を撮像することによって取得される、請求項11に記載のシステム。
  15. 光送出デバイスは複数の導波路を含む、請求項11に記載のシステム。
  16. 患者の顔に接触する部材が、着脱可能な使い捨て部材により覆われる、請求項11に記載のシステム。
  17. 眼組織のマルチモード撮像を提供する異なる眼科用撮像システムを含む光学系をさらに含む、請求項11に記載のシステム。
  18. 取り込む工程において、一連の画像はスキャン取得システムによって取り込まれる、請求項1に記載の方法。
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