本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
(クレーム1)
所属する利用者に対して使い捨て着用物品を提供する旨の契約を予め行った組織を示す組織情報と、当該組織に所属する利用者を示す利用者情報とを受付ける受付部と、前記受付部が受け付けた前記組織情報と前記利用者情報とに対し、当該組織情報が示す組織の契約と対応する使い捨て着用物品を示す物品情報を対応付けて管理する管理部とを有することを特徴とする管理装置。
このような管理装置によれば、所属する利用者に対して使い捨て着用物品を提供する旨の契約を予め行った組織を示す組織情報と、当該組織に所属する利用者を示す利用者情報とを受付け、受け付けた組織情報と利用者情報とに対し、当該組織情報が示す組織の契約と対応する使い捨て着用物品を示す物品情報を対応付けて管理する。これにより、管理装置は、組織に所属する利用者が例えば周囲の目を気にせずいつでも気軽に使い捨て着用物品を入手できるような環境作りをサポートすることができる。また、この結果、管理装置100は、より適切な態様で吸収性物品を提供することができるような環境を組織内に充実させることができる。
(クレーム2)
また、管理装置は、収容された使い捨て着用物品を排出する機能を有する提供装置から利用者情報を受け付けた場合は、当該利用者情報が示す利用者と対応付けて管理された物品情報を特定する特定部と、前記特定部により特定された物品情報が示す使い捨て着用物品を排出するよう前記提供装置を制御する制御部とを有する。
このような管理装置によれば、収容された使い捨て着用物品を排出する機能を有する提供装置から利用者情報を受け付けた場合は、当該利用者情報が示す利用者と対応付けて管理された物品情報を特定し、特定した物品情報が示す使い捨て着用物品を排出するよう提供装置を制御するため、契約と対応する吸収性物品のうち、利用者により適した吸収性物品を提供することができる。
(クレーム3)
また、管理装置は、前記利用者による前記提供装置の利用に応じて当該提供装置から利用者情報を受け付けるよりも前に、前記組織から当該利用者を示す利用者情報を受け付けておく。
このような管理装置によれば、利用者による提供装置の利用に応じて当該提供装置から利用者情報を受け付けるよりも前に、組織から当該利用者を示す利用者情報を受け付けておくため、利用者が提供装置を介して使い捨て着用物品を入手しようとするその場でも、スムーズな認証処理を実現することができる。
(クレーム4)
また、管理装置は、前記利用者の身体情報をさらに受け付け、前記提供装置から利用者情報を受け付けた場合は、当該利用者情報が示す利用者と対応付けて管理された物品情報のうち、当該利用者の前記身体情報に応じた使い捨て着用物品を示す物品情報を特定する。
このような管理装置によれば、利用者の身体情報をさらに受け付け、提供装置から利用者情報を受け付けた場合は、当該利用者情報が示す利用者と対応付けて管理された物品情報のうち、当該利用者の身体情報に応じた使い捨て着用物品を示す物品情報を特定するため、例えば、使い捨て着用物品は必要であるが、自身に合ったものがわからないといった利用者を効果的にサポートすることができる。
(クレーム5)
また、管理装置は、前記利用者情報が示す利用者毎に、当該利用者の前記身体情報に応じた使い捨て着用物品を推定する推定部をさらに有し、前記管理部は、前記利用者情報に対し、当該利用者情報が示す利用者に対して前記推定部により推定された使い捨て着用物品を示す物品情報を対応付けて管理する。
このような管理装置によれば、利用者情報が示す利用者毎に、当該利用者の身体情報に応じた使い捨て着用物品を推定し、利用者情報に対し、当該利用者情報が示す利用者に対して推定した使い捨て着用物品を示す物品情報を対応付けて管理するため、利用者に最適な使い捨て着用物品を提供することもできる一方で、利用者が所望する使い捨て着用物品を選択した場合には、選択された使い捨て着用物品を確実に提供することができる。
(クレーム6)
また、管理装置は、前記推定部により利用者毎に推定された使い捨て着用物品を示す物品情報を、前記提供装置を用いて入手する推奨商品として当該利用者に提供する提供部をさらに有する。
このような管理装置によれば、利用者毎に推定した使い捨て着用物品を示す物品情報を、提供装置を用いて入手する推奨商品として当該利用者に提供するため、使い捨て着用物品は必要であるが、自身に合ったものがわからないといった利用者を効果的にサポートすることができる。
(クレーム7)
また、管理装置は、前記提供装置から利用者情報を受け付けた場合は、当該利用者情報が示す利用者と対応付けて管理された物品情報のうち、当該利用者に対して前記推定部により推定された使い捨て着用物品を示す物品情報を特定する。
このような管理装置によれば、提供装置から利用者情報を受け付けた場合は、当該利用者情報が示す利用者と対応付けて管理された物品情報のうち、当該利用者に対して推定した使い捨て着用物品を示す物品情報を特定するため、使い捨て着用物品は必要であるが、自身に合ったものがわからないといった利用者を効果的にサポートすることができる。
(クレーム8)
また、管理装置は、前記提供装置から利用者情報を受け付けた場合は、当該利用者情報が示す利用者と対応付けて管理された物品情報のうち、前記提供装置を用いて当該利用者により選択された使い捨て着用物品を示す物品情報を特定する。
このような管理装置によれば、提供装置から利用者情報を受け付けた場合は、当該利用者情報が示す利用者と対応付けて管理された物品情報のうち、提供装置を用いて当該利用者により選択された使い捨て着用物品を示す物品情報を特定するため、選択された使い捨て着用物品を確実に提供することができる。
(クレーム9)
また、管理装置は、前記使い捨て着用物品として、前記契約による契約内容に応じた吸収性物品を示す物品情報を管理する。
このような管理装置によれば、使い捨て着用物品として、契約による契約内容に応じた吸収性物品を示す物品情報を管理するため、組織との契約の中で決められた吸収性物品のみをこの組織に提供することができる。
(クレーム10)
また、管理装置は、前記使い捨て着用物品として、女性用の吸収性物品を示す物品情報を管理する。
このような管理装置によれば、使い捨て着用物品として、女性用の吸収性物品を示す物品情報を管理するため、女性が吸収性物品を必要な状態になったとき容易に入手できるような福利厚生を組織内に充実させることができる。
(クレーム11)
また、管理装置は、前記女性用の吸収性物品のうち、昼用の吸収性物品を示す物品情報を管理する。
このような管理装置によれば、女性用の吸収性物品のうち、昼用の吸収性物品を示す物品情報を管理するため、勤務中において女性が吸収性物品を必要な状態になったとき容易に入手できるような福利厚生を組織内に充実させることができる。
(クレーム12)
また、管理装置は、収容された使い捨て着用物品を排出する機能を有する提供装置を用いて前記利用者が前記使い捨て着用物品を入手した入手状況に基づき推定された情報であって、当該利用者の生理に関して推定された生理情報を、当該利用者を示す前記利用者情報に対応付けて管理する。
このような管理装置によれば、収容された使い捨て着用物品を排出する機能を有する提供装置を用いて利用者が使い捨て着用物品を入手した入手状況に基づき推定された情報であって、当該利用者の生理に関して推定された生理情報を、当該利用者を示す利用者情報に対応付けて管理するため、利用者に対する効果的な体調管理を実現することができる。
(クレーム13)
また、管理装置は、収容された使い捨て着用物品を排出する機能を有する提供装置を用いて前記利用者が前記使い捨て着用物品を入手した入手状況に基づき推定された情報であって、当該利用者が前記使い捨て着用物品を使用する使用頻度を示す頻度情報を、当該利用者を示す前記利用者情報に対応付けて管理する。
このような管理装置によれば、収容された使い捨て着用物品を排出する機能を有する提供装置を用いて利用者が使い捨て着用物品を入手した入手状況に基づき推定された情報であって、当該利用者が使い捨て着用物品を使用する使用頻度を示す頻度情報を、当該利用者を示す利用者情報に対応付けて管理するため、利用者に対する効果的な体調管理を実現することができる。
(クレーム14)
また、管理装置は、前記入手状況に基づき推定された情報が所定の条件情報を満たす場合には、当該入手状況で前記使い捨て着用物品を入手した利用者に対して、体調管理に関する通知を出力させる出力制御部をさらに有する。
このような管理装置によれば、入手状況に基づき推定された情報が所定の条件情報を満たす場合には、当該入手状況で使い捨て着用物品を入手した利用者に対して、体調管理に関する通知を出力させるため、体調管理を見直す機会を効果的に与えることができる。
(クレーム15)
また、管理装置は、前記提供装置毎に、当該提供装置を用いて前記利用者が前記使い捨て着用物品を入手した入手状況に基づき算出された前記使い捨て着用物品の在庫数を管理する。
このような管理装置によれば、提供装置毎に、当該提供装置を用いて利用者が使い捨て着用物品を入手した入手状況に基づき算出された使い捨て着用物品の在庫数を管理するため、提供装置への使い捨て着用物品の補充をより効率化させることができる。
(クレーム16)
また、管理装置は、前記在庫数に基づいて、前記利用者が入手しようとする吸収性物品の在庫が存在しないと判定された場合には、当該利用者に対して、当該利用者が入手しようとする吸収性物品の在庫が存在する提供装置のうち、当該利用者の位置に対してより近くに設置される提供装置の所在地を通知する通知部をさらに有する。
このような管理装置によれば、在庫数に基づいて、利用者が入手しようとする吸収性物品の在庫が存在しないと判定された場合には、当該利用者に対して、当該利用者が入手しようとする吸収性物品の在庫が存在する提供装置のうち、当該利用者の位置に対してより近くに設置される提供装置の所在地を通知するため、使い捨て着用物品を入手する際の利便性を向上させることができる。
(クレーム17)
また、管理装置は、前記提供装置毎に、当該提供装置の前記在庫数の変動に基づき予測されたタイミングであって、当該提供装置に使い捨て着用物品を補充させるタイミングを示す日付情報を管理する。
このような管理装置によれば、提供装置毎に、当該提供装置の在庫数の変動に基づき予測されたタイミングであって、当該提供装置に使い捨て着用物品を補充させるタイミングを示す日付情報を管理するため、在庫がなく使い捨て着用物品を入手できないといった状況になることを事前防止することができるとともに、使い捨て着用物品を入手する際の利便性を向上させることができる。
(クレーム18)
また、管理装置は、収容された使い捨て着用物品を排出する機能を有する提供装置が設置される設置位置を示す位置情報をさらに管理する。
このような管理装置によれば、収容された使い捨て着用物品を排出する機能を有する提供装置が設置される設置位置を示す位置情報を管理するため、例えば、利用者が現在利用しようとしている提供装置に、利用者が所望する使い捨て着用物品の在庫が存在しなくとも、近場の他の提供装置からこの使い捨て着用物品を入手できるよう制御するといった処理を実現することができる。
(クレーム19)
また、管理装置は、前記組織を示す組織情報に対し、当該組織に設置される提供装毎に当該提供装置の前記位置情報を対応付けて管理する。
このような管理装置によれば、組織を示す組織情報に対し、当該組織に設置される提供装毎に当該提供装置の位置情報を対応付けて管理するため、例えば、利用者が現在利用しようとしている提供装置に、利用者が所望する使い捨て着用物品の在庫が存在しなくとも、近場の他の提供装置からこの使い捨て着用物品を入手できるよう制御するといった処理を実現することができる。
(クレーム20)
また、管理装置は、収容された使い捨て着用物品を排出する機能を有する提供装置を用いて前記利用者が前記使い捨て着用物品を入手しようとする数が所定数を超える場合には、前記特定部により特定された物品情報が示す使い捨て着用物品を排出しないよう前記提供装置を制御するとともに、通知を出力するよう前記提供装置を制御する。
このような管理装置によれば、収容された使い捨て着用物品を排出する機能を有する提供装置を用いて利用者が使い捨て着用物品を入手しようとする数が所定数を超える場合には、特定した物品情報が示す使い捨て着用物品を排出しないよう提供装置を制御するとともに、通知を出力するよう提供装置を制御するため、1度に入手しようとする数が異常であることへの気付きを利用者に与えることができるとともに、体調管理を見直す機会を与えることができる。
[実施形態]
以下に、管理装置、管理システム、管理方法および管理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により管理装置、管理システム、管理方法および管理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
〔1.実施形態に係る情報処理の概要〕
まず、実施形態に係る情報処理の概要を、実施形態に係る前提に基づいて説明する。例えば、消費者の身体サイズ、月経周期、適用している製品の好み、出血量、軽失禁、パンティサイズ、または適用している製品の厚さおよび製品の長さに関しての情報に基づいて、少なくとも2種類の異なる女性用衛生製品から1つの女性用衛生製品を選択し、選択した女性用衛生製品を利用者に提案する技術が知られている。しかしながら、このような従来技術では、女性の社会進出が十分にサポートできているとはいえなかった。また、例えば、女性は職場等の労働環境下において、ナプキン等の生理用品(女性用の吸収性物品)が必要になることも少なくない。したがって、このような事態に備えて、女性は、日頃から吸収性物品を各自で用意しておかなければならなかったり、あるいは、必要になる度に逐一吸収性物品を購入しなければならない。このようなことから、企業等の組織では、女性の社会進出が十分にサポートできているとはいえなかった。
そこで、本実施形態では、企業等の組織と連携することで、例えば、吸収性物品を排出する提供装置を社内トイレに設置させ、また一方で、組織に所属する各利用者を適切に管理しておくことで、吸収性物品が必要になったときに容易に入手できるような環境を組織が整えられるようサポートすることに着目している。
このようなことから、実施形態に係る提供装置は、所属する利用者に対して使い捨て着用物品を提供する旨の契約を予め行った組織を示す組織情報と、当該組織に所属する利用者を示す利用者情報とを受付ける。そして、提供装置は、受け付けた組織情報と利用者情報とに対し、当該組織情報が示す組織の契約と対応する使い捨て着用物品を示す物品情報を対応付けて管理する。
また、実施形態に係る提供装置は、収容された使い捨て着用物品を排出する機能を有する提供装置から利用者情報を受け付けた場合は、当該利用者情報が示す利用者と対応付けて管理された物品情報を特定する。そして、提供装置は、特定した物品情報が示す使い捨て着用物品を排出するよう提供装置を制御する。
また、上記のことから、実施形態に係る情報処理とは、組織情報と利用者情報と物品情報とを対応付けて管理する管理処理と、提供装置から利用者情報を受け付けた場合は、当該利用者情報が示す利用者と対応付けて管理された物品情報を特定し、この物品情報が示す吸収性物品を提供装置に排出させる制御処理とを含むものである。また、以下の実施形態では、実施形態に係る情報処理を行う管理装置の一例として、管理装置100を例に挙げる。また、実施形態に係る管理装置100は、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
また、以下の実施形態では、使い捨て着用物品は、女性用の吸収性物品(例えば、ナプキン、タンポン、ライナー、軽度失禁パッド等)であるものとするが、必ずしも女性用の吸収性物品に限定される必要はなく、例えば、マスクといった季節用品や使い捨ての月経カップ等の着用物品であってもよい。また、女性用の吸収性物品は、現在、様々な性質のものが製品化されているが、本実施形態では、女性の労働時間帯を考慮して、女性用の吸収性物品のうち、特に昼用の吸収性物品を対象とする。
また、以下の実施形態では、組織は、一般企業であるものとするとするが、必ずしも一般企業に限定される必要はなく、例えば、教育機関(幼稚園、学校、大学等)、医療機関、店舗等であってもよい。また、以下の実施形態では、一般企業を単に「会社」と表記する場合がある。
〔2.管理システムについて〕
図1および図2を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明するが、これに先立って、まず、図3を用いて、実施形態に係る管理システムについて説明する。図3は、実施形態に係る管理システム1の構成例を示す図である。実施形態に係る管理システム1は、図3に示すように、提供装置APxと、組織装置10-xと、管理装置100とを含む。提供装置APx、組織装置10-x、管理装置100は、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続される。
提供装置APxは、収容された吸収性物品を排出する機能を有する装置であり、所謂、吸収性物品専用の自動販売機である。提供装置APxは、実施形態に係る管理装置100を管理する事業主(「事業主T」とする)と契約を結んでいる会社に対して、事業主T(あるいは事業主Tの関連会社)から提供される。また、提供装置APxは、例えば、会社内の女性化粧室(女性用の社内トイレ)内に設置される。また、提供装置APxは、利用者(従業員)を示す利用者情報(例えば、利用者ID)を読み取る機能を有しており、利用者情報の入力を受け付けると、受け付けた利用者情報を自装置の識別情報とともに管理装置100に送信する。
また、提供装置APxには、利用者自身に合った最適な吸収性物品が排出される「おすすめ商品ボタン」と、ラインナップされた吸収性物品のうち利用者が選択した吸収性物品が排出される「選択ボタン」とが含まれるものとする。「おすすめ商品ボタン」は例えば提供装置APx1台につき1つ存在し、「選択ボタン」は例えばラインナップされた吸収性物品毎に存在する。また、利用者自身に合った最適な吸収性物品は、後述する推定処理(例えば、図1のステップS14)により管理装置100によって予め推定されている商品である。
また、以下の実施形態では、提供装置APxを区別して説明する必要がある場合には、「x」に任意の数値を入力して区別することにする。例えば、図2では、提供装置APxの一例としてAP11が示されている。一方、提供装置APxを区別する必要がない場合には、このままの表記、あるいは、単に提供装置と表記する。
組織装置10-xは、会社内で利用される情報処理端末である。組織装置10-xは、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。また、組織装置10-xは、従業員の操作に応じて、自装置が属する組織を示す組織情報と、当該組織に所属する利用者を示す利用者情報とを管理装置100に送信する。
また、以下の実施形態では、組織毎に提供装置APxを区別して説明する必要がある場合には、「x」に任意の数値を入力して区別することにする。例えば、図1に示されるように、会社CP1で利用される組織装置10-xについては組織装置10-1と表記し、会社CP2で利用される組織装置10-xについては組織装置10-2と表記する。一方、組織装置10-xを区別する必要がない場合には、このままの表記、あるいは、単に組織装置と表記する。
〔3.記憶部について〕
次に、図1に示される記憶部について説明する。ここでは、管理装置100が有する記憶部のうち、装置情報記憶部121および物品情報記憶部122について説明する。
〔3-1.装置情報記憶部について〕
装置情報記憶部121は、組織と事業主Tとの間での契約に基づき当該組織に設置されることになった提供装置APxに関する情報を記憶する。図1の例では、装置情報記憶部121は、「会社ID」と、「装置ID」と、「設置位置」といった項目を有する。
「会社ID」は、事業主Tとの間での契約を結んでいる会社(組織の一例)を識別する識別情報を示す。また、「会社ID」は、組織情報の一例である。また、係る契約とは、「会社ID」によって識別される会社からの例えば月額利用手数料に応じて、事業主Tが当該会社に吸収性物品を提供する、といった契約である。また、係る契約の契約内容には、会社に設置される提供装置APxの台数、会社における提供装置APxの設置位置、提供装置APxを介して提供される吸収性物品の種別(性能タイプや、製品シリーズ等)が含まれる。したがって、契約内容は会社毎に異なる場合がある。
「装置ID」は、「会社ID」によって識別される会社に設置される提供装置APxを識別する識別情報を示す。「設置位置」は、「会社ID」によって識別される会社内において提供装置APxが設置される設置位置を示す。提供装置APxは、一般に、各階の女性化粧室に設置されることになるため、「設置位置」は、例えば、フロア情報(例えば、階数)および化粧室情報(例えば、部屋番号)の組で規定される。
〔3-2.物品情報記憶部について〕
物品情報記憶部122は、組織情報と利用者情報とに対し、当該組織情報が示す組織の契約と対応する吸収性物品を示す物品情報が対応付けて管理されるための記憶部である。このようなことから、図1に示すように、物品情報記憶部122は、「会社ID」と、「利用者ID」と、「物品情報」といった項目を有する。
「会社ID」は、事業主Tとの間での契約を結んでいる会社(組織の一例)を識別する識別情報であり、組織情報の一例である。「利用者ID」は、「会社ID」によって識別される会社に所属する利用者を示す利用者情報を示す。このようなことから、利用者との表現は、従業員あるいは社員と言い換えることができる。本実施形態では、「利用者ID」は、「会社ID」によって識別される会社から発行される社員IDであるものとする。また、利用者は利用者IDが個人情報として埋め込まれた磁気カード(社員証)を有していることを想定して、提供装置APxは、この社員証がかざされると(入力されると)、そこから利用者IDを読み取ることで、利用者IDの入力を受け付ける機能を有している。
「物品情報」は、契約において、「会社ID」によって識別される会社に対して、事業主Tが提供装置APxを介して提供する取り決めとなっている吸収性物品(契約と対応する吸収性物品)を示す。「物品情報」は、吸収性物品の製品名、製品ID等、吸収性物品を一意に識別可能な情報であればいかなる情報であってもよい。また、「物品情報」は、契約と対応する吸収性物品のうち、各利用者に合った最適な吸収性物品を示すものでもある。上記の通り、利用者に合った最適な吸収性物品は、推定処理(例えば、図1のステップS14)により管理装置100によって予め推定される。
〔4.情報処理の一例について〕
ここからは、図1および図2を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1では、実施形態に係る情報処理のうち、組織情報と利用者情報と物品情報とを対応付けて管理する管理処理に焦点を当てて説明する。また、図2では、実施形態に係る情報処理のうち、提供装置APxから利用者情報を受け付けた場合は、当該利用者情報が示す利用者と対応付けて管理された物品情報を特定し、この物品情報が示す吸収性物品を提供装置APxに排出させる制御処理に焦点を当てて説明する。
〔4-1.管理処理の一例について〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る管理処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る管理処理の一例を示す図である。図1の例では、組織の一例として、会社CP1およびCP2が示されている。また、図1の例では、会社CP1を代表する利用者U1xは、組織装置10-1を利用する例が示されている。また、図1の例では、会社CP2を代表する利用者U2xは、組織装置10-2を利用する例が示されている。また、図1の例では、事業主Tが提供装置APxを介して会社CP1に吸収性物品を提供する旨の契約として、会社CP1と事業主Tとの間で契約T1が結ばれている例が示されている。また、図1の例では、事業主Tが提供装置APxを介して会社CP2に吸収性物品を提供する旨の契約として、会社CP2と事業主Tとの間で契約T2が結ばれている例が示されている。
以下、会社CP1を例に挙げて、実施形態に係る管理処理の一例について説明するが、会社CP2をはじめその他の会社についても同内容の管理処理が行われる。
例えば、契約T1では、会社CP1対してどのような提供装置APxをどれだけの台数設置させるか、また、会社CP1内のどの位置に提供装置APxを設置させるか、提供装置APxを介してどのような種別(性能タイプや、製品シリーズ等)の吸収性物品を提供させるようにするかが取り決められている。
ここで、図1に示す装置情報記憶部121の例によると、会社ID(組織情報の一例)「CP1」に対して、装置ID「AP11」および設置位置「FL1-S」が対応付けられている。係る例は、契約T1では、会社CP1の設置位置「FL1-S」(例えば、1階の南女子化粧室)には、提供装置AP11を設置させることが決められている例を示す。また、図1に示す装置情報記憶部121の例によると、会社ID(組織情報の一例)「CP1」に対して、装置ID「AP12」および設置位置「FL1-N」が対応付けられている。係る例は、契約T1では、会社CP1の設置位置「FL1-N」(例えば、1階の北女子化粧室)には、提供装置AP12を設置させることが決められている例を示す。また、図1に示す装置情報記憶部121の例によると、会社ID(組織情報の一例)「CP1」に対して、装置ID「AP13」および設置位置「FL2-S」が対応付けられている。係る例は、契約T1では、会社CP1の設置位置「FL2-S」(例えば、2階の南女子化粧室)には、提供装置AP13を設置させることが決められている例を示す。
このような状態において、会社CP1の代表者である利用者U1xは、組織装置10-1を用いて、会社CP1を識別する会社ID「CP1」と、会社CP1に所属する各利用者(従業員)を識別する利用者ID「U11,U12・・・」とを対応付けて管理装置100に送信する(ステップS11)。換言すると、組織装置10-1は、利用者U1xの操作に応じて、会社ID「CP1」と、会社CP1に所属する各利用者(従業員)を識別する利用者ID「U11,U12・・・」とを対応付けて管理装置100に送信する。なお、利用者IDは、会社IDに対応付けられた状態で、利用者個々によって管理装置100に送信されてもよい。
管理装置100は、会社CP1から会社IDと利用者IDとを受け付けると、物品情報記憶部122において、会社CP1から受け付けた会社IDと利用者IDとを対応付けて管理する(ステップS12)。例えば、管理装置100は、図1に示す物品情報記憶部122のように、会社ID「CP1」に対して各利用者の利用者IDを対応付けて登録することで、会社CP1から受け付けた会社IDと利用者IDとを対応付けて管理する。
また、利用者U1xは、組織装置10-1を用いて、会社CP1を識別する会社ID「CP1」と、会社CP1に所属する各利用者の身体情報(例えば、健康診断結果)とを対応付けて管理装置100に送信する(ステップS13)。換言すると、組織装置10-1は、利用者U1xの操作に応じて、会社ID「CP1」と、会社CP1に所属する各利用者の身体情報とを対応付けて管理装置100に送信する。また、どの身体情報がどの利用者によるものか識別可能なように、各身体情報には利用者IDも対応付けられる。また、身体情報がどのようなタイミングで送信されるかは限定されない。例えば、身体情報は、ステップS11において、会社IDおよび利用者IDとともに送信されてもよい。また、身体情報は、会社IDに対応付けられた状態で、利用者個々によって管理装置100に送信されてもよい。
そして、管理装置100は、会社CP1から身体情報と受け付けると、利用者毎に当該利用者の身体情報に応じた吸収性物品を推定する推定処理を行う(ステップS14)。会社CP1は、契約T1の中で提供を受けることのできる吸収性物品が決められているため、管理装置100は、契約T1が示す契約内容に応じた吸収性物品の中から、利用者の身体情報に応じた吸収性物品を利用者毎に推定する。
また、例えば、管理装置100は、吸収性物品が有するサイズのうち、身体情報によって示される身体サイズに対して最もフィットするサイズを推定することにより、推定したサイズの吸収性物品を利用者の身体情報に応じた吸収性物品として推定する。また、加齢とともに漏れや頻尿に悩む人が増加傾向にあるため、管理装置100は、吸収性物品の吸収能力のうち、身体情報によって示される年齢に応じた吸収力を推定することにより、推定した吸収力の吸収性物品を利用者の身体情報に応じた吸収性物品として推定する。また、例えば、管理装置100は、身体情報(例えば、アレルギー体質)に基づき肌に悩みを抱えると推定される利用者に対しては、肌にやさしいタイプ(例えば、コットン100%タイプ)の吸収性物品を利用者の身体情報に応じた吸収性物品として推定することもできる。なお、どのようにして利用者の身体情報に応じた吸収性物品を推定するかは、上記例に限定されるものではない。
次に、管理装置100は、物品情報記憶部122において、会社IDと利用者IDとの組に対し、当該利用者IDが示す利用者について推定した吸収性物品を示す物品情報を対応付けて管理する(ステップS15)。
例えば、管理装置100は、ステップS14において、会社CP1に所属する利用者U1に対して、利用者U1の身体情報に応じた吸収性物品(利用者U11に最適な吸収性物品)は吸収性物品OB1-1であると推定したとする。係る例では、管理装置100は、図1に示す物品情報記憶部122のように、会社ID「CP1」と利用者ID「U11」との組に対して、吸収性物品OB1-1を示す物品情報「OB1-1」を対応付けて登録することで、組織情報と利用者情報と物品情報とを管理する。また、管理装置100は、ステップS14において、会社CP1に所属する利用者U12に対して、利用者U12の身体情報に応じた吸収性物品(利用者U12に最適な吸収性物品)は吸収性物品OB1-3であると推定したとする。係る例では、管理装置100は、図1に示す物品情報記憶部122のように、会社ID「CP1」と利用者ID「U12」との組に対して、吸収性物品OB1-3を示す物品情報「OB1-3」を対応付けて登録することで、組織情報と利用者情報と物品情報とを管理する。
なお、管理装置100は、契約が示す契約内容に応じた吸収性物品全ての物品情報を(例えば、デフォルトの物品情報として)、利用者毎に最適であると推定した吸収性物品を示す物品情報とは別に、会社IDと利用者IDとに対応付けて管理しておいてもよい。
〔4-2.制御処理の一例について〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る制御処理の一例について説明する。図2は、実施形態に係る制御処理の一例を示す図である。図2でも引き続き、会社CP1を例に挙げて、実施形態に係る制御処理の一例について説明するが、会社CP2をはじめその他の会社についても同内容の制御処理が行われる。図2では、利用者U11が、女性化粧室FL1-Sに設置される提供装置AP11を利用して、吸収性物品を入手しようとする場面が示されている。
利用者U11は、例えば、提供装置AP11が有する検出部(例えば、リーダー)に自信の社員証をかざすことで、自身が会社CP1の社員である利用者U11本人であるとの本人性が認証された場合には、提供装置AP11から吸収性物品を受け取ることができる。このため、利用者U11は、まず、提供装置AP11の検出部に対して、自信の社員証をかざすことにより、利用者IDを提供装置AP11に入力する(ステップS21)。提供装置AP11は、検出部を介して、社員証から利用者IDを読み取ることにより、利用者IDの入力を受け付ける(ステップS22)。図2の例では、提供装置AP11は、利用者ID「U11」の入力を受け付けたものとする。
また、提供装置AP11は、利用者IDの入力を受け付けると、自装置の装置IDである装置ID「AP11」と、受け付けた利用者ID「U11」とを対応付けて、管理装置100に送信する(ステップS23)。
管理装置100は、提供装置AP11からのアクセスを受け付けると、利用者U11が会社CP1の社員である利用者U11本人であることを認証するための認証処理を行う(ステップS24)。例えば、管理装置100は、装置情報記憶部121と物品情報記憶部122を参照し、会社IDをキーとした認証処理を行うことができる。
図2の例では、管理装置100は、装置ID「AP11」と利用者ID「U11」との組を受け付けたことにより、まず、装置情報記憶部121を参照し、装置ID「AP11」により識別される提供装置AP11がどの会社に設置される装置であるかを特定する。図1に示す装置情報記憶部121の例では、会社ID「CP1」に対して装置ID「AP11」が対応付けられている。このため、管理装置100は、装置ID「AP11」により識別される提供装置AP11は会社CP1に設置されている装置であることを特定する。
また、管理装置100は、物品情報記憶部122を参照し、利用者ID「U11」により識別される利用者U11がどの会社に所属する利用者であるかを特定する。図1に示す物品情報記憶部122の例では、会社ID「CP1」に対して利用者ID「U11」が対応付けられている。このため、管理装置100は、利用者ID「U11」により識別される利用者U11は会社CP1に所属する利用者であることを特定する。
係る例によると、会社ID「CP1」をキーとして、装置ID「AP11」と利用者ID「U11」とが紐付けられることになる。このように紐付けができた場合、管理装置100は、利用者U11が会社CP1の社員である利用者U11本人であることを認証する。
ここで、管理装置100は、会社ID「CP1」をキーとして、装置ID「AP11」と利用者ID「U11」とが紐付けができず、利用者U11の本人性を認証できなかった場合(認証NG)、提供装置AP11に対してエラー出力するよう制御する(ステップS25-1)。一方、管理装置100は、会社ID「CP1」をキーとして、装置ID「AP11」と利用者ID「U11」とが紐付けができたことにより、利用者U11の本人性を認証できた今回の例では(認証OK)、提供装置AP11に対して各ボタンをアクティブ化するよう制御する(ステップS25-2)。具体的には、管理装置100は、提供装置AP11が有する「おすすめ商品ボタン」および「選択ボタン」をアクティブ化するよう提供装置AP11を制御する。このような制御は、例えば、装置制御部135(図3)によって行われる。
利用者U11は、自身の本人性が認証されボタンがアクティブ化されると、アクティブ化されたボタンを用いて所望する吸収性物品を指定する(ステップS26)。例えば、利用者U11は、「おすすめ商品ボタン」を押下することにより、自身に対して最適であると推定されている吸収性物品を排出するよう指定したとする。係る場合、提供装置AP11は、装置ID「AP11」と、利用者ID「U11」とを管理装置100に送信する(ステップS27)。
管理装置100は、提供装置AP11からのアクセスを受け付けると、物品情報記憶部122を参照し、利用者ID「U11」が示す利用者と対応付けて管理された物品情報を特定する(ステップS28)。例えば、管理装置100は、物品情報記憶部122において、利用者ID「U11」が示す利用者U11と対応付けて管理された物品情報のうち、利用者U11に対して推定した吸収性物品を示す物品情報を特定する。図1に示す物品情報記憶部122の例では、利用者U11の身体情報に応じた吸収性物品として、吸収性物品OB1-1が推定されている。したがって、管理装置100は、利用者ID「U11」が示す利用者U11と対応付けて管理された物品情報のうち、物品情報「OB1-1」を特定する。
また、管理装置100は、後述する利用履歴記憶部123(図5)において、履歴IDを払い出し、払い出した履歴IDに対して、利用履歴を対応付けて登録する(ステップS29)。例えば、管理装置100は、吸収性物品OB1-1が入手されるにあたり、今回、利用者U11により提供装置AP11が利用されたことを示す利用履歴を履歴IDに対応付けて登録する。例えば、管理装置100は、装置ID「AP11」と、吸収性物品OB1-1の入手日時(利用日時)と、入手された吸収性物品OB1-1を示す物品情報「OB1-1」と、吸収性物品OB1-1が入手された個数とが示される利用履歴を登録する。
また、管理装置100は、今回、利用者U11により提供装置AP11を介して吸収性物品OB1-1が入手されたことに伴い、後述する在庫情報記憶部125(図7)における「在庫数」を更新する(ステップS30)。例えば、管理装置100は、装置ID「AP11」に対応する「在庫数」のうち、取扱物品「OB1-1」に対応する「在庫数」を更新する。例えば、利用者U11が吸収性物品OB1-1を1個排出すよう指定していたとすると、管理装置100は、取扱物品「OB1-1」に対応する「在庫数」に示される数値を、当該数値から1を減算した数値へと更新する。
そして、管理装置100は、ステップS28で特定した物品情報が示す吸収性物品を排出するよう提供装置AP11を制御する(ステップS31)。具体的には、管理装置100は、物品情報「OB1-1」が示す吸収性物品OB1-1を排出するよう提供装置AP11を制御する。
提供装置AP11は、管理装置100からの制御に応じて、ステップS28で特定された物品情報が示す吸収性物品を排出(提供)する(ステップS32)。具体的には、提供装置AP11は、物品情報「OB1-1」が示す吸収性物品OB1-1を排出する。
これにより、利用者U11は、自身に対して最適であると推定されている吸収性物品として吸収性物品OB1-1を入手する。
なお、利用者は、管理装置100側で推定された吸収性物品を入手した場合、入手した吸収性物品が自身に合っていたか否か等を管理装置100に対して評価することができる。例えば、利用者は、管理装置100に対応する所定のアプリケーション(以下、「アプリAP」とする)や、管理装置100に関する所定のウェブページから、自身に対して最適であると推定されている吸収性物品を評価することができる。また、管理装置100は、評価結果に基づいて、現在推定している吸収性物品から、評価結果に応じたより最適な吸収性物品へと変更し、変更後の吸収性物品を示す物品情報を物品情報記憶部122に登録する。
図2の例では、利用者U11が、吸収性物品OB1-1を入手したことに伴い、吸収性物品OB1-1を評価した評価情報を管理装置100に送信している(ステップS33)。例えば、評価情報が「かぶれやすい」といった評価内容を示していたとすると、管理装置100は、吸収性物品OB1-1から、より肌触りのよい他の製品である吸収性物品OB1-2変更する。例えば、管理装置100は、物品情報記憶部122において、利用者ID「U11」に対応付けられる物品情報を「OB1-1」から「OB1-2」へと変更する。
さて、これまで、図1を用いて説明してきたように、実施形態に係る管理装置100は、所属する利用者に対して吸収性物品を提供する旨の契約を予め行った組織を示す組織情報と、当該組織に所属する利用者を示す利用者情報とを受け付ける。そして、管理装置100は、受け付けた組織情報と利用者情報とに対し、当該組織情報が示す組織の契約と対応する吸収性物品を示す物品情報を対応付けて管理する。これにより、管理装置100は、組織に所属する利用者が例えば周囲の目を気にせずいつでも気軽に吸収性物品を入手できるような環境作りをサポートすることができる。すなわち、管理装置100は、より適切な態様で吸収性物品を提供することができるような環境を組織内に充実させることができる。また、この結果、管理装置100は、組織に対して女性の社会進出をサポートできるような福利厚生を充実させることができる。
また、図2を用いて説明してきたように、実施形態に係る管理装置100は、収容された使い捨て着用物品を排出する機能を有する提供装置から利用者情報を受け付けた場合は、当該利用者情報が示す利用者と対応付けて管理された物品情報を特定する。そして、管理装置100は、特定した物品情報が示す吸収性物品を排出するよう提供装置を制御する。これにより、管理装置100は、契約と対応する吸収性物品のうち、利用者により適した吸収性物品を提供することができる。
なお、図2では、管理装置100は、利用者の本人性が認証できた場合に、ボタンをアクティブ化させることで、利用者に対して所望する吸収性物品を指定させる例を示した。しかし、管理システム1では、社員証をかざすタイミングで所望する吸収性物品を指定させることで、提供装置APxに対して利用者IDとともに、指定に応じた物品情報も管理装置100に送信させ、管理装置100によって認証された場合には、指定に応じた物品情報が示す吸収性物品が排出されるような構成が採用されてもよい。また、係る例の場合には、管理装置100は、ボタンのアクティブに関する制御は行わなくてよい。
また、提供装置APxへの利用者IDの入力形態は、社員証をかざすことに限定されない。例えば、物品情報記憶部122に登録済みの利用者IDが識別情報として含められた専用カードを、この利用者IDが示す利用者に配布しておくことで、利用者はこの専用カードを提供装置APxにかざしてもよいし、専用カードに記載された利用者IDを提供装置APxに対して手入力してもよい。
〔5.情報処理のバリエーションについて〕
上記実施形態に係る管理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、管理装置100の他の実施形態について説明する。
〔5-1.認証処理について〕
上記実施形態では、利用者が社員証から利用者IDを読み取らせることをきっかけとして、管理装置100が、会社ID(組織情報)をキーとする認証処理を行う例を示した。しかし、管理装置100は、利用者が自身の情報処理端末(例えば、スマートフォン)を用いることをきっかけとした認証処理を行ってもよい。このような場合、物品情報記憶部122において、「利用者ID」毎に、当該「利用者ID」が示す利用者が所有する情報処理端末の「端末ID」がさらに紐付けられていることが前提となる。例えば、利用者U11は、会社CP1と紐付いた専用のリーダーに自身の情報処理端末をかざすと、このリーダーから管理装置100へと端末IDが送信され、管理装置100は、リーダーから受け付けた端末IDと、物品情報記憶部122に記憶される端末IDとのマッチングにより認証を行う。また、管理装置100は、マッチングにより認証できた場合には、QRコード(登録商標)を生成し、生成したQRコードを利用者U11の情報処理端末に送信する。このような状態において、利用者U11は、QRコードを提供装置AP11に読み取らせたうえで、所望する吸収性物品を指定する。この後の処理の流れについては、図2のステップS26以降と同様になるため省略する。
また、上記実施形態では、管理装置100が認証処理を行う例を示したが、認証処理は提供装置APxにより行われてもよい。また、このような場合、提供装置APxは、例えば、装置情報記憶部121に記憶される情報の複製、および、物品情報記憶部122に記憶される情報の複製を有しておく。
〔5-2.利用者選択について〕
上記実施形態では、管理装置100が、利用者に対して当該利用者の身体情報に応じた吸収性物品を推定し、これを会社IDと利用者IDとに対して対応付けて管理しておく例を示した。また、このような管理を行っておくことで、管理装置100は、吸収性物品を入手しようとする利用者について、当該利用者と対応付けて管理された吸収性物品のうち、当該利用者に対して推定した吸収性物品を特定することで、特定した吸収性物品を提供させる例を示した。しかし、管理装置100は、提供装置APxでラインナップされている吸収性物品のうち、いずれかの吸収性物品が利用者によって選択された場合には、物品情報記憶部122において、当該利用者と対応付けて管理された物品情報のうち、選択された物品情報を特定してもよい。そして、管理装置100は、特定した物品情報が示す吸収性物品を排出するよう提供装置APxを制御してもよい。この点について、図2の例を用いて説明する。
係る例の場合、利用者U11は、自身の本人性が認証されボタンがアクティブ化されると、アクティブ化されたボタンを用いて所望する吸収性物品を指定するが(ステップS26)、「おすすめ商品ボタン」を押下することによる指定ではなく、提供装置AP11でラインナップされた各吸収性物品に対応付けられる「選択ボタン」のうち、自身が気に入った吸収性物品に対応付けられる「選択ボタン」を押下することによる指定を行う。ここでは、利用者U11は、吸収性物品OB1-2に対応付けられる選択ボタンを押下したとする。
そうすると、提供装置AP11は、装置ID「AP11」と、利用者ID「U11」と、物品情報「OB1-2」とを管理装置100に送信する。管理装置100は、提供装置AP11からのアクセスを受け付けると、物品情報記憶部122において、利用者ID「U11」が示す利用者U11と対応付けて管理された物品情報のうち、選択された吸収性物品OB1-2を示す物品情報「OB1-2」を特定する。そして、管理装置100は、物品情報「OB1-2」が示す吸収性物品OB1-2を排出するよう提供装置AP11を制御する。
これにより、利用者は、例えば、自身に合った吸収性物品がわからない場合でも最適な吸収性物品を入手することができるし、自身の意思で好みの吸収性物品を入手することもできるようになる。このようなことから、実施形態に係る管理装置100は、吸収性物品を入手する際の利便性を向上させることができる。
〔5-3.レコメンドについて(1)〕
また、管理装置100は、利用者毎に推定した吸収性物品を示す物品情報を、提供装置APxを用いて入手する推奨商品として当該利用者に提示してもよい。図1の例では、管理装置100は、利用者U11の身体情報に基づいて、利用者U11の身体情報に応じた吸収性物品として吸収性物品OB1-1を推定している。したがって、管理装置100は、会社CP1に設置される提供装置AP11を用いて入手する推奨商品として、吸収性物品OB1-1を利用者U11に提示する。例えば、利用者U1の情報処理端末にアプリAPがインストールされている場合には、管理装置100は、アプリAPを介して、「あなたへのおすすめ商品」等といった標題とともに、吸収性物品OB1-1を示す情報を提示する。また、管理装置100は、吸収性物品OB1-1を示す情報をプッシュ通知してもよい。
これにより、実施形態に係る管理装置100は、利用者が提供装置APxを用いて吸収性物品を入手しようとする際に、迷うことなく所望する吸収性物品を指定できるよう支援することができるため、吸収性物品を入手する際の利便性を向上させることができる。
〔5-4.レコメンドについて(2)〕
また、管理装置100は、上記のように、利用者の身体情報に応じた吸収性物品を提案するだけでなく、例えば、利用者の業務スケジュール、困窮度、嗜好性に応じた吸収性物品を提供装置APxを用いて入手する推奨商品として利用者に提示してもよい。図1の例を用いると、管理装置100は、利用者U11の業務スケジュール、嗜好性等に応じた吸収性物品を推定し、推定した吸収性物品を提供装置AP11を用いて入手する推奨商品として利用者AP11に提示する。
例えば、管理装置100は、利用者U11の業務スケジュールに基づき、吸収性物品の交換しやすさの程度を推定する。一例としては、管理装置100は、業務の時間帯(昼であるのか夜であるのか)、業務内容、または、業務量に基づき、吸収性物品の交換しやすさの程度を推定する。また、管理装置100は、利用者U11の運動量を示す運動情報や、利用者U11の体系を示す体型情報や、利用者U11の嗜好性を示す嗜好性情報も取得してよい。
そして、このような状態において、管理装置100は、吸収量、厚さ、長さ、色、柄、香りを推奨商品の条件として、利用者U11に対応する吸収性物品の交換しやすさの程度、運動量情報、体型情報、嗜好性情報に基づいて、この条件を満たす吸収性物品を推定する。つまり、管理装置100は、利用者U11に対応する吸収性物品の交換しやすさの程度、運動量情報、体型情報、嗜好性情報に基づいて、利用者U11にはどのような吸収量、厚さ、長さ、色、柄、香りの吸収性物品が合っているかを推定する。そして、管理装置100は、推定した吸収性物品を推奨商品として利用者AP11に提示する。
〔6.提供装置の構成〕
次に、図4を用いて、実施形態に係る管理装置100について説明する。図4は、実施形態に係る管理装置100の構成例を示す図である。図4に示すように、管理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、組織装置10-x、提供装置APxとの間で情報の送受信を行う。
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、装置情報記憶部121と、物品情報記憶部122と、利用履歴記憶部123と、利用者情報記憶部124と、在庫情報記憶部125とを有する。
(利用履歴記憶部123について)
利用履歴記憶部123は、提供装置APxを利用して吸収性物品が入手されたことによる利用履歴を記憶する。ここで、図5を用いて、実施形態に係る利用履歴記憶部123の一例を示す。図5の例では、利用履歴記憶部123は、「会社ID」と、「利用者ID」と、「履歴ID」と、「利用履歴」といった項目を有する。
「会社ID」は、事業主Tとの間での契約を結んでいる会社(組織の一例)を識別する識別情報であり、組織情報の一例である。「利用者ID」は、「会社ID」によって識別される会社に所属する利用者を示す利用者情報を示す。
「履歴ID」は、提供装置APxを1回利用して吸収性物品が利用されたことによる利用履歴であって、利用者毎の利用履歴を識別する識別情報を示す。「利用履歴」は、どの提供装置APxを利用して、いつ、どの吸収性物品が、何個入手されたかといった一連の情報を履歴として示すものである。
なお、「利用履歴」は、提供装置APxを用いて利用者が吸収性物品を入手した「入手状況」である。
すなわち、図5の例では、会社CP1に所属する利用者U11が、履歴ID「RID111」で識別される利用履歴として、利用履歴「RDA111」で示されるような内容で吸収性物品を入手した例を示す。この点、図2の例を用いると、履歴ID「RID111」で識別される利用履歴「RDA111」には、例えば、装置ID「AP11」と、吸収性物品OB1-1の入手日時(利用日時)と、入手された吸収性物品OB1-1を示す物品情報「OB1-1」と、吸収性物品OB1-1が入手された個数「1」とが示される。
(利用者情報記憶部124について)
利用者情報記憶部124は、提供装置APxを用いて利用者が吸収性物品を入手した「入手状況」(利用履歴)に基づき推定された各種情報を記憶する。ここで、図6を用いて、実施形態に係る利用者情報記憶部124の一例を示す。図6の例では、利用者情報記憶部124は、「会社ID」と、「利用者ID」と、「生理情報」と、「頻度情報」といった項目を有する。
「会社ID」は、事業主Tとの間での契約を結んでいる会社(組織の一例)を識別する識別情報であり、組織情報の一例である。「利用者ID」は、「会社ID」によって識別される会社に所属する利用者を示す利用者情報を示す。
「生理情報」は、提供装置APxを用いて利用者が吸収性物品を入手した「入手状況」(利用履歴)に基づき推定された情報であって、当該利用者の生理に関して推定された生理情報を示す。「生理情報」は、例えば、生理周期(生理カレンダー)、生理期間の状況(例えば、生理期間が長いか短いか)、月経状況(例えば、月経過多か否か)、といったものを示す情報である。もちろん、生理情報は、これらに限定されるものではない。「生理情報」は、後述する第2推定部136によって推定される。
「頻度情報」は、提供装置APxを用いて利用者が吸収性物品を入手した「入手状況」(利用履歴)に基づき推定された情報であって、当該利用者が吸収性物品を使用する使用頻度を示す情報である。「頻度情報」は、例えば、所定期間(例えば、1週間、あるいは、1ヶ月)あたりに吸収性物品が使用される回数(個数)である使用頻度、あるいは、この使用頻度の傾向を示す情報である。「頻度情報」は、後述する第2推定部136によって推定される。
すなわち、図6の例では、会社CP1に所属する利用者U11が、概念的に、生理情報「MIF111」と推定され、また、頻度情報「FIF111」と推定されている例を示す。
(在庫情報記憶部125について)
在庫情報記憶部125は、提供装置APxにおける吸収性物品の在庫状況を示す情報を記憶する。ここで、図7を用いて、実施形態に係る在庫情報記憶部125の一例を示す。図7の例では、在庫情報記憶部125は、「会社ID」と、「装置ID」と、「取扱物品」と、「在庫数」と、「補充タイミング」といった項目を有する。
「会社ID」は、事業主Tとの間での契約を結んでいる会社(組織の一例)を識別する識別情報であり、組織情報の一例である。「装置ID」は、「会社ID」によって識別される会社に設置される提供装置APxを識別する識別情報を示す。
「取扱物品」は、「装置ID」で識別される提供装置APxで取り扱われる吸収性物品、すなわち、「装置ID」で識別される提供装置APxに格納される吸収性物品を示す情報である。図7の例では、会社CP1に設置される提供装置AP11には、吸収性物品OB1-1、吸収性物品OB1-2、吸収性物品OB1-3、吸収性物品OB1-4が格納されていることにより、提供装置AP11は、これらの吸収性物品を提供可能な状態にある例を示す。
「在庫数」は、「装置ID」で識別される提供装置APxにおける「取扱物品」の現在の在庫数を示す。「補充タイミング」は、「装置ID」で識別される提供装置APxの「在庫数」の変動に基づき予測されたタイミングであって、当該提供装置APxに吸収性物品を補充させるタイミングを示す。「補充タイミング」は、後述する予測部139によって予測される。なお、提供装置APxに吸収性物品を補充させるタイミングとは、この提供装置APxにおいて吸収性物品が無くなるタイミングともいえる。
すなわち、図7の例では、会社CP1に設置される提供装置AP11では、吸収性物品OB1-1が日付「DAY1」になくなると予測されるため、提供装置AP11に対して、吸収性物品OB1-1を補充させるタイミングとして、概念的に、補充日「DAY1」が予測されている例を示す。
(制御部40について)
図4に戻り、制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、管理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図4に示すように、制御部130は、受付部131と、管理部132と、第1推定部133と、特定部134と、装置制御部135と、第2推定部136と、出力制御部137と、通知部138と、予測部139とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
(受付部131について)
受付部131は、所属する利用者に対して使い捨て着用物品を提供する旨の契約を予め行った組織を示す組織情報と、当該組織に所属する利用者を示す利用者情報とを受け付ける。例えば、受付部131は、利用者による提供装置APxの利用に応じて当該提供装置APxから利用者情報を受け付けるよりも前に、組織から当該利用者を示す利用者情報を受け付けておく。これにより、管理装置100は、利用者が提供装置APxを利用する際に、当該利用者の本人性を認証する認証処理を行うことができる。
また、受付部131は、利用者の身体情報をさらに受け付けてよい。また、受付部131は、提供装置APxからのアクセスも受け付けてよい。図2で説明したように、提供装置APxは、利用者から利用者情報の入力を受け付けると、受け付けた利用者情報と、自装置を識別する装置IDとを管理装置100に送信する。係る場合、受付部131は、提供装置APxから送信された装置IDと、利用者情報とを受け付ける。また、受付部131は、利用者が所望する吸収性物品を選択した場合には、選択された吸収性物品を示す物品情報も受け付ける。また、受付部131は、利用者が使い捨て着用物品を必要とする個数(必要個数)も受け付けてよい。
(管理部132について)
管理部132は、受付部131が受け付けた組織情報と利用者情報とに対し、当該組織情報が示す組織の契約と対応する使い捨て着用物品を示す物品情報を対応付けて管理する。また、管理部132は、第1推定部133により利用者情報が示す利用者毎に、当該利用者の身体情報に応じた使い捨て着用物品が推定された場合には、利用者情報に対し、当該利用者情報が示す利用者に対して第1推定部133により推定された使い捨て着用物品を示す物品情報を対応付けて管理する。この点、図1で説明したように、管理部132は、物品情報記憶部122において、組織情報と利用者情報との組に対して、使い捨て着用物品を示す物品情報(第1推定部133により推定された使い捨て着用物品を示す物品情報)を対応付けて登録することで、組織情報と利用者情報と物品情報とを管理する。
また、管理部132は、提供装置を用いて利用者が使い捨て着用物品を入手した入手状況に基づき推定された情報であって、当該利用者の生理に関して推定された生理情報を、当該利用者を示す利用者情報に対応付けて管理する。例えば、管理部132は、利用者情報記憶部124において、組織情報と利用者情報との組に対して、推定された生理情報を対応付けて登録することで、利用者情報と生理情報とを管理する。
また、管理部132は、提供装置を用いて利用者が使い捨て着用物品を入手した入手状況に基づき推定された情報であって、当該利用者が使い捨て着用物品を使用する使用頻度を示す頻度情報を、当該利用者を示す利用者情報に対応付けて管理する。例えば、管理部132は、利用者情報記憶部124において、組織情報と利用者情報との組に対して、推定された頻度情報を対応付けて登録することで、利用者情報と頻度情報とを管理する。
また、管理部132は、提供装置毎に、当該提供装置を用いて利用者が使い捨て着用物品を入手した入手状況に基づき算出された使い捨て着用物品の在庫数を管理する。例えば、管理部132は、在庫情報記憶部125において、「装置ID」と「取扱物品」とに対して、「在庫数」を対応付けることにより、使い捨て着用物品の在庫数を管理する。例えば、管理部132は、特定部134により、提供装置に排出させるべき使い捨て着用物品を示す物品情報が特定された場合には、この提供装置を識別する「装置ID」と、排出させるべき使い捨て着用物品を示す「取扱物品」とに対応付けられる「在庫数」を、利用者による必要個数に基づき更新する。
また、管理部132は、提供装置毎に、当該提供装置の在庫数の変動に基づき予測されたタイミングであって、当該提供装置に使い捨て着用物品を補充させるタイミングを示す日付情報を管理する。例えば、管理部132は、在庫情報記憶部125において、「装置ID」と「取扱物品」とに対して、「補充タイミング」を対応付けることにより、使い捨て着用物品を補充させるタイミングを管理する。例えば、管理部132は、予測部139により、提供装置に使い捨て着用物品を補充させるタイミング(提供装置において使い捨て着用物品が無くなるタイミング)が予測された場合には、この提供装置を識別する「装置ID」と、予測対象の「取扱物品」とに対応付けられる「補充タイミング」に、予測部139による予測結果を登録する。
また、管理部132は、提供装置が設置される設置位置を示す位置情報をさらに管理してもよい。例えば、管理部132は、組織を示す組織情報に対し、当該組織に設置される提供装毎に当該提供装置の位置情報を対応付けて管理する。図1で説明したように、例えば、管理部132は、装置情報記憶部121において、組織情報と装置IDに対して、装置位置を対応付けて管理する。
また、管理部132は、使い捨て着用物品として、契約による契約内容に応じた吸収性物品を示す物品情報を管理する。また、管理部132は、使い捨て着用物品として、女性用の吸収性物品を示す物品情報を管理する。また、管理部132は、女性用の吸収性物品のうち、昼用の吸収性物品を示す物品情報を管理する。
(第1推定部133について)
第1推定部133は、使い捨て着用物品を提供する旨の契約を予め行った組織に所属する利用者を示す利用者情報が示す利用者毎に、当該利用者の身体情報に応じた使い捨て着用物品を推定する。
例えば、第1推定部133は、契約が示す契約内容に応じた使い捨て着用物品の中から、利用者の身体情報に応じた使い捨て着用物品を利用者毎に推定する。例えば、第1推定部133は、使い捨て着用物品が有するサイズのうち、身体情報によって示される身体サイズに対して最もフィットするサイズを推定することにより、推定したサイズの使い捨て着用物品を利用者の身体情報に応じた使い捨て着用物品として推定する。また、第1推定部133は、使い捨て着用物品の吸収能力のうち、身体情報によって示される年齢に応じた吸収力を推定することにより、推定した吸収力の使い捨て着用物品を利用者の身体情報に応じた使い捨て着用物品として推定する。また、例えば、第1推定部133は、身体情報(例えば、アレルギー体質)に基づき肌に悩みを抱えると推定される利用者に対しては、肌にやさしいタイプ(例えば、コットン100%タイプ)の使い捨て着用物品を利用者の身体情報に応じた使い捨て着用物品として推定する。
また、第1推定部133は、利用者毎に推定した使い捨て着用物品を示す物品情報を、提供装置を用いて入手する推奨商品として当該利用者に提示してもよい。このようなことから、第1推定部133は、提示部に対応する処理部でもある。
(特定部134について)
特定部134は、提供装置から利用者情報が受け付けられた場合は、当該利用者情報が示す利用者と対応付けて管理された物品情報を特定する。例えば、特定部134は、提供装置から利用者情報が受け付けられた場合は、当該利用者情報が示す利用者と対応付けて管理された物品情報のうち、当該利用者の身体情報に応じた使い捨て着用物品を示す物品情報を特定する。
例えば、特定部134は、提供装置から利用者情報が受け付けられた場合は、当該利用者情報が示す利用者と対応付けて管理された物品情報のうち、当該利用者に対して第1推定部133により推定された使い捨て着用物品を示す物品情報を特定する。図2の例では、特定部134は、利用者によって「おすすめ商品ボタン」が押下されたことに応じて、提供装置から利用者情報が受け付けられた場合は、当該利用者情報が示す利用者と対応付けて管理された物品情報のうち、当該利用者に対して第1推定部133により推定された使い捨て着用物品を示す物品情報を特定する。
また、特定部134は、提供装置から利用者情報を受け付けた場合は、当該利用者情報が示す利用者と対応付けて管理された物品情報のうち、提供装置を用いて当該利用者により選択された使い捨て着用物品を示す物品情報を特定する。図2の例では、特定部134は、利用者によって「選択ボタン」が押下されたことに応じて、提供装置から利用者情報、および、「選択ボタン」に対応する物品情報が受け付けられた場合は、当該利用者情報が示す利用者と対応付けて管理された物品情報のうち、「選択ボタン」に対応する物品情報を特定する。
(装置制御部135について)
装置制御部135は、特定部134により特定された物品情報が示す使い捨て着用物品を排出するよう提供装置を制御する。また、装置制御部135は、図2で説明したように、利用者に対する本人性の認証結果に基づいて、提供装置のボタンのアクティブ化を制御してもよい。例えば、装置制御部135は、利用者の本人性が認証されなかった場合には、提供装置に対してエラー出力するよう制御する。一方、装置制御部135は、本人性が認証された場合には、提供装置に対して各ボタンをアクティブ化するよう制御する。また、このようなことから、装置制御部135は、利用者の本人性を認証する認証処理も行ってもよいし、管理装置100は、係る認証処理を行う認証部をさらに有してもよい。
また、装置制御部135は、提供装置を用いて利用者が使い捨て着用物品を入手しようとする数(必要個数)が所定数を超える場合には、特定部134により特定された物品情報が示す使い捨て着用物品を排出しないよう提供装置を制御するとともに、警告を出力するようこの提供装置を制御してもよい。この点について、図2の例を用いて説明する。また、所定数は、利用者が提供装置を介して1度に入手できることのできる入手限度枚数であるものとする。また、図2の例では、管理装置100に対して、予め入手限度数「5」が設定されているものとする。
ここで、利用者U11は、自身が認証済みである状態で、提供装置AP11に対して、吸収性物品OB1-2を選択するとともに、必要個数「7」を指定したとする。係る場合、管理装置100の受付部131は、装置ID「AP11」と、利用者ID「U11」と、物品情報「OB1-1」と、個数情報「7」とを受け付ける。また、特定部134は、物品情報記憶部122において、利用者ID「U11」が示す利用者U11と対応付けて管理された物品情報のうち、選択された吸収性物品OB1-2を示す物品情報「OB1-2」を特定する。
このような状態において、装置制御部135は、今回の必要個数が入手限度数「5」を超えているか否かを判定する。必要個数「7」と指定されている今回の例では、装置制御部135は、入手限度数「5」を超えていると判定する。そして、装置制御部135は、入手限度数「5」を超えていると判定した場合、吸収性物品を排出しないよう提供装置AP11を制御するとともに、警告を出力するよう提供装置AP11を制御する。係る制御に応じて、提供装置AP11は、例えば、「入手しようとしている数が多過ぎます。数を減らして下さい」、あるいは、「入手しようとしている数が多過ぎます。専門機関への受診をおすすめします」といった警告や通知を表示したり音声出力する。これにより、実施形態に係る管理装置100は、1度に入手しようとする数が異常であることへの気付きを与えることができるため、体調管理を見直す機会を与えることができる。
なお、装置制御部135は、今回の必要個数が入手限度数「5」を超えていないと判定した場合には、通常の処理として、吸収性物品OB1-2を排出するよう提供装置AP11を制御する。
(第2推定部136について)
第2推定部136は、提供装置を用いて利用者が使い捨て着用物品を入手した入手状況に基づいて、当該利用者の生理に関する生理情報を推定する。例えば、第2推定部136は、提供装置を用いて利用者が使い捨て着用物品を入手した入手状況として、提供装置を利用して使い捨て着用物品が入手されたことによる利用履歴(利用履歴記憶部123に記憶される利用履歴)に基づいて、当該利用者の生理情報を推定する。
例えば、第2推定部136は、入手状況に基づいて、利用者によって使い捨て着用物品が入手された入手日時(利用日時)を生理開始日と定めることで、生理情報として、当該利用者の生理周期(生理カレンダー)を推定する。また、例えば、第2推定部136は、推定した整理周期に基づいて、生理情報として、生理期間の状況(例えば、基準と比較して、生理期間が長いか短いか)、月経状況(例えば、基準と比較して、月経過多か否か)をさらに推定してもよい。これにより、実施形態に係る管理装置100は、利用者に対する効果的な体調管理を実現することができる。
また、第2推定部136は、提供装置を用いて利用者が使い捨て着用物品を入手した入手状況に基づいて、当該利用者が吸収性物品を使用する使用頻度を示す頻度情報を推定する。例えば、第2推定部136は、提供装置を用いて利用者が使い捨て着用物品を入手した入手状況として、提供装置を利用して使い捨て着用物品が入手されたことによる利用履歴(利用履歴記憶部123に記憶される利用履歴)に基づいて、当該利用者の頻度情報を推定する。
例えば、第2推定部136は、入手状況に基づいて、頻度情報として、所定期間(例えば、1週間、あるいは、1ヶ月)あたりに吸収性物品が使用される回数(個数)である使用頻度、あるいは、この使用頻度の傾向を推定する。また、第2推定部136は、頻度情報に基づいて、生理期間の状況や月経状況を推定してもよい。これにより、実施形態に係る管理装置100は、利用者に対する効果的な体調管理を実現することができる。
また、例えば、第2推定部136は、利用者に対して推定した情報を当該利用者が閲覧できるよう制御してもよい。例えば、第2推定部136は、アプリAPを介して、推定した情報を利用者に提示する。
(出力制御部137について)
出力制御部137は、入手状況に基づき推定された情報(第2推定部136により推定された情報)が所定の条件情報を満たす場合には、当該入手状況で使い捨て着用物品を入手した利用者に対して、体調管理に関する警告が出力されるよう制御する。
例えば、出力制御部137は、第2推定部136が利用者U11を対象として推定した生理周期が安定しているか否かを判定する。そして、出力制御部137は、整理周期が安定していないと判定した場合(所定の条件情報を満たす場合の一例)には、利用者U11は生理不順の可能性があると判断し、利用者U11に対して、体調管理に関する警告が出力されるよう制御する。例えば、出力制御部137は、利用者U11の有する情報処理端末がアプリAPの制御に従って、体調管理に関する警告を出力するよう、情報処理端末を制御する。
体調管理に関する警告としは、例えば、医療機関への受信提案や、生活習慣の見直し提案が考えられるが、利用者に対して体調管理に関する意識付けができるような警告であればいかなる警告であってもよい。また、これにより、実施形態に係る管理装置100は、体調管理を見直す機会を効果的に与えることができる。また、実施形態に係る管理装置100は、体調管理に関する警告を出力させることで、利用者に対して個別のアドバイスを行うことができるため、例えば、働くモチベーションを維持させることができる。
(通知部138について)
通知部138は、提供装置を用いて利用者が使い捨て着用物品を入手した入手状況に基づき算出された使い捨て着用物品の在庫数に基づいて、現在、利用者が入手しようとする使い捨て着用物品の在庫が存在しないと判定された場合には、使い捨て着用物品を入手しようとしている利用者に対して、この使い捨て着用物品の在庫が存在する提供装置のうち、この利用者の位置に対してより近くに設置される提供装置の所在地を通知する。この点について、図2の例に挙げて説明する。
図2では、利用者U11が、女性化粧室FL1-Sに設置される提供装置AP11を利用して、吸収性物品を入手しようとしている。ここで、利用者U11は、自身が認証済みである状態で、「おすすめ商品ボタン」を押下することにより、自身に対して最適であると推定されている吸収性物品を排出するよう指定したとする。また、利用者U11は、必要個数「3」を指定したとする。係る場合、提供装置AP11は、装置ID「AP11」と、利用者ID「U11」と、個数情報「3」とを管理装置100に送信する。
係る場合、管理装置100の受付部131は、装置ID「AP11」と、利用者ID「U11」と、個数情報「3」とを受け付ける。また、特定部134は、物品情報記憶部122において、利用者ID「U11」が示す利用者U11と対応付けて管理された物品情報のうち、利用者U11の身体情報に応じた吸収性物品として推定されている吸収性物品OB1-1を示す物品情報「OB1-1」を特定する。
ここで、通知部138は、在庫情報記憶部125を参照し、装置ID「AP11」と取扱物品「OB1-1」との組に対応付けられる「在庫数」と、今回の必要個数「3」とを比較し、提供装置AP11には、今現在、吸収性物品OB1-1を「3個」排出させるだけの在庫が存在するか否かを判定する。
例えば、装置制御部135は、通知部138により、吸収性物品OB1-1を「3個」排出させるだけの在庫が存在すると判定された場合には、吸収性物品OB1-1を排出するよう提供装置AP11を制御する。
一方、通知部138は、吸収性物品OB1-1を「3個」排出させるだけの在庫が存在しないと判定した場合には、在庫情報記憶部125を参照し、会社CP1の設置される提供装置APxであって、吸収性物品OB1-1を「3個」排出させるだけの在庫が存在する提供装置APxを特定する。また、通知部138は、装置情報記憶部121を参照し、特定した提供装置APxそれぞれの「設置位置」に基づいて、特定した提供装置APxの中から、利用者U11の現在位置に対してより近くに設置される提供装置APxをさらに特定する。そして、通知部138は、最終的に特定したこの提供装置APxの所在地(設置位置)を利用者U11に通知する。
例えば、通知部138は、利用者U11の情報処理端末に所在地を示す所在地情報を送信することで所在地を通知してもよいし、提供装置AP11を介して所在地を通知してもよい。例えば、通知部138は、所在地情報を出力するよう提供装置AP11を制御してもよい。
これにより、実施形態に係る管理装置100は、利用者が現在利用しようとしている提供装置に、利用者が所望する使い捨て着用物品の在庫が存在しなくとも、近場の他の提供装置からこの使い捨て着用物品を入手できるよう制御することができるため、使い捨て着用物品を入手する際の利便性を向上させることができる。
(予測部139について)
予測部139は、提供装置毎に、当該提供装置の在庫数の変動に基づいて、当該提供装置に使い捨て着用物品を補充させるタイミングを予測する。例えば、予測部139は、提供装置毎に、当該提供装置の在庫数の変動に基づいて、当該提供装置に使い捨て着用物品の在庫がなくなるタイミングを予測する。そして、予測部139は、使い捨て着用物品の在庫がなくなるタイミングに基づいて、使い捨て着用物品を補充させるタイミングを予測する。例えば、予測部139は、使い捨て着用物品の在庫がなくなるタイミングを、使い捨て着用物品を補充させるタイミングとして予測する。
また、ここでいう在庫数とは、在庫情報記憶部125において、装置IDに対応付けられる「取扱物品」毎の「在庫数」である。したがって、予測部139は、各提供装置で取り扱われている使い捨て着用物品それぞれについて、当該使い捨て着用物品の在庫数の変動に基づいて、当該使い捨て着用物品を補充させるタイミングを予測する。
例えば、予測部139は、これまでの在庫数の変動の傾向に基づいて、使い捨て着用物品の在庫がなくなるタイミング(使い捨て着用物品を補充させるタイミング)を予測する。一例を示すと、予測部139は、各提供装置で取り扱われている使い捨て着用物品毎に、どれくらいの期間でなくなる傾向にあるかを学習し、学習結果に基づいて、使い捨て着用物品の在庫がなくなるタイミングを予測する。
また、予測部139は、在庫数の変動として、利用者毎の入手状況(利用履歴)から予測される変動に基づいて、使い捨て着用物品の在庫がなくなるタイミング(使い捨て着用物品を補充させるタイミング)を予測してもよい。一例を示すと、予測部139は、利用者U11はどの提供装置APxでどの吸収性物品を入手する傾向にあるか、また、利用者U12はどの提供装置APxでどの吸収性物品を入手する傾向にあるか、といった利用者毎の入手傾向を学習する。そして、予測部139は、この学習結果から、例えば、提供装置AP11の吸収性物品OB1-1は1週間周期でなくなる傾向にある等といったように、どれくらいの期間でなくなる傾向にあるかをさらに学習することで、学習結果に基づいて、使い捨て着用物品の在庫がなくなるタイミングを予測する。
また、予測部139は、上記のような学習により、「装置ID」と、「物品情報」とを入力すると、使い捨て着用物品の在庫がなくなるタイミングを出力するモデルを生成してもよい。
また、予測部139は、予測したタイミングを補充担当先(例えば、提供装置への物品補充を担当する子会社)に公開することで、在庫がなくなる前に補充が行えるような環境を制御してもよい。これにより、実施形態に係る管理装置100は、在庫がなく使い捨て着用物品を入手できないといった状況になることを事前防止することができるため、使い捨て着用物品を入手する際の利便性を向上させることができる。
〔7.処理手順〕
次に、実施形態に係る管理システム1による処理手順について説明する。図8では、実施形態に係る管理システム1による処理手順のうち、組織装置10-xと管理装置100との間で行われる管理処理手順について説明する。図9では、実施形態に係る管理システム1による処理手順のうち、提供装置APxと管理装置100との間で行われる制御処理手順について説明する。
〔7-1.処理手順〕
まず、図8を用いて、実施形態に係る管理システム1による管理処理手順について説明する。図8は、実施形態に係る管理システム1による管理処理手順を示すシーケンス図である。
まず、組織装置10-xは、例えば、組織の代表者の操作に応じて、自装置が属する組織(例えば、会社)を示す組織情報(例えば、会社ID)と、当該組織に所属する利用者を示す利用者情報(例えば、利用者ID)とを送信する(ステップS101)。
管理装置100の管理部132は、受付部131により、組織情報と利用者情報とが受け付けられると、組織情報と利用者情報とに対して、当該組織情報が示す組織の契約と対応する吸収性物品を示す物品情報を対応付けて管理する(ステップS102)。
また、組織装置10-xは、例えば、組織の代表者の操作に応じて、自装置に対応する組織に所属する各利用者の身体情報を送信する(ステップS103)。
管理装置100の第1推定部133は、受付部131により、身体情報が受け付けられると、契約と対応する吸収性物品の中から、各利用者の身体情報に応じた吸収性物品を推定する(ステップS104)。例えば、第1推定部133は、利用者の業務スケジュールに基づき、吸収性物品の交換しやすさの程度を推定する。一例としては、第1推定部133は、業務の時間帯(昼であるのか夜であるのか)、業務内容、または、業務量に基づき、吸収性物品の交換しやすさの程度を推定する。また、管理装置100は、利用者の身体情報として、利用者の運動量を示す運動情報や、利用者の体型を示す体型情報を取得する。さらに、第1推定部133は、利用者Uの嗜好性を示す嗜好性情報も取得してよい。
そして、第1推定部133は、吸収量、厚さ、長さ、色、柄、香りを条件として、利用者に対応する吸収性物品の交換しやすさの程度、運動量情報、身体情報、嗜好性情報に基づいて、この条件を満たす吸収性物品を推定する。つまり、管理装置100は、利用者に対応する吸収性物品の交換しやすさの程度、身体情報、嗜好性情報に基づいて、利用者にはどのような吸収量、厚さ、長さ、色、柄、香りの吸収性物品が合っているかを推定する。なお、このような推定処理は、身体情報が受け付けられたタイミング(図1の例では、ステップS13)で行われてもよいし、それ以外のタイミング(例えば、管理装置100において利用者の認証処理が完了したタイミング等)に行われてもよい。
また、管理部132は、組織情報と利用者情報とに対し、当該利用者情報が示す利用者について推定された吸収性物品を示す物品情報を対応付けて管理する(ステップS105)。
〔7-2.処理手順〕
次に、図9を用いて、実施形態に係る管理システム1による制御処理手順について説明する。図9は、実施形態に係る管理システム1による制御処理手順を示すシーケンス図である。
まず、提供装置APxは、利用者から各種情報の入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。例えば、提供装置APxは、利用者情報(例えば、利用者ID)の入力とともに、所望する吸収性物品、および、必要個数の入力を受け付けたか否かを判定する。図2で説明したように、利用者は、所望する吸収性物品として、管理装置100側で推定されている吸収性物品を指定する入力を行ったり、提供装置APxでラインナップされている吸収性物品のいずれかを選択する入力を行うことができる。
そして、提供装置APxは、情報の入力を受け付けていない間は(ステップS201;No)、情報の入力を受け付けるまで待機する。一方、提供装置APxは、情報の入力を受け付けた場合には(ステップS201;Yes)、自装置を識別する装置情報(装置ID)と、利用者情報と、指定に対応する吸収性物品を示す物品情報とを管理装置100に送信する(ステップS202)。
管理装置100の装置制御部135(あるいは、認証部)は、受付部131により、装置情報と利用者情報と物品情報とが受け付けられると、当該利用者情報が示す利用者が、組織(ステップS202の送信を行った送信元の提供装置APxに対応する組織)の従業員本人であることを認証するための認証処理を行うことで、認証できたか否かを判定する(ステップS203)。
そして、装置制御部135は、認証できなかった場合には(ステップS203;No)、認証エラーを出力するよう提供装置APxを制御する(ステップS204a)。一方、特定部134は、認証された場合には(ステップS203;Yes)、受付部131により受け付けられた利用者情報が示す利用者と対応付けて管理された物品情報を特定する(ステップS204b)。例えば、特定部134は、利用者が管理装置100側で推定されている吸収性物品を指定する入力を行っていた場合には、利用者情報が示す利用者と対応付けて管理された物品情報のうち、当該利用者の身体情報に応じた吸収性物品として推定されている吸収性物品を示す物品情報を特定する。一方、例えば、特定部134は、利用者が提供装置APxでラインナップされている吸収性物品のいずれかを選択する入力を行っていた場合には、利用者情報が示す利用者と対応付けて管理された物品情報のうち、選択された吸収性物品を示す物品情報を特定する。
そして、装置制御部135は、特定部134により特定された物品情報が示す吸収性物品を排出するよう提供装置APxを制御する(ステップS205)。そして。提供装置APxは、装置制御部135からの制御情報で指示される吸収性物品を排出(提供)する(ステップS206)。
〔8.その他の実施形態〕
上述した実施形態に加えて、管理装置100は、利用者ごとに提供された吸収性物品の数や提供された日時などを管理することで、利用者の体調を管理してもよい。例えば、管理装置100は、利用者が生理用品の提供を受けた日時や利用者の身体情報等から生理周期を推定するなどして、次の生理開始日を予測してもよい。また、管理装置100は、身体情報などの利用者に関する情報に基づいて、体調管理や気分の調整のためのアドバイス情報を利用者に対して提供するようにしてもよい。例えば、管理装置100は、利用者の利用するメールアドレスに対して、アドバイス情報を送信してもよいし、個別のアプリケーション(例えば、アプリAP)を介してアドバイス情報を通知してもよい。また、管理装置100は、アドバイス情報が印刷された印刷物が郵送されるよう制御してもよい。このような構成を採用したことにより、管理装置100は、利用者個人の働くモチベーションの向上など、組織に属する利用者のモチベーションの向上を図ることができる。
また、提供装置APxに格納される生理用品の種類は、固定されていてもよいし、所定の期間で変更されてもよい。例えば、管理装置100は、新製品が発売されることに応じて、提供される製品が更新されるようにしてもよい。一例を示すと、管理装置100は、新製品が発売されることによって、契約される吸収性物品が変更となった場合には、この変更に応じて物品情報記憶部122に登録される「物品情報」を変更する。また、管理装置100は、在庫情報記憶部125に登録される「取扱物品」も変更する。また、管理装置100は、提供装置APx毎に頻繁に利用する利用者(例えば1ヶ月等所定期間内に所定回数以上生理用品の提供を受ける利用者)を管理しておき、頻繁に利用する利用者と関連付けて管理されている吸収性物品を在庫とするようにしてもよい。このようにすることで、管理装置100は、利用者が最適な吸収性物品を利用できる環境(新しいものを試してみる、在庫がなくなりにくくする等)を維持することができる。
また、管理装置100は、提供装置APxが提供する吸収性物品の量の変動により、在庫の補充タイミングを変更してもよい。例えば、提供装置APxを利用する利用者の生理開始日が月末に重なっていた場合、月末に在庫切れが発生しやすくなる。そのため、管理装置100は、在庫切れを起こさないように、月末の補充回数を増加させるように補充のタイミングを管理してもよい。また、前述の通り管理装置100が利用者の生理開始日の予測を行う(または他のサービスや情報処理装置から生理開始日の予測結果を取得する等)場合、各利用者の生理開始日に合わせて在庫の管理(在庫の補充のタイミングの管理等)をしてもよい。
また、提供装置APxが生理用品を排出する機能を有する装置であることを説明したが、これに限らず、各吸収性物品の格納された場所からどの吸収性物品を得るべきかを提示することで、利用者が吸収性物品を取得できるようにしてもよい。例えば、提供装置APxは、表示装置または音声出力装置等の出力装置を備え、管理装置100が特定した吸収性物品に関する情報(例えば商品名や吸収性物品が格納された場所を示す記号や数字、文字列等)を出力することで、利用者が出力内容を確認して吸収性物品を取得できるようにしてもよい。また、このような処理が実現されるために、提供装置APxの機能が利用者の所有する端末に搭載されていてもよいし、利用者に提供する他の人員(保健師や事務員等)が有する端末に搭載されていてもよい。
〔9.その他〕
上記した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、手動的に行われてもよい。また、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、公知の方法で自動的に行われてもよい。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られるものではない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されなくともよい。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られない。また、各構成要素は、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成してもよい。また、上記してきた各処理は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて実行されてもよい。
〔10.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る管理装置100は、例えば図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図10は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、キャッシュ1040、メモリ1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続される。
演算装置1030は、キャッシュ1040やメモリ1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。キャッシュ1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するキャッシュである。また、メモリ1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現されるメモリである。
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現されてよい。一方、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
例えば、入力装置1020は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置により実現されてもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体により実現されてもよい。
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する機能を有する。
ここで、演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行うこととなる。例えば、演算装置1030は、入力装置1020やメモリ1050からプログラムをキャッシュ1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。例えば、コンピュータ1000が管理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、キャッシュ1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現することとなる。
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明した。しかしながら、これらは例示であり、本願の実施形態は、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、所謂当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で実施することが可能である。また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。