JP7231453B2 - 検出装置及び検出方法 - Google Patents
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Description
また、上述した特許文献1に係る発明は、光ファイバをプレートに固定した傾斜センサにより、盛土に起因する当該盛土の隣接地の傾斜を監視する構成であって、当該構成をもって、軟弱層の流動抵抗を検出することは困難である。すなわち、この傾斜センサでは、光ファイバがプレートに固定されているために、仮に、この傾斜センサによって軟弱層の流動抵抗を測定しようとすると、光ファイバに付与される流動抵抗が軟弱層の流動抵抗と一致せず、詳しくは光ファイバに付与される流動抵抗は、軟弱層の流動抵抗からプレートの剛性を差し引いたものとなり、純粋な軟弱層の流動抵抗を光ファイバで検出することができず、その検出精度が著しく低下するようになる。しかも、軟弱層の流動抵抗がプレートの剛性よりも小さい場合には、光ファイバには軟弱層の流動抵抗が付与されず、軟弱層の流動抵抗が検出不能になる虞がある。上述したように、特許文献1に係る発明では、軟弱層の流動抵抗を検出することは困難である。
以下に示す発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項分けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれるものである。
(1)項に記載の検出装置では、例えば、軟弱層内に単体で埋設された光ファイバセンサをその軸方向に対して直交する方向にスライドさせ、軟弱層の流動抵抗により光ファイバセンサの自由端を屈曲させることにより、軟弱層の流動抵抗を検出することで、光ファイバセンサによる検出精度を向上させることができる。また、光ファイバセンサは、基端側が拘束端となり、先端側が自由端であるので、光ファイバセンサの設置作業を容易にすることができる。また、拘束されない光ファイバセンサの先端の変位の自由度を確保することで、軟弱層の流動(軟弱層と光ファイバセンサとの相対変位)に対する光ファイバセンサの屈曲追従性を高めることができる。
(2)項に記載の検出装置では、データロガーにて蓄積された軟弱層の流動抵抗のデータにより、適切な流動抵抗を解析することができる。
(3)項に記載の検出装置では、その全体の大きさをコンパクトにして、ハンディタイプの検出装置を提供することができる。その結果、検出装置の取り扱いが非常に良好になる。
(4)項に記載の検出装置では、検出時、作業者が速やかに軟弱層の流動抵抗を確認することができる。
(5)項に記載の検出装置では、光ファイバセンサにより、トレミー管の下部で、その径方向外側に堆積し始めた、軟弱層である堆積地盤の流動抵抗を検出することができ、その検出結果に基づいて、トレミー管を上昇させるタイミングを正確に把握することができる。要するに、(5)項に記載の検出装置をトレミー管の高さ管理に適用することができる。
(6)項に記載の検出方法では、軟弱層内に、基端側が拘束端となり、先端側が自由端である光ファイバセンサを埋設した状態で、光ファイバセンサまたは軟弱層をスライドさせつつ、光ファイバセンサの自由端を屈曲させることで、検出器により、軟弱層の流動抵抗を検出することができる。
本発明の第1~第3の実施形態に係る検出装置1a、1b、1cは、例えば、以下(1)~(6)に示す軟弱層10の流動抵抗を検出することができる。(1)一般の軟弱地盤。(2)河川、湖沼及び海域の浮泥。(3)埋立工事における施工中及び施工後の堆積地盤や投入土等で、特にトレミー管周辺の堆積地盤。(4)廃棄物汚泥や処分場における堆積物や投入物。(5)セメントスラリー。(6)その他流動性を有する軟弱層。要するに、本検出装置1a、1b、1cは、軟弱層10(例えば、粘着力1kN/m2以下)の流動抵抗を検出するものである。
第1の実施形態に係る検出装置1aは、図1に示すように、軟弱層10内に、それ単体で埋設される光ファイバセンサ3と、該光ファイバセンサ3からの検出信号に基づいて、軟弱層10の流動抵抗を検出する検出器4と、検出器4にて検出した軟弱層10の流動抵抗を経時的に保存するデータロガー5と、を備えている。光ファイバセンサ3は、細径で柔軟性を有する。光ファイバセンサ3は、軟弱層10内に単体で設置されている。光ファイバセンサ3は、その基端側がセンサ固定部8により拘束される。このように、光ファイバセンサ3は、その基端側がセンサ固定部8により拘束される拘束端となり、その先端側が拘束されず自由端で設置される。光ファイバセンサ3は、データロガー5内の検出器4に接続される。
図1(a)に示すように、光ファイバセンサ3を軟弱層10内に埋設する。詳しくは、光ファイバセンサ3を、軟弱層10の表面に対して直交する方向から軟弱層10内に没入するようにして設置する。光ファイバセンサ3は、軟弱層10内に、その先端部が拘束されず自由端で設置される。続いて、検出器4の光源部15からの光が入射光として光ファイバセンサ3に供給されると共に、その反射光を受光部16によって受光する。続いて、図1(b)に示すように、センサ固定部8を、光ファイバセンサ3の軸方向に対して直交する方向にスライドさせる。このとき、光ファイバセンサ3を、加速度の発生を抑制しながら、なるべくゆっくりとほぼ等速運動でスライドさせる必要がある。すると、光ファイバセンサ3へ軟弱層10の流動抵抗が付与され、光ファイバセンサ3が軟弱層10の流動抵抗に応じて屈曲する。引き続き、データロガー5内の検出器4の検出部17では、受光部16にて受光した、光ファイバセンサ3の屈曲に応じて変化する光の特性変化を検出する。光の特性は、光強度、位相、周波数、波長、偏波などである。
この実験結果からも解るように、軟弱層10であっても、第1の実施形態に係る検出装置1aにより、その流動抵抗(強度)を容易に検出することが可能となる。
第2に実施形態に係る検出装置1bでは、検出器4が断面略円形状の棒状に形成される。この検出器4は、作業者が手で握れる程度の外径を有する。この検出器4の部分が、作業者が把持する部分となり、検出器4は適宜長さで形成される。検出器4の軸方向一端から光ファイバセンサ3が延びている。当該光ファイバセンサ3は所定長さで延びている。この長さは軟弱層10の態様に基づいて適宜設定される。また、検出器4の外面には、軟弱層10の流動抵抗を表示する表示部25が形成される。
第3の実施形態に係る検出装置1cは、トレミー管30の高さ管理に適用される。トレミー管30の下部には、光ファイバセンサ3のセンサ固定部8を支持する支持手段33が固定される。支持手段33は、トレミー管30の下部周りに固定される円筒状の支持本体部35と、該支持本体部35の下端外周面から径方向外方に向かって突設される環状の支持板部36と、から構成される。光ファイバセンサ3は、センサ固定部8を介して支持板部36に周方向に沿って間隔を置いて複数配置される。支持手段33により、基端側が支持された各光ファイバセンサ3は、その先端部が、トレミー管30の下部で、その径方向外側に堆積し始める、軟弱層10である堆積地盤に接触可能な位置に配置される。検出器4は、各光ファイバセンサ3それぞれに対応するように複数備えられる。各検出器4は、データロガー5に一体的に内蔵されている。
トレミー管30の先端部に取り付けられた光ファイバセンサ3を水の張った容器内にセットし、その後静かにトレミー管30内に高含水比のスラリーを投入すると、容器内にスラリーが堆積していく。その容器内の堆積層が上昇して光ファイバセンサ3に接触すると、光ファイバセンサ3の先端部が屈曲し始め、ひずみが生じその波長が検出器4によって順次検出されて、その波長の推移がデータロガー5に保存されることになる。このときの光ファイバセンサ3から得られる光の波長の推移を図11に示している。
Claims (4)
- 軟弱層の流動抵抗を検出する検出装置であって、
前記軟弱層内に単体で埋設される光ファイバセンサと、
該光ファイバセンサからの検出信号に基づいて、前記軟弱層の流動抵抗を検出する検出器と、を備え、
前記光ファイバセンサは、基端側が拘束端となり、先端側が自由端であることを特徴とする検出装置。 - 請求項1に記載の検出装置であって、
前記検出器は棒状に形成され、
前記光ファイバセンサは、前記検出器の軸方向端部から一体的に軸方向に沿って突設されて構成されることを特徴とする検出装置。 - 請求項1に記載の検出装置であって、
前記光ファイバセンサは、トレミー管の下部に基端側が支持され、前記光ファイバセンサ及び前記検出器により、前記トレミー管の径方向外側に堆積される前記軟弱層である堆積地盤の流動抵抗を検出することを特徴とする検出装置。 - 軟弱層の流動抵抗を検出する検出方法であって、
前記軟弱層内に、基端側が拘束端となり、先端側が自由端である光ファイバセンサを単体で埋設して、当該光ファイバセンサまたは前記軟弱層を、前記光ファイバセンサの軸方向に対して略直交する方向にスライドさせつつ、前記光ファイバセンサの前記自由端を屈曲させることで、検出器が、該光ファイバセンサからの検出信号に基づいて、前記軟弱層の流動抵抗を検出することを特徴とする検出方法。
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