JP7231072B1 - エレベータ用ドアの敷居 - Google Patents

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Abstract

Figure 0007231072000001
【課題】本開示は、エレベータの動作時のかご敷居と乗場敷居が近接する際に発生する騒音を低減することができるエレベータ用ドアの敷居を提供することを目的とする。
【解決手段】本開示に係るエレベータ用ドアの敷居は、エレベータに設けられるドア装置の開閉を案内するエレベータ用ドアの敷居であって、ドア装置の開閉方向に沿って延在し、ドア装置の下部に設けられる摺動部材を摺動させてドア装置の開閉を案内する溝を有する本体部と、本体部の少なくとも一方の端部からドア装置から離れる方向へドア装置の開閉ストロークに渡り延在し、摺動部材を摺動させてドア装置の開閉を案内するするガイド部と、を備え、エレベータ用ドアの敷居を鉛直方向から見た本体部及びガイド部の断面積の合計が、ガイド部の端部まで本体部を延在させた場合のエレベータ用ドアの敷居を鉛直方向から見た本体部の断面積よりも小さい、エレベータ用ドアの敷居。

【選択図】図1

Description

本開示は、エレベータ用ドアの敷居に関する。
従来、エレベータの乗場(以下、単に乗場と称す)やエレベータのかご(以下、単にかごと称す)にはドア装置が設けられており、当該ドア装置により乗場やかごの乗降口を開閉する。
このようなドア装置に関し、例えば、ドア装置の開閉を案内する敷居が乗場及びかごに設けられる(例えば、特許文献1)。
特開平9-25078号公報
特許文献1に開示されたエレベータは、昇降路内への持ち物の落下防止のために乗場敷居とかご敷居の間に塞ぎ板を備えているが、かごの降下中に当該塞ぎ板が大きな風圧を受けることに起因して発生する大きな風切音や衝突音を低減するために塞ぎ板に風通過孔を設けている。しかしながら、特許文献1に開示されたエレベータでは、エレベータの動作時のかごが乗場を通過する際に乗場敷居とかご敷居が近接し、乗場敷居とかご敷居の間における空気の流通面積が小さくなるため、その結果空気が乱れて発生する騒音は低減できないという問題があった。
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、エレベータの動作時の乗場敷居とかご敷居が近接する際に発生する騒音を低減することができるエレベータ用ドアの敷居を提供することを目的とする。
本開示に係るエレベータ用ドアの敷居は、エレベータに設けられるドア装置の開閉を案内するエレベータ用ドアの敷居であって、ドア装置の開閉方向に沿って延在し、ドア装置の下部に設けられる摺動部材を摺動させてドア装置の開閉を案内する溝を有する本体部と、本体部の少なくとも一方の端部からドア装置から離れる方向へドア装置の開閉ストロークに渡り延在し、摺動部材を摺動させてドア装置の開閉を案内するするガイド部と、を備え、エレベータ用ドアの敷居を鉛直方向から見た本体部及びガイド部の断面積の合計が、ガイド部の端部まで本体部を延在させた場合のエレベータ用ドアの敷居を鉛直方向から見た本体部の断面積よりも小さい、エレベータ用ドアの敷居。
本開示に係るエレベータ用ドアの敷居によれば、エレベータの動作時の乗場敷居とかご敷居が近接する際に発生する騒音を低減することができる。
実施の形態1に係るエレベータの正面図の一部を示す図 実施の形態1に係るエレベータの側面図の一部を示す図 実施の形態1に係るかごドアの周辺を示す図 図3のA-A線に沿う断面図 実施の形態1に係る乗場ドアの周辺を示す図 図5のA-A線に沿う断面図 実施の形態2に係るかご敷居の平面図の一部を示す図 実施の形態2に係るかご敷居の正面図の一部を示す図 実施の形態2に係るかご敷居及び乗場敷居の平面図の一部を示す図 実施の形態3に係るかごが停止中のかご敷居の正面図の一部を示す図 実施の形態3に係るかごが上昇中のかご敷居の正面図の一部を示す図 実施の形態3に係るかごが下降中のかご敷居の正面図の一部を示す図
以下に、本開示の実施の形態について添付の図面を用いて説明する。各図では、同一又は相当する部分に同一の符号を付している。重複する説明は、適宜簡略化あるいは省略する。なお、以下に説明される実施の形態により本開示が限定されるものではない。なお、以下の説明においては、乗場ドア及びかごドアが開閉する方向を開閉方向又は左右方向と、乗客が乗降する方向を前後方向と、かごが昇降する方向を鉛直方向又は上下方向と言う。
実施の形態1.
実施の形態1に係るエレベータ用ドアの敷居について説明する。図1は、実施の形態1に係るエレベータ用ドアの敷居を設置するエレベータの一部を示す正面図である。また、図2は、実施の形態1に係るエレベータ用ドアの敷居を設置するエレベータの一部を示す側面図である。
図1、2に示すようにエレベータの動作に伴い昇降路内を昇降するかご1は直方体形状であり、かご1の周りには、かご1を支持する上梁2、下梁3、左右一対の縦柱4が設けられている。上梁2にはかご1を吊るすためのロープ5が固定されている。ロープ5は巻上機(図示しない)によって巻取ることができる。すなわち、巻上機でロープ5を巻取ることでかご1を上下方向に昇降させる。
かご1に固定されたロープ5の他端は、カウンターウェイト6に固定されている。カウンターウェイト6は、巻上機、プーリを介してロープ5で吊るされ、かご1の後面に配置される。カウンターウェイト6は、かご1の昇降動作と反対方向へ昇降動作することとなる。
図3はかごドア装置8を示す図である。かご1の乗り場側には利用者が乗り降りする際にかごドア7を開閉するかごドア装置8が設けられている。また、図5に示すように、乗場の昇降路側には利用者が乗り降りする際に乗場ドア9を開閉する乗場ドア装置10が設けられている。本実施の形態では、エレベータ用ドアは、かごドア7及び乗場ドア9を含むものを意味する。また、エレベータ用ドアの敷居100は、エレベータに設けられるドア装置の開閉を案内するものであり、かごドア7の敷居及び乗場ドア9の敷居を含む。
また、図3は、かごドア装置8を乗場側から見たかごドア周辺を示す図である。図3のかごドア装置8は、かごドア7を2枚備える。かごドア7は、各かごドア7がそれぞれ左右に開閉する両開きのドアである。
図3に示すように、かごドア7の上部は、ハンガープレート11Aと接続されている。ハンガープレート11Aにはハンガーローラ12Aが設けられている。ハンガーローラ12Aは、ハンガーケース13Aに備えられている。ハンガーケース13Aは、ドアレール14Aを備えており、ハンガーローラ12Aはドアレール14Aに沿って左右に動作することができる。
かごドア装置8の下部には、エレベータ用ドアの敷居100を構成するかご敷居15が設けられている。かご敷居15は、かごドア装置8のかごドア7の開閉を案内する。かご敷居15は、かご敷居本体部16とかご敷居ガイド部17とから構成される。かご敷居本体部16は、例えば金属ブロック素材を切削加工することや、押出成形することで製作することができ、その他の公知の方法で製作してもよい。
かご敷居本体部16は、エレベータ用ドアの敷居100の本体部を構成する。かご敷居本体部16は、かごドア装置8の開閉方向に沿って延在する。かごドア装置8の下部には、摺動部材としてドアシュー19が設けられており、かごドア7の開閉時にドアシュー19がかご敷居本体部16を摺動する。ドアシュー19は、例えばかごドア装置8の下端部に設けられている。かご敷居本体部16は、ドアシュー19を摺動させてかごドア装置8の開閉を案内する溝20を備えている。ドアシュー19がかご敷居本体部16の溝20に沿って移動することでかごドア7の摺動方向を定めているといえる。また、かご1の乗場側下端部には、落下防止のためのエプロン21が設けられている。
かご敷居ガイド部17は、エレベータ用ドアの敷居100のガイド部を構成する。かご敷居ガイド部17は、かご敷居本体部16の両端に設けられている。なお、かご敷居ガイド部17は、かご敷居本体部16の少なくとも一方の端部に設けられていればよい。
かご敷居ガイド部17は、かごドア装置8から離れる方向へかごドア装置8の開閉ストロークに渡り延在している。かご敷居ガイド部17によりかごドア7の摺動方向を定めている。そしてかご敷居ガイド部17は、ドアシュー19を摺動させてかごドア装置8の開閉を案内する。
かごドア7が開閉時にかご敷居本体部16によって案内されるのと同様に、かごドア7は開閉時にかご敷居ガイド部17によって案内される。なお、かごドア7が1枚の場合、すなわち、かごドア7が片開きのかごドア装置8の場合は、かご敷居ガイド部17はかご敷居15の片方の端部に設けられることとなる。かごドア7の構成はこれらに限られず、左右に2枚ずつ又はそれ以上のかごドア7を有するものでもよく他の実施の形態においても同様である。
図4は、図3のA-Aにおける断面図である。図4に示すように、かご敷居ガイド部17は、かご敷居ガイド17Aで構成される。かご敷居15の片方の端部におけるかご敷居ガイド部17は、2つのかご敷居ガイド17Aで構成されている。かご敷居ガイド17Aは、かご敷居15を鉛直方向から見た断面がL字形状となっている。
かご敷居本体部16は、かご敷居本体16Aで構成される。かご敷居ガイド17Aは、かご敷居本体16Aに固定する固定部とかごドア7を案内する案内部を備えている。案内部は、固定部からかごドア装置8の開閉方向に沿ってかごドア7から離れる方向へ延在する。かご敷居ガイド17Aは、固定部をボルトB(以降の図では省略する)によりかご敷居本体部16に締結することでかご敷居本体16Aに固定されている。かご敷居ガイド17Aは、かご敷居本体16Aに固定する固定部とかごドア7を案内する案内部を備えていれば断面の形状がL字形状でなくてもよい。なお、かご敷居ガイド17Aをかご敷居本体16Aに固定する方法は、かごドア7の開閉時にかごドア7の案内を妨げるものでなければ特に限定されない。
かご敷居ガイド17Aは、例えば金属板を折り曲げて製作することができる。これによりかご敷居ガイド17Aの固定部及び案内部を1つの部材で構成することができる。かご敷居ガイド17Aは、断面がL字形状であれば金属板を折り曲げて製作することが容易であり好ましい。また、かご敷居ガイド17Aは、ドアシュー19を前後方向に挟むように2枚設けられている。また、かご敷居ガイド17Aは、かご敷居本体16Aの両端部にそれぞれ2枚ずつ設けられている。
図4に示すように、かご敷居ガイド部17は、かご敷居15の鉛直方向からみると昇降路の上下方向に空気の流通路を形成するように構成されている。すなわち、かご敷居ガイド部17は、かご敷居15を鉛直方向から見たかご敷居本体部16及びかご敷居ガイド部17の断面積の合計が、かご敷居ガイド部17の端部までかご敷居本体部16を延在させた場合のかご敷居15を鉛直方向から見たかご敷居本体部16の断面積よりも小さくなるように構成されている。
このようにかご敷居ガイド部17を構成することで、かご敷居ガイド部17の周辺における空気の流通面積が拡大される。エレベータの動作時にかご敷居15と乗場敷居22が近接することで空気が乱れて騒音が発生することとなるが、本実施の形態のかご敷居ガイド部17を設けたことでかご敷居ガイド部17の周辺における空気の流通面積が拡大されるのでかご敷居15と乗場敷居22が近接した際の空気の乱れによる騒音を低減することができる。その結果、かご1内の静粛性を向上することができる。
なお、かご敷居本体部16の全長は、かごドア7の間口範囲に延在している。これにより利用者の乗降を支持する機能を果たしつつ、全長をかごドア7の間口幅としたことで使用する材料を低減することができ、また、製作が容易となるので製作コストを低減することができる。かご敷居本体部16の全長は、かごドア7の略間口範囲に延在していればよく、厳密にかごドア装置8の間口範囲と等しくする必要はないことはいうまでもない。
続いて乗場ドア9の敷居について、図5及び図6を用いて説明する。図5は、乗場ドア装置10を乗場側から見た乗場ドア周辺を示す図である。図5に示すように、乗場ドア9の上部は、ハンガープレート11Bと接続されている。ハンガープレート11Bにはハンガーローラ12Bが設けられている。ハンガーローラ12Bは、ハンガーケース13Bに備えられている。ハンガーケース13Bは、ドアレール14Bを備えており、ハンガーローラ12Bはドアレール14Bに沿って左右に動作することができる。
乗場ドア装置10の下部には、エレベータ用ドアの敷居100を構成する乗場敷居22が設けられている。乗場敷居22は、乗場ドア装置10の乗場ドア9の開閉を案内する。乗場敷居22は、乗場敷居本体部23と乗場敷居ガイド部24とから構成される。乗場敷居本体部23は、例えば金属ブロック素材を切削加工することや、押出成形することで製作することができ、その他の公知の方法で製作してもよい。
乗場敷居本体部23は、乗場ドア装置10の開閉方向に沿って延在する。乗場ドア装置10の下部には、摺動部材としてドアシュー19が設けられており、乗場ドア9の開閉時にドアシュー19が乗場敷居本体部23を摺動する。ドアシュー19は、例えば乗場ドア装置10の下端部に設けられている。乗場敷居本体部23は、ドアシュー19を摺動させて乗場ドア装置10の開閉を案内する溝20を備えている。ドアシュー19が乗場敷居本体部23の溝20に沿って移動することで乗場ドア9の摺動方向を定めているといえる。
乗場敷居本体部23の全長は、乗場ドア9の略間口幅に延在している。これにより利用者の乗降を支持する機能を果たしつつ、全長を乗場ドア9の間口幅程度としたことで製作を容易にし、使用する材料を低減することができるので製作コストを低減することができる。
乗場敷居ガイド部24は、エレベータ用ドアの敷居のガイド部を構成する。乗場敷居ガイド部24は、乗場敷居本体部23の両端に設けられている。なお、乗場敷居ガイド部24は、乗場敷居本体部23の少なくとも一方の端部に設けられていればよい。
乗場敷居ガイド部24は、水平方向へ乗場ドア装置10から離れる方向へ乗場ドア装置10の開閉ストロークに渡り延在している。乗場敷居ガイド部24により乗場ドア9の摺動方向を定めている。そして乗場敷居ガイド部24は、ドアシュー19を摺動させて乗場ドア装置10の開閉を案内する。
かごドア7が開閉時にかご敷居本体部16によって案内されるのと同様に、乗場ドア9は開閉時に乗場敷居ガイド部24によって案内される。なお、乗場ドア9が1枚の場合、すなわち、乗場ドア9が片開きの乗場ドア装置10の場合は、乗場敷居ガイド部24は乗場敷居22の片方の端部に設けられることとなる。乗場ドア9の構成はこれらに限られず、左右に2枚ずつ又はそれ以上の乗場ドア9を有するものでもよく他の実施の形態においても同様である。
図6は、図5のA-Aにおける断面図である。図6に示すように、乗場敷居ガイド部24は、乗場敷居ガイド24Aで構成される。乗場敷居22の片方の端部における乗場敷居ガイド部24は、2つの乗場敷居ガイド24Aで構成されている。乗場敷居ガイド24Aは、乗場敷居22を鉛直方向から見た断面がL字形状となっている。
乗場ドア9が開閉時に乗場敷居本体部23によって案内されるのと同様に、乗場ドア9は開閉時に乗場敷居ガイド24Aによって案内される。なお、乗場ドア9が1枚の場合、すなわち、乗場ドア9が片開きの乗場ドア装置10の場合は、乗場敷居ガイド24Aは乗場敷居22の片方の端部に設けられることとなる。乗場ドア9の構成はこれらに限られず、左右に2枚ずつ又はそれ以上の乗場ドア9を有するものでもよく他の実施の形態においても同様である。
乗場敷居本体部23は、乗場敷居本体23Aで構成される。乗場敷居ガイド24Aは、乗場敷居本体23Aに固定する固定部と乗場ドア9を案内する案内部を備えている。案内部は、固定部から乗場ドア装置10の開閉方向に沿って乗場ドア9から離れる方向へ延在する。乗場敷居ガイド24Aは、固定部を例えばボルト(図示しない)により乗場敷居本体23Aに締結することで乗場敷居本体23Aに固定されている。乗場敷居ガイド24Aは、乗場敷居本体23Aに固定する固定部と乗場ドア9を案内する案内部を備えていれば断面の形状がL字形状でなくてもよい。なお、乗場敷居ガイド24Aを乗場敷居本体23Aに固定する方法は、乗場ドア9の開閉時に乗場ドア9の案内を妨げるものでなければ特に限定されない。
図6に示すように、乗場敷居ガイド24Aは、乗場敷居22の鉛直方向からみると昇降路の上下方向に空気の流通路を形成するように構成されている。すなわち、乗場敷居ガイド部24は、乗場敷居22を鉛直方向から見た乗場敷居本体部23及び乗場敷居ガイド部24の断面積の合計が、乗場敷居ガイド部24の端部まで乗場敷居本体部23を延在させた場合の乗場敷居22を鉛直方向から見た乗場敷居本体部23の断面積よりも小さくなるように構成されている。
このように乗場敷居ガイド部24を構成することで、乗場敷居ガイド部24の周辺における空気の流通面積が拡大される。エレベータの動作時にかご敷居15と乗場敷居22が近接することで空気が乱れて騒音が発生することとなるが、本実施の形態の乗場敷居ガイド部24を設けたことで乗場敷居ガイド部24の周辺における空気の流通面積が拡大されるのでかご敷居15と乗場敷居22が近接した際の空気の乱れによる騒音を低減することができる。その結果かご内の静粛性を向上することができる。
以上の通り、本実施の形態ではかご敷居ガイド部17及び乗場敷居ガイド部24を備えるエレベータ用ドアの敷居について説明したが、かご敷居ガイド部17と乗場敷居ガイド部24は、いずれか一方をエレベータ用ドアの敷居100に設ければよく、そうすることでかご敷居15と乗場敷居22が近接した際の空気の乱れによる騒音を低減することができる。また、かごにのみかご敷居ガイド部17をエレベータ用ドアの敷居に設けることで、乗場のみにかご敷居ガイド部24を設けた場合と比較して低コストでかご敷居15と乗場敷居22が近接した際の空気の乱れによる騒音を低減することができる。本実施の形態で説明した通り、かご敷居ガイド部17及び乗場敷居ガイド部24を設けることでよりかご内の静粛性を向上できることはいうまでもない。
なお、かご敷居ガイド部17及び乗場敷居ガイド部24の構成は断面がL字形状のガイドとしたが、これに限定されるものではなく、かご敷居ガイド部17及び乗場敷居ガイド部24の周辺の空気の流通面積を拡大することができるものであれば種々の形状を採用することができる。また、各ガイド部のガイドにリブを備えることでガイド部における上下方向(鉛直方向)に作用する荷重に対する強度を向上させることができる。
実施の形態2.
実施の形態2に係るエレベータ用ドアの敷居100について説明する。図7は、実施の形態2に係るかご敷居15の平面図の一部を示した図である。また、図8は、実施の形態2に係るかご敷居15の正面図の一部を示した図である。
以下の説明では、実施の形態1とは異なる構成について主に説明し、実施の形態1と同様である構成については適宜説明を省略する。実施の形態2に係るかご敷居15は、かご敷居ガイド部17が傾斜板26を備える点で実施の形態1に係る構成と異なる。
図7に示す通り、かご敷居15は、かご敷居本体部16とかご敷居ガイド部17から構成される。かご敷居本体部16の構成は実施の形態1と同様であるため説明は省略する。かご敷居ガイド部17は、複数の傾斜板26を備えている。複数の傾斜板26は2枚のかご敷居ガイド17Aの間に設けられている。
図8に示す通り、複数の傾斜板26は、かごドア装置を乗場側から見てかごドア7から離れる方向へ傾斜して設けられている。このように傾斜板26を設けることで、かご1の降下中においてかご敷居周辺の空気の流れを傾斜板26に沿ってかごから離れる方向へ導くことができ、かご1が降下中に流れる空気がかごに衝突して発生する衝突音を低減することができる。また、傾斜板26を設けることで、かご敷居ガイド部17の剛性を向上できる。これにより、かご敷居15に作用する上下方向の荷重によりかご敷居15が変形することを抑制することができる。
傾斜板26は、傾斜板26の上端部がドアシュー19と干渉しないようにかご敷居本体部16の溝20の下端部よりも下方となるように設けられる。なお、傾斜板26は複数設ける必要はなく、少なくとも1つの傾斜板26を設けることでかご1が降下中のかご敷居15の周辺の空気の流れを傾斜板26に沿ってかご1から離れる方向へ導くことができる。また、傾斜板26の上端部をかご敷居本体部16の溝20の下端部よりも下方となるようすることは、必ずしも必要ではない。その場合は、かごドア7の開閉時のストローク幅よりも外側にのみ傾斜板26を設ければよい。
傾斜板26は、2枚のかご敷居ガイド17Aを接続するように設けることができる。傾斜板26は、例えば金属板を2枚のかご敷居ガイド17Aに溶接により設置することができる。また、傾斜板26は、1つの部品により形成されるかご敷居ガイド17Aに切り込みを入れて、折り曲げ加工することで形成してもよい。その場合は、かご敷居ガイド部17の部品点数を削減することができるのでコストを低減することができる。
図9は、かご敷居15及び乗場敷居22の平面図の一部を示す図である。このように本実施の形態ではかご敷居15と同様の傾斜板26を乗場敷居22の乗場敷居ガイド部24にも設けている。乗場敷居ガイド部24に設ける傾斜板26は、上述の乗場敷居ガイド部24の傾斜板26と同様の構成を適用することができるため説明は省略する。このように、乗場敷居ガイド部24にも傾斜板26を設けることでかご1から離れる方向へ空気の流れを導くことができるためかご1に空気が衝突することによる衝突音をさらに低減することができる。
実施の形態3.
実施の形態3に係るエレベータ用ドアの敷居100について説明する。図10ないし図12は、実施の形態3に係るかご敷居15の正面図の一部を示した図である。
以下の説明では、実施の形態1及び実施の形態2とは異なる構成について主に説明し、実施の形態1及び実施の形態2と同様である構成については適宜説明を省略する。実施の形態3に係るかご敷居15は、かご敷居ガイド部17が備える傾斜板26が回転軸27を有しており、回転軸27により回転可能に構成されている点で他の実施の形態に係る構成と異なる。
図10は、かご1が停止中のかご敷居15の正面図の一部を示す図であり、図11は、かご1が上昇中のかご敷居15の正面図の一部を示す図であり、図12は、かご1が降下中のかご敷居15の正面図の一部を示す図である。また、図11及び図12にはかご1の動作時の空気の流れ(気流)の方向を模式的に示している。かご敷居ガイド部17には複数の傾斜板26が設けられている。傾斜板26は、上端部に回転軸27を備えている。すなわち、複数の傾斜板26は、それぞれの上端部に回転軸27を備えている。
図10に示す通り、傾斜板26は、かご1が停止中はかごドア7とは反対方向へ傾斜した姿勢となるように構成されている。傾斜板26は、例えばばねや磁石などの付勢体28によりかご1が停止中に傾斜した姿勢となるように構成することができる。本実施の形態では付勢体28としてバネを備えている。傾斜板26は、バネの弾性力により傾斜した姿勢を維持される。
図11に示す通り、傾斜板26は、かご1が上昇中に上方から下方へ空気が流れることにより風圧を受けることとなる。これにより傾斜板26が回転軸27を軸として紙面の時計回りへ回転するとともに傾斜板26に接続されたばね(図示しない)が伸長し、傾斜板26は水平方向に対して90度である鉛直姿勢となる位置で停止する。傾斜板26は、かご1の上昇中は空気から受ける風力がばねの弾性力とバランスすることで鉛直姿勢を保つこととなる。これにより、かご1の上昇中は、傾斜板26が空気の流れを下方へ導くので傾斜板26が傾斜している場合に生じるかごに向かう空気の流れを抑制し、空気がかごに衝突することで生じる衝突音を低減することができる。なお、かご敷居ガイド部17は、傾斜板26を係止する係止部材29を更に備えるようにしてもよい。そうすることで傾斜板26は、空気のから受ける風力による回転を鉛直姿勢となる位置で係止することができる。係止部材29は、例えば金属の部材により構成することができる。
図12に示す通り、傾斜板26は、かご1が降下中はかご敷居15の端部側へ傾斜する姿勢を保つこととなる。これにより、かご1の降下中は、かご敷居15の周辺の空気の流れを傾斜板26に沿ってかごから離れる方向へ導くことができ、空気がかご1の方向へ向かいかごに衝突して生じる衝突音を低減することができる。
かご敷居ガイド部17は、傾斜板26の回転動作を係止する係止部材29を備えている。かご1が降下中は、傾斜板26は、下方から上方へ流れる空気により風圧を受けて回転軸27を軸として回転するが、かご敷居ガイド部17に設けられた係止部材29により傾斜板26の回転を係止することができる。すなわち、係止部材29の位置を調整することで傾斜板26の回転動作により傾斜する角度を調整することができる。これによりかご1の方向へ向かう空気がかごに衝突して生じる衝突音を更に低減することができる。
以上、本開示の実施の形態について説明したが、本開示のエレベータ用ドアの敷居100は、実施の形態1から実施の形態3で説明した形態には限られず、本開示の内容の一部を示すものである。本開示のエレベータ用ドアの敷居100は、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、適宜、組み合わせる等、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 かご、2 上梁、3 下梁、4 縦柱、5 ロープ、6 カウンターウェイト、7 かごドア、8 かごドア装置、9 乗場ドア、10 乗場ドア装置、11 ハンガープレート、12 ハンガーローラ、13 ハンガーケース、14 ドアレール、15 かご敷居、16 かご敷居本体部、16A かご敷居本体、17 かご敷居ガイド部、17A かご敷居ガイド、19 ドアシュー、20 溝、21 エプロン、22 乗場敷居、23 乗場敷居本体部、23A 乗場敷居本体、24 乗場敷居ガイド部、24A 乗場敷居ガイド、26 傾斜板、27 回転軸、28 付勢体、29 係止部材、100 エレベータ用ドアの敷居

Claims (7)

  1. エレベータに設けられるドア装置の開閉を案内するエレベータ用ドアの敷居であって、
    前記ドア装置の開閉方向に沿って延在し、前記ドア装置の下部に設けられる摺動部材を摺動させて前記ドア装置の開閉を案内する溝を有する本体部と、
    前記本体部の少なくとも一方の端部から前記ドア装置から離れる方向へ前記ドア装置の開閉ストロークに渡り延在し、前記摺動部材を摺動させて前記ドア装置の開閉を案内するするガイド部と、を備え、
    前記エレベータ用ドアの敷居を鉛直方向から見た前記本体部及び前記ガイド部の断面積の合計が、前記ガイド部の端部まで前記本体部を延在させた場合の前記エレベータ用ドアの敷居を鉛直方向から見た前記本体部の断面積よりも小さい、エレベータ用ドアの敷居。
  2. 前記本体部は、前記ドア装置の開閉方向に沿って前記ドア装置の間口範囲に延在する請求項1に記載のエレベータ用ドアの敷居。
  3. 前記ガイド部は、前記本体部の端部に固定する固定部と、前記固定部から前記ドア装置の開閉方向に沿って延在する案内部とを備え、
    前記ガイド部は、前記エレベータ用ドアの敷居を鉛直方向から見た断面がL字形状をなしている請求項1または2に記載のエレベータ用ドアの敷居。
  4. 前記エレベータ用ドアの敷居は、かごに設けられるかごドア装置のかごドアを案内するかご敷居と、乗場に設けられる乗場ドア装置の乗場ドアを案内する乗場敷居とを備え、
    前記かご敷居は、前記かごドア装置の開閉を案内するかご敷居本体部と、前記かご敷居本体部の少なくとも一方の端部から前記かごドア装置から離れる方向へ前記かごドア装置の開閉ストロークに渡り延在し、前記かごドア装置の開閉を案内するかご敷居ガイド部とを備え、
    前記かご敷居を鉛直方向から見た前記かご敷居本体部及び前記かご敷居ガイド部の断面積の合計が、前記かご敷居ガイド部の端部まで前記かご敷居本体部を延在させた場合の前記かご敷居を鉛直方向から見た前記かご敷居本体部の断面積よりも小さく、
    前記乗場敷居は、前記乗場ドア装置の開閉を案内する乗場敷居本体部と、前記乗場敷居本体部の少なくとも一方の端部から前記乗場ドア装置から離れる方向へ前記乗場ドア装置の開閉ストロークに渡り延在し、前記乗場ドア装置の開閉を案内する乗場敷居ガイド部とを備え、
    前記乗場敷居を鉛直方向から見た前記乗場敷居本体部及び前記乗場敷居ガイド部の断面積の合計が、前記乗場敷居ガイド部の端部まで前記乗場敷居本体部を延在させた場合の前記乗場敷居を鉛直方向から見た前記乗場敷居本体部の断面積よりも小さい、請求項1に記載のエレベータ用ドアの敷居。
  5. 前記かご敷居ガイド部は、前記ドア装置を乗場側から見て前記かごドアから離れる方向へ傾斜した傾斜板を備える請求項4に記載のエレベータ用ドアの敷居。
  6. 前記かご敷居ガイド部は、複数の前記傾斜板を備える請求項5に記載のエレベータ用ドアの敷居。
  7. 前記傾斜板は、回転軸を備え、前記回転軸を軸として回転可能となっており、
    前記かごが停止中及び降下中の場合は、前記ドア装置を乗場側から見て前記かごドアから離れる方向へ傾斜した姿勢となっており、
    前記かごが上昇中の場合は、前記かご敷居ガイド部の周辺を流れる空気により風圧を受けて前記回転軸を軸として前記かごドアから離れる方向へ回転する請求項5または6に記載のエレベータ用ドアの敷居。
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