JP7229529B2 - 冷媒回収再生充填方法 - Google Patents
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Description
このため、一般の車両の空調機器には、旧冷媒を用いるものと、新冷媒を用いるものがある。
しかしながら、当該冷媒回収再生充填装置と接続する車両に混合冷媒が封入されている場合には、冷媒回収タンク内の冷媒の純度が高いものであっても、混合冷媒が混入し、当該冷媒回収再生充填装置の管路や冷媒が汚染され、冷媒の品質の低下を生ずることとなる。また、その後に他の車両を接続した場合に、前記冷媒回収タンク内の汚染された混合冷媒を充填すれば、当該他の車両への混合冷媒の混入の危険性が生ずるのである。
このため、冷媒を補充するための構成を備えるものであっても、通常回収タンクには回収液化再生冷媒が貯留されている。
更に、混合冷媒は、旧冷媒或いは新冷媒のいずれかのみを使用する場合と比較しても空調機器の性能面において大きく変わらないため、車両の所有者の問題意識が希薄となりやすく、今後、混合冷媒の蔓延に伴い上記問題が大きく表面化する懸念がある。
このため、当該混合冷媒による汚染を拡散させないことが望まれる。
このため、当該車両については、混合冷媒の解消には至らないものの、オイルの分離や水分の除去がされることで、冷媒の再生が可能である。
以下、詳細について説明する。
当該冷媒回収再生充填装置は、上記旧冷媒(HFC-134a)、若しくは上記新冷媒(HFO-1234yf)のいずれか一種類を対象として使用する冷媒回収再生充填装置である。
また接続部5は、前記ホース及び各ゲージの接続される配管内を洗浄するための洗浄手段接続口50を備えている。
第1オイルセパレータ40は冷媒中のオイルを最も多く分離する、メインのオイルセパレータであり、第2オイルセパレータ41Aは残留したオイルを主として分離するものであり、第3オイルセパレータ41Bは残留する微量のオイルを除去する高分離能を有するものである。
当該各オイルセパレータ40、41A、41Bは、分離したオイルを貯留する廃油タンクに接続した構成としている。
当該構成は、より具体的には、当該内蔵タンク1の下部に、送出用管路75と投入用管路74とが共用される管路が直接接続され、その後、送出用管路75と投入用管路74とが分岐する構成としている。
また、投入用管路74には第1電磁弁V1及び第1逆止弁V10、送出用管路75には第2電磁弁V2及び第2逆止弁V20、圧送管路76には第3電磁弁V3及び第3逆止弁V30を設けている。
前記各電磁弁V1、V2、V3はいずれも各工程の流路に応じて図示されない制御装置によって開閉の制御がされる。
即ち、本発明に係る冷媒回収再生充填方法を行うことで、内蔵タンク1内の冷媒は車両1台の空調機器の処理に対応して、再生冷媒を全て充填させるため、一般的な大型の冷媒回収容器(大型の内蔵タンク)が不要となる。本実施例の内蔵タンク1の内容量は、具体的には、2.2L程度とし、従来の一般的な冷媒回収タンクの容量(例えば、7Lから20L程度)から大幅に小型化させている。
接続部5から前記第1オイルセパレータ40、ドライフィルタ63を経由する第1共通管路70としている。前記ドライフィルタ63、真空ポンプ61を経由する管路を真空引き側管路72としている。前記ドライフィルタ63を経由後のコンプレッサ60、第2オイルセパレータ41A、第3オイルセパレータ41B、コンデンサ62を経由し内蔵タンク1に至る前の分岐点までの管路を第2共通管路71としている。前記第2共通管路71から分岐し内蔵タンク1の上部に至る管路を前記圧送管路76としている。前記第2共通管路71から分岐し前記内蔵タンク1の下部に至る管路を前記投入用管路74としている。当該内蔵タンク1の下部から前記第1共通管路70までを接続する管路を前記送出用管路75としている。また、補充用冷媒供給缶3からドライフィルタ63までを接続する冷媒供給経路77を有する。
先ず、回収工程においては、車両の空調機器C1と、冷媒回収再生充填装置の装置本体における接続部5のホースとを接続する。次に前記コンプレッサ60を動作させ、車両の空調機器C1中の回収冷媒を前記装置本体内の内蔵タンク1へ吸引する。回収・再生経路を図1中、黒矢印で表示している。
尚、第2電磁弁V2、第3電磁弁V3はいずれも閉状態である。
内蔵タンク1に付設された計量器2によって、当該内蔵タンク1内に回収された再生液体冷媒の内容量が計測される。
その後、車両の空調機器C1の水分を除去すべく、真空ポンプ61により真空引きを行うことにより、車両の空調機器C1から第1オイルセパレータ40、ドライフィルタ63から真空ポンプ61へ至る経路(即ち、共通管路70及び真空引き側管路72)を、真空乾燥する。本工程によって、車両の空調機器中の水分が除去される。
真空引きの経路を図2中の白矢印にて表示している。
次に、前記内蔵タンク内に回収された液化再生冷媒に対して、当該液化再生冷媒の内容量の差分の重量分だけ、新規な液体冷媒を補充する。
液体冷媒の補充の経路を図3中の黒矢印にて表示している。
前記コンプレッサ60を用いることによって、補充用冷媒供給缶3から冷媒供給経路77、ドライフィルタ63、回収側管路71、当該コンプレッサ60、第2オイルセパレータ41A、第3オイルセパレータ41B、コンデンサ62、投入側管路74から更に第1電磁弁V1を通じて、前記内蔵タンク1に補充する。
新規な液体冷媒の補充は、本実施例の全工程1サイクル毎に行われる。
補充量は、あらかじめ当該冷媒回収再生充填装置に設定した規定冷媒重量から前記計測器2で計測された回収冷媒の重量の差分(追加量)とする。
その後、補充用冷媒供給缶3から気体冷媒を圧送し、内蔵タンク1内の液体冷媒を当該内蔵タンク1の下部から、第2電磁弁V2、充填側管路73を経由して、車両の空調機器C1へ充填する。内蔵タンク1の上部から気体冷媒を圧送する経路を図3中、斜線入り矢印にて表示している。
車両の空調機器C1への液体冷媒の圧送充填後は、回収タンクには圧送後の新規の気体冷媒が残留することとなる。
内蔵タンク1まで気体の状態で圧送するため、本実施例1では、コンデンサ62のファン62Aを停止させることで、高圧高温ガスで、液化させないようにしている。
尚、この際には、第1電磁弁V1は閉、第2電磁弁V2及び第3電磁弁V3は開となる。
また第1接続部5Aは前記ホース及び各ゲージの接続される配管内を洗浄するための洗浄手段接続口50Aを、第2接続部5Bは洗浄手段接続口50Bを備えている。
ここで、前記各オイルセパレータ40、41A、41B、ドライフィルタ63、コンプレッサ60、コンデンサ62、真空ポンプ61、冷媒残量検知装置770は実施例1と共通するものである。尚、冷媒残量検知装置770は二基の補充用冷媒供給缶3A、3Bに対応して二基備えたものとしている。
冷媒供給管路77は、第1補充用冷媒供給缶3A及び第2補充用冷媒供給缶3Bを選択的に使用可能とするために分岐させ、切換弁V5を設けた構成としている。また、回収側管路71における内蔵タンク側の管路を第1投入用管路74A、第2投入用管路74B、気体圧送用管路76に分岐させ、更に前記気体圧送用管路76を第1気体圧送用管路76Aと第2気体圧送用管路76Bに分岐させ第1内蔵タンク1A、第2内蔵タンク1Bの夫々の上部に接続する構成としている。
また、第1内蔵タンク1Aの下部から送出用管路75Aが、第2内蔵タンク1Bの下部から75Bが、夫々充填側管路73へ接続した構成としている。
先ず、回収工程においては、車両の空調機器C1と冷媒回収再生充填装置の装置本体における第1接続部5A(又は第2接続部5B)のホースとを接続する。
次に前記コンプレッサ60を動作させ、車両の空調機器C2又はC3中の回収冷媒を前記装置本体へ吸引する。車両の空調機器C1から装置本体の内蔵タンク1への回収経路を図4中、旧冷媒を選択した場合は白矢印、新冷媒を選択した場合は黒矢印で表示している。
吸引した回収冷媒は、実施例1と同様に、装置本体内の前記各オイルセパレータ40に送られ回収冷媒中に混在したオイルを分離除去される。更にドライフィルタ63を通過させ、第2オイルセパレータ41A及び第3オイルセパレータ41Bへ順次送られ、再生冷媒とする。
内蔵タンク1A、内蔵タンク1Bの選択は、第5電磁弁V7A、第7電磁弁V7B、第8電磁弁V8A、第9電磁弁V8Bを閉とし、第4電磁弁V6A、第6電磁弁V6Bを選択的に開又は閉とすることで可能となる。
内蔵タンク1A(1B)に付設された計量器2A(2B)によって再生冷媒の内容量を計測する。
真空引き工程は、実施例1と共通する。真空引きの経路を、図5中に示す。旧冷媒については白矢印にて表示し、新冷媒については黒矢印にて表示している。
補充工程は、前記いずれかの内蔵タンク内1A(1B)に回収された液化再生冷媒に対して、当該液化再生冷媒の内容量の差分の重量分だけ、第1補充用冷媒供給缶3A(若しくは第2補充用冷媒供給缶3B)から新規な液体冷媒を補充する。第1補充用冷媒供給缶3A、第2補充用冷媒供給缶3Bの選択は、切換弁V5の切換によって行うことができる。
補充の際の冷媒は、気体冷媒をコンデンサ62で液化することによって、内蔵タンク1A(1B)に液体冷媒として補充する。
当該冷媒補充の経路を、図6中に示す。旧冷媒については筋入り白矢印にて表示し、新冷媒については筋入り黒矢印にて表示している。
気体冷媒の圧送は、前記コンプレッサを用い、気体圧送用管路76を経由し、第3電磁弁V3を通じて内蔵タンク1A(1B)の上部から行う。
内蔵タンク1A(1B)まで気体の状態で圧送するため、本実施例2は実施例1と同様に、コンデンサ62のファン62Aを停止させることで、高圧高温ガスで、液化させないようにしている。
選択された内蔵タンク1A(1B)内の液体冷媒を、当該選択された内蔵タンク1A(1B)の下部から、第5電磁弁V7A(若しくは第7電磁弁V7B)、送出用管路75A(若しくは送出用管路75B)、充填側管路73を経由して、車両の空調機器C1へ液体の状態で圧送充填する。
充填の経路を、図6中に示す。旧冷媒については白矢印にて表示し、新冷媒については黒矢印にて表示する。また、気体冷媒の圧送の経路を図6中の斜線入り矢印で表示している。
またこれらの構成は、共通管路70に接続した構成としているが、他の管路に接続する構成とすることもできる。
充填・圧送工程において、添加されたオイル等は車両の空調機器へ、配管内に残ったオイルは液体冷媒の圧送とともに車両の空調機器内に充填させることができる。
1.5Lを下回る場合には、比較的大型の空調機器に接続すると、回収冷媒量が多くなり、その回収冷媒の全量を回収することが困難となりやすい点で不利となる。また2.5Lを超える場合には、内蔵タンクの容量の増加に伴い内蔵タンクの重量が増加することに加え、気体ガスの圧送時に不必要に圧送される気体冷媒量が増加する点で不利となる。
1A 内蔵タンク(実施例2:旧冷媒用)
1B 内蔵タンク(実施例2:新冷媒用)
2 計量器(実施例1)
2A 計量器(実施例2:旧冷媒用)
2B 計量器(実施例2:新冷媒用)
3 補充用冷媒供給缶
3A 第1補充用冷媒供給缶(実施例2:旧冷媒用)
3B 第2補充用冷媒供給缶(実施例2:新冷媒用)
40 第1オイルセパレータ
41A 第2オイルセパレータ(主分離用)
41B 第3オイルセパレータ(高分離用)
5 接続部(実施例1)
50 洗浄手段接続口
50A 洗浄手段接続口
50B 洗浄手段接続口
5A 第1接続部(実施例2:旧冷媒用)
5B 第2接続部(実施例2:新冷媒用)
60 コンプレッサ
61 真空ポンプ(実施例1、2)
62 コンデンサ(実施例1、2)
62A 冷却ファン
63 ドライフィルタ(実施例1、2)
65 高圧側ゲージ
65A 高圧側ゲージ
65B 高圧側ゲージ
66 低圧側ゲージ
66A 低圧側ゲージ
66B 低圧側ゲージ
70 共通管路
71 回収側管路
72 真空引き側管路
73 充填側管路
74 投入用管路(実施例1)
74A 第1投入用管路(実施例2:旧冷媒用)
74B 第2投入用管路(実施例2:新冷媒用)
75 送出用管路(実施例1)
75A 送出用管路(実施例2:旧冷媒用)
75B 送出用管路(実施例2;新冷媒用)
76 気体圧送用管路
76A 気体圧送用回路(実施例2:旧冷媒用)
76B 気体圧送用回路(実施例2:新冷媒用)
77 冷媒供給管路
770 冷媒残量検知装置
771 装置本体
772 発光器
773 受光器
774 フロート
775 透光部
776 冷媒
8A オイル(PAG)供給ボトル
8B オイル(POE)供給ボトル
80A オイル(PAG)用計量器
80B オイル(POE)用計量器
9A オイル(PAG)入り冷媒(旧冷媒)供給缶
9B オイル(POE)入り冷媒(新冷媒)供給缶
90A オイル(PAG)入り冷媒(旧冷媒)供給缶
90B オイル(POE)入り冷媒(旧冷媒)供給缶
91A オイル(PAG)入り冷媒(新冷媒)供給缶
91B オイル(POE)入り冷媒(新冷媒)供給缶
C1 車両の空調機器
C2 車両の空調機器
C3 車両の空調機器
V1 第1電磁弁
V10 第1逆止弁
V2 第2電磁弁
V20 第2逆止弁
V3 第3電磁弁
V30 第3逆止弁
V4 切換弁
V5 切換弁
V6A 第4電磁弁
V7A 第5電磁弁
V6B 第6電磁弁
V7B 第7電磁弁
V8A 第8電磁弁
V8B 第9電磁弁
V60A 第4逆止弁
V70A 第5逆止弁
V60B 第6逆止弁
V70B 第7逆止弁
V80A 第8逆止弁
V80B 第9逆止弁
Claims (2)
- 車両の空調機器と接続するための接続部と、前記空調機器から冷媒を吸引回収するためのコンプレッサと、前記空調機器からの回収冷媒中のオイルを分離するオイルセパレータと、水分除去手段と、真空ポンプと、冷媒を液化するためのコンデンサと、液化された前記冷媒を計量可能な内蔵タンクと、再生冷媒量が減少した場合に新たな冷媒を供給するための冷媒補充部とを備える冷媒回収再生充填装置を用い、
車両の空調機器の冷媒を回収再生する冷媒回収再生工程と、真空引き工程と、再生冷媒を車両の空調機器に充填する充填工程を備え、前記充填工程において、再生冷媒の重量が車両の規定冷媒重量よりも少ない場合には前記冷媒補充部から冷媒を内蔵タンクに供給する冷媒回収再生充填方法において、
前記内蔵タンクの上部には、気体冷媒により当該内蔵タンク内へ圧力を付与するための気体圧送用管路が接続されており、
当該内蔵タンクの下部は、液体冷媒を送出可能とする送出用管路と、液体冷媒を導入する投入用管路と接続されており、
前記冷媒回収再生工程は、冷媒回収前の段階において前記内蔵タンクの内部に前記車両の液体冷媒が貯留しない状態を保持しており、その後に車両の空調機器の冷媒を再生しつつ内蔵タンク内に回収し、
前記充填工程は、再生冷媒の重量が車両の規定冷媒重量よりも少ない場合には、
前記規定冷媒重量から前記再生冷媒の重量の差分となる不足量の冷媒を、前記冷媒補充部から液体冷媒として前記内蔵タンクへ補充し、
前記冷媒補充部から気体冷媒を前記内蔵タンクの上部から圧送することによって、前記内蔵タンク内の全液体冷媒を車両の空調機器に充填するとともに、前記内蔵タンク内の液体冷媒をなくすことを特徴とする冷媒回収再生充填方法。 - 前記内蔵タンクは、車両一台の空調機器の冷媒容量に対応する内容量1.5L~2.5Lの小型内蔵タンクであることを特徴とする請求項1に記載の冷媒回収再生充填方法。
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