以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図17は、本実施の形態に係る鍵管理機およびこのような鍵管理機による鍵管理方法を示す図である。なお、図7、図8等において、キーホルダにより保持される鍵を参照符合Wで示す。
図1に示すように、本実施の形態による鍵管理機10は略直方体形状の筐体12を有しており、この筐体12の前面には開閉可能な前面扉20が設けられている。なお、図1は、前面扉20が開いており筐体12の内部に収容されている各キーホルダ40(後述)に操作者がアクセス可能な状態が示されている。また、前面扉20を施錠するための扉施錠部22(図13参照)が筐体12の内部に設けられている。ここで、扉施錠部22により前面扉20が施錠されている場合には、操作者は前面扉20を開くことができないようになる。一方、扉施錠部22による前面扉20の施錠が解錠されると、操作者は前面扉20を開いて筐体12の内部にアクセスすることができるようになる。また、筐体12の上面には取っ手14が設けられており、操作者はこの取っ手14を掴むことにより鍵管理機10の持ち運びを行うことができるようになっている。より詳細には、取っ手14は図1に示すような筐体12の上面に沿って倒れている状態から手で起こして立位状態(すなわち、筐体12の高さ方向に沿って延びるような状態)とすることができるようになっており、操作者は鍵管理機10の持ち運びを行う際に立位状態となった取っ手14を掴むようになる。
本実施の形態では、鍵管理機10の筐体12の内部に、当該鍵管理機10の各構成部材に電力を供給するための電源(バッテリー)が設けられている。また、筐体12には図示しない電源スイッチが設けられており、操作者がこの電源スイッチをオンとすることにより鍵管理機10の各構成部材に電力が供給されるようになっている。このように、本実施の形態による鍵管理機10は外部から電力の供給を受けることなく単体で使用することができるようになっている。
図1および図2に示すように、筐体12の内部には、鍵(図1および図2では図示せず)がそれぞれ取り付けられた複数のキーホルダ40(管理部材)が収容されるホルダ収容領域30が設けられている。また、このホルダ収容領域30には、キーホルダ40が収容されるホルダ収容部32が複数設けられている。具体的には、図1に示すように、複数のホルダ収容部32は筐体12の高さ方向に沿って3列に並ぶよう配置されており、各列には10個のホルダ収容部32が筐体12の幅方向に沿って並ぶよう設けられている。このようにして、ホルダ収容領域30には合計30個のホルダ収容部32が設けられるようになり、各ホルダ収容部32にそれぞれキーホルダ40が収容されるようになる。また、3列の各ホルダ収容部32のうち上段の各ホルダ収容部32には左から順に1~10の識別番号が付されており、中段の各ホルダ収容部32には左から順に11~20の識別番号が付されており、下段の各ホルダ収容部32には左から順に21~30の識別番号が付されている。このようなホルダ収容部32の構成の詳細について図2乃至図5等を用いて以下に説明する。
図2に示すように、ホルダ収容領域30には筐体12の高さ方向に沿って延びるホルダ収容プレート30aが設けられており、当該ホルダ収容プレート30aにはキーホルダ40が通過する開口30bが各ホルダ収容部32に対応して設けられている。ここで、ホルダ収容プレート30aの表面(おもてめん)における各開口30bの上側には、当該開口30bに対応するホルダ収容部32の識別番号が記載されるようになっている。また、各ホルダ収容部32にはそれぞれ導光体34が取り付けられるようになっており、この導光体34にはキーホルダ40が挿入される穴が中央に形成されている。このような導光体34がホルダ収容部32に取り付けられたとき、開口30bを介して操作者は筐体12の前面側から当該導光体34を見ることができるようになっている。また、導光体34は後述するLED32dから発せられた各色の光を受けることにより各色に光るようになっている。
図2に示すように、各ホルダ収容部32には、ホルダ収容プレート30aの各開口30bを通過したキーホルダ40が収容される収容穴32aが設けられている。具体的には、収容穴32aには、ホルダ収容プレート30aの各開口30bを通過したキーホルダ40における奥側の約半分の部分が収容されるようになっている。また、図3乃至図5に示すように、各ホルダ収容部32には、当該ホルダ収容部32の収容穴32aに収容されたキーホルダ40をホルダ収容部32から抜き取り不可となるようロックするロック機構36が設けられている。ここで、図3乃至図5に示すように、ロック機構36は、ソレノイド38と、当該ソレノイド38により動作されるレバー部材38aと、レバー部材38aに取り付けられたバネ39とを有しており、ソレノイド38によりレバー部材38aが図3や図4における上下方向(図3における矢印方向)に動作されることによってロック機構36によりキーホルダ40がロックされたり当該ロック機構36によるキーホルダ40のロックが解除されたりするようになっている。
より詳細には、図5に示すように、キーホルダ40の底面には凹部40cが形成されているとともに、レバー部材38aの上部にはこの凹部40cに係合可能な係合部分38bが設けられている。ここで、係合部分38bには傾斜面が形成されているとともに、凹部40cにも係合部分38bの傾斜面に対応して傾斜面が形成されている。そして、ソレノイド38が駆動されていない状態では、レバー部材38aは図5(b)に示す箇所に位置するようになる。このときに、ホルダ収容部32の収容穴32aにキーホルダ40が既に収容されている場合には当該キーホルダ40の凹部40cにレバー部材38aの係合部分38bが挿入されることによってこのキーホルダ40はホルダ収容部32の収容穴32aから抜けなくなる。また、ソレノイド38が駆動されておらず、レバー部材38aが図5(b)に示す箇所に位置しているときに、操作者がホルダ収容部32の収容穴32aにキーホルダ40を収容しようとすると、このキーホルダ40の奥側(すなわち、図5における右側)の下端縁が係合部分38bの傾斜面に当たることによりレバー部材38aはバネ39による力に抗して図5(b)における下方に移動する。その後、ホルダ収容部32の収容穴32aにキーホルダ40が完全に収容されると、バネ39によってレバー部材38aが図5(b)における上方向に押されることによりキーホルダ40の凹部40cにレバー部材38aの係合部分38bが挿入されるようになる。一方、図5(b)に示すようにホルダ収容部32の収容穴32aにキーホルダ40が収容されている状態でソレノイド38が駆動されると、このソレノイド38はレバー部材38aを図5(b)における下方に引っ張ることにより当該レバー部材38aはバネ39による力に抗して図5(b)における下方に移動する。このことにより、図5(a)に示すようにレバー部材38aに設けられた係合部分38bもキーホルダ40の凹部40cから下方に退避するため、操作者はキーホルダ40をホルダ収容部32の収容穴32aから取り出すことができるようになる。
また、図3や図6等に示すように、キーホルダ40の両側面にはそれぞれ突起部40pが設けられているとともに、ホルダ収容部32にはキーホルダ40の各突起部40pが引っ掛けられる可撓性のラッチ32eが設けられている。そして、キーホルダ40がホルダ収容部32の収容穴32aに収容される際に、キーホルダ40が収容穴32aの奥まで差し込まれて当該キーホルダ40の各突起部40pがラッチ32eに引っ掛けられると振動が操作者の手に伝わるとともに音が発生するため、操作者はホルダ収容部32の収容穴32aにキーホルダ40が完全に収容されたことを認識することができるようになる。
次に、各ホルダ収容部32に収容されるキーホルダ40の構成の詳細について図6乃至図9を用いて説明する。本実施の形態では、キーホルダ40にはリング42が着脱自在に取り付けられるようになっており、このリング42により1または複数の鍵が保持されるようになっている。より詳細には、図7に示すように、キーホルダ40は本体部分40a(ケーシング)および引出部分40bから構成されており、引出部分40bは本体部分40aに対して図7における左方向に引き出し可能となっている。このことにより、引出部分40bは、図7(a)に示すような本体部分40aに収容された収容位置と、図7(b)に示すような本体部分40aから引き出された引出位置との間で本体部分40aに対して移動するようになる。また、本体部分40aにはロック部材40rが設けられており、図7(a)に示すように本体部分40aに収容された引出部分40bはロック部材40rにより本体部分40aの内部でロックされるようになっている。ここで、ロック部材40rにより引出部分40bが本体部分40aの内部でロックされると、当該引出部分40bは本体部分40aから引き出すことができないようになっている。このようなロック部材40rによる引出部分40bのロックは後述するロック解除部46により解除することができるようになっている。また、図7(a)に示すように本体部分40aと引出部分40bとの間にはリング42が通過するリング取付穴が設けられている。ここで、図7(a)に示すように引出部分40bが収容位置に位置しているときには、本体部分40aと引出部分40bとの間のリング取付穴に通されたリング42をキーホルダ40から外すことができないようになっている。一方、図7(b)に示すように引出部分40bが本体部分40aから引き出されて引出位置に位置しているときには、本体部分40aと引出部分40bとの間のリング取付穴に通されたリング42をキーホルダ40から外すことができるようになっている。このように、図7(a)に示すように引出部分40bが収容位置に位置しているときには、キーホルダ40は、当該キーホルダ40からリング42や鍵を取り外し不可とするロック状態となる。一方、図7(b)に示すように引出部分40bが引出位置に位置しているときには、キーホルダ40は、当該キーホルダ40からリング42や鍵を取り外し可能な解除状態となる。
キーホルダ40から取り外されたリング42に鍵を取り付ける動作について図8(a)~(d)を用いて説明する。本実施の形態では、リング42は例えば針金等の略長方形形状の線状のものとなっており、その上縁部分の端部は互いに重なるようになっている。より詳細には、リング42の両端部はそれぞれL型に折れ曲がっており、リング42の上縁部分において2つの端部のL型部分を組み合わせることによりコの字形状の重なり部分が形成されている。ここで、リングの形状が略円形の線状のものである場合と比較して、本実施の形態では略長方形形状の線状のリング42を用いることにより複数の鍵がリング42に保持された場合でも各鍵の下端部が横方向に広がってしまうことを防止することができるようになる。このような略長方形形状の線状のリング42に鍵を保持させる際に、図8(b)に示すように操作者はリング42の上縁部分における互いに重なっている端部を開き、この開いた端部に鍵の取付穴を入れる。このことにより、図8(c)に示すような状態を経て、図8(d)に示すようにリング42に鍵が取り付けられるようになる。
また、図9(a)~(c)に示すように、キーホルダ40に取り付けられたリング42を当該キーホルダ40に対して略300°回転させることができるようになっている。このことによりキーホルダ40の収納性を向上させることができるようになる。より詳細に説明すると、従来のキーホルダでは、鍵が保持されるリングを当該キーホルダに対して略180°程度しか回転させることができなかった。この場合には、リングをキーホルダの上面や下面に近接させることができないため、当該キーホルダの収納性が悪いという問題があった。これに対し、本実施の形態のキーホルダ40では、図9(a)や図9(c)に示すようにリング42をキーホルダ40の本体部分40aの上面や下面に近接させることができるため、より狭いスペースにキーホルダ40を収納することができるようになり、よってキーホルダ40の収納性を向上させることができる。
なお、キーホルダ40に着脱自在に取り付けられるリングは、図8(a)に示すような略長方形形状の線状のものに限定されることはない。キーホルダ40に着脱自在に取り付けられるリングとして、図12(a)(b)に示すようなものが用いられてもよい。図12(a)に示すリング42aでは、その下側の線状部分が下に凸となるようなV字形状となっており、また、図12(b)に示すリング42bでは、その下側の線状部分が下に凸となるような湾曲形状(U字形状)となっている。図12(a)に示すリング42aや図12(b)に示すリング42bを用いた場合には、これらのリング42a、42bに鍵を保持させたときにリング42a、42bの幅方向における中央位置に鍵を寄せることができるようになる。
また、図6に示すように、キーホルダ40の上面には導光板44が取り付けられている。導光板44は、ホルダ収容部32に設けられた後述するLED32dから発せられた各色の光を受けることにより各色に光るようになっている。
また、図7に示すように、キーホルダ40の本体部分40aの背面には検知タグ41が設けられている。ここで、検知タグ41は引出部分40bに取り付けられており、引出部分40bが本体部分40aから引き出される際に検知タグ41も引出部分40bと一体的に本体部分40aの内部で移動するようになっている。また、ホルダ収容部32の収容穴32aの奥部にはフォトセンサ32cが設けられている。より詳細には、フォトセンサ32cの光軸は図7の紙面に対して直交する方向に延びるようになっており、図7(a)に示すように引出部分40bが収容位置にある状態でキーホルダ40がホルダ収容部32の収容穴32aに収容されたときには検知タグ41がフォトセンサ32cにより検知されるようになる。このことにより、後述する鍵管理機10の制御部50は、ホルダ収容部32に収容されたキーホルダ40はロック状態であると判断するようになる。一方、図7(b)に示すように引出部分40bが引出位置にある状態でキーホルダ40がホルダ収容部32の収容穴32aに収容されたときには検知タグ41がフォトセンサ32cにより検知されないようになる。このことにより、後述する鍵管理機10の制御部50は、ホルダ収容部32に収容されたキーホルダ40は解除状態であると判断するようになる。
また、図7に示すように、キーホルダ40の本体部分40aの背面にはICタグ40mが取り付けられている。また、ホルダ収容部32の収容穴32aの奥部にはリーダライタ32bが設けられており、キーホルダ40がホルダ収容部32の収容穴32aに収容されたときに、ICタグ40mに記憶されている情報がリーダライタ32bにより読み取られたり、リーダライタ32bによりICタグ40mに様々な情報が書き込まれたりするようになっている。ここで、ICタグ40mには、例えばキーホルダ40の識別番号が記憶されるようになっている。具体的には、上述したように、また、3列の各ホルダ収容部32のうち上段の各ホルダ収容部32に収容される各キーホルダ40には左から順に1~10の識別番号が付されており、中段の各ホルダ収容部32に収容される各キーホルダ40には左から順に11~20の識別番号が付されており、下段の各ホルダ収容部32に収容される各キーホルダ40には左から順に21~30の識別番号が付されている。そして、キーホルダ40に設けられたICタグ40mには、このようなキーホルダ40の識別番号(具体的には、1~30のうち何れかの識別番号)が記憶されるようになっている。
また、本実施の形態では、キーホルダ40がホルダ収容部32の収容穴32aに収容されたときに、ICタグ40mに記憶されている情報がリーダライタ32bにより読み取られたり、リーダライタ32bによりICタグ40mに様々な情報が書き込まれたりすることに基づいて、後述する鍵管理機10の制御部50は、ホルダ収容部32にキーホルダ40が収容されていると判断するようになっている。なお、このような態様の代わりに、キーホルダ40がホルダ収容部32の収容穴32aに収容されたときに、ICタグ40mがリーダライタ32bによって検知されることにより、ホルダ収容部32にキーホルダ40が収容されていると後述する制御部50により判断されるようになっていてもよい。
また、図3に示すようにホルダ収容部32にはLED32dが設けられており、当該LED32dは各色に光るようになっている。ここで、LED32dが各色に光ると、ホルダ収容部32に取り付けられている導光体34や、ホルダ収容部32に収容されたキーホルダ40の上面にある導光板44は、LED32dから発せられた各色の光を受けることにより各色に光るようになる。
また、図1に示すように、鍵管理機10の前面上部には、キーホルダ40を、当該キーホルダ40からリング42や鍵を取り外し不可とするロック状態からリング42や鍵を取り外し可能な解除状態とするロック解除部46が設けられている。このようなロック解除部46の構成の詳細について図10および図11を用いて説明する。
図1および図10に示すように、ロック解除部46には、ロック部材40rによる引出部分40bのロックが解除されるべきキーホルダ40が収容される収容穴46aが設けられている。また、ロック解除部46における収容穴46aの奥部にはアンテナ46bが設けられており、キーホルダ40がロック解除部46の収容穴46aに収容されたときに、ICタグ40mがアンテナ46bにより検知されるようになっている。このことにより、後述する鍵管理機10の制御部50は、ロック解除部46の収容穴46aにキーホルダ40が収容されていると判断するようになる。また、キーホルダ40がロック解除部46の収容穴46aに収容されたときに、ICタグ40mに記憶されている情報がアンテナ46bにより読み取られるようになっている。また、ロック解除部46には、収容穴46aに収容されているキーホルダ40におけるロック部材40rに作用することによって当該ロック部材40rによる引出部分40bのロックを解除するロック解除部材46cが設けられている。より詳細に説明すると、図11(a)に示すようにロック解除部46の収容穴46aにキーホルダ40が収容された後、このキーホルダ40が操作者によって時計回りの方向に90°回転させられたときに(図11(b)参照)、ロック部材40rによる引出部分40bのロックがロック解除部材46cにより解除されるようになっている。このことにより、図11(c)に示すようにキーホルダ40の引出部分40bを本体部分40aから引き出すことができるようになる。なお、このような状態ではキーホルダ40をロック解除部46の収容穴46aから抜き取ることができないようになっている。その後、図11(d)に示すようにキーホルダ40が操作者によって反時計回りの方向に90°回転させられると、このキーホルダ40をロック解除部46の収容穴46aから抜き取ることができるようになる。このようにしてキーホルダ40が解除状態になると、図11(e)に示すようにキーホルダ40からリング42やこのリング42により保持されている鍵(図11では図示せず)を取り外すことができるようになり、リング42から鍵を取り外したり当該リング42に新たな鍵を保持させたりすることができるようになる。その後、リング42をキーホルダ40の本体部分40aと引出部分40bとの間にあるリング取付穴に入れた後、図11(f)に示すように引出部分40bを本体部分40aの内部に押し込むことにより、ロック部材40rにより引出部分40bが本体部分40aの内部にロックされ、キーホルダ40はロック状態となる。
なお、図1に示す鍵管理機10ではロック解除部46が筐体12に取り付けられているような態様について示されているが、本実施の形態はこのような態様に限定されることはない。キーホルダ40をロック状態から解除状態とするロック解除部が鍵管理機10の筐体12とは別に設けられていてもよい。この場合には、鍵管理機10の筐体12とは別に設けられたロック解除部が無線または有線により後述する制御部50と通信可能に接続されていてもよく、あるいはロック解除部が制御部50と通信可能に接続されていなくてもよい。前者の場合には、ロック解除部に設けられたアンテナによりキーホルダ40のICタグ40mから読み取られた情報(具体的には、例えばキーホルダ40の識別番号)をロック解除部から制御部50に送信することができるようになる。
また、図1に示すように、鍵管理機10の筐体12の前面上部には例えばタッチパネル等からなる操作表示部52および認証部54が左右に並ぶよう設けられている。操作表示部52には鍵管理機10の操作画面や当該鍵管理機10における鍵の保管状況を示す画面等の様々な画面が表示されるようになっている。また、操作者は操作表示部52を操作することにより後述する制御部50に様々な指令を与えることができるようになっている。また、認証部54は、操作者が所持するICカードに記録されている情報を読み取るICカードリーダ54aから構成されている。このことにより、認証部54において、ICカードに記録されている操作者ID(すなわち、操作者の識別情報)等の様々な情報がICカードリーダ54aによって取得され、この取得された操作者の識別情報等に基づいて操作者の権限の確認が行われるようになっている。
また、図1に示すように、鍵管理機10の筐体12には追加ユニット60を横付けで取り付けることができるようになっており、この追加ユニット60にはプリンタ62が設けられている。プリンタ62は、各ホルダ収容部32によるキーホルダ40の収容状態等の様々な情報を紙に印字するようになっており、プリンタ62により印字が行われた紙は当該プリンタ62の前面に設けられた開口から手前側に排出されるようになっている。また、認証部54として、操作者が所持するICカードに記録されている情報を読み取るICカードリーダ54aを設ける代わりに、操作者の指や掌等の静脈に関する情報を取得し、この取得された操作者の指や掌等の静脈に関する情報に基づいて操作者の識別情報を取得する静脈認証ユニットを追加ユニット60におけるプリンタ62の下方に設けてもよい。
次に、本実施の形態による鍵管理機10における制御系の構成について図13に示す機能ブロック図を用いて説明する。図13に示すように、鍵管理機10には、当該鍵管理機10の各構成部材の制御を行うための制御部50が設けられている。ここで、制御部50には扉施錠部22、各ホルダ収容部32の構成部材(具体的には、ロック機構36のソレノイド38、リーダライタ32b、フォトセンサ32c、LED32d等)、ロック解除部46、操作表示部52、認証部54、プリンタ62等がそれぞれ接続されている。制御部50は、鍵管理機10の各構成部材に指令信号を送ることによりこれらの構成部材の制御を行うようになっている。また、リーダライタ32bによりキーホルダ40のICタグ40mから読み取られた情報やフォトセンサ32cによるキーホルダ40の検知タグ41の検知情報、ロック解除部46のアンテナ46bによりキーホルダ40のICタグ40mから読み取られた情報は制御部50に送られるようになっている。また、操作表示部52によって操作者により入力された指令に関する情報も制御部50に送られるようになっている。また、認証部54により操作者のICカードから読み取られた操作者の識別情報も制御部50に送られるようになっている。
また、制御部50には記憶部56および判定手段58がそれぞれ接続されている。記憶部56には、鍵管理機10の設定内容や、鍵管理機10を使用可能な操作者の識別情報、各ホルダ収容部32によるキーホルダ40の収容状況等が記憶されるようになっている。また、記憶部56には、操作者の識別情報と、当該操作者にとって抜き取り可能なキーホルダ40が収容されるホルダ収容部32との関係が記憶されるようになっている。また、記憶部56には、キーホルダ40により保持される鍵に関する情報が、当該キーホルダ40が収容されるホルダ収容部32毎に記憶されるようになっている。ここで、キーホルダ40により保持される鍵に関する情報とは、例えば鍵が使用される場所や、当該鍵により開錠される収納棚や金庫の識別番号等の情報のことをいう。このような記憶部56に記憶される情報の詳細については後述する。また、判定手段58は、ホルダ収容部32に収容されたキーホルダ40が図7(b)に示すような解除状態であるとフォトセンサ32cによる検知結果に基づいて制御部50により判断されると、キーホルダ40に保持される鍵の交換が未完了であると判定するようになっている。このような判定手段58の機能の詳細については後述する。
次に、このような鍵管理機10の動作(具体的には、鍵管理機10の各ホルダ収容部32からキーホルダ40を抜き取る動作やキーホルダ40に保持されている鍵を交換する動作、キーホルダ40を各ホルダ収容部32に戻す動作)について説明する。なお、以下に示すような鍵管理機10の動作は制御部50が当該鍵管理機10の各構成部材を制御することにより行われるようになっている。
最初に、鍵管理機10の各ホルダ収容部32からキーホルダ40を抜き取る動作について説明する。鍵管理機10からキーホルダ40を抜き取ろうとする操作者は、まず自己が所持するICカードをICカードリーダ54aにより読み取らせたり、指や掌の静脈に係る情報を静脈認証ユニットにより取得させたりする。このことにより、鍵管理機10からキーホルダ40を抜き取ろうとする操作者の識別情報が認証部54により認証されるようになる。そして、認証された操作者の識別情報が、記憶部56に予め登録されている所定のIDである場合には、操作者の権限の確認が行われ、制御部50は扉施錠部22に対して前面扉20の解錠指令を送る。なお、ICカードをICカードリーダ54aにより読み取らせたり、指や掌の静脈に係る情報を静脈認証ユニットにより取得させたりする代わりに、操作表示部52により操作者の識別情報および所定の暗証番号を入力することにより当該操作者の識別情報の取得および権限の確認が制御部50において行われ、扉施錠部22に対して前面扉20の解錠指令が制御部50により発せられるようになっていてもよい。前面扉20の解錠指令が扉施錠部22に送られると、図1に示すように操作者は前面扉20を開いて筐体12の内部にある各ホルダ収容部32にアクセスすることができるようになる。
また、上述したように、記憶部56には、操作者の識別情報と、当該操作者にとって抜き取り可能なキーホルダ40が収容されるホルダ収容部32との関係が記憶されるとともに、キーホルダ40により保持される鍵に関する情報(具体的には、鍵が使用される場所等に関する情報)が、当該キーホルダ40が収容されるホルダ収容部32毎に記憶されるようになっている。そして、上述したように操作者の識別情報が認証されると、記憶部56に記憶されている情報に基づいて、認証された操作者の識別情報に対応するホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報のリストが制御部50から出力される。ここで、制御部50から出力された情報は操作表示部52に表示されるようになる。具体的には、記憶部56に記憶されている情報において、ある操作者の識別情報に対して複数のホルダ収容部32が関連付けられていた場合には、この操作者の識別情報が認証されたときに、図14(a)に示すように、当該操作者の識別情報に関連付けられている全てのホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報(具体的には、鍵が使用される場所等に関する情報)のリストが操作表示部52の右半分の領域に表示される。この際に、鍵が使用される場所等に関する情報は、ホルダ収容部32の識別番号順に表示されるようになる。
また、図14(a)に示す操作表示部52の画面の左半分の領域には鍵管理機10の各ホルダ収容部32がレイアウト表示されるとともに、認証された操作者の識別情報に関連付けられている全てのホルダ収容部32の位置が例えば点滅するようになる。このことにより、操作者は自分の識別情報に対応する全てのホルダ収容部32(すなわち、自分の識別情報で抜き取り可能なキーホルダ40)の位置を一目で理解することができるようになる。また、操作者は、図14(a)に示す操作表示部52の画面の右半分の領域を見ることにより、どの場所の鍵がどのホルダ収容部32に収容されているかを一目で理解することができるようになる。また、制御部50は、ICカードリーダ54a等の認証部54により認証された操作者の識別情報に対応するホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報のリストを出力すると、認証された操作者の識別情報に対応するホルダ収容部32に設けられたロック機構36によるキーホルダ40のロックを解除する。具体的には、認証された操作者の識別情報に対応する各ホルダ収容部32に設けられたソレノイド38によってレバー部材38aが動作されることにより、このレバー部材38aに設けられた係合部分38bとキーホルダ40の凹部40cとの係合が外れる。このことにより、操作者は、認証された操作者の識別情報に対応するホルダ収容部32の収容穴32aからキーホルダ40を抜き取ることができるようになる。
また、本実施の形態では、認証された操作者の識別情報に関連付けられている全てのホルダ収容部32に設けられた各LED32dが点灯するようになる。このことにより、図14(b)に示すように、認証された操作者の識別情報に関連付けられているホルダ収容部32に取り付けられている導光体34や、ホルダ収容部32に収容されたキーホルダ40の上面にある導光板44が、LED32dから発せられた光を受けることにより光るようになる。
その後、図15(a)に示すように、操作表示部52に表示されている、鍵に関する情報(具体的には、鍵が使用される場所等に関する情報)のリストのうちある一つの項目を操作者が指で押下すると、図16(a)に示すように、操作者により選択された、ホルダ収容部32に対応する1つの情報のみが操作表示部52に表示されるようになる。また、鍵管理機10の各ホルダ収容部32のレイアウト表示において、操作者により選択された1つのホルダ収容部32のみの位置が例えば点滅するようになる。このことにより、操作者はどのホルダ収容部32からキーホルダ40を抜き取るべきかを一目で理解することができるようになる。また、図16(b)に示すように、操作者により選択された1つのホルダ収容部32に設けられたLED32dが点灯するようになる。このことにより、操作者がキーホルダ40を抜き取るべきホルダ収容部32に取り付けられている導光体34や、ホルダ収容部32に収容されたキーホルダ40の上面にある導光板44のみが、LED32dから発せられた光を受けることにより光るようになる。
また、操作者によりある一つのホルダ収容部32が選択されると、操作表示部52に表示されるリストに係る複数のホルダ収容部32のうち選択された特定のホルダ収容部32以外のホルダ収容部32に設けられたロック機構36によりキーホルダ40が再びホルダ収容部32にロックされる。このことにより、操作者は、操作表示部52に表示されるリストに係る複数のホルダ収容部32のうち選択された特定のホルダ収容部32のみからキーホルダ40を抜き取ることができるようになる。そして、操作者がこの特定のホルダ収容部32からキーホルダ40を抜き取ると、キーホルダ40が抜き取られたホルダ収容部32に設けられたLED32dは例えば別の色で点灯し、このホルダ収容部32に取り付けられている導光体34も別の色で光るようになる。このことにより、操作者はキーホルダ40を戻すべきホルダ収容部32を一目で理解することができるようになる。また、ホルダ収容部32からキーホルダ40が抜き取られると、ホルダ収容部32からキーホルダ40が抜き取られたという履歴が当該キーホルダ40の識別番号に紐付けられて記憶部56に記憶されるようになる。
なお、上記の説明では、認証部54により操作者の識別情報が認証されると、認証された操作者の識別情報に対応するホルダ収容部32に設けられたロック機構36によるキーホルダ40のロックが解除され、その後、操作者によりある一つのホルダ収容部32が選択されると、この選択された特定のホルダ収容部32以外のホルダ収容部32に設けられたロック機構36によりキーホルダ40が再びホルダ収容部32にロックされるような態様について述べたが、本実施の形態はこのような態様に限定されることはない。本実施の形態における他の態様として、認証部54により操作者の識別情報が認証された場合に、認証された操作者の識別情報に対応するホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報のリストが操作表示部52に表示されるが、認証された操作者の識別情報に対応するホルダ収容部32に設けられたロック機構36によるキーホルダ40のロックが解除されないようになっていてもよい。この場合、操作表示部52に表示される鍵に関する情報のリストにおいて、操作者によりある一つのホルダ収容部32が選択されると、この選択された特定のホルダ収容部32に設けられたロック機構36によるキーホルダ40のロックが解除されるようになる。また、本実施の形態における更に他の態様として、認証部54により操作者の識別情報が認証されると、認証された操作者の識別情報に対応するホルダ収容部32に設けられたロック機構36によるキーホルダ40のロックが解除され、その後、操作表示部52の操作画面において詳細表示ボタン(鍵に関する情報をリスト表示するためのボタン)が操作者により選択された場合には、全てのキーホルダ40がロック機構36によりロックされるようになっていてもよい。この場合には、操作表示部52に表示される鍵に関する情報のリストにおいて、操作者によりある一つのホルダ収容部32が選択されると、この選択された特定のホルダ収容部32に設けられたロック機構36によるキーホルダ40のロックが解除されるようになる。
また、図14(a)に示す操作表示部52の画面の右半分の領域では、操作者の識別情報に関連付けられている全てのホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報(具体的には、鍵が使用される場所等に関する情報)のリストがホルダ収容部32の識別番号順に表示されるようになっているが、本実施の形態はこのような態様に限定されることはない。図14(a)に示す操作表示部52の画面の右半分の領域に表示される、鍵が使用される複数の場所等に関する情報のリストにおける表示の順番の様々な例を図17(a)~(f)に示す。
図17(a)では、操作者の識別情報に関連付けられている全てのホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報のリストがキーホルダ40の使用頻度の高い順に操作表示部52に表示されるようになっている。具体的には、記憶部56には、各ホルダ収容部32におけるキーホルダ40の使用回数に係る情報が記憶されるようになっている。また、ホルダ収容部32からキーホルダ40が抜き取られる度に、記憶部56に記憶されているキーホルダ40の使用回数に係る情報が更新されるようになっている。そして、操作者の識別情報が認証されると、記憶部56に記憶されている情報に基づいて、認証された操作者の識別情報に対応するホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報(具体的には、鍵が使用される場所等に関する情報および鍵の使用回数)のリストがキーホルダ40の使用頻度の高い順に操作表示部52に表示される。
図17(b)では、操作者の識別情報に関連付けられている全てのホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報のリストが個人のキーホルダ40の使用頻度の高い順に操作表示部52に表示されるようになっている。具体的には、記憶部56には、各ホルダ収容部32におけるキーホルダ40の使用回数に係る情報が操作者毎に記憶されるようになっている。また、ホルダ収容部32からキーホルダ40が抜き取られる度に、記憶部56に記憶されている、操作者毎のキーホルダ40の使用回数に係る情報が更新されるようになっている。そして、操作者の識別情報が認証されると、記憶部56に記憶されている情報に基づいて、認証された操作者の識別情報に対応するホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報(具体的には、鍵が使用される場所等に関する情報および鍵の使用回数)のリストが当該操作者のキーホルダ40の使用頻度の高い順に操作表示部52に表示される。
図17(c)では、操作者の識別情報に関連付けられている全てのホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報のリストが所定の時間帯におけるキーホルダ40の使用頻度の高い順に操作表示部52に表示されるようになっている。具体的には、記憶部56には、各ホルダ収容部32におけるキーホルダ40の使用回数に係る情報が所定の時間帯毎(例えば、図17(c)に示す例では10:00~16:00の時間帯)に記憶されるようになっている。また、ホルダ収容部32からキーホルダ40が抜き取られる度に、記憶部56に記憶されている、所定の時間帯毎のキーホルダ40の使用回数に係る情報が更新されるようになっている。そして、操作者の識別情報が認証されると、記憶部56に記憶されている情報に基づいて、認証された操作者の識別情報に対応するホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報(具体的には、鍵が使用される場所等に関する情報および鍵の使用回数)のリストが所定の時間帯毎のキーホルダ40の使用頻度の高い順に操作表示部52に表示される。
図17(d)では、操作者の識別情報に関連付けられている全てのホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報のリストが所定の時間帯における個人のキーホルダ40の使用頻度の高い順に操作表示部52に表示されるようになっている。具体的には、記憶部56には、各ホルダ収容部32におけるキーホルダ40の使用回数に係る情報が所定の時間帯毎(例えば、図17(d)に示す例では10:00~16:00の時間帯)かつ操作者毎に記憶されるようになっている。また、ホルダ収容部32からキーホルダ40が抜き取られる度に、記憶部56に記憶されている、所定の時間帯毎かつ操作者毎のキーホルダ40の使用回数に係る情報が更新されるようになっている。そして、操作者の識別情報が認証されると、記憶部56に記憶されている情報に基づいて、認証された操作者の識別情報に対応するホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報(具体的には、鍵が使用される場所等に関する情報および鍵の使用回数)のリストが当該操作者の所定の時間帯毎のキーホルダ40の使用頻度の高い順に操作表示部52に表示される。
図17(e)では、操作者の識別情報に関連付けられている全てのホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報のリストがキーホルダ40の直近の使用のタイミングの順に操作表示部52に表示されるようになっている。具体的には、記憶部56には、各ホルダ収容部32におけるキーホルダ40の使用日時に係る情報が記憶されるようになっている。また、ホルダ収容部32からキーホルダ40が抜き取られる度に、記憶部56に記憶されているキーホルダ40の使用日時に係る情報が更新されるようになっている。そして、操作者の識別情報が認証されると、記憶部56に記憶されている情報に基づいて、認証された操作者の識別情報に対応するホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報(具体的には、鍵が使用される場所等に関する情報および鍵の直近の使用のタイミング)のリストがキーホルダ40の直近の使用のタイミングの順に操作表示部52に表示される。すなわち、過去にキーホルダ40が使用されたタイミングが現在の日時から近いものから順に鍵に関する情報のリストが操作表示部52に表示されるようになる。
図17(f)では、操作者の識別情報に関連付けられている全てのホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報のリストが、鍵が使用される場所の名称順に操作表示部52に表示されるようになっている。具体的には、記憶部56には、各ホルダ収容部32におけるキーホルダ40により保持される鍵が使用される場所の名称に係る情報が記憶されるようになっている。そして、操作者の識別情報が認証されると、記憶部56に記憶されている情報に基づいて、認証された操作者の識別情報に対応するホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報(具体的には、鍵が使用される場所等に関する情報)のリストが、鍵が使用される場所の名称順に表示される。具体的には、鍵が使用される場所の名称の最初の文字がローマ字表記である場合にはローマ字順に表示される。また、操作表示部52に表示されるリストにおいてその次に、最初の文字がローマ字表記でない、鍵が使用される場所の名称が五十音順に表示されるようになる。
なお、操作者の識別情報に関連付けられている全てのホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報のリストが操作表示部52に表示される際に、鍵に関する情報のリストが、個人の(すなわち、操作者毎の)キーホルダ40の直近の使用のタイミングの順に操作表示部52に表示されるようになっていてもよい。
また、図14乃至図17に示す例では、操作表示部52における右半分の領域に、操作者の識別情報に関連付けられている全てのホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報のリストが表示され、また、操作表示部52における左半分の領域に、鍵管理機10の各ホルダ収容部32がレイアウト表示されるとともに、認証された操作者の識別情報に関連付けられている全てのホルダ収容部32の位置が例えば点滅するようになっているが、本実施の形態はこのような態様に限定されることはない。他の例として、操作者の識別情報に関連付けられている全てのホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報のリストのみが操作表示部52の全面に表示されるようになっていてもよい。この場合には、鍵管理機10の各ホルダ収容部32のレイアウトは操作表示部52には表示されないようになる。この場合でも、操作者の識別情報に関連付けられているホルダ収容部32に取り付けられている導光体34や、ホルダ収容部32に収容されたキーホルダ40の上面にある導光板44が光ることにより、操作者は自分の識別情報に対応する全てのホルダ収容部32(すなわち、自分が抜き取り可能なキーホルダ40)の位置を一目で理解することができる。また、更に他の例として、操作者の識別情報が認証されたときに、この操作者の識別情報に対応するホルダ収容部32のLED32dが光らないようになっていてもよい。この場合には、操作者の識別情報が認証されても、操作者の識別情報に関連付けられているホルダ収容部32に取り付けられている導光体34や、ホルダ収容部32に収容されたキーホルダ40の上面にある導光板44が光らないようになる。
また、操作表示部52に表示される画面は図14乃至図17に示す画面に限定されることはない。変形例に係る鍵管理機10において、鍵管理機10からキーホルダ40を抜き取ろうとする操作者の識別情報が認証部54により認証され、操作者の権限の確認が行われると、図18や図19に示す画面が操作表示部52に表示されるようになっていてもよい。
上述したように、操作者の識別情報が認証部54により認証されると、記憶部56に記憶されている情報に基づいて、認証された操作者の識別情報に対応するホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報のリストが制御部50から出力される。ここで、制御部50から出力された情報は操作表示部52において図18および図19に示す画面で表示されるようになる。具体的には、操作者の識別情報が認証部54により認証されると、まず、図18に示すような、全てのホルダ収容部32の識別番号が操作表示部52に一覧表示される。ここで、記憶部56に記憶されている情報において、ある操作者の識別情報に対して複数のホルダ収容部32が関連付けられていた場合には、この操作者の識別情報が認証されたときに、当該操作者の識別情報に関連付けられている全てのホルダ収容部32の表示領域の外枠が光るようになる(図18ではこの光った部分を白色の枠で表示)。また、図18に示す画面において操作者が「詳細表示」のボタンを押下すると、操作表示部52の表示画面が図19に示す画面に切り替わる。図19に示す画面では、識別番号が1~10のホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報(具体的には、鍵が使用される場所等に関する情報)のリストが一覧表示されるようになる。また、図19に示す画面でも、認証された操作者の識別情報に関連付けられている全てのホルダ収容部32の表示領域の外枠が光るようになる。また、図19に示す画面の下部に設けられた左右の矢印のボタンを操作者が押下すると、識別番号が11~20のホルダ収容部32や、識別番号が21~30のホルダ収容部32に関連する、鍵に関する情報のリストが一覧表示されるようになる。なお、図19に示す画面において、制御部50により出力された情報のリストが、キーホルダ40の使用頻度、操作者毎のキーホルダ40の使用頻度、時間帯毎のキーホルダ40の使用頻度、時間帯毎かつ操作者毎のキーホルダ40の使用頻度、キーホルダ40の直近の使用のタイミングのうちいずれかに基づいて順番に並べられた状態で操作表示部52に表示されるようになっていてもよい。
その後、図18に示すような、全てのホルダ収容部32の識別番号からある一つのホルダ収容部32の識別番号を操作者が指で押下して選択したり、図19に示すような、操作表示部52に表示されている、鍵に関する情報(具体的には、鍵が使用される場所等に関する情報)のリストのうちある一つの項目を操作者が指で押下して選択したりした後に確定ボタンを押下すると、操作者により選択された、ホルダ収容部32に対応する1つの情報のみが操作表示部52に表示されるようになる。また、このホルダ収容部32に設けられたロック機構36によるキーホルダ40のロックが解除される。また、操作者により選択された1つのホルダ収容部32に設けられたLED32dが点灯するようになる。このことにより、操作者がキーホルダ40を抜き取るべきホルダ収容部32に取り付けられている導光体34や、ホルダ収容部32に収容されたキーホルダ40の上面にある導光板44のみが、LED32dから発せられた光を受けることにより光るようになる。
次に、鍵管理機10の各ホルダ収容部32から抜き取られたキーホルダ40に保持されている鍵を交換する際の動作について以下に説明する。
操作者は、まず、図11(a)に示すように、保持されている鍵を交換したいキーホルダ40をロック解除部46の収容穴46aに挿入する。このことにより、キーホルダ40のICタグ40mに記憶されている情報(例えば、キーホルダ40の識別番号)がアンテナ46bにより読み取られる。そして、ロック解除部46の収容穴46aにキーホルダ40が収容された後、操作者は図11(b)に示すようにこのキーホルダ40を時計回りの方向に90°回転させる。このことにより、ロック部材40rによる引出部分40bのロックがロック解除部材46cにより解除される。このため、図11(c)に示すようにキーホルダ40の引出部分40bを本体部分40aから引き出すことができるようになる。
その後、操作者は図11(d)に示すようにキーホルダ40を反時計回りの方向に90°回転させる。このことにより、操作者はキーホルダ40をロック解除部46の収容穴46aから抜き取ることができるようになる。その後、操作者はロック解除部46の収容穴46aから抜き取られたキーホルダ40について任意の場所で図11(e)に示すようにキーホルダ40からリング42やこのリング42により保持されている鍵(図11では図示せず)を取り外すことができるようになる。このことにより、操作者はリング42から鍵を取り外したり当該リング42に新たな鍵を保持させたりすることができるようになる。その後、リング42をキーホルダ40の本体部分40aと引出部分40bとの間にあるリング取付穴に入れた後、図11(f)に示すように引出部分40bを本体部分40aの内部に押し込むことにより、ロック部材40rにより引出部分40bが本体部分40aの内部にロックされ、キーホルダ40はロック状態となる。また、本実施の形態では、ロック解除部46のロック解除部材46cによりロック部材40rによる引出部分40bのロックが解除されると、アンテナ46bによりICタグ40mから読み取られたキーホルダ40の識別番号と、当該キーホルダ40においてロック部材40rによる引出部分40bのロックが解除されたという情報とが紐付けられて記憶部56に記憶される。すなわち、記憶部56には、ロック解除部46によるキーホルダ40のロック解除の履歴が記憶されるようになる。
次に、キーホルダ40を鍵管理機10の各ホルダ収容部32に戻す動作について以下に説明する。本実施の形態では、キーホルダ40を各ホルダ収容部32に戻す際に、キーホルダ40が図7(a)に示すようなロック状態および図7(b)に示すような解除状態のうち何れの状態であるかを検知することができるようになっている。
キーホルダ40に保持されている鍵の交換を行った後、図11(f)に示すようにロック部材40rにより引出部分40bが本体部分40aの内部にロックされてキーホルダ40がロック状態となった後にこのキーホルダ40が元のホルダ収容部32の収容穴32aに挿入されると、キーホルダ40の奥側の下端縁がレバー部材38aの係合部分38bの傾斜面に当たることによりレバー部材38aはバネ39による力に抗して図5(b)における下方に移動する。その後、ホルダ収容部32の収容穴32aにキーホルダ40が完全に収容されると、バネ39によってレバー部材38aが図5(b)における上方向に押されることによりキーホルダ40の凹部40cにレバー部材38aの係合部分38bが挿入される。このようにして、キーホルダ40はロック機構36によりロックされる。また、キーホルダ40がホルダ収容部32の収容穴32aに収容されたときに、ICタグ40mに記憶されているキーホルダ40の識別番号がリーダライタ32bにより読み取られる。また、制御部50は、ICタグ40mに記憶されているキーホルダ40の識別番号がリーダライタ32bにより読み取られたことに基づいて、キーホルダ40がホルダ収容部32に収容されたと判断する。ここで、リーダライタ32bにより読み取られたキーホルダ40の識別番号が、当該キーホルダ40が収容されたホルダ収容部32の識別番号と一致した場合には、制御部50は、正しい場所のホルダ収容部32にキーホルダ40が収容されたと判断するようになる。また、図7(a)に示すように引出部分40bが収容位置にある状態でキーホルダ40がホルダ収容部32の収容穴32aに収容されたときには検知タグ41がフォトセンサ32cにより検知される。このことにより、制御部50は、ホルダ収容部32に収容されたキーホルダ40がロック状態であると判断する。このように、制御部50において、正しい場所のホルダ収容部32にキーホルダ40が収容され、しかもホルダ収容部32に収容されたキーホルダ40がロック状態であると判断されると、当該キーホルダ40において鍵の交換が正常に行われたと判定手段58により判定されるようになる。また、この場合には、ホルダ収容部32から抜き取られたキーホルダ40において鍵の交換が正常に行われたという履歴が当該ホルダ収容部32の識別番号に紐付けられて記憶部56に記憶される。
なお、リーダライタ32bにより読み取られたキーホルダ40の識別番号が、当該キーホルダ40が収容されたホルダ収容部32の識別番号と一致しない場合には、制御部50は、誤った場所のホルダ収容部32にキーホルダ40が収容されたと判断するようになる。この場合には、誤った場所のホルダ収容部32にキーホルダ40が収容された旨の警告画面が操作表示部52に表示されるようになる。また、ロック機構36によるキーホルダ40のロックが解除され、操作者はキーホルダ40を誤った場所のホルダ収容部32から抜き取ることができるようになる。
また、キーホルダ40に保持されている鍵の交換を行った後、操作者がキーホルダ40をロック状態にするのを忘れてしまい、図7(b)に示すような解除状態でキーホルダ40を誤って元のホルダ収容部32の収容穴32aに挿入してしまった場合について以下に述べる。このような場合でも、キーホルダ40がホルダ収容部32の収容穴32aに収容されたときに、ICタグ40mに記憶されているキーホルダ40の識別番号がリーダライタ32bにより読み取られる。このことにより、制御部50は、ホルダ収容部32にキーホルダ40が収容されていると判断するようになる。また、図7(b)に示すように引出部分40bが引出位置にある状態でキーホルダ40がホルダ収容部32の収容穴32aに収容されたときには検知タグ41がフォトセンサ32cにより検知されない。このことにより、制御部50は、ホルダ収容部32に収容されたキーホルダ40が解除状態であると判断する。ここで、ホルダ収容部32に収容されたキーホルダ40が解除状態であると判断されると、ソレノイド38によってレバー部材38aが動作され、このレバー部材38aに設けられた係合部分38bがキーホルダ40の下面から下方に退避する。このことにより、キーホルダ40がホルダ収容部32の収容穴32aに収容されてもこのキーホルダ40の凹部40cにレバー部材38aの係合部分38bが引っ掛からなくなり、当該キーホルダ40はロック機構36によりロックされないようになる。また、ホルダ収容部32に収容されたキーホルダ40が解除状態であると判断されると、キーホルダ40が解除状態である旨の情報が制御部50から出力される。そして、制御部50から出力された、キーホルダ40が解除状態である旨の情報は操作表示部52に表示される。このことにより、操作者は操作表示部52に表示される情報を見ることによってキーホルダ40をロック状態にし忘れたことに気づくことができるようになり、当該操作者はホルダ収容部32からキーホルダ40を再び抜き取ってこのキーホルダ40をロック状態にする。このようにして、キーホルダ40が解除状態のままホルダ収容部32に収容されてしまうことを抑制することができるようになる。
なお、キーホルダ40が解除状態である旨の情報が制御部50から出力されたときに、この情報が操作表示部52に表示される代わりに、またはこの情報が操作表示部52に表示されることに加えて、警告音や警告メッセージが鍵管理機10から発せられており、図示しない上位端末等の外部装置にこの情報が送信されたりするようになっていてもよい。
また、本実施の形態では、キーホルダ40がホルダ収容部32の収容穴32aに収容されたときのフォトセンサ32cによる検知結果の履歴が記憶部56に記憶されるようになっている。また、キーホルダ40がホルダ収容部32の収容穴32aに収容されたときに、キーホルダ40が図7(a)に示すようなロック状態から図7(b)に示すような解除状態になったことがフォトセンサ32cにより検知されたときに、記憶部56に記憶されている履歴が更新されるようになっている。また、操作表示部52に表示される、キーホルダ40が解除状態である旨の情報を操作者が見ることによってキーホルダ40をロック状態にし忘れたことに気づき、当該操作者がホルダ収容部32からキーホルダ40を再び抜き取ってこのキーホルダ40をロック状態にした後にキーホルダ40をホルダ収容部32に再び収容させると、記憶部56に記憶されている履歴が更新されるようになっている。
また、本実施の形態では、ホルダ収容部32に収容されたキーホルダ40が解除状態であると判断されると、キーホルダ40に保持される鍵の交換が未完了であると判定手段58により判定されるようになっている。この場合には、他のホルダ収容部32に設けられたロック機構36による他のキーホルダ40のロックが解除されないようになっている。このことにより、あるキーホルダ40に保持される鍵の交換が未完了のまま他のホルダ収容部32から別のキーホルダ40が抜き取られてこのキーホルダ40に保持される鍵の交換が行われてしまうことを防止することができるようになる。
なお、キーホルダ40に保持される鍵の交換が未完了であると判定手段58により判定された場合に、他のホルダ収容部32に設けられたロック機構36による他のキーホルダ40のロックが解除されないようにする以外にも、操作表示部52による操作を行うことができないようにしたり、ICカードリーダ54a等の認証部54により操作者の識別情報を認証することができないようにしたりしてもよい。この場合でも、あるキーホルダ40に保持される鍵の交換が未完了のまま他のホルダ収容部32から別のキーホルダ40が抜き取られてこのキーホルダ40に保持される鍵の交換が行われてしまうことを防止することができる。また、別の例として、キーホルダ40に保持される鍵の交換が未完了であると判定手段58により判定されている状態で、操作者が操作表示部52により特定のパスワードや認証コードを入力すると、キーホルダ40に保持される鍵の交換が未完了であっても、他のホルダ収容部32に設けられたロック機構36による他のキーホルダ40のロックが解除され、このキーホルダ40をホルダ収容部32から抜き取ることができるようにしてもよい。また、この際に、鍵の交換が未完了であるキーホルダ40が存在する旨の履歴を記憶部56に記憶させたり、鍵の交換が未完了であるキーホルダ40が存在する旨のメッセージを操作表示部52に表示させたりするようにしてもよい。
以上のように本実施の形態による鍵管理機10によれば、ICカードリーダ54a等の認証部54(認証手段)により操作者の識別情報が認証されるようになっており、記憶部56には、操作者の識別情報と、操作者にとって抜き取り可能なキーホルダ40(管理部材)が収容されるホルダ収容部32との関係が記憶されるとともに、キーホルダ40により保持される鍵に関する情報(具体的には、鍵が使用される場所等に関する情報)が、当該キーホルダ40が収容されるホルダ収容部32毎に記憶されるようになっている。また、制御部50は、記憶部56に記憶されている情報に基づいて、認証部54により認証された操作者の識別情報に対応する、ホルダ収容部32に関連する鍵に関する情報のリストを出力するようになっている。この場合には、操作者は、制御部50により出力されたリストを参照することにより、必要とする鍵を保持するキーホルダ40をすぐに見つけることができるようになるため鍵を鍵管理機10から取り出す際の利便性を向上させることができるようになる。また、本実施の形態では、制御部50により出力された、ホルダ収容部32に関連する鍵に関する情報のリストは操作表示部52に表示されるようになっている。なお、本実施の形態では、制御部50により出力された、ホルダ収容部32に関連する鍵に関する情報のリストが操作表示部52に表示されることに限定されることはない。他の例として、制御部50により出力されたリストが図示しない上位端末や操作者が携帯する携帯端末(例えば、タブレットPCやスマートフォン、携帯電話)等の外部装置に送信されるようになっていてもよい。
また、本実施の形態では、上述したように、操作表示部52に表示されるリストの中から特定のホルダ収容部32が操作表示部52により選択されると、このホルダ収容部32または当該ホルダ収容部32に収容されるキーホルダ40の位置が操作者に報知されるようになっている。具体的には、図16(a)に示すように、操作表示部52に表示される複数のホルダ収容部32のうち操作者により選択された特定のホルダ収容部32の位置がレイアウト表示されるようになる。また、各ホルダ収容部32に対応して導光体34が表示部材として設けられており、操作表示部52に表示されるリストの中から特定のホルダ収容部32が操作表示部52により選択されると、この特定のホルダ収容部32に対応する導光体34の表示態様が、他のホルダ収容部32に対応する導光体34の表示態様から変えられるようになる。なお、更に他の例として、操作表示部52に表示されるリストの中から特定のホルダ収容部32が操作表示部52により選択されると、この特定のホルダ収容部32に収容されているキーホルダ40の上面にある導光板44の表示態様が、他のホルダ収容部32に収容されているキーホルダ40の上面にある導光板44の表示態様から変えられるようになっていてもよい。
また、本実施の形態では、上述したように、操作表示部52には、制御部50により出力された情報のリストが、キーホルダ40の使用頻度(図17(a)参照)、操作者毎のキーホルダ40の使用頻度(図17(b)参照)、時間帯毎のキーホルダ40の使用頻度(図17(c)参照)、キーホルダ40の直近の使用のタイミング(図17(e)参照)のうちいずれかに基づいて順番に並べられた状態で表示されるようになっていてもよい。また、操作表示部52には、制御部50により出力された情報のリストが、時間帯毎の個人の(すなわち、操作者毎の)キーホルダ40の使用頻度(図17(d)参照)の順や、個人の(すなわち、操作者毎の)キーホルダ40の直近の使用のタイミングの順に表示されるようになっていてもよい。
また、本実施の形態では、上述したように、各ホルダ収容部32には、当該ホルダ収容部32に収容されているキーホルダ40をホルダ収容部32から抜き取り不可となるようロックするロック機構36が設けられており、制御部50は、認証部54により認証された操作者の識別情報に対応するホルダ収容部32に関連する鍵に関する情報のリストを出力すると、認証手段により認証された操作者の識別情報に対応するホルダ収容部32に設けられたロック機構36によるキーホルダ40のロックを解除する。このことにより、操作者は、認証された操作者の識別情報に対応するホルダ収容部32からキーホルダ40を抜き取ることができるようになる。また、制御部50は、操作表示部52に表示されるリストの中から特定のホルダ収容部32が操作表示部52により選択されると、操作表示部52に表示されるリストに係るホルダ収容部32のうち選択されたホルダ収容部32以外のホルダ収容部32に設けられたロック機構36によりキーホルダ40を再びロックさせるようになっている。このことにより、操作者は、操作表示部52に表示されるリストに係る複数のホルダ収容部32のうち選択された特定のホルダ収容部32のみからキーホルダ40を抜き取ることができるようになり、誤ったキーホルダ40をホルダ収容部32から抜き取ってしまうことをより一層防止することができるようになる。
また、本実施の形態による鍵管理機10によれば、鍵を保持するためのキーホルダ40(管理部材)が収容されるホルダ収容部32と、キーホルダ40を、当該キーホルダ40から鍵を取り外し不可とするロック状態から鍵を取り外し可能な解除状態とするロック解除部46とがそれぞれ設けられている。また、キーホルダ40がロック状態および解除状態のうち何れの状態であるかを検知する状態検知手段としてフォトセンサ32cが設けられている。このような鍵管理機10によれば、キーホルダ40をロック解除部46に挿入した状態でなくてもキーホルダ40から鍵を取り外すことができるため作業性を向上させることができ、しかも悪意ある第三者によりキーホルダ40から鍵が取り外されて不正に使用されてしまうことを抑制することができる。
また、上述したように、状態検知手段として機能するフォトセンサ32cはホルダ収容部32に設けられており、ホルダ収容部32にキーホルダ40が収容されたときに当該キーホルダ40がロック状態および解除状態のうち何れの状態であるかがフォトセンサ32cにより検知されるようになっている。また、ホルダ収容部32には、当該ホルダ収容部32に収容されているキーホルダ40を当該ホルダ収容部32から抜き取り不可となるようロックするロック機構36が設けられており、ホルダ収容部32にキーホルダ40が収容されたときに当該キーホルダ40がロック状態であることが状態検知手段としてのフォトセンサ32cにより検知された場合にのみロック機構36によりキーホルダ40をホルダ収容部32の内部にロックすることができるようになっている。この場合には、解除状態のキーホルダ40が誤ってホルダ収容部32に収容されたときに、このキーホルダ40をホルダ収容部32から抜き取って当該キーホルダ40を解除状態からロック状態にすることができる。一方、ロック状態のキーホルダ40がホルダ収容部32に収容されたときには、このキーホルダ40はホルダ収容部32の内部でロックされるようになる。
なお、本実施の形態は、状態検知手段として機能するフォトセンサ32cがホルダ収容部32に設けられるような態様に限定されることはない。他の態様として、管理部材としてのキーホルダ40がロック状態および解除状態のうち何れの状態であるかを検知する状態検知手段がロック解除部46に設けられていてもよい。より詳細には、フォトセンサ32cと同様の構成のフォトセンサがロック解除部46の収容穴46aの奥部に設けられており、このようなフォトセンサによりロック解除部46の収容穴46aに収容されたキーホルダ40の検知タグ41が検知されるようになっていてもよい。
また、キーホルダ40がロック状態および解除状態のうち何れの状態であるかを検知する状態検知手段はフォトセンサ32cに限定されることはない。他の態様として、キーホルダ40の引出部分40bの底面に突起部材が設けられており、各ホルダ収容部32にはこの突起部材により動作される検知レバーが設けられるようになっていてもよい。より詳細には、ロック状態となっているキーホルダ40がホルダ収容部32に収容されたときにはこのキーホルダ40の引出部分40bに設けられた突起部材により検知レバーが動作されるが、解除状態となっているキーホルダ40がホルダ収容部32に収容されたときにはこのキーホルダ40の引出部分40bに設けられた突起部材が検知レバーに接触しないようになっている。この場合でも、状態検知手段として機能する検知レバーは、キーホルダ40がロック状態および解除状態のうち何れの状態であるかを検知することができるようになる。なお、状態検知手段として上述した検知レバーが用いられる場合には、キーホルダ40がロック状態および解除状態のうち何れの状態であるかを機械的に検知するようになるが、更に他の態様において、状態検知手段として静電反応式センサ、磁気反応式センサ等の更に他の構成のセンサが用いられてもよい。
また、フォトセンサ32c等の状態検知手段による、キーホルダ40に係るロック状態および解除状態の検知のオンオフを切り替えることができるようになっていてもよい。キーホルダ40に係るロック状態および解除状態の検知がオフに設定されている場合には、キーホルダ40が解除状態でホルダ収容部32に収容されても、キーホルダ40が解除状態であることがフォトセンサ32c等の状態検知手段により検知されないようになる。なお、このようなキーホルダ40に係るロック状態および解除状態の検知のオンオフの切り替えは例えば操作表示部52により行うことができるようになっている。
また、本実施の形態では、上述したように、状態検知手段として機能するフォトセンサ32cによる検知結果の履歴が記憶部56に記憶されるようになっている。また、キーホルダ40がロック状態から解除状態になったことが状態検知手段としてのフォトセンサ32cにより検知されたときに、記憶部56に記憶されている履歴が更新されるようになっている。このことにより、鍵管理機10の制御部50は、記憶部56に記憶されている情報に基づいて、各ホルダ収容部32に収容されているキーホルダ40がロック状態および解除状態のうち何れの状態であるかを管理することができるようになる。
また、本実施の形態では、上述したように、キーホルダ40が解除状態であることが状態検知手段として機能するフォトセンサ32cにより検知されると、キーホルダ40が解除状態である旨の情報が制御部50により出力されるようになっている。このことにより、キーホルダ40が解除状態である旨の情報を操作者に報知することができるようになるため、キーホルダ40が解除状態のままホルダ収容部32に収容されてしまうことを抑制することができるようになる。ここで、制御部50により出力された、キーホルダ40が解除状態である旨の情報は操作表示部52に表示されるようになっている。なお、制御部50により出力された当該情報は操作表示部52に表示されることに限定されることはない。他の例として、制御部50により出力された、キーホルダ40が解除状態である旨の情報が図示しない上位端末や操作者が携帯する携帯端末(例えば、タブレットPCやスマートフォン、携帯電話)等の外部装置に送信されるようになっていてもよい。また、制御部50により出力された、キーホルダ40が解除状態である旨の情報が音声メッセージとして鍵管理機10から発せられるようになっていてもよい。
また、本実施の形態では、上述したように、キーホルダ40が解除状態であることが状態検知手段として機能するフォトセンサ32cにより検知されると、キーホルダ40に保持される鍵の交換が未完了であると判定手段58により判定されるようになっている。また、あるキーホルダ40に保持される鍵の交換が未完了であると判定手段58により判定されているときには、各ホルダ収容部32に設けられたロック機構36による他のキーホルダ40のロックが解除されないようになっている。この場合には、あるキーホルダ40に保持される鍵の交換が未完了のまま他のホルダ収容部32から別のキーホルダ40が抜き取られてこのキーホルダ40に保持される鍵の交換が行われてしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態では、上述したように、管理部材としてのキーホルダ40にはロック状態と解除状態とで位置が異なる被検知部分として検知タグ41が設けられている。また、状態検知手段として機能するフォトセンサ32cは、キーホルダ40の検知タグ41を検知するようになっている。具体的には、フォトセンサ32cは、検知タグ41の位置に基づいてキーホルダ40がロック状態および解除状態のうち何れの状態であるかを検知するようになっている。また、ホルダ収容部32には、管理部材としてのキーホルダ40が当該ホルダ収容部32に収容されていることを検知する収容検知手段としてリーダライタ32bが設けられており、キーホルダ40には、リーダライタ32bにより検知される第2被検知部分としてICタグ40mが設けられている。この場合には、キーホルダ40がホルダ収容部32に収容されたときに、このことを検知することができるようになる。
なお、本実施の形態による鍵管理機は、図1に示すような、認証部として操作表示部52の隣にICカードリーダ54aが設けられるものに限定されることはない。他の種類の鍵管理機として、図20に示すような、認証部として、操作表示部52の隣に磁気カードリーダ54bが設けられるような鍵管理機10aが用いられてもよい。このような変形例に係る鍵管理機10aでは、操作者はICカードの代わりに磁気カードを所持するようになり、磁気カードリーダ54bは、操作者が所持する磁気カードに記録されている情報を読み取ることができるようになっている。このことにより、認証部において、磁気カードに記録されている操作者の識別情報等の様々な情報が磁気カードリーダ54bによって取得され、この取得された操作者の識別情報等に基づいて操作者の権限の確認が行われるようになっている。なお、図20に示す鍵管理機10aでは、前面扉20の裏側にロック解除部46が設けられている。
また、本実施の形態では、鍵を保持するための管理部材としてのキーホルダやリングは図6に示すような構成のものに限定されることはない。キーホルダやリングの他の例として、図21に示すようなものが用いられてもよい。図21に示すキーホルダ90にはリング92が取り付けられるようになっており、このリング92により1または複数の鍵(図21において参照符号Wで表示)が保持されるようになっている。なお、図21に示すキーホルダ90は、図7等に示すキーホルダ40と異なり、リング92をキーホルダ90から取り外すことができないようになっている。また、図21に示すように、リング92における端部が互いに重なる箇所には閉止部材94が設けられており、当該閉止部材94によりリング92の両端部が閉止されるようになっている。ここで、閉止部材94によりリング92の両端部が閉止されると、このリング92から鍵を取り外したり当該リング92に鍵を取り付けたりすることができないようになる。また、図21に示すキーホルダ90が用いられる鍵管理機にはロック解除部46と類似する構成のロック解除部が設けられており、このロック解除部の収容穴に閉止部材94を差し込むと、この閉止部材94からリング92を取り外すことができるようになっている。このようなロック解除部が設けられていることにより、リング92を閉止部材94から取り外してこのリング92から鍵を取り外したり当該リング92に鍵を取り付けたりすることができるようになる。図21に示すキーホルダ90やリング92、閉止部材94により鍵を保持させた場合でも、図1乃至図17に示す本実施の形態の鍵管理機10と同様の作用効果を奏することができるようになる。
また、本実施の形態による鍵管理機10では、当該鍵管理機10を納品する際に納品モードが実行されるようになっている。このような納品モードでは、操作表示部52において、各ホルダ収容部32からキーホルダ40を抜き取るための解除画面と、ロック解除部46による鍵交換機能を使用可能にする画面とを同時に表示させることができるようになっている。また、このような納品モードでは、全てのホルダ収容部32のロック機構36によるキーホルダ40のロックを一度に解除することができるようになっている。このような納品モードを設けることにより、鍵管理機10の納品時に各キーホルダ40への鍵の取り付け作業を容易に行うことができるようになる。
また、本実施の形態による鍵管理機10において、操作表示部52が設けられる代わりにモニタ等の表示部および操作キー等の操作部が別々に設けられるようになっていてもよい。この際に、図14(a)に示すようなリストがモニタに表示されたときに、操作者は操作部の上キーや下キーを押下することにより、リストにおける選択されるべき項目を示す目印が上下に移動する。また、この場合には、当該目印に対応するホルダ収容部32のみが鍵管理機10のモニタに表示されるレイアウト表示において例えば点滅するようになっていてもよい。
また、本発明による物品管理機や物品管理方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、上記の説明では、本発明による物品管理機として鍵を管理する鍵管理機10を例に挙げて説明したが、本発明による物品管理機は鍵以外の物品(例えば、カード)を管理するようになっていてもよい。このような物品管理機では、図6等に示すリング42と同様の構成のリングによりカード等の物品が保持されるようになり、このようなリングは図6等に示すキーホルダ40と同様の構成のホルダ(管理部材)に着脱自在に取り付けられるようになる。また、カード等の物品を保持するための管理部材は、上述したホルダ収容部32と同様の構成の収容部に収容されるようになる。このような物品管理機でも、カード等の物品を保持するための管理部材がロック状態および解除状態のうち何れの状態であるかを状態検知手段(例えば、フォトセンサ32cと同様の構成のセンサ)により検知するようになっている。このことにより、管理部材をロック解除部に挿入した状態でなくても管理部材から物品を取り外すことができるため作業性を向上させることができ、しかも悪意ある第三者により管理部材から物品が取り外されて不正に使用されてしまうことを抑制することができる。