以下、図面を参照しながら本開示での実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明における本開示での実施形態は、本発明の具体例であり、特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限定されないものとする。
図1は、実施形態に係る環境推定装置1を含む環境推定システム5のシステム構成の一例を示す図である。図1に示す通り、環境推定システム5は、環境推定装置1、(一つ以上の)携帯端末2、(一つ以上の)基地局3(無線装置)及びネットワーク4を含んで構成される。以降では、環境推定システム5の各要素について説明する。
環境推定装置1は、携帯端末2の任意の位置での環境を推定する、サーバ装置等のコンピュータ装置である。環境は、状況に読み替えることもできる。携帯端末2の環境とは、携帯端末2が置かれている環境又は状況のことである。環境は、屋内(建物内)に存在すること又は屋外(建物外)に存在することの少なくとも一方を含んでも良い。例えば、環境推定装置1は、任意の位置において携帯端末2が屋内に存在すること(屋内に存在する確率)を推定しても良いし、任意の位置において携帯端末2が屋外に存在すること(屋外に存在する確率)を推定しても良いし、任意の位置において携帯端末2が屋内又は屋外に存在すること(屋内又は屋外に存在する確率)を推定しても良い。ただし、環境は、屋内に存在すること、及び、屋外に存在することに限定されない。例えば、環境のその他の例としては、地上に存在すること、地下に存在すること、(ビル等の)n階に存在すること(nは(負の数も含む)整数)、温度、湿度、気圧、(人等の)混雑度、騒音レベル、視界範囲、速度、加速度、緯度、経度、位置、高度、地域、国等が挙げられる。環境推定装置1の詳細については後述する。
携帯端末2は、基地局3の無線通信可能な(地理的)範囲(例えばセル範囲)に在圏する(当該範囲に含まれる)ことで当該基地局3と無線通信可能なコンピュータ装置である。本実施形態では、基地局3は移動体通信システムにおける一般的な基地局を想定し、携帯端末2は基地局3を介して移動体通信を行うスマートフォンを想定するが、これらに限るものではない。例えば、基地局3はWiFi(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)のルータであり、携帯端末2は基地局3と無線LAN通信可能な無線LAN端末であっても良い。また例えば、基地局3はBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信(BLE(Bluetooth Low Energy)を利用したbeacon(ビーコン)を含む)のルータであり、携帯端末2は基地局3と近距離無線通信可能な近距離無線通信端末であっても良い。携帯端末2は、在圏している基地局3と無線通信を行い、ネットワーク4を介してインターネット又は他の携帯端末2と通信を行う。携帯端末2は、携帯端末2のユーザによって携帯される。携帯端末2は、一般的なスマートフォンが備えるセンサ等の装置及び機能等を備えるものとする。
図2は、実施形態に係る携帯端末2の機能構成の一例を示す図である。図2に示す通り、携帯端末2は、測位部20、測位情報格納部21及び測位情報送信部22を含んで構成される。
測位部20は、第1の測位により、携帯端末2の現在の位置データと、当該測位を行った時刻である測位時刻とを取得し、取得した位置データと測位時刻とを含む位置情報(高精度位置情報)を測位情報格納部21に格納させる。より具体的には、携帯端末2は、GPSを備え、GPSを利用した第1の測位(GPS測位)を行う。携帯端末2は、GPS測位により、携帯端末2の現在の緯度及び経度を含む位置データと、当該GPS測位を行った測位時刻とを取得する。第1の測位の条件としては、例えば、(人の通行量を推計するために必要な)7m程度の十分な精度があることが挙げられる。測位部20は、位置情報として、自端末である携帯端末2のユーザを識別するユーザ識別子(予め携帯端末2内にて設定済み)、又は、自端末である携帯端末2の識別情報である端末識別子(予め携帯端末2内にて設定済み)の少なくとも一方をさらに含ませても良い。なお、本実施形態ではユーザ識別子を用いた説明を行うが、ユーザ識別子を端末識別子に適宜読み替えても良い。また、測位部20は、位置情報として、測位に関する測位情報をさらに含ませても良い。測位情報は、例えば、測位間隔及び測位誤差である。また、測位部20は、位置情報として、測位した際の携帯端末2の移動速度(携帯端末2が備える加速度センサ等により算出)をさらに含ませても良い。
測位部20は、携帯端末2に予めインストールされた所定のアプリケーション(アプリ)の仕様として規定された測位間隔で第1の測位を行って位置情報を取得しても良いし、定期的(例えば1分に1回)に第1の測位を行って位置情報を取得しても良いし、ユーザ等の指示に基づいたタイミングで第1の測位を行って位置情報を取得しても良い。一般的に、GPS測位により、高精度な(所定の基準又は他の測位よりも精度が高い)位置データを取得することができる。なお、携帯端末2は、GPS測位を利用せずに、基地局3の基地局に関する情報、WiFi(登録商標)又はビーコン等に基づいて位置情報を取得しても良い。
測位部20は、第2の測位により、第2の測位を行った際に基地局3が形成した無線通信可能な範囲に携帯端末2が在圏している場合、在圏している(又は測位した)時刻である在圏時刻(取得時刻)と、当該基地局3を識別する基地局ID(基地局3からの電波に基づき取得)とを取得し、取得した在圏時刻と基地局IDとを含む基地局測位情報を測位情報格納部21に格納させる。第2の測位は、例えば、従来技術である基地局測位である。基地局測位は、携帯端末2が在圏する基地局3の位置情報を利用して、おおよその概略位置を求める方式である。測位部20は、基地局測位情報として、自端末である携帯端末2のユーザを識別するユーザ識別子(予め携帯端末2内にて設定済み)、又は、自端末である携帯端末2の識別情報である端末識別子(予め携帯端末2内にて設定済み)の少なくとも一方をさらに含ませても良い。なお、本実施形態ではユーザ識別子を用いた説明を行うが、ユーザ識別子を端末識別子に適宜読み替えても良い。
測位部20は、定期的(例えば1分に1回)に第2の測位を行って基地局測位情報を取得しても良いし、ユーザ等の指示に基づいたタイミングで第2の測位を行って基地局測位情報を取得しても良い。なお、携帯端末2は、基地局測位を利用せずに、基地局3の基地局に関する情報、WiFi(登録商標)又はビーコン等に基づいて基地局測位情報を取得しても良い。
測位情報格納部21は、位置情報及び基地局測位情報を格納する。
測位情報送信部22は、位置情報及び基地局測位情報を他の装置に送信する。より具体的には、測位情報送信部22は、測位情報格納部21によって格納された位置情報及び基地局測位情報、又は、測位部20によって生成された位置情報及び基地局測位情報を、基地局3及びネットワーク4を介して、環境推定装置1に送信する。測位情報送信部22は、アプリの仕様として規定された時間間隔で位置情報及び基地局測位情報を送信しても良いし、定期的(例えば10分に1回)に位置情報及び基地局測位情報を送信しても良いし、ユーザ等の指示に基づいたタイミングで位置情報及び基地局測位情報を送信しても良い。測位情報送信部22は、位置情報及び基地局測位情報は別々のタイミングで送信しても良い。
図1に戻り、基地局3は、携帯端末2と無線通信を行う無線局等の装置である。上述の通り、本実施形態では、基地局3は移動体通信システムにおける一般的な基地局を想定するが、これに限るものではない。基地局3は、アンテナ等により無線を飛ばし、当該基地局3と無線通信可能な(地理的)範囲(例えばセル範囲)を形成する。基地局3が形成した無線通信可能な範囲に携帯端末2が在圏すると、携帯端末2は基地局3と無線通信を行い、ネットワーク4を介してインターネット又は他の携帯端末2と通信(移動体通信)を行う。基地局3は、一般的な基地局が備える装置及び機能等を備えるものとする。
ネットワーク4は、移動体通信網等のネットワークである。ネットワーク4には、環境推定装置1及び(一つ以上の)基地局3が有線等により通信接続されている。環境推定装置1と各携帯端末2とは、基地局3及びネットワーク4を介して通信接続され、互いに情報を送受信可能である。
図3は、実施形態に係る環境推定装置1の機能構成の一例を示す図である。図3に示す通り、環境推定装置1は、情報取得部10(取得部)、情報格納部11(格納部)、情報演算部12及び推定部13(推定部)を含んで構成される。
環境推定装置1の各機能ブロックは、環境推定装置1内にて機能することを想定しているが、これに限るものではない。例えば、環境推定装置1の機能ブロックの一部は、環境推定装置1とは異なるコンピュータ装置であって、環境推定装置1とネットワーク接続されたコンピュータ装置内において、環境推定装置1と情報を適宜送受信しつつ機能しても良い。また、環境推定装置1の一部の機能ブロックは無くても良いし、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックに統合しても良いし、一つの機能ブロックを複数の機能ブロックに分解しても良い。
以下、図3に示す環境推定装置1の各機能について説明する。
情報取得部10は、任意の情報を取得する。より具体的には、情報取得部10は、ネットワークを介して接続された他の装置から任意の情報を取得したり、情報格納部11に格納された任意の情報を取得したりする。情報取得部10は、取得した情報を環境推定装置1の各機能に出力する。
情報取得部10は、携帯端末2の測位情報送信部22によって送信された位置情報及び基地局測位情報を取得(受信)する。情報取得部10によって位置情報及び基地局測位情報を取得した後の環境推定装置1内での当該位置情報及び当該基地局測位情報に基づく処理は、当該位置情報及び当該基地局測位情報に含まれるユーザ識別子が示すユーザごとに行うものとする(後続の処理をユーザごとに行う点については適宜説明を省略する)。
情報取得部10は、位置情報のうち、位置データが示す位置が、指定された指定エリアに含まれる位置情報を取得しても良い。また、情報取得部10は、複数のユーザそれぞれが携帯する携帯端末2の位置情報のうち、位置データが示す位置が、指定された指定エリアに含まれる位置情報を取得しても良い。
指定エリアは、例えば地理上の2次元領域である。指定エリアは、予め環境推定装置1の管理者等が指定しても良いし、他の装置から受信した指定エリアに関する指定エリア情報に基づいて指定しても良い。図4は、指定エリアの一例を説明する図である。図4において、地理上の所定の規定に沿って分割された領域(例えば1辺125mの正方形領域)であるメッシュ上の一部に指定エリアがある。指定エリアより鉛直方向上側が指定エリアの地上部分であり、指定エリアより鉛直方向下側が指定エリアの地下部分である。メッシュの一部領域より鉛直方向下側(地下)には地下鉄又は地下街の空間があり、当該空間は(地下の)屋内に分類される。指定エリアの地下部分は、当該空間に含まれている。メッシュの一部領域より鉛直方向上側(地上)には建物があり、当該建物内の空間は(地上の)屋内に分類される。指定エリアは、(図4に示す通り)地上の建物が無いエリアであっても良い。これにより、地上の建物内の屋内が分離(除外)され、(環境情報が)屋内であれば地下であり、(環境情報が)屋外であれば地上であると一意に判定することができる。
情報格納部11は、任意の情報を格納する。より具体的には、情報格納部11は、情報取得部10によって取得された情報を格納したり、環境推定装置1の各機能によって算出された情報を適宜格納したりする。例えば、情報格納部11は、情報取得部10によって取得された位置情報及び基地局測位情報を格納する。情報格納部11によって格納された情報は、環境推定装置1の各機能によって適宜参照される。
図5は、情報格納部11によって格納された位置情報のテーブル例を示す図である。図5に示す通り、位置情報では、携帯端末2のユーザを識別するユーザ識別子と、当該ユーザが携帯する携帯端末2が測位を行った測位時刻と、当該測位により取得された(位置データの一部である)緯度と、当該測位により取得された(位置データの一部である)経度とが関連付けられている。
図6は、後述の基地局情報の一部である、情報格納部11によって格納された基地局測位情報のテーブル例を示す図である。図6に示す通り、基地局測位情報では、携帯端末2のユーザを識別するユーザ識別子と、当該ユーザが在圏している在圏時刻と、当該ユーザが在圏した無線通信可能な範囲を形成している基地局3の基地局IDとが関連付けられている。なお、基地局測位情報のユーザ識別子と、上述の位置情報のユーザ識別子とは、両横断的に一意(ユニーク)である。
情報格納部11は、予め基地局データを格納する。図7は、後述の基地局情報の一部である、基地局データのテーブル例を示す図である。図7に示す通り、基地局データでは、基地局の基地局IDと、当該基地局が屋内に存在するか又は屋外に存在するかを示す(当該基地局の環境を示す)環境情報(屋内外判定情報、屋内外フラグ)とが関連付けられている。
情報格納部11は、基地局測位情報と基地局データとを組み合わせた基地局情報(無線装置情報)を格納しても良い。より具体的には、情報格納部11は、図6に示すテーブル例と図7に示すテーブル例とを結合(基地局IDに基づきjoin)したテーブル例を、基地局情報のテーブル例とする。図6及び図7に示すテーブル例から、例えば、ユーザ識別子「0」のユーザが携帯する携帯端末2が、基地局ID「590」の基地局3が形成する無線通信可能な範囲に、在圏時刻「11:21」に在圏し、当該基地局3は「屋内」に存在することが把握可能である。
情報演算部12は、任意の情報を演算する。より具体的には、情報演算部12は、情報取得部10によって取得された任意の情報を演算したり、情報格納部11によって格納された任意の情報を演算したりする。情報演算部12は、演算した情報を情報格納部11によって格納させても良い。例えば、情報演算部12は、情報格納部11によって格納された基地局測位情報及び基地局データに基づき、上述の基地局情報を演算(生成)し、演算した基地局情報を情報格納部11によって格納させても良い。情報演算部12は、定期的に情報を演算しても良いし、ユーザ等の指示に基づいたタイミングで情報を演算しても良いし、環境推定装置1の他の機能の指示に基づいたタイミングで情報を演算しても良い。
推定部13は、情報取得部10によって取得された(又は情報格納部11によって格納された)携帯端末2の位置情報に含まれる測位時刻と、情報格納部11によって格納された基地局情報とに基づいて、当該位置情報に含まれる位置データが示す位置における当該携帯端末2の環境を推定する。より具体的には、推定部13は、携帯端末2の位置情報に含まれる測位時刻と関連する在圏時刻の基地局情報に関連付けられた環境情報が示す環境に基づいて、携帯端末2の環境を推定する。例えば、推定部13は、携帯端末2の位置情報に含まれる測位時刻と同一の在圏時刻の基地局情報に関連付けられた環境情報が示す環境を、携帯端末2の環境として推定しても良い。以下では具体的な推定方式について、図8及び図9を参照しながら説明する。
図8は、基地局情報及び位置情報を用いた推定方式の一例を説明するための図である。図8では、時間軸に沿って、基地局情報を測位した在圏時刻の例である在圏時刻t1及び在圏時刻t2と、位置情報を測位した測位時刻の例である測位時刻tとを並べている。在圏時刻t1の基地局情報に関連付けられた環境情報が示す環境は「屋内」であり、在圏時刻t2の基地局情報に関連付けられた環境情報が示す環境は「屋外」である。なお、上述した通り、基地局情報と位置情報とはユーザ識別子を介して関連付いている。また、時間軸上に、測位時刻tを含む所定の時間Tの範囲を示している。例えば、時間Tは、時間軸上の「t-T/2」から「t+T/2」の範囲に設定しても良い。
図9は、基地局情報及び位置情報を用いた推定方式の別の一例を説明するための図である。図9は、携帯端末2を携帯したユーザ(ユーザ識別子「0」)の地上又は地下での時系列的な(時刻00:00から時刻00:05までの)移動を示している。時刻00:00において、基地局3の一つである基地局A(屋外に設置)が測位した際に携帯端末2の在圏を把握し、在圏時刻「00:00」及び環境情報「屋外」を含む基地局情報が生成され、環境推定装置1に送信される。次に、時刻00:01において、基地局3の一つである基地局B(屋外に設置)が測位した際に携帯端末2の在圏を把握し、在圏時刻「00:01」及び環境情報「屋外」を含む基地局情報が生成され、環境推定装置1に送信される。次に、時刻00:03において、携帯端末2の測位部20により、測位時刻「00:03」及び位置データ「緯度X,経度Y」を含む位置情報が生成され、環境推定装置1に送信される。次に、時刻00:04において、基地局3の一つである基地局C(屋内に設置)が測位した際に携帯端末2の在圏を把握し、在圏時刻「00:04」及び環境情報「屋内」を含む基地局情報が生成され、環境推定装置1に送信される。次に、時刻00:05において、基地局3の一つである基地局D(屋内に設置)が測位した際に携帯端末2の在圏を把握し、在圏時刻「00:05」及び環境情報「屋内」を含む基地局情報が生成され、環境推定装置1に送信される。
[推定方式1]
推定部13は、基地局情報のうち測位時刻に最も(時刻的に)近い在圏時刻の基地局情報に関連付けられた環境に基づいて推定しても良い。
図8に示す例では、推定部13は、測位時刻tに最も近い在圏時刻t1の基地局情報に関連付けられた環境「屋内」に基づいて推定する。
図9に示す例では、推定部13は、測位時刻「00:03」に最も近い在圏時刻「00:04」の基地局Cの基地局情報に関連付けられた環境「屋内」に基づいて推定する。なお、推定部13は、環境「屋内」に基づいて、携帯端末2の環境を「地上存在比率:0」と推定しても良い。
[推定方式2]
推定部13は、基地局情報のうち測位時刻を含む所定の時間に含まれる在圏時刻の基地局情報に関連付けられた環境に基づいて推定しても良い。推定部13は、基地局情報のうち測位時刻を含む所定の時間に含まれる在圏時刻の基地局情報それぞれに関連付けられた環境の(発生)比率に基づいて推定しても良い。
図8に示す例では、推定部13は、測位時刻tを含む時間Tに含まれる在圏時刻t1及び在圏時刻t2それぞれの基地局情報に関連付けられた環境「屋内」及び「屋外」に基づいて推定する、又は、当該環境「屋内」及び「屋外」の比率である1対1に基づいて推定する。例えば、推定部13は、環境「屋内」及び「屋外」の比率である1対1に基づいて、携帯端末2の環境を「地上存在比率:50%(0.5)」と推定しても良い。
図9に示す例では、推定部13は、測位時刻「00:03」を含む所定の時間(ここでは2分とする)に含まれる、在圏時刻「00:01」の基地局Bの基地局情報に関連付けられた環境「屋外」、在圏時刻「00:04」の基地局Cの基地局情報に関連付けられた環境「屋内」、及び、在圏時刻「00:05」の基地局Dの基地局情報に関連付けられた環境「屋内」に基づいて推定する、又は、当該環境「屋外」、「屋内」及び「屋内」に基づく「屋外」と「屋内」の比率である1対2に基づいて(式「1/(1+2)」に基づいて)、携帯端末2の環境を「地上存在比率:33%(0.33)」と推定しても良い。
[推定方式3]
推定部13は、上述の推定方式1又は推定方式2について、在圏時刻と測位時刻との差分にさらに基づいて推定しても良い。例えば、在圏時刻と測位時刻との差分が小さいほど、当該在圏時刻の基地局情報に関連付けられた環境の重みを大きくしても良い。また例えば、在圏時刻と測位時刻との差分が大きいほど、当該在圏時刻の基地局情報に関連付けられた環境の重みを小さくしても良い。
例えば、上述の推定方式2の図9に示す例において、推定部13は、在圏時刻「00:01」の基地局Bの基地局情報に関連付けられた環境「屋外」については在圏時刻と測位時刻との差分である2分に基づく重みを「0.2」とし、在圏時刻「00:04」の基地局Cの基地局情報に関連付けられた環境「屋内」については在圏時刻と測位時刻との差分である1分に基づく重みを「0.5」とし、在圏時刻「00:05」の基地局Dの基地局情報に関連付けられた環境「屋内」については在圏時刻と測位時刻との差分である2分に基づく重みを「0.2」とし、環境「屋外」の重みの合計「0.2」と、環境「屋内」の重みの合計「0.7」とに基づいて(式「0.2/(0.2+0.7)」に基づいて)、携帯端末2の環境を「地上存在比率:22%(0.22)」と推定しても良い。
以上が、推定方式1~3の説明である。
推定部13は、推定した各位置における携帯端末2の環境に基づいて指定エリアにおける携帯端末2の環境を推定しても良い。例えば、推定部13は、指定エリアに含まれる位置情報に基づいて推定された携帯端末2の環境のうち、最も数の多い環境を、指定エリアにおける携帯端末2の環境として推定しても良い。また例えば、推定部13は、指定エリアに含まれる位置情報に基づいて推定された携帯端末2の環境について、環境ごとの比率に基づいて、指定エリアにおける携帯端末2の環境を推定しても良い。
推定部13は、推定した、指定エリアにおけるユーザごとの携帯端末2の環境に基づいて、指定エリアにおける携帯端末2の環境をさらに推定しても良い。例えば、推定部13は、指定エリアにおいて、ユーザ識別子「A」の地上存在比率を「0.0」と推定し、ユーザ識別子「B」の地上存在比率を「0.9」と推定し、ユーザ識別子「C」の地上存在比率を「0.2」と推定した場合、3ユーザの地上存在比率の平均である「0.36」を指定エリアにおける携帯端末2の地上存在比率として推定する。
推定部13は、推定した(複数の位置それぞれの)各位置における(複数の携帯端末2それぞれの)各携帯端末2の環境に基づいて指定エリアにおける環境ごとのユーザ比率を算出して出力しても良い。例えば、推定部13は、「屋内」と「屋外」のユーザ比率が1対3であると算出し、出力しても良い。
推定部13は、推定結果を出力しても良い。より具体的には、推定結果を、ネットワークを介して接続された他の装置に出力(送信)しても良いし、後述の出力装置1006を介して環境推定装置1の利用者等に出力(表示)しても良い。
続いて、図10及び図11のフローチャートを参照しながら、環境推定システム5が実行する処理(環境推定方法)の一例を説明する。
図10は、携帯端末2が実行する測位処理の一例を示すフローチャートである。まず、測位部20が測位して、位置データ及び測位情報を含む位置情報と、在圏時刻及び基地局IDを含む基地局測位情報とを取得し、取得した位置情報及び基地局測位情報を測位情報格納部21によって格納させる(ステップS1)。次に、測位情報送信部22が、S1で取得した位置情報及び基地局測位情報、又は、S1にて格納された位置情報及び基地局測位情報を、基地局3及びネットワーク4を介して環境推定装置1に送信する(ステップS2)。なお、S2を実行する前に、S1を2回以上繰り返し実行しても良い。また、S2の実行の後に、S1に戻り、S1及びS2の一連の処理を繰り返し実行しても良い。また、S1にて位置情報を格納せずに、S1にて取得した位置情報をS2にて直接(測位情報格納部21によって格納させずに)送信しても良い。また、位置情報及び基地局測位情報はそれぞれ別のタイミングで測位し、格納し、送信しても良い。
図11は、環境推定装置1が実行する環境推定処理の一例を示すフローチャートである。まず、情報格納部11が、基地局情報を格納する(ステップS10)。基地局情報は、例えば、携帯端末2から送信され、情報取得部10が取得した基地局測位情報と、情報格納部11が予め格納している基地局データとに基づいて、情報演算部12が演算したものである。次に、情報取得部10が、携帯端末2から送信された位置情報を取得する(ステップS11)。次に、推定部13が、S11にて取得された位置情報に含まれる測位時刻と、S10にて格納された基地局情報とに基づいて、携帯端末2の環境を推定する(ステップS12)。なお、S10とS11の順は逆でも良い。
続いて、実施形態に係る環境推定装置1の作用効果について説明する。
環境推定装置1によれば、基地局3の無線通信可能な範囲に携帯端末2が在圏した在圏時刻と当該基地局3の環境を示す環境情報とを関連付けた基地局情報を格納する情報格納部11と、測位により取得された携帯端末2の位置データと測位時刻とを含む位置情報を取得する情報取得部10と、情報取得部10によって取得された携帯端末2の位置情報に含まれる測位時刻と、情報格納部11によって格納された基地局情報とに基づいて、当該位置情報に含まれる位置データが示す位置における当該携帯端末2の環境を推定する推定部13と、を備えるこの構成により、取得された携帯端末2の位置情報に含まれる測位時刻と、格納された基地局情報とに基づいて、当該位置情報に含まれる位置データが示す位置における当該携帯端末2の環境が推定される。すなわち、位置情報と基地局情報とに基づいて、携帯端末2の環境をより容易に推定することができる。
また、環境推定装置1によれば、環境は、屋内に存在すること又は屋外に存在することの少なくとも一方を含んでも良い。この構成により、例えば、携帯端末2が屋内(地下)に存在するか否か、又は、屋外(地上)に存在するか否かを推定することができる。
また、環境推定装置1によれば、推定部13は、基地局情報のうち測位時刻に最も近い在圏時刻の基地局情報に関連付けられた環境に基づいて推定しても良い。この構成により、より時刻が近い基地局情報に関連付けられた環境、すなわち、地理的により近い基地局情報に関連付けられた環境に基づいて推定されるため、より精度の高い推定ができる。
また、環境推定装置1によれば、推定部13は、基地局情報のうち測位時刻を含む所定の時間に含まれる在圏時刻の基地局情報に関連付けられた環境に基づいて推定しても良い。この構成により、地理的に近い(一つ以上の)基地局情報に関連付けられた環境に基づいて推定されるため、より精度の高い推定ができる。
また、環境推定装置1によれば、推定部13は、基地局情報のうち測位時刻を含む所定の時間に含まれる在圏時刻の基地局情報それぞれに関連付けられた環境の比率に基づいて推定しても良い。この構成により、地理的に近い複数の基地局情報に関連付けられた複数の環境の比率に基づいて推定されるため、より精度の高い推定ができる。
また、環境推定装置1によれば、推定部13は、在圏時刻と測位時刻との差分にさらに基づいて推定しても良い。この構成により、例えば、時間的な近さ、すなわち、(携帯端末2と基地局3との)地理的な近さに基づいて重み付けすることができるため、より精度の高い推定ができる。
また、環境推定装置1によれば、情報取得部10は、位置情報のうち、位置データが示す位置が、指定された指定エリアに含まれる位置情報を取得し、推定部13は、推定した各位置における携帯端末2の環境に基づいて指定エリアにおける携帯端末2の環境を推定しても良い。この構成により、位置ではなく指定エリアにおける携帯端末2の環境をより容易に推定することができる。
また、環境推定装置1によれば、情報取得部10は、複数のユーザそれぞれが携帯する携帯端末2の位置情報のうち、位置データが示す位置が、指定された指定エリアに含まれる位置情報を取得し、推定部13は、推定した各位置における各携帯端末2の環境に基づいて指定エリアにおける環境ごとのユーザ比率を算出して出力しても良い。この構成により、複数のユーザの位置情報に基づく、指定エリアにおける環境ごとのユーザ比率を算出及び出力することができるため、より有用な情報を得ることができる。
また、環境推定装置1によれば、指定エリアは、地上の建物が無いエリアであっても良い。この構成により、地上の建物内の屋内が分離(除外)され、(環境情報が)屋内であれば地下であり、(環境情報が)屋外であれば地上であると一意に判定することができる。
従来、地下街及び地下鉄(駅、線路等)が含まれるエリアにおいて、地上の人口又は通行量の測位結果に誤差が生じ、正確な人口又は通行量を算出できないという課題があった。すなわち、指定された領域において、地上と地下の人口又は通行量を分離して推計できないという課題があった。その他の問題点としては、人口密集地(通行者の重なり)や広範囲(遠隔の通行者)の推計が困難である点、地下街や地下鉄の通行者を除外することが困難である(精度が確保できない)点があった。本実施形態に係る環境推定装置1では、高精度位置情報(位置情報)と屋外判定情報(基地局情報)を連結し、地上地下の人口比率又は通行者比率を算出し、人口又は通行量を分計する。すなわち、高精度位置情報取得時の地上地下判定を行う(測位前後の屋内外系列データ(環境情報)から推定する)。環境推定装置1によれば、任意の指定エリア内におけるユニークユーザでの人口又は通行量を高精度に推計できる。また、環境推定装置1によれば、人口密集地又は遠隔の通行者も含むエリアにおける人口又は通行量を推計することができる。また、環境推定装置1によれば、高精度な測位結果(位置情報)と屋内外判定情報(基地局情報)を用いることで、高精度に地上人口又は地上通行量を推計することができる。
また、環境推定装置1によれば、GPSデータ、屋外/屋内情報を含む基地局情報をユーザ識別子、測位時刻によって紐付けることで任意のエリアの地上比率を算出することができる。また、環境推定装置1によれば、高精度位置情報と屋内外判定情報を活用して任意のエリアの地上人口比率を算出することができる。また、環境推定装置1によれば、推定する際に、測位時刻に最も近い時刻に取得した屋内外判定情報に基づいて推定する。また、環境推定装置1によれば、推定する際に、屋内外判定情報数から求めたユーザあたりの地上存在比率に基づいて推定する。また、環境推定装置1によれば、推定する際に、屋内外判定情報数と任意の確率分布による重み付けから求めたユーザあたりの地上(地下)存在比率に基づいて推定する。また、環境推定装置1によれば、人口比率算出対象エリアを、地上建物を排除した定義エリアとすることで、地上人口比率と地下人口比率を算出する。
環境推定装置1による地上比率算出は以下の方法としても良い。
(1)携帯端末2が受信中の電波から最近傍基地局測位情報を取得。
(2)予め作成した視聴定義エリアの領域情報ファイルを入力し、メモリに格納。(格納した視聴定義エリアを推計対象に地下人口比率を算出したい場合は必要)
(3)任意の推計対象エリアに属する測位データを抽出。
(4)各固有ユーザの測位データと基地局情報の在圏時刻の差分を算出。
(5)各測位データに対して在圏時刻の差分が閾値以下の基地局情報を全て紐付け。
(6-1)各測位データにおいて基地局情報との在圏時刻差分が最も小さい屋内外判定を採用する。
(6-2)各測位データに紐付いた基地局情報数から地上存在比率とする。
(6-3)各測位データに紐付いた基地局情報数と予め定義した確率分布から地上存在比率とする。
(なお、上記6-1~6-3は何れかを利用)
(7)各地域メッシュごとに地上存在比率を集計して、メッシュの地上人口比率とする。
環境推定装置1は、様々な分野に応用することができる。例えば、DOOH(Distal Out Of Home)等の屋外広告の視聴数推計に応用することができる。それにより、広告視聴者数(インプレッション)及び属性等に基づいて広告枠を販売することができる。より具体的には、環境推定装置1は、DOOH視聴エリアの通行量に含まれる地下ユーザを除去することができる。例えば、既存技術により予め算出された、DOOH視聴エリアの通行量推計値(地上及び地下を含む)に対して、環境推定装置1により算出されたDOOH視聴エリアの地上ユーザ比率を乗算することで、DOOH視聴エリアの地上の通行量推計値を算出することができる。
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
例えば、本開示の一実施の形態における環境推定装置1などは、本開示のデータ補正方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図12は、本開示の一実施の形態に係る環境推定装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の環境推定装置1は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。環境推定装置1のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
環境推定装置1における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の情報取得部10、情報演算部12及び推定部13などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、情報取得部10、情報演算部12及び推定部13は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の情報取得部10及び推定部13などは、通信装置1004によって実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、環境推定装置1は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局3が有する機能を携帯端末2が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述の携帯端末2が有する機能を基地局3が有する構成としてもよい。
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、例えば、英語でのa、an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。