本発明の一実施形態に係る遊技機用シャッター装置1について説明する。まず、遊技機用シャッター装置1が適用される遊技機としてのパチンコ機PMの概略について説明しておく。パチンコ機PMは、図1に示すように、鉛直方向に延びる略直方体状の装置である。以下の説明において、パチンコ機PMの高さ方向(鉛直方向)を上下方向と呼ぶ。また、パチンコ機PMの幅方向を左右方向と呼び、パチンコ機PMの奥行き方向を前後方向と呼ぶ。
パチンコ機PMは、同図に示すように、遊技盤PB、遊技球発射装置BSなどを備える。遊技盤PBは、上下方向に延びる略長方形の板状部材である。遊技盤PBは、遊技者に対向するように配置されている。すなわち、遊技盤PBの板厚方向が前後方向に一致している。遊技球発射装置BSは、遊技盤PBの下方に配置されている。遊技球発射装置BSは、図示しない遊技球を1球ずつ遊技盤PBへ向けて発射する。
遊技盤PBの略中央部に開口部OPが設けられている。開口部OPの後方には、表示装置DD及び遊技機用シャッター装置1が組み付けられたケースCAが配置されている。ケースCAは前方(遊技者側)へ開放された箱状部材である。ケースCAの中央部に表示装置DDが配置されている。表示装置DDとして、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどが用いられる。表示装置DDは、図示しない制御装置に接続されており、制御装置から供給された制御信号に従って画像を表示する。開口部OPの周縁部には枠状の縁飾りEPが取り付けられる。
遊技機用シャッター装置1は、図2に示すように、フレーム10、遮蔽板20、左側駆動装置30L及び右側駆動装置30Rを備える。詳しくは後述するように、遮蔽板20が駆動されて、表示装置DDの表示面を視認可能な状態と視認不能な状態とが切り替えられる(図2乃至図5参照)。
フレーム10は、表示装置DDの少し前方に配置される。フレーム10は、遊技者側か見て、表示装置DDの表示面を取り囲む骨格部材である。フレーム10は、図6に示すように、左右一対の縦柱部11L,11R、上側梁部12及び下側梁部13を有する。
縦柱部11Lと縦柱部11Rは、フレーム10の左右方向における中央部を対称軸(対称面)として左右対称構造を有する。そこで、以下、縦柱部11Lについて説明し、縦柱部11Rの説明を省略する。
縦柱部11Lは、後壁部111、側壁部112、上壁部113及び下壁部114を備える。後壁部111は、上下方向に延びる略長方形の板状部である。後壁部111の板厚方向が前後方向に一致している。後壁部111の幅方向(左右方向)における中央部には、上下方向にそれぞれ延びる、上下一対のスリット111a,111bが形成されている。スリット111aは、後壁部111の上端より少し下方に位置する部分から、後壁部111の上下方向における中央部より少し上方に位置する部分に亘って、直線状に延設されている。スリット111bは、後壁部111の下端より少し上方に位置する部分から、後壁部111の上下方向における中央部より少し下方に位置する部分に亘って、直線状に延設されている。
側壁部112は、上下方向に延びる略長方形の板状部である。側壁部112の板厚方向が左右方向に一致している。側壁部112の後側の端面が、後壁部111の前面における右端に接続されている。後壁部111の上端と側壁部112の上端の上下方向の位置が同一であり、後壁部111の下端と側壁部112の下端の上下方向の位置が同一である。側壁部112の幅方向(前後方向)における中央部には、上下方向にそれぞれ延びる、上下一対のスリット112a,112bが形成されている。スリット112aは、側壁部112の上端より少し下方に位置する部分から、側壁部112の上下方向における中央部より少し上方に位置する部分に亘って、直線状に延設されている。スリット112bは、側壁部112の下端より少し上方に位置する部分から、側壁部112の上下方向における中央部より少し下方に位置する部分に亘って、直線状に延設されている。
上壁部113及び下壁部114は、後壁部111の前方且つ側壁部112の左方に位置する上下方向に延びる空間の上端及び下端をそれぞれ覆う板状部である。
上側梁部12は、表示装置DDの上辺に沿うように左右方向に延設されている。上側梁部12は、平板状に形成されている。上側梁部12の板厚方向が、前後方向に一致している。下側梁部13は、表示装置DDの下辺に沿うように左右方向に延設されている。下側梁部13は、左右一対の平板部13L,13Rから構成されている。平板部13L,13Rは、左右方向に延びる略長方形を呈する。平板部13L,13Rの板厚方向が上下方向に一致している。平板部13Lは、表示装置DDの下辺の左側部に沿うように、縦柱部11Lの下端から右方へ突出している。平板部13Rは、表示装置DDの下辺の右側部に沿うように、縦柱部11Rの下端から左方へ突出している。
遮蔽板20は、上側遮蔽板20aと下側遮蔽板20bとから構成されている(図2乃至図5参照)。上側遮蔽板20aは、複数枚(本実施形態では4枚)の羽板W(W1a,W2a,W3a,W4a)から構成されている。また、下側遮蔽板20bは、複数枚(本実施形態では4枚)の羽板W(W1b,W2b,W3b,W4b)から構成されている。羽板Wは、図7に示すように、本体部MBWと、左右一対の軸部SHW,SHWとを有する。本体部MBWは、左右方向に延びる長方形の板状部である。本体部MBWの左端面及び右端面に、軸部SHW,SHWがそれぞれ設けられている。軸部SHW,SHWの中心軸は、本体部MBWの幅方向における中央部、且つ板厚方向における中央部に位置している。軸部SHW,SHWは、本体部MBWに固定(又は一体的に形成)されている。軸部SHWの長手方向における中間部SH1Wの軸径(直径)が、基端部SH2W及び先端部SH3Wの軸径に比べて少し小さい。先端部SH3Wの外周面には、一対の平面部FS,FSが設けられている。平面部FS,FSは、本体部MBWの側面に平行である。平面部FS,FSは、軸部SHWの中心軸を含む平面であって、本体部MBWの側面に平行な平面から見て、互いに反対側に位置し、且つ等距離にある。なお、軸部SHWは本発明の第1軸部に相当する。
左側駆動装置30Lは、昇降装置31とルーバー装置32とを備える(図8及び図16参照)。なお、図8において、ルーバー装置32が省略されている。図16において、昇降装置31の一部が省略されている。
昇降装置31は、図8及び図12に示すように、ガイドシャフト311、送りねじ312、支持体セット313a,313b、レージトング314a,314b及び電動モーター315を備える。ガイドシャフト311は、上下方向に延びる丸棒である。ガイドシャフト311の上端部及び下端部が上壁部113及び下壁部114にそれぞれ支持されている。ガイドシャフト311は、後壁部111の前面における右端部の少し前方(側壁部112の左面における後端部の少し左方)に位置している。送りねじ312は、上下方向に延びる丸棒であり、その外周面に上下一対の螺旋状の溝部Ga,Gbが形成されている。溝部Gaは、送りねじ312の上端より少し下方に位置する部分から、送りねじ312の上下方向における中央部より少し上方に位置する部分に亘って形成されている。溝部Gbは、送りねじ312の下端より少し上方に位置する部分から、送りねじ312の上下方向における中央部より少し下方に位置する部分に亘って形成されている。溝部Gaと溝部Gbの螺旋の旋回方向が反対である。送りねじ312の上端部及び下端部が、上壁部113及び下壁部114に設けられた軸支持部に、回転可能に支持されている。送りねじ312は、ガイドシャフト311の前方に位置している。
支持体セット313aは、第1支持体S1a、第2支持体S2a,第3支持体S3a及び第4支持体S4aから構成されている。第1支持体S1aは、図9に示すように、左右方向に延びる略直方体形状を呈する。第1支持体S1aは、上下方向に貫通する貫通孔TH1S1a,TH2S1aを有する。貫通孔TH1S1a及び貫通孔TH2S1aにガイドシャフト311及び送りねじ312がそれぞれ挿入されている。貫通孔TH2S1aの内周面には、図示しないボールが埋め込まれていて、これらのボールが、溝部Gaに嵌合している。これにより、送りねじ312が回転(正転又は逆転)すると、第1支持体S1aがガイドシャフト311に沿って上下方向にスライドする。
第1支持体S1aは、左右方向に貫通する貫通孔TH3S1aを有する。貫通孔TH3S1aは、スリット112aに連通している(図11参照)。側壁部112の右方から、スリット112aに、羽板W1aの左側の軸部SHWが挿入されて、その軸部SHWが、貫通孔TH3S1aに挿入される。これにより、羽板W1aの左端部が、第1支持体S1aに支持される。
第1支持体S1aの後面の略中央部には、後方へ少し突出した円筒状のピン受け部PRS1aが形成されている(図9参照)。ピン受け部PRS1aは、スリット111aに挿入されている(図12参照)。ピン受け部PRS1aは、後述するレージトング314aを支持する。
さらに、第1支持体S1aの前面の左部には、上下方向に延びる凹部RS1aが形成されている(図9参照)。第1支持体S1aの平面視において、凹部RS1aは、半円形を呈する。凹部RS1aに、後述する駆動シャフト321が嵌め込まれて支持される。
第2支持体S2a、第3支持体S3a及び第4支持体S4aの構成は同一である。以下、第2支持体S2aの構成について説明する。第2支持体S2aは、図10に示すように、左右方向に延びる略直方体形状を呈する。第2支持体S2aは、上下方向に貫通する貫通孔TH1S2aを有する。
第2支持体S2aは、左右方向に貫通する貫通孔TH2S2aを有する。貫通孔TH2S2aは、スリット112aに連通している(図11参照)。
第2支持体S2aの後面の略中央部には、後方へ少し突出した円筒状のピン受け部PRS2aが形成されている(図10参照)。ピン受け部PRS2aは、スリット111aに挿入されている(図12参照)。ピン受け部PRS2aは、後述するレージトング314aを支持する。
さらに、第2支持体S2aの前面の左部には、上下方向に延びる凹部RS2aが形成されている。第2支持体S2aの平面視において、凹部RS2aは、半円形を呈する。凹部RS2aに、後述する駆動シャフト321が嵌め込まれて支持される。
上記のように構成された第2支持体S2a、第3支持体S3a及び第4支持体S4aが、第1支持体S1aの上方にて、上下方向に配列され、それらの貫通孔TH1S2a, TH1S3a, TH1S4aにガイドシャフト311が挿入されている(図8参照)。第2支持体S2a、第3支持体S3a及び第4支持体S4aは、ガイドシャフト311に沿って上下方向にスライド可能である。側壁部112の右方から、スリット112aに、羽板W2a,W3a,W4aの左側の軸部SHWがそれぞれ挿入されて、それらの軸部SHWが、第2支持体S2a、第3支持体S3a及び第4支持体S4aの貫通孔TH2S2a,TH2S3a,TH2S4aにそれぞれ挿入される。これにより、羽板W2a,W3a,W4aの左端部が、第2支持体S2a、第3支持体S3a及び第4支持体S4aにそれぞれ支持される。
支持体セット313bは、支持体セット313aの第1支持体S1a、第2支持体S2a、第3支持体S3a及び第4支持体S4aと同一の第1支持体S1b、第2支持体S2b、第3支持体S3b及び第4支持体S4bから構成されている(図8乃至図10参照)。第1支持体S1bの貫通孔TH2S1bの内周面に設けられたボールが、溝部Gbに嵌合している。上記のように、溝部Gaの旋回方向と、溝部Gbの旋回方向とが反対であるため、送りねじ312が一方向に回転(正転又は逆転)すると、第1支持体S1aと第1支持体S1bとが、反対方向にスライドする。第2支持体S2b、第3支持体S3b及び第4支持体S4bは、第1支持体S1bの下方にて、上下方向に配列されている。
第1支持体S1bの貫通孔TH3S1bは、スリット112bに連通している(図11参照)。側壁部112の右方から、スリット112bに、羽板W1bの左側の軸部SHWが挿入されて、その軸部SHWが、貫通孔TH3S1bに挿入される。これにより、羽板W1bの左端部が、第1支持体S1bに支持される。第2支持体S2b、第3支持体S3b及び第4支持体S4bの貫通孔TH2S2b,TH2S3b,TH2S4bは、スリット112bに連通している。側壁部112の右方から、スリット112bに、羽板W2b,W3b,W4bの左側の軸部SHWが挿入されて、それらの軸部SHWが、貫通孔TH2S2b,TH2S3b,TH2S4bにそれぞれ挿入される。これにより、羽板W2b,W3b,W4bの左端部が、第2支持体S2b、第3支持体S3b及び第4支持体S4bにそれぞれ支持される。また、ピン受け部PRS1b,SRS2b,SRS3b,SRS4bは、スリット111bにそれぞれ挿入されている。
レージトング314aは、後壁部111の後面の上半部に取り付けられている。レージトング314aは、第1リンクL1、第2リンクL2、第3リンクL3、第4リンクL4及び第5リンクL5を連結して構成されている。
第1リンクL1は、図13に示すように、2つのリンク片L11,L12から構成されている。リンク片L11,L12は、前後方向に垂直な長円形の板状部である。リンク片L11及びリンク片L12の構成は同一である。リンク片L11,L12の長手方向における一端部が前後方向に重ねられている。このリンク片L11,L12の重畳部には、前後方向に貫通する貫通孔が設けられており、この貫通孔に、前後方向に延びるピンP1が嵌め込まれている。このようにして、リンク片L11,L12は、ピンP1のまわりに回動可能に連結されている。また、リンク片L11,L12の長手方向における他端部が、ピンP1から見て斜め上方へそれぞれ向けられ、当該部位が、次に説明する第2リンクL2に連結されている。
第2リンクL2は、2つのリンク片L21,L22から構成されている。リンク片L21,L22は、前後方向に垂直な長円形の板状部である。リンク片L21及びリンク片L22の構成は同一である。リンク片L21,L22の幅及び板厚は、リンク片L11,L12の幅及び板厚と同一である。リンク片L21,L22の長さは、リンク片L11,L12の長さの2倍程度である。リンク片L21,L22は、それらの長手方向における中央部にて交差するように、前後方向に重ねられている。リンク片L21,L22の前記中央部には、前後方向に貫通する貫通孔が設けられており、この貫通孔に、前後方向に延びるピンP2が嵌め込まれている。このようにして、リンク片L21,L22が、ピンP2のまわりに回動可能に連結されている。
リンク片L11,L12の他端部(上端部)が、リンク片L22,L21の一端部(下端部)にそれぞれ重ねられている。このようなリンク片L11,L22の端部同士の重畳部及びリンク片L12,L21の端部同士の重畳部には、前後方向に貫通する貫通孔が設けられており、これらの貫通孔にピンPがそれぞれ嵌め込まれている。このようにして、リンク片L11,L22が、ピンPのまわりに回動可能に連結されている。また、リンク片L12,L21が、ピンPのまわりに回動可能に連結されている。
第3リンクL3及び第4リンクL4の構成は、第2リンクL2の構成と同様である。すなわち、第3リンクL3は、リンク片L31,L32からなり、その中央部にて、ピンP3のまわりに回動可能に連結されている。また、第4リンクL4は、リンク片L41,L42からなり、その中央部にて、ピンP4のまわりに回動可能に連結されている。
リンク片L21,L22の他端部(上端部)が、リンク片L32,L31の一端部(下端部)にそれぞれ重ねられている。このようなリンク片L21,L32の端部同士の重畳部及びリンク片L22,L31の端部同士の重畳部には、前後方向に貫通する貫通孔が設けられており、これらの貫通孔にピンPがそれぞれ嵌め込まれている。このようにして、リンク片L21,L32が、ピンPのまわりに回動可能に連結されている。また、リンク片L22,L31が、ピンPのまわりに回動可能に連結されている。
リンク片L31,L32の他端部(上端部)が、リンク片L42,L41の一端部(下端部)にそれぞれ重ねられている。このようなリンク片L31,L42の端部同士の重畳部及びリンク片L32,L41の端部同士の重畳部には、前後方向に貫通する貫通孔が設けられており、これらの貫通孔にピンPがそれぞれ嵌め込まれている。このようにして、リンク片L31,L42が、ピンPのまわりに回動可能に連結されている。また、リンク片L32,L41が、ピンPのまわりに回動可能に連結されている。
第5リンクL5は、2つのリンク片L51,L52から構成されている。リンク片L51,L52は、前後方向に垂直な長円形の板状部である。リンク片L51及びリンク片L52の構成は同一である。リンク片L51,L52の長手方向における一端部が前後方向に重ねられる。このリンク片L51,L52の重畳部には、前後方向に貫通する貫通孔が設けられており、この貫通孔に、前後方向に延びるピンP5が嵌め込まれている。このようにして、リンク片L51,L52は、ピンP5のまわりに回動可能に連結されている。また、リンク片L51,L52の長手方向における他端部が、ピンP5から見て斜め下方へそれぞれ向けられ、当該部位が、第4リンクL4に連結されている。
リンク片L41,L42の他端部(上端部)が、リンク片L52,L51の他端部(下端部)にそれぞれ重ねられている。このようなリンク片L41,L52の端部同士の重畳部及びリンク片L42,L51の端部同士の重畳部には、前後方向に貫通する貫通孔が設けられており、これらの貫通孔にピンPがそれぞれ嵌め込まれている。このようにして、リンク片L41,L52が、ピンPのまわりに回動可能に連結されている。また、リンク片L42,L51が、ピンPのまわりに回動可能に連結されている。
上記のように構成されたレージトング314aが、支持体セット313aに取り付けられている。具体的には、第1リンクL1、第2リンクL2、第3リンクL3及び第4リンクL4のピンP1,P2,P3,P4の先端部が第1支持体S1a、第2支持体S2a、第3支持体S3a及び第4支持体S4aのピン受け部PRS1a,SRS2a,SRS3a,SRS4aに嵌め込まれて固定されている(図12参照)。そして、第5リンクL5のピンP5が、後壁部111のスリット111aの少し上方に設けられた貫通孔TH111に挿入されて固定されている。
レージトング314bとレージトング314aとは、上下対称構造を有する。レージトング314bは、支持体セット313bに取り付けられるとともに、後壁部111に固定されている。
電動モーター315は、ステッピングモーター315aと、減速ギヤ装置315bとを備える。ステッピングモーター315a及び減速ギヤ装置315bは、平板部13Lの下面に組み付けられている。ステッピングモーター315aの回転駆動力が、減速ギヤ装置315bを介して、送りねじ312に伝達されて、送りねじ312が回転駆動される。例えば、図13に示す状態において、電動モーター315が正転駆動されると、第1支持体S1aが上昇するとともに、第1支持体S1bが下降する。これにより、レージトング314a,314bは、上下方向に縮められる(図13乃至図15参照)。その際、各リンク片の作用により、ピンP1,P2,P3,P4,P5のうちの上下方向に隣接するピン同士の間隔(上下方向の距離)が同一になっている。よって、支持体セット313aにおいて、隣接する支持体同士の上下方向の間隔(第1支持体S1aと第2支持体S2aの間隔、第2支持体S2aと第3支持体S3aの間隔、第3支持体S3aと第4支持体S4aの間隔)が徐々に小さくなっていくが、これらの間隔は同一になっている。また、支持体セット313bにおいて、隣接する支持体同士の上下方向の間隔(第1支持体S1bと第2支持体S2bの間隔、第2支持体S2bと第3支持体S3bの間隔、第3支持体S3bと第4支持体S4bの間隔)が徐々に小さくなっていくが、これらの間隔は同一になっている。
図15に示す状態において、電動モーター315が逆転駆動されると、第1支持体S1aが下降するとともに、第1支持体S1bが上昇する。これにより、レージトング314a,314bは、上下方向に伸張される(図15乃至図13参照)。支持体セット313aにおいて、隣接する支持体同士の上下方向の間隔が徐々に大きくなっていくが、これらの間隔は同一になっている。また、支持体セット313bにおいて、隣接する支持体同士の上下方向の間隔が徐々に大きくなっていくが、これらの間隔は同一になっている。
ルーバー装置32は、図16及び図17に示すように、駆動シャフト321、ガイドレール322、複数(本実施形態では8個)の連結アーム323、及び電動モーター324を備える。駆動シャフト321は、上下方向に延びる丸棒である。駆動シャフト321の上端部及び下端部が、上壁部113及び下壁部114に設けられた支持部によって、その中心軸まわりに回動可能に支持されている。駆動シャフト321は、支持体セット313a及び支持体セット313bの直前に配置されている。駆動シャフト321の中間部が、第1支持体S1a、第2支持体S2a、第3支持体S3a、第4支持体S4a及び第1支持体S1b、第2支持体S2b、第3支持体S3b、第4支持体S4bの凹部RS1a,RS2a,RS3a,RS4a,RS1b,RS2b,RS3b,RS4bに嵌め込まれている。駆動シャフト321の上端部、中央部、及び下端部には、ピニオンギヤPGが設けられている。
ガイドレール322は、上下方向に延びる略角柱状部材である。ガイドレール322は、支持体セット313a及び支持体セット313bの左方に配置されている。ガイドレール322の上端部、中央部及び下端部には、前後方向に貫通する貫通孔TH322がそれぞれ形成されている(図17参照)。後壁部111の前面には、各貫通孔TH322に対応した支持軸SH111が設けられており(図6参照)、これらの支持軸SH111が貫通孔TH322に挿入されている。ガイドレール322には、左右方向に貫通していて、それぞれ上下方向に延びる、上下一対のスリット322a,322bが形成されている(図16及び図17参照)。ガイドレール322の右面の上端部、中央部、及び下端部に、前後方向に延びるラックギヤRGが設けられている。これらのラックギヤRGに、駆動シャフト321のピニオンギヤPGが噛み合っている。駆動シャフト321が回転(正転又は逆転)されると、ガイドレール322が前後方向に移動する。なお、図17において、駆動シャフト321が省略されている。
連結アーム323は、図18に示すように、アーム部APとピン部PPを有する。ここで、羽板W1a,W1bの軸部SHWが、第1支持体S1a,S1bの貫通孔TH3S1a,TH3S1bに挿入された状態において、軸部SHWの先端部SH3Wは、第1支持体S1a,S1bの左端面から左方へ突出している。また、羽板W2a,W3a,W4a,W2b,W3b,W4bの軸部SHWが第2支持体S2a,S3a,S4a,S2b,S3b,S4bの貫通孔TH2S2a,TH2S3a,TH2S4a,TH2S2b,TH2S3b,TH2S4bに挿入された状態において、軸部SHWの先端部SH3Wは、第2支持体S2a,S3a,S4a,S2b,S3b,S4bの左端面から左方へ突出している。アーム部APは、左右方向に貫通する貫通孔TH323を有する。羽板W1a,W2a,W3a,W4a,W1b,W2b,W3b,W4bの軸部SHWの先端部SH3Wが、貫通孔TH323に挿入されて固定されている。図19に示すように、羽板W1a,W2a,W3a,W4aが水平に配置されている状態(板厚方向が上下方向に一致している状態)において、アーム部APが、軸部SHWの中心から前方且つ下方へ斜めに延設されている。その延設方向と上下方向との間の角度が45°である。一方、図20に示すように、羽板W1b,W2b,W3b,W4bが水平に配置されている状態(板厚方向が上下方向に一致している状態)において、アーム部APが、軸部SHWの中心から前方且つ上方へ斜めに延設されている。その延設方向と上下方向との間の角度が45°である。
ピン部PPは、アーム部APの先端部から左方へ突出している。羽板W1a,W2a,W3a,W4aの連結アーム323のピン部PPが、スリット322aに挿入されている(図21乃至図24参照)。羽板W1b,W2b,W3b,W4bの連結アーム323のピン部PPが、スリット322bに挿入されている。なお、ピン部PPは本発明の第2軸部に相当する。
電動モーター324は、ステッピングモーター324aと、減速ギヤ装置324bとを備える。ステッピングモーター324a及び減速ギヤ装置324bは、平板部13Lの下面に組み付けられている。ステッピングモーター324aの回転駆動力が、減速ギヤ装置324bを介して、駆動シャフト321に伝達されて、駆動シャフト321が回転駆動される。
右側駆動装置30Rと左側駆動装置30Lとは、左右対称構造を有する。各羽板Wの右端部の軸部SHWが、右側駆動装置30Rの支持体セット313a,313bを介して、レージトング314a,314bに支持されている。
上記のように構成された遊技機用シャッター装置1の左側駆動装置30L及び右側駆動装置30Rの支持体セット313a,313bが同期駆動されることにより、遮蔽板20を構成する羽板Wが上下方向に移動される。以下の説明において、羽板W1a,W2a,W3a,W4aが、それらの上下方向の可動範囲の下端に位置し、羽板W1b,W2b,W3b,W4bが、それらの上下方向の可動範囲の上端に位置する状態を全閉状態と呼ぶ。羽板W1a,W2a,W3a,W4aが、それらの上下方向の可動範囲の上端に位置し、羽板W1b,W2b,W3b,W4bが、それらの上下方向の可動範囲の下端に位置する状態を全開状態と呼ぶ。
例えば、全閉状態(図21の状態)において、遊技に関する特定のイベントが発生すると、左側駆動装置30L及び右側駆動装置30Rの送りねじ312が同期して回転される。これにより、送りねじ312の溝部Gaに螺合されている第1支持体S1aが上昇するとともに、溝部Gbに螺合されている第1支持体S1bが下降する。第1支持体S1aが上昇すると、レージトング314aの第1リンクL1、第2リンクL2、第3リンクL3、第4リンクL4及び第5リンクL5をそれぞれ構成するリンク片同士の間の角度が増大し、ピンP1,P2,P3,P4,P5の間隔が徐々に減少していく(図13乃至図15参照)。一方、第1支持体S1bが下降すると、レージトング314bの第1リンクL1、第2リンクL2、第3リンクL3、第4リンクL4及び第5リンクL5をそれぞれ構成するリンク片同士の間の角度が増大し、ピンP1,P2,P3,P4,P5の間隔が徐々に減少していく。すなわち、羽板W1a,W2a,W3a,W4aが同時に上昇し、それらの上下方向の間隔が徐々に減少して行くとともに、羽板W1b,W2b,W3b,W4bが同時に下降し、それらの上下方向の間隔が徐々に減少して行き、全開状態に至る(図22の状態)。全閉状態から全開状態に至る過程において、羽板W1a,W2a,W3a,W4aのうちの隣接する羽板Wの上下方向の間隔は同一であり、羽板W1b,W2b,W3b,W4bのうちの隣接する羽板Wの上下方向の間隔は同一である。
ただし、例えば、全閉状態であって、且つ各羽板Wの回動角度(水平面に対する各羽板Wの板面の角度)が90°である状態(図2及び図23参照)において、そのまま、羽板W1a,W2a,W3a,W4aを上昇させるとともに、羽板W1b,W2b,W3b,W4bを下降させようとすると、上下方向に隣り合う羽板W同士が干渉してしまう。そこで、昇降装置31によって各羽板Wが昇降駆動される際、昇降装置31とルーバー装置32が同期動作するように構成されている。すなわち、上下方向に隣り合う羽板W同士が干渉しないように、各羽板Wを回動させつつ昇降させる。具体的には、羽板Wの上下方向の位置に対し、羽板Wの回動角度の最大値が予め決定されている。そして、羽板Wの上下方向の位置が図示しないセンサーを用いて監視されている。各羽板Wの回動角度が、前記センサーの検出結果に対応する回動角度の最大値よりも小さくなるように、ガイドレール322の前後方向の位置(すなわち、各羽板Wの回動角度)が制御される。
また、例えば、所定の遊技状態において、全閉状態に設定されるとともに、各羽板Wが水平に配置された状態に設定される。この場合、遊技者は、各羽板Wの隙間から表示装置DDの表示面を視認可能である。この状態において、遊技に関する他の特定のイベントが発生すると、ルーバー装置32が駆動される。具体的には、図21及び図23に示すように、各羽板Wが水平に配置された状態から、駆動シャフト321が回転駆動されて、ガイドレール322が後方へ移動する。上記のように、羽板W1a,W2a,W3a,W4aが水平に配置されている状態において、アーム部APが、軸部SHWの中心から前方且つ下方へ斜めに延設されている。したがって、ガイドレール322が後方へ移動すると、スリット322aに嵌合している連結アーム323が、左方から見て時計まわりに回動する(図19参照)。一方、羽板W1b,W2b,W3b,W4bが水平に配置されている状態において、アーム部APが、軸部SHWの中心から前方且つ下方へ斜めに延設されている。したがって、ガイドレール322が後方へ移動すると、スリット322bに嵌合している連結アーム323が、左方から見て反時計まわりに回動する(図20参照)。これにより、遊技者が表示装置DDの表示面を視認不能な状態になる。
なお、各羽板Wの各高さ位置(全閉状態と全開状態との間の状態)において、その位置に対応する回動角度の最大値を超えない範囲であれば、羽板Wの回動角度の値を任意に設定可能である。例えば、図24に示すように、各羽板Wが、それらの上下方向における可動範囲の中央部付近に位置している状態では、各羽板Wの回動角度の最大値は「45°」程度であり、各羽板Wの回動角度の値を、「0°」~「45°」の範囲内の任意の値に設定できる。
上記のように、遊技機用シャッター装置1においては、レージトング314a,314bの作用により、遮蔽板20の開閉動作の途中であっても、各羽板Wの上下方向における間隔が同一になる。よって、本実施形態によれば、特許文献1の遊技機用シャッター装置に比べて、羽板Wの昇降動作の外観品質を向上させることができる。
また、上記特許文献1の遊技機用シャッター装置において、各羽板を回動させるルーバー機能は、全閉状態にのみ利用可能であり、その他の状態では利用できない。また、各羽板を垂直状態又は水平状態に設定できるだけであり、水平面に対して任意の角度に設定することができない。したがって、遊技機の演出態様のバリエーションが少ない。これに対し、遊技機用シャッター装置1においては、羽板Wの各高さ位置において、その位置に対応した回動角度の最大値を超えない範囲であれば、羽板Wの回動角度の値を任意に設定可能である。よって、特許文献1の遊技機用シャッター装置を用いた場合に比べて、遊技機用シャッター装置1を用いた遊技機の演出態様のバリエーションが多い。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態における左側駆動装置30Lと右側駆動装置30Rは、左右対称構造を有しているが、一方の駆動装置のルーバー装置32を省略してもよい。また、一方の駆動装置のレージトング314a,314bを省略してもよい。また、上記実施形態では、遊技機用シャッター装置1の遮蔽板20が上下方向に移動するように構成されているが、遊技機用シャッター装置1を前後方向に延びる軸のまわりに90°回転させて配置し、遮蔽板20が左右方向に移動するように設定してもよい。