JP7227637B2 - 計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、計測装置に関し、特に蒸気や復水が流れるスチーム配管やスチームトラップ等を計測対象とする計測装置に関する。
蒸気が流通する配管設備から復水(ドレン)のみを排出する用途に用いられるスチームトラップが知られている。また、当該スチームトラップやその入り口部分のスチーム配管の振動の強度および表面温度を計測し、それらの相互関係から蒸気漏れの有無を診断することが行われている。このような診断には、スチームトラップ等の振動の強度を計測するための振動プローブと、スチームトラップ等の表面温度を計測するための温度プローブとを備える計測装置が用いられる。
ここで、計測装置としては、作業者が携帯する可搬タイプのものと、スチームトラップ等に振動プローブや温度プローブが固定された設置タイプのものとがある。特許文献1には、設置タイプの計測装置が開示されている。特許文献1に開示の計測装置では、スチームトラップの入り口部分におけるスチーム配管に対して、クランプ部材を用いて固定がなされている。具体的に、クランプ部材は、プローブが固定された胴部と、胴部の両端で軸支され、回動可能な2つの腕部と、腕部の先端同士を締め付け固定する締め付け部とを有する。プローブとクランプ部材とは、プローブの外周面に雄ネジが形成され、当該雄ネジをクランプ部材の胴部に形成された雌ネジ孔に螺合させることで固定がなされている。
なお、特許文献1に開示の計測装置では、プローブの先端とスチーム配管の表面との間にブロック状の座金が介挿されている。特許文献1では、座金を介挿することにより、円環断面を有するスチーム配管に対して座金を隙間なく当接させ、且つ、座金の反対側の主面にプローブの先端を隙間なく当接させることができる、とされている。
特許第6389098号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の構造では、スチーム配管等の振動の強度および表面温度を正確に計測することが困難であると考えられる。即ち、スチームトラップ等における蒸気漏れの有無を診断するためには、10kHz付近の振動の強度が重要となり、スチームトラップ等の表面からプローブの上部に配された振動センサまでの距離およびプローブにおける探触棒の容積が重要なファクターとなる。これに対して、上記特許文献1に開示の構造では、プローブの先端とスチーム配管の表面との間に座金を介挿させているので、蒸気漏れの検出に最適な共振周波数を得ることができず、正確な振動強度の計測が困難であると考えられる。
また、温度計測については、スチーム配管の表面から伝達される熱が、座金を通過するうちに周囲へと放熱されてしまう。このため、プローブの先端で検出することができる温度は、スチーム配管の表面温度よりも低くなってしまう。そして、座金で外部に放熱される熱量は、スチーム配管の表面温度と外部環境との関係で一定ではない。このような観点からも、上記特許文献1に開示の構造では、正確な表面温度の計測も困難であると考えられる。
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、設置タイプの構造を採用しながら、計測対象物の振動強度および表面温度をより正確に計測することができる計測装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る計測装置は、振動プローブと、温度プローブと、プローブケースと、ブラケットと、固定部材とを備える。前記振動プローブは、長尺状の部材であって、一端が計測対象物に当接するように配され、他端に振動の強度を計測する振動センサを有する。前記温度プローブは、長尺状の部材であって、一端が前記計測対象物に当接するように配され、前記計測対象物の表面温度を計測する。前記プローブケースは、前記振動プローブの前記一端を含む一部と、前記温度プローブの前記一端を含む一部とをそれぞれ外部に延出させた状態で、前記振動センサを含む前記振動プローブの残りの部分と、前記温度プローブの残りの部分とを内方に収容する。前記ブラケットは、前記プローブケースに固定されている。前記固定部材は、前記ブラケットを前記計測対象物に固定する。
本態様に係る計測装置が計測対象とする前記計測対象物は、内方を所定方向に蒸気が流通する管体である。前記振動プローブの一端と前記温度プローブの一端とは、互いに前記所定方向に間隔をあけた状態で、それぞれが前記計測対象物の表面に対して直交する方向から直に当接するように配されている。前記プローブケースは、前記振動プローブおよび前記温度プローブが挿通する部分に貫通孔を有する。前記振動プローブは、当該振動プローブの外周面と前記貫通孔の内周面とが間隔をあけ、且つ、前記ブラケットと間隔をあけた状態で配されている。前記温度プローブは、当該温度プローブの外周面と前記貫通孔の内周面とが間隔をあけ、且つ、前記ブラケットと間隔をあけた状態で配されている。
上記態様に係る計測装置では、振動プローブの一端および温度プローブの一端がそれぞれ計測対象物の表面に対して直に当接している。よって、プローブと計測対象物の表面との間に座金が介挿された上記特許文献1に開示の構造よりも正確に振動の強度および表面温度の計測が可能である。
また、上記態様に係る計測装置では、ブラケットがプローブケースに固定されている。そして、プローブケースは、振動プローブおよび温度プローブが挿通する部分に貫通孔を有するが、当該貫通孔は、その内周面が振動プローブおよび温度プローブの各外周面と間隔をあけて設けられている。即ち、上記態様に係る計測装置では、プローブケースにおける振動プローブおよび温度プローブが挿通する部分において、振動プローブおよび温度プローブとプローブケースとが非接触の状態とされている。よって、計測対象物から固定部材およびブラケットを介してプローブケースに振動および熱が伝達されたとしても、それら振動や熱が振動プローブや温度プローブに伝達されるのを抑制することができる。即ち、振動プローブの一端から入力された振動、および温度プローブの一端から入力された熱だけが検出され、より正確な計測を実現することができる。
また、上記態様に係る計測装置では、振動プローブおよび温度プローブとブラケットとが間隔をあけた状態で配されている。即ち、上記態様に係る計測装置では、振動プローブおよび温度プローブがブラケットとも非接触の状態とされている。よって、計測対象物から固定部材を介してブラケットに振動および熱が伝達されたとしても、それら振動や熱が振動プローブや温度プローブに伝達されるのを抑制することができる。
さらに、上記態様に係る計測装置では、振動プローブの一端と温度プローブの一端とが、計測対象物の上記所定方向に沿って、互いに間隔をあけて配置されている。このため、振動プローブの一端も、温度プローブの一端も、計測対象物の表面に対して直交する方向から当接させることができ、より正確な計測を実現することができる。
上記態様に係る計測装置において、前記プローブケースは、樹脂材料から形成された筒状部と、金属材料から形成されるとともに、前記筒状部の下部開口を塞ぎ、前記貫通孔を有するプローブ台座とを有していてもよい。また、前記振動プローブは、中空筒状の探触棒を有していてもよい。また、前記計測対象物の表面に直に当接する前記一端は、前記探触棒の一端であってもよい。また、前記振動センサは、前記探触棒の他端に接続されていてもよい。さらに、前記探触棒は、前記プローブケース内において、前記筒状部の内周面と間隔をあけて配されていてもよい。
上記態様に係る計測装置では、プローブケース内において、探触棒が筒状部の内周面と間隔をあけて配されている。即ち、探触棒は、プローブ台座に対して非接触の状態であるとともに、筒状部に対しても非接触の状態である。よって、計測対象物から固定部材およびブラケットを介してプローブケースに対して振動が伝達されても、当該振動が振動プローブの探触棒に伝達されるのを防ぐことができる。これより、上記態様に係る計測装置では、計測対象物における振動の強度をより正確に計測することができる。
上記態様に係る計測装置において、前記ブラケットは、前記プローブ台座の下面に接合されているとともに、前記振動プローブおよび前記温度プローブが挿通する部分にブラケット貫通孔を有していてもよい。また、前記振動プローブは、当該振動プローブの外周面と前記ブラケット貫通孔の内周面とが間隔をあけた状態で配されていてもよい。さらに、前記温度プローブは、当該温度プローブの外周面と前記ブラケット貫通孔の内周面とが間隔をあけた状態で配されていてもよい。
上記態様に係る計測装置では、プローブ台座の下面に接合されるブラケットについても、振動プローブおよび温度プローブが挿通する部分に貫通孔を有している。そして、ブラケットの貫通孔についても、振動プローブおよび温度プローブと非接触の状態とされている。よって、計測対象物からブラケットに伝達された振動や熱が、振動プローブおよび温度プローブに伝達されるのを防ぐことができる。これより、より正確な計測を実現することができる。
上記態様に係る計測装置において、前記ブラケットは、長手方向に沿って複数の貫通孔が設けられた長尺状の板材であって、長手方向の両端が前記プローブ台座の外周縁からそれぞれ外方に向けて延出するように前記プローブ台座に固定されていてもよい。また、前記固定部材は、U字ボルトと、当該U字ボルトの両端部のネジ部と螺合する2つのナットとで構成されていてもよい。さらに、上記態様に係る計測装置では、前記ブラケットの貫通孔に対しては前記U字ボルトにおける両端部のネジ部のそれぞれが挿通され、前記ネジ部のそれぞれに対しては前記ナットが締結されることにより、前記計測対象物に対して前記プローブケースが固定されてもよい。
上記態様に係る計測装置では、ブラケットとして長尺状の板材を採用し、固定部材としてU字ボルトおよびナットを採用している。このため、汎用部品を最大限活用することができ、製造コストの低減を図ることができる。また、U字ボルトのネジ部に対するナットの締め付け力の調整により、振動プローブおよび温度プローブと計測対象物との押圧力の調整を図ることができ、正確な計測を実現しながら、振動プローブおよび温度プローブの変形や損傷を抑制することができる。
上記の各態様に係る計測装置では、設置タイプの構造を採用しながら、計測対象物の振動強度および表面温度をより正確に計測することができる。
本発明の実施形態に係る計測装置の構成を示す斜視図である。 スチーム配管に対するプローブの配置形態を示す断面図である。 振動プローブの構成を示す断面図である。 ステー部材の構成を示す平面図である。 変形例1に係る計測装置の構成を示す斜視図である。
以下では、本発明の実施形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明の一例であって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
1.計測装置1の構成
本発明の実施形態に係る計測装置1の構成について、図1を用いて説明する。
図1に示すように、計測装置1は、本体部10と、プローブケース11と、ケーブル12と、ブラケット13と、U字ボルト(固定部材)14と、ナット(固定部材)15,16とを備える。また、後述するが、計測装置1は、振動プローブおよび温度プローブも備える。ケーブル12は、ケーブル本体(図示を省略。)と、ケーブル本体の周囲を囲むように設けられた筒部(例えば、ステンレス鋼製のフレキシブルパイプ)とを有する。
なお、本実施形態では、プローブケース11に収容された振動センサおよび温度プローブと本体部10の回路基板とを有線方式で信号接続することとしているが、本発明では、無線方式で信号接続することも可能である。
ブラケット13は、X方向の幅寸法よりもY方向の長さ寸法の方が長く、Z方向に薄い長尺状の金属板材(例えば、ステンレス鋼板)で構成されている。ブラケット13は、プローブケース11の底部(後述する、固定台座)に接合されており、プローブケース11からY方向(スチーム配管500の管軸Ax500に直交する方向)の両側に延出している。U字ボルト14は、スチーム配管500の表面に対して下部で当接し、上部がブラケット13に形成されている通し孔を挿通する。そして、U字ボルト14のネジ部には、ナット(固定部材)15,16が螺結されている。これにより、プローブケース11は、振動プローブおよび温度プローブの各先端が直にスチーム配管500の表面500aに当接する状態で、スチーム配管500に固定されている。
なお、本実施形態に係るスチーム配管500は、スチームトラップの入り口部分部分に配置されている。
2.プローブケース11の構造と振動プローブ17および温度プローブ18の配設形態
プローブケース11の構造と振動プローブ17および温度プローブ18の配設形態について、図2を用いて説明する。
プローブケース11は、円筒形状を有するケース本体110と、ケース本体110の上部開口を塞ぎ、且つ、ケーブル12が延出される蓋体111と、ケース本体110の下部開口を塞ぐ固定台座(プローブ台座)112と、ケース本体110の内方に収容されたセンサケース113とを有する。なお、ケース本体110と蓋体111との結合により構成される部位が筒状部に該当する。
ケース部材110および蓋体111は、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂)から形成されている。固定台座112は、金属材料(例えば、ステンレス鋼)から形成されている。
センサケース113は、ケース本体110の内方空間におけるZ方向上部に配置されている。センサケース113には、振動プローブ17および温度プローブ18の上部が挿入されている。そして、振動プローブ17および温度プローブ18は、センサケース113に固定されており、振動プローブ17および温度プローブ18に接続された配線19,20は、ケーブル12として本体部10へと接続されている。
振動プローブ17は、センサケース113から下方に延出した探触棒170と、探触棒170の上端に接合され、センサケース113との接合に供される台座部171と、センサケース113内において台座部171に接合された振動センサ172とを有する。探触棒170は、センサケース113の下端から下方に向けてプローブケース11の内方空間11aを通過し、固定台座112に設けられた貫通孔112aから下方に延出している。図2の拡大部分に示すように、探触棒170は、その外周面170bが固定台座112における貫通孔112aの内周面112bに対して間隔をあけた状態で配されている。
また、ブラケット13は、その上面13cが固定台座112の下面112cに当接し、下面13dがスチーム配管500の表面500aを間隔をあけた状態で配されている。図2の拡大部分に示すように、ブラケット13にも貫通孔(ブラケット貫通孔)13a1が開けられている。振動プローブ17の探触棒170は、ブラケット13の貫通孔13a1も挿通している。そして、探触棒170は、その外周面170bがブラケット13における貫通孔13a1の内周面13bに対して間隔をあけた状態で配されている。
なお、本実施形態に係る計測装置1では、固定台座112およびブラケット13には温度プローブ18が挿通するための貫通孔も開けられている。そして、温度プローブ18についても、その外周面が固定台座112の貫通孔における内周面およびブラケット13の貫通孔における内周面に対して間隔を空けた状態で配されている。
図2に示すように、計測装置1において、探触棒170の先端170aおよび温度プローブ18の先端18aは、スチーム配管500の表面500aに対して直に当接している。また、探触棒170の先端170aおよび温度プローブ18の先端18aは、スチーム配管500の表面500aに対して垂直に当接し、当該当接部分において、探触棒170および温度プローブ18は、スチーム配管500の管軸Ax500を指向するように配されている。
また、探触棒170と温度プローブ18とは、スチーム配管500の管軸Ax500が延びる方向において、互いに間隔をあけて配されている。これにより、探触棒170の先端170aも、温度プローブ18の先端18aも、スチーム配管500の管軸Ax500を指向するように配されるようにするKとが可能となっている。
なお、固定台座112に開けた1つの貫通孔を探触棒170と温度プローブ18の両方が挿通するようにしてもよい。また、ブラケットに開けた1つの貫通孔を探触棒170と温度プローブ18の両方が挿通するようにしてもよい。
3.振動プローブ17の詳細構造
振動プローブ17の詳細構造について、図3を用いて説明する。
図3に示すように、振動プローブ17は、金属材料(例えば、ステンレス鋼)から形成された円筒状の探触棒170と、金属材料(例えば、ステンレス鋼)から形成された円柱状の台座部171と、振動センサ172とを有する。振動センサ172は、圧電素子として圧電型セラミックスが使用された圧電型加速度センサからなる。
探触棒170は、外径がD1であり、内径がD2であって、肉厚がtに設定されている。台座部171は、振動プローブ17の軸心Ax17に沿った方向において、振動センサ172の側に位置する大径部171aと、探触棒170の先端170aの側に位置する小径部171bとが一体に形成されている。小径部171bの外径は、探触棒170の内径D2と略同径(嵌め合い交差に相当する隙間はあいている)である。
図3に示すように、台座部171の小径部171bに対しては、探触棒170が外嵌されている。台座部171における小径部171bの外周面171dと、探触棒170の内周面170dとは、外嵌部分において、略隙間なく密着している。そして、探触棒170と台座部171とは、探触棒170の外周面170bの側からビス173が締め込まれることにより結合されている。
なお、軸心Ax17に沿った方向において、探触棒170の先端170aから、台座部171における大径部171aの端面171cまでの長さはL1であり、探触棒170の先端170aから、台座部171におけるもう一方の端面171eまでの長さはL2に設定されている。
振動センサ172は、台座部171に対して、当該台座部171の端面171cにビス175で結合されている。なお、台座部171の端面171cと振動センサ172とは、隙間なく当接した状態で結合されている。
4.振動プローブ17の具体的構成
蒸気および復水(ドレン)の何れか一方が流れるスチームトラップ等の計測対象物においてその振動を計測した場合、計測対象物を流れる流体が蒸気であるか否かによって、特定の周波数成分の振動強度が大きく異なり、特に、10kHz付近の振動周波数を調べることで、計測対象物内を流れる流体が蒸気であるか否かを比較的高い精度で判別できることが知られている(特開2014-133948号公報)。
そのため、スチームトラップ等の蒸気漏れの有無の診断を行う場合に使用する計測装置1の振動プローブ17については、10kHz付近の振動強度を高い精度をもって計測できるように振動プローブ17を構成することが重要となる。
以上の知見を基に、振動プローブ17を次のような構成を有するようにすることが必要であることを見出した。
図3に示す、振動プローブ17の各値について、次の関係式を満たすように設定することができる。
f=C×(D1/L1) ・・(式1)
上記の関係式において、fは共振周波数、Cは構成材料が有する振動加速度であり、D1,L1は図3に示す各値である。
また、本願発明者は、鋭意検討を重ね、図3に示すように探触棒170が中空部材であり、内径がD2である場合には、形状係数βを考慮して、上記関係式1を次のように変形することができるとの知見を得た。なお、形状係数βは、長さL1に占める中空部分の長さL2の割合に応じて設定される値である。
f=C×((D1-D2)/L1)×β ・・(式2)
本実施形態では、探触棒170を一例としてステンレス鋼で形成する場合に、細径化と強度とのバランスを確保しつつ共振周波数が10kHz付近となるように、上記の関係式2に基づいて、振動プローブ17の各値L1,L2,D1,D2を設定することができる。
なお、振動プローブ17における探触棒170をステンレス鋼以外の金属材料で形成する場合にも、用いるCの値が異なることとなるが、上記の関係式2に基づいて各値L1,L2,D1,D2を設定することができる。
5.ブラケット13の構造
ブラケット13の構造について、図4を用いて説明する。なお、上述のように、本実施形態に係るブラケット13は、ステンレス鋼からなる板材から形成されている。
図4に示すように、ブラケット13は、それぞれが矩形状のボルト固定部13e,13f、および延伸部13g,13hが一体形成され、平面視で略十字形状を有する。ボルト固定部13e,13fの幅方向中心を結ぶように中心線Ax131を引き、延伸部13g,13hの幅方向中心を結ぶように中心線Ax132を引く。この場合に、中心線Ax131上には、8つの貫通孔13a3~13a10が形成され、中心線Ax132上には、2つの貫通孔13a1,13a2が形成されている。
貫通孔13a1は、上述のように振動プローブ17の探触棒170が非接触の状態で挿通する孔であり、貫通孔13a2は、温度プローブ18が非接触の状態で挿通する孔である。貫通孔13a1の内径D3は、探触棒170の外径D1(図3を参照。)よりも大径に設定され、貫通孔13a2の内径D4は、温度プローブ18の外径よりも大径に設定されている。
貫通孔13a3,13a4は、ブラケット13を固定台座112に結合させるためのビスの挿通を許す孔である。
貫通孔13a5~13a10は、U字ボルト14の端部の挿通を許す孔である。スチーム配管500にプローブケース11を固定する場合には。当該スチーム配管500の管径に応じてU字ボルト14の端部が挿通する貫通孔13a5~13a10から2つの貫通孔が選択される。図1に示すように、本実施形態では、貫通孔13a6と貫通孔13a9とをU字ボルト14の端部が挿通するようになっている。
6.効果
本実施形態に係る計測装置1では、振動プローブ17における探触棒170の先端170aおよび温度プローブ18の先端18aがそれぞれスチーム配管500の表面500aに対して直に当接している。よって、プローブと計測対象物の表面との間に座金が介挿された上記特許文献1に開示の構造よりも正確に振動の強度および表面温度の計測が可能である。
また、計測装置1では、ブラケット13がプローブケース11の固定台座112に固定されている。そして、プローブケース11の固定台座112は、振動プローブ17の探触棒170が挿通する貫通孔112aおよび温度プローブ18が挿通する部分に貫通孔を有するが、各貫通孔の内周面が探触棒170の外周面170bおよび温度プローブ18の外周面と間隔をあけて非接触の状態となっている。よって、スチーム配管500からU字ボルト14やブラケット13を介してプローブケース11の固定台座112に振動および熱が伝達されたとしても、それら振動や熱が振動プローブ17の探触棒170や温度プローブ18に伝達されるのを抑制することができる。即ち、振動プローブ17における探触棒170の先端170aから入力された振動、および温度プローブ18の先端18aから入力された熱だけが検出され、より正確な計測を実現することができる。
また、計測装置1では、振動プローブ17の探触棒170および温度プローブ18とブラケット13とについても非接触の状態とされている。よって、スチーム配管500からU字ボルト14を介してブラケット13に振動および熱が伝達されたとしても、それら振動や熱が振動プローブ17の探触棒170や温度プローブ18に伝達されるのを抑制することができる。
さらに、計測装置1では、振動プローブ17における探触棒170の先端170aと温度プローブ18の先端18aとが、スチーム配管500の管軸Ax500に沿って、互いに間隔をあけて配置されている。このため、振動プローブ17における探触棒170の先端170aも、温度プローブ18の先端18aも、スチーム配管500の表面500aに対して直交する方向から当接させることができ、より正確な計測を実現することができる。
また、計測装置1では、プローブケース11内において、探触棒170がケース本体110の内周面と間隔をあけて配されている。即ち、探触棒170は、固定台座112に対して非接触の状態であるとともに、固定台座112に結合されたケース本体110に対しても非接触の状態である。よって、スチーム配管500からU字ボルト14およびブラケット13を介してプローブケース11の固定台座112およびケース本体110に対して振動が伝達されても、当該振動が振動プローブ17の探触棒170に伝達されるのを防ぐことができる。これより、計測装置1では、スチーム配管500における振動の強度をより正確に計測することができる。
また、計測装置1では、固定台座112の下面112cに接合されるブラケット13についても、振動プローブ17の探触棒170および温度プローブ18が挿通する部分に貫通孔13a1,13a2を有している。そして、ブラケット13の貫通孔13a1,13a2についても、探触棒170および温度プローブ18と非接触の状態とされている。よって、スチーム配管500からブラケット13に伝達された振動や熱が、振動プローブ17の探触棒170および温度プローブ18に伝達されるのを防ぐことができる。これより、より正確な計測を実現することができる。
また、計測装置1では、図4に示すような構造の長尺状の板材を用いてブラケット13を形成し、固定部材としてのU字ボルト14およびナット15,16を採用している。このため、汎用部品を最大限活用することができ、製造コストの低減を図ることができる。また、U字ボルト14のネジ部に対するナット15,16の締め付け力の調整により、振動プローブ17の探触棒170および温度プローブ18とスチーム配管500との押圧力の調整を図ることができ、正確な計測を実現しながら、振動プローブ17および温度プローブ18の変形や損傷を抑制することができる。
以上のように、本実施形態に係る計測装置1では、設置タイプの構造を採用しながら、計測対象物であるスチーム配管500の振動強度および表面温度をより正確に計測することができる。
[変形例1]
変形例1に係る計測装置2について、図5を用いて説明する。なお、図5において、上記実施形態に係る計測装置1と同じ構成を有する部分については、同一の符号を付している。
図5に示すように、本変形例に係る計測装置2は、上記のスチーム配管500よりも小径のスチーム配管501に対してプローブケース11を固定する点が、上記実施形態に係る計測装置1との相違点である。そのため、サイズの小さなU字ボルト24を採用している。他の構成については、上記実施形態に係る計測装置1と同じである。
本変形例でも、ブラケット13の長手方向がスチーム配管501の管軸Ax501に対して略直交するようにプローブケース11を配置する。そして、U字ボルト24の端部をブラケット13の貫通孔(本変形例では、貫通孔13a5,13a8)に挿通させ、ナット15,16を締結する。これにより、計測装置2も、容易にスチーム配管501に固定することができる。
本変形例に係る計測装置2は、小径のスチーム配管501に固定するために、サイズの小さなU字ボルト24を採用する点を除き上記実施形態に係る計測装置1と同じ構成を備えるので、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
[その他の変形例]
図4を用いて説明したように、上記実施形態および上記変形例1では、種々の管径のスチーム配管500,501へのプローブケース11の固定を可能とするため、ブラケット13に複数の貫通孔13a5~13a10を設けることとしたが、本発明では、U字ボルトの2つの端部の挿通を許す2つの貫通孔が少なくとも開けられていればよい。
上記実施形態および上記変形例1,2では、プローブケース11,31をスチーム配管500~502に固定することとしたが、プローブケースをスチームトラップに固定することにしてもよい。
1,2 計測装置
11 プローブケース
13 ブラケット
14,24 U字ボルト(固定部材)
15,16 ナット
17 振動プローブ
18 温度プローブ
18a 先端
112 固定台座(プローブ台座)
170 探触棒
170a 先端
172 振動センサ
500,501 スチーム配管(計測対象物)

Claims (4)

  1. 長尺状の部材であって、一端が計測対象物に当接するように配され、他端に振動の強度を計測する振動センサを有する振動プローブと、
    長尺状の部材であって、一端が前記計測対象物に当接するように配され、前記計測対象物の表面温度を計測する温度プローブと、
    前記振動プローブの前記一端を含む一部と、前記温度プローブの前記一端を含む一部とをそれぞれ外部に延出させた状態で、前記振動センサを含む前記振動プローブの残りの部分と、前記温度プローブの残りの部分とを内方に収容するプローブケースと、
    前記プローブケースに固定されたブラケットと、
    前記ブラケットを前記計測対象物に固定する固定部材と、
    を備え、
    前記計測対象物は、内方を所定方向に蒸気が流通する管体であって、
    前記振動プローブの一端と前記温度プローブの一端とは、互いに前記所定方向に間隔をあけた状態で、それぞれが前記計測対象物の表面に対して直交する方向から直に当接するように配され、
    前記プローブケースは、前記振動プローブおよび前記温度プローブが挿通する部分に貫通孔を有し、
    前記振動プローブは、当該振動プローブの外周面と前記貫通孔の内周面とが間隔をあけ、且つ、前記ブラケットと間隔をあけた状態で配されており、
    前記温度プローブは、当該温度プローブの外周面と前記貫通孔の内周面とが間隔をあけ、且つ、前記ブラケットと間隔をあけた状態で配されている、
    計測装置。
  2. 請求項1に記載の計測装置において、
    前記プローブケースは、樹脂材料から形成された筒状部と、金属材料から形成されるとともに、前記筒状部の下部開口を塞ぎ、前記貫通孔を有するプローブ台座とを有し、
    前記振動プローブは、中空筒状の探触棒を有し、
    前記計測対象物の表面に直に当接する前記一端は、前記探触棒の一端であり、
    前記振動センサは、前記探触棒の他端に接続されており、
    前記探触棒は、前記プローブケース内において、前記筒状部の内周面と間隔をあけて配されている、
    計測装置。
  3. 請求項2に記載の計測装置において、
    前記ブラケットは、前記プローブ台座の下面に接合されているとともに、前記振動プローブおよび前記温度プローブが挿通する部分にブラケット貫通孔を有し、
    前記振動プローブは、当該振動プローブの外周面と前記ブラケット貫通孔の内周面とが間隔をあけた状態で配されており、
    前記温度プローブは、当該温度プローブの外周面と前記ブラケット貫通孔の内周面とが間隔をあけた状態で配されている、
    計測装置。
  4. 請求項3に記載の計測装置において、
    前記ブラケットは、長手方向に沿って複数の貫通孔が設けられた長尺状の板材であって、長手方向の両端が前記プローブ台座の外周縁からそれぞれ外方に向けて延出するように前記プローブ台座に固定されており、
    前記固定部材は、U字ボルトと、当該U字ボルトの両端部のネジ部と螺合する2つのナットとで構成されており、
    前記ブラケットの貫通孔に対しては前記U字ボルトにおける両端部のネジ部のそれぞれが挿通され、前記ネジ部のそれぞれに対しては前記ナットが締結されることにより、前記計測対象物に対して前記プローブケースが固定される、
    計測装置。
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