JP7226421B2 - 展開構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、展開構造体に関する。
下記特許文献1には、乳母車車体の折畳操作を行えば、幌も自然に折り畳まれる幌付折畳式乳母車が示されている。また、下記特許文献2には、制御ユニットからの展開信号によって展開するエアバッグを備えた車両ボンネットアセンブリが示されている。
特開2009-035066号公報 特表2015-509880号公報
上記特許文献1における幌付折畳式乳母車では、展開構造体としての幌が、展開角度が可変となるように構成された複数の幌骨を備えている。
幌の骨格材である幌骨として剛性が高い部材を用いると、例えば高重量の物質が幌に衝突した場合、幌骨が塑性変形する事等により、衝突エネルギーを吸収することができる。しかしながら、比較的軽量の物質が幌に衝突した場合は、幌骨が変形し難いために、衝突した物質が損傷する可能性がある。
一方、上記特許文献2における車両ボンネットアセンブリでは、制御ユニットが、展開構造体としてのエアバッグの展開領域を制御する。エアバッグのように、剛性が低い部材を膨張展開することで衝突物の衝突エネルギーを吸収する展開構造体は、軽量の物質が衝突した場合には、当該物質が損傷し難い。しかしながら、高重量の物質が衝突した場合は、大きな衝突エネルギーにより展開構造体が圧壊される。すなわち、単なるエアバッグでは大きな衝撃エネルギーを吸収しきれない。
このように、剛性が高い部材による展開構造体や、剛性が低い部材による展開構造体、すなわち、衝突エネルギーを吸収する部材の剛性が一定である展開構造体では、様々な衝突物に対応することが難しい。
本発明は、上記事実を考慮して、剛性が可変な展開構造体を提供することを課題とする。
請求項1の展開構造体は、膜体で形成された気室の内部に導入される気体の圧力によって、折り畳まれた状態から立体形状に展開する構造体と、前記膜体の表面に沿って配置され、作用する外力に応じて剛性が変化する骨格材と、を備えている。
請求項1の展開構造体においては、気室が膜体で形成されている。気室に気体を導入すると膜体が変形し、構造体が折り畳まれた状態から立体形状に展開する。このため、「非」展開構造と比較して、気体を導入する前における展開構造体の設置空間を削減できる。
また、膜体の表面には、骨格材が配置されている。この骨格材は、作用する外力に応じて剛性が変化する。このような骨格材としては、一例として、膜体を介して作用する気体の圧力に応じて剛性が変化する骨格材を採用できる。また、別の一例として、構造体に衝突する衝突物の衝撃力に応じて剛性が変化する骨格材を採用できる。
これにより、展開構造体の剛性を変化させることができる。展開構造体の剛性を変化させることにより、衝突物の種類に応じて展開構造体を使い分けられる。例えば剛性を高くすれば、高重量の物質の衝突に対して衝突エネルギーの吸収効果を得ることができる。一方、剛性を低くすれば軽量の物質の衝突に対して、衝突物に作用する荷重を抑制しつつ、衝突エネルギーの吸収効果を得ることができる。このように、ひとつの展開構造体により、様々な種類の衝突物に対応することができる。
請求項2の展開構造体は、請求項1に記載の展開構造体において、前記膜体は、外膜と、前記外膜の内側に配置され前記外膜より低弾性の内膜と、を含む二重膜とされ、前記骨格材は、前記外膜と前記内膜との間に配置され、前記内膜を介して作用する前記気体の圧力に応じて剛性が変化する。
請求項2の展開構造体においては、膜体が二重膜とされ、内膜の弾性が外膜より低い。このため、気室に導入する気体の体積が閾値を超えると、内膜が弾性変形して外膜側へ膨張変形する。これにより骨格材が押圧されて剛性が高くなる。
請求項3の展開構造体は、請求項1に記載の展開構造体において、前記膜体は、外膜と、前記外膜の内側に配置された内膜と、を含む二重膜とされ、前記骨格材は、前記外膜と前記内膜との間に配置され、前記外膜と前記内膜との間から気体を吸引することに応じて剛性が変化する。
請求項3の展開構造体においては、膜体が二重膜とされている。このため、外膜と内膜との間から気体を吸引すると、内膜と外膜とが近づく方向へ変形する。これにより骨格材が押圧されて剛性が高くなる。
請求項4の展開構造体は、請求項1に記載の展開構造体において、前記気室を複数備え、前記骨格材は、互いに隣り合う前記気室を形成するそれぞれの前記膜体の間に配置され、前記膜体を介して作用する前記気体の圧力に応じて剛性が変化する。
請求項4の展開構造体においては、気室が複数備えられ、互いに隣り合う気室を形成するそれぞれの膜体の間に、骨格材が配置されている。このため、互いに隣り合う2つの気室に導入する気体の体積が閾値を超えると、それぞれの膜体が骨格材を押圧する。これにより骨格材が押圧されて剛性が高くなる。
請求項5の展開構造体は、請求項1~4の何れか1項に記載の展開構造体において、前記構造体に衝突する衝突物を検知する検知機構と、前記検知機構による検知結果に基づいて、前記気体の圧力を調整する調整機構と、を備えている。
請求項5の展開構造体においては、検知機構が衝突物を検知する。例えば検知機構は、衝突物の種類を検知する。そして、調整機構が、検知結果に基づいて、気室へ導入する気体の圧力を調整する。一例として衝突物が高重量の物質の場合、気室への気体の導入圧力を大きくして骨格材の剛性を高くする。また、衝突物が軽量の物質の場合、気室への気体の導入圧力を小さくして骨格材の剛性を低くする。
すなわち、展開構造体は予め設定された導入圧力ではなく、衝突物の種類に応じた導入圧力によって剛性が変化する。このため、展開構造体の汎用性を高めることができる。
請求項6の展開構造体は、請求項1~5の何れか1項に記載の展開構造体において、前記骨格材はダイラタント特性を備えた物質を用いて構成されている。
請求項6の展開構造体によると、骨格材はダイラタント特性を備えた物質を用いて構成されている。このため、衝突物の衝撃力によるせん断速度に応じて、展開構造体の剛性を変化させることができる。これにより、衝突物の衝撃力が大きい場合に展開構造体の剛性が高くなり、衝突エネルギーの吸収効果を得ることができる。また、衝突物の衝撃力が小さい場合にも、展開構造体の剛性が低くなり、衝突物に作用する荷重を抑制しつつ、衝突エネルギーの吸収効果を得ることができる。不溶性の粉粒体と液体とからなるダイラタント特性を有する物質においては、混合物中で粉粒体が最密充填の状態から崩される際に、ずり速度が小さいときは粉粒体の粒子が液体のように振る舞う。一方、ずり速度が大きいときは粒子の動きが限定され、粒子は固体のように振る舞う。このように、ずり速度は展開構造体の剛性の変化に影響を与える。なお、ずり速度と粒子の流動速度との間には、正の相関がある。
本発明によると、剛性が可変な展開構造体を提供することができる。
(A)は本発明の第一実施形態に係る展開構造体において、構造体が折り畳まれた状態の一例を示す斜視図であり、(B)は構造体が立体形状に展開した状態の一例を示す斜視図である。 (A)は本発明の第一実施形態に係る展開構造体の気室へ気体を導入している状態を示す断面図であり、(B)は気室の内部の圧力が大気圧と等しくなった状態を示す断面図であり、(C)は骨格材が気室内の気体から圧力を受けて剛性が高くなった状態を示す断面図である。 本発明の第一実施形態に係る展開構造体において閉塞膜を二重に構成した変形例を示す断面図である。 (A)は本発明の第一実施形態に係る展開構造体において外膜と内膜との間にシート状の骨格材が配置された状態を示す断面図であり、(B)は外膜及び内膜に形成された折り目と、縫製部と、を示す概念図である。 (A)は本発明の第一実施形態に係る展開構造体において外膜と内膜との間に粉体の骨格材が配置された状態を示す断面図であり、(B)は外膜及び内膜に形成された折り目と、縫製部と、を示す概念図である。 (A)は本発明の第二実施形態に係る展開構造体の気室へ気体を導入している状態を示す断面図であり、(B)は気室の内部の圧力が大気圧と等しくなった状態を示す断面図であり、(C)は骨格材が気室内の気体から圧力を受けて剛性が高くなった状態を示す断面図である。 (A)は本発明の第二実施形態に係る展開構造体の構成を示す斜視図であり、(B)は(A)を上下方向からみた断面の斜視図である。 (A)は本発明の第一実施形態に係る展開構造体において、骨格材が配置された空間から気体を吸引している変形例を示す断面図であり、(B)は空間から気体が吸引されて骨格材の剛性が高くなった状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る展開構造体について、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。但し、明細書中に特段の断りが無い限り、各構成要素は一つに限定されず、複数存在してもよい。また、各図面において重複する構成及び符号については、説明を省略する場合がある。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において構成を省略する又は異なる構成と入れ替える等、適宜変更を加えて実施することができる。
<第一実施形態>
第一実施形態に係る展開構造体10は、図1(A)に示す折り畳まれた状態から、気体(一例として空気)の導入に伴って、図1(B)に示す立体形状に展開(気体の導入による膨張展開)する構造体12と、骨格材14と、加圧機構16と、制御装置18と、を含んで構成されている(図2(A)参照)。
なお、本発明における「気体」としては、空気の他、窒素、二酸化炭素等、各種の気体を適用できる。これらの気体は、展開構造体10の用途に応じて適宜選択できるが、例えば可燃性を有さない不活性ガスを用いることが好ましい。
(構造体)
図1(A)、(B)に示すように、構造体12は折り目を有する筒状に形成され、筒の内部への気体の導入に伴って、折り目が開くことで立体形状に展開する。なお、図1(A)、(B)においては、構造体12の構成を説明するために、構造体12の上下が開放されて図示されている。構造体12は、図2(A)~(C)に示すように、上下が閉塞され、筒の内部に気室V1を備えた構造とされている。
図2(A)~(C)には、展開構造体10の構成及び展開方法の概略図が示されている。図2(A)に示すように、展開構造体10における構造体12は、複数の膜体を備えて形成されている。膜体は、筒状の外膜22と、外膜22の内側に配置された筒状の内膜24と、構造体12の筒軸方向(図2(A)における上下方向)の端部を閉塞する閉塞膜26と、を備えて形成されている。
外膜22は、樹脂製のシート状素材によって形成されている。また、外膜22には、外膜22と内膜24とで挟まれた空間V2と、構造体12の外側空間(大気に開放された空間)と、を連通する逆止弁28が設けられている。逆止弁28は、空間V2から構造体12の外側空間の方向のみへ気体を流通させる。
内膜24は、外膜22より低弾性の樹脂製のシート状素材によって形成されている。内膜24を外膜22より低弾性とするためには、内膜24を外膜22より低弾性の素材で形成してもよいし、内膜24と外膜22とを同じ素材で形成し、内膜24の厚みを外膜22の厚みより薄く形成してもよい。
なお、外膜22及び内膜24は折り目を備えて形成されているが、この折り目については後述する。また、図2(A)~(C)に「点」で示す縫製部S1(詳しくは後述)は、外膜22と内膜24との接合部分である。
閉塞膜26は内膜24の上下端を閉塞している。閉塞膜26は、内膜24の外膜22方向への膨出(詳しくは後述)を促す観点から、内膜24より弾性が高いシート状素材によって形成することが好ましい。
なお、この閉塞膜26は、図3に示すように、外膜22の上下端を閉塞する閉塞膜26Aと、及び内膜24の上下端を閉塞する閉塞膜26Bと、に分けて形成することもできる。閉塞膜26Aは外膜22と一体的に形成され、閉塞膜26Bは内膜24と一体的に形成されている。
ここで、「一体的に」とは、一枚の膜体によって継ぎ目なく形成されている場合の他、縫製や溶着等の接合手段を用いて複数の膜体を組み合わせて形成されている場合を含む。
なお、外膜22、内膜24及び閉塞膜26を形成する樹脂材料は特に限定されるものではないが、例えば、汎用プラスチック、汎用エンジニアリングプラスチック及びスーパーエンジニアリングプラスチック等の熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂を用いることができ、各種用途に応じて適宜選択することができる。このような熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
このうち、汎用プラスチックとしては、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(MAS樹脂)、メチルメタクリレート-アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(MABS樹脂)及びスチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SBS樹脂)といった芳香族ビニル系樹脂を用いることができる。
また、汎用プラスチックとしては、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメタクリル酸、これらの共重合体及びアクリルゴムといったアクリル系樹脂を用いることができる。
さらに、汎用プラスチックとしては、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル-メチルアクリレート共重合体及びアクリロニトリル-ブタジエン共重合体といったシアン化ビニル系樹脂を用いることができる。
またさらに、汎用プラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、エチレン-プロピレン-ジエンモノマーゴム、エチレン-プロピレンゴムといったポリオレフィン系樹脂を用いることができる。
またさらに、汎用プラスチックとしては、ポリ塩化ビニル及びポリ塩化ビニリデンといったポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール並びにポリエチレンテレフタレートなどを用いることができる。
一方、汎用エンジニアリングプラスチックとしては、ナイロン6、ナイロン66及びナイロン12といったポリアミド、ポリアセタール(ポリオキシメチレン)、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート並びに超高分子量ポリエチレンなどを用いることができる。
また、スーパーエンジニアリングプラスチックとしては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイドといったポリアリーレンスルフィド、ポリアリレート、非晶ポリアリレート、熱可塑性ポリイミド及び液晶ポリエステルといった液晶ポリマーを用いることができる。
さらに、スーパーエンジニアリングプラスチックとしては、ポリテトラフロロエチレン、フッ素化エチレンプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン及びポリフッ化ビニリデン及びポリフッ化ビニルといったフッ素樹脂などを用いることができる。
また、その他の熱可塑性樹脂として、耐衝繋性ポリスチレン(HIPS)、酸または酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂、エポキシ変性ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン、酸または酸無水物変性アクリル系エラストマー、エポキシ変性アクリルエラストマー、シリコンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、イミド基含有ビニル系樹脂、ポリ1, 4-シクロヘキサンジメチルテレフタレート、ポリ乳酸、ポリエーテルケトン及びポリエーテルアミドなどを用いてもよい。
また、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、熱硬化性ポリアミドイミド、熱硬化性シリコーン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、アルキド樹脂及びウレタン樹脂などを用いることができる。
なお、外膜22、内膜24及び閉塞膜26を形成する材料としては、上記で例示した樹脂の他、合成繊維、天然繊維や鉱物およびカオリン鉱物を用いてもよい。
(骨格材)
展開構造体10においては、外膜22と内膜24とで挟まれた空間V2に、骨格材14が配置されている。この骨格材14は、一例として、シート状に形成された炭素繊維強化プラスチックを、外膜22と内膜24との間に複数枚配置して形成される。
骨格材14は、作用する外力に応じて剛性が変化する。具体的には、骨格材14が外膜22と内膜24との間で圧縮されると、骨格材14を構成する各シートの間で摩擦力が高くなり、シートの面内方向に対する剛性が高くなる。このため、例えば図2(C)において、上下方向から作用する外力に対して、耐力が高くなる。このため、骨格材14は、例えば衝撃を吸収したい方向に対して面内方向が沿うように配置することが好ましい。
なお、「衝撃を吸収したい方向」とは、一例として、衝突物が衝突する蓋然性が最も高い方向である。別の一例として、展開構造体10が適用された構造物の外周面と略直交する方向である。また、別の一例として、衝突物が衝突する方向に関わらず、展開構造体10が適用された構造物(及びその内部)又は衝突物を保護するために適した方向である。展開構造体10は、展開方向(すなわち、図2(A)~(C)における上下方向)が、この衝撃を吸収したい方向に沿うように配置することが好ましい。
なお、以下の説明においては、外力に応じて剛性が変化する態様を「ジャミング転移」と称し、ジャミング転移する材料によって形成された層状の部分を「ジャミング層」と称す場合がある。骨格材14は、外膜22と内膜24との間においてジャミング層を形成する物質であり、骨格材14がジャミング転移することにより、ジャミング層の剛性が変化する。
ここで、本実施形態においては、ジャミング層を構成する物質として、シート状に形成された炭素繊維強化プラスチックを用いているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えばシート状の紙や布等を用いてもよい。また、ジャミング層は必ずしもシート状の物質によって形成する必要はなく、粉体を用いて形成してもよい。ジャミング層を形成する粉体としては、砂や金属粉、樹脂粉など、粉状の各種物質を用いることができる。
また、ジャミング層には、構造体12の展開を妨げない材質及び分量であれば、各種の添加剤を配合することができる。例えば添加剤として炭素繊維やガラス繊維等の無機フィラーを配合すれば、展開構造体10の弾性率の向上が期待できる。
ジャミング層に配合する添加剤は特に制限されるものではないが、例えば、グラファイト、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノプレートレット、グラフエン、多層グラフエン、ナノグラファイト(グラフェンナノリボンなど)、ナノグラフェン、カーボンナノホーン、カーボンナノコーン、カーボンナノコイル、フラーレンといったカーボン系ナノフィラーを用いることができる。
また、添加剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維といった合成繊維、セルロース、キチン、キトサンといった天然繊維などの繊維状物質を用いることができる。
さらに、添加剤としては、雲母(マイカ)鉱物及びカオリン鉱物といった層状ケイ酸塩、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、ウイスカー、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ダイヤモンド並びに酸化亜鉛といった無機充填剤などを用いることができる。
これらのような添加剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、ジャミング層には、ダイラタント特性を付与することができる。ダイラタント特性とは、平常時や小さな衝撃力が加わった時はソフトマテリアルの特性(低剛性)を示すが、大きな衝撃力が加わった瞬間にハードマテリアルの特性(高剛性)を示す性質のことである。
ダイラタント特性は、ジャミング層を、剛性を持つナノ粒子とソフトマターとを組み合わせて形成することによって付与することができる。(例えば、特開2010-024420に記載された組み合わせ)
ダイラタント特性を示す複合材料としては、一例として、水と片栗粉とを1:1の比率で混合した複合材料が挙げられる。
また、ダイラタント特性を示す複合材料の別の一例として、低分子量のシリコンゴム、ゾルゲル法によって作成されるシリカ球、リビング重合で合成されるポリスチレン球等と、非プロトン性極性溶媒であるN-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)と、を複合させた材料が挙げられる。
ジャミング層にダイラタント特性を付与することにより、衝突物の衝撃力が大きい場合に展開構造体の剛性が高くなり、衝突エネルギーの吸収効果を得ることができる。また、衝突物の衝撃力が小さい場合にも、展開構造体の剛性が低くなり、衝突物に作用する荷重を抑制しつつ、衝突エネルギーの吸収効果を得ることができる。
ダイラタント特性は、不溶性の粉粒体と液体とからなる物質に発現する性質である。ダイラタント特性を有する物質においては、混合物中で粉粒体が最密充填の状態から崩される際に、ずり速度が小さいときは粉粒体の粒子が液体のように振る舞う(低剛性)。一方、ずり速度が大きいときは粒子の動きが限定され、粒子は固体のように振る舞う(高剛性)。このように、ずり速度は展開構造体の剛性の変化に影響を与える。なお、ずり速度と粒子の流動速度との間には、正の相関がある。
なお、骨格材としてダイラタント特性を備えた物質を用いる場合、この骨格材は、必ずしも気室V1からの気体の圧力によってジャミング転移する物質である必要はない。ダイラタント特性を備えた骨格材であれば、ジャミング転移しなくても、展開構造体の剛性を変化させることができる。
(構造体の折り目)
上述したように、構造体12は折り目を有する筒状に形成されている。外膜22は、図1(A)、(B)に示すように、折り目を有している。この折り目は、アイロンなどの加熱手段や、繰り返しの折り曲げ等によって生成される他の部分より剛性が低いヒンジによって形成されている。また、この折り目は、シート状の芯材において、折り目部分以外の部分にパネル材を接着することで形成してもよい。この場合、パネル材を接着した部分以外の部分の曲げ剛性が相対的に低くなる。
また、内膜24は、外膜22と同様に、折り目を有している。この折り目の生成方法は、外膜22と同様である。
後述する加圧機構16によって気室V1に気体が送出される事に伴って、外膜22及び内膜24は、この折り目部分で折り曲げられた形状から、折り目が開いて、立体形状に展開する。
なお、図4(A)、(B)に示すように、外膜22と内膜24とは、骨格材14を挟み込んだ状態で縫い合わされている。ここで、図4(A)、(B)は骨格材14としてシート状の物質を用いた例を示している。
このうち、図4(B)には外膜22及び内膜24における折り目において山折りの部分が実線の折線T1、谷折りの部分が破線の折線T2で示されている。
また、図4(B)には、外膜22と内膜24とが縫い合わされた縫製部S1が網掛で示され、外膜22又は内膜24と骨格材14とが縫い合わされた縫製部S2が網掛で示されている。縫製部S2は、折線T1、T2に沿って形成される。
縫製部S1によって、外膜22と内膜24との間の空間V2が気密処理される。なお、この縫製部S1は、必ずしも縫い合わせて形成する必要はなく、溶着等によって形成してもよい。
また、縫製部S2によって、骨格材14が外膜22又は内膜24に対して保持される。なお、この縫製部S2は、外膜22、内膜24及び骨格材14を形成するシートの全てをまとめて縫い合わせてもよい。これにより外膜22と内膜24とが同調して展開し易くなる。
一方、図5(A)、(B)には、骨格材14として粉状の物質を用いた例を示している。このうち、図5(B)には、図4(B)と同様に、外膜22及び内膜24における折り目において山折りの部分が実線の折線T1、谷折りの部分が破線の折線T2で示されている。
また、図5(B)には、外膜22と内膜24とが縫い合わされた縫製部S1が網掛で示され、縫製部S1に囲まれる領域において、外膜22と内膜24とが縫い合わされた縫製部S3が網掛で示されている。縫製部S3は、折線T1、T2に沿って形成される。
このように、折線T1、T2に沿って縫製部S3を形成することで、図5(A)に示すように、外膜22と内膜24とで挟まれた空間V2が細分化される。これにより、粉体の骨格材14を外膜22と内膜24とで挟まれる領域の略全体に均等に配置することができる。
なお、このように空間V2を細分化する場合、空間V2から外部空間への気体の流出効率を考慮して、外膜22を、ガス透過膜によって形成することが好ましい。このガス透過膜は、空間V2から外部空間へ向かう方向のみに気体を通過させるものとすることが好適である。
また、図5(A)、(B)に示した折り目の形状や、図1(A)、(B)に示した展開形状は一例であり、折りたたまれた状態から立体形状に展開するものであれば、折り目の形状や展開形状は適宜選択又は設計することができる。
(加圧機構)
構造体12には、加圧機構16が備えられている。加圧機構16は、加圧装置16Aと、加圧装置16Aと構造体12の気室V1とを連通する流通経路16Bと、流通経路16Bに設けられた開閉弁16Cと、を備えている。
加圧装置16Aは、流通経路16Bを介して気室V1へ気体(一例として空気)を送るエアコンプレッサである。流通経路16Bは、一方の端部が加圧装置16Aに接続され、他方の端部が構造体12の気室V1に接続された管体である。開閉弁16Cは、流通経路16Bに設けられ、開閉に伴って加圧装置16Aから気室V1への空気の流通を開放又は遮断する電磁弁である。
(制御装置)
制御装置18は、加圧機構16を制御する装置であり、例えば検知機構(不図示)を備えている。
検知機構は、構造体12に衝突する衝突物を検知する。この検知機構としては、例えばCCDイメージセンサや速度センサ等が用いられる。これにより、衝突物の種類(例えば車両なのか、生物なのか)を検知したり、衝突物の衝突スピードを先知したりすることができる。
制御装置18は、検知機構による検知結果に基づいて、気室V1へ導入する空気の圧力を調整する調整機構である。制御装置18は、検知機構による検知結果に基づいて、例えば衝突物の衝突エネルギーを算出することができる。
制御装置18は、この算出結果に基づいて、加圧装置16Aの運転を開始し、開閉弁16Cの開放量を調整する。又は、制御装置18は、この算出結果に基づいて、加圧装置16Aの運転を開始すると共に出力を調整し、開閉弁16Cを開放する。
(展開方法)
展開構造体10を展開するには、図2(A)に示すように、加圧装置16Aの運転を開始し、開閉弁16Cを開放することで、気室V1へ空気を導入する。気室V1への空気の導入に伴って、外膜22及び内膜24の折り目が開いて、構造体12が展開する。
気室V1の内部の圧力が大気圧を超えると、図2(B)に示すように、内膜24は弾性変形を開始して、外膜22に向かって膨出する。なお、外膜22も、外側へ膨出する可能性があるが、外膜22は内膜24より高弾性であるため、外側への膨出速度が遅い。
このため、相対的に、内膜24が外膜22の方向へ移動して、外膜22と内膜24とで挟まれた空間V2の空気が圧縮される。ここで、外膜22には、逆止弁28が取付けられている。このため、圧縮された空間V2の空気は、逆止弁28を介して大気へ放出される。
これにより、図2(C)に示すように、空間V2の体積が小さくなり、骨格材14が圧縮される。すなわち、骨格材14には、内膜24を介して、気室V1内の空気の圧力が作用する。これにより、骨格材14を構成する各シートの間で摩擦力が高くなり骨格材14がジャミング転移し、シートの面内方向(図(C)における上下方向)に対する剛性が高くなる。
なお、逆止弁28を用いることにより、骨格材14が一旦ジャミング転移して高剛性になると、加圧装置16Aによる気室V1への空気の導入を停止しても、展開構造体10は立体形状を保持できる。
本発明においては、構造体12として、逆止弁を用いない構成、すなわち単に空間V2から空気が排出される構成を採用してもよい。この場合、加圧装置16Aによる気室V1への空気の導入を継続することで、骨格材14の高剛性状態及び展開構造体10の立体形状を維持できる。
(作用及び効果)
第一実施形態に係る展開構造体10においては、図2(A)~(C)に示すように、構造体12の気室V1が膜体(外膜22、内膜24及び閉塞膜26)で形成されている。気室V1に気体を導入すると、これらの膜体が変形し、構造体12が、折り畳まれた状態から立体形状に展開する。このため、「非」展開構造と比較して、気体を導入する前における展開構造体の設置空間を削減できる。
また、膜体の表面、具体的には外膜22及び内膜24の、互いに対向する表面には、骨格材14が配置されている。この骨格材14は、作用する外力に応じて剛性が変化する、所謂ジャミング転移する特性を備えている。
これにより、展開構造体10の剛性を変化させることができる。展開構造体10の剛性を変化させることにより、衝突物の種類に応じて展開構造体10を使い分けられる。
例えば剛性を高くすれば、高重量の物質の衝突(例えば車両に対する車両の衝突)に対して衝突エネルギーの吸収効果を得ることができる。
一方、剛性を低くすれば軽量の物質の衝突(例えば車両に対するヒトの衝突)に対して衝突物に作用する荷重を抑制しつつ、衝突エネルギーの吸収効果を得ることができる(例えばエアバッグとして用いることができる)。このように、ひとつの展開構造体により、様々な種類の衝突物に対応することができる。
なお、「衝突物」とは、展開構造体10が適用された構造物に対して、相対的に衝突する物体のことを指す。例えば展開構造体10が車両に適用されている場合、当該車両に対して衝突する物質が「衝突物」である。また、当該車両が、建物やガードレール、樹木等に衝突する場合、これらの建物やガードレール、樹木等が「衝突物」である。
また、展開構造体10においては、膜体が二重膜とされ、内膜24の弾性が外膜22より低い。このため、気室V1に導入する気体の体積が閾値を超えると、内膜24が弾性変形して、外膜22側へ膨張変形する。これにより骨格材14が押圧されて剛性が高くなる。
ここで、骨格材14は、衝突物の衝突による衝撃力によって塑性変形するが、骨格材14の剛性が高くなることに応じて、塑性変形する際のエネルギー吸収力が大きくなる。このため、展開構造体10が適用された物質を保護することができる。
なお、気室V1に導入する気体の体積の「閾値」とは、内膜24及び閉塞膜26で囲まれる気室V1が、内膜24及び閉塞膜26が弾性変形を開始する前の状態(内膜24及び閉塞膜26が伸びていない状態)における最大体積である。
また、展開構造体10においては、検知機構(不図示)が衝突物を検知する。例えば検知機構は、衝突物の種類を検知する。そして、調整機構としての制御装置18が、検知結果に基づいて、気室V1への気体の導入圧力を調整する。
一例として、衝突物が高重量の物質(例えば車両)の場合、気室への気体の導入圧力を大きくして骨格材の剛性を高くする。また、衝突物が軽量の物質(例えばヒト)の場合、気室への気体の導入圧力を小さくして骨格材の剛性を低くする。
すなわち、展開構造体10は、予め設定された導入圧力ではなく、衝突物の種類に応じた導入圧力によって剛性が変化する。このため、展開構造体10の汎用性を高めることができる。
なお、このような検知機構は必ずしも必要ない。例えば展開構造体10を、車両の外側に設置する場合において、車両の搭乗者の保護を目的とする場合は、高重量の物質の衝突エネルギーの吸収に応じた導入圧力に設定しておくこともできる。
一方で、展開構造体10を、車両の内側に設置する場合において、車両の搭乗者の保護を目的とする場合は、軽量の物質の衝突エネルギーの吸収に応じた導入圧力に設定しておくこともできる。
(変形例)
本実施形態においては、加圧機構16を用いて構造体12の気室V1へ直接空気を導入しているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば図8(A)、(B)に示すように、空間V2から空気を吸引することによって骨格材14の剛性を高め、気室V1へ空気を導入してもよい。
具体的には、加圧機構16に代えて、減圧機構17を用いる。減圧機構17は、減圧装置(真空ポンプ)17Aと、減圧装置17Aと構造体12の空間V2とを連通する流通経路17Bと、流通経路17Bに設けられた開閉弁17Cと、を備えている。この減圧機構17を用いて空間V2から空気を吸引すると、骨格材14が展開する。また、骨格材14は、空気の吸引に伴う押圧力によって、剛性が変化する。そして、骨格材14の展開に伴って、気室V1には空気が導入される。
なお、気室V1には、図示しない空気流入口を設ける。又は、ガス透過性を有する素材を用いて閉塞膜26を形成する。これにより、加圧機構16を用いて気室V1に直接空気を導入しなくても、気室V1に空気を導入することができる。
加圧機構16と減圧機構17とは、併用することもできる。これらを併用することで、展開構造体10の展開速度や、骨格材14の剛性変化速度を調整し易い。また、減圧機構17は、以下に示す第二実施形態に適用してもよい。
また、減圧機構17を用いる場合、外膜22及び内膜24の弾性差に関わらず空間V2から空気が排出される。このため、減圧機構17を用いる場合は外膜22及び内膜24は等しい弾性としてもよい。
<第二実施形態>
第二実施形態においては、第一実施形態と異なる構成を中心に説明し、第一実施形態と同様の構成及び効果については説明を省略する。また、第一実施形態において適用可能な変形例は、支障のない限り、適宜第二実施形態においても適用できる。
(展開構造体)
第一実施形態に係る展開構造体10は、図2(A)に示すように、気室V1を形成する外膜22及び内膜24によって二重膜が形成され、この二重膜によって形成された空間V2に、骨格材14が配置されていた。
これに対し、第二実施形態に係る展開構造体30は、図6(A)に示す構造体32を備えている。構造体32は、一重の膜体34で形成された複数の気室V3を備え、互いに隣り合う気室V3を形成するそれぞれの膜体34の間に形成された空間V4に、骨格材14が配置されている。この空間V4は、上下が閉塞膜36によって閉塞されている。閉塞膜36には、逆止弁28が取付けられている。
これらの膜体34及び気室V3は、一例として、図7(A)に示すように、平面視で六角形状に形成されて、空間を充填するようにセル状に配置されている。また、骨格材14は、図7(B)に示すように、膜体34によって挟まれた空間にハニカム状に配置されている。
なお、気室V3を形成するそれぞれの膜体34が、図1(A)、(B)で示したように折り目を備えており、この折り目が開いて構造体32が立体形状に展開する。また、互いに隣り合う膜体34及びこれらの膜体34の間に配置された骨格材14が、図5(A)、(B)または図6(A)、(B)で示した構成を備えている。
(展開方法)
展開構造体30を展開するには、図6(A)に示すように、加圧装置16Aの運転を開始し、開閉弁16Cを開放することで、複数の気室V3へ空気を導入する。気室V3への空気の導入に伴って、膜体34の折り目が開いて、構造体32が展開する。
気室V3の内部の圧力が大気圧を超えると、図6(B)に示すように、互いに隣り合う気室V3を形成するそれぞれの膜体34が、接近するように移動する。これにより、膜体34で挟まれた空間V4の空気が圧縮される。ここで、閉塞膜36には、逆止弁28が取付けられている。このため、圧縮された空間V4の空気は、逆止弁28を介して大気へ放出される。
これにより、図6(C)に示すように、空間V4の体積が小さくなり、骨格材14が圧縮される。すなわち、骨格材14には、膜体34を介して、気室V3内の空気の圧力が作用する。これにより、骨格材14を構成する各シートまたは粉体の間で摩擦力が高くなって骨格材14がジャミング転移し、図6(C)における上下方向に対する剛性が高くなる。
(作用及び効果)
第二実施形態に係る展開構造体30においては、気室V3が複数備えられ、互いに隣り合う気室V3を形成するそれぞれの膜体34の間に、骨格材14が配置されている。このため、互いに隣り合う2つの気室V3に導入する空気の体積が閾値を超えると、それぞれの膜体34が骨格材14を押圧する。これにより骨格材14が押圧されて剛性が高くなる。
また、本実施形態においては、骨格材14がハニカム状に配置される。このため展開構造体30の剛性を効率よく高めることができる。
10 展開構造体
12 構造体
14 骨格材
18 制御装置(調整機構)
22 外膜
24 内膜
30 展開構造体
32 構造体
34 膜体
V1 気室
V3 気室

Claims (6)

  1. 膜体で形成された気室の内部に導入される気体の圧力によって、折り畳まれた状態から立体形状に展開する構造体と、
    前記膜体の表面に沿って配置され、作用する外力に応じて剛性が変化する骨格材と、
    を備えた展開構造体。
  2. 前記膜体は、外膜と、前記外膜の内側に配置され前記外膜より低弾性の内膜と、を含む二重膜とされ、
    前記骨格材は、前記外膜と前記内膜との間に配置され、前記内膜を介して作用する前記気体の圧力に応じて剛性が変化する、
    請求項1に記載の展開構造体。
  3. 前記膜体は、外膜と、前記外膜の内側に配置された内膜と、を含む二重膜とされ、
    前記骨格材は、前記外膜と前記内膜との間に配置され、前記外膜と前記内膜との間から気体を吸引することに応じて剛性が変化する、
    請求項1に記載の展開構造体。
  4. 前記気室を複数備え、
    前記骨格材は、互いに隣り合う前記気室を形成するそれぞれの前記膜体の間に配置され、前記膜体を介して作用する前記気体の圧力に応じて剛性が変化する、請求項1に記載の展開構造体。
  5. 前記構造体に衝突する衝突物を検知する検知機構と、
    前記検知機構による検知結果に基づいて、前記気体の圧力を調整する調整機構と、
    を備えた請求項1~4の何れか1項に記載の展開構造体。
  6. 前記骨格材はダイラタント特性を備えた物質を用いて構成されている、請求項1~5の何れか1項に記載の展開構造体。
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