以下、図面を参照して、実施形態に係る医用画像診断装置を説明する。以下では、一例として、医用画像診断装置がPET(Positron Emission computed Tomography)装置である場合について説明する。なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るPET装置100の構成を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態に係るPET装置100は、架台10と、コンソール20とを備える。
架台10は、被検体P内の陽電子から放出された一対の消滅ガンマ線を、被検体Pの周囲をリング状に取り囲むように配置された検出器によって検出し、検出器の出力信号から計数情報を生成し、これを収集する。図1に示すように、架台10は、天板11と、寝台12と、寝台ドライバ13と、検出器14と、計数情報収集回路15とを備える。なお、架台10は、図1に示すように、撮影口となる空洞を有する。
天板11は、被検体Pが載置されるベッドであり、寝台12の上に配置される。寝台ドライバ13は、後述する寝台制御回路23による制御の下、天板11を移動させる。例えば、寝台ドライバ13は、天板11を移動させることで、被検体Pを架台10の撮影口内に移動させる。
検出器14は、被検体P内の陽電子から放出された消滅ガンマ線を検出する。例えば、検出器14は、図1に示すように、被検体Pの周囲をリング状に取り囲むように配置された、複数の検出器モジュール140を有する。なお、図1の例では、複数の検出器モジュール140は、検出器14の円周の接線方向に配置される場合を示しているが、被検体Pの体軸方向にも配置されてもよい。
図2は、第1の実施形態に係る検出器モジュール140を説明するための図である。図2に示すように、検出器モジュール140は、フォトンカウンティング方式、アンガー型の検出器であり、シンチレータ141と、複数のSiPM(Silicon photomultiplier)パネル142と、計数情報算出回路143とを有する。なお、複数のSiPMパネル142それぞれを区別する場合には、説明の便宜上、SiPMパネル142a、SiPMパネル142b、SiPMパネル142c、SiPMパネル142d、SiPMパネル142e、及びSiPMパネル142fと異なる符号を付与して説明する。
シンチレータ141は、モノリシックに構成される。ここで言うモノリシックとは、一体化或いは一枚板を示す。すなわち、シンチレータ141は、単一結晶で構成される。このため、モノリシックに構成されるシンチレータ141には、例えば、シンチレータ結晶を1単位とした多数のシンチレータ結晶がアレイ状に組み上げられて使用されるのではなく、1つのシンチレータ結晶が区分けされずに一体化したまま使用される。このため、シンチレータ141には、反射材が挟まれない。
また、シンチレータ141は、図2に示すように、6面体である。なお、図2では、シンチレータ141が立方体である場合を示すが、シンチレータ141は、直方体であってもよい。また、シンチレータ141は、例えば、LYSO(Lutetium Yttrium Oxyorthosilicate)、LSO(Lutetium Oxyorthosilicate)、LGSO(Lutetium Gadolinium Oxyorthosilicate)等のLu系シンチレータ結晶によって形成される。なお、Lu系のシンチレータ結晶には、88keV,201keV,306keV,400keVの光子を発する放射性同位元素Lu-176が含有される。
そして、シンチレータ141は、例えば、被検体P内の陽電子から放出されて入射した消滅ガンマ線をシンチレーション光(scintillation photons、optical photons)に変換する。すなわち、シンチレータ141は、モノリシックに構成され、ガンマ線をシンチレーション光に変換する。
複数のSiPMパネル142は、シンチレータ141の異なる位置に配置され、シンチレータ141によって変換されたシンチレーション光を検出して、電気信号を生成する。ここで、複数のSiPMパネル142は、シンチレータ141の少なくとも2面に設けられる。
例えば、複数のSiPMパネル142は、図2に示すように、シンチレータ141の6面それぞれに設けられる。言い換えると、図2に示す例では、モノリシックに構成されたシンチレータ141の6面すべてが、SiPMパネル142で覆われている。なお、シンチレータ141を覆う面数は、6面より少なくてもよいし、全表面の一部でもよい。また、シンチレータ141の全表面に対して、SiPMパネル142によって覆われるシンチレータ141の表面の割合が大きいほど、出力信号のS/Nは向上する。
なお、SiPMパネル142は、基板上に形成されてから、シンチレータ141に配置されてもよい。言い換えると、SiPMパネル142は、シンチレータ141と光学的に接着されていてもよい。或いは、SiPMパネル142は、シンチレータ141上に直接形成されてもよい。言い換えると、SiPMパネル142は、シンチレータ141表面に直接半導体形成されてもよい。
また、各SiPMパネル142は、それぞれがチャネルとなるSiPMで構成される。例えば図2では、シンチレータ141の各面を覆うSiPMパネル142が4個(=2×2)のSiPMで構成されている場合を例示している。しかしながら、SiPMパネル142を構成する1面当たりのSiPM数は1個(=1×1)でもよいし、32個(=8×4)でもよい。ここで、1面当たりのSiPM数が4個である場合、検出器モジュール140の出力チャネル総数は24(=2×2×6面)チャネルとなる。なお、各SiPMは、光検出器の一例である。
計数情報算出回路143は、クロック回路、トリガー回路、エネルギー積分回路、及び外部との入出力回路を有し、SiPMパネル142からの信号を処理して、処理結果を後述する計数情報収集回路15に出力する機能を有する電気回路である。
計数情報収集回路15は、各計数情報算出回路143によって出力された信号の処理結果を収集し、計数情報を算出する機能を有する電気回路である。なお、計数情報収集回路15は、校正回路の一例である。図3は、第1の実施形態に係る計数情報収集回路15を説明するための図である。
図3では、説明の便宜上シンチレータ141のみを図示している。計数情報収集回路15は、図3に図示するように消滅ガンマ線が入射し、シンチレータ141におけるシンチレーション光への変換時の空間位置(P)及び変換時の時間(T)と、変換したガンマ線のエネルギー値(E)とを計数情報として算出する。
ここで、図3に図示するように消滅ガンマ線が入射し、シンチレーション光に変換された場合、計数情報収集回路15は、シンチレーション光への変換時の空間位置(P)として、空間座標(x,y,z)を算出する。なお、シンチレーション光への変換時の空間位置(P)のことをシンチレーション位置とも言う。
より具体的には、計数情報収集回路15は、各SiPM(チャネルとも言う)からの電気信号を用いた重心演算により、空間位置(P)を算出する。例えば、計数情報収集回路15は、シンチレーション光を同じタイミングで電気信号に変換した複数のチャネルを特定する。そして、計数情報収集回路15は、特定した各チャネルの位置及び電気信号の強度を用いて重心の位置を計算し、消滅ガンマ線が入射したシンチレータ141内の空間的な位置を示す空間位置(P)を特定する。
また、計数情報収集回路15は、SiPMによって消滅ガンマ線が検出された検出時間(T)として、シンチレーション時刻(t)を測定する。より具体的には、計数情報収集回路15は、空間位置(P)からSiPMまでの距離に基づいて、SiPMによって消滅ガンマ線が検出された検出時間(T)を算出する。例えば、計数情報収集回路15は、各チャネルから電気信号を取得した時間を補正前検出時間(T’)として特定する。より具体的には、計数情報収集回路15は、10-12秒(ピコ秒)単位の精度で補正前検出時間(T’)を特定する。なお、補正前検出時間(T’)は、クロック回路によって記録された絶対時刻であってもよいし、撮影開始時点からの経過時間であってもよい。
ここで、補正前検出時間(T’)は、計数情報収集回路15がSiPMから電気信号を取得した時間であって、SiPMによって消滅ガンマ線が検出された検出時間(T)ではない。すなわち、補正前検出時間(T’)は、SiPMによって消滅ガンマ線が検出された検出時間(T)から、シンチレーション光がSiPMで受光されるまでに移動する距離だけ遅延した時間である。そこで、計数情報収集回路15は、空間位置(P)からSiPMまでの距離に基づいて、補正前検出時間(T’)を補正して、検出時間(T)を算出する。なお、計数情報収集回路15は、高精度な時刻測定のためにTDC(Time-Digital-Converter)回路との照合を行ってもよい。
また、計数情報収集回路15は、SiPMによって消滅ガンマ線が検出された際の消滅ガンマ線のエネルギー値(E)として、シンチレーションの総エネルギー(E)を測定する。より具体的には、計数情報収集回路15は、空間位置(P)からSiPMまでの減衰量に基づいて、エネルギー値(E)を算出する。例えば、計数情報収集回路15は、各SiPMから出力された電気信号の強度を積分計算することで、検出器モジュール140に入射した消滅ガンマ線の補正前エネルギー値(E’)を特定する。
ここで、補正前エネルギー値(E’)は、計数情報収集回路15がSiPMから電気信号を取得した際の電気信号の強度の積分値であって、SiPMによって消滅ガンマ線が検出された際の消滅ガンマ線のエネルギー値(E)ではない。すなわち、補正前エネルギー値(E’)は、SiPMによって消滅ガンマ線が検出された際の消滅ガンマ線のエネルギー値(E)よりも、シンチレーション光がSiPMで受光されるまでに移動する間にエネルギー値が減衰した値である。そこで、計数情報収集回路15は、空間位置(P)からSiPMまでのシンチレーション光が移動する間の減衰量に基づいて、補正前エネルギー値(E’)を補正して、エネルギー値(E)を算出する。
計数情報収集回路15は、収集した計数情報を、後述するデータ記憶回路24に格納する。なお、計数情報収集回路15による計数情報を算出する処理の詳細については後述する。また、変換時の時間(T)のことを検出時間(T)とも言う。
図1に戻る。コンソール20は、操作者によるPET装置100の操作を受け付け、PET画像の撮影を制御するとともに、架台10によって収集された計数情報を用いてPET画像を再構成する。図1に示すように、コンソール20は、入力インターフェース21と、ディスプレイ22と、寝台制御回路23と、データ記憶回路24と、同時計数情報生成回路25と、画像再構成回路26と、システム制御回路27とを備える。なお、コンソール20が備える各部は、バスを介して接続される。
入力インターフェース21は、PET装置100の操作者によって各種指示や各種設定の入力に用いられるマウスやキーボード等であり、入力された各種指示や各種設定を、システム制御回路27に転送する。例えば、入力インターフェース21は、撮影開始指示の入力に用いられる。ディスプレイ22は、操作者によって参照されるモニター等であり、システム制御回路27による制御の下、被検体Pの呼吸波形やPET画像を表示したり、操作者から各種指示や各種設定を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示したりする。寝台制御回路23は、寝台ドライバ13を制御する機能を有する電気回路である。
データ記憶回路24は、PET装置100において用いられる各種データを記憶する機能を有する電気回路である。図4は、第1の実施形態に係るデータ記憶回路24を説明するための図である。図4に示すように、データ記憶回路24は、計数情報記憶回路24aと、同時計数情報記憶回路24bと、PET画像記憶回路24cとを備える。なお、データ記憶回路24は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。
計数情報記憶回路24aは、計数情報収集回路15によって収集された計数情報のリストを記憶する機能を有する電気回路である。また、計数情報記憶回路24aが記憶する計数情報のリストは、同時計数情報生成回路25による処理に用いられる。なお、計数情報記憶回路24aが記憶する計数情報のリストは、同時計数情報生成回路25による処理に用いられた後に削除されてもよいし、所定期間記憶されていてもよい。
図5は、第1の実施形態における計数情報のリストを説明するための図である。図5に示すように、計数情報記憶回路24aは、検出器モジュール140を識別するモジュールIDに対応付けて、空間位置(P)、エネルギー値(E)、及び検出時間(T)を含む計数情報を記憶する。
同時計数情報記憶回路24bは、同時計数情報生成回路25によって生成された同時計数情報の時系列リストを記憶する機能を有する電気回路である。また、同時計数情報記憶回路24bが記憶する同時計数情報の時系列リストは、画像再構成回路26による処理に用いられる。なお、同時計数情報記憶回路24bが記憶する同時計数情報の時系列リストは、画像再構成回路26による処理に用いられた後に削除されてもよいし、所定期間記憶されていてもよい。
図6は、第1の実施形態における同時計数情報の時系列リストを説明するための図である。図6に示すように、同時計数情報記憶回路24bは、同時計数情報の通し番号であるコインシデンスNo.に対応付けて、計数情報の組を記憶する。ここで、同一のコインシデンスNo.の組で記憶されている情報は、検出時間(T)の時間差が時間ウィンドウ幅以内にあることを示す。すなわち、図6の例では、コインシデンスNo.1であるT11とT22とが時間ウィンドウ幅以内にあり、コインシデンスNo.2であるT12とT32とが時間ウィンドウ幅以内にあり、コインシデンスNo.3であるT13とT33とが時間ウィンドウ幅以内にあることを示す。なお、第1の実施形態において、同時計数情報の時系列リストは、計数情報の検出時間(T)に基づき概ね時系列順に並んでいる。
PET画像記憶回路24cは、画像再構成回路26によって再構成されたPET画像を記憶する機能を有する電気回路である。また、PET画像記憶回路24cが記憶するPET画像は、システム制御回路27によってディスプレイ22に表示される。
図1に戻り、同時計数情報生成回路25は、計数情報収集回路15によって収集された計数情報のリストを用いて同時計数情報の時系列リストを生成する機能を有する電気回路である。具体的には、同時計数情報生成回路25は、計数情報記憶回路24aに記憶された計数情報のリストから、一対の消滅ガンマ線を略同時に計数した計数情報の組を、計数情報の検出時間(T)に基づいて検索する。また、同時計数情報生成回路25は、検索した計数情報の組毎に同時計数情報を生成し、生成した同時計数情報を、概ね時系列順に並べながら、同時計数情報記憶回路24bに格納する。
例えば、同時計数情報生成回路25は、操作者によって入力された同時計数情報生成条件に基づいて、同時計数情報を生成する機能を有する電気回路である。同時計数情報生成条件には、時間ウィンドウ幅が指定される。例えば、同時計数情報生成回路25は、時間ウィンドウ幅に基づいて、同時計数情報を生成する。
例えば、同時計数情報生成回路25は、計数情報記憶回路24aを参照し、検出時間(T)の時間差が時間ウィンドウ幅以内にある計数情報の組を、検出器モジュール140間で検索する。例えば、同時計数情報生成回路25は、同時計数情報生成条件を満たす組として、「P11、E11、T11」と「P22、E22、T22」との組を検索すると、この組を同時計数情報として生成し、同時計数情報記憶回路24bに格納する。なお、同時計数情報生成回路25は、時間ウィンドウ幅とともにエネルギーウィンドウ幅を用いて同時計数情報を生成してもよい。
画像再構成回路26は、PET画像を再構成する機能を有する電気回路である。具体的には、画像再構成回路26は、同時計数情報記憶回路24bに記憶された同時計数情報の時系列リストを読み出し、読み出した時系列リストを用いてPET画像を再構成する。また、画像再構成回路26は、再構成したPET画像をPET画像記憶回路24cに格納する。
システム制御回路27は、架台10及びコンソール20を制御することによって、PET装置100の全体制御を行う機能を有する電気回路である。例えば、システム制御回路27は、PET装置100における撮影を制御する。
また、上述した寝台制御回路23、同時計数情報生成回路25、画像再構成回路26、及びシステム制御回路27等の各部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路によって実現される。
以上、第1の実施形態に係るPET装置100の全体構成について説明した。かかる構成のもと、第1の実施形態に係るPET装置100は、入射した消滅ガンマ線がシンチレータ141においてシンチレーション光へ変換された時の空間位置(P)及び時間(T)と、変換されたガンマ線のエネルギー値(E)とを計数情報として算出する。そして、PET装置100は、算出した計数情報のリストを用いて同時計数情報の時系列リストを生成し、時系列リストを用いてPET画像を再構成する。
ところで、PET装置100において、シンチレーション位置やシンチレーション時刻を正しく測定するためには、SiPMの出力強度の測定と、測定した出力強度に基づく校正とが必要となる。
ここで、シンチレータ結晶をアレイ状に組み上げた従来の検出器の場合には、例えば、エネルギーが既知である単色ガンマ線シンチレータにおけるシンチレーション光子に、光検出器が受光したことによる出力(応答関数)のピークなどを合せ込むように個々の光検出器の出力強度を調整する校正方法が知られている。
しかしながら、従来の単色ガンマ線を用いた校正方法は、モノリシックシンチレータを有する検出器14の校正処理には適用が困難であった。例えば、モノリシックシンチレータを有する検出器14では、シンチレーションポイントが広い領域に分布する。このため、事象毎に各SiPMの出力は変化してしまう。
また、検出器14の校正に多くの事象の出力を平均して用いようとしても、特定の方向からのガンマ入射を元にすると、シンチレーション事象に偏りが生じてしまう。例えば、量子力学的ガンマ線吸収過程あるいは散乱過程の結果としてガンマ線が入射するシンチレータ表面付近ではシンチレーション事象が多く、一方、ガンマ線が入射するシンチレータ表面とは反対側の表面ではシンチレーション事象が少ない。
更に、シンチレータ側面を含む、表面近くでのシンチレーションはコンプトン散乱された電子がシンチレータからエスケープすることが多い。この場合は検出器14に入射する光学光子数が減ってしまうことになる。
以上のように、単色ガンマ線を入射させる場合、モノリシックシンチレータの各部位で均一なシンチレーション事象を実現することが難しい。このため、単色ガンマ線の入射をもとにした検出器14の出力を校正する処理には困難が伴う。
このようなことから、第1の実施形態に係るPET装置100は、外部からの入射ガンマ線を使わずに、検出器14の出力を校正する。より具体的には、第1の実施形態に係るPET装置100は、シンチレータ141に含有される放射性同位元素Lu-176が発する、88keV,201keV,306keV,400keVの光子を検出して、各SiPMから出力された電気信号を校正する。
例えば、複数のSiPMは、自己放射能を持つシンチレータ141から放出される放射線量に応じた電気信号を出力する。即ち、複数のSiPMは、自己放射能を持つシンチレータ141から放出される放射線によるシンチレーション光子数に応じた電気信号を出力する。そして、計数情報収集回路15は、各SiPMから出力された電気信号に基づく演算の結果が、複数のSiPM間で同一になるように各SiPMから出力された電気信号を校正する。以下では、計数情報収集回路15による校正処理の詳細について説明する。
図7は、第1の実施形態に係る計数情報収集回路15による校正処理の手順を示すフローチャートである。図7では、各構成要素がフローチャートのどのステップに対応するかを説明する。ステップS1からステップS4は、計数情報収集回路15により実現されるステップである。なお、図7に示す校正処理は、PET装置100による被検体Pの撮影の合間に実行される。
ステップS1では、計数情報収集回路15は、校正の開始を受付けたか否かを判定する。ここで、計数情報収集回路15は、校正の開始を受付けたと判定しなかった場合(ステップS1、No)、ステップS1の判定処理を繰り返す。一方、計数情報収集回路15は、校正の開始を受付けたと判定した場合(ステップS1、Yes)、ステップS2に移行する。
ステップS2では、計数情報収集回路15は、電気信号を収集する。例えば、各検出器モジュール140の各SiPMは、自己放射能を持つシンチレータ141から放出される放射線量に応じた電気信号を各検出器モジュール140の計数情報算出回路143に出力する。そして、計数情報収集回路15は、各SiPMから出力された電気信号を、各検出器モジュール140の計数情報算出回路143から収集する。
ステップS3では、計数情報収集回路15は、演算結果を算出する。例えば、計数情報収集回路15は、各SiPMパネル142に含まれるSiPMからの電気信号を用いて、各チャネルの信号強度を示すヒストグラムを生成する。言い換えると、計数情報収集回路15は、各SiPMから出力された電気信号の計数値を演算の結果とする。図8は、第1の実施形態を説明するための図である。
図8の横軸はチャネル番号を示し、図8の縦軸は各チャネルの信号強度を示す。図8の例では、SiPMパネル142を構成する1面当たりのSiPM数は1個であり、チャネル数が6である場合を示す。また、図8に示す例では、横軸の左側から順にチャネル番号1(ch.1)からチャネル番号6(ch.6)までの信号強度を示す。また、図8の例では、縦軸の信号強度は、各SiPMからの電気信号の強度を積分計算した値である。計数情報収集回路15は、発光事象ごとに、図8に示すようなヒストグラムを生成する。
図8に示す例では、計数情報収集回路15は、チャネル番号1の信号強度をα2と算出し、チャネル番号2の信号強度をα5と算出し、チャネル番号3の信号強度をα4と算出する。また、計数情報収集回路15は、チャネル番号4の信号強度をα3と算出し、チャネル番号5の信号強度をα1と算出し、チャネル番号6の信号強度をα4と算出する。なお、図8に示す例において信号強度の大小関係は、α1<α2<α3<α4<α5である。
図7に戻る。ステップS4では、計数情報収集回路15は、校正値を算出する。例えば、計数情報収集回路15は、各SiPMから出力された電気信号に基づく演算の結果が、複数のSiPM間で同一になるように校正値を算出する。図9は、第1の実施形態を説明するための図である。
図9では、図8と同様にチャネル数が6である場合のヒストグラムを示す。計数情報収集回路15は、各SiPMにおける領域とシンチレータ141との位置関係を用いて各SiPMから出力された電気信号を校正する。例えば、計数情報収集回路15は、図9に示すように、複数のSiPMごとに、各SiPMにおける計数値の逆数に比例した重みを校正値として算出する。図9に示す例では、計数情報収集回路15は、図8に示す信号強度の逆数に比例した重みを校正値として算出する。
一例をあげると、計数情報収集回路15は、チャネル番号1の校正値を1/α2と算出し、チャネル番号2の校正値を1/α5と算出し、チャネル番号3の校正値を1/α4と算出する。また、計数情報収集回路15は、チャネル番号4の校正値を1/α3と算出し、チャネル番号5の校正値を1/α1と算出し、チャネル番号6の校正値を1/α4と算出する。そして、計数情報収集回路15は、各検出器モジュール140のSiPMと、算出した校正値とを対応付けて記憶する。
なお、図7から図9を用いた説明では、SiPMパネル142を構成する1面当たりのSiPM数が1個であり、チャネル数が6である場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、SiPMパネル142を構成する1面当たりのSiPM数が2個以上である場合にも、上述した実施形態を適用可能である。かかる場合も、計数情報収集回路15は、各SiPMにおける領域とシンチレータ141との位置関係を用いて各SiPMから出力された電気信号を校正する。図10は、第1の実施形態を説明するための図である。
図10では、検出器モジュール140において、SiPMパネル142を構成する1面当たりのSiPM数が9(3×3)個であり、チャネル数が54である場合について説明する。図10に示すように、SiPMパネル142に含まれる各SiPMは、シンチレータ141の中心との位置関係に基づいて、A型、B型及びC型に分類される。かかる場合、検出器モジュール140には、A型のSiPMが6個、B型のSiPMが24個、C型のSiPMが24個含まれる。
そして、計数情報収集回路15は、検出器モジュール140において、A型のSiPM間で同一になるように各SiPMから出力された電気信号を校正する。また、計数情報収集回路15は、検出器モジュール140において、B型のSiPM間で同一になるように各SiPMから出力された電気信号を校正する。同様に、計数情報収集回路15は、検出器モジュール140において、C型のSiPM間で同一になるように各SiPMから出力された電気信号を校正する。
続いて、計数情報収集回路15による計数情報算出処理について説明する。図11は、第1の実施形態に係る計数情報収集回路15による計数情報算出処理の手順を示すフローチャートである。図11では、各構成要素がフローチャートのどのステップに対応するかを説明する。ステップS101からステップS106は、計数情報収集回路15により実現されるステップである。なお、図11に示す計数情報算出処理は、PET装置100による被検体Pの撮像時に実行される。
ステップS101では、計数情報収集回路15は、電気信号を収集する。例えば、計数情報収集回路15は、各SiPMパネル142に含まれるSiPMから出力された電気信号を計数情報算出回路143から収集する。ステップS102では、計数情報収集回路15は、電気信号を収集した際の時刻を記録する。
ステップS103では、計数情報収集回路15は、電気信号を校正値に基づいて校正する。ここで、例えば、計数情報収集回路15は、各SiPMから出力された電気信号に基づく演算の結果が、複数のSiPM間で同一になるように各SiPMから出力された電気信号を校正する。より具体的には、計数情報収集回路15は、複数のSiPMごとに、各SiPMにおける計数値の逆数に比例した重みを乗算することで、各SiPMから出力された電気信号を校正する。
ステップS104では、計数情報収集回路15は、空間位置を算出する。ここで、計数情報収集回路15は、シンチレーション光への変換時の空間位置(P)として、空間座標(x,y,z)を算出する。
ステップS105では、計数情報収集回路15は、空間位置からの距離に基づいて時間を算出する。例えば、計数情報収集回路15は、クロック回路によって記録された絶対時刻を、各チャネルから電気信号を取得した時間を検出時間(T’)として特定する。そして、計数情報収集回路15は、空間位置(P)からSiPMまでの距離に基づいて、検出時間(T’)を補正して、シンチレーション光への変換時の時間(T)を算出する。そして、計数情報収集回路15は、空間位置(P)とシンチレータ141の屈折率とに基づいてシンチレーション光への変換時の時間(T)を更に補正する。
ステップS106では、計数情報収集回路15は、減衰量に基づいてエネルギー値を算出する。例えば、計数情報収集回路15は、各SiPMから出力された電気信号の強度を積分計算することで、検出器モジュール140に入射した消滅ガンマ線の補正前エネルギー値(E’)を特定する。そして、計数情報収集回路15は、空間位置(P)からSiPMまでのシンチレーション光が移動する間の減衰量に基づいて、補正前エネルギー値(E’)を補正して、エネルギー値(E)を算出する。
これにより、同時計数情報生成回路25は、計数情報収集回路15によって収集された計数情報のリストを用いて同時計数情報の時系列リストを生成する。そして、画像再構成回路26は、同時計数情報記憶回路24bに記憶された同時計数情報の時系列リストを読み出し、読み出した時系列リストを用いてPET画像を再構成する。
上述したように、第1の実施形態に係るPET装置100では、各SiPMから出力された、自己放射能を持つシンチレータ141から放出される放射線量に応じた電気信号に基づく演算の結果が、複数の光SiPM間で同一になるように各SiPMから出力された電気信号を校正する。これにより、第1の実施形態によれば、モノリシックシンチレータを用いた検出器14の出力を、外部のガンマ線源を用いることなく校正処理することができる。
また、外部のガンマ線源を用いた校正処理では、検出器14の各部位で均一なシンチレーション事象を実現することが難しく、シンチレーション事象に偏りが生じた。しかしながら、第1の実施形態に係るPET装置100では、自己放射能に応じた電気信号に基づいて校正処理を行う。この自己放射能は、検出器14の各部位で均一に発生するものと仮定できる。このため、第1の実施形態に係るPET装置100によれば、外部のガンマ線源を用いた校正処理よりも校正精度を上げることが出来る。
また、第1の実施形態に係るPET装置100では、校正処理のために特別な装置を設ける必要がなく、検出器毎に個別に校正処理を行うことが可能である。このため、製造工程と並行して校正済みの検出器を準備することが可能になる。また、サービスパーツとして常に校正処理を実施することが可能になる。
また、小サイズのシンチレータ結晶を多数アレイ状に組み上げた検出器を用いる場合等において、自己放射能に基づく校正処理を行なう場合、シンチレータごとに得られる事象数が少ないため、検出器14の出力を校正処理することはできない。これに対して、シンチレータ141が単一結晶で構成されている場合、シンチレータ141が大サイズとなることから、放出される放射線量は多い。従って、第1の実施形態に係るPET装置100は、単一結晶で構成されるシンチレータ141を備えることにより、自己放射能に基づいて校正処理を行なう場合でも十分な事象数を確保し、検出器14の出力の校正処理を可能とすることができる。
なお、PET装置100が備えるシンチレータは、単一結晶で構成されるシンチレータ141に限定されるものではない。即ち、自己放射能により放出する放射線量が多く、十分な事象数が得られるシンチレータであれば、シンチレータはモノリシックでなくともよい。例えば、シンチレータ結晶を多数アレイ状に組み上げた検出器が用いられる場合において、各シンチレータ結晶のサイズが十分に大きい場合には、PET装置100は、自己放射能を持つ各シンチレータ結晶から放出される放射線量に基づいて検出器の出力を校正処理することができる。
例えば、PET装置100は、複数のシンチレータと、複数のSiPMとを備える。ここで、複数のSiPMは、自己放射能を持つシンチレータから放出される放射線量に応じた電気信号を出力する。なお、シンチレータごとにSiPMが設けられてもよいし、複数のシンチレータごとにSiPMが設けられてもよいし、1つのシンチレータに対して複数のSiPMが設けられてもよい。ここで、複数のシンチレータそれぞれが十分な放射線量を放出している場合、計数情報収集回路15は、各SiPMから出力された電気信号に基づく演算の結果が、複数のSiPMの間で同一になるように、各SiPMから出力された電気信号を校正することができる。また、PET装置100は、SiPMに代えて、光電子増倍管(PMT:Photomultiplier Tube)を備えてもよい。
また、計数情報収集回路15は、検出器14の出力の校正処理に加えて、自己放射能に基づく種々の校正処理を行なうこともできる。
例えば、計数情報収集回路15は、シンチレータ141から放出される放射線量に基づいて、タイミング・キャリブレーション(Timing Calibration)を実行することができる。例えば、複数のSiPMパネル142がシンチレーション光に基づく電気信号を出力した後、計数情報算出回路143がSiPMパネル142からの電気信号を取得するまでの時間には、SiPMパネル142の個体差によるばらつきが生じる。ここで、計数情報収集回路15は、SiPMパネル142が自己放射能に応じて出力した電気信号を計数情報算出回路143が取得するまでの時間が、複数のSiPMパネル142の間で同一になるように、タイミング・キャリブレーションを実行することができる。
また、例えば、計数情報収集回路15は、信号増幅処理に関するオフセット補正を実行することができる。例えば、複数のSiPMパネル142それぞれは、シンチレーション光に基づく電気信号をオペアンプにより増幅した後、計数情報算出回路143に出力する。ここで、シンチレーション光に基づく電気信号(オペアンプへの入力電圧)がオフセット値よりも小さい場合、オペアンプからの出力電圧が現れない場合がある。即ち、オペアンプへの入力電圧がオフセット値以下である場合、オペアンプからの出力電圧は0となる。また、かかるオフセット値には、オペアンプの個体差によるばらつきが生じる。ここで、計数情報収集回路15は、SiPMパネル142が自己放射能に応じて出力した電気信号が、オペアンプからの出力電圧として現れたか否かに応じて、各オペアンプのオフセット値を求めることができる。
ここで、シンチレータが放出する放射線量が少ない場合においても、タイミング・キャリブレーションや、信号増幅処理に関するオフセット補正は可能である。即ち、タイミング・キャリブレーションやオフセット補正においては、SiPMが電気信号を出力したという事象を検出できれば十分であり、電気信号の大きさの情報までは要しない。従って、小サイズのシンチレータ結晶を多数アレイ状に組み上げた検出器が用いられる場合等、各シンチレータから放出される放射線量が少ない場合においても、タイミング・キャリブレーションやオフセット補正は可能である。換言すると、第1の実施形態に係るPET装置100は、放出する放射線量が多いシンチレータ(モノリシックなシンチレータ等)を備えることにより、タイミング・キャリブレーションやオフセット補正に加えて、検出器14の出力の校正処理をも可能とすることができる。
(第1の実施形態の変形例)
上述した実施形態では、計数情報収集回路15は、各SiPMから出力された電気信号の計数値を演算の結果とするものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、計数情報収集回路15は、各SiPMから出力された電気信号を用いて生成されたスペクトルを演算の結果としてもよい。図12は、第1の実施形態の変形例を説明するための図である。
図12では、横軸にエネルギー値を示し、縦軸に強度を示す。例えば、計数情報収集回路15は、Lu-176が発する、88keV,201keV,306keV,400keVの光子を検出して、図12に示すようなスペクトルをSiPMごとに生成する。そして、計数情報収集回路15は、複数のSiPM間でスペクトルが同一になるように校正値を算出する。例えば、計数情報収集回路15は、スペクトルが同一となるような増幅率を校正値として算出する。そして、計数情報収集回路15は、計数情報算出処理において、スペクトルに基づいて複数のSiPMそれぞれの増幅率を調整することで各SiPMから出力された電気信号を校正する。
(その他の実施形態)
実施形態は、上述した実施形態に限られるものではない。
また、上述した実施形態では、各検出器モジュール140において、シンチレータ141に含有されるLu-176が同一であるものとして説明したが、シンチレータ141に含有されるLu-176がシンチレータ間で異なる場合にも上述した実施形態を適用可能である。かかる場合、例えば、計数情報収集回路15は、各検出器モジュール140における単位時間当たりの計数値で各検出器モジュール140における複数のSiPMごとの計数値を除算することで、各検出器モジュール140における複数のSiPMから出力された電気信号を校正する。
上述した実施形態では、PET装置100による被検体Pの撮影の合間に校正処理が実行されるものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、校正処理は、PET装置100の運用中に実行されてもよい。すなわち、計数情報収集回路15は、PET装置100による被検体Pの撮像中に各SiPMから出力された電気信号を校正する。
上述した実施形態では、検出器モジュール140は、計数情報算出回路143を備えるものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、計数情報算出回路143は、検出器モジュール140とは独立に設けられても良い。また、複数の検出器モジュール140を複数のブロックに区分けし、ブロック毎に計数情報算出回路143を備えるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、計数情報算出回路143は、SiPMパネル142からの信号を計数情報収集回路15に出力し、計数情報収集回路15が、SiPMパネル142からの信号を処理するものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、計数情報収集回路15は、各計数情報算出回路143によって出力された信号の処理結果を収集しても良い。かかる場合、計数情報算出回路143は、各SiPMパネル142からの信号を収集して、各SiPMが出力した電気信号の強度を示す強度分布を生成する。或いは、計数情報算出回路143は、各SiPMパネル142からの信号を収集して、各SiPMのスペクトルを生成する。
また、上述した実施形態では、シンチレータ141は、六面体の形状を有するものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、シンチレータ141は、球形状を有しても良い。かかる場合、SiPMパネル142は、シンチレータ141の球形状に沿って配置される。或いは、例えばライトガイドを用いて空間を埋めることで球形状のシンチレータ141を六面体の形状にし、シンチレータ141の少なくとも2面に複数のSiPMパネル142を設けるようにしてもよい。
上述した実施形態では、医用画像診断装置の一例として、PET装置100について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、医用画像診断装置は、単一光子放射段像撮像装置(SPECT)であってもよい。また、医用画像診断装置は、光子計数型のX線検出器を有する、X線CT(Computed Tomography)装置やX線診断装置であってもよい。なお、PET装置100は、乳房用であってもよい。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
上記の実施形態の説明において、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、上記の実施形態で説明した制御方法は、予め用意された制御プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この制御プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この制御プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、シンチレータを有する検出器を簡易に校正することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。