JP2018091704A - 放射線検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガンマ線が入射した時間、位置およびガンマ線により生じたエネルギーを精度よく取得することができる放射線検出装置を提供する。
【解決手段】この放射線検出装置100は、所定のエネルギー量を有する放射線の受光に基づいて複数のシンチレーション光を放出する複数のシンチレータ10を含むシンチレータ群1と、シンチレーション光の入射に基づいて検出信号を出力する複数の光電変換素子21を含む複数の光検出部2と、光検出部により出力された検出信号を取得する制御部3とを備え、光検出部2は、1つのシンチレータ10から生じたシンチレーション光を検出するようにシンチレータ10ごとに設けられ、制御部3は、放射線の有するエネルギーの値と取得した検出信号に基づくヒストグラムに含まれる複数の特徴部分とに基づいて、検出信号を補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線検出装置に関し、特に、シンチレータを備えた放射線検出装置に関する。
従来、シンチレータを備えた放射線検出装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、複数のシンチレータを有するシンチレータアレイと、ガンマ線がシンチレータに入射することで生成されたシンチレーション光を検出する複数の光検出部と、シンチレーション光(蛍光)を拡散させることで1つまたは複数の光検出部にシンチレーション光を入射させるライトガイドとを備える陽電子放出コンピュータ断層撮像装置(放射線検出装置)が開示されている。
特開2012−189583号公報
しかしながら、上記特許文献1の陽電子放出コンピュータ断層撮像装置(放射線検出装置)では、ライトガイドによる拡散に起因して、拡散されたシンチレーション光に光路長のばらつきが生じるため、光検出部に届くまでの時間にばらつきが生じる。このため、ガンマ線が入射した時間を正確に取得することが困難であるという不都合がある。また、複数の光検出部で検出される信号値は、合計信号値がわかるのみであり、光検出部の各々がどの程度飽和による検出漏れを起こしたかの飽和の度合いを取得することは困難である。そのため、個々の信号が足された合計値のみから、個々の光検出部で取得されるエネルギーを精度よく補正することが困難であるという不都合がある。また、ガンマ線の入射したシンチレータ(位置)を、シンチレーション光のエネルギーの複数の光検出部への分配に基づいて推定している。しかしながら、シンチレーション光のエネルギーの光検出部への分配は、シンチレータと光検出部との距離(位置関係)にも依存するが、距離の効果を考慮せずに個々の光検出部で取得されるエネルギーの逆比(重心位置)により入射位置を推定しているため、正確な位置が取得できるとは限らない。加えて、飽和の度合いを精度よく補正できていないエネルギーに基づいて入射位置を推測しているため、ガンマ線の入射したシンチレータ(位置)を特定することは困難であるという不都合がある。また、ガンマ線の入射位置の不確かさによっても、ガンマ線の入射した時間を精度よく取得することが困難であるという不都合がある。これらの結果、ガンマ線が入射した時間、位置およびガンマ線により生じたエネルギーを精度よく取得することが困難であるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ガンマ線が入射した時間、位置およびガンマ線により生じたエネルギーを精度よく取得することが可能な放射線検出装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における放射線検出装置は、所定のエネルギー量を有する放射線の受光に基づいて複数のシンチレーション光を放出する複数のシンチレータを含むシンチレータ群と、シンチレーション光の入射に基づいて検出信号を出力する複数の光電変換素子を含む複数の光検出部と、光検出部により出力された検出信号を取得する制御部とを備え、光検出部は、1つのシンチレータから生じたシンチレーション光を検出するようにシンチレータごとに設けられ、制御部は、放射線の有するエネルギーの値と取得した検出信号に基づくヒストグラムに含まれる複数の特徴部分とに基づいて、検出信号を補正するように構成されている。
この発明の一の局面による放射線検出装置では、上記のように、光検出部を、1つのシンチレータから生じたシンチレーション光を検出するようにシンチレータごとに設ける。また、制御部を、取得した検出信号に基づくヒストグラムに含まれる複数の特徴部分に基づいて、検出信号を補正するように構成する。これにより、光検出部は1つのシンチレータから生じたシンチレーション光を検出するので、どのシンチレータにガンマ線が入射したかを正確に取得することができる。また、シンチレーション光を1つの光検出部に入射させることにより、シンチレーション光の経路のばらつきが生じることが抑制されるので、ガンマ線の入射する時間を精度よく取得することができる。また、放射線の有するエネルギーの値と取得した検出信号に基づくヒストグラムに含まれる複数の特徴部分とに基づいて検出信号を補正することにより、飽和による検出漏れを補正することができるので、検出信号の読み取り値(エネルギー)を精度よく補正することができる。その結果、ガンマ線が入射した時間、位置およびガンマ線により生じたエネルギーを精度よく取得することができる。特に、陽電子・電子対消滅において生じる2本のガンマ線の検出時間差から2本のガンマ線の経路上において陽電子・電子対消滅の生じた位置を取得するTOF(Time of Flight)陽電子放射断層撮影装置に用いられる場合に、ガンマ線の入射時間および入射位置を精度よく取得することができるので、陽電子・電子対消滅の生じた位置を精度よく取得することができる。
上記一の局面による放射線検出装置において、好ましくは、制御部は、ヒストグラムに含まれる特徴部分である光電吸収ピークの読み取り値およびコンプトンエッジの読み取り値に基づいて、検出信号を補正するための光検出部の検出値と検出値の補正値との対応関係を取得するように構成されている。このように構成すれば、所定のエネルギーを有する放射線に対応した光電吸収ピークの読み取り値およびコンプトンエッジの読み取り値のみから検出信号を補正するための光検出部の検出値と検出値の補正値との対応関係を取得することができるので、補正に必要な情報を簡易に取得することができる。なお、光電吸収ピークとは、入射したガンマ線の全エネルギーがシンチレーション光に変換され、1つのシンチレータにおいて検出された場合の出力信号値のピークである。また、コンプトンエッジとは、入射したガンマ線がシンチレータ内の電子に衝突し弾き飛ばした(反跳させた)場合に、電子に与えることのできる最大のエネルギーに対応する出力信号値のエッジである。
この場合、好ましくは、制御部は、対応関係を、ヒストグラムに含まれる光電吸収ピークおよびコンプトンエッジの各々の読み取り値と補正値に対応する理論値とを対応させる二次関数に基づいて取得する。このように構成すれば、読み取り値の補正を行うための対応関係を、二次関数により決定することができるので、簡易な処理により対応関係を取得することができる。具体的には、読み取り値および補正値に対応する理論値から定まる、原点(読み取り値ゼロに対して、補正後の値がゼロ)と、光電吸収ピークをあらわす点(光電吸収ピークの読み取り値に対して、補正後の値である入射したガンマ線の所定の全エネルギー)と、コンプトンエッジをあらわす点(コンプトンエッジの読み取り値に対して、補正後の値である入射したガンマ線の所定の全エネルギーの2/3)との3点によって、対応関係である二次関数の形状を簡易に決定することができる。
上記光電吸収ピークの読み取り値およびコンプトンエッジの読み取り値に基づいて、検出信号を補正するための対応関係を取得する放射線検出装置において、好ましくは、制御部は、取得した検出信号に基づいたシンチレーション光のヒストグラムに含まれる光電吸収ピークの近傍を補正するように構成されている。このように構成すれば、光電吸収ピークの形状を正確に補正することができるので、光電吸収ピークの揺らぎをあらわす半値全幅を精度よく取得することができる。その結果、測定された入射ガンマ線の時間、位置およびエネルギーを用いた計算の誤差を正確に見積もることができる。特に、TOF陽電子放射断層撮影装置に用いられる場合に、測定データから構成される診断画像に画像補正を行う場合に、過補正や補正不足が生じるのを抑制することができる。
上記一の局面による放射線検出装置において、好ましくは、陽電子放射断層撮影装置に用いられる。このように構成すれば、電子・陽電子対消滅により放出されるガンマ線の入射した正確な時間をより精度よく検出することができる。
本発明によれば、上記のように、ガンマ線が入射した時間、位置およびガンマ線により生じたエネルギーを精度よく取得することができる。
本発明の一実施形態による放射線検出装置を説明するためのブロック図である。 本発明の一実施形態による放射線検出装置のシンチレータおよび光検出部を説明するための図である。 本発明の一実施形態による放射線検出装置のシンチレータにガンマ線が入射した際のシンチレーション光が発生する様子を示す図である。 本発明の一実施形態による放射線検出装置の1つのシンチレータに1つの光検出部を接続したセットにおける511keVのガンマ線検出のヒストグラムである。 光電子倍増管に接続されたシンチレータに511keVのガンマ線を入射させた場合のガンマ線検出のヒストグラムである。 本発明の一実施形態による検出信号の出力値を補正するための二次関数のグラフである。 本発明の一実施形態による放射線検出装置の1つのシンチレータに1つの光検出部を接続したセットにおける511keVのガンマ線検出の補正されたヒストグラムである。 本発明の一実施形態による放射線検出装置の1つのシンチレータに1つの光検出部を接続したセットを4行4列のマトリクス状にまとめた場合の511keVのガンマ線検出のヒストグラムである。 本発明の一実施形態による放射線検出装置の1つのシンチレータに1つの光検出部を接続したセットを4行4列のマトリクス状にまとめた場合の511keVのガンマ線検出の補正されたヒストグラムである。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(放射線検出装置の全体構成)
まず、図1を参照して、本実施形態による放射線検出装置100の全体構成について説明する。本実施形態では、放射線検出装置100をTOF陽電子放射断層撮影装置(以下、TOF−PET装置)101に用いる例について説明する。なお、TOF陽電子放射断層撮影装置は、特許請求の範囲の「陽電子放射断層撮影装置」の一例である。
図1に示すように、TOF−PET装置101は、陽電子放出核種により標識された薬剤を用いて、被検体(人体など)の内部の画像を撮影する装置である。具体的には、TOF−PET装置101は、薬剤により発生した陽電子と電子との対消滅によって生じる一対のガンマ線(放射線)を検出することによって、薬剤の対消滅が生じた位置を取得するように構成されている。そして、TOF−PET装置101は、薬剤の対消滅が生じた位置を複数取得することによって、被検体の内部の画像を形成する(撮影する)ように構成されている。そして、形成された画像は、がん細胞の有無などの画像診断に用いられる。
また、TOF−PET装置101に用いられる放射線検出装置100は、仰臥位の被検体を撮影するように構成されている。具体的には、放射線検出装置100は、後述する光検出部2が被検体の体軸(頭部から脚部に伸びる軸)に向けられた状態で、被検体の周囲を取り囲むように複数配置されている。また、放射線検出装置100は、図示しない被検体の体軸の伸びる方向(紙面奥方向)にも同様の構成で複数配置されている。ここで、薬剤の対消滅により発生するガンマ線は511keVの放射線であり、光検出部2での直接的な検出ができない。そこで、被検体と放射線検出装置100との間に、シンチレータ群1を設ける。これにより、シンチレータ群1にガンマ線が入射すると、シンチレータ群1内の蛍光体がガンマ線により発光し、シンチレーション光(蛍光)が発生する。そして、放射線検出装置100は、は、このガンマ線により発光したシンチレーション光を検出するように構成されている。
ガンマ線の入射方向のみを取得する通常のPET装置(陽電子放射断層撮影装置)とは異なり、TOF−PET装置101は、陽電子・電子対消滅により生じた一対のガンマ線のそれぞれの入射時間のわずかな差を取得することによって、陽電子・電子対消滅の生じた位置をある程度の幅のある線分(十数cm前後程度)の範囲で取得することができるように構成されている。光速で移動するガンマ線は、わずか数百ピコ秒の間に、数cm〜数十cm進んでしまう。そのため、ガンマ線の発生した位置を正確に取得するためには、入射時間を精度よく取得することが必須の要件となる。
次に、図1および図2を参照して、本発明の実施形態による放射線検出装置100の構成について説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態による放射線検出装置100は、シンチレータ群1と、光検出部2と、制御部3とを備える。
放射線検出装置100は、所定のエネルギー量を有する放射線の受光に基づいて複数のシンチレーション光を放出する複数のシンチレータ10を含むシンチレータ群1を備える。図1に示すように、シンチレータ群1は、複数のシンチレータのブロックの集まりである。また、図2(a)および(b)に示すように、シンチレータのブロックは、たとえば、9行10列のシンチレータ10の集まりにより構成されている。
シンチレータ10は、内部に入射したガンマ線に反応して、ガンマ線から受け取ったエネルギーに対応するシンチレーション光を生じさせる。このシンチレーション光は、511keVのガンマ線を吸収した場合に、たとえば、10000個以上の光子に対応する。また、シンチレータ10の互いの間には、反射材が設けられており、あるシンチレータ10で発生したシンチレーション光は、シンチレータ10の外部に漏出することがない。そのため、1つのシンチレータ10で発生したシンチレーション光は、対応する1つの光検出部2によって検出される。ただし、ガンマ線に関しては、反射材を通過して別のシンチレータ10の内部に進入することがある。なお、シンチレータ10は高感度かつ高速での応答に優れているLu形の無機シンチレータで構成されていることが望ましい。具体的には、シンチレータ10は、たとえば、LSO(Lu2SiO5)、LYSO(Lu2-xxSiO5)、LGSO(Lu2-xGdxSiO5)、LuAG(Lu3Al512)、LFS(Lutetium Fine Silicate)などの結晶により構成されている。
また、放射線検出装置100は、シンチレーション光の入射に基づいて検出信号を出力する複数の光電変換素子(画素)21(図2(c)参照)を含む複数の光検出部2を備える。光検出部2は、たとえば、SiPM(Silicon Photomultipliers)によって構成されている。光電変換素子21は、たとえば、アバランシェフォトダイオード(APD:Avalanche Photodiode)およびクエンチング抵抗を含む。アバランシェフォトダイオードは、逆バイアスに降伏電圧以上の大きな電圧が印加されたフォトダイオードであり、通常は電流が流れない状態になっている。アバランシェフォトダイオードは、光子が入射することにより大きな電流を流すため、光子1つの単位でS/N比のよい検出信号を出力することができる。また、クエンチング抵抗はアバランシェフォトタデイオードと直列に接続されており、アバランシェフォトダイオードから流れる電流により電圧がかかるため、アバランシェフォトダイオードに印加される電圧を降伏電圧未満に下げる。これにより、アバランシェフォトダイオードに流れる電流を止め、再び光子を検出できる状態に戻す。
また、放射線検出装置100は、光検出部により出力された検出信号を取得する制御部3を備える。制御部3は、記憶部31と、主制御部32と、信号処理部33と、画像処理部34とを含む。また、制御部3は、PC(パーソナルコンピュータ)などの情報処理装置を含む。
記憶部31は、HDD(ハードディスクドライブ)およびメモリなどにより構成されている。また、記憶部31は、主制御部32や信号処理部33が実行する各種プログラムや、撮影された画像のデータや、後述する信号補正に必要な所定のガンマ線の真の計測値および理論値を含む各種のデータが格納されている。
主制御部32は、CPU(中央演算処理装置)などにより構成されている。また、主制御部32は、記憶部31に格納された制御プログラムを実行することによって、PCをTOF−PET装置101および放射線検出装置100の制御部3として機能させる。また、主制御部32は、TOF−PET装置101の制御(たとえば、被検体の横臥する寝台部の移動など)を行う。
信号処理部33は、光検出部2から出力される光電変換素子(画素)21の検出信号の出力値(検出値であり画素値)のデータに補正処理を行う。検出信号の補正処理については、後に詳しく説明する。
画像処理部34は、信号処理部33から出力される検出信号および補正検出信号に基づいて放射線撮影画像を作成する。対消滅によって生じた略180度の反対方向に放出される2本のガンマ線が入射することにより生じるシンチレーション光は、対向する2つの光検出部2により略同時に検出される。したがって、対向する2つの光検出部2の経路上のいずれかの位置においてガンマ線が発生し、光検出部に入射したことがわかる。通常のPET装置では、時間分解能が不十分なため、経路上のどの位置で対消滅が生じたかまではわからない。そのため、これらの放射線の経路を複数集めて、経路が重複する領域をガンマ線の発生源とし、画像として表示するように構成されている。TOF−PET装置101では、2本のガンマ線の入射時間の差をも取得して、(測定誤差の幅を考慮した)範囲を持つ線分として特定し、線分の重なる領域をガンマ線の発生源として画像表示する。そのため、より精度よく被検体の臓器や脳などの位置情報を得ることができる。
なお、信号処理部33および画像処理部34は、それぞれ信号処理および画像処理専用の演算処理部であってもよいし、CPUに信号処理および画像処理プログラムをそれぞれ実行させることにより信号処理部33および画像処理部34として機能させてもよい。また、信号処理または画像処理専用の装置を信号処理部33および画像処理部34として設けてもよい。信号処理部33と画像処理部34とは、一体として構成してもよい。
(検出信号の補正)
次に、図3〜図9に基づいて、放射線検出装置の検出信号に対する補正処理について説明する。
光検出部2に含まれる光電変換素子(画素)21は、光電変換素子21の位置に入射したシンチレーション光の光子を検出し、検出信号を出力する。複数の光電変換素子21から出力される光子数を反映した検出信号は、シンチレータ10に入射したガンマ線に基づくシンチレーション光のエネルギー情報をあらわす。また、信号を取得した時間から、ガンマ線の入射時間およびそこから算出されるガンマ線の発生から入射までの飛行時間も取得することができる。ただし、これらの情報のすべてを光電変換素子21ごとに取得する構成にすれば、装置構成が大型化するとともに検出信号のデータ処理負担が大きくなるため、エネルギー値に関する検出信号は、シンチレータ10のブロックごとにまとめられた信号として出力され、制御部3に取得される。また、検出位置の信号については、検出されたシンチレータ10の各々を区別できる状態で光検出部2ごとに出力され、制御部3に取得される。
光電変換素子21は、1つの光子を検出してから再び別の光子を検出可能になるまでに回復時間(たとえば、数十〜数百nsec)が必要となる。また、1つの光電変換素子21が一度に検出できるのは1つの光子だけである。そのため、短時間に同一の位置に光子が入射する事態が多く起こると、光子の検出漏れが生じてしまう。光子の検出漏れは、シンチレーション光の光子数が多いほど起きやすくなるので、シンチレーション光の光子数がシンチレータ10に接続されている光電変換素子(画素)21の総数に近づくほど検出信号の線形性(リニアリティ)は悪くなる。具体的には、発生したシンチレーション光の光子数が光電変換素子21の総数に比べて少ない場合は、シンチレーション光の光子数と検出信号の出力値との間に比例の相関が成り立つ。しかしながら、発生したシンチレーション光の光子数の増加が光電変換素子21の総数に近づくにつれて、検出信号の増加率が下がって行く(図6参照)。
ここで、高時間分解能を有する放射線検出装置100とするために、光検出部2の検出効率を上げる。具体的には、光電変換素子21間に存在するデットスペースを減らすために、光電変換素子21の1つ当たりの受光面積を大きくする。これにより、光検出部2に含まれる光電変換素子(画素)の数は少なくなる。また、高空間分解能を有する放射線検出装置100とするためには、シンチレータ10をガンマ線の入射面に対して細かく分割する。これにより、1つの光検出部2の占める面積は小さくなるため、光検出部2に含まれる光電変換素子(画素)の数はやはり少なくなる。
以上のように、TOF−PET装置101に用いるための高時間分解能および高空間分解能を有する放射線検出装置100は、1つのシンチレータ10に対する光電変換素子(画素)21の数が十分な多さとならない傾向にある。そのため、光検出部2から出力される検出信号は、線形性(リニアリティ)が保てなくなる場合がある。検出信号の出力値の線形性が悪いと、後述する光電散乱ピークの半値全幅のように、正しい情報を得ることができなくなる。したがって、検出信号に対して補正を行い、線形性を反映した正しい出力値を取得する必要がある。
ここで、本実施形態では、制御部3は、所定の放射線の有するエネルギーの値と取得した検出信号に基づくヒストグラムに含まれる複数の特徴部分とに基づいて、検出信号を補正するように構成されている。
また、制御部3は、ヒストグラムに含まれる特徴部分である光電吸収ピークの読み取り値およびコンプトンエッジの読み取り値に基づいて、検出信号を補正するための光検出部2の検出値と検出値の補正値との対応関係を取得するように構成されている。
また、対応関係を、ヒストグラムに含まれる光電吸収ピークおよびコンプトンエッジの各々の読み取り値と補正値に対応する理論値とを対応させる二次関数に基づいて取得する。
また、制御部3は、取得した検出信号に基づいたシンチレーション光のヒストグラムに含まれる光電吸収ピークの近傍を補正するように構成されている。
具体的には、シンチレータ10に入射する所定のガンマ線のエネルギー値が既知であることを用いて、検出信号の値を補正する。薬剤反応(陽電子・電子対消滅)により生じる2本のガンマ線は、それぞれ511keVのエネルギーを有することがわかっている。そのため、図3(a)のように、ある1つのシンチレータ10に入射したガンマ線すべてがシンチレータ10の内部で反応する場合、511keVに相当するエネルギーのシンチレーション光が生じる。シンチレータ10は、互いに反射材によって区切られているので、シンチレータ10内で生じたシンチレーション光が別のシンチレータ10に進入することはない。このため、ガンマ線の入射した1つのシンチレータ10に接続された1つの光検出部2(光電変換素子21)によって、シンチレーション光が検出される。このように、入射したガンマ線の全エネルギーに対応するシンチレーション光を検出する事象を光電吸収事象とする。
511keVのガンマ線に基づくシンチレーション光は、たとえば、光子10000個程度以上を含んでいる。シンチレータ内や反射材において光子が吸収されることもあるため、全ての光子が光電変換素子21に到達するわけでないものの、光電変換素子21の総数(たとえば、数千〜数万個)に近くなる場合が生じる。その結果、光子が同一の光電変換素子21に短時間に立て続けに入射し、飽和による検出漏れが生じる場合がある。
一方で、図3(b)に示すように、入射したガンマ線が複数のシンチレータ10をまたいで反応する場合も生じる。反応Aにおいて、シンチレータ10に入射したガンマ線がシンチレータ内の物質の電子と衝突し、電子を反跳させ、ガンマ線は電子にエネルギーの一部を与えるとともに、散乱されてシンチレータ10の外部へ飛び出している。このような電子の反跳によるガンマ線の散乱を、コンプトン散乱という。反跳された電子は、最終的に与えられたエネルギーと同等のエネルギーを有するシンチレーション光を発生させ、元のエネルギー状態に戻る。コンプトン散乱により電子に与えられるエネルギーは連続的な分布を示すが、コンプトン散乱により電子に与えられるエネルギーの上限値は、理論的に入射したガンマ線のエネルギーの2/3となる。この上限値は、入射したガンマ線が電子と真正面からぶつかり、180度方向(入射と反対の方向)に散乱された場合に対応している。
また、図3(b)では、反応Aにおいて電子に弾き飛ばされたガンマ線は、高エネルギーであるため、反射材を超えて隣接する別のシンチレータ10の内部に侵入している。そして、反応Bにおいて、隣接するシンチレータ10内で吸収の反応が起こり、シンチレーション光が生じている。このように、入射したガンマ線が複数のシンチレータ10と反応し、複数の光検出部2によりシンチレーション光が検出される事象を多重散乱事象とする。なお、電子に衝突して飛び出したガンマ線は、同一のシンチレータ10内で再び反応し、最終的に同一のシンチレータ10内で全てのエネルギー(511keV)に対応するシンチレーション光に変換される場合もある。この場合は、光電吸収事象となる。また、電子に衝突して飛び出したガンマ線がシンチレータ10の外部へ飛び出してしまい、電子に与えた残りのエネルギーを有するガンマ線が放射線検出装置100において検出されない場合もある。
上記のシンチレーション光の検出信号値の例として、1つのシンチレータ10の素子に、1つの光検出部2を接続した放射線検出装置100を作成し、測定する例を考える。ただし、光電変換素子21の数は、シンチレーション光の光子数に対して不十分となっている。測定結果は、図4に示すヒストグラムのようになる。横軸は、エネルギーチャンネルであり、検出されたエネルギーの任意単位による読み取り値である。そのため、物理的な意味のあるエネルギーとして扱うには読み取り値と物理量の変換が必要であるが、本実施形態の説明においては、読み取り値の関係性だけが読み取れれば十分である。縦軸は、各エネルギー値に対応する事象が起きた回数を表すカウント数である。図4に示す例のように、光電吸収事象が起こる場合が比較的多いため、読み取り値57付近にピークが現れている。このピークを光電吸収ピークという。一方で、光電吸収事象の左側に、コンプトン散乱による連続的な山が生じている。読み取り値48付近に生じているこの山の右側の端は、コンプトン散乱のエネルギーの上限値(入射ガンマ線のエネルギーの2/3)に対応するため、鋭いエッジ状になっている。このエッジをコンプトンエッジという。
さて、光電吸収ピークのエネルギーは、511keVに対応し、コンプトンエッジのエネルギーは341keVに対応することがわかっている。ここで、511/341は、略3/2=1.5である。しかしながら、検出されたエネルギーチャンネルの読み取り値において、それぞれおよそ57および48である。57/48は、1.2程度であり、理論的に定まった関係性からずれている。これは、光電変換素子21の飽和による検出漏れが生じたことに起因している。検出漏れが生じない理想的な状況では、58および47は、より大きな値を取るはずである。
実際に、光検出部2として、検出したシンチレーション光に比例した電流値を出力する光電子増倍管(PMT;Photomultiplier Tube)を用いれば、図5のようなヒストグラムが得られる。エネルギーチャンネルの読み取り値は、光電吸収ピークのエネルギーがおよそ67であり、コンプトンエッジがおよそ45ある。光電子増倍管は、短期間のうちに同位置に光子が入射しても、入射した光子数に比例した信号を出力するため、67/45は略1.5の関係となっている。なお、後方散乱のピークも理論的に定まった値であり、全エネルギーの1/3(511keVに対して170keV)である。
上記のように、検出信号の出力値の線形性が悪いと、画像処理の過程で必要となる情報の正確な値を得ることができない。したがって、ヒストグラムの形状を、検出信号が線形性を保った場合の形状に補正する必要がある。特に、飽和による検出漏れが生じると、光電吸収ピークの半値全幅が見かけ上狭く(誤差が少なく)なるため、正確に誤差の範囲を見積もることができなくなってしまう。このため、画像処理の過程において過補正や補正不足が生じる原因となることがある。また、TOF−PET装置で必要となる値は、ヒストグラムの511keV付近である。したがって、特に光電吸収ピーク近傍のヒストグラムの形状を補正する必要がある。光電吸収ピークのエネルギー値および光電吸収ピークに近い位置にある特徴点であるコンプトンエッジのエネルギー値に基づいて補正を行えば、光電吸収ピーク近傍の補正を効果的に行うことが可能である。
ここで、ヒストグラムに含まれる光電吸収ピークおよびコンプトンエッジの各々の読み取り値と補正値に対応する理論値とを対応させる二次関数(対応関係)を考える。一般に、二次関数はx=ay2+by+cによってあらわされるので、未知の3つのパラメータを決めるためには3点の値が必要である。yは、エネルギーチャンネルの読み取り値であり、xは、真のエネルギーに基づいて連続的に取得される補正値である。エネルギーチャンネルの読み取り値が0に対応する真のエネルギー値は、飽和を考慮する必要がないので当然0である。したがって、(0,0)を代入することによりc=0が得られるので、ヒストグラムに含まれる光電吸収ピークおよびコンプトンエッジの各々の読み取り値と理論値(真のエネルギー値)とを代入することにより、二次関数の形は一意に決定することができる。
図6に示すように、光電吸収ピークに対応するエネルギーの読み取り値αと、コンプトンエッジに対応するエネルギーの読み取り値βとが得られた場合を考える。この場合、x=511に対してy=α、x=341に対してy=βの2点の値を代入し、図6に示すような上に凸となり単調増加する二次関数を求めることができる。二次関数のグラフの形状が上に凸となるので、光電変換素子21が有限の数であり、光子の検出数(検出値)に飽和による上限(検出エネルギーの上限値)が存在することをあらわす良い近似となっている。これにより、検出範囲(二次関数による近似が有効な範囲)において、すべての読み取り値(y値)を真のエネルギー値をあらわす補正値(x値)に対応させることができる。したがって、二次関数の形が決まるので、真のエネルギー値があらかじめわかっている2点の値を代入して得られた二次関数のグラフにより、読み取り値(y値)と補正値(x値)との対応関係を簡易に得ることができる。得られた対応関係の関数は、同じ条件の下では同じ形になるため、一度取得すれば、検出信号の補正ができる。
図4のヒストグラムに対して、同様にして得られる二次関数の対応関係を用いて補正を行うと、図7のヒストグラムが得られる。補正されたヒストグラムから、光電吸収ピークの正確な半値全幅を精度よく得ることができる。TOF−PET装置(通常の陽電子放射断層撮影装置を含む)では、511keVの検出信号が必要となるため、特に511keV付近のヒストグラムの形を精度よく取得する必要がある。上記のように、511keVのエネルギーの検出そのものである光電吸収ピークと、その近傍にある特徴部分であるコンプトンエッジに基づく補正を行うことにより、511keVの検出信号を適切に補正することができる。
ここで、図4のヒストグラムは、1つのシンチレータ10と1つの光検出部2とを接続させた場合の例を説明しているが、実際の放射線検出装置100では、複数のシンチレータ10を図2(a)や図3のようにまとめて扱う。複数のシンチレータ10が接近している場合には、上記した光子の飽和による検出漏れとは別に、多重散乱事象による補正も行わなければならない。そこで、1つのシンチレータ10の素子に1つの光検出部2を接続したセットを、4行4列のマトリクス状に束ねて作成した放射線検出装置100において、511keVのエネルギー値を有するガンマ線の入射を測定する例を説明する。また、シンチレータ10の間には、それぞれ反射材が設けられている。測定結果は、図8に示すヒストグラムのようになる。
図3(b)のように、入射したガンマ線のエネルギーの一部が入射したシンチレータ10に接続された光検出部2によって検出され、残りのエネルギーが隣接するシンチレータ10に接続された光検出部2によって検出される多重散乱事象を考える。1つの光検出部2において、511keVのエネルギーに対応するシンチレーション光を検出した場合に、飽和による検出漏れが起こり、検出信号の出力値は小さくなる。一方で、511keVのエネルギーが複数の光検出部2に分散されて(たとえば、2つの光検出部2により半分ずつ)検出される場合は、1つの光検出部2により検出する場合よりも比較的飽和による検出漏れの度合いが少なくなる。したがって、検出信号の出力値はそれほど小さくならない。このように、合計として同じ511keVのガンマ線のエネルギーを検出しているにもかかわらず、検出した光検出部2の数によって、出力される検出信号の値が異なってしまう。
そのため、図8のように、光電吸収ピークよりも見かけ上大きなエネルギー値を有する多重散乱事象の山が生じる。この多重散乱事象の山と光電吸収事象の山(ピーク)は元々同じエネルギー(511keV)に対応しているので、補正する必要がある。具体的には、シンチレータ10のブロックごとにまとめて出力されるシンチレーション光のエネルギーの検出信号とは別に、光検出部2ごとに出力される位置の信号から、1つの光検出部2で検出されたエネルギーの信号か複数の光検出部で検出されたエネルギーの信号かを識別することができる。これにより、多重散乱事象に対して、適切な補正(たとえば、光電吸収事象に対応するピークのエネルギー値と、多重散乱事象に対応するエネルギー値とを合わせる補正)をすることができる。
図9に示すヒストグラムは、各光検出部2から出力されるエネルギー信号に、同時に検出された光検出部2の数を考慮した補正を行ったものである。図8のヒストグラムでは、合計として同じエネルギー(511keV)に対応しているにもかかわらず、検出される光検出部2の数によって光電吸収事象と多重散乱事象のような異なる位置にピークがあらわれているが、図9のヒストグラムでは、光電吸収事象の位置に統合された1つのピークがあらわれている。このように、多重散乱事象の影響を補正することができれば、飽和による検出漏れに対する補正をさらに行うことにより、線形性(リニアリティ)のよい測定結果を得ることができる。
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、所定のエネルギー量を有する放射線の受光に基づいて複数のシンチレーション光を放出する複数のシンチレータ10を含むシンチレータ群1と、シンチレーション光の入射に基づいて検出信号を出力する複数の光電変換素子21を含む複数の光検出部2と、光検出部2により出力された検出信号を取得する制御部3とを設ける。また、光検出部2を、1つのシンチレータから生じたシンチレーション光を検出するようにシンチレータごとに設ける。また、制御部3を、放射線の有するエネルギーの値と取得した検出信号に基づくヒストグラムに含まれる複数の特徴部分とに基づいて、検出信号を補正するように構成する。これにより、光検出部2は1つのシンチレータ10から生じたシンチレーション光を検出するので、どのシンチレータにガンマ線が入射したかを正確に取得することができる。また、シンチレーション光を1つの光検出部2に入射させることにより、シンチレーション光の経路のばらつきが生じることが抑制されるので、ガンマ線の入射する時間を精度よく取得することができる。また、放射線の有するエネルギーの値と取得した検出信号に基づくヒストグラムに含まれる複数の特徴部分とに基づいて検出信号を補正することにより、飽和による検出漏れを補正することができるので、検出信号の読み取り値(エネルギー)を精度よく補正することができる。その結果、ガンマ線が入射した時間、位置およびガンマ線により生じたエネルギーを精度よく取得することができる。特に、陽電子・電子崩壊において生じる2本のガンマ線の検出時間差から2本のガンマ線の経路上において陽電子・電子対消滅の生じた位置を取得するTOF−PET装置101に用いられる場合に、ガンマ線の入射時間および入射位置を精度よく取得することができるので、陽電子・電子対消滅の生じた位置を精度よく取得することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部3を、ヒストグラムに含まれる特徴部分である光電吸収ピークの読み取り値およびコンプトンエッジの読み取り値に基づいて、検出信号を補正するための光検出部2の検出値と検出値の補正値との対応関係を取得するように構成する。これにより、所定のエネルギーを有する放射線に対応した光電吸収ピークの読み取り値およびコンプトンエッジの読み取り値のみから検出信号を補正するための光検出部2の検出値と検出値の補正値との対応関係を取得することができるので、補正に必要な情報を簡易に取得することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部3の取得する対応関係を、ヒストグラムに含まれる光電吸収ピークおよびコンプトンエッジの各々の読み取り値と補正値に対応する理論値とを対応させる二次関数に基づいて取得する。これにより、読み取り値の補正を行うための対応関係を、二次関数により決定することができるので、簡易な処理により対応関係を取得することができる。具体的には、読み取り値および補正値に対応する理論値から定まる、原点(読み取り値ゼロに対して、補正後の値がゼロ)と、光電吸収ピークをあらわす点(光電吸収ピークの読み取り値に対して、補正後の値である入射したガンマ線の所定の全エネルギー)と、コンプトンエッジをあらわす点(光電吸収ピークの読み取り値に対して、補正後の値である入射したガンマ線の所定の全エネルギーの2/3)との3点によって、二次関数の形状を簡易に決定することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部3を、取得した検出信号に基づいたシンチレーション光のヒストグラムに含まれる光電吸収ピークの近傍を補正するように構成する。これにより、光電吸収ピークの形状を正確に補正することができるので、光電吸収ピークの揺らぎをあらわす半値全幅を精度よく取得することができる。その結果、測定された入射ガンマ線の時間、位置およびエネルギーを用いた計算の誤差を正確に見積もることができる。特に、TOF−PET装置101に用いられる場合に、測定データから構成される診断画像に画像補正を行う場合に、過補正や補正不足が生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、放射線検出装置100を、TOF−PET装置101に用いる。このように構成すれば、電子・陽電子対消滅により放出されるガンマ線の入射した正確な時間をより精度よく検出することができる。
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、補正を行うための複数の特徴部分として、光電吸収事象のピークとコンプトンエッジとを用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、特徴部分として、たとえば、図5に示される、後方散乱事象のピークを用いてもよい。後方散乱事象のピークは、検出器の壁面や被検体に衝突し180度方向に跳ね返されたガンマ線がシンチレータ10に入射した場合に対応するエネルギーのピークであり、理論的にはガンマ線の全エネルギーの1/3の値となる。なお、補正を行うための対応関係として二次関数を用いる場合は、少なくともあらかじめ真の値がわかっている3点のエネルギー値が必要である。
また、上記実施形態では、所定のエネルギー量を有する放射線を、陽電子・電子対消滅により生じる511keVのガンマ線としたが、本発明はこれに限られない。本発明では、その他のエネルギー量を有する放射線としてもよい。
また、上記実施形態では、補正を行うための対応関係として二次関数を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、補正を行うための対応関係として他の関数を用いてもよい。たとえば、読み取り値とあらかじめわかっている真の値との比較可能な特徴部分の取得を増やし、三次関数などより高次の項までを考えた多項式によって取得してもよい。
上記実施形態では、補正を行うための対応関係となる関数(二次関数)の未知数と同数の特徴部分の値を取得し代入することにより、関数を定める例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、得られた特徴部分の読み取り値と真の値とに基づいて、求めたい関数を最小二乗法などにより決定してもよい。この場合に、対応関係として、初等関数に限らず任意の関数を用いてもよい。
また、上記実施形態では、シンチレータ群1に含まれるシンチレータのブロック(エネルギー検出信号をまとめる単位)が、9行10列のシンチレータ10の集まりにより構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、1つのシンチレータ10に対して1つの光検出部2が接続されている構成であれば、シンチレータのブロックとしてまとめられる数はいくつでもよい。また、シンチレータ10をまとめる単位は、二次元のアレイ状に限らず、1次元の配列でもよい。
また、上記実施形態では、放射線検出装置100をTOF−PET装置(TOF陽電子放射断層撮影装置)101に用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、放射線検出装置100を通常のPET装置(陽電子放射断層撮影装置)に用いてもよい。また、たとえば、非破壊検査の目的や自然放射線量計測の目的など、広く放射線を検出するための装置に用いてもよい。
1 シンチレータ群
2 光検出部
3 制御部
10 シンチレータ
21 光電変換素子
100 放射線検出装置
101 TOF−PET装置(TOF陽電子放射断層撮影装置)

Claims (5)

  1. 所定のエネルギー量を有する放射線の受光に基づいて複数のシンチレーション光を放出する複数のシンチレータを含むシンチレータ群と、
    前記シンチレーション光の入射に基づいて検出信号を出力する複数の光電変換素子を含む複数の光検出部と、
    前記光検出部により出力された前記検出信号を取得する制御部とを備え、
    前記光検出部は、1つの前記シンチレータから生じた前記シンチレーション光を検出するように前記シンチレータごとに設けられ、
    前記制御部は、前記放射線の有するエネルギーの値と取得した前記検出信号に基づくヒストグラムに含まれる複数の特徴部分とに基づいて、前記検出信号を補正するように構成されている、放射線検出装置。
  2. 前記制御部は、前記ヒストグラムに含まれる前記特徴部分である光電吸収ピークの読み取り値およびコンプトンエッジの読み取り値に基づいて、前記検出信号を補正するための前記光検出部の検出値と検出値の補正値との対応関係を取得するように構成されている、請求項1に記載の放射線検出装置。
  3. 前記制御部は、前記対応関係を、前記ヒストグラムに含まれる光電吸収ピークおよびコンプトンエッジの各々の読み取り値と前記補正値に対応する理論値とを対応させる二次関数に基づいて取得する、請求項2に記載の放射線検出装置。
  4. 前記制御部は、取得した前記検出信号に基づいた前記シンチレーション光の前記ヒストグラムに含まれる前記光電吸収ピークの近傍を補正するように構成されている、請求項2または3に記載の放射線検出装置。
  5. 陽電子放射断層撮影装置に用いられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
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