JP7221205B2 - 改変クモ糸タンパク質及びその用途 - Google Patents
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Description
a.前記任意のNTドメインが、存在する場合には、クモ糸タンパク質のN末端ドメインに由来する100~160個のアミノ酸残基の配列からなり、
b.前記REPドメインが、クモ糸タンパク質の反復セグメントに由来する30~600個のアミノ酸残基の配列からなり、
c.前記CTドメインが、
i.クモ糸タンパク質のC末端ドメインに由来する72~110個のアミノ酸残基の配列であって、K、R、E及びDから独立に選択される少なくとも7個の残基を含む配列、
ii.配列番号64、又は、配列番号62~65若しくは67~73の何れかに対して、少なくとも81%の同一性を有する配列、及び
iii.配列番号64、又は、配列番号62~65若しくは67~73の何れかに対して、少なくとも70%の同一性を有する配列であって、K、R、E及びDから独立に選択される少なくとも7個の残基を含む配列
から選択される、クモ糸タンパク質のC末端ドメインに由来する70~120個のアミノ酸残基の配列からなる、組換クモ糸タンパク質。
nは2~10の整数であり、
各Aセグメントは、8~18個のアミノ酸残基のアミノ酸配列であり、ここで前記アミノ酸残基のうち0~3個はAlaではなく、残りのアミノ酸残基はAlaであり、
各Gセグメントは、12~30個のアミノ酸残基のアミノ酸配列であり、ここで前記アミノ酸残基の少なくとも40%がGlyであり、
各Lセグメントは、0~30個、好ましくは0~25個のアミノ酸残基のリンカーアミノ酸配列である、前記の項の何れかに係る組換クモ糸タンパク質。
各Gセグメントが、配列番号3のアミノ酸残基20~42、57~70、84~106、121~134、148~170、184~197、212~234、249~265、280~293、307~329、343~356、371~393、407~420、435~457、471~488、503~516、530~552、567~580、595~617、631~647、662~675、689~711、726~739、753~775、790~803、817~839、854~867、881~903、918~931、946~968、982~998、1014~1027、1043~1059及び1074~1092の群から選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%の同一性を有する、項24に記載の組換クモ糸タンパク質。
a.項1~36の何れかに係るクモ糸タンパク質を、培地に溶解した状態で、少なくとも100mg/mL、好ましくは200mg/mL、最も好ましくは300mg/mLの濃度で含む、第1の液体培地を提供する工程、
b.前記クモ糸タンパク質の重合を生じさせるように、前記第1の液体培地の特性を調節する工程、
c.前記クモ糸タンパク質にポリマーを形成させる工程、及び、
d.前記クモ糸タンパク質ポリマーを単離する工程
を含む方法。
a.項58に係る宿主細胞を、前記タンパク質の産生を許容する条件下で培養し、
b.前記培養物から前記タンパク質を単離する
ことを含む方法。
スピドロイン及びクモ糸タンパク質という語は、本明細書を通じて相互交換可能に用いられ、文脈に応じて天然タンパク質又は組換タンパク質を意味する。
本発明者等は、人工クモ糸の生体模倣紡糸を実現するために満たすべき必須要件は、pH応答性であり、天然紡糸ドープにおけるスピドロインに匹敵するレベルの水溶性を示すスピドロインを得ることであると想定した。ここから本発明者等は、異なる種類のクモ及び異なる種類の糸に由来するスピドロインでは、NTの水溶性及びCTのpH応答性も異なるとの発想を得た。
本発明の第1の観点によれば、好ましくは800個以内のアミノ酸からなる、組換クモ糸タンパク質であって、式(NT)-REP-CTに従って配置される複数のドメインの組を含み、ここで、
a.前記任意のNTドメインが、存在する場合には、クモ糸タンパク質のN末端ドメインに由来する100~160個のアミノ酸残基の配列からなり、
b.前記REPドメインが、クモ糸タンパク質の反復セグメントに由来する30~600個のアミノ酸残基の配列からなり、
c.前記CTドメインが、
i.クモ糸タンパク質のC末端ドメインに由来する72~110個のアミノ酸残基の配列であって、K、R、E及びDから独立に選択される少なくとも7個の残基を含む配列、
ii.配列番号15又は配列番号62の~65又は67~73の何れかに対して少なくとも81%の同一性を有する配列、及び
iii.配列番号64、又は、配列番号62~65若しくは67~73の何れかに対して、少なくとも70%の同一性を有する配列であって、K、R、E及びDから独立に選択される少なくとも7個の残基を含む配列
から選択される、クモ糸タンパク質のC末端ドメインに由来する70~120個のアミノ酸残基の配列からなる、
組換クモ糸タンパク質が提供される。
生理学的なクモ糸の重合におけるNTドメインの役割は、早くから理解されてきた(例えば、国際公開第2010/123450号参照)。NTドメインの極めて高い溶解性が、生理学的な(天然)クモ糸ドープにおいて見られ得る極めて高いタンパク質濃度の形成に寄与するものと考えられている。特に、NTドメインが有するpH依存性の高い特性が、ドープの急速重合を可能とする上で極めて重要な因子であると認識されてきた。
REPドメインは、重合可能なドメインであれば、その具体的な配列又は構成は本発明においては重要ではなく、多種多様なクモ糸REPドメインが本発明のタンパク質に適していると考えられる。Rising et al., Cell. Mol. Life Sci. (2011) 68:169-184では、本分野において組換スピドロインに使用される数種のREPドメインを論じているところ、本文献の教示に基づくREPドメインは、本発明においても有用であると考えられる。
L(AG)nL、例えばLA1G1A2G2A3G3A4G4A5G5L;
L(AG)nAL、例えばLA1G1A2G2A3G3A4G4A5G5A6L;
L(GA)nL、例えばLG1A1G2A2G3A3G4A4G5A5L;又は
L(GA)nGL、例えばLG1A1G2A2G3A3G4A4G5A5G6L。
前述した任意のNTドメインは、存在することが好ましい。言うまでもなく、NTに関する以下の定義は、NTドメインが実際に存在する場合にのみ当てはまることになる。
組換クモ糸タンパク質は、極めてpH依存性の高い溶解性を示すことが好ましい。中でも、500mM 酢酸Na、200mM NaCl、pH5.0の水溶液よりも、20mM Tris-HCl、pH8.0の緩衝水溶液に対して、少なくとも10倍、好ましくは50倍、より好ましくは100倍高い溶解性を示すことにより規定される、極めてpH依存性の高い溶解性を有することがより好ましい。
本発明の第2の観点によれば、以上の態様の何れかに係るクモ糸タンパク質の非変性溶液であって、クモ糸タンパク質のタンパク質濃度が少なくとも100mg/mL、好ましくは少なくとも150mg/mL、最も好ましくは少なくとも200mg/mLであるクモ糸タンパク質の非変性溶液が提供される。言うまでもなく、非変性溶媒は、特にpH、塩濃度、及び有機溶媒の何れの点でも、前記タンパク質の重合を誘発しない組成を有する。例えば、溶媒としては、20mM Tris-HCl、pH8.0の緩衝水溶液等が挙げられる。pHとしては、6.4以上、例えば7.0以上、好ましくは7.5~8.5であることが好ましい。
第3の観点によれば、第1の観点に係るクモ糸タンパク質のポリマーが提供される。ポリマーとしては、例えば繊維、フィルム、発泡体、ネット又はメッシュが挙げられるが、繊維が好ましい。
第4の観点によれば、クモ糸タンパク質のポリマーを製造するための方法であって、
a.第1の液体培地中に、第1の観点に係るクモ糸タンパク質を、少なくとも100mg/mL、好ましくは200mg/mL、最も好ましくは300mg/mLの濃度で含む溶液を提供する工程;
b.クモ糸タンパク質の重合を生じさせるように、第1の液体培地の特性を調節する工程;
c.クモ糸タンパク質にポリマーを形成させる工程;及び
d.クモ糸タンパク質ポリマーを単離する工程
を含む方法が提供される。
第5の観点によれば、第1の観点に係るタンパク質をコードする核酸が提供される。
a.第7の観点に係る宿主細胞を、前記タンパク質の産生を許容する条件下で培養し、
b.培養物からタンパク質を単離する
ことを含む方法が提供される。
上に論じた組換クモ糸タンパク質及びこれに由来するポリマーは、クモ糸タンパク質の既知の用途の何れにおいても有用である。
「含む」(comprising)という語は、含む(including)という意で解すべきであるが、限定されるものではない。参照文献は何れも引用により本明細書に組み込まれる。本明細書は見出しを付して複数の項目に分割したが、これらは単に読みやすさのためであり、如何なる意味でも限定的に解すべきではない。特にこうした分割は、異なる見出しの項目から複数の特徴を組み合わせることを、如何なる意味でも除外又は制限するものではない。
本発明者らは、ガシキバラヒタキ(E. australis) MaSp1由来のNTおよびE. australisからの短い反復領域を挟むオニグモ(A. ventricosus) MiSp由来のCTからなるミニスピドロインを設計した。キメラNT2RepCTタンパク質は、振盪フラスコ大腸菌培養液中でこれまでにない高レベルで産生され、精製後の収量はL細胞培養物あたり約125mgのタンパク質であった。ほぼ全てのタンパク質が発現し、溶解後に可溶性であり、かつNi-NTAカラムに効率的に結合した(図2A)。溶出液は95%を超える純度のNT2RepCTを含み、SDS PAGEゲルに固定されたタンパク質のサイズは予想される分子量(33 kDa)とよく一致した(図2A)。サイズ排除クロマトグラフィーは、100 kDaの質量を示し(図6)ており、二量体(CTの構成的二量体の性質による)および反復部分の非球状構造とよく一致した。
水中で高濃度の紡糸ドープを得ることは長年の大きな目標であったが、今までは、非生理学的溶媒を使用したとしても、報告されている人工紡糸ドープの濃度は10~30%の範囲であった。実施例1のNT2RepCTは、溶解性に関してあらゆる予想をはるかに上回った。それはpH 8の水性緩衝液中で沈殿なしに500 mg/mlに濃縮することができ、この濃度はクモの紡糸ドープ中のタンパク質濃度と等しいかそれを超えることさえある。このような高濃度では、タンパク質は黄色のヒドロゲルを形成した(図2B)。天然のクモ絹糸ドープは、直径100~200 nmのミセルとして貯蔵されていることが分かっており、おそらくシェルに末端ドメインおよびコアに遮蔽された反復領域を持っている。これは、カイコ絹糸腺内の貯蔵メカニズムであることも提案されている。この点でNT2RepCTタンパク質は天然の絹タンパク質として機能し、約10 nmのミセルに集合している(図2C、図7)。天然クモ絹ドープ中のミセルと比較して、組み換えスピドロインからなるミセルの直径が小さいことから、NT2RepCTの反復領域が短いことから予想される。500 mg/mlのNT2RepCTは、繊維を形成する能力を維持しながら、4℃で数週間、また-20℃で数ヶ月間保存することができた(下記参照)。人工紡糸ドープ溶液の報告されている典型的な安定性は3~5日なので、これは驚くべきことである。
生物模倣紡糸を達成するのに満たされる必要がある別の前提条件は、クモ絹糸腺の状態を模倣することができる紡糸装置を設計することである。我々は細いガラス製毛細管(ここから高濃度のNT2RepCTドープを酸性の水性緩衝回収槽に注入する)から、単純だが効率的な第一世代の紡糸装置を設計した(図3)。この設定によりpHが低下し、ドープが毛細管の先端を進む際に剪断力がドープに作用し、その結果、連続的な固体繊維が形成される(図3A~B)。繊維は、数百メートルを超える長さで空気中で回転するフレームに容易に巻き取られる(図3C)。繊維を紡糸することができるドープ濃度間隔は100~500 mg/mlの範囲であった。200 mg/mlを超える濃度のドープから紡糸された繊維は取り扱いがより簡単で、破断することなく連続繊維に紡糸することができた。紡糸直後(as-spun)の繊維は、SEMで判断されるように、約10~20 μmの直径で均質であった(図8)。低pH浴中で後延伸した繊維は、紡糸直後の繊維と比較して直径がわずかに減少した。切れるまで延伸された繊維の破断面は、緻密で均質な内部核を示す(図8)。
pHの繊維紡糸に及ぼす影響をさらに調べるために、ドープを2.0~7.5の範囲のpHを有する水浴中に押出した。浴のpHが6.0~6.5の間にあるときは、不連続な繊維様構造体が形成された(図4A)。pHが3.0~5.5の間では連続繊維が形成され(図4A)、繊維は回収浴から容易に引き出され、フレームに巻き取ることができた(図3および4)。回収浴のpHが2.5以下の場合は、繊維は見られなかった(図4A)。
分子レベルでNT2RepCTのpHに依存する集合をさらに調べるために、我々はナノエレクトロスプレー質量分析法(nESI-MS)を使用した。予想通り、pH 7.5でnESI-MSからは、天然のNT2RepCT二量体に対応する66560 Daの主要分子種の存在が確認された。pHを約5.5に下げると、四次構造の著しい変化が引き起こされる。オリゴマー(主に四量体、図4Bの矢印)を、エレクトロスプレー毛細管中の試料にギ酸を直接添加した後1分まで観察することができた。より重合度の高いオリゴマーがなくなった後、二量体に対応する低強度のピークのみを検出することができ、これは5分の間にさらにベースラインまで減少した(図4B)。これらの知見は、末端ドメインのpH依存性による固定あるいは開始作用とよく相関している。NTはそれ自体が低pHで急速な逆平行二量体化を受ける(図10)が、このことはスピドロインの無限重合体への架橋をもたらすことを示唆している。一方、CTを単独で使用すると、モノマーの量が増えることから分かるように、低pHにさらされると徐々に折り畳みが解け、最終的にはいくつかのより高い荷電状態で示されるようにアミロイド様βシート核となる(図10)。アミロイド様フィブリルと同様に(Solvent effects on self-assembly of beta-amyloid peptide(ベータ-アミロイドペプチドの自己集合に及ぼす溶媒効果)。Shen CL, MurpHy, RM. BiopHys J. 1995 Aug; 69(2) :640-51)、アセトニトリルを添加してもより高重合度のNT2RepCTのオリゴマーは溶解できなかったが、濃ギ酸はモノマーの信号を回復し、これは変性による凝集体の解離を示している(図4B)。
天然のドラグライン繊維の強度と伸びは、クモの種類によって大きく異なり、湿度や温度などの環境要因にも大きく依存するが、それらはすべて降伏点までの初期弾性挙動を示し、その後塑性変形が起こる。応力をかけたときの紡糸後のNT2RepCT繊維の挙動は、天然のドラグライン絹糸と似ているが、引張強度はより低く歪みはより高い(図5)。pH 5の水性回収浴中に紡糸したNT2RepCT繊維は45±7 MJ/m3の靭性を持つ(図5、表3)が、A. trifasciataのドラグライン絹糸(100 ± 40 MJ/m3)の靭性39に近づく(表3)。ヤング率は約6 GPaで、天然のArgiope trifasciataのドラグライン絹糸の半分である。
乾燥繊維を重水(dH 2O)に溶解する。本発明者らは、乾燥繊維の溶解を起こさずに使用することができる水性緩衝液および溶媒を研究した。
1. 200 mM クエン酸, pH 3
2. 500 mM NaAc および200 mM NaCl, pH 5
3. 1M NaCl, pH 6.6
4. dH2O
5. 20 mM Hepes/Mes, pH 5.5
6. 20 mM Hepes/Mes, pH 7.5
7. Mes, pH 5.15
8. 20 mM トリス, 100 mM NaCl, pH 8
NT2RepCT繊維の紡糸に及ぼす回収浴の組成およびイオン強度の影響を調べるために、回収浴中の溶液以外は実施例3と同様の設定で追加の試験を行った。
1. 400 mM NaCl, pH 5を含む1000 mM NaAc緩衝液
2. 200 mM NaCl, pH 5を含む500 mM 酢酸ナトリウム(NaAc)緩衝液
3. 20 mM NaAc 緩衝液, pH 5
4. 20 mM リン酸緩衝液, pH 6.2
5. 20 mM トリス, 500 mM NaCl, pH 7.2
6. 80%の2-プロパノールと水の混合液
7. 40%の2-プロパノールと水の混合液, 500 mM NaAc, 200 mM NaCl
8. 60 %のメタノール, 40%の水
9. 60 % のメタノールと水の混合液, 500 mM NaAc, 200 mM NaCl
10. 33% PEG 6000(ポリエチレングリコール6000)
11. 16.5% PEG 6000, 500 mM NaAc, 200 mM NaCl, pH 5
1) NT2RepCT繊維の引張特性に及ぼす回収浴の組成の影響を研究すること
2) NT2RepCT繊維の引張特性に及ぼす後延伸の影響を研究すること
研究1):NT2RepCT繊維を実施例3に記載のようにして以下の異なる回収浴中に紡糸した:
160223_1: 500 mM NaAc, 200 mM NaCl, pH 5
160223_2: 500 mM NaAc, 200 mM NaCl, 15% PEG, pH 5
160303_4: 500 mM NaAc, 200 mM NaCl, pH 4.25
160223_4:50% MetOhおよび500 mM NaAc, 200 mM NaCl, pH 5中で後延伸した;
160223_5:30% PEG中で後延伸した;
160303_5a:80%の2-プロパノール中で後延伸した;あるいは
160303_5b:80%の2-プロパノール(延伸せず)に浸漬した。
PEGを含む回収浴中へ紡糸すると、500 mMのNaAc、200 mMのNaCl、pH 5のみを含む回収浴に比べて、繊維の靭性が増加する。ただし、500 mMのNaAc、200 mMのNaCl、pH 5に紡糸されたNT2RepCT繊維(160223_1)は、他のバッチからのNT2RepCT繊維よりも靱性がはるかに低かった。
この研究の狙いは、NT2RepCT蛋白質を用いる繊維構造の印刷とNT2RepCTゲル繊維の印刷を試験することであった。
3つの異なる構築物:MaSpCT、NT4rep、および4repCT(全ての構築物はMaSpからの部分を含む、すなわち、MiSp CTを含まない)を発現・精製し、基本的に2007年にStarkらが記載したようにガラス管中で緩傾斜法を用いて繊維形成を行った。ただし、pHを下げる添加剤により異なるミニスピドリン構築物の繊維形成特性に及ぼすpHの影響の研究が可能になった。
グリセリン保存液から20 mLのLB培地(カナマイシンを含む)を接種して、種々の構築物の一晩培養物を調製した。一晩培養物を30℃、200 rpmで増殖した。
NT4rep:1Lの震盪フラスコ培養で21 mg、
4repCT:1Lの震盪フラスコ培養で24 mg、
MaSpCT:1Lの震盪フラスコ培養で14 mg。
MaSpCTは、約3時間の穏傾斜の後、短繊維(≦5 mm)を形成する。pHおよび塩条件は繊維形成速度と繊維のサイズのどちらにも影響しない。
4repCTはすべてのpHで繊維(長さ約2 cm)を形成するが、繊維形成はpH 5.5では遅くなる。繊維形成はpH 6.5および7.5で同じくらいに速いが、繊維はpH値が下がると小さくなる。
2RepCTは100 mg/ml超に濃縮することができ、紡糸装置からタンパク質を送り出すことで繊維に紡糸される。
NcoIHisNt2x2RepCtHindIIIのDNA配列は配列番号17に従った。発現されたタンパク質のアミノ酸配列は配列番号18に従った。
発現を大腸菌BL21細胞中で行った。LB培地(70 μg/mLカナマイシンを含む)中で37℃で一晩置いた細胞培養物5 mLを、500 mLのLB培地(70 μg/mLカナマイシンを含む)に移し、OD600が0.8から1.0になるまで30℃で振盪フラスコ中で培養した。次いで温度を20℃に下げ、150 μlの1M IPTG(最終濃度0.3 mM)を加えて発現を誘導した。一晩培養後、5,000 rpm、4℃で15分間遠心分離して細胞を回収した。500 mlの培養液からの細胞を30 mlの20 mM pH 8トリス緩衝液に再懸濁し、-20℃で一晩保存した。
細胞を解凍し、30 mlの細胞を2本の試験管に分け、各試験管をトリス緩衝液(pH 8.0)で30 mlまで満たした。次に、600 μlのリゾチームを各チューブに加え、次いでこれを氷上で1.5時間インキュベートし、その後、15 μlのDNAseと60 μlの1M MgCl2を加えて、試料を氷上で1時間インキュベートした。次いで溶解物を4℃、27,000gで30分間遠心分離した。最初の上清(上清1)をNi-NTAカラムに充填した。次いでペレットを30 mlのトリス緩衝液(pH 8.0)に再懸濁し、-20℃で一晩貯蔵した。翌日、ペレットを解凍し、27,000g、4℃で30分間遠心分離し、次に第二の上清を回収してNi-NTAカラムに充填した。
1)上清1から41 mgのタンパク質、
2)上清2から46 mgのタンパク質。
NT2×2RepCTタンパク質は、20 mMトリス中、pH 8.0で300 mg/ml超に濃縮することができた。
繊維はNT2RepCTに関する記載の通り紡糸に成功した。NT2RepCTとNT2 + 2RepCTとの間でマクロ構造または繊維形成能力に明らかな違いはなかった。
ヒト胎児心臓間葉系間質細胞(hfMSC)は、6~9週目のヒト胎児心臓に由来した(Mansson-Broberg et al., Wnt/b-Catenin Stimulation and Laminins Support Cardiovascular Cell Progenitor Expansion from Human Fetal Cardiac Mesenchymal Stromal Cells(Wnt/β-カテニン刺激およびラミニンはヒト胎児心臓間葉系間質細胞からの心血管細胞前駆体の増殖を支持する), Stem Cell Reports, 2016)。
本発明者らは、NT2RepCT(配列番号11、実施例1参照)と同一のミニスピドロインを発現させた。ただしCTは以下のものと交換した:
タンパク質の発現と精製
構築物NT2RepCT(配列番号11)は、6×Hisタグ(MGHHHHHHM)および次のドメインからなる、配列番号12のタンパク質をコードする:
Superdex 200 HRカラム(Amersham Biosciences)を用いて、TBS泳動用バッファー(20 mMトリス、150 mM NaClおよび1 mM EDTA、pH 8.0)中で精製タンパク質試料200 μlを泳動した。使用した流速は0.5 ml/分であった。分子量標準リボヌクレアーゼA(13.7 kDa)、炭酸脱水酵素 (29 kDa)、オボアルブミン(43 kDa)、コナルブミン(75 kDa)、アルドラーゼ (158 kDa)およびフェリチン(440 kDa)を較正に使用した。
質量分析のために、NT2RepCTをバイオスピン緩衝液交換カラム(Bio-Rad Laboratories)を用いて100 mM酢酸アンモニウム、pH 7.5に再構成した。微量遠心分離管内でギ酸を最終濃度0.02%まで加えて絹の集合を誘導し、pHは5.5であった。スピドロインの時間依存性集合の基準として、ギ酸を加える前に、ウシユビキチン(Sigma)を最終濃度0.2 mg/mLでNT2 RepCT試料に加えた。次に、試料をすぐに自社製の金被覆ホウケイ酸毛細管に装填し、スペクトルを1走査/秒で10分間連続的に取得した。原線維溶解のために、pH 5.5でNT2RepCTを30分間インキュベートした後、濃ギ酸またはアセトニトリルのいずれかを50%の最終濃度まで添加した。飛行時間モードで操作され、高質量分析用の32k四重極を備えたSynapt G1 T波質量イオン移動度分光計(Waters)でスペクトルを取得した。設定は以下の通り:毛細管電圧1.4 kV、試料コーン20 V、試料源温度20℃、トラップ衝突エネルギー100 V、移動衝突エネルギー10 V、トラップDCバイアス8V。背圧を約7ミリバールに維持した。MassLynx 4.1ソフトウェアパッケージ(Waters)を用いてデータを分析した。各時点について、60回のスキャンを組み合わせ、スペクトル強度をユビキチン信号に対して正規化した。相対強度をミリ質量(mMass)を用いて抽出し、GrapHPad 5.0を用いてプロットした。
外径1.0 mmおよび内径0.6 mmの円形ガラス毛細管(G1、Narishige)を先端直径10~30 μmに延伸した(Micro Electrode Puller、Stoelting co.51217)。ルアーロック先端(BD)を有する1 ml注射器を高濃度(100~500 mg/ml)のNT2 RepCTで満たし、0.40 mmの外径を持つ27G鋼針(Braun)に接続した。針をポリエチレン管を介して延伸ガラス毛細管に接続した。neMESYS低圧(290N)注射器ポンプ(Cetoni)を用いて、500 mM酢酸ナトリウム緩衝液および200 mM NaCl(pH 5)からなる低pH回収浴中に1~20 μl/分の流速でNT2RepCTを出射した。形成後、繊維を回収浴から引き出してプラスチックの上に置いて乾燥させるか、または枠に巻き取った。繊維を低pH浴(200mM NaClを含む500 mM NaAc、pH 5)中で2本のピンセットの間に数秒間保持して後延伸し、次いで元の長さの2倍に延伸し、プラスチック上で乾燥した。
FTIR分析は、室温でiD5 ATRを備えたThermo Scientific Nicolet iS5を用いて液体試料および固体試料に対して実施した。溶液中のタンパク質については、各スペクトルについて254回の走査を積算したが、繊維については16回の走査を行なった。各種類の試料について3つのスペクトルを得て、曲線の平均を取った。
テープおよび接着剤(Loctite(登録商標)Super Glue Professional)を用いて、繊維試料を20 mmゲージ長のプラスチック枠に取り付けた。繊維は、40倍対物レンズを用いて光学顕微鏡(Leica DMI3000 B)で可視可した。繊維の長さに沿って3つの顕微鏡写真を撮影し、Carl Zeiss Zen 2012を用いて顕微鏡写真から直径を測定して、個々の繊維片の平均直径を得た。プラスチック枠の側面を切り取り、試験片をInstron 4411引張試験機に取り付けた。力をPrecisa XT 220天秤(分解能±1μN)で測定した。ピンと張ってはいるが荷重のかかっていない繊維の長さを測定した。引張試験は、公称環境条件24℃および30%相対湿度で1 mm/分の引っ張り速度で行った。全ての引張特性は、KaleidaGraphを用いて計算した。真応力および真歪みの計算のために、試験中は繊維容積を一定と仮定した。以下の式を用いた:
σT = σE (1 + εE) (1)
εT = ln (1 + εE) (2)
ここで、
σT = 真応力
σE = 工学的応力
εT = 真ひずみ
εE = 工学的ひずみ
乾燥繊維(500 mM NaAc 200 mM NaCl pH 5.0中で紡糸後の状態または後延伸した状態)を走査型電子顕微鏡スタブに置き、金/パラジウムで2分間被覆した後、Zeiss Supra 35VP走査型電子顕微鏡で観察・写真撮影した。
NT2RepCT(5 mg/ml)を20 mMトリス緩衝液、pH 8.0に0.001 mg/mlに希釈した。試料を1滴の2%リンタングステン酸、pH 7.8中で30秒間インキュベートし、過剰の溶液を吸い取ってそれを乾燥させて、ネガティブ染色グリッドを調製した。低温電子顕微鏡法のために、試料の3 μl分割量(aliquot)をグロー放電400メッシュQuantifoilホーリー炭素網に付着させた。低温試料は、自動化Vitrobot(FEI、オランダ、アイントホーフェン)を用いて、16℃、湿度100%の制御環境で調製した。データは、200 kVおよび公称倍率80000倍で操作したJEOL JEM - 2100f顕微鏡を用いて得た。画像はTVIPS TemCam-F415 4k x 4k CCDカメラ(Tietz Video and Image Processing Systems GmbH、Gauting、ドイツ)を用いて収集した。ミセルのサイズは、画像処理プログラムImageJを用いて推定した。
PGB1-2RepCT
Claims (12)
- 組換クモ糸タンパク質の水性溶液であって、当該組換クモ糸タンパク質の濃度が少なくとも100mg/mlであり、当該組換クモ糸タンパク質は配列番号11又は配列番号74の配列に対し少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、
ここで前記組換クモ糸タンパク質はクモ糸タンパク質のC末端ドメインに由来する70~120個のアミノ酸残基からなり、かつK、R、E及びDから独立に選択される少なくとも7個の残基を有するCTドメインを含む、組換クモ糸タンパク質の溶液。 - 前記溶液のpHが6.4以上である、請求項1に記載の組換クモ糸タンパク質の溶液。
- 前記溶液の塩濃度が100mM未満である、請求項1又は2に記載の組換クモ糸タンパク質の溶液。
- 前記CTドメインが、
配列番号64又は配列番号73に対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列であって、K、R、E及びDから独立に選択される少なくとも7個の残基を含む配列からなる、請求項1~3の何れか一項に記載の組換クモ糸タンパク質の溶液。 - 前記CTドメインが、
配列番号64に対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列であって、K、R、E及びDから独立に選択される少なくとも7個の残基を含む配列からなる、請求項1~4の何れか一項に記載の組換クモ糸タンパク質の溶液。 - 配列番号11又は配列番号74を有する配列を含む、請求項1~5の何れか一項に記載の組換クモ糸タンパク質の溶液。
- 組換クモ糸タンパク質であって、
ここで前記組換クモ糸タンパク質は配列番号11又は配列番号74の配列に対し少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、かつ
ここで前記組換クモ糸タンパク質はクモ糸タンパク質のC末端ドメインに由来する70~120個のアミノ酸残基からなり、かつK、R、E及びDから独立に選択される少なくとも7個の残基を有するCTドメインを含む、組換クモ糸タンパク質。 - 前記CTドメインが、配列番号64又は配列番73に対して少なくとも90%の同一性を有し、K、R、E及びDから独立に選択される少なくとも7個の残基を含む配列からなる、請求項7に記載の組換クモ糸タンパク質。
- 前記CTドメインが、配列番号64に対して少なくとも90%の同一性を有し、K、R、E及びDから独立に選択される少なくとも7個の残基を含む配列からなる、請求項8に記載の組換クモ糸タンパク質。
- 前記CTドメインが配列番号64である、請求項9に記載の組換クモ糸タンパク質。
- クモ糸タンパク質のポリマーを製造する方法であって、
a.請求項1~10の何れか一項に規定のクモ糸タンパク質を少なくとも100mg/mLの濃度で含む第1の液体培地を供給する工程、
b.前記クモ糸タンパク質の重合を許容するように前記第1の液体培地の特性を調節する工程、
c.前記クモ糸タンパク質にポリマーを形成させる工程、及び、
d.前記クモ糸タンパク質ポリマーを単離する工程
を含み、
ここで、工程(b)~(d)において、前記第1の液体培地の特性が、pH6.3以下であり、前記クモ糸タンパク質が重合するのに十分な塩濃度の存在下となるように調節されると共に、
前記塩濃度が少なくとも100mMである、方法。 - 請求項1~10の何れか一項に規定のクモ糸タンパク質の、埋込可能な材料又は細胞培養スキャフォールドの製造におけるインビトロでの使用。
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