JP7220889B2 - 豆乳タンパク質凝集物の製造方法、およびそれを利用して蜂蜜のグルコン酸量および糖量を判別する方法 - Google Patents

豆乳タンパク質凝集物の製造方法、およびそれを利用して蜂蜜のグルコン酸量および糖量を判別する方法 Download PDF

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Description

本発明は、豆乳と、蜂蜜、または、グルコノ-δ-ラクトンと糖との混合液とを混合することで、豆乳中のタンパク質を凝集させるステップを含む豆乳タンパク質凝集物の製造方法に関する。本発明はまた、豆乳と蜂蜜とを混合することで豆乳タンパク質凝集物を製造する際の豆乳タンパク質の凝集の挙動を観察することにより、蜂蜜のグルコン酸量および糖量を判別する方法にも関する。
近年、蜂蜜が機能性食品として注目されてきている。天然の蜂蜜は、フルクトースおよびグルコース、ならびにそれらのオリゴ糖から主に構成される多量の炭水化物を含み、また、少量のビタミン、ミネラル、タンパク質および有機酸を含む。蜂蜜に含まれる有機酸は、少量(0.5%以下)ではあるものの、蜂蜜の性質および機能に大きく寄与する。蜂蜜の有機酸は、グルコン酸が主成分である(70%以上)。
本発明者による特許第5959817号(特許文献1)にも記載されているように豆腐を製造するために豆乳に添加する凝固剤の1つとして、有機酸であるグルコン酸が知られている。工業的な豆腐の製造においては、グルコノ-δ-ラクトン(GDL)が凝集剤として豆乳に添加される。グルコノ-δ-ラクトンは、グルコン酸のラクトン(環状エステル)であり、水中で自然に加水分解されてグルコン酸を形成する。
特許第5959817号
本発明の目的は、蜂蜜を利用した、新規な豆乳タンパク質の凝集物を製造する方法を提供することである。
本発明は、豆乳と、蜂蜜とを混合することで豆乳中に含まれるタンパク質を凝集させるステップを含む、豆乳タンパク質凝集物の製造方法である。
本発明の豆乳タンパク質凝集物の製造方法において、豆乳と蜂蜜との混合物中の蜂蜜の濃度が40w/w(%)以上であることが好ましい。
本発明の豆乳タンパク質凝集物の製造方法において、蜂蜜のグルコン酸濃度が2g/L以上であり、かつ、蜂蜜の全糖量が0.7g/g以下であり、豆乳と蜂蜜との混合物中の蜂蜜の濃度が20w/w(%)以上であることが好ましい。
本発明の豆乳タンパク質凝集物の製造方法において、豆乳と、蜂蜜、または、グルコノ-δ-ラクトンと糖との混合液との混合物のpHが5.4~5.6の範囲内であることが好ましい。
本発明はまた、上述の本発明の豆乳タンパク質凝集物の製造方法における豆乳タンパク質の凝集の挙動を観察することにより、蜂蜜のグルコン酸量および糖量を判別する方法についても提供する。
本発明によれば、大豆と蜂蜜の両方の食品の機能性を有すると考えられる豆乳タンパク質凝集物を製造することができる。また、本発明の豆乳タンパク質凝集物の製造方法における豆乳タンパク質の凝集の挙動を観察することで、蜂蜜のグルコン酸量および糖量を判別する方法についても提供することができる。
実験例1の結果を示す写真である。 実験例2の結果を示す写真であり、図2Aはアカシア蜂蜜の場合についての結果を示している。 実験例2の結果を示す写真であり、図2Bはヒルガオ蜂蜜の場合についての結果をそれぞれ示している。 実験例2の結果を示す写真であり、図2Cはソバ蜂蜜の場合についての結果をそれぞれ示している。 実験例2の結果を示す写真であり、図2Dはコーヒー蜂蜜の場合についての結果をそれぞれ示している。 実験例2の結果を示す写真であり、図2Eはブレンド蜂蜜の場合についての結果をそれぞれ示している。 実験例3のSDS-PAGEの結果を示す写真である。 実験例4の結果を示すグラフであり、図4Aは各種蜂蜜と蒸留水とを混合した場合の蜂蜜の濃度とpHとの関係を示している。 実験例4の結果を示すグラフであり、図4Bは各種蜂蜜と豆乳とを混合した場合の蜂蜜の濃度とpHとの関係を示している。 実験例6の結果を示す写真であり、図5Aはグルコン酸の最終濃度を0%(w/w)~0.15%(w/w)とした場合の結果を示している。 実験例6の結果を示す写真であり、図5Bはグルコン酸の最終濃度を0%(w/w)~0.15%(w/w)、かつ、グルコースの最終濃度を0%(w/w)~35.5%(w/w)とした場合の結果を示している。 実験例6の結果を示す写真であり、図6Aはグルコン酸の最終濃度を0%(w/w)~0.25%(w/w)とした場合の結果を示している。 実験例6の結果を示す写真であり、図6Bはグルコン酸の最終濃度を0%(w/w)~0.25%(w/w)、かつ、グルコースの最終濃度を0%(w/w)~32.5%(w/w)とした場合の結果を示している。
[1]豆乳タンパク質凝集物の製造方法
本発明の豆乳タンパク質凝集物の製造方法は、豆乳と、蜂蜜とを混合することで豆乳中に含まれるタンパク質を凝集させるステップを含むことを特徴とする。ここで、図1は、後述する実験例1の結果を示す写真である。実験例1では、最終濃度が25%(w/w)となるように、50w/w(%)に希釈した各種蜂蜜を豆乳と混合した。具体的には、エッペンドルフチューブ中で、豆乳を85℃で5分間インキュベートした後、以下のようなサンプル1-1~1-6を調製した。
・サンプル1-1:蒸留水を豆乳と同量混合(蜂蜜の混合なし)
・サンプル1-2:50%(w/w) アカシア蜂蜜を豆乳と同量混合
・サンプル1-3:50%(w/w) コーヒー蜂蜜を豆乳と同量混合
・サンプル1-4:50%(w/w) ソバ蜂蜜を豆乳と同量混合
・サンプル1-5:50%(w/w) ヒルガオ蜂蜜を豆乳と同量混合
・サンプル1-6:50%(w/w) ブレンド蜂蜜を豆乳と同量混合
各サンプルを85℃で60分間保持した後に、60分間氷上でインキュベートし、8,000×gで4℃で10分間の遠心分離によって液層と固層とに分離させた。図1の写真に示される番号は、それぞれサンプルの番号を表している。図1から、サンプル1-3(コーヒー蜂蜜)、サンプル1-4(ソバ蜂蜜)およびサンプル1-5(ヒルガオ蜂蜜)で、凝集物が生成していることが分かる。生成された凝集物はペースト状物であった。
図1に示される、蜂蜜の最終濃度が25%(w/w)である場合には、全ての種類の蜂蜜について凝集物が生成された訳ではなかったが、本発明者らは、この凝集物の生成が蜂蜜の濃度に依存的に起こるものであり、図1に示した結果では凝集物が生成されなかった種類の蜂蜜でも、蜂蜜の濃度を高めることで凝集物が生成されることを確認した。ここで、図2は、後述する実験例2の結果を示す写真である。実験例2では、各種類の蜂蜜について、最終濃度0w/w(%)~50w/w(%)の間での凝集物の生成の有無を確認する実験を行った。
(図2A)
・サンプル2A-1:蒸留水を豆乳と同量混合(アカシア蜂蜜の混合なし)
・サンプル2A-2:最終濃度5w/w(%)でアカシア蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2A-3:最終濃度10w/w(%)でアカシア蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2A-4:最終濃度15w/w(%)でアカシア蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2A-5:最終濃度20w/w(%)でアカシア蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2A-6:最終濃度25w/w(%)でアカシア蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2A-7:最終濃度30w/w(%)でアカシア蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2A-8:最終濃度35w/w(%)でアカシア蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2A-9:最終濃度40w/w(%)でアカシア蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2A-10:最終濃度45w/w(%)でアカシア蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2A-11:最終濃度50w/w(%)でアカシア蜂蜜を豆乳に混合
アカシア蜂蜜を用いた場合には、図2Aに示されるように、沈殿物の増加は目視で観察されなかったものの、40w/w(%)~50w/w%の最終濃度(サンプル2A-9、サンプル2A-10およびサンプル2A-11)で上層中に凝集物が目視で観察された。
(図2B)
・サンプル2B-1:蒸留水を豆乳と同量混合(ヒルガオ蜂蜜の混合なし)
・サンプル2B-2:最終濃度5w/w(%)でヒルガオ蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2B-3:最終濃度10w/w(%)でヒルガオ蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2B-4:最終濃度15w/w(%)でヒルガオ蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2B-5:最終濃度20w/w(%)でヒルガオ蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2B-6:最終濃度25w/w(%)でヒルガオ蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2B-7:最終濃度30w/w(%)でヒルガオ蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2B-8:最終濃度35w/w(%)でヒルガオ蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2B-9:最終濃度40w/w(%)でヒルガオ蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2B-10:最終濃度45w/w(%)でヒルガオ蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2B-11:最終濃度50w/w(%)でヒルガオ蜂蜜を豆乳に混合
ヒルガオ蜂蜜を用いた場合には、図2Bに示されるように、20w/w(%)~40w/w(%)の最終濃度(サンプル2B-5~サンプル2B-9)で沈殿物の増加が明瞭に目視で観察された一方で、35w/w(%)~50w/w(%)の最終濃度(サンプル2B-8~サンプル2B-11)では沈殿物が消失すると共に、上層中に凝集物が目視で観察された。
(図2C)
・サンプル2C-1:蒸留水を豆乳と同量混合(ソバ蜂蜜の混合なし)
・サンプル2C-2:最終濃度5w/w(%)でソバ蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2C-3:最終濃度10w/w(%)でソバ蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2C-4:最終濃度15w/w(%)でソバ蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2C-5:最終濃度20w/w(%)でソバ蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2C-6:最終濃度25w/w(%)でソバ蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2C-7:最終濃度30w/w(%)でソバ蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2C-8:最終濃度35w/w(%)でソバ蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2C-9:最終濃度40w/w(%)でソバ蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2C-10:最終濃度45w/w(%)でソバ蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2C-11:最終濃度50w/w(%)でソバ蜂蜜を豆乳に混合
ソバ蜂蜜を用いた場合には、図2Cに示されるように、15w/w(%)~35w/w(%)の最終濃度(サンプル2C-4~サンプル2C-8)で沈殿物の増加が明瞭に目視で観察された一方で、40w/w(%)~50w/w(%)の最終濃度(サンプル2C-9~サンプル2C-11)では沈殿物が消失すると共に、上層中に凝集物が目視で観察された。
(図2D)
・サンプル2D-1:蒸留水を豆乳と同量混合(コーヒー蜂蜜の混合なし)
・サンプル2D-2:最終濃度5w/w(%)でコーヒー蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2D-3:最終濃度10w/w(%)でコーヒー蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2D-4:最終濃度15w/w(%)でコーヒー蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2D-5:最終濃度20w/w(%)でコーヒー蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2D-6:最終濃度25w/w(%)でコーヒー蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2D-7:最終濃度30w/w(%)でコーヒー蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2D-8:最終濃度35w/w(%)でコーヒー蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2D-9:最終濃度40w/w(%)でコーヒー蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2D-10:最終濃度45w/w(%)でコーヒー蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2D-11:最終濃度50w/w(%)でコーヒー蜂蜜を豆乳に混合
コーヒー蜂蜜を用いた場合には、図2Dに示されるように、15w/w(%)~35w/w(%)の最終濃度(サンプル2D-4~サンプル2D-8)で沈殿物の増加が明瞭に目視で観察された一方で、40w/w(%)~50w/w(%)の最終濃度(サンプル2D-9~サンプル2D-11)では沈殿物が消失すると共に、上層中に凝集物が目視で観察された。
(図2E)
・サンプル2E-1:蒸留水を豆乳と同量混合(ブレンド蜂蜜の混合なし)
・サンプル2E-2:最終濃度5w/w(%)でブレンド蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2E-3:最終濃度10w/w(%)でブレンド蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2E-4:最終濃度15w/w(%)でブレンド蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2E-5:最終濃度20w/w(%)でブレンド蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2E-6:最終濃度25w/w(%)でブレンド蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2E-7:最終濃度30w/w(%)でブレンド蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2E-8:最終濃度35w/w(%)でブレンド蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2E-9:最終濃度40w/w(%)でブレンド蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2E-10:最終濃度45w/w(%)でブレンド蜂蜜を豆乳に混合
・サンプル2E-11:最終濃度50w/w(%)でブレンド蜂蜜を豆乳に混合
ブレンド蜂蜜を用いた場合には、図2Eに示されるように、35w/w(%)~40w/w(%)の最終濃度(サンプル2E-8、サンプル2E-9)で明瞭ではないものの沈殿物が目視で観察された一方で、45w/w(%)~50w/w(%)の最終濃度(サンプル2E-10、サンプル2E-11)では上層中に凝集物が目視で観察された。
最終濃度が40w/w(%)以上では、全ての種類の蜂蜜について凝集物が製造された結果から、本発明の豆乳タンパク質凝集物の製造方法においては、豆乳と蜂蜜との混合物中の蜂蜜の濃度が40w/w(%)以上であることが、好ましい。
また本発明者は、後述する実験例3にて、本発明で生成される凝集物が、豆乳タンパク質の凝集物であることを実験的に確認した。具体的には、85℃で5分間インキュベートした豆乳または蒸留水に、各種の蜂蜜を最終濃度が50w/w(%)となるように混合した。またコントロールとして豆乳に同じ量の蒸留水を混合した場合、豆乳に同じ量の0.5% グルコノ-δ-ラクトン(GDL)を混合した場合についても同様に行った。
・サンプル1:豆乳と蒸留水とを同量混合
・サンプル2:豆乳と0.5% GDLとを同量混合
・サンプル3:アカシア蜂蜜と蒸留水とを同量混合
・サンプル4:アカシア蜂蜜と豆乳とを同量混合
・サンプル5:ヒルガオ蜂蜜と蒸留水とを同量混合
・サンプル6:ヒルガオ蜂蜜と豆乳とを同量混合
・サンプル7:ソバ蜂蜜と蒸留水とを同量混合
・サンプル8:ソバ蜂蜜と豆乳とを同量混合
・サンプル9:コーヒー蜂蜜と蒸留水とを同量混合
・サンプル10:コーヒー蜂蜜と豆乳とを同量混合
・サンプル11:ブレンド蜂蜜と蒸留水とを同量混合
・サンプル12:ブレンド蜂蜜と豆乳とを同量混合
各サンプルを80℃で60分間保持した後、60分間氷上でインキュベートし、8,000×gで4℃で10分間の遠心分離によって液層と固層とに分離させた。液層を回収し、SDS-PAGEに供した結果を図3に示している。豆乳を含む、サンプル1、サンプル2、サンプル4、サンプル6、サンプル8、サンプル10およびサンプル12についてはいずれも同じバンドが示され、このことは、本発明で得られる凝集物が、豆乳に含まれるタンパク質(豆乳タンパク質)を含むことを示している。
本発明の豆乳タンパク質凝集物の製造方法において、豆乳と蜂蜜との混合物のpHは5.4~5.6の範囲内であることが好ましい。ここで、図4は、実験例4の結果を示すグラフであり、図4Aは各種蜂蜜と蒸留水とを混合した場合の蜂蜜の濃度とpHとの関係を示し、図4Bは各種蜂蜜と豆乳とを混合した場合の蜂蜜の濃度とpHとの関係を示している。図4A、図4B共に、縦軸はpH、横軸は蜂蜜の濃度(w/w(%))である。実験例4では、各蜂蜜について、蒸留水または豆乳と、蜂蜜の最終濃度が0w/w(%)、5w/w(%)、10w/w(%)、15w/w(%)、20w/w(%)、25w/w(%)、30w/w(%)、35w/w(%)、40w/w(%)、45w/w(%)および50w/w(%)となるように混合し、85℃で60分間保持した後に、60分間氷上でインキュベートし、8,000×gで4℃で10分間の遠心分離によって液層と固層とに分離させた後、液層(上清)のpHを測定した。図4A、図4B中、白丸はアカシア蜂蜜、黒丸はコーヒー蜂蜜、白三角はソバ蜂蜜、黒三角はヒルガオ蜂蜜、白四角はブレンド蜂蜜についての結果をそれぞれ示している。
図4Aおよび図4Bから分かるように、蜂蜜は弱酸性であり、豆乳と蜂蜜とを混合することで豆乳のpHは蜂蜜の濃度依存的に低下する。また、いずれの種類の蜂蜜を用いた場合でも、pH5.4~5.6の範囲内で豆乳タンパク質の凝集が起こった。このpHの範囲は、大豆タンパク質の等電点と一致する。このように豆乳タンパク質凝集物の出現とpHとの間には関係性があることが見出された。その一方で、沈殿物が消失し、上層中に凝集物が目視で観察される現象については、pHとの間の関係性は見出せなかった。
本発明者らは、蜂蜜の種類と豆乳タンパク質の凝集の挙動との関係性を見出すため、アカシア蜂蜜、ヒルガオ蜂蜜、ソバ蜂蜜、コーヒー蜂蜜およびブレンド蜂蜜のそれぞれについて、グルコン酸濃度および全糖量を測定した(実験例5)。結果を表1に示す。
Figure 0007220889000001
凝集の挙動との関係性をみると、実験例1で凝集が生じた蜂蜜(コーヒー蜂蜜、ソバ蜂蜜およびヒルガオ蜂蜜)は、実験例1で凝集が生じなかった蜂蜜(アカシア蜂蜜およびブレンド蜂蜜)と比較すると、グルコン酸濃度が高く、全糖量が低いことが分かる。このため、本発明の豆乳タンパク質凝集物の製造方法における好ましい態様は、蜂蜜のグルコン酸濃度が2g/L以上であり、かつ、蜂蜜の全糖量が0.7g/g以下であり、豆乳と蜂蜜との混合物中の蜂蜜の濃度が20w/w(%)以上である。グルコン酸濃度が2g/L以上であり、かつ、蜂蜜の全糖量が0.7g/g以下の蜂蜜には、コーヒー蜂蜜(グルコン酸濃度:2.37±0.05(g/L)、全糖量:0.65±0.02(g/g))、ソバ蜂蜜(グルコン酸濃度:2.03±0.02(g/L)、全糖量:0.63±0.01(g/g))およびヒルガオ蜂蜜(グルコン酸濃度:2.16±0.03(g/L)、全糖量:0.66±0.03(g/g))が含まれ、これらの蜂蜜を豆乳と混合した場合には、実験例2に示したように、蜂蜜の最終濃度が20w/w(%)以上で豆乳タンパク質の凝集が起こるという結果が得られている。
次に、本発明者らは、グルコン酸濃度および全糖量と豆乳タンパク質の凝集との関係から、蜂蜜の代わりにグルコノ-δ-ラクトン(GDL)および糖(グルコース)を豆乳と混合し、同様のグルコン酸濃度および全糖量である場合に、同様に豆乳タンパク質の凝集が再現できるか否かについて実験を行った(実験例6)。グルコノ-δ-ラクトンは、以下のように加水分解によりグルコン酸を形成することが知られている。
Figure 0007220889000002
まず、85℃で5分間インキュベートした豆乳に、0.3w/w(%) GDLのみを混合し、GDLの最終濃度を以下のように0%(w/w)~0.15%(w/w)の範囲内で段階的に増加させたサンプル5A-1~5A-11を調製した。
・サンプル5A-1:GDLの最終濃度が0w/w(%)
・サンプル5A-2:GDLの最終濃度が0.015w/w(%)
・サンプル5A-3:GDLの最終濃度が0.030w/w(%)
・サンプル5A-4:GDLの最終濃度が0.045w/w(%)
・サンプル5A-5:GDLの最終濃度が0.060w/w(%)
・サンプル5A-6:GDLの最終濃度が0.075w/w(%)
・サンプル5A-7:GDLの最終濃度が0.090w/w(%)
・サンプル5A-8:GDLの最終濃度が0.105w/w(%)
・サンプル5A-9:GDLの最終濃度が0.120w/w(%)
・サンプル5A-10:GDLの最終濃度が0.135w/w(%)
・サンプル5A-11:GDLの最終濃度が0.150w/w(%)
また、アカシア蜂蜜、ブレンド蜂蜜のモデルとして、85℃で5分間インキュベートした豆乳に、0.3w/w(%) GDLおよび71w/w(%) グルコースを混合し、GDLの最終濃度を以下のように0%(w/w)~0.15%(w/w)の範囲内で段階的に増加させ、かつ、グルコースの最終濃度を以下のように0%(w/w)~35.5%(w/w)の範囲内で段階的に増加させたサンプル6A-1~6A-11を調製した。
・サンプル5B-1:GDLの最終濃度が0w/w(%)、グルコースの最終濃度が0w/w(%)
・サンプル5B-2:GDLの最終濃度が0.015w/w(%)、グルコースの最終濃度が3.55w/w(%)
・サンプル5B-3:GDLの最終濃度が0.030w/w(%)、グルコースの最終濃度が7.10w/w(%)
・サンプル5B-4:GDLの最終濃度が0.045w/w(%)、グルコースの最終濃度が10.65w/w(%)
・サンプル5B-5:GDLの最終濃度が0.060w/w(%)、グルコースの最終濃度が14.20w/w(%)
・サンプル5B-6:GDLの最終濃度が0.075w/w(%)、グルコースの最終濃度が17.75w/w(%)
・サンプル5B-7:GDLの最終濃度が0.090w/w(%)、グルコースの最終濃度が21.30w/w(%)
・サンプル5B-8:GDLの最終濃度が0.105w/w(%)、グルコースの最終濃度が24.85w/w(%)
・サンプル5B-9:GDLの最終濃度が0.120w/w(%)、グルコースの最終濃度が28.85w/w(%)
・サンプル5B-10:GDLの最終濃度が0.135w/w(%)、グルコースの最終濃度が31.95w/w(%)
・サンプル5B-11:GDLの最終濃度が0.150w/w(%)、グルコースの最終濃度が35.50w/w(%)
各サンプル5A-1~5A-11および5B-1~5B-11を85℃で60分間保持した後、60分間氷上でインキュベートし、8,000×gで4℃で10分間の遠心分離によって液層と固層とに分離させた。サンプル5A-1~5A-11についての結果を図5Aに、サンプル5B-1~5B-11についての結果を図5Bに示す。
次に、85℃で5分間インキュベートした豆乳に、0.5w/w(%) GDLのみを混合し、GDLの最終濃度を以下のように0%(w/w)~0.25%(w/w)の範囲内で段階的に増加させたサンプル6A-1~6A-11を調製した。
・サンプル6A-1:GDLの最終濃度が0w/w(%)
・サンプル6A-2:GDLの最終濃度が0.025w/w(%)
・サンプル6A-3:GDLの最終濃度が0.050w/w(%)
・サンプル6A-4:GDLの最終濃度が0.075w/w(%)
・サンプル6A-5:GDLの最終濃度が0.100w/w(%)
・サンプル6A-6:GDLの最終濃度が0.125w/w(%)
・サンプル6A-7:GDLの最終濃度が0.150w/w(%)
・サンプル6A-8:GDLの最終濃度が0.175w/w(%)
・サンプル6A-9:GDLの最終濃度が0.200w/w(%)
・サンプル6A-10:GDLの最終濃度が0.225w/w(%)
・サンプル6A-11:GDLの最終濃度が0.250w/w(%)
また、ヒルガオ蜂蜜、ソバ蜂蜜、コーヒー蜂蜜のモデルとして、85℃で5分間インキュベートした豆乳に、0.5w/w(%) GDLおよび65w/w(%) グルコースを混合し、GDLの最終濃度を以下のように0%(w/w)~0.25%(w/w)の範囲内で段階的に増加させ、かつ、グルコースの最終濃度を以下のように0%(w/w)~32.5%(w/w)の範囲内で段階的に増加させたサンプル6A-1~6A-11を調製した。
・サンプル6B-1:GDLの最終濃度が0w/w(%)、グルコースの最終濃度が0w/w(%)
・サンプル6B-2:GDLの最終濃度が0.025w/w(%)、グルコースの最終濃度が3.25w/w(%)
・サンプル6B-3:GDLの最終濃度が0.050w/w(%)、グルコースの最終濃度が6.50w/w(%)
・サンプル6B-4:GDLの最終濃度が0.075w/w(%)、グルコースの最終濃度が9.75w/w(%)
・サンプル6B-5:GDLの最終濃度が0.100w/w(%)、グルコースの最終濃度が13.0w/w(%)
・サンプル6B-6:GDLの最終濃度が0.125w/w(%)、グルコースの最終濃度が16.25w/w(%)
・サンプル6B-7:GDLの最終濃度が0.150w/w(%)、グルコースの最終濃度が19.50w/w(%)
・サンプル6B-8:GDLの最終濃度が0.175w/w(%)、グルコースの最終濃度が22.75w/w(%)
・サンプル6B-9:GDLの最終濃度が0.200w/w(%)、グルコースの最終濃度が26.00w/w(%)
・サンプル6B-10:GDLの最終濃度が0.225w/w(%)、グルコースの最終濃度が29.25w/w(%)
・サンプル6B-11:GDLの最終濃度が0.250w/w(%)、グルコースの最終濃度が32.50w/w(%)
各サンプル6A-1~6A-11および6B-1~6B-11を85℃で60分間保持した後、60分間氷上でインキュベートし、8,000×gで4℃で10分間の遠心分離によって液層と固層とに分離させた。サンプル6A-1~6A-11についての結果を図6Aに、サンプル6B-1~6B-11についての結果を図6Bに示す。
図5Bおよび図6Bに明らかに示されるように、蜂蜜の代わりに、GDLおよび糖を豆乳と混合し、同様のグルコン酸濃度および全糖量である場合に、蜂蜜の場合と同様の挙動が再現できることが確認された。
このような実験結果に基づき、本発明は、豆乳と、グルコノ-δ-ラクトンと糖との混合液とを混合することで豆乳中に含まれるタンパク質を凝集させるステップを含む、豆乳タンパク質凝集物の製造方法についても提供する。このように蜂蜜の代わりにグルコノ-δ-ラクトンおよび糖を用いる場合であっても、豆乳とGDLおよび糖の混合液との混合物のpHは5.4~5.6の範囲内であることが好ましい。
[2]蜂蜜のグルコン酸量および糖量を判別する方法
本発明は、上述した本発明の豆乳タンパク質凝集物の製造方法を利用して、蜂蜜のグルコン酸量および糖量を判別する方法についても提供する。上述のように、豆乳タンパク質の凝集の挙動と、グルコン酸濃度および全糖量との関係は明らかになったため、グルコン酸濃度および糖量が不明である蜂蜜について、豆乳と混合し、豆乳タンパク質凝集物の生成の挙動を観察することで、その蜂蜜のグルコン酸濃度および糖量(全糖量)を比較的簡便に判別することが可能となる。このような本発明の判別方法は、蜂蜜農家などが、自身が生産した蜂蜜のグルコン酸量および糖量を比較的簡便に知ることができ、有用である。
以下に実験例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実験例1>
実験例1では、蜂蜜が豆乳中にタンパク質を凝集させる可能性を研究するために、アカシア蜂蜜(Lot No.5K23、山田養蜂所製)、ヒルガオ蜂蜜(Lot No.4J02、山田養蜂所製)、ソバ蜂蜜(Lot No.6K02、山田養蜂所製)、コーヒー蜂蜜Lot No.6J03、山田養蜂所製)、ブレンド蜂蜜(加藤美蜂園本舗製)を用いた。豆乳は、スジャータめいらく株式会社製のものを用いた。
蒸留水で希釈して50w/w(%)の各種蜂蜜の希釈液(蜂蜜希釈液)を調製した。豆乳は85℃で5分間インキュベートした。豆乳と同じ量の蜂蜜希釈液を豆乳に添加し、蜂蜜の最終濃度が25w/w(%)の混合液(サンプル1-2(アカシア蜂蜜の場合)、サンプル1-3(コーヒー蜂蜜の場合)、サンプル1-4(ソバ蜂蜜の場合)、サンプル1-5(ヒルガオ蜂蜜の場合)およびサンプル1-6(ブレンド蜂蜜の場合))を調製した。また、コントロールとして豆乳と同じ量の蒸留水を豆乳に添加したサンプル1-1を調製した。その後、85℃で60分間保持した後に、60分間氷上でインキュベートし、8,000×gで4℃で10分間の遠心分離によって液層と固層とに分離させた。分離後、混合物を観察した。その結果を図1に示す。図1から、サンプル1-3(コーヒー蜂蜜)、サンプル1-4(ソバ蜂蜜)およびサンプル1-5(ヒルガオ蜂蜜)で、沈殿物(凝集物)が生成していることが分かる。その後、液層の一部をpHの測定およびSDS-PAGE解析のために用いた。
pHは、コンパクトpHメーカー(LAQUA twin、株式会社堀場製作所)を用いて測定し、3回の独立した実験の平均±標準偏差として表した。
上記遠心分離後の液層の一部を、39体積の蒸留水中で希釈した。希釈は0.33体積のSDS(4% SDS、5% 2-メルカプトエタノール、および40% グリセロールを含有する0.25M Tris-HCl(pH7.0))と混合し、100℃の水浴中で5分間インキュベートした。SDS-PAGEは、1.5時間、20mAの定電流で10% ポリアクリルアミドゲル上で行われた。タンパク質は0.25% クマシー ブリリアント ブルー R-250で染色した。分子量マーカーとしてはライフテクノロジーズジャパン(株)より購入したものを用いた。
アカシア蜂蜜、ブレンド蜂蜜を用いた場合では沈殿物は観察されなかった一方で、コーヒー蜂蜜、ソバ蜂蜜を用いた場合では沈殿物が観察された。ヒルガオ蜂蜜を用いた場合でも、沈殿物は観察されたが、上清は濁っていた。このように蜂蜜の種類により沈殿物の生成の挙動が異なり、蜂蜜の種類が沈殿物生成の傾向に影響を及ぼしていると考えられた。
<実験例2>
各種類の蜂蜜について、最終濃度0w/w(%)~50w/w(%)の間での凝集物の生成の有無を確認する実験を行った。アカシア蜂蜜を用いた場合については、サンプル2A-1(0w/w%)、サンプル2A-2(5w/w%)、サンプル2A-3(10w/w%)、サンプル2A-4(15w/w%)、サンプル2A-5(20w/w%)、サンプル2A-6(25w/w%)、サンプル2A-7(30w/w%)、サンプル2A-8(35w/w%)、サンプル2A-9(40w/w%)、サンプル2A-10(45w/w%)およびサンプル2A-11(50w/w%)をそれぞれ調製した。ヒルガオ蜂蜜を用いた場合については、サンプル2B-1(0w/w%)、サンプル2B-2(5w/w%)、サンプル2B-3(10w/w%)、サンプル2B-4(15w/w%)、サンプル2B-5(20w/w%)、サンプル2B-6(25w/w%)、サンプル2B-7(30w/w%)、サンプル2B-8(35w/w%)、サンプル2B-9(40w/w%)、サンプル2B-10(45w/w%)およびサンプル2B-11(50w/w%)をそれぞれ調製した。ソバ蜂蜜を用いた場合については、サンプル2C-1(0w/w%)、サンプル2C-2(5w/w%)、サンプル2C-3(10w/w%)、サンプル2C-4(15w/w%)、サンプル2C-5(20w/w%)、サンプル2C-6(25w/w%)、サンプル2C-7(30w/w%)、サンプル2C-8(35w/w%)、サンプル2C-9(40w/w%)、サンプル2C-10(45w/w%)およびサンプル2C-11(50w/w%)をそれぞれ調製した。コーヒー蜂蜜を用いた場合については、サンプル2D-1(0w/w%)、サンプル2D-2(5w/w%)、サンプル2D-3(10w/w%)、サンプル2D-4(15w/w%)、サンプル2D-5(20w/w%)、サンプル2D-6(25w/w%)、サンプル2D-7(30w/w%)、サンプル2D-8(35w/w%)、サンプル2D-9(40w/w%)、サンプル2D-10(45w/w%)およびサンプル2D-11(50w/w%)をそれぞれ調製した。ブレンド蜂蜜を用いた場合については、サンプル2E-1(0w/w%)、サンプル2E-2(5w/w%)、サンプル2E-3(10w/w%)、サンプル2E-4(15w/w%)、サンプル2E-5(20w/w%)、サンプル2E-6(25w/w%)、サンプル2E-7(30w/w%)、サンプル2E-8(35w/w%)、サンプル2E-9(40w/w%)、サンプル2E-10(45w/w%)およびサンプル2E-11(50w/w%)をそれぞれ調製した。各サンプルは85℃で60分間保持された後、60分間氷上でインキュベートし、8,000×gで4℃で10分間の遠心分離によって液層と固層とに分離させた。
アカシア蜂蜜の場合(サンプル2A-1~2A-11)の結果を図2Aに示す。アカシア蜂蜜を用いた場合には、沈殿物の増加は目視で観察されなかったものの、40w/w(%)~50w/w%の最終濃度(サンプル2A-9、サンプル2A-10およびサンプル2A-11)で上層中に凝集物が目視で観察された。
ヒルガオ蜂蜜の場合(サンプル2B-1~2B-11)の結果を図2Bに示す。ヒルガオ蜂蜜を用いた場合には、20w/w(%)~40w/w(%)の最終濃度(サンプル2B-5~サンプル2B-9)で沈殿物の増加が明瞭に目視で観察された一方で、35w/w(%)~50w/w(%)の最終濃度(サンプル2B-8~サンプル2B-11)では沈殿物が消失すると共に、上層中に凝集物が目視で観察された。
ソバ蜂蜜の場合(サンプル2C-1~2C-11)の結果を図2Cに示す。ソバ蜂蜜を用いた場合には、15w/w(%)~35w/w(%)の最終濃度(サンプル2C-4~サンプル2C-8)で沈殿物の増加が明瞭に目視で観察された一方で、40w/w(%)~50w/w(%)の最終濃度(サンプル2C-9~サンプル2C-11)では沈殿物が消失すると共に、上層中に凝集物が目視で観察された。
コーヒー蜂蜜の場合(サンプル2D-1~2D-11)の結果を図2Dに示す。コーヒー蜂蜜を用いた場合には、15w/w(%)~35w/w(%)の最終濃度(サンプル2D-4~サンプル2D-8)で沈殿物の増加が明瞭に目視で観察された一方で、40w/w(%)~50w/w(%)の最終濃度(サンプル2D-9~サンプル2D-11)では沈殿物が消失すると共に、上層中に凝集物が目視で観察された。
ブレンド蜂蜜の場合(サンプル2E-1~2E-11)の結果を図2Eに示す。ブレンド蜂蜜を用いた場合には、35w/w(%)~40w/w(%)の最終濃度(サンプル2E-8、サンプル2E-9)で明瞭ではないものの沈殿物が目視で観察された一方で、45w/w(%)~50w/w(%)の最終濃度(サンプル2E-10、サンプル2E-11)では上層中に凝集物が目視で観察された。
これらの結果は、凝集が蜂蜜の濃度依存的に誘導されることを示すと考えられた。
<実験例3>
85℃で5分間インキュベートした豆乳または蒸留水に、各種の蜂蜜を最終濃度が50w/w(%)となるように混合し、またコントロールとして豆乳に同じ量の蒸留水を混合した場合、豆乳に同じ量の0.5% グルコノ-δ-ラクトン(GDL)を混合した場合についても同様に行い、サンプル1(豆乳+蒸留水)、サンプル2(豆乳+0.5% GDL)、サンプル3(アカシア蜂蜜+蒸留水)、サンプル4(アカシア蜂蜜+豆乳)、サンプル5(ヒルガオ蜂蜜+蒸留水)、サンプル6(ヒルガオ蜂蜜+豆乳)、サンプル7(ソバ蜂蜜+蒸留水)、サンプル8(ソバ蜂蜜+豆乳)、サンプル9(コーヒー蜂蜜+蒸留水)、サンプル10(コーヒー蜂蜜+豆乳)、サンプル11(ブレンド蜂蜜+蒸留水)およびサンプル12(ブレンド蜂蜜+豆乳)を調製した。なお、GDLとしては、赤穂化成株式会社製のものを用いた。
各サンプルを80℃で60分間保持後、60分間氷上でインキュベートし、8,000×gで4℃で10分間の遠心分離によって液層と固層とに分離させた。液層の一部を、実験例1と同様にしてSDS-PAGEに供した。結果を図3に示す。豆乳を含む、サンプル1、サンプル2、サンプル4、サンプル6、サンプル8、サンプル10およびサンプル12ではいずれも同じバンドが示された。この結果は、豆乳中のタンパク質が蜂蜜の添加によって凝集されたことを示す。
<実験例4>
アカシア蜂蜜、コーヒー蜂蜜、ソバ蜂蜜、ヒルガオ蜂蜜、ブレンド蜂蜜の各種の蜂蜜について、蒸留水または豆乳と、蜂蜜の最終濃度が0w/w(%)、5w/w(%)、10w/w(%)、15w/w(%)、20w/w(%)、25w/w(%)、30w/w(%)、35w/w(%)、40w/w(%)、45w/w(%)および50w/w(%)となるように混合した。その後、85℃で60分間保持した後に、60分間氷上でインキュベートし、8,000×gで4℃で10分間の遠心分離によって液層と固層とに分離させた後、液層(上清)のpHを測定した。pHの測定は、実験例1と同様に行った。各種蜂蜜と蒸留水とを混合した場合の蜂蜜の濃度とpHとの関係を図4Aに、各種蜂蜜と豆乳とを混合した場合の蜂蜜の濃度とpHとの関係を図4Bにそれぞれ示す。図4A、図4B中、白丸はアカシア蜂蜜、黒丸はコーヒー蜂蜜、白三角はソバ蜂蜜、黒三角はヒルガオ蜂蜜、白四角はブレンド蜂蜜についての結果をそれぞれ示している。
50w/w(%)の濃度の蜂蜜において、pH値は、アカシア蜂蜜(pH3.5)<ソバ蜂蜜(pH3.6)、ブレンド蜂蜜(pH3.6)<コーヒー蜂蜜(pH3.7)<ヒルガオ蜂蜜(pH3.9)の順に低かった(図4A)。この順番は、蜂蜜中の有機酸の濃度に概ね影響された(図4A)。
これに対し、豆乳と蜂蜜との混合物におけるpH値は蜂蜜濃度の上昇によって緩やかに減少した。50w/w(%)の濃度の蜂蜜において、値は、ソバ蜂蜜(pH4.6)<コーヒー蜂蜜(pH4.8)<ヒルガオ蜂蜜(pH5.1)<ブレンド蜂蜜(pH5.3)<アカシア蜂蜜(pH5.4)の順に低かった(図4B)。
また、凝集が起こるときのpH値は、それぞれ、アカシア蜂蜜で5.6、ヒルガオ蜂蜜で5.6、ソバ蜂蜜で5.4、コーヒー蜂蜜で5.6、ブレンド蜂蜜で5.5であり、異なる種類の蜂蜜の間で殆ど同じであった。凝集は、大豆タンパク質の等電子点にpH値を到達させることによって誘導されると考えられた。大豆タンパク質の等電子点は5.53±0.07となることが報告された。さらに、グルコノ-δ-ラクトンを用いた酸-誘導されたゲル化の間、pH約5.8で豆乳の生成が誘導されることが報告されてきた。蜂蜜の添加によって凝集が誘導されることをサポートする証拠は、等電子点の到達によって誘導された。我々の結果において示されたpH値(5.4-5.6)は、Ringgenberg et alにより示された値(5.8)よりもわずかに低かった。わずかなpH値の違いは、より高い粘度の蜂蜜混合物によって引き起こされ、凝集は目視での観察により判断され得る。これに対し、上層における凝集の出現は、蜂蜜の濃度およびpH値に関連すると評価された(図2および4B)。濃度およびpH値は、それぞれ、アカシア蜂蜜の場合で40w/w(%)および5.6、ヒルガオ蜂蜜の場合で35w/w(%)および5.4、ソバ蜂蜜の場合で45w/w(%)および4.7、コーヒー蜂蜜の場合で45w/w(%)および4.9、ブレンド蜂蜜の場合で45w/w(%)および5.4であった(図2および4B)。この結果は、pH値が上層における凝集物の出現に関連性がないことを示唆している。
<実験例5>
アカシア蜂蜜、コーヒー蜂蜜、ソバ蜂蜜、ヒルガオ蜂蜜、ブレンド蜂蜜の各種の蜂蜜について、グルコン酸濃度および全糖量を測定した。
グルコン酸の濃度は、グルコン酸アッセイキット(ロシュ・ダイアグノスティックスGmbH株式会社製)のマニュアルに記載された方法に多少の改変を加えることにより測定された。基準の溶液として、グルコン酸ナトリウムを0.67mg/mLの濃度で調製した。サンプルの測定のために、10w/w(%) コーヒー蜂蜜、10w/w(%) ヒルガオ蜂蜜、20w/w(%) アカシア蜂蜜、20w/w(%) ソバ蜂蜜および20w/w(%) ブレンド蜂蜜を用いた。サンプルは0.5体積の溶液1(トリエタノールアミンバッファー(pH7.6)、NADPおよびATPを含有)、0.01体積の溶液2(6-ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼを含有)と混合した。混合物を20℃で5分間インキュベートした。混合物の吸収(A)は365nmで測定した。混合物はさらに0.01体積の溶液3(グルコノキナーゼを含有)を添加後、インキュベートした。混合物の吸収(A)は365nmで測定した。ブランクとして、蒸留水をサンプルの代わりに加え、その後インキュベーションおよび測定を行った。吸収の差(ΔA)を以下のように算出した。
ΔA=(A-A)-(A2b-A1b) (1)
(A2bおよびA1bは、混合物の吸収を示し、ここにおいて蒸留水がブランク用のサンプルの代わりに添加された。)
グルコン酸(c)の濃度は以下のように算出される。
c=(V×M×ΔA)/(ε×d×v×1000) (2)
(ここで、V、M、ε、dおよびvは、反応液の体積、グルコン酸の分子量、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェートの分子吸光係数、光通過長、およびサンプルの体積をそれぞれ表す。)
蜂蜜の全糖量は、Dubois et al(1956年)の方法に多少の改変を加えて測定した。基準の濃度液として、グルコースが用いられた。蜂蜜に蒸留水を添加し、2×10倍に希釈した。希釈された蜂蜜は同じ量の5% フェノールとともによく混合され、その後、5体積の濃硫酸とよく混合された。混合物は自然冷却された。混合物の吸収は490nmで測定された。
グルコン酸濃度および全糖量の測定は、3つの独立した実験で行なわれ、平均±標準偏差を表された。統計解析について、一元配置分散分析が群の平均と比較するために用いられ、事後分析にはテューキー・クレーマー法が用いられた。実験例5の結果は表1に示したとおりである。P値<0.05に関連する相違は統計的に顕著であると考えられた。
グルコン酸濃度に関し、アカシア蜂蜜およびブレンド蜂蜜は、ヒルガオ蜂蜜、ソバ蜂蜜およびコーヒー蜂蜜と比較して、大幅に低い濃度となることが分かった。蜂蜜中のグルコン酸濃度および凝集についての濃度から、凝集についてのグルコン酸濃度は、それぞれ、アカシア蜂蜜の場合で約0.55mg/mL(0.055%)、ヒルガオ蜂蜜の場合で約0.65mg/mL(0.065%)、ソバ蜂蜜の場合で0.41mg/mL(0.041%)、コーヒー蜂蜜の場合で0.47mg/mL(0.047%)、ブレンド蜂蜜の場合で0.47mg/mL(0.047%)であった。
全糖量に関し、アカシア蜂蜜およびブレンド蜂蜜の全糖量は、ヒルガオ蜂蜜、ソバ蜂蜜およびコーヒー蜂蜜と比較して高かった。高い全糖量の蜂蜜の中で、蜂蜜の混合に起因する沈殿はなかった。これに対し、相対的に低い全糖量の蜂蜜において、蜂蜜の混合に起因する沈殿がみられた。この結果は、上層における凝集の出現がグルコン酸濃度および糖濃度の組み合わせにより引き起こされることを強く示唆する。
<実験例6>
蜂蜜の代わりにグルコノ-δ-ラクトン(GDL)および糖(グルコース)を豆乳と混合し、同様のグルコン酸濃度および全糖量である場合に、同様に豆乳タンパク質の凝集が再現できるか否かについて実験を行った。
まず、85℃で5分間インキュベートした豆乳に、0.3w/w(%) GDLのみを混合し、GDLの最終濃度を以下のように0%(w/w)~0.15%(w/w)の範囲内で段階的に増加させたサンプル5A-1~5A-11を調製した。また、アカシア蜂蜜、ブレンド蜂蜜のモデルとして、85℃で5分間インキュベートした豆乳に、0.3w/w(%) GDLおよび71w/w(%) グルコースを混合し、GDLの最終濃度を以下のように0%(w/w)~0.15%(w/w)の範囲内で段階的に増加させ、かつ、グルコースの最終濃度を以下のように0%(w/w)~35.5%(w/w)の範囲内で段階的に増加させたサンプル6A-1~6A-11を調製した。
各サンプル5A-1~5A-11および5B-1~5B-11を85℃で60分間保持した後、60分間氷上でインキュベートし、8,000×gで4℃で10分間の遠心分離によって液層と固層とに分離させた。サンプル5A-1~5A-11についての結果を図5Aに、サンプル5B-1~5B-11についての結果を図5Bに示す。
次に、85℃で5分間インキュベートした豆乳に、0.5w/w(%) GDLのみを混合し、GDLの最終濃度を以下のように0%(w/w)~0.25%(w/w)の範囲内で段階的に増加させたサンプル6A-1~6A-11を調製した。また、ヒルガオ蜂蜜、ソバ蜂蜜、コーヒー蜂蜜のモデルとして、85℃で5分間インキュベートした豆乳に、0.5w/w(%) GDLおよび65w/w(%) グルコースを混合し、GDLの最終濃度を以下のように0%(w/w)~0.25%(w/w)の範囲内で段階的に増加させ、かつ、グルコースの最終濃度を以下のように0%(w/w)~32.5%(w/w)の範囲内で段階的に増加させたサンプル6A-1~6A-11を調製した。
各サンプル6A-1~6A-11および6B-1~6B-11を85℃で60分間保持した後、60分間氷上でインキュベートし、8,000×gで4℃で10分間の遠心分離によって液層と固層とに分離させた。サンプル6A-1~6A-11についての結果を図6Aに、サンプル6B-1~6B-11についての結果を図6Bに示す。
GDLのみが0~0.15w/w(%)の範囲内で添加された場合、凝集物は0.12w/w(%) GDLで沈殿物として明瞭に観察された(図5A)。同じ範囲のGDL濃度において、沈殿物は、28.4w/w(%)より高い濃度でのグルコースの存在下で明らかに減少した(図5B)。沈殿物の消失は、グルコースの添加による密度の変化から起こされるだろう。換言すれば、凝集は密度の上昇によって分散された。さらに、GDLのみが0~0.25w/w(%)の範囲で添加された場合、凝集物は0.125w/w(%)のGDLで明瞭に観察された(図6A)。同じ範囲のGDL濃度において、沈殿物はまた、28.4w/w(%)より高い濃度のグルコースの存在下で消失した(図6B)。さらに、凝集物は32.5w/w(%)のグルコースの存在下での上層に出現した(図6B)。これらの結果は、上層における凝集物の出現がGDLおよびグルコースの組み合わせによって誘導され、28.4w/w(%)より高いグルコース濃度で起こされることを示す。

Claims (3)

  1. 豆乳と、グルコン酸濃度が2g/L以上であり、かつ、全糖量が0.7g/g以下の蜂蜜とを、豆乳と蜂蜜との混合物中の蜂蜜の濃度が20w/w(%)以上となるように混合することで、グルコン酸によって豆乳中に含まれるタンパク質を凝集させるステップを含む、豆乳タンパク質凝集物の製造方法。
  2. 豆乳と、蜂蜜との混合物のpHが5.4~5.6の範囲内である、請求項1に記載の豆乳タンパク質凝集物の製造方法。
  3. 請求項1に記載の豆乳タンパク質凝集物の製造方法における豆乳タンパク質凝集物の生成の有無とグルコン酸濃度および全糖量との関係をもとに、グルコン酸濃度および糖量が不明である蜂蜜について、豆乳と混合し、豆乳タンパク質凝集物の生成の有無から、グルコン酸濃度および糖量が不明である当該蜂蜜のグルコン酸量および糖量を判別する方法。
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