JP7219015B2 - 車両運行評価装置及び車両運行評価方法 - Google Patents

車両運行評価装置及び車両運行評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、所定の通信システムを利用して車両の運行状況を運転者毎に評価するために使用可能な車両運行評価装置及び車両運行評価方法に関する。
例えば、トラック、バス、タクシー車両などの運行を管理する企業等においては、各車両の運行状態を管理したり、各車両を運転する乗務員毎に労務管理や安全運転管理を行う必要がある。
したがって、車両の運行状況を把握可能にするために、運行記録計であるデジタルタコグラフのような車載器が各車両に搭載される。このような車載器は、様々な運行データを自動的に収集し、例えばメモリカードのような記録媒体に運行データを記録し保存する。車両の乗務員を管理する各企業は、記録媒体に記録された運行データを読み出して解析することにより、実際の運転状況を乗務員毎に把握し評価することが可能である。
例えば、特許文献1に示された運転評価装置は、客観的に得られる渋滞情報に基づいて渋滞状況を判断し、公正な運転評価を行うための技術を示している。具体的には、運転評価装置は、車両走行時にGPS受信部により自車両の位置を検出し、道路交通情報受信部により道路の渋滞情報を取得し、道路に渋滞が発生しているか否か、および渋滞の度合いを検出する。そして、渋滞の度合いに応じて、運転挙動に基づく運転評価対象データを補正する。
また、特許文献2には、適切な運転技術評価のための評価装置が開示されている。具体的には、評価装置は、コンピュータに走行データが取得された走行地域、及び、該走行データが取得された時期及び/又は時間帯を入力として受け付け、受け付けた、走行地域における時期及び/又は時間帯をパラメータとして用いて、運転技術の評価値の値を算出する処理を実行する。
また、特許文献3の走行管理装置は、不特定多数の運転者に使用される車両の走行データを、従来に比べてコストや手間をかけずに、運転者情報と結び付けて管理するための技術を示している。具体的には、走行管理装置は、車両の運転者を特定する運転者情報及び車両が走行する時間帯を示す時間情報が含まれる設定データを取得する設定データ取得部と、車両が走行した時間帯を示す情報が含まれる走行データを取得する走行データ取得部と、前記時間情報及び前記走行データに含まれる情報に基づいて、前記走行データを運転者情報に結び付けて記憶させるデータ管理部とを具備している。
特開2012-238257号公報 特開2015-97050号公報 特開2017-97500号公報
例えば特許文献1~特許文献3のような技術を利用することにより、それぞれの運転者が安全運転を行っているかどうかを、ある程度は評価することが可能である。しかしながら、運転者が「ヒヤリ」、「ハット」と感じるような危険な運転状況が各運転者個人の癖などに起因して実際に発生していたとしても、それを正確に把握するのは困難であった。すなわち、記録された運行データから「ヒヤリ」、「ハット」の状況を高感度で検出しようとすると、運転者個人の癖よりも、走行環境の違いに起因する影響を誤って検出してしまう確率が高くなる。そのため、乗務員毎に運転操作の安全性を改善するための指導に利用可能な正確な評価データが得られなかった。
また、例えば評価する運行データが車速やエンジン回転速度だけの場合には、速度超過などを評価することはできるが、運転者が例えば交差点の付近で事故に繋がるような無謀な運転や交通規則に違反する運転を行ったとしてもそれを評価することができない。
また、例えば速度超過などの違反の有無を検知する場合には、判定に用いる閾値を適切に定める必要がある。しかし、このような閾値の調整は、作業者が手作業により試行錯誤しながら調整する必要があり、手間がかかり作業者の負担も大きい。
また、例えば運行データを評価した結果を数値で表現したような場合に、評価値が低かったとしても何が原因で評価値が低いのかが不明である場合があった。そのため、評価値の低い運転者を指導する場合に、どのような運転操作をどのように変更すればよいのかを特定することができず、運転者が納得できるような説得力のある説明が困難であった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、各運転者個人の癖に起因するような安全でない運転操作を高精度で検出し評価することが可能な車両運行評価装置及び車両運行評価方法を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る車両運行評価装置及び車両運行評価方法は、下記(1)~(6)を特徴としている。
(1) 各車両に搭載された車載器と、前記車載器の取得した運行データを収集する事業者端末と、前記事業者端末が収集した運行データを取得して所定のネットワーク上で蓄積するデータサーバと、前記データサーバが蓄積している運行データに基づいて少なくとも統計処理を行うセンタ管理装置とを含む車両運行評価装置であって、
前記センタ管理装置が、前記運行データを統計処理した結果に応じて運転者の評価に用いる判定閾値および重み係数の少なくとも一方を逐次更新し、
前記事業者端末が、前記センタ管理装置から前記判定閾値、又は前記重み係数を取得し、取得した前記判定閾値、又は前記重み係数に基づいて前記運行データを少なくとも運転者毎に評価し、評価結果を出力し、
前記データサーバは、複数の企業の前記事業者端末から送信される前記運行データを纏めてビッグデータとして蓄積すると共に、各前記企業の前記事業者端末が自社以外の前記運行データを参照できないように管理されており、
前記センタ管理装置は、個別の前記企業、及び、個別の前記車両を特定可能な情報を参照できないように管理されており
前記センタ管理装置は、路面の標示の複数の種類のそれぞれについて独立した値として前記判定閾値又は重み係数を生成し、
前記事業者端末は、前記車両の車載カメラが撮影した路面の映像から認識される前記路面の標示の種類と、前記判定閾値、又は前記重み係数に基づき、前記路面の標示の種類毎に個別に前記運行データを評価する、
ことを特徴とする車両運行評価装置。
上記(1)に記載された構成の車両運行評価装置によれば、各車両の車載器が収集した運行データをネットワーク上のデータサーバで蓄積するので、例えばビッグデータのように様々な運転環境のそれぞれに適応した膨大なデータを扱うことができる。すなわち、1社に限らず様々な企業が管理する車両全ての運行データを纏めて蓄積することもできる。また、センタ管理装置は、このような運行データを統計処理するので、例えば場所の違いなどを反映したそれぞれの運転環境における多数の運転者の運転操作の傾向を把握することができる。このような傾向は、判定閾値、又は重み係数に逐次反映される。判定閾値は、車両の運転操作が例えば交通法規に違反したような危険な状態か否かを判定するために利用できる。また、重み係数は、運転操作の評価結果を数値化する際に利用できる。また、事業者端末は、運行データを運転者毎に評価する際に、センタ管理装置から取得した判定閾値、又は重み係数を利用するので、それぞれの運転環境における全体の運転操作の傾向を考慮したうえで、評価を実施することができる。したがって、全体の運転操作の傾向と、評価対象の運転者の運転操作の傾向との違い、つまり個人の癖を評価結果に反映することが可能になる。しかも、センタ管理装置が決定した判定閾値や重み係数を利用できるので、これらのパラメータを最適化するための調整が容易である。
(2) 前記センタ管理装置は、複数の時間帯のそれぞれについて独立した値として前記判定閾値又は重み係数を生成し、
前記事業者端末は、前記判定閾値、又は前記重み係数に基づき、時間帯毎に個別に前記運行データを評価する、
ことを特徴とする上記(1)に記載の車両運行評価装置。
上記(2)に記載された構成の車両運行評価装置によれば、時間帯の違いによる影響を考慮して運行データの評価を実施することができる。例えば、夜間の時間帯は日中に比べて周囲が暗いため運転者の視界が悪く、日中よりも慎重な運転操作を行うことが危険な状況の発生を避けるために役立つ。したがって、夜間の安全運転に対して昼間よりも高い評価を与えることにより、安全運転を促進できる。
(3) 前記事業者端末は、評価対象事象毎に個別に割り当てた前記重み係数を利用して前記運行データを評価する、
ことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の車両運行評価装置。
上記(3)に記載された構成の車両運行評価装置によれば、それぞれの評価対象事象が安全運転に及ぼす影響度を個別に考慮して正確な数値で評価結果を表現可能になる。例えば、自車両の運転操作による加速度超過、車線逸脱、ふらつき、車間距離異常、横断歩道での不適切な運行、速度超過、交差点での不適切な運転操作などの事象についてそれぞれ個別に影響度を評価に反映することが可能になる。
(4) 前記事業者端末は、評価対象事象毎にワースト事象のデータを抽出し、前記評価結果と共に前記ワースト事象の時刻および場所を特定可能なデータを出力する、
ことを特徴とする上記(1)に記載の車両運行評価装置。
上記(4)に記載された構成の車両運行評価装置によれば、評価対象の運転者が改善すべき最も重要な運転操作に関する事象が評価結果と共に提示されるので、運転者に対して適切な運転指導を行うことが容易になる。特に、ワースト事象の時刻および場所が特定されるので、運転者自身も改善すべき運転操作を把握しやすくなる。
(5) 前記事業者端末は、前記評価結果の集計に基づき優良運転者を特定し、前記優良運転者の運行データに基づいて基準警報閾値を生成し、前記優良運転者以外の運転者が運転する車両の車載器に対して、前記基準警報閾値を送信し、
前記車載器は、前記基準警報閾値に基づいて自車両の運行状態をリアルタイムで判定し、判定結果に応じて警報を出力する、
ことを特徴とする上記(1)に記載の車両運行評価装置。
上記(5)に記載された構成の車両運行評価装置によれば、優良運転者以外の運転者が運転する車両においても、優良運転者の車両と同じ条件で車載器が警報を発することになる。したがって、優良運転者の運転操作から逸脱した運転操作に対して警報の発生によりリアルタイムで運転指導を行うことができる。しかも、各車載器における様々な閾値などの条件を運転者毎に個別に調整する必要がないので、車載器の操作や管理が容易になる。
(6) 各車両に搭載された車載器と、前記車載器の取得した運行データを収集する事業者端末と、前記事業者端末が収集した運行データを取得して所定のネットワーク上で蓄積するデータサーバと、前記データサーバが蓄積している運行データに基づいて少なくとも統計処理を行うセンタ管理装置とを含む通信システムを利用し、
前記センタ管理装置が、前記運行データを統計処理した結果に応じて運転者の評価に用いる判定閾値および重み係数の少なくとも一方を逐次更新し、
前記事業者端末が、前記センタ管理装置から前記判定閾値、又は前記重み係数を取得し、取得した前記判定閾値、又は前記重み係数に基づいて前記運行データを少なくとも運転者毎に評価し、評価結果を出力し、
前記データサーバは、複数の企業の前記事業者端末から送信される前記運行データを纏めてビッグデータとして蓄積すると共に、各前記企業の前記事業者端末が自社以外の前記運行データを参照できないように管理されており、
前記センタ管理装置は、個別の前記企業、及び、個別の前記車両を特定可能な情報を参照できないように管理されており
前記センタ管理装置は、路面の標示の複数の種類のそれぞれについて独立した値として前記判定閾値又は重み係数を生成し、
前記事業者端末は、前記車両の車載カメラが撮影した路面の映像から認識される前記路面の標示の種類と、前記判定閾値、又は前記重み係数に基づき、前記路面の標示の種類毎に個別に前記運行データを評価する、
ことを特徴とする車両運行評価方法。
本発明の車両運行評価装置及び車両運行評価方法によれば、各運転者個人の癖に起因するような安全でない運転操作を高精度で検出し評価することが可能である。すなわち、ビッグデータのような大量の運行データを解析することにより、様々な運転環境のそれぞれについて運転者全体の運転の傾向を把握できるので、この傾向と評価対象者毎の運転操作との差異を個人の癖として検出し評価できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明を実施する通信システムの構成例を示すブロック図である。 図2は、各車両に搭載された車載器の動作例を示すフローチャートである。 図3は、センタ管理PCの動作例を示すフローチャートである。 図4は、重み付けテーブルの構成例を示す模式図である。 図5は、事務所PCの動作例を示すフローチャートである。 図6は、事務所PCが出力する運行診断レポートの内容の一部分-1を示す正面図である。 図7は、事務所PCが出力する運行診断レポートの内容の一部分-2を示す正面図である。 図8は、事務所PCが出力する運行診断レポートの内容の一部分-3を示す正面図である。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
<使用する通信システムの構成例>
本発明を実施する通信システムの構成例を図1に示す。
図1に示した通信システムは、例えばトラックのような車両11の運行を管理している企業が、この車両11を運転する乗務員の実際の運転状況を把握して安全な車両運行に反映するために利用することができる。
図1においては、車両11が1台のみ示されているが、実際には各企業がそれぞれ多数の車両11を管理している。多数の車両11それぞれは、車両11の運行中の状態を運行データとして記録するために車載器10を搭載している。本実施形態において、車載器10は、デジタルタコグラフ(運行記録計)により構成されており、運行データを収集する機能と、必要に応じて警報を出力する機能とを有している。
車両11は、Gセンサ12および車載カメラ13を搭載している。したがって、車載器10は、Gセンサ12が検出した加速度や、車載カメラ13が撮影した映像のデータも取得できる。車載カメラ13は、例えば車両11を運転する運転者の前方視界に映る路面などを撮影できるように配置されている。また、車載器10は、車載カメラ13が撮影した映像のデータを画像認識することにより、走行中の道路における制限速度や横断歩道などの路面標示や標識などを認識できる。なお、車両11が複数台の車載カメラ13を搭載し、例えば車両11内の運転者の運転状況を撮影できるように構成してもよい。
また、一般的な機能として、車載器10は車両11の走行速度(車速:km/h)、移動距離、エンジン回転速度(rpm)、現在位置(緯度/経度)、イグニッションのオンオフ、現在日時、左右ウインカーのオンオフなどの情報も把握できる。
車載器10が車両11の運行中に記録する運行データの中には、車速、エンジン回転速度、現在位置などの一般的な情報の他に、車載器10の検知した様々なイベントの情報も含まれている。例えば、車載器10は、以下に示すE1~E7のような各種イベントをそれぞれ検知して記録する。
E1.Gセンサ12の検知した加速度が閾値を超過
E2.自車両の車線逸脱の検知
E3.自車両のふらつきの検知
E4.自車両と前方車両との車間距離が閾値よりも接近した状態の検知
E5.横断歩道のある場所を走行する際の加速度が閾値を超過
E6.制限速度の路面標示(30、40、50[km/h]など)がある場所で車速が制限速度および閾値を超過
E7.交差点の右左折時の運転操作において閾値を超過する違反を検知
つまり、自車両の運転者が「ヒヤリ」、「ハット」と感じるような運転状況が発生すると、これを上記の各種イベントE1~E7として車載器10が記録する。
事務所PC20は、車両11を管理している企業の事務所内に設置されている。この事務所PC20は、一般的なパーソナルコンピュータの機能の他に、車両11の運行における各乗務員(運転者)の安全運転管理を行うために必要な機能を特別なソフトウェアとして搭載している。なお、各企業が多数の車両11を管理するために複数台の事務所PC20をこのシステムに接続してもよい。
通常は、車両11の当日の運行が終了し車両11が入庫した際に、記録媒体の物理的な移動により、又は無線通信により車載器10の記録した運行データ14が事務所PC20に転送される。事務所PC20は、車載器10から入力された運行データ14を事業者データベース(DB)21に保存すると共に、インターネット30を経由してデータサーバ31へ転送する。
事務所PC20は、事業者データベース21および運転者毎の重み付けテーブル22に基づいて、各乗務員の安全運転評価結果を表す運行診断レポート23を毎日、あるいは必要に応じて生成し、例えば紙の帳票として出力することができる。
事業者データベース21は、運転者が「ヒヤリ」、「ハット」と感じるような運転状況のイベントE1~E7の情報を運転者毎に区別した状態で、当日に限らず例えば1ヶ月などの長期間に亘り連続的に保持している。また、運転者毎の重み付けテーブル22は、イベントの種類毎や、時間帯別のイベントの重み付けや閾値を表す情報を運転者毎に区別した状態で保持している。また、運転者毎の重み付けテーブル22の内容は、センタ管理PC33から取得可能なテーブルのデータ26に基づいて適宜変更される。
図1に示したデータサーバ31およびセンタ管理PC33は、例えば同じデータセンタ内に配置され、又はそれぞれ独立したデータセンタに配置され、いずれもインターネット30と接続されている。
データサーバ31は、各企業の事務所PC20から送信される運行データ25をそれぞれ受信して蓄積する機能を有している。データサーバ31は様々な企業から提供される運行データを纏めてビッグデータとしてセンタデータベース32に蓄積することができる。各企業の事務所PC20は、データサーバ31上のセンタデータベース32のデータにアクセスすることはできるが、自社以外のデータを参照することはできないように管理されている。
一方、センタ管理PC33は、データサーバ31が管理しているセンタデータベース32上の全ての企業のデータにアクセスすることができるが、個別の企業、個別の車両、個人などを特定可能な情報は参照できないように管理されている。
センタ管理PC33は、センタデータベース32が蓄積している運行データや「ヒヤリ」、「ハット」のイベント情報を収集して統計処理することにより、例えば全ての運転者の運行実績における平均的な状態などを、地理的な区分毎、時間区分毎などのそれぞれの条件について区別した状態で出力する。つまり、センタ管理PC33は全ての運転者の全体の傾向を表す情報を算出することができる。この傾向の算出結果が重み付けテーブル34に反映される。重み付けテーブル34の内容は、「ヒヤリ」、「ハット」に関連する各イベントを検知するために使用する閾値や、運転状態を評価する際に使用する重み係数などを含んでいる。
各企業の事務所PC20は、センタ管理PC33から重み付けテーブル34の内容をテーブルのデータ26として取得し、運転者毎の重み付けテーブル22の内容に反映する。事務所PC20は、重み付けテーブル34の内容により全ての運転者の平均的な傾向を把握できるので、各運転者を評価する際に、全体の傾向と運転者個人の運転状況との差異として個人の運転の癖を検知し評価に反映することができる。
また、事務所PC20は、評価の結果に基づいて優良運転者を特定し、この優良運転者の運行データから、「ヒヤリ」、「ハット」に関連するイベントを検知するためのイベント毎の適切な閾値を算出し、車載器設定用データ15を生成する。そして、優良運転者以外の全ての運転者の車載器10に対しても、この車載器設定用データ15を事務所PC20が送信する。したがって、全ての運転者の車載器10に対して、優良運転者による運転に即した条件の閾値が反映される。
<車載器の動作例>
各車両に搭載された車載器10の動作例を図2に示す。車載器10の動作について以下に説明する。
図2においては、前述の各種イベントE1~E7の各々を検知するために、車載器10が警報用閾値テーブル16および評価用閾値テーブル17を備える場合を想定している。警報用閾値テーブル16は、該当するイベントの発生に対して警報を発生し、リアルタイムで運転者を指導するために使用する複数の閾値を含んでいる。評価用閾値テーブル17は、該当するイベントの発生を運行データの一部として記録媒体18に記録するために使用する複数の閾値を含んでいる。なお、警報用閾値テーブル16の閾値と評価用閾値テーブル17の閾値とを共通にしてもよい。
車載器10内の制御部(図示せず)は、車両11が出庫する際に、事務所PC20との間の無線通信により、又は記録媒体18に記録されたデータにより、テーブル更新指示の有無を識別する(S11、S12)。テーブル更新指示があった場合には、車載器10は入力された車載器設定用データ15を利用して警報用閾値テーブル16および評価用閾値テーブル17の内容を更新する(S13)。
車載器10内の制御部は、自車両の最新の運行状態をS14で検出し把握する。すなわち、Gセンサ12の出力、車載カメラ13が撮影した映像の内容、車速、エンジン回転速度、現在位置、日時、イグニッションのオンオフ、左右ウインカーの操作状態などの情報を取得する。
車載器10内の制御部は、S14で検出した情報に基づいて、評価対象の各種イベントE1~E7のそれぞれの状態を監視する(S15)。
車載器10内の制御部は、評価対象の各種イベントE1~E7のそれぞれについて、S15で検出した最新の状態と警報用閾値テーブル16上の該当する閾値とを比較して、警報処理を実施する(S16)。例えば、Gセンサ12の検知した加速度が、警報用閾値テーブル16の対応する閾値を超過している場合に、イベントE1の発生を認識し、音声出力や表示のメッセージを利用して運転者が認識可能な警報を出力する。
また、車載器10内の制御部は、評価対象の各種イベントE1~E7のそれぞれについて、S15で検出した最新の状態と評価用閾値テーブル17上の該当する閾値とを比較して、イベント評価処理を実施する(S17)。例えば、Gセンサ12の検知した加速度が、評価用閾値テーブル17の対応する閾値を超過している場合に、イベントE1の発生を認識し、このイベントの種類、発生日時、発生場所、加速度の最大値などを含むイベント情報を生成する。
また、車載器10内の制御部は、S14で検出した車両状態や、S17で生成したイベント情報を18で記録媒体18に記録する。
自車両の当日の運行が終了して入庫するまで、S14~S19の処理が繰り返される。したがって、当日の運行データが車載器10により収集され記録媒体18上に保存される。自車両が入庫すると、記録媒体18の物理的な移動により、又は無線通信により記録媒体18上の運行データが事務所PC20に転送される。
<センタ管理PCの動作例>
図3は、センタ管理PC33の動作例を示すフローチャートである。センタ管理PC33の動作について以下に説明する。
センタ管理PC33は、一定時間が経過する毎に、図3に示した処理を実行し、全社平均の重み付けテーブル34aおよび優良運転者の重み付けテーブル34bを更新する。
センタ管理PC33は、S22で全社の運行データをデータサーバ31が管理しているセンタデータベース32から読み込む。そして、地理条件や時間帯の条件毎に区別して、読み込んだ運行データを集計し、統計処理を実行する。すなわち、全体の平均値、最大値、最小値などを算出する。
センタ管理PC33は、S22で統計処理した結果を利用し、地理条件や時間帯の条件毎に区別して、「ヒヤリ」、「ハット」のイベント毎に、全社平均の閾値や係数を算出し、その結果に応じて全社平均の重み付けテーブル34aの内容を更新する。
センタ管理PC33は、S22で統計処理した結果を利用して、最も安全な運転を行っている優良運転者の運行データを特定し、その運行データを抽出する。そして、地理条件や時間帯の条件毎に区別して、「ヒヤリ」、「ハット」のイベント毎に、優良運転者の運行データに対する適切な閾値や係数を算出し、その結果に応じて優良運転者の重み付けテーブル34bの内容を更新する。
<重み付けテーブルの構成例>
重み付けテーブル34の構成例(代表例)を図4に示す。
図4に示した時間帯別係数テーブル34-1は、車両を運行する時間帯の区分と、安全運転を評価する際の重みを表す加算係数との関係を表すデータを保持している。このようなデータは、例えばセンタデータベース32等から得られるビッグデータを解析し時間帯毎の事故発生確率と安全運転との因果関係を統計処理により導き出すことにより最適化することが可能である。
例えば、夜間の時間帯は日中に比べて周囲が暗いため運転者の視界が悪く、日中よりも慎重な運転操作を行うことが危険な状況の発生を避けるために役立つ。したがって、一般的には、夜間の安全運転に対して昼間よりも高い評価を与えることにより、安全運転を促進できる。したがって、事前に解析したデータに基づき決定した定数データを時間帯別係数テーブル34-1に保持しておいてもよい。
また、時間帯の違い以外にも、例えば曜日の違いによる影響、月の違いによる影響、特定日の影響、地域の特性の影響などを評価に反映できるように、それぞれの係数テーブルを更に用意してもよい。
図4に示した路面認識イベントテーブル34-2~34-5のそれぞれは、車載カメラ13が撮影した路面の映像を認識した結果を利用して検出可能な複数のイベントの検出条件を表すデータを保持している。
具体的には、路面認識イベントテーブル34-2は、路面の横断歩道の標示を車載器10が認識しているときに、その場所を自車両が通過するときの加速度の判定閾値(3、4[km/h/s])と加算係数との関係を表している。また、路面認識イベントテーブル34-3、34-4、および34-5は、それぞれ路面における制限速度[km/h]の標示が「30」、「40」、および「50」の場合に、速度超過のイベントを検出するための判定閾値と加算係数との関係を表している。
図4に示した交差点イベントテーブル34-6~34-9は、それぞれ交差点を通過する際に検出可能な複数のイベントの検出条件を表すデータを保持している。
具体的には、交差点イベントテーブル34-6は、右折ウインカーを運転者が操作した位置からその先の交差点までの距離[m]の大きさが不適切であることを表すイベントを検知するための判定閾値と加算係数との関係を表している。同様に、交差点イベントテーブル34-7は、左折ウインカーを運転者が操作した位置からその先の交差点までの距離[m]の大きさが不適切であることを表すイベントを検知するための判定閾値と加算係数との関係を表している。
また、交差点イベントテーブル34-8は、自車両が交差点で右折する場合に交差点進入時の速度が不適切であることを表すイベントを検知するための判定閾値[km/h]と加算係数との関係を表している。同様に、交差点イベントテーブル34-9は、自車両が交差点で左折する場合に交差点進入時の速度が不適切であることを表すイベントを検知するための判定閾値[km/h]と加算係数との関係を表している。
実際には、図4に示した各テーブル34-2~34-9に対応するイベントの他にも、前述の各種イベントE1~E7をそれぞれ検出するために必要なテーブルが更に個別に用意される。
また、図4に示した各テーブル34-2~34-9は、図3に示した全社平均の重み付けテーブル34a、および優良運転者の重み付けテーブル34bのそれぞれについて用意される。全社平均の重み付けテーブル34aにおける判定閾値は、全社平均の運行データに基づいて決定される。優良運転者の重み付けテーブル34bにおける判定閾値は、センタ管理PC33が検出した優良運転者の運行データに基づいて決定される。
なお、図4の例では時間帯別係数テーブル34-1を用いて時間帯毎にそれぞれ異なる加算係数を適用して評価を行う場合を想定しているが、加算係数の代わりに各イベントの判定閾値を時間帯毎に切り替えてもよい。例えば、時間帯別係数テーブル34-1における各加算係数と同じような係数を用いて、路面認識イベントテーブル34-2~34-5、交差点イベントテーブル34-6~34-9等に含まれている各判定閾値を、時間帯毎に増減することが考えられる。
<事務所PCの動作例>
事務所PC20の動作例を図5に示す。図5に示した事務所PC20の動作について以下に説明する。
事務所PC20は、当日の運行業務が終了した各車両11が入庫した際に、無線通信により、あるいは車載器10から取り外した記録媒体18から当日に記録された運行データ14を読み込む(S31、S32)。また、事務所PC20は車載器10から取得した運行データ14をインターネット30を経由してデータサーバ31へ転送する(S33)。また、この運行データ14を事業者データベース21にも保存する。
事務所PC20は、最新の重み付けテーブル34の内容をセンタ管理PC33およびインターネット30を経由してデータ26として取得し、この内容を反映するように運転者毎の重み付けテーブル22の内容を更新する(S34)。例えば、全社平均の重み付けテーブル34aにおける各判定閾値、加算係数に基づき、評価対象運転者個人の運転操作の癖を評価しやすいように部分的に修正した内容を運転者毎の重み付けテーブル22に登録する。
また、例えば交差点で右左折する場合のウインカー操作地点から交差点までの法定距離は30[m]であるが、この規定に違反しているかどうかを検出するイベントの閾値として、法定距離よりも十分に長い40[m]を運転者毎の重み付けテーブル22に登録する場合もある。これにより、特定企業内の乗務員について、交差点における安全な運転操作の教育を徹底させることが容易になる。
事務所PC20は、評価対象運転者の一定期間(例えば1週間、1ヶ月)内の運行データを、事業者データベース21又はデータサーバ31から取得する(S35)。評価対象の期間は必要に応じて変更できる。
事務所PC20は、S35で取得した運行データに含まれる「ヒヤリ」、「ハット」のイベント情報を、運転者毎の重み付けテーブル22の判定閾値や加算係数を用いてイベント毎にそれぞれ評価し、更に全てのイベント情報を集計して最終的な安全運転の評価を実施する(S36)。
事務所PC20は、検出したイベント毎に、低い評価に大きな影響を及ぼしているワースト事象を抽出し、更にこのワースト事象が発生した時刻、および発生地点の場所(位置)を特定可能な情報を取得する(S37)。例えば、評価対象期間の中で同じ種類の違反イベントが3回検出された場合に、3回の中で違反の程度が最も大きい(最も危険性が高い)イベントをワースト事象として選択する。
事務所PC20は、S36、S37での処理結果の情報を一覧できるように1枚の用紙内に纏めた運行診断レポート23を生成し、帳票の印刷又は画面出力としてその内容を出力する(S38)。
事務所PC20は、優良運転者の重み付けテーブル34bの内容を取得し、この内容に基づいて、車載器設定用データ15を生成し、これを全ての車両の車載器10へ配信する(S39)。この車載器設定用データ15の内容が、図2に示した警報用閾値テーブル16および評価用閾値テーブル17の内容に反映される。
つまり、車載器設定用データ15は優良運転者の重み付けテーブル34bと同等の閾値を含んでいる。また、優良運転者の重み付けテーブル34bの内容は、日常的に安全な運転操作を行っている優良運転者の運行データに対して各種イベントを検知できるように、つまりより安全な方向に調整された閾値を含んでいる。したがって、このような閾値を利用して車載器設定用データ15を作成することにより、安全でない運転操作を表す各種イベントを高感度で検知可能になる。
また、車載器設定用データ15を全ての車載器10に対して配信することにより、それぞれの車両の運転者が優良運転者の運転操作と比べて相対的に安全でない運転操作を行った場合に、車載器10がそのイベントを検知してリアルタイムで警報を発生して運転者を指導したり、そのイベントのデータを記録媒体18に記録することができる。したがって、全ての運転者が優良運転者と同じような運転操作を行うように車載器10で自動的に指導することが可能になる。しかも、車載器設定用データ15の内容は優良運転者の重み付けテーブル34bの内容に基づいて自動的に作成できるので、閾値の最適化のために、運転者毎に特別な調整作業を行う必要がない。
なお、図5に示した動作例では、各車両が入庫した直後のタイミングで当日の運行データを含む一定期間の運行データに基づいて運転者の運行状態を診断しているが、このタイミングは必要に応じて変更してもよい。また、ステップS38で出力する運行診断レポート23の内容に相当する診断結果を事務所PC20が記憶装置に保存しておき、追加する当日の運行データに対する診断結果と、記憶してある過去の運行データの診断結果とを組み合わせて最終的な運行診断レポート23を作成してもよい。
<運行診断レポートの具体例>
事務所PC20が出力する運行診断レポート23の具体例が図6~図8に示されている。図6~図8は、それぞれ3つに分割された運行診断レポート23の一部分を表している。つまり、安全運転の管理者や各運転者は、運行診断レポート23の1枚の帳票により図6~図8のような全ての診断事項を確認できる。
図6に示した診断事項は、自車両が交差点で右左折した際の運転操作に対する診断内容を表している。具体的には、図6の左側の領域に、自車両と交差点との位置関係および右左折時速度のイベントに関する情報が平面図の形式で表現されている。また、図6の中央及び右側の領域に、左折及び右折のそれぞれについて、以下の1.~8.の情報が表現されている。
1.右左折時に違反したイベントが発生した割合を表す発生率
2.ウインカー操作地点から交差点までの距離に関する正常な回数/違反した回数
3.交差点進入時の一旦停止回数
4.旋回時の横加速度(G)に関する最低値/最高値/平均値
5.ウインカー操作地点から交差点までの距離に関する最短値/最長値/平均値
6.交差点進入時の自車両の速度に関する最低値/最高値/平均値
7.交差点進入時の最高速度発生時刻
8.交差点進入時の最高速度発生場所を表す住所および地図
図7に示した診断事項は、車載カメラ13で撮影した路面の映像を画像認識した結果に基づいて検出される各種イベントの運転操作に対する診断内容を表している。図7における最上部の診断事項は、路面の横断歩道標示のある箇所を自車両が通過する際の加速度が閾値を超過したイベントを表している。具体的には、イベントの種類を横断歩道標示を含む平面図で表現した情報の他に以下の1.~4.の情報が示されている。
1.該当するイベントにおいて閾値超過が発生した割合を表す発生率
2.最大加速度[km/h/s]
3.ワースト事象が発生した時刻
4.ワースト事象が発生した場所の住所および地図
また、図7における上から2番目の診断事項は、路面の30[km/h]の制限速度標示のある箇所を自車両が通過する際の車速が閾値を超過したイベントを表している。具体的には、イベント種類を制限速度の路面標示を含む平面図で表現した情報の他に以下の1.~5.の情報が示されている。
1.該当するイベントにおいて閾値超過が発生した割合を表す発生率
2.平均速度[km/h]
3.ワースト事象に関する違反速度[km/h]
4.ワースト事象が発生した時刻
5.ワースト事象が発生した場所の住所および地図
また、図7における上から3番目および4番目の診断事項は、それぞれ、路面の40[km/h]および50[km/h]の制限速度標示のある箇所を自車両が通過する際の車速が閾値を超過したイベントを表している。これらの診断事項も、図7における上から2番目の診断事項と同様の情報を含んでいる。
図8に示した診断事項は、「ヒヤリ」、「ハット」に関連するイベントの種類毎に区分して、検出したイベントを集計した結果を表現している。図8に示した例では、「Gセンサ」、「車線逸脱」、「ふらつき」、「車間距離」、「横断歩道」、「路面速度(30)」、「路面速度(40)」、「路面速度(50)」、「右折」、および「左折」に区分されたそれぞれのイベントの集計結果が表現されている。また、全時間帯における合計発生回数と、時間帯毎にそれぞれ区分した発生回数とが個別に表現されている。また、図8中の下側のグラフの領域に、発生頻度の時間帯毎の分布状況が表現されている。
図8に示した例では、6時~7時の時間帯において、「横断歩道」、「路面速度(30)」、「路面速度(40)」、「路面速度(50)」、および「左折」の閾値超過イベントの発生が検出され、この時間帯の頻度が高くなっていることが示されている。つまり、6時~7時の時間帯に評価対象運転者の注意力が散漫になり、安全運転ができていないことが分かる。
また、図6~図8に示した事項以外に、運転者個人を総合的に評価した結果を運行診断レポート23に出力することもできる。すなわち、診断結果から評価値を算出し、この評価値を所定の閾値と比較した結果により、安全な運転操作を行っているか否かの診断結果を○、×などにより表現する。
上記の評価値を算出する場合には、図4に示した各テーブルに含まれている各加算係数を利用する。例えば、路面の制限速度標示が30[km/h]の場所を通過する際に、自車両の速度が30[km/h]以下であった場合には、図4中の路面認識イベントテーブル34-3における閾値(30)に基づき「加算係数:+10」を取得してこれを評価値に加算する。つまり、安全な運転状態なのでこのイベントに対して良い評価を与える。
一方、路面の制限速度標示が30[km/h]の場所を通過する際に、自車両の速度が41[km/h]以上であった場合には、図4中の路面認識イベントテーブル34-3における閾値(41)に基づき「加算係数:-5」を取得してこれを評価値に加算する。つまり、制限速度に違反した状態で運転しているのでこのイベントに対して悪い評価を与える。
また、時間帯毎に区分した評価において、例えば6時~7時の範囲内で「ヒヤリ」、「ハット」のイベント(速度超過などの状態)が1回も発生しなかった場合には、図4に示した時間帯別係数テーブル34-1から、該当する時間帯の「加算係数:+10」を取得し、これを評価値に加算する。つまり、早朝のように慎重な運転操作が求められる(事故が発生しやすい)時間帯で違反がない状態であれば、この時間帯の運転操作に対して良い評価を与える。
なお、図4に示した時間帯別係数テーブル34-1は、「ヒヤリ」、「ハット」のイベントが発生しなかった場合の加算係数だけを示しているが、該当するイベントが発生した場合にマイナスの評価を与える別の加算係数を更に時間帯別係数テーブル34-1に追加してもよい。
そして、イベントの種類毎に得られた各加算係数、および時間帯の区分毎に得られた加算係数の総和を集計することにより、最終的な評価値が得られる。この評価値が所定の閾値以上であれば安全運転をしていると判断して「○」の評価を出力し、閾値未満であれば安全運転の指導が必要と判断し「×」の評価を出力する。
<車両運行評価方法の利点>
上述の車両運行評価方法においては、トラックなどの車両を運行する各運転者の運転操作に対して、従来よりも適切な運行診断を行うことが可能である。すなわち、車両運行中の様々な状況について、安全か否かを「ヒヤリ」、「ハット」のイベントとしてそれぞれ検出し評価に反映できる。したがって、様々なタイミングの運転操作について正しく評価することができ、正確な診断が可能になる。
また、各運転者が安全運転を行っているか否かを評価する際に用いる判定閾値や重み係数を最適化することは一般的には非常に難しく、管理者や各乗務員の試行錯誤による調整作業が必要とされる。しかし、上述の車両運行評価方法においては、大量の運行データを統計処理した結果に基づきセンタ管理PC33が生成する全社平均の重み付けテーブル34aや優良運転者の重み付けテーブル34bを利用して運転者毎の重み付けテーブル22の内容を決定するので、難しい調整を行うことなく最適化することができる。
また、センタ管理PC33が重み付けテーブル34の内容を作成する際には、ビッグデータであるセンタデータベース32を内容を利用できるので、地理的(例えば、各交差点ごとや各道路ごと)および時間的(一時間ごとや朝、昼、夜などの時間帯ごと)にそれぞれ独立した適切な判定閾値や重み係数を定めることができる。したがって、運転評価が実際の運行状況に近づくように自動的に調整できる。特に、センタ管理PC33は特定の企業に限らず様々な企業の運行データを保持するセンタデータベース32から必要なデータを取得して統計処理できるので、判定閾値や重み係数を精密に自動調整することが可能である。勿論、各企業はセンタ管理PC33が決定した重み付けテーブル34の内容に基づき、それぞれ企業毎の独自の変更を加えて運転者毎の重み付けテーブル22内の判定閾値や重み係数を調整することもできる。
また、例えば全社平均の重み付けテーブル34aの判定閾値を利用することにより、各運転者個人の運転操作に関する癖をイベントとして検出することが容易になる。したがって、各運転者が安全な運転操作を行うように指導することも容易である。
なお、図1に示した通信システムにおいてはデータサーバ31がセンタデータベース32にビッグデータを蓄積する場合を想定しているが、例えば大企業が車両を管理する場合には特定の企業内の運行データだけをセンタデータベース32に蓄積してもよい。
ここで、上述した本発明の実施形態に係る車両運行評価装置及び車両運行評価方法の特徴をそれぞれ以下[1]~[6]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 各車両に搭載された車載器(10)と、前記車載器の取得した運行データ(14)を収集する事業者端末(事務所PC20)と、前記事業者端末が収集した運行データを取得して所定のネットワーク上で蓄積するデータサーバ(31)と、前記データサーバが蓄積している運行データに基づいて少なくとも統計処理を行うセンタ管理装置(センタ管理PC33)とを含む車両運行評価装置であって、
前記センタ管理装置が、前記運行データを統計処理した結果に応じて判定閾値および重み係数の少なくとも一方を逐次更新し(S22~S24)、
前記事業者端末が、前記センタ管理装置から前記判定閾値、又は前記重み係数を取得し、取得した前記判定閾値、又は前記重み係数に基づいて前記運行データを少なくとも運転者毎に評価し、評価結果(運行診断レポート23)を出力する(S34~S38)、
ことを特徴とする車両運行評価装置。
[2] 前記センタ管理装置は、複数の時間帯のそれぞれについて独立した値として前記判定閾値又は重み係数(時間帯別係数テーブル34-1)を生成し、
前記事業者端末は、前記判定閾値、又は前記重み係数に基づき、時間帯毎に個別に前記運行データを評価する、
ことを特徴とする上記[1]に記載の車両運行評価装置。
[3] 前記事業者端末は、評価対象事象毎に個別に割り当てた前記重み係数(路面認識イベントテーブル34-2~34-5、交差点イベントテーブル34-6~34-9)を利用して前記運行データを評価する、
ことを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の車両運行評価装置。
[4] 前記事業者端末は、評価対象事象毎にワースト事象のデータを抽出し(S37)、前記評価結果と共に前記ワースト事象の時刻および場所を特定可能なデータを出力する(S38)、
ことを特徴とする上記[1]に記載の車両運行評価装置。
[5] 前記事業者端末は、前記評価結果の集計に基づき優良運転者を特定し、前記優良運転者の運行データ(優良運転者の重み付けテーブル34b)に基づいて基準警報閾値(車載器設定用データ15)を生成し、前記優良運転者以外の運転者が運転する車両の車載器に対して、前記基準警報閾値を送信し(S39)、
前記車載器は、前記基準警報閾値に基づいて自車両の運行状態をリアルタイムで判定し、判定結果に応じて警報を出力する(S16)、
ことを特徴とする上記[1]に記載の車両運行評価装置。
[6] 各車両に搭載された車載器(10)と、前記車載器の取得した運行データ(14)を収集する事業者端末(事務所PC20)と、前記事業者端末が収集した運行データを取得して所定のネットワーク上で蓄積するデータサーバ(31)と、前記データサーバが蓄積している運行データに基づいて少なくとも統計処理を行うセンタ管理装置(センタ管理PC33)とを含む通信システムを利用し、
前記センタ管理装置が、前記運行データを統計処理した結果に応じて判定閾値および重み係数の少なくとも一方を逐次更新し(S22~S24)、
前記事業者端末が、前記センタ管理装置から前記判定閾値、又は前記重み係数を取得し、取得した前記判定閾値、又は前記重み係数に基づいて前記運行データを少なくとも運転者毎に評価し、評価結果(運行診断レポート23)を出力する(S34~S38)、
ことを特徴とする車両運行評価方法。
10 車載器
11 車両
12 Gセンサ
13 車載カメラ
14,25 運行データ
15 車載器設定用データ
16 警報用閾値テーブル
17 評価用閾値テーブル
18 記録媒体
20 事務所PC
21 事業者データベース
22 運転者毎の重み付けテーブル
23 運行診断レポート
30 インターネット
31 データサーバ
32 センタデータベース
33 センタ管理PC
34 重み付けテーブル
34a 全社平均の重み付けテーブル
34b 優良運転者の重み付けテーブル
34-1 時間帯別係数テーブル
34-2,34-3,34-4,34-5 路面認識イベントテーブル
34-6,34-7,34-8,34-9 交差点イベントテーブル

Claims (6)

  1. 各車両に搭載された車載器と、前記車載器の取得した運行データを収集する事業者端末と、前記事業者端末が収集した運行データを取得して所定のネットワーク上で蓄積するデータサーバと、前記データサーバが蓄積している運行データに基づいて少なくとも統計処理を行うセンタ管理装置とを含む車両運行評価装置であって、
    前記センタ管理装置が、前記運行データを統計処理した結果に応じて運転者の評価に用いる判定閾値および重み係数の少なくとも一方を逐次更新し、
    前記事業者端末が、前記センタ管理装置から前記判定閾値、又は前記重み係数を取得し、取得した前記判定閾値、又は前記重み係数に基づいて前記運行データを少なくとも運転者毎に評価し、評価結果を出力し、
    前記データサーバは、複数の企業の前記事業者端末から送信される前記運行データを纏めてビッグデータとして蓄積すると共に、各前記企業の前記事業者端末が自社以外の前記運行データを参照できないように管理されており、
    前記センタ管理装置は、個別の前記企業、及び、個別の前記車両を特定可能な情報を参照できないように管理されており
    前記センタ管理装置は、路面の標示の複数の種類のそれぞれについて独立した値として前記判定閾値又は重み係数を生成し、
    前記事業者端末は、前記車両の車載カメラが撮影した路面の映像から認識される前記路面の標示の種類と、前記判定閾値、又は前記重み係数に基づき、前記路面の標示の種類毎に個別に前記運行データを評価する、
    ことを特徴とする車両運行評価装置。
  2. 前記センタ管理装置は、複数の時間帯のそれぞれについて独立した値として前記判定閾値又は重み係数を生成し、
    前記事業者端末は、前記判定閾値、又は前記重み係数に基づき、時間帯毎に個別に前記運行データを評価する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両運行評価装置。
  3. 前記事業者端末は、評価対象事象毎に個別に割り当てた前記重み係数を利用して前記運行データを評価する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両運行評価装置。
  4. 前記事業者端末は、評価対象事象毎にワースト事象のデータを抽出し、前記評価結果と共に前記ワースト事象の時刻および場所を特定可能なデータを出力する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両運行評価装置。
  5. 前記事業者端末は、前記評価結果の集計に基づき優良運転者を特定し、前記優良運転者の運行データに基づいて基準警報閾値を生成し、前記優良運転者以外の運転者が運転する車両の車載器に対して、前記基準警報閾値を送信し、
    前記車載器は、前記基準警報閾値に基づいて自車両の運行状態をリアルタイムで判定し、判定結果に応じて警報を出力する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両運行評価装置。
  6. 各車両に搭載された車載器と、前記車載器の取得した運行データを収集する事業者端末と、前記事業者端末が収集した運行データを取得して所定のネットワーク上で蓄積するデータサーバと、前記データサーバが蓄積している運行データに基づいて少なくとも統計処理を行うセンタ管理装置とを含む通信システムを利用し、
    前記センタ管理装置が、前記運行データを統計処理した結果に応じて判定閾値および重み係数の少なくとも一方を逐次更新し、
    前記事業者端末が、前記センタ管理装置から前記判定閾値、又は前記重み係数を取得し、取得した前記判定閾値、又は前記重み係数に基づいて前記運行データを少なくとも運転者毎に評価し、評価結果を出力し、
    前記データサーバは、複数の企業の前記事業者端末から送信される前記運行データを纏めてビッグデータとして蓄積すると共に、各前記企業の前記事業者端末が自社以外の前記運行データを参照できないように管理されており、
    前記センタ管理装置は、個別の前記企業、及び、個別の前記車両を特定可能な情報を参照できないように管理されており
    前記センタ管理装置は、路面の標示の複数の種類のそれぞれについて独立した値として前記判定閾値又は重み係数を生成し、
    前記事業者端末は、前記車両の車載カメラが撮影した路面の映像から認識される前記路面の標示の種類と、前記判定閾値、又は前記重み係数に基づき、前記路面の標示の種類毎に個別に前記運行データを評価する、
    ことを特徴とする車両運行評価方法。
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