JP7218651B2 - 中空シリカ粒子、中空シリカ粒子の分散液、およびフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、中空シリカ粒子、ならびに、該中空シリカ粒子を用いて得られる中空シリカ粒子の分散液、およびフィルムに関し、さらに詳しくは、製膜性に優れ、かつ、反射率が低く抑えられたフィルムを与えることのできる中空シリカ粒子、ならびに、このような中空シリカ粒子を用いて得られる中空シリカ粒子の分散液、およびフィルムに関する。
中空シリカ粒子などの無機中空粒子は、反射防止膜、低誘電率材料、低屈折率材料、分離材、吸着材、触媒担体、酵素担体、ドラッグデリバリー(DDS)担体等、様々な用途展開が期待されている。
このような中空シリカ粒子などの無機中空粒子を製造するための方法として、たとえば、特許文献1では、アルミノシリケートナノ粒子を中空部形成剤に利用して、中空シリカ粒子を製造する方法が提案されている。具体的には、この特許文献1では、珪酸塩の水溶液および/または酸性珪酸液と、アルカリ可溶の無機化合物水溶液とを、pH10以上のアルカリ水溶液または、必要に応じて種粒子が分散したpH10以上のアルカリ水溶液中に同時に添加し、SiOと、シリカ以外の無機化合物MOとをモル比MO/SiO=0. 3~1. 0にて含有する核粒子分散液を調製する工程と、前記核粒子分散液にシリカ源を添加して、核粒子に第1シリカ被覆層を形成する工程と、前記分散液に酸を加え、前記核粒子を構成する元素の一部または全部を除去する工程とを経て、中空シリカ粒子を製造している。
しかしながら、この特許文献1の技術においては、アルミノシリケートナノ粒子を酸溶解させ、洗浄する工程が必要となるため、設備負荷が大きく高コストが高くなるという問題や、粒子径が100nm以下と微細化された中空シリカ粒子を安定的に得ることが困難であるという問題があった。特に、中空シリカ粒子を、反射防止用のフィルム用途に用いる場合には、反射率をより低いものとするという観点より、粒子径が100nm以下と微細化された中空シリカ粒子が求められている。
特開2001-233611号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、製膜性に優れ、かつ、反射率が低く抑えられたフィルムを与えることのできる中空シリカ粒子、ならびに、このような中空シリカ粒子を用いて得られる中空シリカ粒子の分散液、およびフィルムを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、個数平均粒子径が100nm以下、シラノール基残量が35モル%以上、界面活性剤の含有割合が20重量%以下であり、かつ、特定条件で分散させた場合における、分散状態の変化率が18%以下とされた中空シリカ粒子によれば、製膜性に優れ、かつ、フィルムとした場合に、反射率が低く抑えられたものとすることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、粒子内部に、1または2以上中空部を有する中空シリカ粒子であって、個数平均粒子径が100nm以下、シラノール基残量が35モル%以上、界面活性剤の含有割合が20重量%以下であり、メチルエチルケトン中に、1重量%の濃度で超音波分散させた後、温度25℃の条件において、15分間静置した際における、分散状態の変化率が18%以下である中空シリカ粒子が提供される。
また、本発明によれば、上記本発明の中空シリカ粒子を分散媒中に分散させてなる、中空シリカ粒子の分散液が提供される。
さらに、本発明によれば、上記本発明の中空シリカ粒子の分散液を製膜してなるフィルムが提供される。
また、本発明によれば、粒子内部に、1または2以上中空部を有する中空シリカ粒子を製造する方法であって、
界面活性剤を含有する水溶液を用いて、ベシクルを形成させることで、ベシクル含有水溶液を得るベシクル形成工程と、
前記ベシクル含有水溶液に、前記中空シリカ粒子を形成するための、中空シリカ粒子前駆体を添加する前駆体添加工程と、
前記中空シリカ粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液を、5~95℃、およびpH=9~12の条件下で、回転せん断型分散機を用いて、100~50000rpmの回転数にて、処理回数1~200回の条件にて、せん断分散処理を行うことで、前記中空シリカ粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液中に含まれる、前記中空シリカ粒子前駆体を、該水溶液中で反応させることで、中空シリカ粒子を含有する水分散液を得る反応工程と、
前記反応工程により得られた中空シリカ粒子を含有する水分散液について乾燥を行うことで、乾燥状態の中空シリカ粒子を得る乾燥工程と、
前記乾燥工程により得られた中空シリカ粒子について洗浄を行う洗浄工程とを備える中空シリカ粒子の製造方法が提供される。
本発明によれば、製膜性に優れ、かつ、反射率が低く抑えられたフィルムを与えることのできる中空シリカ粒子を提供することができる。
<中空シリカ粒子>
本発明の中空シリカ粒子は、粒子内部に、1または2以上中空部を有し、
個数平均粒子径が100nm以下、シラノール基残量が35モル%以上、界面活性剤の含有割合が20重量%以下であり、
メチルエチルケトン中に、1重量%の濃度で超音波分散させた後、温度25℃の条件において、15分間静置した際における、分散状態の変化率が18%以下である中空状のシリカ粒子である。
本発明の中空シリカ粒子は、粒子内部に、中空部を1または2以上有するものであればよく、中空部の数は特に限定されないが、個数平均粒子径が比較的小さい場合でも、高い空隙率が実現でき、これにより反射率のより低いフィルムを与えることができるという観点より、中空部を1つのみ有するものであることが好ましい。
本発明の中空シリカ粒子は、個数平均粒子径が100nm以下であり、好ましくは20~80nm、より好ましくは20~60nmであり、さらに好ましくは30~50nmである。個数平均粒子径が大きすぎると、フィルムとした場合における、反射率の低減効果が得られなくなる。個数平均粒子径は、たとえば、中空シリカ粒子について、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察を行い、100個の粒子について測定した粒子径について算術平均値を算出することで、求めることができる。
また、本発明の中空シリカ粒子は、シラノール基残量が35モル%以上であり、好ましくは35~70%、より好ましくは40~60%である。本発明において、シラノール基残量は、中空シリカ粒子を構成するSi-O結合を形成する全ケイ素原子のうち、シラノール基(すなわち、Si-OH)を形成しているケイ素原子の割合(すなわち、Si(OH)(OX)、Si(OH)(OX)、Si(OH)(OX)となっているケイ素原子の合計の割合(「OX」は、通常、「OSi」))であり、たとえば、中空シリカ粒子に対し、固体NMR測定を行うことで求めることができる。シラノール基残量が少なすぎると、製膜性が不十分となり、得られるフィルムに白濁が生じてしまう等の不具合が発生してしまう。なお、シラノール基残量は、たとえば、中空シリカ粒子を製造する際における、中空シリカ粒子前駆体を反応させる際における反応温度を調整する方法などにより制御することができる。
さらに、本発明の中空シリカ粒子は、界面活性剤の含有割合が20重量%以下であり、界面活性剤の含有割合は、好ましくは20重量%未満、より好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは12重量%以下である。なお、界面活性剤の含有割合の上限は特に限定されないが、好ましくは3重量%以上である。界面活性剤の含有割合が多すぎると、製膜性が不十分となり、得られるフィルムに白濁が生じてしまう等の不具合が発生してしまう。なお、本発明において、界面活性剤の含有割合は、中空シリカ粒子全体の重量(すなわち、中空シリカ粒子を構成するシリカ成分と、界面活性剤との合計の重量)を100重量%とした場合における、界面活性剤の含有割合である。界面活性剤の含有割合は、たとえば、中空シリカ粒子を製造する際に、中空シリカ粒子前駆体を反応させる際における反応温度を調整する方法や、洗浄条件を調整する方法により制御することができる。
また、本発明の中空シリカ粒子は、メチルエチルケトン中に、1重量%の濃度で超音波分散させた後、温度25℃の条件において、15分間静置した際における、分散状態の変化率(以下、適宜、「分散状態の変化率」とする。)が18%以下であり、好ましくは16%以下、より好ましくは15%以下である。また、分散状態の変化率の下限は、特に限定されないが、通常1%以上である。分散状態の変化率は、本発明の中空シリカ粒子をメチルエチルケトン中に、1重量%の濃度で超音波分散させ、分散直後の分散液(たとえば、分散後15秒後の分散液)について分光光度計にて、500nmの透過率の測定を行い、次いで、温度25℃の条件において、分散後15分間静置した後の分散液について分光光度計にて、500nmの透過率の測定を行い、得られた測定結果より下記式にしたがって求めることができる。分散状態の変化率が高すぎると、フィルムとした場合における、反射率の低減効果が不十分となる。
分散状態の変化率={|分散直後の分散液の透過率-分散後15分間静置した後の分散液の透過率|/分散直後の分散液の透過率}×100
なお、中空シリカ粒子をメチルエチルケトン中に、1重量%の濃度で超音波分散させる際には、超音波分散による分散状態を十分なものとするという観点より、超音波バスを用いて、メチルエチルケトン中に、中空シリカ粒子を投入した混合液に対し、28kHz±10Hzの超音波振動を2時間与える方法を採用することが好ましい。また、分散状態の変化率を適切に測定するという観点からは、超音波分散させた後における、分光光度計を用いた測定に際しては、測定容器に入った分散液の液高さを100%とした場合に、液面から50%±5%の高さ位置に対し、分光光度計を用いた測定を行うことが望ましい。なお、分散状態の変化率は、たとえば、中空シリカ粒子を製造する際における、中空シリカ粒子前駆体の水中への分散条件を調整する方法などにより制御することができる。
また、本発明の中空シリカ粒子は、空隙率が20体積%以上であることが好ましく、より好ましくは30~50体積%、さらに好ましくは40~50体積%である。
<中空シリカ粒子の製造方法>
本発明の中空シリカ粒子は、たとえば、次の方法により製造することができる。
すなわち、界面活性剤を含有する水溶液を用いて、ベシクルを形成させることで、ベシクル含有水溶液を得るベシクル形成工程と、
前記ベシクル含有水溶液に、前記中空シリカ粒子を形成するための、中空シリカ粒子前駆体を添加する前駆体添加工程と、
前記中空シリカ粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液を、5~95℃、およびpH=9~12の条件下で、回転せん断型分散機を用いて、100~5000rpmの回転数にて、処理回数1~200回の条件にて、せん断分散処理を行うことで、前記中空シリカ粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液中に含まれる、前記中空シリカ粒子前駆体を、該水溶液中で反応させることで、中空シリカ粒子を含有する水分散液を得る反応工程と、
前記反応工程により得られた中空シリカ粒子を含有する水分散液について乾燥を行うことで、乾燥状態の中空シリカ粒子を得る乾燥工程と、
前記乾燥工程により得られた中空シリカ粒子について洗浄を行う洗浄工程と、を備える製造方法により製造することができる。
(ベシクル形成工程)
ベシクル形成工程は、界面活性剤等を含有する水溶液を用いて、ベシクルを形成させることで、ベシクル含有水溶液を得る工程である。
界面活性剤としては、ベシクルを形成可能な界面活性剤であればよく、特に限定されない。なお、ここで、ベシクルとは、界面活性剤により形成される二分子膜閉鎖小胞体を意味する。本発明で用いる界面活性剤としては、鎖状構造含有イオン性界面活性剤が好ましく、鎖状構造含有カチオン界面活性剤がより好ましい。また、リン脂質などからなるリポソームでもよいが、鎖上構造含有カチオン界面活性剤がより好ましい。
鎖状構造含有カチオン界面活性剤としては、二鎖型カチオン界面活性剤、一鎖型カチオン界面活性剤などを用いることができ、その使用態様としては、二鎖型カチオン界面活性剤を単独で用いる態様や、二鎖型カチオン界面活性剤と一鎖型カチオン界面活性剤とを組み合わせて用いる態様などが挙げられるが、より微細で、よりシャープな粒子径分布を有する中空シリカ粒子を好適に得ることができるという観点より、二鎖型カチオン界面活性剤と一鎖型カチオン界面活性剤とを組み合わせて用いる態様が好ましい。また、これらに、アニオン界面活性剤を組み合わせて用いてもよい。二鎖型カチオン界面活性剤と、一鎖型カチオン界面活性剤と、を併用する場合における、これらの比率は、「二鎖型カチオン界面活性剤:一鎖型カチオン界面活性剤」のモル比で、好ましくは6/4~9.5/0.5であり、より好ましくは8/2~9/1である。これらの比率を上記範囲内とすることで、形成されるベシクルのサイズを好適に調整することができ、結果として、得られる中空シリカ粒子をより微細なものとすることができる。
二鎖型カチオン界面活性剤としては、特に限定されず、従来、ベシクルの製造に用いられている二鎖型カチオン界面活性剤を使用することができる。二鎖型カチオン界面活性剤としては、たとえば、炭素数12~20のアルキル基を2個有するものが挙げられ、その具体例としては、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムブロミド等のジアルキルジメチルアンモニウム塩;ポリオキシエチレン付加ジヘキサデシルジメチルアンモニウム塩、ポリオキシエチレン付加ジオクタデシルジメチルアンモニウム塩等のポリオキシエチレン付加ジアルキルジメチルアンモニウム塩;等が挙げられる。これらのなかでも、アルキル基の炭素数が12~20であるジアルキルジメチルアンモニウム塩が好ましく、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミドがより好ましい。
一鎖型カチオン界面活性剤としては、特に限定されず、従来、ベシクルの製造に用いられている一鎖型カチオン界面活性剤を使用することができる。一鎖型カチオン界面活性剤としては、たとえば、炭素数12~20のアルキル基を1個有するものが挙げられ、その具体例としては、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド(DTAB)、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロミド等のアルキルトリメチルアンモニウム塩;ポリオキシエチレン付加ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩、ポリオキシエチレン付加オクタデシルトリメチルアンモニウム塩等のポリオキシエチレン付加アルキルトリメチルアンモニウム塩;ヘキサデシルピリジニウムブロミド、オクタデシルピリジウニウムブロミド等のアルキルピリジニウム塩;ヘキサデシルイミダゾリウムブロミド、オクタデシルイミダゾリウムブロミド等のアルキルイミダゾリウム塩;等が挙げられる。これらのなかでも、アルキル基の炭素数が12~20であるアルキルトリメチルアンモニウム塩が好ましく、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミドがより好ましい。
アニオン界面活性剤としては、たとえば、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレン付加アルキル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、N-アシルアルキルタウリン酸、α-オレフィンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩等が挙げられる。このうち、アルキル基の炭素原子数が8~20のアルキル硫酸塩が好ましい。
ベシクル形成工程において、ベシクル形成に用いる、界面活性剤を含有する水溶液の調製方法としては、特に限定されないが、界面活性剤と、水とを攪拌する方法などが挙げられる、水としては、イオン交換水や蒸留水、超純水等を用いることができるが、超純水を用いることが好ましい。界面活性剤と、水とを攪拌する方法としては、これらを均一に混合できるような方法とすればよく、特に限定されない。また、界面活性剤を含有する水溶液中における、界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.5~5重量%である。
次いで、このようにして調製される界面活性剤を含有する水溶液を用いて、ベシクルを形成させることで、ベシクル含有水溶液を得る。界面活性剤を含有する水溶液中において、界面活性剤によるベシクルを形成させ、これにより、ベシクル含有水溶液を得る方法としては、特に限定されないが、界面活性剤を含有する水溶液について、分散機を使用した分散処理を行う方法が好ましい。
分散処理に用いる分散機としては、特に限定されないが、超音波振動機、高圧ホモジナイザー、または回転せん断型分散機などが挙げられるが、比較的大きいスケール(好ましくは10~1000L、より好ましくは100~1000L)での製造を可能とするという観点より、高圧ホモジナイザー、または回転せん断型分散機を用いることが好ましい。
高圧ホモジナイザーとは、ポンプにより流体を加圧しながら、流路中の非常に微細な間隙から噴出させることにより、粒子間の衝突、圧力差によるせん断力等の総合エネルギーによって分散を行う装置である。高圧ホモジナイザーによる処理条件としては、特に限定されないが、圧力条件としては、好ましくは10MPa以上であり、より好ましくは30MPa以上、さらに好ましくは100MPa以上、特に好ましくは140MPa以上である。
高圧ホモジナイザーとしては、対向衝突型高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザー、湿式ジェットミル)が好ましく、分散処理に供する界面活性剤を含有する水溶液を一直線上で対向衝突させるような装置が好ましい。
回転せん断型分散機とは、分散刃を有し、回転するローターと、分散刃を有するステーターとの間に、流体を通過させ、流体にせん断力を与えて分散させる分散機である。回転せん断型分散機の中でも、高速回転する細かなスリットを持つリング状刃物を構造の一部に有する回転せん断分散機がより好ましく、特に、このような構造を有する回転せん断分散機によれば、スリット間で発生する流体力学的な衝撃波が、分散処理に供する界面活性剤を含有する水溶液の分散に有効に作用するものである。回転せん断型分散機としては、たとえば、マイルダー(太平洋機工社製)、トップファイナー(相川鉄工社製)、VFポンプ(新浜ポンプ社製)等が挙げられる。
また、界面活性剤を含有する水溶液を用いて、ベシクルを形成させることで、ベシクル含有水溶液を得る際には、界面活性剤を含有する水溶液のpHを、好ましくは9~12、より好ましくは10~11.7、さらに好ましくは11~11.7に調整した状態にて、ベシクルを形成させることが好ましい。たとえば、上述した分散機を用いた分散処理により、ベシクルを形成させる場合には、界面活性剤を含有する水溶液のpHを上記範囲として、分散機による分散処理を行えばよい。pHを上記範囲として、ベシクルを形成させることにより、形成されるベシクル径を比較的小さなものとすることができ、これにより得られる中空シリカ粒子をより微細な粒子径を有するものとすることができる。なお、pHの調整には、通常、アルカリ物質が用いられる。アルカリ物質としては、たとえば、アンモニア、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられ、アンモニアが好ましい。
(前駆体添加工程)
前駆体添加工程は、上記したベシクル形成工程において調製したベシクル含有水溶液に、中空シリカ粒子を形成するための、中空シリカ粒子前駆体を添加する工程である。
前駆体添加工程においては、ベシクル含有水溶液に、中空シリカ粒子前駆体を添加することで、ベシクル構造中に、中空シリカ粒子前駆体を取り込んだ形とすることができる。すなわち、中空シリカ粒子前駆体を、ベシクル構造中に取り込まれた状態にて、ベシクル含有水溶液中に含有させることができる。
中空シリカ粒子前駆体としては、ケイ素原子を含有する化合物を用いることが好ましく、下記一般式(1)で表されるアルコキシシランを用いることがより好ましい。
SiR(OR)4-x (1)
(上記一般式(1)中、Rはアルキル基を表し、xは0~3の整数である。)
上記一般式(1)中、Rとしては、たとえば、炭素原子数1~10のアルキル基が挙げられ、炭素原子数1~6のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素原子数1~4のアルキル基がより好ましい。xは、0~2の整数であることが好ましく、0または1であることが好ましく、0であることが特に好ましい。上記一般式(1)で表されるアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどが挙げられるが、これらのなかでも、テトラエトキシシランがより好ましい。
前駆体添加工程において、ベシクル含有水溶液中における、中空シリカ粒子前駆体の含有割合が、0.5~10重量%となるように、中空シリカ粒子前駆体を添加することが好ましく、より好ましくは1~8重量%であり、さらに好ましくは2~6重量%である。
また、前駆体添加工程において、ベシクル含有水溶液中における、中空シリカ粒子前駆体の含有割合を、上記ベシクル形成工程において用いた界面活性剤との関係で、「界面活性剤:中空シリカ粒子前駆体」の重量比率で、1:0.5~1:5となる量とすることが好ましく、1: 1~1:3となる量とすることがより好ましい。中空シリカ粒子前駆体の含有割合を、上記範囲とすることにより、微細な粒子径を有する中空シリカ粒子を効率的に得ることができる。
また、前駆体添加工程においては、ベシクル含有水溶液に、中空シリカ粒子前駆体を添加した後、攪拌操作を行うことが好ましい。この際における撹拌温度は、好ましくは15~35℃であり、攪拌翼の先端速度は、好ましくは0.5から5m/秒である。また、撹拌時間は、好ましくは30分~24時間であり、より好ましくは1~12時間、さらに好ましくは1~3時間である。
(反応工程)
反応工程は、上記した前駆体添加工程において調製した、中空シリカ粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液を、5~95℃、およびpH=9~12の条件下で、回転せん断型分散機を用いて、100~5000rpmの回転数にて、処理回数1~200回の条件にて、せん断分散処理を行うことで、中空シリカ粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液中に含まれる、中空シリカ粒子前駆体を、該水溶液中で反応させることで、中空シリカ粒子を含有する水分散液を得る工程である。
反応工程においては、ベシクル構造中に取り込まれた状態の中空シリカ粒子前駆体を反応させるものであり、これにより中空状のシリカ粒子を得ることができるものである。
反応工程において、中空シリカ粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液中に含まれる、中空シリカ粒子前駆体を反応させる方法としては、特に限定されないが、中空シリカ粒子前駆体について、該水溶液に含有された状態のまま、シリカ形成反応を進行させる方法が好ましい。
反応工程における反応条件としては、反応温度を5~95℃、好ましくは5~90℃、より好ましくは10~80℃、さらに好ましくは20~75℃、特に好ましくは20~35℃とし、pHを、9~12、好ましくは10~11.7、より好ましくは11~11.7に調整した状態にて反応を行う。
反応工程における反応温度およびpHを上記範囲とすることにより、シリカ形成反応が進行し過ぎないような適度な範囲とすることができ、これにより、得られる中空シリカ粒子のシラノール基残量を効果的に高めることができ、結果として、得られる中空シリカ粒子を製膜性に優れたものとすることができる。また、これに加えて、得られる中空シリカ粒子の分散状態の変化率を低くすることができ、これにより、得られるフィルムの反射率を低くすることができる。反応温度が低すぎると、シリカ形成反応の進行が不十分となり、中空シリカ粒子の形成が困難となり、一方、高すぎると、シリカ形成反応が進行し過ぎてしまい、得られる中空シリカ粒子のシラノール基残量が低くなりすぎてしまう。また、pHが低すぎると、分散状態の変化率が高くなりすぎてしまい、フィルムとした場合における、反射率が高くなってしまい、一方、pHが高すぎると、反応工程における反応の進行が不十分となり、中空シリカ粒子の形成が困難となる。なお、反応工程におけるpHは、酸性物質あるいはアルカリ物質を、中空シリカ粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液に添加することで調整してもよいし、また、前駆体添加工程において調製した、中空シリカ粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液のpHが、既に上記した範囲にある場合には、pH調整を行わずに、そのまま使用してもよい。酸性物質としては、塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられ、塩酸が好ましい。アルカリ物質としては、上述したものを用いることができる。
また、反応工程における反応は、上述した分散処理に用いる分散機として例示した、回転せん断型分散機を用いるものであり、回転数条件を、100~50000rpm、好ましくは1000~50000rpm、より好ましくは3000~50000rpm、さらに好ましくは8000~25000rpmとし、回転するローターと、分散刃を有するステーターとの間のパス回数(処理回数)を、1~200回、好ましくは1~150回、より好ましくは5~150回、さらに好ましくは10~100回とする。反応工程における反応を、回転せん断型分散機を用いて行い、かつ、回転数条件およびパス回数(処理回数)を上記範囲とすることにより、せん断分散による中空シリカ粒子の破壊を抑制しながら、シリカ形成反応を十分に進行させることができる。反応工程における反応時間は、特に限定されないが、好ましくは1分~10時間、より好ましくは3分~5時間、さらに好ましくは5分~2時間である。
なお、せん断分散による中空シリカ粒子の破壊を抑制しながら、シリカ形成反応を十分に進行させることができる方法であれば、回転せん断型分散機を用いる方法に特に限定されず、たとえば、超音波振動機、あるいは高圧ホモジナイザーを用いる方法を採用してもよい。この際における、高圧ホモジナイザーによる処理条件としては、特に限定されないが、圧力条件としては、好ましくは0.01~0.8MPaであり、より好ましくは0.01~0.6MPa、さらに好ましくは0.01~0.5MPaである。
(乾燥工程)
乾燥工程は、上述した反応工程により得られた中空シリカ粒子を含有する水分散液について乾燥を行うことで、乾燥状態の中空シリカ粒子を得る工程である。
乾燥工程における、乾燥条件としては、特に限定されないが、減圧条件下で、好ましくは30~95℃、より好ましくは50~95℃、さらに好ましくは70~90℃にて乾燥を行うことが好ましい。なお、乾燥時間は、特に限定されないが、好ましくは5分~48時間、より好ましくは15分~36時間、さらに好ましくは1時間~8時間である。
また、乾燥工程においては、上記条件にて乾燥を行う前に、上述した反応工程により得られた中空シリカ粒子を含有する水分散液について、予め濃縮処理を行い、次いで、濃縮処理により得られた濃縮液について乾燥を行う方法を採用してもよい。
中空シリカ粒子を含有する水分散液について、濃縮処理を行う方法としては、特に限定されないが、遠心分離による方法、限外ろ過による方法、または湿式サイクロンを用いる方法などが挙げられる。
(洗浄工程)
洗浄工程は、上記した乾燥工程により得られた中空シリカ粒子について洗浄を行う工程である。
本発明の製造方法においては、乾燥工程により得られた中空シリカ粒子について、洗浄を行うことにより、ベシクル形成に用いた界面活性剤を、中空シリカ粒子中から効果的に除去することができる。特に、本発明の製造方法においては、反応工程における反応条件を上述したようなシリカ形成反応が進行し過ぎないような条件とすることで、得られる中空シリカ粒子をシラノール基残量が高められたものとすることができるため(シリカ形成反応の進行が適度な範囲となり、中空シリカ粒子を構成するシェル部分を比較的柔軟なものとすることができるため)、洗浄による、中空シリカ粒子中の界面活性剤の含有量を効果的に低減できるものである。
洗浄に用いる溶媒としては、特に限定されないが、アルコール、ケトン、エーテル等を用いることができるが、界面活性剤をより効率的に除去・回収できるという観点より、アルコールが好ましく、エタノールがより好ましい。また、中空シリカ粒子の原料となる中空シリカ粒子前駆体として、上記一般式(1)で表されるアルコキシシランを用いた場合には、対応するアルコールを用いることが好ましく、これにより、回収した界面活性剤を再利用する際に、不純物の混入による生産性の低下を効果的に防止することができる。すなわち、たとえば、上記一般式(1)で表されるアルコキシシランとして、テトラエトキシシランを用いた場合には、中空シリカ粒子を得る際に、反応副生成物として、エタノールが生成するが、洗浄工程において用いる溶媒として、同じエタノールを使用することで、不純物の混入を抑制することができるものである。
洗浄方法としては、特に限定されないが、溶媒中に中空シリカ粒子を分散させ、攪拌する方法などが挙げられる。この際における攪拌条件としては、特に限定されないが、好ましくは15~35℃、0.5から5m/秒の撹拌翼先端速度にて、1~24時間攪拌する方法などが挙げられる。あるいは、ボルテックスミキサーを用いて攪拌を行ってもよい。
また、溶媒による洗浄を行った後、洗浄後の分散液について、濃縮処理を行うことが好ましく、濃縮処理を行う方法としては、特に限定されないが、遠心分離による方法、限外ろ過による方法、または湿式サイクロンを用いる方法などが挙げられる。
そして、濃縮を行った洗浄液について、乾燥を行うことにより、中空シリカ粒子を得ることができる。乾燥条件としては、粉末状の中空シリカ粒子を得ることができるような方法とすればよく、特に限定されないが、減圧条件下で、好ましくは30~95℃、特に50~95℃にて乾燥を行うことが好ましい。
なお、本発明の製造方法によれば、洗浄により界面活性剤を除去することにより、たとえば、加熱により界面活性剤の除去を行う場合と比較して、得られる中空シリカ粒子の加熱による劣化や特性変化の発生を抑制することができ、さらには、用いた界面活性剤を中空シリカ粒子の製造に好適に再利用することができる。すなわち、洗浄工程においては、濃縮処理により分離された洗浄後の溶媒から界面活性剤を回収し、回収した界面活性剤を、中空シリカ粒子の製造に再利用することが好ましい。また、このような観点からも、中空シリカ粒子の原料となる中空シリカ粒子前駆体として、上記一般式(1)で表されるアルコキシシランを用いた場合には、対応するアルコールを用いることが好ましい。
また、洗浄工程においては、洗浄後の中空シリカ粒子について、再度、溶媒による洗浄、および濃縮処理を行ってもよく、得られる中空シリカ粒子に含まれる界面活性剤の含有量が所望の水準に低下するまで、このような操作を繰り返し行うことができる。
<中空シリカ粒子の分散液>
本発明の中空シリカ粒子の分散液は、上述した本発明の中空シリカ粒子を分散媒中に分散させることにより得られるものである。
分散媒としては、特に限定されず、用いられる用途に応じて選択すればよいが、たとえば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、グリセリン、N-メチルピロリドン、ピリジン、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒が挙げられる。また、フィルムなどの成形体に成形する際に、良好に成形を行うことができるという観点より、分散媒としては、上記した各種有機溶媒中に高分子を含有する高分子溶液を用いてもよく、高分子としては、用いられる用途に応じて選択すればよいが、熱硬化性高分子および熱可塑性高分子のいずれであってもよい。熱硬化性高分子としては、たとえば、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ベークライト、尿素樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂などが挙げられる。また、熱可塑性高分子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリシクロオレフィン、1,2-ポリブタジエンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、PAN、ABS樹脂、AS樹脂、塩化ビニル、PVAなどのビニル系樹脂;テフロン(登録商標)などのフッ素系樹脂;PET、PBTなどのポリエステル系樹脂;ナイロン66、ナイロン6などのポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマーなどの特殊樹脂;などが挙げられる。
中空シリカ粒子を、分散媒中に分散させる方法としては、特に限定されないが、分散機として、超音波振動機、高圧ホモジナイザー、または回転せん断型分散機を用いることが好ましく、これらの中でも、高圧ホモジナイザー、または回転せん断型分散機を用いるがより好ましい。
本発明の中空シリカ粒子の分散液中における、中空シリカ粒子の含有割合は、用いられる用途に応じて選択すればよいが、好ましくは0.01~50重量%、より好ましくは0.1~40重量%、さらに好ましくは0.1~30重量%である。
また、本発明の中空シリカ粒子の分散液は、超音波分散させた後、温度25℃の条件において、15分間静置した際における、分散状態の変化率が、好ましくは18%以下であり、より好ましくは16%以下、さらに好ましくは15%以下であり、分散状態の変化率の下限は、特に限定されないが、通常1%以上である。なお、この際における、分散媒の種類や、中空シリカ粒子の分散液中のける、中空シリカ粒子の濃度は、特に限定されない。中空シリカ粒子の分散液の分散状態の変化率を上記範囲とすることにより、得られるフィルムを、反射率がより低減されたものとすることができる。
<フィルム>
本発明のフィルムは、上述した中空シリカ粒子の分散液を製膜することにより得られるものである。
中空シリカ粒子の分散液を製膜する方法としては、特に限定されないが、スピンコート法やバーコート法などにより基板上に塗布し、形成された塗膜を乾燥させる方法などが挙げられる。このようにして形成される本発明のフィルムは、基材上に形成された状態のままで、あるいは、基材から剥離して用いることできる。
本発明のフィルムの厚みは、好ましくは10~500nmであり、より好ましくは30~250nmである。
本発明のフィルムは、上述した本発明の中空シリカ粒子を用いて得られるものであるため、製膜性に優れ、白濁等の不具合の発生が有効に抑制されたものであり、さらには、反射率が低いものである。そのため、本発明のフィルムは、反射防止膜用途に好適に用いられるものである。
以下、実施例により本発明が詳細に説明されるが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、以下の「部」は、特に断りのない限り、重量基準である。なお、各種の物性は以下のように測定した。
<中空形成性の評価>
水中に、得られた中空シリカ粒子を1重量%の割合となるように添加し、次いで、超音波バス(株式会社エスエムテー製)により、出力100Wにて、28kHz±10Hzの超音波振動を2時間与えることで、超音波分散させることで、中空シリカ粒子の分散液を得た。そして、得られた中空シリカ粒子の分散液を、水で10倍に希釈し、次いで、これをコロジオン支持膜の上に滴下し、乾燥させることにより測定サンプルを得て、測定サンプルについて透過型電子顕微鏡(TEM)による観察を行い、以下の基準により、中空形成性の評価を行った。なお、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察は、500×500nmの視野に対して行った。
〇:いずれも中空粒子となっており、観察視野中に、割れが発生している粒子がなかった。
△:中空粒子となっているが、観察視野中に、割れが発生している粒子が1~10個確認された。
×:中空粒子となっているが、観察視野中に、割れが発生している粒子が11個以上確認された。
<凝集物の有無>
上記と同様にして、超音波分散を行うことで、中空シリカ粒子の分散液を得て、得られた超音波照射後の分散液(超音波照射直後の分散液)について目視で凝集物の確認を行った。
〇:超音波照射後凝集物が確認されなかった。
×:超音波照射後凝集物が確認された。
<個数平均粒子径の測定>
上記中空形成性の評価と同様にして、測定サンプルを得て、同様に、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察を行い、100個の粒子の粒子径を測定し、これを算術平均し、得られた値を、個数平均粒子径とした。
<界面活性剤の含有量>
洗浄工程において、遠心分離の軽液として発生した界面活性剤のエタノール溶液について、乾燥によりエタノールを除去する処理を行うことで、界面活性剤(すなわち、ジドデシルジメチルアンモニウムブロマイド(DDAB)およびドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(DTAB))の回収量を測定し、使用した界面活性剤と、測定により得られた回収量と、中空シリカ粒子の収量とから、中空シリカ粒子中の界面活性剤の含有量を測定した。
<シラノール基残量>
得られた中空シリカ粒子を乳鉢にて粉末状にし、0.1gを秤量し、サンプル容器中に入れ、これにクロムアセチルアセトナート/アセトン溶液を1mL添加して振り混ぜた。次いで、アセトンをウォーターバスで乾燥した後、さらに、真空乾燥機にて3時間乾燥することで、測定サンプルを得た。そして、得られた測定サンプルを用いて、固体NMR測定を行った。固体NMR測定は、緩和試薬を利用して行った。固体NMR測定により得られた、Si-O結合に対応するピーク面積に対する、Si-(OSi)基に対応するピーク面積の比率(モル%)を求め、Si-(OSi)基に対応するピーク面積に対する残部を、シラノール基残量(モル%)として求めた。すなわち、本実施例においては、Si-O結合を構成するケイ素原子は、Si-(OSi)基を形成しているか、あるいは、シラノール基を形成しているか(すなわち、Si(OSi)(OH)、Si(OSi)(OH)、または、Si(OSi)(OH))のいずれかであるといえるため、このような方法により、シラノール基残量を測定した。
<分散状態の変化率の測定>
得られた中空シリカ粒子と、メチルエチルケトンとを、中空シリカ粒子の濃度が1重量%となるようにサンプル容器中に入れ、これに対し、超音波分散を行うことにより、中空シリカ粒子の分散液を得た。なお、超音波分散は、超音波バス(株式会社エスエムテー製)を用い、出力100Wにて、28kHz±10Hzの超音波振動を2時間与えることで行った。そして、中空シリカ粒子の分散液を測定セルに入れ、超音波分散による分散直後(超音波分散による分散後15秒後)の中空シリカ粒子の分散液について、分光光度計(型式「U-5100」、日立ハイテクサイエンス社製)にて、500nmの透過率の測定を行った。次いで、測定セル内で、温度25℃の条件下、15分間静置した後の中空シリカ粒子の分散液について、再度、分光光度計にて、500nmの透過率の測定を行った。なお、透過率の測定は、測定セルに入っている分散液の液高さを100%とした場合に、液面から50%の高さ位置に対して行った。そして、得られた測定結果から、下記式に従って、分散状態の変化率を算出した。
分散状態の変化率={|分散直後の分散液の透過率-分散後15分間静置した後の分散液の透過率|/分散直後の分散液の透過率}×100
<製膜性>
ガラス基板上に形成した反射防止フィルムについて、目視により白濁の有無を確認することで、製膜性を評価した。白濁が発生した場合には、製膜性に劣ると判断される。
<反射防止フィルムの反射率>
ガラス基板上に形成した反射防止フィルムについて、反射防止フィルムを形成した面と反対側の面に、黒のラッカースプレー(大日本塗料社製、ラッカースプレーつや消し黒)を塗布し乾燥させ、これを測定用試料とした。そして、調製した測定用試料に対し、紫外可視近赤外分光光度計(製品名「UV-3600」、島津製作所社製)を用いて、反射率の測定を行った。
<実施例1>
(ベシクル形成工程)
超純水1964gに、二鎖型カチオン界面活性剤であるジドデシルジメチルアンモニウムブロマイド(DDAB)34g、および一鎖型カチオン界面活性剤であるドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(DTAB)1.8gを添加して混合することで、2000gの界面活性剤を含有する水溶液を調製した。次いで、調製した界面活性剤を含有する水溶液にアンモニア水を添加して、界面活性剤混合水溶液のpHを11.5に調整した。次いで、pHを調製した界面活性剤混合水溶液について、回転せん断型分散機(商品名「マイルダー MDN303V」、太平洋機工社製)を用いて、温度25℃、回転数15,000rpmの条件にて、60分分散処理を行うことで、ベシクルを形成させ、ベシクル含有水溶液を得た。なお、この際における、回転せん断型分散機へのパス回数(処理回数)は、100回とした。
(前駆体添加工程)
次いで、上記にて得られたベシクル含有水溶液の全量を用い、これに、中空シリカ粒子前駆体としてのテトラエトキシシラン80gを添加し、25℃、撹拌翼を備えた撹拌容器にて、撹拌翼先端速度500rpmで2時間攪拌を行うことで、中空シリカ粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液を得た。
(反応工程)
次いで、上記にて得られた、中空シリカ粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液(pH=11.5)について、回転せん断型分散機(商品名「マイルダー MDN303V」、太平洋機工社製)を用いて、温度25℃、回転数15,000rpmの条件にて、30分間分散処理を行うことで、シリカ形成反応を進行させ、中空シリカ粒子の水分散液を得た。なお、この際における、回転せん断型分散機へのパス回数(処理回数)は、50回とした。
(乾燥工程)
次いで、上記にて得られた中空シリカ粒子の水分散液について、エバポレータにより、温度80℃、4時間の条件で乾燥を行うことで、洗浄前の中空シリカ粒子56gを得た。
(洗浄工程)
そして、上記に得て得られた洗浄前の中空シリカ粒子の全量をバイアルに入れ、ここに、300mLのエタノールを入れた後、ボルテックスミキサーを使用して、10秒間の条件で攪拌させることにより、エタノールによる洗浄を行った。次いで、洗浄後のエタノール分散液について、遠心分離装置(型式「H-2000B」、コクサン社製)を用いて、5,000rpm、30分間の条件で遠心分離を行うことで、濃縮処理を行い、軽液として、界面活性剤のエタノール溶液を、重液として、エタノール含有中空シリカ粒子を得た。次いで、濃縮により得られた重液について、再度、エタノールによる洗浄、および濃縮操作を、合計で4回となるように行った。最後に、濃縮により得られた重液について、デシケータ内で乾燥を行うことにより、中空シリカ粒子20.5gを得た。そして、得られた中空シリカ粒子を用いて、中空形成性、凝集物の有無、個数平均粒子径、界面活性剤の含有量、シラノール基残量、および分散状態の変化率の各測定・評価を行った。結果を表1に示す。
(中空シリカ粒子のスラリーの調製)
得られた中空シリカ粒子と、メチルエチルケトンとを、中空シリカ粒子の濃度が3重量%となるように容器中に入れ、これに対し、超音波バス(株式会社エスエムテー製)を用い、出力100Wにて、28kHz±10Hzの超音波振動を30分与えることで、超音波分散を行った。次いで、得られた分散液について、ナノ分散装置(製品名「ナノヴェイダ」、吉田機械工業社製)を用いて、180MPaの条件にて、分散処理することで、中空シリカ粒子の分散液を得た。また、これとは別に、ポリメチルメタクリレートと、メチルエチルケトンとを、ポリメチルメタクリレートの濃度が3重量%となるように、容器中に入れ、スターラーにて、1時間攪拌を行い、次いで、ナノ分散装置(製品名「ナノヴェイダ」、吉田機械工業社製)を用いて、180MPaの条件にて、分散処理することで、ポリメチルメタクリレートのメチルエチルケトン溶液を得た。そして、得られた中空シリカ粒子の分散液と、ポリメチルメタクリレートのメチルエチルケトン溶液とを、体積比率で、シリカ粒子(比重 0.8 ):ポリメチルメタクリレート(比重:1.2)を60:40の割合で混合し、ナノ分散装置(製品名「ナノヴェイダ」、吉田機械工業社製)を用いて、180MPaの条件にて、分散処理を行うことで、中空シリカ粒子のスラリーを得た。
(反射防止フィルムの製造)
上記にて得られた中空シリカ粒子のスラリーを、回転させたガラス基板上に、スポイトにて滴下することで、スピンコートによるフィルム形成を行い、これにより、ガラス基板上に反射防止フィルムを形成した。そして、得られた反射防止フィルムについて、製膜性および反射率の測定を行った。結果を表1に示す。
<実施例2>
反応工程において、回転せん断型分散機の回転数を10,000rpmに変更した以外は、実施例1と同様にして、中空シリカ粒子、中空シリカ粒子のスラリー、および反射防止フィルムを得て、同様に測定を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
反応工程において、中空シリカ粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液として、塩酸によりpHを8に変更したものを用いたこと、および、回転せん断型分散機を用いた分散処理に代えて、中空シリカ粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液を、攪拌羽根を備えた攪拌装置にて500rpmで2時間攪拌した後、オートクレーブを用いて、pHを8に調整した、中空シリカ粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液について、0.5MPaの加圧条件下、反応温度:150℃、反応時間:6時間の条件で水熱反応を行うことで、シリカ形成反応を進行させたこと以外は、実施例1と同様にして、中空シリカ粒子、中空シリカ粒子のスラリー、および反射防止フィルムを得て、同様に測定を行った。結果を表1に示す。
<比較例2>
反応工程において、回転せん断型分散機を用いた分散処理に代えて、中空シリカ粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液を、攪拌羽根を備えた攪拌装置にて500rpmで2時間攪拌することで、シリカ形成反応を進行させたこと以外は、実施例1と同様にして、中空シリカ粒子、中空シリカ粒子のスラリー、および反射防止フィルムを得て、同様に測定を行った。結果を表1に示す。
<比較例3>
反応工程において、中空シリカ粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液として、塩酸によりpHを8に変更したものを用いたこと、および、回転せん断型分散機を用いた分散処理に代えて、中空シリカ粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液を、攪拌羽根を備えた攪拌装置にて500rpmで2時間攪拌することで、シリカ形成反応を進行させたこと以外は、実施例1と同様にして、中空シリカ粒子、中空シリカ粒子のスラリー、および反射防止フィルムを得て、同様に測定を行った。結果を表1に示す。
<比較例4>
反応工程において、回転せん断型分散機の回転数を50rpmに変更した以外は、実施例1と同様にして、中空シリカ粒子、中空シリカ粒子のスラリー、および反射防止フィルムを得て、同様に測定を行った。結果を表1に示す。
<比較例5>
反応工程において、回転せん断型分散機へのパス回数(処理回数)を300回に変更した以外は、実施例1と同様にして、中空シリカ粒子、中空シリカ粒子のスラリー、および反射防止フィルムを得て、同様に測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 0007218651000001
比較例2,4,5については、メチルエチルケトン中に、中空シリカ粒子が分散しなかったため(分散処理後、即座に分離したため)、分散状態の変化率の測定を行うことができなかった。
表1に示すように、個数平均粒子径が100nm以下、シラノール基残量が35モル%以上、界面活性剤の含有割合が20重量%以下であり、分散状態の変化率が18%以下である中空シリカ粒子によれば、フィルム化した際に白濁が発生せず、製膜性に優れ、また、得られるフィルムは、反射率が低いものであった(実施例1,2)。
一方、シラノール基残量が35モル%未満であり、界面活性剤の含有割合が20重量%超である中空シリカ粒子は、これをフィルム化した際に白濁が発生する結果となった(比較例1)。
また、メチルエチルケトンに対する分散性を示さない中空シリカ粒子は、分散液とすることができず、フィルム形成ができないものであった(比較例2,4,5)。
さらに、分散状態の変化率が18%超である中空シリカ粒子は、フィルムとした場合に、反射率が高くなる結果となった(比較例3)。

Claims (4)

  1. 粒子内部に、1または2以上中空部を有する中空シリカ粒子であって、
    個数平均粒子径が100nm以下、シラノール基残量が35モル%以上、界面活性剤の含有割合が20重量%以下であり、
    メチルエチルケトン中に、1重量%の濃度で超音波分散させた後、温度25℃の条件において、15分間静置した際における、分散状態の変化率が18%以下である中空シリカ粒子。
  2. 請求項1に記載の中空シリカ粒子を分散媒中に分散させてなる、中空シリカ粒子の分散液。
  3. 請求項2に記載の中空シリカ粒子の分散液を製膜してなるフィルム。
  4. 粒子内部に、1または2以上中空部を有する中空シリカ粒子を製造する方法であって、
    界面活性剤を含有する水溶液を用いて、ベシクルを形成させることで、ベシクル含有水溶液を得るベシクル形成工程と、
    前記ベシクル含有水溶液に、前記中空シリカ粒子を形成するための、中空シリカ粒子前駆体を添加する前駆体添加工程と、
    前記中空シリカ粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液を、5~95℃、およびpH=9~12の条件下で、回転せん断型分散機を用いて、100~50000rpmの回転数にて、処理回数1~200回の条件にて、せん断分散処理を行うことで、前記中空シリカ粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液中に含まれる、前記中空シリカ粒子前駆体を、該水溶液中で反応させることで、中空シリカ粒子を含有する水分散液を得る反応工程と、
    前記反応工程により得られた中空シリカ粒子を含有する水分散液について乾燥を行うことで、乾燥状態の中空シリカ粒子を得る乾燥工程と、
    前記乾燥工程により得られた中空シリカ粒子について洗浄を行う洗浄工程とを備える中空シリカ粒子の製造方法。
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