JP7217510B2 - 容器の破断開封構造 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、食品、医薬品、化粧品等の液状、ペースト状、粉末状、顆粒状、錠剤状等の各種内容物を入れる容器の破断開封構造に関する。本発明は、包装体、紙パック等の各種容器の開封構造として好適に適用できるものである。
従来、食品、医薬品、液体等の内容物を必要に応じて取り出すことができる包装体としては、様々なものが多数提案されている。そのような構成として、柔軟性のある合成樹脂フィルムで袋形の包装体を構成し、その包装体の一側縁部を両手の指で摘まんで左右に引き裂くようにして開封する方法が知られている。
また、合成樹脂フィルム等で形成した袋本体の開口部に雌雄咬合式の樹脂製チャックを貼着した、チャック付きの密封袋も知られている。この種のチャック付き密封袋は、咬合式のチャックの開閉が自在で、しかも、開封後もチャックを閉じることにより袋内を容易に密封できることから、例えば、医薬品や食品,雑貨等を収納する袋として広く普及している。
また、本発明者は、下記特許文献1において、薄肉体に設けた厚肉部の破断開封部を簡単かつ容易に破断開封することができるとともに、収容部に封入した内容物を、厚肉部の破断開封した破断開封部からスムーズに取り出すことができる包装体の破断開封構造を提案している。
一方、広く内容物を入れた容器の開封の方法を考えると、多種多様な開封方法が開発、提供されている。容器における開封構成としては、例えば、螺合、嵌合、切り離し、引き出し等の各種の形態が例示できる。
特開2015-101370
上記従来技術においては、以下のような課題があった。
まず、袋の一側縁部を両手の指で摘んで、左右に引き裂くようにして開封する方法は、操作が難しい人が多く存在するという課題がある。
これは、摘まんだ部分が変形しやすいので、例えば、身障者や老人、子供等の摘まむ力が弱い人の場合、柔軟性を有する包装体を引き裂くように開封することは難しいのである。
大人の健常者でも開封する際に、引き裂き方が悪く、斜めに傾いたりすると、内容物がこぼれ落ちるなどの不都合が生じていた。
また、上記チャック付き密封袋は、チャックを開く際に指で挟持する袋の上部シート端部を摘むことが必要であり、指先の動きが良くない人であると、指が滑ってチャックを上手く開けないという課題があった。
本発明者が提案した特許文献1は非常に有用な技術であるが、開封構造の初期状態が平面形状かつ厚肉シートを折り曲げて内容物を出す構成なので、内容物が多量にある容器や、開口部が長い又は平面的に大きい容器などでは、採用することが難しいという課題があった。
内容物を収容する容器一般では、事情はもっと深刻である。即ち、容器から内容物を取り出すためには、それぞれの容器における開口部において、螺合、嵌合、切り離し、引き出し等の力のいる操作が必要な容器が多数あるからである。これは、容器の種類毎に開封するための器具が多数種類、製造、販売されていることからも、容器から内容物を取り出すことに苦労している人が多いことが分かる。
また、開口部を開封するためには、力だけでなく微妙で繊細な指の操作が必要な場合も多く、誰でも間違いなく簡単な操作で弱い力でも確実に容器を開封することができる技術は、食品分野、医療分野のみならず、あらゆる分野における包装体や各種容器において望まれている技術であった。
特に高齢化社会に入った日本やその他の国においては、その要望は切実であると言える。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は上記従来技術の課題を解決できる容器の破断開封構造を提供することにある。
具体的な目的の一例を示すと、以下の通りである。
(a)身障者や老人、子供などの弱い力であっても単純な操作で確実に開封できる各種容器の破断開封技術を提供する。
(b)多種多様な包装体や各種容器においても採用することが簡単であり、螺合、嵌合などの従来の方法に比べて操作が単純で分かりやすく簡単に開封できる技術を提供する。
なお、上記に記載した以外の発明の課題、その解決手段及びその効果は、後述する明細書内の記載において詳しく説明する。
本発明は多面的に表現できるが、例えば、代表的なものを挙げると、次のように構成したものである。
本発明に係る容器の破断開封構造は、容器の開口部に設けられる破断開封構造であって、
回動可能な硬さを有する互いに向かい合う一対のシート材と、
前記一対のシート材の間に設けられ、前記開口部を封止する封止部材と、を有し、
前記封止部材は破断開封部を備え、
前記一対のシートが互いに向かい合う閉じた状態を脱して内側の前記シート材の端部を基端として前記一対のシート材の上部が開くように回動操作された場合に、前記破断開封部が破断して前記開口部が開いた状態になるように構成してあることを特徴とする。
この構成であれば、シート材を閉じた状態から下方に向けて回動操作するだけで、テコのように封止部材の破断開封部に大きな力をかけることができるので、力の弱い人や指の動きが不自由な人でも簡単に開封することができる。
本発明に係る他の実施形態は、前記一対のシート材が向かい合った状態を維持する密着手段を設けたことを特徴とする。
密着の程度は完全に密着する必要はなく、意図しないで回動することを抑制する程度の密着であればよい。
この構成であれば、シート材が意図せぬ状態で回動して開封することを抑制することができる。
本発明に係る他の実施形態は、前記一対のシート材の間に断面視でU字形又はV字形に折り曲げたシート状物を前記一対のシート材に固定することで、前記封止部材を構成したことを特徴とする。
この構成であれば、シート状物を一対のシート材の間に折り曲げて固定するという簡単な構成で確実に開口部を封止することができる。
本発明に係る他の実施形態は、前記一対のシート材に前記シート材を持ちやすいように摘み部を設けたことを特徴とする。
この構成であれば、摘み部をシート材に設けることで、摘み部を手で持ってシート材を操作できるので、回動操作が行いやすくなる。
本発明に係る他の実施形態は、前記密着手段を封止部材の開放後も、再封止できる再封止型密着手段で構成したことを特徴とする。
この構成であれば、一度、破断して開封した後も再封止型密着手段で閉じることができるので、内容物の保護などにおいて優れ、衛生的でもある。
本発明に係る他の実施形態は、前記一対のシート材における縦方向の配置において、前記密着手段よりも前記封止部材を、より前記開口部側に設けたことを特徴とする。
この構成であれば、密着手段よりも封止部材を、より開口部側に設けたことでシート材の外部に晒される領域を少なくできるとともに封止部材を開口部に近い位置に配置することで回動操作においてテコの原理を作用させやすくなり、開封しやすくなる。
本発明に係る他の実施形態は、前記開口部の横方向にわたって一対のシート材を連結する連結部を設け、前記連結部を前記封止部材としたことを特徴とする。
この構成であれば、封止部材として多種多様な連結部を採用することができ、その連結部を破断することで内容物を取り出すことができる。
本発明に係る他の実施形態は、前記開口部の横方向にわたって一対のシート材を接着する接着部を設け、前記接着部を前記封止部材としたことを特徴とする。
この構成であれば、封止部材として接着部で構成することで簡単に封止部材を構成することができる。
本発明に係る他の実施形態は、破断時に封止部材が当接する前記シート材の部分に破断用凹凸部を設けたことを特徴とする。
この構成であれば、破断用凹凸部を設けることで簡単に封止部材の破断を行うことができる。
本発明に係る他の実施形態は、前記回動操作によって前記一対のシート材が垂直方向となす破断設定角度を30°~180°に設定したことを特徴とする。
この構成であれば、この角度範囲に設定することで、封止部材を破断する構成を得ることができる。
本発明に係る他の実施形態は、前記容器から延びる一対の接続端部が前記一対のシート材に固定されていることを特徴とする。
この構成であれば、容器に簡単に破断開封構造を設けることができる。
本発明に係る他の実施形態は、前記一対のシート材の内側端部がそれぞれ対向した状態から上方に折れ曲がる時に前記破断開封部が破断するように構成したことを特徴とする。
この構成であれば、シート材の端部が封止部材に力のかかる状態がテコの原理となり、一対のシート材を回動操作するだけで簡単に封止部材を破断することができる。
本発明に係る他の実施形態は、前記シート材が前記容器を構成する材料で構成されていることを特徴とする。
この構成であれば、容器の構成材料をそのままシート材として使用できるので構造が簡単にできる。
本発明に係る他の実施形態は、前記シート材が前記容器の表面に接するように折られており、開封時には前記シート材を起こして破断開封することを特徴とする。
この構成であれば、容器から突設された部分をなくして、破断開封構造を守ることができる。
本発明に係る他の実施形態は、前記破断開封構造が設けられた前記容器の上部位置において、切欠部または破り線によって前記開封破断構造を構成する前記開口部領域を特定したことを特徴とする。
この構成であれば、容器の上部位置において必要な領域を破断開封構造に区画することができる。
本発明に係る他の実施形態は、前記破断開封構造が設けられた前記容器の上部位置において前記破断開封構造を構成する部材が折込線によって折り込まれており、開封状態では前記折込線によって前記開口部を広げるように構成したことを特徴とする。
この構成であれば、折込線によって開口部を広げることができる。
本発明に係る他の実施形態は、前記容器を構成する4側面から上方に延びる4個の天板を設け、それらの4個の前記天板のうち、一方の互いに対向する一対の前記天板を傾斜した屋根板とするとともに、他方の対向する一対の前記天板のうち、一方側の前記天板を一対の前記屋根板の間で中央側に引き寄せるように折り込む折り込み板とし、他方側の前記天板を前方に引き出して口部を形成し、前記口部の上部に前記破断開封構造を構成して閉じるとともに、屋根板の上部及び折り込まれた前記折り込み板の上部を合わせ状に接合固定したことを特徴とする。
この構成であれば、ゲーブルトップ型容器に口部を有する破断開封構造を簡単に形成することができる。
本発明に係る他の実施形態は、前記開口部が常に平面的広がりを有する平面開口部であって、前記平面開口部を覆う2つの平面材を当接又は近接させた状態で前記一対のシート材をそれぞれの前記平面材に固定することで前記破断開封構造を構成したことを特徴とする。
この構成であれば、平面材を蓋材として使用することができ、平面的広がりを有する平面開口部であっても破断開封構造を設けることができる。
本発明に係る他の実施形態は、基板に基板開口を設け、前記基板開口を覆うように前記一対のシート材を立設させて構成した成形体を常に平面的広がりを有する平面開口部に取り付けることで前記破断開封構造を構成したことを特徴とする。
成形体としては射出成形体が例示できる。
本発明に係る他の実施形態は、常に平面的広がりを有する平面開口部に、蓋材開口を有する蓋材を取り付け、その蓋材に前記成形体を固定したことを特徴とする。
本発明に係る他の実施形態は、前記一対のシート材の間に設ける前記封止部材を、前記シート材の間を封止する薄い一体成形層で形成したことを特徴とする。
本発明に係る他の実施形態は、容器の平面部に平面的に広がりのある取出穴を設けることで前記開口部とし、前記取出孔から前記破断開封構造に繋げる口具を有しており、前記口具が平面的に広がりのある容器側口と破断開封構造に連接できる開封側端部口とを備えていることを特徴とする。
この構成であれば、平面的に広がりのある取出穴に略板形状の破断開封構造を取り付ける場合に口具が、形状の違いを吸収して接続を良好にできる。
本発明に係る他の実施形態は、前記一対のシート材の両端縁部をシールしたことを特徴とする。
以上説明したように、本発明であれば、身障者や老人、子供などの弱い力であっても単純な操作で確実に開封できる各種容器の破断開封技術を提供できた。また、多種多様な包装体や各種容器においても採用することが簡単であり、螺合、嵌合などの従来の方法に比べて操作が単純で分かりやすく簡単に開封できる技術を提供できた。
図1は、本発明の第1実施形態を袋形の容器に適用した構成を示す説明図であり、(a)は容器の正面図、(b)は(a)のb-b線縦断面図、(c)はc-c線横断面図、(d)は(c)に示す袋形の容器の端部を拡大した断面図である。である。 図2は、図1に示した容器の部分の詳細を示す図であり、(a)は図1(a)の幅方向の端部の拡大図、(b)は(a)のb-b線縦断面図、(c)は(b)のc-c線横断面図、(d)は封止部材に設けた破断弱部としての凹部を説明する図、(e)は封止部材に設けた破断弱部としての破断線を示す図である。 図3は、図2に示す構成の動作を示す図であり、(a)は傾斜角度θ1が約30°に回動した状態を示す縦断面図、(b)は傾斜角度θ1が約90゜に回動した状態を示す縦断面図、(c)は傾斜角度θ1が約170°に回動した状態を示す縦断面図、(d)は完全にシート材が開いて内容物が取り出せる状態を示す縦断面図である。 図4は、容器の破断開封構造を説明するための図であり、(a)は紙パックなどの端部材の要部縦断面図、(b)はシート材の幅方向の中央部に折れ線が設けられた構成を示す正面図、(c)は折れ線で外方に開くように菱形状に開いた状態を示す横断面図である。 図5は、牛乳や各種飲料を入れるゲーブルトップ型容器に適用した場合を示す図であり、(a)はゲーブルトップ型容器の一例を示す斜視図、(b)は本実施形態に係る斜視図、(c)はその側面図、(d)は開いた状態を示す斜視図、(e)は本実施形態をゲーブルトップ型容器に適用した他の構成を示す斜視図である。 図6は、紙等で構成される各種容器の立体形状容器に破断開封構造を適用した図であり、(a)は立方体形の容器を示す斜視図、(b)は三角錐形の容器を示す斜視図、(c)は底部が円形で上部が扁平に閉じた容器の正面図、(d)は底部が円形で上部が扁平に閉じた容器の側面図である。 図7は、封止部材の変形例を示す図であり、(a)はシート材の一部で封止部材を構成した実施形態の未開封状態を示す図、(b)はその実施形態において少し回動した状態を示す図、(c)は前記実施形態において完全に破断した状態を示す図、(d)は接着部によって封止部材を構成した実施形態の未開封状態を示す図、(e)はその実施形態において少し回動した状態を示す図、(f)は接着部を有する前記実施形態において完全に破断した状態を示す図である。 図8は、平面部を有する容器に破断開封構造を採用した実施形態を説明するための図であり、(a)はその容器の正面縦断面図、(b)はその容器の側面縦断面図、(c)は概略平面図、(d)は破断開封構造の開いた状態の要部縦断面図である。 図9は、平面部を有する容器に破断開封構造を採用した他の実施形態を説明するための図であり、(a)は概略平面図、(b)はその閉じた状態の成形体の縦断面図、(c)はその開いた状態の縦断面図、(d)は平面部を有する容器全体の縦断面図、(e)は射出成形体の構成を示す縦断面図、(f)はその平面図である。 図10は、円柱形容器に口具を介して破断開封構造を設けた構成の一例を示す斜視図である。 図11は、本実施形態に係る摘み部の一例を示す斜視図である。 図12は、袋状の容器の斜め上部位置に本実施形態に係る破断開封構造が設けられた実施形態である。 図13は、容器のフィルム部材がシート材の内部に設けられた構成を示す図であり、(a)は未開封状態を示す縦断面図、(b)は開封された後の状態を示す縦断面図である。 図14は、シート材の変形例を示す縦断面図である。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づき説明する。
なお、本明細書において上、上部又は下、下部とは、容器(1)の開口部(4)から内容物(3)を出す方向を上と呼び、開口部(4)から見て内容物(3)が存在する方向を下と呼んでいる。容器の開口部(4)は通常、上下方向の上に設けられることが多いが、左右方向、斜め方向、下方向にも設けられる場合がある。その場合でも請求項の表現としては、容器の開口部(4)から出る方向は上方向としてある。また、本明細書において垂直方向(上下方向)と直交する方向を幅方向又は左右方向として記載している。
[第1実施形態]
図1は第1実施形態を示す容器(1)の破断開封構造(2)を説明するための図である。
図1及び図2に示すように、この実施形態では、内容物(3)を入れる容器(1)としての袋部の一部に開口部(4)を設け、その開口部(4)に破断開封構造(2)を設けてある。この実施形態では、容器(1)は、四角形状の包装体であり、横左右方向と底部を所定幅シールすることによってシール部(9)を形成してある。通常の袋容器においては、角形の上辺に相当する位置に開口部(4)が設けられていることが多い。
破断開封構造(2)は、回動可能な硬さを有する互いに向かい合う一対のシート材5と、
一対のシート材(5)の間に設けられ、容器(1)側にある開口部(4)を封止する封止部材(7)と、を少なくとも含んで構成してある。
必要により、一対のシート材(5)を向かい合った状態でその向かい合った状態を所定程度密着して維持する密着手段(6)が設けられる。
この他には、図1では省略しているが、必要によって、シート材(5)を操作するための摘み部(8)を有している。
また、容器の開口部(4)から上方に延びる一対の接続端部(14)を有している。一対の接続端部(14)は一対のフィルム状又はシート状端部で構成されることが多く、そのようなフィルム状又はシート状端部は容器を構成する側面材料シートで構成することもできる。
封止部材(7)には破断開封部が形成される。
本実施形態では、一対のシート材(5)が互いに向かい合う閉じた状態を脱してシート材(5)の内側の端部を基端として一対のシート材(5)の上部が開くように回動操作された場合に、破断開封部が破断して開口部(4)が開いた状態になるように構成してある。
以下、各構成要素について説明する。
[容器(1)]
本明細書において「容器」とは、包装体を含み、扁平な形状の容器、立体的な容器を含む意味で用いている。容器を構成する材料としては、例えば、紙製、合成樹脂シートなどが一般的に採用されるが、容器の材料は限定されない。ガラス、陶器等の容器でも本発明を適用できる可能性がある。
また、容器(1)に入れる内容物(3)は、液状、ペースト状、粉末状、顆粒状、錠剤状等の大きさに関係のない内容物(3)である。内容物(3)の種類は食品であることが多いが、その他にも薬品や洗浄剤、乾燥剤などの生活用品なども採用できる。また、包装材として考えた場合には、商品の種類に関係なく各種商品の外装材の開封構造としても適用できる。
なお、指先の動きが制限された、病人やお年寄り等が毎日飲む医薬の包装体としても好適に使用することができる。
[シート材(5)]
シート材(5)は手で持って回動できる硬さを有するものであれば、材料、材質は限定されない。シート材(5)としては、腰のある合成樹脂製、紙製、木製、金属製、非金属製やそれらの複合シートが使用できる。
シート材(5)の平面形状は、多くは開口部(4)を覆うことができる横幅を有しており、ある程度の硬さのあるシート物を四角形状に切り出されて使用されることが多い。
シート材(5)を厚肉部材で構成することも可能である。
また、シート材(5)は薄板形状のものが採用されることが多いが、平板形状だけでなく広く形状を採用することができる。例えば、押出成形、射出成形などで生産した異形状であってもよい。
図14はその一構成例であり、シート材(5)の内側の端部が左右方向に延びる円柱形に形成してあり、その円柱形端部(32)の上又は下に封止部材(7)を設けてある構成が示してある。
シート材(5)の厚みは、容器を構成する部材の大きさや内容物(3)の形状重さ等で決定する。例えば、通常の食品用の容器であれば、0.1~5mm程度が妥当である。
シート材(5)を互いに向かい合うように配置する構成は、通常は略平行に設ける構成が採用される。但し、図14に示すように必要であれば、密着手段(6)が機能することができる範囲において、若干傾ける構成を除外するものではない。
また、シート材(5)の開口部(4)側の端部に破断用凹凸部(図示せず)を設けて、封止部材(7)の破断を容易にする構成を採用してもよい。破断用凹凸部は封止部材(7)を破断しやすくする形状ならば、どのような構成でもよい。
また、一対のシート材(5)は互いように向かい合うように所定距離を置いて設けられている。シート材(5)の間には僅かな隙間(30)(図2(b)参照)が設けられ、その隙間(30)の上方位置には密着手段(6)が設けられ、下方位置には封止部材(7)が設けられている。
シート材(5)と容器(1)を構成する部材の接着に関しては、シート材(5)の片面は封止部材(7)の接着であり、もう一方の片面は容器(1)を構成する部材との接着である構成を採用することもできる。
シート材(5)は後述する実施形態のように容器(1)の一部で代用することができる。例えば、図5及び図6に示すように紙パックの上部接合部材自体でシート材(5)を構成してもよい。
[密着手段(6)]
密着手段(6)の機能は、少なくともシート材(5)が意図せぬ状態で回動して開封することを抑制する機能が要求される。また、必要により封止部材(7)や開口部(4)が外部に晒されて汚れることを抑制する機能を持たせることができる。
密着手段(6)の2つの機能をともに備えた構成として、シート材(5)の意図しない開きを防止又は抑制する機能とともに、ゴミ、ホコリ等の侵入を防ぐ機能を持たせることも可能である。
密着手段(6)を設けることで、開く操作を行わないときは、開放状態でないある程度閉じた状態に維持できるので、シート材(5)の内面が外部に露出せず、衛生的でもあるという効果を得ることができる。
上記密着手段(6)の開封防止の観点から考えると、密着手段(6)は各種の構成が採用できる。例えば、前記したような雄型、雌型の嵌合構造を備えたチャック、一方に切り込みを設けて突片を差し込んで固定する構成、先端域を折り曲げて係止する構成等が例示できる。また、一対のシート材(5)が密着したような構成になるものであれば特別に部材や接着剤等を設けることも必要としない形態も本発明においては採用できる。例えば、図14に示すような、自然にシート材(5)の先端が閉じた状態になるようなシート材(5)及び/又は封止部材(7)の形状、性質等を構成することもできる。
袋物の再封部材として、一般的に設けられている雄条型と雌条型を嵌合させて袋物の開閉を行うことができる構成以外の凹凸嵌合型密着部材も採用することもできる。
密着手段(6)として再封部材を採用することで、内容物(3)の変質防止、漏れや、こぼれ防止を図ることができる。また、破断開封後も容器(1)の開口部(4)を閉じた状態にすることができて衛生的である。
密着手段(6)は、その他にも各種の構成が考えられる。例えば、粘着性のある素材を一対のシート材(5)の上部内表面に設け、その粘着部材を重ね合わせることで、密着又は接着状態を作り出すことができる。
なお、密着手段(6)は必要により設けられる構成部材である。
[封止部材(7)]、
封止部材(7)は開封前の状態と破断状態を取り得る部材や材料であれば、特に限定されない。通常は、封止部材(7)はシート材(5)の開口部(4)側寄りに配置されることが多い。
採用される形態としては、図1及び図2に示すように、一対のシート材(5)の間に断面視でU字形又はV字形に折り曲げたフィルム状又はシート状物を前記一対のシート材(5)に固定する構成がある。
封止部材(7)には、図2(d)に示すように破断しやすいように凹部や切り欠きを設ける構成や、図2(e)に示すように、破断線(破線状の切り込み)を設ける構成も採用することができる。即ち、破断しやすい破断弱部(11)を封止部材(7)に設ける方法である。破断弱部(11)は、上記凹部、切り欠き、破断線だけでなく、封止部材(7)の厚さ等を薄くするなど各種の方法が採用し得る。
[封止部材(7)の変形例]
図7に示すように、図1及び図2に示す封止部材(7)以外にも、各種の封止部材(7)の構成が取り得る。
例えば、図7(a)(b)(c)に示す構成は、2つのシート材(5)の間に設けられたシート材(5)自身で封止部材(7)を構成し、連結したものである。具体的には一対の平板形のシート材(5)の先端部を連結する連結部(18)を設け、その連結部(18)が図7(a)から図7(b)へ、さらに図7(c)の状態へシート材(5)が回動することで破断するように構成してある。前記連結部(18)はシート材(5)を製造するときに、薄い帯体のような連結部分を設けることで簡単に製造できる。
図7(d)(e)(f)に係る構成は、図7(a)(b)(c)に係る構成がシート材(5)の素材自身で連結部(18)が構成されているのに対して、本構成は、別途、別の素材である接着部(19)を設けて一対のシート材(5)を連結した構成を示している。
例えば、そのような接着部(19)として、一対のシート材(5)の内側寄り端部域に横方向に延びる凸線状の接着剤を設けることで封止部材(7)を構成する方法がある。
[開口部(4)]
開口部(4)は容器(1)の所定位置に設けられる。前記したように、開口部(4)は、容器(1)の上部側の部分に設けることが多い。但し、吊下げた状態で開口部(4)から液体等を取り出す容器(1)の場合は、開口部(4)は下側に存在することもある。
[封止部材(7)に設けられる破断開封部]
封止部材(7)に設けられる「破断開封部」について言えば、本発明の意味は、シート材(5)の回動操作によって封止部材(7)が破断する部分というほどの意味である。破断の形態としては回動するシート材(5)の端面による破断や、回動するシート材(5)の離隔による破断等がある。
本発明において、図2(d)の凹部や切り欠きを設ける構成、図2(e)の破断線を設ける構成などが全く形成されていなくても破断開封部は存在する。
また、本明細書において「回動」とはほぼ回動中心回りにシート材(5)が移動する場合のみならず、回動中心が移動しつつシート材(5)が倒れるように移動する形態等を含んでいる。
[摘み部(8)]
摘み部(8)はシート材(5)の回動操作を行いやすくするための部材であり、手でシート材(5)をつかみやすくする構成ならどのような構成でも採用できる。
また、摘み部(8)は、必要に応じて設けられる部材であり、シート材(5)の厚さが大きい場合は、シート材(5)の上壁を持って破断することが可能であるので、摘み部(8)は不要である。図13は、摘み部(8)の一例を示す図であり、各シート材(5)に連接するそれぞれの摘み部(8)を前後に互い違いに設けた構成を示している。
この他にも、図7(d)~(f)に一例として示すように、各シート材(5)に固定されたフィルム形の部分を上方に延ばして摘み部(8)を構成することもできる。摘み部(8)は容器を構成する側面素材で構成することにより、製造コストを下げることができる。
[容器(1)の構成材料と破断開封構造]
容器(1)の開口部(4)と破断開封構造(2)を繋げるには、容器(1)の構成材料をシート材(5)に固定する方法が簡単である。なお、前記したように、容器(1)の側面材料自体でシート材(5)を構成することも可能である。
図1及び図2に示す構成では、四角形状の袋部を構成する合成樹脂フィルム(10)を開口部(4)から延出させてシート材(5)の外面に固定している。また、図13に示すように、合成樹脂フィルム(10)をシート材(5)の内面に固定する形態も採用できる。
[シール部(9)]
図1(a)で示すようにシール部(9)は袋形の容器(1)の外縁部がシールされる。また、図1(a)(c)(d)で示すように、一対のシート材(5)の外縁部は、縦方向の下半分程度がシール材(51)によってシールされている。シール材(51)によって、一対のシート材(5)の外縁部からゴミ等が侵入することを防止している。
[動作及び作用]
以下、主に図3を参照しつつ、本実施形態の動作及び作用について簡単に説明する。
図2(b)に示すシート材(5)が閉じた状態から、シート材(5)自体を掴んで、又は図3では図示しない摘み部(8)を持って、垂直線に対する傾斜角度(θ1)を大きくしていくように回動させる。図3(a)に示す状態では、傾斜角度(θ1)が約30°開いた状態の場合を示している。この状態から、さらに回動させていくと、図3(b)に示すように、傾斜角度(θ1)がほぼ90゜になり、この状態ではシート材(5)の内側の端部はほぼ互いに当接した状態になっている。さらに、回動させると、シート材(5)の内側(上方側)の角が封止部材(7)に突き上がるように移動するので図3(c)に示すように、簡単に封止部材(7)を開封することができることになる。図3(d)は一対のシート材(5)を引き離した開封状態を示す。
また、図3に示すように、破断開封部2を破断させる回動操作が、一対のシート材(5)の外側の端部が上に開いて内側の端部が閉じた上方に末広がりの状態から、一対のシート材(5)の開口部(4)側にある端部が接触して一対のシート材(5)が平面状になった状態を経た後、逆に一対のシート材(5)の外側の端部が下方に開いて内側の端部が閉じた下方に末広がりになる状態を経て行われるように構成することで、確実に封止部材(7)を破断させることができる。
図3(b)に示すように、各シート材(5)の傾斜角度(θ1)が約90゜になる付近の角度又は90゜を超えた角度周辺において破断する構成になっている。ここで破断する傾斜角度(θ1)については、適宜、設定が可能である。傾斜角度(θ1)が90゜に達する前に封止部材(7)に破断するように構成することもできる。傾斜角度(θ1)が30°から180゜の範囲において破断するように設定することもできる。
破断した状態では、一対のシート材(5)を連結する部材は存在しないので、図3(d)に示すように、離れた状態となって内容物(3)を取り出すことができる。
ここで、回動させるようにシート材(5)を移動させる利点は、シート材(5)の外側を持って一対のシート材(5)を回動させると、各シート材(5)の内側の端部は、テコの原理で小さな力で封止部材(7)に大きな力をかけることができ、封止部材(7)を破断しやすくなる点である。
[第2実施形態]
図4は本発明の第2実施形態を説明するための図である。
この実施形態では、所定形状にシート材(5)を折り曲げる折り線(13)(図4(a)では凹条で示す)をシート材(5)に予め設けておく実施形態である。折り線(13)を設ける目的としては、シート材(5)の形状を維持する構成や、開封後に内容物(3)を取り出しやすい形状にシート材(5)を変形させるための折り線(13)として使用する構成等が例示できる。なお、折り線(13)は図4では凹条で示しているが、凸条でも構成できる。
図4(a)に示す構成は、破断開封構造を構成するシート材(5)に対して、幅方向に延びる折り線(13)としての凹条を形成した構成である。この構成であるとシート材(5)が設けられた破断開封構造の部分を容器内側を広く、シート材(5)の上部を狭く閉じた構成を構成することができる。また、折り線(13)を設けることで、破断開封構造を折り曲げたりすることができる。
図4(b)(c)は一対のシート材(5)を開けるときに、開口部(4)が大きくなるように、シート材(5)の横幅方向の中央部に凸条としての折り線(13)を形成した構成である。この構成であれば、図4(c)に示すように開口部(4)が折り線(13)で外方に略菱形に折り曲がりやすくなり、開口部(4)を広くすることができる。
[第3実施形態]
図5は本発明の第3実施形態を説明するための図である。
この第3実施形態では、立体的な容器に本発明に係る破断開封構造を採用した例が示してある。
一般に、ゲーブルトップ型容器は、頂点が切妻屋根型に加工された箱型紙容器のことを言う。ゲーブルトップ型容器は製造しやすく、容器として流通しやすい形状であり、消費者にとって扱いやすい点などが高く評価され、現在、紙製の飲料容器として広く使用されている。
図5(a)に示すように、ゲーブルトップ型の角筒容器(1)は、その容器(1)を構成する4個の側面(33)から上方に延びる4個の天板(加工前の状態なので図示せず)を設け、それらの4個の天板のうち、一方の互いに対向する一対の天板を傾斜した屋根板(34)とするとともに、他方の対向する一対の天板を一対の屋根板(34)の間に互いに引き寄せるように折り込む折り込み板(35)とし、屋根板(34)及び折り込み板(35)を上部位置の接合部(36)として、合わせ状に接合固定した構成となっている。
そして、使用時には接合部(36)の接合を外して、一方の折り込み板(35)を前方に引き出して口部を形成し、内部の飲料を注ぎ出すように構成又は口をつけて飲めるように構成したものである。
このようなゲーブルトップ型容器(1)においても、折り込み板(35)を前方に引き出す操作は力のない又は指先の動きが十分でない人にとっては難しいものになっているのが現状である。
この課題に対して、本発明に係る破断開封構造を前記接合部(36)に設けることで、ゲーブルトップ型容器(1)を開けやすく、また開封後も閉じた状態にできる容器を簡単に提供することができる。
本発明に係る第1構成例としては、図5(b)に示すように、その容器を構成する4個の側面(33)から上方に延びる4個の天板を設け、それらの4個の天板のうち、一方の互いに対向する一対の天板を傾斜した屋根板(34)とするとともに、他方の対向する一対の天板のうち、一方側の天板を一対の屋根板(34)の間で中央側に引き寄せるように折り込む折り込み板(35)とし、他方側の天板を前方に引き出して口部(37)を形成し、その口部(37)の上部に本発明に係る破断開封構造(2)を構成して閉じるとともに、屋根板(34)の上部及び折り込まれた折り込み板(35)の上部を合わせ状に接合固定したものである。
この構成であれば、図5(b)(c)(d)に示すように、鳥の略嘴形の口部(37)が予め容器(1)に形成された状態で破断開封構造(2)によって封をしているので、開封後は折り込み板(35)を前方に引き出す操作が不要となり、菱形に開口部(4)を開けた図5(d)に示すように、飲みやすい容器とすることができる。なお、図5(d)のように開いた状態では、折り込み板(35)には二等辺三角形のような折込線(42)が形成されているので、図4(b)(c)に示す折り線(13)の作用とともに、菱形に大きく開口することが簡単にできる。
また、口部(37)が予め前方に突出しているので漏斗の口部のようにコップなどの飲料容器に液体を注ぎ込むことや、口部(37)に口をつけて飲むことが容易にできる。
また、従来の構成であれば、口部(37)を構成するために、折り込み板(35)を左右に広げた状態で、屋根板(34)の中央部に接続されている折り込み板(35)を指で摘むようにして引き出す操作が必要であり、注ぎ口に直接手が触れて衛生面に問題があったが、本実施形態の構成であれば、破断開封構造を開く操作は簡単に行えるので、口部(37)に指が触れる必要はなく、衛生的である利点がある。
本発明に係る第2構成例としては、図5(e)に示すように、ゲーブルトップ型の角筒容器(1)の折り方は図5(a)に示す従来例とほぼ同様とし、その接合部(36)の全部又は一部を上記各実施形態に係る破断開封構造(2)で置換した構成である。図5(e)に示すように接合部(36)の破断開封構造(2)が設けられる箇所を切欠部(16)で区画する構成も採用できる。
[第4実施形態]
図6に示す第4実施形態は、各種形状の立体型容器に破断開封構造(2)を適用した構成を示す斜視図である。
図6(a)は立方体形容器(1)を示す説明図である。この実施形態は、立方体形容器(1)の側面を延出して上部を閉じた後、立方体形の角辺になるように三角形耳辺(17)として側壁面(38)に折り返すようにした構成である。また、立方体形容器(1)の一対のシート材は容器の上壁面(39)に接するように倒されているので、内容物(3)を取り出すときはシート材を起こして、破断開封構造(2)の部分を開封することになる。破断開封構造(2)を設ける長さは適宜、設定でき、破り線(15)で破断開封構造の部分だけを切り離して、起こすことによって開封をすることができる。
図6(b)は三角錐形の容器(1)を示す説明図である。三角錐形容器(1)の側面を延出して上部又は側部を閉じた状態にした後、その一対の接続端部(14)に破断開封構造(2)を設けた構成にしてある。破り線(15)で破断開封構造(2)の部分だけを切り離すことによって開封をすることができるのは同様である。
図6(c)(d)はそれぞれ底部が円形又は楕円形で上部が扁平に閉じられた容器(1)の説明図であり、図(d)に示すように側面視において三角形で現れる容器(1)の一対の上端部に破断開封構造(2)を設けた構成である。
切欠部(16)や前記した破り線(15)は開口部(4)の幅を調整するために設けられたものであり、容器(1)の必要箇所に設けることができる。
[第5実施形態]
図8に示すように、第5実施形態は平面部を有する容器(1)に本実施形態に係る破断開封構造を設けた実施形態である。平面部としては容器(1)の蓋や上面である場合が多い。図8では、アイスクリームの容器のような円柱形又はカップ形の紙製容器(1)が示してある。
容器(1)の平面的な面である蓋材に破断開封構造(2)を構成するには、例えば、以下のような構成を採用することができる。
まず、容器(1)の開口部(4)を開いたときにだけ平面的に広がる構成ではなく、常に平面的な広がりを有する平面開口部(4a)を覆う蓋において、略半分に分割した一対の平面材(21)を用意する。その平面材(21)のそれぞれにシート材(5)を回動できる構成で固定することで、破断開封構造(2)を作る。そして、その平面材(21)を当接又は近接させた状態で蓋にシールすることで平面開口部(4a)を閉じた状態にする。シート材(5)の間に封止部材(7)を設けることは同じである。
例えば、図8に示す構成例で説明すれば、容器(1)は円形の平面開口部(4)を有しているので、略半円形の蓋材としての平面材(21)を2枚用意し、その平面材(21)の前記シート材(5)の構成シート(44)を重ねて接着して、内側の構成シート(44)を上方に折り曲げて前記シート材(5)を作るようにする。また、平面材(21)の外周部はシール部(9)とされ、蓋材として機能するようにしてある。シート材(5)は円形の平面開口部(4)の直径の長さを有しており、シート材(5)のそれぞれの両端縁はシールされている。
このような閉じた状態から、一対のシート材(5)を回動させると、図8(d)に示すように蓋材としての平面材(21)の閉じた状態は解除され、左右のシート材(5)を持って左右に開けるように蓋材のシールを剥がして、広げることで、容器(1)の平面開口部(4a)を開くことができる。
図9は、平面開口部(4a)を覆う構成の他の実施形態を示す図である。
この構成の特徴は、図9(a)(b)(c)に示すように、第1に、射出成形体(52)で破断開閉構造(2)を作るように構成した点である。射出成形体(52)は、基板(53)に基板開口(60)を設け、その基板開口(60)の左右に前記一対のシート材(5)を立設させて構成してある。
図9(b)に示すように基板(53)に対して立設されるシート材(5)は、折り線(13)を形成することなどにより、図9(c)に示すように回動することができるように構成してある。この構成であってもシート材(5)の回動操作に伴って、封止部材(7)を破断することで、基板開口(60)が露出するので、基板開口(60)から内部の液体等を取出したり、ストローなどを差し込むことで、内容物を飲んだり、取出したりすることができる。
図9(d)には平面開口部(4a)に蓋材開口(62)を有する蓋材(56)を取り付け、その蓋材(56)に前記した成形体(52)を固定することで、カップ形の紙容器(1)に破断開封構造(2)を設けた構成を示している。
図9(e)(f)はそれぞれ、封止部材(7)をシート材(5)の間を封止する薄い一体成形層(54)で形成した構成を示している。一体成形層(54)は射出成形を行うときに成形体(52)と同時に作られるので、製造コストを低くすることができる。また、図9(f)に示すように、一体成形層(54)よりも下側のシート材(5)の両端縁部をそれぞれ薄い一体成形層(55)でシールしている構成である。なお、このようなシート材(5)の両端縁部を閉じた状態にするためのシール材を設ける構成は、前記した各実施形態の構成においても採用することが好ましい。
図8及び図9の一対のシート材5間の隙間は狭いものであるが、図面では分かりやすいように大きく描いている。
[第6実施形態]
図10に示すように、第6実施形態も、容器の平面部に平面的に広がりのある取出穴(23)が設けてある。そして、取出穴(23)から破断開封構造に繋げる口具(24)を有している。口具(24)は、平面的に広がりのある容器側口(25)(例えば円形)と破断開封構造に接続できる一対の端部領域を有する開封側端部口(26)とを備えているので、取出穴(23)が、例えば円形の平面開口部(4a)であっても接続することが可能になる。
口具(24)の外観外形としては、図6(c)(d)の構成とよく似た形状となる。
[実施例1]
図1に示す構成で説明する。
四方をシールしたシール袋を容器(1)とし、そのシール袋の上部に本実施形態に係る破断開封構造を設けた実施例である。
容器部材は、ナイロン15μとポリエチレン40μの複合フィルムを用いた。シート材(5)はポリプロピレン(PP)300μの両面にポリエチレン(PE)40μをドライラミネート加工で接着し、幅80mm、長さ100mmを2枚用いた。
封止部材(7)は、アルミ箔25μの片面にポリエチエンと溶着可能なホットメルト接着剤を10μ程度塗工したものを幅20mm、長さ80mmに切って、シート材(5)を平坦に2枚並べ、アルミ箔を中心部に重ね、両部材のポリエチレン面同士を加熱圧着方式で溶着し、シート材(5)の上部に両面テープ(幅10mm、厚さ50μ)に長さ80mmに切って貼り付け、アルミ箔を内側下方向にして、V状に折り曲げ2枚を一体化した。
容器部材2枚の間に一体化されたシート材を挟み、左右端部10mm幅を加熱圧着方式で溶着し、上部のシート材(5)と容器部材を加熱圧着方式で溶着し、下部の開放部より水20ccを充填し、下部開放部を加熱圧着方式で溶着した。その袋部を平坦な木板の上に置き、袋部の上面よりの70kg荷重を分間かけたが、開口部(4)及び周囲からの漏れは発見できなかった。
[実施例2]
図6(a)に示す構成で説明する。
紙パック(厚み1mmの内側にPE40μを張り合わせたもの)120mm×70mm×35mmの上部に本実施形態に係る開口部を設けたもので、封止部材はアルミ箔の片面に溶着できるホットメルト接着剤を塗工したものを用いた。密着手段は両面テープ幅を用いた。
折り線(13)は上端部にある開封片の下部より15mmの位置に設けた。切欠部(16)(切り込み部とも言える)は深さ10mmのものを中心より各15mmの位置に設けた。また、開封時に大きく開くように開封用の折り線(13)を設けることにより開口部(4)が菱形形に開き、容器(1)より直接、口をつけて飲むことができる。
紙パックにはストローを貼り付けて販売している場合が多くあり、世界的な傾向としてストローの廃棄が問題になっている。しかし、本実施形態の破断開封構造を用いることによって、ストローを不要とすることができる。また、開口部では開封曲げ片が口に当たり、衛生的である。
実施形態、実施例の利点を箇条書きにまとめると以下のようになる。
(A)容器(1)として紙パック又は合成樹脂容器を使用した場合、ストローが不要で、開口部(4)より直接口をつけて飲める。また、開口部は内側の面が外側に折れ曲がっており、より衛生的な面に口を付けることになり好都合である。
(B)誰でも弱い力で開封できる。
(C)上部に設けられた密着手段(6)の構成を、再封機能を有するものとすることで、開封後も封をすることができて、内容物(3)のこぼれ落ち、劣化、変質等を防止できる。
(D)輸送時や店頭での整理時でも、振動や商品に何かが接触しても、開口部(4)からの漏れ等がない構造である。
(F)バリア性がよく、開封が簡単な容器の開封構造は現状では多くはない。本発明はバイア性のある封止部材(7)を適宜、必要な幅、広い幅や小さい幅でも使用することができ、安価に構成できるので、安価な容器の破断開封構造にも適用可能である利点がある。
(G)新規に容器(1)を開発する必要が少なく、既存の容器(1)を少し変形するだけで簡単に封止開封構造(2)を有する容器を提供できる。
本発明に係る容器の破断開封構造であれば、包装体、袋状容器、立体形状の容器や、紙パック、合成樹脂製容器など材質を問わず適用できる。また、内容物も液状、ペースト状、粉末状、顆粒状、錠剤状等の大きさに関係のない内容物を容器内に入れて、開封することができ、各種容器を扱う分野で広範囲に利用可能な容器の開封技術を提供するものであるから、産業上の利用可能性を有するものである。
1…容器
2…破断開封構造
4…開口部
4a…平面開口部
5…シート材
6…密着手段
7…封止部材
8…摘み部
9…シール部
15…破り線
16…切欠部
21…平面材
23…取出穴
24…口具
25…容器側口
26…開封側端部
33…側面
34…屋根板
35…折り込み板
36…接合部
37…口部
42…折込線
53…基板
60…基板開口
51…シール材
52…成形体
54…一体成形層
55…一体成形層
62…蓋材開口
θ1…シート材が垂直線となす傾斜角度

Claims (20)

  1. 容器の開口部に設けられる破断開封構造であって、
    互いに向かい合う回動可能な一対のシート材と、
    前記一対のシート材が向かい合った状態を維持する密着手段と、
    前記一対のシート材の間にU字形又はV字形に折り曲げたシート状物を前記一対のシート材に固定するように設けられ、前記開口部を封止する封止部材と、
    を有し、
    前記封止部材は破断開封部を備え、
    前記一対のシート材が互いに向かい合う閉じた状態を脱して内側の前記シート材の端部を基端として前記一対のシート材の上部が開き、内側の前記シート材の端部が互いに当接されて前記一対のシート材が平面状となり、さらに外側の前記一対のシート材の端部が下方に開いて、前記一対のシート材が互いに離れるように回動操作され、且つ、前記一対のシート材の内側の上方側の角が、前記封止部材に突き上がるように移動されて前記破断開封部が破断し、前記開口部が開いた状態になるように構成してあることを特徴とする、容器の破断開封構造。
  2. 前記一対のシート材に前記シート材を持ちやすいように摘み部を設けたことを特徴とする、請求項1に記載の容器の破断開封構造。
  3. 前記密着手段を封止部材の開放後も、再封止できる再封止型密着手段で構成したことを特徴とする、請求項1または2に記載の容器の破断開封構造。
  4. 前記一対のシート材における縦方向の配置において、前記密着手段よりも前記封止部材を、より前記開口部側に設けたことを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の容器の破断開封構造。
  5. 前記開口部の横方向にわたって一対のシート材を連結する連結部を設け、前記連結部を前記封止部材としたことを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の容器の破断開封構造。
  6. 前記開口部の横方向にわたって一対のシート材を接着する接着部を設け、前記接着部を前記封止部材としたことを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の容器の破断開封構造。
  7. 破断時に封止部材が当接する前記シート材の部分に破断用凹凸部を設けたことを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の容器の破断開封構造。
  8. 前記回動操作によって前記一対のシート材が垂直方向となす破断設定角度を30°~180°に設定したことを特徴とする、請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の容器の破断開封構造。
  9. 前記容器から延びる一対の接続端部が前記シート材の外側面又は内側面に固定してあることを特徴とする、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の容器の破断開封構造。
  10. 前記シート材が前記容器を構成する材料で構成されていることを特徴とする、請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の容器の破断開封構造。
  11. 前記シート材が前記容器の表面に接するように折られており、開封時には前記シート材を起こして破断開封することを特徴とする、請求項1~請求項10のいずれか一項に記載の容器の破断開封構造。
  12. 前記破断開封構造が設けられた前記容器の上部位置において、切欠部または破り線によって前記破断開封構造を構成する前記開口部領域を特定したことを特徴とする、請求項1~請求項11のいずれか一項に記載の容器の破断開封構造。
  13. 前記破断開封構造が設けられた前記容器の上部位置において前記破断開封構造を構成する部材が折込線によって折り込まれており、開封状態では前記折込線によって前記開口部を広げるように構成したことを特徴とする、請求項1~請求項12のいずれか一項に記載の容器の破断開封構造。
  14. 前記容器を構成する4側面から上方に延びる4個の天板を設け、それらの4個の前記天板のうち、一方の互いに対向する一対の前記天板を傾斜した屋根板とするとともに、他方の対向する一対の前記天板のうち、一方側の前記天板を一対の前記屋根板の間で中央側に引き寄せるように折り込む折り込み板とし、他方側の前記天板を前方に引き出して口部を形成し、前記口部の上部に前記破断開封構造を構成して閉じるとともに、屋根板の上部及び折り込まれた前記折り込み板の上部を合わせ状に接合固定したことを特徴とする、請求項1~請求項13のいずれか一項に記載の容器の破断開封構造。
  15. 前記開口部が常に平面的広がりを有する平面開口部であって、前記平面開口部を覆う2つの平面材を当接又は近接させた状態で前記一対のシート材をそれぞれの前記平面材に固定することで前記破断開封構造を構成したことを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の容器の破断開封構造。
  16. 基板に基板開口を設け、前記基板開口を覆うように前記一対のシート材を立設させて構成した成形体を常に平面的広がりを有する平面開口部に取り付けることで前記破断開封構造を構成したことを特徴とする、請求項15に記載の容器の破断開封構造。
  17. 常に平面的広がりを有する平面開口部に、蓋材開口を有する蓋材を取り付け、その蓋材に成形体を固定したことを特徴とする、請求項14~請求項16のいずれか一項に記載の容器の破断開封構造。
  18. 前記一対のシート材の間に設ける前記封止部材を、前記シート材の間を封止する薄い一体成形層で形成したことを特徴とする、請求項16または請求項17に記載の容器の破断開封構造。
  19. 容器の平面部に平面的に広がりのある取出穴を設けることで前記開口部とし、前記取出から前記破断開封構造に繋げる口具を有しており、前記口具が平面的に広がりのある容器側口と前記破断開封構造に連接できる開封側端部口とを備えていることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の容器の破断開封構造。
  20. 前記一対のシート材の両端縁部をシールしたことを特徴とする、請求項1~請求項19のいずれか一項に記載の容器の破断開封構造。
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