マッシブ多重入力多重出力(massive multiple-input multiple-output、Massive MIMO)技術では、複数のユーザ間の干渉、および同じユーザの複数の信号ストリーム間の干渉は、プリコーディングを通じて低減され得、これは、信号品質を改善し、空間多重化を実装し、スペクトル利用を改善する助けとなる。
現在、異なるシナリオに適合するように、コヒーレント送信、部分的なコヒーレント送信、および非コヒーレント送信など複数の送信形態が、アップリンク送信のために提案されている。しかし、現在のアップリンクコードブックでは、前述の複数の送信形態は、完全には考慮されていない。たとえば、2および3のランクを有するコードブックでは、部分的な非コヒーレント送信だけがサポートされる。4のランクを有するコードブックでは、非コヒーレント送信だけがサポートされる。端末デバイスが対応する能力を有する場合でさえ、端末デバイスの送信形態の柔軟性は、現在のコードブックによって制限される。
本願は、端末デバイスの送信柔軟性を改善するための通信方法、通信装置、およびシステムを提供する。
第1の態様によれば、通信方法であって、
ネットワークデバイスによって、プリコーディング行列インジケータPMIおよびランクインジケーションRIを送るステップを含み、PMIおよびRIは、コードブック内のプリコーディング行列を示すために使用され、プリコーディング行列のランクは1より大きく、
コードブックは、第1のタイプのプリコーディング行列、第2のタイプのプリコーディング行列、および第3のタイプのプリコーディング行列のうちの少なくとも2つのタイプを含み、第1のタイプのプリコーディング行列内の任意の行列の各列ベクトルは、1つだけの非ゼロ要素を含み、いずれか2つの列ベクトル内の非ゼロ要素は、異なる行内に位置し、第2のタイプのプリコーディング行列内の任意の行列の少なくとも1つの列ベクトルは、少なくとも1つのゼロ要素および少なくとも2つの非ゼロ要素を含み、第3のタイプのプリコーディング行列内の任意の行列内の各要素は、非ゼロ要素であり、第3のタイプのプリコーディング行列内の任意の行列のいずれか2つの列ベクトルは、互いに直交する、方法が提供される。
前述のコードブックに基づいて、端末デバイスが対応する能力を有するとき、端末デバイスは、コヒーレント送信、部分的なコヒーレント送信、および非コヒーレント送信のうちの少なくとも2つの送信形態で1つまたは複数のネットワークデバイスと通信し得る。したがって、端末デバイスの送信柔軟性が改善され、異なる送信形態が使用され、その結果、異なる送信要件を満たすことができ、リソース利用が改善される。
任意選択で、PMIおよびRIは、ダウンリンク制御情報(Downlink Control Information、DCI)内で搬送される。
第1の態様を参照して、第1の態様のいくつかの実装では、本方法は、
ネットワークデバイスによって、第1のインジケーション情報を送るステップをさらに含み、第1のインジケーション情報は、使用可能なプリコーディング行列のセットを示し、または第1のインジケーション情報は、使用可能なコードブックサブセットを示し、コードブックサブセットは、第1のタイプのプリコーディング行列、第2のタイプのプリコーディング行列、および第3のタイプのプリコーディング行列のうちの少なくとも1つのタイプを含む。
任意選択で、第1のインジケーション情報は、上位レイヤシグナリングにおいて搬送される。たとえば、上位レイヤシグナリングは、無線リソース制御(Radio Resource Control、RRC)メッセージまたはメディアアクセス制御(Media Access Control、MAC)制御要素(Control Element、CE)メッセージを含み得る。
任意選択で、第1のインジケーション情報は、コードブックサブセット制限(codebook subset restriction、CSR)である。
使用可能なプリコーディング行列は、PMIのビット数を制限し得る上位レイヤシグナリングを使用することによって示され、それによりPMIのビットオーバーヘッドを低減する。
任意選択で、第1のインジケーション情報はビットマップであり、ビットマップは、少なくとも1つのインジケーションビットを含み、第1のインジケーション情報が使用可能なプリコーディング行列のセットを示すとき、各インジケーションビットは、1つのプリコーディング行列に対応しており、各インジケーションビットは、対応するプリコーディング行列が使用可能なプリコーディング行列であるかどうかを示す。
任意選択で、第1のインジケーション情報はビットマップであり、ビットマップは、少なくとも1つのインジケーションビットを含み、第1のインジケーション情報が使用可能なコードブックサブセットを示すとき、各インジケーションビットは、1つのコードブックサブセットに対応しており、各インジケーションビットは、対応するコードブックサブセット内のプリコーディング行列が使用可能なプリコーディング行列であるかどうかを示す。
ビットマップを使用することによって使用可能なプリコーディング行列を示すことは、唯一の可能な実装であることを理解されたい。たとえば、ネットワークデバイスは、第1のインジケーション情報内で搬送されるインジケーションビットの異なる値を使用することによってプリコーディング行列の異なるタイプをさらに示し得る。
第1の態様を参照して、第1の態様のいくつかの実装では、本方法は、
ネットワークデバイスによって、第2のインジケーション情報を送るステップであって、第2のインジケーション情報は、離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重DFT-s-OFDM波形に対応するコードブックのセットを示すために使用される、ステップ、または
ネットワークデバイスによって、第3のインジケーション情報を送るステップであって、第3のインジケーション情報は、サイクリックプレフィックス直交周波数分割多重CP-OFDM波形に対応するコードブックのセットを示すために使用される、ステップをさらに含み、
DFT-s-OFDM波形に対応するコードブックのセットは、少なくとも1つのランクに対応する少なくとも1つのコードブックを含み、DFT-s-OFDM波形に対応するコードブックのセット内の各コードブックは、第1のタイプのプリコーディング行列および第2のタイプのプリコーディング行列を含み、CP-OFDM波形に対応するコードブックのセットは、少なくとも1つのランクに対応する少なくとも1つのコードブックを含み、CP-OFDM波形に対応するコードブックのセット内の各コードブックは、第1のタイプのプリコーディング行列、第2のタイプのプリコーディング行列、および第3のタイプのプリコーディング行列のうちの少なくとも2つのタイプを含み、第1のタイプのプリコーディング行列内の任意の行列の各列ベクトルは、1つだけの非ゼロ要素を含み、いずれか2つの列ベクトル内の非ゼロ要素は、異なる行内に位置し、第2のタイプのプリコーディング行列内の任意の行列の少なくとも1つの列ベクトルは、少なくとも1つのゼロ要素および少なくとも2つの非ゼロ要素を含み、第3のタイプのプリコーディング行列内の任意の行列内の各要素は、非ゼロ要素であり、第3のタイプのプリコーディング行列内の任意の行列のいずれか2つの列ベクトルは、互いに直交する。
任意選択で、第2のインジケーション情報は、上位レイヤシグナリングにおいて搬送される。
任意選択で、第3のインジケーション情報は、上位レイヤシグナリングにおいて搬送される。
上位レイヤシグナリングは、たとえば、RRCメッセージまたはMAC-CEメッセージを含み得る。
第2のインジケーション情報および第3のインジケーション情報は、2つの異なる上位レイヤシグナリングにおいて搬送され得、ネットワークデバイスは、同時に、第2のインジケーション情報を搬送するために使用される上位レイヤシグナリング、および第3のインジケーション情報を搬送するために使用される上位レイヤシグナリングのうちの1つだけを送り得ることに留意されたい。
CP-OFDM波形に対応するコードブックが第1のタイプのプリコーディング行列および第2のタイプのプリコーディング行列だけを含む場合、DFT-s-OFDM波形に対応するコードブックのセットおよびCP-OFDM波形に対応するコードブックのセットは、同じであることにさらに留意されたい。
第2の態様によれば、通信方法であって、
端末デバイスによって、プリコーディング行列インジケータPMIおよびランクインジケーションRIを受信するステップであって、PMIおよびRIは、コードブック内のプリコーディング行列を示すために使用され、プリコーディング行列のランクは1より大きい、ステップと、
PMIおよびRIを使用することによって決定されたプリコーディング行列に基づいて信号をプリコーディングし、プリコーディングされた信号を送るステップとを含み、
コードブックは、第1のタイプのプリコーディング行列、第2のタイプのプリコーディング行列、および第3のタイプのプリコーディング行列のうちの少なくとも2つのタイプを含み、第1のタイプのプリコーディング行列内の任意の行列の各列ベクトルは、1つだけの非ゼロ要素を含み、いずれか2つの列ベクトル内の非ゼロ要素は、異なる行内に位置し、第2のタイプのプリコーディング行列内の任意の行列の少なくとも1つの列ベクトルは、少なくとも1つのゼロ要素および少なくとも2つの非ゼロ要素を含み、第3のタイプのプリコーディング行列内の任意の行列内の各要素は、非ゼロ要素であり、第3のタイプのプリコーディング行列内の任意の行列のいずれか2つの列ベクトルは、互いに直交する、方法が提供される。
前述のコードブックに基づいて、端末デバイスが対応する能力を有するとき、端末デバイスは、コヒーレント送信、部分的なコヒーレント送信、および非コヒーレント送信のうちの少なくとも2つの送信形態で1つまたは複数のネットワークデバイスと通信し得る。したがって、端末デバイスの送信柔軟性が改善され、異なる送信形態が使用され、その結果、異なる送信要件を満たすことができ、リソース利用が改善される。
任意選択で、PMIおよびRIは、ダウンリンク制御情報DCI内で搬送される。
第2の態様を参照して、第2の態様のいくつかの実装では、本方法は、
端末デバイスによって、第1のインジケーション情報を受信するステップをさらに含み、第1のインジケーション情報は、使用可能なプリコーディング行列のセットを示し、または第1のインジケーション情報は、使用可能なコードブックサブセットを示し、コードブックサブセットは、第1のタイプのプリコーディング行列、第2のタイプのプリコーディング行列、および第3のタイプのプリコーディング行列のうちの少なくとも1つのタイプを含む。
任意選択で、第1のインジケーション情報は、上位レイヤシグナリングにおいて搬送される。上位レイヤシグナリングは、たとえば、RRCメッセージまたはMAC-CEを含み得る。
使用可能なプリコーディング行列は、PMIのビット数を制限し得る上位レイヤシグナリングを使用することによって示され、それによりPMIのビットオーバーヘッドを低減する。
任意選択で、第1のインジケーション情報はビットマップであり、ビットマップは、少なくとも1つのインジケーションビットを含み、第1のインジケーション情報が使用可能なプリコーディング行列のセットを示すとき、各インジケーションビットは、1つのプリコーディング行列に対応しており、各インジケーションビットは、対応するプリコーディング行列が使用可能なプリコーディング行列であるかどうかを示す。
任意選択で、第1のインジケーション情報はビットマップであり、ビットマップは、少なくとも1つのインジケーションビットを含み、第1のインジケーション情報が使用可能なコードブックサブセットを示すとき、各インジケーションビットは、1つのコードブックサブセットに対応しており、各インジケーションビットは、対応するコードブックサブセット内のプリコーディング行列が使用可能なプリコーディング行列であるかどうかを示す。
ビットマップを使用することによって使用可能なプリコーディング行列を示すことは、唯一の可能な実装であることを理解されたい。たとえば、ネットワークデバイスは、第1のインジケーション情報内で搬送されるインジケーションビットの異なる値を使用することによってプリコーディング行列の異なるタイプをさらに示し得る。
第2の態様を参照して、第2の態様のいくつかの実装では、本方法は、
端末デバイスによって、第2のインジケーション情報を受信するステップであって、第2のインジケーション情報は、離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重DFT-s-OFDM波形に対応するコードブックのセットを示すために使用される、ステップ、または
端末デバイスによって、第3のインジケーション情報を受信するステップであって、第3のインジケーション情報は、サイクリックプレフィックス直交周波数分割多重CP-OFDM波形に対応するコードブックのセットを示すために使用される、ステップをさらに含み、
DFT-s-OFDM波形に対応するコードブックのセットは、少なくとも1つのランクに対応する少なくとも1つのコードブックを含み、DFT-s-OFDM波形に対応するコードブックのセット内の各コードブックは、第1のタイプのプリコーディング行列および第2のタイプのプリコーディング行列を含み、CP-OFDM波形に対応するコードブックのセットは、少なくとも1つのランクに対応する少なくとも1つのコードブックを含み、CP-OFDM波形に対応するコードブックのセット内の各コードブックは、第1のタイプのプリコーディング行列、第2のタイプのプリコーディング行列、および第3のタイプのプリコーディング行列のうちの少なくとも2つのタイプを含み、第1のタイプのプリコーディング行列内の任意の行列の各列ベクトルは、1つだけの非ゼロ要素を含み、いずれか2つの列ベクトル内の非ゼロ要素は、異なる行内に位置し、第2のタイプのプリコーディング行列内の任意の行列の少なくとも1つの列ベクトルは、少なくとも1つのゼロ要素および少なくとも2つの非ゼロ要素を含み、第3のタイプのプリコーディング行列内の任意の行列内の各要素は、非ゼロ要素であり、第3のタイプのプリコーディング行列内の任意の行列のいずれか2つの列ベクトルは、互いに直交する。
任意選択で、第2のインジケーション情報は、上位レイヤシグナリングにおいて搬送される。
任意選択で、第3のインジケーション情報は、上位レイヤシグナリングにおいて搬送される。
上位レイヤシグナリングは、たとえば、RRCメッセージまたはMAC-CEメッセージを含み得る。
第2のインジケーション情報および第3のインジケーション情報は、2つの異なる上位レイヤシグナリングにおいて搬送され得、ネットワークデバイスは、同時に、第2のインジケーション情報を搬送するために使用される上位レイヤシグナリング、および第3のインジケーション情報を搬送するために使用される上位レイヤシグナリングのうちのいずれか1つだけを送り得ることに留意されたい。
CP-OFDM波形に対応するコードブックが第1のタイプのプリコーディング行列および第2のタイプのプリコーディング行列だけを含む場合、DFT-s-OFDM波形に対応するコードブックのセットおよびCP-OFDM波形に対応するコードブックのセットは、同じであってよいことにさらに留意されたい。
第3の態様によれば、装置が提供される。本願において提供される装置は、前述の方法の態様におけるネットワークデバイスまたは端末デバイスの挙動を実装する機能を有し、前述の方法の態様に記載のステップまたは機能を実装するように構成された対応する手段(means)を含む。これらのステップまたは機能は、ソフトウェア、ハードウェアまたはソフトウェアおよびハードウェアの組合せを使用することによって実装され得る。
可能な設計では、装置は、1つまたは複数のプロセッサと、通信ユニットとを含む。1つまたは複数のプロセッサは、前述の方法におけるネットワークデバイスの対応する機能を実施する、たとえば、PMIおよびRIを生成する際に装置をサポートするように構成される。通信ユニットは、受信する、および/または送る機能を実装する、たとえば、PMIおよびRIを送るために、別のデバイスと通信する際に装置をサポートするように構成される。
任意選択で、装置は、1つまたは複数のメモリをさらに含み得、メモリは、プロセッサに結合し、ネットワークデバイスに必要なプログラム命令および/またはデータを記憶するように構成される。1つまたは複数のメモリは、プロセッサと一体化されてもよく、プロセッサと別々に配置されてもよい。これは、本願において限定されない。
装置は、基地局、gNB、TRPなどであってよい。通信ユニットは、トランシーバまたはトランシーバ回路であってよい。任意選択で、トランシーバは、入力/出力回路またはインターフェースであってよい。
あるいは、装置は、通信チップであってよい。通信ユニットは、通信チップの入力/出力回路またはインターフェースであってよい。
別の可能な設計では、装置は、トランシーバ、プロセッサ、およびメモリを含む。プロセッサは、信号を送り受信するようにトランシーバを制御するように構成される。メモリは、コンピュータプログラムを記憶するように構成される。プロセッサは、装置が第1の態様におけるネットワークデバイスまたは第1の態様の任意の可能な実装によって完成された方法を実施するように、メモリ内のコンピュータプログラムを動作させるように構成される。
可能な設計では、装置は、1つまたは複数のプロセッサと、通信ユニットとを含む。1つまたは複数のプロセッサは、前述の方法における端末デバイスの対応する機能、たとえば、PMIおよびRIに基づいてプリコーディング行列を決定すること、および信号をプリコーディングすることを実施する際に装置をサポートするように構成される。通信ユニットは、受信する、および/または送る機能を実装する、たとえば、PMIおよびRIを受信し、またはプリコーディングされた信号を送るために、別のデバイスと通信する際に装置をサポートするように構成される。
任意選択で、装置は、1つまたは複数のメモリをさらに含み得、メモリは、プロセッサに結合し、装置に必要なプログラム命令および/またはデータを記憶するように構成される。1つまたは複数のメモリは、プロセッサと一体化されてもよく、プロセッサと別々に配置されてもよい。これは、本願において限定されない。
装置は、インテリジェント端末、ウェアラブルデバイスなどであってよい。通信ユニットは、トランシーバまたはトランシーバ回路であってよい。任意選択で、トランシーバは、入力/出力回路またはインターフェースであってよい。
あるいは、装置は、通信チップであってよい。通信ユニットは、通信チップの入力/出力回路またはインターフェースであってよい。
別の可能な設計では、装置は、トランシーバ、プロセッサ、およびメモリを含む。プロセッサは、信号を送り受信するようにトランシーバを制御するように構成される。メモリは、コンピュータプログラムを記憶するように構成される。プロセッサは、装置が第2の態様における端末デバイスまたは第2の態様の任意の可能な実装によって完成された方法を実施するように、メモリ内のコンピュータプログラムを動作させるように構成される。
第4の態様によれば、システムが提供され、このシステムは、前述の端末デバイスおよびネットワークデバイスを含む。
第5の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供され、コンピュータプログラムを記憶するように構成されている。コンピュータプログラムは、第1の態様における方法または第1の態様の任意の可能な実装を実施するために使用される命令を含む。
第6の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供され、コンピュータプログラムを記憶するように構成されている。コンピュータプログラムは、第2の態様における方法または第2の態様の任意の可能な実装を実施するために使用される命令を含む。
第7の態様によれば、コンピュータプログラム製品が提供され、コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムコードを含み、コンピュータプログラムコードがコンピュータ上で動作するとき、コンピュータは、第1の態様における方法または第1の態様の任意の可能な実装を実施することが可能にされる。
第8の態様によれば、コンピュータプログラム製品が提供され、コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムコードを含み、コンピュータプログラムコードがコンピュータ上で動作するとき、コンピュータは、第2の態様における方法または第2の態様の任意の可能な実装を実施することが可能にされる。
前述の態様の任意の可能な実装では、任意選択で、第1のタイプのプリコーディング行列は、
または
W1との行および/もしくは列変換関係を有する行列、の少なくとも1つを満たす。
プリコーディング行列は、アンテナポート間の電力等化が実装され、端末デバイスの電力増幅器の性能に対する要件を削減することができるように、総送信電力が各アンテナポートに均等に割り当てられ得ることをサポートし得る。
任意選択で、第1のタイプのプリコーディング行列は、
または
W2との行および/もしくは列変換関係を有する行列、の少なくとも1つを満たす。
プリコーディング行列は、信号ストリーム間の電力等化が実装され、したがって、送信電力が、信号品質を確保するために完全に使用され得ることをサポートし得る。
任意選択で、第1のタイプのプリコーディング行列は、
または
W4との行および/もしくは列変換関係を有する行列、の少なくとも1つを満たす。
プリコーディング行列は、アンテナポート間の電力等化をサポートし得、端末デバイスの電力増幅器に対する要件を削減することができるように、総送信電力が各アンテナポートに均等に割り当てられ得る。
任意選択で、第1のタイプのプリコーディング行列は、
または
W5との行および/もしくは列変換関係を有する行列、の少なくとも1つを満たす。
プリコーディング行列は、信号ストリーム間の電力等化が実装され、したがって、送信電力が、信号品質を確保するために完全に使用され得ることをサポートし得る。
任意選択で、第2のタイプのプリコーディング行列は、
または
W8との行および/もしくは列変換関係を有する行列、の少なくとも1つを満たす。
任意選択で、φ1∈{1,-1,j,-j}、φ2∈{1,-1,j,-j}であり、jは虚数単位である。
あるいは、任意選択で、
および
である。
φ1およびφ2の値は、同じであってもよく、異なってもよいことを理解されたい。これは、本願において限定されない。
プリコーディング行列は、信号ストリーム間の電力等化が実装され、したがって、送信電力が、信号品質を確保するために完全に使用され得ることをサポートし得る。
任意選択で、第2のタイプのプリコーディング行列は、
または
W9との行および/もしくは列変換関係を有する行列、
または
または
W10との行および/もしくは列変換関係を有する行列、の少なくとも1つを満たし、
H1およびH2は、係数行列である。任意選択で、φ1∈{1,-1,j,-j}、φ2∈{1,-1,j,-j}であり、jは虚数単位である。あるいは、任意選択で、
および
である。
φ1およびφ2の値は、同じであってもよく、異なってもよいことを理解されたい。これは、本願において限定されない。
任意選択で、
または
である。
任意選択で、
または
である。
プリコーディング行列の設計では、アンテナポートグループ内のアンテナポート間の電力等化を実装することができ、端末デバイスの電力増幅器に対する要件を削減することができるように、総送信電力が各アンテナポートに均等に割り当てられ得る。
任意選択で、第2のタイプのプリコーディング行列は、
または
W11との行および/もしくは列変換関係を有する行列、のうちの少なくとも1つを含む。
任意選択で、φ1∈{1,-1,j,-j}、φ2∈{1,-1,j,-j}であり、jは虚数単位である。
任意選択で、
および
である。
φ1およびφ2の値は、同じであってもよく、異なってもよいことを理解されたい。これは、本願において限定されない。ストリーム間の電力等化が、プリコーディング行列において実装され得る。
任意選択で、第3のタイプのプリコーディング行列の構造は、
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列、または
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列、または
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列、または
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列、または
におけるいずれか2つもしくは3つの列を含む行列、または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列におけるいずれか2つもしくは3つの列を含む行列、のうちの少なくとも1つを含み、
α∈{1,-1,j,-j}jは、虚数単位であり、
および
は、離散フーリエ変換DFTベクトルであり、
および
を満たし、Nは、アンテナポート数であり、N=4、O=2、x1∈{0,1}、およびx2∈{0,1}である。
プリコーディング行列の構造について、1つの列ベクトルを構成する2つのDFTベクトルが同じビーム方向を指すことを必要とする必要はない。このようにして、プリコーディング行列の選択範囲が拡張され得、それによりコードブックの最小グラスマン距離を増大し、システム性能改善を容易にする。
プリコーディング行列は、上記で提供されるプリコーディング行列の構造を使用することによって、変換を通じて得られ得ることに留意されたい。「変換」は、それだけには限らないが、行および/もしくは列変換、ならびに/または正規化処理を含み得る。
任意選択で、第3のタイプのプリコーディング行列内のプリコーディング行列は、WMおよび
を含む。
Mはランクであり、Mは1以上の整数であり、Nはアンテナポート数であり、N≧M、およびNは整数である。
任意選択で、第3のタイプのプリコーディング行列は、WMを含み、WMは、W0におけるM個の列ベクトルを含み、W0と、1のランクを有するコードブック内の任意のプリコーディング行列uとは、以下の数学的変換関係、すなわち
W0=I-2uuH/uHu
を満たし、
Mはランクであり、Mは1以上の整数であり、Iは単位行列であり、uHは、uの共役転置行列である。
任意選択で、第3のタイプのプリコーディング行列は、WMを含み、WMは、1のランクを有するコードブック内のM個のプリコーディング行列を含み、Mはランクであり、Mは、1以上の整数である。
上記に列挙された様々なプリコーディング行列の設計に基づいて、プリコーディング行列の選択範囲を拡張することができ、それによりコードブックの最小グラスマン距離を増大し、システム性能改善を容易にする。
以下は、添付の図面を参照して、本願の技術的解決策について記載している。
本願の実施形態の技術的解決策は、グローバル移動体通信システム(Global System for Mobile communications、GSM)、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access、CDMA)システム、広帯域符号分割多元接続(Wideband Code Division Multiple Access、WCDMA)システム、汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service、GPRS)、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)システム、LTE周波数分割二重(Frequency Division Duplex、FDD)システム、LTE時分割二重(Time Division Duplex、TDD)システム、ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunications System、UMTS)、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(Worldwide Interoperability for Microwave Access、WiMAX)通信システム、将来の第5世代(5th Generation、5G)システム、新無線アクセス技術(new radio access technology、NR)など様々な通信システムに適用され得る。
本願の実施形態の理解を容易にするために、図1に示されている第1の通信システムは、本願の実施形態に適用可能な通信システムについて詳細に記載するために、一例として使用される。図1は、本願の一実施形態に適用可能な通信方法の通信システムの概略図である。図1に示されているように、通信システム100は、ネットワークデバイス102と端末デバイス106とを含む。ネットワークデバイス102は、複数のアンテナと共に構成され得、端末デバイスもまた、複数のアンテナと共に構成され得る。任意選択で、通信システムは、ネットワークデバイス104をさらに含み得、ネットワークデバイス104もまた、複数のアンテナと共に構成され得る。
ネットワークデバイス102またはネットワークデバイス104は、信号を伝送、および受信に関係する複数の構成要素(たとえば、プロセッサ、変調器、マルチプレクサ、復調器、またはデマルチプレクサ)をさらに含み得ることを理解されたい。
ネットワークデバイスは、ワイヤレストランシーバ機能を有する任意のデバイス、またはデバイス内に配置することができるチップであってよい。デバイスは、それだけには限らないが、イボルブドノードB(evolved Node B、eNB)、無線ネットワークコントローラ(Radio Network Controller、RNC)、ノードB(NodeB、NB)、基地局コントローラ(Base Station Controller、BSC)、基地局トランシーバ(Base Transceiver Station、BTS)、ホーム基地局(たとえば、Home evolved NodeBまたはHome NodeB、HNB)、ベースバンドユニット(BaseBand Unit、BBU)、ワイヤレスフィデリティ(Wireless Fidelity、Wi-Fi)システムにおけるアクセスポイント(Access Point、AP)、ワイヤレスリレーノード、ワイヤレスバックホールノード、送信ポイント(transmission and reception point、TRP;またはtransmission point、TP)などを含み、またはNRシステムなど5GシステムにおけるgNBもしくは送信ポイント(TRPまたはTP)、5Gシステムにおける基地局のアンテナパネルの1つもしくは1つのグループ(複数のアンテナパネルを含む)であってよく、またはベースバンドユニット(BBU)もしくは分散ユニット(DU、distributed unit)などgNBもしくは送信ポイントを形成するネットワークノードであってよい。
いくつかの展開では、gNBは、集約ユニット(centralized unit、CU)およびDUを含み得る。gNBは、無線周波数ユニット(radio unit、RU)をさらに含み得る。CUは、gNBの機能の一部を実装し、DUは、gNBの機能の一部を実装する。たとえば、CUは、無線リソース制御(radio resource control、RRC)レイヤおよびパケットデータ収束プロトコル(packet data convergence protocol、PDCP)レイヤの機能を実装し、DUは、無線リンク制御(radio link control、RLC)レイヤ、メディアアクセス制御(media access control、MAC)レイヤ、および物理(physical、PHY)レイヤの機能を実装する。RRCレイヤにおける情報は、最終的にPHYレイヤでの情報になり得、またはPHYレイヤでの情報から変換され得る。したがって、このアーキテクチャでは、RRCレイヤシグナリングまたはPDCPレイヤシグナリングなど上位レイヤシグナリングもまた、DUによって送られる、またはDUおよびRUによって送られるものと考えられ得る。ネットワークデバイスは、CUノード、DUノード、またはCUノードおよびDUノードを含むデバイスであってよいことが理解され得る。さらに、CUは、アクセスネットワークRAN内のネットワークデバイスに分類され得、またはCUは、コアネットワークCN内のネットワークデバイスに分類され得る。これは、本明細書において限定されない。
端末デバイスは、ユーザ機器(user equipment、UE)、アクセス端末、加入者ユニット、加入者局、移動局、移動コンソール、遠隔局、遠隔端末、移動デバイス、ユーザ端末、端末、ワイヤレス通信デバイス、ユーザエージェント、またはユーザ装置とも称されることがある。本願の実施形態における端末デバイスは、移動電話(mobile phone)、タブレットコンピュータ(Pad)、ワイヤレストランシーバ機能を有するコンピュータ、仮想現実(Virtual Reality、VR)端末デバイス、拡張現実(Augmented Reality、AR)端末デバイス、産業用制御(industrial control)におけるワイヤレス端末、自動運転(self driving)におけるワイヤレス端末、遠隔医療(remote medical)におけるワイヤレス端末、スマートグリッド(smart grid)におけるワイヤレス端末、輸送安全性(transportation safety)におけるワイヤレス端末、スマートシティ(smart city)におけるワイヤレス端末、スマートホーム(smart home)におけるワイヤレス端末などであってよい。応用例のシナリオは、本願の実施形態において限定されない。本願では、前述の端末デバイスおよび前述の端末デバイス内に配置することができるチップは、まとめて端末デバイスと称される。
通信システム100では、ネットワークデバイス102とネットワークデバイス104は共に、複数の端末デバイス(図に示されている端末デバイス106など)と通信し得る。ネットワークデバイス102およびネットワークデバイス104は、端末デバイス106と同様の任意の数の端末デバイスと通信し得る。しかし、ネットワークデバイス102と通信する端末デバイス、およびネットワークデバイス104と通信する端末デバイスは、同じであってもよく、異なってもよいことを理解されたい。図1に示されている端末デバイス106は、ネットワークデバイス102およびネットワークデバイス104と同時に通信し得る。しかし、これは、1つの可能なシナリオを示すにすぎない。いくつかのシナリオでは、端末デバイスは、ネットワークデバイス102またはネットワークデバイス104だけと通信し得る。これは、本願において限定されない。
図1は、理解を容易にするための一例として使用される単純化された概略図にすぎないことを理解されたい。通信システムは、別のネットワークデバイスをさらに含んでもよく、別の端末デバイスをさらに含んでもよく、これは図1に示されていない。
本願の実施形態の理解を容易にするために、以下は、LTEシステムにおける物理チャネル上の信号(たとえば、参照信号またはデータを含む)を処理する処理について簡単に記載している。上位レイヤからのコードワード(code word)が物理チャネル上で処理され得、コードワードは、コーディングされた(たとえば、チャネルコーディングを含む)ビットストリームであってよい。コードワードがスクランブリング(scrambling)され、スクランブリングされたビットストリームを生成する。スクランブリングされたビットストリームは、変調マッピング(modulation mapping)を受け、変調シンボルストリームを得る。変調シンボルストリームは、レイヤマッピング(layer mapping)を通じて複数のレイヤ(layer)にマッピングされる。区別および説明を容易にするために、本願の実施形態では、レイヤマッピング後に得られたシンボルは、レイヤマッピング済み信号ストリームと称される(またはシンボルストリームまたは空間ストリームと称される)ことがある。レイヤマッピング済み信号ストリームは、プリコーディング(precoding)を受け、複数のプリコーディングされた信号ストリーム(またはプリコーディングされたシンボルストリームと称される)を得る。プリコーディングされた信号ストリームがリソース要素(resource element、RE)マッピングを受けた後、プリコーディングされた信号ストリームは、複数のREにマッピングされる。次いで、これらのREは、直交周波数分割多重(orthogonal frequency division multiplexing、OFDM)を通じて変調され、OFDMシンボルストリームを生成する。次いで、OFDMシンボルストリームは、アンテナポート(antenna port)を通じて送信される。
しかし、当業者なら、本願に述べられている様々な信号ストリームが変調シンボルストリームであることを理解されたい。レイヤマッピング済み信号ストリームおよびプリコーディングされた信号ストリームなど、区別を容易にするために定義されている用語は、本願に対するいかなる限定も構成するべきでないことをさらに理解されたい。本願は、前述の名前に取って代わるように既存または将来のプロトコルにおいて他の名前が使用される可能性を排除しない。以下では複数の場所に現れる信号ストリームについて詳細に記載されていないが、当業者なら、前述の処理の実行シーケンスに従って、各場所における信号ストリームの特定の意味を理解し得る。
前述の処理する処理に基づいて、ネットワークデバイス102は、複数のアンテナを使用することによって複数の端末デバイスにダウンリンク信号を送り得、端末デバイスは、複数のアンテナを使用することによって同じネットワークデバイス(たとえば、図に示されているネットワークデバイス102)または異なるネットワークデバイス(たとえば、図に示されているネットワークデバイス102およびネットワークデバイス104)にアップリンク信号を送り得る。MIMO技術では、複数のユーザ間の干渉および同じユーザの複数の信号ストリーム間の干渉は、プリコーディングを通じて低減され得る。
プリコーディングは、チャネル状態が知られているとき、送信されることになる信号は、送信端で事前処理される、すなわち、送信されることになる信号は、チャネルリソースにマッチするプリコーディング行列を使用することによって処理され、その結果、プリコーディングされた送信されることになる信号は、チャネルに適合され、受信端に対するチャネル間の影響を解消する複雑さが低減される。したがって、送信信号は、プリコーディングされ、その結果、受信信号品質(たとえば、信号対干渉雑音比(signal to interference plus noise ratio、SINR))が改善される。したがって、送信端デバイスと複数の受信端デバイスとの間の送信は、プリコーディングを通じて同じ時間周波数リソース上で実装され得る、すなわち、マルチユーザ多重入力多重出力(multi-user multiple-input multiple-output、MU-MIMO)が実装される。プリコーディングの関連の説明は、一例として使用されているにすぎず、本願の実施形態の保護範囲を限定するためには使用されないことに留意されたい。特定の実装処理では、プリコーディングは、別の方式でさらに実施され得る(たとえば、チャネル行列を学習することができないとき、プリコーディングは、事前設定されたプリコーディング行列を使用することによって、または重み付け処理方式で実施される)。詳細は、本明細書に記載されていない。
可能な実装では、チャネルに適合させることができるプリコーディング行列を得るために、送信端デバイスは、最初に、参照信号を送ることによってチャネル測定を実施し得、それにより、送られることになる信号をプリコーディングするために比較的正確なプリコーディング行列を決定する。具体的には、送信端デバイスは、ネットワークデバイスであってよく、受信端デバイスは、端末デバイスであってよい。参照信号は、ダウンリンクチャネル測定のために使用される参照信号、たとえば、チャネル状態情報参照信号(channel state information reference signal、CSI-RS)であってよい。端末デバイスは、受信されたCSI-RSに基づいてCSI測定を実施し、ダウンリンクチャネルのCSIをネットワークデバイスにフィードバックし得る。あるいは、送信端デバイスは、端末デバイスであってよく、受信端デバイスは、ネットワークデバイスであってよい。参照信号は、アップリンクチャネル測定のために使用される参照信号、たとえば、サウンディング参照信号(sounding reference signal、SRS)であってよい。ネットワークデバイスは、受信されたSRSに基づいてCSI測定を実施し、アップリンクチャネルのCSIを端末デバイスに対して示し得る。CSIは、たとえば、プリコーディング行列インジケータ(precoding matrix indicator、PMI)、ランクインジケーション(rank indication、RI)、およびチャネル品質インジケータ(channel quality indicator、CQI)を含み得る。
ダウンリンクチャネル測定のために使用される列挙されている参照信号、およびアップリンクチャネル測定のために使用される列挙されている参照信号は、説明のための例にすぎず、本願に対していかなる限定をも構成するべきでないことを理解されたい。たとえば、ダウンリンクチャネル測定のために使用される参照信号は、さらに、ダウンリンク復調参照信号(Demodulation reference signal、DMRS)、トラッキング参照信号(Tracking reference signal、TRS)、または位相トラッキング参照信号(phase tracking reference signal、PTRS)であってよい。アップリンクチャネル測定のために使用される参照信号は、さらに、アップリンクDMRSなどであってよい。さらに、本願は、将来のプロトコルにおける同じまたは同様の機能を有する他の参照信号を定義する可能性を排除せず、本願は、別の既存の参照信号を将来のプロトコルにおけるチャネル測定のための参照信号として定義する可能性を排除しない。
送信端デバイスによってプリコーディング行列を決定する方式は、参照信号に基づいてチャネル測定を実施する前述の方式に限定されないことを理解されたい。送信端デバイスは、さらに、アップリンクチャネルおよびダウンリンクチャネルの相互性に基づいてチャネルを推定する、たとえば、アップリンクチャネルのチャネル状態情報(channel state information、CSI)に基づいてダウンリンクチャネルのCSIを推定し得る。この場合、アップリンクチャネルのCSIは、端末デバイスによって送られる参照信号(たとえば、SRS)に基づいて決定され得る。プリコーディング行列を決定する方式は、本願において限定されない。
異なるシナリオに適応するように端末デバイスの送信柔軟性を改善するために、現在、複数の送信方式(またはプリコーディング方式)が提案されている。以下は、本願の実施形態における端末デバイスのアップリンク送信処理のいくつかの送信形態について簡単に記載している。
1.コヒーレント送信:送るために1つの空間ビームを形成するように、1つのレイヤマッピング済み信号ストリームが、すべての構成されている送信アンテナポートを使用することによってプリコーディングされ得る。異なるレイヤマッピング済み信号ストリームに対応する空間ビームは、異なっている。これは、干渉を低減し、信号品質を改善するためのビームフォーミングとして理解され得る。
2.非コヒーレント送信:1つのレイヤマッピング済み信号ストリームが、1つの送信アンテナポートを使用することによってプリコーディングされ送られ得る。異なるレイヤマッピング済み信号ストリームは異なる送信アンテナポートを使用し、レイヤマッピング済み信号ストリームを送るために異なる送信アンテナポートが使用されるとき使用される時間周波数リソースは、同じであり得る。これは、アンテナポート選択として理解され得、それによりリソース利用を改善する。
3.部分的なコヒーレント送信:送るために1つの空間ビームを形成するように、1つのレイヤマッピング済み信号ストリームが、構成されている送信アンテナポートの一部を使用することによってプリコーディングされ得る。少なくとも2つのレイヤマッピング済み信号ストリームによって使用される送信アンテナポートは異なっており、または少なくとも2つのレイヤマッピング済み信号ストリームは、異なる空間ビームに対応している。異なる信号ストリームが異なる空間ビームを使用することによって送られるので、端末デバイスは、同じ時間周波数リソースを使用することによって異なるネットワークデバイスと通信し得る。
上記に列挙されている3つの送信形態は、主にプリコーディング段階が異なり、1つのレイヤマッピング済み信号ストリームは、異なる数のアンテナを使用することによって別々にプリコーディングされることを学習することができる。したがって、前述の3つの送信形態もまた、プリコーディング方式と称されることがある。
上記に列挙されている3つの送信形態は、異なるシナリオに適用され得、異なる端末デバイスは、送信形態をサポートする異なる能力を有する。いくつかの端末デバイスは、前述の3つの送信形態をサポートし得、いくつかの端末デバイスは、前述の3つの送信形態のうちの1つだけ、または2つをサポートし得る。コードブックが複数の送信形態をサポートしない場合、端末デバイスの送信柔軟性は、著しく限定され得る。
これに鑑みて、本願は、前述の複数の可能な送信形態をサポートし、送信柔軟性を改善するように、通信方法を提供する。
以下は、添付の図面を参照して、本願の実施形態について詳細に記載している。
本願の技術的解決策は、ワイヤレス通信システム、たとえば、図1に示されている通信システム100に適用され得ることを理解されたい。通信システムは、少なくとも1つのネットワークデバイスと、少なくとも1つの端末デバイスとを含み得、ネットワークデバイスおよび端末デバイスは、無線エアインターフェースを使用することによって互いに通信し得る。たとえば、通信システムにおけるネットワークデバイスは、図1に示されているネットワークデバイス102またはネットワークデバイス104に対応し得、端末デバイスは、図1に示されている端末デバイス106に対応し得る。
以下に示されている実施形態では、第1、第2、第3、第4、第5、第6、および第7は、異なる物体間で区別するのを容易にするために使用されているにすぎず、本願に対するいかなる限定も構成するべきでない、たとえば、異なるインジケーション情報と異なるインジケーションフィールドとを区別するべきでないことをさらに理解されたい。
一般性を失うことなしに、以下は、1つの端末デバイスとネットワークデバイスとの間のインタラクション処理を一例として使用することによって本願の実施形態について詳細に記載している。端末デバイスは、ワイヤレス通信システム内にあり、ネットワークデバイスとワイヤレス接続関係を有する任意の端末デバイスであってよい。ネットワークデバイスは、同じ技術的解決策に基づいてワイヤレス通信システムにおいてネットワークデバイスとワイヤレス接続関係を有する複数の端末デバイスと通信し得ることが理解され得る。これは、本願において限定されない。
図2は、デバイス相互作用の観点からの、本願の一実施形態による通信方法200の概略フローチャートである。図2に示されるように、方法200は、ステップ210からステップ240を含み得る。
ステップ210において、ネットワークデバイスは、PMIおよびRIを送る。
対応して、ステップ210において、端末デバイスは、PMIおよびRIを受信する。
具体的には、PMIおよびRIは、コードブック内のプリコーディング行列を示すために使用され得る。RIは、ランクを示すために使用され得、PMIは、RIに対応するコードブック内のプリコーディング行列を示すために使用され得る。本願のこの実施形態において、RIによって示される(たとえば、Mと表される)ランクは、1より大きい整数であり得る。言い換えれば、コードブックは、より高次のコードブックであり得る。
本願のこの実施形態において、PMIは、プリコーディング行列を示すために使用される可能なインジケーション情報のピースであり、PMIは、送信PMI(Transmission PMI、TPMI)とも称され得る。RIは、ランクを示すために使用される可能なインジケーション情報のピースである。いくつかの場合において、RIは、TRI(Transmission RI、トリ)とも称され得る。PMI、RI、TPMI、およびTRIは、インジケーション情報について使用される特定の形態にすぎず、本願に対するいかなる限定も構成するべきでないことが理解されるべきである。本願は、同じ機能または同様の機能を実装するために将来的なプロトコルにおいて他のインジケーション情報を定義する可能性を排除しない。
また、ネットワークデバイスは端末デバイスに1つまたは複数のPMIを送ってもよく、PMIの数は本願において限定されないことがさらに留意されるべきである。下記において、ネットワークデバイスによって端末デバイスに送られるPMIの数および示される情報は、プリコーディング行列を示す特定の手法を参照して詳細に説明される。
任意選択で、ステップ210の前に、方法は、ステップ220をさらに含む:ネットワークデバイスは、PMIおよびRIを決定する。
可能な実装では、ネットワークデバイスは、受信される基準信号(たとえば、SRS)に基づいて、PMIおよびRIを決定し得る。ネットワークデバイスは、基準信号に基づいてチャネル行列Hをまず推定し、チャネル行列のランク(rank)、つまり、プリコーディング行列のコラムの数を決定し得、その結果、ランクに対応するコードブックが決定されることが可能である。ネットワークデバイスは、ランクに対応するコードブックからプリコーディング行列をさらに決定してもよい。ランクに対応するコードブックに含まれるプリコーディング行列は、候補プリコーディング行列のセットとして理解されてよいことが理解され得る。ネットワークデバイスは、候補プリコーディング行列のセットから、現在のチャネルに適合されたプリコーディング行列(区別および説明の容易さのために、ターゲットプリコーディング行列と表される)を決定し得る。たとえば、ターゲットプリコーディング行列は、候補プリコーディング行列と理想的なプリコーディング行列との間の近接度をメトリックとして使用することによって決定される。理想的なプリコーディング行列は、チャネル行列Hに基づいて計算されたプリコーディング行列であり得る。
たとえば、ネットワークデバイスは、特異値分解(singular value decomposition、SVD)手法でターゲットプリコーディング行列を決定し得る。具体的には、基準信号に基づいてチャネル行列Hを測定および取得した後、ネットワークデバイスは、取得することになるチャネル行列Hに対してSVDを実施し得る:
H=U・S・VH、
ただし、UおよびVHはユニタリ行列であり、Sは対角行列であり、対角行列の非ゼロ要素(すなわち、対角線上の要素)は、チャネル行列Hの特異値であり、これらの特異値は、通常、降順で配置され得る。右側のユニタリ行列VHの共役転置行列Vは、理想的なプリコーディング行列である。言い換えれば、理想的なプリコーディング行列は、チャネル行列Hに基づいて計算されたプリコーディング行列である。
ネットワークデバイスは、候補プリコーディング行列と理想的なプリコーディング行列との間の近接度を決定し得、ただし、近接度は、たとえば、候補プリコーディング行列と理想的なプリコーディング行列との間の距離として表され得るが、これに限定されない(たとえば、ユークリッド距離、ただし、これに限定されない)。ネットワークデバイスは、各候補プリコーディング行列に対して前述の処理を実施して、各候補プリコーディング行列と理想的なプリコーディング行列との間の近接度を取得し得る。最も高い近接度を有する候補行列は、ターゲットプリコーディング行列として選択され得、ターゲットプリコーディング行列は、ネットワークデバイスによってPMIおよびRIを使用することによって端末デバイスに示されるプリコーディング行列である。
前述の例においてSVDを実施することによって理想的なプリコーディング行列を決定するための方法は、1つの可能な実装にすぎず、本願のこの実施形態に対するいかなる限定も構成するべきでないことが理解されるべきである。たとえば、ネットワークデバイスは、受信機アルゴリズム、たとえば、最小平均二乗誤差(minimum mean square error、MMSE)、ゼロフォーシング(zero-forcing、ZF)、および最大比合成(maximum ratio combining、MRC)などを使用することによって、理想的なプリコーディング行列をさらに決定し得る。前述の例においてユークリッド距離に基づいてターゲットプリコーディング行列を決定するための方法は、1つの可能な実装にすぎず、本願に対するいかなる限定も構成するべきでないことがさらに理解されるべきである。たとえば、ネットワークデバイスは、PMIを決定するために、スループット最大化、SINR最大化、または別の基準に基づいて、ターゲットプリコーディング行列をさらに決定し得る。
基準信号に基づいて、ネットワークデバイスによってチャネル行列を決定し、チャネル行列に基づいて、ランクおよびプリコーディング行列を決定するための特定の方法は、先行技術における方法と同じであってよいことがさらに理解されるべきである。簡潔さのために、その特定の処理の詳細な説明は、本明細書におけて省略される。また、ネットワークデバイスは、チャネル状態に基づいて、RIおよびPMIを決定し、端末デバイスにRIおよびPMIを示してもよく、基準信号に基づいて、RIおよびPMIを決定しない。これは本願において限定されない。
より柔軟な送信形態をサポートするために、本願のこの実施形態において、前述のコードブックは、第1のタイプのプリコーディング行列、第2のタイプのプリコーディング行列、および第3のタイプのプリコーディング行列のうちの少なくとも2つのタイプを含み得る。言い換えれば、コードブックは、タイプによって、第1のタイプのプリコーディング行列および第2のタイプのプリコーディング行列に分類されてよく、またはタイプによって、第2のタイプのプリコーディング行列および第3のタイプのプリコーディング行列に分類されてよく、またはタイプによって、第1のタイプのプリコーディング行列および第3のタイプのプリコーディング行列に分類されてよく、またはタイプによって、第1のタイプのプリコーディング行列、第2のタイプのプリコーディング行列、および第3のタイプのプリコーディング行列に分類されてよい。プリコーディング行列の各タイプは、1つの送信形態に対応し得る。言い換えれば、コードブックは、少なくとも2つの伝送形態をサポートし得る。
具体的には、第1のタイプのプリコーディング行列内の任意の行列は、各列ベクトルが、1つだけの非ゼロ要素を含み、各プリコーディング行列内のいずれか2つの列ベクトル内の非ゼロ要素が、異なる行内に位置することを満たし得る。第1のタイプのプリコーディング行列は、非コヒーレント送信を実施するために端末デバイスによって使用され得る。
第2のタイプのプリコーディング行列内の任意の行列は、少なくとも1つの列ベクトルが、少なくとも1つのゼロ要素および少なくとも2つの非ゼロ要素を含むことを満たし得る。第2のタイプのプリコーディング行列は、部分的なコヒーレント送信を実施するために端末デバイスによって使用され得る。
第3のタイプのプリコーディング行列内の任意の行列は、各要素が、非ゼロ要素であり、同じ行列内のいずれか2つの列ベクトルが、互いに直交することを満たし得る。第3のタイプのプリコーディング行列は、コヒーレント送信を実施するために端末デバイスによって使用され得る。
下記は、特定のプリコーディング行列を参照して、本願において提案される3つのタイプのプリコーディング行列を詳細に説明する。
理解の容易さのためだけに、いくつかの可能なプリコーディング行列が、下記において各タイプのプリコーディング行列について示されることが留意されるべきである。しかしながら、これは、本願に対するいかなる限定も構成するべきでない。本願において提案されるプリコーディング行列は、下記に列挙されるプリコーディング行列のうちの少なくとも1つを満たし得る。言い換えれば、下記に列挙されるプリコーディング行列のうちの少なくとも1つを満たすいかなる行列も、本願によって特許請求される保護範囲内に収まるべきである。
1つまたは複数の可能なプリコーディング行列は、各タイプのプリコーディング行列について下記に示されることがさらに留意されるべきである。3つのタイプのプリコーディング行列について下記に列挙されるプリコーディング行列の一部または全部は、コードブックに記憶されてよく、つまり、コードブックは、下記に列挙される3つのタイプのプリコーディング行列のいずれか2つのタイプの一部もしくは全部を記憶してよく、または3つのタイプのプリコーディング行列の一部もしくは全部を記憶してよい。これは、本願において限定されない。
「下記のうちの少なくとも1つを満たすこと」は、「下記のうちの少なくとも1つを含むこと」に限定されず、「下記のうちの少なくとも1つから変換を通じて取得されること」をさらに含み得ることが留意されるべきである。本明細書において、「変換」は、行および/もしくは列変換、ならびに/または正規化処理を含み得るが、これに限定されない。
たとえば、プリコーディング行列がW0を満たすと仮定される場合、W0との行および/または列変換関係を有する行列、正規化処理がW0に対して実施された後に取得される行列、ならびに、正規化処理がW0に対して実施された後に取得される行列に対して、行および/または列変換が実施された後に取得される行列は、本願における「W0を満たすこと」の保護範囲内に収まるべきである。つまり、コードブック内のプリコーディング行列は、W0、またはW0との行および/もしくは列変換関係を有する行列、またはW0に対して正規化処理を実施することによって取得される行列、またはW0との行および/もしくは列変換関係を有する行列に対して、正規化処理を実施することによって取得される行列のうちの少なくとも1つを含み得る。
言い換えれば、W0は、プリコーディング行列の可能な構造(または基本形態)として理解され得る。この構造に基づいて、正規化処理などの変換を実施することによって取得されるプリコーディング行列も、本願のこの実施形態において提供されるプリコーディング行列の開示されている範囲内に収まり、プリコーディング行列はW0の式関係を満たすことが理解され得る。特定の説明において、「構造」は省略され得る。しかしながら、プリコーディング行列に対して実施される変換、たとえば、正規化処理および/または行/列関係変換などは、プリコーディング行列の適用に実質的な影響を及ぼさず、下記の実施形態においてプリコーディング行列に対する正規化処理および/または行/列関係変換などの変換を通じて取得されるプリコーディング行列も、本願のこの実施形態において提供されるプリコーディング行列の開示されている範囲内にあるものとして理解されるべきである。
正規化処理中に、係数が、基本形態における各要素に割り当てられ得、その結果、要素に対応する電力の和は1以下である。任意選択で、正規化処理は、基本形態に一定の係数を乗算して、各レイヤの電力、または各アンテナポートの電力、または各ストリームの電力を調整することを含むが、これに限定されない。たとえば、正規化処理は、
を取得するためにW0に対して実施される。Mはランクであり、Nはアンテナポート数である。次いで、W0との行および/または列変換関係を有する行列は、W0との行および/もしくは列変換関係を有する行列、または
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列のうちの少なくとも1つを含み得る。
は正規化係数と称され得、各ストリームの電力を調整するために使用され得る。正規化係数は、0より大きい定数であり得る。
本願のこの実施形態内において、1つのプリコーディング行列が複数の列ベクトルを含む場合、1つのプリコーディング行列は、所定の数の行および所定の数の列に基づいて、複数の列ベクトルを接合することによって取得される行列であってよいこと、または、複数の列ベクトルを接合することによって取得される行列に対して、所定の数の行および所定の数の列に基づいて、行および/もしくは列変換を実施することによって取得される行列であってよいことが理解され得ることが、さらに留意されるべきである。
下記は、特定のプリコーディング行列を参照して、本願において提案される3つのタイプのプリコーディング行列を詳細に説明する。
1.第1のタイプのプリコーディング行列
(1)ランクは2である。
可能な設計では、2のランクを有するプリコーディング行列の構造(すなわち、上述されたプリコーディング行列の基本形態)は、
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列
を満たし得る。
における下付き文字は、第1のタイプのプリコーディング行列を表し、上付き文字は、2のランクを有するプリコーディング行列の第1の構造を表す。各列ベクトルは、1つだけの非ゼロ要素を含み、2つの列ベクトル内の非ゼロ要素は、異なる行内に位置する。
限定ではなく、例として、
との行および/または列変換関係を有する行列は、
または
を含み得る。
との行および/または列変換関係を有する、上記に列挙された行列は、説明のための単なる例にすぎず、本願に対するいかなる限定も構成するべきでないことが理解されるべきである。第1のタイプのプリコーディング行列において、2のランクを有するプリコーディング行列の構造は、前述の例のうちの少なくとも1つを含んでよく、または前述の例と異なる、
との行および/または列変換関係を有する行列を含んでよい。
任意選択で、2のランクを有するプリコーディング行列は、
または
W1との行および/または列変換関係を有する行列
のうちの少なくとも1つを満たす。
は、正規化係数であり、または一定係数と称される。プリコーディング行列は、4つの行および2つの列の行列であり、つまり、2のランクを有する、4つのアンテナポートのプリコーディング行列である。アンテナポート間の電力平衡を満たすために、総送信電力は、各アンテナポートに均一に割り当てられ得、その結果、端末デバイスの電力増幅器に対する要件が低減されることが可能である。正規化処理は、総送信電力の
が、4つのアンテナポートの各々に割り当てられ得ることを意味する。つまり、電力の
が、プリコーディング行列内の各行ベクトルに割り当てられ得、したがって、正規化係数
、すなわち、
が取得され得る。したがって、W1、ならびにW1との行および/または列変換関係を有する行列は、アンテナポート間の電力平衡を満たすプリコーディング行列として考慮されてよく、
は、アンテナポート間の電力平衡を満たす正規化係数として考慮されてよい。
限定ではなく、例として、W1との行および/または列変換関係を有する行列は、
または
を含み得る。
上記に列挙されたW1、およびW1との行および/または列変換関係を有する行列は、説明のための単なる例にすぎず、本願に対するいかなる限定も構成するべきでないことが理解されるべきである。第1のタイプのプリコーディング行列において、2のランクを有するプリコーディング行列は、前述の例のうちの少なくとも1つを含んでよく、または、前述の例と異なる、W1との行および/もしくは列変換関係を有する行列を含んでよい。
区別および説明の容易さのために、上記に列挙されたW1、ならびにW1との行および/または列変換関係を有する行列は、タイプA(Type A)のプリコーディング行列と称され得る。タイプAのプリコーディング行列は、第1のタイプのプリコーディング行列のサブタイプとして理解されてよく、タイプAのプリコーディング行列は、アンテナポート間の電力平衡割り当てに基づいて設計され得ることが理解されるべきである。
任意選択で、2のランクを有するプリコーディング行列は、
または
W2との行および/もしくは列変換関係を有する行列
のうちの少なくとも1つを満たす。
は正規化係数である。ストリーム間の電力平衡を満たすために、総送信電力は、各ストリームに均一に割り当てられ得る。したがって、送信電力は、信号品質を保証するために完全に使用され得る。正規化処理は、総送信電力の
が各アンテナポートに割り当てられ得ることを意味する。しかしながら、プリコーディング行列内の各列ベクトルは、1つだけの非ゼロ要素を含み、つまり、各レイヤは、1つだけのアンテナポート(すなわち、非ゼロ要素を含む行)を使用することによって信号を送信するので、別のアンテナポート(すなわち、非ゼロ要素を含まない行)に割り当てられる電力は、送信信号を有するアンテナポート(すなわち、非ゼロ要素を含む行)によって使用され得る。つまり、各アンテナポートの電力は改善され得、各アンテナポートの送信電力は、
から
に増加され得、したがって、正規化係数
が取得され得る。したがって、W2、ならびにW2との行および/または列変換関係を有する行列は、ストリーム(具体的には、信号ストリーム)間の電力平衡を満たすプリコーディング行列として考慮されてよく、
は、ストリーム間の電力平衡を満たす正規化係数として考慮されてよい。
限定ではなく、例として、W2との行および/または列変換関係を有する行列は、
または
を含み得る。
上記に列挙されたW2、ならびにW2との行および/または列変換関係を有する行列は、説明のための単なる例にすぎず、本願に対するいかなる限定も構成するべきでないことが理解されるべきである。第1のタイプのプリコーディング行列において、2のランクを有するプリコーディング行列は、前述の例のうちの少なくとも1つを含んでよく、または、前述の例と異なる、W2との行および/もしくは列変換関係を有する行列を含んでよい。
区別および説明の容易さのために、上記に列挙されたW2、ならびにW2との行および/または列変換関係を有する行列は、タイプB(Type B)のプリコーディング行列と称され得る。タイプBのプリコーディング行列は、別のサブタイプの第1のタイプのプリコーディング行列として理解されてよく、タイプBのプリコーディング行列は、信号ストリーム間の電力平衡割り当てに基づいて設計され得ることが理解されるべきである。
上記に列挙されたW1、ならびにW1との行および/または列変換関係を有する行列、W2ならびにW2との行および/または列変換関係を有する行列は、説明のための単なる例にすぎず、本願に対するいかなる限定も構成するべきでないことが理解されるべきである。2のランクを有するプリコーディング行列は、
に対して他の正規化処理を実施することによって取得される行列、または
に対して正規化処理を実施することによって取得される行列との行および/もしくは列変換関係を有する行列をさらに含んでよい。
別の可能な設計では、2のランクを有するプリコーディング行列の構造は、
または、
との行および/もしくは列変換関係を有する行列
を満たし得る。
における下付き文字は、第1のタイプのプリコーディング行列を表し、上付き文字は、2のランクを有するプリコーディング行列の第2の構造を表す。各列ベクトルは、1つだけの非ゼロ要素を含み、2つの列ベクトル内の非ゼロ要素は、異なる行内に位置する。この設計において、各アンテナポートまたは各ストリームに割り当てられる電力は、不均衡であり得る。
任意選択で、β1およびβ2は、
を満たす。
たとえば、最大値βmaxが与えられてよく、βmax>0、β1∈[0,βmax]、かつ、β2∈[0,βmax]である。
β1およびβ2の値は、同じであってよく、または異なってよいことが理解されるべきである。これは、本願において限定されない。
限定ではなく、例として、
との行および/または列変換関係を有する行列は、
または
を含み得る。
任意選択で、2のランクを有するプリコーディング行列は、
または
または
または
または
または
のうちの少なくとも1つを満たし得る。
これは、上記に示された
において、β1=1/2およびβ2=1/2γに等しく、ただし、
である。
上記に列挙されたプリコーディング行列は、説明のための単なる例にすぎず、本願に対するいかなる限定も構成するべきでないことが理解されるべきである。第1のタイプのプリコーディング行列において、4のランクを有するプリコーディング行列は、前述の例のうちの少なくとも1つを含んでよく、または、前述の例と異なる、前述の例のうちの任意の1つとの行および/もしくは列変換関係を有する行列を含んでよい。
また、2のランクを有するプリコーディング行列は、
に対して他の正規化処理を実施することによって取得される行列、または、
に対して正規化処理を実施することによって取得される行列との行および/もしくは列変換関係を有する行列をさらに含んでよい。
区別および説明の容易さのために、上記に列挙されたW3、ならびにW3との行および/または列変換関係を有する行列は、タイプC(Type C)のプリコーディング行列と称され得る。タイプCのプリコーディング行列は、また別のサブタイプの第1のタイプのプリコーディング行列として理解され得ることが理解されるべきである。
(2)ランクは3である。
可能な設計では、3のランクを有するプリコーディング行列の構造は、
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列
を満たし得る。
における下付き文字は、第1のタイプのプリコーディング行列を表し、上付き文字は、3のランクを有するプリコーディング行列の第1の構造を表す。各列ベクトルは、1つだけの非ゼロ要素を含み、2つの列ベクトル内の非ゼロ要素は、異なる行内に位置する。
限定ではなく、例として、
との行および/または列変換関係を有する行列は、
または
または
を含み得る。
との行および/または列変換関係を有する上記に列挙された行列は、説明のための単なる例にすぎず、本願に対するいかなる限定も構成するべきでないことが理解されるべきである。第1のタイプのプリコーディング行列において、3のランクを有するプリコーディング行列の構造は、前述の例のうちの少なくとも1つを含んでよく、または、前述の例と異なる、
との行および/もしくは列変換関係を有する行列を含んでよい。
任意選択で、3のランクを有するプリコーディング行列は、
または
W4との行および/もしくは列変換関係を有する行列
のうちの少なくとも1つを満たす。
は正規化係数である。プリコーディング行列は、4つの行および3つの列の行列であり、つまり、3のランクを有する、4つのアンテナポートのプリコーディング行列である。
アンテナポート間の電力平衡を満たすために、総送信電力は、各アンテナポートに均一に割り当てられ得る。正規化処理は、総送信電力の
が各アンテナポートに割り当てられ得ることを意味し、したがって、正規化係数
が取得され得る。したがって、W4、ならびにW4との行および/または列変換関係を有する行列は、アンテナポート間の電力平衡を満たすプリコーディング行列として考慮されてよく、
は、アンテナポート間の電力平衡を満たす正規化係数として考慮されてよい。
限定ではなく、例として、W
8 との行および/または列変換関係を有する行列は、
または
を含み得る。
上記に列挙されたW4、ならびにW4との行および/または列変換関係を有する行列は、説明のための単なる例にすぎず、本願に対するいかなる限定も構成するべきでないことが理解されるべきである。第1のタイプのプリコーディング行列は、前述の例のうちの少なくとも1つを含んでよく、または、前述の例と異なる、W4との行および/もしくは列変換関係を有する行列を含んでよい。
理解および説明の容易さのために、上記に列挙されたW4、ならびにW4との行および/または列変換関係を有する行列は、タイプA(Type A)のプリコーディング行列と称され得る。タイプAのプリコーディング行列は、第1のタイプのプリコーディング行列のサブタイプとして理解されてよいことが理解されるべきである。タイプAのプリコーディング行列は、アンテナポート間の電力平衡割り当てに基づいて設計され得る。
任意選択で、3のランクを有するプリコーディング行列は、
または
W5との行および/もしくは列変換関係を有する行列
のうちの少なくとも1つを満たす。
は正規化係数である。ストリーム間の電力平衡を満たすために、総送信電力は、各ストリームに均一に割り当てられ得る。正規化処理中に、各レイヤにおける総送信電力は1であり、電力の
が、各アンテナポートに割り当てられ得る、と仮定される。しかしながら、プリコーディング行列内の各列ベクトルは、1つだけの非ゼロ要素を含み、つまり、各レイヤは、1つだけのアンテナポート(すなわち、非ゼロ要素を含む行)を使用することによって信号を送信するので、別のアンテナポート(すなわち、非ゼロ要素を含まない行)に割り当てられる電力は、送信信号を有するアンテナポート(すなわち、非ゼロ要素を含む行)によって使用され得る。つまり、各アンテナポートの電力は改善され得、各アンテナポートの送信電力は、
から
に増加され得、したがって、正規化係数
が取得され得る。したがって、W5、ならびにW5との行および/または列変換関係を有する行列は、ストリーム間の電力平衡を満たすプリコーディング行列として考慮されてよく、
は、ストリーム間の電力平衡を満たす正規化係数として考慮されてよい。
限定ではなく、例として、W5との行および/または列変換関係を有する行列は、
または
または
を含み得る。
上記に列挙されたW5、ならびにW5との行および/または列変換関係を有する行列は、説明のための単なる例にすぎず、本願に対するいかなる限定も構成するべきでないことが理解されるべきである。第1のタイプのプリコーディング行列は、前述の例のうち少なくとも1つを含んでよく、または、前述の例と異なる、W5との行および/もしくは列変換関係を有する行列を含んでよい。
区別および説明の容易さのために、前記列挙されたW5、ならびにW5との行および/または列変換関係を有する行列は、タイプB(Type B)のプリコーディング行列と称され得る。タイプBのプリコーディング行列は、別のサブタイプの第1のタイプのプリコーディング行列として理解されてよいことが理解されるべきである。タイプBのプリコーディング行列は、信号ストリーム間の電力平衡割り当てに基づいて設計され得る。
上記に列挙されたW4、ならびにW4との行および/または列変換関係を有する行列、W5ならびにW5との行および/または列変換関係を有する行列は、説明のための単なる例にすぎず、本願に対するいかなる限定も構成するべきでないことが理解されるべきである。第1のタイプのプリコーディング行列において、3のランクを有するプリコーディング行列は、
に対して他の正規化処理を実施することによって取得される行列、または、
に対して正規化処理を実施することによって取得される行列との行および/もしくは列変換関係を有する行列をさらに含んでよい。
別の可能な設計では、3のランクを有するプリコーディング行列の構造は、
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列
を満たし得る。
における下付き文字は、第1のタイプのプリコーディング行列を表し、上付き文字は、3のランクを有するプリコーディング行列の第2の構造を表す。各列ベクトルは、1つだけの非ゼロ要素を含み、2つの列ベクトル内の非ゼロ要素は、異なる行内に位置する。任意選択で、β1、β2、およびβ3は、
を満たし、ただし、β1∈[0,1]、β2∈[0,1]、かつ、β3∈[0,1]である。本願のこの実施形態において、β1、β2、およびβ3の値は、プロトコル内で定義されてよく、異なるプリコーディング行列またはプリコーディング行列の異なる構造について、同じであってよく、または異なってよい。これは、本願において限定されない。この設計において、各アンテナポートまたは各ストリームに割り当てられる電力は、不均衡であり得る。
限定ではなく、例として、
との行および/または列変換関係を有する行列は、
または
を含み得る。
との行および/または列変換関係を有する上記に列挙された行列は、説明のための単なる例にすぎず、本願に対するいかなる限定も構成するべきでないことが理解されるべきである。第1のタイプのプリコーディング行列において、3のランクを有するプリコーディング行列の構造は、前述の例のうちの少なくとも1つを含んでよく、または、前述の例と異なる、
との行および/もしくは列変換関係を有する行列を含んでよい。
任意選択で、3のランクを有するプリコーディング行列は、
または
または
または
のうちの少なくとも1つを満たし得る。
これは、上記に示される
において、β1=1/2、β2=1/2γ1、およびβ3=1/2γ2に等しく、ただし、
かつ
である。本願のこの実施形態において、γ1およびγ2は、プロトコル内で定義されてよく、γ1およびγ2の値は、異なるプリコーディング行列またはプリコーディング行列の異なる構造について、同じであってよく、または異なってよい。これは、本願において限定されない。
上記に列挙されたプリコーディング行列は、説明のための単なる例にすぎず、本願に対するいかなる限定も構成するべきでないことが理解されるべきである。第1のタイプのプリコーディング行列において、3のランクを有するプリコーディング行列は、前述の例のうちの少なくとも1つを含んでよく、または、前述の例のうちの任意の1つとの行および/もしくは列変換関係を有し、前述の例と異なる行列を含んでよい。
また、3のランクを有するプリコーディング行列は、
に対して他の正規化処理を実施することによって取得される行列、または
に対して正規化処理を実施することによって取得される行列との行および/もしくは列変換関係を有する行列をさらに含んでよい。
区別および説明の容易さのために、上記に列挙されたW6、ならびにW6との行および/または列変換関係を有する行列は、タイプC(Type C)のプリコーディング行列と称され得る。タイプCのプリコーディング行列は、また別のサブタイプの第1のタイプのプリコーディング行列として理解され得ることが理解されるべきである。
(3)ランクは4である。
可能な設計では、4のランクを有するプリコーディング行列の構造は、
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列
を満たし得る。
における下付き文字は、第1のタイプのプリコーディング行列を表し、上付き文字は、3のランクを有するプリコーディング行列の第1の構造を表す。各列ベクトルは、1つだけの非ゼロ要素を含み、2つの列ベクトル内の非ゼロ要素は、異なる行内に位置する。
任意選択で、β1、β2、β3、およびβ4は、
を満たし、ただし、β1∈[0,1]、β2∈[0,1]、β3∈[0,1]、かつ、β4∈[0,1]である。本願のこの実施形態において、β1、β2、β3、およびβ4の値は、プロトコル内で定義されてよく、異なるプリコーディング行列またはプリコーディング行列の異なる構造について、同じであってよく、または異なってよい。これは、本願において限定されない。この設計において、各アンテナポートまたは各ストリームに割り当てられる電力は、不均衡であり得る。
任意選択で、4のランクを有するプリコーディング行列は、
または
W7との行および/もしくは列変換関係を有する行列
のうちの少なくとも1つを満たし得る。
これは、上記に示された
において、β1=1/2、β2=1/2γ1、β3=1/2γ2、およびβ4=1/2γ3に等しく、ただし、
、
、かつ、
である。本願のこの実施形態において、γ1、γ2、およびγ3は、プロトコル内で定義されてよく、γ1、γ2、およびγ3の値は、異なるプリコーディング行列またはプリコーディング行列の異なる構造について、同じであってよく、または異なってよい。これは、本願において限定されない。
上記に列挙されたプリコーディング行列は、説明のための単なる例にすぎず、本願に対するいかなる限定も構成するべきでないことが理解されるべきである。第1のタイプのプリコーディング行列において、3のランクを有するプリコーディング行列は、前述の例のうちの少なくとも1つを含んでよく、または、前述の例と異なる、前述の例のうちの任意の1つとの行および/もしくは列変換関係を有する行列を含んでよい。
また、4のランクを有するプリコーディング行列は、
に対して他の正規化処理を実施することによって取得される行列、または
に対して正規化処理を実施することによって取得される行列との行および/もしくは列変換関係を有する行列をさらに含んでよい。
現在のプロトコルにおいて、たとえば、LTEプロトコルにおいて、4のランクを有するコードブック内のいくつかのプリコーディング行列は、非コヒーレント送信をサポートし得ることが留意されるべきである。したがって、4のランクを有するコードブック内の第1タイプのプリコーディング行列は、LTEプロトコルにおいて、4のランクを有するコードブック内のプリコーディング行列の一部もしくは全部を含んでよく、または本願において提案される、4のランクを有するプリコーディング行列の一部もしくは全部を含んでよく、または前述の2つの組合せの一部もしくは全部を含んでよい。これは、本願において限定されない。
また、現在のプロトコルにおいて、たとえば、LTEプロトコルにおいて、1のランクを有するコードブックは、非コヒーレント送信をサポートし得る。したがって、1のランクを有するコードブック内の第1タイプのプリコーディング行列は、LTEプロトコルにおいて、1のランクを有するコードブック内のプリコーディング行列の一部または全部を含んでよい。簡潔さのために、例は、本明細書において1つずつ列挙されない。
前述の設計に基づいて、コードブックは、[1,4]の範囲内の任意の数のレイヤを有する、4つのアンテナポートの非コヒーレント送信をサポートし得、これは送信柔軟性を大幅に改善する。また、異なる要件、たとえば、アンテナポート間の電力平衡またはストリーム間の電力平衡などが満たされ得る。また、非コヒーレント送信に基づいて、同じ時間周波数リソース上で、同じ端末デバイスは、異なるアンテナポート上で異なる信号ストリームを送り、または、異なるアンテナポート上で異なるネットワークデバイスに信号を送り得、それによって、リソース活用を改善する。
上記に列挙されたタイプA、タイプB、およびタイプCは、第1のタイプのプリコーディング行列のサブタイプとして理解されてよく、タイプA、タイプB、およびタイプCは、異なる電力割り当て手法に基づいて、別々に設計され得ることが留意されるべきである。また、異なるランクについて、タイプA、タイプB、およびタイプCの1つまたは複数の可能なプリコーディング行列は、上記で別々に列挙される。タイプA、タイプB、およびタイプCのうちの少なくとも1つは、コードブック内に記憶されてよく、上位レイヤシグナリングは、使用可能なプリコーディング行列のタイプを示すために使用される。
2.第2のタイプのプリコーディング行列
(1)ランクは3である。
可能な設計では、3のランクを有するプリコーディング行列の構造
は、
、または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列、または
、または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列、または
、または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列、または
、または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列を満たし得る。
における下付き文字は、第2のタイプのプリコーディング行列を表し、上付き文字は、3のランクを表す。各列ベクトルは、少なくとも2つの非ゼロ要素および少なくとも1つのゼロ要素のみを含む。
任意選択で、φ1∈{1,-1,j,-j}、φ2∈{1,-1,j,-j}であり、jは虚数単位である。
任意選択で、
、
本願において、φ1およびφ2の2つの可能な値範囲が、本願において提供され、φ1およびφ2の値は、例のうちの任意の1つであってよいことが留意されるべきである。しかしながら、φ1およびφ2のどの値範囲が使用されるかにかかわらず、φ1およびφ2の値は、上記に提供される値範囲全体に及ぶ必要があることを意味しないことが留意されるべきである。φ1∈{1,-1,j,-j}は、例として使用され、φ1∈{1,-1,j,-j}は、φ1∈Aとして理解されてよく、Aは{1,-1,j,-j}または{1,-1,j,-j}のサブセットである。つまり、φ1は、φ1∈{1,-1}、またはφ1∈{j,-j}、またはφ1∈{1,j}、またはφ1∈{-1,-j}などを満たし得る。簡潔さのために、例は、本明細書において1つずつ列挙されない。同様に、φ2の値については、前述の関連する説明を参照されたい。簡潔さのために、同じまたは同様の場合は、以下で説明されない。
本願のこの実施形態において、φ1およびφ2の値は、プロトコル内で定義されてよく、異なるプリコーディング行列またはプリコーディング行列の異なる構造について、同じであってよく、または異なってよい。これは、本願において限定されない。
部分的なコヒーレント送信をサポートするために、少なくとも2つのアンテナポートがコヒーレント送信を実施し得ること、および非同期であるアンテナポートの少なくとも2つのグループが存在することが保証される必要がある。言い換えれば、各グループは少なくとも2つのアンテナポートを含むこと、各グループ内のアンテナポートはコヒーレント送信を実施し得ること、および、異なるグループ内のアンテナポートは互いに独立していることが保証される。したがって、アンテナポートは、少なくとも2つのグループにグループ化され得、各グループは、少なくとも2つのアンテナポートを含む。4つのアンテナポートの場合、アンテナポートは、ポート番号に従ってグループ化されて、たとえば、{1,3}および{2,4}、または{1,2}および{3,4}、または{1,4}および{2,3}が取得され得る。
プリコーディング行列内の各行の行番号が、アンテナポートのポート番号に対応している場合、
は、ポート番号{1,3}および{2,4}に基づいたグループ化の例を示す。同一グループ内のアンテナポートは、同じレイヤに対応していること、つまり、その非ゼロ要素が同じ列ベクトル内に位置するアンテナポートは、1つのグループ内にあることが理解され得る。
に示されるように、第1の行および第3の行内の非ゼロ要素は、第1の列および第3の列の両方内に位置しており、それらはアンテナポートの1つのグループ(たとえば、アンテナポートグループ#1と表される)に属すると考慮され得、第2の行および第4の行内の非ゼロ要素は、第2の列内に位置しており、それらはアンテナポートの別のグループ(たとえば、アンテナポートグループ#2と表される)に属すると考慮され得る。
φ1=φ2、φ1およびφ2∈{1,-1,j,-j}は別々に置換されることが仮定され、
ならびに
との行および/または列変換関係を有する行列は、
、
、
、
、または
を含み得る。
との行および/または列変換関係を有する上記に列挙された行列は、説明のための単なる例にすぎず、本願に対するいかなる限定も構成するべきでないことが理解されるべきである。第2のタイプのプリコーディング行列において、3のランクを有するプリコーディング行列の構造は、前述の例のうちの少なくとも1つを含んでよく、または、前述の例と異なる、
との行および/もしくは列変換関係を有する行列を含んでよい。
任意選択で、3のランクを有するプリコーディング行列の構造
は、
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列、または
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列、または
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列
のうちの少なくとも1つを満たす。
任意選択で、φ1∈{1,-1,j,-j}、φ2∈{1,-1,j,-j}であり、jは虚数単位である。
任意選択で、
、
である。
本願のこの実施形態において、φ1およびφ2の値は、プロトコル内で定義されてよく、異なるプリコーディング行列またはプリコーディング行列の異なる構造について、同じであってよく、または異なってよい。これは、本願において限定されない。
任意選択で、3のランクを有するプリコーディング行列の構造
は、
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列、または
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列、または
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列、または
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列、または
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列、または
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列のうちの少なくとも1つを含む。
、
、かつ、
である。本願のこの実施形態において、θ1およびθ2の値は、プロトコル内で定義されてよく、異なるプリコーディング行列またはプリコーディング行列の異なる構造について、同じであってよく、または異なってよい。これは、本願において限定されない。
任意選択で、3のランクを有するプリコーディング行列は、
または
W8との行および/もしくは列変換関係を有する行列
のうちの少なくとも1つを満たす。
から、アンテナポートグループ#1は、2つのレイヤの信号、つまり、2つのストリームを送るために使用され得、アンテナポートグループ#2は、1つのレイヤの信号、つまり、1つのストリームを送るために使用され得ることがさらに学習され得る。異なるストリーム間の電力平衡を保証するために、正規化係数は、正規化処理を通じて取得され得る。総送信電力は1であり、電力の
が、3つのレイヤの各々に割り当てられ得ると仮定される。つまり、電力の
は、プリコーディング行列内の各行ベクトルに割り当てられ得る。コヒーレント送信は、2つのアンテナポートを通じて各レイヤの信号ストリームに対して実施され得るので、電力の
は、各レイヤに対応する2つのアンテナポートの各々にさらに割り当てられ得、正規化係数
が取得され得る。したがって、W8、ならびにW8との行および/または列変換関係を有する行列は、ストリーム間の電力平衡を満たすプリコーディング行列として考慮されてよく、
は、ストリーム間の電力平衡を満たす正規化係数として考慮されてよい。
限定ではなく、例として、W5との行および/または列変換関係を有する行列は、
または
を含み得る。
上記に列挙されたW8、およびW8との行および/または列変換関係を有する行列は、説明のための単なる例にすぎず、本願に対するいかなる限定も構成するべきでないことが理解されるべきである。第2のタイプのプリコーディング行列は、前述の例のうちの少なくとも1つを含んでよく、または、前述の例と異なる、W8との行および/もしくは列変換関係を有する行列を含んでもよい。
任意選択で、3のランクを有するプリコーディング行列は、
または
W9との行および/もしくは列変換関係を有する行列
のうちの少なくとも1つを満たす。
H1は係数行列であり、または、H1は、正規化係数行列、つまり、正規化係数を含む行列であり、各アンテナポートまたはストリームの電力を調整するために使用され得る。
任意選択で、
または
である。
同じアンテナポートグループ内の各アンテナポートの電力を平衡させるために、各アンテナポートに割り当てられる電力は、正規化係数行列を使用することによって調整され得る。たとえば、H1における各係数の2乗が前述の式内へ置換された後、すべてのアンテナポートの電力の取得される和は1未満であり、各アンテナポートグループ内のアンテナポートに割り当てられる電力は同じである。
任意選択で、3のランクを有するプリコーディング行列は、
、又は
W10との行および/または列変換関係を有する行列
のうちの少なくとも1つを満たす。
H2は係数行列であり、または、H
2 は、正規化係数行列、つまり、正規化係数を含む行列であり、各アンテナポートまたはストリームの電力を調整するために使用され得る。
任意選択で、
または
である。
同じアンテナポートグループ内の各アンテナポートの電力を平衡させるために、各アンテナポートに割り当てられる電力は、正規化係数行列を使用することによって調整され得る。たとえば、H
2 における各係数の2乗が前述の式内へ置換された後、すべてのアンテナポートの電力の取得される和は1未満であり、各アンテナポートグループ内のアンテナポートに割り当てられる電力は同じである。
3のランクを有する上記に列挙されたプリコーディング行列は、説明のための単なる例にすぎず、本願に対するいかなる限定も構成するべきでないことが理解されるべきである。第2のタイプのプリコーディング行列において、3のランクを有するプリコーディング行列は、3のランクを有するプリコーディング行列の構造
が変換された(正規化処理、ならびに/または、行および/もしくは列変換など)後に得られる行列、または、前述の例と異なり、3のランクを有するプリコーディング行列の構造
のうちの任意の1つとの行および/もしくは列変換関係を有する行列が変換された後に取得される行列を含んでもよい。
(2)ランクは4である。
可能な設計では、4のランクを有するプリコーディング行列の構造
は、
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列、または
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列を満たし得る。
における下付き文字は、第2のタイプのプリコーディング行列を表し、上付き文字は、4のランクを表す。各列ベクトルは、少なくとも2つの非ゼロ要素および少なくとも1つのゼロ要素のみを含む。
任意選択で、φ1∈{1,-1,j,-j}、φ2∈{1,-1,j,-j}であり、jは虚数単位である。
任意選択で、
、
である。
本願のこの実施形態において、φ1およびφ2の値は、プロトコル内で定義されてよく、異なるプリコーディング行列またはプリコーディング行列の異なる構造について、同じであってよく、または異なってよい。これは、本願において限定されない。
プリコーディング行列内の各行の行番号が、アンテナポートのポート番号に対応している場合、
は、ポート番号{1,3}および{2,4}に基づいたグループ化の例を示す。同一グループ内のアンテナポートは、同じレイヤに対応していること、つまり、その非ゼロ要素が同じ列ベクトル内に位置するアンテナポートは、1つのグループ内にあることが理解され得る。
に示されるように、第1の行および第3の行内の非ゼロ要素は、第1の列および第3の列の両方内に位置しており、それらはアンテナポートの1つのグループ(たとえば、アンテナポートグループ#3と表される)に属すると考慮され得、第2の行および第4の行内の非ゼロ要素は、第2の列内に位置しており、それらはアンテナポートの別のグループ(たとえば、アンテナポートグループ#4と表される)に属すると考慮され得る。
φ1=φ2であり、φ1およびφ2の値{1,-1,j,-j}は、別々に置換されて、
が取得され、これは
および
を含み得ると仮定される。
4のランクを有するプリコーディング行列の上記に列挙された構造は、説明のための単なる例にすぎず、本願に対するいかなる限定も構成するべきでないことが理解されるべきである。第2のタイプのプリコーディング行列において、4のランクを有するプリコーディング行列の構造は、前述の例のうちの少なくとも1つを含んでよく、または、前述の例と異なる、
との行および/もしくは列変換関係を有する行列を含んでよい。
任意選択で、4のランクを有するプリコーディング行列は、
または
W11との行および/もしくは列変換関係を有する行列
のうちの少なくとも1つを満たす。
から、アンテナポートグループ#3は、2つのレイヤの信号、つまり、2つのストリームを送るために使用され得、アンテナポートグループ#4は、2つのレイヤの信号、つまり、2つのストリームを送るために使用され得ることがさらに学習され得る。異なるストリーム間の電力平衡を保証するために、正規化係数は、正規化処理を通じて取得され得る。総送信電力は1であり、電力の
が、4つのレイヤの各々に割り当てられ得ると仮定される。つまり、電力の
は、プリコーディング行列内の各行ベクトルに割り当てられ得る。コヒーレント送信は、2つのアンテナポートを通じて各レイヤの信号ストリームに対して実施され得るので、電力の
は、各レイヤに対応する2つのアンテナポートにさらに割り当てられ得、正規化係数
が取得され得る。したがって、W11、ならびにW11との行および/または列変換関係を有する行列は、ストリーム間の電力平衡を満たすプリコーディング行列として考慮されてよく、
は、ストリーム間の電力平衡を満たす正規化係数と考慮されてよい。
前述の設計に基づいて、コードブックは、[1,4]の範囲内の任意の数のレイヤを有する、4つのアンテナポートの部分的な非コヒーレント送信をサポートし得、これは送信柔軟性を大幅に改善する。また、異なる要件、たとえば、アンテナポート間の電力平衡またはストリーム間の電力平衡などが満たされ得る。また、部分的な非コヒーレント送信に基づいて、同じ時間周波数リソース上で、1つの端末デバイスは、異なるアンテナポートグループに基づいて、異なる信号ストリームを送り、または、異なるアンテナポートグループに基づいて、異なるネットワークデバイスに信号を送り得、同じアンテナポートグループ内のアンテナに基づいてコヒーレント送信をさらに実施して、信号品質を改善し得る。
4のランクを有する上記に列挙されたプリコーディング行列は、説明のための単なる例にすぎず、本願に対するいかなる限定も構成するべきでないことが理解されるべきである。第2のタイプのプリコーディング行列において、4のランクを有するプリコーディング行列は、4のランクを有するプリコーディング行列の構造
が変換された(正規化処理、ならびに/または、行および/もしくは列変換など)後に得られる行列、または、前述の例と異なり、4のランクを有するプリコーディング行列の構造
のうちの任意の1つとの行および/もしくは列変換関係を有する行列が変換された後に取得される行列を含んでもよい。
3.第3のタイプのプリコーディング行列
第3のタイプのプリコーディング行列内の各要素は、非ゼロ要素であり、任意の2つの列ベクトルは、互いに直交する。
つまり、第3のタイプのプリコーディング行列は、ゼロ要素を含まない。
2つの列ベクトルが互いに直交することは、1つのプリコーディング行列内の1つの列ベクトルおよび同じプリコーディング行列内の別の列ベクトルの共役転置行列の積がゼロとなることを意味することが留意されるべきである。任意の2つの列ベクトルが互いに直交する、つまり、積がゼロになるという結果は、プリコーディング行列内の任意の2つの列ベクトルについて前述のステップを実施することによって取得され得る。
可能な設計では、任意選択で、4のランクを有するプリコーディング行列の構造は、
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列
のうちの少なくとも1つを満たす。
α∈{1,-1,j,-j}であり、jは虚数単位であり、
、および
は、離散フーリエ変換DFTベクトルであり、
を満たし、i={k1,k2,k1+x1O,k2+x2O}であり、
であり、iは整数であり、Nはアンテナポート品質であり、N=4である。4つのアンテナポートを有するコードブックについて、Oの値は2であり得、O=2の場合、x1∈{0,1}、かつx2∈{0,1}である。
i={k1,k2,k1+x1O,k2+x2O}は、iがk1、k2、k1+x1O、またはk2+x2Oであり得ることを示す。たとえば、
、および
である。
である。また、iは整数であり、{k1,k2,k1+x1O,k2+x2O}のうちの任意の1つが、
における整数であることを示す。たとえば、
、および
である。
任意選択で、Oはオーバーサンプリング因子であってよく、x1は、プリコーディング行列の構造内のDFTベクトル
と、DFTベクトルによって表される物理的なビームとの間の間隔として理解されてよく、つまり、そのビーム間隔差がx1倍であるオーバーサンプリング因子である。同様に、x2は、プリコーディング行列の構造内のDFTベクトル
と、DFTベクトルによって表される物理的なビームとの間の間隔として理解されてよく、つまり、そのビーム間隔差がx2倍であるオーバーサンプリング因子である。
任意選択で、3のランクを有するプリコーディング行列の構造は、
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列、または
における任意の3つの列を含む行列、または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列における任意の3つの列を含む行列
のうちの少なくとも1つを満たす。
任意選択で、2のランクを有するプリコーディング行列の構造は、
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列、または
における任意の2つの列を含む行列、または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列における任意の2つの列を含む行列
のうちの少なくとも1つを満たす。
任意選択で、1のランクを有するプリコーディング行列の構造は、
または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列、または
における任意の列を含む行列、または
との行および/もしくは列変換関係を有する行列における任意の列を含む行列
のうちの少なくとも1つを満たす。
前述の内容は、異なるランクに対応するコードブック内のプリコーディング行列の構造の複数の可能な形態を列挙していることが理解されるべきである。しかしながら、これは、本願に対するいかなる限定も構成するべきでない。第3のタイプのプリコーディング行列において、プリコーディング行列の構造は、前述の例のうちの少なくとも1つを含んでよく、または、前述の例のうちの任意の1つとの行および/もしくは列変換関係を有し、前述の例と異なる行列を含んでよい。また、正規化処理および/または上記に提供される任意の可能なプリコーディング行列の構造に基づいた行/列関係変換を通じて取得される任意のプリコーディング行列は、本願の保護範囲内に収まるべきものである。簡潔さのために、例は、本明細書において1つずつ列挙されない。
また、本願のこの実施形態においては、既存の(たとえば、LTEプロトコル)コードブックと異なり、本願において提供されるコヒーレント送信のために使用されるプリコーディング行列において、各列ベクトル内に含まれる2つの離散フーリエ変換(discrete Fourier transform、DFT)ベクトルは、2つの異なるDFTベクトルであってよく、位相因子αを使用することだけによって区別されないことが留意されるべきである。理解を簡単にするために、図3は、アンテナポートの概略図である。
図3のアンテナポートグループは、アンテナポートのグループを2つ含み得、図中の各×は、異なる偏波方向の2つのアンテナポートを含むアンテナポートグループを表す。アンテナポート#0およびアンテナポート#1は、同じ偏波方向のアンテナポートであり、たとえばb1として表される同じDFTベクトルに対応し得る。アンテナポート#2およびアンテナポート#3は、同じ偏波方向のアンテナポートであり、たとえばb2として表される同じDFTベクトルに対応し得る。ここで、b1とb2とは互いに直交する。代替として、アンテナポート#0およびアンテナポート#2は、異なる偏波方向のアンテナポートの1つのグループであり、たとえばb1として表される同じDFTベクトルに対応し得る。アンテナポート#1およびアンテナポート#3は、異なる偏波方向のアンテナポートの別のグループであり、たとえばb2として表される同じDFTベクトルに対応し得る。ここで、b1とb2とは互いに直交する。本願のこの実施形態では、ランク1が例として使用される。プリコーディング行列の構造は、
であり得、これは、既存のコードブック内のプリコーディング行列の構造
とは異なる。したがって、同じ列ベクトルを構成する2つのDFTベクトルが同じビーム方向を指すことを要求する必要はない。このようにして、プリコーディング行列の選択範囲が拡大され得、したがってコードブックの最小グラスマン距離が増やされ、それによりシステム性能改善が容易になる。
上に提供されたプリコーディング行列の構造の理解を容易にするために、以下、詳細な実施形態を参照しながら、上に列挙されたプリコーディング行列の構造について詳細に記述する。
アンテナポート数Nが4でありオーバーサンプリングファクタOが2であると仮定され、biは次のように得られてよい。
、および
たとえば、k1=0およびk2=2の場合、以下が得られてよい。
および
αの値が1である場合、得られるランク1のプリコーディング行列の構造は、
であり得る。正規化処理後、たとえば正規化係数
を掛けた後、得られるランク1のプリコーディング行列は、
であり得る。ここで、正規化係数
は、アンテナポート間の電力等化を実装するために使用され得る。
x1=1およびx2=1とすると、得られるランク4のプリコーディング行列の構造は、
であり得る。正規化処理後、たとえば正規化係数
を掛けた後、得られるランク4のプリコーディング行列は、
であり得る。ここで、正規化係数
は、ストリーム間の電力等化を実装するために使用され得る。
ランク2のプリコーディング行列の構造は、ランク4のプリコーディング行列の構造中の任意の2つの列を含み得る。たとえば、この構造は、
であり得る。正規化処理後、たとえば正規化係数
を掛けた後、得られるランク2のプリコーディング行列は、
であり得る。ここで、正規化係数
は、ストリーム間の電力等化を実装するために使用され得る。
ランク3のプリコーディング行列の構造は、ランク4のプリコーディング行列の構造中の任意の3つの列を含み得る。たとえば、この構造は、
であり得る。正規化処理後、たとえば正規化係数
を掛けた後、得られるランク3のプリコーディング行列は、
であり得る。ここで、正規化係数
は、ストリーム間の電力等化を実装するために使用され得る。
別の例では、k1=0およびk2=0の場合、以下が得られてよい。
αの値がjであり、x1=1およびx2=1の場合、得られるランク4のプリコーディング行列の構造は、
であり得る。正規化処理後、たとえば正規化係数
を掛けた後、得られるランク4のプリコーディング行列は、
であり得る。ここで、正規化係数
は、アンテナポート間の電力等化を実装するために使用され得る。
別の例で、k1=1およびk2=1の場合、以下が得られてよい。
αの値がjであり、x1=1およびx2=1の場合、得られるランク4のプリコーディング行列の構造は、
であり得る。正規化処理後、たとえば正規化係数
を掛けた後、得られるランク4のプリコーディング行列は、
であり得る。ここで、正規化係数
は、アンテナポート間の電力等化を実装するために使用され得る。
別の例で、k1=1およびk2=3の場合、以下が得られてよい。
および
αの値がjであり、x1=1およびx2=1の場合、得られるランク4のプリコーディング行列の構造は、
であり得る。正規化処理後、たとえば正規化係数
を掛けた後、得られるランク4のプリコーディング行列は、
であり得る。ここで、正規化係数
は、アンテナポート間の電力等化を実装するために使用され得る。
上に列挙されたプリコーディング行列の構造およびプリコーディング行列は、記述のための例にすぎず、本願に対するどんな限定も構成すべきでないことを理解されたい。第3のタイプのプリコーディング行列においては、プリコーディング行列はさらに、上に列挙されたプリコーディング行列のうちの任意の1つに対して行および/または列変換を実施することによって得られる行列を含み得る。
加えて、ランク1、2、および3のプリコーディング行列の構造は、ランク4のプリコーディング行列の構造中の任意の1つの列、2つの列、または3つの列を別々に含み得、ランク1、2、又は3のプリコーディング行列は、ランク1、2、および3のプリコーディング行列の構造に1つの正規化係数を掛けることによって別々に得られてよい。たとえば、正規化係数は
であり得る。
上に列挙されたランク1、2、3、および4のプリコーディング行列の構造ならびに対応するプリコーディング行列は、記述のための例であり、本願に対するどんな限定も構成すべきでないことを、さらに理解されたい。第3のタイプのプリコーディング行列においては、プリコーディング行列の構造は、前述の例のうちの少なくとも1つを含み得、または、前述の例のうちの任意の1つとの行および/もしくは列変換関係を有する行列であって前述の例とは異なる行列を含み得る。加えて、上に提供された任意の可能なプリコーディング行列の構造に基づいて正規化処理および/または行/列関係変換を通して得られるどんなプリコーディング行列も、本願の保護範囲内に入るべきである。簡潔にするために、本明細書では例が1つ1つ列挙されることはない。
別の可能な設計では、第3のタイプのプリコーディング行列はWMを含み、ここで、WMは、W0内のM個の列ベクトルを含み、W0およびランク1のコードブック内の任意のプリコーディング行列uは、次の数学的変換関係を満たす。
W0=I-2uuH/uHu
WMはランクMのプリコーディング行列を表し、M≧1であり、Mは整数であり、Iは識別行列であり、uHはuの共役転置行列である。本願のこの実施形態では、ランク1のコードブックについては、既存のプロトコル(たとえば、LTEプロトコル)において提供されるランク1のコードブックを参照されたい。限定ではなく例として、ランク1のコードブック内のプリコーディング行列は、以下を含み得る。
、
、および
上に列挙されたランク1のコードブック内のプリコーディング行列のうちの任意の1つがw1として表される場合、任意選択で、ランク1のコードブック内のプリコーディング行列uはw2をさらに含み、w2はw1’からとられ、w1とw2との間のグラスマン距離は、
以上であり、w1’およびw1は、次の関係を満たす。
α1∈{1,-1,j,-j}、α2∈{1,-1,j,-j}、α3∈{1,-1,j,-j}、およびα4∈{1,-1,j,-j}である。本願のこの実施形態では、α1、α2、α3、およびα4の値は、プロトコルにおいて定義され得、同じであるかまたは異なることがある。これは本願において限定されない。
ここで、w1とw2との間のグラスマン距離は、
として定義され得、ここで、
は、行列のフロベニウスノルムを表す。
この実施形態では、w1とw2との間のグラスマン距離は、α1、α2、α3、およびα4の選択を通して、
以上であることが可能にされ得る。たとえば、α1=1、α2=-1、α3=0、およびα4=1である。
本明細書で言及されるハウスホルダ(Householder)数学的変換およびグラスマン距離の具体的な計算プロセスは、従来技術における計算プロセスと同じであり得ることを理解されたい。簡潔にするために、本明細書ではその具体的な計算プロセスについての詳細な記述は省略される。
上に列挙されたランク1のコードブックは、記述のための例にすぎず、本願に対するどんな限定も構成すべきでないことをさらに理解されたい。ランク1のコードブックは、上に列挙された既存のプロトコル(たとえば、LTEプロトコル)におけるランク1のコードブック内のプリコーディング行列w1のみを含んでもよく、または、本願で提案されるランク1のプリコーディング行列w2のみを含んでもよく、または、上に列挙されたw1およびw2のうちのいくつかもしくはすべてを含んでもよく、さらには、将来のプロトコルにおいて定義されるランク1のコードブック内のプリコーディング行列を含んでもよい。これは本願において限定されない。
この実施形態における第3のタイプのプリコーディング行列WMは、ランク1のコードブック内のM個のプリコーディング行列を含み得、または、M個のプリコーディング行列によって形成される行列との行および/もしくは列変換関係を有する行列を含み得ることをさらに理解されたい。簡潔にするために、本明細書では例が1つ1つ列挙されることはない。
WMはW0内のM個の列ベクトルを含み得るが、このことは、WMがW0内の任意のM個の列ベクトルを含み得ることを意味しないことに留意されたい。W0内の任意のM個の列ベクトルを含む複数の行列において、WMが複数の行列のうちの少なくとも1つを含むなら、WMは本願によって主張される保護範囲内に入るべきである。
さらに別の可能な設計では、第3のタイプのプリコーディング行列はWMを含み、ここで、WMはランク1のコードブック内のM個のプリコーディング行列を含み、Mはランクであり、M≧1であり、Mは整数である。
ランク1のコードブックは、上に列挙された既存のプロトコル(たとえば、LTEプロトコル)におけるランク1のコードブック内のプリコーディング行列w1を含んでもよく、または、本願で提案されるランク1のプリコーディング行列w2を含んでもよく、または、上に列挙されたw1およびw2のうちのいくつかまたはすべてを含んでもよく、さらには、将来のプロトコルにおいて定義されるランク1のコードブック内のプリコーディング行列を含んでもよい。これは本願において限定されない。
この実施形態における第3のタイプのプリコーディング行列WMは、ランク1のコードブック内のM個のプリコーディング行列を含み得、または、任意のM個のプリコーディング行列によって形成される行列との行および/もしくは列変換関係を有する行列を含み得ることを理解されたい。簡潔にするために、本明細書では例が1つ1つ列挙されることはない。
WMはランク1のコードブック内のM個の列ベクトルを含み得るが、このことは、WMがランク1のコードブック内の任意のM個の列ベクトルを含み得ることを意味しないことに留意されたい。ランク1のコードブック内の任意のM個の列ベクトルを含む複数の行列において、WMが複数の行列のうちの少なくとも1つを含むなら、WMは本願によって主張される保護範囲内に入るべきである。
前述の3つのタイプのプリコーディング行列に基づいて、コードブックは、[1,4]の範囲内の任意数のレイヤを有する4つのアンテナポートのコヒーレント送信、部分的コヒーレント送信、および非コヒーレント送信をサポートし得、これは送信フレキシビリティを著しく改善する。加えて、アンテナポート間の電力等化またはストリーム間の電力等化などの異なる要件が満たされ得る。端末デバイスは、構成された複数のアンテナを使用して、また種々の送信形式に基づいて、同じ時間周波数リソース上でネットワークデバイスと通信し得、これはリソース利用を改善し端末デバイスの性能を改善する。加えて、上に列挙された様々なプリコーディング行列の設計において、プリコーディング行列の選択範囲が拡大され得、それにより、コードブックの最小グラスマン距離が増やされ、システム性能改善が容易になる。
しかし、本願ではランク1から4の4アンテナポートプリコーディング行列の可能な形が詳細に列挙されているが、これは本願に対するどんな限定も構成すべきでないことを理解されたい。上に列挙されたプリコーディング行列に基づいて数学的変換または変形が実施された後に得られる行列は、本願の保護範囲内に入るべきである。加えて、同じコンセプトに基づいて、4よりも高いランクの4アンテナポートプリコーディング行列が得られてもよい。簡潔にするために、本明細書では、詳細なプリコーディング行列に関する詳細については記述されない。
前述の設計に基づいて、コードブックは少なくとも2つのタイプのプリコーディング行列を含み得るが、これは、コードブックが互いに独立した3つの部分に分割されることを意味しない。少なくとも2つのタイプのプリコーディング行列は、区別なく同じコードブックに記憶されてもよく、または、異なるタイプに基づいて異なるコードブックサブセットとして定義されてもよい。これは本願において限定されない。
ステップ230で、端末デバイスは、PMIおよびRIを使用することによって決定されたプリコーディング行列(すなわち、前述のターゲットプリコーディング行列)に基づいて信号をプリコーディングして、プリコーディングされた信号を得る。
任意選択で、ステップ230は具体的には、
端末デバイスによって、PMIおよびRIに基づいてターゲットプリコーディング行列を決定することと、
端末デバイスによって、ターゲットプリコーディング行列に基づいて信号をプリコーディングして、プリコーディングされた信号を得ることと
を含む。
具体的には、端末デバイスによってPMIおよびRIに基づいてターゲットプリコーディング行列を決定するための具体的な方法については、前述の方式1から方式6を参照されたい。簡潔にするために、本明細書では詳細について再び記述されることはない。端末デバイスは、PMIおよびRIを使用して決定されたターゲットプリコーディング行列に基づいて、送られることになる信号(たとえば、アップリンクデータまたはアップリンク制御シグナリング)をプリコーディングして、プリコーディングされた信号を得てよい。
端末デバイスが信号をプリコーディングする際の具体的なプロセスは、従来技術におけるプロセスと同じであり得ることを理解されたい。簡潔にするために、本明細書では、具体的なプロセスについての詳細な記述は省略される。
ステップ240で、端末デバイスは、プリコーディングされた信号を送る。
これに対応して、ステップ240で、ネットワークデバイスは、プリコーディングされた信号を受信する。
理解を容易にする目的のみで、プリコーディングされた信号を端末デバイスがネットワークデバイスに送る際のプロシージャが図示されていることに留意されたい。しかし、実際には、端末デバイスは、プリコーディングされた信号を、構成された複数のアンテナポートを通して1つまたは複数のネットワークデバイスに送ってよい。したがって、ステップ240で、プリコーディングされた信号を受信するネットワークデバイスは、ステップ210におけるネットワークデバイスのみを含むこともあり、または、ステップ210におけるネットワークデバイスに加えて別のネットワークデバイスを含むこともあり、または、ステップ210におけるネットワークデバイスとは異なるネットワークデバイスであることもある。たとえば、端末デバイスは、PMIおよびRIをネットワークデバイス#1から受信し、プリコーディングされた信号をネットワークデバイス#2に送る。ネットワークデバイス#1は、ステップ210におけるネットワークデバイスの例である。本願では、端末デバイスが信号を送る対象についてどんな限定も課されない。
任意選択で、ステップ240で、端末デバイスによってネットワークデバイスに送られるプリコーディングされた信号は、プリコーディングされたアップリンクデータおよびプリコーディングされたDMRSを含み得、したがって、ネットワークデバイスは、DMRSに基づいて等価なチャネル行列を決定し、さらに、復調を通して、端末デバイスによって送られたアップリンクデータを得る。
ステップ240でネットワークデバイスがプリコーディングされた信号を受信した後の処理プロセスは、従来技術における処理プロセスと同じであってよいことを理解されたい。簡潔にするために、本明細書ではその具体的なプロセスについての詳細な記述は省略される。
したがって、前述の設計に基づき、端末デバイスは、対応する能力を有するときは、コヒーレント送信、部分的コヒーレント送信、および非コヒーレント送信のうちの少なくとも2つの送信形式で、1つまたは複数のネットワークデバイスと通信し得る。したがって、端末デバイスの送信フレキシビリティが改善され、異なる複数の送信形式が使用され、よって、異なる送信要件が満たされることが可能であり、それによりリソース利用改善が容易になる。
本願のこの実施形態では、ネットワークデバイスは、可能な複数の方式でターゲットプリコーディング行列を端末デバイスに対して示し得る。ネットワークデバイスがターゲットプリコーディング行列を示し、端末デバイスが受信されたPMIおよびRIに基づいてターゲットプリコーディング行列を決定する際の具体的なプロセスについて、異なる方式(方式1から方式6を含む)に関して以下に詳細に記述する。
後続の可能な複数のインジケーション方式では、PMIを使用してコードブックインデックス(codebook index)が示され得、各コードブックインデックスは、1つのプリコーディング行列に対応し得(もしくはコードワードと呼ばれることがあり)、または、コードブックインデックスとプリコーディング行列との1対1対応がコードブックに記憶され得ることに留意されたい。すなわち、同じランクに対応するコードブック内で、コードブックインデックスとプリコーディング行列とは1対1対応にあり得る。したがって、PMIを使用して、ランクに対応するコードブック内のターゲットプリコーディング行列が示され得る。簡潔にするために、以下では、同じまたは類似のケースについては記述されない。
方式1
ネットワークデバイスは第4のインジケーション情報およびRIを送り得、ここで、RIは、プリコーディング行列のランクを示すために使用され、第4のインジケーション情報は、RIによって示されるランクに対応するコードブック内のターゲットプリコーディング行列を示すために使用される。
言い換えれば、同じランクに対応するコードブック内で、第4のインジケーション情報を使用して1つのプリコーディング行列が示される。任意選択で、第4のインジケーション情報はPMIであり得る。
たとえば、複数のプリコーディング行列がコードブックに記憶され、ランクがRIによって示され得、ターゲットプリコーディング行列に対応するコードブックインデックスが、ランクに対応するコードブック内で第4のインジケーション情報を使用して示され得ると仮定される。
これに対応して、方式1では、端末デバイスは、第4のインジケーション情報およびRIを受信し、第4のインジケーション情報およびRIに基づいてターゲットプリコーディング行列を決定する。
任意選択で、第4のインジケーション情報およびRIは、DCI中で搬送される。
方式2
ネットワークデバイスは第5のインジケーション情報およびRIを送り得、ここで、RIは、プリコーディング行列のランクを示すために使用され、第5のインジケーション情報は2つのインジケーションフィールドを含み得、2つのインジケーションフィールドのうちの第1のインジケーションフィールドは、第1のタイプのプリコーディング行列と第2のタイプのプリコーディング行列と第3のタイプのプリコーディング行列とのうちの少なくとも1つのタイプを示し、2つのインジケーションフィールドのうちの第2のインジケーションフィールドは、RIによって示されるランクに対応するコードブック内の、第1のインジケーションフィールドによって示される少なくとも1つのプリコーディング行列タイプのターゲットプリコーディング行列を示す。
言い換えれば、ネットワークデバイスは、1つのインジケーション情報を使用して2つのレベルのインジケーション情報を搬送し得、それによりターゲットプリコーディング行列を端末デバイスに対して示し得る。任意選択で、第5のインジケーション情報はPMIであり得る。
たとえば、複数のプリコーディング行列がコードブックに記憶され、ランクがRIによって示され得ると仮定される。ランクに対応するコードブックには、少なくとも2つのタイプのプリコーディング行列、たとえば、前述の3つのタイプのうちの少なくとも2つのタイプのプリコーディング行列が含まれ得る。第5のインジケーション情報中の第1のインジケーションフィールドは、利用可能なプリコーディング行列のタイプを示し得る。たとえば、第1のインジケーションフィールドは2ビットであり得、下の表1に、第1のインジケーションフィールドとプリコーディング行列のタイプとの対応が示され得る。
第1のインジケーションフィールド中の異なる値は、異なるタイプのプリコーディング行列に対応し、第2のインジケーションフィールドは、利用可能なプリコーディング行列のタイプ(すなわち、第1のインジケーションフィールドに対応するプリコーディング行列のタイプ)のターゲットプリコーディング行列を示し得ることがわかる。この実装では、プリコーディング行列の各タイプは、1つのコードブックインデックスセットを使用して示され得る。具体的には、第1のインジケーションフィールド中の値が同じであるとき、すなわち1つのタイプのプリコーディング行列に対応するときは、第2のインジケーションフィールド中の値を使用して1つのプリコーディング行列が一意に示され得る。したがって、同じランクに対応するコードブック内で、第5のインジケーション情報中の第1のインジケーションフィールドおよび第2のインジケーションフィールドを使用してターゲットプリコーディング行列が合同で示される。
同じコードブックインデックスセット内では、各インデックス値が1つのプリコーディング行列を示すことを理解されたい。すなわち、1つのコードブックインデックスセット内の任意の2つのインデックス値は異なる。異なる2つのコードブックインデックスセット内では、同じインデックス値によって示されるプリコーディング行列は異なり得る。簡潔にするために、以下では、同じまたは類似のケースについては記述されない。
表1に列挙された第1のインジケーションフィールドとプリコーディング行列のタイプとの対応は、例にすぎず、本願に対するどんな限定も構成すべきでないことをさらに理解されたい。たとえば、下の表2にもまた、第1のインジケーションフィールドとプリコーディング行列のタイプとの対応が示され得る。
この実装では、第1のインジケーションフィールドが異なる値を有するとき、第2のインジケーションフィールドは、1つのコードブックインデックスセットに対応する。第1のインジケーションフィールドによって示されるプリコーディング行列のタイプが決定されたとき、第1のインジケーションフィールドによって示される1つまたは複数のプリコーディング行列タイプのプリコーディング行列は、コードブックインデックスと1対1対応にあり得る。ネットワークデバイスと端末デバイスとは、コードブックインデックスとプリコーディング行列との可能な複数の1対1対応について事前合意していてよい。たとえば、第1のタイプのプリコーディング行列のみが使用されるときは、第1のタイプのプリコーディング行列におけるプリコーディング行列は1つのコードブックインデックスセットに対応し得、各コードブックインデックスは1つのプリコーディング行列に対応する。第1のタイプのプリコーディング行列および第2のタイプのプリコーディング行列のみが使用されるときは、第1のタイプのプリコーディング行列および第2のタイプのプリコーディング行列におけるプリコーディング行列は、1つのコードブックインデックスセットに対応し得、各コードブックインデックスは1つのプリコーディング行列に対応する。第1のタイプのプリコーディング行列、第2のタイプのプリコーディング行列、および第3のタイプのプリコーディング行列が使用されるときは、第1のタイプのプリコーディング行列、第2のタイプのプリコーディング行列、および第3のタイプのプリコーディング行列におけるプリコーディング行列は、1つのコードブックインデックスセットに対応し得、各コードブックインデックスは1つのプリコーディング行列に対応する。1つまたは2つのタイプのプリコーディング行列のみが使用されるときは、コードブックインデックスのビット数が低減され得ること、すなわち第5のインジケーション情報のビットオーバーヘッドが低減され得ることが理解され得る。コードブックインデックスとプリコーディング行列との1対1対応は、プロトコルにおいて定義されてもよく、または上位レイヤシグナリングを使用して構成されてもよい。これは本願において限定されない。
代替として、第1のタイプのプリコーディング行列、第2のタイプのプリコーディング行列、および第3のタイプのプリコーディング行列に対して、同じコードブックインデックスセットが定義されてよい。たとえば、第1のタイプのプリコーディング行列のコードブックインデックスには0からX1までの番号が順に付けられ、第2のタイプのプリコーディング行列のコードブックインデックスにはX2+1からX3までの番号が順に付けられ、第3のタイプのプリコーディング行列のコードブックインデックスにはX4+1からX5までの番号が順に付けられ、X2≧X1であり、X4≧X3である。第1のインジケーションフィールドは、コードブックインデックスの第1の値が0、X3+1、またはX5+1であることを暗黙的に示す。すなわち、第1のタイプのプリコーディング行列のコードブックインデックスと第2のタイプのプリコーディング行列のコードブックインデックスとは、連続してもよく(たとえば、X2=X1)、または不連続であってもよく(たとえば、X2>X1)、第2のタイプのプリコーディング行列のコードブックインデックスと第3のタイプのプリコーディング行列のコードブックインデックスとは、連続してもよく(たとえば、X4=X3)、または不連続であってもよい(たとえば、X4>X3)。これは本願において限定されない。
異なる複数のタイプのプリコーディング行列が使用されるときは、コードブックインデックスとプリコーディング行列との1対1対応を決定する方法は事前合意されていてもよく、または、コードブックインデックスとプリコーディング行列との1対1対応は動的に変更されてもよいことを理解されたい。コードブックインデックスとプリコーディング行列との対応を定義する方法は、本願において限定されない。
これに対応して、方式2では、端末デバイスは、第5のインジケーション情報およびRIを受信し、第5のインジケーション情報およびRIに基づいてターゲットプリコーディング行列を決定する。
任意選択で、第5のインジケーション情報およびRIは、DCI中で搬送される。
方式3
ネットワークデバイスは、インジケーション情報#1(すなわち、第1のインジケーション情報の例)、第6のインジケーション情報、およびRIを送る。ここで、インジケーション情報#1は、利用可能なコードブックサブセットを示すために使用され、RIは、ターゲットプリコーディング行列のランクを示すために使用され、第6のインジケーション情報は、インジケーション情報#1によって示される利用可能なコードブックサブセット内にあり、RIによって示されるランクに対応するコードブック内にある、ターゲットプリコーディング行列を示すために使用される。
実装A:
任意選択で、インジケーション情報#1は、コードブックサブセット制限(codebook subset restriction(CSR))である。
任意選択で、CSRは、上位レイヤシグナリング中で搬送される。上位レイヤシグナリングは、たとえば、RRCメッセージまたはMAC-CEメッセージを含み得る。
任意選択で、第6のインジケーション情報はPMIである。
任意選択で、PMIおよびRIは、DCI中で搬送される。
このようにして、同じRIに対応するコードブック内では、各PMI中の値は1つのプリコーディング行列を一意に示し得る。
ネットワークデバイスは、上位レイヤシグナリングを使用してランクのCSRを端末デバイスに対してさらに示し得、したがって、端末デバイスは、制限されたランクに対応するコードブック内で、インジケーション情報#1に基づいて、利用可能なコードブックサブセットを決定することに留意されたい。ここで、コードブックサブセットは、第1のタイプのプリコーディング行列、第2のタイプのプリコーディング行列、および第3のタイプのプリコーディング行列のうちの少なくとも1つのタイプを含み得る。
可能な設計では、インジケーション情報#1はビットマップであり得る。ビットマップは複数のインジケーションビットを含み得、各インジケーションビットは1つのコードブックサブセットに対応し、各インジケーションビットを使用して、対応するコードブックサブセット内のプリコーディング行列が利用可能なプリコーディング行列かどうかが示される。
たとえば、コードブックが第1のコードブックサブセット(たとえば、第1のタイプのプリコーディング行列を含む)、第2のコードブックサブセット(たとえば、第2のタイプのプリコーディング行列を含む)、および第3のコードブックサブセット(たとえば、第3のタイプのプリコーディング行列を含む)を含む場合、3つのコードブックサブセットはそれぞれ、ビットマップ中の1つのインジケーションビットに対応し得る。この場合、ビットマップは3つのインジケーションビットを含み得、3つのインジケーションビットはそれぞれ、順番に3つのコードブックサブセットに対応し得る。たとえば、第1のインジケーションビットは第1のコードブックサブセットに対応し、第2のインジケーションビットは第2のコードブックサブセットに対応し、第3のインジケーションビットは第3のコードブックサブセットに対応する。インジケーションビットが「0」にセットされているとき、これは、示されるコードブックサブセット内のプリコーディング行列が、利用不可能なプリコーディング行列であることを示す。インジケーションビットが「1」にセットされているとき、これは、示されるコードブックサブセット内のプリコーディング行列が、利用可能なプリコーディング行列であることを示す。
コードブックサブセット内のプリコーディング行列が利用可能なプリコーディング行列であるかどうかを示すためにビットマップが使用されるとき、ビットマップは、1つまたは複数のコードブックサブセット内のプリコーディング行列が利用可能なプリコーディング行列であることを同時に示し得ることを理解されたい。これは本願において限定されない。1つまたは複数のコードブックサブセット内のプリコーディング行列が利用可能なプリコーディング行列であるとき、コードブックインデックスとプリコーディング行列との対応については、上の方式2における関連の記述を参照されたい。簡潔にするために、本明細書では詳細について再び記述されることはない。ネットワークデバイスは、コードブックインデックスとプリコーディング行列との対応に基づいて、PMIを使用してターゲットプリコーディング行列を端末デバイスに対して示し得る。
上に列挙された、インジケーションビットとプリコーディング行列のタイプとの1対1対応は、記述のための例にすぎず、本願に対するどんな限定も構成すべきでないことをさらに理解されたい。各インジケーションビットとプリコーディング行列のタイプとの対応は、事前合意されていてよい。ネットワークデバイスは、事前合意済みの対応に基づいて、利用可能なプリコーディング行列のタイプを端末デバイスに対して示し得る。上に列挙されたインジケーションビットの種々の値によって示される情報は、記述のための例にすぎず、本願に対するどんな限定も構成すべきでないことをさらに理解されたい。
別の可能な設計では、インジケーション情報#1は1つのインジケーションフィールドを含み得、インジケーションフィールドの異なる値は、異なるタイプのプリコーディング行列が使用されることになることを示す。たとえば、インジケーションフィールドは2ビットを含み、下の表3に、インジケーションフィールドとプリコーディング行列のタイプとの対応が示され得る。
この実装では、ネットワークデバイスは、上位レイヤシグナリングを使用して、利用可能なプリコーディング行列のセットを端末デバイスに対して示し得る。利用可能なプリコーディング行列のセットは、時間期間内で不変であってもよく、または半静的であってもよい。したがって、前述の方式と比較して、ネットワークデバイスがDCIを使用してPMIおよびRIを端末デバイスに送るとき、PMIのオーバーヘッドが低減され得る。これは、ネットワークデバイスが、1つのコードブックインデックスセットを使用して各タイプのプリコーディング行列を示し得るからであり、各コードブックインデックスセットは1つのPMIセットを使用して示され得、異なるタイプのプリコーディング行列に対応する複数のコードブックインデックスセットは互いに独立し得、異なるタイプのプリコーディング行列のコードブックインデックスを示すために使用される複数のPMIセットもまた、互いに独立し得る。たとえば、第1のタイプのプリコーディング行列におけるランク1のプリコーディング行列のうちの0番目のプリコーディング行列に対応するコードブックインデックスは「00」であり得、ネットワークデバイスは、値「00」を有するPMIをたとえば使用して、プリコーディング行列を示し得る。第2のタイプのプリコーディング行列におけるランク1のプリコーディング行列のうちの0番目のプリコーディング行列に対応するPMIの値もまた「00」であり得、ネットワークデバイスは、値「00」を有するPMIをたとえば使用して、プリコーディング行列を示し得る。第3のタイプのプリコーディング行列におけるランク1のプリコーディング行列のうちの0番目のプリコーディング行列に対応するPMIの値もさらに「00」であり得、ネットワークデバイスはさらに、値「00」を有するPMIをたとえば使用して、プリコーディング行列を示し得る。しかし、プリコーディング行列のタイプが上位レイヤシグナリングを使用して示されない場合は、3つのタイプのプリコーディング行列におけるランク1のプリコーディング行列が、同じPMIセットを使用して示される必要があり得る。したがって、第1のタイプのプリコーディング行列におけるランク1のプリコーディング行列のうちの0番目のプリコーディング行列に対応するPMIと、第2のタイプのプリコーディング行列におけるランク1のプリコーディング行列のうちの0番目のプリコーディング行列に対応するPMIと、第3のタイプのプリコーディング行列におけるランク1のプリコーディング行列のうちの0番目のプリコーディング行列に対応するPMIとは、異なる値を使用して区別される必要がある。コードブックに含まれるプリコーディング行列の数が比較的多いときは、比較的大きいビットオーバーヘッドが必要とされ得る。しかし、コードブックが3つのコードブックサブセットに分割された場合、各コードブックサブセット内のプリコーディング行列の数は、コードブック内のプリコーディング行列の総数よりも確実に少なく、必要とされるビットオーバーヘッドは著しく低減され得る。
表3に列挙されたインジケーション情報#1中の値とプリコーディング行列のタイプとの対応は、例にすぎず、本願に対するどんな限定も構成すべきでないことを理解されたい。たとえば、下の表4にもまた、インジケーション情報#1中の値とプリコーディング行列のタイプとの対応が示され得る。
この実装では、インジケーション情報#1の各値が使用されるとき、利用可能なプリコーディング行列の示されるセットは、1つのコードブックインデックスセットを使用して示され得、各コードブックインデックスセットは1つのPMIセットを使用して示され得、インジケーション情報#1の複数の値に対応する複数のコードブックインデックスセットは互いに独立し得、異なるタイプのプリコーディング行列のコードブックインデックスを示すために使用されるPMIセットもまた互いに独立し得る。インジケーション情報#1によって示されるプリコーディング行列のタイプが決定されたとき、インジケーション情報#1によって示される1つまたは複数のプリコーディング行列タイプのプリコーディング行列は、コードブックインデックスと1対1対応にあり得る。この実装は方式2に類似する。ネットワークデバイスと端末デバイスとは、コードブックインデックスとプリコーディング行列との可能な複数の1対1対応について事前合意していてよい。たとえば、インジケーション情報#1の値が「00」であるときは、第1のタイプのプリコーディング行列のみが使用され、1つのコードブックインデックスセットを使用して第1のタイプのプリコーディング行列におけるプリコーディング行列が示され得、各コードブックインデックスは1つのプリコーディング行列に対応する。インジケーション情報#1の値が「01」であるときは、第1のタイプのプリコーディング行列および第2のタイプのプリコーディング行列のみが使用され、1つのコードブックインデックスセットを使用して第1のタイプのプリコーディング行列および第2のタイプのプリコーディング行列におけるプリコーディング行列が示され得、各コードブックインデックスは1つのプリコーディング行列に対応する。インジケーション情報#1の値が「10」であるときは、第1のタイプのプリコーディング行列、第2のタイプのプリコーディング行列、および第3のタイプのプリコーディング行列が使用され、1つのコードブックインデックスセットを使用して第1のタイプのプリコーディング行列、第2のタイプのプリコーディング行列、および第3のタイプのプリコーディング行列におけるプリコーディング行列が示され得、各コードブックインデックスは1つのプリコーディング行列に対応する。1つまたは2つのタイプのプリコーディング行列のみが使用されるときは、コードブックインデックスのビット数が低減され得ること、すなわちPMIのオーバーヘッドが低減され得ることが理解され得る。
上に列挙された、インジケーション情報#1の異なる値とプリコーディング行列のタイプとの対応は、理解を容易にするための記述に向けた例にすぎず、本願に対するどんな限定も構成すべきでないことを理解されたい。
実装B:
任意選択で、インジケーション情報#1は、PMI(たとえば、PMI#1として表される)である。
任意選択で、第6のインジケーション情報は、PMI(たとえば、PMI#2として表される)である。
インジケーション情報#1と第6のインジケーション情報とは、異なるPMIであり得る。
任意選択で、インジケーション情報#1、第6のインジケーション情報、およびRIは、DCI中で搬送される。
インジケーション情報#1、第6のインジケーション情報、およびRIは、同じDCI中で搬送されてもよいし異なるDCI中で搬送されてもよいことを理解されたい。これは本願において限定されない。
インジケーション情報#1とプリコーディング行列のタイプとの対応は、上の表3または表4に示され得、第6のインジケーション情報を使用してターゲットプリコーディング行列が示される際の具体的な方法もまた、上に詳細に記述されている。簡潔にするために、本明細書では詳細について再び記述されることはない。
これに対応して、方式3では、端末デバイスは、インジケーション情報#1、第6のインジケーション情報、およびRIを受信し、インジケーション情報#1、第6のインジケーション情報、およびRIに基づいてターゲットプリコーディング行列を決定する。
方式4
ネットワークデバイスは、インジケーション情報#2(すなわち、第1のインジケーション情報の別の例)、第6のインジケーション情報、およびRIを送る。ここで、インジケーション情報#2は、利用可能なプリコーディング行列のセットを示すために使用され、RIは、コードブック内のプリコーディング行列のランクを示すために使用され、第6のインジケーション情報は、インジケーション情報#2によって示される利用可能なプリコーディング行列のセット内にあり、RIによって示されるランクに対応するコードブック内にある、ターゲットプリコーディング行列を示すために使用される。
任意選択で、インジケーション情報#2はCSRである。
任意選択で、CSRは、上位レイヤシグナリング中で搬送される。上位レイヤシグナリングは、たとえば、RRCメッセージまたはMAC-CEメッセージを含み得る。
任意選択で、第6のインジケーション情報はPMIである。
任意選択で、PMIおよびRIは、DCI中で搬送される。
このようにして、同じRIに対応するコードブック内では、各PMI中の値は1つのプリコーディング行列を一意に示し得る。
ネットワークデバイスは、上位レイヤシグナリングを使用してランクのCSRを端末デバイスに対してさらに示し得、したがって、端末デバイスは、制限されたランクに対応するコードブック内で、インジケーション情報#2に基づいて、利用可能なコードブックサブセットを決定することに留意されたい。ここで、コードブックサブセットは、第1のタイプのプリコーディング行列、第2のタイプのプリコーディング行列、および第3のタイプのプリコーディング行列のうちの少なくとも1つのタイプを含み得る。
可能な設計では、インジケーション情報#2はビットマップであり得る。ビットマップは複数のインジケーションビットを含み得、各インジケーションビットは1つのプリコーディング行列に対応し、各インジケーションビットを使用して、対応するプリコーディング行列が利用可能なプリコーディング行列かどうかが示される。
たとえば、コードブックが複数のプリコーディング行列を含む場合、ビットマップは複数のインジケーションビットを含み得、各インジケーションビットはコードブック内の1つのプリコーディング行列に対応し得、ネットワークデバイスは、利用可能なプリコーディング行列に対応するインジケーションビットを「1」にセットし得、利用不可能なプリコーディング行列に対応するインジケーションビットを「0」にセットし得る。
RIによって示されるランクに対応するコードブック内では、インジケーション情報#2によって示される利用可能なプリコーディング行列は、独立した1つのコードブックインデックスセットを使用して示され得る。すなわち、RIに対応するコードブック内の利用可能なプリコーディング行列におけるプリコーディング行列は、コードブックインデックスと1対1対応にあり得る。たとえば、ネットワークデバイスと端末デバイスとは、コードブックインデックスとプリコーディング行列との1対1対応を決定する方法について事前合意していてよい。ネットワークデバイスは、PMIを使用して、ターゲットプリコーディング行列に対応するコードブックインデックスを示し得る。たとえば、PMI中の値はコードブックインデックスである。
端末デバイスは、PMIと、コードブックインデックスとプリコーディング行列との1対1対応を決定するためのネットワークデバイスと事前合意された方法と、に基づいて、コードブックインデックスによって示されるターゲットプリコーディング行列を決定し得る。
したがって、1つまたは2つのタイプのプリコーディング行列のみが適用可能であるときは、コードブックインデックスのビット数が低減され得る、すなわち、PMIのオーバーヘッドが低減され得る。
これに対応して、方式4では、端末デバイスは、インジケーション情報#2、第6のインジケーション情報、およびRIを受信し、インジケーション情報#2、第6のインジケーション情報、およびRIに基づいてターゲットプリコーディング行列を決定する。
方式5
ネットワークデバイスは第2のインジケーション情報を送り得、ここで、第2のインジケーション情報は、離散フーリエ変換拡散OFDM(DFT-spread-OFDM)波形に対応するコードブックのセットを示すために使用される。
ネットワークデバイスはPMIおよびRIを送り、ここで、RIは、プリコーディング行列のランクを示すために使用され、PMIは、RIによって示されるランクに対応するコードブック内にあり、DFT-s-OFDM波形に対応するコードブック内にある、ターゲットプリコーディング行列を示すために使用される。
具体的には、DFT-s-OFDM波形は、送信モードにおける波形として理解され得る。波形に対応するコードブックのセットは、少なくとも1つのランクに対応する少なくとも1つのコードブックを含み得、各コードブックは、第1のタイプのプリコーディング行列および第2のタイプのプリコーディング行列を含む。DFT-s-OFDM波形に基づく送信は、送信モード(たとえば、送信モード#1として表される)として理解され得る。第2のインジケーション情報は、DFT-s-OFDM波形に対応するコードブックのセットを示す情報であってもよく、またはDFT-s-OFDM波形を示す情報であってもよく、または送信モードを示す情報であってもよい。これは本願において限定されない。
これに対応して、端末デバイスは第2のインジケーション情報を受信し、第2のインジケーション情報は、DFT-s-OFDM波形に対応するコードブックを示す。
端末デバイスは、PMIおよびRIを受信し、PMIおよびRIに基づいてターゲットプリコーディング行列を決定する。
ネットワークデバイスは、第2のインジケーション情報を使用してプリコーディング行列のタイプを示した後、PMIおよびRIを使用してターゲットプリコーディング行列を示し得る。DFT-s-OFDM波形に対応するコードブックのセット内では、プリコーディング行列とコードブックインデックスとは1対1対応にあり得る。この実装は、方式2において表2に関して記述された実装に類似する。詳細については、方式2における関連の記述を参照されたい。簡潔にするために、本明細書では詳細について再び記述されることはない。
任意選択で、第2のインジケーション情報は、上位レイヤシグナリング、たとえばRRCメッセージまたはMAC-CEメッセージ中で搬送される。
方式6
ネットワークデバイスは第3のインジケーション情報を送り得、ここで、第3のインジケーション情報は、サイクリックプレフィックスOFDM(Cyclic Prefix-OFDM、CP-OFDM)波形に対応するコードブックのセットを示すために使用される。
ネットワークデバイスはPMIおよびRIを送り、ここで、RIはプリコーディング行列のランクを示すために使用され、PMIは、RIによって示されるランクに対応するコードブック内にあり、CP-OFDM波形に対応するコードブック内にある、ターゲットプリコーディング行列を示すために使用される。
具体的には、CP-OFDM波形は、送信モードにおける波形として理解され得る。波形に対応するコードブックのセットは、少なくとも1つのランクに対応する少なくとも1つのコードブックを含み、各コードブックは、第1のタイプのプリコーディング行列、第2のタイプのプリコーディング行列、および第3のタイプのプリコーディング行列を含む。CP-OFDM波形に基づく送信は、送信モード(たとえば、送信モード#2として表される)として理解され得る。第3のインジケーション情報は、CP-OFDM波形に対応するコードブックのセットを示す情報であってもよく、またはCP-OFDM波形を示す情報であってもよく、または送信モードを示す情報であってもよい。これは本願において限定されない。
これに対応して、端末デバイスは第3のインジケーション情報を受信し、第3のインジケーション情報に基づいて、CP-OFDM波形に対応するコードブックを示す。
端末デバイスは、PMIおよびRIを受信し、PMIおよびRIに基づいてターゲットプリコーディング行列を決定する。
ネットワークデバイスは、第3のインジケーション情報を使用してプリコーディング行列のタイプを示した後、PMIおよびRIを使用してターゲットプリコーディング行列を示し得る。CP-OFDM波形に対応するコードブック内では、プリコーディング行列とコードブックインデックスとは1対1対応にあり得る。この実装は、方式2において表2に関して記述された実装に類似する。詳細については、方式2における関連の記述を参照されたい。簡潔にするために、本明細書では詳細について再び記述されることはない。
任意選択で、第3のインジケーション情報は、上位レイヤシグナリング、たとえば、RRCメッセージまたはMAC-CEメッセージ中で搬送される。
方式5で第2のインジケーション情報を搬送するために使用される上位レイヤシグナリング、および方式6で第3のインジケーション情報を搬送するために使用される上位レイヤシグナリングは、異なる2つの上位レイヤシグナリングであってもよく、または1つの上位レイヤシグナリングの異なるインジケーションフィールドによって示されてもよく、さらには1つの上位レイヤシグナリングの同じインジケーションフィールドの異なる値によって示されてもよいことを理解されたい。方式5で第2のインジケーション情報を搬送するために使用される上位レイヤシグナリング、および方式6で第3のインジケーション情報を搬送するために使用される上位レイヤシグナリングが、異なる2つの上位レイヤシグナリングであり得るときは、ネットワークデバイスは、第2のインジケーション情報を搬送するために使用される上位レイヤシグナリングと第3のインジケーション情報を搬送するために使用される上位レイヤシグナリングとのうちの少なくとも一方のみを送ってよい。
前述の可能な実装に基づき、上に列挙された第4のインジケーション情報から第6のインジケーション情報がPMIであってよいことが知られ得る。しかし、異なる実装では、PMIによって示される内容は異なり得、異なる実装でPMIによって示される情報は、上の関連の記述を参照して決定され得る。簡潔にするために、本明細書では詳細について再び記述されることはない。言い換えれば、ネットワークデバイスは、1つまたは複数のPMIを端末に送り得る。PMIの数は本願において限定されない。
さらにまた、前述の可能な実装のうちの任意の1つにおいて、利用可能なプリコーディング行列のタイプが第1のタイプのプリコーディング行列を含む場合、ネットワークデバイスはさらに、利用可能な第1のタイプのプリコーディング行列におけるタイプを示し得る。たとえば、第1のタイプのプリコーディング行列におけるタイプA、タイプB、またはタイプCのうちの少なくとも1つが、上位レイヤシグナリングを使用して示される。限定ではなく例として、上位レイヤシグナリングは、RRCメッセージまたはMAC-CEメッセージを含み得る。
上に列挙された上位レイヤシグナリングの具体的な形は、記述のための例にすぎず、本願に対するどんな限定も構成すべきでないことを理解されたい。上位レイヤシグナリングは、RRCレイヤ、MACレイヤ、または、物理レイヤとは異なる別のプロトコルレイヤからのシグナリングであり得る。
上に列挙されたプリコーディング行列は、本願において提供されるプリコーディング行列の可能な形にすぎず、本願に対するどんな限定も構成すべきでないことを理解されたい。本願において提供されるプリコーディング行列の形に対して、行および/もしくは列変換または他の数学的変換を実施することによって得られるプリコーディング行列は、本願の保護範囲内に入るべきである。
可能な実装では、ネットワークデバイスおよび端末デバイスは、次のうちの1つまたは複数を記憶し得ることに留意されたい。
(a)前述の実装で列挙されたプリコーディング行列のうちの任意の1つを得るために使用されるパラメータ。ここで、前述のプリコーディング行列のうちの任意の1つは、パラメータに基づいて得られてよく、たとえば、パラメータは、上に列挙されたコードブック構成パラメータを含み得るがこれに限定されない。
(b)前述の実装で列挙されたプリコーディング行列のうちの任意の1つ。
(c)前述の実装で列挙されたプリコーディング行列のうちの任意の1つに基づいて拡張された行列。
(d)前述の実装で列挙されたプリコーディング行列のうちの任意の1つに対して行/列変換を実施することによって得られた行列。
(e)前述の実装で列挙されたプリコーディング行列のうちの任意の1つに対して行/列変換を実施することによって得られた行列に基づいて拡張された行列。
(f)コードブック。ここで、コードブックは、(b)、(c)、(d)、または(e)における行列のうちの少なくとも1つを含む。
行/列変換は、本願において、行変換もしくは列変換、または行変換および列変換を指すことを理解されたい。
本願における記憶は、1つまたは複数のメモリへの記憶であり得る。1つまたは複数のメモリは、別々に配置されることもあり、またはエンコーダ、デコーダ、プロセッサ、もしくは通信装置に統合されることもある。代替として、1つまたは複数のメモリのうちのいくつかは別々に配置され、1つまたは複数のメモリのうちのいくつかはデコーダ、プロセッサ、または通信装置に統合される。メモリのタイプは、任意の形の記憶媒体であり得る。これは本願において限定されない。
前述の「事前合意」は、対応するコードもしくは対応する表をデバイス(たとえば、端末デバイスおよびネットワークデバイスを含む)に事前に記憶することによって、または関連情報を示すために使用され得る別の方式で実装され得、その具体的な実装は本願において限定されないことをさらに理解されたい。
以上では、本願の実施形態における通信方法について図2および図3を参照しながら詳細に記述している。以下では、本願の実施形態における通信装置について図4から図6を参照しながら詳細に記述する。
図4は、本願の実施形態による端末デバイスの概略構造図である。端末デバイスは、図1に示されるシステムに適用され得、前述の方法実施形態における端末デバイスの機能を実施し得る。記述を容易にするために、図4は、端末デバイスの主要な構成要素のみを示す。図4に示されるように、端末デバイス40は、プロセッサ、メモリ、制御回路、アンテナ、および入出力装置を備える。プロセッサは主に、通信プロトコルおよび通信データを処理し、端末デバイス全体を制御し、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理するように構成される。たとえば、プロセッサは、前述の方法実施形態で記述されたアクション、たとえば、受信されたPMIおよびRIに基づいてプリコーディング行列を決定して信号をプリコーディングし、プリコーディングされた信号を送ることを、端末デバイスが実施するのをサポートするように構成される。メモリは主に、ソフトウェアプログラムおよびデータを記憶するように、たとえば、前述の実施形態で記述されたインジケーション情報と組合せ情報との対応を記憶するように構成される。制御回路は主に、ベースバンド信号と無線周波数信号との間の変換を実施し、無線周波数信号を処理するように構成される。制御回路とアンテナとの組合せはまた、無線周波数信号を電磁波の形で送出/受信するように主に構成されるトランシーバと呼ばれることもある。タッチ画面、表示画面、またはキーボードなどの入出力装置は主に、ユーザによって入力されたデータを受け取り、ユーザに対してデータを出力するように構成される。
端末デバイスの電源が入れられた後、プロセッサは、記憶ユニット中のソフトウェアプログラムを読み取り、ソフトウェアプログラムの命令を解釈して実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理し得る。プロセッサがアンテナを使用してデータを送る必要があるときは、プロセッサは、送られることになるデータに対してベースバンド処理を実施した後、ベースバンド信号を無線周波数回路に出力する。無線周波数回路は、ベースバンド信号に対して無線周波数処理を実施した後、アンテナを使用して無線周波数信号を電磁波の形で送る。データが端末デバイスに送られたときは、無線周波数回路は、アンテナを使用して無線周波数信号を受信し、無線周波数信号をベースバンド信号に変換し、ベースバンド信号をプロセッサに出力する。プロセッサは、ベースバンド信号をデータに変換し、データを処理する。
記述を容易にするために、図4は1つのメモリおよび1つのプロセッサのみを示していることを、当業者なら理解し得る。実際の端末デバイスは、複数のプロセッサおよび複数のメモリを有することがある。メモリはまた、記憶媒体、記憶デバイスなどと呼ばれることもある。これは本願のこの実施形態では限定されない。
任意選択の実装では、プロセッサは、ベースバンドプロセッサおよび中央処理装置を含み得る。ベースバンドプロセッサは主に、通信プロトコルおよび通信データを処理するように構成され、中央処理装置は主に、端末デバイス全体を制御し、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理するように構成される。ベースバンドプロセッサおよび中央処理装置の機能は、図4のプロセッサに統合され得る。ベースバンドプロセッサおよび中央処理装置は、代替として、互いに独立したプロセッサであってよく、バスなどの技術を使用して相互接続されることを、当業者なら理解し得る。端末デバイスは異なる複数のネットワーク規格に適応するために複数のベースバンドプロセッサを備え得ること、端末デバイスは端末デバイスの処理能力を改善するために複数の中央処理装置を備え得ること、および端末デバイスの構成要素は様々なバスを使用して接続され得ることを、当業者なら理解し得る。ベースバンドプロセッサはまた、ベースバンド処理回路またはベースバンド処理チップと表現されることもある。中央処理装置はまた、中央処理回路または中央処理チップと表現されることもある。通信プロトコルおよび通信データを処理する機能は、プロセッサに組み込まれてもよく、またはソフトウェアプログラムの形で記憶ユニットに記憶されてもよい。プロセッサは、ソフトウェアプログラムを実行してベースバンド処理機能を実装する。
本願のこの実施形態では、トランシーバ機能を有するアンテナ、および制御回路は、端末デバイス40のトランシーバユニット401と考えられ得る。たとえば、トランシーバユニット401は、図2において記述された受信機能および送出機能を端末デバイスが実施するのをサポートするように構成される。処理機能を有するプロセッサは、端末デバイス40の処理ユニット402と考えられる。図4に示されるように、端末デバイス40は、トランシーバユニット401および処理ユニット402を備える。トランシーバユニットはまた、トランシーバマシン、トランシーバ、トランシーバ装置などと呼ばれることもある。任意選択で、トランシーバユニット401中にあり受信機能を実装するように構成された構成要素が、受信ユニットと考えられてもよく、トランシーバユニット401中にあり送出機能を実装するように構成された構成要素が、送出ユニットと考えられてもよい。言い換えれば、トランシーバユニット401は、受信ユニットおよび送出ユニットを含む。受信ユニットはまた、受信機、入力ポート、受信機回路などと呼ばれることもあり、送出ユニットは、送信機マシン、送信機、送信機回路などと呼ばれることもある。
プロセッサ402は、メモリに記憶された命令を実行し、信号の受信および/または信号の送出のためにトランシーバユニット401を制御し、それにより前述の方法実施形態における端末デバイスの機能を完了するように構成され得る。実装では、トランシーバユニット401の機能は、トランシーバ回路または専用トランシーバチップを使用して実装され得る。
図5は、本願の実施形態によるネットワークデバイスの概略構造図であり、たとえば、基地局の概略構造図であり得る。図5に示されるように、基地局は、図1に示されるシステムに適用され得、前述の方法実施形態におけるネットワークデバイスの機能を実装し得る。基地局50は、リモート無線ユニット(remote radio unit、RRU)501など1つまたは複数の無線周波数ユニットと、1つまたは複数のベースバンドユニット(baseband unit、BBU)(ディジタルユニット(digital unit、DU)と呼ばれることもある)502とを備え得る。RRU501は、トランシーバユニット、トランシーバ、トランシーバ回路、トランシーバマシンなどと呼ばれることがあり、少なくとも1つのアンテナ5011と、無線周波数ユニット5012とを備え得る。RRU501は主に、無線周波数信号を受信および送出し、無線周波数信号とベースバンド信号との間の変換を実施するように構成され、たとえば、前述の実施形態におけるシグナリングメッセージを端末デバイスに送るように構成される。BBU502は主に、ベースバンド処理の実施および基地局の制御などを行うように構成される。RRU501およびBBU502は、物理的に共に配置されてもよく、または物理的に別々に配置されてもよく、具体的には分散型基地局に含まれてよい。
BBU502は、基地局の制御センタであり、処理ユニットと呼ばれることもあり、主に、ベースバンド処理機能、たとえば、チャネルコーディング、多重化、変調、および拡散を実装するように構成される。たとえば、BBU(処理ユニット)502は、前述の方法実施形態におけるネットワークデバイスに関係付けられた動作プロシージャを実施するよう基地局を制御するように構成され得る。
ある場合では、BBU502は1つまたは複数のボードを備え得、複数のボードが、単一のアクセス技術の無線アクセスネットワーク(たとえば、LTEネットワーク)を合同でサポートしてもよく、または、異なるアクセス技術の無線アクセスネットワーク(たとえば、LTEネットワーク、5Gネットワーク、もしくは別のネットワーク)を別々にサポートしてもよい。BBU502はさらに、メモリ5021およびプロセッサ5022を備え、ここで、メモリ5021は、必要な命令およびデータを記憶するように構成される。たとえば、メモリ5021は、前述の実施形態におけるコードブックインデックスとプリコーディング行列との対応を記憶する。プロセッサ5022は、必要なアクションを実施するよう基地局を制御するように構成される。たとえば、プロセッサ5022は、前述の方法実施形態におけるネットワークデバイスに関係付けられた動作プロシージャを実施するよう基地局を制御するように構成される。メモリ5021およびプロセッサ5022は、1つまたは複数のボードに役立ち得る。言い換えれば、メモリおよびプロセッサが各ボード上に別個に配置されてもよく、または、複数のボードが同じメモリおよび同じプロセッサを共有してもよい。加えて、必要な回路が各ボード上にさらに配置されてもよい。
図6は、通信装置600の概略構造図である。装置600は、前述の方法実施形態で記述された方法を実装するように構成され得る。詳細については、前述の方法実施形態における記述を参照されたい。通信装置600は、チップ、ネットワークデバイス(たとえば、基地局)、端末デバイス、別のネットワークデバイスなどであり得る。
通信装置600は、1つまたは複数のプロセッサ601を備える。プロセッサ601は、汎用プロセッサ、専用プロセッサなどであり得る。たとえば、プロセッサ601は、ベースバンドプロセッサまたは中央処理装置であり得る。ベースバンドプロセッサは、通信プロトコルおよび通信データを処理するように構成され得る。中央処理装置は、通信装置(たとえば、基地局、端末、またはチップ)を制御し、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理するように構成され得る。通信装置は、信号の入力(受信)および出力(送出)を実装するように構成されたトランシーバユニットを備え得る。たとえば、通信装置はチップであり得、トランシーバユニットは、入力および/もしくは出力回路、またはチップの通信インターフェースであり得る。チップは、端末、基地局、または別のネットワークデバイスによって使用され得る。別の例では、通信装置は、端末、基地局、または別のネットワークデバイスであり得、トランシーバユニットは、トランシーバまたは無線周波数チップであり得る。
通信装置600は1つまたは複数のプロセッサ601を備え、1つまたは複数のプロセッサ601は、図2に示される実施形態におけるネットワークデバイスまたは端末デバイスによって実施される方法を実装し得る。
可能な設計では、通信装置600は、PMIおよびRIを生成する手段(means)と、PMIおよびRIを送る手段(means)とを備える。PMIおよびRIを生成する手段ならびにPMIおよびRIを送る手段の機能は、1つまたは複数のプロセッサを使用して実装され得る。たとえば、PMIおよびRIは、1つまたは複数のプロセッサを使用して生成され得、トランシーバ、入出力回路、またはチップのインターフェースを使用して送られ得る。PMIおよびRIについては、前述の方法実施形態における関連の記述を参照されたい。
可能な設計では、通信装置600は、PMIおよびRIを受信する手段(means)と、プリコーディング行列を決定して信号をプリコーディングする手段(means)とを備える。PMI、RI、およびどのようにプリコーディング行列を決定するかについては、前述の方法実施形態における関連の記述を参照されたい。たとえば、PMIおよびRIは、トランシーバ、または入出力回路、またはチップのインターフェースを使用して受信され得、プリコーディングされた信号は、トランシーバ、または入出力回路、またはチップのインターフェースを使用して送られ得、プリコーディング行列は、1つまたは複数のプロセッサを使用してPMIおよびRIに基づいて決定され、1つまたは複数のプロセッサを使用してPMIおよびRIに基づいて信号がプリコーディングされる。
任意選択で、プロセッサ601は、図2に示される実施形態における方法に加えて、別の機能もさらに実装し得る。
任意選択で、ある設計では、プロセッサ601は命令603をさらに備え得る。命令はプロセッサ上で実行され得、したがって、通信装置600は、前述の方法実施形態で記述された方法を実施する。
別の可能な設計では、通信装置600は、代替として回路を備え得る。回路は、前述の方法実施形態におけるネットワークデバイスまたは端末デバイスの機能を実装し得る。
さらに別の可能な設計では、通信装置600は、1つまたは複数のメモリ602を備え得る。1つまたは複数のメモリ602は、命令604を記憶する。命令はプロセッサ上で実行され得、したがって、通信装置600は、前述の方法実施形態で記述された方法を実施する。任意選択で、メモリはさらにデータを記憶し得る。任意選択で、プロセッサもまた、命令および/またはデータを記憶し得る。たとえば、1つまたは複数のメモリ602は、前述の実施形態で記述されたインジケーション情報とプリコーディング行列のタイプとの対応、または前述の実施形態における関連のパラメータや表などを記憶し得る。プロセッサとメモリは、別々に配置されてもよく、または共に統合されてもよい。
さらに別の可能な設計では、通信装置600はさらに、トランシーバユニット605およびアンテナ606を備え得る。プロセッサ601は、処理ユニットと呼ばれることがあり、通信装置(端末または基地局)を制御する。トランシーバユニット605は、トランシーバ、トランシーバ回路、トランシーバマシンなどと呼ばれることがあり、アンテナ606を使用して通信装置のトランシーバ機能を実装するように構成される。
本願はさらに、前述の1つまたは複数のネットワークデバイスと1つまたは複数の端末デバイスとを含む通信システムを提供する。
本願の実施形態におけるプロセッサは、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)であり得、プロセッサはさらに、別の汎用プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)または別のプログラム可能な論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタ論理デバイス、ディスクリートハードウェア構成要素などであり得ることを理解されたい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得、または、プロセッサは任意の従来型プロセッサなどであり得る。
本願の実施形態におけるメモリは、揮発性メモリもしくは不揮発性メモリであり得、または揮発性メモリと不揮発性メモリの両方を含み得ることを、さらに理解されたい。不揮発性メモリは、読取専用メモリ(read-only memory、ROM)、プログラム可能な読取専用メモリ(programmable ROM、PROM)、消去可能プログラム可能な読取専用メモリ(erasable PROM、EPROM)、電気的に消去可能プログラム可能な読取専用メモリ(electrically EPROM、EEPROM)、またはフラッシュメモリであり得る。揮発性メモリは、外部キャッシュとして使用されるランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)であり得る。限定的ではなく例示的な記述を通して、多くの形のランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)が使用され得、これらはたとえば、スタティックランダムアクセスメモリ(static RAM、SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(synchronous DRAM、SDRAM)、ダブルデータレートシンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(double data rate SDRAM、DDR SDRAM)、エンハンストシンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(enhanced SDRAM、ESDRAM)、シンクロナスリンクダイナミックランダムアクセスメモリ(synchlink DRAM、SLDRAM)、およびダイレクトラムバスランダムアクセスメモリ(direct rambus RAM、DR RAM)である。
前述の実施形態のすべてまたはいくつかは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組合せを使用して実装され得る。ソフトウェアを使用して実施形態が実装されるときは、前述の実施形態は、コンピュータプログラム製品の形で完全にまたは部分的に実装され得る。コンピュータプログラム製品は、1つまたは複数のコンピュータ命令またはコンピュータプログラムを含む。
プログラム命令またはコンピュータプログラムがコンピュータにロードされたときまたはコンピュータ上で実行されたとき、本願の実施形態によるプロシージャまたは機能が、すべてまたは部分的に生成される。
コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または別のプログラム可能な装置であり得る。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得、またはコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に送信され得る。たとえば、コンピュータ命令は、有線(たとえば、赤外線、無線、およびマイクロ波)方式で、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタに送信され得る。コンピュータ可読記憶媒体は、サーバまたはデータセンタなど、1つまたは複数の使用可能媒体を統合するコンピュータまたはデータ記憶デバイスによってアクセス可能な任意の使用可能媒体であり得る。使用可能媒体は、磁気媒体(たとえば、フロッピーディスク、ハードディスク、もしくは磁気テープ)、光学媒体(たとえば、DVD)、または半導体媒体であり得る。半導体媒体は、固体ドライブであり得る。
本明細書における用語「および/または」は、関連付けられたオブジェクトを記述するための関連付け関係のみを記述し、3つの関係が存在し得ることを表すと理解されたい。たとえば、Aおよび/またはBは、Aのみが存在する場合、AとBの両方が存在する場合、およびBのみが存在する場合、の3つを表し得る。加えて、本明細書における文字「/」は、通常、「および/または」の単純化された形である。
前述のプロセスの連続番号は、本願の様々な実施形態における実行順序を意味しないことを理解されたい。プロセスの実行順序は、プロセスの機能および内部論理に従って決定されるべきであり、本願の実施形態の実装プロセスに対するどんな限定としても解釈されるべきでない。
本明細書で開示された実施形態で記述された例と併せてユニットおよびアルゴリズムステップが電子ハードウェアによってまたはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組合せによって実装され得ることは、当業者なら認識し得る。機能がハードウェアによって実施されるかソフトウェアによって実施されるかは、技術的解決法の特定の適用例および設計制約条件に依存する。当業者なら、種々の方法を使用して、記述された機能を特定の適用例ごとに実装し得るが、この実装が本願の範囲を超えると見なされるべきではない。
当業者には明確に理解され得るが、簡便な記述のために、前述のシステム、装置、およびユニットの詳細な動作プロセスについては、前述の方法実施形態における対応するプロセスを参照されたい。本明細書では詳細について再び記述されることはない。
本願において提供された、いくつかの実施形態では、開示されたシステム、装置、および方法が他の方式でも実装され得ることを理解されたい。たとえば、記述された装置実施形態は例にすぎない。たとえば、ユニット分割は、論理的な機能分割にすぎず、実際の実装では他の分割でもよい。たとえば、複数のユニットもしくは構成要素が別のシステムに結合もしくは統合されてもよく、またはいくつかの特徴が無視されてもよいかもしくは実施されなくてもよい。加えて、表示または考察された相互結合または直接的な結合もしくは通信接続は、いくつかのインターフェースを使用して実装されてもよい。装置またはユニット間の間接的な結合または通信接続は、電子的な形、機械的な形、または他の形で実装され得る。
別々の部分として記述されたユニットは、物理的に別々であってもそうでなくてもよく、ユニットとして表示された部分は、物理的なユニットであってもそうでなくてもよく、1箇所に位置してもよく複数のネットワークユニット上に分散されてもよい。ユニットのいくつかまたはすべては、実施形態の解決法の目的を達成するための実際の要件に基づいて選択され得る。
加えて、本願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよく、または各ユニットが物理的に単独で存在してもよく、または2つ以上のユニットが1つのユニットに統合される。
機能がソフトウェア機能ユニットの形で実装され、独立した製品として販売または使用されるときは、機能はコンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。このような理解に基づき、本願の技術的解決法は本質的に、または従来技術に寄与する部分は、または技術的解決法のいくつかは、ソフトウェア製品の形で実装され得る。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、本願の実施形態で記述された方法のステップのすべてまたはいくつかを実施するようコンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイスであり得る)に命令するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、取外し可能ハードディスク、読取専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク、または光学ディスクなど、プログラムコードを記憶できる任意の媒体を含む。
前述の記述は、本願の具体的な実装にすぎず、本願の保護範囲を限定するよう意図されたものではない。本願で開示された技術範囲内で当業者によってすぐに理解されるどんな変形または置換も、本願の保護範囲内に入るものとする。したがって、本願の保護範囲は、請求項の保護範囲によって決まるものとする。