JP7215909B2 - 組織片処理装置 - Google Patents

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本発明は、組織片処理装置に関し、さらに詳細には人体をはじめとする生物から採取した組織片の顕微鏡標本を作製するために必要な処理を行う組織片処理装置に関する。
生物から採取した組織片(検体)を顕微鏡で観察するための前処理として、固定処理、脱水処理、脱脂処理および浸透処理(包埋処理)をこの順で行う標本作製処理が行われている。当該処理には、これを自動で行う組織片処理装置が広く用いられている(特許文献1:特開2015-1512号公報参照)。
組織片処理装置において、標本作製処理は、組織片を所定の薬液中に浸漬することによって行われる。具体的には、組織片は、先ず小型容器(カセット)に一片または数片ずつ収容され、次いで一または複数のカセットが収容容器(バスケット)に収容される。さらに一または複数の収容容器が組織片処理装置に設けられた処理槽(レトルト)に収容されることによって当該処理槽内に組織片が収容される。組織片処理装置が起動されると、それぞれの薬液ボトルに貯留された複数種類の薬液が所定の順で処理槽内に供給され、それぞれ一定時間保持される。これによって、組織片が複数種類の薬液中に浸漬されて標本作製処理が行われる。なお、浸漬処理が行われた薬液は薬液ボトルに戻されて、濃度低下その他の劣化により使用不能と判断されるまで繰返し使用される。
特開2015-1512号公報
標本作製処理において、薬液中に組織片を浸漬すると、薬液が組織片に浸透して、脱水処理では組織片から水分が滲み出し、脱脂処理では組織片から脂肪分が滲み出す。したがって、組織片が収容された処理槽内に薬液を供給し、そのまま保持する従来の組織片処理装置では、浸漬処理が開始されると、組織片から滲み出た水分等によって組織片の周囲の薬液が希釈されても、この状態で浸漬処理が継続することになる。その結果、組織片は相対的に濃度の低い薬液によって浸漬処理が行われることになるため、組織片に対して薬液が作用しにくいという課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、処理槽内の濃度分布の異なる薬液に対して、組織片を相対的に濃度の高い薬液に接触させることができ、従来と比較して薬液が作用しやすい組織片処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、一実施形態として以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
本発明に係る組織片処理装置は、組織片が収容される収容容器と、前記収容容器が収容される処理槽と、を備え、前記処理槽の内部には、前記収容容器を支持する揺動支持体が、前記処理槽の側面に配設された駆動部に連結されており、前記揺動支持体は、前記処理槽の外部に配設された駆動手段の駆動力を受けた前記駆動部の駆動に連動することにより前記処理槽の内部で揺動可能に構成され、前記揺動支持体は、さらに前記駆動部に対して着脱可能に構成されており、前記駆動部は、支持軸を中心に回転可能な撹拌子であって、前記揺動支持体が連結された状態では所定角度まで揺動可能で、且つ前記揺動支持体が取外された状態では回転可能に配設されていることを要件とする。
これによれば、駆動部に連結された揺動支持体を駆動部の駆動に連動させて揺動させることができる。したがって、当該揺動支持体と共にこれに支持された収容容器を揺動させることができ、当該収容容器と共にこれに収容された全ての組織片を処理槽内で揺動させることができる。その結果、組織片から滲み出た水分や脂肪分によって濃度の低下した薬液に接触している組織片を相対的に濃度の高い薬液に接触させることができる。
また、処理槽内の液体を撹拌する撹拌子に対して揺動支持体を付加的に取付ける構成によって処理槽内で収容容器を揺動させることができる。したがって、揺動支持体の着脱によって、揺動支持体による収容容器の揺動機構と撹拌子による処理槽内の撹拌機構とを選択的に使用することができる。
また、前記駆動手段は、モータであって、前記モータの回転軸には、該回転軸を中心に回転可能な回転体が設けられ、前記回転体および前記撹拌子には、相互に吸引または反発する磁石が設けられていることが好ましい。これによれば、回転体が駆動部として作用すると共に撹拌子がこれに対するチップとして作用するマグネチックスターラーとして構成することができ、処理槽の外部から処理槽の内部に作用させて撹拌子を回転させることができる。したがって、処理槽の壁面を貫通させることなく処理槽の内外を隔てることができ、処理槽内の薬液が漏れ出すことを防止することができる。
また、前記処理槽の側面は、外部側に隆起する収容部を備え、前記撹拌子は、前記収容部に収容されており、前記回転体は、前記収容部の外部側に配設されていることが好ましい。これによれば、処理槽の内部において側面の外部側に撹拌子を配設することによって処理槽における空間を無駄なく使用することができると共に、側面の一部が隆起する収容部に撹拌子を配設することによって処理槽全体が大型化することを防止することができる。
また、前記撹拌子は、前記処理槽の対向する側面に一対に配設され、前記揺動支持体は、両端部に位置する第1アームと第2アームとが連結部材によって連結された構成を有し、前記第1アームおよび前記第2アームは、前記一対の撹拌子にそれぞれ連結されていることが好ましい。これによれば、揺動支持体を両端部で支持することによって処理槽の内部に固定することができる。したがって、揺動支持体を安定して揺動させることができる。
また、前記駆動手段は、前記一対の撹拌子に対応するように前記処理槽の対向する側面の外部に一対に配設されていることが好ましい。これによれば、複数の駆動手段によって相対的に大きな駆動力を備えることができる。また、揺動支持体を揺動する際、各駆動手段の駆動力を相対的に小さくすることができるため、駆動手段の小型化を図ることができる。
また、前記駆動部は、所定角度まで揺動する揺動部材であることが好ましい。これによれば、前述の駆動部を撹拌子ではなく揺動可能な揺動部材とすることによって、揺動支持体を、揺動部材に対して固定された構造に構成したり揺動部材を兼用する一体構造に構成したりすることができる。したがって、駆動手段の駆動力を受けた揺動部材の駆動に連動させて、または駆動手段の駆動力を直接受けて揺動支持体を揺動させることができる。
本発明によれば、処理槽内の濃度分布の異なる薬液に対して、組織片を相対的に濃度の高い部分に接触させることができ、従来と比較して薬液が作用しやすい組織片処理装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る組織片処理装置の例を示す概略図(斜視図)である。 図1の組織片処理装置における処理槽の例を示す概略図(斜視図)ある。 図1の組織片処理装置における処理槽の例であって、収容容器を取出した状態の例を示す概略図(斜視図)である。 図1の組織片処理装置における処理槽の例であって、揺動支持体を取外した状態の例を示す概略図(斜視図)である。 図4に示すA部の拡大図であって本発明の実施形態における駆動部(撹拌子)を中心とする構成の例を示す概略図(斜視図)である。 図4に示すB部の拡大図であって本発明の実施形態における駆動手段(モータ)を中心とする構成の例を示す概略図(斜視図)である。 本発明の実施形態における揺動支持体の構成例および当該揺動支持体と駆動部(撹拌子)との連結構造について説明する説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。図1は、本発明の実施形態に係る組織片処理装置10の例を示す概略図(斜視図)である。また、図2は、図1の組織片処理装置10における処理槽18の例を示す概略図(斜視図)ある。また、図3は、図2に示す処理槽18の例において収容容器28を取出した状態の例を示す概略図(斜視図)である。また、図4は、図2に示す処理槽18の例において揺動支持体34を取外した状態の例を示す概略図(斜視図)である。図5は、図4に示すA部の拡大図であって本発明の実施形態における駆動部(撹拌子36)を中心とする構成の例を示す概略図(斜視図)である。また、図6は、図4に示すB部の拡大図であって本発明の実施形態における駆動手段(モータ42)を中心とする構成の例を示す概略図(斜視図)である。このうち、図6(a)と図6(b)とはそれぞれ別の方向からの斜視図である。また、図7は、本発明の実施形態における揺動支持体34の構成例および当該揺動支持体34と駆動部(撹拌子36)との連結構造について説明する説明図である。このうち、図7(a)は揺動支持体34が撹拌子36に連結された状態の斜視図を示している。また、図7(b)は、図7(a)に対して、第1アーム33側においては図7(a)の一部を切欠いて連結部Cが視認でき、第2アーム35側においては撹拌子36から第2アーム35を取外して係止部35cが視認できる図である。さらに、図7(c)は連結部Cの拡大図で、揺動支持体34を破線で示して連結状態を視認できる図である。全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
本実施形態に係る組織片処理装置10は、人体をはじめとする生物から採取した組織片の顕微鏡標本を作製するために必要な処理を自動で行う装置である。図1に示す組織片処理装置10は、方形の本体部12に任意のキャスター14が取付けられて移動可能に構成されている。本体部12の上面は、一例として設定画面や進行中の処理等が表示される他、任意にタッチパネル等も搭載されるモニタ16を備え、作業者と対面する本体部12の前面に表示面16aを向けて配置されている。また、本体部12上面には、本体部12に内蔵された処理槽18の上部の開口部18a(図2参照)を開閉する開閉蓋20が取付けられている。なお、処理槽18は、一般には「レトルト」と呼ばれ、開閉蓋20は、一般には「レトルト蓋」と呼ばれる。
また、本体部12の内部は、下部に複数段(本実施形態では二段)のボトルラック22を備えている。当該ボトルラック22には、固定処理を行うホルマリン、脱水処理を行うアルコール、脱脂処理を行うキシレン等を貯留する複数の薬液ボトル24が配設されている。これらの薬液ボトル24は、複数種類の薬液を貯留するボトルの他、同一種類の薬液を貯留するボトルも複数配設されている。これによって、同一の処理(例えば脱水処理)を複数回行う際、それぞれ別の薬液ボトル24から処理槽18内に薬液を供給し、それぞれの薬液ボトル24に戻すことができる。したがって、劣化の程度(濃度)の異なる同一種類の薬液を貯留する薬液ボトル24を複数配設することができる。その結果、これらの薬液ボトル24を各処理に伴う負担(想定される濃度低下の程度)に応じて選択的に使用することによって薬液の劣化(濃度の低下)を調整し、薬液の使用回数を増やすことができる。
また、本体部12の内部は、中央部にその内部を一定温度に加温し、保持することができるオーブン26を備えている。当該オーブン26には、浸透処理(包埋処理)を行うパラフィンを貯留する複数の薬液ボトル(不図示)が配設されている。これによって、室温で固化するパラフィンを溶融状態で保持して処理に供するために待機させることができる。なお、オーブン26の保持温度は一例として60[℃]前後である。
また、本体部12の内部は、前述の通り上部に処理槽18を備える他、薬液の蒸発したガスの臭気を除去する取替可能なフィルタ(不図示)等を備えている。当該フィルタ(不図示)には、一例として活性炭フィルタが用いられる。
続いて、本実施形態における処理槽18について説明する。図2および図3に示す処理槽18は、組織片が複数種類の薬液に浸漬されて標本作製処理が行われる容器である。組織片は、通常、小型容器(不図示)に一片または数片ずつ収容され、次いで一または複数の小型容器(不図示)が収容容器28に収容され、次いで一または複数の収容容器28が処理槽18に収容される。これによって、複数の人体等から採取された組織片であっても、組織片に関する情報が付された小型容器(不図示)に小分けして処理槽18に収容することによって同時に標本作製処理を行うことができる。なお、小型容器(不図示)は、一般には「カセット」と呼ばれ、収容容器28は、一般には「バスケット」と呼ばれる。
本実施形態における処理槽18は、一定の容積を有し、一例として直方体状に形成されているがこれに限られない。例えば立方体状に形成することも考えられる。また、処理槽18は、一例として直方体の長手方向を本体部12の前後方向に向けて配置されているがこれに限られない。例えば長手方向を本体部12の左右方向に向けて配置することも考えられる。また、処理槽18の底部は、一例として一組の対向面を中央方向に傾斜させる構成に形成されている(図4参照)がこれに限られない。例えば平面または漏斗状に形成する構成も考えられる。
また、処理槽18の内面には、薬液が供給される供給口30が側面に開口し、薬液が排出される排出口32が底面に開口している。なお、排出口32は上記の傾斜させた対向面の最下部に配設されている。これによって、処理槽18内の薬液を排出する際、傾斜に沿って薬液を流して排出口32を排出することができる。また、供給口30および排出口32には、それぞれ本体部12の内部に向けて連通する管路(不図示)が設けられ、これらの管路(不図示)はいずれも本体部12の内部の切換バルブ(不図示)に連結されている。切換バルブ(不図示)は、供給口30および排出口32と連通するそれぞれの管路を選択的に開閉する作用を有する。一方、複数の薬液ボトル24には、それぞれ本体部12の内部に向けて連通する管路(不図示)が設けられ、これらの管路(不図示)はいずれも本体部12の内部の選択バルブ(不図示)に連結されている。選択バルブ(不図示)は、薬液ボトル24から連通するそれぞれの管路を選択的に開閉する作用を有する。これらの切換バルブ(不図示)と選択バルブ(不図示)とは管路を介して互いに連通している。さらに、処理槽18の内面には、別の開口部(不図示)が開口し、当該開口部(不図示)から連通する管路(不図示)が本体部12の内部のエアポンプ(不図示)に連結されている。エアポンプ(不図示)は、処理槽18内を選択的に加圧または減圧する作用を有する。以上の構成によって、所望の薬液ボトル24から供給口30を介して処理槽18までの流路を開通させると共に、処理槽18内を減圧して当該薬液ボトル24の薬液を処理槽18内に供給することができる。また、処理槽18から排出口32を介して所望の薬液ボトル24までの流路を開通させると共に、処理槽18内を加圧して処理槽18の薬液を当該薬液ボトル24に戻すことができる。このようにして、処理槽18内に所望の薬液を給排して浸漬処理を行うことが可能になっている。
また、処理槽18の内部には、組織片を収容した収容容器28を支持する揺動支持体34が処理槽18の側面に配設された駆動部に連結されている。当該揺動支持体34は、駆動部の駆動に連動して処理槽18の内部で揺動可能に構成されている。本実施形態においては、上記駆動部として、後述の撹拌子36が設けられている。なお、揺動支持体34についても後述する。
また、処理槽18の外部側には、ヒータ(不図示)が配設されている。当該ヒータ(不図示)の位置および範囲は限定されず、側面および底面における一または複数の位置に任意の範囲で設けられる。これによって、処理槽18の内部を一定温度に加温し、保持することができる。したがって、浸漬処理における薬液の作用を促進することができ、また、浸透処理(包埋処理)においてはパラフィンが固化してしまうことを防止することができる。さらに、図4に示すように、処理槽18の内部の側面には撹拌子36が配設されると共に、モータ42が当該撹拌子36に対応するように処理槽18の外部の側面に配設されている。撹拌子36は、モータ42の駆動力を受けて処理槽18の内部で回転可能に構成されている。撹拌子36には、回転によって処理槽18内の薬液を撹拌する作用を有する。これによって、ヒータ(不図示)により加温された処理槽18内の液体の温度分布を均一にすることができる。本発明において撹拌子36は任意の構成となっているが、前述の通り本実施形態では撹拌子36は揺動支持体34が連結される駆動部に該当するため、必須の構成となっている。
ここで、撹拌子36の構成および当該撹拌子36の回転機構について詳しく説明する。図5に示す撹拌子36は、一例として十字形に構成され、処理槽18の内部の側面から突出する支持軸38に取付けられている。これによって、処理槽18の内部で支持軸38を中心に回転可能な構成となっている。撹拌子36の形状は十字形に限定されず、例えば細長い繭、角棒、羽根等の形状も考えられる。また、撹拌子36には、一例として複数の磁石40が取付けられている。これによって、後述するように、マグネチックスターラーにおけるチップ(バーとも呼ばれる)としての作用を有する構成となっている。したがって、磁石40は撹拌子36に内蔵される構成も考えられ、また、素材、形状、大きさ、数、位置についても、マグネチックスターラーにおけるチップとして機能可能な範囲で適宜設定される。ただし、磁石40が撹拌子36の外部に取付けられる構成(処理槽18内に露出する構成)においては、浸漬処理に用いられる薬液により腐食されにくい磁石が用いられることが好ましい。
なお、処理槽18の側面は、外部側に隆起する収容部50を備えると共に、当該収容部50の概ね中央部から支持軸38が突出して配設されていることによって、撹拌子36が収容部50に収容された構成となっている。この構成によれば、処理槽18の内部において側面の外部側に撹拌子36を配設することによって処理槽18における空間を無駄なく使用することができる。また、側面の一部が隆起する収容部50に撹拌子36を配設することによって処理槽18全体が大型化することを防止することができる。さらに、収容部50によって、後述するモータ42および回転体46の位置決めを簡易に行うことが可能になっている。
次いで、図6に示すモータ42は、一例として公知の電気モータであって、前述の通り、撹拌子36に対応するように処理槽18の外部の側面に配設されている。モータ42の回転軸44には、回転体46が取付けられ、当該回転体46がモータ42の駆動に連動して回転軸44を中心に回転可能な構成となっている。回転体46は、一例として円盤形に構成されると共に、その盤面には前述の磁石40と相互に吸引または反発する複数の磁石48が取付けられている。これによって、前述の撹拌子36をチップとするマグネチックスターラーの駆動部(チップを回転させる駆動機構)としての作用を有する構成となっている。したがって、磁石48は撹拌子36に内蔵される構成も考えられ、また、素材、形状、大きさ、数、位置についても、マグネチックスターラーにおける駆動部として機能可能な範囲で適宜設定される。
ここで、モータ42は回転体46を処理槽18の側面に向けて配設され、さらに回転体46は前述の収容部50の外部側に配設されている(図4参照)。これによって、回転体46を撹拌子36に対応するように処理槽18の外部の側面に配設することができる。この構成によれば、収容部50の外部側に配設された回転体46に取付けられた磁石48の磁力と収容部50の内部側に配設された撹拌子36に取付けられた磁石40の磁力とを相互に作用させることができる。したがって、前述の通り、回転体46が駆動部として作用すると共に撹拌子36がこれに対するチップとして作用するマグネチックスターラーとして構成することが可能となる。その結果、回転体46および撹拌子36を連動させることができる。このようにして、モータ42の駆動に連動して回転体46を駆動させ、さらに回転体46の駆動に連動して撹拌子36を駆動させることができる。
また、上記の構成によれば、処理槽18の外部から処理槽18の内部に作用させて撹拌子36を回転させることができる。したがって、処理槽18の壁面を貫通させることなく処理槽18の内外を隔てることができ、処理槽18内の薬液が漏れ出すことを防止することができる。
また、モータ42の駆動は本体部12の内部に設けられた制御部(不図示)によって制御可能に構成されている。制御部(不図示)は、モータ42を連続して360[°]回転させる制御や連続して360[°]未満の所定角度まで正逆回転させる制御を行うことができる。これによって、モータ42の駆動に連動して回転体46を回転させることや所定角度まで揺動させることができ、さらにこのような回転体46の駆動に連動して撹拌子36を処理槽18内で支持軸38を中心に回転させることや所定角度まで揺動させることができる。
なお、本実施形態では、撹拌子36を処理槽18の対向する側面の内側に一対に配設すると共に、駆動手段としてのモータ42を一対の撹拌子36に対応するように処理槽の対向する側面の外部に一対に配設されている。これによって、処理槽18の対向する側面の両側で処理槽18内の薬液の撹拌を行うことが可能な構成となっている。ただし、後述するように、撹拌子36が一対に配設されている構成であれば、揺動支持体34を処理槽18内で揺動させることが可能であるため、本実施形態では、撹拌子36は一対に配設し、モータ42は一の撹拌子36側にだけ配設する構成とすることも考えられる。
続いて、処理槽18の内部に配設される揺動支持体34について説明する。揺動支持体34は、図7(a)に示すように、両端部に位置する第1アーム33と第2アーム35とが連結部材34aによって連結された構成となっている。より詳細には、第1アーム33および第2アーム35は同一の構造からなり、処理槽18の側方に伸長する翼状部33a、35a、および処理槽18の上下方向に伸長する芯部33b、35bを備えている。そして、当該芯部33b、35bと処理槽18の水平方向に伸長する連結部材34aとが処理槽18の底部で直交して連結された構成となっている。これによって、翼状部33a、35aにより収容容器28の側部を支持し、連結部材34aにより収容容器28の底部を支持することができる。したがって、一または複数(本実施形態では最大で四つ)収容容器28を処理槽18内で支持することができる(図2参照)。なお、第1アーム33および第2アーム35は、同一の構造を有しているため、図面に示す第1アーム33と第2アーム35との区別は便宜的なものである。
また、図7(a)および図7(b)に示すように、揺動支持体34の両端部に位置する第1アーム33および第2アーム35が、一対に配設される当該撹拌子36にそれぞれ連結されている。これによって、揺動支持体34を両端部で支持することによって処理槽18の内部に固定することができる。また、図7(b)および図7(c)に示すように、撹拌子36は処理槽18の内部に面する側が隆起する取付部52を備え、当該取付部52は支持軸38に直交するスリット部52aを備えている。一方、第1アーム33および第2アーム35の芯部33b、35bの上下方向の概ね中央には、係止部33c、35cが設けられている。この構成によれば、スリット部52aを処理槽18の上下方向に合わせ、次いで処理槽18の上方から第1アーム33および第2アーム35の芯部33b、35bをスリット部52aの中に通していくと、係止部33c、35cがスリット部52aに係止される。したがって、第1アーム33および第2アーム35を撹拌子36に固定することができる。すなわち、揺動支持体34は撹拌子36に対して着脱可能に構成され、揺動支持体34を処理槽18の上方から下げることで簡易に撹拌子36に取付けることができ、揺動支持体34を処理槽18の上方へ持ち上げることで簡易に撹拌子36から取外すことができる。
以上の構成によれば、撹拌子36に揺動支持体34が連結された状態では、処理槽18の外部に配設された駆動手段(モータ42)の駆動力を受けた駆動部(撹拌子36)の駆動に連動することにより処理槽18の内部で揺動支持体34を揺動させることができる。したがって、当該揺動支持体34と共にこれに支持された収容容器28を揺動させることができ、当該収容容器28と共にこれに収容された全ての組織片を処理槽18内で揺動させることができる。従来の構成では、処理槽18内において収容容器28が静置されたまま浸漬処理が行われていたため、薬液の作用により組織片から滲み出た水分や脂肪分によって組織片の周囲の薬液が希釈され、濃度の低い薬液によって浸漬処理が行われることになっていた。これに対して、本発明によれば、収容容器28を揺動させることによって全ての組織片を処理槽18内で揺動させることによって相対的に濃度の高い薬液に接触させることができ、従来と比較して薬液が作用しやすくすることが可能になる。一方、撹拌子36に揺動支持体34が取外された状態では、モータ42の駆動力を受けて処理槽18の内部で撹拌子36を回転させることができる。したがって、ヒータ(不図示)によって加温された処理槽18内の液体を撹拌して温度分布を均一にすることができる。本実施形態では、撹拌子36に対して揺動支持体34を付加的に取付ける構成によって処理槽18内で収容容器28を揺動させる機構と処理槽18内の薬液を撹拌する機構とを備えた構成を簡易に実現することが可能になる。したがって、撹拌子36に対して揺動支持体34を着脱することよって、検体である組織片の性質、大きさ、数量等に応じて、処理槽18内における組織片の揺動機構と薬液の撹拌機構とを選択的に使用することができる。
また、撹拌子36を処理槽18の対向する側面の内側に一対に配設する構成によって、揺動支持体34を両端部で支持して処理槽18の内部に固定することができ、揺動支持体34を安定して揺動させることができる。また、モータ42を一対の撹拌子36に対応するように処理槽18の対向する側面の外部に一対に配設する構成によって、複数のモータ42により相対的に大きな駆動力を備えることができる。また、揺動支持体34を揺動する際、各モータ42の駆動力を相対的に小さくすることができるため、モータ42の小型化を図ることができる。
続いて、本実施形態の変形例について説明する。本発明における揺動支持体34は、処理槽18の内部において側面に配設された駆動部に連結されており、処理槽18の外部に配設された駆動手段の駆動力を受けた駆動部の駆動に連動することにより処理槽18の内部で揺動可能に構成されていることを特徴とする。本実施形態では、上記駆動部を支持軸38を中心に回転可能な撹拌子36として構成し、揺動支持体34を撹拌子36に対して着脱可能に構成していた。しかしながら、本発明において、駆動部は撹拌子36に限定されない。そこで、変形例として、以下の構成が考えられる。
すなわち、本例では、駆動部が所定角度まで揺動する揺動部材(不図示)として構成される。本例では、一例として、揺動支持体34を、揺動部材に対して固定された構成(不図示)が考えられる。これによれば、駆動手段の駆動力を受けた揺動部材(不図示)の駆動に連動させて揺動支持体34を揺動させることができる。また、他の例として、揺動支持体34を、揺動部材を兼用する一体構造をする構成(不図示)も考えられる。これによれば、揺動支持体34に磁石を取付けること等によって駆動手段の駆動に連動させて揺動支持体34を揺動させることができる。本例では、処理槽18内の液体を撹拌する撹拌子36を処理槽18の底面等に別途設けてもよい。本例の構成によれば、揺動支持体34を着脱する手間が掛からないという効果を得ることができる。
以上、説明した通り、本発明に係る組織片処理装置によれば、駆動手段の駆動を受けた駆動部の駆動に連動させることによって、当該駆動部に連結された揺動支持体を処理槽内で揺動させることができる。したがって、揺動支持体に支持された収容容器を揺動させることができ、処理槽内に収容された全ての組織片を揺動させることができる。その結果、処理槽内の濃度分布の異なる薬液に対して、組織片を相対的に濃度の高い薬液に接触させることができ、従来と比較して薬液が作用しやすい組織片処理装置を提供することが可能になる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
10 組織片処理装置
12 本体部
18 処理槽
28 収容容器
33 第1アーム
34 揺動支持体
35 第2アーム
36 撹拌子
38 支持軸
40 磁石
42 モータ
44 回転軸
46 回転体
48 磁石
50 収容部
52 取付部

Claims (5)

  1. 組織片が収容される収容容器と、
    前記収容容器が収容される処理槽と、を備え、
    前記処理槽の内部には、前記収容容器を支持する揺動支持体が、前記処理槽の側面に配設された駆動部に連結されており、
    前記揺動支持体は、前記処理槽の外部に配設された駆動手段の駆動力を受けた前記駆動部の駆動に連動することにより前記処理槽の内部で揺動可能に構成され、
    前記揺動支持体は、さらに前記駆動部に対して着脱可能に構成されており、
    前記駆動部は、支持軸を中心に回転可能な撹拌子であって、前記揺動支持体が連結された状態では所定角度まで揺動可能で、且つ前記揺動支持体が取外された状態では回転可能に配設されていること
    を特徴とする組織片処理装置。
  2. 前記駆動手段は、モータであって、
    前記モータの回転軸には、該回転軸を中心に回転可能な回転体が設けられ、
    前記回転体および前記撹拌子には、相互に吸引または反発する磁石が設けられていること
    を特徴とする請求項記載の組織片処理装置。
  3. 前記処理槽の側面は、外部側に隆起する収容部を備え、
    前記撹拌子は、前記収容部に収容されており、
    前記回転体は、前記収容部の外部側に配設されていること
    を特徴とする請求項記載の組織片処理装置。
  4. 前記撹拌子は、前記処理槽の対向する側面に一対に配設され、
    前記揺動支持体は、両端部に位置する第1アームと第2アームとが連結部材によって連結された構成を有し、
    前記第1アームおよび前記第2アームは、前記一対の撹拌子にそれぞれ連結されていること
    を特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の組織片処理装置。
  5. 前記駆動手段は、前記一対の撹拌子に対応するように前記処理槽の対向する側面の外部に一対に配設されていること
    を特徴とする請求項記載の組織片処理装置。
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