以下、発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1~図28は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1及び図2において、遊技機本体1は、外枠2と、この外枠2の前側に配置された前枠3とを備えている。前枠3は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第1ヒンジ4を介して外枠2に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、左右方向における第1ヒンジ4と反対側、例えば右端側に設けられた施錠手段5によって外枠2に対して閉状態で施錠可能となっている。
前枠3は、本体枠6と、その本体枠6の前側に配置されたガラス扉7とを備えている。ガラス扉7は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第2ヒンジ8を介して本体枠6に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、施錠手段5によって本体枠6に対して閉状態で施錠可能となっている。なお、第1ヒンジ4と第2ヒンジ8とは例えば同一軸心となるように配置されている。
外枠2は、図2に示すように左右一対の縦枠材2a,2bと上下一対の横枠材2c,2dとで矩形状に形成されている。外枠2の前側下部には、例えば合成樹脂製の前カバー部材9が、下横枠材2dの前縁に沿って左右の縦枠材2a,2bの前側下部を連結するように装着されている。前カバー部材9は、左右の縦枠材2a,2bよりも前側に突出しており、その上側に本体枠6が配置されている。また外枠2には、第1ヒンジ4を構成する外枠上ヒンジ金具11が例えば左上部に、同じく外枠下ヒンジ金具12が左下部における前カバー部材9の上側に夫々配置されている。
本体枠6は合成樹脂製で、前カバー部材9の上側で外枠2の前縁側に略当接可能な矩形状の枠部13と、この枠部13内の上部側に設けられた遊技盤装着部14と、枠部13内の下部側に設けられた下部装着部15とを例えば一体に備えている。遊技盤装着部14には、遊技盤16が例えば前側から着脱自在に装着され、下部装着部15には、その前側に発射手段17、下部スピーカ18等が配置されている。また本体枠6には、第1ヒンジ4を構成する本体枠上ヒンジ金具19と第2ヒンジ8を構成する本体枠上ヒンジ金具20とが例えば左上部に、第1,第2ヒンジ4,8を構成する本体枠下ヒンジ金具21が例えば左下部に夫々配置されている。
ガラス扉7は、本体枠6の前面側に対応する矩形状に形成された樹脂製の扉ベース22を備えている。この扉ベース22には、遊技盤16に設けられた遊技領域23の前側に対応してガラス窓24の窓孔24aが形成されると共に、例えば窓孔24aの周囲に複数(ここでは4つ)の上部スピーカ25、多数のLED26を備えた発光基板27等が配置され、それら上部スピーカ25、発光基板27等を前側から略覆う上装飾カバー28が装着されている。なお、この上装飾カバー28の前面側は、ガラス窓24のガラス板を介することなく視認可能な第2領域の一例である。
また、上装飾カバー28の例えば上端側には可動表示装置29が配置されている。可動表示装置29は、図1~図7に示すように、複数の表示手段(ここでは第1,第2表示手段31,32)で構成される上部表示手段(第2演出手段)30と、その上部表示手段30を構成する複数の表示手段31,32の少なくとも1つ(ここでは第2表示手段32)を駆動する駆動手段33とを備え、上装飾カバー28の上端部に形成された可動表示装置収容部34内に配置されており、第1,第2表示手段31,32の相対位置関係を変更することにより、第1表示手段31側の表示画面31aと第2表示手段32側の表示画面32aとを合わせた全表示領域のうち、遊技機本体1の前側から視認可能な有効表示領域35の広さを変更可能となっている。
第1,第2表示手段31,32は例えば同一形状、同一サイズの液晶表示手段で、固定式の第1表示手段31の前側近傍に可動式の第2表示手段32が略平行に配置されている。もちろん第1,第2表示手段31,32は互いに異なる形状或いは異なるサイズであってもよいし、有機EL等、液晶以外の表示手段を用いてもよい。
第1表示手段31は、表示画面31aを例えば前斜め下側に向けた状態で横長状に配置され、ケース体36を介して可動表示装置収容部34等に固定されている。一方の第2表示手段32は、第1表示手段31の前側に配置された可動体(第2演出手段,第2可動体)37上に配置されている。
可動体(枠可動体)37は、図3~図7等に示すように、第2表示手段32の背面側に沿って配置される背壁部37aと、第2表示手段32の下縁側に沿って配置される下縁支持部37bと、第2表示手段32の側縁部を支持する左右一対の側縁支持部37c,37cとを一体に備え、例えば上装飾カバー(ベース体)28に対して移動可能に支持されており、第2表示手段32を第1表示手段31と略平行で且つ第1表示手段31と同じ横長の状態で支持している。
可動体37の左右両側には、例えば上装飾カバー28に固定された一対の昇降ガイド38,38が、第1表示手段31と略平行な前上がりの傾斜状に配置されている。可動体37は、例えばその左右両端側に設けた昇降支持体39,39が昇降ガイド38,38に沿って摺動することにより、第1表示手段31に対する上下方向に平行移動可能となっている。
また可動体37は、例えば左右一対の駆動手段33,33の駆動により、図3,図5に示す下限位置(第1位置)と図4,図6に示す上限位置(第2位置)との間で移動可能となっている。なお、可動体37については下限位置を原点位置とする。駆動手段33は例えばステッピングモータにより構成されており、その駆動力は駆動伝達手段40,40を介して例えば昇降支持体39,39に伝達される。駆動伝達手段40は、昇降ガイド38の一端側に対応してその近傍に配置される駆動プーリ41と、昇降ガイド38の他端側に対応してその近傍に配置される従動プーリ42と、駆動プーリ41と従動プーリ42とに巻き掛けられ且つその周上の所定箇所に昇降支持体39が固定される無端状のベルト43とを備え、例えば駆動手段33の駆動軸に装着された駆動ギヤ44が駆動プーリ41側のギヤに噛合している。
また可動表示装置29は、可動体37が下限位置(原点位置)にあることを検出可能な原点位置検出手段45と、同じく上限位置にあることを検出可能な上限位置検出手段46とを備えている。可動体37が下限位置にあるとき、第2表示手段32が第1表示手段31の前側に完全に重なり、可動体37が上限位置にあるとき、第2表示手段32はその大部分が第1表示手段31の前側から退避した状態となる。従って、上部表示手段30の有効表示領域35の広さは、可動体37が下限位置(原点位置)にあるときが最も狭く、上限位置にあるときが最も広くなる。即ち、可動体37が下限位置にあるとき、図3,図5に示すように、第1表示手段31の第1表示画面31a全体が第2表示手段32の後側に隠れるため、第2表示手段32の表示画面32aのみが有効表示領域35となる(以下、この状態を「1画面」という)。一方、可動体37が上限位置にあるとき、図4,図6に示すように、第2表示手段32の表示画面32aはもちろん、第1表示手段31の表示画面31aについてもその略全体が前側から視認可能な状態となるため、第1表示手段31の表示画面31aの略全体と、第2表示手段32の表示画面32aの全体とを合わせた領域が有効表示領域35となる(以下、この状態を「2画面」という)。もちろん、下限位置と上限位置との間の任意の位置(例えば「1.5画面」等の状態)で可動体37が停止する場合があってもよい。
また可動体37は、第2表示手段32の外周側、例えば上縁側に沿って発光装飾部47を備えている。発光装飾部47は、図5,図6に示すように例えば背面側が開放した横長箱形に形成されており、その後側の開口部を可動体37の背壁部37aで略閉鎖するように背壁部37aの前側に着脱自在に固定されている。発光装飾部47内には発光基板48が配置されており、発光装飾部47の少なくとも前面側が、発光基板48に設けられたLED(第2演出手段,枠可動発光体)48aからの光を透過する発光レンズ部47aとなっている。LED48aは、遊技状態に応じて各種点灯パターンで点灯可能である。発光レンズ部47aには、文字、模様、凹凸形状等よりなる任意の装飾(図示省略)が施されている。なお、発光装飾部47は第2表示手段32よりも前側に大きく突出している。
また、発光装飾部47には、外周面の少なくとも一部、例えば可動体37の動作方向に対応する上面47bと下面47cとにタッチセンサ(接触検知手段)51(図12)の電極(検知部)52a,52bが設けられており、遊技者等による接触を検知可能となっている。それら電極52a,52bは、発光装飾部47にメッキ処理を行うことにより形成されている。発光装飾部上面47bに設けられる電極52aは、図5,図6,図8,図9に示すように発光装飾部上面47bの略全面(外周に沿う所定幅の範囲を除く)に配置されている。一方、発光装飾部下面47cに設けられる電極52bは、図5,図6,図8,図9に示すように、発光装飾部下面47cの全面ではなく、遊技者が触れる可能性のある前部側(外周に沿う所定幅の範囲を除く)に設けられており、タッチセンサ51への導通を確保するために幅方向の所定位置(例えば中央)に配置した所定幅の導通接続部50を除き、第2表示手段32の上面が近接又は当接する後部側には設けられていない。
このように、遊技者の触れる可能性のない(又は可能性が極めて小さい)範囲はマスクを施してメッキ部(電極)を設けないことにより、電極の静電容量を小さくすることができ、タッチセンサ51の感度を小さくしてコストを下げることが可能である。また、第2表示手段32に近接する部分を極力避けて電極を設けることによりノイズの影響を受けにくくなるという利点もある。
また上部表示手段30の前側には、可動体37が下限位置にあるときの第2表示手段32の前側に対応して矩形状の透明板53が配置されている。この透明板53は、アクリル、ポリカーボネート等により形成されており、第1,第2表示手段31,32と略平行に配置され、例えば左右両縁部及び下縁部が可動表示装置収容部34に固定されている。可動体37が下限位置にあるときには、遊技者は透明板53を介して第2表示手段32の表示画面32aを視認可能であるが、可動体37が上限位置にあるときには、図6に示すように第2表示手段32はその略全体が透明板53の後側から外れるため、遊技者は透明板53を介して主に第1表示手段31の表示画面31aを視認可能である。
なお、例えば透明板53の上縁部(第2部位)53aは発光装飾部47の下面(第1部位)47cと対向しており、可動体37が下限位置にあるとき(図5)、可動体37側の発光装飾部下面47cと可動表示装置収容部34側の透明板上縁部53aとが上下に近接(又は当接)するようになっている。なお、発光装飾部下面47cには電極52bが配置されているため、可動体37が下限位置にあるとき(図5)、電極52bは透明板上縁部53aに近接(又は当接)するが、図8,図9等に示すように、電極52bはその前後左右の幅が何れも透明板上縁部53aと同じかそれよりも大となっている。これにより、例えば遊技者が透明板53の上縁側に触れているときに可動体37が原点位置に向けて下降してきたとき、遊技者の指に電極52bを確実に接触させて検知することが可能である。
また、ガラス扉7の前側には、図1に示すように遊技者が操作可能な可動体操作ボタン55が設けられている。この可動体操作ボタン55は、可動体37の動作に関する指示入力を行うためのもので、例えば上装飾カバー28における可動表示装置29の近傍に配置されており、例えば可動体37が遊技状態に応じた位置(以下、「遊技位置」という)にあるときにその可動体37を原点位置である下限位置まで移動させて待機させるための「原点待機指示」と、その「原点待機指示」によって可動体37が原点位置である下限位置で待機しているときにその可動体37を遊技位置に復帰させるための「遊技位置復帰指示」とを入力可能となっている(図13参照)。
本実施形態では、可動体操作ボタン55の操作タイミングに応じて、「原点待機指示」と「遊技位置復帰指示」との何れであるかが自動的に判断される。即ち図13に示すように、可動体37が遊技位置(原点位置を除く)にあるときに可動体操作ボタン55が操作された場合には、その指示入力は「原点待機指示」と判断され、その「原点待機指示」によって可動体37が原点位置である下限位置で待機しているときに可動体操作ボタン55が操作された場合には、その指示入力は「遊技位置復帰指示」と判断され、それら以外のタイミング、及び可動体37の動作制限期間中に可動体操作ボタン55が操作された場合にはその操作は無効となる。この動作制限期間については後述する。
また、可動体操作ボタン55はLED56を内蔵している。このLED56は、可動体操作ボタン55に関する各種情報を報知する操作情報報知手段の一例であり、例えば「点灯」は可動体操作ボタン55の操作が有効であることを、「消灯」は可動体操作ボタン55の操作が無効であることを夫々示している。もちろん、「原点待機指示」が有効な期間中と「遊技位置復帰指示」が有効な期間中とで点灯態様を異ならせてもよい。
なお、操作情報報知手段は可動体操作ボタン55とは別に例えば可動体操作ボタン55の近傍に設けてもよい。また、操作情報報知手段はLED等の発光手段に限られるものではなく、液晶表示手段等であってもよい。また第2表示手段32や後述する中央表示手段100を操作情報報知手段として利用してもよい。また、可動体37の動作に関する指示入力を行うための指示入力手段は、遊技者が操作可能であればよく、可動体操作ボタン55のような押しボタンに限られるものではない。
また扉ベース22の下部前側には、図1に示すように、本体枠6の後側の払い出し手段61から払い出された遊技球を貯留して発射手段17に供給する上皿62、その上皿62が満杯のときの余剰球等を貯留する下皿63、発射手段17を作動させるために操作する発射ハンドル64等が配置され、更に上皿62、下皿63等を前側から略覆う下装飾カバー65が装着されている。下装飾カバー65は、例えば前向きの膨出状に形成されており、例えばその上部側に、遊技者が押下操作可能な十字操作手段66、演出ボタン67等の操作手段が設けられている。十字操作手段66は、例えば上キー、下キー、左キー、右キーの4つの操作部を備えている。
演出ボタン67は、下装飾カバー65から外向き(上向き)に突出する非操作位置と、突出しない(又は非操作位置よりも突出量が小さい)操作位置との間で例えば上下方向に移動可能であり、図示しない付勢手段により非操作位置側に弾性付勢されており、遊技者が押下操作することによって非操作位置から操作位置に移動したとき、図示しない操作検出手段がその押下操作を検出するようになっている。
また、演出ボタン(盤可動体、盤演出手段)67には振動手段68、ボタン駆動手段69、LED70等が設けられている。振動手段68は、演出ボタン67を振動させるもので、遊技者が演出ボタン67を押下操作したとき等の任意のタイミングで作動するようになっている。ボタン駆動手段69は、演出ボタン67を例えば非操作位置と操作位置との間で駆動するもので、電磁ソレノイド等により構成されており、例えば演出ボタン67の操作が有効でない期間中は演出ボタン67を操作位置に引き込んで遊技者による押下操作ができないようにすることが可能となっている。なお、演出ボタン67は操作位置を原点位置とする。またLED70は、遊技状態に応じて各種点灯パターンで点灯可能となっている。
扉ベース22の背面側には、図2に示すように、窓孔24aを後側から略塞ぐようにガラスユニット71が着脱自在に装着されると共に、第1,第2ヒンジ4,8側の縁部に沿って配置される上下方向のヒンジ端側補強板金72と、開閉端側の縁部に沿って配置される上下方向の開閉端側補強板金73と、窓孔24aの下側に配置される左右方向の下部補強板金74とがねじ止め等により着脱自在に固定されている。また扉ベース22には、第2ヒンジ8を構成するガラス扉上ヒンジ金具75が例えば左上部に、同じくガラス扉下ヒンジ金具76が例えば左下部に夫々配置されている。ガラスユニット71は、夫々平面状に形成され且つ透明性を有する前後2枚のガラス板71aと、それら2枚のガラス板71aを外周側で連結、支持するガラス支持枠71bとを備えている。
また、例えば下部補強板金74の背面側には、球送りユニット77、下皿案内ユニット78等が装着されている。球送りユニット77は、上皿62内の遊技球を1個ずつ発射手段17に供給するためのもので、発射手段17の前側に対応して配置されている。下皿案内ユニット78は、上皿62が満杯となったときの余剰球、及び発射手段17により発射されたにも拘わらず遊技領域23に達することなく戻ってきたファール球を下皿63に案内するためのもので、例えば球送りユニット77に隣接してその第1,第2ヒンジ4,8側に配置されている。
図10に示すように、遊技盤16はベニヤ板、合成樹脂等で形成されたベース板81を備え、そのベース板81の前側に、発射手段17から発射された遊技球を案内するガイドレール82が環状に装着されると共に、そのガイドレール82の内側の遊技領域23に、中央表示枠ユニット83、始動入賞ユニット84、普通入賞ユニット85等のユニット部品の他、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。中央表示枠ユニット83は例えば遊技領域23の略中央における上部側に配置され、始動入賞ユニット84は中央表示枠ユニット83の下側に、普通入賞ユニット85は中央表示枠ユニット83の下側で始動入賞ユニット84の左側に、夫々ガイドレール82の内側に沿って配置されている。
またそれら複数のユニット部品83~85上には、普通図柄表示手段91、普通保留個数表示手段92、第1特別図柄表示手段93、第2特別図柄表示手段94等の各種表示手段の他、普通図柄始動手段95、第1特別図柄始動手段96、第2特別図柄始動手段97、大入賞手段98、複数の普通入賞手段99等が設けられている。また、ベース板81の後側には、中央表示手段(画像表示手段、盤演出手段、第1演出手段)100、複数種類(ここでは4種類)の可動演出手段(第1演出手段)101~104等が裏取付ベース(図示省略)を介して装着されている。本実施形態では、中央表示手段100は液晶表示手段により構成され、例えば縦長状に配置されている。なお、この遊技盤16上の領域が、ガラス窓24のガラス板71aを介して視認可能な第1領域の一例である。
中央表示枠ユニット83は、中央表示手段100の表示枠を構成するもので、その略中央に中央表示手段100に対応する表示窓110が形成され、ベース板81に形成された装着孔(図示省略)に対して前側から着脱自在に装着されている。この中央表示枠ユニット83は、ベース板81の前面に沿って装着孔の外側に配置され且つその前側を遊技球が通過可能な前面装着板111と、中央表示手段100の前側における左右両側から上部側にわたる正面視略門形状に配置され且つ前面装着板111の内周側で前向きに突設された装飾枠112と、その装飾枠112の左右の下端部間に配置されるステージ113とを備えている。発射手段17により発射され、遊技領域23の上部側に進入した遊技球は、装飾枠112の頂部で左右に振り分けられ、中央表示枠ユニット83の左側の左流下経路114aと右側の右流下経路114bとの何れかを流下する。
中央表示枠ユニット83には、左流下経路114a側と右流下経路114b側との少なくとも一方側、例えば左流下経路114a側に、遊技球が流入可能なワープ入口115が設けられている。ワープ入口115に流入した遊技球は、ステージ113上で左右方向に自由に転動した後、遊技領域23の左右方向中央に対応して設けられた中央落下部116とそれ以外の部分との何れかから前側に落下する。
またステージ113の上側には、跳ね返り等による後側への遊技球の進入を阻止するための進入防止手段117が設けられている。進入防止手段117は、ステージ113の後側に沿って例えばベース板81と平行に立設される第1進入防止板117aと、その第1進入防止板117aの上縁部から前向きに突設される第2進入防止板117bとを例えば一体に備えている。なお、進入防止手段117は例えばその全体が透明であり、前側からその進入防止手段117を介して後側を視認可能となっている。
中央表示枠ユニット83の後側には、図10及び図11に示すように左・右・上・下の4種類の可動演出手段101~104が夫々配置されている。左可動演出手段101は、図11(a)に示すように、左可動体(盤可動体、盤演出手段)101aと、この左可動体101aをその一端側で例えば前後方向の軸廻りに揺動自在に支持すると共に上下方向の昇降ガイド101bに沿って上下方向に移動可能な昇降支持体101cと、左可動体101aを昇降支持体101cに対して上揺動位置と下揺動位置との間で揺動駆動する揺動駆動手段101dと、昇降支持体101cを上昇降位置と下昇降位置との間で昇降駆動する昇降駆動手段101eとを備えている。
左可動体101aは、任意の立体形状(ここでは人間の手の形状)に形成され、内部には各種点灯パターンで点灯可能なLED(第1演出手段)105が配置されると共に、ステッピングモータ等よりなる揺動駆動手段101dと昇降駆動手段101eとにより、表示窓110の左側の横位置と、同じく左上部側の上位置と、同じく左下部側の下位置とに移動可能となっている。なお、横位置の場合には、昇降支持体101cが上昇降位置で、左可動体101aが昇降支持体101cに対して下揺動位置で夫々停止し、上位置の場合には、昇降支持体101cが上昇降位置で、左可動体101aが昇降支持体101cに対して上揺動位置で夫々停止し、下位置の場合には、昇降支持体101cが下昇降位置で、左可動体101aが昇降支持体101cに対して上揺動位置で夫々停止する。
また左可動演出手段101は、昇降支持体101cが上昇降位置にあることを検出可能な上昇降位置検出手段121aと、昇降支持体101cが下昇降位置にあることを検出可能な下昇降位置検出手段121bと、左可動体101aが昇降支持体101cに対して上揺動位置にあることを検出可能な上揺動位置検出手段121cと、左可動体101aが昇降支持体101cに対して下揺動位置にあることを検出可能な下揺動位置検出手段121dとを備えている。なお本実施形態では、左可動体101aについては図11(a)に実線で示す横位置を原点位置としている。
また右可動演出手段102は、例えば左可動演出手段101と左右略対象に形成されており、図11(a)に示すように、右可動体(盤可動体、盤演出手段)102aと、この右可動体102aをその一端側で例えば前後方向の軸廻りに揺動自在に支持すると共に上下方向の昇降ガイド102bに沿って上下方向に移動可能な昇降支持体102cと、右可動体102aを昇降支持体102cに対して上揺動位置と下揺動位置との間で揺動駆動する揺動駆動手段102dと、昇降支持体102cを上昇降位置と下昇降位置との間で昇降駆動する昇降駆動手段102eとを備えている。
右可動体102aは任意の立体形状(ここでは人間の手の形状)に形成され、内部には各種点灯パターンで点灯可能なLED(第1演出手段)106が配置されると共に、ステッピングモータ等よりなる揺動駆動手段102dと昇降駆動手段102eとにより、表示窓110の右側の横位置と、同じく右上部側の上位置と、同じく右下部側の下位置とに移動可能となっている。なお、横位置の場合には、昇降支持体102cが上昇降位置で、右可動体102aが昇降支持体102cに対して下揺動位置で夫々停止し、上位置の場合には、昇降支持体102cが上昇降位置で、右可動体102aが昇降支持体102cに対して上揺動位置で夫々停止し、下位置の場合には、昇降支持体102cが下昇降位置で、右可動体102aが昇降支持体102cに対して上揺動位置で夫々停止する。
また右可動演出手段102は、昇降支持体102cが上昇降位置にあることを検出可能な上昇降位置検出手段122aと、昇降支持体102cが下昇降位置にあることを検出可能な下昇降位置検出手段122bと、右可動体102aが昇降支持体102cに対して上揺動位置にあることを検出可能な上揺動位置検出手段122cと、右可動体102aが昇降支持体102cに対して下揺動位置にあることを検出可能な下揺動位置検出手段122dとを備えている。なお本実施形態では、右可動体102aについては図11(a)に実線で示す横位置を原点位置としている。
また上可動演出手段103は、図11(b)に示すように、中央表示手段100の前側に横長状に配置された上可動体(盤可動体、盤演出手段)103aと、この上可動体103aの左右両端側を夫々上下方向の昇降ガイド103b,103bに沿って上下方向に移動可能に支持する昇降支持体103c,103cと、昇降支持体103cを上位置と下位置との間で昇降駆動する昇降駆動手段103d,103dとを備えている。上可動体103aは、前面側に例えば任意の装飾(図示省略)が施され、内部には各種点灯パターンで点灯可能なLED(第1演出手段)107が配置されると共に、ステッピングモータ等よりなる左右の昇降駆動手段103d,103dの駆動により、例えば略水平な状態を保ったまま表示窓110の上端側の上位置と下端側の下位置との間で移動可能となっている。また上可動演出手段103は、上可動体103aが上位置にあることを検出可能な上位置検出手段123aと、同じく下位置にあることを検出可能な下位置検出手段123bとを備えている。なお本実施形態では、上可動体103aについては図11(b)に実線で示す上位置を原点位置としている。
また下可動演出手段104は、図11(b)に示すように、中央表示手段100の前側に横長状に配置された下可動体(盤可動体、盤演出手段)104aと、この下可動体104aを例えばその左右両端側で上下方向に移動可能に支持する昇降ガイド104b,104bと、ステッピングモータ等よりなる下駆動手段104cと、下駆動手段104cの回転動作を下可動体104aの昇降動作に変換する駆動変換手段104dとを備えている。下可動体104aは、前面側に例えば任意の装飾(図示省略)が施され、内部には各種点灯パターンで点灯可能なLED(第1演出手段)108が配置されると共に、昇降ガイド104b,104bにより例えば略水平な状態を保ったまま、下駆動手段104cの駆動により、略全体が表示窓110よりも下側に位置する下位置と少なくとも一部が表示窓110内に位置する上位置との間で移動可能となっている。また下可動演出手段104は、下可動体104aが上位置にあることを検出可能な上位置検出手段124aと、同じく下位置にあることを検出可能な下位置検出手段124bとを備えている。なお本実施形態では、下可動体104aについては図11(b)に実線で示す上位置を原点位置としている。
普通図柄始動手段95は、普通図柄表示手段91による普通図柄の変動表示を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲート等により構成され、遊技球の通過を検出する通過検出手段95aを備えている。この普通図柄始動手段95は、図10に示すように例えば中央表示枠ユニット83の右部における前面装着板111の前側に設けられており、右流下経路114bを流下する遊技球が通過可能となっている。
普通図柄表示手段91は、普通図柄を変動表示するためのもので、複数個の普通図柄(例えば「○」「×」の2種類)に対応する複数個の発光体(例えばLED)を備え、例えば中央表示枠ユニット83の装飾枠112に配置されている。この普通図柄表示手段91は、普通図柄始動手段95が遊技球を検出することに基づいて複数の発光体が所定順序で発光するように点滅して、普通図柄始動手段95による遊技球検出時に取得した普通乱数情報に含まれる当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様(所定態様)に対応する例えば「○」側の発光体が点灯し、それ以外の場合には外れ態様に対応する例えば「×」側の発光体が点灯して停止する。普通図柄表示手段91の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合には普通利益状態が発生する。
また、普通図柄表示手段91の図柄変動中と普通利益状態中とを含む普通保留期間中に普通図柄始動手段95が遊技球を検出した場合には、それによって取得された普通乱数情報が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通保留期間が終了する毎に1個ずつ消化されて普通図柄の変動が行われる。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は、普通保留個数表示手段92等によって遊技者に報知される。普通保留個数表示手段92は例えば中央表示枠ユニット83の装飾枠112に配置される。
第1特別図柄始動手段96は、第1特別図柄表示手段93による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段を有しない非開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段96aを備えている。この第1特別図柄始動手段96は、例えば始動入賞ユニット84に設けられ、ステージ113の中央落下部116に対応してその下側に上向き開口状に配置されており、左流下経路114a側のワープ入口115からステージ113を経て入賞するルートが存在すること等により、右流下経路114bを流下してきた遊技球よりも左流下経路114aを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。なお、この第1特別図柄始動手段96に遊技球が入賞すると、一入賞当たり所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
第2特別図柄始動手段97は、第2特別図柄表示手段94による図柄変動を開始させるためのもので、開閉部131の作動によって遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに変化可能な開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段97aを備えており、普通図柄表示手段91の変動後の停止図柄が当たり態様(所定態様)となって普通利益状態が発生したときに、開閉部131が所定時間閉状態から開状態に変化するようになっている。
この第2特別図柄始動手段97は、例えば中央表示枠ユニット83の右部における前面装着板111上で且つ普通図柄始動手段95の下流側に配置されており、左流下経路114aを流下してきた遊技球よりも右流下経路114bを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。開閉部131は例えば下部側に設けられた左右方向の回転軸廻りに揺動可能であり、閉状態では例えば前面装着板111と略面一となって遊技球が前側を通過可能となり、開状態では前面装着板111の前側で後ろ下がりの傾斜状となって遊技球を後向きに入賞させるようになっている。なお、この第2特別図柄始動手段97に遊技球が入賞すると、一入賞当たり所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
第1特別図柄表示手段93は、1個又は複数個、例えば1個の第1特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別図柄始動手段96が遊技球を検出することを条件に第1特別図柄を所定時間変動表示して、第1特別図柄始動手段96による遊技球検出時に取得された第1特別乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には第1大当たり態様で、それ以外の場合には第1外れ態様で夫々停止するようになっている。第1特別図柄表示手段93の変動後の停止図柄が第1大当たり態様となった場合には第1特別利益状態が発生する。
第2特別図柄表示手段94は、1個又は複数個、例えば1個の第2特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第2特別図柄始動手段97が遊技球を検出することを条件に第2特別図柄を所定時間変動表示して、第2特別図柄始動手段97による遊技球検出時に取得された第2特別乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には第2大当たり態様で、それ以外の場合には第2外れ態様で夫々停止するようになっている。第2特別図柄表示手段94の変動後の停止図柄が第2大当たり態様となった場合には第2特別利益状態が発生する。
第1,第2特別図柄表示手段93,94は、例えば中央表示枠ユニット83の装飾枠112に配置されている。第1,第2特別図柄は、例えば数字図柄等ではなく、それ自体としては特別な意味を持たない線と点の組み合わせ等よりなる複数種類の図柄で構成され、それらの図柄のうちの1又は複数が第1,第2大当たり態様、それ以外が第1,第2外れ態様となっている。
また、第1特別図柄表示手段93の図柄変動中、第2特別図柄表示手段94の図柄変動中及び第1,第2特別利益状態中を含む特別保留期間中に第1,第2特別図柄始動手段96,97が遊技球を検出した場合には、そのときに取得した第1,第2特別乱数情報を夫々予め定められた上限保留個数、例えば各4個を限度として保留記憶する。そして、特別保留期間が終了した時点で第2特別図柄側の保留記憶が1以上の場合(第2特別図柄に関する図柄変動開始条件が成立した場合)にはその第2特別図柄の保留記憶を消化することにより第2特別図柄の変動を行い、第1特別図柄側の保留記憶のみが1以上の場合(第1特別図柄に関する図柄変動開始条件が成立した場合)にはその第1特別図柄の保留記憶を消化することにより第1特別図柄の変動を行う。このように本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に変動中になることはなく、また第1特別図柄側と第2特別図柄側との両方に保留記憶がある場合には、第2特別図柄の変動を優先的に行うようになっている。なお、第1,第2特別乱数情報の記憶個数(第1,第2特別保留個数)は、中央表示手段100等によって遊技者に報知される。
大入賞手段98は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板132を備えた開閉式入賞手段で、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段98aを備えており、第1,第2特別図柄表示手段93,94の第1,第2特別図柄が変動後に第1,第2大当たり態様で停止した場合に発生する第1,第2特別利益状態中に、開閉板132が所定の大当たり開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。この大入賞手段98は、例えば中央表示枠ユニット83の右側下部で第2特別図柄始動手段97の下流側に配置されており、左流下経路114aを流下してきた遊技球よりも右流下経路114bを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。この大入賞手段98に遊技球が入賞すると、一入賞当たり所定個数の遊技球が賞球として払い出される。なお以下の説明では、第1特別利益状態と第2特別利益状態とを合わせて「大当たり遊技」という。
普通入賞手段99は、開閉手段を有しない非開閉式入賞手段で、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段99aを備えており、例えば左流下経路114a側の普通入賞ユニット85に複数個、また右流下経路114b側の例えば大入賞手段98の側方にも例えば1個配置されている。この普通入賞手段99に遊技球が入賞すると、一入賞当たり所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
また中央表示手段100には、例えば第1,第2特別図柄表示手段93,94による第1,第2特別図柄の変動表示と並行して演出図柄130が変動表示される他、第1,第2特別保留個数を示す第1,第2保留表示画像X1~X4,Y1~Y4等の各種画像を表示可能となっている。
ここで演出図柄130は、図10に示すように、数字図柄その他の複数個の図柄で構成される図柄列を複数(ここでは3つ)備えており、またそれら各図柄列を構成する各図柄は、例えば1~8等の数字、その他で構成される図柄本体部130aと、この図柄本体部130aに付随するキャラクタその他の装飾部130bとの結合で構成されている。演出図柄130は、例えば第1,第2特別図柄の変動開始と略同時に所定の変動パターンに従って図柄列毎に縦スクロール等による変動を開始すると共に、所定の有効ライン(ここでは横一本)上の停止図柄が所定態様となるように例えば第1,第2特別図柄の変動停止と略同時に最終停止する。演出図柄130では、例えば有効ライン上の全ての停止図柄が同じ場合が大当たり演出態様、それ以外が外れ演出態様となっており、第1,第2特別図柄が第1,第2大当たり態様となる場合には演出図柄130は大当たり演出態様となり、第1,第2特別図柄が第1,第2外れ態様となる場合には演出図柄130は外れ演出態様となる。なお演出図柄130は、その変動中に各図柄の表示態様が変化(拡大、縮小、装飾部非表示、簡略表示等)してもよい。
図12は本パチンコ遊技機の制御系のブロック図である。図12において、主制御基板(主制御手段)133は遊技制御を統括するもので、普通図柄表示手段91、第1,第2特別図柄表示手段93,94等の表示手段の他、普通図柄始動手段95に設けられた通過検出手段95a、各入賞手段96~99に設けられた遊技球検出手段96a~99a等が接続されている。
また主制御基板133の下位には、演出制御基板134、液晶制御基板135、払出制御基板136、発射制御基板137等のサブ制御基板が接続されている。演出制御基板134は、主制御基板133からの制御コマンドに基づいて演出制御を行うもので、スピーカ、可動体、LED等の各種演出手段の他、十字操作手段66、演出ボタン67等の操作手段が接続されている。
液晶制御基板135は、演出制御基板134からの制御コマンドに基づいて中央表示手段100、上部表示手段30(第1表示手段31及び第2表示手段32)等の液晶表示手段を制御するものである。また払出制御基板136は、主制御基板133からの制御コマンドに基づいて払い出し手段61を制御するもので、その下位に発射制御基板137が接続されている。発射制御基板137は、払出制御基板136からの発射制御信号、発射ハンドル64からの操作信号等に基づいて発射手段17を制御するようになっている。発射制御基板137は例えば発射手段17の裏側等に配置されている。
主制御基板133は、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段141、普通始動口チェック処理手段142、普通乱数記憶手段143、普通図柄処理手段144、普通図柄表示制御手段145、普通利益状態発生手段146、特別乱数作成処理手段147、特別始動口チェック処理手段148、特別乱数記憶手段149、特別図柄処理手段150、特別図柄表示制御手段151、大当たり遊技実行手段152、特別遊技状態発生手段153、入賞処理手段154、制御コマンド送信手段155等を備えている。
普通乱数作成処理手段141は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段142は、普通図柄始動手段95による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段95が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段141で作成された当たり判定乱数値等の普通乱数情報を取得し、その普通乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段143に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段144は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段91が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段143に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段143に記憶されている普通乱数情報の待ち行列の先頭から当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行う当たり判定機能、当たり/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。
普通図柄表示制御手段145は、普通図柄処理手段144による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段91の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段91が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段143に1個以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段91による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段144で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段144で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
普通利益状態発生手段146は、普通図柄処理手段144による当たり判定の結果が当たりとなることに基づいて普通図柄表示手段91の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合に、第2特別図柄始動手段97が例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化する普通利益状態を発生させるようになっている。本実施形態では、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間が大となるように設定された延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、後述する開放延長状態中の場合(開放延長あり)には延長開閉パターンが、それ以外の場合(開放延長なし)には通常開閉パターンが夫々選択されるようになっている。
特別乱数作成処理手段147は、大当たり/外れの判定に用いる大当たり判定乱数、特別図柄の変動後の停止図柄等の選択に用いる図柄判定乱数、変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
特別始動口チェック処理手段148は、第1,第2特別図柄始動手段96,97への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、第1,第2特別図柄始動手段96,97の何れかに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段147で作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等の第1,第2特別乱数情報を取得し、その第1,第2特別乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として特別乱数記憶手段149に記憶させると共に、増加後の第1,第2特別保留個数等を指定する第1,第2保留増加コマンドを制御コマンド送信手段155を介して演出制御基板134に送信するように構成されている。
また、特別始動口チェック処理手段148は先読み判定手段148aを備えている。この先読み判定手段148aは、第1,第2特別図柄始動手段96,97に遊技球が入賞したときに取得される第1,第2特別乱数情報について、例えばその取得時に、第1,第2特別乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が第1,第2大当たり判定値と一致するか否か等について先読み判定を行うようになっている。この先読み判定結果は、例えば第1,第2特別図柄始動手段96,97の何れかに遊技球が入賞することに基づいて送信される保留増加コマンドにより演出制御基板134等に伝達される。
特別図柄処理手段150は、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、第1,第2特別図柄表示手段93,94が変動表示可能な状態となったときに、第2特別保留個数が1以上であれば第2特別乱数情報の待ち行列から、第1特別保留個数のみが1以上であれば第1特別乱数情報の待ち行列からその先頭の大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり判定の結果に応じて、第1,第2特別乱数情報に含まれる大当たり図柄乱数値等に基づいて第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能、大当たり判定の結果に応じて、第1,第2特別図柄の変動パターンを複数種類の中から選択する変動パターン選択機能等を備えている。
また第1,第2特別図柄の変動開始時には、減少後の第1,第2特別保留個数等を指定する第1,第2保留減少コマンド、演出図柄130の変動パターンを指定する変動パターンコマンド、第1,第2特別図柄の停止図柄を指定する図柄指定コマンド等が制御コマンド送信手段155を介して演出制御基板134に送信される。一方、第1,第2特別保留個数が共に0の状態で第1,第2特別図柄の変動が終了する等により第1,第2特別図柄の変動待機状態となった場合には、客待ちデモコマンドが制御コマンド送信手段155を介して演出制御基板134に送信される。
特別図柄表示制御手段151は、第1,第2特別図柄表示手段93,94の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段150による特別図柄処理に基づいて、第1特別図柄表示手段93又は第2特別図柄表示手段94による第1,第2特別図柄の変動を開始させると共に、選択された変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、選択された停止図柄で第1,第2特別図柄の変動を停止させるようになっている。なお、第1,第2特別図柄の変動終了時には、演出図柄130の変動停止を指示する変動停止コマンドが制御コマンド送信手段155を介して演出制御基板134に送信される。
大当たり遊技実行手段152は、遊技者に有利な大当たり遊技を実行するもので、特別図柄処理手段150で大当たりの判定結果が得られ、それに基づいて第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が第1,第2大当たり態様となった場合に、大入賞手段98を所定の開放パターンに従って開放する大当たり遊技を実行するように構成されている。
特別遊技状態発生手段153は、大当たり遊技の終了後に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるものである。特別遊技状態は、高確率状態と開放延長状態との組み合わせにより、例えば高確率状態が発生し開放延長状態が発生しない「潜確状態」、高確率状態と開放延長状態とが共に発生する「確変状態」、高確率状態が発生せず、開放延長状態が発生する「時短状態」の3種類が考えられる。なお、高確率状態と開放延長状態とが共に発生していない状態が通常遊技状態である。
高確率状態中は、それ以外の低確率状態中よりも大当たり判定値の数を多くすることにより、第1,第2特別図柄が大当たり態様となる確率を高確率に設定するようになっている。
また開放延長状態中は、第2特別図柄始動手段97の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)に切り替えられるが、それ以外にも、第1,第2特別図柄に関して、第1,第2特別図柄表示手段93,94の変動時間が夫々通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り替えられ、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)に、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)に、夫々切り替えられるようになっている。
なお本実施形態では、大当たり遊技の終了後に確変状態を発生させ、例えばその後の第1,第2特別図柄の変動毎に確変状態を終了させるか否かの転落抽選を行い、次の大当たり遊技が発生するか転落抽選で当選した場合に確変状態を終了するようになっている。
入賞処理手段154は、各入賞手段、即ち第1,第2特別図柄始動手段96,97、大入賞手段98、普通入賞手段99への遊技球の入賞による賞球払い出しに関する処理を行うもので、例えばそれら入賞手段96~99毎の入賞個数を、遊技球検出手段96a~99aからの検出信号に基づいてカウントし、その入賞手段毎の入賞個数のカウント値と、各入賞手段毎に設定された賞球個数とに基づいて、例えば一入賞毎に払出個数指定コマンドを制御コマンド送信手段155を介して払出制御基板136に送信するようになっている。
制御コマンド送信手段155は、各種制御コマンドを演出制御基板134等のサブ制御基板に送信して制御指令を与えるためのものである。
演出制御基板134は、CPU,ROM,RAM等により構成される発光制御手段161、音声出力制御手段162、可動体制御手段163、画像表示制御手段164等を備えている。
発光制御手段161は、各種発光体の発光制御を行うもので、例えば可動体37上のLED48a、演出ボタン67上のLED70、ガラス扉7上のLED26、可動体101a~104a上のLED105~108等を所定の演出シナリオに従って所定の発光パターンで発光させるようになっている。音声出力制御手段162は、スピーカ18,25からの音声出力を制御するもので、所定の演出シナリオに従って所定のBGM、効果音等を出力するようになっている。
可動体制御手段163は、各種可動体の駆動制御を行うもので、遊技動作実行手段163a、任意動作実行手段163b、動作制限手段163c、危険回避手段163d等を備えている。
遊技動作実行手段163aは、遊技状態に応じて可動体を動作させるもので、例えば可動体37の駆動手段33、演出ボタン67のボタン駆動手段69、演出ボタン67の振動手段68、可動体101a~104aの駆動手段101d,101e,102d,102e,103d,104c等を所定の演出シナリオに従って所定の動作パターンで作動させるようになっている。
任意動作実行手段163bは、外部からの指示入力に基づいて可動体を動作させるもので、図13に示すように、可動体操作ボタン55の操作による指示入力が「原点待機指示」(所定操作入力)であれば可動体37を原点位置である下限位置まで移動させて待機させ(以下、「枠可動体待機状態」という)、「遊技位置復帰指示」であれば可動体37を遊技位置(可動体制御手段163の制御に係る位置)まで移動させるべく駆動手段33を制御する。
可動体操作ボタン55の操作による指示入力が「原点待機指示」、「遊技位置復帰指示」の何れであるかは可動体操作ボタン55の操作タイミングに応じて任意動作実行手段163b側で判断する。即ち図13に示すように、可動体37が遊技位置(原点位置である場合を除く)にあるときに可動体操作ボタン55が操作された場合には、その指示入力は「原点待機指示」と判断され、枠可動体待機状態中(可動体37が原点位置(遊技位置である場合を除く)にあるとき)に可動体操作ボタン55が操作された場合には、その指示入力は「遊技位置復帰指示」と判断され、それら以外のタイミングで可動体操作ボタン55が操作された場合にはその操作は無効となる。また可動体操作ボタン55に関する操作有効期間中は、可動体操作ボタン55のLED56が例えば「点灯」することにより、可動体操作ボタン55の操作が有効であることを遊技者に報知するようになっている。
なお、枠可動体待機状態は、可動体操作ボタン55により「遊技位置復帰指示」が入力されることによって解除されるが、可動体操作ボタン55による「遊技位置復帰指示」がなくても所定のタイミング、例えば次の新たな演出が開始される時点で解除される。
動作制限手段163cは、所定の動作制限期間中、可動体37の動作を制限するものである。本実施形態の動作制限期間には、図14に示すように、遊技動作制限期間と任意動作制限期間とがある。遊技動作制限期間中は、遊技動作実行手段163aによる可動体37の遊技動作と、任意動作実行手段163bによる可動体37の任意動作とが制限されるが、任意動作制限期間中は、任意動作実行手段163bによる可動体37の任意動作のみが制限され、遊技動作実行手段163aによる可動体37の遊技動作は制限されないようになっている。
遊技動作制限期間は、遊技動作制限開始条件が満たされた後、遊技動作制限終了条件が満たされるまでの期間である。図14に示す例では、遊技動作制限開始条件は、扉開放エラー、役物エラー、電断等の特定エラーが発生することによって満たされ、遊技動作制限終了条件は、例えば特定エラーが解消されることによって満たされる。この遊技動作制限期間中、即ち特定エラー中は、可動体37による遊技動作だけでなく、遊技者操作に基づく任意動作も実行されない。なお、遊技動作制限期間中、可動体37は遊技動作制限開始条件が満たされた時点の位置で保持されるものとするが、例えば原点位置に復帰した後にその原点位置で保持されるようにしてもよい。
一方の任意動作制限期間は、任意動作制限開始条件が満たされた後、任意動作制限終了条件が満たされるまでの期間である。図14に示す例では、任意動作制限開始条件は、例えば可動体操作ボタン55の操作に基づいて可動体37が所定回数(ここでは2往復)動作することによって満たされ、任意動作制限終了条件は、例えば所定時間(ここでは60秒)経過することによって満たされる。即ち、遊技者が可動体操作ボタン55を操作することによって可動体37が計2往復した場合にはその時点で任意動作制限期間が開始され、その後に60秒経過して任意動作制限期間が終了するまで、遊技者が可動体操作ボタン55を操作してもその操作に基づく可動体37の任意動作は開始されない。
なお、任意動作制限期間中は、可動体37は例えば原点位置である下限位置に保持されるが、任意動作制限期間中であっても、遊技動作実行手段163aによる可動体37の遊技動作は制限されない。また、任意動作制限開始条件を構成する可動体37の動作回数(ここでは2往復)は例えば累積の動作回数であり、間欠的に動作した場合であってもその合計が所定回数に達すれば任意動作制限期間が開始される。
危険回避手段163dは、可動体37の動作を制限する危険回避処理を実行するもので、可動体37の動作中にタッチセンサ51が接触を検知した場合に、可動体37を例えば停止させる危機回避処理を実行するようになっている。なお、タッチセンサ(接触検知手段)51の電極(検知部)52a,52bは可動体37における発光装飾部47の上面47bと下面(第1部位)47cとに設けられている(図5,図6,図8,図9等参照)。
本実施形態では、危険回避処理として第1危険回避処理と第2危険回避処理とを設けており、タッチセンサ51が接触を検知したときの可動体37の動作状態に応じて、例えば上昇動作中(第2位置側に向かう第1動作中)であれば第1危険回避処理を、下降動作中(第1位置側に向かう第2動作中)であれば第2危険回避処理を夫々実行するようになっている(図15の実行条件参照)。なお、上面47b側の電極52aへの接触と下面47c側の電極52bへの接触とを識別可能に構成し、電極52a側で接触を検知した場合には第1危険回避処理を、電極52b側で接触を検知した場合には第2危険回避処理を夫々実行するようにしてもよい。
図15に示すように、第1危険回避処理では可動体37を速やかに停止させるのに対し、第2危険回避処理では、可動体37をそれまで(動作中であった進行方向)とは逆方向に例えば所定ステップ(所定量)動作させて停止させるようになっている。可動体37の下降動作中にタッチセンサ51が接触を検知した場合(図16(b)参照)、発光装飾部下面(第1部位)47cと透明板上縁部(第2部位)53aとの間に指等が挟み込まれた可能性があるため、その場合に実行する第2危険回避処理では単に可動体37を停止させるだけでなく、その前にそれまでとは逆方向(上昇方向)に動作させることで挟み込みを解除可能となっている。一方、可動体37の上昇動作中にタッチセンサ51が接触を検知した場合(図16(a)参照)、指等が挟み込まれた可能性は低く、しかもこの場合は可動体37を逆方向に動作させることで逆に挟み込み等の危険が生じる可能性があるため、その場合に実行する第1危険回避処理では逆方向動作等を行うことなく可動体37を速やかに停止させるようになっている。
また、危険回避処理による可動体37の停止状態は、所定の終了条件が成立したときに解除され、可動体37は動作可能な状態となる。その終了条件は、タッチセンサ51が非検知に切り替わることを含むが、それ以外の条件は任意である。例えば図15、図16の例では、タッチセンサ51が非検知に切り替わった後、所定時間が経過することによって終了条件が満たされるようになっている。この場合、所定時間を0とし、タッチセンサ51が非検知に切り替わった時点で可動体37の動作を再開してもよい。また、タッチセンサ51が非検知に切り替わった後、例えば可動体操作ボタン55の操作による可動体37の動作指示があることによって終了条件が満たされるようにしてもよい。
なお本実施形態では、便宜上、危険回避処理による可動体37の動作制限を、動作制限手段163cによる動作制限に含めていないが、危険回避処理による可動体37の動作制限は、実質的には動作制限手段163cによる遊技動作制限に含まれる。この場合、第1危険回避処理における遊技動作制限開始条件は、上昇動作中における接触検知によって満たされ、第1危険回避処理における遊技動作制限終了条件は、例えばタッチセンサ51が非検知に切り替わった後、所定時間が経過することによって満たされる。また、第2危険回避処理における遊技動作制限開始条件は、下降動作中における接触検知後、逆方向動作が終了することによって満たされ、第2危険回避処理における遊技動作制限終了条件は、例えばタッチセンサ51が非検知に切り替わった後、所定時間が経過することによって満たされる。
画像表示制御手段164は、画像表示手段への画像表示を制御するもので、中央表示制御手段164a、上部表示制御手段164b等を備えている。中央表示制御手段164aは、中央表示手段100への画像表示を制御するもので、所定の演出シナリオに従って中央表示手段100に各種演出画像を表示させるようになっている。また、上部表示制御手段164bは、上部表示手段30への画像表示を制御するもので、所定の演出シナリオに従って上部表示手段30に各種演出画像を表示させるようになっている。
なお本実施形態の場合、可動体37が動作することによって上部表示手段30の有効表示領域35は1画面~2画面の間で可変となっているため(図3,図4参照)、上部表示手段30に表示される画像は、例えば有効表示領域35が2画面の場合には縦長状、1画面の場合には横長状に形成されるなど、その画像が表示されるときの可動体37の動作位置、即ち有効表示領域35の状態に対応して形成されている。
図17は、中央表示手段100による演出図柄130の変動表示中における上部表示手段30による演出の例を示したものである。図17の例では、演出図柄130がリーチ成立前の通常変動中である場合には、図17(a)に示すように可動体37が上限位置に保持されて有効表示領域35が2画面の状態となり、その2画面の有効表示領域35に対応する演出画像が表示される。そして、例えばNリーチ演出時には図17(b1),(b2)のように有効表示領域35は1画面と2画面との何れかとなり、またSPリーチ演出への発展演出時についても図17(c1),(c2)のように有効表示領域35は1画面と2画面との何れかとなり、更にSPリーチ演出時についても図17(d1),(d2)のように有効表示領域35は1画面と2画面との何れかとなり、夫々の有効表示領域35の広さに応じた演出画像が表示される。もちろん、図17は一例であって、例えば有効表示領域35が1画面、2画面以外の例えば1.5画面等の状態で演出画像を表示する場合があってもよい。
なお本実施形態の場合、上述したように遊技者が可動体操作ボタン55を操作することによって、例えば上限位置(遊技位置)にある可動体37を原点位置に移動・待機させることが可能となっている。また可動体37に何らかの外力が加わった場合には、可動体37が本来の位置から下向き或いは上向きにずれてしまう可能性もある。このような場合に表示画像をそのまま上部表示手段30に出力すると、画像の一部が遊技者から見えなくなるなど、画像全体を正しく表示することができないという問題がある。
そこで本実施形態では、可動体37が本来の位置とは異なる位置に存在する場合には、画像をそのときの有効表示領域35に対応するように縮小、拡大、変形、移動等の処理を行った上で上部表示手段30に出力することが可能となっている。
図18(a1)は、可動体37が上限位置にあるときに遊技者が可動体操作ボタン55により「原点待機指示」を行ったことにより、可動体37が原点位置で待機している状態(枠可動体待機状態)を示している。この場合、上部表示手段30に表示される画像は、図18(a2)に示すように、その時点の可動体37の本来の位置(上限位置)に応じて2画面の有効表示領域35に対応しているが、実際の有効表示領域35は1画面の広さとなっているため、そのまま表示すると第1表示手段31に表示される部分(画像の下半分)が隠れてしまう。そこでこの場合、図18(b)に示すように、画像全体がこの1画面の有効表示領域35に収まるように画像を例えば1/2に縮小すると共に、その画像全体が第2表示手段32内に配置されるように移動した上で上部表示手段30に出力する。なお、本実施形態の場合には可動体37が移動しても有効表示領域35の横幅は変化しないため、画像を全体的に縮小するのではなく、上下方向はそのままで上下方向にのみ縮小してもよい。
また、例えば図19(a1)に示すように、可動体37が本来の位置よりも上昇して有効表示領域35が本来よりも広くなった場合、画像を全体的に拡大すると有効表示領域35に収まらないため、例えば図19(b)に示すように画像を有効表示領域35の上下方向中央に移動するか、左右方向はそのままで上下方向に拡大して表示することが可能である。
以下、演出図柄130に関する多数の変動パターンのうち、大当たり変動パターンPA1~PA5,PA1a,PA5aの7種類について、夫々変動終盤における各演出手段の動作を図20~図26に基づいて具体的に説明する。なお、それら7種類の大当たり変動パターンPA1~PA5,PA1a,PA5aでは、何れも遊技者に演出ボタン67の操作を促すボタン演出を実行するようになっている。
大当たり変動パターンPA1の場合、図20に示すように、変動終盤(例えばリーチ後)の所定時点で、ボタン駆動手段69の駆動により演出ボタン67が原点位置である操作位置から非操作位置に移動し(T1a~T1b)、演出ボタン(操作手段)67に関する操作有効期間が開始される。この操作有効期間中(T1b~T1c)は、遊技者に演出ボタン67の押下操作を促すためのボタン押下誘導報知が、例えば中央表示手段100、演出ボタン67のLED70、前枠3のLED26等により行われる。
即ち、例えば中央表示手段100には、演出ボタン67の押下操作を促すボタン押下誘導画像171が表示され、演出ボタン67のLED70は、例えばそれまでの非点灯(消灯)状態から、演出ボタン67の操作が有効であることを示す例えば赤色の単色点灯に移行する。また前枠3のLED26を、例えば図27に示すように上部側から下部側に向けて点灯箇所が移動するボタン押下誘導パターンで点灯させてもよい。
中央表示手段100に表示されるボタン押下誘導画像171は、図20の下部側に示すように、例えば演出ボタン67が押下される様子を示す動画(又は静止画)と「PUSH!」の文字とで構成される。なお中央表示手段100には、操作有効期間の開始前に、操作有効期間の開始を予告する「ボタン押下準備!」等の操作有効期間予告画像172を表示してもよい。
操作有効期間中に演出ボタン67が押下操作されて非操作位置から操作位置に移動すると(T1c)、その時点で操作有効期間は終了する。そして演出ボタン67は、例えばボタン駆動手段69により操作位置に保持されたまま、振動手段68の作動により振動を開始する。また演出ボタン67のLED70は、例えば複数色に変化しつつ点滅するレインボー点滅に移行する。なお、レインボー点灯/点滅はパチンコ機にとって特別な点灯態様であり、外れ変動パターンでは決して出現しないため、遊技者はこのレインボー点滅(又はレインボー点灯)となった時点で大当たりとなることを確信する。一方、枠側の可動体37は、演出ボタン67が押下操作された時点で(T1c)、原点位置である下限位置から上限位置に向けて例えば高速、中速、低速のうちの中速で上昇を開始する。
なお、操作有効期間中に演出ボタン67が操作されなかった場合には、例えばその操作有効期間の終了時に、演出ボタン67が押下操作された場合と同様の処理、即ち可動体37の動作及び演出ボタン67の振動が開始されるが、この場合は演出ボタン67はそのまま非操作位置で待機する。
その後、可動体37の動作開始から所定の動作時間(第1時間)が経過し、可動体37が上限位置に到達して停止すると(T1d)、引き続き盤側の上可動体103a、下可動体104a及び左右の可動体101a,102aが順次移動を開始する。即ち、可動体37が上限位置に到達すると、それと略同時に上可動体103aが原点位置である上位置から下位置に向けて移動を開始し(T1d)、その所定時間後に下可動体104aが原点位置である上位置から下位置に向けて移動を開始し(T1e)、更に所定時間後に左右の可動体101a,102aが夫々原点位置である横位置から例えば下位置に向けて移動を開始する(T1f)。
また、可動体37、上可動体103a、下可動体104a及び左右の可動体101a,102aに夫々設けられたLED48a,107,108,105,106は、各可動体の移動が終了した時点で(T1d,T1f~T1h)、夫々非点灯(消灯)から例えばレインボー点滅に順次移行する。このように大当たり変動パターンPA1では、可動体37の動作中と動作後とでLED48aの点灯態様が異なっている。
なお、可動体37が下限位置から上限位置に移動することによって上部表示手段30の有効表示領域35は1画面から2画面に変化し、上部表示手段30には可動体37の移動前は1画面に対応する演出画像が、移動後は2画面に対応する演出画像が表示されるが、可動体37の移動中についても有効表示領域35の変化に応じた演出画像を表示することが望ましい。また可動体37の移動中に上部表示手段30に表示される演出画像は、キャラクタが可動体37を押し上げる様子を表す画像など、可動体37の動作と関連する画像とすることが望ましい(図20の上部側参照)。
そして、盤側の可動体103a,104a,101a,102aの動作が全て終了した後の所定のタイミングで(T1i)、それまでレインボー点滅であったLED48a,70,105~108が全てレインボー点灯に切り替わると共に、振動手段68による演出ボタン67の振動が終了する。またこのとき、例えば可動体37については引き続き上限位置のまま保持されるが、盤側の可動体103a,104a,101a,102aについては夫々の原点位置に復帰し、待機する。また、操作有効期間中に演出ボタン67が操作されなかった場合については、非操作位置で待機していた演出ボタン67が、例えばボタン駆動手段69により原点位置である操作位置に引き込まれ、その状態で保持される。
その後、演出図柄130が大当たり態様で停止することに基づいて(T1j)、それまでレインボー点灯であったLED48a,70,105~108の点灯態様が全て例えば白色の単色点灯に切り替わる。
このように大当たり変動パターンPA1では、枠側の可動体(第2可動体)37の動作と盤側の上可動体(第1可動体)103aの動作(第1盤側演出)とを連鎖的に行うため(特定演出の一例)、枠側の可動体を用いてより効果的な演出が可能となる。またこのとき、盤側の上可動体(第1可動体)103aは、遊技盤(第1領域)16の中心を基準として、枠側の可動体(第2可動体)37寄りの位置に配置されている。なお、この大当たり変動パターンPA1による演出が、可動体(枠可動体)37の動作時間を第1時間に設定した第1特定演出の一例である。
また図21に示す大当たり変動パターンPA2は、大当たり変動パターンPA1(図20)を一部変更して、可動体37が原点位置である下限位置から上限位置まで、大当たり変動パターンPA1よりも遅い低速で移動するように構成している。また、このように可動体37が低速で移動することにより、可動体37の動作時間(第2時間)は大当たり変動パターンPA1よりも長くなり、可動体37が上限位置に到達し且つLED48aがレインボー点滅を開始するタイミング(T1f)は大当たり変動パターンPA1(T1d)よりも遅くなるが、それ以外は大当たり変動パターンPA1と共通である。そして大当たり変動パターンPA2では、可動体37が上限位置に到達した時点で(T1f)、上可動体103aではなく左右の可動体101a,102aの動作が開始するようになっている。
このように大当たり変動パターンPA2では、可動体37の動作を低速とすることにより、大当たり変動パターンPA1に比べて可動体37の動作終了タイミングを遅らせているが、その可動体37の動作終了タイミングを左右の可動体101a,102aの動作開始タイミングに合わせているため、枠側の可動体(第2可動体)37の動作と盤側の左右の可動体(第1可動体)101a,102aの動作(第2盤側演出)とを連鎖的に行うことができ、枠側の可動体を用いて効果的な演出が可能となる。なお、この大当たり変動パターンPA2による演出が、可動体(枠可動体)37の動作時間を第2時間に設定した第2特定演出の一例である。
また図22に示す大当たり変動パターンPA3は、大当たり変動パターンPA1(図20)を一部変更して、可動体37が原点位置である下限位置から上限位置まで、大当たり変動パターンPA1よりも速い高速で移動するように構成している。また、大当たり変動パターンPA3が大当たり変動パターンPA1と異なるのは、可動体37が原点位置である下限位置から上限位置に向けて上昇を開始するタイミング(T1k)と、可動体37の動作時間(第3時間)のみであり、可動体37が上限位置に到達して停止するタイミング(T1d)を含め、それ以外は大当たり変動パターンPA1(図20)と共通である。よって大当たり変動パターンPA3では、操作有効期間中に演出ボタン67が押下操作されてもその時点(T1c)では可動体37の動作を開始せず、その後の所定のタイミング(T1k)で可動体37の動作を開始し、可動体37が上限位置に到達して停止したときには(T1d)、大当たり変動パターンPA1と同じく上可動体103aの動作を開始するようになっている。
このように大当たり変動パターンPA3では、可動体37の動作を高速とすることにより、大当たり変動パターンPA1に比べて可動体37の動作開始タイミング(枠可動体の動作開始タイミング)を遅らせているが、その可動体37の動作終了タイミングは大当たり変動パターンPA1(第1特定演出)と同じく上可動体103aの動作開始タイミング(盤側演出の実行開始タイミング)に合わせている。これにより、演出ボタン67が操作された時点で可動体37の動作を開始させることはできないが、枠側の可動体(第2可動体)37の動作と盤側の上可動体(第1可動体)103aの動作(第1盤側演出)とを連鎖的に行うため(特定演出の一例)、枠側の可動体を用いの動作とを連鎖的に行うことができ、枠側の可動体を用いて効果的な演出が可能となる。なお、この大当たり変動パターンPA3による演出が、可動体(枠可動体)37の動作時間を第3時間に設定した第3特定演出の一例である。
また図23に示す大当たり変動パターンPA4は、大当たり変動パターンPA1(図20)を一部変更して、可動体37が原点位置である下限位置から上限位置まで、大当たり変動パターンPA1よりも速い高速で移動するように構成している。また、大当たり変動パターンPA4が大当たり変動パターンPA1と異なるのは、可動体37の動作時間(第3時間)とそれに伴う動作終了タイミング(T1l)のみであり、可動体37が原点位置である下限位置から上限位置に向けて上昇を開始するタイミング(T1c)を含め、それ以外は大当たり変動パターンPA1と共通である。よって大当たり変動パターンPA4では、可動体37が上限位置に到達して停止してもその時点(T1l)では盤側の上可動体103aの動作を開始せず、その所定時間経過後(T1d)に上可動体103aの動作を開始するようになっている。
このように大当たり変動パターンPA4では、可動体37の動作を高速とすることにより、大当たり変動パターンPA1に比べて可動体37の動作終了タイミングを早めているため、枠側の可動体37の動作と盤側の上可動体103aの動作とは連鎖的に行われないが、演出ボタン67が操作された時点で可動体37の動作を開始させることが可能である。
また図24に示す大当たり変動パターンPA5は、大当たり変動パターンPA1(図20)等と異なり、盤側の可動体の動作(盤側演出)に続いて枠側の可動体を動作させるように構成している。なお図24に示すように、操作有効期間が終了するまで(T2a~T2c)の各可動体の動作パターン、各LEDの点灯パターン、中央表示手段100への表示画像等については大当たり変動パターンPA1等と共通である。
操作有効期間中に遊技者が演出ボタン67を押下操作すると(T2c)、その時点で操作有効期間は終了し、演出ボタン67のLED70は例えばレインボー点滅に移行し、振動手段68の作動により演出ボタン67が振動を開始する。また、演出ボタン67が押下操作された時点から、盤側の上可動体103a、下可動体104a及び左右の可動体101a,102aが順次移動を開始する。即ち、まず演出ボタン67の押下操作と略同時に上可動体103aが原点位置である上位置から下位置に向けて移動を開始し(T2c)、その所定時間後に下可動体104aが原点位置である上位置から下位置に向けて移動を開始し(T2d)、更にその所定時間後に左右の可動体101a,102aが夫々原点位置である横位置から例えば下位置に向けて移動を開始する(T2e)。
そして、左右の可動体101a,102aが下位置に到達して停止すると、引き続き枠側の可動体37が原点位置である下限位置から上限位置に向けて例えば中速で上昇を開始する(T2g)。また、可動体37が上昇動作を開始する前、中央表示手段100では可動体37の動作に関連する枠可動体動作前演出画像(特定画像)173が表示され、この枠可動体動作前演出画像173の表示と可動体37の動作とが連鎖的に行われるようになっている。枠可動体動作前演出画像173は、可動体37の上昇動作に違和感なく繋がる内容の動画像で、図24の下部側に示すように、例えば所定のキャラクタが可動体37に向かって上昇してフレームアウトするように構成されている。
なお、可動体37が動作する際には、上部表示手段30に、可動体37の動作と関連し且つ枠可動体動作前演出画像173の後に違和感なく繋がる枠可動体動作時演出画像174を表示してもよい。枠可動体動作時演出画像174は、例えば図24の上部側に示すように、中央表示手段100の画面からフレームアウトしたキャラクタが上向きにフレームインし、可動体37を押し上げる様子を示す動画像となっている。
また、例えば中央表示手段100による枠可動体動作前演出画像173の表示中、可動体37の上昇動作中、或いはそれら両期間中に、前枠3のLED26を、例えば図28に示すように下部側から上部側に向けて点灯箇所が移動する上昇パターンで点灯させてもよい。
また、盤側の可動体103a,104a,101a,102a及び枠側の可動体37に夫々設けられたLED107,108,105,106,48aは、各可動体の移動が終了した時点で(T2e~T2h)、夫々非点灯(消灯)から例えばレインボー点滅に順次移行する。なお、可動体37が上限位置に到達することによって上部表示手段30の有効表示領域35の広さは最大(2画面)となるが、その最大広さとなった上部表示手段30には任意の演出画像が表示される。
また、例えば可動体37が上限位置に到達して停止したときに(T2h)、盤側の可動体103a,104a,101a,102aは夫々の原点位置に向けて移動を開始する。そして、例えばそれら盤側の可動体103a,104a,101a,102aが夫々の原点位置に到達して停止したとき(T2i)、又はその後の所定のタイミングで、それまでレインボー点滅であったLED48a,70,105~108が全てレインボー点灯に切り替わると共に、振動手段68による演出ボタン67の振動が終了する。また、操作有効期間中に演出ボタン67が操作されなかったことにより非操作位置で待機していた演出ボタン67は、例えばボタン駆動手段69により原点位置である操作位置に引き込まれ、その状態で保持される。
その後、演出図柄130が大当たり態様で停止することに基づいて(T2j)、それまでレインボー点灯であったLED48a,70,105~108の点灯態様が全て例えば白色の単色点灯に切り替わる。
このように大当たり変動パターンPA5では、盤側の可動体(第1可動体)101a,102aの動作と枠側の可動体(第2可動体)37の動作とを連鎖的に行い、また盤側の中央表示手段(第1演出手段)100による枠可動体動作前演出画像(第2可動体の動作と関連する特定画像)173の表示と枠側の可動体(第2可動体)37の動作とを連鎖的に行うため、枠側の可動体を用いてより効果的な演出が可能となる。またこのとき、枠可動体動作前演出画像(第2可動体の動作と関連する特定画像)173は、盤側の中央表示手段(第1演出手段)100の中心を基準として、枠側の可動体(第2可動体)37寄りの位置に表示することが望ましい。
また、図25,図26に示す大当たり変動パターンPA1a,PA5aは、可動体37の動作を行わない場合の大当たり変動パターンPA1,PA5(図20,図24)の変形例を示している。大当たり変動パターンPA1,PA5に代えて大当たり変動パターンPA1a,PA5aが用いられるのは、動作制限期間中、及び可動体操作ボタン55の操作に基づく枠可動体待機状態中である。大当たり変動パターンPA1a,PA5aが大当たり変動パターンPA1,PA5と異なるのは、可動体37の動作パターンのみである。
即ち、大当たり変動パターンPA1a,PA5aの場合、可動体37は原点位置である下限位置に保持されたまま一切動作しないが、その他の可動体の動作パターンやLEDの点灯パターンについては全て大当たり変動パターンPA1,PA5と共通となっている。
従って、図25に示す大当たり変動パターンPA1aの場合、操作有効期間中に演出ボタン67が押下操作されても可動体37は動作しないが、可動体37のLED48aについては、大当たり変動パターンPA1と同様、上可動体103aの動作開始時に非点灯(消灯)からレインボー点滅に移行し(T1d)、その後の所定のタイミングでレインボー点灯に移行し(T1i)、更に演出図柄130の停止時に白色点灯に移行する(T1j)。
また、図26に示す大当たり変動パターンPA5aの場合も同様に、操作有効期間中に演出ボタン67が押下操作されても可動体37は動作しないが、可動体37のLED48aについては、大当たり変動パターンPA5と同様、盤側の可動体103a,104a,101a,102aが全て動作した後の所定のタイミングで非点灯(消灯)からレインボー点滅に移行し(T2h)、その後に盤側の可動体103a,104a,101a,102aが全て原点位置に復帰した時点でレインボー点灯に移行し(T2i)、更に演出図柄130の停止時に白色点灯に移行する(T2j)。なお大当たり変動パターンPA5aの場合、可動体37は動作しないが、可動体37の動作に関連する枠可動体動作前演出画像173及び枠可動体動作時演出画像174の表示については、大当たり変動パターンPA5と同様に実行されるようになっている。
このように、可動体37の動作制限期間中や可動体操作ボタン55の操作に基づく枠可動体待機状態中であることを理由に可動体37が動作しない場合であっても、可動体37のLED48aによる発光演出は実行するように構成してもよい。これにより、可動体37の非動作状態においても演出効果の低下を抑制できる。
なお、可動体37の動作制限期間中や可動体操作ボタン55の操作に基づく枠可動体待機状態中であることを理由に可動体37が動作しない場合には、中央表示手段100への枠可動体動作前演出画像173の表示と上部表示手段30への枠可動体動作時演出画像174の表示とを共に実行しないようにしてもよいし、中央表示手段100への枠可動体動作前演出画像173の表示は実行するが上部表示手段30への枠可動体動作時演出画像174の表示は実行しないようにしてもよい。また、上部表示手段30に、動作制限期間中や枠可動体待機状態中でないとき(大当たり変動パターンPA1,PA5)と同じ演出画像を表示する場合には、例えば図18で説明したように演出画像に対して縮小、移動等の処理を行った上で上部表示手段30に出力してもよい。また、動作制限期間中や枠可動体待機状態中でないとき(大当たり変動パターンPA1,PA5)とは異なる演出画像を上部表示手段30に表示するように構成してもよいし、動作制限期間中や枠可動体待機状態中は上部表示手段30に演出画像を表示しないように構成してもよい。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機は、透明性を有する平面状のガラス板71aと、ガラス板71aを介して視認可能な第1領域と、ガラス板71aを介することなく視認可能な第2領域と、第1領域に配置した複数の第1演出手段と、第2領域に配置した複数の第2演出手段とを備え、複数の第1演出手段と複数の第2演出手段との少なくとも一方は可動体37,101a~104aを含み、第1演出手段による第1演出と第2演出手段による第2演出とを連鎖的に行う特定演出を実行可能とし、特定演出を、可動体37,101a~104aの動作を伴う演出としている。
また、複数の第1演出手段は可動体(第1可動体)101a~104aを含み、複数の第2演出手段は可動体(第2可動体)37を含み、特定演出では、可動体(第1可動体)101a~103aの動作と可動体(第2可動体)37の動作との何れか一方の実行に続いて他方を実行するようになっている。そして、特定演出に用いられる可動体(第1可動体)103aを、第1領域の中心を基準として、特定演出に用いられる可動体(第2可動体)37寄りの位置に配置している。
また、複数の第1演出手段は中央表示手段(画像表示手段)100を含み、複数の第2演出手段は可動体(第2可動体)37を含み、中央表示手段(画像表示手段)100は、可動体(第2可動体)37の動作と関連する枠可動体動作前演出画像(特定画像)173を表示可能であり、特定演出では、中央表示手段(画像表示手段)100による枠可動体動作前演出画像173の表示に続いて可動体37の動作を実行するようになっている。このとき、特定演出に用いられる枠可動体動作前演出画像173を、中央表示手段100の中心を基準として、特定演出に用いられる可動体37寄りの位置に表示することが望ましい。
また、前側に遊技領域23を有する遊技盤16と、遊技盤16を着脱自在に支持する前枠3と、前枠3に設けた枠可動体と、遊技盤16に設けた盤演出手段100,101a~104aとを備え、枠可動体37の動作と盤演出手段100,101a~104aによる盤側演出とを連鎖的に行う特定演出を実行可能とし、枠可動体37に枠可動発光体48aを設け、特定演出における枠可動体37の動作中と動作後とで枠可動発光体48aの点灯態様を異ならせている。
また、前枠3に、遊技者が操作可能な演出ボタン(操作手段)67を設け、操作有効期間中に演出ボタン67が操作されたときに、枠可動体37の動作と盤側演出との何れか一方を実行するようになっている。
また、枠可動体37が原点位置にない状態で可動体操作ボタン55が操作された場合(所定操作入力があった場合)、枠可動体37を原点位置まで移動した後、該原点位置で待機させる枠可動体待機状態に移行するように構成し、枠可動体待機状態中に特定演出の実行時期が到来した場合、該特定演出における枠可動体37の動作は実行しないようになっている。
またこのとき、枠可動体待機状態中に特定演出の実行時期が到来した場合、特定演出における枠可動体37の動作は実行しないが枠可動発光体48aは所定点灯態様で点灯させてもよいし、特定演出における枠可動体37の動作は実行せず、枠可動発光体48aは点灯させないようにしてもよいし、特定演出における枠可動体37の動作は実行しないが枠可動発光体48aは所定点灯態様とは異なる点灯態様で点灯させてもよい。
また、特定演出として、枠可動体37の動作時間が第1時間に設定された第1特定演出と、動作時間が第1時間よりも長い第2時間に設定された第2特定演出とがあり、盤側演出は、可動体103aを動作させる第1盤側演出と、第1盤側演出よりも後に実行し且つ可動体101a,102aを動作させる第2盤側演出とを含み、第1特定演出では枠可動体37の動作に続いて第1盤側演出を実行し、第2特定演出では枠可動体37の動作に続いて第2盤側演出を実行するようになっている。
また、特定演出として、枠可動体37の動作時間が第1時間に設定された第1特定演出と、動作時間が第1時間よりも短い第3時間に設定された第3特定演出とがあり、第1特定演出と第3特定演出とは、盤側演出の実行開始タイミングは略同じで、その前に実行する枠可動体37の動作開始タイミングが異なっている。
また、特定演出として、枠可動体37の動作時間が第1時間に設定された第1特定演出と、動作時間が第1時間よりも短い第3時間に設定された第3特定演出とがあり、第1特定演出では枠可動体37の動作に続いて盤側演出を実行し、第1特定演出と第3特定演出とは、盤側演出の実行開始タイミングとその前に実行する枠可動体37の動作開始タイミングとは略同じで、第1特定演出では枠可動体37の動作に続いて盤側演出を実行するのに対し、第3特定演出では枠可動体37の動作終了から所定時間経過後に盤側演出を実行するようになっている。
また、遊技者が接触可能な可動体37と、可動体37を少なくとも下限位置(第1位置)と上限位置(第2位置)との間で駆動可能な駆動手段33と、可動体37に対する接触を検知可能なタッチセンサ(接触検知手段)51とを備え、可動体37の動作中にタッチセンサ51が接触を検知した場合、可動体37の動作を制限する危険回避処理を実行可能となっている。この危険回避処理は、タッチセンサ51が接触を検知した場合に、可動体37を速やかに停止させる第1危険回避処理を含み、可動体37の上昇動作中(第1位置から第2位置への動作中)にタッチセンサ51が接触を検知した場合は第1危険回避処理を実行するようになっている。
また、危険回避処理は、可動体37を、動作中であった進行方向とは逆方向に所定量動作させてから当該所定量動作させた位置で停止させる第2危険回避処理を含み、可動体37の下降動作中(第2位置から第1位置への動作中)にタッチセンサ51が接触を検知した場合は第2危険回避処理を実行するようになっている。
また、可動体37側の発光装飾部47の下面(第1部位)47cと、移動しない上装飾カバー(ベース体)28側の透明板53の上縁部(第2部位)53aとが互いに対向し、可動体37が下限位置(第1位置)側に移動するにつれて発光装飾部47の下面(第1部位)47cと透明板53の上縁部(第2部位)53aとの距離が小さくなるように構成し、可動体37側の発光装飾部47の下面(第1部位)47cにタッチセンサ51の電極(検知部)52bを配置している。また、タッチセンサ51が接触を検知している状態では可動体37の動作を開始しないようになっている。
また、可動体37の動作中にタッチセンサ(接触検知手段)51が接触を検知した場合、可動体37の動作制限を伴う第2危険回避処理を実行可能となっている。そして、可動体37の下降動作中(第2位置から第1位置への動作中)にタッチセンサ51が接触を検知した場合には第2危険回避処理を実行するが、可動体37の上昇動作中(第1位置から第2位置への動作中)にタッチセンサ51が接触を検知した場合には第2危険回避処理を実行しないようになっている。また、可動体37の上昇動作中(第1位置から第2位置への動作中)にタッチセンサ51が接触を検知した場合、第2危険回避処理とは異なる第1危険回避処理を実行するようになっている。
また、駆動手段33の駆動により動作可能な一又は複数の可動体37と、遊技者が操作可能な操作手段55と、可動体37を動作させる動作実行手段163a,163bとを備え、動作実行手段163a,163bは、遊技進行中における所定の演出動作タイミングで可動体37を動作させる遊技動作実行手段163aと、操作手段55の操作に応じて任意の動作可能タイミングで可動体37を動作させる任意動作実行手段163bとを備え、遊技動作実行手段163aは、遊技動作制限開始条件が満たされた場合、遊技動作制限終了条件が満たされるまでの遊技動作制限期間中は、演出動作タイミングが到来しても可動体37の動作を制限し、任意動作実行手段163bは、任意動作制限開始条件が満たされた場合、任意動作制限終了条件が満たされるまでの任意動作制限期間中は、該任意動作制限期間中ではない場合における動作可能タイミングが到来しても可動体37の動作を制限し、任意動作制限開始条件は、遊技動作制限開始条件とは異なる条件を少なくとも一つ含んでいる。また、任意動作制限開始条件を、任意動作実行手段163bによる可動体37の動作回数で規定している。
また、任意動作制限期間中であり且つ遊技動作制限期間中でない場合、遊技動作実行手段163aによる可動体37の動作は制限されないが、遊技動作制限期間中であり且つ任意動作制限期間中でない場合、任意動作実行手段163bによる可動体37の動作は制限されるようになっている。また、任意動作制限期間中は可動体37を下限位置(所定の原点位置)に保持するようになっている。
また、前側に遊技領域23を有する遊技盤16と、遊技盤16を着脱自在に支持する本体枠6とを備え、可動体37は本体枠6に設けた枠可動体を含んでいる。
図29は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、可動体37の動作中は振動手段68を作動させないように構成した例を示している。一例として、大当たり変動パターンPA1′の構成を図29に示す。この大当たり変動パターンPA1′は、第1の実施形態における大当たり変動パターンPA1(図20)を一部変更したものである。図29に示す大当たり変動パターンPA1′が大当たり変動パターンPA1(図20)と異なるのは、振動手段68の作動開始タイミングのみである。
即ち、図20に示す大当たり変動パターンPA1では、操作有効期間中に演出ボタン67が操作されたとき(T1c)、即ち可動体37が動作を開始するときに振動手段68の作動を開始しているのに対し、図29に示す大当たり変動パターンPA1′では、可動体37が動作を開始する時点(T1c)では振動手段68の作動を開始せず、可動体37が上限位置に到達して停止した時点(T1d)で振動手段68の作動を開始するようになっている。このように構成することにより、振動手段68による振動が可動体37の動作に影響する可能性を排除できる。
第1の実施形態におけるその他の変動パターンPA2等についても同様に、例えば可動体37の動作終了後に振動手段68を作動させるように構成してもよい。なお、振動手段68の作動開始タイミングは可動体37の動作終了と同時でなくてもよい。また、可動体37の動作開始前に振動手段68を作動させてもよい。例えば第1の実施形態における大当たり変動パターンPA3(図22)であれば、操作有効期間中に演出ボタン67が操作されたときに振動手段68の作動を開始し、その後に可動体37が動作を開始する時点で振動手段68の作動を終了してもよい。
図30は本発明の第3の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、可動体37の動作制限期間中や可動体操作ボタン55の操作に基づく枠可動体待機状態中におけるLED48aの点灯態様を、動作制限期間中等でない場合とは異ならせた例を示している。一例として、大当たり変動パターンPA1bの例を図30に示す。この大当たり変動パターンPA1bは、第1の実施形態における大当たり変動パターンPA1a(図25)を一部変更したものである。図30に示す大当たり変動パターンPA1bが大当たり変動パターンPA1a(図25)と異なるのは、可動体37に設けられたLED48aの点灯態様のみである。
即ち、大当たり変動パターンPA1a(図25)では、可動体37のLED48aは、動作制限期間中でないときの大当たり変動パターンPA1(図20)と同じタイミングで点灯し、その点灯態様も同じであるのに対し、本実施形態の大当たり変動パターンPA1b(図30)では、可動体37のLED48aは、動作制限期間中等でないときの大当たり変動パターンPA1(図20)と同じタイミングで点灯はするものの、その点灯態様は異なっており、例えば盤側の上可動体103aの動作開始時(T1d)に点灯した後、図柄変動終了まで例えば白色の単色点灯を継続するようになっている。もちろんこの点灯態様は動作制限期間中等でないときと異なっていればよく、白色点灯以外でもよい。
図31は本発明の第4の実施形態を例示し、第3の実施形態を一部変更して、可動体37の動作制限期間中や可動体操作ボタン55の操作に基づく枠可動体待機状態中におけるLED48aの点灯開始タイミングと点灯態様との両方を、動作制限期間中等でない場合とは異ならせた例を示している。一例として、大当たり変動パターンPA1cの構成を図31に示す。この大当たり変動パターンPA1cは、第3の実施形態における大当たり変動パターンPA1b(図30)を一部変更したものである。図31に示す大当たり変動パターンPA1cが大当たり変動パターンPA1b(図30)と異なるのは、可動体37に設けられたLED48aの点灯開始タイミングのみである。
即ち、大当たり変動パターンPA1b(図30)では、可動体37のLED48aは、動作制限期間中等でないときの大当たり変動パターンPA1(図20)と同じタイミング(T1d)で点灯し、その点灯態様は動作制限期間中等でないときとは異なる白色点灯であるのに対し、本実施形態の大当たり変動パターンPA1c(図31)では、動作制限期間中は例えば白色の単色点灯を継続するようになっている。もちろんこの点灯態様は動作制限期間中でないときと異なっていればよく、白色点灯以外でもよい。
図32は本発明の第5の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、可動体37の動作制限期間中や可動体操作ボタン55の操作に基づく枠可動体待機状態中は、可動体37を動作させないだけでなくLED48aも点灯させないように構成した例を示している。一例として、大当たり変動パターンPA1dの例を図32に示す。この大当たり変動パターンPA1dは、第1の実施形態における大当たり変動パターンPA1a(図25)を一部変更したものである。図32に示す大当たり変動パターンPA1dが大当たり変動パターンPA1a(図25)と異なるのは、可動体37に設けられたLED48aの点灯態様のみである。即ち、図32に示す大当たり変動パターンPA1dでは、動作制限期間中は非点灯(消灯)状態を維持するようになっている。
図33及び図34は本発明の第6の実施形態を例示し、第1~第5の実施形態を一部変更して、第2危険回避処理の実行条件を限定した例を示している。本実施形態が第1~第5の実施形態と異なるのは各危険回避処理の実行条件のみである。即ち図33に示すように、本実施形態では、可動体37の上昇動作中にタッチセンサ51が接触を検知した場合には第1~第5の実施形態と同様に第1危険回避処理を実行するが、可動体37の下降動作中にタッチセンサ51が接触を検知した場合であっても、そのときの可動体37の位置が原点位置から所定距離(例えば30mm)の特定範囲内でなければ上昇動作中と同様に第1危険回避処理を実行し、特定範囲内である場合に限って第2危険回避処理を実行するようになっている(図34)。
なお、可動体37が特定範囲内を動作中であるか否かは、原点位置検出手段45又は上限位置検出手段46がOFFになった後の駆動手段33のステップ数に基づいて判定してもよいし、特定範囲に対応する位置に別途センサを設け、そのセンサの検出信号に基づいて判定してもよい。
このように、可動体37の下降動作中にタッチセンサ51により接触が検知された場合であっても、それが実際に指等を挟み込む可能性の高い特定範囲内でなければ、第2危険回避処理ではなく第1危険回避処理を実行するように構成してもよい。
なお、上面47b側の電極52aへの接触と下面47c側の電極52bへの接触とを識別可能に構成し、電極52a側で接触を検知した場合には第1~第5の実施形態と同様に第1危険回避処理を実行するが、電極52b側で接触を検知した場合であっても、そのときの可動体37の位置が特定範囲内でなければ、電極52a側で接触を検知した場合と同様に第1危険回避処理を実行し、特定範囲内である場合に限って第2危険回避処理を実行するように構成してもよい。
図35及び図36は本発明の第7の実施形態を例示し、第6の実施形態を一部変更して、タッチセンサによる接触検知を条件としない通常危険回避処理を実行可能に構成した例を示している。本実施形態が第6の実施形態と異なるのは、危険回避処理として第1,第2危険回避処理の他に通常危険回避処理を設けた点のみである。
通常危険回避処理は、可動体37を所定位置で一時停止させるもので、図35に示すように、実行条件にはタッチセンサ51による接触検知が含まれておらず、可動体37が下降動作中に所定位置に到達したときに実行するようになっている(図36)。この場合の所定位置は、指等を挟み込む可能性の高い特定範囲の開始位置(例えば原点位置から30mmの位置)又はその手前に設定することが望ましい。
このように可動体37を所定位置で一時停止させることで、遊技者に注意を促すとともに、挟み込みを避けるための時間的猶予を与えることができる。
なお、第1~第5の実施形態に本実施形態の通常危険回避処理を追加してもよい。また、第1,第2危険回避処理を実行せず(即ち可動体37への接触を検知するタッチセンサを設けず)、通常危険回避処理のみを実行するように構成してもよい。
図37は本発明の第8の実施形態を例示し、第1~第7の実施形態を一部変更して、任意動作制限期間の開始/終了条件を可動体動作タイマに基づいて規定した例を示している。本実施形態が第1~第7の実施形態と異なるのは、任意動作制限期間の開始/終了条件のみである。
図37に示すように、本実施形態における任意動作制限開始条件は、可動体動作タイマの値が第1閾値(例えば60秒に対応する値)以上となることによって満たされ、また任意動作制限終了条件は、可動体動作タイマの値が第2閾値(例えば0)以下となることによって満たされる(但し0≦第2閾値<第1閾値)。ここで、可動体動作タイマは、可動体37の動作中にその経過時間に応じた値が加算され、また可動体37の停止中にその経過時間に応じた値が減算されるようになっている。第2閾値が0以外の値に設定される場合、任意動作制限期間の終了条件が満たされた時点で可動体動作タイマをクリアすることが望ましい。なお、可動体動作タイマの加算は、任意動作実行手段163bによる動作中のみ行い、遊技動作実行手段163aによる動作中は行わないようにしてもよい。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば実施形態では、枠可動体(可動体37及び演出ボタン67)を昇降可能に設けた例を示したが、枠可動体の動作は任意であり、例えば前後、左右等の所定方向への平行移動、任意の軸廻りの回転移動、或いはそれらを組み合わせた動作を実行可能としてもよい。また、実施形態では枠可動体の一例である可動体37に第1表示手段31を搭載した例を示したが、表示手段を搭載しない枠可動体を設けてもよい。
実施形態では、可動体操作ボタン55の操作タイミングに応じて、指示内容が「原点待機指示」と「遊技位置復帰指示」との何れであるかを自動的に判断するように構成したが、遊技者側が指示内容を主体的に選択可能となるよう、例えば第1(上昇)指示用と第2(下降)指示用の2つの操作手段を設けるなど、複数種類の指示内容に対応して複数の操作手段を設けてもよいし、例えば1回押しを第1(上昇)指示用、長押しを第2(下降)指示用とするなど、複数種類の指示内容に応じて操作入力態様を異ならせてもよい。
実施形態では、可動体37の移動距離は同じで移動速度を異ならせることによって可動体37の動作時間を異ならせた例を示したが、可動体37の移動速度は同じで移動距離を異ならせることによって可動体37の動作時間を異ならせてもよい。
実施形態では、可動体37の上昇及び下降動作の両方に対応してそれら各動作方向の前側に対応する発光装飾部上面47bと発光装飾部下面47cとの両方にタッチセンサの電極を配置した例を示したが、可動体の動作方向の前側に対応する面(実施形態では発光装飾部上面47b及び下面47c)のうち、挟み込みの可能性がある面(実施形態では発光装飾部下面47c)には電極を設け、挟み込みの可能性がない(又は可能性が低い)面(実施形態では発光装飾部上面47b)には電極を設けなくてもよい。
可動体の全ての動作(例えば上昇と下降)中に挟み込みの可能性がある場合、何れの動作中にタッチセンサが接触を検知した場合も第2危険回避処理を実行するようにしてもよいし、全ての動作における各特定範囲内(夫々挟み込みの可能性が高い動作範囲内)でタッチセンサが接触を検知した場合に第2危険回避処理を実行し、それ以外の範囲内で接触を検知した場合には第1危険回避処理を実行するように構成してもよい。
実施形態では、タッチセンサの電極を可動体37側に設けたが、タッチセンサの電極は可動体37の対向面側、即ち透明板上縁部53a側に設けてもよいし、互いに対向する両面、即ち発光装飾部下面47cと透明板上縁部53aとの両方に設けてもよい。
実施形態では、図8,図9に示すように、発光装飾部下面47cに設けた電極52bの後側に導通接続部50を配置したが、発光装飾部47内にリード線を配置し、発光装飾部下面47cを板厚方向に貫通するように電極52bとリード線とを導通させてもよい。
可動体37等の枠可動体が動作する際の動作パターンを複数種類の中から選択できるように構成してもよい。この動作パターンの選択方法は任意である。例えば客待ち中等に表示可能なメニュー画面において遊技者が動作パターンを選択できるようにしてもよいし、電源投入時に所定操作を行うことで設定モードに移行する場合に、その設定モードにおいてホール担当者が動作パターンを選択できるようにしてもよい。遊技者等が動作パターンを選択可能とする場合、その動作パターン毎に、枠可動体に設けた発光手段の発光パターンを異ならせてもよい。以上は盤可動体についても同様である。
例えば大当たり遊技後に高確率状態となる確変大当たりの場合には枠可動体を動作させ又は大きく動作させ、大当たり遊技後に低確率状態となる通常大当たりの場合には枠可動体を動作させず又は小さく動作させる等、枠可動体の動作を、利益状態の種類に応じて異ならせてもよい。
演出ボタン67の振動パターンを複数設け、それら振動パターンに応じて他の演出手段による演出態様を異ならせてもよい。例えば短時間振動のときは画像表示演出を行わず、長時間振動のときは画像表示演出を行うようにしてもよいし、短時間振動のときは演出ボタン67のLED70による発光演出を行わず、長時間振動のときは演出ボタン67のLED70による発光演出を行うようにしてもよい。また、演出ボタン67の振動(例えば短時間振動)が終了した後で演出ボタン67に関する操作有効期間を開始するようにしてもよい。
第1領域に配置する第1演出手段は、可動体、LED、画像表示手段に限られるものではなく、スピーカ、振動手段等を配置してもよい。また第2領域に配置する第2演出手段についても、可動体、LED、画像表示手段に限られるものではなく、振動手段等を配置してもよい。
第1の実施形態の図24では、盤演出手段100による枠可動体動作前演出画像173の表示に続いて可動体37の動作を実行する例を示したが、可動体37の動作に続いて盤演出手段100による枠可動体動作後演出画像の表示を実行するようにしてもよい。例えば、可動体37による上限位置から下限位置への移動に引き続いて、その可動体37の動作に関連する枠可動体動作後演出画像を連鎖的に表示することが考えられる。
実施形態で示した危険回避処理では、動作制限の一例として可動体37を停止させるように構成したが、停止以外の動作制限、例えば減速や所定の退避位置への退避、或いはそれらの組み合わせを採用してもよい。
実施形態では、可動体37の上昇動作中(下限位置から上限位置への動作中)は第1危険回避処理を実行するように構成したが、可動体37の上昇動作中等、指等を挟み込む可能性が低い動作中については危険回避処理を実行しないようにしてもよい。
実施形態の第1危険回避処理では、可動体37を速やかに停止させるものとしたが、例えば可動体37を減速させる等、停止以外の動作制限を行うように構成してもよい。
また、第1危険回避処理と第2危険回避処理とで動作制限の種類を同一とし、動作制限の程度を異ならせてもよい。例えば、第1危険回避処理では1秒停止、第2危険回避処理ではそれよりも長い3秒停止としてもよいし、第1危険回避処理では緩やかに減速して停止し、第2期見解非処理では速やかに停止させてもよい。
危険回避処理を実行する際に、音声、液晶、ランプ等により警告報知を行うようにしてもよい。この場合、警告報知の種類や程度を第1危険回避処理と第2危険回避処理とで異ならせてもよい。例えば第1危険回避処理と第2危険回避処理とで同種類の警告報知を行うが、第1危険回避処理に比べて第2危険回避処理の報知の程度を大きく(例えば音量が大、警告表示の大きさが大、ランプの数や光量が大など)してもよいし、例えば第1危険回避処理では液晶による警告表示を行い、第2危険回避処理では液晶による警告表示に加えて音声による警告を行うようにしてもよい。
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機、スロットマシン等の各種遊技機において同様に実施することが可能である。
図38は、実施形態で示した可動表示装置29をスロットマシンに搭載した例を示している。図38のスロットマシンでは、前扉181の上下方向略中央に、透明性を有する平面状のガラス板が装着された中央表示窓183が設けられており、このガラス板を介して視認可能な第1領域に、図柄表示リール182a~182c等の第1演出手段が配置されている。なお、第1領域に配置される第1演出手段としては、画像表示手段、可動体、LED、スピーカ、振動手段等が考えられる。またその場合の可動体は、リールの他、画像表示手段の前側に配置される可動体でもよい。また、例えば中央表示窓183の上側には可動表示装置29が配置されている。この可動表示装置29が、ガラス板を介することなく視認可能な第2領域に配置された第2演出手段の一例である。もちろん、第2演出手段は画像表示手段、可動体、LED、スピーカ、振動手段等、どのようなものでもよい。この図38に示すスロットマシンには、上述した実施形態で示した各構成(パチンコ機に特有の構成を除く)を適用可能である。
なお、「平面状のガラス板」について補足すると、「ガラス板」とは必ずしも「ソーダ石灰ガラス(一般的な落とせば割れるようなガラス)」に限られるわけではない。強化ガラスや防弾ガラス、合わせガラスやアクリルガラスなど様々な素材でできているガラスを含む。また、これ以外にもPC樹脂(ポリカーボネイト:熱可塑性プラスチック)やABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂)などの樹脂製品もこの「ガラス板」の範疇としても良い。
いずれにしても「平面状のガラス板」は、対象物(液晶表示器、可動体、その他遊技に使用される部材、部品、製品)に遊技者が直接触れることができないようにする「保護部材」であり、かつ、対象物を遊技者が視認可能とする「目隠し部材ではない」という共通点を有していればよい。したがって、その共通点を逸脱しなければ、「平面状のガラス板」を「透明性を有する部材」または「透光性を有する部材」という表現や、「保護カバー」、「(ケーシングされている場合)保護ケース」などの表現に置き換えても良いし、置き換えなくてもそれらの意味を含むものと解釈してもよい。
なお、「平面状の」という表現についても、必ずしも一切の湾曲部、屈曲部、凹凸部を含まないもののみを指すのではない。上述の通り、素材によっては様々な加工が可能であるため、全体的に緩やかに湾曲していたり、左右端部および/または上下端部に屈曲部を有していたり、成形工程でできる痕跡(例えば圧縮成形であればゲートの痕跡やイジェクトピンの痕跡など)があったり、組み立てや取付けの際の位置決め用の穴であったり、その他様々な理由で設けられた凹凸部等を含んでいてもよい。例えば、視認性を極力阻害したくない部分(およびその近辺)は平面状として視認性の低下を抑制し、その他の部分についてはその他の理由(装飾性、取付け容易性の向上等)によって異なる形状としてもよい。この場合、表現としては「少なくとも一部に平面領域を有する透明部材」などとしてもよい。
また、透明性を有するのはガラス板全体でなくてもよく、その一部に透明性を有しない薄いシートやフィルムが貼り合わせられ、裏面側に配置された対象物を視認不能とする領域があってもよい。この場合、表現としては「少なくとも一部に非透明領域を有する透明部材」や「少なくとも一部に透明領域を有する保護カバー」などとしてもよい。
そして、「平面状のガラス板」は部品単位として1つのものを指すものであっても良いし、部品単位としては2以上の部品の集合体(ユニット)で、役割として1つのもの(例えばガラスユニット)を指すものであっても良い。ガラスユニットの場合、当然ながら透明領域は有するとして、それ以外にそのガラスを支持する支持部(補強部)であったり、遊技機本体側に取り付ける取付け部であったり、その他軸部や係止部やロック部等を備えていても良い。そしてパチンコ遊技機における前枠部までこのガラスユニットの範疇に含むとするのであれば、さらに装飾部や発光部、発声部等を備えていても良い。